(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-17
(45)【発行日】2025-01-27
(54)【発明の名称】ブロックチェーンに基づく情報伝送方法、システム、装置及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
G06F 21/60 20130101AFI20250120BHJP
G06F 21/64 20130101ALI20250120BHJP
【FI】
G06F21/60 360
G06F21/60 320
G06F21/64
(21)【出願番号】P 2024503849
(86)(22)【出願日】2021-07-26
(86)【国際出願番号】 CN2021108404
(87)【国際公開番号】W WO2023000353
(87)【国際公開日】2023-01-26
【審査請求日】2024-01-19
(31)【優先権主張番号】202110824381.5
(32)【優先日】2021-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】524027260
【氏名又は名称】深▲セン▼市信安数字科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHENZHEN XIN-AN DIGITAL TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】A705, 6 Gaoxin South 1st Rd, Nanshan Shenzhen City,Guangdong 518057 (CN)
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】周才廷
(72)【発明者】
【氏名】張丹東
(72)【発明者】
【氏名】覃業俊
(72)【発明者】
【氏名】田保強
(72)【発明者】
【氏名】王李▲イェン▼
【審査官】石坂 知樹
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/206598(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/080145(WO,A1)
【文献】特開2020-060954(JP,A)
【文献】国際公開第2021/125399(WO,A1)
【文献】特開2020-088421(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 21/60
G06F 21/64
H04L 9/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブロックチェーン技術に基づく情報伝送方法であって、
送信側がブロックチェーン上に送信コントラクトを作成し、伝送される情報の要約を前記送信コントラクトにサブミットし、前記伝送される情報の暗号文、受信側アドレス及び前記送信コントラクトのアドレスを第1伝送ノードに送信し、ここで、前記送信側が伝送網の第1伝送ノードに登録されていることと、
前記第1伝送ノードが前記伝送される情報の暗号文、前記受信側アドレス及び前記送信コントラクトのアドレスをポイントツーポイントで第2伝送ノードに送信し、ここで、受信側が前記伝送網の第2伝送ノードに登録されていることと、
前記第2伝送ノードが前記伝送される情報の暗号文及び前記送信コントラクトのアドレスを受信し、前記受信側に伝送し、受信確認受領書を生成して前記送信コントラクトにサブミットすることと、
を含むことを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記第1伝送ノードが前記伝送される情報の暗号文、前記受信側アドレス及び前記送信コントラクトのアドレスをポイントツーポイントで第2伝送ノードに送信するときに又はその後に、前記方法は、送信確認受領書を生成して前記送信コントラクトにサブミットすることをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1伝送ノード及び前記第2伝送ノードは、同一の伝送ノードであり、或いは前記第1伝送ノード及び前記第2伝送ノードは、異なる伝送ノードであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記送信コントラクトは、プリセットされたトークン配布ルール及び前記送信側及び/又は前記受信側がサブミットするトークンをさらに含み、プリセットされた前記トークン配布ルール及び前記送信コントラクトにサブミットするデータに基づいて前記トークンを前記第1伝送ノード、前記第2伝送ノード及び前記受信側のうちの1つ又は複数に割り当てることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
前記送信側は、非対称暗号化アルゴリズムに基づいて得られた送信側公開鍵及び送信側秘密鍵を有し、前記送信側公開鍵又はその要約により前記送信側のアドレスを標識し、
前記受信側は、非対称暗号化アルゴリズムに基づいて得られた受信側公開鍵及び受信側秘密鍵を有し、前記受信側公開鍵又はその要約により前記受信側のアドレスを標識し、
前記伝送網は、少なくとも2つの伝送ノードを含み、各伝送ノードは、それぞれ非対称暗号化アルゴリズムに基づいて得られたノード公開鍵及びノード秘密鍵を有し、前記ノード公開鍵又はその要約により前記伝送ノードのノードアドレスを標識し、
前記送信側、前記受信側及び各伝送ノードのアドレスは、前記ブロックチェーンに公開されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項6】
各前記伝送ノードのノード公開鍵により前記ブロックチェーン上にルートドメイン名を登録することと、
前記送信側の送信側公開鍵により前記伝送網の前記第1伝送ノードのルートドメイン名のもとに送信側ドメイン名を登録することと、
前記受信側の受信側公開鍵により前記伝送網の前記第2伝送ノードのルートドメイン名のもとに受信側ドメイン名を登録することと、
各前記伝送ノードの前記ルートドメイン名、前記送信側ドメイン名及び前記受信側ドメイン名を前記ブロックチェーンに開示することと、
をさらに含むことを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記送信側が前記伝送される情報の暗号文を生成し、具体的には、前記送信側が前記受信側公開鍵により前記伝送される情報を暗号化し、前記送信側秘密鍵により前記伝送される情報に署名し、前記伝送される情報の暗号文を生成することを含むことと、
前記受信側が受信した前記伝送される情報の暗号文を復号化し、具体的には、前記受信側が前記送信側公開鍵により前記暗号に対して検証署名を行い、前記受信側秘密鍵により復号化することを含むことと、
をさらに含むことを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記方法は、
前記第1伝送ノードは、情報を送信する際に、それ自体のノード秘密鍵により送信情報に対して署名確認を行い、送信確認受領書を生成し、前記送信確認受領書を前記ブロックチェーンにアップロードすること、及び/又は
前記第2伝送ノードは、情報を受信する際に、それ自体のノード秘密鍵により受信情報に対して署名確認を行い、受信確認受領書を生成し、前記受信確認受領書を前記ブロックチェーンにアップロードすること
をさらに含むことを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記方法は、
前記第2伝送ノードは、前記受信側に情報を伝送する際に、それ自体のノード秘密鍵により伝送する情報に対して署名確認を行い、伝送確認受領書を生成し、前記伝送確認受領書を前記ブロックチェーンにアップロードすることをさらに含むことを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記方法は、
前記第1伝送ノードは、情報をポイントツーポイントで前記第2伝送ノードに送信する前に、前記送信コントラクトが所定金額のトークンを含むか否かを確認し、含まない場合、情報送信を拒否することをさらに含むことを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記方法は、
前記第1伝送ノードが送信する情報の順序と、前記第2伝送ノードが受信する情報の順序とが一致に保持されることをさらに含むことを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項12】
前記送信コントラクトは、トークン受取ルールをさらに含み、前記トークン受取ルールは、前記送信側、前記受信側、前記第1伝送ノード、前記第2伝送ノードのうちの1つ又は複数によってネゴシエーションして確定され、
前記トークン受取ルールは、
前記送信側がトークンを支払うこと、前記受信側が前記第2伝送ノードに所定金額のトークンを事前に承諾又は入質すること、前記送信側及び前記受信側がトークンの支払いを分担することのいちのいずれか1種を含むことを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項13】
前記プリセットされたトークン配布ルールは、
前記第1伝送ノードが前記送信コントラクト内に送信確認受領書をサブミットし、かつ前記第2伝送ノードが前記送信コントラクト内に前記受信確認受領書をサブミットした後、前記トークンを割合で前記第1伝送ノード及び前記第2伝送ノードに割り当てることと、
前記第2伝送ノードが前記送信コントラクト内に前記受信確認受領書をサブミットした後にのみ、前記トークンを送信コントラクト内でプリセットされたトークン配布ルールに従って第1伝送ノード及び/又は第2伝送ノードに割り当てること、
