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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-17
(45)【発行日】2025-01-27
(54)【発明の名称】ガイドワイヤ管理器具及びその方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/09 20060101AFI20250120BHJP
【FI】
A61M25/09 530
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022523931
(86)(22)【出願日】2020-10-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-22
(86)【国際出願番号】 US2020057202
(87)【国際公開番号】W WO2021081434
(87)【国際公開日】2021-04-29
【審査請求日】2023-09-22
(31)【優先権主張番号】62/926,327
(32)【優先日】2019-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511300891
【氏名又は名称】バード・アクセス・システムズ,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100116322
【弁理士】
【氏名又は名称】桑垣 衛
(72)【発明者】
【氏名】ハウエル、グレード ハロルド
(72)【発明者】
【氏名】ロイド、ケビン
(72)【発明者】
【氏名】スタッツ、ジェイソン アール.
【審査官】上石 大
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-337190(JP,A)
【文献】特表2010-524586(JP,A)
【文献】特開2004-049583(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0036712(US,A1)
【文献】特開2008-023128(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 25/09
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガイドワイヤ管理器具であって、
ガイドワイヤと、
一対の管状レールを含むフレームと、
前記管状レールに通されるガイドワイヤ導管であって、前記ガイドワイヤは、J字状の先端を含む遠位側端部と、ボール状端部を含む近位側端部と、を含み、前記ガイドワイヤ導管内に配置される、前記ガイドワイヤを含む、ガイドワイヤ導管と、
前記一対のレールの各レールの間に取り付けられる第1のスリーブであって、前記ガイドワイヤ管理器具から前記ガイドワイヤを遠位側に送り出すように構成される、又は前記ガイドワイヤを前記ガイドワイヤ管理器具内に近位側に送るように構成される、第1のスリーブと、
前記第1のスリーブの近位側において前記一対のレールの各レールの間に取り付けられ、前記第1のスリーブと協働して前記ガイドワイヤを送るように構成される第2のスリーブであって、少なくとも、前記第1のスリーブと前記第2のスリーブとの間に延びる前記ガイドワイヤの長さ部分は、前記ガイドワイヤの無菌状態を維持するように構成される無菌バリア内に配置される、第2のスリーブと、を備える、ガイドワイヤ管理器具。
【請求項2】
前記第1のスリーブは、相補的なメス型コネクタに前記第1のスリーブを接続させる、ルアーテーパを備えるオス型コネクタとして構成される遠位側端部を有する、請求項に記載のガイドワイヤ管理器具。
【請求項3】
前記第1のスリーブは、前記ガイドワイヤを前記ガイドワイヤ管理器具内に近位側に送る際に、前記ガイドワイヤの前記先端が前記第1のスリーブに入るにつれて前記ガイドワイヤの前記先端を真っ直ぐにするように構成される、請求項又は請求項に記載のガイドワイヤ管理器具。
【請求項4】
前記第2のスリーブは、前記ガイドワイヤの前記ボール状端部を捕捉して、前記ガイドワイヤが前記第2のスリーブを完全に通り抜けることを阻止するように構成される絞り部を備えた内腔を含む近位側端部を備える、請求項~請求項のいずれか一項に記載のガイドワイヤ管理器具。
【請求項5】
前記ガイドワイヤ導管は、前記ガイドワイヤの前記ボール状端部が前記ガイドワイヤ導管の近位端の開口を通り抜けることを阻止するように構成されるプラグを含む近位側端部を有することにより、前記ガイドワイヤを前記ガイドワイヤ管理器具内に近位側に送る際に、前記ガイドワイヤの前記先端が前記第1のスリーブを完全に通り抜けて前記J字状に戻ることが防止される、請求項~請求項のいずれか一項に記載のガイドワイヤ管理器具。
【請求項6】
