(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-17
(45)【発行日】2025-01-27
(54)【発明の名称】発光素子を有するユニットピクセル、ピクセルモジュール及びディスプレイ装置
(51)【国際特許分類】
H10H 20/855 20250101AFI20250120BHJP
G09F 9/33 20060101ALI20250120BHJP
H10H 20/00 20250101ALI20250120BHJP
【FI】
H01L33/58
G09F9/33
H01L33/00 L
(21)【出願番号】P 2022548129
(86)(22)【出願日】2021-02-09
(86)【国際出願番号】 KR2021001715
(87)【国際公開番号】W WO2021162414
(87)【国際公開日】2021-08-19
【審査請求日】2024-01-17
(32)【優先日】2020-02-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-04-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-02-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506029004
【氏名又は名称】ソウル バイオシス カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SEOUL VIOSYS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】65-16,Sandan-ro 163 Beon-gil,Danwon-gu,Ansan-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ナムグ・チャ
(72)【発明者】
【氏名】サンミン・キム
(72)【発明者】
【氏名】ジュンファン・アン
(72)【発明者】
【氏名】ジェヒ・リム
【審査官】佐藤 美紗子
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-078720(JP,A)
【文献】特開2014-137582(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0263828(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第03506353(EP,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00
H01L 33/48-33/64
H05B 33/00-33/28
H05B 44/00
H05B 45/60
H10K 50/00-99/00
G09F 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明基板;
前記透明基板上に整列された複数の発光素子
;
前記各発光素子と前記透明基板との間に配置され、前記各発光素子で生成された光を透過させる光学層;
及び
前記光学層と前記透明基板との間に配置された光遮断層;を含み、
前記光遮断層は、前記各発光素子で生成された光を透過させるように構成された各窓を有し、
各発光素子ごとに複数個の窓が対応して配置されており、
前記透明基板は、前記各発光素子と対面する面に凹凸パターンを有する、ユニットピクセル。
【請求項2】
前記複数の発光素子は、それぞれ前記透明基板と対面する面にラフネスを有する、請求項1に記載のユニットピクセル。
【請求項3】
前記複数の発光素子は、互いに異なる色相の光を放出する少なくとも3個の発光素子を含み、
前記少なくとも3個の発光素子は一列に配列された、請求項1に記載のユニットピクセル。
【請求項4】
前記光学層は接着層である、請求項1に記載のユニットピクセル。
【請求項5】
前記発光素子を覆い、前記接着層に接着された段差調節層;及び
前記段差調節層上に配置され、前記各発光素子に電気的に接続された各接続層;を含む、請求項4に記載のユニットピクセル。
【請求項6】
前記複数の発光素子は、赤色、緑色及び青色の光を放出する各発光素子を含む、請求項5に記載のユニットピクセル。
【請求項7】
前記複数の発光素子のそれぞれは、
第1導電型半導体層、第2導電型半導体層、及び前記第1導電型半導体層と第2導電型半導体層との間に介在した活性層を含む発光構造体;及び
前記発光構造体上に配置された第1電極パッド及び第2電極パッド;を含み、
前記段差調節層は、前記第1及び第2電極パッドを露出させる各開口部を有し、
前記各接続層は、前記段差調節層の各開口部を介して前記第1及び第2電極パッドに電気的に接続された、請求項6に記載のユニットピクセル。
【請求項8】
前記段差調節層及び各接触層を覆う保護層をさらに含み、
前記保護層は、前記各接触層上に位置する各開口部を有する、請求項7に記載のユニットピクセル。
【請求項9】
前記保護層の各開口部内に配置された各バンプをさらに含み、
前記各バンプは、それぞれ前記各接触層に電気的に接続された、請求項8に記載のユニットピクセル。
【請求項10】
前記各窓のうち少なくとも一つは、前記各発光素子が配列された方向に対して垂直な方向に延長された延長部を有する、請求項
1に記載のユニットピクセル。
【請求項11】
前記窓は、対角線方向に延長された延長部を有する、請求項
1に記載のユニットピクセル。
【請求項12】
前記透明基板の凹凸パターンは、前記各窓に対応して配置されている、請求項
1に記載のユニットピクセル。
【請求項13】
回路基板;及び
前記回路基板上に配置された複数のユニットピクセル;を含み、
前記複数のユニットピクセルのそれぞれは、
透明基板;
前記透明基板上に整列された複数の発光素子
;
前記各発光素子と前記透明基板との間に配置され、前記各発光素子から放出された光を透過させる光学層;
及び
前記光学層と前記透明基板との間に配置された光遮断層;を含み、
前記光遮断層は、前記各発光素子で生成された光を透過させるように構成された各窓を有し、
各発光素子ごとに複数個の窓が対応して配置されており、
前記透明基板は、前記各発光素子と対面する面に凹凸パターンを有する、ピクセルモジュール。
【請求項14】
前記複数の発光素子は、それぞれ前記透明基板と対面する面にラフネスを有する、請求項1
3に記載のピクセルモジュール。
【請求項15】
前記ユニットピクセルは、前記光学層と前記透明基板との間に配置された光遮断層をさらに含み、
前記光遮断層は、前記各発光素子で生成された光を透過させるように構成された各窓を有する、請求項1
3に記載のピクセル
モジュール。
【請求項16】
前記透明基板の凹凸パターンは、前記各窓に対応して配置されている、請求項1
5に記載のピクセルモジュール。
【請求項17】
前記光学層は接着層である、請求項1
3に記載の
ピクセルモジュール。
【請求項18】
前記ユニットピクセルは、
前記発光素子を覆い、前記接着層に接着された段差調節層;
前記段差調節層上に配置され、前記各発光素子に電気的に接続された各接続層;及び
前記段差調節層及び各接触層を覆う保護層;をさらに含み、
前記保護層は、前記各接触層上に位置する各開口部を有する、請求項1
7に記載のピクセルモジュール。
【請求項19】
前記複数の発光素子は、互いに異なる色相の光を放出する少なくとも3個の発光素子を含み、前記少なくとも3個の発光素子は一列に配列された、請求項1
3に記載のピクセルモジュール。
【請求項20】
パネル基板;及び
前記パネル基板上に配列された複数のピクセルモジュール;を含み、
前記複数のピクセルモジュールのそれぞれは、回路基板、及び前記回路基板上に配置された複数のユニットピクセルを含み、
前記複数のユニットピクセルのそれぞれは、
透明基板;
前記透明基板上に整列された複数の発光素子
;
前記各発光素子と前記透明基板との間に配置され、前記各発光素子から放出された光を透過させる光学層;
及び
前記光学層と前記透明基板との間に配置された光遮断層;を含み、
前記光遮断層は、前記各発光素子で生成された光を透過させるように構成された各窓を有し、
各発光素子ごとに複数個の窓が対応して配置されており、
前記透明基板は、前記各発光素子と対面する面に凹凸パターンを有する、ディスプレイ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
例示的な各実施例は、発光素子を有するユニットピクセル及びそれを有するディスプレイ装置に関し、特に、各発光素子の指向角を均一にすることができるユニットピクセル及びそれを有するディスプレイ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発光素子は、無機光源である発光ダイオードを用いた半導体素子であり、ディスプレイ装置、車両用ランプ、一般照明などの多くの分野に多様に用いられている。発光ダイオードは、寿命が長く、消費電力が低く、応答速度が速いという長所を有するので、既存の光源に迅速に取って代わっている。
【0003】
一方、従来の発光ダイオードは、ディスプレイ装置でバックライト光源として主に使用されたが、近年、発光ダイオードを用いて直接イメージを具現するディスプレイ装置が開発されている。このようなディスプレイは、マイクロLEDディスプレイと称することもある。
【0004】
ディスプレイ装置は、一般に、青色、緑色及び赤色の混合色を用いて多様な色相を具現する。ディスプレイ装置は、多様なイメージを具現するために複数のピクセルを含み、各ピクセルは、青色、緑色及び赤色のサブピクセルを備えている。これらのサブピクセルの色相を通じて特定のピクセルの色相が決定され、これらのピクセルの組み合わせによってイメージが具現される。
【0005】
