(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-17
(45)【発行日】2025-01-27
(54)【発明の名称】歯科用接着ベニア識別装置
(51)【国際特許分類】
A61C 5/20 20170101AFI20250120BHJP
A61C 5/80 20170101ALI20250120BHJP
G06K 19/077 20060101ALI20250120BHJP
【FI】
A61C5/20
A61C5/80
G06K19/077 220
(21)【出願番号】P 2022570266
(86)(22)【出願日】2021-05-07
(86)【国際出願番号】 US2021031270
(87)【国際公開番号】W WO2021236358
(87)【国際公開日】2021-11-25
【審査請求日】2022-11-28
(32)【優先日】2020-05-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】522448274
【氏名又は名称】フラタントニオ, ニコラス アール.
(74)【代理人】
【識別番号】110002343
【氏名又は名称】弁理士法人 東和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フラタントニオ, ニコラス アール.
【審査官】大橋 俊之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2009/0237236(US,A1)
【文献】特開2010-147536(JP,A)
【文献】特開2004-258781(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0126948(US,A1)
【文献】特開2016-018488(JP,A)
【文献】特開2013-109745(JP,A)
【文献】特開2017-182720(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61C 5/20
A61C 5/80
G06K 19/077
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
口腔内に配置されて識別情報を供給する歯科用ベニアであって、
電気エネルギーを蓄積して回路に供給する電源と、
無線信号の受信または送信の少なくとも1つを行うアンテナを含む前記回路と、
前記識別情報を格納し
、電子装置から電磁的な質問パルスを受信すると前記アンテナを介して前記電子装置に前記回路から前記識別情報を送信する非一時的なコンピュータ可読メモリと、
前記口腔内での前記回路と
前記電源と前記コンピュータ可読メモリとの位置を維持する締結具と、を備えている歯科用ベニア。
【請求項2】
前記コンピュータ可読メモリが、前記識別情報を格納し、
前記アンテナが、前記電気エネルギーを前記電源から受信するように構成され、
前記回路が、前記受信した電気エネルギーを前記アンテナに使用させて前記コンピュータ可読メモリに格納されている前記識別情報を送信するように構成されている、請求項1に記載された歯科用ベニア。
【請求項3】
自身の位置を出力する測位装置をさらに備え、
前記回路が、前記アンテナを介して前記測位装置から前記測位装置の位置を受信して前記測位装置の位置を送信するように構成されている、請求項1又は請求項2に記載された歯科用ベニア。
【請求項4】
前記回路が、前記アンテナを介して外部から取得する位置信号を受信して前記回路が一定時間前記外部から取得する位置信号を受信しなかった場合に前記測位装置に前記測位装置の位置を要求するように構成されている、請求項3に記載された歯科用ベニア。
【請求項5】
前記回路が、前記識別情報または位置情報の少なくとも1つを発信周波数で定期的に発信するように構成されている、請求項3または請求項4に記載された歯科用ベニア。
【請求項6】
前記電子装置と通信して前記識別情報または前記位置情報の少なくとも1つを前記電子装置に送信するネットワークインターフェースを備えている、請求項5に記載された歯科用ベニア。
【請求項7】
前記電気エネルギーを生成して該生成された電気エネルギーを前記電源に供給する充電器をさらに備えている、請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載された歯科用ベニア。
【請求項8】
前記充電器が、前記電気エネルギーを生成する圧電材料を含む、請求項7に記載された歯科用ベニア。
【請求項9】
歯の形状または前記歯の一部に適合する外形を有しているハウジングを備えている、請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載された歯科用ベニア。
【請求項10】
前記ハウジングが、前記回路、前記アンテナ、