前記無菌バリアは、前記ガイドワイヤを前記ガイドワイヤ管理器具から遠位側に送り出している間に、前記第2のスリーブの遠位側端部の内腔から引き出されるにつれて、ひだが広がるように構成されるとともに、前記第1のスリーブの近位側端部の内腔内に挿入されるにつれて、ひだを形成するように構成される、ひだ状の袋である、請求項~請求項のいずれか一項に記載のガイドワイヤ管理器具。
【請求項7】
前記無菌バリアは、前記ガイドワイヤを前記ガイドワイヤ管理器具から遠位側に送り出している間、平衡状態からの拡張と、前記平衡状態への弛緩とを行うように構成される蛇腹状ブーツである、請求項~請求項のいずれか一項に記載のガイドワイヤ管理器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ガイドワイヤ管理器具及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
カテーテルは、セルジンガー法によって患者の血管に配置される場合が多い。セルジンガー法では、中空の針を血管に挿入し、この針にガイドワイヤを挿入して血管内に前進させてから、ガイドワイヤを所定の位置に残して血管から針を抜き出す。次に、ガイドワイヤ上のカテーテルを前進させて、患者の脈管構造(血管系)に適切に配置する。その後、ガイドワイヤが患者から抜き出される。
【0003】
セルジンガー法に従って使用するガイドワイヤは、ガイドワイヤを無菌状態に保ち、ガイドワイヤの取り扱いの煩雑さを低減させるために、コイル状チューブディスペンサ内に梱包されている場合が多い。ただし、このようなガイドワイヤをディスペンサから中空の針に挿入する際には両手で行う必要がある。具体的には、片方の手で針と、ガイドワイヤを針に導くように構成された係合部品との両方を保持し、他方の手でガイドワイヤを把持して、ディスペンサから針にガイドワイヤを向ける必要がある。ガイドワイヤの取り扱いが増えると、ガイドワイヤが汚染又は損傷する可能性も増す。このため、セルジンガー法を必要とする医療処置において、ガイドワイヤ管理の改良が必要とされている。
【0004】
本明細書には、上記の問題を解決できるガイドワイヤ管理器具及びその方法が記載されている。
【発明の概要】
【0005】
本明細書に開示されるガイドワイヤ管理器具は、いくつかの実施形態では、ガイドワイヤ、第1のスリーブ及び第2のスリーブを含んでいる。第1のスリーブは、ガイドワイヤ管理器具からガイドワイヤを遠位側に送り出すように構成されている。第1のスリーブは、ガイドワイヤをガイドワイヤ管理器具内に近位側に送るようにも構成されている。第2のスリーブは、ガイドワイヤ管理器具において第1のスリーブの近位側に位置している。第2のスリーブは、第1のスリーブと協働してガイドワイヤを送るように構成されている。少なくとも、第1のスリーブと第2のスリーブとの間に延びるガイドワイヤの長さ部分は、ガイドワイヤの無菌状態を維持するように構成された無菌バリア内に配置されている。
【0006】
いくつかの実施形態においては、第1のスリーブは、ルアーテーパを備えたオス型コネクタとして構成された遠位側端部を有している。オス型コネクタは、相補的なメス型コネクタに第1のスリーブを接続させる。
【0007】
いくつかの実施形態においては、第1のスリーブは、ガイドワイヤをガイドワイヤ管理器具内に近位側に送る際に、ガイドワイヤを真っ直ぐにするように構成されている。
いくつかの実施形態においては、第1のスリーブは、ガイドワイヤをガイドワイヤ管理器具内に近位側に送る際に、ガイドワイヤ管理器具に対する流体の出入りを阻止するように構成されたシールを含んでいる。
【0008】
いくつかの実施形態では、第1のスリーブは、無菌バリアの遠位側端部を収容するように構成された内腔を含む近位側端部を備えている。
いくつかの実施形態では、第2のスリーブは、無菌バリアの近位側端部を収容するように構成された内腔を含む遠位側端部を備えている。
【0009】
いくつかの実施形態では、第2のスリーブは、ガイドワイヤの端部が第2のスリーブを完全に通り抜けることを阻止するように構成された別の内腔を含む近位側端部を備えている。
【0010】
いくつかの実施形態では、ガイドワイヤは、ガイドワイヤをガイドワイヤ管理器具内に近位側に送る際に、ガイドワイヤの先端が第1のスリーブに入るにつれて真っ直ぐになるように構成されたJ字状の先端を含む遠位側端部を備えている。
【0011】
いくつかの実施形態では、ガイドワイヤは、ガイドワイヤが第2のスリーブを完全に通り抜けることを阻止するように構成されたボール状端部を含む近位側端部を備えている。
いくつかの実施形態では、無菌バリアはひだ状の袋である。袋は、ガイドワイヤをガイドワイヤ管理器具から遠位側に送り出している間に、第2のスリーブから引き出されるにつれて、ひだが広がるように構成されている。また、袋は、ガイドワイヤをガイドワイヤ管理器具から遠位側に送り出している間に、第1のスリーブ内に挿入されるにつれて、ひだを形成するように構成されている。
【0012】