のうちのいずれか1種を含むことを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項14】
前記送信側及び前記受信側が議論した場合、前記方法は、
前記送信側及び/又は前記受信側が前記伝送される情報又は伝送された情報を調停側にサブミットすることと、
前記調停側が前記伝送される情報又は伝送された情報、前記送信側、前記受信側、前記第1伝送ノード及び前記第2伝送ノードの公開鍵、並びに前記送信コントラクトにサブミットされたデータに基づいて自動的に遡源、尋問することと、
をさらに含むことを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項15】
前記伝送網は、監査プロトコルを含み、前記方法は、
前記監査プロトコルがオンチェーンデータ及び前記送信コントラクトのデータにより各前記伝送ノードの伝送行為を監査することと、
伝送ノードがプリセット送受信プロトコルに従って伝送しない証拠を発見した場合、前記伝送網から前記伝送ノードを取り除くか又はノードペナルティを行うことと、
をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記伝送網は、仮想ネットワークであり、各伝送ノードは、仮想ノードであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記伝送網は、無線通信、光通信、衛星通信、インターネット通信のいずれか1種の通信方式によりポイントツーポイント伝送を実現することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記伝送網において伝送ノードを管理することをさらに含み、具体的には、
サービス要求を満たしていない伝送ノードを伝送網から取り除くこと、
違反行為が存在する違反ノードにペナルティを与えることと、
候補条件を満たした通常ノードが前記伝送網における候補ノードになることを許可することと、
キャンペーン条件を満たした候補ノードが前記伝送網における伝送ノードになることを許可することと、
のうちのいずれか1種又は複数種を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
サービス要求を満たしていない伝送ノードを伝送網から取り除くことは、
前記伝送網のいずれか1つ又は複数の伝送ノードが所定時間内で要求に従って情報伝送動作を実行しないことが検出された場合、前記伝送網から前記いずれか1つ又は複数の伝送ノードを取り除くことをさらに含むことを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
違反行為が存在する違反ノードにペナルティを与えることは、
前記伝送網のいずれか1つ又は複数の伝送ノードにプリセットされた違反行為を発生したことが検出された後、検出された違反ノードに対して
前記伝送網の監査側が前記ブロックチェーンに前記違反ノードに対するペナルティ決議をサブミットし、伝送ノードによって、前記ブロックチェーンにサブミットされたペナルティ決議に従って自動的に関連する処罰措置を実行し、及び/又は
前記送信側及び/又は前記受信側及び/又は前記伝送ノードが前記ブロックチェーンに前記違反ノードに対する違反証拠をサブミットし、伝送ノードによって証拠及び監査プロトコルに従って前記違反ノードにペナルティを実行することを含むことを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
候補条件を満たした通常ノードが前記伝送網における候補ノードになることを許可することは、
前記ブロックチェーン上にノードキャンペーンコントラクトが配置されており、通常ノードがノードキャンペーンコントラクトに所定金額のトークンを入質することにより前記伝送網の候補ノードになることをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
キャンペーン条件を満たした候補ノードが前記伝送網における伝送ノードになることを許可することは、
関連する伝送ノードとの間の伝送/接続速度がプリセット条件を満たし、前記関連する伝送ノードが前記伝送網における代替ノードと伝送関係がある伝送ノードであること、
前記関連する伝送ノードとの間の多重同時伝送速度がプリセット条件を満たすこと、
開放時間窓内でノードキャンペーンコントラクトに入質したトークンの金額がプリセット条件を満たすこと、
得られた前記伝送網の規制委員会の投票数がプリセット条件を満たすこと、及び
開放時間窓内で前記ノードキャンペーンコントラクトに所定金額のトークンを支払う速度がプリセット条件を満たすこと、
のいずれか1種又は複数種のキャンペーン条件を満たした候補ノードが前記伝送網の伝送ノードになることをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
請求項1から22のいずれか1項に記載の情報伝送方法を実行するように構成されるブロックチェーン技術に基づく情報伝送システムであって、
前記システムは、送信側、受信側、伝送網及びブロックチェーンを含み、
前記送信側は、ブロックチェーン上に送信コントラクトを作成し、伝送される情報の要約を前記送信コントラクトにサブミットし、前記伝送される情報の暗号文、受信側アドレス及び前記送信コントラクトのアドレスを前記第1伝送ノードに送信するためのものであり、前記送信側は、前記伝送網の第1伝送ノードに登録されており、
前記第1伝送ノードは、前記伝送される情報の暗号文、前記受信側アドレス及び前記送信コントラクトのアドレスをポイントツーポイントで第2伝送ノードに送信するためのものであり、前記受信側は、前記伝送網の第2伝送ノードに登録されており、
前記第2伝送ノードは、前記伝送される情報の暗号文及び前記送信コントラクトのアドレスを受信し、前記受信側に伝送し、受信確認受領書を生成して前記送信コントラクトにサブミットするためのものであることを特徴とする、システム。
【請求項24】
ブロックチェーン技術に基づく情報伝送装置であって、
少なくとも1つのプロセッサ、及び少なくとも1つのプロセッサに通信接続されるメモリを含み、前記メモリに少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な指令が記憶されており、指令が少なくとも1つのプロセッサによって実行され、少なくとも1つのプロセッサが請求項1から20のいずれか1項に記載の方法を実行することができることを特徴とする、装置。
【請求項25】
コンピュータ可読記憶媒体であって、
前記コンピュータ可読記憶媒体にプログラムが記憶されており、前記プログラムがマルチコアプロセッサによって実行されるときに、前記マルチコアプロセッサは請求項1から20のいずれか1項に記載の方法を実行することを特徴とする、コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報伝送分野に関し、具体的には、ブロックチェーンに基づく情報伝送方法、システム、装置及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、特許請求の範囲に記載された本発明の実施形態に背景または文脈を提供することを意図する。ここでの説明は、本パートに含まれるものではないため、従来技術である。
【0003】
ブロックチェーンは、データをブロック単位で時系列に連結して形成されたチェーンデータ構造であり、暗号学的にデータの改ざん不可能及び偽造不可能な分散台帳を保証する。
【0004】
個人と組織が逐次的にデジタル化された時代に入り、個人と組織の日常生活、運営、業務プロセスはいずれもデジタル世界(クラウドサービス環境)である。)完了:内部コミュニケーションはより効率的で柔軟であり、チーム間の連携もより便利である。しかしながら、個人と組織が十分にデジタル化を楽しむと同時に、個人と個人間、組織と組織間、個人と組織間で情報交換の安全も大きな潜在的な脅威と挑戦に直面している。
【0005】
現在、個人間の情報インタラクション、企業内部及び企業間の情報インタラクションは、単一の主体製品によって提供されるオンラインサービスに依存し、インタラクションの情報内容は、個人プライバシー、ビジネス秘密、ひいては商業資産に関する。言い換えれば、個人のデータ及びプライバシー保護、企業の情報セキュリティ、デジタル資産セキュリティ、知的財産安全は、従来のサービスシステムにおいて第三者に高度に依存し、巨大な情報漏洩及び「単点故障リスク」が存在し、個人のプライバシー保護、企業の日常運営、ビジネス秘密及び重要なデジタル資産のセキュリティ保護に対して大きなリスク及び挑戦を構成する。
【発明の概要】
【0006】
上記の従来技術の問題に対して、ブロックチェーン技術に基づく情報伝送方法、システム、装置及びコンピュータ可読記憶媒体を提供する。このような方法、システム、装置及びコンピュータ可読記憶媒体により上記の問題を解決することができる。
【0007】
本発明の技術的な手段は、下記の通りである。
【0008】
第1態様では、ブロックチェーン技術に基づく情報伝送方法であって、送信側がブロックチェーン上に送信コントラクトを作成し、伝送される情報の要約を送信コントラクトにサブミットし、伝送される情報の暗号文、受信側アドレス及び送信コントラクトのアドレスを第1伝送ノードに送信し、ここで、送信側が伝送網の第1伝送ノードに登録されていることと、第1伝送ノードが伝送される情報の暗号文、受信側アドレス及び送信コントラクトのアドレスをポイントツーポイントで第2伝送ノードに送信し、ここで、受信側が伝送網の第2伝送ノードに登録されていることと、第2伝送ノードが伝送される情報の暗号文及び送信コントラクトのアドレスを受信し、受信側に伝送し、受信確認受領書を生成して送信コントラクトにサブミットすることと、を含む方法が提供される。
