(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-17
(45)【発行日】2025-01-27
(54)【発明の名称】スイッチャ補助装置、スイッチャ補助方法及びスイッチャ
(51)【国際特許分類】
H04N 21/436 20110101AFI20250120BHJP
H04N 21/8355 20110101ALI20250120BHJP
H04N 5/222 20060101ALI20250120BHJP
H04N 5/268 20060101ALI20250120BHJP
G06F 21/82 20130101ALI20250120BHJP
【FI】
H04N21/436
H04N21/8355
H04N5/222 400
H04N5/268
G06F21/82
(21)【出願番号】P 2021015543
(22)【出願日】2021-02-03
【審査請求日】2023-12-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000163006
【氏名又は名称】興和株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100188662
【氏名又は名称】浅見 浩二
(74)【代理人】
【識別番号】100177895
【氏名又は名称】山田 一範
(72)【発明者】
【氏名】岩▲崎▼ 徹
【審査官】富樫 明
(56)【参考文献】
【文献】特許第5797029(JP,B2)
【文献】特表2015-535150(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00-21/858
H04N 5/222
H04N 5/268
G06F 21/82
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
HDMI規格に従ったソース装置からの映像信号及び/又は音声信号が入力される2以上の入力端子と当該映像信号及び/又は音声信号を出力する少なくとも1つの出力端子と前記入力端子と前記出力端子との組み合わせを切り替える切り替え手段とを備えるHDMI規格に従ったスイッチャを補助する少なくともHDMI規格に従ったスイッチャ補助装置であって、
前記スイッチャと通信する第1通信部と、
映像及び/又は音声を含むコンテンツを出力するHDMI規格に従った出力装置と通信する第2通信部と、
通信ネットワークを介して前記コンテンツを配信するHDMI規格及び/又はUSB規格に従った配信装置と通信する第3通信部と、
前記配信装置による配信状況を確認する確認部と、
前記確認部による確認結果に応じて、HDMI入力のHDCPが無効である第1モードと、HDMI入力のHDCPが有効である第2モードとを切り替えるための制御を行う切替制御部とを備える
ことを特徴とするスイッチャ補助装置。
【請求項2】
前記切替制御部は、前記確認部による確認結果に応じて、HDCPで保護された前記コンテンツが送信されない状態であることを示す情報を、前記スイッチャをHDCP保護コンテンツ出力不可状態とするために前記スイッチャに送信することにより、前記第1モードに切り替えるための制御を行う
ことを特徴とする請求項1記載のスイッチャ補助装置。
【請求項3】
前記確認部は、前記配信装置から送信された当該配信装置の識別情報に基づいて前記配信状況を確認する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のスイッチャ補助装置。
【請求項4】
前記確認部は、前記配信装置から送信された当該配信装置の制御状態情報に基づいて前記配信状況を確認する
ことを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載のスイッチャ補助装置。
【請求項5】
前記確認部は、前記第3通信部が前記配信装置と通信可能状況であるかを確認する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のスイッチャ補助装置。
【請求項6】
HDMI規格に従ったソース装置からの映像信号及び/又は音声信号が入力される2以上の入力端子と当該映像信号及び/又は音声信号を出力する少なくとも1つの出力端子と前記入力端子と前記出力端子との組み合わせを切り替える切り替え手段とを備えるHDMI規格に従ったスイッチャを補助するスイッチャ補助方法であって、
前記スイッチャと通信する第1通信処理と、
