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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-17
(45)【発行日】2025-01-27
(54)【発明の名称】包装用フィルム片形成機構及び包装装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 41/04 20060101AFI20250120BHJP
【FI】
B65B41/04
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2024552755
(86)(22)【出願日】2024-05-24
(86)【国際出願番号】 JP2024019135
【審査請求日】2024-09-04
(31)【優先権主張番号】P 2023090635
(32)【優先日】2023-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1) 発行者名 大阪シーリング印刷株式会社 刊行物名 クリアラッピング装着機 FWS-M1 フルオートタイプ 発行日 令和4年9月1日 (2) 展示会名 TOKYO PACK 2022 開催場所 東京ビッグサイト(東京都江東区有明3丁目11-1) 東1~3・東6ホール 開催日 令和4年10月12日~14日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】323006253
【氏名又は名称】オークテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000970
【氏名又は名称】弁理士法人 楓国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石塚 昭範
(72)【発明者】
【氏名】岸本 哲哉
(72)【発明者】
【氏名】大谷 公一
(72)【発明者】
【氏名】塩月 宏次朗
【審査官】種子島 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】特開平03-226420(JP,A)
【文献】特開平07-237615(JP,A)
【文献】実開昭63-126356(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 41/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の包装用フィルム片となる複数の領域がミシン目を介して連続的に繋がった帯状フィルムを用いて、当該複数の領域のうちの帯状フィルムの先頭にある先頭領域から前記包装用フィルム片を順に形成していくことを可能にする包装用フィルム片形成機構であり、
前記先頭領域の幅方向についての両端部をそれぞれチャックする一対のチャック部を含み、当該一対のチャック部を、前記先頭領域に対するチャックを開始する開始位置と、当該開始位置から前記帯状フィルムの引出しが可能な方向へ離間した位置であって前記先頭領域に対するチャックを解除する解除位置と、の間で往復移動させることが可能なチャックユニットと、
前記帯状フィルムを挟持して当該帯状フィルムの引出しを停止させることが可能な制止ユニットと、
を備える、包装用フィルム片形成機構。
【請求項2】
前記制止ユニットは、前記帯状フィルムを挟持したときに、前記先頭領域の前記幅方向についての両端部が、当該制止ユニットからはみ出ることによって前記一対のチャック部によるチャックが可能な状態となるように構成されている、請求項1に記載の包装用フィルム片形成機構。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の包装用フィルム片形成機構と、
制御装置と、
を備える、包装装置であり、
前記制御装置は、
前記一対のチャック部に、前記帯状フィルムの先頭領域に対する前記開始位置でのチャックを実行させ、
前記先頭領域に対するチャックを前記一対のチャック部に継続させつつ、当該一対のチャック部を、前記開始位置から前記解除位置へ移動させ、
前記一対のチャック部を前記解除位置へ移動させる途中で、前記ミシン目を介して前記先頭領域に繋がっている次の領域を前記制止ユニットに挟持させる、包装装置。
【請求項4】
前記制御装置は、
前記一対のチャック部を前記解除位置へ移動させる途中で、当該一対のチャック部にチャックさせている前記先頭領域と次の領域との境界にあるミシン目の全体が、前記制止ユニットによる挟持の対象になる挟持範囲の外へ出たときに、前記一対のチャック部を一旦停止させ、それから前記次の領域を制止ユニットに挟持させ、
その後、前記一対のチャック部の移動を再開させることにより、再開時に発生する瞬発力を利用して、前記帯状フィルムの先頭領域を、次の領域との境界にあるミシン目で引きちぎる、請求項3に記載の包装装置。
【請求項5】
前記制御装置は、
前記一対のチャック部を前記解除位置へ移動させる途中で、当該一対のチャック部にチャックさせている前記先頭領域に連続する次の領域を前記制止ユニットに挟持させた後、当該次の領域を挟持させた状態を、当該次の領域に対する前記一対のチャック部によるチャックが開始されるまで、当該制止ユニットに継続させる、請求項3に記載の包装装置。
