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特許7621725テーパ延長部が形成された組立孔を含むトラス構造部材およびこれを利用した構造物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-17
(45)【発行日】2025-01-27
(54)【発明の名称】テーパ延長部が形成された組立孔を含むトラス構造部材およびこれを利用した構造物
(51)【国際特許分類】
   E04C 3/04 20060101AFI20250120BHJP
   E04B 1/19 20060101ALI20250120BHJP
   F16B 5/02 20060101ALI20250120BHJP
【FI】
E04C3/04
E04B1/19 G
F16B5/02 E
F16B5/02 U
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2024536444
(86)(22)【出願日】2022-09-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(86)【国際出願番号】 KR2022013273
(87)【国際公開番号】W WO2023140452
(87)【国際公開日】2023-07-27
【審査請求日】2024-06-17
(31)【優先権主張番号】10-2022-0007043
(32)【優先日】2022-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】524230169
【氏名又は名称】リュ,ビョン スー
【氏名又は名称原語表記】RYU, Byung Sue
(74)【代理人】
【識別番号】100166545
【弁理士】
【氏名又は名称】折坂 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】リュ,ビョン スー
【審査官】坪内 優佳
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-027634(JP,A)
【文献】特許第2794422(JP,B2)
【文献】特開平11-310956(JP,A)
【文献】特開2005-290835(JP,A)
【文献】特開2008-214915(JP,A)
【文献】韓国登録特許第1577618(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04C 3/00-3/46
E04B 1/00-1/36
F16B 5/00-5/12
E04G 1/00-7/34
E04G 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに結合されながら所望の形態のトラス構造物を形成するようにバー状からなり、両端部の少なくとも一端部に平たい構造のフランジ部(111)が形成されて、締結具(140)が貫通する組立孔(112)が前記フランジ部(111)に形成され、前記組立孔(112)の周りにテーパ延長部(113)が形成されてなり、前記テーパ延長部(113)は、組立孔(112)の周りに沿って延長されるリング構造であって、組立孔(112)の周りから組立孔(112)の内側方向に向かって斜めに傾斜された姿勢で突出される形状の横断面を備えて、全体的に円錐状に形成され、テーパ延長部(113)の傾斜された外面(113a)が他のトラス構造部材(110)に形成されたテーパ延長部(113)の傾斜された内面(113b)に対向したまま密着されるように形成されて、トラス構造物の形成のために互いに結合されるトラス構造部材(110)のテーパ延長部(113)が互いに重ねられながら、トラス構造部材(110)が隙間のない構造に互いに結合されるようにしたことを特徴とする、テーパ延長部が形成された組立孔を含むトラス構造部材。
【請求項2】
請求項1によるトラス構造部材が所望の形態を成すように互いに結合されて形成されることを特徴とする、テーパ延長部が形成された組立孔を含むトラス構造部材を利用した構造物。
【請求項3】
前記締結具(140)が貫通する孔(121)が中央部に形成され、前記テーパ延長部(113)の傾斜された外面(113a)に密着されるように傾斜された第1対応面(123)を形成するように、円錐状の構造に陷沒された支持溝(122)が一側面中央部で孔(121)と連続するように形成され、テーパ延長部(113)が支持溝(122)に挿入されるように、フランジ部(111)の側面に配置される第1支持部材(120);および