【0009】
さらに、記第1伝送ノードが伝送される情報の暗号文、受信側アドレス及び送信コントラクトのアドレスをポイントツーポイントで第2伝送ノードに送信するときに又はその後に、方法は、送信確認受領書を生成して送信コントラクトにサブミットすることをさらに含む。
【0010】
さらに、第1伝送ノード及び第2伝送ノードは、同一の伝送ノードであり、或いは第1伝送ノード及び第2伝送ノードは、異なる伝送ノードである。
【0011】
さらに、送信コントラクトは、プリセットされたトークン配布ルール及び送信側及び/又は受信側がサブミットするトークンをさらに含み、プリセットされたトークン配布ルール及び送信コントラクトにサブミットするデータに基づいてトークンを第1伝送ノード、第2伝送ノード及び受信側のうちの1つ又は複数に割り当てる。
【0012】
さらに、送信側は、非対称暗号化アルゴリズムに基づいて得られた送信側公開鍵及び送信側秘密鍵を有し、送信側公開鍵又はその要約により送信側のアドレスを標識し、受信側は、非対称暗号化アルゴリズムに基づいて得られた受信側公開鍵及び受信側秘密鍵を有し、受信側公開鍵又はその要約により受信側のアドレスを標識し、伝送網は、少なくとも2つの伝送ノードを含み、各伝送ノードは、それぞれ非対称暗号化アルゴリズムに基づいて得られたノード公開鍵及びノード秘密鍵を有し、ノード公開鍵又はその要約により伝送ノードのノードアドレスを標識し、送信側、受信側及び各伝送ノードのアドレスは、ブロックチェーンに公開されている。
【0013】
さらに、各伝送ノードのノード公開鍵によりブロックチェーン上にルートドメイン名を登録することと、送信側の送信側公開鍵により伝送網の第1伝送ノードのルートドメイン名のもとに送信側ドメイン名を登録することと、受信側の受信側公開鍵により伝送網の第2伝送ノードのルートドメイン名のもとに受信側ドメイン名を登録することと、各伝送ノードのルートドメイン名、送信側ドメイン名及び受信側ドメイン名をブロックチェーンに開示することと、をさらに含む。
【0014】
さらに、送信側が伝送される情報の暗号文を生成し、具体的には、送信側が受信側公開鍵により伝送される情報を暗号化し、送信側秘密鍵により伝送される情報に署名し、伝送される情報の暗号文を生成することを含むことと、受信側が受信した伝送される情報の暗号文を復号化し、具体的には、受信側が送信側公開鍵により暗号に対して検証署名を行い、受信側秘密鍵により復号化することを含むことと、をさらに含む。
【0015】
さらに、方法は、第1伝送ノードは、情報を送信する際に、それ自体のノード秘密鍵により送信情報に対して署名確認を行い、送信確認受領書を生成し、送信確認受領書をブロックチェーンにアップロードすること、及び/又は第2伝送ノードは、情報を受信する際に、それ自体のノード秘密鍵により受信情報に対して署名確認を行い、受信確認受領書を生成し、受信確認受領書をブロックチェーンにアップロードすることをさらに含む。
【0016】
さらに、方法は、第2伝送ノードは、受信側に情報を伝送する際に、それ自体のノード秘密鍵により伝送する情報に対して署名確認を行い、伝送確認受領書を生成し、伝送確認受領書をブロックチェーンにアップロードすることをさらに含む。
【0017】
さらに、方法は、第1伝送ノードは、情報をポイントツーポイントで第2伝送ノードに送信する前に、送信コントラクトが所定金額のトークンを含むか否かを確認し、含まない場合、情報送信を拒否することをさらに含む。
【0018】
さらに、方法は、第1伝送ノードが送信する情報の順序と、第2伝送ノードが受信する情報の順序とが一致に保持されることをさらに含む。
【0019】
さらに、送信コントラクトは、トークン受取ルールをさらに含み、トークン受取ルールは、送信側、受信側、第1伝送ノード、第2伝送ノードのうちの1つ又は複数によってネゴシエーションして確定され、トークン受取ルールは、送信側がトークンを支払うこと、受信側が第2伝送ノードに所定金額のトークンを事前に承諾又は入質すること、送信側及び受信側がトークンの支払いを分担することのいちのいずれか1種を含む。
【0020】
さらに、プリセットトークン配布ルールは、当第1伝送ノードが送信コントラクト内に送信確認受領書をサブミットし、かつ第2伝送ノードが送信コントラクト内に受信確認受領書をサブミットした後、トークンを割合で第1伝送ノード及び第2伝送ノードに割り当てることと、第2伝送ノードが送信コントラクト内に受信確認受領書をサブミットした後にのみ、トークンを送信コントラクト内でプリセットされたトークン配布ルールに従って第1伝送ノード及び/又は第2伝送ノードに割り当てること、のうちのいずれか1種を含む。
【0021】
さらに、送信側及び受信側が議論した場合、方法は、送信側及び/又は受信側が伝送される情報又は伝送された情報を調停側にサブミットすることと、調停側が伝送される情報又は伝送された情報、送信側、受信側、第1伝送ノード及び第2伝送ノードの公開鍵、並びに送信コントラクトにサブミットされたデータに基づいて自動的に遡源、尋問することと、をさらに含む。
【0022】
さらに、伝送網は、監査プロトコルを含み、方法は、監査プロトコルがオンチェーンデータ及び送信コントラクトのデータにより各伝送ノードの伝送行為を監査することと、伝送ノードがプリセット送受信プロトコルに従って伝送しない証拠を発見した場合、伝送網から伝送ノードを取り除くか又はノードペナルティを行うことと、をさらに含む。
【0023】
さらに、伝送網は、仮想ネットワークであり、各伝送ノードは、仮想ノードであることを特徴とする。
【0024】
さらに、伝送網は、無線通信、光通信、衛星通信、インターネット通信のいずれか1種の通信方式によりポイントツーポイント伝送を実現する。
【0025】
さらに、伝送網において伝送ノードを管理することをさらに含み、具体的には、サービス要求を満たしていない伝送ノードを伝送網から取り除くこと、違反行為が存在する違反ノードにペナルティを与えることと、候補条件を満たした通常ノードが伝送網における候補ノードになることを許可することと、キャンペーン条件を満たした候補ノードが伝送網における伝送ノードになることを許可することと、のうちのいずれか1種又は複数種を含む。
【0026】
さらに、サービス要求を満たしていない伝送ノードを伝送網から取り除くことは、伝送網のいずれか1つ又は複数の伝送ノードが所定時間内で要求に従って情報伝送動作を実行しないことが検出された場合、伝送網からいずれか1つ又は複数の伝送ノードを取り除くことをさらに含む。
【0027】
さらに、違反行為が存在する違反ノードにペナルティを与えることは、伝送網のいずれか1つ又は複数の伝送ノードにプリセットされた違反行為を発生したことが検出された後、検出された違反ノードに対して伝送網の監査側がブロックチェーンに違反ノードに対するペナルティ決議をサブミットし、伝送ノードによって、ブロックチェーンにサブミットされたペナルティ決議に従って自動的に関連する処罰措置を実行し、及び/又は送信側及び/又は受信側及び/又は伝送ノードがブロックチェーンに違反ノードに対する違反証拠をサブミットし、伝送ノードによって証拠及び監査プロトコルに従って違反ノードにペナルティを実行することを含む。
【0028】
さらに、候補条件を満たした通常ノードが伝送網における候補ノードになることを許可することは、ブロックチェーン上にノードキャンペーンコントラクトが配置されており、通常ノードがノードキャンペーンコントラクトに所定金額のトークンを入質することにより伝送網の候補ノードになることをさらに含む。
【0029】
さらに、キャンペーン条件を満たした候補ノードが伝送網における伝送ノードになることを許可することは、関連する伝送ノードとの間の伝送/接続速度がプリセット条件を満たし、関連する伝送ノードが伝送網における代替ノードと伝送関係がある伝送ノードであること、
関連する伝送ノードとの間の多重同時伝送速度がプリセット条件を満たすこと、開放時間窓内でノードキャンペーンコントラクトに入質したトークンの金額がプリセット条件を満たすこと、得られた伝送網の規制委員会の投票数がプリセット条件を満たすこと、及び開放時間窓内でノードキャンペーンコントラクトに所定金額のトークンを支払う速度がプリセット条件を満たすこと、のいずれか1種又は複数種のキャンペーン条件を満たした候補ノードが伝送網の伝送ノードになることをさらに含む。
【0030】
第2態様では、第1態様の情報伝送方法を実行するように構成されるブロックチェーン技術に基づく情報伝送システムであって、システムは、送信側、受信側、伝送網及びブロックチェーンを含み、送信側は、ブロックチェーン上に送信コントラクトを作成し、伝送される情報の要約を送信コントラクトにサブミットし、伝送される情報の暗号文、受信側アドレス及び送信コントラクトのアドレスを第1伝送ノードに送信するためのものであり、送信側は、伝送網の第1伝送ノードに登録されており、第1伝送ノードは、伝送される情報の暗号文、受信側アドレス及び送信コントラクトのアドレスをポイントツーポイントで第2伝送ノードに送信するためのものであり、受信側は、伝送網の第2伝送ノードに登録されており、第2伝送ノードは、伝送される情報の暗号文及び送信コントラクトのアドレスを受信し、受信側に伝送し、受信確認受領書を生成して送信コントラクトにサブミットするためのものであるシステムが提供される。
【0031】
第3態様では、ブロックチェーン技術に基づく情報伝送装置であって、少なくとも1つのプロセッサ、及び少なくとも1つのプロセッサに通信接続されるメモリを含み、メモリに少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な指令が記憶されており、指令が少なくとも1つのプロセッサによって実行され、少なくとも1つのプロセッサが第1態様の方法を実行することができる装置が提供される。
