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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-17
(45)【発行日】2025-01-27
(54)【発明の名称】投薬過誤検出システム
(51)【国際特許分類】
   B65B 3/04 20060101AFI20250120BHJP
   A61M 5/14 20060101ALI20250120BHJP
【FI】
B65B3/04
A61M5/14 584
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2022526160
(86)(22)【出願日】2020-10-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-18
(86)【国際出願番号】 US2020057472
(87)【国際公開番号】W WO2021091723
(87)【国際公開日】2021-05-14
【審査請求日】2023-10-17
(31)【優先権主張番号】62/932,814
(32)【優先日】2019-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391015708
【氏名又は名称】ブリストル-マイヤーズ スクイブ カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BRISTOL-MYERS SQUIBB COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(72)【発明者】
【氏名】マクローリン,マーティン ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ジーミンスキー,スティーブン ローレンス
(72)【発明者】
【氏名】グナーソン,ジェフリー マンフレッド
(72)【発明者】
【氏名】ブダタラ,ニティン ベンカト
【審査官】西塚 祐斗
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第04756706(US,A)
【文献】特開昭59-200651(JP,A)
【文献】特開昭58-193255(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 3/04
B65B 57/10
A61M 5/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
直列に接続された複数の薬物モジュールであって、前記複数の薬物モジュールの各々は、所定量の液体薬物を収容し、前記複数の薬物モジュールは、直列に接続されて、前記複数の薬物モジュールの全てから流出口を通じて前記液体薬物を送達する流路を定義する、直列に接続された複数の薬物モジュールと、
前記流出口を通る流れを選択的に制御するためのバルブ及び/又はポンプと、
前記バルブを選択的に制御するためのコントローラと、
アドレスバスと、
データバスと、
前記アドレスバスに電気的に結合されるデータセレクタと、
前記データバスに電気的に結合されるエンコーダと、
を備え、
前記複数の薬物モジュールの各々は、壊すことが可能な複数の電気コンダクタを含み、
前記複数の薬物モジュールが直列に接続された状態では、前記複数の薬物モジュールの各々の前記複数の電気コンダクタは、前記アドレスバスと、前記データバスとに、電気的に結合され、
前記複数の薬物モジュールの各々について、前記複数の電気コンダクタは、収容される前記液体薬物を表すように選択的に破壊され、
前記データセレクタは、前記複数の薬物モジュールの各々における前記複数の電気コンダクタの各々を個別的に選択するように構成され、
前記エンコーダは、前記アドレスバスと前記データバスとの間において前記複数の電気コンダクタに電位を与えた状態で、前記複数の電気コンダクタのうちのどれが壊れているか、及び、前記複数の電気コンダクタのうちのどれが壊れていないかを検出して、個々の電気コンダクタの状態の2進法表示を提供し、
前記コントローラは、前記複数の電気コンダクタそれぞれの前記2進法表示を収集して、順番に並ぶ前記複数の薬物モジュールの全てに対応するデータ列を決定し、
決定された前記データ列は、前記複数の薬物モジュールの各々の前記液体薬物と、前記複数の薬物モジュールの順序とを表し、
前記コントローラは、予期されるデータ列が格納されるメモリを有し、
前記コントローラは、決定された前記データ列を前記予期されるデータ列と比較するように構成され、
前記コントローラは、決定された前記データ列と前記予期されるデータ列とが一致する場合、前記流出口を通る流れを許容するように前記バルブを開くこと、及び/又は、前記流出口を通る流れを引き起こすように前記ポンプを開くこと、の少なくとも一つを引き起こすように構成される、
組み合わせ薬物送達デバイス。
【請求項2】
前記コントローラの前記メモリは、前記予期されるデータ列を受け取るようにプログラム可能である、
請求項1に記載の組み合わせ薬物送達デバイス。
【請求項3】
前記複数の薬物モジュールの各々は、前記アドレスバスの一部分を含み、
前記アドレスバスは、前記複数の薬物モジュールが直列に接続されることによって、全体として形成される、
請求項1に記載の組み合わせ薬物送達デバイス。
【請求項4】
前記複数の薬物モジュールの各々は、さらに、
前記アドレスバスの個々の一部分を形成する複数のアドレス線コンダクタと、
軸上でシフト可能なポジションピンと、
前記複数のアドレス線コンダクタの各々と個別的に電気的に接続されるように移動可能に配置される移動可能な接点と、
を備え、
前記移動可能な接点は、前記ポジションピンが軸上でシフトすることによって、前記移動可能な接点が前記複数のアドレス線コンダクタ間を移動して前記複数のアドレス線コンダクタに選択的に電気的に接続されるように、前記ポジションピンに結合される、
請求項3に記載の組み合わせ薬物送達デバイス。
【請求項5】
前記複数の薬物モジュールの各々について、前記ポジションピンは、初期状態において前記ポジションピンが個々の薬物モジュールから延びるように、個々の薬物モジュールの幅より長い長さを有する、
請求項4に記載の組み合わせ薬物送達デバイス。
【請求項6】
前記複数の薬物モジュールは、前記データバスの一部分を含み、
前記データバスは、前記複数の薬物モジュールが直列に接続されることによって、全体として形成される、
請求項1に記載の組み合わせ薬物送達デバイス。
【請求項7】
前記複数の薬物モジュールの各々は、前記データバスの個々の一部分を形成する複数のデータ送信線を備える、
請求項1に記載の組み合わせ薬物送達デバイス。
【請求項8】
前記複数の薬物モジュールの各々について、前記複数のデータ送信線の数は、前記複数の電気コンダクタの数以上である、
請求項7に記載の組み合わせ薬物送達デバイス。
【請求項9】
先行する請求項のいずれか一つに記載の組み合わせ薬物送達デバイスにおいて使用されるための薬物モジュールであって、
所定量の液体薬物を収容するための空き容量を有するボディと、
複数のアドレス線コンダクタと、
少なくとも一つのデータ送信線コンダクタと、
前記少なくとも一つのデータ送信線コンダクタに電気的に接続される壊すことが可能な複数の電気コンダクタと、
軸上でシフト可能なポジションピンと、
前記複数のアドレス線コンダクタの各々と個別的に電気的に接続されるように移動可能に配置される移動可能な接点と、
を備え、
前記移動可能な接点は、前記ポジションピンが軸上でシフトすることによって、前記移動可能な接点が前記複数のアドレス線コンダクタ間を移動するように、前記ポジションピンに結合される、
薬物モジュール。
【請求項10】
前記ポジションピンは、初期状態において前記ポジションピンが前記ボディから延びるように、前記ボディの幅より大きい長さを有する、
請求項9に記載の薬物モジュール。
【請求項11】
組み合わせ薬物送達デバイスにおいて使用されるための薬物モジュールの組み合わせであって、
第1薬物モジュールと、
第2薬物モジュールと、
を含み、
前記第1薬物モジュールは、
所定量の液体薬物を収容するための空き容量を有するボディと、
複数のアドレス線コンダクタと、
少なくとも一つのデータ送信線コンダクタと、
前記少なくとも一つのデータ送信線コンダクタに電気的に接続される壊すことが可能な複数の電気コンダクタと、
前記複数のアドレス線コンダクタの一番目に電気的に接続される電気接点と、
軸上でシフト可能なポジションピンと、
を備え、
前記第2薬物モジュールは、
所定量の液体薬物を収容するための空き容量を有する第2ボディと、
複数の第2アドレス線コンダクタと、
少なくとも一つの第2データ送信線コンダクタと、
前記少なくとも一つの第2データ送信線コンダクタに電気的に接続される壊すことが可能な複数の第2電気コンダクタと、
前記複数の第2アドレス線コンダクタの各々と個別的に電気的に接続されるように移動可能に配置される移動可能な第2接点と、
前記第2ボディを通って延びるポジションチャネルと、
前記ポジションチャネルにおいて軸上でシフト可能に前記ポジションチャネルに配置される軸上でシフト可能な第2ポジションピンと、
を備え、
前記第1薬物モジュールの前記複数のアドレス線コンダクタが前記第2薬物モジュールの前記複数の第2アドレス線コンダクタに直列に接続されて、並列な複数のアドレス線を定義するように、前記第1及び第2薬物モジュールは接続され
記第1及び第2薬物モジュールが接続された状態で、前記第1薬物モジュールの前記ポジションピンは、前記第2薬物モジュールの前記ポジションチャネルに挿入されて、前記第2ポジションピンの軸上のシフトを引き起こし、
前記第2ポジションピンの軸上のシフトによって、前記複数の第2アドレス線コンダクタのうち、第1アドレス線から離れた第2アドレス線に対応する第2アドレス線コンダクタに前記第2接点が電気的に接続されるように移動する、
組み合わせ。
【請求項12】
組み合わせ薬物送達デバイスにおいて使用されるための薬物モジュールの組み合わせであって、
直列に接続された複数の薬物モジュールを含み、
各薬物モジュールは、
第1面と、
前記第1面から距離を空けた第2面と、
並列な複数のコンダクタと、
を備え、
各コンダクタは、前記第1面に沿って配置される第1端から、前記第2面に沿って配置される第2端まで延び、
前記複数のコンダクタの数は、前記複数の薬物モジュールの数と等しく、
前記直列に接続されたモジュールの各々を個々にアドレス指定することを許容するように前記直列に接続されたモジュールを横切る異なる長さの経路を定義するために前記複数の薬物モジュールの一つの前記第1面と前記複数の薬物モジュールの別の前記第2面との直接結合のために前記複数のコンダクタの数より一つ少ない数の前記複数のコンダクタが重複するように、前記複数のコンダクタの前記第1端は、前記複数のコンダクタの前記第2端に対して一つずれるように並ぶ、
組み合わせ。
【請求項13】
組み合わせ薬物送達デバイスにおいて使用されるための薬物モジュールの組み合わせであって、
複数の薬物モジュールを含み、
各薬物モジュールは、並列な複数のコンダクタを含む基板を内部に有し、
各コンダクタは、第1端から第2端まで延び、
前記複数のコンダクタの数は、前記複数の薬物モジュールの数と等しく、
前記薬物モジュール間の直接結合のために前記複数のコンダクタの数より一つ少ない数の前記複数のコンダクタが重複するように、前記複数のコンダクタの前記第1端は、前記複数のコンダクタの前記第2端に対して一つずれるように並び、
前記基板は、プリント回路板である、
組み合わせ。
【請求項14】
直列に接続された複数の薬物モジュールであって、前記複数の薬物モジュールの各々は、所定量の液体薬物を収容し、前記複数の薬物モジュールは、直列に接続されて、前記複数の薬物モジュールの全てから流出口を通じて前記液体薬物を送達する流路を定義する、直列に接続された複数の薬物モジュールと、
前記流出口を通る流れを選択的に制御するためのバルブ及び/又はポンプと、
前記バルブを選択的に制御するためのコントローラと、
アドレスバスと、
データバスと、
前記アドレスバスに電気的に結合されるデータセレクタと、
前記データバスに電気的に結合されるエンコーダと、
を備え、
前記複数の薬物モジュールの各々は、固有コードを格納する非一時的なメモリに電気的に結合される複数のコンダクタを含み、
前記複数の薬物モジュールが直列に接続された状態では、前記複数の薬物モジュールの各々の前記複数のコンダクタは、前記アドレスバスと、前記データバスとに、電気的に結合され、
