(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-17
(45)【発行日】2025-01-27
(54)【発明の名称】メモリシステム
(51)【国際特許分類】
G11C 5/04 20060101AFI20250120BHJP
G11C 7/10 20060101ALI20250120BHJP
G11C 8/12 20060101ALI20250120BHJP
G11C 16/10 20060101ALI20250120BHJP
G11C 16/04 20060101ALI20250120BHJP
H10D 30/68 20250101ALI20250120BHJP
H10D 84/83 20250101ALI20250120BHJP
H10B 41/27 20230101ALI20250120BHJP
H10B 41/40 20230101ALI20250120BHJP
H10B 43/27 20230101ALI20250120BHJP
H10B 43/40 20230101ALI20250120BHJP
H10B 80/00 20230101ALI20250120BHJP
H10B 99/00 20230101ALI20250120BHJP
【FI】
G11C5/04 210
G11C7/10 515
G11C8/12 200
G11C16/10 170
G11C16/04 170
H01L29/78 371
H01L27/088 E
H10B41/27
H10B41/40
H10B43/27
H10B43/40
H10B80/00
H10B99/00 495
(21)【出願番号】P 2021142649
(22)【出願日】2021-09-01
【審査請求日】2024-03-08
(73)【特許権者】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001612
【氏名又は名称】弁理士法人きさらぎ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】呂 チョ
(72)【発明者】
【氏名】菅原 昭雄
(72)【発明者】
【氏名】黒澤 武寿
(72)【発明者】
【氏名】長井 裕士
(72)【発明者】
【氏名】藤川 尚志
【審査官】豊田 真弓
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2020/0387462(US,A1)
【文献】国際公開第2021/106224(WO,A1)
【文献】再公表特許第2018/011926(JP,A1)
【文献】特開2006-277870(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11C 5/04
G11C 7/10
G11C 8/12
G11C 16/10
G11C 16/04
H10B 99/00
H10B 43/27
H10B 43/40
H01L 21/336
H01L 21/8234
H10B 41/27
H10B 41/40
H10B 80/00
H10B 99/00
H01L 29/78
H01L 27/088
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の半導体記憶装置と、
制御装置と
を有し、
前記半導体記憶装置は、それぞれ、
第1信号が入力される第1パッドと、
第2信号が入力される第2パッドと、
第3信号が入力される第3パッドと、
前記第2パッドに接続された第1レシーバ及び第1ドライバと、
前記第3パッドに接続された第2レシーバ及び第2ドライバと、
複数のメモリセルトランジスタが直列に接続されたストリングを含むメモリセルアレイと、
前記メモリセルアレイに接続されたセンスアンプと、
前記センスアンプに接続され、前記メモリセルアレイから読み出されたデータを格納可能なデータレジスタと、
前記データレジスタに格納されたデータを前記第2パッドから出力するデータアウト動作を実行可能な制御回路と
を有し、
前記半導体記憶装置は、それぞれ、
第1モードにおいては、
前記第1パッドに入力される前記第1信号が切り替えられた後で、
前記データアウト動作を指示するコマンドセットを、前記第2パッドを介して取り込み、
第2モードにおいては、
前記第1パッドに入力される前記第1信号が切り替えられた後で、
前記データアウト動作を指示する前記コマンドセットを、少なくとも前記第3パッドを介して取り込み、
前記第1モードにおいては、
前記第1レシーバ、前記第1ドライバ及び前記第2レシーバが駆動され、前記第2ドライバの駆動が停止され、
前記第2モードにおいては、
前記第1レシーバ、前記第1ドライバ、前記第2レシーバ及び前記第2ドライバが駆動され、
前記制御装置は、
前記半導体記憶装置それぞれに異なったアドレスを割り当てる第1動作と、
前記半導体記憶装置それぞれのモードを前記第1モードから前記第2モードへ切り替えさせる第2動作と
を実行するメモリシステム。
【請求項2】
前記半導体記憶装置の各々において、
第4信号が入力される第4パッドを更に有し、
前記第2パッドは複数設けられ、
前記第1モードにおいては、
前記データアウト動作を指示する前記コマンドセットを複数の前記第2パッドを介して取り込み、
前記第2モードにおいては、
前記データアウト動作を指示する前記コマンドセットを前記第3パッド及び前記第4パッドを介して取り込む
請求項
1記載のメモリシステム。
【請求項3】
前記半導体記憶装置はN設けられ、Kを2以上の整数としたとき、NはK×2の整数であり、
1番目からK番目の前記半導体記憶装置の前記第1パッドに接続された第1信号線と、
K+1番目からN番目の前記半導体記憶装置の前記第1パッドに接続された第2信号線と、
1番目からN番目の前記半導体記憶装置の前記第2パッドにそれぞれ接続された複数の第3信号線と、
1番目からN番目の前記半導体記憶装置の前記第3パッドに接続された第4信号線と、
1番目からN番目の前記半導体記憶装置の前記第4パッドに接続された第5信号線と
を更に有し、
前記制御装置は、前記第1~5信号線の電圧レベルを制御可能である、
請求項
2記載のメモリシステム。
【請求項4】
前記制御装置から電圧を供給される第6信号線を更に有し、
前記複数の半導体記憶装置は、それぞれ、
前記第6信号線を介して第5信号が入力される第5パッドを更に有し、
前記第1モードにおいては、
前記第5信号と同期して、
前記データアウト動作を指示する前記コマンドセットを前記第
2パッドから取り込み、
前記第2モードにおいては、
前記第5信号と同期して、
前記データアウト動作を指示する前記コマンドセットを前記第3パッド及び前記第4パッドから取り込む
請求項
3記載のメモリシステム。
【請求項5】
前記制御装置は、
前記第1信号線の前記電圧レベル及び前記第2信号線の前記電圧レベルを、一定期間第1レベルに維持し、
前記第1動作と前記第2動作とを実行する
請求項
3又は
4記載のメモリシステム。
【請求項6】
前記制御装置は、
前記第1動作をN回実行し、
前記第2動作を1回実行する
請求項1~
5のいずれか1項記載のメモリシステム。
【請求項7】
第5信号が入力される第5パッドを更に有し、
前記第1モードにおいては、
前記第5信号と同期して
前記データアウト動作を指示する前記コマンドセットを前記第
2パッドから取り込み、
前記第2モードにおいては、
前記第5信号と同期して
前記データアウト動作を指示する前記コマンドセットを前記第3パッド及び前記第4パッドから取り込む
請求項
3記載のメモリシステム。
【請求項8】
前記制御装置は、
前記第1信号線、
前記第2信号線、
前記第3信号線、
前記第4信号線、
前記第5信号線それぞれの電圧レベルを維持した状態で、
前記第5信号の電圧レベルを少なくとも8回遷移させた後で、
前記第1動作と前記第2動作を実行する
請求項
4又は
7記載のメモリシステム。
【請求項9】
N個の半導体記憶装置と、
制御装置と、
前記N個の半導体記憶装置の少なくとも何れか及び前記制御装置に接続された第1信号線、第2信号線、複数の第3信号線、第4信号線及び第5信号線と
を有し、
Kを2以上の整数としたとき、NはK×2の整数であり、
前記半導体記憶装置は、それぞれ、
第1信号が入力される第1パッドと、
第2信号が入力される複数の第2パッドと、
第3信号が入力される第3パッドと、
第4信号が入力される第4パッドと、
複数のメモリセルトランジスタが直列に接続されたストリングを含むメモリセルアレイと、
前記メモリセルアレイに接続されたセンスアンプと、
前記センスアンプに接続され、前記メモリセルアレイから読み出されたデータを格納可能なデータレジスタと、
前記データレジスタに格納されたデータを前記第2パッドから出力するデータアウト動作を実行可能な制御回路と
を有し、
前記第1信号線は、1番目からK番目の前記半導体記憶装置の前記第1パッドに接続され、
前記第2信号線は、K+1番目からN番目の前記半導体記憶装置の前記第1パッドに接続され、
前記複数の第3信号線は、1番目からN番目の前記半導体記憶装置の前記第2パッドにそれぞれ接続され、
前記第4信号線は、1番目からN番目の前記半導体記憶装置の前記第3パッドに接続され、
前記第5信号線は、1番目からN番目の前記半導体記憶装置の前記第4パッドに接続され、
前記半導体記憶装置は、それぞれ、
第1モードにおいては、
前記第1パッドに入力される前記第1信号が切り替えられた後で、
前記データアウト動作を指示するコマンドセットを、前記複数の第2パッドを介して取り込み、
第2モードにおいては、
前記第1パッドに入力される前記第1信号が切り替えられた後で、
前記データアウト動作を指示する前記コマンドセットを、前記第3パッド及び前記第4パッドを介して取り込み、
前記制御装置は、
前記半導体記憶装置それぞれに異なったアドレスを割り当てる第1動作と、
前記半導体記憶装置それぞれのモードを前記第1モードから前記第2モードへ切り替えさせる第2動作と
を実行し、
前記第1~5信号線の電圧レベルを制御可能であり、
前記第1信号線の前記電圧レベル及び前記第2信号線の前記電圧レベルを、一定期間第1レベルに維持し、
前記第1動作と前記第2動作とを実行する
メモリシステム。
【請求項10】
N個の半導体記憶装置と、
制御装置と、
前記N個の半導体記憶装置の少なくとも何れか及び前記制御装置に接続された第1信号線、第2信号線、複数の第3信号線、第4信号線及び第5信号線と
を有し、
Kを2以上の整数としたとき、NはK×2の整数であり、
前記半導体記憶装置は、それぞれ、
第1信号が入力される第1パッドと、
第2信号が入力される複数の第2パッドと、
第3信号が入力される第3パッドと、
第4信号が入力される第4パッドと、
第5信号が入力される第5パッドと、
複数のメモリセルトランジスタが直列に接続されたストリングを含むメモリセルアレイと、
前記メモリセルアレイに接続されたセンスアンプと、
前記センスアンプに接続され、前記メモリセルアレイから読み出されたデータを格納可能なデータレジスタと、
前記データレジスタに格納されたデータを前記第2パッドから出力するデータアウト動作を実行可能な制御回路と
を有し、
前記第1信号線は、1番目からK番目の前記半導体記憶装置の前記第1パッドに接続され、
前記第2信号線は、K+1番目からN番目の前記半導体記憶装置の前記第1パッドに接続され、
前記複数の第3信号線は、1番目からN番目の前記半導体記憶装置の前記第2パッドにそれぞれ接続され、
前記第4信号線は、1番目からN番目の前記半導体記憶装置の前記第3パッドに接続され、
前記第5信号線は、1番目からN番目の前記半導体記憶装置の前記第4パッドに接続され、
前記半導体記憶装置は、それぞれ、
第1モードにおいては、
前記第1パッドに入力される前記第1信号が切り替えられた後で、
前記第5信号と同期して
前記データアウト動作を指示するコマンドセットを、前記複数の第2パッドを介して取り込み、
第2モードにおいては、
前記第1パッドに入力される前記第1信号が切り替えられた後で、
前記第5信号と同期して
前記データアウト動作を指示する前記コマンドセットを、前記第3パッド及び前記第4パッドを介して取り込み、
前記制御装置は、
前記半導体記憶装置それぞれに異なったアドレスを割り当てる第1動作と、
前記半導体記憶装置それぞれのモードを前記第1モードから前記第2モードへ切り替えさせる第2動作と
を実行し、
前記第1~5信号線の電圧レベルを制御可能であり、
前記第1信号線、
前記第2信号線、
前記第3信号線、
前記第4信号線、
前記第5信号線それぞれの電圧レベルを維持した状態で、
前記第5信号の電圧レベルを少なくとも8回遷移させた後で、
前記第1動作と前記第2動作を実行する
メモリシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、メモリシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の半導体記憶装置と、制御装置と、を有するメモリシステムが知られている。半導体記憶装置は、例えば、複数のメモリセルを含むメモリセルアレイと、このメモリセルアレイに接続され、コマンドデータ及びアドレスデータを含むコマンドセットの入力に応じてユーザデータを出力する周辺回路と、を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-176309号公報
【文献】特開2020-047329号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
好適に動作するメモリシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一の実施形態に係るメモリシステムは、複数の半導体記憶装置と、制御装置と、を有する。半導体記憶装置は、それぞれ、第1信号が入力される第1パッドと、第2信号が入力される第2パッドと、第3信号が入力される第3パッドと、メモリセルアレイと、センスアンプと、データレジスタと、制御回路と、を有する。メモリセルアレイは、複数のメモリセルトランジスタが直列に接続されたストリングを含む。センスアンプは、メモリセルアレイに接続されている。データレジスタは、センスアンプに接続され、メモリセルアレイから読み出されたデータを格納可能である。制御回路は、データレジスタに格納されたデータを第2パッドから出力するデータアウト動作を実行可能である。半導体記憶装置は、それぞれ、第1モードにおいては、第1パッドに入力される第1信号が切り替えられた後で、データアウト動作を指示するコマンドセットを、第2パッドを介して取り込む。また、半導体記憶装置は、それぞれ、第2モードにおいては、第1パッドに入力される第1信号が切り替えられた後で、データアウト動作を指示するコマンドセットを、少なくとも第3パッドを介して取り込む。制御装置は、半導体記憶装置それぞれに異なったアドレスを割り当てる第1動作と、半導体記憶装置それぞれのモードを第1モードから第2モードへ切り替えさせる第2動作と、を実行する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】第1実施形態に係るメモリシステム10の構成を示す模式的なブロック図である。
【
図2】本実施形態に係るメモリパッケージPKG0,PKG1の構成例を示す模式的な斜視図である。
【
図3】本実施形態に係るコントローラCDの構成例を示す模式的なブロック図である。
【
図4】第1実施形態に係るメモリダイMDの構成を示す模式的なブロック図である。
【
図5】メモリダイMDの一部の構成を示す模式的な回路図である。
【
図6】メモリダイMDの一部の構成を示す模式的な斜視図である。
【
図7】メモリダイMDの一部の構成を示す模式的な回路図である。
【
図8】メモリダイMDの一部の構成を示す模式的な回路図である。
【
図9】動作モードMODEaにおける信号入出力端子及び外部制御端子の役割について説明するための模式的な図である。
