(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-17
(45)【発行日】2025-01-27
(54)【発明の名称】表示パネル
(51)【国際特許分類】
G02F 1/1345 20060101AFI20250120BHJP
G02F 1/1333 20060101ALI20250120BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20250120BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20250120BHJP
G09F 9/35 20060101ALI20250120BHJP
【FI】
G02F1/1345
G02F1/1333
G09F9/00 348Z
G09F9/30 310
G09F9/30 349Z
G09F9/35
(21)【出願番号】P 2023092611
(22)【出願日】2023-06-05
【審査請求日】2023-06-05
(31)【優先権主張番号】202320212989.7
(32)【優先日】2023-02-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】523213594
【氏名又は名称】浙江長興合利光電科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZHEJIANG CHANGXING HELI OPTOELECTRONICS TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】NO. 588, CHANGXING ROAD, TAIHU DISTRICT, CHANGXING COUNTY, ZHEJIANG PROVINCE, CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】肖 斌
(72)【発明者】
【氏名】劉 国華
(72)【発明者】
【氏名】黄 饒
(72)【発明者】
【氏名】何 軍海
【審査官】植田 裕美子
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2016-0035669(KR,A)
【文献】国際公開第2016/084733(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0313834(US,A1)
【文献】特開2018-173538(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0285338(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0004330(US,A1)
【文献】特開2019-168681(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/1343-1/1345
G02F 1/1333
G02F 1/136-1/1368
G09F 9/00
G09F 9/30-9/46
H10K 59/00-59/95
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネルであって、
液晶ディスプレイ本体(1)と、前記液晶ディスプレイ本体(1)に電気的に接続されたフレキシブル配線基板FPC(2)と、を含み、
前記液晶ディスプレイ本体(1)は、タッチ電極Rx(3)と、表示画面上ガラス(4)と、タッチ電極Tx(5)と、カラーフィルタ及びブラックフレーム(6)と、液晶(7)と、薄膜トランジスタ駆動アレイ(8)と、表示画面下ガラス(9)と、をこの順に含み、
前記液晶(7)は、前記カラーフィルタ及びブラックフレーム(6)と前記薄膜トランジスタ駆動アレイ(8)との間に充填され、
前記液晶ディスプレイ本体(1)の両側の下端領域を切断してタッチ電極Tx(5)を設けるための異形領域(10)を形成し、
前記表示画面上ガラス(4)は、上辺と両側辺が直線であり、下辺が、両側が外側に延びて、中央が内側に窪むような形状に切断されており、
前記表示画面上ガラス(4)の下辺は、中央に位置する第1直線セグメント(41)と、第1直線セグメント(41)の両側に位置する第2直線セグメント(42)と、第1直線セグメント(41)と第2直線セグメント(42)とを遷移的に連結する上部円弧セグメント(43)とを含み、前記第2直線セグメント(42)の位置は、前記第1直線セグメント(41)の位置よりも低く、
前記表示画面下ガラス(9)は、上辺と両側辺が直線であり、下辺が、両側が内側に縮み、中央が外側に凸出する形状に切断されており、
前記表示画面下ガラス(9)の下辺は、中央に位置する第3直線セグメント(91)と、第3直線セグメント(91)の両側に位置する第4直線セグメント(92)と、第3直線セグメント(91)と第4直線セグメント(92)とを遷移的に連結する下部円弧セグメント(93)とを含み、前記第3直線セグメント(91)の位置は、前記第4直線セグメント(92)の位置よりも低く、