前記データセレクタは、前記複数の薬物モジュールの各々における前記複数のコンダクタの各々を個別的に選択するように構成され、
前記エンコーダは、前記複数の薬物モジュールの前記固有コードの各々を順番に読み取り、
前記コントローラは、前記固有コードを収集して、順番に並ぶ前記複数の薬物モジュールの全てに対応するデータ列を決定し、
決定された前記データ列は、前記複数の薬物モジュールの各々の前記液体薬物と、前記複数の薬物モジュールの順序とを表し、
前記コントローラは、予期されるデータ列が格納されるメモリを有し、
前記コントローラは、決定された前記データ列を前記予期されるデータ列と比較するように構成され、
前記コントローラは、決定された前記データ列と前記予期されるデータ列とが一致する場合、前記流出口を通る流れを許容するように前記バルブを開くこと、及び/又は、前記流出口を通る流れを引き起こすように前記ポンプを開くこと、の少なくとも一つを引き起こすように構成される、
組み合わせ薬物送達デバイス。
【請求項15】
前記コントローラの前記メモリは、前記予期されるデータ列を受け取るようにプログラム可能である、
請求項14に記載の組み合わせ薬物送達デバイス。
【請求項16】
前記複数の薬物モジュールの各々は、前記アドレスバスの一部分を含み、
前記アドレスバスは、前記複数の薬物モジュールが直列に接続されることによって、全体として形成される、
請求項14に記載の組み合わせ薬物送達デバイス。
【請求項17】
前記複数の薬物モジュールの各々は、さらに、
前記アドレスバスの個々の一部分を形成する複数のアドレス線コンダクタと、
軸上でシフト可能なポジションピンと、
前記複数のアドレス線コンダクタの各々と個別的に電気的に接続されるように移動可能に配置される移動可能な接点と、
を備え、
前記移動可能な接点は、前記ポジションピンが軸上でシフトすることによって、前記移動可能な接点が前記複数のアドレス線コンダクタ間を移動して前記複数のアドレス線コンダクタに選択的に電気的に接続されるように、前記ポジションピンに結合される、
請求項16に記載の組み合わせ薬物送達デバイス。
【請求項18】
前記複数の薬物モジュールの各々について、前記ポジションピンは、初期状態において前記ポジションピンが個々の薬物モジュールから延びるように、個々の薬物モジュールの幅より長い長さを有する、
請求項17に記載の組み合わせ薬物送達デバイス。
【請求項19】
前記複数の薬物モジュールの各々は、さらに、前記アドレスバスの個々の一部分を形成する複数のアドレス線コンダクタを備え、
前記複数のアドレス線コンダクタは、前記薬物モジュールのうちの隣り合うもの同士の間で、一つずれるように並ぶ、
請求項16に記載の組み合わせ薬物送達デバイス。
【請求項20】
前記複数の薬物モジュールは、前記データバスの一部分を含み、
前記データバスは、前記複数の薬物モジュールが直列に接続されることによって、全体として形成される、
請求項14に記載の組み合わせ薬物送達デバイス。
【請求項21】
前記複数の薬物モジュールの各々は、前記データバスの個々の一部分を形成する複数のデータ送信線を備える、
請求項20に記載の組み合わせ薬物送達デバイス。
【請求項22】
前記複数の薬物モジュールの各々について、前記複数のデータ送信線の数は、前記複数のコンダクタの数以上である、
請求項21に記載の組み合わせ薬物送達デバイス。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
薬物組み合わせシステムが、米国仮特許出願62/670,266(2018年5月11日出願)、国際出願PCT/US2019/031727(2019年5月10日出願)、国際出願PCT/US2019/031762(2019年5月10日出願)、及び、国際出願PCT/US2019/031791(2019年5月10日出願)に開示され、及び、説明されている。上記の特許出願の全ては、本件と同じ譲受人によるものである。上記の特許出願で示されるように、異なる(個人に合わせた)薬物の組み合わせを提供するために、異なる液体薬物の複数の薬物モジュールは、様々な組み合わせで提供され得る。複数の薬物モジュールは、トレイ又は他のベース構造上に、直列に、又は、並列に、収容される、つまり、接続される。あるいは、複数の薬物モジュールは、直接的に互いに直列に(垂直及び/又は水平に)接続され得る。米国仮特許出願62/670,266、国際出願PCT/US2019/031727、国際出願PCT/US2019/031762、及び、国際出願PCT/US2019/031791は、それぞれの全体を参照することにより、本明細書に組み込まれる。
【0002】
図1において静脈注射のために概略的に図示されたような、直列接続型の組み合わせシステムは、図2及び3に示される収容型の設計と比較すれば、流体接続を形成するために別個のトレイ部品を必要としないために、部品、及び、そのためサプライチェーンにおいて効率がよいという点で利点がある。
【0003】
収容型のシステムにおいて、トレイ設計は、固有の設計及びトレイ設計のレイアウトを通じて複数のモジュールの構成に関する情報を「保有」できる。例えば、トレイは、正しい薬物モジュールのみがトレイの収容部に挿入できて、正しい薬物モジュールが正しい順序で並ぶことを保証する構成(例えば、「錠前」機構等の機械的に協働する機構)を提供し得る。これは、使用のために薬物モジュールの準備をする際の安全確認として機能する。対照的に、直列接続システムは、トレイ型の要素を有していないから、これに基づいて安全確認をする機能を有していない。
【0004】
直列接続型のシステム及び収容型のシステムの両方においてモジュールに求められる機能は、最小数のコンポーネント部品がそれらをシステムとして使用するために必要されるように、可能な限り、設計において普遍的であるべきである、ということである。収容型のシステムの制限は、使用される考えられる薬物及び強度の全てを識別するための機械的な特徴のそれらの使用は、異なる構成のための異なるコンポーネントをモールドし、保管しておくことを必要とする、ということである。これは、サプライチェーンにおいて流通の複雑さをもたらし、構成毎(例えば、錠前構成毎)の多数のモールドツールの製造を必要とする。異なる強度の多くの薬物が互いに組み合わされて使用されることが意図されるポートフォリオにおいては、製造され、保管されなければならないモールドコンポーネントの数が過度に大きくなる。
【0005】
直列接続型の設計は、構成トレイを有しておらず、全てのモジュールが互いに適合しなければならないから、設計により機械的に普遍的でなければならない。この設計の普遍性は、収容型の設計とは異なり、モジュールが誤った順序で取り付けられることを可能にすることを意味する。
【0006】
なぜなら、直列接続の場合には、誤りを防止するためのトレイベースの機械的な手段が利用できないからである。直列接続システムにおける構成の誤りを検出する別の手段を実施し、それによって投薬過誤の発生を防止することが、望まれる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】ポンプハウジング及び輸液バッグが示された、直列接続型のモジュールベースの点滴(IV)組み合わせ送達システムの概略図
図2】収容トレイ型の点滴(IV)組み合わせ送達システムの概略図
図3】一体化された注射器ポンプ及び輸液バッグが示された、収容トレイ型の点滴(IV)組み合わせ送達システムの概略図
図4】モジュールの種類を符号化するためにモジュールに一体化された5ギャングプラグの概略図
図5図4からのモジュールの符号化を取り調べるために使用され得る回路の概略図
図6】組立体の全てのモジュールの状態を取り調べるために使用されることができる回路の概略図
図7】アドレス及びデータバスがモジュール設計に一体化されるように適合された図6の回路の概略図
図8】組立体におけるモジュールの場所に基づく、アドレスバスにおける適切なアドレス線上のモジュールの自動的な機械的なアドレス設定を可能にする異なる構成を示す図
図9】組立体におけるモジュールの場所に基づく、アドレスバスにおける適切なアドレス線上のモジュールの自動的な機械的なアドレス設定を可能にする異なる構成を示す図
図10】組立体におけるモジュールの場所に基づく、アドレスバスにおける適切なアドレス線上のモジュールの自動的な機械的なアドレス設定を可能にする異なる構成を示図
図11】組立体におけるモジュールの場所に基づく、アドレスバスにおける適切なアドレス線上のモジュールの自動的な機械的なアドレス設定を可能にする異なる構成を示図
図12】組立体におけるモジュールの場所に基づく、アドレスバスにおける適切なアドレス線上のモジュールの自動的な機械的なアドレス設定を可能にする異なる構成を示図
図13】組立体におけるモジュールの場所に基づく、アドレスバスにおける適切なアドレス線上のモジュールの自動的な機械的なアドレス設定を可能にする異なる構成を示図
図14】組立体におけるモジュールの場所に基づく、アドレスバスにおける適切なアドレス線上のモジュールの自動的な機械的なアドレス設定を可能にする異なる構成を示図
図15】アドレスデータバスの電子的な終端処理を提供する終端抵抗を包含する終端ブロック部品を有する図6の回路の概略図
図16】バス終端抵抗がモジュールに組み込まれた図7の回路の概略図
図17】主題の発明とともに使用可能な様々な追加の特徴を示す図
図18A】主題の発明とともに使用可能な様々な追加の特徴を示す図
図18B】主題の発明とともに使用可能な様々な追加の特徴を示す図
図19】モジュール毎の2つの追加の補助的なスイッチ、及び、例えばマイクロスイッチ等の接続状態を示す状態表示器のための追加のデータバス線を有する図16の回路の概略図
図20A】主題の発明とともに使用可能な様々な追加の特徴を示す図
図20B】主題の発明とともに使用可能な様々な追加の特徴を示す図
図21】アドレスバスの代わりの光電子のアドレス指定システムの使用を示す図
図22】アドレスバスの代わりの光電子のアドレス指定システムの使用を示す図
図23】モジュール間のレーン移動型の電子接続を示す図
図24】抵抗及びMOSFETで構成されるエラー検出システムを有するレーン移動型の電子接続を示す図
図25】モジュール間のレーン移動型の電子接続を示す図
図26】レーン移動型の電子接続のための基板(例えば、PCB)構成を示す図
図27】レーン移動型の電子接続のいずれかとともに使用可能な電気回路の概略図
図28】モジュールの各々とともに永続的なメモリを使用することを示す概略図
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明によれば、直列接続型のシステムのための構成は、正しい構成に関する情報がシステム内での2つの異なるレベルから必要とされるということを把握することによって、組み立てられたモジュールの正確さを確認するために、実現可能である。第1レベルは、個別のモジュールのレベルである。モジュールは、その内容物に関する情報を格納し、当該情報へのアクセスを提供しなければならない。
【0009】
正しい構成に関する情報が要求される第2レベルは、システム構成レベルである。すなわち、全体のシステムにおいて組み立てられた個々のモジュールの順序についての情報である。
【0010】
システムレベルの構成を確認することは、各場所の各モジュールの種類(何であるか)及び状態が識別されることを必要とする。
【0011】
モジュールの種類に関する情報は、製造時に工場において個々のモジュールに符号化又はプログラムされ得る。しかしながら、モジュールデザインへの普遍性に対する要求から、モジュールは、好ましくは、同じように製造される。使用のためにシステムが処方されるときだけ、システム構成情報(すなわち、組立体におけるモジュールの種類及び順番)が定義される(すなわち、モジュールの実際の薬物及び順序が決定される)。この情報は、現場での組み立て及び使用の間の取り調べに(つまり、使用される薬物が実際に決定されるときに)利用可能なように、記憶される。
【0012】
当業者により理解されるように、直列接続型のシステムは、膨大な数の薬物及び薬物濃度で使用可能である。その結果、システムでの順列の数は、多くない場合でも、数百万になり得る。例えば、10の薬物のポートフォリオを考慮すると、各々は、3つの異なる強度で利用可能であり、合計で30の異なる薬物コンテナが、直列接続型のシステムを使用する併用療法において互いに組み合わされる。加えて、任意の薬物モジュールと任意の順番で組み合わされる希釈剤モジュールがあり得る。31のコンテナの各々の種類は、識別可能でなければならず、一方で、モジュールのデザインの普遍性は維持されなければならない。
