(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-17
(45)【発行日】2025-01-27
(54)【発明の名称】EMIシールドガスケットを有する電磁導波管
(51)【国際特許分類】
H01P 1/04 20060101AFI20250120BHJP
C01B 32/168 20170101ALI20250120BHJP
H05K 9/00 20060101ALI20250120BHJP
【FI】
H01P1/04
C01B32/168
H05K9/00 E
(21)【出願番号】P 2022515100
(86)(22)【出願日】2020-09-08
(86)【国際出願番号】 GB2020052153
(87)【国際公開番号】W WO2021048532
(87)【国際公開日】2021-03-18
【審査請求日】2023-05-08
(32)【優先日】2019-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】522087774
【氏名又は名称】キュー-フロー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Q-FLO LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【氏名又は名称】君塚 絵美
(72)【発明者】
【氏名】マーティン ピック
(72)【発明者】
【氏名】アダム ボイス
(72)【発明者】
【氏名】シーン ハワード
(72)【発明者】
【氏名】メイア ヘフェッツ
(72)【発明者】
【氏名】サハー テネンバウム
(72)【発明者】
【氏名】オルタル ティウリン
(72)【発明者】
【氏名】ヴィクター ハルペリン
(72)【発明者】
【氏名】イェホシュア イェシュルン
(72)【発明者】
【氏名】リロン イスマン
(72)【発明者】
【氏名】ジェロニモ テッローネス ポルタス
【審査官】佐藤 当秀
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-163983(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0047864(US,A1)
【文献】特表2014-508054(JP,A)
【文献】特表2015-528068(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01P 1/04
C01B 32/168
H05K 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の導波管セクションと、
第2の導波管セクションと、
前記第1の導波管セクションの端部に取り付けられた第1のフランジと、
前記第2の導波管セクションの端部に取り付けられ、前記第1のフランジが接続される第2のフランジと、
前記第1
のフランジと前記第2のフランジの間に取り付けられたEMIシールドガスケットとを備え、前記EMIシールドガスケットが、1つまたは複数のアパーチャを
有する不織布カーボンナノチューブの自立体を含んでいる、
電磁導波管。
【請求項2】
前記不織布カーボンナノチューブの自立体はコーティングされている、請求項1に記載の電磁導波管。
【請求項3】
前記コーティングは、部分コーティングである、請求
項2に記載の電磁導波管。
【請求項4】
前記コーティングは前記不織布カーボンナノチューブの自立体に含浸している、請求項
2に記載の電磁導波管
。
【請求項5】
前記不織布カーボンナノチューブの自立体はポリマーでコーティングされている、請求項1-4のいずれかに記載の電磁導波管。
【請求項6】
前記不織布カーボンナノチューブの自立体は、非導電性ポリマーでコーティングされている、請求項5に記載の電磁導波管。
【請求項7】
前記非導電性ポリマーはフルオロポリマーである、請求項6に記載の電磁導波管。
【請求項8】
前記非導電性ポリマーはポリフッ化ビニリデン(PVDF)またはポリフッ化ビニリデンのコポリマーもしくはターポリマーである、請求項6または請求項7に記載の電磁導波管。
【請求項9】
前記ポリマーは導電性ポリマーである、請求項5に記載の電磁導波管
。
【請求項10】
前記ポリマーはポリビニルピロリドン(PVP)である、請求項5に記載の電磁導波管。
【請求項11】
前記不織布カーボンナノチューブの自立体の面密度は、60gsm以下である、請求項1-10のいずれかに記載の電磁導波管。
【請求項12】
前記不織布カーボンナノチューブの自立体の面密度は、20gsm以下である、請求項1-11のいずれかに記載の電磁導波管。
【請求項13】
前記不織布カーボンナノチューブの自立体の表面は不均一である、請求項1-12のいずれかに記載の電磁導波管。
【請求項14】
前記不織布カーボンナノチューブの自立体の厚さは、最大20%の変化を受ける、請求項1-13のいずれかに記載の電磁導波管。
【請求項15】
(a)金属触媒または金属触媒前駆体の流れを温度制御されたフロースルー反応器に導入するステップと、
(b)前記温度制御されたフロースルー反応器に炭素源の流れを導入するステップと、
(c)前記金属触媒または金属触媒前駆体および炭素源を、粒子状金属触媒を生成し、カーボンナノチューブを生成するのに十分な温度ゾーンに曝露するステップと、