前記電源および前記コンピュータ可読メモリを収容するように構成され、
前記締結具が、前記ハウジングを前記歯または歯槽骨の少なくとも1つに結合させることによって前記口腔内での前記回路の位置を維持する、請求項9に記載された歯科用ベニア。
【請求項11】
前記回路が、無線周波数識別(RFID)タグを含む、請求項1乃至請求項10のいずれか一項に記載された歯科用ベニア。
【請求項12】
前記識別情報が、名前、社会保障番号、学生識別(ID)番号、病状、アレルギーまたはセキュリティ許可の少なくとも1つを含む、請求項1乃至請求項11のいずれか一項に記載された歯科用ベニア。
【請求項13】
前記電源が、無線電源から電気エネルギーを受信するように構成されている、請求項1乃至請求項11のいずれか一項に記載された歯科用ベニア。
【請求項14】
前記無線電源が生成する誘導場または磁場から前記電気エネルギーを受信する受信コイルをさらに含む、請求項13に記載された歯科用ベニア。
【請求項15】
電気エネルギーを貯蔵する電源と、無線信号の受信または送信の少なくとも1つを行って前記電気エネルギーを前記電源から受信するアンテナを含む回路と、識別情報を格納する非一時的なコンピュータ可読メモリと、口腔内での前記回路と前記コンピュータ可読メモリとの位置を維持する締結具と、前記コンピュータ可読メモリと前記回路を介して通信可能に結合するネットワークインターフェースと、を含む、口腔内に配置されて識別情報を供給する歯科用ベニアと、
前記歯科用ベニア
のネットワークインターフェースと通信し、
建物内またはエリアの入口における歯科用ベニアの位置をサーバーに通信するとともに、前記歯科用ベニアに電磁質問パルスを送信して前記ネットワークインターフェースに前記識別情報を送信させる前記コンピュータ可読メモリを備えた前記歯科用ベニアから受信した前記識別情報に基づいてサーバーに通信する
建物内またはエリアの入口内の電子装置と、を備えている、監視システム。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本出願は、2020年5月22日に出願された63/028,603の優先権の利益を主張し、その全体を参照により本明細書に含むものとする。
【技術分野】
【0002】
本発明は、全般的に歯科用ベニア(dental veneer)に関し、より具体的には、識別情報を提供する歯科用ベニアに関する。
【背景技術】
【0003】
米国では、2019年に60万人を超える行方不明者が発生した。
平均して、米国では常に8万人から9万人の行方不明者が発生し、これらの人々の多くは発見されていない。
このような事件は、21歳未満の人々やアルツハイマー病や認知症を患っている人々に偏っている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この問題に対処するには、個人の識別方法と回復手段とを改善することが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書では、識別情報と医療警告とを供給する歯科用ベニアが提供される。
歯科用ベニアは、歯の表面に取り付けられ、無線で識別情報を提供する。
【0006】
本発明の実施形態に関して、多くの特徴が本明細書に記載されているが、1つの実施形態で記載されている特徴は、他の実施形態と関連して採用されてもよい。
以下の説明および添付図面を用いて、本発明の実施形態を複数説明する。
しかし、これらの実施形態は、本発明の原理を適用可能な様々な実施態様の一部を示しているに過ぎない。
本発明の実施態様による他の目的、利点および新規の機能は、以下の詳細な説明を図面と併せて考慮すると明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
添付の図面は、必ずしも縮尺どおりではないが、本発明の様々な態様を示し、類似の参照番号は、様々な図面で同一または類似の部分を示すために用いられている。
【
図2】
図1の歯科用ベニアを含む歯科用ベニアシステムの概略図である。
【
図3】無線周波数識別(RFID)タグを含む歯科用ベニアの概略図である。
【
図5】歯の側面に接着された歯科用ベニアの概略図を示す。
【
図6】人工歯として具体化された歯科用ベニアの概略図を示す。
【
図7】固定具として具体化された歯科用ベニアの概略図を示す。
【
図8】歯科用ベニアおよび入口監視装置を含むセキュリティシステムの実施形態を示す。
【
図9】監視装置を含むセキュリティシステムの一実施形態を示す。
【
図10】歯科用ベニアおよび電子装置を含む監視システムの実施形態を示す。
【
図11】充電器を含む歯科用ベニアの実施形態を示す。
【0008】
以下、図面を参照して、本発明を詳細に説明する。
図面において、各要素は、参照番号を有している。
参照番号の後の文字が違っていても、同じ参照番号を有する要素同士は、類似の要素である。