前記異形領域(10)は、第2直線セグメント(42)と第4直線セグメント(92)とを含み、前記第2直線セグメント(42)の位置は前記第4直線セグメント(92)の位置よりも低く、
前記表示画面上ガラス(4)と前記表示画面下ガラス(9)との間の第4直線セグメント(92)よりも低い領域空間が、前記タッチ電極Tx(5)を前記
フレキシブル配線基板FPC(2)に圧着するための圧着空間であ
り、
前記タッチ電極Tx(5)は、前記圧着空間内に位置し、前記表示画面上ガラス(4)の前記表示画面下ガラス(9)に近い側に位置しているTx端子(51)を含み、
前記タッチ電極Rx(3)は、前記表示画面上ガラス(4)の前記表示画面下ガラス(9)から遠い側に位置しているRx端子(31)を含み、
前記フレキシブル配線基板FPC(2)は、前記表示画面上ガラス(4)を挟むように、前記表示画面上ガラス(4)の前記表示画面下ガラス(9)から遠い側から前記Rx端子(31)に電気的に接続され、前記表示画面上ガラス(4)の前記表示画面下ガラス(9)に近い側から前記Tx端子(51)に電気的に接続されている、表示パネル。
【請求項2】
前記タッチ電極Rx(3)と前記タッチ電極Tx(5)はタッチセンサを構成する、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項3】
前記液晶ディスプレイ本体(1)は、前記表示画面上ガラス(4)と前記表示画面下ガラス(9)との間に位置する接着剤(11)をさらに含む、請求項1に記載の表示パネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示パネルの技術分野に関し、特に、異形切断方法を利用してタッチと表示を一体化する表示パネル構造に関する。
【背景技術】
【0002】
インテリジェント技術が急速に発展している現在では、表示パネルとタッチは緊密に関連するものとなっている、このため、タッチと表示を一体化できる表示パネルが求められている。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、液晶ディスプレイ本体と、前記液晶ディスプレイ本体に電気的に接続されたフレキシブル配線基板と、を含む表示パネルを提供し、
前記液晶ディスプレイ本体は、タッチ電極Rxと、表示画面上ガラスと、タッチ電極Txと、カラーフィルタ及びブラックフレームと、液晶と、薄膜トランジスタ駆動アレイと、表示画面下ガラスと、をこの順に含み、
前記液晶は、前記カラーフィルタ及びブラックフレームと前記薄膜トランジスタ駆動アレイとの間に充填され、
前記液晶ディスプレイ本体の両側の下端領域を切断して異形領域を形成する。
【0004】
本発明で開示された表示パネルでは、液晶ディスプレイ本体の両側の下端領域を異形に切断して異形領域を形成することで、表示画面下ガラスが表示画面上ガラスを遮ることを回避して、Tx端子の圧着空間を確保し、表示・タッチ線の圧着の問題を解決し、最終的にフレキシブル配線基板とTx端子及びRx端子との確実な電気的接続を実現する。
【0005】
また、タッチ電極Txを表示画面上ガラスの内側に、タッチ電極Rxを表示画面上ガラスの外側に固定する一方、タッチ電極Txを表示画面上ガラスの内側に設けることにより、スクラッチの確率を低減し、タッチ機能の無効化を回避することができる。
【0006】
さらに、配線を表示画面上ガラスの内側に設けることにより、省スペース化を図り、モジュールを生産するための時間を節約し、コストを削減させることができ、タッチと表示を一体化するという目的を達成させる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の一実施例に係る表示パネルの構造概略図の一例である。
【
図4】本発明の一実施例に係る表示パネルが含む表示画面上ガラスの構造概略図の一例である。
【
図5】本発明の一実施例に係る表示パネルが含む表示画面下ガラスの構造概略図の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の目的、技術案、及び利点をより明確にするために、以下、本発明の実施形態における図面を参照して、本発明の実施形態における技術案について明確かつ完全に説明するが、説明される実施形態は本発明の一部の実施形態であり、全ての実施形態ではないことは明らかである。本発明の実施形態に基づいて当業者が創造的な努力を必要とせずに得る他のすべての実施形態は、本発明の特許範囲に属する。したがって、以下、図面に記載の本発明の実施形態の詳細な説明は、保護を請求する本発明の範囲を限定することを目的とするものではなく、単に本発明の選択された実施形態を示すものである。本発明の実施形態に基づいて当業者が創造的な努力を必要とせずに得る他のすべての実施形態は、本発明の特許範囲に属する。