マイクロLEDディスプレイの場合、各サブピクセルに対応してマイクロLEDが2次元平面上に配列され、これによって、一つの基板上に多くの数のマイクロLEDが配置される必要がある。ところが、マイクロLEDのサイズは、例えば、200マイクロ以下、さらに、100マイクロ以下と非常に小さく、このような小さいサイズのために多様な問題が発生する。特に、小さいサイズの発光ダイオードをハンドリングすることは難しいので、ディスプレイ用パネル上に発光ダイオードを直接実装することが容易でない。
【0006】
また、サブピクセルの色の組み合わせによって多様な色が具現されるので、各サブピクセルから放出される光の指向角が互いに異なる場合、ディスプレイのイメージを見る角度によって色相が変わるという問題がある。例えば、赤色光の指向角が大きく、青色光及び緑色光の指向角が小さい場合、これらの組み合わせによって白色光のイメージを具現するとき、垂直方向で白色光が具現されたとしても、見る角度によって赤色光が優勢なイメージが観察される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
例示的な各実施例は、回路基板の実装に適したユニットピクセル及びそれを有するディスプレイ装置を提供する。
【0008】
例示的な各実施例は、各サブピクセルから放出される光の指向角が均一なユニットピクセル及びそれを有するディスプレイ装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
例示的な実施例は、ユニットピクセルを提供するが、このユニットピクセルは、透明基板;前記透明基板上に整列された複数の発光素子;及び前記各発光素子と前記透明基板との間に配置され、前記各発光素子から放出された光を透過させる光学層;を含み、前記透明基板は、前記各発光素子と対面する面に凹凸パターンを有する。
【0010】
例示的な実施例は、ピクセルモジュールを提供するが、このピクセルモジュールは、回路基板;前記回路基板上に配置された複数のユニットピクセル;及び前記複数のユニットピクセルを覆うカバー層;を含み、前記複数のユニットピクセルのそれぞれは、透明基板;前記透明基板上に整列された複数の発光素子;及び前記各発光素子と前記透明基板との間に配置され、前記各発光素子から放出された光を透過させる光学層;を含み、前記透明基板は、前記各発光素子と対面する面に凹凸パターンを有する。
【0011】
例示的な実施例は、ディスプレイ装置を提供するが、このディスプレイ装置は、パネル基板;及び前記パネル基板上に配列された複数のピクセルモジュール;を含み、前記複数のピクセルモジュールのそれぞれは、回路基板、前記回路基板上に配置された複数のユニットピクセル、及び前記複数のユニットピクセルを覆うカバー層を含み、前記複数のユニットピクセルのそれぞれは、透明基板;前記透明基板上に整列された複数の発光素子;及び前記各発光素子と前記透明基板との間に配置され、前記各発光素子から放出された光を透過させる光学層;を含み、前記透明基板は、前記各発光素子と対面する面に凹凸パターンを有する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】一実施例に係るディスプレイ装置を説明するための概略的な平面図である。
【
図2A】一実施例に係る発光素子を説明するための概略的な平面図である。
【
図2B】
図2AのA-A線に沿って切り取られた概略的な断面図である。
【
図3A】一実施例に係るユニットピクセルを説明するための概略的な平面図である。
【
図3B】
図3AのB-B線に沿って切り取られた概略的な断面図である。
【
図4A】一実施例に係るピクセルモジュールを説明するための概略的な平面図である。
【
図4B】
図4AのC-C線に沿って切り取られた概略的な断面図である。
【
図4C】一実施例に係るピクセルモジュールを説明するための概略的な背面図である。
【
図4D】一実施例に係るピクセルモジュールを説明するための概略的な回路図である。
【
図4E】一実施例に係るピクセルモジュールを説明するための概略的な回路図である。
【
図5】
図5A~
図5Kは、一実施例に係る各発光素子を転写する方法を説明するための概略的な断面図である。
【
図6】
図6A~
図6Lは、一実施例に係る各発光素子を転写する方法を説明するための概略的な断面図である。
【
図7】
図7A~
図7Kは、一実施例に係る各発光素子を転写する方法を説明するための概略的な断面図である。
【
図8】一実施例に係るユニットピクセルを説明するための概略的な断面図である。
【
図9】一実施例に係るピクセルモジュールを説明するための概略的な断面図である。
【
図10】一実施例に係るユニットピクセルを説明するための概略的な断面図である。
【
図12】透明基板の凹凸パターンの有無による光の指向角特性を説明するためのグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付の各図面を参照して本開示の各実施例を詳細に説明する。次に紹介する各実施例は、本開示の属する技術分野の通常の技術者に本開示の思想を十分に伝達するために例として提供されるものである。したがって、本開示は、以下で説明する各実施例に限定されなく、他の形態で具体化されることも可能である。そして、各図面において、構成要素の幅、長さ、厚さなどは、便宜のために誇張して表現する場合がある。また、一つの構成要素が他の構成要素の「上部に」又は「上に」あると記載した場合、各部分が他の部分の「直上部」又は「直上」にある場合のみならず、各構成要素と他の構成要素との間に更に他の構成要素が介在した場合も含む。明細書全体にわたって同一の参照番号は、同一の構成要素を示す。
【0014】
例示的な実施例に係るユニットピクセルは、透明基板;前記透明基板上に整列された複数の発光素子;及び前記各発光素子と前記透明基板との間に配置され、前記各発光素子から放出された光を透過させる光学層;を含み、前記透明基板は、前記各発光素子と対面する面に凹凸パターンを有する。
【0015】
前記凹凸パターンにより、各発光素子から放出される光の指向角を均一にすることができる。前記凹凸パターンは、前記各発光素子から放出される光の指向角を増加させることができる。
【0016】
前記複数の発光素子は、それぞれ前記透明基板と対面する面にラフネスを有することができる。前記ラフネスは、発光素子と接着層との間の屈折率差に起因した内部全反射を減少させ、発光素子の光抽出効率を改善する。
【0017】
前記複数の発光素子は、互いに異なる色相の光を放出する少なくとも3個の発光素子を含むことができ、前記少なくとも3個の発光素子は一列に配列されてもよい。
【0018】
前記光学層は、光学的に透明な材料であれば特に限定されなく、気体、液体又は固体であってもよい。一実施例において、前記各発光素子は、スペーサーなどの結合器によって前記透明基板に結合されてもよく、前記各発光素子と前記透明基板との間の領域は気体又は液体で充填されてもよい。よって、前記光学層は、光に透明な気体又は液体で形成され得る。
【0019】
一実施例において、前記光学層は接着層であってもよい。前記各発光素子は、前記接着層によって前記透明基板に付着してもよい。
【0020】
さらに、前記ユニットピクセルは、前記発光素子を覆い、前記接着層に接着された段差調節層;及び前記段差調節層上に配置され、前記各発光素子に電気的に接続された各接続層;をさらに含むことができる。
【0021】
一実施例において、前記複数の発光素子は、赤色、緑色及び青色の光を放出する各発光素子を含むことができる。
【0022】
前記複数の発光素子のそれぞれは、第1導電型半導体層、第2導電型半導体層、及び前記第1導電型半導体層と第2導電型半導体層との間に介在した活性層を含む発光構造体;及び前記発光構造体上に配置された第1電極パッド及び第2電極パッド;を含むことができ、前記段差調節層は、前記第1及び第2電極パッドを露出させる各開口部を有し、前記各接続層は、前記段差調節層の各開口部を介して前記第1及び第2電極パッドに電気的に接続されてもよい。
【0023】
前記ユニットピクセルは、前記段差調節層及び各接触層を覆う保護層をさらに含むことができ、前記保護層は、前記接触層上に位置する各開口部を有することができる。
【0024】
さらに、前記発光素子は、前記保護層の各開口部内に配置された各バンプをさらに含むことができ、前記各バンプは、それぞれ前記各接触層に電気的に接続されてもよい。
【0025】
前記発光素子は、前記光学層と前記透明基板との間に配置された光遮断層をさらに含むことができ、前記光遮断層は、前記各発光素子で生成された光を透過させるように構成された各窓を有することができる。
【0026】
一実施例において、前記各窓のうち少なくとも一つは、前記各発光素子が配列された方向に対して垂直な方向に延長された延長部を有することができる。
【0027】
前記延長部により、対応する発光素子から放出された光の指向角を増加させることができる。
【0028】
一実施例において、前記窓は、対角線方向に延長された延長部を有することができる。
【0029】
一実施例において、各発光素子ごとに複数個の窓が対応して配置されてもよい。
【0030】
一実施例において、前記透明基板の凹凸パターンは、前記透明基板の一面全体に形成されてもよい。他の実施例において、前記透明基板の凹凸パターンは、前記各窓に対応して配置されてもよい。
【0031】
例示的な実施例に係るピクセルモジュールは、回路基板;及び前記回路基板上に配置された複数のユニットピクセル;を含み、前記複数のユニットピクセルのそれぞれは、透明基板;前記透明基板上に整列された複数の発光素子;及び前記各発光素子と前記透明基板との間に配置され、前記各発光素子から放出された光を透過させる光学層;を含み、前記透明基板は、前記各発光素子と対面する面に凹凸パターンを有する。
【0032】
前記複数の発光素子は、それぞれ前記透明基板と対面する面にラフネスを有することができる。
【0033】
また、前記ユニットピクセルは、前記光学層と前記透明基板との間に配置された光遮断層をさらに含むことができ、前記光遮断層は、前記各発光素子で生成された光を透過させるように構成された各窓を有することができる。
【0034】
一実施例において、前記透明基板の凹凸パターンは、前記各窓に対応して配置されてもよい。
【0035】
一実施例において、前記光学層は接着層であってもよい。
