(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-17
(45)【発行日】2025-01-27
(54)【発明の名称】MAC PDUを送信するための方法およびデバイス
(51)【国際特許分類】
H04W 28/04 20090101AFI20250120BHJP
H04W 28/14 20090101ALI20250120BHJP
H04L 1/16 20230101ALI20250120BHJP
【FI】
H04W28/04 110
H04W28/14
H04L1/16
(21)【出願番号】P 2022519107
(86)(22)【出願日】2020-11-23
(86)【国際出願番号】 CN2020130826
(87)【国際公開番号】W WO2021098877
(87)【国際公開日】2021-05-27
【審査請求日】2023-10-18
(32)【優先日】2019-11-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516227559
【氏名又は名称】オッポ広東移動通信有限公司
【氏名又は名称原語表記】GUANGDONG OPPO MOBILE TELECOMMUNICATIONS CORP., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 18 Haibin Road,Wusha, Chang’an,Dongguan, Guangdong 523860 China
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100152205
【氏名又は名称】吉田 昌司
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【氏名又は名称】出口 智也
(74)【代理人】
【識別番号】100120385
【氏名又は名称】鈴木 健之
(72)【発明者】
【氏名】フー、チョー
(72)【発明者】
【氏名】シー、コン
【審査官】山中 実
(56)【参考文献】
【文献】再公表特許第2017/047404(JP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 28/04
H04W 28/14
H04L 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体アクセス制御(MAC:medium access control)プロトコルデータユニット(PDU:protocol data unit)を送信するための方法であって、
ハイブリッド自動再送要求(HARQ:hybrid automatic repeat request)エンティティが、アップリンクグラントに関して、前記アップリンクグラントに関連したHARQプロセスを特定することと(201)、
以下の条
件が満たされた時には、すなわち、
前記HARQエンティティのMACエンティティが、優先順位ベースの優先順位付けで構成され、前記アップリンクグラントが、設定グラントであり、前記HARQプロセスに関する以前のアップリンクグラントが、優先順位を下げられたものであり、前記HARQプロセスに関して前記MAC PDUが、既に取得されていたという条件
、
が満たされた時には、前記HARQエンティティが、送信するためのMAC PDUを、前記特定されたHARQプロセスのHARQバッファから、取得することと(202)、を含む、方法。
【請求項2】
送信するための前記MAC PDUを取得した後に、前記HARQエンティティが、前記MAC PDUと、前記アップリンクグラントと、トランスポートブロック(TB:transport block)のHARQ情報とを、前記特定されたHARQプロセスに対して配信することと、
前記HARQエンティティが、前記特定されたHARQプロセスに対して指示を出すことにより、新たな送信をトリガすることと、をさらに含み、
前記HARQプロセスが設定グラントタイマーを有して構成されている際には、以下の条件の少なくとも1つが満たされた時には、すなわち、
前記MACエンティティが、優先順位ベースの優先順位付けで構成され、前記アップリンクグラントが、優先順位を下げられた設定グラントであるという条件、あるいは、
前記MACエンティティが、優先順位ベースの優先順位付けで構成され、前記アップリンクグラントが、設定アップリンクグラントであり、前記アップリンクグラントが、優先順位を下げられたアップリンクグラントであるという条件、
の少なくとも1つが満たされた時には、前記設定グラントタイマーを開始または再開しない、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
以下の条件の少なくとも1つが満たされた時には、すなわち、
同じHARQプロセスに関して前記HARQエンティティに対して配信された以前のアップリンクグラントが、優先順位を下げられた設定アップリンクグラントであるという条件、
前記特定されたHARQプロセスに関する前記以前の設定グラントが、優先順位を下げられたものであり、前記HARQプロセスの前記HARQバッファ内に取得された前記MAC PDUが、正常に送信されなかったという条件、
の少なくとも1つが満たされた時には、前記MACエンティティが、前記設定アップリンクグラントと、関連したHARQ情報とを、前記HARQエンティティに対して配信することを、さらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
送信するための前記MAC PDUを取得した後に、前記HARQエンティティが、前記MAC PDUと、前記アップリンクグラントと、トランスポートブロック(TB:transport block)のHARQ情報とを、前記特定されたHARQプロセスに対して配信することと、
前記HARQエンティティが、前記特定されたHARQプロセスに対して指示を出すことにより、新たな送信をトリガすることと、
前記HARQプロセスが設定グラントタイマーを有して構成されている時には、前記HARQエンティティが、前記設定グラントタイマーを開始または再開することと、をさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記設定グラントタイマーを開始または再開することは、
前記送信が実行されたことを前記MACエンティティが決定した時に、前記設定グラントタイマーを開始または再開することを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
媒体アクセス制御(MAC:medium access control)プロトコルデータユニット(PDU:protocol data unit)を送信するためのデバイスであって
、
ハイブリッド自動再送要求(HARQ:hybrid automatic repeat request)エンティティを含み、前記HARQエンティティは、
アップリンクグラントに関して、前記アップリンクグラントに関連したHARQプロセスを特定するように構成され、さらに、
以下の条件が満たされた時には、すなわち、
前記HARQエンティティのMACエンティティが、優先順位ベースの優先順位付けで構成され、前記アップリンクグラントが、設定グラントであり、前記HARQプロセスに関する以前のアップリンクグラントが、優先順位を下げられたものであり、前記HARQプロセスに関して前記MAC PDUが、既に取得されていたという条件、