(d)前記カーボンナノチューブを前記温度制御されたフロースルー反応器の吐出口からの連続放出として移動させるステップと、
(e)前記不織布カーボンナノチューブの自立体の形の連続放出を収集するステップと、
(f)前記不織布カーボンナノチューブの自立体を、1つまたは複数のアパーチャを
有するように構成するステップと、
含むプロセスから得られるまたは得られた、請求項1-14のいずれかに記載の電磁導波管。
【請求項16】
請求項1-15のいずれかで定義されたEMIシールドガスケット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1つまたは複数のアパーチャを組み込むように構成された不織布カーボンナノチューブの自立体を含む電磁干渉シールドガスケットを備えた電磁導波管、およびその電磁干渉シールドガスケット自体に関する。
【背景技術】
【0002】
導波管ガスケットは、電磁干渉(EMI)からの効果的なシールディング及びフランジ、カバー、およびチョークの圧力シーリングを提供するために一般に使用されている。ガスケットは、必要な機能に合わせて、非導電性材料(例:ネオプレン)または導電性材料(例:銅)で作ることができる。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、不織布カーボンナノチューブの自立体が、非常に広い周波数帯域(通常、MHzから100GHzまで)にわたって電磁干渉(EMI)シールド機能を持ち、低い面密度でも望外の減衰値を持つという認識に基づくものである。容易に成形され、弾性的に圧縮されるという不織布カーボンナノチューブの自立体の能力は、(例えば)効果的な電磁干渉(EMI)シールドガスケットとしての展開を容易にする。
【0004】
第1の態様によれば、本発明は、電磁導波管を提供し、該導波管は、
第1の導波管セクションと、
第2の導波管セクションと、
前記第1の導波管セクションの端部に取り付けられた第1のフランジと、
前記第2の導波管セクションの端部に取り付けられ、前記第1のフランジが接続される(例えば、密閉接続される)第2のフランジと、
前記第1フランジと前記第2のフランジの間に取り付けられたEMIシールドガスケットとを備え、前記EMIシールドガスケットが、1つまたは複数のアパーチャを組み込むように構成された不織布カーボンナノチューブの自立体を含んでいる。
【0005】
圧縮下において、EMIシールドガスケットが第1フランジと第2フランジの間の接合部を効果的にシールする。厚さ、機械的特性(製造プロセスによる)、形状、および界面化学(例えば、コーティングによる)を最適化する機能を備えたEMIシールドガスケットは、本発明の電磁導波管用の万能で費用効果の高いハイエンドシールドソリューションである。
【0006】
不織布カーボンナノチューブの自立体は、同じまたは異なる形状の複数のアパーチャを組み込むように構成することができる。不織布カーボンナノチューブの自立体は、単一のアパーチャを組み込むように構成することができる。その(または各)アパーチャのプロファイルは、実質的に円形、正方形、または長方形とすることができる。
【0007】
不織布カーボンナノチューブの自立体は、積層体であってもよい。不織布カーボンナノチューブの自立体は繊維状であってもよい。例えば、不織布カーボンナノチューブの自立体は、繊維、フィルム、リボン、ストランド、シート、メッシュ、またはマットであってもよい。
【0008】
不織布カーボンナノチューブの自立体は、実質的に平面であってもよい。不織布カーボンナノチューブの平面自立体のプロファイルは第1のフランジおよび第2のフランジのプロファイルを補完する(例えば、実質的に一致する)ものであってもよい。不織布カーボンナノチューブの平面自立体のプロファイルは、実質的に円形、正方形、または長方形であってもよい。
【0009】
不織布カーボンナノチューブの自立体は、実質的に環状であってもよい。不織布カーボンナノチューブの環状自立体は、実質的に円形(例えば、OリングまたはDリング)または長方形であってもよい。不織布カーボンナノチューブの環状自立体の断面は、実質的にO型またはD型であってもよい。
【0010】
不織布カーボンナノチューブの環状自立体は、第1のフランジおよび/または第2のフランジの接続面の環状のくぼみに着座させてもよい。
【0011】
織布カーボンナノチューブの自立体は、追加の材料と組み合わせてもよい。
【0012】
追加の材料は、微粒子状または繊維状またはコーティングであってもよい。
【0013】
追加の材料は、ポリマー(例えば、導電性または非導電性ポリマー)、金属または非金属(例えば、炭素)であってもよい。
【0014】
ポリマーはエラストマーであってもよい。ポリマーは、熱可塑性、熱成形性、または熱硬化性ポリマーであってもよい。熱成形性ポリマーは、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)であってもよい。ポリマーは化学的に活性であってもよい(例えば、重合可能または架橋性)。
【0015】
不織布カーボンナノチューブの自立体は、真空成形、積層、織り、編組、包装、分散または結合(例えば、熱的または化学的結合またはめっき)などの周知の技術によって追加の材料と組み合わせることができる。
【0016】
好ましくは、不織布カーボンナノチューブの自立体はコーティングされる。特に好ましくは、不織布カーボンナノチューブの自立体は、ポリマー(例えば、導電性または非導電性ポリマー)でコーティングされる。
