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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-17
(45)【発行日】2025-01-27
(54)【発明の名称】高圧基板処理装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/02 20060101AFI20250120BHJP
   H01L 21/31 20060101ALN20250120BHJP
   H01L 21/324 20060101ALN20250120BHJP
【FI】
H01L21/02 Z
H01L21/31 B
H01L21/324 R
【請求項の数】 26
(21)【出願番号】P 2023151715
(22)【出願日】2023-09-19
(65)【公開番号】P2024043530
(43)【公開日】2024-03-29
【審査請求日】2023-09-19
(31)【優先権主張番号】10-2022-0117353
(32)【優先日】2022-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】522494798
【氏名又は名称】エイチピエスピ カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】HPSP Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】26, Samsung 1-ro 1-gil, Hwaseong-si, Gyeonggi-do, 18449, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】イム グンヨン
(72)【発明者】
【氏名】ミン ビンホン
【審査官】小池 英敏
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-539231(JP,A)
【文献】特開2012-134325(JP,A)
【文献】特開2014-204101(JP,A)
【文献】特開平06-224144(JP,A)
【文献】米国特許第06833306(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/02
H01L 21/31
H01L 21/324
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理のための対象物を収容するように形成される第1チャンバ;
前記第1チャンバを包んだまま前記第1チャンバを加熱するように形成される第2チャンバ;
前記第2チャンバの一部を包むように配置される第3-1チャンバと、前記第2チャンバの他の一部を包むように配置される第3-2チャンバとを備える第3チャンバ;及び
前記第1チャンバ内に前記対象物の処理のための工程ガスを第1圧力で供給し、前記第2チャンバと前記第1チャンバの間の空間には保護ガスを前記第1圧力と関連して設定された第2圧力で供給し、前記第3チャンバ内への外部空気の流入を遮断するために前記第3-1チャンバ及び前記第3-2チャンバのそれぞれと前記第2チャンバの間の空間に前記第1圧力及び前記第2圧力より低くて前記第3チャンバの外部の圧力より高い第3圧力で防御ガスを供給するように構成される給気モジュールを含む、高圧基板処理装置。
【請求項2】
前記第3-1チャンバと前記第3-2チャンバは、
互いに独立した領域を占有するように形成される、請求項1に記載の高圧基板処理装置。
【請求項3】
前記第3圧力は、
前記第1圧力及び前記第2圧力より前記外部の圧力に近い値である、請求項1に記載の高圧基板処理装置。
【請求項4】
前記給気モジュールの作動を制御するように構成される制御モジュールをさらに含み、
前記制御モジュールは、
前記第3-1チャンバと前記第3-2チャンバに対して、相異なる基準に従って前記防御ガスを供給するように前記給気モジュールを制御する、請求項1に記載の高圧基板処理装置。
【請求項5】
前記第3-1チャンバ内の環境を感知する第1センサと、前記第3-2チャンバ内の環境を感知する第2センサとを備える感知モジュールをさらに含み、
前記制御モジュールは、