【0009】
前述したように、インテリジェント技術が急速に発展している現在では、表示パネルとタッチは緊密に関連するものとなっている。このような場合、表示パネルには、外付けタッチ、ONCELL、INCELLといったモードが登場した。そのうち、表示パネル+外付けタッチのモードには、構造の厚みの問題があり、使用シーンが制限されてしまい、構造要件の高いシーンには適用できない。ONCELLは、構造要件の問題はないが、生産期間が長く、コストが高いという問題がある。INCELL構造は、構造要件の問題を解決したが、デバッグには非常に時間がかかり、しかも、INCELLガラスの価格が高い。上記の欠点に対して、本発明の実施例は、タッチと表示とを一体化することができ、異形切断方法を利用して上記の構造上の要件についての問題を解決することができる表示パネルを提供する。
【0010】
図1は、本発明の実施例に係る表示パネルの構造を示す。
図1に示すように、本発明の実施例に係る表示パネルは、液晶ディスプレイ本体1と、前記液晶ディスプレイ本体1に電気的に接続されたフレキシブル配線基板(FPC:
Flexible
Printed
Circuit)2とを含む。なお、上記FPC2は、表示とタッチを一体化するFPCであってもよい。
【0011】
図2に示すように、前記液晶ディスプレイ本体1は、後方から順に、タッチ電極Rx3、表示画面上ガラス4、タッチ電極Tx5、カラーフィルタ及びブラックフレーム6、液晶7、薄膜トランジスタ駆動アレイ8、表示画面下ガラス9を含む。このうち、カラーフィルタ及びブラックフレーム6と薄膜トランジスタ駆動アレイ8との間に液晶7が充填されている。また、液晶ディスプレイ本体1の両側の下端領域を異形に切断して異形領域10を形成する。
【0012】
さらに、上記液晶ディスプレイ本体(1)は、前記表示画面上ガラス4と前記表示画面下ガラス9との間に位置する接着剤11をさらに含んでもよい。
【0013】
図4に示すように、表示画面上ガラス4は、上辺と両側辺が直線であり、下辺が、両側が外側に延び、中央が内側に窪む形状に異形に切断されている。表示画面上ガラス4の下辺は、中央に位置する第1直線セグメント41と、第1直線セグメント41の両側に位置する第2直線セグメント42と、第1直線セグメント41と第2直線セグメント42とを遷移的に連結する上部円弧セグメント43とを含む。上記第2直線セグメント42の位置は、上記第1直線セグメント41の位置よりも低い。
【0014】
図5に示すように、表示画面下ガラス9は、上辺と両側辺が直線であり、下辺が、両側が内側に縮み、中央が外側に凸出する形状に切断されている。表示画面下ガラス9の下辺は、中央に位置する第3直線セグメント91と、第3直線セグメント91の両側に位置する第4直線セグメント92と、第3直線セグメント91と第4直線セグメント92とを遷移的に連結する下部円弧セグメント93とを含む。上記第3直線セグメント91の位置は、上記第4直線セグメント92の位置よりも低い。
【0015】
図から分かるように、異形領域10は、第2直線セグメント42と第4直線セグメント92とを含む。また、第2直線セグメント42の位置は、第4直線セグメント92の位置よりも低い。表示画面上ガラス4と前記表示画面下ガラス9との間の第4直線セグメント92よりも低い領域空間が圧着空間である。
【0016】
図3に示すように、タッチ電極Tx5は、圧着空間内に位置し、表示画面上ガラス4の表示画面下ガラス9に近い側に固定されたTx端子51を含み、前記タッチ電極Rx3は、表示画面上ガラス4の表示画面下ガラス9から離れた側に固定されたRx端子31を含む。
【0017】
このように、本発明の実施例に係る表示パネルは、表示画面下ガラス9と表示画面上ガラス4とを異形に切断することで、表示画面下ガラス9が表示画面上ガラス4を遮ることを回避して、Tx端子51の圧着空間を確保し、表示・タッチ線の圧着の問題を解決し、最終的にFPC2とTx端子51及びRx端子31との確実な電気的接続を実現する。
【0018】
具体的には、上記タッチ電極Rx3と上記タッチ電極Tx5はタッチセンサ(sensor)を構成する。タッチ電極Tx5を表示画面上ガラス4の内側に設けることにより、スクラッチの確率を低減し、タッチ機能の無効化を回避することができる。また、配線を表示画面上ガラス4の内側に設けることにより、省スペース化を図り、モジュールを生産するための時間を節約し、コストを削減させることができ、タッチと表示を一体化するという目的を達成させる。
【0019】
なお、この方法は、小サイズ、中サイズ、大サイズの液晶系ガラス基材系表示パネルだけでなく、小サイズ、中サイズ、大サイズのフレキシブル系やガラス基材系のOLEDやmicroLEDにも適している。
【0020】
上記は、本発明の好ましい実施形態にすぎず、本発明を限定するものではなく、当業者にとって、本発明は様々な変更及び変化が可能である。本発明の精神及び原則内で行われる補正、均等置換、改良などは、すべて本発明の保護の範囲内に含まれるものとする。