映像及び/又は音声を含むコンテンツを出力するHDMI規格に従った出力装置と通信する第2通信処理と、
通信ネットワークを介して前記コンテンツを配信するHDMI規格及び/又はUSB規格に従った配信装置と通信する第3通信処理と、
前記配信装置による配信状況を確認する確認処理と、
前記確認処理による確認結果に応じて、HDMI入力のHDCPが無効である第1モードと、HDMI入力のHDCPが有効である第2モードとを切り替えるための制御を行う切替制御処理とを含む
ことを特徴とするスイッチャ補助方法。
【請求項7】
HDMI規格に従ったソース装置からの映像信号及び/又は音声信号が入力される2以上の入力端子と当該映像信号及び/又は音声信号を出力する少なくとも1つの出力端子と前記入力端子と前記出力端子との組み合わせを切り替える切り替え手段とを備える少なくともHDMI規格に従ったスイッチャであって、
前記ソース装置と通信する第4通信部と、
映像及び/又は音声を含むコンテンツを出力するHDMI規格に従った出力装置と通信する第2通信部と、
通信ネットワークを介して前記コンテンツを配信するHDMI規格及び/又はUSB規格に従った配信装置と通信する第3通信部と、
前記配信装置による配信状況を確認する確認部と、
前記確認部による確認結果に応じて、HDMI入力のHDCPが無効である第1モードと、HDMI入力のHDCPが有効である第2モードとを切り替えるための制御を行う切替制御部とを備える
ことを特徴とするスイッチャ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチャを補助するスイッチャ補助装置、スイッチャを補助するスイッチャ補助方法及びスイッチャに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、会議室や学校の教室等において、映像信号及び/又は音声信号についてのソース装置からの入力端子への入力と出力端子からの出力との組み合わせを切り替えるスイッチャが用いられている。ここで、ソース装置から入力される映像及び/又は音声を含むコンテンツ(以下、単にコンテンツと称する。)の中には、製作者の権利保護を目的として不正コピーを防止する必要があるものが存在する。コンテンツの映像信号及び/又は音声信号に対して、不正コピーの防止を目的とした種々の技術が適用される。コンテンツがHDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)に準拠しているものである場合、当該コンテンツは、HDCP(High-bandwidth Digital Contents Protection)に従って保護されるコンテンツ(以下、HDCP保護コンテンツと称する)である。
【0003】
例えば、特許文献1には、操作者に入力された出力装置のHDCP対応の情報に基づいてHDCP保護コンテンツの映像信号及び音声信号の出力について出力装置の認証処理を行う技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、通信ネットワークを介して授業や会議等を行うことが増えている。しかしながら、一般的に従来のスイッチャではそもそも通信ネットワークへの接続が前提とされていない。そのため、通信ネットワークに接続してコンテンツを配信することが可能な、スイッチャを含む出力システムが望まれている。
【0006】
本発明は、出力配信システムにおけるコンテンツの適切な出力配信を可能とすることができるスイッチャ補助装置、スイッチャ補助方法及びスイッチャを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るスイッチャ補助装置は、ソース装置からの映像信号及び/又は音声信号が入力される2以上の入力端子と当該映像信号及び/又は音声信号を出力する少なくとも1つの出力端子と前記入力端子と前記出力端子との組み合わせを切り替える切り替え手段とを備えるHDMI規格に従ったスイッチャを補助する少なくともHDMI規格に従ったスイッチャ補助装置であって、前記スイッチャと通信する第1通信部と、映像及び/又は音声を含むコンテンツを出力するHDMI規格に従った出力装置と通信する第2通信部と、通信ネットワークを介して前記コンテンツを配信するHDMI規格及び/又はUSB規格に従った配信装置と通信する第3通信部と、前記配信装置による配信状況を確認する確認部と、前記確認部による確認結果に応じて、HDMI入力のHDCPが無効である第1モードと、HDMI入力のHDCPが有効である第2モードとを切り替えるための