いくつかの実施形態においては、無菌バリアは、ガイドワイヤをガイドワイヤ管理器具から遠位側に送り出している間、平衡状態からの拡張と、平衡状態への弛緩とを行うように構成された蛇腹状ブーツである。
【0013】
また、本明細書には、いくつかの実施形態では、ガイドワイヤと、一対の管状レールを含むフレームと、管状レールに通されたガイドワイヤ導管と、一対のレールの各レールの間に取り付けられた第1のスリーブと、第1のスリーブの近位側において一対のレールの各レールの間に取り付けられた第2のスリーブとを含むガイドワイヤ管理器具も開示されている。このガイドワイヤは、J字状の先端を含む遠位側端部と、ボール状端部を含む近位側端部とを備えている。ガイドワイヤは、ガイドワイヤ導管内に配置されている。第1のスリーブは、ガイドワイヤ管理器具からガイドワイヤを遠位側に送り出すように構成されている。第1のスリーブは、ガイドワイヤをガイドワイヤ管理器具内に近位側に送るようにも構成されている。第2のスリーブは、第1のスリーブと協働してガイドワイヤを送るように構成されている。少なくとも、第1のスリーブと第2のスリーブとの間に延びるガイドワイヤの長さ部分は、ガイドワイヤの無菌状態を維持するように構成された無菌バリア内に配置されている。
【0014】
いくつかの実施形態においては、第1のスリーブは、ルアーテーパを備えたオス型コネクタとして構成された遠位側端部を有している。オス型コネクタは、相補的なメス型コネクタに第1のスリーブを接続させる。
【0015】
いくつかの実施形態においては、第1のスリーブは、ガイドワイヤをガイドワイヤ管理器具内に近位側に送る際に、ガイドワイヤの先端が第1のスリーブに入るにつれてガイドワイヤの先端を真っ直ぐにするように構成されている。
【0016】
いくつかの実施形態では、第2のスリーブは、ガイドワイヤのボール状端部を捕捉して、ガイドワイヤが第2のスリーブを完全に通り抜けることを阻止するように構成された絞り部を備えた内腔を含む近位側端部を備えている。
【0017】
いくつかの実施形態においては、ガイドワイヤ導管は、ガイドワイヤのボール状端部がガイドワイヤ導管の近位端の開口を通り抜けることを阻止するように構成されたプラグを含む近位側端部を有している。ガイドワイヤのボール状端部がガイドワイヤ導管の開口を通り抜けることを阻止することによって、ガイドワイヤをガイドワイヤ管理器具内に近位側に送る際に、ガイドワイヤの先端が第1のスリーブを完全に通り抜けてJ字状に戻ることが防止される。
【0018】
いくつかの実施形態では、無菌バリアはひだ状の袋である。袋は、ガイドワイヤをガイドワイヤ管理器具から遠位側に送り出している間に、第2のスリーブの遠位側端部の内腔から引き出されるにつれて、ひだが広がるように構成されている。また、袋は、ガイドワイヤをガイドワイヤ管理器具から遠位側に送り出している間に、第1のスリーブの近位側端部の内腔内に挿入されるにつれて、ひだを形成するように構成されている。
【0019】
いくつかの実施形態においては、無菌バリアは、ガイドワイヤをガイドワイヤ管理器具から遠位側に送り出している間、平衡状態からの拡張と、平衡状態への弛緩とを行うように構成された蛇腹状ブーツである。
【0020】
さらに、本明細書には、いくつかの実施形態では、ハンドルと、ガイドワイヤと、ハンドルの遠位側端部に形成された第1のスリーブと、ハンドルの近位側端部に形成された第2のスリーブと、第1のスリーブと第2のスリーブとの間においてガイドワイヤの下に配置されたサムホイールとを含むガイドワイヤ管理器具も開示されている。少なくとも、第1のスリーブと第2のスリーブとの間に延びるガイドワイヤの長さ部分は、ガイドワイヤの無菌状態を維持するように構成された無菌バリア内に配置されている。サムホイールは、第1のスリーブを介してガイドワイヤ管理器具からガイドワイヤを遠位側に送り出すことを補助するように構成されている。サムホイールは、第1のスリーブを介してガイドワイヤをガイドワイヤ管理器具内に近位側に送ることを補助するようにも構成されている。
【0021】
いくつかの実施形態においては、第1のスリーブは、ルアーテーパを備えたオス型コネクタとして構成された遠位側端部を有している。オス型コネクタは、相補的なメス型コネクタに第1のスリーブを接続させる。
【0022】
いくつかの実施形態においては、第1のスリーブは、ガイドワイヤをガイドワイヤ管理器具内に近位側に送る際に、ガイドワイヤの先端が第1のスリーブに入るにつれてガイドワイヤの遠位側端部のJ字状の先端を真っ直ぐにするように構成されている。
【0023】
いくつかの実施形態では、第2のスリーブは、ガイドワイヤのボール状端部を捕捉して、ガイドワイヤが第2のスリーブを完全に通り抜けることを阻止するように構成された絞り部を含む内腔を有する近位側端部を備えている。
【0024】