【0032】
第4態様では、コンピュータ可読記憶媒体であって、コンピュータ可読記憶媒体にプログラムが記憶されており、プログラムがマルチコアプロセッサによって実行されるときに、マルチコアプロセッサは第1態様の方法を実行するコンピュータ可読記憶媒体が提供される。
【0033】
本発明の実施例で使用される少なくとも1つの技術的手段は、以下の有益な効果を得ることができる。
【0034】
本実施例では安全な情報伝送方法を構築し、ブロックチェーンの追跡可能、改ざん不可能、高強度信頼できるコンセンサスの優位性及び伝送網の伝送性能の優位性を有する。ここで、高信頼性のポイントツーポイント伝送網により高効率な情報伝送を実現し、機微データ及び主要なデジタル資産の安全かつ有効な流通を実現し、ハイスループットかつ大容量のデータトラフィックにおけるブロックチェーンネットワークの不足を回避する。ブロックチェーンを伝送網の信頼できる掲示板及び証明書データベースとして、送信確認受領書、受信確認受領書などのキーステータスデータを記録し、情報伝送チェーンを追跡し、これによって情報のアクセシビリティ及びセキュリティを向上させる。
【0035】
上記の説明は、本発明の技術的解決策の概要に過ぎず、本発明の技術的手段をより明確に理解することができ、本明細書の内容に従ってそれらを実施できることを理解されたい。本発明の上記及び他の目的、特徴及び利点をより明白かつ理解しやすくするために、本発明の特定の実施形態を以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
本明細書に記載の利点及び利点、ならびに他の利点及び利点は、以下の例示的な実施形態の詳細な説明を読めば、当業者には明らかとなるであろう。図面は、例示的な実施例を示すためのものに過ぎず、本発明を制限するものではない。全ての図面において、同じ符号で同じ部品を示す。
【
図1】本発明の一実施例に係るブロックチェーン技術に基づく情報伝送システムの構造模式図である。
【
図2】本発明の一実施例に係るブロックチェーン技術に基づく情報伝送方法のフローチャートである。
【
図3】本発明の一実施例に係るブロックチェーン技術に基づく情報伝送方法のフローチャートである。
【
図4】本発明の別の実施例に係るブロックチェーン技術に基づく情報伝送装置の構造模式図である。
【0037】
図面において、同じ又は対応する符号で同じ又は対応する部分を示す。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながらより詳細に説明する。添付図面には、本開示の例示的な実施例が示されているが、本開示を様々な形態で実現することができ、ここで説明される実施例に限定されるべきではないことを理解されたい。逆に、これらの実施例を提供するのは、本開示をより徹底的に理解することができるとともに、本開示の範囲を当業者に完全に伝えることができる。
【0039】
本出願の実施例の説明において、「含む」又は「有する」等の用語は、本明細書に開示された特徴、数字、ステップ、行為、部品、部分又はその組み合わせの存在を示すことを意図し、1つ又は複数の他の特徴、数字、ステップ、行為、部品、部分又はその組み合わせが存在する可能性を排除することを意図していないことを理解されたい。
【0040】
別段の記載がない限り、「/」は、又は意味を表し、例えば、A/Bは、A又はBを表すことができ、本文における「及び/又は」は、関連オブジェクトを記述する関連関係のみであり、3種類の関係が存在してもよく、例えば、A及び/又はBは、Aが単独で存在し、同時にA及びBが存在し、Bが単独で存在する場合の3つの場合を表すことができる。
【0041】
用語「第1」、「第2」等は、説明のためのものに過ぎず、相対的な重要性を指示又は暗示する、又は、指示された技術的特徴の数を暗黙的に示すものと理解できない。よって、「第1」、「第2」などの特徴は、明示的または暗黙的に1つまたはそれ以上の特徴を含むことができる。本出願の実施例の説明において、特に断らない限り、「複数」の意味は、2つ又は2つ以上である。
【0042】
本出願におけるすべてのコードは例示的なものであり、当業者は、使用されるプログラミング言語、具体的なニーズ及び個人習慣などの要因に基づいて、本出願の思想を逸脱しない条件で様々な変形を想到することができる。
【0043】
なお、矛盾しない場合、本発明における実施例及び実施例における特徴は互いに組み合わせることができる。以下、本発明を実施例により図面を参照しながら詳細に説明する。
【0044】
図1は、本発明の一実施例で提供されるブロックチェーン技術に基づく情報伝送システムである。このシステムは、主に、情報を効率的に伝送するための伝送網と、情報伝送のキー状態情報を記録保存するためのブロックチェーンとを含む。このブロックチェーンのスマートコントラクトは、費用を管理するためにも使用できる。
【0045】
前記伝送網は、具体的には、ポイントツーポイント伝送網であり、伝送網における情報の受け渡し及びルート配布を担当するN1、N2、...、Nx、Nyなどの伝送ノードから構成される。任意の伝送ノード間には、直接的かつ効率的に通信可能なネットワーク接続が確率される。これに基づいて、送信側Aは、伝送網の第1伝送ノードN1に登録される。第1伝送ノードN1は、送信側伝送ノードとも呼ばれてもよい。受信側Bは、伝送網の第2伝送ノードN2に登録される。第2伝送ノードN2は、受信側伝送ノードとも呼ばれてもよい。これによって、送信側から情報を伝送し、伝送網を介して受信側に送信することが達成される。
【0046】
前記ブロックチェーンに記憶されている情報は、「偽造不可」、「常に痕跡が残る」、「追跡可能」、「公開透明」、「一括メンテナンス」などの特徴を有する。このブロックチェーンには、伝送ノードリスト及び送受信アドレスリストが記憶されている。伝送ノードリストは、この伝送網における各伝送ノードのアドレスを記録、公開するためのものである。送受信アドレスリストは、送信側及び受信側のアドレスを記録、公開するためのものである。
【0047】
本発明の各実施例において、ブロックチェーン技術に基づく情報伝送方法を
図1におけるブロックチェーン技術に基づく情報伝送システムに適用する場合を例として説明する。
【0048】
図2は、本発明の一実施例に係るブロックチェーン技術に基づく情報伝送方法のフローチャートである。この過程において、設備から見れば、実行主体は、1つ又は複数の電子機器であってもよい。プログラムから見れば、実行主体は、これらの電子機器に搭載されたプログラムであってもよい。
【0049】
図2に示すように、本実施例で提供される方法は、以下のステップを含んでもよい。
【0050】
S201:送信側Aは、ブロックチェーン上に送信コントラクトを作成し、伝送される情報mの要約を送信コントラクトに提出する。この送信コントラクトは、オンチェーンスマートコントラクトであり、特定の規則を有するデジタル化プロトコルを定義し、このプロトコルが所定の条件を満たした場合にオンチェーンで強制的に実行される。ここで、この要約は、伝送される情報mに対してハッシュ演算を行って得られたものである。
【0051】
S202:送信側Aは、伝送される情報の暗号文、受信側Bアドレス及び送信コントラクトのアドレスを第1伝送ノードN1に送信する。この伝送される情報とは、具体的には、様々な情報伝送手段により送受信可能な情報を指し、情報内容は、テキスト、画像、オーディオ、ビデオ、文書などを含むが、これらに限定されない。
【0052】
S203:第1伝送ノードN1は、伝送される情報の暗号文、受信側アドレス及び送信コントラクトのアドレスポイントツーポイントを第2伝送ノードN2に送信する。
【0053】
選択的に、S203と同時に又はその後に、第1伝送ノードN1が送信確認受領書を生成して送信コントラクトにサブミットするS204を実行してもよい。
【0054】
S205:第2伝送ノードN2は、伝送される情報の暗号文及び送信コントラクトのアドレスを受信し、受信側Bに送信する。
【0055】
S206:第2伝送ノードN2は、受信確認受領書を生成して送信コントラクトにサブミットする。
【0056】
なお、伝送ノードの実行の状態情報を確実に取得するために、少なくとも第2伝送ノードN2により受信確認受領書を送信する必要があり、選択的に、第1伝送ノードN1により送信確認受領書を送信してもよい。
【0057】
以上をまとめると、本発明は、ブロックチェーンの追跡可能、改ざん不可能、高強度で信頼できるコンセンサスとの優位性及び伝送網の伝送性能優位性を有する安全な情報伝送方法を確立した。ここで、高信頼性のポイントツーポイント伝送網により高効率な情報伝送を実現し、機微データ及び主要なデジタル資産の安全かつ有効な流通を実現し、ハイスループットかつ大容量のデータトラフィックにおけるブロックチェーンネットワークの不足を回避する。ブロックチェーンを伝送網の信頼できる掲示板及び証明書データベースとしてする場合、パブリックチェーン、アライアンスチェーン、プライベートチェーン又はハイブリッドチェーンであってもよく、受信確認受領書などのキーステータスデータを記録し、情報伝送チェーンを追跡し、これによって情報のアクセシビリティ及びセキュリティを向上させる。
【0058】
前記の実施例において、第1伝送ノードN1と第2伝送ノードN2が異なる伝送ノードである例が挙げられた。しかし、別の実施例において、第1伝送ノードN1と第2伝送ノードN2は、同一の伝送ノードであってもよい。言い換えれば、送信側A及び受信側Bは、同一の伝送ノードに登録してもよい。この場合、この伝送ノードにより少なくとも受信確認受領書を生成し、ブロックチェーンの送信コントラクトにサブミットする。