本文中、参照番号の後に特定の文字を有する参照番号は、その番号と文字を有する特定の要素を指し、特定の文字を有さない参照番号は、複数の図面で、参照番号の後の文字が違っていても、同一の参照番号を有するすべての要素を指す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
一般的な実施形態を参照して、識別情報を無線で提供する歯科用ベニアを提供する。
【0010】
図1を参照すると、口腔内に配置され、識別情報を供給する歯科用ベニア10が示されている。
歯科用ベニア10は、回路12、非一時的なコンピュータ可読媒体(メモリ)14および締結具16を含む。
回路12は、無線信号を受信および/または送信するためのアンテナ17を含む。
メモリ14は、識別情報を格納するように構成され、回路12に通信可能に接続されていることで、回路12が受信した識別情報18をメモリ14に格納可能であり、メモリ14に格納された識別情報18を回路12によって無線で送信可能である。
締結具16は、口腔内での回路12とメモリ14との位置を維持するように構成されている。
【0011】
図2を参照すると、歯科用ベニアシステム20が示されている。
歯科用ベニアシステム20は、歯科用ベニア10と電子装置22とを含む。
電子装置22は、歯科用ベニア10の回路12と無線通信するための通信インターフェース24を含む。
【0012】
そして、この回路12は、デジタル情報を処理および提供可能な任意のハードウェアの形態をとっていてもよい。
一実施形態では、メモリ14は、識別情報18を格納し、アンテナ17は、識別情報18の要求35と電気エネルギー36との両方を受信する。
回路12は、受信した電気エネルギー36をアンテナ17に使用させることで、メモリ14に格納されている識別情報18を送信してもよい。
たとえば、
図3の実施形態では、回路12は、無線周波数識別(RFID)タグを含む。
本実施形態では、回路12は、無線応答器30、無線受信機32および送信機34を含む。
また、この回路12は、識別情報18をメモリ14に書き込むための、かつ/または電子装置22と無線通信するためのエネルギーを、電子装置22が生成する質問波から受信してもよい。
【0013】
アンテナ17は、識別情報18の要求35および電気エネルギー36の両方を受信してもよい。
本実施形態では、回路12は、受信した電気エネルギー36を使用して識別情報18をメモリ14に書き込むことにより、識別情報18をメモリ14に格納する。
【0014】
アンテナ17は、識別情報18、識別情報18の要求35または電気エネルギー36の少なくとも1つを受信するために適切な任意の構造であってもよい。
【0015】
一実施形態では、電子装置22は、識別情報18を歯科用ベニア10のメモリ14に格納するために使用される。
例えば、歯科用ベニア10は、ベニアの被覆前であり識別情報18がメモリ14に格納されていない状態で、ユーザーが受け取ってもよい。
この状態で、回路12が電子装置22と通信する際、回路12は、識別情報18を要求してもよい。
また、回路12は、識別情報18を受信すると、識別情報18をメモリ14に永久的に格納してもよい。
上述したように、回路12は、受信した電気エネルギー36を使用して識別情報18をメモリ14に書き込むことにより、識別情報18をメモリ14に格納してもよい。
例えば、識別情報18は、読み取り専用形式でメモリ14に格納されてもよい。
読み取り専用形式とすることで、識別情報18が、回路12および/またはメモリ14によって変更されることを防止することができる。
【0016】
そして、この識別情報18は、任意の所望の情報を含んでいてもよい。
例えば、識別情報18は、名前、社会保障番号、学生識別(ID)番号、病状、アレルギー、セキュリティ許可などを含んでもよい。
識別情報18は、送信される際に、および/またはメモリ14に格納される際に、暗号化されてもよい。
【0017】
識別情報18がメモリ14に格納された後、回路12は、識別情報18を無線で提供するように問い合わせを受けてもよい。
例えば、電子装置22から電磁質問パルス40を受信すると、回路12は、識別情報18を電子装置22に送信し返してもよい。
【0018】
回路12がRFIDタグを含む実施形態では、回路12は、上述のように受動的RFIDタグの形態をとっていてもよく、あるいは、
図4に示すように能動的RFIDタグの形態をとっていてもよい。
例えば、歯科用ベニア10は、電気エネルギーを貯蔵するように構成された電源50(電池など)をさらに含んでもよい。
電源50は、貯蔵された電気エネルギーを、回路12、アンテナ17またはメモリ14のうちの少なくとも1つに提供してもよい。
【0019】
電気エネルギー52が、電子装置22または別の無線電源54によって、無線で提供されてもよい。
例えば、無線電源54は、電気エネルギー52を電源50に送るための誘導場または磁場を生成してもよい。