【請求項6】
包装対象物を搬送する搬送機構と、
前記包装用フィルム片形成機構によって形成された包装用フィルム片を、前記搬送機構で搬送されてくる包装対象物に貼り付ける貼付機構と、
を更に備える、請求項3に記載の包装装置。
【請求項7】
前記搬送機構は、搬送方向において近接離間可能な搬入部及び搬出部を備え、当該搬入部と当該搬出部を離間させることにより、前記解除位置の下方の位置に、前記包装対象物が跨ぐことができるスペースを形成することが可能であり、
前記貼付機構は、
前記解除位置にて前記一対のチャック部によるチャックが解除された前記包装用フィルム片を、前記包装対象物の上面に押し当てて、当該包装用フィルム片の両端部が下へ垂れた状態にすることが可能な第1押当てユニットと、
前記包装用フィルム片のうちの下へ垂れた両端部を、前記包装対象物の底面に押し当てることが可能な第2押当てユニットと、
を備える、請求項6に記載の包装装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連続した帯状フィルムから包装用フィルム片を形成する技術、及びその包装用フィルム片を用いた包装技術に関する。
【背景技術】
【0002】
連続した帯状フィルムから包装用フィルム片を形成する技術として、カット刃を用いて帯状フィルムを所定位置で切断していく技術が一般的に知られている。例えば特許文献1には、帯状フィルムの両辺をアームで掴んで所定長さだけ引き出した後、カット刃を降下させることにより、帯状フィルムを所定位置で切断して所定長さの包装用フィルム片を形成する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2021-116081号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、カット刃を用いた従来技術においては、定期的にカット刃のメンテナンス(交換など)を行うことが必要になる。また、帯状フィルムを所定位置で切断するためには、当該所定位置とカット刃の降下位置とを正確に一致させる必要があり、それを実現するためには、高精度の機構や制御が要求されることになる。
【0005】
更に、カット刃で帯状フィルムを切断する場合には、当該帯状フィルムにテンションをかけて弛みのない状態にすることが必要になる。このため、特許文献1に開示の技術では、帯状フィルムを繰り出すローラと、その帯状フィルムを引き出すアームとにより、当該帯状フィルムにテンションをかけている。しかし、その状態で帯状フィルムを切断したとすると、切断によってテンションがなくなったときに、帯状フィルムのうちの切断によって新たに先頭になった部分がカールしてしまうおそれがある。このようなカールの発生は、帯状フィルムを次の切断のためにアームで掴むことを困難にし、それが故に包装装置の連続運転を妨げる原因になる。
【0006】
そこで本発明の目的は、包装用フィルム片を形成する技術において、メンテナンス性の向上と連続運転の実現との両立を可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る包装用フィルム片形成機構は、複数の包装用フィルム片となる複数の領域がミシン目を介して連続的に繋がった帯状フィルムを用いて、当該複数の領域のうちの帯状フィルムの先頭にある先頭領域から包装用フィルム片を順に形成していくことを可能にする機構であり、チャックユニットと、制止ユニットと、を備える。チャックユニットは、先頭領域の幅方向についての両端部をそれぞれチャックする一対のチャック部を含み、当該一対のチャック部を、先頭領域に対するチャックを開始する開始位置と、当該開始位置から帯状フィルムの引出しが可能な方向へ離間した位置であって先頭領域に対するチャックを解除する解除位置と、の間で往復移動させることが可能なユニットである。制止ユニットは、帯状フィルムを挟持して当該帯状フィルムの引出しを停止させることが可能なユニットである。
【0008】
上記包装用フィルム片形成機構によれば、帯状フィルムの先頭領域を一対のチャック部にチャックさせた状態で当該一対のチャック部を解除位置へ移動させることにより、帯状フィルムを引き出すことができ、その一方で、その帯状フィルムを制止ユニットで挟持することにより、当該帯状フィルムの引出しを制止することができる。そして、それらの両方を行うことで帯状フィルムに張力を生じさせることができ、その張力を利用することにより、帯状フィルムの先頭領域を、次の領域との境界にあるミシン目で引きちぎることが可能になる。従って、カット刃を用いずに、包装用フィルム片を形成することが可能になる。
【0009】
上記包装用フィルム片形成機構において、制止ユニットは、帯状フィルムを挟持したときに、先頭領域の幅方向についての両端部が、当該制止ユニットからはみ出ることによって一対のチャック部によるチャックが可能な状態となるように構成されていてもよい。
【0010】
本発明に係る包装装置は、上記包装用フィルム片形成機構と、制御装置と、を備える。そして、制御装置は、一対のチャック部に、帯状フィルムの先頭領域に対する開始位置でのチャックを実行させる。その後、制御装置は、先頭領域に対するチャックを一対のチャック部に継続させつつ、当該一対のチャック部を、開始位置から解除位置へ移動させる。そして、制御装置は、一対のチャック部を解除位置へ移動させる途中で、ミシン目を介して先頭領域に繋がっている次の領域を制止ユニットに挟持させる。