【0059】
いくつかの実施形態において、この送信コントラクトは、トークン配布ルールと、送信側及び/又は受信側からのトークンを含む。このトークンは、送信側及び/又は受信側が支払う情報伝送費用である。例えば、公開取引、OTC取引、ブロックチェーンのコンセンサスへの直接参加により前記トークンを得ることができる。また、安全通信プロトコルに従って情報を送受信及び伝送する伝送ノードにインセンティブを与えるために、トークン配布ルールに基づいてトークンを第1伝送ノード、第2伝送ノード及び受信側のうちの1つ又は複数に配布することができる。
【0060】
いくつかの実施形態において、送信側A、受信側B及び伝送網の各伝送ノード(N1、N2、...、Nx、Ny)の公開鍵及び秘密鍵を事前に設定してもよい。非対称暗号化アルゴリズムに基づいて複数ペアの公開鍵と秘密鍵を取得することができる。公開鍵は、ブロックチェーンに公開される。秘密鍵は、送信側A、受信側B及び各伝送ノード(N1、N2、...、Nx、Ny)によって各自で保存される。具体的には、送信側Aは、非対称暗号化アルゴリズムにより得られた送信側公開鍵及び送信側秘密鍵を有し、送信側公開鍵により送信側のアドレスを標識する。受信側Bは、非対称暗号化アルゴリズムにより得られた受信側公開鍵及び受信側秘密鍵を有し、受信側公開鍵により受信側のアドレスを標識する。伝送網は、少なくとも2つの伝送ノードを含む。各伝送ノードは、それぞれ非対称暗号化アルゴリズムにより得られたノード公開鍵及びノード秘密鍵を有し、ノード公開鍵により伝送ノードのノードアドレスを標識する。送信側、受信側及び各伝送ノードのアドレスをブロックチェーンに公開する。
【0061】
いくつかの実施形態において、前記S201の前には、各伝送ノードのノード公開鍵によりブロックチェーン上にルートドメイン名を登録するするすると、送信側の送信側公開鍵により伝送網の第1伝送ノードのルートドメイン名のもとに送信側ドメイン名を登録するステップと、受信側の受信側公開鍵により伝送網の第2伝送ノードのルートドメイン名のもとに受信側ドメイン名を登録するステップと、各伝送ノードのルートドメイン名、送信側ドメイン名及び受信側ドメイン名をブロックチェーン上に公開するステップとを含んでもよい。
【0062】
言い換えれば、各伝送ノードは、ブロックチェーン上にルートドメイン名を登録し、送信側及び受信側は、伝送ノードルートドメイン名又は他の下位レベルドメイン名のもとに下位レベルドメイン名を登録する。各下位レベルドメイン名の登録には、いずれも上位ドメイン名を登録側の許可を必要とする。例えば、送信側アドレス及び受信側アドレスのドメイン名ルールは、既存のインターネットドメイン名ルールと類似してもよい。送受信アドレスを容易に記録及び拡散するために、伝送ノード及びブロックチェーン関連ドメイン名サービスは、ドメイン名からアドレスの解析サービスを担当する。インターネットドメイン名との相違点は、送信側及び受信側が仮想伝送網ドメイン名を登録するときに、公開鍵のみを使用すればよい。送受信アドレスドメイン名として、例えば、「mao.xa」、「xhs.xinan」、「boc.mars」、文天祥.信安、当代辛棄疾.dsrn、「shakespear.信安」などが挙げられる。1つのドメイン名は、1つ又は一連の送受信アドレスに対応する。そのうち、「.xa」、「.xinan」、「.mars」は、伝送ノードに属するルートドメイン名である。「mao.xa」のようなドメイン名は、情報の送受信側によって登録可能な下位ドメイン名である。「bit.mao.xa」は、情報の送受信側のもとに登録するさらなる下位レベルドメイン名又は第3レベルドメイン名である(以下は同様)。
【0063】
いくつかの実施形態において、S202の前には、送信側が伝送される情報の暗号文を生成するステップを含んでもよい。具体的には、送信側が受信側公開鍵により伝送される情報を暗号化し、送信側秘密鍵により伝送される情報に署名し、伝送される情報の暗号文を生成することを含む。これに基づいて、S205の後には、受信側Bが受信した伝送される情報の暗号文を復号化するステップを含んでもよい。具体的には、受信側Bが受信側秘密鍵により暗号文を復号化し、送信側公開鍵により検証署名することを含む。本実施例において、前記の署名-暗号化メカニズムにより、送信側と受信側のデータセキュリティが同時に保証される。
【0064】
いくつかの実施形態において、S203の前には、第1伝送ノードN1は、送信コントラクト中のトークンを検査して伝送ノードの利益を保障してもよい。具体的には、第1伝送ノードN1が情報をポイントツーポイントで第2伝送ノードに送信する前に、送信コントラクトが所定金額のトークンを含むか否かを検査し、含む場合、伝送される情報の暗号文を第2伝送ノードN2に送信し、含まない場合、情報の送信を拒否することを含む。
【0065】
いくつかの実施形態において、S204は、具体的には、第1伝送ノードN1が情報を送信するときに、それ自体のノード秘密鍵により送信情報に対して署名確認を行って送信確認受領書を生成し、送信確認受領書をブロックチェーンの送信コントラクトに送信することを含んでもよい。
【0066】
選択的に、第1伝送ノードN1は、それ自体のノード秘密鍵により送信情報に署名し、署名された要約を送信確認受領書としてブロックチェーンにアップロードする。
【0067】
いくつかの実施形態において、S206は、具体的には、第2伝送ノードN2が情報を受信するときに、それ自体のノード秘密鍵により受信情報に対して署名確認を行って受信確認受領書を生成し、受信確認受領書をブロックチェーンにアップロードすることを含んでもよい。
【0068】
選択的に、第2伝送ノードN2は、それ自体のノード秘密鍵により受信情報に署名し、署名した要約を受信確認受領書としてブロックチェーンにアップロードする。
【0069】
いくつかの実施形態において、S206は、第2伝送ノードN2が受信側Bに情報を伝送するときに、それ自体のノード秘密鍵により伝送情報に対して署名確認を行って伝送確認受領書を生成し、伝送確認受領書をブロックチェーンにアップロードことをさらに含んでもよい。
【0070】
選択的に、第2伝送ノードN2は、それ自体のノード秘密鍵により伝送情報に署名し、署名した要約を伝送確認受領書としてブロックチェーンにアップロードする。
【0071】
いくつかの実施形態において、
図1に示すように、S206の後に、受信側Bが伝送される情報の暗号文を読み取った後、S207:受信側鍵により読み取った情報に対して署名確認を行って読み取り確認受領書を生成し、読み取り確認受領書をブロックチェーンの送信コントラクトにアップロードするステップをさらに実行してもよい。
【0072】
言い換えれば、伝送網中の伝送ノードが各情報を送受信するときに、その秘密鍵を用いて情報の送信、受信動作に対して署名確認を行い、署名をメッセージ送受信の受領書としてブロックチェーンに記録する。また、前記受領書は、いずれも署名時のタイムスタンプ情報を含む。これによって、ブロックチェーンには、送信側から伝送網中の各伝送ノード、そして受信側への伝送される情報の流通過程全体の状態情報が記録されている。
【0073】
いくつかの実施形態において、伝送ノードによる情報の無差別な送受信を確保し、特定のアドレスを有する情報に対する悪意のある拒否及びフィルタリングを回避するために、第1伝送ノードが情報を送信する情報順序と、第2伝送ノードが情報を受信する情報順序とを一致に保持することを約束することができる。
【0074】
例えば、送信順序に従って順に情報に番号(T1,T2,...Tn;T1<T2<...<Tn)を付けた場合、送信側伝送ノードが情報を送信するときに、順にT1,T2,...Tnの情報に対して署名確認を行う必要があり、受信側伝送ノードでも前記順序に従って情報に署名する。また、受信側伝送ノードは、必ず受信情報に対して署名確認を行わなければならない(即ち、受信確認受領書を発行しなければならない)。つまり、各伝送ノード情報の受送信順序が一致するように、伝送ノードによって情報の送受信順序を調整することができる。
【0075】
本実施例における送信コントラクトは、トークン受取ルール及びトークン分配メカニズムを規定している。ここで、トークン受取ルールとは、送信側及び/又は受信側からブロックチェーンが配置した送信コントラクトにトークンを支払うルールを指し、トークン分配メカニズムとは、情報伝送タスクを実行する伝送ノード及び受信側がトークン奨励を取得するルールを指す。
【0076】
以下、具体的な実施形態によりトークン受取ルール及びトークン分配メカニズムを詳しく説明する。
【0077】
いくつかの実施形態において、トークン受取ルールは、送信側、受信側、第1伝送ノード、第2伝送ノードのうちの1つ又は複数によってネゴシエーションして確定することができる。トークン受取ルールは、送信側からトークンを支払うこと;受信側から第2伝送ノードに所定金額のトークンを事前に承諾又は入質すること;送信側及び受信側がトークンを分担すること;のうちのいずれか1種又は複数種を含む。
【0078】
例えば、情報送信側が情報を伝送するときに支払うべきコストは、伝送ノードがネゴシエーションして投票することによって決定されてもよく、情報の受信側又は送信側によって決定されてもよい。少なくとも以下の3種類の受取メカニズムを含む。(1)送信側が費用を支払う。例えば、送受信双方が初めて通信するときに、送信側が受信側にトークンを支払い、受信側が初めてある送信側情報を受信した後、受信側は後の通信中に引き続き通信費用を受け取るか否かを決定することができる。このような場合、伝送ノード収益を確保するために、受信側ノードは、送信側が支払ったトークンから一定の割合でサービス料金差し引く必要があり、送信側伝送ノードは、サービス料金を受け取るか否かを自分で選択することができる。(2)受信側が費用を支払う。例えば、受信側が情報収集側である場合、受信側の方は、情報伝送の費用を希望する。即ち、受信側は、受信側伝送ノードに、対応するトークンを事前に承諾又は入質することで情報伝送費用を支払う。(3)送受信双方が費用を支払う。例えば、情報の送受信双方が等価値の情報伝送を行う場合、情報伝送の形で資産取引を完成する場合、双方が取引情報を伝送する際に、各自で一部の情報伝送費用を負担することができる。