いくつかの実施形態では、無菌バリアは、第1のスリーブの内側又は遠位側に位置する部分を除いて、ガイドワイヤの全体にわたって延びるひだ状の袋である。袋は、ガイドワイヤをガイドワイヤ管理器具から遠位側に送り出している間に、第1のスリーブの近位側端部の内腔内に袋が挿入されるにつれて、ひだを形成するように構成されている。
【0025】
いくつかの実施形態では、袋の近位端は閉じられ、ガイドワイヤを第1のスリーブを介してガイドワイヤ管理器具内に近位側に送る際の近位側限界を提供している。袋の近位端によって設定される近位側限界は、ガイドワイヤを第1のスリーブを介してガイドワイヤ管理器具内に近位側に送る際に、ガイドワイヤのJ字状の先端が、第1のスリーブを完全に通り抜けることを防止するように構成されている。
【0026】
また、本明細書にはガイドワイヤ管理器具の方法も開示されており、本方法は、いくつかの実施形態では、ガイドワイヤ管理器具の第1のスリーブを、患者の挿入部位に挿入された医療器具のハブに接続する接続工程を含んでいる。第1のスリーブは、ルアーテーパ付きのオス型コネクタとして構成されている。本方法は、ガイドワイヤ管理器具のガイドワイヤを第1のスリーブから医療器具のハブを通って患者の挿入部位に前進させる前進工程をさらに含んでいる。ガイドワイヤは、第1のスリーブに送られるまでガイドワイヤの無菌状態を維持するように構成された無菌バリア内に配置される。
【0027】
いくつかの実施形態では、前進工程は、無菌バリア内のガイドワイヤを手でつまみ、第1のスリーブ内にガイドワイヤを前進させることを含んでいる。無菌バリアはひだ状の袋又は蛇腹状ブーツである。
【0028】
いくつかの実施形態では、前進工程は、無菌バリア内のガイドワイヤをサムホイールに押し付け、サムホイールを回転させてガイドワイヤを第1のスリーブ内に前進させることを含み、無菌バリアはひだ状の袋である。
【0029】
いくつかの実施形態では、本方法は、ガイドワイヤの近位側端部のボール状端部が、ガイドワイヤ管理器具の第2のスリーブの近位側端部の内腔の絞り部に捕捉されたときに、ガイドワイヤを患者の挿入部位に前進させることを停止する停止工程をさらに含んでいる。
【0030】
いくつかの実施形態では、本方法は、ガイドワイヤを患者の挿入部位から医療器具のハブを通って第1のスリーブ内に後退させることをさらに含んでいる。第1のスリーブのシールは、挿入部位からガイドワイヤを後退させるときに、ガイドワイヤ管理器具に対する流体の出入りを阻止する。
【0031】
いくつかの実施形態では、ガイドワイヤの遠位側端部は、挿入部位からガイドワイヤを後退させるときに、ガイドワイヤの先端が第1のスリーブに入るにつれて真っ直ぐになるように構成されたJ字状の先端を含んでいる。
【0032】
いくつかの実施形態では、本方法は、ガイドワイヤの近位端がガイドワイヤ管理器具のガイドワイヤ導管の近位側端部のプラグに当接したときに、患者の挿入部位からガイドワイヤを後退させることを停止することをさらに含んでいる。
【0033】
本明細書で提供される概念のこのような特徴及び他の特徴は、そのような概念の特定の実施形態をより詳細に説明する添付の図面及び以下の説明を考慮して、当業者にとってより明白になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】いくつかの実施形態による第1のガイドワイヤ管理器具を示す図である。
図2】いくつかの実施形態による第1のガイドワイヤ管理器具の縦断面図である。
図3】いくつかの実施形態による第2のガイドワイヤ管理器具を示す図である。
図4】いくつかの実施形態による第2のガイドワイヤ管理器具の縦断面図である。
図5】いくつかの実施形態による、ガイドワイヤ導管内のプラグの遠位側に位置するガイドワイヤのボール状端部を示す図である。
図6】いくつかの実施形態による第3のガイドワイヤ管理器具を示す図である。
図7】いくつかの実施形態による第3のガイドワイヤ管理器具のハンドルの詳細図である。
図8】いくつかの実施形態による第3のガイドワイヤ管理器具の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
いくつかの特定の実施形態がより詳細に開示される前に、本明細書に開示される特定の実施形態は、本明細書に提供される概念の範囲を限定しないことを理解されたい。本明細書に開示される特定の実施形態は、特定の実施形態から容易に分離でき、任意選択で、本明細書に開示される他の多数の実施形態のいずれかの特徴と組み合わせるか、又は置換することができる特徴を有することができることも理解されたい。
【0036】
本明細書で使用される用語に関して、用語は、いくつかの特定の実施形態を説明するためのものであり、用語は、本明細書で提供される概念の範囲を限定しないことも理解されたい。序数(例えば、第1、第2、第3など)は、一般に、複数の特徴又は複数のステップのグループ内の異なる特徴又はステップを区別又は識別するために使用され、連続的な限定又は数値制限を提供するものではない。例えば、「第1」、「第2」、及び「第3」の特徴又はステップは、必ずしもその順序で現れる必要はなく、そのような特徴又はステップを含む特定の実施形態は、必ずしも3つの特徴又はステップに限定される必要はない。「左」、「右」、「前」、「後」、「上」、「下」、などのラベルは、便宜上使用されており、例えば、特定の固定位置、向き、又は方向を意味するものではない。代わりに、そのような表記は、例えば、相対的な位置、向き、又は方向を反映するために使用される。単数形の「一」、「1つ」、及び「前記」は、文脈で明確に指示されていない限り、複数形の参照も含む。