【0011】
上記包装装置によれば、先頭領域に連続する次の領域を挟持することによって帯状フィルムの引出しを制止した状態で、当該先頭領域を一対のチャック部で引っ張ることができ、その結果として、そのときに帯状フィルムに生じる張力を利用して、先頭領域だけを、次の領域との境界にあるミシン目で引きちぎることができる。そして、引きちぎられた領域が1つの包装用フィルム片となる。
【0012】
上記包装装置において、制御装置は、次のような制御を行ってもよい。制御装置は、一対のチャック部を解除位置へ移動させる途中で、当該一対のチャック部にチャックさせている先頭領域と次の領域との境界にあるミシン目の全体が、制止ユニットによる挟持の対象になる挟持範囲の外へ出たときに、一対のチャック部を一旦停止させ、それから次の領域を制止ユニットに挟持させる。その後、制御装置は、一対のチャック部の移動を再開させることにより、再開時に発生する瞬発力を利用して、帯状フィルムの先頭領域を、次の領域との境界にあるミシン目で引きちぎる。この構成によれば、瞬発力を利用することにより、帯状フィルムを、ミシン目で破断させやすくなる。
【0013】
上記包装装置において、制御装置は、次のような制御を行ってもよい。制御装置は、一対のチャック部を解除位置へ移動させる途中で、当該一対のチャック部にチャックさせている先頭領域に連続する次の領域を制止ユニットに挟持させた後、その状態を、当該次の領域に対する一対のチャック部によるチャックが開始されるまで、当該制止ユニットに継続させる。この構成によれば、次の領域は、先頭領域が引きちぎられて新たな先頭領域になった後、一対のチャック部によってチャックされるまで、制止ユニットによって挟持され続けることなる。従って、帯状フィルムの先頭領域に生じやすいカールを確実に防止することが可能になる。
【0014】
上記包装装置は、包装対象物を搬送する搬送機構と、貼付機構と、を更に備えていてもよい。ここで、貼付機構は、包装用フィルム片形成機構によって形成された包装用フィルム片を、搬送機構で搬送されてくる包装対象物に貼り付ける機構である。
【0015】
より具体的には、搬送機構は、搬送方向において近接離間可能な搬入部及び搬出部を備え、それらを離間させることにより、解除位置の下方の位置に、包装対象物が跨ぐことができるスペースを形成することが可能となるように構成されていてもよい。また、貼付機構は、第1押当てユニットと、第2押当てユニットと、を備えていてもよい。ここで、第1押当てユニットは、解除位置にて一対のチャック部によるチャックが解除された包装用フィルム片を、包装対象物の上面に押し当てて、当該包装用フィルム片の両端部が下へ垂れた状態にすることが可能なユニットである。第2押当てユニットは、包装用フィルム片のうちの下へ垂れた両端部を、包装対象物の底面に押し当てることが可能なユニットである。
【0016】
この構成によれば、搬入部及び搬出部を離間させて解除位置の下方の位置にスペースを形成することにより、そのスペースを跨いだ包装対象物の底面を露出させることができる。また、第1押当てユニットによって包装用フィルム片の中央部を包装対象物の上面に配置すると共に、第2押当てユニットにより、包装用フィルム片の両端部を包装対象物の底面へスムーズに誘導しつつ、当該両端部の貼付けを包装対象物の底面にて行うことが可能になる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、包装用フィルム片を形成する技術において、メンテナンス性の向上と連続運転の実現との両立が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1(A)は、実施形態に係る包装装置を概念的に示した正面図であり、図1(B)は、当該包装装置を概念的に示したブロック図である。
図2図2(A)は、包装装置が備える包装用フィルム片形成機構で用いられる帯状フィルムを概念的に示した斜視図であり、図2(B)は、当該包装用フィルム片形成機構を概念的に示した斜視図である。
図3図3(A)及び図3(B)は、包装用フィルム片形成機構が備えるチャックユニットの斜視図であり、図3(A)は、チャック部が閉じられた場合を示し、図3(B)は、チャック部が開かれた場合を示す。
図4図4(A)及び図4(B)は、包装用フィルム片形成機構が備える制止ユニットの斜視図であり、図4(A)は、プレートをステージ部から離間させた場合を示し、図4(B)は、プレートをステージ部に近接させた場合を示す。
図5図5は、包装装置が備える搬送機構において搬入部及び搬出部を離間させた場合を示した包装装置の正面図である。
図6図6は、包装装置が備える貼付機構の第1押当てユニット及び第2押当てユニットを搬送方向から見て示した概念図である。
図7図7(A)は、第1押当てユニットの動作を示した概念図であり、図7(B)は、第2押当てユニットの動作の第1段階を示した概念図であり、図7(C)は、第2押当てユニットの動作の第2段階を示した概念図である。
図8図8は、包装装置が備える制御装置により実行される制御処理を示したフローチャートである。
図9A図9Aは、包装用フィルム片形成機構の動作を順に示した斜視図である。