が満たされた時には、送信するためのMAC PDUを、前記特定されたHARQプロセスのHARQバッファから、取得するように構成されている、デバイス。
【請求項7】
前記HARQエンティティは、
送信するための前記MAC PDUを取得した後に、前記MAC PDUと、前記アップリンクグラントと、トランスポートブロック(TB:transport block)のHARQ情報とを、前記特定されたHARQプロセスに対して配信し、さらに、
前記特定されたHARQプロセスに対して指示を出すことにより、新たな送信をトリガするように、さらに構成され、
前記HARQプロセスが設定グラントタイマーを有して構成されている際には、以下の条件の少なくとも1つが満たされた時には、すなわち、
前記MACエンティティが、優先順位ベースの優先順位付けで構成され、前記アップリンクグラントが、優先順位を下げられた設定グラントであるという条件、あるいは、
前記MACエンティティが、優先順位ベースの優先順位付けで構成され、前記アップリンクグラントが、設定アップリンクグラントであり、前記アップリンクグラントが、優先順位を下げられたアップリンクグラントであるという条件、
の少なくとも1つが満たされた時には、前記設定グラントタイマーを開始または再開しない、請求項6に記載のデバイス。
【請求項8】
前記HARQエンティティの前記MACエンティティは、
以下の条件の少なくとも1つが満たされた時には、すなわち、
同じHARQプロセスに関して前記HARQエンティティに対して配信された以前のアップリンクグラントが、優先順位を下げられた設定アップリンクグラントであるという条件、
前記特定されたHARQプロセスに関する前記以前の設定グラントが、優先順位を下げられたものであり、前記HARQプロセスの前記HARQバッファ内に取得された前記MAC PDUが、正常に送信されなかったという条件、
の少なくとも1つが満たされた時には、前記設定アップリンクグラントと、関連したHARQ情報とを、前記HARQエンティティに対して配信するように、さらに構成されている、請求項6に記載のデバイス。
【請求項9】
前記HARQエンティティは、
送信するための前記MAC PDUを取得した後に、前記MAC PDUと、前記アップリンクグラントと、トランスポートブロック(TB:transport block)のHARQ情報とを、前記特定されたHARQプロセスに対して配信し、
前記特定されたHARQプロセスに対して指示を出すことにより、新たな送信をトリガし、
前記HARQプロセスが設定グラントタイマーを有して構成されている時には、前記設定グラントタイマーを開始または再開するように、さらに構成されている、請求項8に記載のデバイス。
【請求項10】
前記HARQエンティティは、前記送信が実行されたことを前記MACエンティティが決定した時に、前記設定グラントタイマーを開始または再開するように構成されている、請求項9に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、通信技術の分野に関し、特に、媒体アクセス制御(MAC:medium access control)プロトコルデータユニット(PDU:protocol data unit)を送信するための方法およびデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
様々な態様においてますます高まる通信要求を満たすために、第5世代(5G:fifth generation)ニューラジオ(NR:New Radio)無線通信システムが開発された。
【0003】
ハイブリッド自動再送要求(HARQ:Hybrid Automatic Repeat reQuest)メカニズムが、一般に、パケットデータ伝送システムにおいてデータ伝送の信頼性を向上させるために、適用されている。特に、受信側のMAC層のHARQプロセスは、送信側からのMAC PDUを受信側で正常に受信した場合には、送信側のMAC層に対して確認応答(ACK:acknowledgement)をフィードバックするとともに、MAC PDUを正常に受信しなかった場合には、送信側のMAC層に対して否定応答(NACK:negative acknowledgement)をフィードバックし、これにより、MAC PDUの再送信を実行することができる。
【0004】
HARQメカニズムは、また、NR通信システムにおいても適用されており、NR通信システムにおいてHARQメカニズムを利用してMAC PDUsを送信するための方法に関して、更なる改良が必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
本開示の実装は、媒体アクセス制御(MAC:medium access control)プロトコルデータユニット(PDU:protocol data unit)を送信するための方法およびデバイスを提供する。
【0006】
第1の態様では、MAC PDUを送信するための方法が提供される。方法は、ハイブリッド自動再送要求(HARQ:hybrid automatic repeat request)エンティティが、アップリンクグラントに関して、アップリンクグラントに関連したHARQプロセスを特定することと、以下の条件の少なくとも1つが満たされた時には、すなわち、HARQエンティティのMACエンティティが、優先順位ベースの優先順位付けで構成され、アップリンクグラントが、設定グラントであり、HARQプロセスに関する以前のアップリンクグラントが、優先順位を下げられたものであり、HARQプロセスに関してMAC PDUが、既に取得されていたという条件、アップリンクグラントが設定グラントであり、HARQプロセスに関する以前のアップリンクグラントが、優先順位を下げられたものであり、HARQプロセスに関してMAC PDUが、既に取得されていたという条件、特定されたHARQプロセスに関する以前の設定グラントが、優先順位を下げられたものであり、以前のアップリンクグラントの物理アップリンク共有チャネル(PUSCH:physical uplink shared channel)持続時間と別のアップリンクグラントのPUSCH持続時間とのオーバーラップのために、HARQバッファ内に取得されたMAC PDUが、正常に送信されなかったという条件、あるいは、MACエンティティが、優先順位ベースの優先順位付けで構成され、特定されたHARQプロセスに関する以前の設定グラントが、優先順位を下げられたものであり、HARQバッファ内に取得されたMAC PDUが、オーバーラップのために正常に送信されなかったという条件、の少なくとも1つが満たされた時には、HARQエンティティが、送信するためのMAC PDUを、特定されたHARQプロセスのHARQバッファから、取得することと、を含む。
【0007】
