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特許7621786カテーテルと共に使用するためのフレキシブル回路及び関連する製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-17
(45)【発行日】2025-01-27
(54)【発明の名称】カテーテルと共に使用するためのフレキシブル回路及び関連する製造方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/14 20060101AFI20250120BHJP
【FI】
A61B18/14
【請求項の数】 16
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020207322
(22)【出願日】2020-12-15
(65)【公開番号】P2021094397
(43)【公開日】2021-06-24
【審査請求日】2023-11-07
(31)【優先権主張番号】62/948,708
(32)【優先日】2019-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/094,915
(32)【優先日】2020-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】マシュー・ヒッツェロ
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル・ギドリ
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン・ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】コーリー・ロウス
【審査官】鈴木 敏史
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-075365(JP,A)
【文献】特表2019-530514(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0111233(US,A1)
【文献】特開2018-043004(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 18/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテルの先端部と共に使用するために非平面構成に形成されるように構成されたフレキシブル回路であって、
ベース区分を含む第1のセグメントであって、前記非平面構成の最遠位部分に形成されるように構成されている、第1のセグメントと、
側壁区分を含む第2のセグメントであって、前記非平面構成の円筒状の側面に形成されるように構成されている、第2のセグメントと、
前記ベース区分と前記側壁区分との間の移行区分であって、前記移行区分は、前記ベース区分と前記側壁区分の共有領域に隣接して少なくとも部分的に位置付けられており、かつ、前記移行区分は、遠位方向に向かって先細になる湾曲部分を含んでいる、移行区分と、
アブレーションのための電極を含む1つ以上の電極領域であって、前記1つ以上の電極領域は、前記移行区分の前記湾曲部分及び前記第2のセグメント内に少なくとも部分的に位置付けられている、1つ以上の電極領域と、を備える、フレキシブル回路。
【請求項2】
前記第1のセグメントは、前記カテーテルの先端部と共に使用される場合の非平面構成である前の平面構成で配向される場合、概ね円形形状を含む、請求項1に記載のフレキシブル回路。
【請求項3】
前記第1のセグメントは、非平面構成で配向される場合、前記第2のセグメントによって形成された前記側壁区分の直径よりも小さい直径を含み、
前記移行区分は、前記側壁区分と前記ベース区分との間を移行するドーム状形状を含む、請求項に記載のフレキシブル回路。
【請求項4】
前記第1のセグメントは、前記カテーテルの先端部と共に使用される場合の非平面構成である前の平面構成で配向される場合、概ね平面である、請求項1に記載のフレキシブル回路。
【請求項5】
前記第2のセグメントは、前記カテーテルの先端部と共に使用される場合の非平面構成である前に、概ね平面である、請求項1に記載のフレキシブル回路。
【請求項6】
前記第2のセグメントは、前記カテーテルの先端部と共に使用される場合の非平面構成である前の平面構成に配向される場合、概ね矩形であり、
第1のセクタ、第2のセクタ、及び第3のセクタを更に含み、各セクタは、前記電極を含むそれぞれの前記電極領域を含み、前記電極領域は、前記移行区分及びセクタ内に少なくとも部分的に位置付けられている、請求項1に記載のフレキシブル回路。
【請求項7】
前記第2のセクタは、前記第1のセクタと前記第のセクタとの間に位置付けられ、隣接領域に沿って前記第1のセグメントと連続して形成されている、請求項に記載のフレキシブル回路。
【請求項8】
各セクタは、前記フレキシブル回路が非平面構成である場合、前記移行区分までドーム状形状を形成する丸みを帯びた又は湾曲した上縁を含む、請求項に記載のフレキシブル回路。
【請求項9】
前記第1のセグメントは、前記第2のセグメントの前記第1のセクタ、前記第2のセクタ、及び前記第3のセクタとそれぞれ連続して形成された複数の三角形状のセクタを含む、請求項6に記載のフレキシブル回路。
【請求項10】
前記第2のセグメントの各セクタは、前記第2のセグメントのそれぞれのセクタの上縁からそれぞれの三角形状のセクタの頂点に向かって先細になる丸みを帯びた又は湾曲した上縁を含む、請求項に記載のフレキシブル回路。
【請求項11】
前記ベース区分は、前記三角形状のセクタによって共同で形成されている、請求項に記載のフレキシブル回路。
【請求項12】
前記三角形状のセクタのうちの少なくとも1つは、
基板を含む第1の層と、
第2の層であって、
上縁及び前記移行区分に隣接する第1の上方花弁部と、
前記第1の上方花弁部から離間し、前記それぞれのセクタの側縁に沿って実質的に下方へ延在する下方タブと、を含む、第2の層と、を含む、請求項に記載のフレキシブル回路。
【請求項13】
前記第2のセグメントは、前記第1のセグメントの周りに放射状に分離された複数の矩形形状の花弁セクタを含み、各セクタは、電極を含むそれぞれの電極領域を含み、前記それぞれの電極領域は、前記移行区分及び前記それぞれのセクタ内に少なくとも部分的に位置付けられている、請求項1に記載のフレキシブル回路。
【請求項14】
前記第1のセグメントは、前記カテーテルの先端部と共に使用される場合の非平面構成である前の平面構成において概ね円形である、請求項13に記載のフレキシブル回路。
【請求項15】
各セクタは、前記フレキシブル回路が非平面構成である場合、前記移行区分までドーム状形状を形成する丸みを帯びた又は湾曲した上縁を含む、請求項13に記載のフレキシブル回路。
【請求項16】
各セクタは、それぞれの移行区分とそれぞれの側壁区分との間の境界において、又は前記境界を中心に折り畳み可能である、請求項13に記載のフレキシブル回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、全般的には電気生理学的カテーテルに関し、特に電気心臓学的アブレーション及びマッピング処置における使用のための分岐した先端部を有するカテーテル用のフレキシブル回路に関する。
【背景技術】
【0002】
心房細動などの心不整脈は、心組織の諸領域が、隣接組織に電気信号を異常に伝導することによって正常な心周期を阻害し、非同期的な律動を引き起こす場合に発生する。
【0003】
不整脈を治療するための処置としては、不整脈の原因となる信号の発生源を外科的に破壊すること、及びそのような信号の伝導路を破壊することがある。カテーテルを介してエネルギーを印加して心組織を選択的にアブレーションすることによって、心臓の一部分から別の部分への望ましくない電気信号の伝播を阻止又は変更することが時に可能である。アブレーションプロセスは、非導電性の損傷部を形成することによって不要な電気経路を破壊するものである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