図9B図9Bは、包装用フィルム片形成機構の動作を順に示した斜視図である。
図9C図9Cは、包装用フィルム片形成機構の動作を順に示した斜視図である。
図9D図9Dは、包装用フィルム片形成機構の動作を順に示した斜視図である。
図9E図9Eは、包装用フィルム片形成機構の動作を順に示した斜視図である。
図9F図9Fは、包装用フィルム片形成機構の動作を順に示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[1]包装装置の構成
図1(A)及び図1(B)は、実施形態に係る包装装置を概念的に示した正面図及びブロック図である。これらの図に示されるように、包装装置は、包装用フィルム片形成機構1と、搬送機構2と、貼付機構3と、制御装置4と、を備える。以下、各部の構成について具体的に説明する。
【0020】
[1-1]包装用フィルム片形成機構
図2(A)は、本実施形態の包装用フィルム片形成機構1で用いられる帯状フィルム10を概念的に示した斜視図である。この図に示されるように、帯状フィルム10は、複数の領域Rfがミシン目Pmを介して連続的に繋がった長尺状のフィルムである。ここで、各領域Rfは、包装対象物20(食品用容器など。図5参照)の包装に用いられるフィルム片(包装用フィルム片Qf)になる領域である。そして、この帯状フィルム10には、包装対象物20へ包装用フィルム片Qfの貼付けを可能にするための接着剤が予め塗布されている。例えば、包装対象物20の両端縁に沿って、接着剤が所定幅で塗布されている。
【0021】
図2(B)は、包装用フィルム片形成機構1を概念的に示した斜視図である。包装用フィルム片形成機構1は、上述した帯状フィルム10を用いて、複数の領域Rfのうちの帯状フィルム10の先頭にある先頭領域Rft(図2(A)参照)から順に包装用フィルム片Qfを形成していくことを可能にするための機構であり、チャックユニット11と、制止ユニット12と、を備える。
【0022】
帯状フィルム10は、例えば芯材に巻かれてロール状になっており(図2(A)参照)、以下に説明するチャックユニット11による引出しの力だけで引き出される。換言すれば、本実施形態の包装装置は、帯状フィルム10を繰り出すためのモータを必ずしも必要としない。そして本実施形態の包装装置では、帯状フィルム10は、後述する搬送機構2による包装対象物20の搬送方向Dxと同じ方向へ引き出すことが可能となるように配置されている。尚、包装装置は、これに限らず、帯状フィルム10の引出しに応じて補助的に当該帯状フィルム10を繰り出すモータを備えたものに適宜変更されてもよい。
【0023】
<チャックユニット>
図3(A)及び図3(B)は、チャックユニット11の斜視図である。チャックユニット11は、一対のチャック部Fpと、スライド搬送部Gpと、を含む。
【0024】
一対のチャック部Fpは、帯状フィルム10の先頭領域Rftの両端部Rfa及びRfb(幅方向Dyについて両端部。図2(A)参照)をそれぞれチャックできるように構成されている(図9A参照)。具体的には、各チャック部Fpは、上側チャック構成部111と下側チャック構成部112とを含み、これらを互いに逆向きに上下動させることで開閉できるように構成されている。図面では、チャック部Fpが閉じられた場合が図3(A)に示され、チャック部Fpが開かれた場合が図3(B)に示されている。
【0025】
より具体的には、各チャック部Fpにおいて、上側チャック構成部111が、先端部を下向きに突出させたL字状のブロック体で構成されると共に、下側チャック構成部112が、先端部を上向きに突出させたL字状のブロック体で構成されている。しかも、これらのブロック体の先端面(平面)は、当該ブロック体が閉じられたときに互いに面接触するように構成されている。このようなチャック部Fpによれば、先頭領域Rftの両端部Rfa及びRfbのうちの、接着剤が塗布されていない部分を挟んでチャックすることが可能になる。例えば、帯状フィルム10の両端縁に沿って接着剤が所定幅で塗布されている場合には、両端部Rfa及びRfbのうちの当該所定幅よりも内側の部分をL字状の先端部で挟むことができる。
【0026】
また、各チャック部Fpは、上側チャック構成部111及び下側チャック構成部112で帯状フィルム10を挟んだときに、その後、以下に説明する移動によって当該帯状フィルム10を引っ張ったとしても帯状フィルム10を掴んだ状態を維持できるように、換言すれば、帯状フィルム10が滑って抜けることがないように構成されている。より具体的には、帯状フィルム10を挟む力や、先端面の摩擦力などが適宜調整されている。
【0027】
スライド搬送部Gpは、一対のチャック部Fpを、帯状フィルム10の先頭領域Rftに対するチャックを開始する開始位置Ps(図1及び図9A参照)と、当該開始位置Psから帯状フィルム10の引出しが可能な方向(本実施形態では搬送方向Dxと同じ方向)へ離間した位置であって先頭領域Rftに対するチャックを解除する解除位置Pt(図5及び図9F参照)と、の間で往復移動させることが可能となるように構成されている。
【0028】
具体的には、スライド搬送部Gpは、一対のチャック部Fpを支持する支持部113と、当該支持部113をスライドさせることによって一対のチャック部Fpを往復移動させるガイド部114と、を含む。また本実施形態では、ガイド部114により、支持部113をスライドさせる方向が搬送方向Dxと同じ方向になるように規定されている。
