(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-17
(45)【発行日】2025-01-27
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 16/9032 20190101AFI20250120BHJP
G06F 16/908 20190101ALI20250120BHJP
G06Q 10/1053 20230101ALI20250120BHJP
【FI】
G06F16/9032
G06F16/908
G06Q10/1053
(21)【出願番号】P 2024167296
(22)【出願日】2024-09-26
【審査請求日】2024-11-06
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523268321
【氏名又は名称】株式会社フォワード
(74)【代理人】
【識別番号】110002435
【氏名又は名称】弁理士法人井上国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】名古屋 考平
【審査官】板垣 有紀
(56)【参考文献】
【文献】特許第7349219(JP,B1)
【文献】国際公開第2023/080005(WO,A1)
【文献】韓国登録特許第10-1964632(KR,B1)
【文献】特許第7350206(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
G06F 16/00 - 16/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
求人媒体毎に、該求人媒体のウェブサイトからネットワーク又は人力によるアクセスを介して求職者情報の原データを取得して求職者情報原データベースに格納する求職者情報取得部と、
前記求人媒体毎に、前記求職者情報原データベースに格納された前記求職者情報の原データ毎に、1つ以上の第1のメタデータの第1の抽出を指示する1つ以上の第1の抽出指示用プロンプトと、該求職者情報の原データのテキストデータを含む第1の入力プロンプトと、を含む第1の問合せデータを生成し、該第1の問合せデータによって第1の生成的人工知能システムに問合せを行うことにより、該求職者情報の原データのテキストデータが1つ以上の前記第1のメタデータの夫々に分類整形された第1の応答テキストデータを取得し、該第1の応答テキストデータ中の前記第1のメタデータの夫々に分類整形されたテキストデータを前記第1のメタデータの夫々に対応する各データベースフィールドの各値として有する整形済み求職者情報の新規レコードを整形済み求職者情報データベースに格納する求職者情報整形部と、
前記求人媒体毎に、1つ以上の第2のメタデータの第2の抽出を指示する1つ以上の第2の抽出指示用プロンプトと、入力される求人票データのテキストデータを含む第2の入力プロンプトと、を含む第2の問合せデータを生成し、該第2の問合せデータによって第2の生成的人工知能システムに問合せを行うことにより、前記求人票データのテキストデータが前記整形済み求職者情報データベースの前記データベースフィールドの何れか1つ以上に対応する1つ以上の前記第2のメタデータの夫々に分類された第2の応答テキストデータを取得する検索条件取得部と、
前記求人媒体毎に、前記検索条件取得部で取得された前記第2の応答テキストデータ中の1つ以上の前記第2のメタデータの夫々に対応するテキストデータを該第2のメタデータに対応する前記整形済み求職者情報データベース中のデータベースフィールドに対する検索キーワードとして指定する検索条件問合せを生成し、該検索条件問合せに合致する前記整形済み求職者情報のレコードを前記整形済み求職者情報データベースから抽出し、該整形済み求職者情報に対応する前記求職者情報の原データを前記求職者情報原データベースから抽出する求職者情報検索部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
自社が求人を行いたい該自社の職種及び該自社の会社情報が少なくとも指定された第3の抽出指示用プロンプトを含む第3の問合せデータを生成し、該第3の問合せデータによって第3の生成的人工知能システムに問合せを行うことにより、第3の応答テキストデータとして該自社の基礎求人票データを生成する基礎求人票データ生成部と、
前記求人媒体毎に、該求人媒体を指示する情報を含む第4の抽出指示用プロンプトと、前記基礎求人票データ生成部が生成した前記基礎求人票データのテキストデータを含む第4の入力プロンプトと、を含む第4の問合せデータを生成し、該第4の問合せデータによって第4の生成的人工知能システムに問合せを行うことにより、第4の応答テキストデータとして該求人媒体に最適化された最適化求人票データを生成し、最適化求人票データベースに記憶する求人票データ最適化部と、
を更に備え、
前記検索条件取得部は、前記求人媒体毎に、前記最適化求人票データベースに記憶されている該求人媒体に対応する前記最適化求人票データのテキストデータを、前記第2の入力プロンプトとして含ませる前記入力される求人票データのテキストデータとする、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記基礎求人票データ生成部は、前記第3の問合せデータに
、ユーザが前記自社に対する競合他社の求人票データを指定す
る第3の入力プロンプトを更に含ませ、該第3の問合せデータによって前記第3の生成的人工知能システムに問合せを行うことにより、前記競合他社の求人に対して優位性のある前記自社の求人の内容を含む前記基礎求人票データを生成する、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記求人媒体毎に、第5の抽出指示用プロンプトと、前記入力される求人票データ又は前記検索条件取得部が取得した前記第2の応答テキストデータと、前記求職者情報検索部が抽出した前記求職者情報の原データ又は前記整形済み求職者情報のテキストデータとを含む第5の入力プロンプトと、を含む第5の問合せデータを生成し、該第5の問合せデータによって第5の生成的人工知能システムに問合せを行うことにより、第5の応答テキストデータとして、前記入力される求人票データ又は前記検索条件取得部が取得した前記第2の応答テキストデータに対する前記求職者情報検索部が抽出した前記求職者情報の原データ又は前記整形済み求職者情報のテキストデータのマッチ度及び該マッチ度を算出した理由を示すテキストデータを含むスコア情報を算出する求職者情報スコア算出部を更に備える、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記求人媒体毎に