【0036】
さらに、前記ユニットピクセルは、前記発光素子を覆い、前記接着層に接着された段差調節層;前記段差調節層上に配置され、前記各発光素子に電気的に接続された各接続層;及び前記段差調節層及び各接触層を覆う保護層;をさらに含むことができる。さらに、前記保護層は、前記接触層上に位置する各開口部を有することができる。
【0037】
前記複数の発光素子は、互いに異なる色相の光を放出する少なくとも3個の発光素子を含むことができ、前記少なくとも3個の発光素子は一列に配列されてもよい。
【0038】
例示的な実施例に係るディスプレイ装置は、パネル基板;及び前記パネル基板上に配列された複数のピクセルモジュール;を含み、前記複数のピクセルモジュールのそれぞれは、回路基板、及び前記回路基板上に配置された複数のユニットピクセルを含み、前記複数のユニットピクセルのそれぞれは、透明基板;前記透明基板上に整列された複数の発光素子;及び前記各発光素子と前記透明基板との間に配置され、前記各発光素子から放出された光を透過させる光学層;を含み、前記透明基板は、前記各発光素子と対面する面に凹凸パターンを有する。
【0039】
以下、添付の各図面を参照して本開示の実施例をより詳細に説明する。
【0040】
図1は、本開示の一実施例に係るディスプレイ装置を説明するための概略的な平面図である。
【0041】
図1を参照すると、ディスプレイ装置10000は、パネル基板2100、及び複数のピクセルモジュール1000を含む。
【0042】
ディスプレイ装置10000は、特に限定されないが、マイクロLED TV、スマートウォッチ、VRヘッドセットなどのVRディスプレイ装置、又は拡張現実メガネなどのARディスプレイ装置を含むことができる。
【0043】
パネル基板2100は、受動マトリックス駆動又は能動マトリックス駆動のための回路を含むことができる。一実施例において、パネル基板2100は、内部に配線及び抵抗を含むことができ、他の実施例において、パネル基板2100は、配線、トランジスタ及びキャパシタを含むことができる。また、パネル基板2100は、配置された回路に電気的に接続できる各パッドを上面に有することができる。
【0044】
複数のピクセルモジュール1000がパネル基板2100上に整列される。各ピクセルモジュール1000は、回路基板1001、及び回路基板1001上に配置された複数のユニットピクセル100を含むことができる。
【0045】
また、各ユニットピクセル100は、複数の発光素子10a、10b、10cを含む。各発光素子10a、10b、10cは、互いに異なる色相の光を放出することができる。各ユニットピクセル100内の各発光素子10a、10b、10cは、
図1に示したように一列に配列されてもよい。一実施例において、各発光素子10a、10b、10cは、イメージが具現されるディスプレイ画面に対して垂直方向に配列されてもよい。しかし、本開示がこれに限定されることはなく、各発光素子10a、10b、10cは、イメージが具現されるディスプレイ画面に対して水平方向に配列されてもよい。
【0046】
以下では、ディスプレイ装置10000内に配置された各発光素子10a、10b、10c、ユニットピクセル100及びピクセルモジュール1000の順にディスプレイ装置10000の各構成要素を詳細に説明する。
【0047】
まず、
図2Aは、本開示の一実施例に係る発光素子10aを説明するための概略的な平面図で、
図2Bは、
図2AのA-A線に沿って切り取られた概略的な断面図である。ここで、発光素子10aを例に挙げて説明するが、各発光素子10b、10cも類似する構造を有するので、互いに重複する説明は省略する。
【0048】
図2A及び
図2Bを参照すると、発光素子10aは、第1導電型半導体層21、活性層23、及び第2導電型半導体層25を含む発光構造体を含む。また、発光素子10aは、オーミック接触層27、絶縁層29、第1電極パッド31、及び第2電極パッド33を含むことができる。
【0049】
発光構造体、すなわち、第1導電型半導体層21、活性層23及び第2導電型半導体層25は基板上に成長してもよい。前記基板は、窒化ガリウム基板、GaAs基板、Si基板、サファイア基板、特に、パターニングされたサファイア基板などの半導体成長用に使用され得る多様な基板であり得る。成長基板は、各半導体層から機械的研磨、レーザーリフトオフ、ケミカルリフトオフなどの技術を用いて分離されてもよい。ただし、本発明がこれに限定されるのではなく、基板の一部が残留し、第1導電型半導体層21の少なくとも一部を構成することもできる。
【0050】
一実施例において、赤色光を放出する発光素子10aの場合、各半導体層は、ヒ化アルミニウムガリウム(aluminum gallium arsenide、AlGaAs)、ヒ化リン化ガリウム(gallium arsenide phosphide、GaAsP)、リン化アルミニウムガリウムインジウム(aluminum gallium indium phosphide、AlGaInP)、又はリン化ガリウム(gallium phosphide、GaP)を含むことができる。
【0051】
緑色光を放出する発光素子10bの場合、各半導体層は、窒化インジウムガリウム(InGaN)、窒化ガリウム(GaN)、リン化ガリウム(GaP)、リン化アルミニウムガリウムインジウム(AlGaInP)、又はリン化アルミニウムガリウム(AlGaP)を含むことができる。
【0052】
一実施例において、青色光を放出する発光素子10cの場合、半導体層は、窒化ガリウム(GaN)、窒化インジウムガリウム(InGaN)、又はセレン化亜鉛(zinc selenide、ZnSe)を含むことができる。
【0053】
第1導電型と第2導電型は、互いに反対の極性であり、第1導電型がn型である場合、第2導電型はp型になり、第2導電型がp型である場合、第2導電型はn型になる。
【0054】
第1導電型半導体層21、活性層23及び第2導電型半導体層25は、金属有機化学気相成長法(MOCVD)などの公知の方法を用いてチャンバー内で基板上に成長してもよい。また、第1導電型半導体層21はn型不純物(例えば、Si、Ge、Sn)を含み、第2導電型半導体層25はp型不純物(例えば、Mg、Sr、Ba)を含む。一実施例において、第1導電型半導体層21は、ドーパントとしてSiを含むGaN又はAlGaNを含むことができ、第2導電型半導体層25は、ドーパントとしてMgを含むGaN又はAlGaNを含むことができる。
【0055】
図面において、第1導電型半導体層21及び第2導電型半導体層25がそれぞれ単一層であることを示すが、これらの層は、多重層であってもよく、超格子層を含んでもよい。活性層23は、単一量子井戸構造又は多重量子井戸構造を含むことができ、所望の波長を放出するように窒化物系半導体の組成比が調節される。例えば、活性層23は、青色光、緑色光、赤色光又は紫外線を放出することができる。
【0056】
第2導電型半導体層25及び活性層23は、メサM構造を有して第1導電型半導体層21上に配置されてもよい。メサMは、第2導電型半導体層25及び活性層23を含み、
図2Bに示したように、第1導電型半導体層21の一部を含むこともできる。メサMは、第1導電型半導体層21の一部の領域上に位置し、メサMの周囲に第1導電型半導体層21の上面が露出してもよい。
【0057】
一方、前記第1導電型半導体層21は、表面テクスチャリングによるラフネス21pを有することができる。表面テクスチャリングは、例えば、乾式又は湿式エッチング工程を用いたパターニングによって行われてもよい。例えば、コーン形状の各突出部が形成されてもよく、コーンの高さは2μm乃至3μm、コーンの間隔は1.5μm乃至2μm、コーンの底直径は約3μm乃至5μmであってもよい。また、コーンは截頭型であってもよく、この場合、コーンの上面直径は約2μm乃至3μmであってもよい。第1導電型半導体層21の表面にラフネスを形成することによって内部全反射を減少させ、光抽出効率を増加させることができる。第1乃至第3発光素子10a、10b、10cのいずれにも、第1導電型半導体層に表面テクスチャリングが行われ得るが、これに限定されなく、一部の発光素子には、表面テクスチャリングが行われなくてもよい。
【0058】
また、前記メサMは、第1導電型半導体層21を露出させる貫通ホール25aを有することができる。貫通ホール25aは、メサMの一側縁部近くに配置されてもよいが、これに限定されなく、メサMの中央に配置されてもよい。
【0059】
オーミック接触層27は、第2導電型半導体層25上に配置され、第2導電型半導体層25にオーミック接触する。オーミック接触層27は、単一層又は多重層で形成されてもよく、透明導電性酸化膜又は金属膜で形成されてもよい。透明導電性酸化膜としては、例えば、ITO又はZnOなどを例に挙げることができ、金属膜としては、Al、Ti、Cr、Ni、Auなどの金属及びこれらの合金を例に挙げることができる。
【0060】
絶縁層29は、メサM及びオーミック接触層27を覆う。さらに、絶縁層29は、メサMの周囲に露出した第1導電型半導体層21の上面及び側面を覆うことができる。一方、絶縁層29は、オーミック接触層27を露出させる開口部29a、及び貫通ホール25a内で第1導電型半導体層21を露出させる開口部29bを有することができる。絶縁層29は、シリコン酸化膜又はシリコン窒化膜の単一層又は多重層で形成されてもよい。また、絶縁層29は、分布ブラッグ反射器などの絶縁反射器を含むこともできる。
【0061】
第1電極パッド31及び第2電極パッド33は絶縁層29上に配置される。第2電極パッド33は、開口部29aを介してオーミック接触層27に電気的に接続してもよく、第1電極パッド31は、開口部29bを介して第1導電型半導体層21に電気的に接続してもよい。
【0062】
第1及び/又は第2電極パッド31、33は、単一層又は多重層金属で形成されてもよい。第1及び/又は第2電極パッド31、33の材料としては、Al、Ti、Cr、Ni、Auなどの金属及びこれらの合金などが使用されてもよい。
【0063】