【0037】
「近位」に関しては、例えば、本明細書に開示されるカテーテルの「近位部分」又は「近位側端部」は、カテーテルが患者に使用される場合、臨床医の近くにあることを意図したカテーテルの部分を含む。同様に、例えば、カテーテルの「近位長さ(proximal length)」は、カテーテルが患者に使用される場合、臨床医の近くにあることを意図したカテーテルの長さを含む。例えば、ニードルの「近位端」は、カテーテルが患者に使用される場合、臨床医の近くにあるように意図されたカテーテルの端部を含む。カテーテルの近位部分、近位側端部、又は近位長さは、カテーテルの近位端を含むことができるが、カテーテルの近位部分、近位側端部、又は近位長さは、カテーテルの近位端を含む必要はない。すなわち、文脈から示唆される場合を除き、カテーテルの近位部分、近位側端部、又は近位長さは、カテーテルの末端部分又は末端長さではない。
【0038】
「遠位」に関しては、例えば、本明細書に開示されているカテーテルの「遠位部分」又は「遠位側端部」は、カテーテルが患者に使用される場合、患者の近くにあるか、又は患者内にあることを意図したカテーテルの部分を含む。同様に、例えば、カテーテルの「遠位長さ(distal length)」は、カテーテルが患者に使用される場合、患者の近く又は患者内にあることを意図したカテーテルの長さを含む。例えば、ニードルの「遠位端」は、カテーテルが患者に使用される場合、患者の近く又は患者内にあるように意図されたカテーテルの端部を含む。カテーテルの遠位部分、遠位側端部、又は遠位長さは、カテーテルの遠位端を含むことができるが、カテーテルの遠位部分、遠位側端部、又は遠位長さは、カテーテルの遠位端を含む必要はない。すなわち、文脈から示唆される場合を除き、カテーテルの遠位部分、遠位側端部、又は遠位長さは、カテーテルの末端部分又は末端長さではない。
【0039】
別段の定義がない限り、本明細書で使用される全ての技術的及び科学的用語は、当業者によって一般的に理解されているのと同じ意味を有する。
前述したように、セルジンガー法を必要とする医療処置等において、ガイドワイヤ管理の改良が必要とされている。本明細書には、上記の問題を解決できるガイドワイヤ管理器具及びその方法が記載されている。
【0040】
ガイドワイヤ管理器具
図1及び2に、いくつかの実施形態による第1のガイドワイヤ管理器具100を示す。図3及び4に、いくつかの実施形態による第2のガイドワイヤ管理器具300を示す。図6~8に、いくつかの実施形態による第3のガイドワイヤ管理器具600を示す。ガイドワイヤ管理器具100、300及び600に共通の特徴に重点を置いて先に説明する。続いて、ガイドワイヤ管理器具100、300及び600のそれぞれの固有の特徴に関して説明する。
【0041】
図示されるように、ガイドワイヤ管理器具100、300又は600は、ガイドワイヤ102、第1のスリーブ110又は610及び第2のスリーブ120又は620を有している。
【0042】
第1のスリーブ110又は610は、ガイドワイヤ管理器具100、300又は600からガイドワイヤ102を遠位側に送り出す、すなわち前進させるように構成されている。第1のスリーブ110又は610は、ルアーテーパを備えたオス型コネクタとして構成された遠位側端部を有している。オス型コネクタは、中空針のハブ等の相補的なメス型コネクタに第1のスリーブ110又は610を接続させる。これによって、ガイドワイヤ管理器具100、300又は600の操作、例えばガイドワイヤ管理器具100、300又は600からガイドワイヤ102を遠位側に送り出す等の操作を、片手で容易に行うことができる。第1のスリーブ110又は610は、内腔112又は712を含む近位側端部も有している。内腔112又は712は、無菌バリア104の遠位側端部を収容するように構成されているか、又は、ガイドワイヤ102がガイドワイヤ管理器具100、300又は600から遠位側に送られるときに無菌バリア104の遠位側端部を回収するように構成されている。
【0043】