前記感知モジュールの感知結果に基づいて、前記給気モジュールを制御する、請求項4に記載の高圧基板処理装置。
【請求項6】
前記第1センサは、圧力ゲージを含み、
前記制御モジュールは、
前記圧力ゲージで感知された前記第3-1チャンバの圧力が設定圧力未満であると、前記防御ガスを投入して前記第3-1チャンバが前記設定圧力に到達するように前記給気モジュールを制御する、請求項5に記載の高圧基板処理装置。
【請求項7】
前記第2センサは、ガス感知器を含み、
前記制御モジュールは、
前記ガス感知器で感知された前記第3-2チャンバの酸素濃度が設定酸素濃度超過であると、前記防御ガスを投入して前記第3-2チャンバが前記設定酸素濃度に到達するように前記給気モジュールを制御する、請求項5に記載の高圧基板処理装置。
【請求項8】
前記第3-1チャンバに連通する排気モジュール;及び
前記排気モジュールを制御するように構成される制御モジュールをさらに含み、
前記制御モジュールは、
前記第1チャンバにおいて前記対象物に対する処理が正常に実行中には、前記第3-1チャンバに供給された前記防御ガスが排気されないように前記排気モジュールを制御する、請求項1に記載の高圧基板処理装置。
【請求項9】
前記第3-1チャンバ内に配置される感知モジュール;
前記第1チャンバ、前記第2チャンバ、及び前記第3-1チャンバに連通される排気モジュール;及び
前記排気モジュールを制御するように構成される制御モジュールをさらに含み、
前記制御モジュールは、
前記感知モジュールの感知結果に基づいてガス漏れが発生したと判断した場合、前記第1チャンバ、前記第2チャンバ、及び前記第3-1チャンバの少なくとも1つが排気されるように前記排気モジュールを制御する、請求項1に記載の高圧基板処理装置。
【請求項10】
前記制御モジュールは、
前記第3-1チャンバの排気時に、前記工程ガスを希釈するために前記第3-1チャンバに前記防御ガスを供給するように前記給気モジュールを制御する、請求項9に記載の高圧基板処理装置。
【請求項11】
前記給気モジュールは、
前記第3-1チャンバに前記防御ガスを流量を調節して供給するように構成されるガス調節供給器;及び
前記第3-1チャンバの排気時に前記第3-1チャンバに最大設定流量で前記防御ガスを供給するように構成される非常開閉供給器を含む、請求項10に記載の高圧基板処理装置。
【請求項12】
前記感知モジュールは、圧力ゲージ及びガス感知器の少なくとも1つを含み、
前記制御モジュールは、
前記圧力ゲージで感知された第3-1チャンバの圧力が設定圧力を超過するか、前記ガス感知器が前記工程ガスを感知した場合、前記ガス漏れが発生したと判断する、請求項9に記載の高圧基板処理装置。
【請求項13】
前記対象物は、半導体基板を含み、
前記工程ガスは、水素、重水素、フッ素、アンモニア及び塩素の少なくともつを含み、
前記保護ガス及び前記防御ガスの少なくとも1つは、不活性ガスを含む、請求項1に記載の高圧基板処理装置。
【請求項14】
処理のための対象物を収容するように形成される第1チャンバ;
前記第1チャンバを囲むように配置される第2チャンバ;
前記第2チャンバを囲むように配置される第3チャンバ;
前記第1チャンバ内に前記対象物を処理するための工程ガスを第1圧力で供給し、前記第2チャンバと前記第1チャンバの間の空間には保護ガスを前記第1圧力と関連して設定された第2圧力で供給し、前記第3チャンバ内への外部空気の流入を遮断するために前記第3チャンバと前記第2チャンバの間の空間に前記第3チャンバの外部の圧力より高い第3圧力で防御ガスを供給するように構成される給気モジュール;及び
前記第2チャンバ内に配置され、前記工程ガスの発火点より高い温度で前記工程ガスを加熱するように構成されるヒーティングモジュールを含む、高圧基板処理装置。
【請求項15】
前記第3圧力は、
前記第1圧力及び前記第2圧力より低く、前記第1圧力及び前記第2圧力より前記外部の圧力に近い値である、請求項14に記載の高圧基板処理装置。
【請求項16】
前記給気モジュールを制御するように構成される制御モジュールをさらに含み、
前記第3チャンバは、
前記第2チャンバの上部を包むように配置される第3上部チャンバ;及び
前記第2チャンバの下部を包むように配置される第3下部チャンバを含み、
前記制御モジュールは、