【0013】
可能な例を説明するために、直列接続型のシステムにおけるモジュールの数は6に制限されるが、それらの組み立ての順序は制限されないと仮定し、さらに、互いに組み合わされる最も多い異なる薬物は3つ(1つ、2つ、及び3つの組み合わせが許容される)であると仮定すると、薬物の3つの組み合わせの各々については、組立体においてモジュールの可能な構成が1092あり、1092の数の可能な薬物モジュール構成が与えられる。ここで、各特定の薬物について、直列接続型のシステムにおける各モジュールの強度に3つの選択肢があるように異なる強度が利用可能であると仮定すると、この場合、達成可能なモジュールの固有の構成の数は、597870である。構成の数は、強度の変化を含むことにより急激に増加する。
【0014】
何ら規制をしなければ、生じる投薬過誤のリスクは、システムが構成され得る可能な方法の数に比例する。可能な構成の総数がCTである場合、ランダムに選択されたモジュールの組み立てが正しい構成になる可能性は、1/CTである。これは、投薬過誤の可能性を、1-1/CTとして定義するために使用され得る。1092の可能な組み合わせの第1例において、過誤の可能性は、0.9991である。597870の可能な組み合わせの第2例において、過誤の可能性は、0.999998である。そのため、それらの使用において、高い過誤の可能性が存在する。
【0015】
出願人は、直列接続型のシステムのためのモジュールレベルの種類の情報は、可能性としては組み立ての際に、設定可能なスイッチの使用により、2進コードとして符号化でき得る、ということに気付いた。薬物の種類及び濃度の全てを符号化するための十分なスイッチ状態を提供するためには、十分なスイッチが必要とされる。上述した、3つの強度の10の薬物に1つの希釈剤モジュールを加え、可能性として「中身がない(empty)」又は「空の(vacant)」状態がある例において、32のスイッチ状態(すなわち、指定された濃度での各薬物のためのスイッチ状態(30のスイッチ状態)、希釈剤のための1つのスイッチ状態、及び、中身のない、バイパスモジュールのための1つのスイッチ状態)が使用され得る。32のスイッチ状態は、並列に接続される5つのスイッチを使用することによって、達成可能である(当業者は、これが「5ギャング(5-gang)」スイッチとして一般的に知られているということを知っている)。開いたスイッチが2進法の「0」を示し、閉じたスイッチが2進法の「1」を示すとした場合、モジュールのためのギャングの各スイッチの状態は、5ビットの2進数の1ビットを示す。nのスイッチの並列なアレイにおいて取り得る2進法の状態の数は、2で与えられる。n=5の場合、取り得るスイッチ状態の数は、2=32であり、モジュールの範囲に対して十分である。例えば、薬物3、強度1のためのモジュールは、5ビットの2進数00110(10進法の6)により符号化され得る。このモジュールのスイッチ状態は、概略的に、図4に示される。
【0016】
デザインの簡潔さ、及び、モジュールサイズを最小限に維持するために、実際のスイッチは、従来の意味でのスイッチである必要はない。代わりに、それらは、単純に、モジュールにおいて互いに並列に接続される複数の電気コンダクタ、例えば、5つの電気コンダクタであってよい。特別なモジュールの種類のための符号化用のスイッチの設定は、それらが「スイッチオフ」となるように導電経路を中断するために所望のコンダクタを切断又はそうでなければ破壊することによって、達成され得る。例えば、図4の例のスイッチを設定するためには、第1、第4及び第5コンダクタを切断し、第2及び第3配線を無傷なまま残して、2進数の00110を符号化する(「オフ」である第1、第4及び第5コンダクタは2進法で「0」とみなされ、無傷であり「オン」である第2及び第3コンダクタは2進法で「1」とみなされる)。電気コンダクタは、好ましくは、壊すことが可能であり、コンダクタを破壊することは、特に制限されないが、例えば、電流を与えて所望の配線を溶融させるような、機械的、電気的なもの等を含む任意の手段、及び/又は、例えば、レーザビーム等の、自動化でき高速な組み立て作業に統合できる他の適切な手段により、達成され得る。例えば工場等で正しく設定されたらスイッチ状態が変更されるべきではないため、このようなスイッチ設定の不可逆性は、この場合においては好ましい。
【0017】
改ざんを最小化するために、モジュールが商取引で流通する状態では電気コンダクタはモジュール内に容易にアクセスできないように形成されることが好ましい。特に一旦符号化された(必要に応じてコンダクタが破壊された)後はコンダクタが覆われることが好ましい。例えば、コンダクタは、オーバーモールドされる、又は、モジュールに、好ましくは取り除かれないように固定される(例えば、溶融、接着等される)蓋もしくはその他の被覆によって、覆われてもよい。
【0018】
製造後、例えば、モジュールに薬物が充填される薬局等の場所での電気コンタクトの破壊は可能である。例えば、非導電性の押し下げスパイク等が、モジュールにおいて、電気コンダクタと並ぶように形成されてよい。モジュールのボディ内側にスパイクを撓ませることによって、対応する電気コンダクタを破壊し得る。スパイクが非導電性(例えば、熱可塑性材料)であることによって、個別のコンダクタを通る電気的な流れが妨げられる。不注意によるスパイクの移動を制限するために、スパイクは、オーバーモールドされるか、そうでなければ、撓むことができるようにするために取り除かれるべき拘束具を備えてよい。オーバーモールドする場合、オーバーモールドの本来の剛性を上回るのに必要な閾値力が対象とされ、スパイクを撓ませるためにはこれを上回られなければならない。加えて、又は、代えて、全てのスパイクを覆い、全てのスパイクに跨って、それらを利用できないようにするパネル又はその他の被覆が、設けられてよい。スパイクを利用可能にするためには、パネルを取り除く必要がある。対応する薬物の指定を符号化するために目標のスパイクが撓められた後は、パネルはモジュールに再び固定される。再固定は、例えば、パネルの再固定の際にロックされた位置にはめ込む戻り止め又はその他の機能を設けることによって、パネルのさらなる取り外しに対して抵抗するように構成されてよい。
【0019】
薬物の種類の二進法の数によりモジュールを符号化する前及び/又は後に、モジュールには目標の薬物が充填され得る。これは、製造段階、又は、使用時点を含むその後の段階において実行され得る。図1に示すように、システム10を対象とする全てのモジュール12が準備された(符号化され、充填された)状態で、モジュール12は、互いに直列に接続されるとともに、コントローラハウジング104に直列に接続されて、システム又は組立体10を形成し得る。システム10(その任意の態様を含む)は、米国仮特許出願62/670,266、国際出願PCT/US2019/031727、国際出願PCT/US2019/031762、及び、国際出願PCT/US2019/031791のいずれかに開示された実施の形態のいずれかにしたがって形成され得る。説明を目的として、システム10の例示的な特徴がここでは説明される。当業者によって認識されるように、主題の発明は、組み合わせ薬物送達デバイスのいずれかとともに使用可能であり、上述した特許出願のいずれかに開示された、それらの構成要素(例えば、モジュール12、複数のモジュール12の接続の仕方、コントローラハウジング104等)のいずれかとともに使用可能であることを含む。
【0020】
図1に示すように、複数のモジュール12(12A~12F)は、最も遠方のモジュールの貯蔵器から、次に続く各モジュールの貯蔵器を通って、コントローラハウジング104まで延びる単一の流路を定義するように、直列に接続され得る。流路は、連続的である必要はなく、例えば、隣り合う貯蔵器間に延びる長さ部分(lengths)(例えば、管)を有してよい。図2に示すように、流路は、あるモジュールの流出口が隣接するモジュールの流入口に通じるように構成されてよく、これによって、最初に言及したモジュールの薬物は、コントローラハウジング104に向けて流体路を進む場合に、次に言及したモジュール等を通過しなければならない。流体路は、直列接続された複数のモジュール12の1以上の貯蔵器を横切ってよい。複数のモジュール12の1以上はバイパスされてよく、図2のモジュール12Aのように液体薬物を有していなくてよい。図1に示すように、第1モジュール、例えば、モジュール12Aからの流路の流出口は、コントローラハウジング104の流入路に通じる(第1モジュール、例えば、モジュール12Aは、コントローラハウジングに最も近く、最も遠い又は最後のモジュール、例えば、モジュール12Fは、最も遠方のモジュールであるとみなされる)。一つだけの流路が利用されることが好ましいが、複数の流体路を有することは可能である(例えば、直列接続されたモジュールの複数の列が並列に設けられ、連結管又は共通の流出口提で接続される)。貯蔵器を空にすることを最も良く促進するために、最も遠方のモジュールにおいて、例えば、流路の終端で、流路は開放され得る。
【0021】
好ましい実施の形態において、コントローラハウジング104は、流入路に通じる流入口を有するポンプ20を含む。ポンプ20は、好ましくは、電気モータ22によって駆動され、電気モータ22は、コントローラハウジング104に配置されるコンピュータ処理ユニット(CPU)24により制御される。ポンプ20は、直列接続された複数のモジュール12の貯蔵器の全てを空にするのに十分な負圧(例えば、吸引力を提供する大きさである。流路を通じて薬物を引き出すことが可能な容積型ポンプ等の様々なポンプが利用され得る。流出路は、コントローラハウジング104に、ポンプ20の排出口と通じるように設けられる。流出路は、排出される薬物の流れを導くためのさらなる管又は他の器具との接続が可能なように、コントローラハウジング104の外部に繋がる。排出された薬物は、点滴バッグ等の収集容器、又は、患者に挿入される送達ニードル等の薬物送達デバイス(例えば、翼状針)に導かれる。
【0022】
別例では、コントローラハウジング104にはポンプが設けられない。例えば、図3に示すように(手動の注射器ポンプ)、外部のポンプが、流路を通じて流体を引き出すために利用され得る。コントローラハウジング104にポンプがない場合、コントローラハウジング104の内部で流入口と流出路との間に直列にバルブが位置することが好ましい。バルブは、電子的なアクチュエータにより制御されることが好ましく、電子的なアクチュエータは、今度はCPU24により制御される。CPU24は、アクチュエータに選択的に開閉させるように構成され、これによって、流出路を通じた薬物の流れを選択的に許可する。流入路は、バルブの流入口に接続されてよく、流出路は、バルブの流出口に接続されてよい。
【0023】
バルブは、コントローラハウジング104に含まれるポンプ20と組み合わせて設けられてよい。上述したように、バルブは、CPU24により制御され得る。流路を通る流れを一方向に制限する1以上のチェックバルブが、また、流路に沿って(例えば、モジュール12内)、又は、コントローラハウジング104内に使用されてよい。
【0024】
CPU24は、認証コードを格納し得る関連付けられたメモリを有することが好ましい。認証コードは、モジュール12が符号化される際に、メモリに配置可能である。この方法では、符号化されたモジュール12のキットとコントローラハウジング104とが、輸送及びその後の組み立てのために、まとめられる。後述するように、システムは、個々のモジュールの符号化及びモジュールの順序に基づいてコードを生成することを可能にする。非制限的な例の目的で、図4は、各モジュール12に設けられ得る設定可能なスイッチギャング、例えば、5つのスイッチ可能な電気コンダクタを示す。生成されたコードは、比較のための認証コードと比較される。一致する場合、正しいモジュール及び正しい順序のモジュールが配置されていることを示す。これによって、CPU24が、任意のバルブを開位置に起動し、及び/又は、ポンプ20が起動される又はユーザが操作するスイッチにより起動可能となるようにポンプ20を動作状態にする。生成されたコードを、認証コードとの比較を実行するリモートサーバ、モバイルデバイス等に送信する送信機/受信機をシステムに備えることが可能である。薬物の排出の許容又は拒否の一方の電子メッセージが、返送される。この構成では、コントローラハウジングは、特定のシステムに合うようにカスタマイズされない(すなわち、実際の薬物モジュール及びその順序に基づく認証コードは、デバイスに格納される必要がない)。加えて、受信機は、外部ソース(リモートサーバ、モバイルデバイス等)から認証コードを受け取るために使用されてよく、CPU24上に認証コードを予め格納する必要性もまた除去できる。