制御を行う切替制御部とを備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係るスイッチャ補助装置において、さらに、前記切替制御部は、前記確認部による確認結果に応じて、HDCPで保護された前記コンテンツが送信されない状態であることを示す情報を、前記スイッチャをHDCP保護コンテンツ出力不可状態とするために前記スイッチャに送信することにより、前記第1モードに切り替えるための制御を行うようにしたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係るスイッチャ補助装置において、さらに、前記配信装置から送信された当該配信装置の識別情報に基づいて前記配信状況を確認するようにしたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係るスイッチャ補助装置において、さらに、前記確認部は、前記配信装置から送信された当該配信装置の制御状態情報に基づいて前記配信状況を確認するようにしたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係るスイッチャ補助装置において、さらに、前記確認部は、前記第3通信部が前記配信装置と通信可能状態であるかを確認するようにしたことを特徴とする。
【0012】
本発明に係るスイッチャ補助方法は、HDMI規格に従ったソース装置からの映像信号及び/又は音声信号が入力される2以上の入力端子と当該映像信号及び/又は音声信号を出力する少なくとも1つの出力端子と前記入力端子と前記出力端子との組み合わせを切り替える切り替え手段とを備えるHDMI規格に従ったスイッチャを補助するスイッチャ補助方法であって、前記スイッチャと通信する第1通信処理と、映像及び/又は音声を含むコンテンツを出力するHDMI規格に従った出力装置と通信する第2通信処理と、通信ネットワークを介して前記コンテンツを配信するHDMI規格及び/又はUSB規格に従った配信装置と通信する第3通信処理と、前記配信装置による配信状況を確認する確認処理と、前記確認処理による確認結果に応じて、HDMI入力のHDCPが無効である第1モードと、HDMI入力のHDCPが有効である第2モードとを切り替えるための制御を行う切替制御処理とを含むことを特徴とする。
【0013】
本発明に係るスイッチャは、HDMI規格に従ったソース装置からの映像信号及び/又は音声信号が入力される2以上の入力端子と当該映像信号及び/又は音声信号を出力する少なくとも1つの出力端子と前記入力端子と前記出力端子との組み合わせを切り替える切り替え手段とを備える少なくともHDMI規格に従ったスイッチャであって、前記ソース装置と通信する第4通信部と、映像及び/又は音声を含むコンテンツを出力するHDMI規格に従った出力装置と通信する第2通信部と、通信ネットワークを介して前記コンテンツを配信するHDMI規格及び/又はUSB規格に従った配信装置と通信する第3通信部と、前記配信装置による配信状況を確認する確認部と、前記確認部による確認結果に応じて、HDMI入力のHDCPが無効である第1モードと、HDMI入力のHDCPが有効である第2モードとを切り替えるための制御を行う切替制御部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、出力配信システムにおけるコンテンツの適切な出力配信を可能とすることができるスイッチャ補助装置、スイッチャ補助方法及びスイッチャを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施の形態の少なくとも1つに対応するスイッチャ補助装置30が適用される環境の一例を示す図である。
【
図2】本発明の一実施の形態の少なくとも1つに対応するスイッチャ補助装置30の構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】本発明の一実施の形態の少なくとも1つに対応するスイッチャ補助装置30の動作例を示すフローチャート図である。
【
図4】本発明の一実施の形態の少なくとも1つに対応するスイッチャ70が適用される環境の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態の例について図面を参照して説明する。なお、以下で説明する実施形態の例における各種構成要素は、矛盾等が生じない範囲で適宜組み合わせ可能である。
【0017】
まず、