【0017】
コーティングは、完全コーティングまたは部分コーティングであってよい。好ましくは、コーティングは部分コーティングである。部分コーティングは、低分子量ポリマーを使用して達成することができ、有利には不織布カーボンナノチューブを露出したままにする。
【0018】
好ましくは、ポリマーは、不織布カーボンナノチューブの自立体に含浸する。これは、低分子量ポリマーを使用して達成することができ、不織布カーボンナノチューブの自立体の機械的挙動を改善するのに有利に役立ち得る。
【0019】
好ましい実施形態では、ポリマーはポリビニルピロリドン(PVP)である。特に好ましくは、ポリマーは低分子量PVPである。この実施形態の利点は、PVPが不織布カーボンナノチューブの自立体の凝集強度を増強することである。
【0020】
ポリマーはシリコーンであってもよい。
【0021】
好ましい実施形態では、不織布カーボンナノチューブの自立体は、非導電性ポリマーでコーティングされる。好ましくは、非導電性ポリマーはフルオロポリマーである。特に好ましいのは、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)またはそのコポリマーまたはターポリマーである。
【0022】
好ましい実施形態では、不織布カーボンナノチューブの自立体は、導電性ポリマーでコーティングされる。
【0023】
不織布カーボンナノチューブの自立体は、前述したように、1つまたは複数のポリマー(例えば、導電性または非導電性ポリマー)の混合物でコーティングすることができる。
【0024】
第1のフランジおよび第2のフランジは、同じであっても異なっていてもよい。概して、第1のフランジと第2のフランジは同じである。第1のフランジおよび第2のフランジは、接触フランジ、カバーフランジまたはチョークフランジであってよい。
【0025】
第1のフランジおよび第2のフランジのそれぞれの接続面は、実質的に正方形、円形、八角形、または長方形であってよい。第1のフランジおよび第2のフランジは、傾斜部、テーパー部またはインデント部などのz軸特徴部を含んでもよい。
【0026】
第1のフランジおよび第2のフランジは、ねじで接続するか、または複数の留め具(例えば、ボルトまたはピン)で接続することができる。
【0027】
第1のフランジと第2のフランジとの間の接続は気密であってよい。第1のフランジと第2のフランジとの間の接続は、接触接続またはチョーク接続であってもよい。
【0028】
第1の導波管セクションおよび第2の導波管セクションは、同じであっても異なっていてもよい。概して、第1の導波管セクションと第2の導波管セクションは同じである。
【0029】
第1の導波管セクションおよび第2の導波管セクションは、細長い中空の導電性導管(例えば、金属パイプ)であってよい。第1のフランジは、第1の導波管セクションにソケット装着または貫通装着することができる。第2のフランジは、第2の導波管セクションにソケット装着または貫通装着することができる。
【0030】
不織布カーボンナノチューブの自立体は、成形または切断(例えば、レーザー、水、ブレード、空気またはダイカット)によって1つまたは複数のアパーチャを組み込むように構成することができる。
【0031】
1つまたは複数のアパーチャは、電磁放射のための開口(例えば、実質的に中央の開口)を含み得る。1つまたは複数のアパーチャは、第1のフランジおよび第2のフランジを接続する留め具を受け入れるための固定アパーチャを含み得る。
【0032】
好ましくは、不織布カーボンナノチューブの自立体の面密度は、60gsm以下である。特に好ましくは、不織布カーボンナノチューブの自立体の面密度は30gsm以下である。より好ましくは、不織布カーボンナノチューブの自立体の面密度は、20gsm以下である。
【0033】
好ましくは、不織布カーボンナノチューブの自立体の表面は不均一である。例えば、不織布カーボンナノチューブの自立体の表面は、クリンプ状、ディンプル状、波形状、または波動状であってよい。
【0034】
好ましくは、不織布カーボンナノチューブの自立体の厚さは、最大20%の変化を受ける。
【0035】
不織布カーボンナノチューブの自立体は、ポリマーコアを備えることができる。ポリマーコアは、エラストマーコアまたは熱硬化性または熱可塑性ポリマーコアであってよい。
【0036】
好ましくは、EMIシールドガスケットは、以下のプロセスから取得できるか、または取得され、該プロセスは、
(a)金属触媒または金属触媒前駆体の流れを温度制御されたフロースルー反応器に導入するステップと、
(b)前記温度制御されたフロースルー反応器に炭素源の流れを導入するステップと、
(c)前記金属触媒または金属触媒前駆体と炭素源を、粒子状金属触媒を生成するのに十分な温度ゾーンに曝露して、カーボンナノチューブを生成するステップと、
(d)前記カーボンナノチューブを前記温度制御されたフロースルー反応器の吐出口から連続放出として移動させるステップと、
(e)前記不織布カーボンナノチューブの自立体の形の連続放出を収集するステップと、
(f)前記不織布カーボンナノチューブの自立体を、1つまたは複数のアパーチャを組み込むように構成するステップと、
含む。
【0037】