、前記求職者情報スコア算出部が算出した前記スコア情報に基づいて決定した求職者情報に対してスカウト文を配信するスカウト文配信部を更に備える、請求
項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記求人媒体毎に、第6の抽出指示用プロンプトと、前記入力される求人票データ又は前記検索条件取得部が取得した前記第2の応答テキストデータと、前記求職者情報検索部が抽出した前記求職者情報の原データ又は前記整形済み求職者情報のテキストデータとを含む第6の入力プロンプトと、を含む第6の問合せデータを生成し、該第6の問合せデータによって第6の生成的人工知能システムに問合せを行うことにより、第6の応答テキストデータとして前記スカウト文を生成するスカウト文生成部を更に備える、請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
求人媒体毎に、該求人媒体のウェブサイトからネットワーク又は人力によるアクセスを介して求職者情報の原データを取得して求職者情報原データベースに格納する求職者情報取得処理と、
前記求人媒体毎に、前記求職者情報原データベースに格納された前記求職者情報の原データ毎に、1つ以上の第1のメタデータの第1の抽出を指示する1つ以上の第1の抽出指示用プロンプトと、該求職者情報の原データのテキストデータを含む第1の入力プロンプトと、を含む第1の問合せデータを生成し、該第1の問合せデータによって第1の生成的人工知能システムに問合せを行うことにより、該求職者情報の原データのテキストデータが1つ以上の前記第1のメタデータの夫々に分類整形された第1の応答テキストデータを取得し、該第1の応答テキストデータ中の前記第1のメタデータの夫々に分類整形されたテキストデータを前記第1のメタデータの夫々に対応する各データベースフィールドの各値として有する整形済み求職者情報の新規レコードを整形済み求職者情報データベースに格納する求職者情報整形処理と、
前記求人媒体毎に、1つ以上の第2のメタデータの第2の抽出を指示する1つ以上の第2の抽出指示用プロンプトと、入力される求人票データのテキストデータを含む第2の入力プロンプトと、を含む第2の問合せデータを生成し、該第2の問合せデータによって第2の生成的人工知能システムに問合せを行うことにより、前記求人票データのテキストデータが前記整形済み求職者情報データベースの前記データベースフィールドの何れか1つ以上に対応する1つ以上の前記第2のメタデータの夫々に分類された第2の応答テキストデータを取得する検索条件取得処理と、
前記求人媒体毎に、前記検索条件取得処理で取得された前記第2の応答テキストデータ中の1つ以上の前記第2のメタデータの夫々に対応するテキストデータを該第2のメタデータに対応する前記整形済み求職者情報データベース中のデータベースフィールドに対する検索キーワードとして指定する検索条件問合せを生成し、該検索条件問合せに合致する前記整形済み求職者情報のレコードを前記整形済み求職者情報データベースから抽出し、該整形済み求職者情報に対応する前記求職者情報の原データを前記求職者情報原データベースから抽出する求職者情報検索処理と、
をコンピュータが実行する情報
処理方法。
【請求項8】
自社が求人を行いたい該自社の職種及び該自社の会社情報を少なくとも指定する第3の抽出指示用プロンプトを含む第3の問合せデータを生成し、該第3の問合せデータによって第3の生成的人工知能システムに問合せを行うことにより、第3の応答テキストデータとして該自社の基礎求人票データを生成する基礎求人票データ生成処理と、
前記求人媒体毎に、該求人媒体を指示する情報を含む第4の抽出指示用プロンプトと、前記基礎求人票データ生
成処理にて生成した前記基礎求人票データのテキストデータを含む第4の入力プロンプトと、を含む第4の問合せデータを生成し、該第4の問合せデータによって第4の生成的人工知能システムに問合せを行うことにより、第4の応答テキストデータとして該求人媒体に最適化された最適化求人票データを生成し、最適化求人票データベースに記憶する求人票データ最適化処理と、
を前記コンピュータが更に実行し、
前記求人媒体毎に、前記最適化求人票データベースに記憶されている該求人媒体に対応する前記最適化求人票データのテキストデータを、前記第2の入力プロンプトとして含ませる前記入力される求人票データのテキストデータとして、前記検索条件取得処理
を前記コンピュータが実行する、
請求
項7に記載の情報処理方法。
【請求項9】
求人媒体毎に、該求人媒体のウェブサイトからネットワーク又は人力によるアクセスを介して求職者情報の原データを取得して求職者情報原データベースに格納する求職者情報取得処理と、
前記求人媒体毎に、前記求職者情報原データベースに格納された前記求職者情報の原データ毎に、1つ以上の第1のメタデータの第1の抽出を指示する1つ以上の第1の抽出指示用プロンプトと、該求職者情報の原データのテキストデータを含む第1の入力プロンプトと、を含む第1の問合せデータを生成し、該第1の問合せデータによって第1の生成的人工知能システムに問合せを行うことにより、該求職者情報の原データのテキストデータが1つ以上の前記第1のメタデータの夫々に分類整形された第1の応答テキストデータを取得し、該第1の応答テキストデータ中の前記第1のメタデータの夫々に分類整形されたテキストデータを前記第1のメタデータの夫々に対応する各データベースフィールドの各値として有する整形済み求職者情報の新規レコードを整形済み求職者情報データベースに格納する求職者情報整形処理と、
前記求人媒体毎に、1つ以上の第2のメタデータの第2の抽出を指示する1つ以上の第2の抽出指示用プロンプトと、入力される求人票データのテキストデータを含む第2の入力プロンプトと、を含む第2の問合せデータを生成し、該第2の問合せデータによって第2の生成的人工知能システムに問合せを行うことにより、前記求人票データのテキストデータが前記整形済み求職者情報データベースの前記データベースフィールドの何れか1つ以上に対応する1つ以上の前記第2のメタデータの夫々に分類された第2の応答テキストデータを取得する検索条件取得処理と、