したがって、本開示の発明者らは、ドームを作製するために、電気めっきされると考えられる1つ以上の取り外し可能なインサート又は成形型により、複数のカテーテルの先端部を一度に製造する必要性が存在することを認識した。サイズに応じて、多くのインサートを1回で処理することができると考えられる。
【0005】
いくつかの例において、カテーテルの先端部と共に使用するためのフレキシブル回路が開示されている。フレキシブル回路は、ベース区分を含む第1のセグメントと、側壁区分を含む第2のセグメントと、ベース区分と側壁区分との間の移行区分であって、移行区分は、ベース区分と側壁区分の共有領域に隣接して少なくとも部分的に位置付けられている、移行区分と、それぞれの電極を含む1つ以上の電極領域であって、1つ以上の電極領域は、移行区分及び第2のセグメント内に少なくとも部分的に位置付けられている、1つ以上の電極領域と、を備え得る。
【0006】
いくつかの例において、第1のセグメント及び/又は第2のセグメントは、カテーテルの先端部と共に使用される場合の非平面構成である前の平面構成で配向される場合、概ね平面である。
【0007】
いくつかの例において、1つ以上の電極領域のそれぞれの電極は、アブレーション用電極である。
【0008】
いくつかの例において、1つ以上の電極領域のそれぞれの電極は、記録用電極である。
【0009】
いくつかの例において、1つ以上の電極領域のそれぞれの電極は、検知用電極である。
【0010】
いくつかの例において、1つ以上の電極領域のそれぞれの電極。
【0011】
いくつかの例において、1つ以上の電極領域のそれぞれは、電極を含む。
【0012】
いくつかの例において、第1のセグメントは、カテーテルの先端部と共に使用され場合の非平面構成である前の平面構成で配向される場合、概ね円形形状を有する。
【0013】
いくつかの例において、第1のセグメントは、非平面構成で配向される場合、第2のセグメントによって形成された側壁区分の直径よりも小さい直径を有し、移行区分は、側壁区分とベース区分との間を移行するドーム状形状を有する。
【0014】
いくつかの例において、第2のセグメントは、カテーテルの先端部と共に使用される場合の非平面構成である前の平面構成に配向される場合、概ね矩形であり、第1のセクタ、第2のセクタ、及び第3のセクタを更に含み、各セクタは、電極を含むそれぞれの電極領域を含み、それぞれの電極領域は、移行区分及びそれぞれのセクタ内に少なくとも部分的に位置付けられている。
【0015】
いくつかの例において、第2のセクタは、第1のセクタと第2のセクタとの間に位置付けられ、隣接領域に沿って第1のセグメントと連続して形成されている。
【0016】
いくつかの例において、各セクタは、フレキシブル回路が非平面構成である場合、移行区分までドーム状形状を形成する丸みを帯びた又は湾曲した上縁を有する。
【0017】
いくつかの例において、第1のセグメントは、第2のセグメントの第1のセクタ、第2のセクタ、及び第3のセクタとそれぞれ連続して形成された複数の三角形状のセクタを有する。
【0018】
いくつかの例において、第2のセグメントの各セクタは、第2のセグメントのそれぞれのセクタの上縁からそれぞれの三角形状のセクタの頂点に向かって先細になる丸みを帯びた又は湾曲した上縁を有する。
【0019】
いくつかの例において、ベース区分は、三角形状のセクタによって共同で形成されている。
【0020】
いくつかの例において、三角形状のセクタのうちの少なくとも1つは、基板を含む第1の層と、第2の層であって、上縁及び移行区分に隣接する第1の上方花弁部と、第1の上方花弁部から離間し、それぞれのセクタの側縁に沿って実質的に下方へ延在する下方タブと、を有する、第2の層と、を有する。
【0021】
いくつかの例において、第2のセグメントは、第1のセグメントの周りに放射状に分離された複数の矩形形状の花弁セクタを含み、各セクタは、電極を含むそれぞれの電極領域を含み、それぞれの電極領域は、移行区分及びそれぞれのセクタ内に少なくとも部分的に位置付けられている。
【0022】
いくつかの例において、第1のセグメントは、カテーテルの先端部と共に使用される場合の非平面構成である前の平面構成で配向される場合、概ね円形である。
【0023】
いくつかの例において、各セクタは、フレキシブル回路が非平面構成である場合、移行区分までドーム状形状を形成する丸みを帯びた又は湾曲した上縁を有する。
【0024】
いくつかの例において、各セクタは、それぞれの移行区分とそれぞれの側壁区分との間の境界において、又は境界を中心に折り畳み可能である。
【0025】
いくつかの例において、それぞれのセクタの各側縁は、非平面構成で円筒状の側壁区分を形成するように、それぞれの対向する側縁に沿ってセクタのうちの別の側縁に取り付け可能である。
【0026】
いくつかの例において、各セクタは、均等に放射状に分離している。
【0027】
いくつかの例において、フレキシブル回路は、3つのセクタのみからなる。
【0028】
いくつかの例において、第1のセグメントは、基板を含む第1の層と、第1のセグメントに隣接して又は第1のセグメントの周囲に位置付けられた複数の花弁部であって、複数の花弁部は、1つ以上の空間によって分離されている、複数の花弁部を含む第2の層と、を含む。
【0029】
いくつかの例において、花弁部は、第1のセグメントの周辺部の周りで放射状に分離している。
【0030】
いくつかの例において、絶縁層は、1つ以上の間隔を空けて位置付けられている。
【0031】
いくつかの例において、第1のセクタ、第2のセクタ、及び第3のセクタは各々、それぞれの電極に動作可能に連結された1つ以上の接点を含むそれぞれのはんだ領域を有する。
【0032】
いくつかの例において、第1のセグメントは、第1のセグメントの基板及び第1のセグメントの絶縁体を有する。
【0033】
いくつかの例において、第1及び第2のセグメントの一方又は両方は、複数の、選択的に位置付けられた灌注ポートを有する。
【0034】
いくつかの例において、ポリアミド、ポリイミド、液晶ポリマー、又はポリウレタンを有する絶縁層が含まれる。
【0035】
いくつかの例において、カテーテルは、少なくとも1つのルーメンと、細長いカテーテル本体の遠位端に接続されたフレキシブル回路と、を備える、細長いカテーテル本体に関して開示され、フレキシブル回路は、先端部のベース区分を含む第1のセグメントと、先端部の側壁区分を含む第2のセグメントと、ベース区分と側壁区分との間の移行区分であって、移行区分は、ベース区分及び側壁区分の共有領域に隣接して少なくとも部分的に位置付けられている、移行区分と、それぞれの電極を含む1つ以上の電極領域であって、1つ以上の電極領域は、移行区分及び第2のセグメント内に少なくとも部分的に位置付けられている、電極領域と、を有する。
【0036】
いくつかの例において、第1のセグメントは、平面構成で配向される場合、概ね円形形状を有する。
【0037】
いくつかの例において、第1のセグメントは、非平面構成で配向される場合、第2のセグメントによって形成された側壁区分の直径よりも小さい直径を有し、移行区分は、側壁区分とベース区分との間を移行するドーム状形状を含む。
【0038】
いくつかの例において、第2のセグメントは、非平面構成である前の平面構成で配向される場合、概ね矩形であり、第1のセクタ、第2のセクタ、及び第3のセクタを更に含み、各セクタは、電極のために構成されたそれぞれの電極領域を含み、それぞれの電極領域は、移行区分及びそれぞれのセクタ内に少なくとも部分的に位置付けられている。
【0039】
いくつかの例において、第2のセクタは、第1のセクタと第2のセクタとの間に位置付けられ、隣接する領域に沿って第1のセグメントと連続して形成される。
【0040】
いくつかの例において、各セクタは、フレキシブル回路が非平面構成である場合、ドーム状形状を移行区分まで形成する丸みを帯びた又は湾曲した上縁を有する。
【0041】
いくつかの例において、第1のセグメントは、第2のセグメントの第1のセクタ、第2のセクタ、及び第3のセクタとそれぞれ連続して形成された複数の三角形状のセクタを有する。
【0042】