一般的に、粒子状金属触媒はナノ粒子状金属触媒である。好ましくは、ナノ粒子金属触媒のナノ粒子は、1~50nm(好ましくは1~10nm)の範囲の平均直径(例えば、数、体積、または表面平均直径)を有する。好ましくは、ナノ粒子金属触媒の粒子の80%以上は、30nm未満の直径を有する。特に好ましくは、ナノ粒子金属触媒の粒子の80%以上は、12nm未満の直径を有する。粒子状金属触媒の濃度は、106から1010粒子/cm3の範囲であってよい。
【0038】
一般的に、金属触媒は、アルカリ金属、遷移金属、希土類元素(例えば、ランタニド)およびアクチニドからなる群の1つまたは複数である。好ましくは、金属触媒は、遷移金属、希土類元素(例えば、ランタニド)およびアクチニドからなる群のうちの1つまたは複数である。
【0039】
好ましくは、金属触媒は、Fe、Ru、Co、W、Cr、Mo、Rh、Ir、Os、Ni、Pd、Pt、Ru、Y、La、Ce、Mn、Pr、Nd、Tb、Dy、Ho、Er、Lu、Hf、Li及びGdからなる群の少なくとも1つである。好ましくは、金属触媒は鉄である。
【0040】
金属触媒前駆体は、金属錯体または有機金属化合物であってよい。例として、鉄ペンタカルボニル、フェロセン、またはフェロセニル誘導体(例えば、フェロセニルサルファイド)がある。
【0041】
好ましくは、金属触媒前駆体は硫黄含有である。硫黄含有の金属触媒前駆体は、カーボンナノチューブの成長を促進することができる。
【0042】
好ましくは、金属触媒前駆体は、硫黄含有有機金属である。特に好ましくは、金属触媒前駆体は、硫黄含有鉄有機金属である。より好ましくは、金属触媒前駆体は、硫黄含有フェロセニル誘導体である。さらにより好ましくは、金属触媒前駆体は、モノ-(メチルチオ)フェロセンまたはビス-(メチルチオ)フェロセンである。
【0043】
金属触媒または金属触媒前駆体の流量は、1~50g/時(例えば、約7g/時)の範囲であってよい。
【0044】
金属触媒または金属触媒前駆体は、ステップ(a)で硫黄含有添加剤と一緒に導入することができる。硫黄含有添加剤は、カーボンナノチューブの成長を促進することができる。硫黄含有添加剤は、チオフェン、硫化鉄、硫黄含有フェロセニル誘導体(例えば、フェロセニルサルファイド)、硫化水素または二硫化炭素であってよい。
【0045】
好ましい実施形態では、硫黄含有添加剤は、チオフェンまたは二硫化炭素である。特に好ましくは、硫黄含有添加剤はチオフェンである。
【0046】
好ましい実施形態では、金属触媒前駆体は、任意選択で、硫黄含有添加剤(好ましくはチオフェンまたは二硫化炭素)と一緒に、フェロセンである。
【0047】
硫黄含有添加剤の流量は、0.1から10g/時(例えば、約5g/時)の範囲であってよい。
【0048】
ステップ(a)で導入される金属触媒または金属触媒前駆体は、気体、液体、または固体の形態であってよい。金属触媒または金属触媒前駆体は、ステップ(a)において、非金属触媒改質剤またはその前駆体と共に導入することができる。非金属触媒改質剤は、カルコゲン含有(例えば、硫黄含有)であってよい。
【0049】
粒子状金属触媒の生成は、ステップ(c)において、金属触媒または金属触媒前駆体の金属種(例えば、原子、ラジカルまたはイオン)への熱分解または熱解離によって開始することができる。ステップ(c)における粒子状金属触媒の生成は、金属種の核形成された金属種(例えば、クラスター)への核形成を含んでもよい。粒子状金属触媒の生成は、有核金属種の粒子状金属触媒への成長を含んでもよい。
【0050】
金属触媒または金属触媒前駆体は、ステップ(a)において、線形流路、軸方向流路、渦巻き流路、らせん流路、層流路または乱流路に導入(例えば、注入)することができる。金属触媒または金属触媒前駆体は、複数の場所に導入することもできる。
【0051】
ステップ(a)において、金属触媒または金属触媒前駆体は、温度制御されたフロースルー反応器に軸方向または半径方向に導入することができる。金属触媒または金属触媒前駆体は、プローブまたはインジェクターを介して軸方向に導入することもできる。
【0052】
金属触媒または金属触媒前駆体は、キャリアガスと混合してもよい。キャリアガスは、通常、窒素、アルゴン、ヘリウム、または水素の1つまたは複数である。キャリアガスと混合された金属触媒または金属触媒前駆体の質量流量は、一般に10~30lpmの範囲である。
【0053】
ステップ(b)の前に、炭素源を加熱することができる。
【0054】
ステップ(b)の前に、炭素源は、赤外線源、可視光線源、紫外線源またはX線エネルギー源による放射熱伝達にさらすことができる。
【0055】
ステップ(b)において、炭素源は、線形流路、軸方向流路、渦巻き流路、らせん流路、層流路、または乱流路に導入(例えば、注入)することができる。
【0056】
ステップ(b)において、炭素源は、温度制御されたフロースルー反応器に軸方向または半径方向に導入することができる。炭素源は、プローブまたはインジェクターを介して軸方向に導入することもできる。炭素源は、複数の場所に導入することもできる。炭素源は、任意選択で置換および/または任意選択でヒドロキシル化された芳香族または脂肪族、非環状または環状炭化水素(例えば、アルキン、アルカンまたはアルケン)とすることができ、これは、任意選択で1つ以上のヘテロ原子(例えば、酸素)によって中断される。任意選択でハロゲン化されたC1-6-炭化水素(例えば、メタン、プロパン、エチレン、アセチレンまたはテトラクロロエチレン)、任意選択で一置換、二置換または三置換ベンゼン誘導体(例えば、トルエン)またはC1-6-アルコール(例えば、エタノール)が好ましい。
【0057】