前記締結具(140)が貫通する孔(131)が中央部に形成され、前記テーパ延長部(113)の傾斜された内面(113b)に密着されるように傾斜された第2対応面(132)を含むように円錐状に形成され、前記第2対応面(132)がテーパ延長部(113)の内面(113b)に密着されるようにフランジ部(111)の側面に配置される第2支持部材(130);
をさらに含むことを特徴とする、請求項に記載のテーパ延長部が形成された組立孔を含むトラス構造部材を利用した構造物。
【請求項4】
前記締結具(140)は、ボルト(141)とナット(142)からなり、前記第1支持部材(120)と第2支持部材(130)の一つは締結具(140)を構成するボルト(141)の頭部に一体型に形成され、残り一つは前記ナット(142)に一体型に形成されることを特徴とする、請求項に記載のテーパ延長部が形成された組立孔を含むトラス構造部材を利用した構造物。
【請求項5】
互いに異なる方向に傾斜した2つ以上の平面(151)を含み、前記各平面(151)には、トラス構造部材(110)の組立孔(112)を貫通してナット(142)と締結されるネジボルト(152)が一体型に形成されて、2つ以上のトラス構造部材(110)を連結させる連結部材(150)をさらに含むことを特徴とする、請求項に記載のテーパ延長部が形成された組立孔を含むトラス構造部材を利用した構造物。
【請求項6】
前記連結部材(150)は、2つの平面(151)を含み、2つの平面(151)は、連結部材(150)の中心を基準として互いに対称するように形成されることを特徴とする、請求項に記載のテーパ延長部が形成された組立孔を含むトラス構造部材を利用した構造物。
【請求項7】
前記連結部材(150)は、3つの平面(151)を含み、3つの平面(151)が三角形の各辺に位置するように形成されることを特徴とする、請求項に記載のテーパ延長部が形成された組立孔を含むトラス構造部材を利用した構造物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トラス構造部材および構造物に関するもので、より詳しくは、トラス構造物を形成するために、端部が互いに結合されるように形成され、端部には平たい構造のフランジ部が形成され、前記フランジ部に締結具が貫通する組立孔が形成され、前記組立孔の周りにはリング構造のテーパ延長部が形成され、トラス構造物を形成するために端部が互いに結合される時、テーパ延長部が重ねられながら互いに結合されて、隙間なく、作用応力の分散で組立孔が耐えられる荷重をより増大させることができるトラス構造部材およびこれを利用して構成された構造物に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、トラス(Truss)構造物は、バー状からなる複数のトラス構造部材が三角形の構造を繰り返し形成するように互いに結合されながら所望の構造物の骨格構造を形成するように形成され、橋梁などの大型建築物を構成するために用いられている。
【0003】
前記トラス構造物を形成するためのトラス構造部材はバー状に形成され、トラス構造部材とトラス構造部材を結合させたりトラス構造部材を目的対象物に固定させるためのボルトが設置されるボルト孔がトラス構造部材の端部に形成される。
【0004】
一方、末端にボルト孔が形成されたトラス構造部材とトラス構造部材を互いに結合させようとする場合、2つのトラス構造部材の端部に形成されたボルト孔が一致するように2つのトラス構造部材を配置し、ボルトが2つのボルト孔を貫通するように配置した後、2つのボルト孔を貫通して突出されたボルトの端部にナットを締結することにより、2つのトラス構造部材を互いに結合させて固定する。
【0005】
このように、トラス構造部材の端部に形成されたボルト孔にボルトを設置して、トラス構造部材とトラス構造部材を結合させる作業を円滑に実施することができるようにするために、ボルト孔の直径をボルトの直径よりも充分に大きく形成して、ボルトの設置作業のための安定した姿勢の確保が困難な作業環境でもボルトの設置作業を容易に実施することができるようにしている。
【0006】