図1を参照して、本発明の一実施の形態に係るスイッチャ補助装置30が適用される環境の一例について説明する。
【0018】
図1は、本発明の一実施の形態の少なくとも1つに対応するスイッチャ補助装置30が適用される環境の一例を示す図である。
図1に示すように、出力配信システム100は、部屋Aと部屋Bとに分かれている。ここでの部屋とは、教室や会議室などをいう。出力配信システム100は、部屋A及び部屋Bのそれぞれにおいて、ソース装置10と、スイッチャ20と、スイッチャ補助装置30と、出力装置40と、配信装置50とを含む。出力配信システム100では、部屋Aの配信装置50と部屋Bの配信装置50とが、インターネットや社内ネットワーク等の通信ネットワーク60を介して相互に接続可能に構成される。
【0019】
出力配信システム100は、ソース装置10に入力された映像及び/又は音声を含むコンテンツ(以下、単にコンテンツと称する)を、当該ソース装置10と同一の部屋に設置された出力装置40や当該ソース装置10と異なる部屋に設置された出力装置40に出力する。ここで、コンテンツとは、音声や映像の個々の情報を意味する。コンテンツは、保存されている又は入力されるソース装置10が設置された部屋とは異なる部屋の出力装置40には、配信装置50と通信ネットワーク60とを介して送信される。
【0020】
出力配信システム100におけるソース装置10、スイッチャ20及び出力装置40は、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)規格に準拠している装置である。スイッチャ補助装置30は、少なくともHDMI規格に準拠している装置である。配信装置50は、HDMI規格及び/又はUSB(Universal Serial Bus)規格に準拠している装置である。ソース装置10、スイッチャ20、スイッチャ補助装置30及び出力装置40間の接続は、HDMIケーブルにより行われる。スイッチャ補助装置30と配信装置50との間の接続は、USBケーブルまたはHDMIケーブルにより行われる。スイッチャ補助装置30及び配信装置50がUSB規格に準拠している場合、スイッチャ補助装置30と配信装置50との間のUSBケーブルによる接続が可能である。また、HDMI規格に準拠したコンテンツは、HDCP(High-bandwidth Digital Contents Protection)に従って保護されるコンテンツ(以下、HDCP保護コンテンツと称する)である。
【0021】
以下、出力配信システム100が含む各構成について説明するが、本例における部屋Aと部屋Bとで同一符号が付されている構成については同一の機能を有するため纏めて説明する。また、以下の各構成の説明では、特に記載されていない限り出力配信システム100における同一の部屋内での構成について説明しているものとする。
【0022】
ソース装置10は、各種信号をスイッチャ20に送信する装置である。例えば、ソース装置10は、コンテンツをスイッチャ20に送信して当該スイッチャ20の入力端子に入力する。ソース装置10は、コンテンツを外部装置へ送信可能であれば特に限定されない。ソース装置10は、例えば、PC(Personal Computer)やスマートフォン、タブレット端末、書画カメラ、DVDプレイヤ等である。
【0023】
スイッチャ20は、信号の入力と出力との組み合わせを切り替える装置である。具体的には、スイッチャ20は、入力端子と出力端子と切り替え手段とを備えた装置であり、切り替え手段によって映像信号及び/又は音声信号が入力される入力端子と、当該映像信号及び/又は音声信号を出力する出力端子との組み合わせを切り替える。本例では、スイッチャ20は、ソース装置10から通信ケーブルを介して送信された映像信号及び/又は音声信号を、通信ケーブルを介して出力装置40や配信装置50に送信する。
【0024】
スイッチャ補助装置30は、スイッチャ20を補助する装置である。具体的には、スイッチャ補助装置30は、HDMI入力のHDCPが無効である第1モードと、HDMI入力のHDCPが有効である第2モードとを切り替えるための制御を行う。スイッチャ補助装置30が有する構成の詳細については後述する。
【0025】
出力装置40は、コンテンツを出力する装置である。具体的には、出力装置40は、コンテンツをスイッチャ補助装置30から受信し出力する。出力装置40は、コンテンツを出力可能であれば特に限定されず、例えば、プロジェクタや液晶ディスプレイ等である。
【0026】