第2の態様では、MAC PDUを送信するための方法が提供される。方法は、以下の条件の少なくとも1つが満たされた時には、すなわち、同じHARQプロセスに関してHARQエンティティに対して配信された以前のアップリンクグラントが、優先順位を下げられた設定アップリンクグラントであったという条件、HARQプロセスのHARQバッファ内に取得されたMAC PDUが、以前のアップリンクグラントのPUSCH持続時間と別のアップリンクグラントのPUSCH持続時間とのオーバーラップのために、正常に送信されなかったという条件、HARQプロセスに関する以前の設定グラントが、優先順位を下げられたものであり、HARQプロセスのHARQバッファ内に取得されたMAC PDUが、オーバーラップのために正常に送信されなかったという条件、MACエンティティが、優先順位ベースの優先順位付けで構成され、同じHARQプロセスに関してHARQエンティティに対して配信された以前のアップリンクグラントが、優先順位を下げられた設定アップリンクグラントであったという条件、MACエンティティが、優先順位ベースの優先順位付けで構成され、HARQプロセスのHARQバッファ内に取得されたMAC PDUが、オーバーラップのために正常に送信されなかったという条件、あるいは、MACエンティティが、優先順位ベースの優先順位付けで構成され、HARQプロセスに関する以前の設定グラントが、優先順位を下げられたものであり、HARQプロセスのHARQバッファ内に取得されたMAC PDUが、オーバーラップのために正常に送信されなかったという条件、の少なくとも1つが満たされた時には、MACエンティティが、設定アップリンクグラントと、関連したHARQ情報とを、MACエンティティのHARQエンティティに対して配信することと、HARQエンティティが、アップリンクグラントと、トランスポートブロック(TB:transport block)のHARQ情報とを、HARQプロセスに対して配信することと、HARQエンティティが、HARQプロセスに対して指示を出すことにより、再送信をトリガすることと、を含む。
【0008】
第3の態様では、MAC PDUを送信するためのデバイスが提供される。デバイスは、HARQエンティティを含み、HARQエンティティは、アップリンクグラントに関して、アップリンクグラントに関連したHARQプロセスを特定するように構成され、さらに、以下の条件の少なくとも1つが満たされた時には、すなわち、HARQエンティティのMACエンティティが、優先順位ベースの優先順位付けで構成され、アップリンクグラントが、設定グラントであり、HARQプロセスに関する以前のアップリンクグラントが、優先順位を下げられたものであり、HARQプロセスに関してMAC PDUが、既に取得されていたという条件、アップリンクグラントが設定グラントであり、HARQプロセスに関する以前のアップリンクグラントが、優先順位を下げられたものであり、HARQプロセスに関してMAC PDUが、既に取得されていたという条件、特定されたHARQプロセスに関する以前の設定グラントが、優先順位を下げられたものであり、HARQバッファ内に取得されたMAC PDUが、以前のアップリンクグラントの物理アップリンク共有チャネル(PUSCH:physical uplink shared channel)持続時間と別のアップリンクグラントのPUSCH持続時間とのオーバーラップのために、正常に送信されなかったという条件、あるいは、MACエンティティが、優先順位ベースの優先順位付けで構成され、特定されたHARQプロセスに関する以前の設定グラントが、優先順位を下げられたものであり、HARQバッファ内に取得されたMAC PDUが、オーバーラップのために、正常に送信されなかったという条件、の少なくとも1つが満たされた時には、送信するためのMAC PDUを、特定されたHARQプロセスのHARQバッファから、取得するように構成されている。
【0009】
第4の態様では、MAC PDUを送信するためのデバイスが提供される。デバイスは、MACエンティティを含み、MACエンティティは、HARQエンティティを含む。
【0010】
MACエンティティは、以下の条件の少なくとも1つが満たされた時には、すなわち、同じHARQプロセスに関してHARQエンティティに対して配信された以前のアップリンクグラントが、優先順位を下げられた設定アップリンクグラントであったという条件、HARQプロセスのHARQバッファ内に取得されたMAC PDUが、以前のアップリンクグラントの物理アップリンク共有チャネル(PUSCH:physical uplink shared channel)持続時間と別のアップリンクグラントのPUSCH持続時間とのオーバーラップのために、正常に送信されなかったという条件、HARQプロセスに関する以前の設定グラントが、優先順位を下げられたものであり、HARQプロセスのHARQバッファ内に取得されたMAC PDUが、オーバーラップのために正常に送信されなかったという条件、MACエンティティが、優先順位ベースの優先順位付けで構成され、同じHARQプロセスに関してHARQエンティティに対して配信された以前のアップリンクグラントが、優先順位を下げられた設定アップリンクグラントであったという条件、MACエンティティが、優先順位ベースの優先順位付けで構成され、HARQプロセスのHARQバッファ内に取得されたMAC PDUが、オーバーラップのために正常に送信されなかったという条件、あるいは、MACエンティティが、優先順位ベースの優先順位付けで構成され、HARQプロセスに関する以前の設定グラントが、優先順位を下げられたものであり、HARQプロセスのHARQバッファ内に取得されたMAC PDUが、オーバーラップのために正常に送信されなかったという条件、の少なくとも1つが満たされた時には、設定アップリンクグラントと、関連したHARQ情報とを、HARQエンティティに対して配信するように構成されている。
【0011】
HARQエンティティは、アップリンクグラントと、トランスポートブロック(TB:transport block)のHARQ情報とを、HARQプロセスに対して配信するように、さらに、HARQプロセスに対して指示を出すことにより、再送信をトリガするように、構成されている。
【0012】
本開示の実装の性質および利点に関するより良好な理解は、以下の詳細な説明および添付図面を参照することにより、得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、MAC層のアーキテクチャの一例を示している。
【
図2】
図2は、本開示の一実装によるMAC PDUを送信するための方法に関するフローチャートを示している。
【
図3】
図3は、本開示の一実装によるMAC PDUを送信するための方法に関するフローチャートを示している。
【
図4】
図4は、本開示の一実装によるMAC PDUを送信するためのデバイスの構造を示している。
【
図5】
図5は、本開示の一実装によるMAC PDUを送信するためのデバイスの構造を示している。
【
図6】
図6は、本開示の例示的な実装による端末デバイスの構造を示している。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下においては、本開示の例示的な実装における技術的解決策を、添付図面を参照しつつ説明する。例示的な実装が、本出願の範囲を限定するものではなく、本開示における技術的解決策に関するより良好な理解を意図したものであることは、理解されるべきであり、当業者であれば、実際の必要性に応じて、本明細書の例示的な実装どうしをおよび特徴点どうしを組み合わせ得ることは、理解されよう。
【0015】
添付図面のフローチャート内に示された行為は、少なくとも部分的には、コンピュータ実行可能な命令のセットを格納したコンピュータシステムによって、実行されてもよい。加えて、フローチャートには、論理的な順序が示されているけれども、場合によっては、示された行為または説明された行為が、異なる順序で実行されてもよい、あるいは、いくつかの行為が、全く実行されなくてもよい。
【0016】