しかしながら、ボルト孔の直径がボルトの直径よりも大きい場合、ボルト孔11とボルト20の直径の差によりボルト孔11とボルト20との間には隙間Gが形成され、前記隙間G範囲内ではトラス構造部材10の動きが可能になるため、ボルトとナットとの締結だけではトラス構造部材とトラス構造部材を堅固に結合させることができない。
【0007】
さらに、図1および図2で確認できるように、ボルト孔10を貫通するように配置されたボルト20がボルト孔10の一方の方向に押されながら、ボルト孔10と接触する場合、ボルト20の表面とボルト孔10の内部が接触する面積が小さくて、当該部分には集中荷重が作用しながら変形を誘発するようになり、部品を再使用できないほどの変形が発生した場合、当該部品の再使用不能のため、部品交換費用が増加し、また、隙間の発生でトラス構造物の安定性を低下させるという問題点がある。
【0008】
このように、従来のトラス構造部材は、ボルトの設置作業に対する便宜性を考慮して、ボルト孔の大きさを充分に大きく形成しているが、ボルトの直径よりも大きい内径を有するボルト孔によりトラス構造部材とトラス構造部材が隙間なしに堅固に結束されず、トラス構造物の構造的欠陷および集中応力の発生の問題点を引き起こす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】韓国登録特許第10-1427764号公報(2014.08.08.公告)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記のような問題点を考慮して創出されたもので、本発明の目的は、締結具と組立孔との間に隙間が形成された場合にも、トラス構造部材とトラス構造部材またはトラス構造部材と連結部材が隙間なしに堅固な構造に結束されるようにしたトラス構造部材および構造物を提供することにある。
【0011】
本発明の他の目的は、トラス構造部材とトラス構造部材またはトラス構造部材と連結部材の結合部内応力を向上させて、構造的により安定した建築物を具現することができ、再使用が可能であるだけでなく、使用寿命の格段な増大を誘導することができるトラス構造部材および構造物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記した目的を達成し、従来の欠点を除去するための課題を実行する本発明は、互いに結合されながら所望の形態のトラス構造物を形成するようにバー状からなり、両端部の少なくとも一端部に平たい構造のフランジ部が形成され、締結具が貫通する組立孔が前記フランジ部に形成され、前記組立孔の周りにテーパ延長部が形成されてなることを特徴とする、テーパ延長部が形成された組立孔を含むトラス構造部材を提供する。
【0013】
一方、前記トラス構造部材において、前記テーパ延長部は、組立孔の周りに沿って延長されるリング構造であって、組立孔の周りから組立孔の内側方向に向かって斜めに傾斜された姿勢で突出される形状の横断面を備えて全体的に円錐状に形成され、テーパ延長部の傾斜された外面が他のトラス構造部材に形成されたテーパ延長部の傾斜された内面に対向したまま密着されるように形成されて、トラス構造物の形成のために互いに結合されるトラス構造部材のテーパ延長部が互いに重ねられながら、トラス構造部材が隙間のない構造に互いに結合されるように構成されることができる。
【0014】
また、本発明は、前記トラス構造部材が所望の形態を成すように互いに結合されて形成された構造物を提供する。
【0015】
一方、前記構造物において、前記締結具が貫通する孔が中央部に形成され、前記テーパ延長部の傾斜された外面に密着されるように傾斜された第1対応面を形成するように、円錐状の構造に陷沒された支持溝が一側面中央部で孔と連続されるように形成され、テーパ延長部が支持溝に挿入されるようにフランジ部の側面に配置される第1支持部材;および前記締結具が貫通する孔が中央部に形成され、前記テーパ延長部の傾斜された内面に密着されるように傾斜された第2対応面を形成するように円錐状に形成され、前記第2対応面がテーパ延長部の内面に密着されるようにフランジ部の側面に配置される第2支持部材;がさらに含まれることができる。
【0016】
一方、前記構造物において、前記締結具はボルトとナットからなり、前記第1支持部材と第2支持部材の一つは締結具を構成するボルトの頭部に一体型に形成され、残り一つは前記ナットに一体型に形成されることができる。
【0017】