配信装置50は、通信ネットワーク60を介してコンテンツを配信する装置である。具体的には、配信装置50は、スイッチャ補助装置30から送信されたコンテンツを、通信ネットワーク60等を介して出力装置40に送信する。
図1に示す例では、部屋Aの配信装置50は、通信ネットワーク60を介して部屋Bの配信装置50にコンテンツを送信し、部屋Bの配信装置50は、送信されたコンテンツを部屋Bのスイッチャ補助装置30を介して部屋Bの出力装置40に送信する。なお、配信装置50は、専用マシンとして設計した装置であってもよいが、一般的なコンピュータによって実現可能なものとする。
【0027】
以上、出力配信システム100が含む構成の例について説明した。
図1に示した例において出力配信システム100が部屋Aと部屋Bとに分かれていたが、出力配信システム100はこれに限定されず、3つ以上の部屋に分かれていてもよい。3以上の部屋に分かれる場合、例えば通信ネットワーク60を介して3以上の部屋に設置された装置が相互に接続される。また、
図1に示した例では、部屋Aと部屋Bとにそれぞれ同一の構成が含まれていたが、出力配信システム100が含む構成はこれに限られず、部屋毎に異なる構成となっていてもよい。なお、複数の部屋は、同一の建物内に設けられていてよいし、異なる建物にそれぞれ設けられていてもよい。
【0028】
図2は、本発明の一実施の形態の少なくとも1つに対応するスイッチャ補助装置30の構成の一例を示すブロック図である。一実施の形態におけるスイッチャ補助装置30は、第1通信部31と、第2通信部32と、第3通信部33と、確認部34と、切替制御部35と、記憶部36とを備えている。
【0029】
第1通信部31は、スイッチャ20と通信する機能を有する。第2通信部32は、出力装置40と通信する機能を有する。第3通信部33は、配信装置50と通信する機能を有する。例えば、第1通信部31、第2通信部32及び第3通信部33は、スイッチャ補助装置30に接続された通信ケーブルを介して、それぞれスイッチャ20、出力装置40、配信装置50と通信を行う。
【0030】
確認部34は、配信装置50による配信状況を確認する機能を有する。ここで、配信装置50による配信状況とは、配信装置50による通信ネットワーク60を介した情報の配信に関する状況を意味する。ここでの配信状況は、コンテンツの配信に関する状況が好ましい。配信装置50による配信状況の例には、配信装置50がコンテンツを配信可能である否かに関する状況(配信装置50の配信可能状況)や、配信装置50がコンテンツを配信中であるか否かに関する状況がある。配信装置50の配信可能状況とは、配信装置50がコンテンツを通信ネットワーク60に送信できる状況を意味する。また、配信状況を確認するとは、所定情報や他装置との接続に関する条件に基づいて配信に関する状況を確かめることを意味する。所定情報は特に限定されないが、配信装置50に関する情報が好ましい。配信装置50に関する情報の例には、配信装置50から送信された情報や第3通信部33による配信装置50との通信状態に関する情報がある。また、他装置との接続に関する条件の例には、所定規格により他装置と接続されているという条件がある。ここでの所定規格の例には、USBやHDMIがある。スイッチャ補助装置30が所定規格により他装置と接続している場合、当該他装置が配信装置50であるとみなされてもよい。
【0031】
確認部34は、配信装置50から送信された情報の例として、配信装置50の識別情報に基づいて配信状況を確認してもよい。ここで、配信装置50の識別情報とは、配信装置50の機種や性能、仕様等を識別するための情報を意味する。配信装置50の識別情報は特に限定されないが、配信装置50の配信性能の有無を特定可能な情報が好ましい。例えば、確認部34は、配信装置50から送信された当該配信装置50のEDID(Extended Display Identification Data)情報に基づいて配信状況を確認してもよい。例えば、確認部34は、スイッチャ補助装置30が配信装置50から送信されたEDID情報を取得できた場合に、第3通信部33が配信装置50と通信可能な状況であると確認してもよい。
【0032】
また、確認部34は、配信装置50から送信された情報の例として、配信装置50の制御状態情報に基づいて配信状況を確認してもよい。ここで、配信装置50の制御状態情報とは、配信装置50がどのように制御されている状態かを示す情報を意味する。配信装置50の制御状態情報の例には、配信装置50がコンテンツを配信している状態であることを示す情報や配信装置50による配信ソフトウェアの起動状態を示す情報がある。ここでの配信ソフトウェアとは、コンテンツ等の映像及び/又は音声を配信する機能を備えたソフトウェアを意味する。例えば、確認部34は、配信装置50から送信された当該配信装置50のCEC(Consumer Electronics Control)情報に基づいて配信状況を確認してもよい。