いくつかの例において、第2のセグメントの各セクタは、第2のセグメントのそれぞれのセクタの上縁からそれぞれの三角形状のセクタの頂点に向かって先細になる丸みを帯びた又は湾曲した上縁を有する。
【0043】
いくつかの例において、先端部のベース区分は、三角形状のセクタによって共同で形成されている。
【0044】
いくつかの例において、三角形状のセクタのうちの少なくとも1つは、基板を含む第1の層と、第2の層であって、上縁及び移行区分に隣接する第1の上方花弁部と、第1の上方花弁部から離間し、それぞれのセクタの側縁に沿って実質的に下方へ延在する下方タブと、を含む、第2の層と、を含む。
【0045】
いくつかの例において、第2のセグメントは、第1のセグメントの周りに放射状に分離された複数の矩形形状の花弁セクタを有し、各セクタは、電極のために構成されたそれぞれの電極領域を有し、それぞれの電極領域は、移行区分及びそれぞれのセクタ内に少なくとも部分的に位置付けられている。
【0046】
いくつかの例において、第1のセグメントは、平面構成で配向される場合、概ね円形形状である。
【0047】
いくつかの例において、フレキシブル回路が非平面構成である場合、移行区分までドーム状形状を形成する丸みを帯びた又は湾曲した上縁を含む各セクタ。
【0048】
いくつかの例において、それぞれの移行区分とそれぞれの側壁区分との間の境界において、又は境界を中心に折り畳み可能である各セクタ。
【0049】
いくつかの例において、非平面構成で円筒状の側壁区分を形成するように、それぞれの対向する側縁に沿ってセクタのうちの別のセクタの側縁に取り付け可能であるそれぞれのセクタの各側縁。
【0050】
いくつかの例において、均等に放射状に分離している各セクタ。
【0051】
いくつかの例において、カテーテルは、3つのセクタのみからなる。
【0052】
いくつかの例において、第1のセグメントは、基板を含む第1の層と、第1のセグメントに隣接して又は第1のセグメントの周囲に位置付けられた複数の花弁部であって、複数の花弁部は、1つ以上の空間によって分離されている、複数の花弁部を含む第2の層と、を含む。
【0053】
いくつかの例において、絶縁層は、1つ以上の間隔を空けて位置付けられている。
【0054】
いくつかの例において、花弁部は、第1のセグメントの周辺部の周りで放射状に分離している。
【0055】
いくつかの例において、第1のセクタ、第2のセクタ、及び第3のセクタは各々、それぞれの電極に動作可能に連結された1つ以上の接点を有するそれぞれのはんだ領域を有する。
【0056】
いくつかの例において、第1のセグメントは、第1のセグメントの基板及び第1のセグメントの絶縁体を有する。
【0057】
いくつかの例において、第1及び第2のセグメントの一方又は両方は、複数の、選択的に位置付けられた灌注ポートを有する。
【0058】
いくつかの例において、ポリアミド、ポリイミド、液晶ポリマー、又はポリウレタンを有する絶縁層が含まれる。
【0059】
いくつかの例において、カテーテルを組み立てる方法が開示される。方法は、カテーテルの先端部のためのフレキシブル回路の平面構成を非平面構成に変更することを含み、フレキシブル回路は、ベース区分を含む第1のセグメントと、側壁区分を含む第2のセグメントと、ベース区分と側壁区分との間の移行区分であって、移行区分は、ベース区分と側壁区分の共有領域に隣接して少なくとも部分的に位置付けられている、移行区分と、組織をアブレーションするためのそれぞれの電極のために構成された1つ以上の電極領域であって、1つ以上の電極領域は、移行区分及び第2のセグメント内に少なくとも部分的に位置付けられている、1つ以上の電極領域と、を有する。方法は、非平面構成の第2のセグメントの、ベース区分の反対側の近位端を細長いカテーテル本体の遠位端に接続することを含む。
【0060】
いくつかの例において、非平面構成は、円筒状の構成を有する。
【0061】
いくつかの例において、方法は、電極を1つ以上の電極領域の各々により位置付けることを含む。電極は、アブレーション用電極、検知用電極、記録用電極、及び/又は同様のものであり得る。
【0062】
いくつかの例において、方法は、平面構成で配向される場合、概ね円形形状を有する第1のセグメントを形成することを含む。
【0063】
いくつかの例において、方法は、非平面構成における第2のセグメントの側壁区分の直径よりも小さい直径を含む第1のセグメントを形成することと、側壁区分とベース区分との間で移行するドーム状形状を有する移行区分を形成することと、を含む。
【0064】
いくつかの例において、方法は、平面構成において概ね矩形形状で第2のセグメントを形成することを含み、第2のセグメントは、第1のセクタ、第2のセクタ、及び第3のセクタを含み、各セクタは、組織をアブレーションするための電極のために構成されたそれぞれの電極領域を含み、それぞれの電極領域は、移行区分及びそれぞれのセクタ内に少なくとも部分的に位置付けられている。
【0065】
いくつかの例において、方法は、リード線を第1のセクタ、第2のセクタ、及び第3のセクタのそれぞれのアブレーション用電極に接続することを含む。
【0066】
いくつかの例において、方法は、第1のセクタと第2のセクタとの間であって、隣接領域に沿って第1のセグメントと連続して第2のセクタを位置付けることを含む。
【0067】
いくつかの例において、方法は、第2のセグメントの第1のセクタ、第2のセクタ、及び第3のセクタとそれぞれ連続する複数の三角形状のセクタを有する第1のセグメントを形成することを含む。
【0068】
いくつかの例において、第2のセグメントの各セクタは、第2のセグメントのそれぞれのセクタの上縁からそれぞれの三角形状のセクタの頂点に向かって先細になる丸みを帯びた又は湾曲した上縁を有する。
【0069】
いくつかの例において、方法は、三角形状のセクタの各々によって先端部のベース区分を形成することを含む。
【0070】
いくつかの例において、三角形状のセクタのうちの少なくとも1つは、基板を含む第1の層と、第2の層であって、上縁及び移行区分に隣接する第1の上方花弁部と、第1の上方花弁部から離間し、それぞれのセクタの側縁に沿って実質的に下方へ延在する下方タブと、を含む、第2の層と、を含む。
【0071】
いくつかの例において、第1のセグメントの周りに放射状に分離された複数の矩形形状の花弁セクタにより第2のセグメントを形成すること含み、各セクタは、組織をアブレーションするための電極のために構成されたそれぞれの電極領域を含み、それぞれの電極領域は、移行区分及びそれぞれのセクタ内に少なくとも部分的に位置付けられている。
【0072】
いくつかの例において、方法は、平面構成で配向される場合、概ね円形形状で第1のセグメントを形成することを含む。
【0073】
いくつかの例において、方法は、フレキシブル回路が非平面構成である場合、ドーム状形状を移行区分まで形成する第2のセグメントの上縁を丸みを帯びさせるか又は湾曲させることを含む。
【0074】
いくつかの例において、方法は、第2のセグメントを非平面構成に移動させるように、それぞれの移行区分と側壁区分との間の境界において、又は境界を中心に各セクタを折り畳むことを含む。
【0075】
いくつかの例において、方法は、非平面構成で円筒状の側壁区分を形成するように、それぞれの対向する側縁に沿ってセクタのうちの別の側縁にそれぞれのセクタの各側縁を取り付けることを含む。
【0076】
いくつかの例において、方法は、各セクタを第1のセグメントの周りに均等に放射状に分離させることを含む。
【0077】
いくつかの例において、各セクタは、フレキシブル回路が非平面構成である場合、ドーム状形状を移行区分まで形成する丸みを帯びた又は湾曲した上縁を有する。
【0078】
いくつかの例において、第1の層は、基板が備えられ、第1のセグメントに隣接して又は第1のセグメントの周囲に位置付けられた複数の花弁部であって、複数の花弁部は、1つ以上の空間によって分離されている、複数の花弁部を含む第2の層。
【0079】
いくつかの例において、絶縁層は、1つ以上の間隔を空けて位置付けられている。
【0080】
いくつかの例において、第1のセクタ、第2のセクタ、及び第3のセクタは各々、それぞれの電極に動作可能に連結された1つ以上の接点を含むそれぞれのはんだ領域を有する。
【0081】