【0029】
より具体的には、支持部113は、幅方向Dyに延びると共にガイド部114にスライド可能に取り付けられた梁部113Aと、一対のチャック部Fpを所定の高さ位置で支持する一対の支持アーム部113Bと、で構成されている。ここで、所定の高さ位置とは、チャック部Fpを開いた状態で支持部113をガイド部114に沿ってスライドさせたときに、上側チャック構成部111と下側チャック構成部112との間に帯状フィルム10を通すことができるような高さ位置である。
【0030】
また本実施形態では、支持部113は、一対のチャック部Fpの間の距離を調整できるように構成されている。具体的には、支持部113は、幅方向Dyについての一対の支持アーム部113Bの位置をボールネジ113Cによって調整できるように構成されている。より具体的には、ハンドル113Dを手動で回してボールネジ113Cの軸部を回転させることにより、一対の支持アーム部113Bを、幅方向Dyにおいて互いに逆向きに移動させることができるように、支持部113は構成されている。
【0031】
ガイド部114は、ボールネジ(不図示)を内蔵しており、当該ボールネジの軸部をモータ(不図示)で回転させることによって支持部113をスライドさせるものである。このようなガイド部114の構成によれば、モータの回転方向(順方向と逆方向)を制御することにより、ボールネジの軸方向において支持部113を往復移動させることができる。そして本実施形態では、そのボールネジの軸方向が搬送方向Dxと同じ方向になるように、ガイド部114が配置されている。
【0032】
更に本実施形態では、上述した開始位置Psと解除位置Ptとの間で一対のチャック部Fpを往復移動させることが可能となるように、支持部113のスライド範囲が規定されている。このスライド範囲は、上記モータの回転制御によって規定されてもよいし、開始位置Ps及び解除位置Ptとなる各位置にストッパなどを物理的に設けることによって規定されてもよい。
【0033】
<制止ユニット>
図4(A)及び図4(B)は、制止ユニット12の斜視図である。制止ユニット12は、帯状フィルム10を挟持して当該帯状フィルム10の引出しを停止させることが可能となるように構成されている。具体的には、制止ユニット12は、帯状フィルム10を上側から押圧する押圧部121と、当該押圧部121の押圧力を帯状フィルム10の下側で受けるステージ部122と、を含む。
【0034】
より具体的には、押圧部121は、下面がステージ部122の上面に対向するように配置されたプレート121Aと、当該プレート121Aを上下動させる駆動部121B(アクチュエータなど)とを含む。そして、押圧部121は、駆動部121Bによるプレート121Aの上下動により、ステージ部122の上面からのプレート121Aの下面の離間(図4(A)参照)と、ステージ部122の上面へのプレート121Aの下面の近接(図4(B)参照)とを選択的に実行できるように構成されている。ここで、ステージ部122の上面へのプレート121Aの下面の近接とは、ステージ部122上に帯状フィルム10が置かれた状態でプレート121Aを降下させたときに、そのプレート121Aの下面が、帯状フィルム10に面接触すると共に当該帯状フィルム10を上側から押圧した状態になることを意味する。このようにプレート121Aによって帯状フィルム10を上側から押圧することにより、プレート121Aとステージ部122とで帯状フィルム10を挟持することができ、その結果として当該帯状フィルム10の引出しを停止させることが可能になる。
【0035】
本実施形態では、制止ユニット12は、幅方向Dyの中央に位置する第1制止部Hp1と、幅方向Dyにおいて第1制止部Hp1の両側に位置する一対の第2制止部Hp2と、を含んでおり、これら3つの制止部の何れもが、押圧部121とステージ部122とで構成されている。
【0036】
また本実施形態では、制止ユニット12は、帯状フィルム10を挟持したときに、先頭領域Rftの両端部Rfa及びRfbが当該制止ユニット12(具体的には、一対の第2制止部Hp2)からはみ出ることによって一対のチャック部Fpによるチャックが可能な状態となるように構成されている(図9F参照)。
【0037】
具体的には、制止ユニット12は、一対の第2制止部Hp2についての幅方向Dyにおける外側のエッジ(具体的には、プレート121A及びステージ部122の外側のエッジ)の位置を調整することが可能となるように、幅方向Dyについての一対の第2制止部Hp2の位置をボールネジ123によって調整できるように構成されている。より具体的には、ハンドル124を手動で回してボールネジ123の軸部を回転させることにより、一対の第2制止部Hp2を、幅方向Dyにおいて互いに逆向きに移動させることができるように、制止ユニット12は構成されている。
【0038】
このような包装用フィルム片形成機構1によれば、帯状フィルム10の先頭領域Rftを一対のチャック部Fpにチャックさせた状態で当該一対のチャック部Fpを解除位置Ptへ移動させることにより、帯状フィルム10を引き出すことができ、その一方で、その帯状フィルム10を制止ユニット12で挟持することにより、当該帯状フィルム10の引出しを制止させることができる。そして、それらの両方を行うことで帯状フィルム10に張力を生じさせることができ、その張力を利用することにより、帯状フィルム10の先頭領域Rftを、次の領域Rfとの境界にあるミシン目Pmで引きちぎることが可能になる。従って、カット刃を用いずに、包装用フィルム片Qfを形成することが可能になる。尚、包装用フィルム片Qfを形成するときの包装用フィルム片形成機構1の動作の詳細については後述する。