【0033】
また、確認部34は、配信装置50の制御状態情報に基づいて、当該配信装置50がコンテンツの配信中状態であるかを確認してもよい。ここで、コンテンツの配信中状態とは、コンテンツを配信している状態や、スイッチャ補助装置30からのコンテンツの受信に応じて当該コンテンツを配信できる状態(配信待機状態)を意味する。例えば、確認部34は、スイッチャ補助装置30が配信装置50のCEC情報を取得し当該CEC情報がコンテンツの配信制御の情報を少なくとも含む場合に、第3通信部33が配信装置50と通信可能な状況又は配信装置50が配信中であると確認してもよい。
【0034】
第3通信部33による配信装置50との通信状態に関する情報には、例えば、第3通信部33が配信装置50と通信可能状況であるかを示す情報がある。ここで、通信可能状況とは、第3通信部33が配信装置50との間で通信が可能な状況を意味する。例えば、確認部34は、第3通信部33に配信装置50との所定情報の送受信を行わせようとすることで、第3通信部33が配信装置50と通信可能な状況であるかを確認してもよい。通信可能状況の例には、スイッチャ補助装置30と他装置との間が所定規格のケーブルで接続され、リンクが確立されている状況がある。通信可能状況の例には、スイッチャ補助装置30と他装置との間でHPD(Consumer Electronics Control)端子によりケーブルが接続されている状況や、TMDS(Transition Minimized Differential Signaling)ラインがプルアップされている状況等がある。
【0035】
なお、第3通信部33が配信装置50との間で通信が可能でない状況の例には、スイッチャ補助装置30と配信装置50とが物理的に接続されていない状況や物理的に接続されていても配信装置50の通信機能が無効になっている状況がある。なお、確認部34は、第3通信部33が所定規格のケーブルを介して配信装置50と通信可能な状況になっているかを確認してもよい。
【0036】
切替制御部35は、確認部34による確認結果に応じて、HDMI入力のHDCPが無効である第1モードと、HDMI入力のHDCPが有効である第2モードとを切り替えるための制御を行う機能を有する。
【0037】
ここで、第1モードとは、HDMI入力のHDCPが無効であるモードを意味する。ここで、HDMI入力のHDCPが無効であるとは、スイッチャ補助装置30に対して第1通信部31にてHDCP保護コンテンツが入力できない状態になっていることを意味する。スイッチャ補助装置30に対しHDCP保護コンテンツが入力できない状態にする構成は特に限定されず、スイッチャ20から送信されるHDCP保護コンテンツをスイッチャ補助装置30に受信させない構成や、HDCP保護コンテンツをソース装置10やスイッチャ20からスイッチャ補助装置30に送信させない構成がある。当該構成の例には、所定の信号(例えば、HDCP保護コンテンツの送信禁止を示す信号)をスイッチャ20に対し送信する構成がある。
【0038】
ここで、HDCP保護コンテンツをソース装置10から送信させない構成の例には、ソース装置10、スイッチャ20、スイッチャ補助装置30及び出力装置40間でHDCP認証が行われないよう制御する構成がある。ここでのHDCP認証が行われないよう制御する構成の例には、各装置のHDCP認証機能をオフにする構成や各装置に対しHDCP認証を禁止する構成がある。
【0039】
このように、切替制御部35により第1モードに切り替えることで、HDCP保護コンテンツがスイッチャ補助装置30に入力されず、結果として配信装置50に送信されることの防止が可能となる。なお、第1モードは、HDCP保護コンテンツの配信装置50への送信を許容せず出力装置40への送信を許容するモードでもよい。すなわち、第1モードは、スイッチャ補助装置30に対するHDCP保護コンテンツの入力が可能で、かつ配信装置50に当該コンテンツの送信ができないモードでもよい。
【0040】
また、第2モードとは、HDMI入力のHDCPが有効であるモードを意味する。ここで、HDMI入力のHDCPが有効であるとは、スイッチャ補助装置30に対して第1通信部31にてHDCP保護コンテンツが入力できる状態になっていることを意味する。ソース装置10、スイッチャ20、スイッチャ補助装置30及び出力装置40間は、互いにHDCP認証を実行する。そして、スイッチャ補助装置30は、HDCP認証が成功した場合、HDCP保護コンテンツが出力装置40に送信されるよう制御する。