いくつかの例において、第1のセグメントは、第1のセグメントの基板及び第1のセグメントの絶縁体を有する。
【0082】
いくつかの例において、方法は、複数の灌注ポートを第1及び/又は第2のセグメントにより選択的に位置決めすることを含む。
【0083】
いくつかの例において、組織をアブレーションする方法が開示される。方法は、先行する例による任意のカテーテルを被験体に挿入することと、カテーテルのフレキシブル回路を心組織に接触させることと、フレキシブル回路により組織をアブレーションすることと、を含む。
【0084】
以下の本発明の実施形態の詳細な説明を図面と併せ読むことによって、本開示のより完全な理解が得られるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0085】
本明細書は、本明細書において説明される主題を具体的に指摘し、かつ明確にその権利を特許請求する、特許請求の範囲により完結するが、本主題は、添付図面を伴う以下の説明からよりよく理解されるものと考えられ、様々な図面において、同様の参照符号は同様の構成要素を特定する。図面は、必ずしも縮尺どおりではなく、代わりに、本開示の原理を例示することが重視されている。図は、限定としてではなく単なる例示として、本発明の装置の1つ以上の実装形態を描写している。
図1】生存被験体の心臓内の電気活動を評価し、カテーテルを使用して心臓に治療を提供するためのシステムの図である。
図2】本開示の先端部を形成するための平面状の基板の図である。
図3】第1のセグメントの特定の特徴を示す図2の区分A-Aの拡大図である。
図4】第2のセグメントの特定の特徴を示す図2の区分B-Bの拡大図である。
図5】本開示の先端部の拡大図である。
図6】フレキシブル回路の先端部内に形成され、カテーテルの遠位端に接続された図2図4のフレキシブル回路の図である。
図7】本開示の別の先端部を形成するための平面状の基板の図である。
図8】本開示の別の先端部を形成するための平面状の基板の図である。
図9】組織をアブレーションする例示的な方法を示すフロー図である。
図10】組織をアブレーションする例示的な方法を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0086】
本明細書で使用するとき、用語「絶縁体」、「絶縁材」、「絶縁材料」などは、各々、当業者に一般的に受け入れられる、熱の伝達及び電気信号の搬送に抵抗するための特性を有する少なくとも1つの原料を含む材料及び構造を含意する。このような材料としては、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、ポリカーボネート、セラミック、液晶ポリマー、及び高温エポキシが挙げられるが、これらに限定されない。
【0087】
本明細書で任意の数値又は数値の範囲について用いる「約」又は「およそ」という用語は、構成要素の部分又は構成要素の集合が、本明細書において説明されるその意図された目的に沿って機能することを可能とする、好適な寸法の許容誤差を示すものである。より具体的には、「約」又は「およそ」とは、列挙された値の±20%の値の範囲を指してもよく、例えば「約90%」は、71%~99%の値の範囲を指してもよい。
【0088】
本明細書で使用するとき、「被検体」又は「患者」は、任意の該当するヒト患者、並びに任意の哺乳類、獣医学的動物、家畜動物、又はペット類の動物などを指す。一例において、動物は、ヒトに類似したある特性を有するように特別に選択された実験動物(例えば、ラット、イヌ、ブタ、ウサギ、サルなど)であってもよい。
【0089】
本明細書で使用するとき、「操作者」は、医師、外科医、又は本開示の(複数の)デバイスと共に使用される医療処置に関連する任意の他の個人若しくは器具を含んでもよい。
【0090】
アブレーション、特に心組織のアブレーションは、アブレーション用エネルギーの正確な送達に依拠するが、血液にアブレーション用エネルギーを提供することによって引き起こされる血栓形成などの負の副作用を回避する。これらの目的を対象とした3つのセグメントに分割された先端部を有するカテーテルが開示される。
【0091】
図1は、電気活動を評価し、生存被験体の心臓12に対してアブレーション処置を実行するためのシステム10の図である。システムは、遠位端15と、遠位端15に配設された先端部、例えば、先端部18と、を有するカテーテル本体14を有する診断用/治療用カテーテルを含み、カテーテル本体14は、操作者16によって、患者の脈管系を通って心臓12の心室又は血管構造に経皮的に挿入され得る。典型的には、医師である操作者16が、カテーテルの先端部18を、例えば、アブレーションの標的部位において、心臓壁と接触させる。電気的活動マップは、米国特許第6,226,542号及び同第6,301,496号、並びに本願と同一譲受人に譲渡された米国特許第6,892,091号に開示される方法に従って作製されてもよく、この米国特許の開示内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。システム10の要素を具現化する1つの市販製品は、Biosense Webster,Inc.33 Technology Drive,Irvine,CA,92618から入手可能なCARTO(登録商標)3システムとして入手可能である。
【0092】
例えば、電気的活動マップの評価によって異常と判定された領域は、熱エネルギーの印加によって、例えば、標的組織に高周波エネルギーを印加する、先端部18での1つ又は2つ以上の電極に、高周波電流をカテーテル内のワイヤを通じて流すことによって、アブレーションされ得る。エネルギーは、組織が永久にその電気興奮性を失う点(典型的には、50℃超)まで組織を加熱すると、組織に吸収される。この処置により心臓組織内に非伝導性の損傷部が生じ、その損傷部は、不整脈を引き起こす異常な電気的経路を遮断する。かかる原理は、異なる心腔に適用されて、多数の異なるタイプの心不整脈を診断及び治療することができる。
【0093】
カテーテルは、典型的には、ハンドル20を含み、ハンドル上に好適な制御部を有して、操作者16がアブレーションを行うためにカテーテルの遠位15の操舵、位置決め、及び配向させることを所望のとおりに行うことを可能にする。アブレーションエネルギー及び電気信号を、先端部18に若しくは先端部18付近に位置する、又は先端部18を含む1つ以上の電極32を通って、コンソール24に至るケーブル38を介し、心臓12へかつ心臓12から伝達することができる。ペーシング信号及び他の制御信号は、コンソール24からケーブル38及び電極32を通じて心臓12に伝達することができる。ワイヤ接続部35は、コンソール24を、身体表面電極30、並びにカテーテルの位置及び配向の座標を測定するための位置決めサブシステムの他の構成要素と連結する。プロセッサ22又は別のプロセッサは、位置決めサブシステムの要素であってもよい。電極32及び身体表面電極30は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Govariらに付与された米国特許第7,536,218号において教示されるように、アブレーション部位での組織インピーダンスを測定するために使用され得る。後述するように、少なくとも1つ温度センサ、典型的には、熱電対又はサーミスタが、電極32の各々の上に、又は電極32の各々の付近に含まれ得る。
【0094】
コンソール24は、典型的には、1つ又は2つ以上のアブレーション発電機25を収容する。カテーテルは、任意の既知のアブレーション技法、例えば、高周波エネルギー、超音波エネルギー、冷熱エネルギー、及びレーザにより生成された光エネルギーを使用して、心臓にアブレーションエネルギーを伝導するように適合され得る。かかる方法は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、本願と同一譲受人に譲渡された米国特許第6,814,733号、同第6,997,924号、及び同第7,156,816号に開示される。
【0095】