前記第3上部チャンバと前記第3下部チャンバに対して、相異なる基準に従って前記防御ガスを投入するように前記給気モジュールを制御する、請求項14に記載の高圧基板処理装置。
【請求項17】
前記第3上部チャンバ内の環境を感知する第1センサと、前記第3下部チャンバ内の環境を感知する第2センサとを備える感知モジュールとをさらに含み、
前記制御モジュールは、
前記感知モジュールの感知結果に基づいて、前記給気モジュールを制御する、請求項16に記載の高圧基板処理装置。
【請求項18】
前記第1センサは、圧力ゲージを含み、
前記制御モジュールは、
前記圧力ゲージで感知された前記第3上部チャンバの圧力が設定圧力未満であると、前記防御ガスを投入して前記第3上部チャンバが前記設定圧力に到達するように前記給気モジュールを制御する、請求項17に記載の高圧基板処理装置。
【請求項19】
前記第2センサは、ガス感知器を含み、
前記制御モジュールは、
前記ガス感知器で感知された前記第3下部チャンバの酸素濃度が設定酸素濃度を超過すると、前記防御ガスを投入して前記第3下部チャンバが前記設定酸素濃度に到達するように前記給気モジュールを制御する、請求項17に記載の高圧基板処理装置。
【請求項20】
前記第3上部チャンバと前記第3下部チャンバは、
互いに独立した領域を占有するように形成される、請求項16に記載の高圧基板処理装置。
【請求項21】
前記第3チャンバに連通する排気モジュール;及び
前記排気モジュールを制御するように構成される制御モジュールをさらに含み、
前記制御モジュールは、
前記第1チャンバにおいて前記対象物に対する処理が正常に実行中には、前記第3チャンバに供給された前記防御ガスが排気されないように前記排気モジュールを制御する、請求項14に記載の高圧基板処理装置。
【請求項22】
前記第3チャンバ内に配置される感知モジュール;
前記第1チャンバ、前記第2チャンバ、及び前記第3チャンバに連通する排気モジュール;及び
前記排気モジュールを制御するように構成される制御モジュールをさらに含み、
前記制御モジュールは、
前記感知モジュールの感知結果に基づいてガス漏れが発生したと判断した場合、前記第1チャンバ、前記第2チャンバ、及び前記第3チャンバの少なくとも1つが排気されるように前記排気モジュールを制御する、請求項14に記載の高圧基板処理装置。
【請求項23】
前記制御モジュールは、
前記第3チャンバの排気時に、前記工程ガスを希釈するために前記第3チャンバに前記防御ガスを供給するように前記給気モジュールを制御する、請求項22に記載の高圧基板処理装置。
【請求項24】
前記給気モジュールは、
前記第3チャンバに前記防御ガスを流量を調節して供給するように構成されたガス調節供給器;及び
前記第3チャンバの排気時に前記第3チャンバに最大設定流量で前記防御ガスを供給するように構成される非常開閉供給器を含む、請求項23に記載の高圧基板処理装置。
【請求項25】
前記感知モジュールは、圧力ゲージ及びガス感知器の少なくとも1つを含み、
前記制御モジュールは、
前記圧力ゲージで感知された第3チャンバの圧力が設定圧力を超過するか、前記ガス感知器が前記工程ガスを感知した場合、前記ガス漏れが発生したと判断する、請求項22に記載の高圧基板処理装置。
【請求項26】
前記対象物は、半導体基板を含み、
前記工程ガスは、水素、重水素、フッ素、アンモニア及び塩素の少なくとも1つを含み、
前記保護ガス及び前記防御ガスの少なくとも1つは、不活性ガスを含む、請求項14に記載の高圧基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高圧環境において対象物に対する処理を行うために使用される基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、半導体素子の製造工程の実行中に、半導体基板には多様な処理が行われている。前記処理の例としては、酸化、窒化、シリサイド、イオン注入及び化学気相蒸着(CVD:Chemical Vapor Deposition)工程などがある。半導体素子の界面特性を改善するための水素または重水素の熱処理工程もある。
【0003】
処理に使われるガスは大気圧より高い高圧でチャンバに供給されて、半導体基板に作用する。このようなガス漏れの時には、周辺汚染だけでなく発火などの問題が発生する可能性がある。
【0004】