本開示の一実施例に係る発光素子10aを図面と共に簡略に説明したが、発光素子10aは、上述した層以外にも、付加的な機能を有する層をさらに含むことができる。例えば、光を反射させる反射層、特定の構成要素を絶縁するための追加絶縁層、ソルダーの拡散を防止するソルダー防止層などの多様な層がさらに含まれてもよい。
【0064】
また、フリップチップタイプの発光素子を形成するにおいて、多様な形態でメサを形成することができ、第1及び第2電極パッド31、33の位置や形状も多様に変更され得る。また、オーミック接触層27は省略されてもよく、第2電極パッド33が第2導電型半導体層25に直接接触することもできる。また、第1電極パッド31が第1導電型半導体層21に直接接続することを示したが、まず、貫通ホール25aに露出した第1導電型半導体層21上にコンタクト層が形成され、第1電極パッド31が前記コンタクト層に接続することもできる。
【0065】
図3Aは、本開示の一実施例に係るユニットピクセル100を説明するための概略的な平面図で、
図3Bは、
図3AのB-B線に沿って切り取られた概略的な断面図である。
【0066】
図3A及び
図3Bを参照すると、ユニットピクセル100は、透明基板121、第1乃至第3発光素子10a、10b、10c、光遮断層123、接着層125、段差調節層127、各接続層129a、129b、129c、129d、各バンプ133a、133b、133c、133d、及び保護層131を含むことができる。
【0067】
ユニットピクセル100は、第1乃至第3発光素子10a、10b、10cを含み、一つのピクセルを提供する。第1乃至第3発光素子10a、10b、10cは、互いに異なる色相の光を放出し、これらはそれぞれサブピクセルに対応する。
【0068】
透明基板121は、PET、ガラス基板、クォーツ、サファイア基板などの光透過性基板である。透明基板121は、ディスプレイ装置(
図1の10000)の光放出面に配置され、各発光素子10a、10b、10cから放出された光は、透明基板121を介して外部に放出される。透明基板121は、各発光素子10a、10b、10cと対面する面に凹凸パターン121pを含むことができる。凹凸パターン121pは、各発光素子10a、10b、10cから放出された光を散乱させ、指向角を増加させる。また、互いに異なる指向角特性を有する各発光素子10a、10b、10cから放出された光は、前記凹凸パターン121pによって均一な指向角で放出させることができる。これによって、見る角度によって色差が発生することを防止することができる。
【0069】
凹凸パターン121pは、規則的であってもよく、不規則的であってもよい。凹凸パターン121pは、例えば、3μmのピッチ、2.8μmの直径、及び1.8μmの高さを有することができる。凹凸パターン121pは、一般にパターニングされたサファイア基板に適用されるパターンであってもよいが、これに限定されない。
【0070】
また、透明基板121は、反射防止コーティングを含むことができ、又は、グレア防止層を含んだり、グレア防止処理が施されたものであってもよい。透明基板121は、例えば、50μm~300μmの厚さを有することができる。
【0071】
透明基板121が光放出面に配置されるので、透明基板121は回路を含まない。しかし、本開示がこれに限定されることはなく、透明基板121は回路を含むこともできる。
【0072】
一方、一つの透明基板121に一つのユニットピクセル100が形成されたことを示すが、一つの透明基板121に複数のユニットピクセル100が形成されてもよい。
【0073】
光遮断層123は、カーボンブラックのように光を吸収する吸収物質を含むことができる。光吸収物質は、各発光素子10a、10b、10cで生成された光が透明基板121と各発光素子10a、10b、10cとの間の領域から側面側に漏れることを防止し、ディスプレイ装置のコントラストを向上させる。
【0074】
光遮断層123は、各発光素子10a、10b、10cで生成された光が透明基板121に入射されるように光進行経路のための窓123aを有することができ、このために、透明基板121上で透明基板121を露出させるようにパターニングされてもよい。窓123aの幅は、発光素子の幅より狭くてもよいが、これに限定されなく、発光素子の幅より大きいかそれと同じであってもよい。
【0075】
また、光遮断層123の窓123aは、各発光素子10a、10b、10cの整列位置を定義する。よって、各発光素子10a、10b、10cの整列位置を定義するための別途の整列マーカーを省略することができる。しかし、本開示がこれに限定されることはなく、各発光素子10a、10b、10cを整列するための位置を提供するために、各整列マーカーが透明基板121上に又は光遮断層123や接着層125上に提供されてもよい。
【0076】
光遮断層123に形成された窓123aの形状によって、各発光素子10a、10b、10cから放出される光の指向角を調節することができる。これに対しては、
図11A乃至
図11Fを参照して後で詳細に説明する。
【0077】
接着層125は透明基板121上に付着する。接着層125は、光遮断層123を覆うことができる。接着層125は、透明基板121の前面上に付着してもよいが、これに限定されなく、透明基板121の縁部付近の領域を露出させるように一部の領域に付着してもよい。接着層125は、各発光素子10a、10b、10cを透明基板121に付着させるために使用される。接着層125は、光遮断層123に形成された窓を充填することができる。
【0078】
接着層125は、光透過性層で形成されてもよく、各発光素子10a、10b、10cから放出された光を透過させる。接着層125は、有機接着剤を用いて形成されてもよい。例えば、接着層125は、透明エポキシを用いて形成されてもよい。また、接着層125は、光を拡散させるために、SiO2、TiO2、ZnOなどの拡散物質(diffuser)を含むことができる。光拡散物質は、各発光素子10a、10b、10cが光放出面から観察されることを防止する。
【0079】
一方、第1乃至第3発光素子10a、10b、10cが透明基板121上に配置される。第1乃至第3発光素子10a、10b、10cは、接着層125によって透明基板121に付着してもよい。第1乃至第3発光素子10a、10b、10cは、光遮断層123の各窓123aに対応して配置されてもよい。光遮断層123が省略された場合、各整列マーカーが各発光素子10a、10b、10cの整列位置を提供するために追加されてもよい。
【0080】
第1乃至第3発光素子10a、10b、10cは、例えば、赤色発光素子、緑色発光素子、及び青色発光素子であってもよい。第1乃至第3発光素子10a、10b、10cのそれぞれの具体的な構成は、既に
図2A及び
図2Bを参照して説明した通りであるので、これについての詳細な説明は省略する。
【0081】
第1乃至第3発光素子10a、10b、10cは、
図3Aに示したように、一列に配列されてもよい。特に、透明基板121がサファイア基板である場合、サファイア基板は、切断方向に沿って結晶面によってきれいな切断面(例えば、m面)と、そうでない切断面(例えば、a面)とを含むことができる。例えば、四角形の形状に切断される場合、両側の二つの切断面(例えば、m面)は、結晶面に沿ってきれいに切断されてもよく、これらの切断面に対して垂直に配置された他の二つの切断面(例えば、a面)はそうでなくてもよい。この場合、サファイア基板121のきれいな切断面は、各発光素子10a、10b、10cの整列方向に沿って並んで配置されてもよい。例えば、
図3Aでは、きれいな切断面(例えば、m面)が上下に配置され、他の二つの切断面(例えば、a面)が左右に配置されてもよい。
【0082】
第1乃至第3発光素子10a、10b、10cは、既に
図2A及び
図2Bを参照して説明した通りであるが、これに限定されなく、水平型又はフリップチップ構造の多様な発光素子が使用され得る。
【0083】
段差調節層127は、第1乃至第3発光素子10a、10b、10cを覆う。段差調節層127は、各発光素子10a、10b、10cの第1及び第2電極パッド31、33を露出させる各開口部127aを有する。段差調節層127は、各接続層129a、129b、129c、129d及び各バンプ133a、133b、133c、133dを形成するために要求される。特に、段差調節層127は、各バンプ133a、133b、133c133dが形成される位置の高さを均一化するために形成され得る。段差調節層127は、例えば、感光性ポリイミドで形成されてもよい。
【0084】
段差調節層127は、接着層125の縁部で取り囲まれた領域内に配置されてもよいが、これに限定されない。例えば、段差調節層127は、接着層125の縁部を部分的に露出させるように形成されてもよい。
【0085】
各接続層129a、129b、129c、129dは段差調節層127上に形成される。各接続層129a、129b、129c、129dは、段差調節層127の各開口部127aを介して第1乃至第3発光素子10a、10b、10cの第1及び第2電極パッド31、33に接続することができる。
【0086】
例えば、接続層129aは、第1発光素子10aの第1導電型半導体層に電気的に接続し、接続層129bは、第2発光素子10bの第1導電型半導体層に電気的に接続し、接続層129cは、第3発光素子10cの第1導電型半導体層に電気的に接続することができ、接続層129dは、第1乃至第3発光素子10a、10b、10cの第2導電型半導体層に電気的に共通に接続することができる。各接続層129a、129b、129c、129dは、段差調節層127上に共に形成されてもよく、例えば、Auを含むことができる。
【0087】
各バンプ133a、133b、133c、133dのそれぞれは、前記各接続層129a、129b、129c、129d上に形成される。例えば、第1バンプ133aは、接続層129aを介して第1発光素子10aの第1導電型半導体層に電気的に接続されてもよく、第2バンプ133bは、接続層129bを介して第2発光素子10bの第1導電型半導体層に電気的に接続されてもよく、第3バンプ133cは、接続層129cを介して第3発光素子10cの第1導電型半導体層に電気的に接続されてもよい。一方、第4バンプ133dは、接続層129dを介して第1乃至第3発光素子10a、10b、10cの第2導電型半導体層に電気的に共通に接続されてもよい。各バンプ133a、133b、133c、133dは、例えば、AuSn、SnAg、Sn、CuSn、CuN、CuAg、Sb、Ni、Zn、Mo、Co、ソルダーなどの金属及び/又は金属合金で形成されてもよい。