【
図10】動作モードMODEbにおける信号入出力端子及び外部制御端子の役割について説明するための模式的な図である。
【
図11】動作モードMODEaにおける外部端子の役割を説明するための真理値表である。
【
図12】動作モードMODEbにおける外部端子の役割を説明するための真理値表である。
【
図13】動作モードMODEbにおける外部端子の役割を説明するための真理値表である。
【
図14】第1実施形態に係るメモリダイMDの動作について説明するための模式的な波形図である。
【
図15】第1実施形態に係るメモリダイMDの動作について説明するための模式的な波形図である。
【
図16】動作モードMODEaにおいて読出動作及びデータアウトを実行する場合の様子を示す模式的な波形図である。
【
図17】動作モードMODEaにおいて読出動作及びデータアウトを実行する場合の他の様子を示す模式的な波形図である。
【
図18】動作モードMODEbにおいて読出動作及びデータアウトを実行する場合の様子を示す模式的な波形図である。
【
図19】動作モードMODEbにおいて読出動作及びデータアウトを実行する場合の他の様子を示す模式的な波形図である。
【
図20】動作モードMODEbにおいて読出動作及びデータアウトを実行する場合の他の様子を示す模式的な波形図である。
【
図21】動作モードMODEaにおいてステータスリードを実行する際の波形を示す模式的な波形図である。
【
図22】動作モードMODEbにおいてステータスリードを実行する際の波形を示す模式的な波形図である。
【
図23】第1実施形態に係るメモリシステム10における動作の一例を示す模式的なフローチャートである。
【
図24】
図23のステップS104においてコントローラCDからメモリダイMDに入力される信号を示す模式的な波形図である。
【
図25】
図23のステップS106においてコントローラCDからメモリダイMDに入力される信号を示す模式的な波形図である。
【
図26】第1実施形態に係るメモリシステム10における動作の一例を示す模式的なフローチャートである。
【
図27】第1実施形態に係るメモリシステム10における動作の一例を示す模式的な波形図である。
【
図28】
図26のステップS205においてコントローラCDからメモリダイMDに入力される信号を示す模式的な波形図である。
【
図29】
図26のステップS207においてコントローラCDからメモリダイMDに入力される信号を示す模式的な波形図である。
【
図30】第2実施形態に係るメモリダイMD2の構成を示す模式的なブロック図である。
【
図31】メモリダイMD2の一部の構成を示す模式的な回路図である。
【
図32】第2実施形態に係る動作モードMODEbにおける信号入出力端子及び外部制御端子の役割について説明するための模式的な図である。
【
図33】動作モードMODEbにおける外部端子の役割を説明するための真理値表である。
【
図34】動作モードMODEbにおける外部端子の役割を説明するための真理値表である。
【
図35】第2実施形態に係るメモリシステム10における動作の一例を示す模式的な波形図である。
【
図36】
図26のステップS205に対応する動作においてコントローラCDからメモリダイMDに入力される信号を示す模式的な波形図である。
【
図37】
図26のステップS207に対応する動作においてコントローラCDからメモリダイMDに入力される信号を示す模式的な波形図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
次に、実施形態に係るメモリシステムを、図面を参照して詳細に説明する。尚、以下の実施形態はあくまでも一例であり、本発明を限定する意図で示されるものではない。
【0008】
また、本明細書において「メモリシステム」と言った場合には、メモリカード、SSD等の、メモリダイ(メモリチップ)、及び、コントローラを含む構成を意味する事がある。更に、スマートホン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等の、ホストコンピュータを含む構成を意味する事もある。
【0009】
また、本明細書において「半導体記憶装置」と言った場合には、メモリダイ(メモリチップ)を意味する事がある。
【0010】
また、本明細書において、第1の構成が第2の構成に「電気的に接続されている」と言った場合、第1の構成は第2の構成に直接接続されていても良いし、第1の構成が第2の構成に配線、半導体部材又はトランジスタ等を介して接続されていても良い。例えば、3つのトランジスタを直列に接続した場合には、2つ目のトランジスタがOFF状態であったとしても、1つ目のトランジスタは3つ目のトランジスタに「電気的に接続」されている。
【0011】
また、本明細書において、第1の構成が第2の構成及び第3の構成の「間に接続されている」と言った場合、第1の構成、第2の構成及び第3の構成が直列に接続され、且つ、第2の構成が第1の構成を介して第3の構成に接続されていることを意味する場合がある。
【0012】
また、本明細書において、回路等が2つの配線等を「導通させる」と言った場合には、例えば、この回路等がトランジスタ等を含んでおり、このトランジスタ等が2つの配線の間の電流経路に設けられており、このトランジスタ等がON状態となることを意味する事がある。
【0013】
[第1実施形態]
[メモリシステム10]
図1は、第1実施形態に係るメモリシステム10の構成を示す模式的なブロック図である。メモリシステム10は、ホストコンピュータ20から送信された信号に応じて、読出動作、書込動作、消去動作等を実行する。メモリシステム10は、例えば、メモリカード、SSD又はその他のユーザデータを記憶可能なシステムである。メモリシステム10は、ユーザデータを記憶する複数のメモリパッケージPKG0,PKG1と、これら複数のメモリパッケージPKG0,PKG1及びホストコンピュータ20に接続されるコントローラCDと、を備える。尚、以下の説明においては、メモリパッケージPKG0,PKG1を、メモリパッケージPKGと呼ぶ場合がある。
【0014】
図2は、本実施形態に係るメモリパッケージPKGの構成例を示す模式的な斜視図である。説明の都合上、
図2では一部の構成を省略する。
【0015】
図2に示す様に、本実施形態に係るメモリパッケージPKGは、実装基板MSBと、実装基板MSBに積層された複数のメモリダイMD0~MD7と、を備える。実装基板MSBの上面のうち、Y方向の端部の領域にはパッド電極Pが設けられ、その他の一部の領域は接着剤等を介してメモリダイMD0の下面に接着されている。メモリダイMD0~MD7の上面のうち、Y方向の端部の領域にはパッド電極Pが設けられ、その他の領域は接着剤等を介して他のメモリダイMD1~MD7に接着されている。メモリダイMD7の上面のうち、Y方向の端部の領域にはパッド電極Pが設けられている。尚、以下の説明においては、メモリダイMD0~MD7を、メモリダイMDと呼ぶ場合がある。
【0016】
メモリダイMDに設けられた複数のパッド電極Pのうちの一つは、外部制御端子/CEとして機能する。また、メモリダイMDに設けられた複数のパッド電極Pのうちのいくつかは、チップアドレス設定端子CADDとして機能する。外部制御端子/CE及びチップアドレス設定端子CADDは、メモリパッケージPKG中の複数のメモリダイMDから、1のメモリダイMDを特定するために使用される。
【0017】
複数のメモリダイMD0~MD7に設けられた複数のパッド電極Pのうち、外部制御端子/CEとして機能するものは、ボンディングワイヤBによって共通に接続されている。尚、
図1には、メモリパッケージPKG0に対応する外部制御端子/CEを外部制御端子/CE0と、メモリパッケージPKG1に対応する外部制御端子/CEを外部制御端子/CE1として示している。外部制御端子/CE0及び外部制御端子/CE1には、お互いに異なる信号を入力することが可能である。
【0018】
図2に示す様に、複数のメモリダイMD0~MD7に設けられた複数のパッド電極Pのうち、チップアドレス設定端子CADDとして機能するものは、お互いに異なるパターンで、ボンディングワイヤBに接続されている。例えば、
図2の例では、1つ目のボンディングワイヤBが、メモリダイMD0~MD3に接続され、メモリダイMD4~MD7には接続されていない。また、2つ目のボンディングワイヤBが、メモリダイMD0,MD2,MD4,MD5に接続され、メモリダイMD1,MD3,MD6,MD7には接続されていない。また、3つ目のボンディングワイヤBが、メモリダイMD0,MD3,MD5,MD6に接続され、メモリダイMD1,MD2,MD4,MD7には接続されていない。尚、
図1に示す様に、チップアドレス設定端子CADDは、全て、電源電圧V
CCが供給される電圧供給線に接続されている。
【0019】
図2に示す様に、複数のメモリダイMD0~MD7に設けられた複数のパッド電極Pのうち、それ以外の端子として機能するものは、それぞれ、対応する端子毎にボンディングワイヤBによって共通に接続されている。尚、
図1に示す様に、これら複数のボンディングワイヤBは、メモリパッケージPKG0,PKG1の間で共通に接続されている。これら複数の端子には、お互いに異なる信号を入力したり、電圧を供給したりすることが可能である。
【0020】
図3は、本実施形態に係るコントローラCDの構成例を示す模式的なブロック図である。説明の都合上、
図3では一部の構成を省略する。
【0021】
コントローラCDは、ホストコンピュータ20からの指示に従い、メモリパッケージPKG0,PKG1の読出動作、書込動作等を実行する。コントローラCDは、RAM(Random Access Memory)11、プロセッサ12、ホストインターフェイス13、ECC(Error Check and Correction)回路14、及び、メモリインターフェイス15を備える。RAM11、プロセッサ12、ホストインターフェイス13、ECC回路14、及び、メモリインターフェイス15は、互いに内部バス16で接続される。
【0022】
ホストインターフェイス13は、ホストコンピュータ20からの指示、ホストインターフェイスから受信したユーザデータ等を内部バス16に出力する。また、ホストインターフェイス13は、メモリパッケージPKG0,PKG1から出力されたユーザデータ、プロセッサ12からの応答等をホストコンピュータ20へ送信する。
【0023】
メモリインターフェイス15は、プロセッサ12の指示に基づいて、メモリパッケージPKG0,PKG1に対する書込動作及び読出動作の制御を実行する。
【0024】
プロセッサ12は、コントローラCDを統括的に制御する。プロセッサ12は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等を含む。プロセッサ12は、ホストコンピュータ20からホストインターフェイス13を介して指示を受けた場合に、その指示に従った制御を行う。例えば、プロセッサ12は、ホストコンピュータ20からの指示に従って、メモリパッケージPKG0,PKG1に対する書込動作をメモリインターフェイス15へ指示する。また、プロセッサ12は、ホストコンピュータ20からの指示に従って、メモリパッケージPKG0,PKG1に対する読出動作を、メモリインターフェイス15へ指示する。
【0025】
プロセッサ12は、RAM11に蓄積されるユーザデータに対して、メモリパッケージPKG0,PKG1上の格納領域(メモリ領域)を決定する。ユーザデータは、内部バス16経由でRAM11に格納される。プロセッサ12は、メモリ領域の決定を、書込動作の実行単位であるページ単位のデータ(ページデータ)に対して実施する。本明細書では、メモリパッケージPKG0,PKG1の1ページに格納されるユーザデータをユニットデータと定義する。ユニットデータは、一般的には符号化されて符号語としてメモリパッケージPKG0,PKG1に格納される。本実施形態では、符号化は必須ではない。コントローラCDは、符号化せずにユニットデータをメモリパッケージPKG0,PKG1に格納してもよいが、
図1では、一構成例として符号化を行う構成を示している。コントローラCDが符号化を行わない場合には、ページデータはユニットデータと一致する。また、1つのユニットデータに基づいて1つの符号語が生成されてもよいし、ユニットデータが分割された分割データに基づいて1つの符号語が生成されても良い。また、複数のユニットデータを用いて1つの符号語が生成されても良い。
【0026】
プロセッサ12は、ユニットデータごとに書き込み先のメモリパッケージPKG0,PKG1のメモリ領域を決定する。メモリパッケージPKG0,PKG1のメモリ領域には物理アドレスが割当てられている。プロセッサ12は、ユニットデータの書き込み先のメモリ領域を、物理アドレスを用いて管理する。プロセッサ12は、決定したメモリ領域(物理アドレス)を指定してユーザデータをメモリパッケージPKG0,PKG1へ書き込むようメモリインターフェイス15へ指示する。プロセッサ12は、ユーザデータの論理アドレス(ホストコンピュータ20が管理する論理アドレス)と物理アドレスとの対応を管理する。プロセッサ12は、ホストコンピュータ20から論理アドレス等を受信し、論理アドレスに対応する物理アドレスを特定し、物理アドレスを指定してメモリインターフェイス15に読出動作の実行を指示する。
【0027】
ECC回路14は、RAM11に格納されたユーザデータを符号化して、符号語を生成する。また、ECC回路14は、メモリパッケージPKG0,PKG1から読み出された符号語を復号する。
【0028】
RAM11は、ホストコンピュータ20から受信したユーザデータをメモリパッケージPKG0,PKG1へ記憶させるまでに一時格納したり、メモリパッケージPKG0,PKG1から出力されたデータをホストコンピュータ20へ送信するまでに一時格納したりする。RAM11は、例えば、SRAM(Static Random Access Memory)やDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の汎用メモリを含む。
【0029】
尚、
図3には、コントローラCDが、ECC回路14とメモリインターフェイス15をそれぞれ備える例を示した。しかしながら、ECC回路14は、メモリインターフェイス15に内蔵されていても良い。また、ECC回路14は、メモリパッケージPKG0,PKG1に内蔵されていても良い。
【0030】
ホストコンピュータ20から書込動作の指示を受信した場合、メモリシステム10は次の様に動作する。プロセッサ12は、書込動作の対象となるデータをRAM11に一時記憶させる。プロセッサ12は、RAM11に記憶されたデータを読み出し、ECC回路14に入力する。ECC回路14は、入力されたデータを符号化し、符号語をメモリインターフェイス15に入力する。メモリインターフェイス15は、入力された符号語を、書込動作を実行する旨のコマンドデータと共に、メモリパッケージPKG0,PKG1に入力する。
【0031】
ホストコンピュータ20から読出動作の指示を受信した場合、メモリシステム10は次の様に動作する。メモリインターフェイス15は、メモリパッケージPKG0,PKG1から出力された符号語をECC回路14に入力する。ECC回路14は、入力された符号語を復号し、復号されたデータをRAM11に記憶させる。プロセッサ12は、RAM11にストア記憶されたデータを、ホストインターフェイス13を介してホストコンピュータ20に送信する。
【0032】
[メモリダイMDの構成]
図4は、第1実施形態に係るメモリダイMDの構成を示す模式的なブロック図である。
図5は、メモリダイMDの一部の構成を示す模式的な回路図である。
図6は、メモリダイMDの一部の構成を示す模式的な斜視図である。
図7及び
図8は、メモリダイMDの一部の構成を示す模式的な回路図である。説明の都合上、
図4~