前記求人媒体毎に、前記検索条件取得処理で取得された前記第2の応答テキストデータ中の1つ以上の前記第2のメタデータの夫々に対応するテキストデータを該第2のメタデータに対応する前記整形済み求職者情報データベース中のデータベースフィールドに対する検索キーワードとして指定する検索条件問合せを生成し、該検索条件問合せに合致する前記整形済み求職者情報のレコードを前記整形済み求職者情報データベースから抽出し、該整形済み求職者情報に対応する前記求職者情報の原データを前記求職者情報原データベースから抽出する求職者情報検索処理と、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項10】
自社が求人を行いたい該自社の職種及び該自社の会社情報を少なくとも指定する第3の抽出指示用プロンプトを含む第3の問合せデータを生成し、該第3の問合せデータによって第3の生成的人工知能システムに問合せを行うことにより、第3の応答テキストデータとして該自社の基礎求人票データを生成する基礎求人票データ生成処理と、
前記求人媒体毎に、該求人媒体を指示する情報を含む第4の抽出指示用プロンプトと、前記基礎求人票データ生
成処理にて生成した前記基礎求人票データのテキストデータを含む第4の入力プロンプトと、を含む第4の問合せデータを生成し、該第4の問合せデータによって第4の生成的人工知能システムに問合せを行うことにより、第4の応答テキストデータとして該求人媒体に最適化された最適化求人票データを生成し、最適化求人票データベースに記憶する求人票データ最適化処理と、
を前記コンピュータに更に実
行させ、
前記求人媒体毎に、前記最適化求人票データベースに記憶されている該求人媒体に対応する前記最適化求人票データのテキストデータを、前記第2の入力プロンプトとして含ませる前記入力される求人票データのテキストデータとして、前記検索条件取得処理
を前記コンピュータに実行させる、
請求
項9に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、求人情報に対して最適な求職情報をマッチングさせる情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、組織情報サマリを参照して求人票を生成し、更にその求人票からスカウト文を生成する技術が知られている(例えば特許文献1)。
また従来、ポジション情報を参照して求人票を生成し、更にその求人票からスカウト文を生成する技術が知られている(例えば特許文献2)。
更に従来、組織(求人票)及び個人(求職者)の少なくとも一方に関連するプロフィール情報を含むソース文章の入力を受け付けてスカウト文章を生成する技術が知られている(例えば特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第7483170号公報
【文献】特許第7488974号公報
【文献】特許第7403023号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
実際の求人現場では、求人票にマッチする求職者情報を検索するのは大変な作業であり、求人票にマッチする求職者情報を検索できなければ最適なスカウト文を生成することも困難である。しかし、上述の従来技術では、求人票にマッチする求職者情報を検索することは困難であった。
【0005】
更に、求人企業が求人票を提供する求人媒体が、複数にわたるような場合、各求人媒体に最適な求人票を作成して提供することは従来困難であり、更に求人媒体毎に求人票と求職者情報を最適にマッチングさせることは困難であった。
【0006】
そこで本発明は、求人媒体毎に最適な求職者情報の検索を可能とし、更に各求人媒体に最適化された求人票を作成可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
態様の一例の情報処理装置は、求人媒体毎に、その求人媒体のウェブサイトからネットワーク又は人力によるアクセスを介して求職者情報の原データを取得して求職者情報原データベースに格納する求職者情報取得部と、求人媒体毎に、求職者情報原データベースに格納された求職者情報の原データ毎に、1つ以上の第1のメタデータの第1の抽出を指示する1つ以上の第1の抽出指示用プロンプトと、その求職者情報の原データのテキストデータを含む第1の入力プロンプトと、を含む第1の問合せデータを生成し、その第1の問合せデータによって第1の生成的人工知能システムに問合せを行うことにより、その求職者情報の原データのテキストデータが1つ以上の第1のメタデータの夫々に分類整形された第1の応答テキストデータを取得し、その第1の応答テキストデータ中の第1のメタデータの夫々に分類整形されたテキストデータを第1のメタデータの夫々に対応する各データベースフィールドの各値として有する整形済み求職者情報の新規レコードを整形済み求職者情報データベースに格納する求職者情報整形部と、求人媒体毎に、1つ以上の第2のメタデータの第2の抽出を指示する1つ以上の第2の抽出指示用プロンプトと、入力される求人票データのテキストデータを含む第2の入力プロンプトと、を含む第2の問合せデータを生成し、その第2の問合せデータによって第2の生成的人工知能システムに問合せを行うことにより、求人票データのテキストデータが整形済み求職者情報データベースのデータベースフィールドの何れか1つ以上に対応する1つ以上の第2のメタデータの夫々に分類された第2の応答テキストデータを取得する検索条件取得部と、求人媒体毎に、検索条件取得部で取得された第2の応答テキストデータ中の1つ以上の第2のメタデータの夫々に対応するテキストデータをその第2のメタデータに対応する整形済み求職者情報データベース中のデータベースフィールドに対する検索キーワードとして指定する検索条件問合せを生成し、その検索条件問合せに合致する整形済み求職者情報のレコードを整形済み求職者情報データベースから抽出し、その整形済み求職者情報に対応する求職者情報の原データを求職者情報原データベースから抽出する求職者情報検索部と、を備える。