第1のスリーブ110又は610は、ガイドワイヤ102をガイドワイヤ管理器具100、300又は600内に近位側に送る、すなわち後退させるようにも構成されている。第1のスリーブ110又は610は、ガイドワイヤ102をガイドワイヤ管理器具100、300又は600内に近位側に送る際に、ガイドワイヤ102のJ字状の先端等を真っ直ぐにするように構成されている。(いくつかの実施形態による、ガイドワイヤ102のJ字状の先端については図7及び8を参照のこと。)第1のスリーブ110又は610は、ガイドワイヤをガイドワイヤ管理器具100、300又は600内に近位側に送る際に、流体(血液等)がガイドワイヤ管理器具100、300又は600に入ることを阻止するように構成されたOリング114又は714等のシールを有していてもよい。Oリング114又は714等のシールは、ガイドワイヤをガイドワイヤ管理器具100、300又は600内に近位側に送る際に、流体(空気等)がガイドワイヤ管理器具100、300又は600から出ることを阻止するようにも構成されており、このため、空気塞栓症のリスクを抑制又は防止できる。
【0044】
第2のスリーブ120又は620は、ガイドワイヤ管理器具100、300又は600において第1のスリーブ110又は610の近位側に位置し、ガイドワイヤ102の長さの少なくとも一部が第1のスリーブ110又は610と第2のスリーブ120又は620との間を延びている。少なくとも、第1のスリーブ110又は610と第2のスリーブ120又は620との間に延びるガイドワイヤ102の長さ部分は、無菌バリア104内に配置されている。
【0045】
第2のスリーブ120又は620は、例えば、ガイドワイヤ102をガイドワイヤ管理器具100、300又は600から遠位側に送り出す際等に、第1のスリーブ110又は610と協働してガイドワイヤ102を送るように構成されている。第2のスリーブ120又は620は、任意で内腔122を含む近位側端部を有している。例えば、第2のスリーブ120は、内腔122を含む近位側端部を有しているが、第2のスリーブ620は、内腔のない近位側端部を有している。第2のスリーブ120又は620の内腔の有無にかかわらず、第2のスリーブ120又は620は、ガイドワイヤ102をガイドワイヤ管理器具100、300又は600から遠位側に送り出す際に、ガイドワイヤ102のボール状端部等の端部が第2のスリーブ120又は620を完全に通り抜けることを阻止する絞り部124、窪み724又は類似の停止手段をさらに有している。絞り部124、窪み724又は類似の停止手段は、ガイドワイヤ102の端部が第2のスリーブ120又は620を完全に通り抜けることを阻止するように構成されているため、絞り部124、窪み724又は類似の停止手段は、ガイドワイヤがガイドワイヤ管理器具100、300又は600を完全に通り抜けて患者に入り、ガイドワイヤ102が失われることを阻止するようにも構成されている。
【0046】
第2のスリーブ120又は620は、第1のスリーブ110又は610と協働して、ガイドワイヤ102をガイドワイヤ管理器具100、300又は600内に近位側に送るようにも構成されている。第2のスリーブ120又は620は、内腔126又は726を含む遠位側端部も有している。内腔126又は726は、無菌バリア104の近位側端部を収容するように構成されているか、又は、ガイドワイヤ102をガイドワイヤ管理器具100、300又は600内に近位側に送るときに無菌バリア104の近位側端部を回収するように構成されている。
【0047】
ガイドワイヤ102は、遠位側端部及び近位側端部を有している。
ガイドワイヤ102の遠位側端部はJ字状の先端を有してもよく、このJ字状の先端は、ガイドワイヤ102をガイドワイヤ管理器具100、300又は600内に近位側に送る際に、ガイドワイヤ102の先端が第1のスリーブ110又は610に入るにつれて真っ直ぐになるように構成されている。ガイドワイヤ102をガイドワイヤ管理器具100、300又は600から遠位側に送り出すとき、J字状の先端は、収縮要素(第1のスリーブ110又は610等)から解放されるとJ字状に戻るように構成されている。第1のスリーブ110又は610が、中空針のハブ等の相補的なメス型コネクタに接続されている場合、ガイドワイヤ102の先端は、先端が針を遠位側に越えて血管等に位置するまではJ字状に戻らない。
【0048】
ガイドワイヤ102の近位側端部は、ガイドワイヤ102をガイドワイヤ管理器具100、300又は600から遠位側に送り出すときに、絞り部124、窪み724又は類似の停止手段によって、ガイドワイヤ102が第2のスリーブ120又は620を完全に通り抜けることが阻止されるように構成されたボール状端部を有していてもよい。
【0049】
無菌バリア104は、ガイドワイヤ102が中に配置されている間は、ガイドワイヤ102の無菌状態を維持するように構成されている。処置中に臨床医がガイドワイヤに一切触れる必要がないことが重要であり、これによって、ガイドワイヤ102の無菌状態が維持され、臨床医が体液と接触することを確実に抑制できる。
【0050】