本開示における実装に関する技術的解決策は、例えば、グローバル移動通信システム(GSM:Global System of Mobile communication)システム、符号分割多元接続(CDMA:Code Division Multiple Access)システム、広帯域符号分割多元接続(WCDMA:Wideband Code Division Multiple Access)システム、汎用パケット無線サービス(GPRS:General Packet Radio Service)システム、ロングタームエボリューション(LTE:long term evolution)システム、LTE周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)システム、LTE時分割複信(TDD:Time Division Duplex)システム、ユニバーサルモバイルテレコミュニケーションシステム(UMTS:Universal Mobile Telecommunication System)システム、マイクロ波アクセスのワールドワイド相互運用性(WiMAX:Worldwide Interoperability for Microwave Access)通信システム、ニューラジオ(NR:New Radio)システムまたは第5世代(5G:fifth-generation)システム、あるいは、更なる通信システム、などの様々な通信システムに対して、適用されてもよい。
【0017】
図1は、MAC層のアーキテクチャの一例を示している。MAC層は、HARQエンティティと、多重化/逆多重化エンティティと、論理チャネル優先順位付けエンティティと、制御エンティティと、を含んでもよい。多重化および逆多重化エンティティは、MAC PDUsの構成および分解を担当してもよく、複数の論理チャネルから、1つのトランスポートチャネルへの/からの、データの(逆)多重化を実行する。新たな送信のための無線リソースが割り当てられた時には、論理チャネル優先順位付けエンティティは、多重化および非多重化エンティティに対して指示を出すことにより、MACサービスデータユニット(SDUs:service data units)からMAC PDUsを生成してもよい。HARQエンティティは、送信HARQ動作および受信HARQ動作を実行してもよい。制御エンティティは、例えば、DRX、リソース要求、アップリンクタイミングの調整、パワーヘッドルーム報告、および同種のもの、などの多くの機能を担当してもよい。上位層内の論理チャネルは、ページング制御チャネル(PCCH:Paging Control Channel)と、ブロードキャスト制御チャネル(BCCH:Broadcast Control Channel)と、共通制御チャネル(CCCH:Common Control Channel)と、専用制御チャネル(DCCH:)と、専用トラフィックチャネル(DTCH:Dedicated Traffic Channel)と、を含んでもよい。下位層内のトランスポートチャネルは、ページングチャネル(PCH:Paging Channel)と、ブロードキャストチャネル(BCH:Broadcast Channel)と、ダウンリンク共有チャネル(DL-SCH:Downlink Shared Channel)と、アップリンク共有チャネル(UL-SCH:Uplink Shared Channel)と、ランダムアクセスチャネル(RACH:Random Access Channel)と、を含んでもよい。
【0018】
この時点で、設定グラント(CG:configured grant)リソースにおいて、再送信または新たな送信のいずれかとして、UE自律再送信をサポートする必要がある。例えば、衝突の場合には、CGは、より高い優先度を有した別のULリソースによって、優先順位が下げられる/先取りされる。そして、UEは、優先順位を下げられた/先取りされたCGに対して、自律的な再送信を行ってもよい。しかしながら、CGに対する自律的な再送信を実施する方法については、これまでには指定されていない。
【0019】
自律的な再送信は、設定グラント上の新たなタイマー(すなわち、タイマーの満期=HARQ NACK)に基づくものであってもよい。新たなタイマーは、トランスポートブロック(TB:transport block)が設定グラント上で実際に送信された時点で開始されるとともに、例えばダウンリンクフィードバック情報(DFI:downlink feedback information)またはHARQプロセスに関するダイナミックグラントなどのHARQフィードバックを受信した時点で停止される。また、タイマーを開始または再開する条件を指定する必要がある。
【0020】
図2は、本開示の一実装によるMAC PDUを送信するための方法に関するフローチャートを示している。
図2に示すように、方法は、行為201~202を含む。
【0021】
行為201では、HARQエンティティは、アップリンクグラントに関して、このアップリンクグラントに関連したHARQプロセスを特定する。
【0022】
行為202では、HARQエンティティは、1つまたは複数の特定の条件が満たされた時には、送信するためのMAC PDUを、特定されたHARQプロセスのHARQバッファから、取得する。具体的には、以下の条件の少なくとも1つが満たされた時には、すなわち、HARQエンティティのMACエンティティが、優先順位ベースの優先順位付けで構成され、アップリンクグラントが設定グラントであり、HARQプロセスに関する以前のアップリンクグラントが、優先順位を下げられたものであり、HARQプロセスに関してMAC PDUが、既に取得されていたという条件、アップリンクグラントが設定グラントであり、HARQプロセスに関する以前のアップリンクグラントが、優先順位を下げられたものであり、HARQプロセスに関してMAC PDUが、既に取得されていたという条件、特定されたHARQプロセスに関する以前の設定グラントが、優先順位を下げられたものであり、以前のアップリンクグラントの物理アップリンク共有チャネル(PUSCH:physical uplink shared channel)持続時間と別のアップリンクグラントのPUSCH持続時間とのオーバーラップのために、HARQバッファ内に取得されたMAC PDUが、正常に送信されなかったという条件、あるいは、MACエンティティが、優先順位ベースの優先順位付けで構成され、特定されたHARQプロセスに関する以前の設定グラントが、優先順位を下げられたものであり、HARQバッファ内に取得されたMAC PDUが、オーバーラップのために正常に送信されなかったという条件、の少なくとも1つが満たされた時には、HARQエンティティは、送信するためのMAC PDUを、特定されたHARQプロセスのHARQバッファから、取得する。
【0023】
例示的な実装では、方法は、MACエンティティが、優先順位ベースの優先順位付けで構成されていない時には、あるいは、MACエンティティが、優先順位ベースの優先順位付けで構成されかつアップリンクグラントが、優先的なアップリンクグラントである時には、HARQエンティティが、送信するためのMAC PDUを、多重化およびアセンブリエンティティから、取得することを、さらに含んでもよい。
【0024】