好ましくは、炭素源は、任意選択で(しかし好ましくは)、任意選択で置換および/または任意選択でヒドロキシル化された芳香族または脂肪族、非環状または環状炭化水素(例えば、アルキン、アルカンまたはアルケン)の存在下でのメタンであり、これは任意選択で1つまたは複数のヘテロ原子(例えば、酸素)によって中断される。
【0058】
炭素源は、メタン、エチレン、またはアセチレンなどのC1-6-炭化水素であってよい。
【0059】
炭素源は、エタノールまたはブタノールなどのアルコールであってよい。
【0060】
炭素源は、ベンゼンまたはトルエンなどの芳香族炭化水素であってよい。
【0061】
好ましい実施形態では、炭素源は、任意選択でプロパンまたはアセチレンの存在下でのメタンである。
【0062】
炭素源の流量は、50~30000sccm(例えば、2000sccm)の範囲であり得る。一般的に、ステップ(b)では、炭素源にヘリウム、水素、窒素、アルゴンなどのキャリアガスが導入される。
【0063】
キャリアガスの流量は、1000~50000sccm(例えば、30000sccm)の範囲であってよい。好ましい実施形態では、ステップ(a)および(b)は同時である。この目的のために、金属触媒または金属触媒前駆体が、好ましくは、炭素源に懸濁または溶解される。特に好ましくは、金属触媒または金属触媒前駆体および硫黄含有添加剤が、炭素源に懸濁または溶解される。例えば、フェロセンおよびチオフェンが、ブタノール、エタノール、ベンゼンまたはトルエンなどの有機溶媒に溶解され、その溶液が、温度制御されたフロースルー反応器に導入され得る(例えば、注入され得る)。
【0064】
カーボンナノチューブは、単層および/または多層のカーボンナノチューブであってよい。ステップ(c)において、カーボンナノチューブ構造は、3D連続ネットワーク(例えば、エアロゲル)の形態をとり得る。
【0065】
温度制御されたフロースルー反応器は、円筒形または別の幾何学的形状であり得る。温度制御されたフロースルー反応器は、実質的に垂直または水平であり得る。好ましくは、温度制御されたフロースルー反応器は実質的に水平である。
【0066】
温度制御されたフロースルー反応器の壁は、水、液体窒素または液体ヘリウムなどの冷却流体にさらすことによって選択的に冷却され得る。
【0067】
温度制御されたフロースルー反応器は、軸方向の温度勾配を提供するように構成され得る。軸方向の温度勾配は不均一にすることができる(たとえば、階段状)。温度制御されたフロースルー反応器の温度は、抵抗加熱、プラズマまたはレーザーによって制御することができる。
【0068】
好ましくは、温度制御されたフロースルー反応器の温度プロファイルは、実質的に放物線状である。
【0069】
粒子状金属触媒を生成し、カーボンナノチューブを生成するのに十分な温度ゾーンは、少なくとも600~1500℃の範囲にわたる可能性がある。
【0070】
温度制御されたフロースルー反応器は、噴射ノズル、ランス、プローブ、または多口式インジェクター(例えば、シャワーヘッドインジェクター)によって反応物を導入するように構成することができる。
【0071】
ステップ(d)は、機械的、静電的、または磁気的力によって実行することができる。
【0072】
ステップ(e)は機械的に実行することができる。例えば、ステップ(e)は、回転スピンドルまたはドラム上で実行することができる。
【0073】
このプロセスは、不織布カーボンナノチューブの自立体を切断、細断、成形、敷設、平坦化、延伸、展開、整列、コーミング、加熱、振動または強化することをさらに含み得る。
【0074】
このプロセスは、不織布カーボンナノチューブの自立体を化学的に適合させることをさらに含み得る。
【0075】
このプロセスは、不織布カーボンナノチューブの自立体を高密度化することをさらに含み得る。高密度化の後には通常、風乾が行われる。
【0076】
このプロセスは、不織布カーボンナノチューブの自立体をコーティングすることをさらに含み得る。
【0077】
好ましくは、不織布カーボンナノチューブの自立体の電気伝導率は、103~106S/mの範囲であり、特に好ましくは、10000~500000S/mの範囲である。
【0078】
不織布カーボンナノチューブの自立体の面密度は、ステップ(e)の持続時間を変えることによって変えることができる。
【0079】
さらなる態様によれば、本発明は、前述したように、EMIシールドガスケットを提供する。
【0080】
さらに別の態様によれば、本発明は、EMI(例えば、RFI)シールドについて前述したように、不織布カーボンナノチューブの自立体の使用を提供する。
【0081】
EMIシールドのための不織布カーボンナノチューブの自立体の使用は、シールドガスケット、シールドエンクロージャ、シールド缶、シールドカード、シールドバックプレーン、シールドルーム、シールドテープ、またはシールドケーブルとしてまたはそれに使用するのが好ましい。
【0082】
本発明は、ここで、添付図面を参照して、非限定的な意味で説明される。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【
図1】本発明によるEMIシールドガスケットの代表的な実施形態のシールド性能を示す減衰プロットである。
【
図2】本発明によるEMIシールドガスケットの代表的な実施形態のシールド性能を示す減衰プロットである。