一方、前記構造物において、互いに異なる方向に傾斜された2つ以上の平面を含み、前記各平面にはトラス構造部材の組立孔を貫通してナットと締結されるネジボルトが一体型に形成されて、2つ以上のトラス構造部材を連結させる連結部材がさらに含まれることができる。
【0018】
一方、前記構造物において、前記連結部材は2つの平面を含み、2つの平面は連結部材の中心を基準として互いに対称するように形成されることができる。
【0019】
一方、前記構造物において、前記連結部材は3つの平面を含み、3つの平面が三角形の各辺に位置するように形成されることができる。
【発明の効果】
【0020】
上記のような特徴を有する本発明によれば、トラス構造物を形成するために、トラス構造部材とトラス構造部材が互いに結合される時、トラス構造部材に形成されたフランジ部が互いに対向したまま密着され、また、組立孔の周りに形成されたテーパ延長部が重ねられて結合されながら、トラス構造部材とトラス構造部材との間の隙間を除去するようになるので、トラス構造部材とトラス構造部材を堅固な構造に結束することができ、これにより、構造的により安定したトラス構造物を具現することができ、また、部品の破損や変形を最小化して、使用寿命を増大させることができるだけでなく、再使用の可能性を増加させることができる。
【0021】
また、締結具が設置される組立孔の大きさを縮小させなくても、トラス構造部材とトラス構造部材との間に発生される隙間を除去するようになるので、組立孔の縮小により作業性が低下されることなくトラス構造部材の間の隙間の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】従来のトラス構造部材に形成されたボルト孔にボルトが設置された状態を示す例示図である。
図2】従来のトラス構造部材がボルトとナットによって結束された状態を示す断面図である。
図3】本発明に係る構造物の一例を示す斜視図である。
図4】本発明に係る構造物の他の例を示す斜視図である。
図5】本発明に係る構造物のまた他の例を示す斜視図である。
図6】本発明の好ましい実施形態によるトラス構造部材の斜視図である。
図7】本発明の好ましい実施形態によるトラス構造部材のフランジ部断面図である。
図8】本発明の好ましい実施形態による複数のトラス構造部材が結合される前の状態を示す斜視図である。
図9】本発明の好ましい実施形態による複数のトラス構造部材が結合された状態を示す斜視図である。
図10】本発明の好ましい実施形態による複数のトラス構造部材が結合される前の状態を示す断面図である。
図11】本発明の好ましい実施形態による複数のトラス構造部材が結合された状態を示す断面図である。
図12】本発明に係る連結部材の斜視図である。
図13】本発明に係る連結部材とトラス構造部材の結合構造を示す斜視図である。
図14】本発明に係るまた他の連結部材の斜視図である。
図15】本発明に係るまた他の連結部材とトラス構造部材の結合構造を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の好ましい実施形態を添付された図面と結合して詳しく説明すれば、次の通りである。本発明を説明する際において、係わる公知機能あるいは構成に対する具体的な説明が本発明の要旨を不必要に曖昧にする虞があると判断される場合、その詳細な説明は省略する。
【0024】
図3は、本発明に係る構造物の一例を示す斜視図を、図4は、本発明に係る構造物の他の例を示す斜視図を、図5は、本発明に係る構造物のまた他の例を示す斜視図を、図6は、本発明の好ましい実施形態によるトラス構造部材の斜視図を、図7は、本発明の好ましい実施形態によるトラス構造部材のフランジ部断面図を、図8は、本発明の好ましい実施形態による複数のトラス構造部材が結合される前の状態を示す斜視図を、図9は、本発明の好ましい実施形態による複数のトラス構造部材が結合された状態を示す斜視図を、図10は、本発明の好ましい実施形態による複数のトラス構造部材が結合される前の状態を示す断面図を、図11は、本発明の好ましい実施形態による複数のトラス構造部材が結合された状態を示す断面図を、図12は、本発明に係る連結部材の斜視図を、図13は、本発明に係る連結部材とトラス構造部材の結合前の状態を示す斜視図を、図14は、本発明に係るまた他の連結部材の斜視図を、図15は、本発明に係るまた他の連結部材とトラス構造部材の結合構造を示す斜視図を示す。
【0025】