【0008】
また、態様の他の一例の情報処理装置は、自社に属するユーザが、その自社が求人を行いたいその自社の職種及びその自社の会社情報を少なくとも指定する第3の抽出指示用プロンプトを含む第3の問合せデータを生成し、その第3の問合せデータによって第3の生成的人工知能システムに問合せを行うことにより、第3の応答テキストデータとしてその自社の基礎求人票データを生成する基礎求人票データ生成部と、求人媒体毎に、その求人媒体を指示する情報を含む第4の抽出指示用プロンプトと、基礎求人票データ生成部が生成した基礎求人票データのテキストデータを含む第4の入力プロンプトと、を含む第4の問合せデータを生成し、その第4の問合せデータによって第4の生成的人工知能システムに問合せを行うことにより、第4の応答テキストデータとしてその求人媒体に最適化された最適化求人票データを生成し、最適化求人票データベースに記憶する求人票データ最適化部と、を更に備え、検索条件取得部は、求人媒体毎に、最適化求人票データベースに記憶されているその求人媒体に対応する最適化求人票データのテキストデータを、第2の入力プロンプトとして含ませる入力される求人票データのテキストデータとする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、求人媒体毎に最適な求職者情報の検索が可能となり、更に各求人媒体に最適化された求人票を作成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】情報処理装置の実施形態の機能ブロック図である。
【
図2】求職者情報原データのテキストデータの例を示す図である。
【
図3】第1の抽出指示用プロンプトの例を示す図である。
【
図4】第1の応答テキストデータの例を示す図である。
【
図5】第2の抽出指示用プロンプトの例を示す図である。
【
図7】第4の抽出指示用プロンプトの例(第1の求人媒体)(その1)を示す図である。
【
図8】第4の抽出指示用プロンプトの例(第1の求人媒体)(その1の続き)を示す図である。
【
図9】第4の抽出指示用プロンプトの例(第2の求人媒体)を示す図である。
【
図11】第5の抽出指示用プロンプトの例(その1)を示す図である。
【
図12】第5の抽出指示用プロンプトの例(その2)を示す図である。
【
図13】第5の応答テキストデータの例を示す図である。
【
図14】第6の抽出指示用プロンプトの例を示す図である。
【
図15】情報処理装置の実施形態を実行するコンピュータの構成例を示すハードウェアブロック図である。
【
図16】生成AI問合せ処理の例を示すフローチャートである。
【
図17】生成AI APIアクセス処理の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態(以下「本実施形態」と記載)について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、情報処理装置の実施形態、情報処理装置100の機能ブロック図である。
【0012】
図1において、例えば
図1のネットワーク120を介して接続される企業端末装置123を操作する企業の求人担当者は、企業端末装置123から求職者情報取得部101にアクセスして、求職者情報の収集を指示する。
この結果、求職者情報取得部101は、求人担当者が指定した求人媒体毎に、その求人媒体に対応する求人媒体ウェブサイト(図中、「求人媒体Webサイト」と記載)121からネットワーク120又は人力によるアクセスを介して、求職者情報の原データを取得して
図1の求職者情報原データベース(図中、「求職者情報原DB」と記載)110に格納する。
具体的には、求人担当者は例えば、
図1に示されるように、企業端末装置123からローカルエリアネットワーク又はインターネット等のネットワーク120を介して#1~#N(N:2以上の自然数)の複数の求人媒体ウェブサイト121のうちの所望するところに手動でログインなどすることにより、求職者情報にアクセスし、その求人媒体ウェブサイト121から求職者情報のテキストデータを求職者情報原データとして取得する。
或いは許可されているならば、求職者情報取得部101は、#1~#Nの複数の求人媒体ウェブサイト121に対して自動的に巡回アクセスし、夫々の求人媒体ウェブサイト121から求職者情報原データを取得するいわゆるウェブスクレイピング処理を実行するようにしてもよい。
【0013】
図2は、求職者情報取得部101により取得された求職者情報原データの一部の例を示す図である。求職者情報原データは、求人媒体(求人媒体ウェブサイト121)毎に、フォーマットは統一されておらず、バラバラであり得る。
【0014】
求職者情報取得部101は、各求人媒体ウェブサイト121から取得された求職者情報がそのまま例えば1つのデータベースフィールドの値とされるレコードを、求職者情報原データベース110に格納する。
【0015】
図1において、求職者情報整形部102は、求人媒体毎に、求職者情報原データベース110に格納された求職者情報の原データ毎に、1つ以上の第1のメタデータの第1の抽出を指示する1つ以上の第1の抽出指示用プロンプトと、その求職者情報の原データのテキストデータを含む第1の入力プロンプトと、を含む第1の問合せデータを生成し、その第1の問合せデータによって第1の生成的人工知能システムである生成AIシステム122に問合せを行う。
【0016】
図3は、第1の問合せデータを生成するための第1の抽出指示用プロンプトの例を示す図である。
この第1の抽出指示用プロンプトでは、例えば「指示」として、「与えられた候補者データの文字列を、「Prismaモデル定義」に沿って抽出してください。」や、「抽出したデータは必ず「戻り値の型」に従ったJSON形式にしてください。」や、「候補者データは求人媒体のデータを直接コピーしてきたものです。綺麗なデータではないため、文章の並びなどから適切なカラムを判断して、JSONに変換してください。」等が指定される。
また、第1の抽出指示用プロンプトでは、「抽出時のお願い」として、「抽出する際には必ず型を守りながら抽出してください。」や、「JSON型のみを返してください。」や、「カラムの欠けやミスが起こらないようにダブルチェックしてください。」や、「DateTime型は必ずISO-8601にしてください。」や、「配列のフィールドにはnullを絶対に入れないこと。」等が指定される。