【0025】
コードは、図5に示す回路を用いて、システムによって生成され得る。モジュール12内のスイッチギャングからの配線は、データバス101の複数のデータ送信線に接続される。データバス101は、ギャングのスイッチ毎に一つの送信線を有し、この例では、5つ有し、5ビットデータバスを形成する。上記した、2進法で6の番号が付けられたモジュールの種類の場合、2進数00110がエンコーダ集積回路の入力ピンに並列に現れる。特に制限されないが、デコーダ、エンコーダ、マルチプレクサ、デマルチプレクサ、ロジックゲート、リードオンリーメモリ、プログラマブルロジックアレイ、マイクロプロセッサ、及び、ディスプレイ等の標準的なデジタル電子コンポーネントを用いることによって、モジュールアレイから読み取られた2進数が、モジュールについてのさらなる情報を表示するために使用され得る。例えば、プログラマブルロジックアレイ又はリードオンリーメモリは、00110に対応するモジュールについてのさらなる情報、例えば、薬物のアイデンティティ(何であるか)及び強度、を格納するルックアップテーブルとして使用され得る。
【0026】
しかしながら、個々のモジュールの取り調べでは、モジュールが組み立てられたときのシステムレベルの構成、例えば、組み立てられたモジュールの順序、についての情報が提供されない。これを達成するために、組立体の各モジュールを一意にアドレス指定する手段が必要とされる。
【0027】
列になったモジュール、すなわち、組立体のアドレス指定は、図6に概略的に示される回路により達成され得る。
【0028】
組立体10の複数のモジュール12は、データバス101及びアドレスバス102に対して、並列に接続される。通常、アドレスバスは、N本の送信線を有する。Nは、組立体において許容されているモジュールの最大数に等しい。組立体の各モジュールに対して1つの送信線があり、この例では6である。種々の数が利用され得る。
【0029】
データ及びアドレスバス101,102は、コントローラハウジング104に一体化される電子的なコントローラ103に、データセレクタ/デコーダ集積回路105及びエンコーダ 集積回路106を通じて、それぞれ接続される。コントローラ103によって、データセレクタ/デコーダ105は、列になっている各モジュールにおける各コンダクタをアドレス指定して電流を供給できる。コントローラ103によってデコーダ105のアドレス指定の順序をデータバス101の出力線で読み取られるモジュールの種類の2進数に同期させることによって、組立体10の各モジュール12(12A、12B、12C、12D、12E、12F、…)のアイデンティティを順番に読み取ることを可能にする。そのため、システムレベルの種類及び構成のデータは、確立されることができ、組立体におけるモジュールの正しいアイデンティティ及びそれらの構成を確認するために必要とされる。最下位ビットのためのスイッチ線は、LSBのラベルが付され、最上位ビットのためのスイッチ線は、MSBのラベルが付される。図6に示される組立体のモジュールのアイデンティティは、下表1に列挙される。
【0030】
【表1】
【0031】
コントローラ103に必要とされる機能は、特に限定されないが、メモリ要素(RAM、ROM)、マイクロプロセッサ、タイマ/クロック、ロジックゲート、マルチプレクサ、デマルチプレクサ、プログラマブルロジックアレイ、シフトレジスタ等の標準的な電子部品及び集積回路により構成され得ることが、当業者により理解され得る。
【0032】
実施の形態において、コントローラ103のデジタル電子回路は、特別な処方箋に要求される特別な構成を格納するようにプログラムされ得、各モジュール12の予期される2進コードとデータバス101からの出力から読み取られたものとの論理的な比較を自動的に行い得る。実施の形態において、この予期される構成は、例えば、キーパッド入力、バー又はクイックレスポンス(QR)コード等の光学を利用するもの、無線周波数手段(例えば、無線周波数識別(RFID)、近距離無線通信(NFC)、又は、ブルートゥース(Bluetooth)(登録商標)、ジグビー(Zigbee)(登録商標)、アント(Ant)又はその他のパーソナルエリアネットワークプロトコルを用いるパーソナルエリアネットワーク(PAN)技術)等の、任意の適切な入力手段によって、メモリ要素にプログラムされ得る。あるいは、決定された2進コードは、比較を実行するために予期される2進コードが格納されるリモートサーバ等に送信されてよい。一致すると決定された場合には、組立体の正しさを表すために、アクティベーションコードが組立体に送信され得る。比較を可能にするために、予期されるアクティベーションコードがコントローラ103に格納され得る。
【0033】
実施の形態において、各モジュールの出力から受け取った2進数を連結して単一の2進数にすると有益であり得る。例えば、前述の例における6×5ビットの2進数は、単一の30ビットの2進数に連結されてよい。例えば、図6における最後のモジュール12Fから最初のモジュール12Aまで連結する場合、結果として得られる番号は、111111001110011101101011011010である。同様に、番号は、最初のモジュール12Aから最後のモジュール12Fに向かう方向に結合されてよく、結果として得られる番号は、110101011010110100111001111111である。
【0034】
そのため、正しいモジュールの正しい構成の確認は、この30ビットの2進数と、処方箋の組み合わせに対して予期される30ビットの2進数との比較になる。2進数230=32=1,073,741,824であり、これは、32個のオブジェクトを6個からなる組立体に配置可能な方法の総数を示し、すなわち、この例で符号化可能な状態の数を示す(なお、これらの状態の大半は重複するため、固有の状態の実際の数は実質的にはこれより少なくなる)。
【0035】
正しい構成の確認は、CPU24がポンプ22及び/又はバルブを起動するための鍵として作用する。CPU24は、コントローラ103の一部であってよいし、コントローラ103に動作的に結合されてよい。
【0036】
当業者であれば理解されるように、様々な数のモジュール12が利用され得り、アドレス及びデータバス101,102はそれに合わせられ得る。
【0037】
図6の回路は、各場所の各モジュールの種類を立証し、意図された処方箋のために格納された構成を比較し、それによって、正しいモジュールの正しい構成を確認できるが、データ及びアドレスバス101,102の物理的な実装には技術的な課題が残っている。
【0038】
好ましい実施の形態において、アドレス及びデータバス101,102は、理想的には、モジュール12それ自体に一体化され、それらから分離されない。そうでなければ、分離したバスへのモジュール接続が必要とされ、これは、収容型の設計におけるトレイと電子的に等価であり得る基板を必要する。分離したバス基板が必要であることは、直列接続型の設計の目的及び利点を損ない得る。
【0039】
好ましい実施の形態において、モジュールが、モジュールに一体化された電子的な導電経路の接続によって、互いに組み立てられるように、バス101,102は、構成される。実際には、モジュールは、それら自身のデータ及びアドレスバスを提供し、組み立てなければならない。そのため、利用されるモジュール12の数に関係なく、完全な回路が提供される。図6の回路に対するこの変更は、図7に概略的に示される。
【0040】
データバス101の場合、組立体におけるモジュールの位置に関係なくデータ送信線101’がデータバスにおいてモジュール12間で直列に接続されるようにモジュール12が接続されることにより、データバス101の構成は、単純である。データバス101は、モジュール12の各々のために使用されるスイッチの数と少なくとも同じ数のデータ送信線101’を含むべきである。スイッチ線101”は、例えば、図6においてモジュール12Fとともに示されるように、スイッチの各々をデータ送信線101’に一対一対応で接続するために、各モジュール12に設けられる。
【0041】
物理的に、データバス101は、モジュールハウジングに埋め込まれるか接着される配線により、モジュールハウジングの表面上に又は内部に埋め込まれる導電性塗料又はフィルムにより、ラベルにより、又は、当業者にとって周知な、成形物に導電経路を形成するその他の適切な手段により、製造され得る。
【0042】
アドレスバス102の場合、アドレス線102’は、モジュール12の各々に、組立体10におけるモジュール12の数に少なくとも等しい数だけ、設けられる。アドレス線102’は、接続されるモジュール12に、軸方向に、直列に接続される。
【0043】
モジュール12の各々が独立してアドレス可能であることが好ましい。これは、モジュール12が各々、アドレス線102’の一つと一意的に電気的に接触するように、モジュール12の各々を異なるアドレス線102’に電気的に接続することによって、達成でき得る。この形式において、アドレス線102’は、モジュール12のために固有のアドレスを提供する。換言すれば、アドレス線102’は、組立体10におけるモジュール12の位置と相互関係がある。所定のモジュール12が取り付けられるアドレス線102’は、組立体におけるモジュール12の位置に依存する。
【0044】
一変形例において、モジュール12の各々は、アドレス線102’の各々との可変的な接続を可能にする手動調整可能な電気接点を備えてよい。手動調整可能な接点は、スライド接点、ダイアル接点、又は、アドレス線102’の各々と電気的に接触する位置を個別的に変更可能な、その他の位置変更可能な接点であってよい。手動調整可能な接点は、組立体10において関連するモジュール12の位置に対応するアドレス線102’と電気的に接続するように調整される。
【0045】
好ましくは、モジュール12は、受動的に、ユーザがモジュール12を接続する以上のことをしなくても、正しいアドレス線102’に自動的に電気的に接続される。正しいアドレス線102’との自動的な電気的接続を可能にする任意の構成が利用され得る。
【0046】
任意のモジュールが原則として任意の位置に取り付けられるように全てのモジュールが機械的に等価であるようにモジュールデザインに普遍性を使用する場合、モジュールそれ自体に格納されるモジュールの場所の予知ができない。例えば、モジュールの外部の機械的な特徴をアドレスバスへの接続を制御するために使用することができない。その代わりに、アドレスバスへのモジュール接続は、使用場所において現地でなされなければならない。
【0047】
実施の形態において、これは、モジュール及びコントローラの電子機器との間の電子的な接続を形成するように、あるモジュール上のスイッチ及びコンダクタが、近傍のモジュールのスイッチ及びコンダクタと結合するように設計された、同一のスイッチのギャング及び関連付けられた電子的なコンダクタを、各モジュールに、設けることによって、実現され得る。このアプローチの重要な特徴は、コントローラハウジングが、組立体の最初のモジュールを最初のアドレスバス送信線にスイッチング手段により接続するように設計される、組立体の最初のモジュールに対する電子的なコネクタを同様に有する、ということである。さらに重要な特徴は、スイッチング手段により最初のモジュールがコントローラハウジングの近傍の位置に配置された後は、組立体における2番目のモジュールの取り付けによって、2番目のモジュールが2番目のアドレスバス送信線に接続され、それ以降のモジュールの全てについても同様である、ということである。実施の形態において、このような、増加する、順次的なカスケード接続は、組立体における現在のモジュールの位置に依存してアクティブなアドレスバス送信線を増加させ、シフトさせるように設計されるピン及びスプリング型の電子的コネクタによって、達成され得る。この方法において、モジュールの組み立てが完了することによって、アドレスバスとそれに対するモジュール接続も同時に完了する。他の実施の形態において、非機械的なソリッドステートスイッチング手段、例えば、容量性スイッチ、ホール効果センサ、又は、当業者にとって既知なその他の適切なスイッチング手段が、使用され得る。
【0048】