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図3】本発明によるEMIシールドガスケットの代表的な実施形態のシールド性能を示す減衰プロットである。
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図4】本発明によるEMIシールドガスケットの代表的な実施形態のシールド性能を示す減衰プロットである。
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図5】本発明によるEMIシールドガスケットの代表的な実施形態のシールド性能を示す減衰プロットである。
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図6】本発明によるEMIシールドガスケットの代表的な実施形態のシールド性能を示す減衰プロットである。
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図7】本発明によるEMIシールドガスケットの代表的な実施形態のシールド性能を示す減衰プロットである。
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図8】本発明によるEMIシールドガスケットの代表的な実施形態のシールド性能を示す減衰プロットである。
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図9】本発明によるEMIシールドガスケットの代表的な実施形態のシールド性能を示す減衰プロットである。
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図10】本発明によるEMIシールドガスケットの代表的な実施形態のシールド性能を示す減衰プロットである。
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図1】本発明によるEMIシールドガスケットの代表的な実施形態のシールド性能を示す減衰プロットである。
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図2】本発明によるEMIシールドガスケットの代表的な実施形態のシールド性能を示す減衰プロットである。
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図3】本発明によるEMIシールドガスケットの代表的な実施形態のシールド性能を示す減衰プロットである。
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図4】本発明によるEMIシールドガスケットの代表的な実施形態のシールド性能を示す減衰プロットである。
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図5】本発明によるEMIシールドガスケットの代表的な実施形態のシールド性能を示す減衰プロットである。
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図6】本発明によるEMIシールドガスケットの代表的な実施形態のシールド性能を示す減衰プロットである。
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図7】本発明によるEMIシールドガスケットの代表的な実施形態のシールド性能を示す減衰プロットである。
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図8】本発明によるEMIシールドガスケットの代表的な実施形態のシールド性能を示す減衰プロットである。
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図9】本発明によるEMIシールドガスケットの代表的な実施形態のシールド性能を示す減衰プロットである。
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図10】本発明によるEMIシールドガスケットの代表的な実施形態のシールド性能を示す減衰プロットである。
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図11】本発明によるEMIシールドガスケットの代表的な実施形態のシールド性能を示す減衰プロットである。
【
図12】本発明によるEMIシールドガスケットの代表的な実施形態のシールド性能を示す減衰プロットである。
【
図13】本発明によるEMIシールドガスケットの代表的な実施形態のシールド性能を示す減衰プロットである。
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図14】本発明によるEMIシールドガスケットの代表的な実施形態のシールド性能を示す減衰プロットである。
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図15】本発明によるEMIシールドガスケットの代表的な実施形態のシールド性能を示す減衰プロットである。
【
図16】本発明によるEMIシールドガスケットの代表的な実施形態のシールド性能を示す減衰プロットである。
【
図17】本発明によるEMIシールドガスケットの代表的な実施形態のシールド性能を示す減衰プロットである。
【