更に、第1の抽出指示用プロンプトでは、「戻り値(応答)の型」が具体的に指定される。
加えて、第1の抽出指示用プロンプトでは、「候補者データ」のフォーマットが具体的に指定される。
【0017】
ここで、生成AIシステム122は例えばネットワーク120に接続され、求職者情報整形部102は、ネットワーク120を介して生成AIシステム122のアプリケーション・プログラミング・インターフェース(以下、「API」と記載)機能にアクセスする。生成AIシステム122のAPIとしては、例えばChatGPT-3.5、ChatGPT-4、又はChatGPT-4o(「GPT」はアメリカ合衆国オープンエイアイ オプコ エルエルシー社の商標)、Gemini(米国Google LLC社の登録商標)、Claude(米国Anthropic,PBC社の津録商標)などのAPIサービスのいずれか1つ以上、又はこれらを組み合わせて利用することができる。
なお、生成AIシステム122は、情報処理システム100が運用される組織内でローカルに構築されローカルエリアネットワーク等の組織内ネットワークであるネットワーク120を介してアクセスされてもよい。
【0018】
次に、求職者情報整形部102は、生成AIシステム122から、上記求職者情報の原データのテキストデータが1つ以上の第1のメタデータの夫々に分類整形された第1の応答テキストデータを取得する。
【0019】
図4は、
図3に例示される第1の抽出指示用プロンプトを含む第1の問合せデータによる問合せにより、生成AIシステム122から応答される第1の応答テキストデータの例を示す図である。第1の抽出指示用プロンプトの指定により、求人媒体毎に、例えばJSON形式でカラムが統一された整形済み求職者情報に整形される。
【0020】
更に、求職者情報整形部102は、生成AIシステム122から取得した第1の応答テキストデータ中の第1のメタデータの夫々に分類整形されたテキストデータを、第1のメタデータの夫々に対応する各データベースフィールドの各値として有する整形済み求職者情報の新規レコードを、
図1の整形済み求職者情報データベース(図中、「整形済み求職者情報DB」と記載)111に格納する。
このとき、上記新規レコードには、求職者情報原データベース110上の対応する求職者情報原データ(
図2)のレコードを紐付ける情報(例えば求職者情報原データのレコードの求職者情報原データベース110上でのレコードID(識別子)等)が記憶されてよい。
【0021】
以上のように、本実施形態では、ネットワーク120から得られる求人媒体毎の求職者情報原データを、第1の抽出指示用プロンプトによって指定される1つ以上の第1のメタデータに対応する夫々の観点で分類された整形済み求職者情報に整形して、整形済み求職者情報データベース111に格納することが可能となる。
本実施形態では、生成AIシステム122の優れたテキストデータの整形能力を活用することにより、求人媒体によらず、求職者情報原データを統一的に整形された整形済み求職者情報に変換することが可能となる。
【0022】
図1において、求人担当者は、企業端末装置123から求人媒体を指定して求職者情報の検索を指示する。
この結果、まず検索条件取得部103が、指定された求人媒体について、1つ以上の第2のメタデータの第2の抽出を指示する1つ以上の第2の抽出指示用プロンプトと、予め作成されて入力される求人票データのテキストデータを含む第2の入力プロンプトと、を含む第2の問合せデータを生成し、その第2の問合せデータによって第2の生成的人工知能システムである生成AIシステム122に問合せを行う。
【0023】
図5は、第2の問合せデータを生成するための第2の抽出指示用プロンプトの例を示す図である。
この第2の抽出指示用プロンプトでは、例えば「検索条件設定する際の思考の流れ」として、「求人票を読み、明示されている必須条件を洗い出す。」こと、「採用担当者が設定しそうな他の条件を考える。」こと等が指定され、「検索条件の厳しさ(例えば、検索条件は、職種人口が多いほど、また職業要求が多いほど、更に要求が高い職位や高給与水準の求人票は検索条件を厳しくし、要求が高くない職位や低給与水準の求人票は検索条件を緩める等)が指定される。
更に、第2の抽出指示用プロンプトでは、「お願いしたいこと」として、「求人票に年齢や職種などの必須要件があれば検索条件に入れてください。」や、「必ずJSON形式でコメントされたフォーマットを遵守してください。」などが指定される。
その上で、第2の抽出指示用プロンプトで、ダイレクトリクルーティングのプラットフォーム上での検索ワード、絞り込み条件などとして、例えば「求人票情報」、「検索条件と具体的なフォーマット」、「レスポンス(応答)のJSONフォーマットと値の例」などが指定される。
【0024】
次に、検索条件取得部103は、生成AIシステム122から、求人媒体毎に、求人票データのテキストデータが整形済み求職者情報データベース111のデータベースフィールドの何れか1つ以上に対応する1つ以上の第2のメタデータの夫々に分類された第2の応答テキストデータを取得する。
【0025】
続いて、
図1において、求職者情報検索部104が、指定された求人媒体について、検索条件取得部103で取得された第2の応答テキストデータ中の1つ以上の第2のメタデータの夫々に対応するテキストデータをその第2のメタデータに対応する整形済み求職者情報データベース111中のデータベースフィールドに対する検索キーワードとして指定する検索条件問合せを生成し、その検索条件問合せに合致する整形済み求職者情報のレコードを整形済み求職者情報データベース111から抽出し、その整形済み求職者情報に対応する求職者情報の原データを求職者情報原データベース110から抽出する。
【0026】
図6は、検索条件取得部103によって求人媒体毎に生成AIシステム122から得られる第2の応答テキストデータに基づいて、求職者情報検索部104によって生成される検索条件問合せの例を示す図である。
例えば、求人担当者が
図1の求人媒体ウェブサイト121(#1)である求人媒体1における求職者情報の検索を指示した場合、その求人媒体1に対する整形済み求職者情報データベース111内の整形済み求職者情報に対しては、