位置決めサブシステムはまた、カテーテル内に、典型的には先端に近接して配設されたコイル又はトレースを使用して、既定の作業体積内に磁場を生成し、カテーテルでのこれらの磁場を検知することによって、カテーテルの位置及び配向を判定する、磁気位置追跡配置を含んでもよい。位置決めサブシステムは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第7,756,576号、及び上記の同第7,536,218号に記載される。操作者16は、コンソール24を介してカテーテルの機能を観察し、調節することができる。コンソール24は、プロセッサ、好ましくは適当な信号処理回路を有するコンピュータを含む。プロセッサは、モニタ29を駆動するように結合されている。信号処理回路は、典型的には、例えば、カテーテルの遠位に位置する電気センサ、温度センサ、並びに複数の位置検知コイル又はトレースなどの、例えば、電極32などの、センサによって生成された信号を含む、カテーテルからの信号を受信、増幅、フィルタリング、及びデジタル化する。デジタル化された信号は、コンソール24及び位置決めシステムによって受信及び使用されて、カテーテルの位置及び向きを計算し、カテーテルから受信した電気信号を解析する。
【0096】
本明細書に開示される主題は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている、Websterに対する米国特許第6,171,275号に開示されているような、当該技術分野において既知のカテーテルの先端部の作製及び機能性の改善に関する。改善されたカテーテルの先端部は、図2図4に反映される平面状フレキシブル回路100としてリソグラフィプロセスによって作製され得る。フレキシブル回路100は、その記述が示唆するように、可撓性であり、可撓性であることは、様々な非平面構成に曲げられ得ることを意味する。例えば、フレキシブル回路100が、図5に反映される円筒状のフレキシブル回路のフレキシブル回路200に変更され得るように、平面状から円筒状に構成が変更され得る。したがって、フレキシブル回路100の平面構成及びフレキシブル回路200の非平面構成はさておき、フレキシブル回路100に関して本明細書に記載される特徴はまた、フレキシブル回路200内に存在し、同様に、フレキシブル回路200に関して本明細書に記載される特徴はまた、これらの構成のうちの1つに関して、特定の開示がなされていない場合であっても、フレキシブル回路100内に存在することを理解されたい。更に、図2図4において視認可能なフレキシブル回路100の表面は、図5のフレキシブル回路200になる。
【0097】
図2において視認可能なフレキシブル回路100の表面は、フレキシブル回路200の内面となる。フレキシブル回路100は、フレキシブル回路200の所望の構造に応じて様々なセグメントを含み得る。図2で分かるように、フレキシブル回路100は、第1のセグメント102及び第2のセグメント104を有する。第1のセグメント102は、円形形状を有してもよく、第2のセグメント104は、平面構成であるときに、第2のセグメント104の上縁に隣接するセグメント102に沿う1つ以上の空間を有する概ね矩形形状を有してもよい。フレキシブル回路100は、第1のセグメント102がフレキシブル回路200の最遠位部分(シリンダーのベース)202になり、セグメント104がフレキシブル回路200の側面(円筒の壁)204になる、図5及び図6に反映されるフレキシブル回路200に形成され得る。セグメント102は、丸みを帯びたパターン(例えば、円形、楕円形、又は他の曲線)を有するように提供されてもよい。
【0098】
セグメント104は、第1のセクタ110、第2のセクタ112、及び第3のセクタ114などの複数の区分又はセクタを含んでもよい。破線113は、これらのセクタ間の境界を画定する第2のセグメント104上に提供される。各セクタ110、112、114は、フレキシブル回路200から灌注を提供するように、選択的に位置付けられた複数の灌注ポート134を含み得る。ポート134は、作製手法の任意の様式で(例えば、レーザ穿孔によって)作製されてもよい。はんだ領域136、138及び140はまた、第1のセクタ110上に領域136、第2のセクタ112上に領域138、かつ第3のセクタ114上に領域140を有して、第2のセグメント104上に設けられ、各々は、対応するセクタ上に配設された電子部品と導電連通している(動作可能に連結された)様々な接点を有する。図示のようないくつかの例において、領域136は6つの接点を有してもよく、領域138は5つの接点を有してもよく、領域140は4つの接点を有してもよい。しかしながら、各領域は、必要又は要求に応じて、より多い又はより少ない接点を有してもよい。
【0099】
いくつかの例において、領域136、138、140の接点は、熱電対、及びシステムの導体要素に動作可能に連結することができる。このようにして、第2のセグメント104の3つのセクタ110、112、114のうちの1つの電子構成部品は、(例えば、組織からのアブレーションを提供するか、又は組織からの電子信号を検出するために)制御され、システムの電子構成部品とは別個にモニタされてもよい(例えば、セグメント104の各区画上に配設された別個の温度センサに対して別個の温度を検出する)。更に、セクタ110、112、114の各々が、フレキシブル回路200上の合計6つの温度センサに対して、2つの別個の温度センサを含むため、フレキシブル回路200について温度を正確にモニタすることができる。
【0100】
いくつかの例において、セクタ110、112、114間に間隔が設けられてもよい。間隔は、それぞれの層を通って、すなわち、フレキシブル回路100の厚さ全体を通って設けられてもよい。しかしながら、この間隔は、導電性材料を含む層のみを通って提供されてもよく、非導電性材料を含む基板及び絶縁層に設けられる必要はない。この間隔は、例えば、線113によって特定される輪郭に沿って設けられてもよく、様々なセクタ110、112、及び114を互いから分離することができ、例えば、1つのセクタから他のセクタへの熱の分配を防止するのに役立つ。更に、セクタ110、112、114は、フレキシブル回路200において、ベース202に隣接するゾーン203内に位置付けられる部分109(図4を参照)を含むことができる。いくつかの例において、絶縁材料は、間隔内に配設されてもよい。
【0101】
図3を参照すると、セグメント102は、ベース202と壁204との間の移行ゾーン203を収容することができるセグメント102の周りに放射状に位置付けられたペダル部106間の空間108を含む。ポート134は、第1のセグメント102を通って更に提供され得る。
【0102】
図4を参照すると、区分B-Bの拡大図は、それぞれのセクタ110及び114のペダル部106と下方タブ111との間の空間108を有するセグメント104を示している。セクタ112は、セクタ112の側方縁の両方にセクタ110、114を備えるため、下方タブ111を有さないことに留意されたい。代わりに、セクタ112は、移行ゾーン203になるものに隣接する2つの上方ペダル部106を有する。孔208は、セクタ110、112、114内に設けられてもよく、それぞれのセクタにおいて中央に位置付けられ、各々のそれぞれのセクタ110、112及び114の電極32が移行ゾーン203及び壁204の両方に配置され得るように位置付けられる。換言すれば、セクタ110、112、114は、電極32の下方部分32Bが壁204に位置付けられる一方、上方部分32Aを含む、ベース202と壁204との間の移行ゾーン203を収容するように共同で構造化されている。いくつかの例において、孔208は、少なくとも部分的に壁204及び移行ゾーン203内に位置付けられてもよい。孔208は、カテーテル、例えば、電極32の様々な電子構成要素を収容することができる。
【0103】
前述のフレキシブル回路100は、図5に示されるフレキシブル回路200に形成され、図6に示すようにカテーテル本体14の遠位端15に接続され得る。カテーテル本体14は、少なくとも2つのルーメンの内部を通って長手方向に配設され得る。例えば、2つのルーメンのうちの一方を使用して、カテーテル本体14を通ってフレキシブル回路200内へ灌注流体を導くことができる。他方のルーメンは、フレキシブル回路200の電子構成要素へのかつ電子構成要素からの信号、例えば、電気信号を伝達するためのリードワイヤを含んでもよい。当該技術分野において既知であるように、例えば、牽引ワイヤを含むことによって操縦機能性を可能にするように、又はガイドワイヤのためなどの、追加のルーメンが設けられてもよい。フレキシブル回路200は、各々が3つのセクタ110、112,及び114にそれぞれ対応するセクタ210、212、及び214を含むことが分かる。