【0088】
一方、保護層131は、各バンプ133a、133b、133c、133dの側面を覆い、段差調節層127を覆うことができる。また、保護層131は、段差調節層127の周囲に露出した接着層125を覆うことができる。保護層131は、例えば、感光性ソルダーレジスト(PSR)で形成されてもよく、よって、まず、保護層131を写真及び現像を通じてパターニングした後、各バンプ133a、133b、133c、133dを形成することができる。このために、保護層131は、各接触層129a、129b、129c、129dを露出させる各開口部を有するように形成され、各バンプ133a、133b、133c、133dが保護層131の各開口部内に形成されてもよい。各バンプ133a、133b、133c、133dは省略されてもよい。
【0089】
保護層131は、光の漏れを防止するために白色反射物質又は黒色エポキシなどの光吸収物質で形成されてもよい。
【0090】
本実施例において、各発光素子10a、10b、10cが接着層125によって透明基板121に付着したことを説明するが、接着層125の代わりに、他の結合器(coupler)を用いて各発光素子10a、10b、10cが透明基板121に結合されてもよい。例えば、各発光素子10a、10b、10cを各スペーサーを用いて透明基板121に結合させることができ、よって、各発光素子10a、10b、10cと透明基板121との間の領域に気体又は液体が充填され得る。これらの気体又は液体により、各発光素子10a、10b、10cから放出された光を透過させる光学層が形成されてもよい。上述した接着層125も光学層の一例である。ここで、光学層は、各発光素子10a、10b、10cとは異なる材料、例えば、気体、液体、又は固体で形成され、よって、各発光素子10a、10b、10c内の各半導体層の材料と区別される。
【0091】
図4Aは、本開示の一実施例に係るピクセルモジュール1000を説明するための概略的な平面図で、
図4Bは、
図4AのC-C線に沿って切り取られた概略的な断面図で、
図4Cは、ピクセルモジュール1000の背面図で、
図4Dは、ピクセルモジュール1000の回路図である。
【0092】
図4A及び
図4Bを参照すると、ピクセルモジュール1000は、回路基板1001、及び回路基板1001上に配列された各ユニットピクセル100を含む。さらに、ピクセルモジュール1000は、各ユニットピクセル100を覆うカバー層1010をさらに含むことができる。
【0093】
回路基板1001は、パネル基板2100と各発光素子10a、10b、10cとを電気的に連結するための回路を有することができる。回路基板1001内の回路は多層構造で形成されてもよい。また、回路基板1001は、各発光素子10a、10b、10cを受動マトリックス駆動方式で駆動するための受動回路、又は能動マトリックス駆動方式で駆動するための能動回路を含むこともできる。回路基板1001は、表面に露出した各パッド1003を含むことができる。各パッド1003は、その上に実装される各ユニットピクセル100内の各バンプに対応して配列されてもよい。
【0094】
各ユニットピクセル100の具体的な構成は、
図3A及び
図3Bを参照して説明した通りであるので、重複を避けるために、それについての詳細な説明は省略する。各ユニットピクセル100は、回路基板1001上に整列されてもよい。各ユニットピクセル100は、
図4Aに示したように2×2行列で配列されてもよいが、これに限定されなく、2×3、3×3、4×4、5×5などの多様な行列で配列され得る。
【0095】
各ユニットピクセル100は、ボンディング材1005によって回路基板1001にボンディングされる。例えば、ボンディング材1005は、各バンプ133a、133b、133c、133dを各パッド1003にボンディングすることができる。各バンプ133a、133b、133c、133dがソルダーで形成された場合、ボンディング材1005は省略されてもよい。
【0096】
カバー層1010は、複数のユニットピクセル100を覆う。カバー層1010は、各ユニットピクセル100の間の光干渉を防止し、ディスプレイ装置のコントラストを向上させることができる。
【0097】
カバー層1010は、例えば、DFSR(dry-Film type solder resist)、PSR(photoimageable solder resist)、BM(black material)又はエポキシモールディングコンパウンド(EMC)などで形成されてもよい。カバー層1010は、例えば、ラミネーション、スピンコーティング、スリットコーティング、プリンティングなどの技術を用いて形成されてもよい。
【0098】
図4A及び
図4Bに示した各ピクセルモジュール1000を
図1のパネル基板2100上に実装することによってディスプレイ装置10000が提供され得る。回路基板1001は、各パッド1003に連結された各底パッドを有する。各底パッドは、各パッド1003に1対1で対応するように配置されてもよいが、共通接続を通じて各底パッドの個数を減少させることができる。これに対して、2×2行列で配列された各ユニットピクセル100を有するピクセルモジュール1000を、例えば、
図4C及び
図4Dを参照して説明する。
【0099】
図4Cは、ピクセルモジュール1000の背面図であって、回路基板1001の各底パッドC1、C2、R1、R2、G1、G2、B1及びB2を示している。ピクセルモジュール1000が2×2行列で配列されるので、合計4個のピクセルモジュールが回路基板1001上に配列される。また、各ピクセルモジュール1000上に3個の発光素子10a、10b、10cが配置され、4個のバンプ133a、133b、133c、133dが配置される。よって、回路基板1001上には、4個のユニットピクセル100の各バンプである16個に該当する各パッド1003が提供され得る。その一方で、各底パッドは、8個のみが配置されてもよく、これらの8個の底パッドがパネル基板2100に連結され、それぞれの発光素子10a、10b、10cを個別に駆動することができる。
【0100】
図4Dは、一実施例において、各発光素子10a、10b、10cが各底パッドC1、C2、R1、R2、G1、G2、B1及びB2に連結された概略的な回路図である。
【0101】
図4Dを参照すると、底パッドC1は、左側列に配置された各発光素子10a、10b、10cの各カソードに共通に接続し、底パッドC2は、右側列に配置された各発光素子10a、10b、10cの各カソードに共通に接続する。
【0102】
一方、上側行に配置された各ユニットピクセル100において、第1発光素子10aの各アノードに底パッドR1が接続され、第2発光素子10bの各アノードに底パッドG1が接続され、第3発光素子10cの各アノードに底パッドB1が接続されてもよい。
【0103】
また、下側行に配置された各ユニットピクセル100において、第1発光素子10aの各アノードに底パッドR2が接続され、第2発光素子10bの各アノードに底パッドG2が接続され、第3発光素子10cの各アノードに底パッドB2が接続されてもよい。
【0104】
ここで、各底パッドR1、G1、B1、R2、G2、B2は、それぞれ赤色、緑色及び青色発光素子に連結される各パッドを示すためのものである。ただし、赤色、緑色及び青色発光素子の配列が変更されてもよく、これによって、各底パッドR1、G1、B1、R2、G2、B2が連結される位置も変更され得る。例えば、
図4Dの回路図は、第1発光素子10aが赤色発光素子で、第2発光素子10bが緑色発光素子で、第3発光素子10cが青色発光素子であると予想しながら各底パッドを示している。これと異なり、第1発光素子10aが青色発光素子であってもよく、第3発光素子10cが赤色発光素子であってもよく、この場合、底パッドR1、R2と底パッドB1、B2の位置が互いに変わってもよい。
【0105】
本実施例によると、各底パッドC1、C2が各列内の各発光素子の各カソードに共通に接続され、各底パッドR1、G1、B1、R2、B2、G2のそれぞれが二つの発光素子の各アノードに共通に接続されることによって、各底パッドの全体の個数を減少させながらも、それぞれの発光素子10a、10b、10cを独立的に駆動することができる。
【0106】
一方、本実施例では、各底パッドC1、C2が各発光素子の各カソードに連結され、各底パッドR1、G1、B1、R2、B2、G2が各発光素子の各アノードに連結されたことを図示及び説明するが、
図4Eに示したように、各底パッドC1、C2が各発光素子の各アノードに連結され、各底パッドR1、G1、B1、R2、B2、G2が各発光素子の各カソードに連結されてもよい。
【0107】
ここでは、各ユニットピクセル100が2×2行列で配列された場合のピクセルモジュール1000に対して説明するが、各ユニットピクセル100が3×3や5×5などの他の行列で配列された場合にも、共通接続回路を用いて各底パッドの個数を減少させることができる。
【0108】
ピクセルモジュール1000内の各発光素子10a、10b、10cは、パネル基板2100上に配置された駆動ICによって個別的に駆動してもよく、複数のピクセルモジュール1000によってイメージが具現され得る。
【0109】
図5A乃至
図5Kは、本開示の一実施例に係る発光素子の転写方法を説明するための概略的な断面図である。
【0110】
図5Aを参照すると、基板51上に発光素子10が形成される。基板51は、発光素子10を成長させるための基板であってもよい。基板51は、例えば、AlInGaN系列の半導体層を成長させるためのサファイア基板やGaN基板、又はAlInGaP系列の各半導体層を成長させるためのGaAs基板であってもよい。例えば、発光素子10が青色発光素子や緑色発光素子である場合は、サファイア基板又はGaN基板が用いられてもよく、発光素子10が赤色発光素子である場合は、GaAs基板が用いられてもよい。