図8では一部の構成を省略する。
【0033】
尚、
図4には、複数の制御端子等を図示している。これら複数の制御端子は、ハイアクティブ信号(正論理信号)に対応する制御端子として表される場合と、ローアクティブ信号(負論理信号)に対応する制御端子として表される場合と、ハイアクティブ信号及びローアクティブ信号の双方に対応する制御端子として表される場合と、がある。
図4において、ローアクティブ信号に対応する制御端子の符号は、オーバーライン(上線)を含んでいる。本明細書において、ローアクティブ信号に対応する制御端子の符号は、スラッシュ(“/”)を含んでいる。尚、
図4の記載は例示であり、具体的な態様は適宜調整可能である。例えば、一部又は全部のハイアクティブ信号をローアクティブ信号としたり、一部又は全部のローアクティブ信号をハイアクティブ信号としたりすることも可能である。
【0034】
また、
図4に示す複数の制御端子の横には、入出力方向を示す矢印を図示している。
図4において、左から右への矢印が付された制御端子は、コントローラCDからメモリダイMDへの、データ又はその他の信号の入力に使用可能である。
図4において、右から左への矢印が付された制御端子は、メモリダイMDからコントローラCDへの、データ又はその他の信号の出力に使用可能である。
図4において、左右双方向の矢印が付された制御端子は、コントローラCDからメモリダイMDへの、データ又はその他の信号の入力、及び、メモリダイMDからコントローラCDへの、データ又はその他の信号の出力の、双方に使用可能である。
【0035】
図4に示す様に、メモリダイMDは、ユーザデータを記憶するメモリセルアレイMCA0,MCA1と、メモリセルアレイMCA0,MCA1に接続された周辺回路PCと、を備える。尚、以下の説明においては、メモリセルアレイMCA0,MCA1を、メモリセルアレイMCAと呼ぶ場合がある。また、メモリセルアレイMCA0,MCA1を、プレーンPLN0,PLN1と呼ぶ場合がある。
【0036】
[メモリセルアレイMCAの構成]
メモリセルアレイMCAは、
図5に示す様に、複数のメモリブロックBLKを備える。これら複数のメモリブロックBLKは、それぞれ、複数のストリングユニットSUを備える。これら複数のストリングユニットSUは、それぞれ、複数のメモリストリングMSを備える。これら複数のメモリストリングMSの一端は、それぞれ、ビット線BLを介して周辺回路PCに接続される。また、これら複数のメモリストリングMSの他端は、それぞれ、共通のソース線SLを介して周辺回路PCに接続される。
【0037】
メモリストリングMSは、ビット線BL及びソース線SLの間に直列に接続されたドレイン側選択トランジスタSTD、複数のメモリセルMC(メモリセルトランジスタ)、ソース側選択トランジスタSTS、及び、ソース側選択トランジスタSTSbを備える。以下、ドレイン側選択トランジスタSTD、ソース側選択トランジスタSTS、及び、ソース側選択トランジスタSTSbを、単に選択トランジスタ(STD、STS、STSb)と呼ぶ事がある。
【0038】
メモリセルMCは、半導体層、ゲート絶縁膜、及び、ゲート電極を備える電界効果型のトランジスタである。半導体層は、チャネル領域として機能する。ゲート絶縁膜は、電荷蓄積膜を含む。メモリセルMCのしきい値電圧は、電荷蓄積膜中の電荷量に応じて変化する。メモリセルMCは、1ビット又は複数ビットのユーザデータを記憶する。尚、1のメモリストリングMSに対応する複数のメモリセルMCのゲート電極には、それぞれ、ワード線WLが接続される。これらワード線WLは、それぞれ、1のメモリブロックBLK中の全てのメモリストリングMSに共通に接続される。
【0039】
選択トランジスタ(STD、STS、STSb)は、半導体層、ゲート絶縁膜、及び、ゲート電極を備える電界効果型のトランジスタである。半導体層は、チャネル領域として機能する。選択トランジスタ(STD、STS、STSb)のゲート電極には、それぞれ、選択ゲート線(SGD、SGS、SGSb)が接続される。ドレイン側選択ゲート線SGDは、ストリングユニットSUに対応して設けられ、1のストリングユニットSU中の全てのメモリストリングMSに共通に接続される。ソース側選択ゲート線SGSは、メモリブロックBLK中の全てのメモリストリングMSに共通に接続される。ソース側選択ゲート線SGSbは、メモリブロックBLK中の全てのメモリストリングMSに共通に接続される。
【0040】
メモリセルアレイMCAは、例えば
図6に示す様に、半導体基板100の上方に設けられている。尚、
図6の例では、半導体基板100とメモリセルアレイMCAとの間に、周辺回路PCを構成する複数のトランジスタTrが設けられている。
【0041】
メモリセルアレイMCAは、Y方向に並ぶ複数のメモリブロックBLKを備える。また、Y方向において隣り合う2つのメモリブロックBLKの間には、酸化シリコン(SiO2)等のブロック間絶縁層STが設けられる。
【0042】
メモリブロックBLKは、例えば
図6に示す様に、Z方向に並ぶ複数の導電層110と、Z方向に延伸する複数の半導体柱120と、複数の導電層110及び複数の半導体柱120の間にそれぞれ設けられた複数のゲート絶縁膜130と、を備える。
【0043】
導電層110は、X方向に延伸する略板状の導電層である。導電層110は、窒化チタン(TiN)等のバリア導電膜及びタングステン(W)等の金属膜の積層膜等を含んでいても良い。また、導電層110は、例えば、リン(P)又はホウ素(B)等の不純物を含む多結晶シリコン等を含んでいても良い。Z方向に並ぶ複数の導電層110の間には、酸化シリコン(SiO2)等の絶縁層101が設けられている。
【0044】
また、複数の導電層110のうち、最下層に位置する2以上の導電層110は、ソース側選択ゲート線SGS,SGSb(
図5)、及び、これらに接続された複数のソース側選択トランジスタSTS,STSbのゲート電極として機能する。これら複数の導電層110は、メモリブロックBLK毎に電気的に独立している。
【0045】
また、これよりも上方に位置する複数の導電層110は、それぞれ、ワード線WL(
図5)及びこれに接続された複数のメモリセルMC(
図5)のゲート電極として機能する。これら複数の導電層110は、それぞれ、メモリブロックBLK毎に電気的に独立している。
【0046】
また、これよりも上方に位置する一又は複数の導電層110は、ドレイン側選択ゲート線SGD及びこれに接続された複数のドレイン側選択トランジスタSTD(
図5)のゲート電極として機能する。これら複数の導電層110は、それぞれ、ストリングユニットSU毎に電気的に独立している。
【0047】
導電層110の下方には、半導体層112が設けられている。半導体層112は、例えば、リン(P)又はホウ素(B)等の不純物を含む多結晶シリコン等を含んでいても良い。また、半導体層112及び導電層110の間には、酸化シリコン(SiO2)等の絶縁層101が設けられている。
【0048】
半導体層112は、ソース線SL(
図5)として機能する。ソース線SLは、例えば、メモリセルアレイMCAに含まれる全てのメモリブロックBLKについて共通に設けられている。
【0049】
半導体柱120は、例えば
図6に示す様に、X方向及びY方向に所定のパターンで並ぶ。半導体柱120は、1つのメモリストリングMS(
図5)に含まれる複数のメモリセルMC及び選択トランジスタ(STD、STS、STSb)のチャネル領域として機能する。半導体柱120は、例えば、多結晶シリコン(Si)等の半導体層である。半導体柱120は、例えば
図6に示す様に、略円筒状の形状を有し、中心部分には酸化シリコン等の絶縁層125が設けられている。また、半導体柱120の外周面は、それぞれ導電層110によって囲まれており、導電層110と対向している。
【0050】
半導体柱120の上端部には、リン(P)等のN型の不純物を含む不純物領域121が設けられている。不純物領域121は、コンタクトCh及びコンタクトCbを介してビット線BLに接続される。
【0051】
ゲート絶縁膜130は、半導体柱120の外周面を覆う略円筒状の形状を有する。ゲート絶縁膜130は、例えば、半導体柱120及び導電層110の間に積層されたトンネル絶縁膜、電荷蓄積膜及びブロック絶縁膜を備える。トンネル絶縁膜及びブロック絶縁膜は、例えば、酸化シリコン(SiO2)等の絶縁膜である。電荷蓄積膜は、例えば、窒化シリコン(Si3N4)等の電荷を蓄積可能な膜である。トンネル絶縁膜、電荷蓄積膜、及び、ブロック絶縁膜は略円筒状の形状を有し、半導体柱120と半導体層112との接触部を除く半導体柱120の外周面に沿ってZ方向に延伸する。
【0052】
尚、ゲート絶縁膜130は、例えば、N型又はP型の不純物を含む多結晶シリコン等のフローティングゲートを備えていても良い。
【0053】
複数の導電層110のX方向における端部には、複数のコンタクトCCが設けられている。複数の導電層110は、これら複数のコンタクトCCを介して周辺回路PC(
図4)に接続されている。
図6に示す様に、これら複数のコンタクトCCはZ方向に延伸し、下端において導電層110と接続されている。コンタクトCCは、例えば、窒化チタン(TiN)等のバリア導電膜及びタングステン(W)等の金属膜の積層膜等を含んでいても良い。
【0054】
[周辺回路PCの構成]
周辺回路PCは、例えば
図4に示す様に、メモリセルアレイMCA0,MCA1にそれぞれ接続されたロウデコーダRD0,RD1と、センスアンプSA0,SA1と、を備える。また、周辺回路PCは、電圧生成回路VGと、シーケンサSQCと、を備える。また、周辺回路PCは、入出力制御回路I/Oと、論理回路CTRと、アドレスレジスタADRと、コマンドレジスタCMRと、ステータスレジスタSTRと、データ出力タイミング調整部TCTと、を備える。尚、以下の説明においては、ロウデコーダRD0,RD1を、ロウデコーダRDと呼び、センスアンプSA0,SA1を、センスアンプSAと呼ぶ場合がある。
【0055】
[ロウデコーダRDの構成]
ロウデコーダRD(
図4)は、例えば
図5に示す様に、アドレスデータAdd(
図4)をデコードするアドレスデコーダ22と、アドレスデコーダ22の出力信号に応じてメモリセルアレイMCAに動作電圧を転送するブロック選択回路23及び電圧選択回路24と、を備える。
【0056】
アドレスデコーダ22は、複数のブロック選択線BLKSEL及び複数の電圧選択線33を備える。アドレスデコーダ22は、例えば、シーケンサSQCからの制御信号に従ってアドレスレジスタADR(
図4)のロウアドレスRAを順次参照し、このロウアドレスRAをデコードして、ロウアドレスRAに対応する所定のブロック選択トランジスタ35及び電圧選択トランジスタ37をON状態とし、それ以外のブロック選択トランジスタ35及び電圧選択トランジスタ37をOFF状態とする。例えば、所定のブロック選択線BLKSEL及び電圧選択線33の電圧を“H”状態とし、それ以外の電圧を“L”状態とする。尚、Nチャネル型でなくPチャネル型のトランジスタを用いる場合には、これらの配線に逆の電圧を印加する。
【0057】
尚、図示の例において、アドレスデコーダ22には、1つのメモリブロックBLKについて1つずつブロック選択線BLKSELが設けられている。しかしながら、この構成は適宜変更可能である。例えば、2以上のメモリブロックBLKについて1つずつブロック選択線BLKSELを備えていても良い。
【0058】
ブロック選択回路23は、メモリブロックBLKに対応する複数のブロック選択部34を備える。これら複数のブロック選択部34は、それぞれ、ワード線WL及び選択ゲート線(SGD、SGS、SGSb)に対応する複数のブロック選択トランジスタ35を備える。ブロック選択トランジスタ35は、例えば、電界効果型の耐圧トランジスタである。ブロック選択トランジスタ35のドレイン電極は、それぞれ、対応するワード線WL又は選択ゲート線(SGD、SGS、SGSb)に電気的に接続される。ソース電極は、それぞれ、配線CG及び電圧選択回路24を介して電圧供給線31に電気的に接続される。ゲート電極は、対応するブロック選択線BLKSELに共通に接続される。
【0059】
尚、ブロック選択回路23は、図示しない複数のトランジスタを更に備える。これら複数のトランジスタは、選択ゲート線(SGD,SGS,SGSb)及び接地電圧VSSが供給される電圧供給線の間に接続された電界効果型の耐圧トランジスタである。これら複数のトランジスタは、非選択のメモリブロックBLKに含まれる選択ゲート線(SGD、SGS、SGSb)に接地電圧VSSを供給する。尚、非選択のメモリブロックBLKに含まれる複数のワード線WLは、フローティング状態となる。
【0060】
電圧選択回路24は、ワード線WL及び選択ゲート線(SGD、SGS、SGSb)に対応する複数の電圧選択部36を備える。これら複数の電圧選択部36は、それぞれ、複数の電圧選択トランジスタ37を備える。電圧選択トランジスタ37は、例えば、電界効果型の耐圧トランジスタである。電圧選択トランジスタ37のドレイン端子は、それぞれ、配線CG及びブロック選択回路23を介して、対応するワード線WL又は選択ゲート線(SGD、SGS、SGSb)に電気的に接続される。ソース端子は、それぞれ、対応する電圧供給線31に電気的に接続される。ゲート電極は、それぞれ、対応する電圧選択線33に接続される。
【0061】
[センスアンプSAの構成]
センスアンプSA0,SA1(
図4)は、それぞれセンスアンプモジュールSAM0,SAM1と、キャッシュメモリCM0,CM1(データレジスタ)と、を備える。キャッシュメモリCM0,CM1は、それぞれラッチ回路XDL0,XDL1を備える。
【0062】
尚、以下の説明においては、センスアンプモジュールSAM0,SAM1を、センスアンプモジュールSAMと呼び、キャッシュメモリCM0,CM1を、キャッシュメモリCMと呼び、ラッチ回路XDL0,XDL1を、ラッチ回路XDLと呼ぶ場合がある。
【0063】
センスアンプモジュールSAMは、例えば、複数のビット線BL(
図5)にそれぞれ対応するセンス回路と、センス回路に接続された複数のラッチ回路等と、を備える。
【0064】
キャッシュメモリCMは、複数のラッチ回路XDLを備える。複数のラッチ回路XDLは、それぞれセンスアンプモジュールSAM内のラッチ回路に接続される。ラッチ回路XDLには、例えば、メモリセルMCに書き込まれるユーザデータDat又はメモリセルMCから読み出されたユーザデータDatが保持される。
【0065】
キャッシュメモリCMには、例えば
図7に示す様に、カラムデコーダCOLDが接続される。カラムデコーダCOLDは、アドレスレジスタADR(
図4)に保持されたカラムアドレスCA(
図4)をデコードし、カラムアドレスCAに対応するラッチ回路XDLを選択する。
【0066】
尚、これら複数のラッチ回路XDLに保持されるユーザデータDatは、書込動作の際に、センスアンプモジュールSAM内のラッチ回路に順次転送される。また、センスアンプモジュールSAM内のラッチ回路に含まれるユーザデータDatは、読出動作の際に、ラッチ回路XDLに順次転送される。また、ラッチ回路XDLに含まれるユーザデータDatは、後述するデータアウトの際に、カラムデコーダCOLD及びマルチプレクサMPXを介して、入出力制御回路I/Oに順次転送される。
【0067】
[電圧生成回路VGの構成]
電圧生成回路VG(
図4)は、例えば
図5に示す様に、複数の電圧供給線31に接続されている。電圧生成回路VGは、例えば、レギュレータ等の降圧回路及びチャージポンプ回路32等の昇圧回路を含む。これら降圧回路及び昇圧回路は、それぞれ、電源電圧V
CC及び接地電圧V
SS(
図4)が供給される電圧供給線に接続されている。これらの電圧供給線は、例えば、
図1、