本発明に係るトラス構造部材110は、複数が所定形態を成すように互いに結合されて、ビニールハウスや畜産ハウスのような小型トラス構造物、そして橋脚などの大型トラス構造物を形成するようになり、トラス構造部材110に形成されたテーパ延長部113がトラス構造部材110の結合時に互いに重ねられる形態に結合されながら、トラス構造部材110とトラス構造部材110の連結部に隙間が発生することを防止し、また、特定部位に応力が集中されることを防止する。
【0026】
一方、本発明の好ましい実施形態によるトラス構造部材110は、所定長さを有するバー(bar)状からなり、一側端部または両側端部に平たい平板状構造のフランジ部111が形成され、前記フランジ部111の中央部にフランジ部111を貫通する組立孔112が形成され、前記組立孔112の周りにテーパ延長部113が形成されることで構成される。
【0027】
前記テーパ延長部113は、組立孔112の周りに沿って延長されるリング構造を有し、組立孔112の周りから組立孔112の内側方向に向かって斜めに傾斜された姿勢で突出される形状の横断面を備えて、全体的に円錐状を形成しながら、組立孔112の開口面積を漸次に減少させるように構成される。
【0028】
このように、円錐状に形成されたテーパ延長部113において、傾斜された外面113aは、他のトラス構造部材110に形成されたテーパ延長部113の傾斜された内面113bに対向したまま密着されるように形成され、このような構造によれば、テーパ延長部113の傾斜された内面113bは、他のトラス構造部材110に形成されたテーパ延長部113の傾斜された外面113aに対向したまま密着される。
【0029】
このように、フランジ部111に形成されたテーパ延長部113は、トラス構造部材110とトラス構造部材110との結合時に互いに重ねられながら結合され、互いに結合される複数のテーパ延長部113は、傾斜された外面113aと内面113bが互いに緊密に密着されて隙間なしに結合されるので、トラス構造部材110とトラス構造部材110との間に隙間が発生されることを防止する。
【0030】
上記のようなトラス構造部材110は、円形パイプの末端を平板状の構造に圧着させてフランジ部111を形成し、フランジ部111の中央部に組立孔112をパンチングして加工し、組立孔112のパンチング時に、組立孔112の周りがテーパ延長部113の形状に変形されるようにする方式で製造されることができる。
【0031】
図3には、本発明に係るトラス構造部材を利用して構成されたドーム状のトラス構造物が示されており、図4には、本発明に係るトラス構造部材を利用して構成された長方形構造物のトラス構造物が示されており、図5には、本発明に係るトラス構造部材を利用して構成された三角柱形態のトラス構造物が示されている。
【0032】
本発明に係る構造物は、上記のようなトラス構造部材110を利用して構成されるもので、複数のトラス構造部材110が三角形の構造を繰り返し形成しながら拡張される方式で、所望の形態の構造物を形成する。
【0033】
一方、構造物を形成するために、トラス構造部材110とトラス構造部材110を結合させる過程で、フランジ部111から突出されるように形成されたテーパ延長部113を支持して、トラス構造部材110がより安定的に結合されることができるようにする第1支持部材120および第2支持部材130がさらに含まれることができる。
【0034】
前記第1支持部材120は、フランジ部111から突出されたテーパ延長部113を内部に収容したままテーパ延長部113の傾斜した外面113aに密着されてテーパ延長部113を支持するもので、締結具140が貫通する孔121が中央部に形成されたリング構造からなり、テーパ延長部113が内部に挿入される支持溝122が一側面中央部で孔121と連結されるように形成される。
【0035】
一方、前記支持溝122は、円錐状構造に陷沒されて、テーパ延長部113の傾斜した外面113aに密着される傾斜された第1対応面123を形成するように構成される。
【0036】
このように構成された第1支持部材120は、テーパ延長部113が支持溝122の内部に挿入されるようにフランジ部111の側面に配置される。
【0037】
前記第2支持部材130は、テーパ延長部113の傾斜された内面113bを支持するもので、全体的に円錐状を有するが、締結具140が貫通する孔131が中央部に形成されたリング構造からなり、テーパ延長部113の傾斜された内面113bに密着されるように傾斜された第2対応面132を含んで構成される。
【0038】