さらに、歯科用ベニア10は、誘導場または磁場から電気エネルギー52を受信するための受信コイル57を含んでもよい。
【0020】
無線電源54は、枕または枕カバー内に配置された無線充電器であってもよい。
ユーザーが枕で寝る際に、枕が、電気エネルギー52を歯科用ベニア10に供給してもよい。
別の実施形態では、無線電源54は、電池を含むマウスガードであってもよい。
マウスガードは、歯科用ベニアに無線電力を提供するように構成されていてもよいし、またはマウスガードおよび歯科用ベニア10内に配置された接点を介して電力を提供するように構成されていてもよい。
別の実施形態では、歯科用ベニア10は、取り外し可能(例えば義歯)であり、歯科用ベニア10は、充電のために(例えば、充電ケーブルを介して歯科用ベニア10をコンセントへの差し込むために)口から取り外してもよい。
【0021】
別の実施形態では、歯科用ベニア10は、電源50に電気エネルギー52を提供するように構成されている充電器56を含んでもよい。
充電器56は、電気エネルギー52を生成する任意の適切な装置であってもよい。
例えば、充電器56は、圧電充電装置であってもよい。
圧電充電装置は、圧力を加えたり解放したりする動きや、それと同様の動きを用いて、電源50を再充電するための電気エネルギーを生成してもよい。
【0022】
図5に示す実施形態では、歯科用ベニア10は、ハウジング52をさらに含む。
ハウジング52は、歯の形状をしていてもよいし、または、歯の一部に適合するように構成されている外形を有していてもよい。
ハウジング52は、回路12、アンテナ17およびメモリ14を収容してもよい。
締結具16は、ハウジングを歯または歯槽骨の少なくとも1つに結合させることによって、口腔内での回路12の位置を維持してもよい。
図示の実施形態では、ハウジング52は、ハウジング52を接着する表面に適合するように構成されている、平坦で柔らかい材料である。
本実施形態では、ハウジング52が歯62の表面60に押し付けられることによってハウジング52が歯62の表面60に成形され、締結具16を用いることで歯62の表面60に対する位置が維持される。
あるいは、別の実施形態では、ハウジング52は、歯62の表面60と一致する外形を有する剛性材料から作られていてもよい。
【0023】
図6に示す実施形態では、ハウジング52は、人工歯と同じ大きさおよび形状を有している。
図7に示す実施形態では、ハウジング52は、歯科用充填物(例えば、空洞を治療するために用いられる充填物)と同じ大きさおよび形状を有している。
これらの実施形態の両方において、回路12、メモリ14および電源50は、ハウジング52内に格納されていてもよい。
締結具16が、口内でのハウジング52の位置を維持するために使用されてもよい。
締結具16は、歯科用ベニア10を口腔内に位置させるように、ハウジングを対象物に取り付け可能な任意の装置または物体であってもよい。
例えば、締結具16は、接着剤であってもよい。
一実施形態では、締結具16は、ハウジングを歯または骨(歯槽骨など)に取り付けるために使用する歯科用セメントである。
【0024】
歯科用ベニア10は、歯科医によって取り付けられてもよいし、家庭で取り付けられてもよい。
例えば、顧客は、識別情報18がメモリ14に格納されていない状態で歯科用ベニア10を受け取ってもよいし、顧客の識別情報18がすでにメモリ14に格納された状態で歯科用ベニア10を受け取ってもよい。
識別情報18を有していない状態の歯科用ベニア10を受け取った場合、顧客は、電子装置(例えば、スマートフォン)を用いて、識別情報18を、上述のようにメモリ14に格納するために回路12に提供してもよい。
顧客は、付属の締結具16を用いて歯科用ベニア10を所定の位置に固定してもよい。
例えば、顧客は、綿棒を使用して接着剤を大臼歯の表面(例えば、頬組織に隣接する表面)に塗布し、次に(回路12およびメモリ14を含む)ハウジング52を締結具16に接着させてもよい。
【0025】
ハウジング52は、口腔から回路12およびメモリ14を封止するための任意の適切な材料で作られていてもよい。
例えば、ハウジング52は、金、アマルガム、歯科用複合材料、ガラスアイオノマーセメント、磁器、セラミックまたは複合アクリルなどのうちの1つ以上の材料から作られていてもよい。
【0026】
上述のように、締結具16は、歯科用ベニア10を歯62に接着するための任意の適切な材料を含んでいてもよい。
例えば、締結具16は、シアノアクリレート接着剤、歯科用セメントなどであってもよい。
【0027】
図9に示す実施形態では、患者の位置を監視するためのセキュリティシステム100が示されている。
セキュリティシステム100は、歯科用ベニア10と監視装置102とを含む。
定期発信モードでは、回路12は、識別情報または位置情報の少なくとも1つを発信周波数で定期的に発信してもよい。
監視装置102は、無線受信機104およびコントローラ106を含んでいてもよい。