無菌バリア104は、ひだ状の袋105であってもよい。袋105は、ガイドワイヤ102をガイドワイヤ管理器具100又は600から遠位側に送り出している間に、第2のスリーブ120又は620から引き出されるにつれて、ひだが広がるように構成されている。また、袋105は、ガイドワイヤ102をガイドワイヤ管理器具100又は600から遠位側に送り出している間に、第1のスリーブ110又は610内に挿入されるにつれて、ひだを形成するように構成されている。同様に、袋105は、ガイドワイヤ102がガイドワイヤ管理器具100又は600内に近位側に送られている間に、第1のスリーブ110又は610から引き出されるにつれて、ひだが広がるように構成されている。また、袋105は、ガイドワイヤ102がガイドワイヤ管理器具100又は600内に近位側に送られている間に、第2のスリーブ120又は620内に挿入されるにつれて、ひだを形成するように構成されている。
【0051】
少なくともガイドワイヤ管理器具600に関して、袋105の近位端は閉じられており、任意でガイドワイヤ102のボール状端部に連結されている。これによって、ガイドワイヤ102を第1のスリーブ610を介してガイドワイヤ管理器具600内に近位側に送る際の近位側限界が提供されている。袋105が完全に拡張したときに袋105の近位端によって設定される近位側限界は、ガイドワイヤ102を第1のスリーブ610を介してガイドワイヤ管理器具600内に近位側に送る際に、ガイドワイヤ102のJ字状の先端が、第1のスリーブ610を完全に通り抜けることを防止するように構成されている。ガイドワイヤ102をガイドワイヤ管理器具600内に近位側に送る際に、ガイドワイヤ102のJ字状の先端が第1のスリーブ610を完全に通過した場合、ガイドワイヤ102のJ字状の先端を第1のスリーブ610内に再度挿入させることは非常に困難であるため、上記の構成は有利である。
【0052】
ガイドワイヤ管理器具100又は600からガイドワイヤ102を遠位側に送り出す、すなわち前進させるための方法は後述する。ガイドワイヤ102をガイドワイヤ管理器具100又は600内に近位側に送る、すなわち後退させるための方法も後述する。
【0053】
無菌バリア104は、蛇腹状ブーツ305であってもよい。ブーツ305は、ガイドワイヤ102をガイドワイヤ管理器具300から遠位側に送り出している間、平衡状態からの拡張と、平衡状態への弛緩とを繰り返すように構成されている。同様に、ブーツ305は、ガイドワイヤ102をガイドワイヤ管理器具600内に近位側に送っている間に、平衡状態からの拡張と、平衡状態への弛緩とを繰り返すように構成されている。
【0054】
ガイドワイヤ管理器具300からガイドワイヤ102を遠位側に送り出す、すなわち前進させるための方法は後述する。ガイドワイヤ102をガイドワイヤ管理器具300内に近位側に送る、すなわち後退させるための方法も後述する。
【0055】
図1~4を参照して、ガイドワイヤ管理器具100及び300に固有のいくつかの特徴を説明する。ガイドワイヤ管理器具100及び300は、ガイドワイヤ102と、一対の管状レール142を含むフレーム140と、一対のレール142に通された(threaded through)ガイドワイヤ導管144と、一対のレール142の各レールの間の支柱に取り付けられた第1のスリーブ110と、第1のスリーブ110の近位側において一対のレール142の各レールの間の支柱に取り付けられた第2のスリーブ120とを有している。ガイドワイヤ102は、ガイドワイヤ導管144内に配置されている。
【0056】
図5に、いくつかの実施形態による、ガイドワイヤ導管144内においてプラグ145の遠位側に位置するガイドワイヤ102のボール状端部を示す。
ガイドワイヤ導管144は、プラグ145を備えた近位側端部を有している。プラグ145は、ガイドワイヤ導管144の近位端の開口を塞ぎ、ガイドワイヤ102のボール状端部が開口を通り抜けることを阻止するように構成されている。ガイドワイヤ102のボール状端部がガイドワイヤ導管144の開口を通り抜けることを阻止することによって、ガイドワイヤ102をガイドワイヤ管理器具100又は300内に近位側に送る際に、ガイドワイヤ102の先端が第1のスリーブ110を完全に通り抜けてJ字状に戻ることが防止される。
【0057】
図6~8を参照して、ガイドワイヤ管理器具600に固有のいくつかの特徴を説明する。ガイドワイヤ管理器具600は、ハンドル640と、ガイドワイヤ102と、ハンドル640の遠位側端部に形成された第1のスリーブ610と、ハンドル640の近位側端部に形成された第2のスリーブ620と、第1のスリーブ610と第2のスリーブ620との間においてガイドワイヤ102の下に配置されたサムホイール742とを有している。
【0058】
サムホイール742は、ハンドル640の両側部に接続された軸に取り付けられている。サムホイール742は、第1のスリーブ610を介してガイドワイヤ102をガイドワイヤ管理器具600から遠位側に送り出すことを補助するように構成されている。また、サムホイール742は、第1のスリーブ610を介してガイドワイヤ102をガイドワイヤ管理器具600内に近位側に送ることを補助するようにも構成されている。
【0059】