一方、第2支持部材130に形成された孔131は第2支持部材130を完全に貫通するように形成される。
【0039】
このように構成された第2支持部材130は、第2対応面132がテーパ延長部113の内面113bに密着されるようにフランジ部111の側面に配置される。
【0040】
結局、第1支持部材120と第2支持部材130はフランジ部111を間に挟んで互いに対向するように配置されて、テーパ延長部113を両側で支持するようになり、締結具140によってフランジ部111とともに固定される。
【0041】
一方、前記締結具140は、ボルト141とナット142で構成され、前記第1支持部材120と第2支持部材130の一つはボルト141の頭部に一体型に形成され、残り一つはナット142に一体型に形成されてもよい。
【0042】
上記のように構成されたトラス構造部材110と第1支持部材120および第2支持部材130そして締結具140を利用して、複数のトラス構造部材110を結合させながら構造物を施工する過程で、トラス構造部材110とトラス構造部材110が所定角度曲がれた構造に互いに連結されるようにする連結部材150がさらに含まれることができる。
【0043】
前記連結部材150は、互いに異なる方向に傾斜された2つ以上の平面151を含むブロックからなり、平面151の個数そして平面151の傾斜された方向や角度は連結させようとするトラス構造部材110の個数そしてトラス構造部材110の間の連結方向や角度によって異なるように製造されることができる。
【0044】
また、前記連結部材150に形成された平面151にはフランジ部111の組立孔112を貫通してナット142と締結されるネジボルト152が一体型に形成される。
【0045】
一方、図12には2つの平面151が含まれ、2つの平面151が連結部材150の中心を基準として互いに対称するように形成されて、複数のトラス構造部材110を連結する連結部材150の構造が示されている。
【0046】
また、図14には3つの平面151が含まれ、3つの平面151の三角形の各辺に対応する所に位置するように形成されて、複数のトラス構造部材110を連結する連結部材150の構造が示されている。
【0047】
以下では、本発明に係るトラス構造部材110と第1支持部材120および第2支持部材130、および連結部材150を利用して構造物を形成する過程を説明する。
【0048】
本発明に係る構造物は、通常のトラス構造物と同様に複数のトラス構造部材110が多角形の構造を繰り返し形成するように互いに結合されてなり、トラス構造部材110とトラス構造部材110との結合時に、テーパ延長部113が重ねられ、重ねられたテーパ延長部113が締結具140を構成するボルト141とナット142との締結によって互いに堅固に結合されながら、トラス構造部材110とトラス構造部材110との間に隙間が発生されることを防止する。
【0049】
より具体的に、本発明に係る2つのトラス構造部材110を互いに結合させようとする場合、まず2つのトラス構造部材110に形成されたフランジ部111が互いに密着されるように2つのトラス構造部材110を配置するが、一つのトラス構造部材110に形成されたテーパ延長部113が残り一つのトラス構造部材110に形成されたテーパ延長部113の内部に挿入されて、2つのテーパ延長部113が重ねられるように2つのトラス構造部材110を配置する。
【0050】
その後、密着された2つのフランジ部111の一方向に突出されたテーパ延長部113が第1支持部材120の支持溝122に挿入されるように第1支持部材120をフランジ部111の一側に配置し、第2支持部材130の第2対応面132がテーパ延長部113の内部に挿入されて、テーパ延長部113の内面113bに密着されるように、第2支持部材130をフランジ部111の他側に配置し、ボルト141が第1支持部材120と2つのフランジ部111の組立孔112および第2支持部材130を順次貫通した後ナット142と締結されるようにすることによって、2つのトラス構造部材110の結合が行われるようにする。
【0051】
このように、2つのトラス構造部材110に形成されたテーパ延長部113が互いに重ねられ、その両側に第1支持部材120と第2支持部材130が配置され、第1支持部材120と第2支持部材130がボルト141とナット142の締結によって加圧されながら、2つのテーパ延長部113を緊密に密着固定させるので、2つのトラス構造部材110を遊動なしに堅固に結合させることができる。