【0111】
図5Bを参照すると、基板51上に複数の発光素子10を覆うように第1マスク層53が形成される。第1マスク層53は、複数の発光素子10を完全に覆うように形成され、各発光素子10の上面に所定の厚さを有するように形成されてもよい。
【0112】
図5Cを参照すると、第1マスク層53に複数のホールHを形成する。複数のホールHは、それぞれ複数の発光素子10の上部に形成されてもよく、各発光素子10上に少なくとも一つのホールHが形成されてもよい。本実施例において、各発光素子10に3個のホールHが形成され、3個のホールHは、各発光素子10が配列された少なくとも一つの方向に対して非対称に配置される。ここで、3個のホールHは、図面において発光素子10が配列された方向に垂直な方向に対して非対称に配置される。
【0113】
第1マスク層53は、感光性物質で形成されてもよく、フォトリソグラフィ(photolithography)工程を通じて複数のホールHが形成されてもよい。複数のホールHは、露光及び現像工程を通じて形成されてもよいが、必ずしもこれに限定されることはなく、エッチング工程を通じて形成されてもよい。複数のホールHは、図示したように、三角形の形状に形成されてもよい。しかし、複数のホールHが必ずしも3個に限定されることはない。
【0114】
図5Dを参照すると、第1マスク層53上に連結層55を形成する。連結層55は、第1マスク層53に形成された複数のホールHを充填しながら第1マスク層53上に形成される。少なくとも一つのホールHが各発光素子10の上部に形成されるので、連結層55は、発光素子10の上部に形成された少なくとも一つのホールHを介して発光素子10に連結されてもよい。連結層55を形成する間にホールHを充填し、発光素子10に連結される連結部55aが共に形成される。
【0115】
連結層55は、PDMS(poly dimethylpolysiloxane)、エポキシ(epoxy)、アクリル(acryl)、カラーポリイミド(color polyimide)などの有機物で形成されてもよいが、これに限定されない。ここで、連結層55は、光透過率が90%以上であってもよく、屈折率は1.4乃至1.7であってもよい。
【0116】
図5Eを参照すると、連結層55の上部に第1臨時基板57が結合される。第1臨時基板57は、PET、PEN、PIシートなどのポリマー基板であってもよく、ガラス(Glass)、PC、PMMAなどの基板であってもよい。第1臨時基板57が連結層55の上部に結合されると、真空状態で連結層55に生成され得る気泡を除去し、第1マスク層53の融点より低い温度で連結層55の硬化過程が行われ得る。この過程で第1臨時基板57が連結層55に結合されてもよい。
【0117】
第1臨時基板57が連結層55に結合されると、
図5Fのように、基板51を各発光素子10から除去する。基板51は、レーザーリフトオフ工程や湿式エッチング工程を通じて除去することができる。例えば、基板51がサファイア基板である場合は、レーザーリフトオフ工程又はケミカルリフトオフ工程で基板51が除去されてもよく、基板51がGaAs基板である場合は、湿式エッチング工程でGaAs基板が除去されてもよい。
【0118】
図5Gを参照すると、基板51が除去された状態で、第1マスク層53を各発光素子10から除去する。第1マスク層53は、アセトン、専用ストリッパー(striper)、エッチングなどの方式を通じて除去することができる。第1マスク層53が除去されることによって、図示したように、各発光素子10は、少なくとも一つの連結部55aによって連結層55に連結されて維持される。
【0119】
このように第1マスク層53が各発光素子10から除去された後、
図5Hを参照すると、各発光素子10の下部に第2臨時基板59を結合する。第2臨時基板59は、ラバー(rubber)やUVシートであってもよく、又はPET、PEN、PIシートなどのポリマー基板や、ガラス(glass)、PC、PMMAなどの基板であってもよい。
【0120】
第2臨時基板59と各発光素子10との結合が完了すると、
図5Iに示したように、第2臨時基板59を用いて各発光素子10を連結層55から分離する。各発光素子10が結合された第2臨時基板59に、第1臨時基板57の反対方向、すなわち、下側方向に外力を加えることによって、各発光素子10に連結された少なくとも一つの連結部55aが切断され、各発光素子10が連結層55から分離される。
【0121】
第2臨時基板59に加えられる外力は、図示したように、第2臨時基板59の一側で連結層55に対して垂直な方向に加えられてもよい。したがって、各発光素子10に連結された少なくとも一つの連結部55aが第2臨時基板59の一側から順次切れる方式で、各発光素子10が連結層55から分離され得る。
【0122】
図5Jを参照すると、連結層55から分離された各発光素子10は、第2臨時基板59上に所定の間隔を有して配置される。一方、各発光素子10上には、連結部55aが切れながら残余物である連結チップ55bが形成されてもよい。したがって、連結チップ55bは連結層55と同一の物質で形成され、外力によって連結部55aが切れながら形成されることによって、各連結チップ55bの厚さは不規則的でありながら互いに異なり得る。
【0123】
そして、
図5J及び
図5Kを参照すると、第2臨時基板59上に配置された各発光素子10のうち一部をピックアップ部70を用いて他の基板に転写する。ピックアップ部70は、例えば、エラストマースタンプを含むことができる。
【0124】
ピックアップ部70は、複数の発光素子10のうち一部をピックアップして転写するが、透明基板121上に配置される間隔に合わせて各発光素子10を選別的にピックアップする。それによって、図示したように、ピックアップ部70は、隣接した各発光素子10を共にピックアップせず、一定距離だけ離れた各発光素子10を一度にピックアップする。ピックアップされる各発光素子10の間隔は、各発光素子10が転写される透明基板121内の各ピクセルの間隔によって変わり得る。
【0125】
透明基板121上には、複数のユニットピクセル100に対応するように各発光素子10が配列された後、各ピクセル単位で透明基板121が切断されることによってユニットピクセル100が形成され得る。よって、各発光素子10は、各ユニットピクセル100に対応するように透明基板121上に転写される。
【0126】
ピックアップ部70は、各ユニットピクセル100の間隔に合わせて各発光素子10をピックアップするが、一つのユニットピクセル100に第1発光素子10a、第2発光素子10b及び第3発光素子10cのうち一つが配置されるようにピックアップすることができる。
【0127】
本開示において、各発光素子10は、第1及び第2電極パッド31、33が上部に配置された状態でピックアップされ、また、この状態で透明基板121上に転写されてもよい。これによって、発光構造体で生成された光が透明基板121を介して外部に放出され得る。他の実施例において、各発光素子10が回路基板に実装されてもよく、この場合、第1及び第2電極パッド31、33が回路基板に向かって実装されてもよい。このために、ピックアップ部70を用いて各発光素子10を回路基板に実装する過程に追加の臨時基板が用いられてもよい。すなわち、まず、ピックアップ部70を通じてピックアップされた各発光素子10を追加の臨時基板上に各ユニットピクセル100の間隔で配置することができる。その後、前記追加の臨時基板に配置された各発光素子10を回路基板に一度に転写することができる。これによって、各発光素子10は、第1及び第2電極パッド31、33が回路基板に接合されるように転写され得る。
【0128】
図6A乃至
図6Lは、他の実施例に係る発光素子の転写方法を説明するための概略的な断面図である。
【0129】
図6Aを参照すると、基板51上に発光素子10が成長する。基板51は、発光素子10の各半導体層を成長させるための基板であってもよい。発光素子10が青色発光素子や緑色発光素子である場合は、サファイア基板又はGaN基板が用いられてもよく、発光素子10が赤色発光素子である場合は、GaAs基板が用いられてもよい。
【0130】
図6Bを参照すると、基板51上に複数の発光素子10を覆うように第1マスク層53が形成される。第1マスク層53は、複数の発光素子10を全て覆うように形成され、各発光素子10の上面に所定の厚さを有するように形成されてもよい。
【0131】
続いて、
図6Cを参照すると、第1マスク層53に複数のホールHが形成される。各発光素子10上に少なくとも一つのホールHが形成されてもよい。本開示において、各発光素子10上に3個のホールHが形成され、3個のホールHは、各発光素子10が配列された少なくとも一つの方向に対して非対称に配置される。ここで、3個のホールHは、図面において各発光素子10が配列された方向に垂直な方向に対して非対称に配置される。
【0132】
第1マスク層53は、感光性物質で形成されてもよく、フォトリソグラフィ(photolithography)工程を通じて複数のホールHが形成されてもよい。例えば、各ホールHは、写真及び現像工程を通じて形成されてもよいが、これに限定されなく、エッチング工程を通じて形成されてもよい。複数のホールHは、図示したように、三角形の形状に形成されてもよい。
【0133】
図6Dを参照すると、第1マスク層53上に連結層55が形成される。連結層55は、第1マスク層53に形成された複数のホールHを充填しながら第1マスク層53上に形成される。複数のホールHがそれぞれ発光素子10の上部に形成されるので、連結層55は、発光素子10の上部に形成された少なくとも一つのホールHを介して各発光素子10に連結されてもよい。連結層55の一部は、発光素子10の上部に形成された少なくとも一つのホールHを充填することによって連結部55aを形成する。
【0134】