非制限的な例により、及び、図8-14を参照して、同一に構成されたモジュールが直列に接続されることを可能にし、さらに、アドレスバス102上の適切なアドレス線102’に接続するための接点200の調整を可能にする構成が示される。特に、モジュール12の各々は、接点200に、接点200を調整可能に結合される、軸方向にシフト可能なポジションピン202を備える。ポジションピン202は、初期状態において、一部位が別個の長さxだけモジュール12から延びるように、長さにおいてモジュール12の幅より大きく形成される。第1モジュール12は、コントローラハウジング104に接続され、ポジションピン202は、変位させられていない(すなわち、初期状態のままである)。モジュール12の全ては、ポジションピン202を同じ初期位置に位置させるように構成される。この位置において、接点200は、第1位置にある第1モジュール12Aに対応するアドレス線102’に接触するように並ぶ。第2モジュール12Bを第1モジュール12Aに接続すると、第1モジュール12Aのポジションピン202は、第2モジュール12Bのポジションチャネル204内に突出させられる。これによって、第2モジュール12Bのポジションピン202が、距離xだけ、軸方向にシフトさせられる。第2モジュール12Bのポジションピン202は、最初は、第2モジュール12Bから距離xだけ突出していたから、軸方向のシフトによって、ポジションピン202が、第2モジュール12Bから距離2xだけ突出する。第2モジュール12Bにおけるポジションピン202は、モジュール12の全てと同様に、ポジションピン202の軸方向のシフトによってアドレス線102’間の接点200の移動が生じるように、接点200に結合される。図8~10に示すように、ポジションピン202は、回転可能なカム206に結合され得る。カム206の回転によって、接点200が移動する。カム206は、距離xの位置の変位毎にカム206が接点を次のアドレス線102’に変位させるように構成される。図8の構成では、ポジションピン202の変位は、後に接続されるモジュール毎に増加し(例えば、第3モジュール12Cについては3x、第4モジュール12Dについては4x等)、ポジションピン202の決まった変位毎に接点200が異なるアドレス線102’と並ぶ(例えば、第3モジュール12Cに対して第3アドレス線102”、第4モジュール12Dに対して第4アドレス線102’等)。ポジションピン202のより多くの変位によって、カム206のより多くの回転が生じて、接点200がより多く調整される。
【0049】
ポジションピン202は、既知の方法によって、カム206に結合され得る。図8~10に示すように、カム206に対する非固定的な押圧嵌合のために配置されるローラ208が、ポジションピン202に設けられる。ポジションピン202の軸方向の変位により、ローラ208がカム206を押して、その回転を引き起こす。カム206とのピン接続等のその他の接続も可能である。
【0050】
スプリング又はその他の付勢部材210がハウジング212内に、接点200に作用するように設けられてよい。スプリング210は、接点をカム206に対して付勢してそれらの間の嵌合が強化されるように、配置される。
【0051】
当業者であれば理解されるように、様々な要素及び/又は配置が、カム206の代わりに、ポジションピン202の軸方向の移動を接点200の変位に変換するために使用され得る。例えば、図13~14に示すように、ポジションピン202の軸方向の移動に応答して接点200を変位させるように構成されるリンク214の組み合わせが、特に、ポジションピン202のxの変位毎に接点200が異なるアドレス線102’に調整されるという固定された関係において、使用され得る。
【0052】
図11~12に示すように、接点200がポジションピン202と協調して(例えば、平行な軸に沿って)移動するように、接点200をポジションピン202にロッド216で結合することも、また、本発明の技術的範囲の内である。ここで、接点200は、ポジションピン202と同じ距離だけ変位させられる。各増加変位の距離xは、アドレス線102’間の間隔に等しい。
【0053】
別の実施の形態において、図23~25に示すように、アドレスバス102は、モジュール12の各々に設けられる平行なコンダクタの列により定義され得る。これは、モジュール12が同じように構成されることを可能にする。図23図25に示すように、電気コンダクタは、端部が軸方向に並ばないように構成される。この形式において、モジュー12の各々では、電気コンダクタの第1端300が、モジュール12の第1面302に沿って配置され得、電気コンダクタの第2端304が、モジュール12の第2面306に沿って配置され得る。隣り合うモジュール12の第1端300及び第2端304が直接的に結合されるようにn-1の関係で重複する(例えば、5つの電気コンダクタの場合、4つが直接的な結合のために重複する)ように、第1端300及び第2端302は、一つずれる。これは、連続的な経路が、第1モジュール12Aの第1面302から他のモジュール(12B,12C,…)まで個々のコンダクタに沿って定義されることを可能にする。これは、コンダクタの各々を個別にアドレスすることによって、個々のモジュール12を順次アドレスすることを可能にする。そのため、例えば、図23に示すように、ラベル1がつけられた、モジュール12Aの第1端300は、モジュール12Aについてアドレス可能な接続を提供する。ラベル2がつけられた第1端300は、第2モジュール12Bについてアドレス可能な接続を提供する。ラベル3がつけられた第1端300は、第3モジュール12Cについてアドレス可能な接続を提供し、以下同様である。電気コンダクタの数は、組立体10におけるモジュール12の数と少なくとも等しくなければならない。電気コンダクタ は、電気を通すように形成され得るが、モジュール12のアドレスの指定のために光が使用される場合には光を通してよい。加えて、代替手段として、図26に示すように、コンダクタは、例えば配線等のように、プリント回路板(PCB)等の基板に設けられてよく、第1端300及び第2端304は上記と同じ方法で並べられる。コンダクタは、プリント回路板の全長にわたるように、又は、プリント回路板の全長よりも短く構成されてもよい。以下で述べるが、プリント回路板は、オーバーモールド又は他の組み立て方法を含む任意の形式で、モジュール12に含まれることができる。プリント回路板構成では、線が末端のモジュール12,12Fから延びる図25及び28に概略的に示されるように、ジャンパ又は他のコネクタが、モジュール12間の接続のためにコンダクタをモジュール12の外側の部位に接続するために使用され得る。図27は、図23~26のいずれかに配置されるような電気コンダクタとともに使用可能な、考えられる基板(例えば、PCB)回路構成を、概略的に示す。
【0054】
図24を参照すると、データバス101は、上述したものと同様の形式で形成され得る。図24は、モジュール12の各々に使用可能な回路を示し、当該回路は、スイッチの各々に直列に接続されるMOSFET308を含む。電力は、MOSFET308の各々に、1以上の抵抗310を通じて提供され得る。これは、モジュール12の各々の個々のスイッチのアドレスを可能にする。
【0055】
データバス101と同様に、ここでの任意の実施の形態において、物理的に、アドレスバス102のアドレス線102’は、モジュールハウジングに埋め込まれるか接着される配線により、モジュールハウジングの表面上に又は内部に埋め込まれる導電性塗料又はフィルムにより、ラベルにより、又は、当業者にとって周知な、成形物に導電経路を形成するその他の適切な手段により、モジュール12に製造され得る。加えて、又は、代えて、アドレス線102’は、例えば、オーバーモールド又は他の組み立て方法によってモジュール12に組み込まれるプリント回路板又は他の基板上の配線及び/又はコンダクタにより定義され得る。
【0056】
当業者であれば理解されるように、回路設計の詳細に応じて、正しいロジックレベルを保証するためのプルアップ又はプルダウン抵抗、バス終端抵抗等のいくつかの追加の回路要素が、回路のアドレス及びデータバス側の両方において必要され得る。実施の形態において、コントローラハウジング104に組み込まれるかモジュール12それ自体に組み込まれる終端部品107(図15)に、このような追加の回路要素、例えば、バス終端抵抗110は、提供されることができる。後者の場合、各モジュール12は、例えば、一体化された終端抵抗111を有することができる。上述した順次的なスイッチングカスケード接続は、組立体における最後のモジュールによって、抵抗が、バス線の自動的な終端処理をするように接続されるように、設計されることができる。これは、図16に概略的に示される。
【0057】
本発明による、電子的に直列接続された組立体は、いくつかの利点を有する。一つの考えられる利点は、物理的な電子的な接続を形成する必要性が、機械的及び流体的な接続が正しくなされたことを確認することにも使用されることができる、ということである。例えば、図17に示され、記述されるように、システムは、流体接続が正しくなされたときにだけ電子回路が完成するように、設計される。例えば、図17に示すように、導電ピン500がモジュール12に設けられてよく、導電ピン500は、導電ピン500を凹所504に十分に挿入すると、凹所504内に配置されるスプリング接点502と電気的に結合するように形成される。これは、モジュール12が、それらの間の、流体的及び電気的の両方の適切な接続が保証されるように十分に接近していることを、保証する。
【0058】
電子機器の使用はまた、さらなる誤り防止及び状態表示機能の実装を可能にする。例えば、追加の送信線をデータバスに追加することによって、電子的なロジック回路は、各モジュールの追加の2進法の状態表示を取り調べることができる。例えば、追加のマイクロスイッチ600は、モジュール12に含まれて、他のモジュール12へのそれらの接続状態を示すことができる。例えば、スイッチ600は、モジュール12が別のモジュール12に接続されていない場合は開かれ、モジュール12が組立体に取り付けられた場合に閉じるように、構成されることができる。同様に、さらなる状態の特徴は、バイアルの隔壁の洗浄を可能にするためにあるモジュールキャップ602が開いているか閉じているかを示すことができる。後者の状態表示器は、例えば、使用又は開封明示の表示器として、キャップ602が開かれたか閉じられた、又は、剥離可能なシールが除去された後は、スイッチ可能/リセット可能、又は、開閉不能に設計されることができる。後者の効果は、例えば、キャップを開くか閉じるかすることで電子的なコンダクタを恒久的に破壊するように構成することによって、達成されることができる。実施の形態において、複数の状態スイッチが、複数の破壊可能なコンダクタにより実装されることができる。すなわち、図18A-18Bに示され、記述されるように、スイッチ600は、モジュールキャップ602が開かれると、モジュールキャップ602が開かれていることを示すように、開閉不能となることができる。スイッチ600は、モジュール12の壁に沿って延びるように形成され得る。第2のスイッチは、剥離可能なフィルムを剥離した場合に、開閉不能となることができる。第3のスイッチは、モジュールキャップ602を閉じることによって、固定されることができる。適切な論理的な回路設計により、これらのスイッチ600の状態は、キャップ602が開かれ、バイアルが隔壁の洗浄のために露出され、その後に隔壁を貫通するためにキャップ602が閉じられたということを確認するために、取り調べられることができる。さらに、図20A-20Bに示され、記述されるように、開封明示の構成が提供されることができる。ここでは、スイッチ600は、モジュール12の内容物の考えられる改ざんの表示を提供する。ここで、スイッチ600は、図18A-18Bに示すように、モジュール12の壁に沿ってというよりは、バイアルを横切って延びる。図19は、5ギャングモジュールIDスイッチに並列な追加のスイッチ108と、例えば、組み立ての確認のためにコントローラに状態信号を提供する等の用途のために使用されることができる2つの追加のデータバス線109を有する図16の回路を示す。
【0059】
図28を参照すると、ここで記載される実施の形態のいずれかにおいて、モジュール12は、各々、永続的なメモリ400、例えば、EEPROMメモリを備えてよい。メモリ400は、特に制限されないが、例えば、薬物の名称、バッチ番号、シリアルコード、有効期限等の関連付けられた薬物に関するデータを含む様々な読み取り可能なデータの格納を、有利に、可能にする。加えて、偽造を防止するために、セキュリティコードがメモリ400に格納され得る。モジュール12のメモリ400は、上述したのと同様の方法で、アドレスバス102を用いて取り調べられ得る。加えて、メモリ400は、格納されたデータの更新を可能にするために、消去可能/書き込み可能であってよい。メモリ400は、モジュール12の各々のための識別コードを格納し得り、上述した2進コードと同様に機能するように読み取られることができる。