無線受信機104は、識別情報の定期的な発信を検出する。
定期的な発信が警報時間の閾値の間に無線受信機によって検出されなかった場合、コントローラ106は、通知を発行する。
歯科用ベニア10の回路12は、定期的な発信モードを有していてもよい。
【0028】
例えば、歯科用ベニア10がアルツハイマー病患者に使用される場合、回路12は、(例えば、5分ごと、15分ごとなどの)所与の頻度で識別情報を送信するように構成されていてもよい。
(例えば、養護施設、住宅などの)建物内に配置された受信アンテナを用いて、歯科用ベニア10を有する患者が建物内にいるかどうかを判断してもよい。
例えば、受信アンテナが(例えば、5分、15分、1時間などの)時間閾値内に歯科用ベニア10から識別情報を受信しない場合、患者がもはや建物内に不在であることを示す警告信号が送信されてもよい。
同様に、どの受信アンテナが歯科用ベニア10から識別情報を受信したかに基づいて、建物内の患者の位置を推定してもよい。
例えば、歯科用ベニア10が10フィートの送信範囲を有し、識別情報が2つのアンテナで受信された場合、患者は、両方のアンテナを中心とする半径10フィートの2つの円が重なっている範囲内に位置していると判断できる。
【0029】
監視装置102は、識別情報を受信し、通知を送信するための任意の適切な装置であってもよい。
例えば、通知は、インターネットを介して送信される警告であってもよく、識別情報が(例えば、15分、30分、1時間などの)警報時間の閾値内に検出されなかったという警告であってもよい。
【0030】
電源50を含む一実施形態では、回路12は、質問信号を待つよう構成されてもよい。
回路12は、質問信号を受信した際に、識別情報を送信してもよい。
例えば、セキュリティシステムは、それぞれの施錠されたドアの近くにアンテナを有していてもよく、このアンテナが、質問信号を送信し、識別情報を受信してもよい。
歯科用ベニア10を有するユーザーが施錠されたドアに近づくと、歯科用ベニア10は、質問信号を受信し、識別情報18を送信する。
セキュリティシステムが識別情報18を受信すると、識別情報18で識別されるユーザーが施錠されたドアへのアクセスを有しているかどうかが判断される。
ユーザーがアクセスを有している場合は、ドアのロックが解除されてもよい。
【0031】
電源50を含む別の実施形態では、歯科用ベニア10は、測位装置55も含んでいてもよい。
測位装置55は、歯科用ベニアの位置の判断に用いられてもよい。
次いで、回路12は、この判断した位置を(例えば、アンテナ17を介して)送信してもよい。
測位装置55の電力要件のため、回路12は、回路12が外部から取得する位置信号(ホーム信号とも呼ばれる)を受信していない場合にのみ、測位装置55に物理的位置を要求するよう構成されていてもよい。
例えば、患者の住居は、回路12が受信する(患者が家にいることを示す)外部から取得する位置信号を生成するアンテナを含んでいてもよい。
回路12が一定期間(例えば、1時間)ホーム信号を受信しない場合、回路12は、測位装置55に位置を要求してもよい。
測位装置55から位置を受信すると、回路12は、判断された位置を(例えば、歯科用ベニア内にあるインターネットモデムを介して)発信してもよい。
【0032】
測位装置55は、位置を判断するための任意の適切な装置であってもよい。
例えば、測位装置55は、全地球測位システム(GPS)チップであってもよい。
【0033】
一実施形態では、歯科用ベニア10は、電子装置22と無線で通信するよう構成されたネットワークインターフェース70を含む。
例えば、ネットワークインターフェース70は、ブルートゥースやWIFIを介して電子装置22と通信してもよい。
電子装置22は、歯科用ベニア10から位置情報および/または識別情報を(例えば、歯科用ベニア10のGPSチップを介して)受信してもよいし、歯科用ベニア10の外部に設けられている電源から(例えば、電子装置22のGPSチップを介して)位置情報を取得して用いてもよい。
その後、電子装置22は、(例えば、インターネットを介して)歯科用ベニア10の位置をサーバーに通信してもよい。
一実施形態では、電子装置22は、サーバーへの位置情報の送信を制御するアプリケーションを実行してもよい。
【0034】
一実施形態では、歯科用ベニア10は、歯科用ベニア10の動作モードをアクティブ化または非アクティブ化するための信号を(例えば、電子装置22から)受信してもよい。
例えば、GPSチップを含む実施形態では、歯科用ベニア10は、GPSチップの使用を(例えば、電力を低下させて)非アクティブ化してもよい。
【0035】
図8に示す実施形態では、患者の位置を監視するためのセキュリティシステム80が示されている。
セキュリティシステム80は、歯科用ベニア10および入口監視装置82を含む。
入口監視装置82は、無線質問機84および受信機86を含む。