例示的な実装では、方法は、送信するためのMAC PDUを取得した後に、HARQエンティティが、MAC PDUと、アップリンクグラントと、TBのHARQ情報とを、特定されたHARQプロセスに対して配信することと、HARQエンティティが、特定されたHARQプロセスに対して指示を出すことにより、新たな送信をトリガすることと、HARQプロセスが設定グラントタイマーを有して構成されている際には、以下の条件の少なくとも1つが満たされた時には、すなわち、MACエンティティが、優先順位ベースの優先順位付けで構成され、アップリンクグラントが、優先順位を下げられた設定グラントであるという条件、あるいは、MACエンティティが、優先順位ベースの優先順位付けで構成され、アップリンクグラントが、設定アップリンクグラントであり、アップリンクグラントが、優先順位を下げられたアップリンクグラントであるという条件、の少なくとも1つが満たされた時には、設定グラントタイマーを開始または再開しないことと、をさらに含んでもよい。
【0025】
例示的な実装では、方法は、送信するためのMAC PDUを取得した後に、HARQエンティティが、MAC PDUと、アップリンクグラントと、TBのHARQ情報とを、特定されたHARQプロセスに対して配信することと、HARQエンティティが、特定されたHARQプロセスに対して指示を出すことにより、新たな送信をトリガすることと、HARQプロセスが設定グラントタイマーを有して構成されている時には、HARQエンティティは、送信が終了した時に、または送信が成功した時に、または対応するPUSCH送信の終了時に、または対応するPUSCH送信の終了後に、または対応するPUSCH送信の終了後の第1シンボル内で、または対応するPUSCH機会の終了時に、または送信が実行されたことをMACエンティティが決定した時に、または送信がドロップされていないまたは優先順位を下げられていないことをMACエンティティが決定した時に、または対応するPUSCH機会の終了後に、設定グラントタイマーを開始または再開することと、をさらに含んでもよい。
【0026】
例示的な実装では、方法は、以下の条件の少なくとも1つが満たされた時には、すなわち、同じHARQプロセスに関してHARQエンティティに対して配信された以前のアップリンクグラントが、優先順位を下げられた設定アップリンクグラントであるという条件、特定されたHARQプロセスのHARQバッファ内に取得されたMAC PDUが、オーバーラップのために正常に送信されなかったという条件、特定されたHARQプロセスに関する以前の設定グラントが、優先順位を下げられたものであり、HARQプロセスのHARQバッファ内に取得されたMAC PDUが、正常に送信されなかったという条件、MACエンティティが、優先順位ベースの優先順位付けで構成され、同じHARQプロセスに関してHARQエンティティに対して配信された以前のアップリンクグラントが、優先順位を下げられた設定アップリンクグラントであったという条件、MACエンティティが、優先順位ベースの優先順位付けで構成され、特定されたHARQプロセスのHARQバッファ内に取得されたMAC PDUが、オーバーラップのために正常に送信されなかったという条件、あるいは、MACエンティティが、優先順位ベースの優先順位付けで構成され、特定されたHARQプロセスに関する以前の設定グラントが、優先順位を下げられたものであり、HARQプロセスのHARQバッファ内に取得されたMAC PDUが、オーバーラップのために正常に送信されなかったという条件、の少なくとも1つが満たされた時には、MACエンティティが、設定アップリンクグラントと、関連したHARQ情報とを、HARQエンティティに対して配信することを、さらに含んでもよい。
【0027】
例示的な実装では、方法は、送信するためのMAC PDUを取得した後に、HARQエンティティが、MAC PDUと、アップリンクグラントと、TBのHARQ情報とを、特定されたHARQプロセスに対して配信することと、HARQエンティティが、特定されたHARQプロセスに対して指示を出すことにより、新たな送信をトリガすることと、HARQプロセスが設定グラントタイマーを有して構成されている時には、HARQエンティティが、設定グラントタイマーを開始または再開することと、をさらに含んでもよい。
【0028】
例示的な実装では、設定グラントタイマーを開始または再開することは、送信が開始された時に、または対応するPUSCH送信の開始時点で、または対応するPUSCH送信の開始時点の後に、または対応するPUSCH送信の第1シンボルで、または対応するPUSCH送信の第1シンボルの後に、または送信が実行されたことをMACエンティティが決定した時に、または送信がドロップされていないまたは優先順位を下げられていないことをMACエンティティが決定した時に、設定グラントタイマーを開始または再開することを、含んでもよい。
【0029】
図3は、本開示の一実装によるMAC PDUを送信するための方法に関するフローチャートを示している。
図3に示すように、方法は、行為301~303を含む。
【0030】
行為301では、以下の条件の少なくとも1つが満たされた時には、すなわち、同じHARQプロセスに関してHARQエンティティに対して配信された以前のアップリンクグラントが、優先順位を下げられた設定アップリンクグラントであったという条件、HARQプロセスのHARQバッファ内に取得されたMAC PDUが、以前のアップリンクグラントのPUSCH持続時間と別のアップリンクグラントのPUSCH持続時間とのオーバーラップのために、正常に送信されなかったという条件、HARQプロセスに関する以前の設定グラントが、優先順位を下げられたものであり、HARQプロセスのHARQバッファ内に取得されたMAC PDUが、オーバーラップのために正常に送信されなかったという条件、MACエンティティが、優先順位ベースの優先順位付けで構成され、同じHARQプロセスに関してHARQエンティティに対して配信された以前のアップリンクグラントが、優先順位を下げられた設定アップリンクグラントであったという条件、MACエンティティが、優先順位ベースの優先順位付けで構成され、HARQプロセスのHARQバッファ内に取得されたMAC PDUが、オーバーラップのために正常に送信されなかったという条件、あるいは、MACエンティティが、優先順位ベースの優先順位付けで構成され、HARQプロセスに関する以前の設定グラントが、優先順位を下げられたものであり、HARQプロセスのHARQバッファ内に取得されたMAC PDUが、オーバーラップのために正常に送信されなかったという条件、の少なくとも1つが満たされた時には、MACエンティティは、設定アップリンクグラントと、関連したHARQ情報とを、MACエンティティのHARQエンティティに対して配信する。
【0031】
行為302では、HARQエンティティは、アップリンクグラントと、TBのHARQ情報とを、HARQプロセスに対して配信する。
【0032】
行為303では、HARQエンティティは、HARQプロセスに対して指示を出すことにより、再送信をトリガする。
【0033】
例示的な実装では、方法は、HARQプロセスが設定グラントタイマーを有して構成されている際には、以下の条件の少なくとも1つが満たされた時には、すなわち、MACエンティティが、優先順位ベースの優先順位付けで構成され、アップリンクグラントが、設定アップリンクグラントであるという条件、あるいは、MACエンティティが、優先順位ベースの優先順位付けで構成され、アップリンクグラントが、設定アップリンクグラントであり、HARQプロセスに関する以前のアップリンクグラントが、優先順位を下げられた設定グラントであるという条件、の少なくとも1つが満たされた時には、HARQエンティティが、再送信の実行時に、設定グラントタイマーを開始または再開することを、さらに含んでもよい。