【0039】
[1-2]搬送機構
搬送機構2は、包装対象物20(食品用容器など)を搬送するための機構であり、搬送方向Dxにおいて近接離間可能な搬入部21及び搬出部22を備える(図1(A)及び図5参照)。搬入部21及び搬出部22は何れも、コンベアなど、包装対象物20の搬送を可能にする装置で構成されている。そして、搬送機構2は、図5に示されるように搬入部21及び搬出部22を離間させることにより、解除位置Ptの下方の位置に、包装対象物20が跨ぐことができるスペースSwを形成することが可能となるように構成されている。
【0040】
このような搬送機構2によれば、搬入部21及び搬出部22を離間させて解除位置Ptの下方の位置にスペースSwを形成することにより、そのスペースSwを跨いだ包装対象物20の底面を露出させることができる(図5参照)。
【0041】
[1-3]貼付機構
貼付機構3は、包装用フィルム片形成機構1によって形成された包装用フィルム片Qfを、搬送機構2で搬送されてくる包装対象物20に貼り付けるための機構であり、第1押当てユニット31と、第2押当てユニット32と、を備える(図1(A)及び図5参照)。
【0042】
図6は、第1押当てユニット31及び第2押当てユニット32を搬送方向Dxから見て示した概念図である。また、図7(A)は、第1押当てユニット31の動作を示した概念図であり、図7(B)及び図7(C)は、第2押当てユニット32の動作の第1段階及び第2段階をそれぞれ示した概念図である。
【0043】
第1押当てユニット31は、解除位置Ptにて一対のチャック部Fpによるチャックが解除された包装用フィルム片Qfを、包装対象物20の上面に押し当てることが可能となるように構成されている(図7(A)参照)。
【0044】
具体的には、第1押当てユニット31は、押当てアーム部311と、当該押当てアーム部311を上下動させる駆動部312(アクチュエータなど)とを含む(図1(A)、図6、及び図7(A)参照)。また、押当てアーム部311は、駆動部312によって下げられたときに包装用フィルム片Qfの中央部を包装対象物20の上面に押し当てることができるように配置されている(図7(A)参照)。そして、第1押当てユニット31によって包装用フィルム片Qfが包装対象物20の上面に押し当てられることにより、当該包装用フィルム片Qfは、その両端部Qfa及びQfbが下へ垂れた状態になる(図7(A)参照)。
【0045】
第2押当てユニット32は、包装用フィルム片Qfのうちの下へ垂れた両端部Qfa及びQfbを、包装対象物20の底面に押し当てることが可能となるように構成されている(図7(B)及び図7(C)参照)。
【0046】
具体的には、第2押当てユニット32は、一対の押当てロール部321と、当該一対の押当てロール部321を包装対象物20の底面の位置まで移動させる駆動部322(アクチュエータなど)と、を含む(図1(A)、図6図7(A)及び図7(B)参照)。本実施形態では、第2押当てユニット32は、一対の押当てロール部321を弧状の曲線に沿って包装対象物20の底面まで移動させることにより、包装対象物20への衝撃を低減しつつ、包装対象物20の底面に対して包装用フィルム片Qfの両端部Qfa及びQfbを確実に押し当てることができるように構成されている(図7(B)及び図7(C)参照)。また、第2押当てユニット32は、一対の押当てロール部321を、異なるタイミングで包装対象物20の底面まで移動させることができるように構成されている。具体的には、第2押当てユニット32は、まず、一方の押当てロール部321を移動させて包装用フィルム片Qfの端部Qfaを包装対象物20の底面に押し当て(図7(B)参照)、その後で、もう一方の押当てロール部321を移動させて包装用フィルム片Qfの端部Qfbを包装対象物20の底面に押し当てる(図7(C)参照)、といった動作を実現することができる。
【0047】
尚、第2押当てユニット32は、一対の押当てロール部321を弧状の曲線に沿って移動させるものに限らず、一対の押当てロール部321を包装対象物20の底面まで水平に移動させるものに適宜変更されてもよい。また、押当てロール部321は、包装対象物20の底面に包装用フィルム片Qfを押し当てたときの衝撃を緩和できるように、ロール表面がクッション材で構成されていてもよい。
【0048】
このような貼付機構3によれば、第1押当てユニット31によって包装用フィルム片Qfの中央部を包装対象物20の上面に配置すると共に、第2押当てユニット32により、包装用フィルム片Qfの両端部Qfa及びQfbを包装対象物20の底面へスムーズに誘導しつつ、当該両端部Qfa及びQfbの貼付けを包装対象物20の底面にて行うことが可能になる。
【0049】
[1-4]制御装置