処理工程の温度が高くなるにつれて、前記のような恐れはさらに大きくなる。処理温度がガスの自然発火温度以上であれば、漏れによる発火の恐れがさらに大きくなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の一目的は、処理工程が高温で行われても、工程実行時にガス漏れによる発火危険を構造的に予防できる、高圧基板処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を実現するための本発明の一側面による高圧基板処理装置は、処理のための対象物を収容するように形成される第1チャンバ;前記第1チャンバを包んだまま前記第1チャンバを加熱するように形成される第2チャンバ;前記第2チャンバの一部を包むように配置される第3-1チャンバと、前記第2チャンバの他の一部を包むように配置される第3-2チャンバとを備える第3チャンバ;及び前記第1チャンバ内に前記対象物の処理のための工程ガスを第1圧力で供給し、前記第2チャンバと前記第1チャンバの間の空間には保護ガスを前記第1圧力と連関して設定された第2圧力で供給し、前記第3チャンバ内への外部空気の流入を遮断するために前記第3-1チャンバ及び前記第3-2チャンバのそれぞれと前記第2チャンバの間の空間に前記第1圧力及び前記第2圧力より低くて前記第3チャンバの外部圧力より高い第3圧力で防御ガスを供給するように構成される給気モジュールを含んでもよい。
【0007】
ここで、前記第3-1チャンバと前記第3-2チャンバは、互いに独立した領域を占有するように形成されてもよい。
【0008】
ここで、前記第3圧力は、前記第1圧力及び前記第2圧力より前記外部の圧力に偏った値であってもよい。
【0009】
ここで、前記給気モジュールの作動を制御するように構成される制御モジュールがさらに含まれ、前記制御モジュールは、前記第3-1チャンバと前記第3-2チャンバに対して、相異なる基準に従って前記防御ガスを供給するように前記給気モジュールを制御してもよい。
【0010】
ここで、前記第3-1チャンバ内の環境を感知する第1センサと、前記第3-2チャンバ内の環境を感知する第2センサとを備える感知モジュールがさらに含まれ、前記制御モジュールは、前記感知モジュールの感知結果に基づいて、前記給気モジュールを制御してもよい。
【0011】
ここで、前記第1センサは、圧力ゲージを含み、前記制御モジュールは、前記圧力ゲージで感知された前記第3-1チャンバの圧力が設定圧力未満であれば、前記防御ガスを投入して前記第3-1チャンバが前記設定圧力に到達するように前記給気モジュールを制御してもよい。
【0012】
ここで、前記第2センサは、ガス感知器を含み、前記制御モジュールは、ガス感知器で感知された前記第3-2チャンバの酸素濃度が設定酸素濃度を超過すると、前記防御ガスを投入して前記第3-2チャンバが前記設定酸素濃度に到達するように前記給気モジュールを制御してもよい。
【0013】
ここで、前記第3-1チャンバに連通される排気モジュール;及び前記排気モジュールを制御するように構成される制御モジュールがさらに含まれ、前記制御モジュールは、前記第1チャンバにおいて前記対象物に対する処理が正常に実行中には、前記第3-1チャンバに供給された前記防御ガスが排気されないように前記排気モジュールを制御してもよい。ここで、前記第3-1チャンバ内で配置される感知モジュール;前記第1チャンバ、前記第2チャンバ、及び前記第3-1チャンバに連通される排気モジュール;及び前記排気モジュールを制御するように構成される制御モジュールがさらに含まれ、前記制御モジュールは、前記感知モジュールの感知結果に基づいてガス漏れが発生したと判断した場合、前記第1チャンバ、前記第2チャンバ及び前記第3-1チャンバの少なくとも1つが排気されるように前記排気モジュールを制御してもよい。
【0014】
ここで、前記制御モジュールは、前記第3-1チャンバの排気時に、前記工程ガスを希釈するために前記第3-1チャンバに前記防御ガスを供給するように前記給気モジュールを制御してもよい。
【0015】
ここで、前記給気モジュールは、前記第3-1チャンバに前記防御ガスを流量を調節して供給するように構成されるガス調節供給器;及び前記第3-1チャンバの排気時に前記第3-1チャンバに最大設定流量で前記防御ガスを供給するように構成される非常開閉供給器を含んでもよい。
【0016】