図6(a)に例示される検索条件が、求人担当者が操作する
図1の企業端末装置123のディスプレイに表示される。これにより求人担当者は、
図6(a)に例示される検索フォームを使って、求職者情報原データベース110に求職者情報原データとして収集され整形済み求職者情報データベース111に整形済み求職者情報として整形、収集されている求人媒体1における求職者情報検索する。ここで、
図6(a)として例示されている「キーワード」、「除外キーワード」、「職種」、「地域」、「新卒フィルター」、及び「年齢」等は、求人媒体1に対応する第2の応答テキストデータ中の1つ以上の第2のメタデータの夫々に対応しており、これらの整形済み求職者情報データベース111中の求人媒体1に対応するレコードの各データベースフィールドも、この第2のメタデータの夫々に対応している。従って、求人担当者は、これらの検索キーワードを使って検索条件問合せを行うことにより、求人媒体1に対応する求職者情報を適確に検索することが可能となる。
図6(a)の場合と同様に、求人担当者が
図1の求人媒体ウェブサイト121(#2)である求人媒体2における求職者情報の検索を指示した場合、その求人媒体2に対する整形済み求職者情報データベース111内の整形済み求職者情報に対しては、
図6(b)に例示される検索条件が、企業端末装置123のディスプレイに表示される。これにより求人担当者は、
図6(b)に例示される検索フォームを使って、求職者情報原データベース110に求職者情報原データとして収集され整形済み求職者情報データベース111に整形済み求職者情報として整形、収集されている求人媒体2における求職者情報検索する。ここで、
図6(b)として例示されている「返信率の高い求職者」、「貴社に注目の求職者」、「年齢」、「年収」、「最終学歴」、「希望業界」、及び「希望職種」等は、求人媒体2に対応する第2の応答テキストデータ中の1つ以上の第2のメタデータの夫々に対応しており、これらの整形済み求職者情報データベース111中の求人媒体2に対応するレコードの各データベースフィールドも、この第2のメタデータの夫々に対応している。従って、求人担当者は、これらの検索キーワードを使って検索条件問合せを行うことにより、求人媒体2に対応する求職者情報を適確に検索することが可能となる。
【0027】
以上のように、本実施形態によれば、求職者情報が複数の求人媒体にまたがっていても、求人媒体毎に適確に求職者情報を検索することが可能となる。
【0028】
次に、求人票データの生成動作について説明する。
図1において、例えば企業端末装置123を操作する求人担当者が自社の求人票データの作成を指示すると、まず基礎求人票データ生成部105が、自社が求人を行いたいその自社の職種及びその自社の会社情報が例えば求人担当者によって少なくとも指定された特には図示しない第3の抽出指示用プロンプトを含む第3の問合せデータを生成する。
【0029】
そして、基礎求人票データ生成部105は、その第3の問合せデータによってである生成AIシステム122に問合せを行うことにより、第3の応答テキストデータとして、自社の基礎求人票データを生成する。
【0030】
ここで、基礎求人票データ生成部105は、第3の問合せデータに、ユーザが自社に対する競合他社の求人票データを指定する第3の入力プロンプトを更に含ませ、その第3の問合せデータによって第3の生成的人工知能システムである生成AIシステム122に問合せを行うようにしてもよい。これにより、競合他社の求人に対して優位性のある自社の求人の内容を含む基礎求人票データを生成することが可能となる。
【0031】
続いて、
図1において、求人票データ最適化部106が、自社が扱っている求人媒体毎に、その求人媒体を指示する情報を含む第4の抽出指示用プロンプトと、基礎求人票データ生成部105が生成した基礎求人票データのテキストデータを含む第4の入力プロンプトと、を含む第4の問合せデータを生成する。
【0032】
図7及び
図8は、例えば第1の求人媒体に対して指定される第4の抽出指示用プロンプトの例である。例えば
図7に示されるように、項目毎に細かくプロンプトの内容が指示される。なお、
図8では、具体的な指示内容は省略して図示してある。
一方、
図9は、例えば第2の求人媒体に対して指定される第4の抽出指示用プロンプトの例である。
図9を
図7及び
図8と比較すると理解されるように、求人媒体毎に異なる項目立てでプロンプト指定がされてよい。
【0033】
続いて、求人票データ最適化部106は、上述のようにして求人媒体毎に生成した第4の抽出指示用プロンプトを含む第4の抽出指示用プロンプトと、基礎求人票データ生成部105が生成した基礎求人票データを含む第4の入力プロンプトとを含む第4の問合せデータによって、第4の生成的人工知能システムである生成AIシステム122に問合せを行うことにより、第4の応答テキストデータとして、求人媒体毎に最適化された最適化求人票データを生成し、
図1の最適化求人票データベース(図中、「最適化求人票DB」と記載)112に記憶する。
【0034】
このように、求人媒体毎に第4の抽出指示用プロンプトが個別に指定されることにより、基礎求人票データ生成部105で生成された基礎求人票データに基づいて、求人票データ最適化部106によって、各求人媒体にマッチするように最適化され最適化された求人票データを最適化求人票データベース112に得ることが可能となる。
【0035】
上述の処理の、求人票データ最適化部106は、例えば
図1の企業端末装置123のディスプレイに、
図10に例示されるような表示を行う。この表示において、求人担当者が例えば、
図10(a)に示されるように第1の求人媒体の表示にチェックマークを付けると、その第1の求人媒体に最適化された求人票を画面に表示させることができる。また、求人担当者が例えば、
図10(b)に示されるように第2の求人媒体の表示にチェックマークを付けると、その第2の求人媒体に最適化された求人票を画面に表示させることができる。
【0036】
前述した検索条件取得部103は、求人媒体毎に、最適化求人票データベース112に得られた求人媒体毎の最適化求人票データのテキストデータを、第2の入力プロンプトに含ませる前述した入力される求人票データのテキストデータとする。これにより、検索条件取得部103は、求人媒体毎に最適化された検索条件の生成を、生成AIシステム122に対して指定することが可能となる。