【0034】
例示的な実装では、方法は、HARQエンティティが、アップリンクグラントに関して、このアップリンクグラントに関連したHARQプロセスを特定することと、MAC PDUを取得したことに応答して、HARQエンティティが、MAC PDUと、アップリンクグラントと、TBのHARQ情報とを、特定されたHARQプロセスに対して配信することと、HARQエンティティが、特定されたHARQプロセスに対して指示を出すことにより、新たな送信をトリガすることと、HARQプロセスが設定グラントタイマーを有して構成されている際には、以下の条件の少なくとも1つが満たされた時には、すなわち、MACエンティティが、優先順位ベースの優先順位付けで構成され、アップリンクグラントが、優先順位を下げられた設定グラントであるという条件、あるいは、MACエンティティが、優先順位ベースの優先順位付けで構成され、アップリンクグラントが、設定アップリンクグラントであり、アップリンクグラントが、優先順位を下げられたアップリンクグラントであるという条件、の少なくとも1つが満たされた時には、設定グラントタイマーを開始または再開することと、をさらに含んでもよい。
【0035】
例示的な実装では、方法は、HARQエンティティが、アップリンクグラントに関して、このアップリンクグラントに関連したHARQプロセスを特定することと、MAC PDUを取得したことに応答して、HARQエンティティが、MAC PDUと、アップリンクグラントと、TBのHARQ情報とを、特定されたHARQプロセスに対して配信することと、HARQエンティティが、特定されたHARQプロセスに対して指示を出すことにより、新たな送信をトリガすることと、HARQプロセスが設定グラントタイマーを有して構成されている時には、設定グラントタイマーを開始または再開することと、をさらに含んでもよい。
【0036】
例示的な実装では、設定グラントタイマーを開始または再開することは、送信が開始された時に、または対応するPUSCH送信の開始時点で、または対応するPUSCH送信の開始時点の後に、または対応するPUSCH送信の第1シンボルで、または対応するPUSCH送信の第1シンボルの後に、または送信が実行されたことをMACエンティティが決定した時に、または送信がドロップされていないまたは優先順位を下げられていない時に、設定グラントタイマーを開始または再開することを、含んでもよい。
【0037】
本開示の技術的解決策に関する更なる理解のために、以下に例示的な実装を提供する。特に、当業者であれば、本明細書内の「1>」、「2>」、等の数字が、例示的な実装における手順の論理を理解することを容易にするためのものであり、例示的な実装における手順の内容を限定することを意図するものではないことを理解し得る。
【0038】
【0039】
NDIが以前の送信における値と比較して切り替えられたことを決定した時には、MACエンティティは、その一時的C-RNTIに関するPDCCH上のすべてのアップリンクグラント内で受信したNDIを、無視するものとする。
【0040】
【0041】
NDIが以前の送信における値と比較して切り替えられたことを決定した時には、MACエンティティは、その一時的C-RNTIに関するPDCCH上のすべてのアップリンクグラント内で受信したNDIを、無視するものとする。
【0042】
【0043】
【0044】
NDIが以前の送信における値と比較して切り替えられたことを決定した時には、MACエンティティは、その一時的C-RNTIに関するPDCCH上のすべてのアップリンクグラント内で受信したNDIを、無視するものとする。
【0045】
【0046】
NDIが以前の送信における値と比較して切り替えられたことを決定した時には、MACエンティティは、その一時的C-RNTIに関するPDCCH上のすべてのアップリンクグラント内で受信したNDIを、無視するものとする。
【0047】
【0048】
【0049】
NDIが以前の送信における値と比較して切り替えられたことを決定した時には、MACエンティティは、その一時的C-RNTIに関するPDCCH上のすべてのアップリンクグラント内で受信したNDIを、無視するものとする。
【0050】
図4は、本開示の一実装によるMAC PDUを送信するためのデバイス400の構造を示している。
図4に示すように、デバイス400は、アップリンクグラントに関して、このアップリンクグラントに関連したHARQプロセスを特定するように構成された、さらに、以下の条件の少なくとも1つが満たされた時には、すなわち、HARQエンティティ410のMACエンティティが、優先順位ベースの優先順位付けで構成され、アップリンクグラントが、設定グラントであり、HARQプロセスに関する以前のアップリンクグラントが、優先順位を下げられたものであり、HARQプロセスに関してMAC PDUが、既に取得されていたという条件、アップリンクグラントが設定グラントであり、HARQプロセスに関する以前のアップリンクグラントが、優先順位を下げられたものであり、HARQプロセスに関してMAC PDUが、既に取得されていたという条件、特定されたHARQプロセスに関する以前の設定グラントが、優先順位を下げられたものであり、HARQバッファ内に取得されたMAC PDUが、以前のアップリンクグラントのPUSCH持続時間と別のアップリンクグラントのPUSCH持続時間とのオーバーラップのために、正常に送信されなかったという条件、あるいは、MACエンティティが、優先順位ベースの優先順位付けで構成され、特定されたHARQプロセスに関する以前の設定グラントが、優先順位を下げられたものであり、HARQバッファ内に取得されたMAC PDUが、オーバーラップのために、正常に送信されなかったという条件、の少なくとも1つが満たされた時には、送信するためのMAC PDUを、特定されたHARQプロセスのHARQバッファから、取得するように構成された、HARQエンティティ410を含む。
【0051】
例示的な実装では、HARQエンティティ410は、MACエンティティが、優先順位ベースの優先順位付けで構成されていない時には、あるいは、MACエンティティが、優先順位ベースの優先順位付けで構成され、アップリンクグラントが、優先的なアップリンクグラントである時には、送信するためのMAC PDUを、多重化およびアセンブリエンティティから、取得するように、さらに構成されてもよい。
【0052】
例示的な実装では、HARQエンティティ410は、送信するためのMAC PDUを取得した後に、MAC PDUと、アップリンクグラントと、TBのHARQ情報とを、特定されたHARQプロセスに対して配信するように、さらに、特定されたHARQプロセスに対して指示を出すことにより、新たな送信をトリガするように、さらに構成されてもよく、HARQプロセスが設定グラントタイマーを有して構成されている際には、以下の条件の少なくとも1つが満たされた時には、すなわち、MACエンティティが、優先順位ベースの優先順位付けで構成され、アップリンクグラントが、優先順位を下げられた設定グラントであるという条件、あるいは、MACエンティティが、優先順位ベースの優先順位付けで構成され、アップリンクグラントが、設定アップリンクグラントであり、アップリンクグラントが、優先順位を下げられたアップリンクグラントであるという条件、の少なくとも1つが満たされた時には、設定グラントタイマーを開始または再開しない。