制御装置4は、記憶部41と制御部42とを備える(図1(B)参照)。記憶部41は、包装装置の制御に必要な情報(包装用フィルム片形成機構1、搬送機構2、貼付機構3の制御に必要なパラメータなど)が保存される部分であり、ROMやRAMなどの記憶デバイスで構成されている。制御部42は、包装装置の制御を実行する部分であり、CPUなどの処理デバイスで構成されている。以下、包装装置において制御装置4が実行する制御処理について具体的に説明する。
【0050】
図8は、制御装置4により実行される制御処理を示したフローチャートである。また、図9A図9Fは、当該制御処理によって生じる包装用フィルム片形成機構1の動作を順に示した斜視図である。
【0051】
制御装置4は、先ず、チャックユニット11を制御することにより、一対のチャック部Fpを開始位置Psへ移動させると共に、当該一対のチャック部Fpに、帯状フィルム10の先頭領域Rftに対するチャックを実行させる(ステップS101。図9A参照)。このとき、制御装置4は、制止ユニット12を制御することにより、当該制止ユニット12に、帯状フィルム10の先頭領域Rftを挟持した状態を維持させる。具体的には、制御装置4は、押圧部121を降下させた状態を制止ユニット12に維持させることにより、帯状フィルム10の先頭領域Rftが押圧部121で押圧された状態を維持する。これにより、帯状フィルム10の先頭領域Rftで生じやすいカールを確実に防止することができる。
【0052】
ステップS101の後、制御装置4は、制止ユニット12を制御することにより、当該制止ユニット12に、帯状フィルム10の先頭領域Rftに対する挟持を解除させる(ステップS102。図9B参照)。具体的には、制御装置4は、押圧部121を上昇させることにより、帯状フィルム10の先頭領域Rftに対する押圧部121による押圧を解除する。これにより、帯状フィルム10は、制止ユニット12による制止から解放され、その結果として搬送方向Dxへの引出しが可能な状態になる。
【0053】
ステップS102の後、制御装置4は、チャックユニット11を制御することにより、先頭領域Rftに対するチャックを一対のチャック部Fpに継続させつつ、当該一対のチャック部Fpに、開始位置Psから解除位置Ptへ向けた移動を開始させる(ステップS103)。これにより、帯状フィルム10は、一対のチャック部Fpに引っ張られて搬送方向Dxへ引き出されることになる(図9C参照)。
【0054】
ステップS103の後、制御装置4は、チャックユニット11を制御することにより、一対のチャック部Fpを、解除位置Ptへ移動させる途中で一旦停止させる(ステップS104。図9C参照)。具体的には、制御装置4は、一対のチャック部Fpにチャックさせている先頭領域Rftと次の領域Rfとの境界にあるミシン目Pmの全体が、制止ユニット12による挟持の対象になる挟持範囲Rxの外へ出たときに、一対のチャック部Fpを一旦停止させる。
【0055】
ステップS104の後、制御装置4は、制止ユニット12を制御することにより、当該制止ユニット12に、ミシン目Pmを介して先頭領域Rftに繋がっている次の領域Rfを挟持させる(ステップS105。図9D参照)。具体的には、制御装置4は、押圧部121を降下させることにより、当該押圧部121に上記次の領域Rfを押圧させる。これにより、搬送方向Dxへの帯状フィルム10の引出しが、制止ユニット12によって制止されることになる。
【0056】
ステップS105の後、制御装置4は、チャックユニット11を制御して解除位置Ptへの一対のチャック部Fpの移動を再開させることにより、再開時に発生する瞬発力を利用して、帯状フィルム10の先頭領域Rftを、次の領域Rfとの境界にあるミシン目Pmで引きちぎる(ステップS106。図9E参照)。
【0057】
ステップS105及びS106によれば、先頭領域Rftに連続する次の領域Rfを挟持することによって帯状フィルム10の引出しを制止した状態で、当該先頭領域Rftを一対のチャック部Fpで引っ張ることができ、その結果として、そのときに帯状フィルム10に生じる張力を利用して、先頭領域Rftだけを、次の領域Rfとの境界にあるミシン目Pmで引きちぎることができる。そして、引きちぎられた先頭領域Rftが1つの包装用フィルム片Qfとなる。また、一対のチャック部Fpの移動を再開させることによって瞬発力を発生させ、その瞬発力を利用することにより、帯状フィルム10を、ミシン目Pmで破断させやすくなる。
【0058】
ステップS106の後、制御装置4は、チャックユニット11を制御することにより、一対のチャック部Fpが解除位置Ptに到達したときに、当該一対のチャック部Fpに、包装用フィルム片Qfに対するチャックを解除させる(ステップS107。図9F参照)。これにより、包装用フィルム片Qfは、一対のチャック部Fpによるチャックから解放される。
【0059】
制御装置4は、ステップS107の実行を完了するまでに、搬送機構2を制御することにより、包装対象物20の搬入を開始し(ステップS201)、当該包装対象物20を、解除位置Ptの下方の位置まで搬送して停止させる(ステップS202)。このとき、制御装置4は、搬入部21及び搬出部22を離間させてスペースSwを形成すると共に、そのスペースSwを跨いだ状態で包装対象物20を停止させる(図5参照)。これにより、包装対象物20は、貼付機構3による包装用フィルム片Qfの包装が可能な状態(底面を露出させた状態)にセットされる。
【0060】