【0060】
加えて、モジュールは、再使用可能性を阻むように構成され得る。例えば、モジュールの各々にヒューズが設けられ得る。ヒューズは、投与の完了により、例えば、コントローラハウジングから放出される十分に大きな電気パルスによって破壊される。ヒューズは、電気的なコンダクタ(例えば、壊すことが可能な要素として)に沿って設けられ得る、及び/又は、例えば、破壊され、それによって電流を阻害するチップとして分離して設けられ得る。加えて、又は、代えて、モジュール12の各々のメモリ400は、消去された場合に電流を流さないという点において、ヒューズとして作用することができる。メモリ400は、各々、電流を許容する単純なロジックスキームを含み得、当該スキームが除去されると、電流が阻害される。例えば、メモリ400は、「使える状態である(ready for use)」を示すコードを備えてよく、使用後に、コントローラハウジング103によって、当該コードが、「使用済み(used)」を示すコードに更新され得る。関連付けられたモジュール12のさらなる使用は、「使用済み」を読み取ってよく、再使用を防止し得る。
【0061】
実施の形態において、電気的に駆動される移送ポンプは、ポンプハウジングに一体化されてよい。実施の形態において、正しいモジュールのアイデンティティ、モジュール状態、及び、システム構成が確認された後は薬物の移送を実行するように、ポンプがオン状態に切り替えられることができるように、ポンプの動作は、コントローラの制御下にあるように構成されることができる。
【0062】
その他の状態表示器が考えられ得る。例えば、単純な温度自動調節スイッチが、温度依存の信号を与えるために、バイメタル板を用いて実装される。このような温度自動調節スイッチは、特定の閾値温度で、オン又はオフに設定され得る。より高度かつ複雑な構成は、その他の状態表示器を形成するために、その他の回路要素の使用により、検討され得る。例えば、温度状態は、温度に比例するアナログの電子的な信号を提供する熱電対結合又はサーミスタを使用して、より正確に監視されることができる。このような回路の特徴は、例えば、抵抗の正の温度係数(PTC)を有するインクのパッド又はシルクスクリーン印刷等の薄膜又は厚膜技術を使用してモジュールに一体化されることができる。このようなPTCインクは、当業者にとって既知である。このような回路要素は、ラベルとして適用され得る。その他の回路要素は、他の着目する物理的性質に比例する他のアナログ信号を提供するために使用され得る。例えば、光依存性抵抗等の受光素子が、モジュールが開かれたこと、又は、剥離可能なシールが取り除かれたことを確認するために使用され得る。センサの測定値、特に、環境に関連するもの(例えば、温度、湿度、露光等)は、特に、センサの測定値がモジュールの保管及び輸送の間取得される場合には、メモリ400に格納され得る。タイマは、また、センサの測定値のタイムスタンプを提供するために使用され得る。これは、関連付けられた薬物が危険な状態にさらされたかどうかを決定するために、収集される環境データを可能にする。モジュール12の使用前に、このようなセンサの測定値、タイミング、及び、データ保管を可能にするように、電力は、既知の方法で、提供され得る。電力は、バッテリ等の基板に実装された電源、及び/又は、無線周波数の電磁場への暴露(モジュール上の対応する変換ハードウェアとともに)等の外部電源から、提供され得る。組立時に、環境データは、薬物の安定性を評価するために、読み出され得る。
【0063】
アナログ信号を用いることの不利益は、アナログ信号をデジタル電子回路との相互作用のために調整する必要があることであり、回路の複雑さを増すことになる。これは、アナログ-デジタル変換器(ADC)集積回路をポンプハウジングに組み込むことを必要とし得る。単純な例において、信号に閾値を設定する(すなわち、信号が閾設定値より大きいか小さいかに応じて論理ハイ又はロウ値を提供する)ことが要求されるだけであれば、これは、単純に、コンパレータ集積回路を使用することによって、達成され得る。
【0064】
コントローラハウジングの制御は、CPUの文脈において説明されることに留意されたい。当業者により理解されるように、システムは、何らかの形態のメモリを有するがマイクロプロセッサ上で動作する格納されるプログラム(ソフトウェア)の必要性がない組み合わせ及び順序論理回路において、実装され得る論理に依存し得る。すなわち、システム論理は、設計によって組み込まれてよく、ソフトウェア設計に内在する論理エラーのリスクを低減し、例えば、論理ゲート等を通じたソフトウェアの検証の必要性を回避する。
【0065】
別の実施の形態において、図21~22に示すように、アドレスバス102は、好ましくは、コントローラハウジング104に収容される発光ダイオード(LED)又はダイオードレーザである1以上の光源702を備える光電子アドレス指定システム700により置き換えられ得る。
【0066】
コントローラ103は、電源及びグランドコンダクタへの接続を備える。モジュール12は、電源及びグランドコンダクタに直列に接続され得る。各モジュール12は、内側にミラー等の反射表面を備えるとともに、共通のコレクタ電圧分圧回路において電源及びグランドコンダクタ間をわたるように抵抗206に直列に接続され、その出力がモジュールの種類を表す2進数を符号化するスイッチアレイに接続されるフォトトランジスタ又はフォトダーリントンデバイス704等の受光素子を備える。抵抗706の抵抗値は、フォトトランジスタ又はフォトダーリントン(フォトセンサ)704が光学スイッチとして作用するように共通のコレクタ回路が十分に飽和するように選択される。この構成では、光源702によるコントローラハウジング104からの照明時に、電源線電圧Vccに等しい電位が、スイッチアレイに印加され、アドレス指定されたモジュールのための2進法の符号化が、データバス101上で、エンコーダ106への入力線に現れる。
【0067】
図22に概略的に示すように、複数の光源702の順次スイッチされる照明によって、フォトセンサ74を順次照明するようにコントローラ103を構成することによって、薬物モジュール12が順次アドレス指定され、それらの符号化が取り調べられる。
【0068】
実施の形態において、複数の光源702の代わりに、単一の光源が、各フォトセンサ204に順番に光線を向ける光学的及び/又は機械的手段と併せて使用され得る。
【0069】
このシステムの利点は、モジュール12に可動部材又は機械的なバス接続がないことであり、物理的な伝送媒体なしで伝送される光の能力も利用する。
【0070】
システム700は、光線のための透明な伝送経路を必要とし、この目的で、妨げられずに光がモジュールスタックを通過できるように、狭い窓又はスリットがモジュール12に設けられる。あるいは、透明な窓がモジュール12に設けられてよいが、この場合は、窓の材料の製造公差の許容量を含む、媒質の変化に起因する伝送される光線の経路上での屈折の効果の考慮もされなければならない。
【0071】
当業者であれば理解されるように、特に制限されないが、光導波路(「光ファイバ」)、レンズ、プリズム、ミラー、コリメータ、ピンホール等を含む光学コンポーネントは、必要な薬物モジュールの光学的なアドレス指定を促進するために、LED又はレーザダイオードから光を屈折し、誘導し、拡大し、及び、集中させるために制御ユニット及び/又はモジュールに実装され得る。加えて、スクリーン及び/又は光学フィルタが、外部の光源に起因する意図しないスイッチングを防止するために使用される。さらに、光源は、LED、OLED(有機発光ダイオード)、及び、PLED(ポリマー発光ダイオード)を含む任意の種類のソリッドステート照明装置であってよい。また、フォトセンサのスペクトル感度を光源のスペクトル放射に一致させることが十分に考慮されなければならない。
【0072】
一実施の形態において、例えば、癌、自己免疫疾患、炎症性疾患、心血管疾患、線維症等の幅広い疾患又は症状のいずれかを患う患者の利益のために、本開示の組み合わせ薬物送達デバイス又はシステムのいずれかは、2以上の薬物を送達できる。一実施の形態において、薬物モジュール12の1以上は、単一の薬物を含み得る。一実施の形態において、薬物モジュール12の1以上は、2以上の合剤にされた薬物を含み得る。一実施の形態において、薬物モジュール12の1以上は、希釈剤の流入により調製されて液体薬物を形成する固形薬物(例えば、錠剤、カプセル、粉末、凍結乾燥物、噴霧乾燥物)を含んでよい。
【0073】
一実施の形態において、本開示の組み合わせ薬物送達デバイスのいずれかの1以上の薬物は、免疫チェックポイント阻害薬である。ある実施の形態において、免疫チェックポイント阻害薬は、プログラム死1(「PD-1」)経路阻害薬、細胞傷害性Tリンパ球抗原4(「CTLA-4」)アンタゴニスト、リンパ球活性化遺伝子3(「LAG3」)アンタゴニスト、CD80アンタゴニスト、CD86アンタゴニスト、T細胞免疫グロブリン-ムチンドメイン(「Tim-3」)アンタゴニスト、IgとITIMドメインを持つT細胞免疫受容体(「TIGIT」)アンタゴニスト、CD20アンタゴニスト、CD96アンタゴニスト、インドールアミン2,3-ジオキシゲナーゼ(「IDO1」)アンタゴニスト、インターフェロン遺伝子刺激因子(「STING」)アンタゴニスト、反復優位型糖タンパク質A(GARP)アンタゴニスト、CD40アンタゴニスト、アデノシンA2A受容体(「A2aR」)アンタゴニスト、癌胎児性抗原関連細胞接着分子1(CEACAM1)(CD66a)アンタゴニスト、癌胎児性抗原(CEA)アンタゴニスト、CD47アンタゴニスト、受容体関連免疫グロブリンドメインタンパク質(「PVRIG」)アンタゴニスト、トリプトファン2,3-ジオキシゲナーゼ(「TDO])アンタゴニスト、Vドメイン免疫グロブリンT細胞活性化抑制因子(「VISTA」)アンタゴニスト、又は、キラー細胞免疫グロブリン様受容体(「KIR」)アンタゴニストである。
【0074】
一実施の形態において、PD-1経路阻害薬は、抗PD-1抗体、又は、その抗原結合フラグメントである。ある実施の形態において、抗PD-1抗体は、ペムブロリズマム(pembrolizumab)(キイトルーダ;MK-3475)、ピディリズマブ(pidilizumab)(CT-011)、ニボルマブ(nivolumab)(オプジーボ;BMS-936558)、PDR001、MEDI0680(AMP-514)、TSR-042、REGN2810、JS001、AMP-224(GSK-2661380)、PF-06801591、BGB-A317、BI754091、又はSHR-1210である。
【0075】
一実施の形態において、PD-1経路阻害薬は、抗PD-L1抗体、又は、その抗原結合フラグメントである。ある実施の形態において、抗PD-L1抗体は、アテゾリズマブ(atezolizumab)(テセントリク;RG7446;MPDL3280A;RO5541267)、デュルバルマブ(durvalumab)(MEDI4736)、BMS-936559、アベルマブ(avelumab)(バベンチオ)、LY3300054、CX-072(Proclaim-CX-072)、FAZ053、KN035、又は、MDX-1105である。
【0076】
一実施の形態において、PD-1経路阻害薬は、小分子薬剤である。ある実施の形態において、PD-1経路阻害薬は、CA-170である。他の実施の形態において、PD-1経路阻害薬は、細胞ベースの治療である。一実施の形態において、細胞ベースの治療は、MiHA付加PD-L1/L2発現抑制樹状細胞ワクチンである。その他の実施の形態において、細胞ベースの治療は、多能性Tリンパ球を発現する抗プログラム細胞死タンパク質1抗体、自己PD-1標的化キメラスイッチ受容体修飾Tリンパ球、又は、PD-1ノックアウト自己Tリンパ球である。
【0077】
一実施の形態において、PD-1経路阻害薬は、抗PD-L2抗体、又は、その抗原結合フラグメントである。別の実施の形態において、抗PD-L2抗体は、rHIgM12B7である。
【0078】