図2を参照して説明したパッド電極Pに接続されている。電圧生成回路VGは、例えば、シーケンサSQCからの制御信号に従って、メモリセルアレイMCAに対する読出動作、書込動作及び消去動作に際してビット線BL、ソース線SL、ワード線WL及び選択ゲート線(SGD、SGS、SGSb)に印加される複数通りの動作電圧を生成し、複数の電圧供給線31に同時に出力する。電圧供給線31から出力される動作電圧は、シーケンサSQCからの制御信号に従って適宜調整される。
【0068】
[シーケンサSQCの構成]
シーケンサSQC(
図4)は、コマンドレジスタCMRに保持されたコマンドデータCmdに従い、ロウデコーダRD0,RD1、センスアンプモジュールSAM0,SAM1、及び、電圧生成回路VGに内部制御号を出力する。また、シーケンサSQCは、メモリダイMDの状態を示すステータスデータSttを、適宜ステータスレジスタSTRに出力する。
【0069】
また、シーケンサSQCは、レディ/ビジー信号を生成し、端子RY//BYに出力する。端子RY//BYは、例えば、読出動作、書込動作、消去動作等、メモリセルアレイMCAに対して電圧を供給する動作、後述するゲットフィーチャ、セットフィーチャ等の実行中に“L”状態となり、それ以外の場合には“H”状態となる。尚、後述するデータアウト、ステータスリード等の動作を実行しても、端子RY//BYは“L”状態にはならない。端子RY//BYが“L”状態の期間(ビジー期間)では、メモリダイMDへのアクセスが基本的には禁止される。また、端子RY//BYが“H”状態の期間(レディ期間)においては、メモリダイMDへのアクセスが許可される。尚、端子RY//BYは、例えば、
図1、
図2を参照して説明したパッド電極Pによって実現される。
【0070】
また、シーケンサSQCは、フィーチャレジスタFRを備える。フィーチャレジスタFRは、フィーチャデータFdを保持するレジスタである。フィーチャデータFdは、例えば、メモリダイMDの制御パラメータ等を含む。フィーチャデータFdは、例えば、メモリダイMDを、後述する動作モードMODEa及び動作モードMODEbのうち、いずれのモードで動作させるかを示す値を含む。
【0071】
[アドレスレジスタADRの構成]
アドレスレジスタADRは、
図4に示す様に、入出力制御回路I/Oに接続され、入出力制御回路I/Oから入力されたアドレスデータAddを保持する。アドレスレジスタADRは、例えば、8ビットのレジスタ列を、複数備える。レジスタ列は、例えば、読出動作、書込動作又は消去動作等の内部動作が実行される際、実行中の動作に対応するアドレスデータAddと、次に実行される動作に対応するアドレスデータAddと、を含む複数のアドレスデータAddを保持する。
【0072】
アドレスデータAddは、例えば、カラムアドレスCA(
図4)及びロウアドレスRA(
図4)を含む。ロウアドレスRAは、例えば、メモリブロックBLK(
図5)を特定するブロックアドレスと、ストリングユニットSU及びワード線WLを特定するページアドレスと、メモリセルアレイMCA(プレーン)を特定するプレーンアドレスと、メモリダイMDを特定するチップアドレスと、を含む。
【0073】
尚、一のアドレスデータAddに対応する動作の実行中に、他のアドレスデータAddに対応する動作が指示されてしまうと、意図した動作が好適に実行されない場合がある。
【0074】
例えば、あるメモリダイMDにおいて、1つのプレーンからのデータアウトの実行中に、他のプレーン(異なるプレーンに対応するアドレスデータAdd)に対するデータアウトが指示された場合、最初のデータアウトが終了した後に、次のデータアウトを開始する様に、動作タイミングが調整される。
【0075】
これに対して、例えば、
図1及び
図2に示す様に複数のメモリダイMDを接続した構成において、あるメモリダイMDからのデータアウトの実行中に、他のメモリダイMD(異なるメモリダイに対応するアドレスデータAdd)に対するデータアウトが指示された場合、意図したアドレスに対応するユーザデータDatが好適に出力できない場合がある。
【0076】
後述の通り、ユーザデータDatの出力は、外部制御端子/RE,REの入力信号を切り替える(トグルする)ことによって指示される。
図1及び
図2に示す様に複数のメモリダイMDを接続した構成において、あるメモリダイMDからのデータアウトの実行中に、他のメモリダイMD(異なるメモリダイに対応するアドレスデータAdd)に対するデータアウトが指示された場合、両方のメモリダイMDが外部制御端子/RE,REにおける入力信号の切り替え(トグル)に対応して、データアウトを実行してしまうおそれがある。
【0077】
そこで、第1実施形態に係るメモリシステム10は、動作対象となるアドレスデータAddの切り替えが、トリガ信号の入力によって実行可能となる様に構成されている。例えば、
図1及び
図2に示す様に複数のメモリダイMDを接続した構成において、あるメモリダイMDからのデータアウトの実行中に、他のメモリダイMD(異なるメモリダイに対応するアドレスデータAdd)に対するデータアウトが指示された場合、後にデータアウトが指示されたメモリダイMDは、トリガ信号が入力されるまで、外部制御端子/RE,REにおける入力信号が切り替えられても(トグルされても)、データアウトを開始しない。そして、コントローラCDは、先にデータアウトを実行しているメモリダイMDからのデータアウトが終了したことを検出した後に、共通に接続された全てのメモリダイMDに、アドレスデータAddを切り替えるためのトリガ信号を入力し、その後で、外部制御端子/RE,REの入力信号を切り替える(トグルする)。先にデータアウトを実行していたメモリダイMDは、コントローラCDからトリガ信号が入力されても、反応しない。これに対して、後からデータアウトを指示されたメモリダイMDは、コントローラCDからトリガ信号が入力されることにより、外部制御端子/RE,REにおける入力信号の切り替え(トグル)に対応してデータアウトを実行可能となる。従って、先にデータアウトを実行していたメモリダイMDと、後からデータアウトを指示されたメモリダイMDとにおいて、動作が衝突することを可否できる。すなわち、トリガ信号は、メモリダイMDに対してデータアウトが開始可能になったことを指示するための信号として機能する。これにより、
図1及び
図2に示す様に複数のメモリダイMDを接続した構成において、複数のメモリダイMDからのデータアウトを連続的に実行可能となる。
【0078】
また、本実施形態に係るメモリシステム10においては、
図2を参照して説明したチップアドレス設定端子CADDによって、チップアドレスを規定することが可能である。以下、この様なチップアドレスを、「ハードチップアドレス」と呼ぶ場合がある。ハードチップアドレスは、メモリパッケージPKG0,PKG1にそれぞれ含まれる8個のメモリダイMDに対応して、8通り付与される。例えば、
図2の例では、メモリダイMD0~MD7に、それぞれ、ハードチップアドレスとして、“0,0,0”、“0,1,1”、“0,0,1”、“0,1,0”、“1,0,1”、“1,0,0”、“1,1,0”、“1,1,1”が割り振られている。
【0079】
例えば、メモリパッケージPKG0,PKG1に含まれる16個のメモリダイMDを一つずつ動作させる場合には、外部制御端子/CE0,/CE1の一方に“L”を入力し、他方に“H”を入力することが考えられる。しかしながら、例えば、メモリパッケージPKG0中のメモリダイMD0に対するデータアウト動作の実行中に、メモリパッケージPKG1のメモリダイMD1にデータアウトが指示された場合、外部制御端子/CE0,/CE1の双方が“L”状態となってしまう。また、メモリパッケージPKG0中のメモリダイMD1、及び、メモリパッケージPKG1中のメモリダイMD1は、どちらもハードチップアドレスとして“0,1,1”を備えている。従って、メモリパッケージPKG0,PKG1中の2つのメモリダイMD1にデータアウトが指示されてしまい、意図したアドレスに対応するユーザデータDatが好適に出力できない場合がある。
【0080】
そこで、本実施形態に係るメモリシステム10は、上述したハードチップアドレスに加え、2種類目のチップアドレスによってメモリダイMDが特定可能となるように構成されている。以下、この様な2種類目のチップアドレスを、ソフトチップアドレスと呼ぶ場合がある。
【0081】
ソフトチップアドレスは、コントローラCD(
図1)によって付与されるチップアドレスである。ソフトチップアドレスは、メモリパッケージPKG0,PKG1に含まれる計16個のメモリダイMDに対応して、16通り付与される。ソフトチップアドレスは、例えば、フィーチャデータFd(
図4)としてフィーチャレジスタFR(
図4)に格納されていても良い。
【0082】
[コマンドレジスタCMRの構成]
コマンドレジスタCMRは、入出力制御回路I/Oに接続され、入出力制御回路I/Oから入力されたコマンドデータCmdを保持する。コマンドレジスタCMRは、例えば、8ビットのレジスタ列を、少なくとも1セット備える。コマンドレジスタCMRにコマンドデータCmdが保持されると、シーケンサSQCに制御信号が入力される。
【0083】
[ステータスレジスタSTRの構成]
ステータスレジスタSTRは、入出力制御回路I/Oに接続され、入出力制御回路I/Oへ出力するステータスデータSttを保持する。ステータスレジスタSTRは、例えば、8ビットのレジスタ列を、複数備える。レジスタ列は、例えば、読出動作、書込動作又は消去動作等の内部動作が実行される際、実行中の内部動作に関するステータスデータSttを保持する。また、レジスタ列は、例えば、メモリセルアレイMCA0,MCA1のレディ/ビジー情報を保持する。
【0084】
[データ出力タイミング調整部TCTの構成]
データ出力タイミング調整部TCTは、キャッシュメモリCM0,CM1と入出力制御回路I/Oとの間のバス配線DBに接続される。データ出力タイミング調整部TCTは、例えば、キャッシュメモリCM0,CM1に対して後述するデータアウトを連続して実行する場合等に、キャッシュメモリCM0のデータアウトの完了後、時間を空けずにキャッシュメモリCM1のデータアウトを開始するために、キャッシュメモリCM1に対するデータアウトの開始タイミングを調整する。
【0085】
[入出力制御回路I/Oの構成]
入出力制御回路I/O(
図4)は、データ信号入出力端子DQ0~DQ7と、データストローブ信号入出力端子DQS,/DQSと、シフトレジスタと、バッファ回路と、を備える。入出力制御回路I/O(
図4)中の各回路は、電源電圧V
CCQ及び接地電圧V
SS(
図4)が供給される端子に接続される。尚、電源電圧V
CCQ及び接地電圧V
SSが供給される端子は、例えば、
図1、
図2を参照して説明したパッド電極Pによって実現される。
【0086】
データ信号入出力端子DQ0~DQ7、及び、データストローブ信号入出力端子DQS,/DQSの各々は、例えば、
図1、
図2を参照して説明したパッド電極Pによって実現される。データ信号入出力端子DQ0~DQ7を介して入力されたデータは、論理回路CTRからの内部制御信号に応じて、バッファ回路から、キャッシュメモリCM、アドレスレジスタADR、コマンドレジスタCMR又はフィーチャレジスタFRに入力される。また、データ信号入出力端子DQ0~DQ7を介して出力されるデータは、論理回路CTRからの内部制御信号に応じて、キャッシュメモリCM、ステータスレジスタSTR又はフィーチャレジスタFRからバッファ回路に入力される。
【0087】
データストローブ信号入出力端子DQS,/DQSを介して入力された信号(例えば、データストローブ信号及びその相補信号)は、データ信号入出力端子DQ0~DQ7を介したデータの入力に際して用いられる。データ信号入出力端子DQ0~DQ7を介して入力されたデータは、データストローブ信号入出力端子DQSの電圧の立ち上がりエッジ(入力信号の切り換え)及びデータストローブ信号入出力端子/DQSの電圧の立ち下がりエッジ(入力信号の切り換え)のタイミング、並びに、データストローブ信号入出力端子DQSの電圧の立ち下がりエッジ(入力信号の切り換え)及びデータストローブ信号入出力端子/DQSの電圧の立ち上がりエッジ(入力信号の切り換え)のタイミングで、入出力制御回路I/O内のシフトレジスタ内に取り込まれる。
【0088】
入出力制御回路I/O(
図4)は、例えば
図8に示す様に、データ信号入出力端子DQ0~DQ7、及び、データストローブ信号入出力端子DQS,/DQSの各々に接続された入力回路201及び出力回路202を備える。入力回路201は、例えば、コンパレータ等のレシーバである。出力回路202は、例えば、OCD(Off Chip Driver)回路等のドライバである。
【0089】
[論理回路CTRの構成]
論理回路CTR(
図4)は、複数の外部制御端子/CE,CLE,ALE,/WE,/RE,RE,/WPと、これら複数の外部制御端子/CE,CLE,ALE,/WE,/RE,RE,/WPに接続された論理回路と、を備える。論理回路CTRには、外部制御端子/CE,CLE,ALE,/WE,/RE,RE,/WPを介してコントローラCDから外部制御信号が入力され、これに応じて入出力制御回路I/Oに内部制御信号を出力する。
【0090】
論理回路CTRは、例えば
図8に示す様に、外部制御端子/CE,CLE,ALE,/WE,/RE,RE,/WPの各々に接続された入力回路201と、外部制御端子CLE,ALEの各々に接続された出力回路202と、を備える。尚、外部制御端子/CE,CLE,ALE,/WE,/RE,RE,/WPの各々は、例えば、
図1、
図2を参照して説明したパッド電極Pによって実現される。
【0091】
外部制御端子/CEを介して入力された信号(例えば、チップイネーブル信号)は、メモリダイMDの選択に際して用いられる。第1実施形態においては、外部制御端子/CEに“L”が入力されたメモリダイMDは、ユーザデータDat、コマンドデータCmd及びアドレスデータAdd(以下、単に「データ」と呼ぶ場合がある。)の入出力が可能な状態となる。また、第1実施形態においては、外部制御端子/CEに“H”が入力されたメモリダイMDは、データの入出力が不可能な状態となる。尚、
図8に示す様に、外部制御端子/CEは、入力回路201に接続されている。
【0092】
外部制御端子CLEを介して入力された信号(例えば、コマンドラッチイネーブル信号)は、コマンドレジスタCMRの使用等に際して用いられる。外部制御端子CLEの機能等については、後述する。
【0093】
外部制御端子ALEを介して入力された信号(例えば、アドレスラッチイネーブル信号)は、アドレスレジスタADRの使用等に際して用いられる。外部制御端子ALEの機能等については、後述する。
【0094】
外部制御端子/WEを介して入力された信号(例えば、ライトイネーブル信号)は、コントローラCDからメモリダイMDへのデータの入力等に際して用いられる。外部制御端子/WEの機能等については、後述する。
【0095】
外部制御端子/RE,REを介して入力された信号(例えば、リードイネーブル信号及びその相補信号)は、データ信号入出力端子DQ0~DQ7を介したデータの出力に際して用いられる。データ信号入出力端子DQ0~DQ7から出力されるデータは、外部制御端子/REの電圧の立ち下がりエッジ(入力信号の切り換え)及び外部制御端子REの電圧の立ち上がりエッジ(入力信号の切り換え)のタイミング、並びに、外部制御端子/REの電圧の立ち上がりエッジ(入力信号の切り換え)及び外部制御端子REの電圧の立ち下がりエッジ(入力信号の切り換え)のタイミングで切り替わる。
【0096】
外部制御端子/WPを介して入力された信号(例えば、ライトプロテクト信号)は、コントローラCDからメモリダイMDへのユーザデータDatの入力の制限等に用いられる。
【0097】
また、論理回路CTRは、例えば
図4に示す様に、切替回路C20を備える。切替回路C20は、当該メモリダイMDにおいて、1つのプレーンからのデータアウトの実行中に、他のプレーン(異なるプレーンに対応するアドレスデータAdd)に対するデータアウトが指示された場合、最初のデータアウトが終了した後に、次のデータアウトを開始する様に、動作タイミングを調整する。また、切替回路C20は、