【0041】
また、確認部34による確認結果に応じて第1モードと第2モードとを切り替えるための制御を行うとは、確認部34による確認結果に応じて、第1モードから第2モードに切り替えるための制御を行うこと又は第2モードから第1モードに切り替えるための制御を行うことを意味する。なお、確認部34による確認結果や設定されているモードの種類によっては、第1モード又は第2モードを維持してもよい。
【0042】
例えば、切替制御部35は、確認部34により配信装置50が配信中状態でないことが確認された場合や確認部34により第3通信部33が配信装置50と通信可能状況でないことが確認された場合に、第2モードに切り替えるための制御を行う。また、例えば、切替制御部35は、確認部34により配信装置50が配信中状態であることが確認された場合や確認部34により第3通信部33が配信装置50と通信可能状況であることが確認された場合に、第1モードに切り替えるための制御を行う。
【0043】
切替制御部35は、確認部34による確認結果に応じて、スイッチャ20をHDCP保護コンテンツ出力不可状態とするために、所定の信号として、HDCP保護コンテンツが送信されない状態であることを示す情報をスイッチャ20に送信することにより、第1モードに切り替えるための制御を行ってもよい。ここで、スイッチャ20のHDCP保護コンテンツ出力不可状態とは、スイッチャ20がHDCP保護コンテンツをスイッチャ補助装置30に送信できない状態を意味する。また、HDCP保護コンテンツが送信されない状態であることを示す情報の内容は、予めスイッチャ20とスイッチャ補助装置30との間で共有されていることが好ましい。
【0044】
記憶部36は、信号送受信制御のための各種プログラムを記憶する。例えば、記憶部36は、配信装置50の配信状況に関する情報や切替制御部35のモード切り替え制御に関する情報を記憶する。
【0045】
図3は、本発明の一実施の形態の少なくとも1つに対応するスイッチャ補助装置30の動作例を示すフローチャート図である。この
図3において、スイッチャ補助装置30は、配信装置50の配信状況を確認することによって開始される(ステップS101)。
【0046】
次に、スイッチャ補助装置30は、配信装置50が配信可能状況でないと確認した場合(ステップS102-No)、第2モードに設定するための制御を行い(ステップS103)、動作は終了する。ここでのモードの設定とは、設定されているモードからもう一方のモードに切り替えるための制御を行うこと、又は、設定されているモードを維持することを意味する。なお、スイッチャ補助装置30は、ステップS103で第2モードが設定された後、配信装置50が配信可能状況であるか否かを確認してもよい。また、スイッチャ補助装置30は、HDCP保護コンテンツが出力装置40に送信されるよう制御しているときに配信装置50が配信可能状況になったことを確認した場合、ステップS104に移ってもよい。
【0047】
一方、スイッチャ補助装置30は、配信装置50が配信可能状況である場合(ステップS102-Yes)、第1モードを設定するための制御を行い(ステップS104)、動作は終了する。
【0048】
なお、
図3で説明したフローを構成する各種処理の順序は、処理内容に矛盾等が生じない範囲で順不同である。
【0049】
以上のように、本発明の実施形態の一側面として、スイッチャ補助装置30が、スイッチャ20と通信する第1通信部31と、映像及び/又は音声を含むコンテンツを出力する出力装置と通信する第2通信部32と、通信ネットワークを介して前記コンテンツを配信する配信装置と通信する第3通信部33と、配信装置50による配信状況を確認する確認部34と、確認部34による確認結果に応じて、HDMI入力のHDCPが無効である第1モードと、HDMI入力のHDCPが有効である第2モードとを切り替えるための制御を行う切替制御部35とを備えるので、AVシステム(本例では出力配信システム100)におけるコンテンツの適切な出力配信を可能とするためのスイッチャ補助装置、スイッチャ補助方法及びスイッチャを提供することが可能となる。また、通信ネットワーク配信を行わない既存のAVシステムの構成を殆ど変えることなく、コンテンツの適切な出力配信を可能とするAVシステムを実現することができる。
【0050】