【0053】
例示的な実装では、HARQエンティティ410は、送信するためのMAC PDUを取得した後に、MAC PDUと、アップリンクグラントと、TBのHARQ情報とを、特定されたHARQプロセスに対して配信するように、特定されたHARQプロセスに対して指示を出すことにより、新たな送信をトリガするように、さらに、HARQプロセスが設定グラントタイマーを有して構成されている際には、送信が終了した時に、または送信が成功した時に、または対応するPUSCH送信の終了時に、または対応するPUSCH送信の終了後に、または対応するPUSCH送信の終了後の第1シンボル内で、または対応するPUSCH機会の終了時に、または送信が実行されたことをMACエンティティが決定した時に、または送信がドロップされていないまたは優先順位を下げられていないことをMACエンティティが決定した時に、または対応するPUSCH機会の終了後に、設定グラントタイマーを開始または再開するように、さらに構成されてもよい。
【0054】
例示的な実装では、HARQエンティティ410は、以下の条件の少なくとも1つが満たされた時には、すなわち、同じHARQプロセスに関してHARQエンティティに対して配信された以前のアップリンクグラントが、優先順位を下げられた設定アップリンクグラントであったという条件、特定されたHARQプロセスのHARQバッファ内に取得されたMAC PDUが、オーバーラップのために正常に送信されなかったという条件、特定されたHARQプロセスに関する以前の設定グラントが、優先順位を下げられたものであり、HARQプロセスのHARQバッファ内に取得されたMAC PDUが、正常に送信されなかったという条件、MACエンティティが、優先順位ベースの優先順位付けで構成され、同じHARQプロセスに関してHARQエンティティ410に対して配信された以前のアップリンクグラントが、優先順位を下げられた設定アップリンクグラントであったという条件、MACエンティティが、優先順位ベースの優先順位付けで構成され、特定されたHARQプロセスのHARQバッファ内に取得されたMAC PDUが、オーバーラップのために正常に送信されなかったという条件、あるいは、MACエンティティが、優先順位ベースの優先順位付けで構成され、特定されたHARQプロセスに関する以前の設定グラントが、優先順位を下げられたものであり、HARQプロセスのHARQバッファ内に取得されたMAC PDUが、オーバーラップのために正常に送信されなかったという条件、の少なくとも1つが満たされた時には、設定アップリンクグラントと、関連したHARQ情報とを、HARQエンティティ410に対して配信するように、さらに構成されてもよい。
【0055】
例示的な実装では、HARQエンティティ410は、送信するためのMAC PDUを取得した後に、MAC PDUと、アップリンクグラントと、TBのHARQ情報とを、特定されたHARQプロセスに対して配信するように、特定されたHARQプロセスに対して指示を出すことにより、新たな送信をトリガするように、さらに、HARQプロセスが設定グラントタイマーを有して構成されている時には、設定グラントタイマーを開始または再開するように、さらに構成されてもよい。
【0056】
例示的な実装では、HARQエンティティ410は、送信が開始された時に、または対応するPUSCH送信の開始時点で、または対応するPUSCH送信の開始時点の後に、または対応するPUSCH送信の第1シンボルで、または対応するPUSCH送信の第1シンボルの後に、または送信が実行されたことをMACエンティティが決定した時に、または送信がドロップされていないまたは優先順位を下げられていない時に、設定グラントタイマーを開始または再開するように構成されてもよい。
【0057】
図5は、本開示の実施態様によるMAC PDUを送信するためのデバイス500の構造を示している。
図5に示すように、デバイス500は、MACエンティティ510を含み、MACエンティティ510は、HARQエンティティ520を含む。
【0058】
MACエンティティ510は、以下の条件の少なくとも1つが満たされた時には、すなわち、同じHARQプロセスに関してHARQエンティティ520に対して配信された以前のアップリンクグラントが、優先順位を下げられた設定アップリンクグラントであったという条件、HARQプロセスのHARQバッファ内に取得されたMAC PDUが、以前のアップリンクグラントのPUSCH持続時間と別のアップリンクグラントのPUSCH持続時間とのオーバーラップのために、正常に送信されなかったという条件、HARQプロセスに関する以前の設定グラントが、優先順位を下げられたものであり、HARQプロセスのHARQバッファ内に取得されたMAC PDUが、オーバーラップのために正常に送信されなかったという条件、MACエンティティ510が、優先順位ベースの優先順位付けで構成され、同じHARQプロセスに関してHARQエンティティ520に対して配信された以前のアップリンクグラントが、優先順位を下げられた設定アップリンクグラントであったという条件、MACエンティティ510が、優先順位ベースの優先順位付けで構成され、HARQプロセスのHARQバッファ内に取得されたMAC PDUが、オーバーラップのために正常に送信されなかったという条件、あるいは、MACエンティティ510が、優先順位ベースの優先順位付けで構成され、HARQプロセスに関する以前の設定グラントが、優先順位を下げられたものであり、HARQプロセスのHARQバッファ内に取得されたMAC PDUが、オーバーラップのために正常に送信されなかったという条件、の少なくとも1つが満たされた時には、設定アップリンクグラントと、関連したHARQ情報とを、HARQエンティティ520に対して配信するように構成されている。
【0059】
HARQエンティティ520は、アップリンクグラントと、トランスポートブロック(TB:transport block)のHARQ情報とを、HARQプロセスに対して配信するように、さらに、HARQプロセスに対して指示を出すことにより、再送信をトリガするように、構成されている。
【0060】
例示的な実装では、HARQエンティティ520は、HARQプロセスが設定グラントタイマーを有して構成されている際には、以下の条件の少なくとも1つが満たされた時には、すなわち、MACエンティティ510が、優先順位ベースの優先順位付けで構成され、アップリンクグラントが、設定アップリンクグラントであるという条件、あるいは、MACエンティティ510が、優先順位ベースの優先順位付けで構成され、アップリンクグラントが、設定アップリンクグラントであり、HARQプロセスに関する以前のアップリンクグラントが、優先順位を下げられた設定グラントであるという条件、の少なくとも1つが満たされた時には、再送信の実行時に、設定グラントタイマーを開始または再開するように、さらに構成されてもよい。
【0061】