図1及び
図2に示す様に複数のメモリダイMDを接続した構成において、他のメモリダイMDからのデータアウトの実行中に、当該メモリダイMD(異なるメモリダイに対応するアドレスデータAdd)に対するデータアウトが指示された場合、コントローラCDからトリガ信号が入力されるまでは、外部制御端子/RE,REにおける入力信号が切り替えされても(トグルされても)データアウトを開始しないよう制御する。
【0098】
[動作モードMODEa及び動作モードMODEb]
本実施形態に係るメモリシステム10は、動作モードMODEa及び動作モードMODEbで動作させることが可能である。以下、
図9~
図22を参照し、動作モードMODEa及び動作モードMODEbについて説明する。
【0099】
[各モードにおける外部端子の役割]
図9は、動作モードMODEaにおける信号入出力端子及び外部制御端子の役割について説明するための模式的な図である。
図10は、動作モードMODEbにおける信号入出力端子及び外部制御端子の役割について説明するための模式的な図である。尚、以下の説明においては、データ信号入出力端子DQ0~DQ7を、データ信号入出力端子DQ<7:0>と表記することがある。
【0100】
動作モードMODEaにおいては、例えば
図9に示す様に、データ信号入出力端子DQ<7:0>を、ユーザデータDatの入出力に加えて、コマンドデータCmd、アドレスデータAdd、ステータスデータStt、フィーチャデータFd等、ユーザデータDat以外のデータの入出力に使用する。以下、ステータスデータStt及びフィーチャデータFdを、「補助データ」と呼ぶ場合がある。
【0101】
一方、動作モードMODEbにおいては、例えば
図10に示す様に、データ信号入出力端子DQ<7:0>を、ユーザデータDatの入出力に使用するものの、コマンドデータCmd、アドレスデータAdd、補助データ(ステータスデータStt及びフィーチャデータFd)等、ユーザデータDat以外のデータの入出力には、基本的には使用しない。動作モードMODEbにおいては、外部制御端子CLE,ALEを、ユーザデータDat以外のデータの入出力に使用する。
【0102】
[動作モードMODEaにおける外部端子の役割]
図11は、動作モードMODEaにおける外部端子の役割を説明するための真理値表である。尚、
図11において、“Z”は、“H”及び“L”いずれが入力されても良い場合を示す。“X”は、入力される信号が“H”又は“L”に固定される場合を示す。“Input”は、データの入力を行う場合を示す。“Output”は、データの出力を行う場合を示す。
【0103】
動作モードMODEaにおいてコマンドデータCmdを入力する場合、コントローラCDは、例えば、データ信号入出力端子DQ<7:0>の電圧を、8ビットのコマンドデータCmdの各ビットに応じて“H”又は“L”に設定し、外部制御端子CLEに“H”を入力し、外部制御端子ALEに“L”を入力した状態で、外部制御端子/WEの電圧を“L”から“H”に立ち上げる。
【0104】
外部制御端子CLE,ALEに“H,L”が入力されている場合、データ信号入出力端子DQ<7:0>を介して入力されたデータは、コマンドデータCmdとして入出力制御回路I/O内のバッファメモリに保持され、コマンドレジスタCMR(
図4)に転送される。
【0105】
また、アドレスデータAddを入力する場合、コントローラCDは、例えば、データ信号入出力端子DQ<7:0>の電圧を、アドレスデータAddを構成する8ビットのデータの各ビットに応じて“H”又は“L”に設定し、外部制御端子CLEに“L”を入力し、外部制御端子ALEに“H”を入力した状態で、外部制御端子/WEの電圧を“L”から“H”に立ち上げる。
【0106】
外部制御端子CLE,ALEに“L,H”が入力されている場合、データ信号入出力端子DQ<7:0>を介して入力されたデータは、アドレスデータAddとして入出力制御回路I/O内のバッファメモリに保持され、アドレスレジスタADR(
図4)に転送される。
【0107】
また、ユーザデータDatを入力する場合、コントローラCDは、例えば、データ信号入出力端子DQ<7:0>の電圧を、ユーザデータDatを構成する8ビットのデータの各ビットに応じて“H”又は“L”に設定し、外部制御端子CLEに“L”を入力し、外部制御端子ALEに“L”を入力した状態で、データストローブ信号入出力端子DQS,/DQSの入力信号を切り替える(トグルする)。
【0108】
外部制御端子CLE,ALEの双方に“L”が入力されている場合、データ信号入出力端子DQ<7:0>を介して入力されたデータは、ユーザデータDatとして入出力制御回路I/O内のバッファメモリに保持され、バスDBを介してキャッシュメモリCM(
図4)に転送される。
【0109】
また、ユーザデータDat、ステータスデータStt又はフィーチャデータFdを出力する場合、コントローラCDは、例えば、外部制御端子/RE,REの入力信号を切り替える(トグルする)。これに伴い、データ信号入出力端子DQ0~DQ7に、出力されるユーザデータDat、ステータスデータStt又はフィーチャデータFdのうちの8ビットが出力される。また、データストローブ信号入出力端子DQS,/DQSの出力信号が切り替わる。
【0110】
また、メモリダイMDをスタンバイ状態とする場合、コントローラCDは、例えば、外部制御端子/CEに“H”を入力する。
【0111】
また、メモリダイMDをバスアイドル状態とする場合、コントローラCDは、例えば、外部制御端子/WEに“H”を入力する。
【0112】
[動作モードMODEbにおける外部端子の役割]
図12及び
図13は、動作モードMODEbにおける外部端子の役割を説明するための真理値表である。尚、
図12及び
図13において、“Z”は、“H”及び“L”いずれが入力されても良い場合を示す。“X”は、入力される信号が“H”又は“L”に固定される場合を示す。“Input”は、データの入力を行う場合を示す。“Output”は、データの出力を行う場合を示す。
【0113】
上述の通り、動作モードMODEbにおいては、外部制御端子CLE,ALEを、コマンドデータCmd、アドレスデータAdd、ステータスデータStt、フィーチャデータFd等の入出力に使用する。ここで、
図15等を参照して後述する様に、動作モードMODEbにおいては、これらのデータの入出力等に先立って、入力されるデータ又は出力されるデータの種類等を指定する信号を入力する。以下、この様な信号を、入出力データ選択信号と呼ぶ。動作モードMODEbにおいて、入出力データ選択信号をヘッダと呼び、入出力データ選択信号に続いて入出力されるコマンドデータCmd、アドレスデータAdd、ステータスデータStt、フィーチャデータFd等をボディと呼んでも良い。また、1つのヘッダ及び1つのボディの組み合わせを、フレームと呼んでも良い。
【0114】
図12は、入出力データ選択信号が入力される期間FSel(
図15)における外部制御端子の役割を示している。
【0115】
期間FSelにおいて、ユーザデータDat以外のデータを出力する旨の入出力データ選択信号を入力する場合、コントローラCDは、例えば、外部制御端子CLEに“L”を入力し、外部制御端子ALEに“L”を入力した状態で、外部制御端子/WEの電圧を“L”から“H”に立ち上げる。
【0116】
ユーザデータDat以外のデータとしては、例えば、上述した補助データ等が挙げられる。
【0117】
期間FSelにおいて、外部制御端子CLEに“L”、外部制御端子ALEに“L”が入力された場合、この期間FSel直後の期間S_Inに出力されるデータは、これよりも前に入力されていたコマンドデータCmdに応じて選択され、入出力制御回路I/Oから出力される。
【0118】
期間FSelにおいて、アドレスデータAddを入力する旨の入出力データ選択信号を入力する場合、コントローラCDは、例えば、外部制御端子CLEに“L”を入力し、外部制御端子ALEに“H”を入力した状態で、外部制御端子/WEの電圧を“L”から“H”に立ち上げる。
【0119】
期間FSelにおいて、外部制御端子CLEに“L”、外部制御端子ALEに“H”が入力された場合、この期間FSel直後の期間S_Inに入力されるデータは、アドレスデータAddとして入出力制御回路I/O内のバッファメモリに保持され、アドレスレジスタADR(
図4)に転送される。
【0120】
期間FSelにおいて、コマンドデータCmdを入力する旨の入出力データ選択信号を入力する場合、コントローラCDは、例えば、外部制御端子CLEに“H”を入力し、外部制御端子ALEに“L”を入力した状態で、外部制御端子/WEの電圧を“L”から“H”に立ち上げる。
【0121】
期間FSelにおいて、外部制御端子CLEに“H”、外部制御端子ALEに“L”が入力された場合、この期間FSel直後の期間S_Inに入力されるデータは、コマンドデータCmdとして入出力制御回路I/O内のバッファメモリに保持され、コマンドレジスタCMR(
図4)に転送される。
【0122】
期間FSelにおいて、データアウトが開始可能になったことを指示するためのトリガ信号を入力する旨の入出力データ選択信号を入力する場合、コントローラCDは、例えば、外部制御端子CLEに“H”を入力し、外部制御端子ALEに“H”を入力した状態で、外部制御端子/WEの電圧を“L”から“H”に立ち上げる。
【0123】
期間FSelにおいて、外部制御端子CLEに“H”、外部制御端子ALEに“H”が入力された場合、動作対象のアドレスデータが切り替わる。
【0124】
図13は、ユーザデータDat以外のデータが入力される期間S_In、又は、ユーザデータDat以外のデータが出力される期間S_Outにおける外部制御端子の役割を示している。
【0125】
期間S_InにおいてユーザデータDat以外のデータを入力する場合、コントローラCDは、例えば、外部制御端子CLE,ALEの電圧を、ユーザデータDat以外のデータを構成する2ビットのデータの各ビットに応じて“H”又は“L”に設定し、外部制御端子/WEの電圧を“L”から“H”に立ち上げる。
【0126】
期間S_OutにおいてユーザデータDat以外のデータを出力する場合、コントローラCDは、例えば、外部制御端子/WEの入力信号を立ち下げる。これに伴い、外部制御端子CLE,ALEから、ユーザデータDat以外のデータを構成する2ビットのデータが出力される。
【0127】
期間S_In,S_OutにおいてメモリダイMDをスタンバイ状態とする場合、コントローラCDは、例えば、外部制御端子/CEに“H”を入力する。
【0128】
期間S_In,S_OutにおいてメモリダイMDをバスアイドル状態とする場合、コントローラCDは、例えば、外部制御端子/WEに“H”を入力する。
【0129】
尚、動作モードMODEbにおいてユーザデータDatを入力する場合、コントローラCDは、例えば、データ信号入出力端子DQ<7:0>の電圧を、ユーザデータDatを構成する8ビットのデータの各ビットに応じて“H”又は“L”に設定し、外部制御端子/RE,REに“H,L”を入力した状態で、データストローブ信号入出力端子DQS,/DQSの入力信号を切り替える。この動作は、期間FSelにおいても、期間S_In,S_Outにおいても、実行可能である。
【0130】
動作モードMODEbにおいて、データ信号入出力端子DQ<7:0>を介して入力されたデータは、ユーザデータDatとして入出力制御回路I/O内のバッファメモリに保持され、バスDBを介してキャッシュメモリCMに転送される。
【0131】
また、動作モードMODEbにおいてユーザデータDatを出力する場合、コントローラCDは、例えば、外部制御端子/RE,REの入力信号を切り替える(トグルする)。これに伴い、データ信号入出力端子DQ0~DQ7に、出力されるユーザデータDat又はステータスデータSttのうちの8ビットが出力される。また、データストローブ信号入出力端子DQS,/DQSの出力信号が切り替わる。この動作は、期間FSelにおいても、期間S_In,S_Outにおいても、実行可能である。
【0132】
[各モードにおける信号入出力の例]
図14及び
図15は、第1実施形態に係るメモリダイMDの動作について説明するための模式的な波形図である。
【0133】
図14は、動作モードMODEaにおいてコマンドデータCmd及びアドレスデータAddを入力する際の波形を示している。
図14の例では、タイミングt101において、コントローラCDがメモリダイMDに、コマンドデータCmdを入力している。また、タイミングt102において、コントローラCDはメモリダイMDに、アドレスデータAddを入力している。尚、図示の例では、タイミングt102~t103において、アドレスデータAddを構成する8ビット×5サイクルのデータが入力されているが、サイクル数は5より少なくても多くても良い。また、タイミングt103において、コントローラCDはメモリダイMDに、コマンドデータCmdを入力している。また、タイミングt104において、外部制御端子/WEに入力される信号の立ち上がりエッジに対応してコマンドデータCmdが受け付けられる。これにより、読出動作等の動作が開始され、端子RY//BYの電圧が“H”から“L”に立ち下がっている。なお、コマンドデータCmdが受け付けられてから端子RY//BYの電圧が“H”から“L”に立ち下がるまでに、若干の遅れがある場合がある。
【0134】
図15は、動作モードMODEbにおいてコマンドデータCmd及びアドレスデータAddを入力する際の波形を示している。
図15の例では、外部制御端子/WEに、略一定のペースで“L”及び“H”が入力されている。また、外部制御端子/WEの入力信号が一度立ち下がってからもう一度立ち下がるまでの期間を1サイクルとした場合、
図15には、1フレームが、1サイクルの期間FSelに入力された2ビットのデータと、4サイクルの期間S_Inに入力された8ビットのデータと、を含む例を示している。
【0135】
図15の例では、タイミングt151~t152の期間FSelにおいて、コントローラCDがメモリダイMDに、コマンドデータCmdの入力を指定する入出力データ選択信号を入力している。
【0136】
また、タイミングt152~t153の期間S_Inにおいて、コントローラCDはメモリダイMDに、コマンドデータCmdを入力している。
【0137】
ここで、
図15の例では、期間S_Inにおいて、コントローラCDがメモリダイMDに、8ビットのコマンドデータCmdを、4サイクルに分けて2ビットずつ入力している。例えば、8ビットのコマンドデータCmdを、ビット“7”~“0”とする。まず、1サイクル目のデータ入力では、ビット“7”,“6”に応じて、外部制御端子CLE,ALEの電圧を“H”又は“L”に設定した状態で、外部制御端子/WEの電圧を“L”から“H”に立ち上げる。2サイクル目~4サイクル目のデータ入力でも同様に、ビット“5”,“4”、ビット“3”,“2”、及び、ビット“1”,“0”、に応じて、それぞれ外部制御端子CLE,ALEの電圧を“H”又は“L”に設定した状態で、外部制御端子/WEの電圧を“L”から“H”に立ち上げる。
【0138】
また、タイミングt153~t154の期間FSelにおいて、コントローラCDはメモリダイMDに、アドレスデータAddの入力を指定する入出力データ選択信号を入力している。
【0139】
また、タイミングt154~t155の期間S_Inにおいて、コントローラCDはメモリダイMDに、アドレスデータAddを入力している。
【0140】
ここで、
図15の例では、期間S_Inにおいて、コントローラCDがメモリダイMDに、アドレスデータAddを構成する8ビットのデータを、4サイクルに分けて2ビットずつ入力している。
【0141】