一実施の形態において、PD-1経路阻害薬は、可溶性PD-1ポリペプチドである。ある実施の形態において、可溶性PD-1ポリペプチドは、融合ポリペプチドである。いくつかの実施の形態において、可溶性PD-1ポリペプチドは、PD-1細胞外ドメインのリガンド結合フラグメントを含む。他の実施の形態において、可溶性PD-1ポリペプチドは、PD-1細胞外ドメインのリガンド結合フラグメントを含む。他の実施の形態において、可溶性PD-1ポリペプチドは、Fcドメインを更に含む。
【0079】
一実施の形態において、免疫チェックポイント阻害薬は、CTLA-4アンタゴニストである。ある実施の形態において、CTLA-4アンタゴニストは、抗CTLA-4抗体、又は、その抗原結合フラグメントである。いくつかの実施の形態において、抗CTLA-4抗体は、イピリムマブ(ipilimumab)(ヤーボイ)、トレメリムマブ(tremelimumab)(チシリムマブ(ticilimumab);CP-675,206)、AGEN-1884、又は、ATOR-1015である。一実施の形態において、本開示の組み合わせ薬物送達デバイスのいずれかは、例えばイピリムマブ(ヤーボイ)等のCTLA-4アンタゴニスト、例えばニボルマブ(オプジーボ)又はペムブロリズマム(キイトルーダ)等のPD-1経路阻害薬を含む。
【0080】
一実施の形態において、免疫チェックポイント阻害薬は、LAG3アンタゴニストである。ある実施の形態において、LAG3アンタゴニストは、抗LAG3抗体、又は、その抗原結合フラグメントである。ある実施の形態において、抗LAG3抗体は、リラトリマブ(relatlimab)(BMS-986016)、MK-4280(28G-10)、REGN3767、GSK2831781、IMP731(H5L7BW)、BAP050、IMP-701(LAG-5250)、IMP321、TSR-033、LAG525、BI754111、又は、FS-118である。一実施の形態において、本開示の組み合わせ薬物送達デバイスのいずれかは、例えばリラトリマブ又はMK-4280等のLAG3アンタゴニスト、及び、例えばニボルマブ(オプジーボ)又はペムブロリズマム(キイトルーダ)等のPD-1経路阻害薬を含む。一実施の形態において、本開示の組み合わせ薬物送達デバイスのいずれかは、例えばリラトリマブ又はMK-4280等のLAG3アンタゴニスト、及び、例えばイピリムマブ(ヤーボイ)等のCTLA-4アンタゴニストを含む。一実施の形態において、本開示の組み合わせ薬物送達デバイスのいずれかは、例えばリラトリマブ又はMK-4280等のLAG3アンタゴニスト、例えばイピリムマブ(ヤーボイ)等のCTLA-4アンタゴニスト、及び、例えばニボルマブ(オプジーボ)又はペムブロリズマム(キイトルーダ)等のPD-1経路阻害薬を含む。
【0081】
一実施の形態において、免疫チェックポイント阻害薬は、KIRアンタゴニストである。ある実施の形態において、KIRアンタゴニストは、抗KIR抗体、又は、その抗原結合フラグメントである。いくつかの実施の形態において、抗KIR抗体は、リリルマブ(lirilumab)(1-7F9、BMS-986015、IPH2101)、又は、IPH4102である。
【0082】
一実施の形態において、免疫チェックポイント阻害薬は、TIGITアンタゴニストである。一実施の形態において、TIGITアンタゴニストは、抗TIGIT抗体、又は、その抗原結合フラグメントである。ある実施の形態において、抗TIGIT抗体は、BMS-986207、AB154、COM902(CGEN-15137)、又は、OMP-313M32である。
【0083】
一実施の形態において、免疫チェックポイント阻害薬は、Tim-3アンタゴニストである。ある実施の形態において、Tim-3アンタゴニストは、抗Tim-3抗体、又は、その抗原結合フラグメントである。いくつかの実施の形態において、抗Tim-3抗体は、TSR-022、又は、LY3321367である。
【0084】
一実施の形態において、免疫チェックポイント阻害薬はIDO1アンタゴニストである。別の実施の形態において、IDO1アンタゴニストは、インドキシモド(indoximod)(NLG8189;1-メチル-D-トリプトファン)、エパカドスタット(epacadostat)(INCB-024360,INCB-24360)、KHK2455、PE-06840003、ナボキシモド(navoximod)(RG6078、GDC-0919、NLG919)、BMS-986205(F001287)、又は、ピロリジン-2,5-ジオン誘導体である。
【0085】
一実施の形態において、免疫チェックポイント阻害薬は、STINGアンタゴニストである。ある実施の形態において、STINGアンタゴニストは、2’又は3’-モノ-フルオロ置換環状-ジ-ヌクレオチド、2’3’-ジ-フルオロ置換混合結合2’,5’-3’,5’環状-ジ-ヌクレオチド、2’-フルオロ置換,ビス-3’,5’環状-ジ-ヌクレオチド、2’,2”-ジF-Rp,Rp,ビス-3’,5’環状-ジ-ヌクレオチド、又は、フッ素化環状-ジ-ヌクレオチドである。
【0086】
一実施の形態において、免疫チェックポイント阻害薬は、CD20アンタゴニストである。いくつかの実施の形態において、CD20アンタゴニストは、抗CD20抗体、又は、その抗原結合フラグメントである。一実施の形態において、抗CD20抗体は、リツキシマブ(rituximab)(リツキサン(RITUXAN);IDEC-102;IDEC-C2B8)、ABP798、オファツムマブ(ofatumumab)、又は、オビヌツズマブ(obinutuzumab)である。
【0087】
一実施の形態において、免疫チェックポイント阻害薬は、CD80アンタゴニストである。ある実施の形態において、CD80アンタゴニストは、抗CD80抗体、又は、その抗原結合フラグメントである。一実施の形態において、抗CD80抗体は、ガリキシマブ(galiximab)、又は、AV1142742である。
【0088】
一実施の形態において、免疫チェックポイント阻害薬は、GARPアンタゴニストである。いくつかの実施の形態において、GARPアンタゴニストは、抗GARP抗体、又は、その抗原結合フラグメントである。ある実施の形態において、抗GARP抗体は、ARGX-115である。
【0089】
一実施の形態において、免疫チェックポイント阻害薬は、CD40アンタゴニストである。ある実施の形態において、CD40アンタゴニストは、その抗原結合フラグメントのための抗CD40抗体である。いくつかの実施の形態において、抗CD40抗体は、BMS3h-56、ルカツムマブ(lucatumumab)(HCD122及びCHIR-12.12)、CHIR-5.9、又は、ダセツズマブ(dacetuzumab)(huS2C6、PRO64553、RG3636、SGN14、SGN-40)である。別の実施の形態において、CD40アンタゴニストは、可溶性CD40リガンド(CD40-L)である。一実施の形態において、可溶性CD40リガンドは、融合ポリペプチドである。一実施の形態において、可溶性CD40リガンドは、CD40-L/FC2、又は、単量体のCD40-Lである。
【0090】
一実施の形態において、免疫チェックポイント阻害薬は、A2aRアンタゴニストである。いくつかの実施の形態において、A2aRアンタゴニストは、小分子である。ある実施の形態において、A2aRアンタゴニストは、CPI-444、PBF-509、イストラデフィリン(istradefylline)(KW-6002)、プレラデナント(preladenant)(SCH420814)、トザデナント(tozadenant)(SYN115)、ビパデナント(vipadenant)(BIIB014)、HTL-1071、ST1535、SCH412348、SCH442416、SCH58261、ZM241385、又は、AZD4635である。
【0091】
一実施の形態において、免疫チェックポイント阻害薬は、CEACAM1アンタゴニストである。いくつかの実施の形態において、CEACAM1アンタゴニストは、抗CEACAM1抗体、又は、その抗原結合フラグメントである。一実施の形態において、抗CEACAM1抗体は、CM-24(MK-6018)である。
【0092】
一実施の形態において、免疫チェックポイント阻害薬は、CEAアンタゴニストである。一実施の形態において、CEAアンタゴニストは、抗CEA抗体、又は、その抗原結合フラグメントである。ある実施の形態において、抗CEA抗体は、セルグツズマブ・アムナロイキン(cergutuzumab amunaleukin)(RG7813,RO-6895882)、又は、RG7802(RO6958688)である。
【0093】
一実施の形態において、免疫チェックポイント阻害薬は、CD47アンタゴニストである。いくつかの実施の形態において、CD47アンタゴニストは、抗CD47抗体、又は、その抗原結合フラグメントである。ある実施の形態において、抗CD47抗体は、HuF9-G4、CC-90002、TTI-621、ALX148、NI-1701、NI-1801、SRF231、又は、Effi-DEMである。
【0094】
一実施の形態において、免疫チェックポイント阻害薬は、PVRIGアンタゴニストである。ある実施の形態において、PVRIGアンタゴニストは、抗PVRIG抗体、又は、その抗原結合フラグメントである。一実施の形態において、抗PVRIG抗体は、COM701(CGEN-15029)である。
【0095】
一実施の形態において、免疫チェックポイント阻害薬は、TDOアンタゴニストである。一実施の形態において、TDOアンタゴニストは、4-(インドール-3-イル)-ピラゾール誘導体、3-インドール置換誘導体、又は、3-(インドール-3-イル)-ピリジン誘導体である。別の実施の形態において、免疫チェックポイント阻害薬は、デュアルIDO及びTDOアンタゴニストである。一実施の形態において、デュアルIDO及びTDOアンタゴニストは、小分子である。
【0096】
一実施の形態において、免疫チェックポイント阻害薬は、VISTAアンタゴニストである。いくつかの実施の形態において、VISTAアンタゴニストは、CA-170、又は、JNJ-61610588である。
【0097】
一実施の形態において、本開示の組み合わせ薬物送達デバイスのいずれかの1以上の薬物は、免疫チェックポイント増強因子又は刺激因子である。
【0098】
一実施の形態において、免疫チェックポイント増強因子又は刺激因子は、CD28アゴニスト、4-1BBアゴニスト、OX40アゴニスト、CD27アゴニスト、CD80アゴニスト、CD86アゴニスト、CD40アゴニスト、ICOSアゴニスト、CD70アゴニスト、又は、GITRアゴニストである。
【0099】
一実施の形態において、免疫チェックポイント増強因子又は刺激因子は、OX40アゴニストである。ある実施の形態において、OX40アゴニストは、抗OX40抗体又はその抗原結合フラグメントである。いくつかの実施の形態において、抗OX40抗体は、タボリキシズマブ(tavolixizumab)(MEDI-0562)、ポガリズマブ(pogalizumab)(MOXR0916,RG7888)、GSK3174998、ATOR-1015、MEDI-6383、MEDI-6469、BMS986178、PF-04518600、又は、RG7888(MOXR0916)である。別の実施の形態において、OX40アゴニストは、細胞ベースの治療である。ある実施の形態において、OX40アゴニストは、GINAKIT細胞(iC9-GD2-CD28-OX40発現Tリンパ球)である。
【0100】
一実施の形態において、免疫チェックポイント増強因子又は刺激因子は、CD40アゴニストである。いくつかの実施の形態において、CD40アゴニストは、抗CD40抗体、又は、その抗原結合フラグメントである。一実施の形態において、抗CD40抗体は、ADC-1013(JNJ-64457107)、RG7876(RO-7009789)、HuCD40-M2、APX005M(EPI-0050)、又は、Chi Lob 7/4である。別の実施の形態において、CD40アゴニストは、可溶性CD40リガンド(CD40-L)である。一実施の形態において、可溶性CD40リガンドは、融合ポリペプチドである。ある実施の形態において、可溶性CD40リガンドは、三量体CD40-L(AVREND(登録商標))である。
【0101】