【0104】
図6を参照すると、フレキシブル回路100をフレキシブル回路のフレキシブル回路200に形成する際に、第1のセクタ210と第3のセクタ214との間に空間が形成され得る。この空間は、第1のセクタ110と第2のセクタ112との間の空間、及び第2のセクタ112と第3の部分114との間の空間のための絶縁材料で充填されてもよい。したがって、フレキシブル回路200を装備したカテーテル本体14は、カテーテルの先端部の設計における様々な改善を提供する。特に、フレキシブル回路200の側壁に微小電極を位置付けるのではなく、(上方部分及び下方部分32a、32bを含む)電極32は、信号収集を最適化するように、フレキシブル回路200のドーム及び後壁上に少なくとも部分的に遠位の放射状の範囲に位置付けられる。従来のアプローチでは、側壁204だけに電極32が位置付けられることにより、電極の位置に起因して、垂直に組織と直接接触するか、又は組織と斜めに直接接触する可能性が低くなることが発見された。本明細書に開示された解決策は、電極32の位置を最適化しながら、導電性を維持することによりこれを解決する。
【0105】
更に、セクタ210、212、214のうちの1つのフレキシブル回路200の電極を、他のセクタの各々の電極とは別個に活性化又は非活性化することができ、他のセクタの各々の電極は、異なる機能性、例えば、アブレーション又はECG検知を提供するように活性化することができる。更に、3つのセクタの各々に提供される、典型的には、発生器のRF範囲内の電気信号は、他のセクタの電極のうちの一方又は両方に提供される電気信号と同じであってもよく、又は異なっていてもよい。すなわち、各先端部セクタに送達される電力(例えば、ワット単位で示される電力量)は、セクタ毎に同じであってもよく、又は異なっていてもよい。例えば、第1の先端部セクタに送達される電力量(ワット単位の「第1の電力量」)は、第2の先端部セクタに送達される電力量(「第2の電力量」)とは異なる(すなわち、より高く又はより低くなる)ように制御することができる。同様に、第3の先端部セクタをオフにすることができ、あるいは第1の電力量又は第2の電力量とは異なる第3の電力量(「第3の電力量」)を第3の先端部セクタに提供してもよい。あるいは、各セクタに送達されるエネルギー(ジュール単位)は、セクタ毎に同じであってもよく、又は異なっていてもよい。更に別の例では、1つのセクタに提供されるRF信号の周波数は、1つのセクタ又は他の両方のセクタに提供される信号の周波数に対して変動してもよい。RF信号は、例えば、好適なフィードバック制御に基づいて、10kHZ~1MHzのRF周波数帯域内の任意の周波数に変化させることができる。先端部セクタへのエネルギー又は電力を制御するためのこのような手法は、フレキシブル回路200又はアブレーションされている組織の温度を制御するのを支援し、アブレーションの精度の改善を更に支援することができる。
【0106】
図7は、カテーテル14等のカテーテル内で用いられて、コンソール24内のプロセッサに場所及び力に関する信号を提供し得る代替的なフレキシブル回路300を示している。フレキシブル回路300は、第1のセグメント302及び第2のセグメント304を有する実質的に平面状の基板を含む。第1のセグメント302は、フレキシブル回路300の移行ゾーン及びベース区分において、又はフレキシブル回路300の移行ゾーン及びベース区分に隣接して位置付けられてもよく、先に説明したセグメント102の機能と同様に、フレキシブル回路300の三角形状の遠位端を形成するように、頂点で合流する1つ以上の角度付き縁部で形成されてもよい。フレキシブル回路300は、フレキシブル回路100のセグメント102の中央キャップ状エリアを有するのではなく、重なり合うタブを有するパイ状部の区分を形成する3つのセクタ310、312、314を有する。
【0107】
具体的には、前述のセグメント104と同様に、セグメント304は、フレキシブル回路300に関連する非平面状先端部の側壁に形成され得る。セグメント304は、第1のセクタ310、第2のセクタ312、及び第3のセクタ314などの複数の区分又はセクタを含んでもよい。破線313は、これらのセクタ間の境界を画定する第2のセグメント304上に提供される。フレキシブル回路100と同様に、はんだ領域336、338及び340もまた、第2のセグメント304が設けられてもよい。
【0108】
また、セグメント104と同様に、セグメント304は、移行ゾーン内に位置付けられたペダル部306とペダル部307との間であり、フレキシブル電極300における最上タブ307の端部(すなわち、三角形状の点の頂部)と隣接する空間308と、それぞれのセクタ310及び312の下方タブ311と、を含む。セクタ312及び314は、下方タブ311を有さないことに留意されたい。代わりに、セクタ312は、セクタ312の最上頂点の周囲に配置され、当該頂点から延在する各隣接する縁部を部分的に下方に延在する単一のペダル部と共に移行ゾーン303になるものに隣接する2つの上方ペダル部306を有する。セクタ312のタブ306とタブ309との間には、空間308が設けられていることが分かる。
【0109】
フレキシブル回路100のものと同様に、セクタ310、312、314は、それぞれのセクタ内に中央に位置付けられ、各それぞれのセクタ310、312、314の電極32が、非平面構成において移行ゾーン303及び壁の両方に配置され得るように位置付けられている、各電極に関連付けられた孔を有してもよい。換言すれば、セクタ310、312、314は、フレキシブル回路のベースと側方壁との間の移行ゾーン303を収容するように共同で構造化されている。いくつかの例において、電極32に関連する孔は、少なくとも部分的に側方壁及び移行ゾーン内に位置付けられてもよい。
【0110】
図8は、カテーテル14等のカテーテル内で用いられて、コンソール24内のプロセッサに場所及び力に関する信号を提供し得る代替的なフレキシブル回路400を示している。フレキシブル回路400は、第1のセグメント402と、複数の花弁セクタ410、412、414を含む第2のセグメント404と、を有する、別の実質的に平面状の基板を含む。セグメント102と同様に、第1のセグメント402は、フレキシブル回路400の移行ゾーン及びベース区分において、又は移行ゾーン及びベース区分に隣接して位置付けられながら、円形形状を有してもよい。セグメント402は、丸みを帯びたパターン(例えば、円形、楕円形、又は他の曲線)を有するように提供されてもよい。
【0111】
湾曲形状を有して中央に位置付けられているセグメント402は、非平面構成である場合、フレキシブル回路400の遠位の放射状の範囲及び円筒状壁を形成するように近位に折り畳むセグメント404の花弁セクタ410、412、414を有するセグメント404を有する中央パンチ部として機能する。セグメント404は、フレキシブル回路400と関連付けられた非平面状のフレキシブル回路の側壁を形成し、セグメント402から外側に延在する。花弁セクタ410、412、414は、セグメント402の周りで放射状に分離されていることが分かる。いくつかの例において、セクタ410、412、414は、空間408を有して示されるように均等に分離されている。空間408は、移行ゾーン403並びに隣接するセグメント402に隣接して位置付けられ得る。
【0112】
破線境界線413は、セグメント402とセクタ410、412、414との間の境界を厳密に描写するように、図8に提供され、各セクタ410、412、414は、破線境界線413を中心に折り畳まれ、その後、フレキシブル回路400に関連する非平面状フレキシブル回路の壁及びベースを形成するように共に取り付けられることができる。フレキシブル回路100、300と同様に、はんだ領域436、438及び440もまた、セクタ410、412、414の底縁にそれぞれ設けられてもよい。フレキシブル回路100、300のものと同様に、セクタ410、412、414は、それぞれのセクタ内に中央に位置付けられ、各それぞれのセクタ410、412、414の電極32が、非平面構成において移行ゾーン403及び壁の両方に配置され得るように位置付けられている、各電極に関連付けられた孔を有してもよい。