尚、図示を省略しているが、タイミングt155~t156においても同様に、アドレスデータAddを構成するデータを、2ビットずつ入力している。
【0142】
また、タイミングt156~t157の期間FSelにおいて、タイミングt151~t152と同様に、コマンドデータCmdの入力を指定する入出力データ選択信号を入力している。
【0143】
また、タイミングt157~t158の期間S_Inにおいて、コントローラCDはメモリダイMDに、コマンドデータCmdを入力している。また、タイミングt158より少し前であって、外部制御端子/WEに入力される信号の立ち上がりエッジのタイミングにおいては、読出動作等の動作が開始され、端子RY//BYの電圧が“H”から“L”に立ち下がっている。
【0144】
[動作]
次に、メモリダイMDの動作について説明する。
【0145】
メモリダイMDは、読出動作を実行可能に構成されている。読出動作は、センスアンプモジュールSAM(
図4)によってメモリセルアレイMCAからユーザデータDatを読み出し、読み出したユーザデータDatをラッチ回路XDL(
図4)に転送する動作である。読出動作において、メモリセルアレイMCAから読み出されたユーザデータDatは、ビット線BL、センスアンプモジュールSAMを介してラッチ回路XDLに転送される。
【0146】
また、メモリダイMDは、データアウトを実行可能に構成されている。データアウトは、ラッチ回路XDL(
図4)に含まれるユーザデータDatをコントローラCD(
図1)に出力する動作である。データアウトにおいて、ラッチ回路XDLに含まれるユーザデータDatは、
図7を参照して説明したカラムデコーダCOLD、マルチプレクサMPX、バス配線DB、及び、入出力制御回路I/Oを介して、コントローラCDに出力される。
【0147】
また、メモリダイMDは、ステータスリード(ステータス情報出力動作)を実行可能に構成されている。ステータスリードは、ステータスレジスタSTR(
図4)に含まれるステータスデータSttをコントローラCD(
図1)に出力する動作である。ステータスリードにおいて、ステータスレジスタSTRに含まれるステータスデータSttは、入出力制御回路I/O又は論理回路CTRを介して、コントローラCDに出力される。
【0148】
また、メモリダイMDは、ゲットフィーチャ(特性情報出力動作)を実行可能に構成されている。ゲットフィーチャは、フィーチャレジスタFR(
図4)に含まれるフィーチャデータFdをコントローラCD(
図1)に出力する動作である。ゲットフィーチャにおいて、フィーチャレジスタFRに含まれるフィーチャデータFdは、入出力制御回路I/O又は論理回路CTRを介して、コントローラCDに出力される。
【0149】
また、メモリダイMDは、セットフィーチャを実行可能に構成されている。セットフィーチャは、フィーチャレジスタFR(
図4)にフィーチャデータFdを入力する動作である。セットフィーチャにおいては、入出力制御回路I/O又は論理回路CTRを介して、コントローラCDからフィーチャレジスタFRに、フィーチャデータFdが入力される。
【0150】
[動作モードMODEaにおける読出動作及びデータアウト]
図16は、動作モードMODEaにおいて読出動作及びデータアウトを実行する場合の様子を示す模式的な波形図である。
図16の例では、メモリダイMDが動作モードMODEaに設定されている。
【0151】
図16の例では、まず、コマンドデータ“00h”、アドレスデータAdd、及び、コマンドデータ“30h”が、データ信号入出力端子DQ<7:0>を介して順次入力されている。コマンドデータ“00h”は、読出動作を指示するコマンドセットの始めに入力するコマンドデータCmdである。コマンドデータ“30h”は、読出動作を指示するコマンドセットの終わりに入力するコマンドデータCmdである。
【0152】
コマンドデータ“00h”、アドレスデータAdd、及び、コマンドデータ“30h”の入力に伴い、読出動作が開始され、端子RY//BYの電圧が“H”から“L”に立ち下がっている。また、ユーザデータDatがラッチ回路XDLに転送される。また、読出動作が終了したタイミングで、端子RY//BYの電圧が“L”から“H”に立ち上がっている。
【0153】
次に、コマンドデータ“05h”、アドレスデータAdd、及び、コマンドデータ“E0h”が、データ信号入出力端子DQ<7:0>を介して順次入力されている。コマンドデータ“05h”は、データアウトを指示するコマンドセットの始めに入力するコマンドデータCmdである。コマンドデータ“E0h”は、データアウトを指示するコマンドセットの終わりに入力するコマンドデータCmdである。
【0154】
コマンドデータ“05h”、アドレスデータAdd、及び、コマンドデータ“E0h”が入力されてから所定の待機時間後、コントローラCDが外部制御端子/RE,REの入力信号を切り替える(トグルする)。これにより、データアウトが開始され、ユーザデータDatがデータ信号入出力端子DQを介して出力されている。
【0155】
図17は、動作モードMODEaにおいて読出動作及びデータアウトを実行する場合の他の様子を示す模式的な波形図である。
図17の例では、メモリダイMDが動作モードMODEaに設定されている。
【0156】
図17の例では、まず、コマンドデータ“00h”、アドレスデータAdd、及び、コマンドデータ“30h”が、データ信号入出力端子DQ<7:0>を介して順次入力されている。このコマンドセットに含まれるアドレスデータAddは、上記プレーンアドレスとして、読出動作の対象となるプレーンPLN0(
図4)の情報を含む。
【0157】
コマンドデータ“00h”、アドレスデータAdd、及び、コマンドデータ“30h”の入力に伴い、プレーンPLN0に対して読出動作が開始され、ユーザデータDatがラッチ回路XDL0に転送される。
【0158】
次に、コマンドデータ“00h”、アドレスデータAdd、及び、コマンドデータ“30h”が、データ信号入出力端子DQ<7:0>を介して順次入力されている。このコマンドセットに含まれるアドレスデータAddは、上記プレーンアドレスとして、読出動作の対象となるプレーンPLN1(
図4)の情報を含む。
【0159】
コマンドデータ“00h”、アドレスデータAdd、及び、コマンドデータ“30h”の入力に伴い、プレーンPLN1に対して読出動作が開始され、ユーザデータDatがラッチ回路XDL1に転送される。
【0160】
次に、コマンドデータ“70h”が、データ信号入出力端子DQ<7:0>を介して入力されている。コマンドデータ“70h”は、ステータスリードを指示するコマンドデータCmdである。コマンドデータ“70h”の入力に伴い、ステータスリードが行われ、ステータスデータSttがデータ信号入出力端子DQ<7:0>を介して出力される。
【0161】
次に、コマンドデータ“05h”、アドレスデータAdd、及び、コマンドデータ“E0h”が、データ信号入出力端子DQ<7:0>を介して順次入力されている。このコマンドセットに含まれるアドレスデータAddは、上記プレーンアドレスとして、データアウトの対象となるプレーンPLN0(
図4)の情報を含む。
【0162】
コマンドデータ“05h”、アドレスデータAdd、及び、コマンドデータ“E0h”が入力されてから所定の待機時間後、コントローラCDが外部制御端子/RE,REの入力信号を切り替える(トグルする)。これにより、プレーンPLN0に対してデータアウトが開始され、ユーザデータ“DataOut”がデータ信号入出力端子DQ<7:0>を介して出力される。
【0163】
プレーンPLN0に対するデータアウトの終了後、コマンドデータ“70h”が、データ信号入出力端子DQ<7:0>を介して入力されている。コマンドデータ“70h”の入力に伴い、再度ステータスリードが行われ、ステータスデータSttがデータ信号入出力端子DQ<7:0>を介して出力される。
【0164】
次に、PLN0に対するデータアウトと同様に、コマンドデータ“05h”、アドレスデータAdd、及び、コマンドデータ“E0h”が、データ信号入出力端子DQ<7:0>を介して順次入力されている。このコマンドセットに含まれるアドレスデータAddは、上記プレーンアドレスとして、データアウトの対象となるプレーンPLN1(
図4)の情報を含む。
【0165】
所定の時間の経過後、コントローラCDが外部制御端子/RE,REの入力信号を切り替える(トグルする)。これにより、プレーンPLN1に対してデータアウトが開始され、ユーザデータ“DataOut”がデータ信号入出力端子DQ<7:0>を介して出力される。
【0166】
[動作モードMODEbにおける読出動作及びデータアウト]
図18は、動作モードMODEbにおいて読出動作及びデータアウトを実行する場合の様子を示す模式的な波形図である。
図18の例では、メモリダイMDが動作モードMODEbに設定されている。
【0167】
図18の例では、まず、コマンドデータ“00h”を含むコマンドセットが、外部制御端子CLE,ALEを介して入力されている。次に、コマンドデータ“05h”を含むコマンドセットが、外部制御端子CLE,ALEを介して入力されている。尚、動作モードMODEbにおいては、データ信号入出力端子DQ<7:0>を介したデータの入出力と、外部制御端子CLE,ALEを介したデータの入出力とを、独立したタイミングで実行可能である。例えば、
図18の例では、これらのコマンドセットの入力が、データアウトの実行中に(外部制御端子/RE,REの入力信号がトグルする期間中に)行われている。
【0168】
図19は、動作モードMODEbにおいて読出動作及びデータアウトを実行する場合の他の様子を示す模式的な波形図である。
図19の例では、メモリダイMDが動作モードMODEbに設定されている。
【0169】
図19の例では、まず、コマンドデータ“00h”、アドレスデータAdd、及び、コマンドデータ“30h”が、外部制御端子CLE,ALEを介して順次入力されている。このコマンドセットに含まれるアドレスデータAddは、上記プレーンアドレスとして、読出動作の対象となるプレーンPLN0(
図4)の情報を含む。
【0170】
次に、コマンドデータ“00h”、アドレスデータAdd、及び、コマンドデータ“30h”が、外部制御端子CLE,ALEを介して順次入力されている。このコマンドセットに含まれるアドレスデータAddは、上記プレーンアドレスとして、読出動作の対象となるプレーンPLN1(
図4)の情報を含む。
【0171】
次に、コマンドデータ“70h”が、外部制御端子CLE,ALEを介して入力されている。コマンドデータ“70h”の入力に伴い、ステータスリードが行われ、ステータスデータSttが外部制御端子CLE,ALEを介して出力される。
【0172】
次に、コマンドデータ“05h”、アドレスデータAdd、及び、コマンドデータ“E0h”が、外部制御端子CLE,ALEを介して順次入力されている。このアドレスデータAddは、上記プレーンアドレスとして、データアウトの対象となるプレーンPLN0(
図4)の情報を含む。
【0173】
所定の待機時間後、プレーンPLN0に対してデータアウトが開始され、ユーザデータ“DataOut”がデータ信号入出力端子DQ<7:0>を介して出力される。
【0174】
また、
図19の例では、プレーンPLN0に対するデータアウトが行われている間に、コマンドデータ“70h”が、外部制御端子CLE,ALEを介して入力されている。コマンドデータ“70h”の入力に伴い、ステータスリードが行われる。図示の例では、プレーンPLN0に対するデータアウトの実行中に、ステータスデータSttが、外部制御端子CLE,ALEを介して出力されている。
【0175】
また、
図19の例では、プレーンPLN0に対するデータアウトが行われている間に、コマンドデータ“05h”、アドレスデータAdd、及び、コマンドデータ“E0h”が、外部制御端子CLE,ALEを介して順次入力されている。このアドレスデータAddは、上記プレーンアドレスとして、データアウトの対象となるプレーンPLN1(
図4)のアドレス等を含む。
【0176】
ここで、動作モードMODEbにおいては、動作モードMODEaと異なり、データ出力タイミング調整部TCT(
図4)が、プレーンPLN1に対するデータアウトの開始のタイミングを調整する。プレーンPLN0に対するデータアウトの終了後、データ出力タイミング調整部TCTが発する内部信号に応じて、プレーンPLN1に対してデータアウトが開始され、ユーザデータ“DataOut”がデータ信号入出力端子DQ<7:0>を介して出力される。
【0177】
図20は、動作モードMODEbにおいて読出動作及びデータアウトを実行する場合の他の様子を示す模式的な波形図である。
図20の例では、メモリダイMDが動作モードMODEbに設定されている。ここでは、
図1及び
図2に示す様な複数のメモリダイMDにそれぞれ読出動作及びデータアウトが実行される場合を例にあげて説明する。
【0178】
上述の通り、第1実施形態に係る半導体記憶装置としてのメモリダイMDは、データアウトを指示された後、コントローラCDからトリガ信号が入力されることによって、外部制御端子/RE,REにおける入力信号の切り替え(トグル)に対応してデータアウトを実行可能となる様に構成されている。例えば、
図20の例では、メモリダイMD0に対するデータアウトの実行中に、メモリダイMD1に対するデータアウトが指示されている。この時点では、メモリダイMD0は、外部制御端子/RE,REにおける入力信号の切り替え(トグル)に対してデータアウトを実行している。これに対して、メモリダイMD1はデータアウトを指示された後、コントローラCDからトリガ信号が入力されるまでは、外部制御端子/RE,REにおける入力信号が切り替えられても(トグルされても)データアウトを開始しない。従って、共通に接続されているメモリダイMD0及びメモリダイMD1においてデータアウトが衝突することが回避されている。コントローラCDは、メモリダイMD0からのデータアウトが終了したことを検出した後に、共通に接続されているメモリダイMD0及びメモリダイMD1に、トリガ信号を入力している。即ち、
図12を参照して説明した様に、外部制御端子CLEに“H”、外部制御端子ALEに“H”を入力した状態で、外部制御端子/WEの電圧を“L”から“H”に立ち上げている。これに伴い、
図20に示す様に、メモリダイMD1からのデータアウトが開始されている。
【0179】
[動作モードMODEaにおけるステータスリード]
図21は、動作モードMODEaにおいてステータスリードを実行する際の波形を示している。
図21の例では、タイミングt201において、コントローラCDがメモリダイMDに、コマンドデータ70hを入力している。また、タイミングt202において、ステータスデータSttが出力されている。
【0180】
[動作モードMODEbにおけるステータスリード]
図22は、動作モードMODEbにおいてステータスリードを実行する際の波形を示している。
【0181】
図22の例では、タイミングt251~t252の期間FSelにおいて、コントローラCDがメモリダイMDに、コマンドデータCmdの入力を指定する入出力データ選択信号を入力している。
【0182】
また、タイミングt252~t253の期間S_Inにおいて、コントローラCDはメモリダイMDに、コマンドデータ70hを入力している。
【0183】
尚、
図22の例では、期間S_Inにおいて、コントローラCDがメモリダイMDに、8ビットのコマンドデータ70hを、4サイクルに分けて2ビットずつ入力している。
【0184】
また、タイミングt253~t254の期間FSelにおいて、コントローラCDはメモリダイMDに、データの出力を指定する入出力データ選択信号を入力している。
【0185】
また、タイミングt254~t255の期間S_Outにおいて、メモリダイMDはコントローラCDに、ステータスデータSttを出力している。
【0186】
[動作モードMODEa,MODEbの切り替え]