【0079】
いくつかの実施形態において、プリセットトークン配布ルールは、下記のいずれか1種を含んでもよい。(1)第1伝送ノードが送信コントラクト内に送信確認受領書をサブミットし、第2伝送ノードが送信コントラクト内に受信確認受領書をサブミットした後、トークンを割合で第1伝送ノード及び第2伝送ノードに割り当てる。(2)第2伝送ノードが前記送信コントラクト内に受信確認受領書をサブミットした後のみに、トークンを送信コントラクト内にプリセットされたトークン配布ルールに従って第1伝送ノード及び/又は第2伝送ノードに割り当てる。
【0080】
いくつかの実施形態において、送信側と受信側とが情報伝送状態及び時間などについて議論した場合、以下のステップを実行してもよい。送信側及び/又は受信側が伝送される情報又は伝送された情報を調停側にサブミットし、調停側が伝送される情報又は伝送された情報、送信側、受信側、第1伝送ノード及び第2伝送ノードの公開鍵、並びに送信コントラクト中のデータに基づいて遡源及び尋問する。
【0081】
具体的には、調停側は、ノードが送信を拒否した情報、送受信した情報、情報の一致、情報送信の時間などの事実に対して裁決することができる。例えば、送信側Aが情報mを受信側Bに送信することを例とすると、情報mが送信側から伝送網、さらに受信側に伝送される過程全体において、送信側情報mの要約がブロックチェーンにサブミットされ、伝送ノードの送信確認受領書及び受信確認受領書がブロックチェーンにサブミットされ、受信側の読み取り確認受領書がブロックチェーンにサブミットされる。言い換えれば、前記データは、いずれもオンチェーンの送信コントラクトに公開されて改ざん不可能な形式で記録される。送信側Aと受信側Bの間は、情報の送受信状態、時間などにより議論した場合、Aは情報mを調停側にサブミットして尋問することができる。送信側公開鍵及び受信側公開鍵が公的に取得可能であり、伝送ノードの公開鍵も公的に取得可能であるため、調停側は、自分で、自動的に証拠チェーン遡源、監査を完成し、即時に裁決結果を出すことができる。同様に、受信側Bも情報を受信した後に、情報mを調停側にサブミットして尋問することができる。
【0082】
一例において、
図3を参照しながら本実施例の情報送受信のフローを詳しく説明する。
【0083】
図3に示すように、送信側Aは、仮想伝送網を介して情報mを受信側Bに送信する。P1,P2,P3,P4,P5の合計5つの仮想(論理)伝送ノードは、この仮想伝送網を構成する。以下のa~hは、一方向情報の完全な送信及び受信過程を示す。
【0084】
a)送信側Aは、その公開鍵Apub又は公開鍵の要約を用いて伝送ノードP1に登録しており、Bは、Bの公開鍵Bpub又は公開鍵の要約を用いて伝送ノードP3に登録し、Aは、BがP3に登録したことを知っている。
【0085】
b)送信側Aは、Bの公開鍵Bpubにより暗号化し、さらにその秘密鍵Aprivにより情報mに署名してmabとなる。
【0086】
c)送信側Aは、ブロックチェーン上に送信コントラクトCAを作成し、送信コントラクトCAにそれが支払うトークンを入金する。入金するトークンの金額はTaである。ここで、送信コントラクトCAは、情報mab(コントラクトに情報m及びmabの要約又はハッシュのみが記録される)の出発ノードが情報を目的アドレスがある伝送ノードに送信し、目的ノードがコントラクト内に受信確認受領書をサブミットした後、出発ノード及び目的ノードがそれぞれTaの50%を得ることを約束することができる。
【0087】
d)送信側Aは、情報mabをP1に送信し、P1にコントラクトアドレスCAを知らせる。
【0088】
e)伝送ノードP1は、コントラクトアドレスCA内のトークンが十分であるかをチェックし、伝送ノードP3に情報を送信し、情報送信済の送信確認受領書を送信コントラクトCAにサブミットする。
【0089】
f)伝送ノードP3が情報mabを受信した後、情報mabを自動的に受信側Bに伝送し、情報受信済及び伝送済の受信確認受領書及び/又は伝送確認受領書をCAにサブミットする。
【0090】
g)送信コントラクトCA内において、約束に応じて自動的にTaを送信ノードP1及び受信ノードP2にそれぞれ50%で割り当てる。送信期間での伝送交換を回避するために、特定の時間内で送信側Aが異議を申し立てていない場合、送受信ノードは、コントラクト内から対応する金額のトークンを抽出することができる。
【0091】
h)受信側Bがmabを受信した後、Aの公開鍵Apubを用いて検証署名を行い、それ自体の秘密鍵Bprivを用いて復号化し、情報mを得る。
【0092】
以下、具体的な実施形態を参照しながら本実施例の伝送網及びそれに含まれる伝送ノードを詳しく説明する。
【0093】
伝送網は、仮想伝送ノードから構成されるポイントツーポイント伝送網であってもよい。任意の伝送ノード間に直接的かつ効率的に通信可能なネットワーク接続を確立し、仮想ネットワーク(又は論理ネットワーク)中の情報伝送に使用される。
【0094】
伝送網は、無線通信、光通信、衛星通信、インターネット通信のいずれか1つによりポイントツーポイント伝送を実現することができる。
【0095】
伝送網は、以下の3つの規制方式を含んでもよい。(1)規制委員会:ネットワーク規制に関わるすべての関係者によって規制委員会が設立される。仮想伝送ノードへの参入は、委員会の投票によって決定され、具体的な参加ルールは、規制委員会によって決定される。(2)中心化サービスプラットフォーム:中心化サービスプラットフォームは、伝送ノードの組織管理を担当し、規制細則は、サービスプラットフォームによって決定される。(3)分散型自治:特定のコミュニティ自治ルールでインターネット規制を行う。例えば、候補ノードは、コミュニティ約定に従ってそれぞれオンチェーンに所定量のトークンを入質し、トークンの入質量が基準を満たしたものは伝送ノードとして選択され得る。伝送ノードのサービス過程において、コミュニティが約定したサービス基準要求を満たさない場合、自動的に伝送ノードリストから取り除かれる。コミュニティの持続可能な分散型自治を維持するために、伝送ノードはサービス期間内でトークンの形でコミュニティにサービス税を支払うことができる。
【0096】
いくつかの実施形態において、伝送網の正常動作を維持し、その効率を保証するために、伝送網において伝送ノードを管理することができる。具体的には、サービス要求を満たさない伝送ノードを伝送網から取り除くこと;違反行為が存在する違反ノードにペナルティを与えること;候補条件を満たした通常ノードが前記伝送網における候補ノードになることを許可すること;及びキャンペーン条件を満たした候補ノードが前記伝送網における伝送ノードになることを許可することのいずれか1種又は複数種を含む。
【0097】
いくつかの実施形態において、サービス要求を満たしていない伝送ノードを伝送網から取り除くために、以下のステップを実行することができる。前記伝送網のいずれか1つ又は複数の伝送ノードが所定時間内で要求に従って情報伝送動作を実行しないことが検出された場合、前記伝送網から前記いずれか1つ又は複数の伝送ノードを取り除く。
【0098】
例えば、
図1に示すように、送信側Aから第1伝送ノードN1に伝送された情報が所定の時間内で次の伝送ノードに伝送されなかった場合、この第1伝送ノードN1がサービス基準を満たさないと認定することができ、それを伝送網から取り除き、第1伝送ノードN1の代わりに他の候補ノードによって伝送サービスを提供することができる。
【0099】
いくつかの実施形態において、伝送網は、監査プロトコルを含む。この監査プロトコルは、オンチェーンデータ及び送信コントラクトのデータにより各伝送ノードの伝送行為を監査する。伝送ノードがプリセットされた送受信プロトコルに従って伝送しない証拠を発見すると、伝送網から伝送ノードを取り除くか、又はノードペナルティを行う。
【0100】
選択的に、伝送網の規制委員会によってこの監査プロトコルを代理することができる。このプリセット送受信プロトコルは、前記S201-S206に規定された伝送ノードの伝送プロトコルを含むが、これに限定されない。プリセット送受信プロトコルに従って伝送しない証拠が発見された伝送ノードでは、自動的にこの伝送ノードのアクセス資格を取り消すか又はペナルティなどを与え、ノード入れ替えルールに従って新しいノードに入れ替えることができる。
【0101】
いくつかの実施形態において、違反行為が存在する違反ノードにペナルティを与え、伝送網における違反ノードに秩序ある管理を行い、前記伝送網のいずれか1つ又は複数の伝送ノードにプリセットされた違反行為が発生したことを検出した場合、検出された違反ノードに対して以下の処理を行う。
【0102】
1)前記伝送網の監査側によって前記ブロックチェーン上に前記違反ノードに対するペナルティ決議をサブミットし、伝送ノードによって、ブロックチェーンにサブミットされたペナルティ決議に従って自動的に関連する処罰措置を実行し、及び/又は
2)前記送信側及び/又は前記受信側及び/又は前記伝送ノードによって前記ブロックチェーン上に前記違反ノードに対する違反証拠をサブミットし、伝送ノードは、証拠及び監査プロトコルに基づいて前記違反ノードに対してペナルティを実行する。
【0103】