また、スイッチャ補助装置30において、さらに、切替制御部35は、確認部34による確認結果に応じて、HDCP保護コンテンツが送信されない状態であることを示す情報を、スイッチャ20をHDCP保護コンテンツ出力不可状態とするためにスイッチャ20に送信することにより、第1モードに切り替えるための制御を行う構成をとれば、複数のソース装置10からコンテンツが送信されるスイッチャ20でまとめてHDCP保護コンテンツの送信を防止することが可能となる。
【0051】
また、スイッチャ補助装置30において、さらに、確認部34が、配信装置50から送信された当該配信装置50の識別情報に基づいて配信状況を確認する構成をとれば、コンテンツの配信の可能性がある場合にHDCP保護コンテンツの送信を確実に防止することが可能となる。
【0052】
また、スイッチャ補助装置30において、さらに、確認部34が、配信装置50から送信された当該配信装置50の制御状態情報に基づいて配信状況を確認する構成をとれば、配信装置50が実際にどのような状態かに応じてHDCP保護コンテンツの送信を確実に防止することが可能となる。
【0053】
また、スイッチャ補助装置30において、さらに、確認部34は、第3通信部33が配信装置50と通信可能状態であるかを確認する構成をとれば、コンテンツの配信の可能性がある場合にHDCP保護コンテンツの送信を確実に防止することが可能となる。
【0054】
なお、以上説明した切替制御部35では、確認部34による配信装置50による配信状況の確認結果に応じて、第1モードと第2モードとの切り替えるための制御が行われていたが、確認部34は、配信装置50による配信状況の確認結果に応じて、スイッチャ20から入力されるコンテンツがHDCP保護コンテンツであるかを確認するようにしてもよい。そして、切替制御部35は、確認部34による配信装置50による配信状況とスイッチャ20から入力されるコンテンツがHDCP保護コンテンツであるか否かとの確認結果に応じて、HDCP保護コンテンツが通信ネットワーク60に配信されないように第1モードと第2モードとを切り替えるための制御を行うようにしてもよい。
【0055】
また、
図1で説明した出力配信システム100では、スイッチャ補助装置30はスイッチャ20と異なる独立した装置として設けられていたが、スイッチャ補助装置30はスイッチャ20内に組み込まれていてもよい。
【0056】
図4は、本発明の一実施の形態の少なくとも1つに対応するスイッチャ70が適用される環境の一例を示す図である。
図4に示すように、スイッチャ70は、少なくともHDMI規格に従った装置であり、スイッチャ補助装置80を内部に組み込んでいる。スイッチャ70及び配信装置50がUSB規格に準拠している場合、スイッチャ70と配信装置50との間のUSBケーブルによる接続が可能である。ここでのスイッチャ70はスイッチャ20に対応し、スイッチャ補助装置80はスイッチャ補助装置30に対応する。すなわち、スイッチャ70は、上述したスイッチャ20の機能に加えてスイッチャ補助装置30の機能も有する。なお、スイッチャ70は、スイッチャ補助装置30の第1通信部31の代わりにソース装置10と通信する機能を有する第4通信部37(図示せず)を備える。スイッチャ70と配信装置50との間の接続は、USBケーブルまたはHDMIケーブルにより行われる。
【0057】
図4におけるスイッチャ70の動作は以下の通りである。スイッチャ70は、配信装置50による配信状況を確認する。次に、スイッチャ70は、配信装置50による配信状況の確認結果に応じて、HDMI入力のHDCPが無効である第1モードと、HDMI入力のHDCPが有効である第2モードとを切り替えるための制御を行う。ここで、HDMI入力のHDCPが無効であるとは、スイッチャ70に対して第4通信部37にてHDCP保護コンテンツが入力できない状態であることを意味する。また、HDMI入力のHDCPが有効であるとは、スイッチャ70に対して第4通信部37にてHDCP保護コンテンツが入力できる状態であることを意味する。このように、スイッチャ補助装置80がスイッチャ70の内部に組み込まれることで、システム全体の構成を簡略化することができるようになる。
【符号の説明】
【0058】
100、200 出力配信システム
10 ソース装置
20、70 スイッチャ
30、80 スイッチャ補助装置
31 第1通信部
32 第2通信部
33 第3通信部
34 確認部
35 切替制御部
36 記憶部
37 第4通信部
40 出力装置
50 配信装置
60 通信ネットワーク