連結層55は、PDMS(poly dimethylpolysiloxane)、エポキシ(epoxy)、アクリル(acryl)、カラーポリイミド(color polyimide)などの有機物で形成されてもよいが、これに限定されない。ここで、連結層55は、光透過率が90%以上であってもよく、屈折率は1.4乃至1.7であってもよい。
【0135】
図6Eを参照すると、連結層55の上部に第1臨時基板57が結合される。第1臨時基板57は、PET、PEN、PIシートなどのポリマー基板であってもよく、ガラス(Glass)、PC、PMMAなどの基板であってもよい。第1臨時基板57と連結層55との間には、フィルム部61及びバッファー部63がそれぞれ配置されてもよい。例えば、連結層55の上部にフィルム部61が配置され、フィルム部61の上部にバッファー部63が配置され、バッファー部63の上部に第1臨時基板57が配置されてもよい。バッファー部63は、熱やUVの照射によって溶ける物質で形成されてもよい。
【0136】
第1臨時基板57が連結層55の上部に結合されると、真空状態で連結層55に生成され得る気泡を除去し、第1マスク層53の融点より低い温度で連結層55の硬化過程が行われ得る。この過程で第1臨時基板57が連結層55に結合されてもよい。
【0137】
そして、
図6Fを参照すると、基板51を各発光素子10から除去する。基板51は、レーザーリフトオフ工程や湿式エッチング工程を通じて除去することができる。例えば、サファイア基板の場合は、レーザーリフトオフ工程又はケミカルリフトオフ工程などで除去されてもよく、GaAs基板の場合は、湿式エッチング工程で除去されてもよい。
【0138】
図6Gを参照すると、基板51が除去された状態で、第1マスク層53を各発光素子10から除去する。第1マスク層53は、アセトン、専用ストリッパー(striper)、乾式エッチングなどの方式を通じて除去されてもよい。これによって、図示したように、各発光素子10は、各発光素子10に連結された少なくとも一つの連結部55aによって連結層55に連結されて維持される。
【0139】
図6Hを参照すると、上部に結合された第1臨時基板57が除去される。第1臨時基板57は、熱やUVを照射して除去されてもよい。バッファー部63が熱やUVの照射によって溶ける物質で形成されることによって、フィルム部61が損傷することなく第1臨時基板57を除去することができる。
【0140】
図6Iを参照すると、各発光素子10の下部に第2臨時基板59が結合される。第2臨時基板59は、ラバー(rubber)やUVシートであってもよく、又はPET、PEN、PIシートなどのポリマー基板や、ガラス(glass)、PC、PMMAなどの基板であってもよい。
【0141】
第2臨時基板59が各発光素子10に結合されると、
図6Jに示したように、第2臨時基板59を用いて各発光素子10を連結層55から分離する。各発光素子10が結合された第2臨時基板59に対して下側方向に外力を加えることによって、各発光素子10に連結された少なくとも一つの連結部55aが切断されながら、各発光素子10が連結層55から分離される。
【0142】
第2臨時基板59に加えられる外力は、図示したように、第2臨時基板59の一側に対して連結層55に垂直な方向に加えられてもよい。したがって、各発光素子10に連結された各連結部55aが順次切れる方式で、各発光素子10が連結層55から分離され得る。
【0143】
図6Kを参照すると、連結層55から分離された各発光素子10は、第2臨時基板59上に所定の間隔を有して配置される。各発光素子10上には、連結部55aが切れながら残余物である連結チップ55bが少なくとも一つ形成されてもよい。連結チップ55bは、連結層55と同一の物質で、外力によって連結部55aが切れながら形成されることによって、各連結チップ55bの厚さは互いに異なり得る。また、図示したように、各連結チップ55bの厚さは、第1及び第2電極パッド31、33の厚さより小さくてもよい。
【0144】
そして、
図6K及び
図6Lを参照すると、第2臨時基板59上に配置された各発光素子10のうち一部をピックアップ部70を用いて他の基板に転写する。転写される基板は、透明基板121であってもよいが、これに限定されない。透明基板121上にユニットピクセル100単位で各発光素子10が転写された後、透明基板121がユニットピクセル100単位で切断されてもよい。
【0145】
図7A乃至
図7Kは、他の実施例に係る発光素子の転写方法を説明するための概略的な断面図である。
【0146】
図7Aを参照すると、基板51上に発光素子10が形成される。基板51は、発光素子10の各半導体層を成長させるための基板であり、サファイア基板、GaN基板又はGaAs基板であってもよい。例えば、基板51は、発光素子10が青色発光素子や緑色発光素子である場合、サファイア基板であってもよく、発光素子10が赤色発光素子である場合、GaAs基板であってもよい。
【0147】
図7Bを参照すると、基板51上に複数の発光素子10を覆う第1マスク層53が形成される。第1マスク層53は、複数の発光素子10を全て覆うように形成され、各発光素子10の上面に所定の厚さを有するように形成されてもよい。第1マスク層53は、例えば、感光性物質で形成されてもよい。
【0148】
図7Cを参照すると、第1マスク層53上に第1臨時基板57が結合される。第1臨時基板57は、PET、PEN、PIシートなどのポリマー基板であってもよく、ガラス(Glass)、PC、PMMAなどの基板であってもよい。第1臨時基板57と第1マスク層53との間にはバッファー部63が配置されてもよい。したがって、第1マスク層53の上部にバッファー部63が配置され、バッファー部63の上部に第1臨時基板57が配置されてもよい。
【0149】
図7Dを参照すると、基板51を各発光素子10から除去する。基板51は、レーザーリフトオフ工程や湿式エッチング工程などを通じて除去されてもよい。基板51がサファイア基板である場合、基板51は、レーザーリフトオフ工程又はケミカルリフトオフ工程などで除去され、基板51がGaAs基板である場合、基板51は湿式エッチング工程で除去されてもよい。
【0150】
図7Eを参照すると、基板51が除去されることによって、各発光素子10の下面及び第1マスク層53の下面が露出し得る。このように露出した各発光素子10及び第1マスク層53の下部に第2マスク層65が形成される。第2マスク層65は、各発光素子10の下面を覆い、第1マスク層53より薄く形成されてもよい。
【0151】
図7Fを参照すると、第2マスク層65に複数のホールHが形成される。各発光素子10の下部に少なくとも一つのホールHが形成されてもよい。本開示において、各発光素子10の下部に3個のホールHが形成され、3個のホールHは、発光素子10が配列された少なくとも一つの方向に対して非対称に配置される。ここで、3個のホールHは、図面に示した各発光素子10の配列方向に垂直な方向に対して非対称に配置される。
【0152】
第2マスク層65は、第1マスク層53と同一に感光性物質で形成されてもよく、フォトリソグラフィ(photolithography)工程を通じて複数のホールHが形成されてもよい。複数のホールHは、図示したように、三角形の形状に形成されてもよい。
【0153】
図7Gを参照すると、第2マスク層65の下部に連結層55を形成する。連結層55は、第2マスク層65に形成された複数のホールHを充填しながら第2マスク層65の下部に形成される。複数のホールHがそれぞれ発光素子10の下部に形成されるので、連結層55は、発光素子10の下部に形成された少なくとも一つのホールHを介して各発光素子10と連結されてもよい。ホールHを充填する各連結部55aが連結層55と共に形成される。各連結部55aは第1導電型半導体層23に直接接触し得る。
【0154】
連結層55は、PDMS(poly dimethylpolysiloxane)、エポキシ(epoxy)、アクリル(acryl)、カラーポリイミド(color polyimide)などの有機物を含んでもよいが、これに限定されない。ここで、連結層55は、光透過率が90%以上であってもよく、屈折率は1.4乃至1.7であってもよい。
【0155】
そして、連結層55の下部に第2臨時基板59が結合される。第2臨時基板59は、第1臨時基板57と同一のPET、PEN、PIシートなどのポリマー基板であってもよく、ガラス(Glass)、PC、PMMAなどの基板であってもよい。
【0156】
図7Hを参照すると、上部に結合された第1臨時基板57を除去する。第1臨時基板57は、熱やUVを照射して除去することができる。バッファー部63が熱やUVの照射によって溶ける物質で形成されることによって、第1マスク層53から第1臨時基板57を除去することができる。
【0157】
図7Iを参照すると、第1マスク層53及び第2マスク層65を各発光素子10から除去する。第1マスク層53及び第2マスク層65は、アセトン、専用ストリッパー(striper)、乾式エッチングなどの方式を通じて除去することができる。図示したように、各発光素子10は、各発光素子10に連結された少なくとも一つの連結部55aによって連結層55に連結されて維持される。
【0158】
このように第1及び第2マスク層53、65が除去されると、
図7Jに示したように、各発光素子10は、第2臨時基板59の上部に連結層55と連結部55aによって連結された状態で配置される。第2臨時基板59の上部に配置された各発光素子10のうち一部は、ピックアップ部70を用いて他の基板に転写することができる。
【0159】
図7Kを参照すると、ピックアップ部70によってピックアップされた各発光素子10は、それぞれ連結層55から連結部55aが切れながら連結層55から分離される。ピックアップ部70は、各発光素子10の上部で各発光素子10をピックアップし、連結部55aは発光素子10の下部に配置される。それによって、各発光素子10の下部に少なくとも一つの連結チップ55bが形成され得る。
【0160】
その後、ピックアップ部70によってピックアップされた各発光素子10が透明基板121に転写されてもよく、透明基板121が個別ユニットピクセル100単位で切断されることによって各ユニットピクセル100が提供されてもよい。