いくつかの実施形態において、違反ノードに対してペナルティを実行するということは、前記伝送網から前記違反ノードを取り除くこと及び/又はトークン罰金を支払うことであることができる。ここで、支払うトークン罰金は、違反ノードが事前にブロックチェーンにサブミットする保証金としてみなされ得る。
【0104】
本実施例における伝送網は、アクセス許可型ネットワークである。言い換えれば,候補伝送ノードは、ネットワーク事業者から許可をもらってから伝送網にアクセスして情報の送受信に関与することができる。伝送ノードリストは、ネットワーク事業者によって各伝送ノードに同期的に配布される。
【0105】
いくつかの実施形態において、候補条件を満たした通常ノードが前記伝送網における候補ノードになることが許可されるために、ブロックチェーンにノードキャンペーンコントラクトを配置することができ、通常ノードは、ノードキャンペーンコントラクトに所定金額のトークンを入質することにより伝送網の候補ノードになることができる。
【0106】
いくつかの実施形態において、キャンペーン条件を満たした候補ノードが前記伝送網における伝送ノードになることが許可されるために、このノードキャンペーンコントラクトは、開放申込時間内で、下記の当選条件の1つ又は複数を満たした候補ノードが伝送網の伝送ノードになることをさらに規定する。
【0107】
1)関連伝送ノードとの間の伝送/接続速度がプリセット条件を満たし、関連伝送ノードが伝送網における、代替ノードと伝送関係を発生する伝送ノードである。例えば、関連伝送ノードとの間の伝送/接続速度が最大の候補ノードを新しい伝送ノードに当選させることができる。
【0108】
(2)関連伝送ノードとの間の多重同時伝送速度がプリセット条件を満たす。例えば、関連伝送ノードとの間の多重同時(例えば、同時に10個の大容量情報を伝送する)伝送の速度が最大の候補ノードを新しい伝送ノードに当選させることができる。
【0109】
いくつかの実施形態において、各候補ノードの物理的な変更不可指標が同じ又は大差ない場合、候補ノードがサービス基準を満たせる伝送サービスを提供することを確保するために、以下の推薦方式を同時に考慮する。
【0110】
(3)開放時間窓内で前記ノードキャンペーンコントラクトに入質したトークンの金額がプリセット条件を満たす。例えば、オンチェーンが所定量のトークンを入質することで、候補ノード資格を得ることができる。開放時間窓が終了したときに、トークン入質数が最大の候補ノードを新しい伝送ノードとして選択し、又はトークン入質数の条件を満たした複数の候補ノードから1つ又は複数を新しい伝送ノードとしてランダムに選択する。
【0111】
(4)得られた伝送網の規制委員会の投票数がプリセット条件を満たす。
【0112】
(5)開放時間窓内でノードキャンペーンコントラクトに所定金額のトークンを支払う速度がプリセット条件を満たす。例えば、候補ノードは、開放時間窓内でオンチェーン(コントラクト)に一定量のトークンを支払うことができ、一番速く全部支払う候補ノードは、新しい伝送ノードに当選することができる。
【0113】
前記のいずれか1つ又は複数の条件を満たして事業者の許可を得た後、候補ノードは、伝送網の新しい伝送ノードになることができる。例えば、
図1に示すように、候補ノードNzは、伝送ノードNyを代替し、伝送ノードNyの代わりに伝送する全てのデータを得ることができ、伝送網事業者は、新たに選択された伝送ノードの公開鍵をインターネットで放送し、運行している全ての伝送ノードに送信する。この新たに選択された伝送ノードの公開鍵は、ブロックチェーンにもアップロードされる。
【0114】
例えば、送信側Aが送信コントラクトをクエリした結果、この送信コントラクトに第1伝送ノードの伝送される情報mに対する送信確認受領書を含むが、第2伝送ノードの伝送情報mに対する受信確認受領書を含まず、かつ伝送される情報mが既に一定の時間伝送されたことを発見した場合、この第2伝送ノードに故障があったと認定することができ、送信側Aは、この伝送される情報mを新たに送信することができる。
【0115】
本実施例で提供される情報伝送方法は、通信セキュリティ及び情報完全性を確保する必要がある様々な利用シーンに使用することができ、情報伝送のセキュリティを向上させ、自動的な証明保存及び効率的な尋問を実現し、幅広い応用価値がある。
【0116】
以下、本実施例の利用シーンを例示的に列挙するが、本実施例で提供される情報伝送方法の利用シーンは、これに限定されない。
【0117】
本実施例で提供される情報伝送方法は、安全暗号化通信の場面に使用することができる。情報送受信プロセスにおけるAとB間の通信を例とすると、インターネット伝送環境下で、各事業者ネットワークノードは伝送ノードのタスクを担当することができる。データに公的にアクセス可能な任意のブロックチェーンシステムを最下層ブロックチェーンとしてサポートする。AとBの間は、本発明の伝送方法及び基礎的なネットワーク及びブロックチェーンサービスによりサポートすることにより、即時な安全暗号化通信又は遅延の電子メール通信を実現することができる。
【0118】
本実施例で提供される情報伝送方法は、業務提携の契約紛争シーンに使用することができる。情報送受信プロセスにおけるAとB間の通信を例とすると、AとBがそれぞれ業務提携における甲方と乙方である場合、双方はインターネットを介し、又は自分でネットワークを構築してそれぞれ伝送ノードを設け、本発明の伝送方法によりキー情報の双方向の安全送達を実現することができる。双方がビジネス契約におけるキー情報の送達時間条項について議論した場合、オンチェーンに記録した内容が改ざん不可能であるため、調停側は、オンチェーン情報に基づいて自動的に紛争の裁定を完成することができる。裁定過程において、いくつかの場合では、送達情報の内容を開示しないことを確保できる。原理は、以下の通りである。送信側Aと受信側Bは、暗号化後の情報内容に対して署名確認することができ、調停側は、伝送ノードのオンチェーンに記録した情報要約、伝送時間及び送受信確認状態を確認すれば、相応の裁決を完成することができる。この過程において、調停側は情報の元の内容を知る必要がない。
【0119】
本実施例で提供される情報伝送方法は、肝心な技術文書又はアイデアの伝送、医療データの安全伝送、環境関連情報の送受信などに応用することができる。
【0120】
本実施例で提供される情報伝送方法は、設備の安全な遠隔制御に応用することができ、遠隔手術、無人航空機、自動車及び高リスク建設車両又は設備の操作シーンにおいて、本発明の方法を適用することにより、操作端末と遠隔設備との間で安全且つ効率的な通信を確立することを確保することができる。すなわち、高速伝送ネットワークに基づいて、少なくとも2つの安全伝送ノードと1つの基礎サービスチェーンとを架設し、それぞれ操作端末と遠隔設備とを安全伝送ノードによって通信接続することにより、安全かつ効率的な操作を行うことができ、設備制御に対する指令データ監査を実現することができる。操作事故が発生した場合、信頼できる安全データを提供することができる。
【0121】
本実施例で提供される情報伝送方法は、設備間の安全通信使用場面に応用でき、モノのインターネットの普及に伴い、セルフサービス及び自律能動的設備機器がますます多様化し、設備機器間の協同シーンがますます多くなる。本発明は、設備機器間の連携において大きく作用する。マシン間の連携には、高効率、自動などの特徴があるため、マシン間の通信がサイバー攻撃及びハッカーに乗っ取られると、評価量の悪影響が生じる。本発明は、マシン間で監査可能な、安全で確実な通信接続をサポートすることができ、マシン間協調メッセージの送受信、コマンドの伝達は、いずれも本発明により構築された通信システムを用いて完成することができ、マシン間の安全な連携を確保することができる。
【0122】
本明細書の説明において、用語「いくつかの可能な実施形態」、「いくつかの実施例」、「例示」、「具体例」、又は「いくつかの例」等を参照した説明は、当該実施例又は例示的に説明された具体的な特徴、構造、材料又は特徴が本発明の少なくとも1つの実施例又は例に含まれることを意味する。本明細書において、上記用語に対する模式的な表現は、必ずしも同一の実施例又は例示であるとは限らない。また、記述された具体的な特徴、構造、材料又は特徴は、いずれか1つ又は複数の実施例又は例において適切な方式で結合されてもよい。また、互いに矛盾しない限り、当業者は、本明細書に記載された異なる実施例又は例示及び異なる実施例又は例示の特徴を組み合わせて組み合わせることができる。
【0123】
また、用語「第1」、「第2」は、単に目的を説明するためのものであり、相対的な重要性を指示又は暗示する、又は指示された技術的特徴の数を暗黙的に示すものと理解できない。よって、「第1」、「第2」の特徴は、明示的及び暗黙的に少なくとも1つの当該特徴を含んでもよい。本発明の説明において、「複数」とは、特に明記しない限り、少なくとも2つ、例えば、2つ、3つなどである。
【0124】
フローチャートにおいて又はここで他の方式で記述された任意のプロセス又は方法の記述は、特定の論理機能又はプロセスのステップを実現するための実行可能な命令を含む1つ又は複数のコードを含むモジュール、セグメント又は部分を示し、本発明の好ましい実施形態の範囲は別の実現を含み、ここで、示された又は議論された順序に示されなくてもよく、関連する機能に基づいて基本的に同時に又は逆の順序で機能を実行することは、本発明の実施例が属する技術分野の当業者に理解されるべきである。
【0125】