【0037】
図1において、求職者情報スコア算出部107は、求人媒体毎に、第5の抽出指示用プロンプトと、入力される求人票データ又は検索条件取得部103が取得した第2の応答テキストデータと、求職者情報検索部104が抽出した求職者情報の原データ又は整形済み求職者情報のテキストデータとを含む第5の入力プロンプトと、を含む第5の問合せデータを生成し、その第5の問合せデータによって第5の生成的人工知能システムである生成AIシステム122に問合せを行うことにより、第5の応答テキストデータとして、入力される求人票データ又は検索条件取得部103が取得した第2の応答テキストデータに対する求職者情報検索部104が抽出した求職者情報の原データ又は整形済み求職者情報のテキストデータのマッチ度及びそのマッチ度を算出した理由を示すテキストデータを含むスコア情報を算出するようにしてよい。
【0038】
図11及び
図12は、第5の抽出指示用プロンプトの例を示す図である。
この第5の抽出指示用プロンプトでは、例えば求人媒体毎に、例えば
図11に例示されるように、その求人媒体に対応して例えば最適化求人票データベース112に得られている最適化求人票のテキストデータが「求人票」項目として指定され、求職者情報検索部104が抽出した整形済み求職者情報から職務経歴のテキストデータが「職務経歴」項目として指定される。
また、
図11に例示されるように、第5の抽出指示用プロンプトでは、「上記の求人票と複数の職務経歴を比較し、それぞれの職務経歴がどの程度求人に適合しているかを判断し、以下の形式でレスポンスを返してください。」のような指示と共に、求人票と職務経歴との適合度を示すスコア及びその適合度を着けた理由(30文字程度)の表示を指定するレスポンスの具体的なフォーマットが指定される。
更に、
図11に示されるように、第5の抽出指示用プロンプトでは、「[マッチ度の判断基準]」として、「職種・専門性 (重要度:5)」、「スキル (重要度:5)」、「学歴・専攻(重要度:5)」等に関する指示が記述される。
加えて、
図12に示されるように、第5の抽出指示用プロンプトでは、「マッチ理由の書き方」や「必ず守ってほしいこと」等の指示が着けられる。
【0039】
図13は、
図11及び
図12に例示される第5の抽出指示用プロンプトに基づいて生成AIシステム122から取得される第5の応答テキストデータの例を示す図である。「resume id」が1から5で示される職務経歴毎に、マッチ度が「match_score」として100点を満点として示され、マッチ理由が「reasons」項目に日本語テキストで得られる。
【0040】
求職者情報検索部104による求人媒体毎の求職者情報の検索結果と共に、上述のスコア(マッチ度)とマッチ理由が、例えば企業端末装置123のディスプレイに表示されることにより、求人担当者は、各求職者情報に対する採用判断を適確に行うことが可能となる。
【0041】
図1において、スカウト文生成部109は、求人媒体毎に、第6の抽出指示用プロンプトと、入力される求人票データ又は検索条件取得部103が取得した第2の応答テキストデータと、求職者情報検索部104が抽出した求職者情報の原データ又は整形済み求職者情報のテキストデータとを含む第6の入力プロンプトと、を含む第6の問合せデータを生成し、その第6の問合せデータによって第6の生成的人工知能システムである生成AIシステム122に問合せを行うことにより、第6の応答テキストデータとしてスカウト文を生成する。
【0042】
図14は、第6の抽出指示用プロンプトの例を示す図である。
この第6の抽出指示用プロンプトでは、例えば検索された求職者情報毎に、「指示」項目で示される指示、「思考の流れ」項目で示される指示や、「注意事項」、「作成時のお願い」、「スカウト文の中に含めると魅力的に伝わる情報」、「スカウト送信をする理由に関して」、「メールタイトルについて」、「出力のフォーマット」(出力はJSON
形式で等)、「スカウト生成に利用する情報」(求職者情報の職務経歴書と求人票の情報等)などが指定される。
【0043】
図14に示されるような第6の抽出指示用プロンプトによって生成AIシステム122にアクセスすることにより、求職者毎に魅力的なスカウト文を生成することができる。
【0044】
図1において、例えば企業端末装置123を操作する求人担当者からの指示に基づいて、スカウト文配信部108は、求人媒体毎に、求職者情報検索部104の検索結果又は求職者情報スコア算出部107が算出したスコア情報に基づいて求人担当者が決定した求職者に、例えば
図1のスカウト文生成部109が生成したスカウト文を配信する。
このようにして、複数の求人媒体にまたがって、適切な求職者に適切なスカウト文を配信することが可能となる。
【0045】
上述した実施形態において、
図1の生成AIシステム122は、前述した第1から第6の生成的人工知能システムとして共通に使用されているが、これらは互いに前述したChatGPT-3.5、ChatGPT-4、ChatGPT-4o、Gemini、又はClaudeなどの異なる生成的人工知能システムであってもよく、或いはこれらのシステムが組み合わされて適用されてもよい。
【0046】
図15は、
図1の情報処理装置100の機能を実行するコンピュータの構成例を示すハードウェアブロック図である。このハードウェアは、CPU(中央演算処理装置)1501と、プログラムがロードされて実行されるメモリ1502と、プログラムや
図1の求職者情報原データベース110、整形済み求職者情報データベース111、及び最適化求人票データベース112などの各データベースやその他のデータを記憶する外部記憶装置1503と、
図1のネットワーク120へのアクセスを制御するネットワークインタフェース回路1504が、システムバス1505によって相互に接続されたサーバコンピュータの構成を備える。なお、特には図示しないが、キーボードやマウスなどの入力装置やディスプレイなどの出力装置が接続されてもよい。
【0047】
図16は、
図1の求職者情報整形部102、検索条件取得部103、基礎求人票データ生成部105、求人票データ最適化部106、求職者情報スコア算出部107、及びスカウト文生成部109において生成AIシステム122への問合せを制御する生成AI問合せ処理の例を示すフローチャートである。この処理は、