一実施の形態において、免疫チェックポイント増強因子又は刺激因子は、GITRアゴニストである。ある実施の形態において、GITRアゴニストは、抗GITR抗体、又は、その抗原結合フラグメントである。一実施の形態において、抗GITR抗体は、BMS-986156、TRX518、GWN323、INCAGN01876、又は、MEDI1873である。一実施の形態において、GITRアゴニストは、可溶性GITRリガンド(GITRL)である。いくつかの実施の形態において、可溶性GITRリガンドは、融合ポリペプチドである。別の実施の形態において、GITRアゴニストは、細胞ベースの治療である。一実施の形態において、細胞ベースの治療は、抗CTLA4 mAb RNA/GITRL RNAトランスフェクト自己樹状細胞ワクチン、又は、GITRL RNAトランスフェクト自己樹状細胞ワクチンである。
【0102】
一実施の形態において、免疫チェックポイント増強因子又は刺激因子は、4-1BBアゴニストである。いくつかの実施の形態において、4-1BBアゴニストは、抗4-1BB抗体、又は、その抗原結合フラグメントである。一実施の形態において、抗4-1BB抗体は、ウレルマブ(urelumab)、又は、PF-05082566である。
【0103】
一実施の形態において、免疫チェックポイント増強因子又は刺激因子は、CD80アゴニスト又はCD86アゴニストである。いくつかの実施の形態において、CD80アゴニスト又はCD86アゴニストは、可溶性CD80又はCD86リガンド(CTLA-4)である。ある実施の形態において、可溶性CD80又はCD86リガンドは、融合ポリペプチドである。一実施の形態において、CD80又はCD86リガンドは、CTLA4-Ig(CTLA4-IgG4m、RG2077、又は、RG1046)、又は、アバタセプト(オレンシア、BMS-188667)である。その他の実施の形態において、CD80アゴニスト又はCD86アゴニストは、細胞ベースの治療である。一実施の形態において、細胞ベースの治療は、MGN1601(同種腎細胞癌ワクチン)である。
【0104】
一実施の形態において、免疫チェックポイント増強因子又は刺激因子は、CD28アゴニストである。いくつかの実施の形態において、CD28アゴニストは、抗CD28抗体、又は、その抗原結合フラグメントである。ある実施の形態において、抗CD28抗体は、TGN1412である。
【0105】
一実施の形態において、CD28アゴニストは、細胞ベースの治療である。ある実施の形態において、細胞ベースの治療は、JCAR015(抗CD19-CD28-ゼータ修飾CAR CD3+ Tリンパ球)、CD28CAR/CD137CAR発現Tリンパ球、同種CD4+ 記憶 Th1様T細胞/微粒子結合抗CD3/抗CD28、抗CD19/CD28/CD3ゼータ CAR ガンマレトロウイルスベクタ-形質導入自己Tリンパ球KTE-C19、抗CEA IgCD28TCR形質導入自己Tリンパ球、抗EGFRvIII CAR形質導入同種Tリンパ球、自己CD123CAR-CD28-CD3ゼータ-EGFRt発現Tリンパ球、自己CD171特異的CAR-CD28ゼータ-4-1-BB-EGFRt発現Tリンパ球、自己CD19CAR-CD28-CD3ゼータ-EGFRt発現Tcm富化T細胞、自己PD-1標的化キメラスイッチ受容体修飾Tリンパ球(CD28とのキメラ)、CD19CAR-CD28-CD3ゼータ-EGFRt発現Tcm富化Tリンパ球、CD19CAR-CD28-CD3ゼータ-EGFRt発現Tn/mem富化Tリンパ球、CD19CAR-CD28ゼータ-4-1BB発現同種Tリンパ球、CD19CAR-CD3ゼータ-4-1BB-CD28発現自己Tリンパ球、CD28CAR/CD137CAR発現Tリンパ球、CD3/CD28共刺激ワクチン刺激自己Tリンパ球、又は、iC9-GD2-CD28-OX40発現Tリンパ球である。
【0106】
一実施の形態において、免疫チェックポイント増強因子又は刺激因子は、CD27アゴニストである。ある実施の形態において、CD27アゴニストは、抗CD27抗体、又は、その抗原結合フラグメントである。一実施の形態において、抗CD27抗体は、バルリルマブ(CDX-1127)である。
【0107】
一実施の形態において、免疫チェックポイント増強因子又は刺激因子は、CD70アゴニストである。いくつかの実施の形態において、CD70アゴニストは、抗CD70抗体、又は、その抗原結合フラグメントである。一実施の形態において、抗CD70抗体は、ARGX-110である。
【0108】
一実施の形態において、免疫チェックポイント増強因子又は刺激因子は、ICOSアゴニストである。ある実施の形態において、ICOSアゴニストは、抗ICOS抗体、又は、その抗原結合フラグメントである。いくつかの実施の形態において、抗ICOS抗体は、BMS986226、MEDI-570、GSK3359609、又は、JTX-2011である。その他の実施の形態において、ICOSアゴニストは、可溶性ICOSリガンドである。いくつかの実施の形態において、可溶性ICOSリガンドは、融合ポリペプチドである。一実施の形態において、可溶性ICOSリガンドは、AMG750である。
【0109】
一実施の形態において、本開示の組み合わせ薬物送達デバイスのいずれかの1以上の薬物は、抗CD73抗体、又は、その抗原結合フラグメントである。ある実施の形態において、抗CD73抗体は、MEDI9447である。
【0110】
一実施の形態において、本開示の組み合わせ薬物送達デバイスのいずれかの1以上の薬物は、TLR9アゴニストである。一実施の形態において、TLR9アゴニストは、アガトリモドナトリウムである。
【0111】
一実施の形態において、本開示の組み合わせ薬物送達デバイスのいずれかの1以上の薬物は、サイトカインである。ある実施の形態において、サイトカインは、ケモカイン、インターフェロン、インターロイキン、リンホカイン、又は、腫瘍壊死因子ファミリのメンバである。いくつかの実施の形態において、サイトカインは、IL-2、IL-15、又は、インターフェロン-ガンマである。
【0112】
一実施の形態において、本開示の組み合わせ薬物送達デバイスのいずれかの1以上の薬物は、TGF-βアンタゴニストである。いくつかの実施の形態において、TGF-βアンタゴニストは、フレソリムマブ(fresolimumab)(GC-1008)、NIS793、IMC-TR1(LY3022859)、ISTH0036、トラベデルセン(AP12009)、組み換えトランスフォーミング増殖因子-ベータ-2、自己HPV-16/18 E6/E7特異的TGF-ベータ抵抗性Tリンパ球、又は、TGF-ベータ抵抗性LMP特異的細胞毒性Tリンパ球である。
【0113】
一実施の形態において、本開示の組み合わせ薬物送達デバイスのいずれかの1以上の薬物は、iNOSアンタゴニストである。いくつかの実施の形態において、iNOSアンタゴニストは、N-アセチル-システイン(NAC)、アミノグアニジン、L-ニトロアルギニンメチルエステル、又は、S,S-1,4-フェニレン-ビス(1,2-エタンジル)ビス-イソチオ尿素)である。
【0114】
一実施の形態において、本開示の組み合わせ薬物送達デバイスのいずれかの1以上の薬物は、SHP-1アンタゴニストである。
【0115】
一実施の形態において、本開示の組み合わせ薬物送達デバイスのいずれかの1以上の薬物は、コロニー刺激因子1受容体(「CSF1R」)アンタゴニストである。ある実施の形態において、CSF1Rアンタゴニストは、抗CSF1R抗体、又は、その抗原結合フラグメントである。いくつかの実施の形態において、抗CSF1R抗体は、エマクツヅマブ(emactuzumab)である。
【0116】
一実施の形態において、本開示の組み合わせ薬物送達デバイスのいずれかの1以上の薬物は、TNFファミリのメンバのアゴニストである。いくつかの実施の形態において、TNFファミリのメンバのアゴニストは、ATOR1016、ABBV-621、又は、アダリムマブ(adalimumab)である。
【0117】
一実施の形態において、本開示の組み合わせ薬物送達デバイスのいずれかの1以上の薬物は、アルデスロイキン(aldesleukin)等のインターロイキン-2(Interleukin-2)(IL-2)である。好ましくは、IL-2又は共役したIL-2(例えば、PEG化)は、ベンペガルデスロイキン等のように、制御性T細胞を通じてエフェクターT細胞を選択的に活性化するように修飾されてよい(「T-eff IL-2」)。一実施の形態において、本開示の組み合わせ薬物送達デバイスのいずれかは、制御性T細胞を通じてエフェクターT細胞を選択的に活性化する、ベンペガルデスロイキン等の修飾IL-2と、例えばニボルマブ(オプジーボ)又はペムブロリズマム(キイトルーダ)等のPD-1経路阻害薬とを含む。一実施の形態において、本開示の組み合わせ薬物送達デバイスのいずれかは、制御性T細胞を通じてエフェクターT細胞を選択的に活性化する、ベンペガルデスロイキン等の修飾IL-2と、例えばリラトリマブ又はMK-4280等のLAG3アンタゴニストとを含む。一実施の形態において、本開示の組み合わせ薬物送達デバイスのいずれかは、制御性T細胞を通じてエフェクターT細胞を選択的に活性化する、ベンペガルデスロイキン等の修飾IL-2と、例えばニボルマブ(オプジーボ)又はペムブロリズマム(キイトルーダ)等のPD-1経路阻害薬と、例えばリラトリマブ又はMK-4280等のLAG3アンタゴニストとを含む。一実施の形態において、本開示の組み合わせ薬物送達デバイスのいずれかは、制御性T細胞を通じてエフェクターT細胞を選択的に活性化する、ベンペガルデスロイキン等の修飾IL-2と、例えばイピリムマブ(ヤーボイ)等のCTLA-4アンタゴニストとを含む。一実施の形態において、本開示の組み合わせ薬物送達デバイスのいずれかは、制御性T細胞を通じてエフェクターT細胞を選択的に活性化する、ベンペガルデスロイキン等の修飾IL-2と、例えばニボルマブ(オプジーボ)又はペムブロリズマム(キイトルーダ)等のPD-1経路阻害薬と、例えばイピリムマブ(ヤーボイ)等のCTLA-4アンタゴニストとを含む。一実施の形態において、本開示の組み合わせ薬物送達デバイスのいずれかは、制御性T細胞を通じてエフェクターT細胞を選択的に活性化する、ベンペガルデスロイキン等の修飾IL-2と、例えばイピリムマブ(ヤーボイ)等のCTLA-4アンタゴニストと、例えばリラトリマブ又はMK-4280等のLAG3アンタゴニストとを含む。一実施の形態において、本開示の組み合わせ薬物送達デバイスのいずれかは、制御性T細胞を通じてエフェクターT細胞を選択的に活性化する、ベンペガルデスロイキン等の修飾IL-2と、例えばニボルマブ(オプジーボ)又はペムブロリズマム(キイトルーダ)等のPD-1経路阻害薬と、例えばイピリムマブ(ヤーボイ)等のCTLA-4アンタゴニストと、例えばリラトリマブ又はMK-4280等のLAG3アンタゴニストとを含む。
【0118】
一実施の形態において、本開示の組み合わせ薬物送達デバイスのいずれかの1以上の薬物は、CD160(NK1)アゴニストである。ある実施の形態において、CD160(NK1)アゴニストは、抗CD160抗体、又は、その抗原結合フラグメントである。一実施の形態において、抗CD160抗体は、BY55である。
【0119】
一実施の形態において、薬物モジュール12の1以上は、可溶型CTLA-4ポリペプチドを含んでよい。可溶型CTLA-4ポリペプチドは、例えば、関節リウマチ、若年性特発性関節炎、乾癬性関節炎、移植片対宿主病、移植拒絶等の胞媒介自己免疫性疾患等の治療に有用であり得る。一実施の形態において、可溶型CTLA-4ポリペプチドは、アバタセプト(abatacept)(オレンシア)、ベラタセプト(belatacept)(ニューロジクス)、RG2077、又は、RG-1046である。特定の実施の形態において、本開示の組み合わせ薬物送達デバイスの1以上の薬物モジュール12は、例えばアバタセプト(abatacept)(オレンシア)等の可溶型CTLA-4ポリペプチドと、例えばブラネブルチニブ(branebrutinib)等のブルトン型チロシンキナーゼ阻害薬とを含む。特定の実施の形態において、本開示の組み合わせ薬物送達デバイスの1以上の薬物モジュール12は、例えばアバタセプト(abatacept)(オレンシア)等の可溶型CTLA-4ポリペプチドと、例えばBMS-986165等のチロシンキナーゼ2阻害薬とを含む。特定の実施の形態において、本開示の組み合わせ薬物送達デバイスの1以上の薬物モジュール12は、例えばアバタセプト(abatacept)(オレンシア)等の可溶型CTLA-4ポリペプチドと、インターロイキン-2(IL2)又はエフェクターT細胞に対立する制御性T細胞を選択的に活性化する、例えばBMS-986326及びNKTR-358等の、「T-reg IL-2」とを含む。
図1
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