【0113】
本開示で説明されるフレキシブル回路を形成するために使用される基板は、単一層であってもよい。あるいは、基板は、2層~10層、例えば4層を含んでもよい。各層は、上記の様々な部分及びセグメントの形状を含む他の層と同一である。しかしながら、層によって厚くすることで、信号収率の非線形性の増加がもたらされる。より薄い基板(例えば、4層)がより厚い基板(例えば、8層)に勝る利点は、変形又は屈曲しやすいという点であり、後述するように、フレキシブル回路を他のカテーテル構成要素に組み付けるのに役立ち、最終的にはカテーテルの内径エンベロープ内に適合させるのに役立つ。
【0114】
フレキシブル回路セクタと接触する生体組織の構成(例えば、含水量、厚さ、又は他の組織特性)は、抵抗率に影響を及ぼす場合があり、それ故に、そのフレキシブル回路セクタによって組織に送達されているRF電力に影響を及ぼす場合があることに留意されたい。したがって、そのような組織に送達されるエネルギー又は電力に起因するフレキシブル回路セクタにおける温度上昇量は、対応して異なる組織特性を有する様々な場所における同じ組織(又は更には異なる組織)と接触する他のフレキシブル回路セクタとは異なり得る。したがって、本明細書における実施形態の1つの利点は、システムが、様々な電力レベルを様々なフレキシブル回路セクタに送達して、1つのフレキシブル回路セクタについて測定された温度がフレキシブル回路セクタの全てに対して概ね同じであることを確実にする機能である。
【0115】
フレキシブル回路200(又は300又は400)は、組織が、第1のセクタの少なくとも一部分、又は第1のセクタの少なくとも一部分及び第2のセクタの少なくとも一部分、又は3つのセクタの各々の少なくとも一部分に接触するように、組織と接触させることができる。ECG信号は、ユーザ又はシステムが、どのセクタが組織に接触しているかを判定して、アブレーションをするためにどの電極を活性化させるかを判定することができるように、3つのセクタの様々な電極によって別個に評価されてもよい。更に、ECGのセクタ特異信号を使用して、治療を調整してもよい。例えば、アブレーション用電極、センサ電極、及び/又は記録用電極などの電極として動作するセクタ210が、セクタ210(又は少なくともその一部分)が接触する組織にエネルギーを提供する一方、セクタ210上の温度センサは、プロセッサ22に温度データを測定及び提供することができる。
【0116】
同時に、電磁センサとして動作し、組織と接触していないか、組織と部分的に接触しているか、又は組織と完全に接触しているセクタ212及び214が、プロセッサ22にECGデータを提供することができるか、又は非活性化され得る一方で、フレキシブル回路200上の温度センサの一部又は全部は、プロセッサ22に温度データを提供することができる。あるいは、セクタ212又は214のうちの一方は、他方がECGデータを提供している間に非活性化されてもよい。すなわち、1つ又は2つのセクタの電極がアブレーション用電極として機能する一方、他の電極は、追加のエリアがアブレーションされるべきかどうかを判定するための入力を提供することができ、アブレーションされるべきであれば、(例えば、電力変更、活性化の持続時間、連続活性化又はパルス活性化などによる)治療が提供されるべき方法、又は治療が調整されるべき方法を提供することができる。更に、組織と接触するこれらのセクタだけにアブレーションエネルギーを提供することによって、アブレーションエネルギーを、組織に直接、正確に提供することができ、血液に印加されるエネルギーを最小限に抑えることができ、血栓形成の可能性を最小限に抑えることができる。加えて、エネルギーを直接受容する解剖学的構造(例えば、心外膜又は腎)の領域が小さい程、異常組織がより早くかつより正確にアブレーションされる確率が高くなることとなる。更に、組織と接触している(複数の)組織接触セクタがアブレーションされている一方で、(複数の)非組織接触セクタからのECGデータを使用して、閉塞(例えば、血栓)の早期徴候を確認することができ、治療段階を迅速に行うことができる。
【0117】
加えて、特定の例では、例えば、フレキシブル回路のセクタ(例えば、210、212、214)の少なくとも一部が組織と接触していると判定された場合、プロセッサ22は、アブレーションエネルギーが、3つ全てのセクタを介して同時に、又は連続して組織に提供され得るように、自動的に又はユーザ入力に基づいて、アブレーションエネルギーの印加を制御することができる。アブレーションエネルギーが2つ以上の電極に連続して印加される場合、アブレーション用電極は、1個ずつ又は2個ずつ活性化されてもよい。2つの例示的な連続した活性化は、1)セクタ210が活性化され、次いで非活性化されてもよく、次いでセクタ212が活性化され、次いで非活性化されてもよく、セクタ214が活性化され、次いで非活性化されてもよいことと、2)セクタ210及びセクタ212が活性化されてもよく、次いでセクタ210が非活性化されてもよく、セクタ214が活性化されてもよく、次いでセクタ212が非活性化され、セクタ210が活性化されてもよいことと、を含む。ECG信号又は電極によって提供される他の信号によって示されるように、所望のアブレーションが達成されるまで、異なる組み合わせの追加の連続的な活性化が行われ、また繰り返されてもよい。連続的な活性化の1つの利点は、カテーテルを移動させることなく、組織の様々な部分をアブレーション及びモニタすることができることである。更に、連続した活性化は、全てのセクタの同時活性と組み合わされてもよい。更に、順番に行われるか同時に行われるかに関わらず、活性化は繰り返し実行されてもよい。
【0118】
図9は、カテーテルを組み立てる例示的な方法900を示すフロー図である。方法900は、本開示の任意のフレキシブル回路の平面構成を非平面構成に変更する工程910を含むことができる。工程920は、非平面構成のフレキシブル回路の第2のセグメントの、ベース区分の反対側の近位端を、細長いカテーテル本体の遠位端に接続することを含み得る。
【0119】
図10は、組織をアブレーションする例示的な方法1000を示すフロー図である。方法1000は、本開示による任意のカテーテルを被験体に挿入する工程1010を含むことができる。工程1020は、カテーテルのフレキシブル回路を心組織に接触させることを含み得る。工程1030は、フレキシブル回路を用いて、組織をアブレーションすることを含み得る。
【0120】
一部の心外膜用途では、特定の設計検討事項は、
あるセクタによって生成された熱を別のセクタの熱電対によって検出されることを更に最小限に抑えることと、あるセクタの電極によって検出されたECG信号がまた別のセクタのセンサによって検出される可能性を更に最小限に抑えることと、を提案することができる。したがって、3つのセクタのうちの1つ又は2つは、より大きい絶縁性能を有するが、温度測定、アブレーション、及び検知などの他の機能、並びに熱電対及び電極などの関連する構成要素を有さずに作製されてもよい。したがって、セクタのうちの1つ又は2つ、例えば、セクタ212、セクタ214、又はその両方は、これらのセクタが、例えば、アブレーションの機能を含む実施形態より多量の絶縁材を内部に組み込んでもよい。したがって、例えば、セラミック材料は、セクタ112及び114を覆ってフレキシブル回路100の上に堆積されてもよく、これにより、アブレーションされた組織からの熱がこれらのセクタを介してカテーテルの先端部に影響を及ぼすのを防ぐ一助となる。
【0121】