次に、
図23~
図29を参照して、動作モードMODEa,MODEbの切り替えについて説明する。
【0187】
図23は、第1実施形態に係るメモリシステム10における動作の一例を示す模式的なフローチャートである。
図23は、メモリシステム10が起動され、その後で動作モードMODEaから動作モードMODEbへの切り替えが行われる例を示している。
【0188】
ステップS101では、ホストコンピュータ20からコントローラCDに、起動指示が送信される。
【0189】
ステップS102では、コントローラCDから各メモリダイMDに、起動指示が入力される。起動指示は、全てのメモリダイMD(
図1及び
図2の例では、16個のメモリダイMD)に対して、一括して入力される。
【0190】
ステップS103では、POR(Power On Read)が実行される。PORでは、不良ブロック、不良カラム等の情報が読み出され、各メモリダイMDからコントローラCDに出力される。各メモリダイMDに対応する情報は、コントローラCDに対して、順次出力される。
【0191】
ステップS104では、コントローラCDからメモリダイMDに、チップアドレスを設定する旨の指示が入力される。
【0192】
ステップS105では、メモリダイMDにおいてセットフィーチャ動作が実行される。これにより、メモリダイMDに、ソフトチップアドレスが設定される。
【0193】
尚、
図23では図示を省略しているものの、ステップS104及びステップS105は、メモリシステム10に含まれる複数のメモリダイMDに対応して、複数回実行される。例えば、
図1及び
図2に例示するメモリシステム10は、16個のメモリダイMDを備えている。この様な場合、ステップS104及びステップS105は、16回ずつ実行される。
【0194】
ステップS106では、全てのメモリダイMDに、動作モードMODEaから動作モードMODEbへの切り替えを実行する旨の指示が入力される。この指示は、全てのメモリダイMDに対して、一括して入力される。
【0195】
ステップS107では、全てのメモリダイMDにおいて、動作モードMODEaから動作モードMODEbへの切り替えが実行される。
【0196】
図24は、
図23のステップS104においてコントローラCDからメモリダイMDに入力される信号を示す模式的な波形図である。
【0197】
図24の例では、タイミングt301において、端子/CEの電圧が“H”から“L”に立ち下がっている。
【0198】
また、タイミングt302~t303において、コントローラCDがメモリダイMDに、コマンドデータD5hを入力している。コマンドデータ“D5h”は、セットフィーチャを指示するコマンドデータCmdである。コマンドデータD5hが入力された場合、ハードチップアドレスCAP又はソフトチップアドレスCASによって特定された1のメモリダイMDにおいて、セットフィーチャが実行される。
【0199】
また、タイミングt303~t304において、コントローラCDはメモリダイMDに、ハードチップアドレスCAPを入力している。
【0200】
また、タイミングt304~t305において、コントローラCDはメモリダイMDに、フィーチャアドレスFAを入力している。フィーチャアドレスFAは、フィーチャデータFdを特定するためのデータである。
【0201】
また、タイミングt306~t311において、コントローラCDはメモリダイMDに、ソフトチップアドレスCASを入力している。尚、図示の例では、タイミングt306~t311において、ソフトチップアドレスCASを構成する8ビット×4サイクルのデータが入力されているが、サイクル数は4より少なくても多くても良い。
【0202】
また、タイミングt310においてセットフィーチャが開始され、端子RY//BYの電圧が“H”から“L”に立ち下がっている。
【0203】
また、タイミングt312においてセットフィーチャが終了し、端子RY//BYの電圧が“L”から“H”に立ち上がっている。
【0204】
図25は、
図23のステップS106においてコントローラCDからメモリダイMDに入力される信号を示す模式的な波形図である。
【0205】
図25の例では、タイミングt401において、端子/CEの電圧が“H”から“L”に立ち下がっている。
【0206】
また、タイミングt402~t403において、コントローラCDがメモリダイMDに、コマンドデータEFhを入力している。コマンドデータ“EFh”は、セットフィーチャを指示するコマンドデータCmdである。コマンドデータEFhが入力された場合、端子/CEに“L”が入力されている全てのメモリダイMDにおいて、セットフィーチャが実行される。
【0207】
また、タイミングt403~t404において、コントローラCDはメモリダイMDに、フィーチャアドレスFAを入力している。
【0208】
また、タイミングt405~t410において、コントローラCDはメモリダイMDに、フィーチャデータFdを入力している。このフィーチャデータFdは、動作モードMODEbを示す情報を含んでいる。尚、図示の例では、タイミングt405~t410において、フィーチャデータFdを構成する8ビット×4サイクルのデータが入力されているが、サイクル数は4より少なくても多くても良い。
【0209】
また、タイミングt409においてセットフィーチャが開始され、端子RY//BYの電圧が“H”から“L”に立ち下がっている。
【0210】
また、タイミングt411においてセットフィーチャが終了し、端子RY//BYの電圧が“L”から“H”に立ち上がっている。
【0211】
図26は、第1実施形態に係るメモリシステム10における動作の一例を示す模式的なフローチャートである。
図27は、第1実施形態に係るメモリシステム10における動作の一例を示す模式的な波形図である。
図26は、コントローラCDが一時的にスリープ状態に設定され、再起動し、その後で動作モードMODEaから動作モードMODEbへの切り替えが行われる例を示している。また、
図26の例では、コントローラCDがスリープ状態となっている間、メモリダイMDは起動状態のまま維持される。
図27は、この時にコントローラCDからメモリダイMDに入力される信号を示している。
【0212】
ステップS201では、ホストコンピュータ20からコントローラCDに、スリープ指示が送信される。
【0213】
ステップS202では、コントローラCDがスリープ状態となる。この際、コントローラCD内のRAM11(
図3)のデータは消去される。
【0214】
ステップS203では、ホストコンピュータ20からコントローラCDに、ウェイクアップ指示が送信される。
【0215】
ステップS204では、コントローラCDが再起動する。
【0216】
ステップS205では、コントローラCDから各メモリダイMDに、入力されたフレームをリセットする旨の指示が入力される。
【0217】
即ち、例えば
図27に例示する様に、メモリダイMDを動作モードMODEbで動作させている場合、フレームの入力中にステップS201が実行される場合がある。また、ステップS202においてコントローラCDがスリープ状態になると、RAM11(
図3)のデータが消去される。これにより、コントローラCDにおいて、どのメモリダイMDに対してフレームの入力中だったか、フレームの何サイクル目までのデータをメモリダイMDに出力していたか、等の情報も消去される。この様な状態においてメモリダイMDに新たなデータを入力すると、メモリダイMDに対して意図しないコマンドセット等が入力されてしまい、誤動作が発生する可能性がある。
【0218】
そこで、第1実施形態に係るメモリシステム10では、全てのメモリダイMDに対して、入力されたフレームをリセットする旨の指示を入力する。この指示は、全てのメモリダイMD(
図1及び
図2の例では、16個のメモリダイMD)に対して、一括して入力される。
【0219】
ステップS206では、各メモリダイMDにおいて、入力されたフレームがリセットされる。
【0220】
ステップS207では、コントローラCDから各メモリダイMDに、インターフェイスリセットを実行する旨の指示を入力する。
【0221】
即ち、ステップS202においてコントローラCDがスリープ状態になると、RAM11(
図3)のデータが消去される。これにより、コントローラCDにおいて、メモリダイMDを動作モードMODEaで動作させていたのか、動作モードMODEbで動作させていたのかを示す情報も消去される。この様な状態においてメモリダイMDに新たなデータの入力等を実行すると、メモリダイMDに対して意図しないコマンドセット等が入力されてしまい、誤動作が発生する可能性がある。
【0222】
そこで、例えば
図27に例示する様に、第1実施形態に係るメモリシステム10では、全てのメモリダイMDに対して、動作モードMODEa,MODEbの状態をリセットする旨の指示を入力する。動作モードMODEaで動作していたメモリダイMDに対してインターフェイスリセットが実行されると、動作モードMODEa,MODEbの切り替えは実行されない。動作モードMODEbで動作していたメモリダイMDに対してインターフェイスリセットが実行されると、動作モードMODEbから動作モードMODEaへの切り替えが実行される。尚、インターフェイスリセットを実行する旨の指示は、全てのメモリダイMD(
図1及び
図2の例では、16個のメモリダイMD)に対して、一括して入力される。
【0223】
尚、インターフェイスリセットは、メモリダイMDの状態が動作モードMODEa,MODEbのいずれであるかに拘わらず実行される。従って、コントローラCDがメモリダイMDに対して信号を入力する速度(例えば、外部制御端子/WEの信号を切り替える速度)は、メモリダイMDの状態に拘わらず、一定であることが好ましい。この様な場合にコントローラCDがメモリダイMDに対して信号を入力する速度は、例えば、動作モードMODEaにおいてコントローラCDがメモリダイMDに対して信号を入力する速度と同じであっても良い。
【0224】
ステップS208では、各メモリダイMDにおいて、インターフェイスリセットが実行される。
【0225】
ステップS209では、コントローラCDからメモリダイMDに、チップアドレスを設定する旨の指示が入力される。この動作は、
図23のステップS104と同様に、
図24を参照して説明した様に実行される。
【0226】
ステップS210では、メモリダイMDにおいてセットフィーチャ動作が実行される。これにより、メモリダイMDに、ソフトチップアドレスが設定される。
【0227】
尚、
図26では図示を省略しているものの、ステップS209及びステップS210は、メモリシステム10に含まれる複数のメモリダイMDに対応して、複数回実行される。例えば、
図1及び
図2に例示するメモリシステム10は、16個のメモリダイMDを備えている。この様な場合、ステップS209及びステップS210は、16回ずつ実行される。
【0228】
ステップS211では、コントローラCDから全てのメモリダイMDに、動作モードMODEaから動作モードMODEbへの切り替えを実行する旨の指示が入力される。この指示は、全てのメモリダイMDに対して、一括して入力される。この動作は、
図23のステップS106と同様に、
図25を参照して説明した様に実行される。
【0229】
ステップS212では、全てのメモリダイMDにおいて、動作モードMODEaから動作モードMODEbへの切り替えが実行される。
【0230】
図28は、
図26のステップS205においてコントローラCDからメモリダイMDに入力される信号を示す模式的な波形図である。
【0231】
図28の例では、外部制御端子/CEが、一定時間“H”状態に維持される。
【0232】
図29は、
図26のステップS207においてコントローラCDからメモリダイMDに入力される信号を示す模式的な波形図である。
【0233】
ここで、上述の通り、ステップS201においてコントローラCDがスリープ状態になると、RAM11(
図3)のデータが消去される。これにより、コントローラCDにおいて、どのメモリダイMDに対してフレームの入力中だったか、フレームの何サイクル目までのデータをメモリダイMDに出力していたか、等の情報も消去される。また、コントローラCDにおいて、メモリダイMDを動作モードMODEaで動作させていたのか、動作モードMODEbで動作させていたのかを示す情報も消去される。
【0234】
そこで、第1実施形態に係るメモリシステム10では、インターフェイスリセットが実行されるコマンドデータCmdが、2つの条件を満たす様に設定されている。1つ目の条件は、外部制御端子CLE,ALE,/CE、並びに、データ信号入出力端子DQ0~DQ7に所定のデータを入力することにより、メモリダイMDを動作モードMODEaで動作させていた場合でも、動作モードMODEbで動作させていた場合でも、同一のコマンドデータCmd入力されることである。2つ目の条件は、外部制御端子CLE,ALE,/CE、並びに、データ信号入出力端子DQ0~DQ7のデータを所定の値に維持することによって入力可能であることである。
【0235】
例えば
図29の例では、タイミングt501において、端子/CEの電圧が“H”から“L”に立ち下がっている。
【0236】
また、タイミングt502~t504において、コントローラCDは、データ信号入出力端子DQ<7:0>の電圧を“AAh”(10101010)に設定し、外部制御端子CLE,ALEに“1,0”を入力した状態で、外部制御端子/WEの電圧を“L”から“H”に立ち上げる。
【0237】
ここで、メモリダイMDが動作モードMODEaで動作していた場合、タイミングt503においてメモリダイMDにコマンドデータAAhが入力される。コマンドデータ“AAh”は、インターフェイスリセットを指示するコマンドデータCmdである。コマンドデータAAhが入力された場合、端子/CEに“L”が入力されている全てのメモリダイMDにおいて、インターフェイスリセットが実行される。
【0238】
メモリダイMDが動作モードMODEaで動作していた場合、インターフェイスリセットが開始され、端子RY//BYの電圧が“H”から“L”に立ち下がる。
【0239】
メモリダイMDが動作モードMODEbで動作していた場合、タイミングt503においてメモリダイMDに、コマンドデータCmdを入力する旨の入出力データ選択信号が入力される。
【0240】
また、
図29の例では、タイミングt502~t509にかけて、コントローラCDが、データ信号入出力端子DQ<7:0>の電圧を“AAh”(10101010)に維持し、外部制御端子CLE,ALEに“1,0”を入力した状態で、外部制御端子/WEの電圧を5回、“L”から“H”に立ち上げる。
【0241】
メモリダイMDが動作モードMODEaで動作していた場合、インターフェイスリセットが5回実行される。
【0242】
メモリダイMDが動作モードMODEbで動作していた場合、タイミングt508においてインターフェイスリセットが開始され、端子RY//BYの電圧が“H”から“L”に立ち下がる。
【0243】
また、タイミングt510においてインターフェイスリセットが終了し、端子RY//BYの電圧が“L”から“H”に立ち上がっている。
【0244】
[第2実施形態]
次に、
図30及び
図31を参照して、第2実施形態に係るメモリシステムの構成について説明する。
図30は、第2実施形態に係るメモリダイMD2の構成を示す模式的なブロック図である。
図31は、メモリダイMD2の一部の構成を示す模式的な回路図である。説明の都合上、
図30及び
図31では一部の構成を省略する。
【0245】
図30及び
図31に示す様に、本実施形態に係るメモリシステムは、基本的には、第1実施形態に係るメモリシステム10と同様に構成されている。ただし、第2実施形態に係るメモリシステムは、外部制御端子CLE,ALEに加え、外部制御端子/CEを介して、信号の入出力を実行することが可能である。