例示的な実装では、HARQエンティティ520は、アップリンクグラントに関して、このアップリンクグラントに関連したHARQプロセスを特定するように、MAC PDUを取得したことに応答して、MAC PDUと、アップリンクグラントと、TBのHARQ情報とを、特定されたHARQプロセスに対して配信するように、特定されたHARQプロセスに対して指示を出すことにより、新たな送信をトリガするように、さらに、HARQプロセスが設定グラントタイマーを有して構成されている際には、以下の条件の少なくとも1つが満たされた時には、すなわち、MACエンティティ510が、優先順位ベースの優先順位付けで構成され、アップリンクグラントが、優先順位を下げられた設定グラントであるという条件、あるいは、MACエンティティ510が、優先順位ベースの優先順位付けで構成され、アップリンクグラントが、設定アップリンクグラントであり、アップリンクグラントが、優先順位を下げられたアップリンクグラントであるという条件、の少なくとも1つが満たされた時には、設定グラントタイマーを開始または再開するように、さらに構成されてもよい。
【0062】
例示的な実装では、HARQエンティティ520は、アップリンクグラントに関して、このアップリンクグラントに関連したHARQプロセスを特定するように、MAC PDUを取得したことに応答して、MAC PDUと、アップリンクグラントと、TBのHARQ情報とを、特定されたHARQプロセスに対して配信するように、特定されたHARQプロセスに対して指示を出すことにより、新たな送信をトリガするように、さらに、HARQプロセスが設定グラントタイマーを有して構成されている時には、設定グラントタイマーを開始または再開するように、さらに構成されてもよい。
【0063】
例示的な実装では、HARQエンティティ520は、送信が開始された時に、または対応するPUSCH送信の開始時点で、または対応するPUSCH送信の開始時点の後に、または対応するPUSCH送信の第1シンボルで、または対応するPUSCH送信の第1シンボルの後に、または送信が実行されたことをMACエンティティ510が決定した時に、または送信がドロップされていないまたは優先順位を下げられていない時に、設定グラントタイマーを開始または再開するように、構成されてもよい。
【0064】
当業者であれば、
図4または
図5と関連して上述したMAC PDUを送信するためのデバイスが、端末デバイスで具現され得ることを、理解されるべきである。本明細書における端末デバイスは、ユーザ機器(UE:user equipment)、アクセス端末、加入者ユニット、加入者ステーション、モバイルステーション、ローバーステーション、リモートステーション、リモート端末、モバイルデバイス、ユーザ端末、端末、無線通信デバイス、ユーザエージェント、またはユーザデバイス、を指してもよい。アクセス端末は、携帯電話、コードレス電話、セッション開始プロトコル(SIP:session initiation protocol)電話、無線ローカルループ(WLL:wireless local loop)ステーション、パーソナルデジタルアシスタント(PDA:personal digital assistant)、無線通信機能を有したハンドヘルドデバイス、無線モデムに対して接続されたコンピュータデバイスまたは他の処理デバイス、オンボードデバイス、ウェアラブルデバイス、5Gネットワークにおける端末デバイス、あるいは、進化型の公衆陸上モバイルネットワーク(PLMN:public land mobile network)における端末デバイス、等であってもよい。
【0065】
図6は、本開示の例示的な一実装による端末デバイス600の構造を示している。
図6に示すように、端末デバイス600は、メモリ610と、トランシーバ620と、プロセッサ630と、を含んでもよい。メモリ610は、データおよび/または情報を格納するように構成されてもよい。メモリ610は、プロセッサ630によって実行可能な命令を格納するようにさらに構成されてもよく、プロセッサ630は、メモリ610に格納された命令を実行することにより、トランシーバ620を制御することで、信号を受信および/または送信するように構成されてもよい。端末デバイス600は、端末デバイス600のメモリ610やトランシーバ620やプロセッサ630などの構成要素どうしを接続するように構成され得るバスシステム640を、さらに含んでもよい。
【0066】
本明細書では、メモリ610が、読み取り専用メモリおよびランダムアクセスメモリを含んでもよいこと、また、プロセッサ630に対して命令およびデータを提供してもよいことは、理解されるべきである。メモリ610の一部は、不揮発性ランダムアクセスメモリを、さらに含んでもよい。例えば、メモリ610は、デバイスタイプ情報および/または他の情報を、さらに格納してもよい。
【0067】
プロセッサ630は、中央処理ユニット(CPU:central processing unit)または他の汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:digital signal processor)、特定用途向け集積回路(ASIC:application specific integrated circuit)、市販のプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または他のプログラマブルロジックデバイス、ディスクリートゲートまたはトランジスタロジックデバイス、あるいは、ディスクリートハードウェア部品、等であってもよい。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサまたは任意の従来のプロセッサであってもよい。
【0068】
バスシステム640は、データバスに加えて、電源バス、制御バス、ステータス信号バス、等を含んでもよい。しかしながら、明瞭さのために、
図6では、バスシステム640として様々なバスを図示している。
【0069】
図2または
図3に示すMAC PDUを送信するための方法に関連した例示的な実装における様々な行為は、ソフトウェアの命令によって、またはハードウェアの集積論理回路によって、またはソフトウェアとハードウェアとの組合せによって、実装されてもよい。ソフトウェアモジュールは、ランダムアクセスメモリ、フラッシュメモリ、読み取り専用メモリ、プログラマブル読み取り専用メモリ、電気的に消去可能なプログラマブルメモリ、レジスタ、等の、当該技術分野において典型的なストレージ媒体に配置されてもよい。ストレージ媒体は、メモリ610内に配置されてもよく、プロセッサ630は、ストレージ媒体内に格納された命令を読み出して実行してもよく、これにより、方法の行為が実装される。
【0070】
さらに、本開示の一実装は、コンピュータ可読ストレージ媒体を提供する。コンピュータ可読ストレージ媒体は、MAC PDUを送信するための上述した任意の方法を実施するために、および/または、本開示の例示的な実装を実施するために、コンピュータまたはプロセッサによって実行可能な命令を、格納してもよい。
【0071】
本開示の様々な実装では、「および/または」という用語が、関連付けられた対象物どうしの間の関連関係を説明するために使用されていて、3つの関係が存在し得ることを示していることは、例えば、aおよび/またはbが、A単独、AおよびB、ならびに、B単独、という3つの状況を示していることは、理解されるべきである。加えて、本開示における「/」という記号は、一般に、「/」によって接続された前者の対象物と後者の対象物とが、「または」という関係性を有していることを、示している。
【0072】
上記で説明したものは、本開示の単なる例示的な実装に過ぎない。例示的な実装について、上記においてかなり詳細に説明したけれども、上記の開示が充分に理解した後には、当業者には、多数の変形および改変が明らかであろう。以下の特許請求の範囲がすべてのそのような変形および改変を包含するように解釈されることが、意図されている。