無線質問機84は、識別情報18の要求35を出力し、受信機86は、送信された識別情報18を受信する。
例えば、入口監視装置82は、エリアの入口または出口(例えば、ドア)に配置されてもよい。
無線質問機84と受信機86とは、識別情報18の要求35を送信可能な任意の無線通信装置と、識別情報18を受信する任意の無線通信装置として具体化されてもよい。
【0036】
また、入口監視装置82は、プロセッサ88およびロック90を含んでもよい。
プロセッサ88は、受信した識別情報18が承認済の本人情報と一致している場合に、ロック90を解除してもよい。
例えば、プロセッサ88は、承認済の本人情報のリストを、(不図示の)メモリから受信してもよい。
その後、プロセッサ88は、受信した識別情報を承認された本人情報のリストと比較してもよい。
【0037】
図10に示す実施形態では、監視システム110が示されている。
監視システム110は、歯科用ベニア10および電子装置22を含む。
電子装置22は、識別情報18または位置情報112のうちの少なくとも1つを歯科用ベニア10から受信する。
電子装置22は、受信した識別情報18または位置情報112の少なくとも1つに基づいて、通知114をサーバー116に送信してもよい。
【0038】
図11に示す実施形態では、歯科用ベニア10は、充電器124を含む。
充電器124は、電気エネルギーを生成し、生成された電気エネルギーを電源50に供給する。
充電器124は、電気エネルギーを生成可能な任意の装置であってもよい。
例えば、充電器124は、電気エネルギーを生成するよう構成されている圧電材料126を含んでもよい。
【0039】
回路12、プロセッサ88およびコントローラ106は、それぞれさまざまな実装物を有してもよい。
例えば、回路12、プロセッサ88およびコントローラ106は、それぞれ、プロセッサ(例えば、CPU)、プログラマブル回路、集積回路、メモリおよびI/O回路、特定用途向け集積回路、マイクロコントローラ、コンプレックスプログラマブルロジックデバイス、他のプログラマブル回路などの任意の適切な装置を含んでもよい。
回路12、プロセッサ88およびコントローラ106は、それぞれ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)またはその他の適切な媒体などの非一時的なコンピュータ可読媒体も含んでいてもよい。
以下に記載する方法を実行するための指令は、非一時的なコンピュータ可読媒体に格納され、かつ、回路12、プロセッサ88およびコントローラ106によって実行されてもよい。
回路12、プロセッサ88およびコントローラ106は、それぞれ、コンピュータ可読媒体およびネットワークインターフェースに、システムバス、マザーボードを介して、または当該技術分野で知られている他の任意の適切な構造を使用して、通信可能に接続されていてもよい。
【0040】
当業者が理解するように、コンピュータ可読媒体(メモリ)14は、例えば、バッファ、フラッシュメモリ、ハードドライブ、可読媒体、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、ランダムアクセスメモリ(RAM)またはその他の適切な装置であってもよい。
典型的な構成では、コンピュータ可読媒体14は、長期データ格納用の不揮発性メモリと、プロセッサのシステムメモリとして機能する揮発性メモリとを含んでもよい。
コンピュータ可読媒体14は、データバスを介して回路とデータを交換してもよい。
コンピュータ可読媒体14と回路との間に、制御線およびアドレスバスも共に存在していてもよい。
コンピュータ可読媒体14は、非一時的なコンピュータ可読媒体であると考えられる。
【0041】
本明細書および特許請求の範囲に開示されたすべての範囲および比率の制限は、任意の態様で組み合わされてもよい。
特に明記しない限り、「a」、「an」、および/または「the」の記載は、1つまたは複数を含む場合があり、要素が単数形で記載されていても、複数の要素も含む場合がある。
【0042】
本発明は、特定の実施形態に関して示され、説明されてきたが、当業者であれば、本明細書および添付図面を読んで理解することにより、同等の変更および修正に思い至るであろう。
特に、上述の要素(構成要素、集合体、装置、組成物など)が実行するさまざまな機能に関して、そのような要素の説明に使用される(「手段」への言及を含む)用語は、説明対象の要素の特定の機能を実行する(つまり、機能的に同等である)、任意の要素に対応していることを意図している。
ここで、機能的に同等である、とは、本明細書に示されている本発明の実施形態の機能を実行している構造に対して、構造的に同等でなくても構わない。
さらに、本発明の特定の特徴を、いくつかの実施形態で説明してきたが、そのような特徴は、所与のまたは特定の用途にとって望ましくかつ有利なように、他の実施形態の他の特徴と組み合わされてもよい。