図18】本発明によるEMIシールドガスケットの代表的な実施形態のシールド性能を示す減衰プロットである。
【
図19】本発明によるEMIシールドガスケットの代表的な実施形態のシールド性能を示す減衰プロットである。
【
図20】本発明によるEMIシールドガスケットの代表的な実施形態のシールド性能を示す減衰プロットである。
【
図21】本発明によるEMIシールドガスケットの代表的な実施形態のシールド性能を示す減衰プロットである。
【
図22】本発明によるEMIシールドガスケットの代表的な実施形態のシールド性能を示す減衰プロットである。
【
図23】本発明によるEMIシールドガスケットの代表的な実施形態のシールド性能を示す減衰プロットである。
【
図24】本発明によるEMIシールドガスケットの代表的な実施形態のシールド性能を示す減衰プロットである。
【
図25】本発明によるEMIシールドガスケットの代表的な実施形態のシールド性能を示す減衰プロットである。
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図26】本発明によるEMIシールドガスケットの代表的な実施形態のシールド性能を示す減衰プロットである。
【
図27】本発明によるEMIシールドガスケットの代表的な実施形態のシールド性能を示す減衰プロットである。
【
図28】本発明によるEMIシールドガスケットの代表的な実施形態のシールド性能を示す減衰プロットである。
【
図29】本発明によるEMIシールドガスケットの代表的な実施形態のシールド性能を示す減衰プロットである。
【
図30】本発明によるEMIシールドガスケットの代表的な実施形態のシールド性能を示す減衰プロットである。
【
図31】本発明によるEMIシールドガスケットの代表的な実施形態のシールド性能を示す減衰プロットである。
【
図32】本発明によるEMIシールドガスケットの代表的な実施形態のシールド性能を示す減衰プロットである。
【
図33】コーティングされていないCNT材料及びコーティングされたCNT材料のSEM画像を示す図である。
【
図34】コーティングされていないCNT材料及びコーティングされたCNT材料のSEM画像を示す図である。
【
図35】10wt%のPVDFでコーティングされたCNT材料のSEM画像を示す図である。
【
図36】コーティングされていないCNT(カーボンナノチューブ)材料とコーティングされたCNT材料の引張応力とひずみ(%)の比較を示す図である。
【
図37】コーティングされていないCNT材料及びコーティングされたCNT材料の破壊エネルギーの比較を示す図である。
【
図38】以下に説明する実施例3のテストセットアップを示す図である。
【
図39】以下に説明する実施例3のテストセットアップを示す図である。
【
図40】テストセットアップを使用して測定されたさまざまなガスケット材料のシールド性能を示す図である。
【
図41】テストセットアップを使用して測定されたさまざまなガスケット材料のシールド性能を示す図である。
【
図42】テストセットアップを使用して測定されたさまざまなガスケット材料のシールド性能を示す図である。
【
図43】テストセットアップを使用して測定されたさまざまなガスケット材料のシールド性能を示す図である。
【
図44】テストセットアップを使用して測定されたさまざまなガスケット材料のシールド性能を示す図である。
【
図45】テストセットアップを使用して測定されたさまざまなガスケット材料のシールド性能を示す図である。
【
図46】テストセットアップを使用して測定されたさまざまなガスケット材料のシールド性能を示す図である。
【
図47】テストセットアップを使用して測定されたさまざまなガスケット材料のシールド性能を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0084】
例1
本発明によるEMIシールドガスケットの代表的な実施形態のシールド性能を、フリースペースまたはポリエチレン(PE)スペーサーに対する減衰を高周波で測定することによって評価した。
【0085】
実験
測定は、導波管フランジの側面に一定の距離に配置したホーンアンテナを使用して行った。信号源がテスト信号を生成した。下記のフランジ(Flann Microwave Limited)と周波数を使用した。
WR-112 10GHz
WR-42 26.5 GHz
WR-19 50GHz
【0086】
WR-112は、標準フランジよりも性能が優れた金属同士接触のチョークフランジである。WR-112の場合、信号源はスクリーンボックスに封入された。
【0087】
WR-42およびWR-19の場合、信号源は導波管内であった。
【0088】
いずれの場合も、成端は導波管負荷であった。テスト方法はIEEE Std 299:2006に基づいており、テスト機器は表1に示されている。
【0089】
【0090】
本発明のEMIシールドガスケットを作るために使用されるCNT材料は、以下のカタログ番号でTorTechから入手可能である。
C-322-H3 20gsm
C-340-H3B 30gsm
C-254-H2A 60gsm
【0091】
CNT材料が標準的な手法に従ってレーザーカットされ、EMIシールドガスケットのアパーチャおよび所望の構成が組み込まれている。テストは、コーティングされていないCNT材料製のEMIシールドガスケットと、PVDFコーティングされたCNT材料製のEMIシールドガスケットで実行した。PVDFコーティングされたEMIシールドガスケットは、PVDFペレット(Sigma Aldrich)をアセトン(15%w/w)に溶解し、その溶液をコーティングされていないEMIシールドガスケットの表面に塗布することによって調製した。アセトンを蒸発させてPVDFコーティングを残存させた。