ガイドワイヤ102をガイドワイヤ管理器具600から遠位側に送り出す、すなわち前進させるための方法を以下に記載する。ガイドワイヤ102をガイドワイヤ管理器具600内に近位側に送る、すなわち後退させるための方法も以下に記載する。
【0060】
方法
ガイドワイヤ管理器具100、300又は600の方法は、ガイドワイヤ管理器具100、300又は600の第1のスリーブ110又は610を、患者の挿入部位に挿入された医療器具(例えば、中空針)のハブに接続する接続工程を含んでいる。
【0061】
本方法は、ガイドワイヤ管理器具100、300又は600のガイドワイヤ102を、第1のスリーブ110又は610から医療器具のハブを通って患者の挿入部位内に前進させる前進工程をさらに含んでいる。第1のスリーブ110又は610のシール(Oリング114又は714等)は、ガイドワイヤ102を医療器具のハブを通して前進させて患者の挿入部位に入れる際に、流体(空気等)がガイドワイヤ管理器具100、300又は600から出ることを阻止する。
【0062】
前進工程は、無菌バリア104内のガイドワイヤ102を手でつまみ、ガイドワイヤ102を第1のスリーブ110内に前進させることを含んでいてもよい。あるいは、前進工程は、無菌バリア104内のガイドワイヤ102をサムホイール742に押し付け、サムホイール742を回転させてガイドワイヤ102を第1のスリーブ610内に前進させることを含んでいてもよい。
【0063】
袋105内のガイドワイヤ102を一緒につまむか、又は、袋105内のガイドワイヤ102をサムホイール742に押し付け、手又はサムホイール742の回転によってガイドワイヤ102を第1のスリーブ110内に前進させ、袋105内のガイドワイヤ102を一緒に解放し、必要に応じてこれらを繰り返すことによって、ガイドワイヤ102を第1のスリーブ110又は610内に前進させ、ガイドワイヤ管理器具100又は600から出すことができる。また、ブーツ305内のガイドワイヤ102を一緒につまみ、手でガイドワイヤ102を第1のスリーブ110内に前進させ、ブーツ305内のガイドワイヤ102を一緒に解放し、必要に応じてこれらを繰り返すことによって、ガイドワイヤ102を第1のスリーブ110内に前進させ、ガイドワイヤ管理器具300から出すことができる。
【0064】
本方法は、ガイドワイヤ102のボール状端部がガイドワイヤ管理器具100又は300の第2のスリーブ120の内腔122の絞り部124に捕捉されたときに、ガイドワイヤ102を患者の挿入部位に前進させることを停止する停止工程をさらに含んでいてもよい。同様に、停止工程は、ガイドワイヤ102のボール状端部がガイドワイヤ管理器具600の第2のスリーブ620の窪み724に捕捉されたときに、ガイドワイヤ102の患者の挿入部位への前進を停止させることを含んでいてもよい。
【0065】
本方法は、ガイドワイヤ102を患者の挿入部位から医療器具のハブを通って第1のスリーブ110又は610内に後退させることも含んでいる。第1のスリーブ110又は610のシール(Oリング114又は714等)は、ガイドワイヤ102を挿入部位から後退させる際に、流体(血液等)がガイドワイヤ管理器具100、300又は600に入ることを阻止する。
【0066】
袋105内のガイドワイヤ102を一緒につまむか、又は、袋105内のガイドワイヤ102をサムホイール742に押し付けて、手又はサムホイール742の回転によってガイドワイヤ102を第1のスリーブ110から後退させ、袋105内のガイドワイヤ102を一緒に解放し、必要に応じてこれらを繰り返すことによって、ガイドワイヤ102を第1のスリーブ110又は610を介してガイドワイヤ管理器具100又は600内に後退させてもよい。また、ブーツ305内のガイドワイヤ102を一緒につまみ、手でガイドワイヤ102を第1のスリーブ110から後退させ、ブーツ305内のガイドワイヤ102を一緒に解放し、必要に応じてこれらを繰り返すことによって、ガイドワイヤ102を第1のスリーブ110を介してガイドワイヤ管理器具300内に後退させてもよい。
【0067】
本方法は、ガイドワイヤ102の近位端又はボール状端部が、ガイドワイヤ管理器具100又は300のガイドワイヤ導管144の近位側端部のプラグ145に当接したときに、ガイドワイヤ102を患者の挿入部位から後退させることを停止することをさらに含んでいてもよい。
【0068】
いくつかの特定の実施形態が本明細書に開示されており、特定の実施形態がある程度詳細に開示されているが、特定の実施形態が本明細書で提供される概念の範囲を制限することは意図されていない。当業者は、より広い態様において、付加的な適応をおこなったり、及び/又は改変を行ったりすることを理解することができ、これらの適応及び/又は改変も包含される。したがって、本明細書で提供される概念の範囲から逸脱することなく、本明細書で開示される特定の実施形態から外れて実施されてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8