図31に示す様に、第2実施形態に係る外部制御端子/CEは、入力回路201及び出力回路202に接続されている。
【0246】
ここで、第1実施形態に係るメモリシステム10においては、外部制御端子CLE,ALEによって、1サイクルに2ビットのデータを並列に入力し、又は、並列に出力していた。例えば、動作モードMODEbの期間FSelにおいて、2ビットのデータを、1サイクルで入力していた。また、期間S_Inにおいて、ユーザデータDat以外のデータを構成する8ビットのデータを、4サイクルにわたって入力していた。従って、10ビットのデータを、5サイクルにわたって入力していた。
【0247】
一方、第2実施形態に係るメモリシステムにおいては、外部制御端子CLE,ALEに加え、外部制御端子/CEを介して、信号の入出力を実行することが可能である。従って、1サイクルに3ビットのデータを並列に入力し、又は、並列に出力することが可能である。これにより、データの入力に要するサイクル数を削減し、動作の高速化を図ることが可能である。
【0248】
尚、第1実施形態に係るメモリシステム10においては、外部制御端子/CEが“L”状態のタイミングではメモリダイMDが選択状態となり、外部制御端子/CEが“H”状態のタイミングではメモリダイMDが非選択状態となる。第2実施形態に係るメモリダイMD2を動作モードMODEaで動作させる場合も同様である。一方、第2実施形態に係るメモリダイMD2を動作モードMODEbで動作させる場合には、選択状態となるメモリダイMD2が、上述したソフトチップアドレスによって特定される。
【0249】
[動作モードMODEbにおける外部端子の役割]
図32は、第2実施形態に係る動作モードMODEbにおける信号入出力端子及び外部制御端子の役割について説明するための模式的な図である。
【0250】
上述の通り、第2実施形態に係る動作モードMODEbにおいては、外部制御端子CLE,ALE,/CEを、ユーザデータDat以外のデータの入出力に使用する。
【0251】
尚、第2実施形態に係る動作モードMODEaは、第1実施形態に係る動作モードMODEaと同様である。
【0252】
図33及び
図34は、動作モードMODEbにおける外部端子の役割を説明するための真理値表である。尚、
図33及び
図34において、“Z”は、“H”及び“L”いずれが入力されても良い場合を示す。“X”は、入力される信号が“H”又は“L”に固定される場合を示す。“Input”は、データの入力を行う場合を示す。“Output”は、データの出力を行う場合を示す。
【0253】
図33は、入出力データ選択信号が入力される期間FSelにおける外部制御端子の役割を示している。
【0254】
期間FSelにおいて、アドレスデータAddを入力する旨の入出力データ選択信号を入力する場合、コントローラCDは、例えば、外部制御端子CLEに“L”を入力し、外部制御端子ALEに“H”を入力し、外部制御端子/CEに“L”を入力した状態で、外部制御端子/WEの電圧を“L”から“H”に立ち上げる。
【0255】
期間FSelにおいて、外部制御端子CLEに“L”、外部制御端子ALEに“H”、外部制御端子/CEに“L”が入力された場合、この期間FSel直後の期間S_Inに入力されるデータは、アドレスデータAddとして入出力制御回路I/O内のバッファメモリに保持され、アドレスレジスタADR(
図30)に転送される。
【0256】
期間FSelにおいて、コマンドデータCmdを入力する旨の入出力データ選択信号を入力する場合、コントローラCDは、例えば、外部制御端子CLEに“H”を入力し、外部制御端子ALEに“L”を入力し、外部制御端子/CEに“L”を入力した状態で、外部制御端子/WEの電圧を“L”から“H”に立ち上げる。
【0257】
期間FSelにおいて、外部制御端子CLEに“H”、外部制御端子ALEに“L”、外部制御端子/CEに“L”が入力された場合、この期間FSel直後の期間S_Inに入力されるデータは、コマンドデータCmdとして入出力制御回路I/O内のバッファメモリに保持され、コマンドレジスタCMR(
図30)に転送される。
【0258】
期間FSelにおいて、データアウトを指示するためのトリガ信号を入力する旨の入出力データ選択信号を入力する場合、コントローラCDは、例えば、外部制御端子CLEに“H”を入力し、外部制御端子ALEに“H”を入力し、外部制御端子/CEに“L”を入力した状態で、外部制御端子/WEの電圧を“L”から“H”に立ち上げる。
【0259】
期間FSelにおいて、外部制御端子CLEに“H”、外部制御端子ALEに“H”、外部制御端子/CEに“L”が入力された場合、動作対象のアドレスデータが切り替わる。
【0260】
期間FSelにおいて、ユーザデータDat以外のデータを入力する旨の入出力データ選択信号を入力する場合、コントローラCDは、例えば、外部制御端子CLEに“L”を入力し、外部制御端子ALEに“L”を入力し、外部制御端子/CEに“H”を入力した状態で、外部制御端子/WEの電圧を“L”から“H”に立ち上げる。
【0261】
期間FSelにおいて、外部制御端子CLEに“L”、外部制御端子ALEに“L”、外部制御端子/CEに“H”が入力された場合、この期間FSel直後の期間S_Inに入力されるデータは、これよりも前に入力されていたコマンドデータCmdに応じて選択され、フィーチャレジスタFR等に転送される。
【0262】
期間FSelにおいて、ユーザデータDat以外のデータを出力する旨の入出力データ選択信号を入力する場合、コントローラCDは、例えば、外部制御端子CLEに“L”を入力し、外部制御端子ALEに“H”を入力し、外部制御端子/CEに“H”を入力した状態で、外部制御端子/WEの電圧を“L”から“H”に立ち上げる。
【0263】
期間FSelにおいて、外部制御端子CLEに“L”、外部制御端子ALEに“H”、外部制御端子/CEに“H”が入力された場合、この期間FSel直後の期間S_Inに出力されるデータは、これよりも前に入力されていたコマンドデータCmdに応じて選択され、入出力制御回路I/Oから出力される。
【0264】
期間FSelにおいて、外部制御端子CLEに“H”、外部制御端子ALEに“H”、外部制御端子/CEに“H”が入力された場合、この期間FSel直後の期間S_Inに入力されるデータは、いずれのレジスタ等にも保持されない。
【0265】
図34は、ユーザデータDat以外のデータが入力される期間S_In、又は、ユーザデータDat以外のデータが出力される期間S_Outにおける外部制御端子の役割を示している。
【0266】
図34に示す真理値表は、基本的には、
図13を参照して説明した真理値表と同様である。
【0267】
ただし、期間S_InにおいてユーザデータDat以外のデータを入力する場合、コントローラCDは、外部制御端子CLE,ALE,/CEの電圧を、ユーザデータDat以外のデータを構成する3ビットのデータの各ビットに応じて“H”又は“L”に設定し、外部制御端子/WEの電圧を“L”から“H”に立ち上げる。
【0268】
尚、第2実施形態に係る動作モードMODEbでは、期間S_Inにおいて、外部制御端子CLE,ALE,/CEを介して、3ビットのデータが3サイクルにわたって入力される。ここで、1サイクル目及び2サイクル目に入力される計6ビットのデータ、及び、3サイクル目に入力される2ビットのデータは、ユーザデータDat以外のデータを構成する。また、3サイクル目に入力される1ビットのデータは、このフレーム中のデータが有効であるか無効であるかを示すデータとして利用される。例えば、この1ビットのデータが“L”である場合、それ以外の8ビットのデータは、ユーザデータDat以外のデータとして、アドレスレジスタADR(
図30)、コマンドレジスタCMR(
図30)、フィーチャレジスタFR(
図30)等に転送される。一方、この1ビットのデータが“H”である場合、それ以外の8ビットのデータは、アドレスレジスタADR(
図30)、コマンドレジスタCMR(
図30)、フィーチャレジスタFR(
図30)等に転送されない。
【0269】
また、期間S_OutにおいてユーザデータDat以外のデータを出力する場合、コントローラCDは、例えば、外部制御端子/WEの入力信号を立ち下げる。これに伴い、外部制御端子CLE,ALE,/CEから、ユーザデータDat以外のデータを構成する3ビットのデータが出力される。
【0270】
また、第2実施形態に係る動作モードMODEbにおいては、ユーザデータDatの入出力が、外部制御端子/CEの電圧に拘わらず実行される。
【0271】
[動作モードMODEa,MODEbの切り替え]
次に、第2実施形態に係る動作モードMODEa,MODEbの切り替えについて説明する。
【0272】
第2実施形態において、
図23~
図25を参照して説明した動作は、第1実施形態と同様に実行される。
【0273】
また、第2実施形態において、
図26を参照して説明した動作は、第1実施形態とほぼ同様に実行される。ただし、ステップS205に対応する動作、及び、ステップS207に対応する動作は、第1実施形態に係る動作と異なる。
【0274】
図35は、第2実施形態に係るメモリシステムにおける動作の一例を示す模式的な波形図である。
図35は、第2実施形態に係るメモリシステムにおいて、
図26を参照して説明した動作に対応する動作が実行される際、コントローラCDからメモリダイMDに入力される信号を示している。
【0275】
図35に示す様に、第2実施形態に係るメモリシステムにおいても、
図26を参照して説明した動作に対応する動作が実行される際、コントローラCDからメモリダイMDに、入力されたフレームをリセットする旨の指示、及び、動作モードMODEa,MODEbの状態をリセットする旨の指示が入力される。
【0276】
図36は、
図26のステップS207に対応する動作においてコントローラCDからメモリダイMDに入力される信号を示す模式的な波形図である。
【0277】
図36の例では、タイミングt601~t602において、コントローラCDが、外部制御端子ALE,CLE,/CEに“1,1,1”を入力した状態で、外部制御端子/WEの電圧を“L”から“H”に立ち上げる。
【0278】
メモリダイMDが動作モードMODEaで動作していた場合、メモリダイMDはスタンバイ状態となる(
図11参照)。
【0279】
メモリダイMDが動作モードMODEbで動作していた場合、メモリダイMDに、この期間FSel直後の期間S_Inに入力されるデータをレジスタ等に転送しない旨の入出力データ選択信号が入力される。
【0280】
また、
図36の例では、タイミングt601~t605にかけて、コントローラCDが、外部制御端子ALE,CLE,/CEに“1,1,1”を入力した状態で、外部制御端子/WEの電圧を、少なくとも10回以上、“L”から“H”に立ち上げる。
【0281】
図37は、
図26のステップS207に対応する動作においてコントローラCDからメモリダイMDに入力される信号を示す模式的な波形図である。
【0282】
図37の例では、タイミングt701において、端子/CEの電圧が“H”から“L”に立ち下がっている。
【0283】
また、タイミングt702~t704において、コントローラCDは、データ信号入出力端子DQ<7:0>の電圧を“92h”(10010010)に設定し、外部制御端子CLE,ALE,/CEに“1,0,0”を入力した状態で、外部制御端子/WEの電圧を“L”から“H”に立ち上げる。
【0284】
ここで、メモリダイMDが動作モードMODEaで動作していた場合、タイミングt703においてメモリダイMDにコマンドデータ92hが入力される。コマンドデータ“92h”は、インターフェイスリセットを指示するコマンドデータCmdである。コマンドデータ92hが入力された場合、端子/CEに“L”が入力されている全てのメモリダイMDにおいて、インターフェイスリセットが実行される。
【0285】
メモリダイMDが動作モードMODEaで動作していた場合、タイミングt703においてインターフェイスリセットが開始され、端子RY//BYの電圧が“H”から“L”に立ち下がる。
【0286】
メモリダイMDが動作モードMODEbで動作していた場合、タイミングt703においてメモリダイMDに、コマンドデータCmdを入力する旨の入出力データ選択信号が入力される。
【0287】
また、
図37の例では、タイミングt702~t708にかけて、コントローラCDが、データ信号入出力端子DQ<7:0>の電圧を“AAh”(10010010)に維持し、外部制御端子CLE,ALE,/CEに“1,0,0”を入力した状態で、外部制御端子/WEの電圧を4回、“L”から“H”に立ち上げる。
【0288】
メモリダイMDが動作モードMODEaで動作していた場合、インターフェイスリセットが5回実行される。
【0289】
メモリダイMDが動作モードMODEbで動作していた場合、タイミングt707においてインターフェイスリセットが開始され、端子RY//BYの電圧が“H”から“L”に立ち下がる。
【0290】
また、タイミングt709においてインターフェイスリセットが終了し、端子RY//BYの電圧が“L”から“H”に立ち上がっている。
【0291】
[その他の実施形態]
以上、第1実施形態及び第2実施形態に係るメモリシステムについて説明した。しかしながら、以上の説明はあくまでも例示であり、具体的な構成、動作等は適宜調整可能である。
【0292】
例えば、第1実施形態に係るメモリシステムでは、動作モードMODEbにおいて、外部制御端子CLE,ALEを利用した2ビットのデータの入出力を行っていた。また、第2実施形態に係るメモリシステムでは、動作モードMODEbにおいて、外部制御端子CLE,ALE,/CEを利用した3ビットのデータの入出力を行っていた。しかしながら、この様な方法はあくまでも例示であり、具体的な方法は適宜調整可能である。例えば、動作モードMODEbにおいては、その他の端子等を利用して、3ビット又は4ビット以上のデータの入出力を行っても良い。より具体的には、例えば、動作モードMODEbにおいて、外部制御端子/CEに代えて、または、加えて、外部制御端子/WP等を利用して、3ビットまたは4ビットのデータの入出力を行っても良い。また、外部制御端子CLE,ALE,/CEを含む端子の中から少なくとも一つの端子を選択して、1ビット又は2ビットのデータの入出力を行っても良い。
【0293】
また、例えば、第1実施形態及び第2実施形態では、外部制御端子CLE,ALE,/CE等に対する機能の割り当てについて例示した。しかしながら、この様な割り当てはあくまでも例示であり、具体的な割り当ては適宜調整可能である。
【0294】
例えば、第1実施形態に係るメモリシステムにおいて、
図12及び
図13に例示した機能の一部を入れ替えても良い。また、例えば、
図12及び
図13に例示した機能以外の機能を追加しても良いし、
図12及び
図13に例示した機能の一部を省略しても良い。
【0295】
また、例えば、第2実施形態に係るメモリシステムでは、期間S_Inの3サイクル目に外部制御端子/CEに入力される1ビットのデータを、このフレーム中のデータが有効であるか無効であるかを示すデータとして用いていた。しかしながら、この様な方法はあくまでも例示であり、具体的な方法は適宜調整可能である。例えば、外部制御端子/CE以外の端子に入力されるデータを、このフレーム中のデータが有効であるか無効であるかを示すデータとして用いても良い。
【0296】
[その他]
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことが出来る。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0297】
10…メモリシステム、PKG…メモリパッケージ、CD…コントローラ、MD…メモリダイ、MC…メモリセル、MCA…メモリセルアレイ、PC…周辺回路、ADR…アドレスレジスタ、CMR…コマンドレジスタ。