【0092】
ニッケルとグラファイトを含むシリコーンエラストマー(CEM-NC001-0-03 80H 600gsm)をリファレンス材料として使用した。
【0093】
結果
減衰プロットを
図1~
図32に示す。各タイプの導波管ごとに、結果を以下の表に示す。減衰プロットと表において、以下の略語が使用されている。
「PVDF」は、PVDFコーティングされたEMIシールドガスケットである。
「ASIS」は、コーティングされていないEMIシールドガスケットである。
「Direct」は、ガスケットのない導波管である(つまり、導波管フランジ間の金属同士の接触)。
「PE70」は、ポリエチレンスペーサーである。
「NiGrSi」は、リファレンス材料を使用したガスケットである。
【0094】
【0095】
【0096】
【0097】
結論
結果は、一般に、CNT材料で作られたEMIシールドガスケットが、リファレンス材料で作られたものよりも減衰の改善をもたらすことを示している。面密度が最も低い(20gsm)CNT材料で作られたガスケットは、他のCNT材料(30gsmおよび60gsm)で作られたEMIシールドガスケットよりも驚くほど優れていた。PVDFコーティングされたEMIシールドガスケットは予想外に他のガスケットよりも高性能であった。
【0098】
例2
コーティングされたCNT材料のさまざまな特性を標準的な手法を使用して測定した。
【0099】
図33及び
図34は、それぞれPVPでコーティングされたCNT材料(20gsm)の各面のSEM画像を示す。
図35は、10wt%のPVDFでコーティングされたCNT材料のSEM画像を示す。
【0100】
図36は、コーティングされていないCNT材料(60gsm)、PVPでコーティングされたCNT材料(60gsm)、コーティングされていないCNT材料(20gsm)、およびPVPでコーティングされたCNT材料(20gsm)の引張応力及びひずみ(%)の比較を示す。
【0101】
図37は、コーティングされていないCNT材料(60gsm)、PVPでコーティングされたCNT材料(60gsm)、コーティングされていないCNT材料(20gsm)、およびPVPでコーティングされたCNT材料(20gsm)の破壊エネルギーの比較を示す。
【0102】
例3
実験
測定に使用した試験装置は下記のとおりである。
【0103】
【0104】
試験に使用した試験エンクロージャは、RNエレクトロニクス社からの設計入力に基づいてシールディングソリューションズ社によって製造された。これは、高周波数(> 5GHz)における材料のシールド効果を試験するために特別に構成された。
【0105】
試験方法:
IEEE299:2006に基づく
試験標準:
IEEE299:2006
試験アイテム:
ガスケットサンプル
場所:
試験領域A
サンプルプラン:
30cmの固定距離、25-100GHzで測定
試験要件:
25-100GHzで不織布CNTマットの測定
フリースペースに対する材料の有効性
【0106】
この試験の主な目的は、高周波数での多数のガスケット材料のシールド性能を比較および評価することであった。これらのタイプの材料は一般に、小規模の電子エンクロージャをシールドするために使用され、試験の目的は、これらの高周波数で動作するデバイスにおける使用のための各材料の適合性を評価することであった。これらの材料は下記のとおりである(TorTech製のCNT材料)。
【0107】
MFS-NCRS001 銅メッキ金属化ポリエステルリップストップファブリック上のニッケル
C-267-H3B CNT材料 11gsm
C-279-H3B CNT材料 30gsm
C-279-H3Bo CNT材料 30gsm
C-302-H2 60gsm
C-314-H2 PCU 900NM 19gsm
C-283-H3 36gsm
C-283-H3 100%エポキシサークル
オプチベール 20444A Cu+Niコーティングされたカーボンベール20gsm
アルミホイル40u 108gsm(25-50GHzでのリファレンス用)
接地アルミニウムディスク 10mm厚(50-100GHzでのリファレンス用)
【0108】
各ガスケットディスクは、周波数源(
図39参照)を内部に備える試験エンクロージャ(
図38参照)の前面にある直径40mmの穴を覆って中央に配置した。ガスケットは、直径50mm、厚さ10mmのタフネルディスクによって所定の位置に保持した。ガスケットは、ディスクから電気的に絶縁されたシングルトグルクランプを使用して圧縮した。これにより、ディスクとエンクロージャの間の電気的接続のみがガスケットによって提供されることを保証した。すべてのガスケットサンプルを、同じテスト手順でテストした。
【0109】
結果
試験治具/遮蔽ボックスの50mmの丸い穴を通して測定された各ガスケットタイプのフリースペースに対するdB単位の遮蔽減衰の結果と、付随するプロット図を
図40-
図47に示す。
【0110】
CNT材料は、エンクロージャ開口部のアルミニウム表面でどれだけうまく自己終端するかによって証明されるEMIシールドガスケット材料としての使用が期待されることも示している。