本出願の実施例の方法フローチャートについて、いくつかの動作を一定の順序で実行する異なるステップとして説明する。このようなフローチャートは例示であって制限的なものではない。本文に記載されたいくつかのステップをグループ化して単一の操作において実行することができ、いくつかのステップを複数のサブステップに分割することができ、本文に示された順序と異なる順序で一部のステップを実行することができる。フローチャートに示される各ステップは、任意の回路構成及び/又は有体的な機構(例えば、コンピュータ機器上で実行されるソフトウェア、ハードウェア(例えば、プロセッサ又はチップによって実現される論理機能)など、及び/又はそれらの任意の組み合わせによって実現されてもよい。
【0126】
同じ技術的思想に基づいて、本発明の実施例では、前記いずれかの実施例で提供されるブロックチェーン技術に基づく情報伝送方法を実行するためのブロックチェーン技術に基づく情報伝送システムがさらに提供される。
図1は、本発明の実施例で提供されるブロックチェーン技術に基づく情報伝送システムの構造模式図である。
【0127】
図1に示すように、ブロックチェーン技術に基づく情報伝送システムは、送信側A、受信側B、伝送網(N1、N2、...、Nx、Ny)及びブロックチェーンを含む。ここで、送信側Aは、伝送網の第1伝送ノードN1に登録され、受信側Bは、伝送網の第2伝送ノードN2に登録され、これによって、送信側から情報を伝送して伝送網を介して受信側に送信することを実現することができる。
【0128】
送信側Aは、ブロックチェーン上に送信コントラクトを作成し、伝送される情報の要約を送信コントラクトにサブミットし、伝送される情報の暗号文、受信側アドレス及び送信コントラクトのアドレスを第1伝送ノードに送信するためのものである。
【0129】
第1伝送ノードは、伝送される情報の暗号文、受信側アドレス及び送信コントラクトのアドレスをポイントツーポイントで第2伝送ノードに送信し、送信確認受領書を生成して送信コントラクトにサブミットするためのものである。
【0130】
第2伝送ノードは、伝送される情報の暗号文及び送信コントラクトのアドレスを受信し、受信側に伝送し、受信確認受領書を生成して送信コントラクトにサブミットするためのものである。
【0131】
なお、本出願の実施例におけるブロックチェーン技術に基づく情報伝送システムは、前述のブロックチェーン技術に基づく情報伝送方法の実施例の各プロセスを実現し、同じ効果及び機能を達成することができ、ここでは説明を省略する。
【0132】
図4は、本願の一実施例に係るブロックチェーン技術に基づく情報伝送装置であって、
図2に示すブロックチェーン技術に基づく情報伝送方法を実行するための装置であって、少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのプロセッサと通信接続されるメモリとを含み、メモリには、少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な命令が記憶され、命令は、少なくとも1つのプロセッサによって実行され、少なくとも1つのプロセッサが上記実施例に記載の方法を実行できるようにする。
【0133】
本出願のいくつかの実施例によれば、プロセッサによって実行されると、上記実施例に記載の方法を実行するように設定されたコンピュータ実行可能命令が記憶されているブロックチェーン技術に基づく情報伝送方法を提供する不揮発性コンピュータ記憶媒体が提供される。
【0134】
本出願における各実施例は、漸進的に説明され、各実施例の間の同一類似部分は互いに参照すればよく、各実施例は、他の実施例と異なる点を重点的に説明する。特に、装置、装置及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体の実施例は、基本的に方法の実施例に類似するため、その説明は簡略化され、関連する部分については方法の実施例の一部の説明を参照すればよい。
【0135】
本出願の実施例に係る装置、装置及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、方法と1対1で対応するため、装置、装置及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体もそれに対応する方法と同様の有益な技術効果を有し、上述した方法の有益な技術効果について詳細に説明したので、ここでは装置、装置及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体の有益な技術的効果を再び説明しない。
【0136】
当業者であれば、本開示の実施形態は、方法、システム、及びコンピュータプログラム製品として提供され得ることを理解されたい。したがって、本発明は、完全なハードウェア実施例、完全なソフトウェアの実施例、及びソフトウェアとハードウェアを組み合わせた実施例の形式を採用することができる。さらに、本発明は、1つ及び複数のコンピュータ利用可能なプログラムコードを含むコンピュータ利用可能な記憶媒体(磁気ディスクメモリ、CD-ROM、光学メモリなどを含むがこれらに限定されない)上で実施されるコンピュータプログラム製品の形態を採用することができる。
【0137】
本発明は、本発明の実施例に係る方法、設備(システム)を参照する。)コンピュータプログラム製品のフローチャート及び/又はブロック図に基づいて説明する。コンピュータプログラム命令によってフローチャート及び/又はブロック図における各フロー及び/又はブロック、並びにフローチャート及び/又はブロック図におけるフロー及び/又はブロックの結合を実現することができることを理解されたい。これらのコンピュータプログラム命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、組み込みプロセッサ又は他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサに命令して、コンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサによって実行される命令によって、フローチャートの1つ又は複数のフロー及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロックにおいて指定された機能を実現するための装置を生成するように、1つのマシンを生成することができる。
【0138】
これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理装置を特定の方式で動作させることができるコンピュータ読み取り可能なメモリに記憶されてもよく、これにより、当該コンピュータ読み取り可能なメモリに記憶された命令に命令装置を含む製造品が生成され、当該命令装置は、フローチャートの1つのフロー又は複数のフロー及び/又はブロック図の1つのブロック又は複数のブロックにおいて指定された機能を実現する。
【0139】
これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理デバイスにロードされて、コンピュータ又は他のプログラマブルデバイス上で一連の操作ステップを実行してコンピュータにより実現される処理を生成することにより、コンピュータ又は他のプログラマブルデバイス上で実行される命令は、フローチャートの1つ又は複数のフロー及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロックで指定された機能を実現するためのステップを提供する。
【0140】
典型的な配置において、コンピューティングデバイスは、1つ以上のプロセッサ(CPU)、入出力インターフェイス、ネットワークインターフェイス及びメモリを含む。
【0141】
メモリは、コンピュータ読み取り可能なメディアにおける不揮発性ストレージ、ランダムアクセスメモリ(RAM)及び/又は不揮発性メモリなどの形式、例えば、読み取り専用メモリ(ROM)又はフラッシュメモリ(flash RAM)。含んでもよい。メモリはコンピュータ可読メディアの一例である。
【0142】
コンピュータ可読媒体は、永久的及び非持続性を含み、リムーバブルメディアは、任意の方法又は技術によって情報を記憶することができる。情報は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムのモジュール又は他のデータであってもよい。コンピュータ可読記憶媒体の例は、相変化メモリ(PRAM)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、動的ランダムアクセスメモリ(DRAM)、その他のタイプのランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ又は他のメモリ技術、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)又は他の光学メモリ、磁気カセット磁気テープ、磁気テープ磁気ディスク記憶又は他の磁気記憶デバイス又は任意の他の非伝送媒体を含むが、これらに限定されない。また、図面においては、本発明の方法の動作を特定の順序で説明しているが、これらの動作を必ずしも特定の順序で行う必要はなく、所望の結果が得られるように、全ての動作を実行する必要がある。追加的又は代替的に、いくつかのステップを省略し、複数のステップを1つのステップに統合して実行し、及び/又は1つのステップを複数のステップに分解して実行してもよい。
【0143】
いくつかの具体的な実施形態を参照して本発明の精神と原理を説明したが、本発明は、開示された具体的な実施形態に限定されるものではなく、各方面の分割も、これらの側面における特徴を組み合わせることができないことを意味するものではなく、このような分割は、表現の便宜上のものに過ぎない。本発明は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。