ステップS107及びS202の後、制御装置4は、貼付機構3を制御することにより、第1押当てユニット31に、包装対象物20の上面への包装用フィルム片Qfの中央部の押当てを実行させる(ステップS301。図7(A)参照)。これにより、包装用フィルム片Qfは、その両端部Qfa及びQfbが下へ垂れた状態になる。
【0061】
ステップS301の後、制御装置4は、貼付機構3を制御することにより、第2押当てユニット32に、包装対象物20の底面への包装用フィルム片Qfの両端部Qfa及びQfbの押当てを実行させる(ステップS302。図7(B)及び図7(C)参照)。これにより、当該両端部Qfa及びQfbの貼付けが包装対象物20の底面にて実行され、その結果として、包装対象物20への包装用フィルム片Qfの貼付け(包装)が完了することになる。
【0062】
ステップS302の後、制御装置4は、搬送機構2を制御して搬入部21及び搬出部22を近接させることにより、包装済みの包装対象物20を、搬出部22に載せて搬出する(ステップS203)。
【0063】
その後、制御装置4は、ステップS101及びステップS201へ戻り、ステップS101及びS201からの処理を繰り返し実行する。これにより、包装装置では、包装用フィルム片Qfの形成と、包装対象物20への包装用フィルム片Qfの貼付け(包装)と、を繰り返して連続的に実行することが可能になる。
【0064】
また、本実施形態の包装用フィルム片形成機構1によれば、上述したように、カット刃を用いずに、包装用フィルム片Qfを形成することができる。このため、包装用フィルム片形成機構1及び包装装置において、メンテナンス性の向上を実現することができる。従って、上述した包装用フィルム片形成機構1及び包装装置によれば、メンテナンス性の向上と連続運転の実現とを両立させることが可能になる。
【0065】
また本実施形態では、制御装置4は、上述した制御処理を繰り返す際に、ステップS105にて帯状フィルム10の先頭領域Rftに連続する次の領域Rfを制止ユニット12に挟持させた後、その状態を、ステップS101に戻って当該次の領域Rf(換言すれば、先頭領域Rftが引きちぎられることで生じた新たな先頭領域Rft)に対するチャックが開始されるまで、制止ユニット12に継続させる。
【0066】
このような制御処理によれば、次の領域Rfは、先頭領域Rftが引きちぎられて新たな先頭領域Rftになった後、一対のチャック部Fpによってチャックされるまで、制止ユニット12によって挟持され続けることなる。従って、帯状フィルム10の先頭領域Rftに生じやすいカールを確実に防止することが可能になる。
【0067】
また、上述した包装装置によれば、形成する包装用フィルム片Qfの長さ(隣接するミシン目Pm間の長さ)に応じて、一対のチャック部Fpによる帯状フィルム10の引出し量や、搬入部21及び搬出部22に間に形成するスペースSwの大きさ(搬入部21及び搬出部22の離間量)を適宜調整することができる。従って、本実施形態の包装装置は、適用可能な包装用フィルム片Qfの大きさや形状、更には包装対象物20の大きさや形状についての自由度が高い。
【0068】
上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。更に、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0069】
1 包装用フィルム片形成機構
2 搬送機構
3 貼付機構
4 制御装置
10 帯状フィルム
11 チャックユニット
12 制止ユニット
20 包装対象物
21 搬入部
22 搬出部
31 第1押当てユニット
32 第2押当てユニット
41 記憶部
42 制御部
Dx 搬送方向
Dy 幅方向
Fp チャック部
Gp スライド搬送部
Hp1 第1制止部
Hp2 第2制止部
Pm ミシン目
Ps 開始位置
Pt 解除位置
Qf 包装用フィルム片
Qfa、Qfb 端部
Rf 領域
Rft 先頭領域
Rfa、Rfb 端部
Rx 挟持範囲
Sw スペース
111 上側チャック構成部
112 下側チャック構成部
113 支持部
113A 梁部
113B 支持アーム部
113C ボールネジ
113D ハンドル
114 ガイド部
121 押圧部
121A プレート
121B 駆動部
122 ステージ部
123 ボールネジ
124 ハンドル
311 押当てアーム部
312 駆動部
321 押当てロール部
322 駆動部
【要約】
包装用フィルム片形成機構は、複数の包装用フィルム片となる複数の領域がミシン目を介して連続的に繋がった帯状フィルムを用いて、当該複数の領域のうちの帯状フィルムの先頭にある先頭領域から包装用フィルム片を順に形成していくことを可能にする機構であり、チャックユニットと、制止ユニットと、を備える。チャックユニットは、先頭領域の幅方向についての両端部をそれぞれチャックする一対のチャック部を含み、当該一対のチャック部を、先頭領域に対するチャックを開始する開始位置と、当該開始位置から帯状フィルムの引出しが可能な方向へ離間した解除位置と、の間で往復移動させることが可能なユニットである。制止ユニットは、帯状フィルムを挟持して当該帯状フィルムの引出しを停止させることが可能なユニットである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図9C
図9D
図9E
図9F