【0052】
一方、図8図11に示されたように、2つ以上のトラス構造部材110を一地点で連結させようとした場合にも前述と同じ方式で複数のトラス構造部材110を互いに連結させることができる。
【0053】
一方、2つの平面151が形成された連結部材150を利用して複数のトラス構造部材110を連結させようとする場合、まず、第1支持部材120または第2支持部材130を連結部材150の各平面151に形成されたネジボルト152に設置するが、第1支持部材120に形成された支持溝122または第2支持部材130に形成された第2対応面132が連結部材150に結合されるトラス構造部材110のフランジ部111と対向する方向に位置するように第1支持部材120または第2支持部材130を設置する。
【0054】
以下の説明では第1支持部材120が平面151に設置されたことに仮定して説明する。
【0055】
前記第1支持部材120の設置が完了されると、トラス構造部材110に形成されたフランジ部111の一側面が平面151と対向し、突出されたテーパ延長部113が支持溝122に挿入されるようにトラス構造部材110の姿勢を調節した状態で、連結部材150のネジボルト152がフランジ部111に形成された組立孔112を貫通するように、トラス構造部材110を2つの平面151にそれぞれ設置する。
【0056】
この時、それぞれのネジボルト152に設置されるトラス構造部材110の個数は、所望の構造物の形態によって異なってもよい。
【0057】
その後、ネジボルト152に設置されたトラス構造部材110の外側に第2支持部材130を設置するが、第2支持部材130に形成された第2対応面132がトラス構造部材110に形成されたテーパ延長部113の内部に挿入されるように第2支持部材130を設置する。
【0058】
その後、第2支持部材130を貫通して突出されたネジボルト152にナット142を締結することにより、トラス構造部材110を連結部材150に固定させる。
【0059】
上記のような方式でトラス構造部材110とトラス構造部材110を互いに連結させるか、トラス構造部材110とトラス構造部材110が連結部材150を介して連結させながら、所望の構造の構造物を形成するようになる。
【0060】
以上で説明したように、本発明に係るトラス構造部材および構造物は、トラス構造部材110とトラス構造部材110を互いに連結して固定させる際において、単純にボルトとナットの締結力のみに依存せず、テーパ延長部113とテーパ延長部113の結合、そしてテーパ延長部113と支持部材120、130の結合によって、トラス構造部材110とトラス構造部材110を隙間が発生することなく堅固な構造で固定させ、トラス構造部材110と連結部材150に作用する衝撃や荷重を支持部材とテーパ延長部113を介して分散させて、応力が特定部位に集中されることを防止することにより、構造的により安定したトラス構造物を具現できるようにした非常に有用な発明である。
【0061】
従来にはトラス構造部材とトラス構造部材を結束するボルトがトラス構造部材の結合部に作用する衝撃や荷重によって相当な応力を受け、ボルトと孔の公差による隙間によってボルトと孔が局所的に接触することによって、応力が集中される現象が発生されることに対して、本発明の場合、ボルトは純粋に締結機能のみを有し、組立孔112の周りに形成されたテーパ延長部113がトラス構造部材110とトラス構造部材110を公差なしに堅固に互いに結合させる機能を提供することにより、トラス構造部材の変形を最小化し、分解後に再使用可能にして、経済性を確保することができる。
【0062】
本発明は、上述した特定の好ましい実施形態に限定されず、特許請求範囲で請求する本発明の要旨を逸脱することなく、当該発明が属する技術分野において通常の知識を有する者であれば、誰でも多様な変形実施が可能であることはもちろんで、このような変更は特許請求範囲に記載の範囲内にあるとすべきである。
【符号の説明】
【0063】
110:トラス構造部材
111:フランジ部
112:組立孔
113:テーパ延長部
113a:外面
113b:内面
120:第1支持部材
121:孔
122:支持溝
123:第1対応面
131:第2支持部材
132:第2対応面
140:締結具
141:ボルト
142:ナット
150:連結部材
151:平面
152:ネジボルト
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