図1の求職者情報整形部102、検索条件取得部103、基礎求人票データ生成部105、求人票データ最適化部106、求職者情報スコア算出部107、及びスカウト文生成部109の各機能の処理の中から起動される。このフローチャートは、
図10のCPU1501が外部記憶装置1503からメモリ1502にロードした、例えばPython(「Python」はアメリカ合衆国パイソン ソフトウェア ファウンデーションの登録商標)コンピュータプログラミング言語によって記述される生成AI問合せ処理プログラムを実行する処理である。
【0048】
まず、CPU1501は、生成AI APIへのアクセス用ライブラリ及びAPI認証情報を設定する(ステップS1601)。
このライブラリは、例えばPythonによって提供されるChatGPT APIライブラリである。このライブラリは、例えば予め
図15の外部記憶装置1503にインストールされている。CPU1501は、ステップS1601において、上記ライブラリを、
図15の外部記憶装置1503からメモリ1502にインポートする処理、例えば「import openai」命令を実行する。
また、CPU1501は、ステップS1601において、予め例えばChatGPTサービスに登録して取得したAPI認証情報データをセットする命令を、プログラムの先頭で実行する。
【0049】
次に、CPU1501は、前述した第1から第6の抽出指示用プロンプトの何れかのテキストデータを設定する(ステップS1602)。
【0050】
続いて、CPU1501は、前述した第1から第6の入力プロンプトの何れかのテキストデータを設定する(ステップS1603)。
【0051】
そして、CPU901は、ステップS1602で設定した抽出指示用プロンプトとステップS1603で設定した入力プロンプトとその他必要なデータのテキストデータを含む問合せデータを生成する(ステップS1604)。
【0052】
そして、CPU1501は、ステップS1604で生成した問合せデータを引数として、生成AI APIアクセス処理のプログラムをコールする(ステップS1605)。この処理については、
図17のフローチャートを用いて後述する。
【0053】
最後に、CPU1501は、生成AI API処理から返された応答テキストデータを処理して、
図16のフローチャートの生成AI問合せ処理を終了する(ステップS1606)。
【0054】
図17は、
図16のステップS1605の処理からサブルーチンコールされる、生成AI APIアクセスプログラムの処理例を示すフローチャートである。
図16と同様に、このフローチャートも、
図15のCPU1501が外部記憶装置1503からメモリ1502にロードした、例えばPythonコンピュータプログラミング言語によって作成される生成AI APIアクセスプログラムを実行する処理である。
【0055】
図17において、まずCPU1501は、生成AIモデルを設定する(ステップS1701)。これは例えば、生成AIモデルとして前述した所定のバージョンChatGPT或いは他の生成的人工知能システムを指定する命令である。
【0056】
次に、CPU1501は、
図16のステップS1605の処理からのサブルーチンコールによって引き渡された問合せデータ(
図16のステップS1602からステップS1604を参照)をメモリ1502上の所定の変数に設定する(ステップS1702)。
【0057】
そして、CPU1501は、例えばChatGPT API用のその他の制御パラメータ群をメモリ1502上の他の所定の変数群に設定する(ステップS1703)。
【0058】
上記ステップS1701からS1703の処理の後、CPU1501は、ステップS1701からS1703で変数に設定されたテキストデータ又はパラメータ群を引数として、前述した
図16のステップS1601で読み込んだAPIライブラリ中の応答設定関数をコールする(ステップS1704)。
【0059】
続いて、CPU1501は、APIライブラリの応答取得関数をコールする(ステップS1705)。
【0060】
最後に、CPU1501は、ステップS1705のコールにより取得した生成AIシステム122(
図1、例えばChatGPTシステム)からの応答を、前述した第1の応答テキストデータ又は第2の応答テキストデータとしてリターンし、前述した
図11又は後述する
図13のフローチャートの処理に戻る(ステップS1706)。
【0061】
以上説明したようにして、本実施形態によれば、求職情報データに対する整形処理のみならず、求人票データについても求人媒体毎に適切な検索条件を抽出して背ジュ求職者情報原データベース110に対して検索処理を実行でき、この場合に生成AIシステム122の高度な整形機能及び検索条件抽出機能を活用することができる。複数の求人媒体にまたがって求人票データと求職者情報との精度の高いマッチングを行うことができ、企業の求人担当者等が望む求職者情報を提供することが可能となる。
【符号の説明】
【0062】
100 情報処理装置
101 求職者情報取得部
102 求職者情報整形部
103 検索条件取得部
104 求職者情報検索部
105 基礎求人票データ生成部
106 求人票データ最適化部
107 求職者情報スコア算出部
108 スカウト文配信部
109 スカウト文生成部
110 求職者情報原データベース
111 整形済み求職者情報データベース
112 最適化求人票データベース
120 インターネット
121 求人媒体ウェブサイト
122 生成AIシステム
123 企業端末装置
【要約】
【課題】求人情報に対して最適な求職情報をマッチングさせる情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムに関し、求人媒体毎に最適な求職者情報の検索を可能とし、更に各求人媒体に最適化された求人票を作成可能とする
【解決手段】求職者情報取得部101、求職者情報原データベース110、及び求職者情報整形部102を介して整形済み求職者情報データベース111に得られている求人媒体毎の整形済み求職者情報に対して、求職者情報検索部104が、指定された求人媒体について、検索条件取得部103が取得した検索条件に従って検索を実行することにより、入力された求人票データに対して適切にマッチする求職者情報が抽出される。
【選択図】
図1