【0161】
上述した発光素子の転写方法によって透明基板121に各発光素子10が転写される。透明基板121上には接着層125が予め形成されてもよく、各発光素子10は接着層125によって透明基板121上に付着してもよい。その後、段差調節層127、各接続層129a、129b、129c、129d、保護層131及び各バンプ133a、133b、133c、133dが形成され、続いて、透明基板121を切断することによって、
図3A及び
図3Bを参照して説明したユニットピクセル100が製造される。このような各ユニットピクセル100を回路基板1001上に整列することによってピクセルモジュール1000が製作されてもよく、各ピクセルモジュール1000をパネル基板2100上に整列することによってディスプレイ装置10000が提供されてもよい。
【0162】
図8は、一実施例に係るユニットピクセル100aを説明するための概略的な断面図である。
【0163】
図8を参照すると、本実施例に係るユニットピクセル100aは、
図3A及び
図3Bを参照して説明したユニットピクセル100とほぼ類似するが、各バンプ133a、133b、133c、133dが省略された点で相違する。
【0164】
保護層131は、各接続層129a、129b、129c、129dを露出させる各開口部131aを有する。各開口部131aは、
図3A及び
図3Bを参照して説明したユニットピクセル100の各バンプ133a、133b、133c、133dの位置に対応して配置される。
【0165】
一方、各バンプが省略されることによって、本実施例において、保護層131の厚さは、ユニットピクセル100での保護層131の厚さの約1/2以下、さらに、約1/3以下であってもよい。例えば、ユニットピクセル100での保護層131の厚さは約45μmであってもよく、本実施例において、保護層131の厚さは15μmであってもよい。
【0166】
図9は、一実施例に係るピクセルモジュール1000aを説明するための概略的な断面図である。ここでは、
図8の各ユニットピクセル100aを実装したピクセルモジュール1000aを説明する。
【0167】
図9を参照すると、本実施例に係るピクセルモジュール1000aは、
図4A及び
図4Bを参照して説明したピクセルモジュール1000とほぼ類似するが、ユニットピクセル100aが各バンプを有していないので、ボンディング材1005が保護層131の各開口部131aを充填する点で相違する。ボンディング材1005は、保護層131の各開口部131aを完全に充填することもでき、部分的に充填することもできる。ボンディング材1005が保護層131の各開口部131aを部分的に充填する場合、各開口部131a内に空洞が形成されてもよい。
【0168】
複数のピクセルモジュール1000aがパネル基板2100上に整列されることによってディスプレイ装置10000が提供され得る。
【0169】
図10は、一実施例に係るユニットピクセル100bを説明するための概略的な断面図である。
【0170】
図10を参照すると、本実施例に係るユニットピクセル100bは、
図3A及び
図3Bを参照して説明したユニットピクセル100とほぼ類似するが、凹凸パターン121pが光遮断層123の窓123aに対応して配置された点で相違する。すなわち、凹凸パターン121pは、窓123aの下部領域内に又は下部領域の付近に制限的に配置されてもよい。これによって、光遮断層123及び接着層125は、透明基板121の概して平坦な面上に形成することができる。
【0171】
【0172】
まず、
図11Aを参照すると、光遮断層123は、各発光素子10a、10b、10cに対応する各窓123aを有する。各発光素子10a、10b、10cは、直四角形の形状の光放出面を有し、これによって、各窓123aも直四角形の形状に形成され得る。また、各窓123aは、各発光素子10a、10b、10cの間隔に対応して互いに離隔する。
【0173】
各発光素子10a、10b、10cは、各窓123aを介して光を放出するように各窓123aに対応して配置される。例えば、各発光素子10a、10b、10cの各中心は、それぞれ各窓123aの各中心とマッチングされ得る。各窓123aの面積は、各発光素子10a、10b、10cの面積より大きくてもよいが、これに限定されなく、各発光素子10a、10b、10cの面積より小さくてもよい。
【0174】
図11Bを参照すると、各窓123bは、上述した各窓123aから上下方向に延長された延長部をさらに含む。このような延長部は、各発光素子10a、10b、10cが配列される方向に対して垂直な方向に延長する。延長部により、各発光素子10a、10b、10cから放出される光の指向角を各発光素子10a、10b、10cの配列方向に対して垂直な方向に増加させることができる。
【0175】
例えば、各発光素子10a、10b、10cが、イメージが具現される方向の左右方向に配置された場合、上下方向の指向角を増加させることによって上下方向での色差を減少させることができる。これと同様に、各発光素子10a、10b、10cが、イメージが具現される方向の上下方向に配置された場合、左右方向の指向角を増加させることによって左右方向での色差を減少させることができる。
【0176】
図11Bに示したように、延長部は、延長方向に直四角形の形状であってもよい。しかし、これに限定されなく、延長部は多様な形状であり得る。例えば、
図11Cに示したように、各窓123cは、各発光素子10a、10b、10cが配置される中央領域から各発光素子の配列方向に対して垂直な方向に延長する各延長部を有し、これらの延長部は、例えば、扇形の形状を有することができる。延長部の形状を用いて上下方向の指向角を増加させると同時に、要求される方向での輝度を増加させることができる。
【0177】
図11Dを参照すると、各窓123dは、対角線方向に各延長部を有することができる。対角線方向の各延長部は、各発光素子10a、10b、10cから放出される光の指向角を対角線方向に増加させる。
【0178】
図11Eを参照すると、各窓123eは、各窓123aに比べて狭い間隔で配置される。各発光素子10a、10b、10cの間隔が狭い場合、これに対応して各窓123eの間隔も狭くなり得る。各発光素子10a、10b、10cをさらに狭い間隔で配置することによって、色混合性能を改善することができる。
【0179】
図11Fを参照すると、各発光素子10a、10b、10cに対応するそれぞれの領域に複数の窓123fが配置されてもよい。窓123fは、四角形の形状であってもよいが、これに限定されなく、円形、三角形、四角形又はこれらの組み合わせの多様な形状を有することができる。
【0180】
各窓123fは、各発光素子10a、10b、10cの光量を調節するために使用されてもよい。また、各発光素子10a、10b、10cがそれぞれ複数の発光セルを有する場合、各窓123fは、複数の発光セルに対応して配置されてもよい。
【0181】
図11Gを参照すると、各窓123gは、円形の形状を有し、三角形の形状に配列されてもよい。各窓123gは、円形に限定されなく、例えば、三角形の形状であってもよい。これらは、三角形配列によって指向角特性を改善することができる。
【0182】
(実験例)
【0183】
図12は、透明基板121の凹凸パターンの有無による光の指向角特性を説明するためのグラフである。シミュレーションに使用された比較例と実施例は、透明基板121の凹凸パターンの有無でのみ相違する。
【0184】
具体的に、シミュレーションのために、透明基板121は、屈折率1.77のサファイア基板であり、発光素子は、467nmのピーク波長を有する発光素子に設定した。発光素子は、光放出面にピッチ4.0μm、底直径4.0μm、上部直径2.2μm、高さ2.4μmの截頭型ラフネスが形成されたものに設定し、発光素子の光放出面の反対側にはITO及び分布ブラッグ反射器が配置された構造に設定した。
【0185】
発光素子は、屈折率1.5のエポキシによってサファイア基板に付着したものに設定し、サファイア基板の凹凸パターンは、ピッチ3μm、直径2.8μm、高さ1.8μmに設定した。エピ層の屈折率は2.5に設定した。
【0186】
図12を参照すると、比較例は、光放出面に対して垂直な方向に高い出力を示し、角度が増加するほど出力が減少する傾向を示した。これに比べて、実施例は、光放出面に対して垂直な方向でも相対的に高い光出力を示すが、約10度乃至20度の範囲でも相対的に高い光出力を示すことを確認できた。
【0187】
したがって、透明基板121が発光素子と対面する面に凹凸パターンを有することによって、ディスプレイの指向角を増加できることが分かる。
【0188】
一方、透明基板121に凹凸パターンがないときの赤色、緑色、青色発光素子から放出された光の指向角と、透明基板121に凹凸パターン121pを形成したときの赤色、緑色、青色発光素子から放出された光の指向角を表1に示した。
【0189】
【0190】
表1を参照すると、透明基板121に凹凸パターンがない比較例の場合、赤色発光素子から放出された光の指向角が、緑色発光素子及び青色発光素子から放出された光の指向角に比べて約20度大きいことが分かる。これは、赤色、緑色及び青色発光素子に形成されたラフネスが互いに異なることから発生するものと見なされる。前記透明基板及び各発光素子を用いたユニットピクセルを使用する場合、見る角度によって大きな色差が発生し得る。一方、透明基板121に凹凸パターンがある実施例の場合、緑色及び青色発光素子から放出された光の指向角が、赤色発光素子から放出された光の指向角に比べて相対的に大きく増加した。よって、透明基板121に凹凸パターンを追加することによって、互いに異なる指向特性を有する赤色、緑色及び青色発光素子を用いながらもユニットピクセルから放出される光の指向角をほぼ均一にすることができる。
【0191】
以上では、本開示の多様な実施例に対して説明したが、本開示は、これらの実施例に限定されるものではない。また、一つの実施例に対して説明した事項や構成要素は、本開示の技術的思想を逸脱しない限り、他の実施例にも適用され得る。