上述したように、ユーザ又はシステムが、フレキシブル回路が組織と接触していることを判定することができるように、フレキシブル回路に配設された電極によってECG信号を別個に評価することができ、様々なフレキシブル回路セクタに電極を有するこれらの実施形態では、アブレーション療法を提供するためにどの電極を活性化するべきかを判定することができる。組織との接触は、例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている2017年3月8日に出願された米国特許出願第15/452,843号に記載されているように、力接触センサを使用して判定されてもよい。分岐した先端部を有するカテーテルにおける使用に特に適した接触力センサが記載されており、2018年7月16日に出願され、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている米国特許出願第16/036710号にも記載されている。
【0122】
フレキシブル回路は、前述の実施形態のいずれかにおいて、カテーテルの遠位端に含まれてもよい。カテーテルはまた、カテーテルを通って長手方向に配設された少なくとも2つのルーメンを有する細長い本体を含んでもよい。コアは、カテーテルの遠位端に取り付けられてもよく、コアの少なくとも一部分は、フレキシブル回路の第2のセグメント内に配設されてもよい。コアは、ポリウレタンなどの絶縁材料を含み得る。更に、コアは、コアの長手方向軸線に対して横方向に配向されたルーメンを含んでもよい。第2の絶縁材は、第2のセグメントとコアとの間に配設されてもよい。コアは、流体がルーメンのうちの1つを通って又はコアを通って流れることができるように、カテーテル本体の少なくとも2つのルーメンのうちの第1のルーメンと連通していてもよい。複数のワイヤは、少なくとも2つのルーメンのうちの少なくとも第2のルーメンの中に配設されてもよく、この複数のワイヤは、フレキシブル回路に電気的に接続されてもよい。
【0123】
カテーテルは、以下の方法及び変形例によって使用することができる。第1に、カテーテルは、被験体、例えば、ヒト被験体に挿入されてもよく、被験体の心臓に近接して挿入されてもよい。フレキシブル回路は、組織と接触するように操作されてもよい。カテーテルは、フレキシブル回路と通信するプロセッサも含むアブレーションシステムの態様であってもよい。第1のセクタは、ECG信号をモニタし、信号をプロセッサに提供してもよい。第2のセクタは、ECG信号をモニタし、信号をプロセッサに提供してもよい。第3のセクタは、ECG信号をモニタし、信号をプロセッサに提供してもよい。3つのセクタのそれぞれはまた、温度を測定し、プロセッサに温度データを提供してもよい。アブレーションエネルギーは、例えば、プロセッサによって制御されるように、フレキシブル回路に提供されてもよい。
【0124】
電極は、接着剤によって金属製支持シートに結合された少なくとも1つのフレキシブルプリント回路基板(PCB)を有するフレキシブル回路に備えられる。フレキシブルPCBは、例えば、金、パラジウム、又は白金などの導電性(及び生体適合性)金属の外側層によってコーティングされている外側表面と、同じ(かつ/又は別の)導電性金属の内側層によってコーティングされている内側表面と、を含む、可撓性断熱基板を含む。内側表面は、内側断熱層から電気的に絶縁されているセンサ(例えば、熱電対)及びトレースなどの1つ以上の電気部品を更に支持してもよい。電気部品の堆積、基材のコーティング、及びPCBの支持シートへの結合に続いて、フレキシブルPCB(支持シートと共に)を任意の好適な形状に変形させることができる。
【0125】
〔実施の態様〕
(1) カテーテルの先端部と共に使用するためのフレキシブル回路であって、
ベース区分を含む第1のセグメントと、
側壁区分を含む第2のセグメントと、
前記ベース区分と前記側壁区分との間の移行区分であって、前記移行区分は、前記ベース区分と前記側壁区分の共有領域に隣接して少なくとも部分的に位置付けられている、移行区分と、
それぞれの電極を含む1つ以上の電極領域であって、前記1つ以上の電極領域は、前記移行区分及び前記第2のセグメント内に少なくとも部分的に位置付けられている、1つ以上の電極領域と、を備える、フレキシブル回路。
(2) 前記1つ以上の電極領域の前記それぞれの電極は、アブレーション用電極である、実施態様1に記載のフレキシブル回路。
(3) 前記1つ以上の電極領域の前記それぞれの電極は、記録用電極である、実施態様1に記載のフレキシブル回路。
(4) 前記1つ以上の電極領域の前記それぞれの電極は、検知用電極である、実施態様1に記載のフレキシブル回路。
(5) 前記1つ以上の電極領域のそれぞれは、前記電極を含む、実施態様1に記載のフレキシブル回路。
【0126】
(6) 前記第1のセグメントは、前記カテーテルの先端部と共に使用される場合の非平面構成である前の平面構成で配向される場合、概ね円形形状を含む、実施態様1に記載のフレキシブル回路。
(7) 前記第1のセグメントは、非平面構成で配向される場合、前記第2のセグメントによって形成された前記側壁区分の直径よりも小さい直径を含み、
前記移行区分は、前記側壁区分と前記ベース区分との間を移行するドーム状形状を含む、実施態様6に記載のフレキシブル回路。
(8) 前記第1のセグメントは、前記カテーテルの先端部と共に使用される場合の非平面構成である前の平面構成で配向される場合、概ね平面である、実施態様1に記載のフレキシブル回路。
(9) 前記第2のセグメントは、前記カテーテルの先端部と共に使用される場合の非平面構成である前に、概ね平面である、実施態様1に記載のフレキシブル回路。
(10) 前記第2のセグメントは、前記カテーテルの先端部と共に使用される場合の非平面構成である前の平面構成に配向される場合、概ね矩形であり、
第1のセクタ、第2のセクタ、及び第3のセクタを更に含み、各セクタは、電極を含むそれぞれの電極領域を含み、前記それぞれの電極領域は、前記移行区分及び前記それぞれのセクタ内に少なくとも部分的に位置付けられている、実施態様1に記載のフレキシブル回路。
【0127】
(11) 前記第2のセクタは、前記第1のセクタと前記第2のセクタとの間に位置付けられ、隣接領域に沿って前記第1のセグメントと連続して形成されている、実施態様10に記載のフレキシブル回路。
(12) 各セクタは、前記フレキシブル回路が非平面構成である場合、前記移行区分までドーム状形状を形成する丸みを帯びた又は湾曲した上縁を含む、実施態様10に記載のフレキシブル回路。
(13) 前記第1のセグメントは、前記第2のセグメントの前記第1のセクタ、前記第2のセクタ、及び前記第3のセクタとそれぞれ連続して形成された複数の三角形状のセクタを含む、実施態様10に記載のフレキシブル回路。
(14) 前記第2のセグメントの各セクタは、前記第2のセグメントの前記それぞれのセクタの上縁から前記それぞれの三角形状のセクタの頂点に向かって先細になる丸みを帯びた又は湾曲した上縁を含む、実施態様13に記載のフレキシブル回路。
(15) 前記ベース区分は、前記三角形状のセクタによって共同で形成されている、実施態様13に記載のフレキシブル回路。
【0128】
(16) 前記三角形状のセクタのうちの少なくとも1つは、
基板を含む第1の層と、
第2の層であって、
上縁及び前記移行区分に隣接する第1の上方花弁部と、
前記第1の上方花弁部から離間し、前記それぞれのセクタの側縁に沿って実質的に下方へ延在する下方タブと、を含む、第2の層と、を含む、実施態様13に記載のフレキシブル回路。
(17) 前記第2のセグメントは、前記第1のセグメントの周りに放射状に分離された複数の矩形形状の花弁セクタを含み、各セクタは、電極を含むそれぞれの電極領域を含み、前記それぞれの電極領域は、前記移行区分及び前記それぞれのセクタ内に少なくとも部分的に位置付けられている、実施態様1に記載のフレキシブル回路。
(18) 前記第1のセグメントは、前記カテーテルの先端部と共に使用される場合の非平面構成である前の平面構成において概ね円形である、実施態様17に記載のフレキシブル回路。
(19) 各セクタは、前記フレキシブル回路が非平面構成である場合、前記移行区分までドーム状形状を形成する丸みを帯びた又は湾曲した上縁を含む、実施態様17に記載のフレキシブル回路。
(20) 各セクタは、前記それぞれの移行区分と前記それぞれの側壁区分との間の境界において、又は前記境界を中心に折り畳み可能である、実施態様17に記載のフレキシブル回路。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10