ここで、前記感知モジュールは、圧力ゲージ及びガス感知器の少なくとも1つを含み、前記制御モジュールは、前記圧力ゲージで感知された前記第3-1チャンバの圧力が設定圧力を超過するか、前記ガス感知器が前記工程ガスを感知した場合、前記ガス漏れが発生したと判断してもよい。
【0017】
ここで、前記対象物は、半導体基板を含み、前記工程ガスは、水素、重水素、フッ素、アンモニア及び塩素の少なくとも1つを含み、前記保護ガス及び前記防御ガスの少なくとも1つは不活性ガスを含んでもよい。
【0018】
本発明の他の一側面による高圧基板処理装置は、処理のための対象物を収容するように形成される第1チャンバ;前記第1チャンバを包むように配置された第2チャンバ;前記第2チャンバを包むように配置された第3チャンバ;前記第1チャンバ内に前記対象物の処理のための工程ガスを第1圧力で供給し、前記第2チャンバと前記第1チャンバの間の空間には保護ガスを第1圧力と連関して設定された第2圧力で供給し、前記第3チャンバ内への外部空気の流入を遮断するために前記第3チャンバと前記第2チャンバの間の空間に前記第3チャンバの外部の空気より高い第3圧力で防御ガスを供給するように構成される給気モジュール;及び前記第2チャンバ内に配置され、前記工程ガスの発火点より高い温度で前記工程ガスを加熱するように構成されるヒーティングモジュールを含んでもよい。
【0019】
ここで、前記第3圧力は、前記第1圧力及び前記第2圧力より低く、前記第1圧力及び前記第2圧力より前記外部の圧力に偏った値であってもよい。
【0020】
ここで、給気モジュールを制御するように構成される制御モジュールがさらに含まれ、前記第3チャンバは、前記第2チャンバの上部を包むように配置される第3上部チャンバ;及び前記第2チャンバの下部を包むように配置される第3下部チャンバを含み、前記制御モジュールは、前記第3上部チャンバと前記第3下部チャンバに対して、相異なる基準に従って前記防御ガスを投入するように前記給気モジュールを制御してもよい。
【0021】
ここで、前記第3上部チャンバ内の環境を感知する第1センサと、前記第3下部チャンバ内の環境を感知する第2センサとを備える感知モジュールがさらに含まれ、前記制御モジュールは、前記感知モジュールの感知結果に基づいて、前記給気モジュールを制御してもよい。
【0022】
ここで、前記第1センサは、圧力ゲージを含み、前記制御モジュールは、前記圧力ゲージで感知された前記第3上部チャンバの圧力が設定圧力未満であると、前記防御ガスを投入して前記第3上部チャンバが前記設定圧力に到達するように前記給気モジュールを制御してもよい。
【0023】
ここで、前記第2センサは、ガス感知器を含み、前記制御モジュールは、ガス感知器で感知された前記第3下部チャンバの酸素濃度が設定酸素濃度を超過すると、前記防御ガスを投入して前記第3下部チャンバが前記設定酸素濃度に到達するように前記制御モジュールを制御してもよい。
【0024】
ここで、前記第3上部チャンバと前記第3下部チャンバは、互いに独立した領域を占有するように形成されてもよい。
【0025】
ここで、前記第3チャンバに連通される排気モジュール;及び前記排気モジュールを制御するように構成される制御モジュールがさらに含まれ、前記制御モジュールは、前記第1チャンバにおいて前記対象物に対する処理が正常に実行中には、前記第3チャンバに供給された前記防御ガスが排気されないように前記排気モジュールを制御してもよい。
【0026】
ここで、前記第3チャンバ内に配置される感知モジュール;前記第1チャンバ、前記第2チャンバ、及び前記第3チャンバに連通する排気モジュール;前記排気モジュールを制御するように構成される制御モジュールがさらに含まれ、前記制御モジュールは、前記感知モジュールの感知結果に基づいてガス漏れが発生したと判断した場合、前記第1チャンバ、前記第2チャンバ、及び前記第3チャンバの少なくとも1つが排気されるように排気モジュールを制御してもよい。
【0027】
ここで、前記制御モジュールは、前記第3チャンバの排気時に、前記工程ガスを希釈するために前記第3チャンバに前記防御ガスを供給するように前記給気モジュールを制御してもよい。
【0028】
ここで、前記給気モジュールは、前記第3チャンバに前記防御ガスを流量を調節して供給するように構成されるガス調節供給器;及び前記第3チャンバの排気時に前記第3チャンバに最大設定流量で前記防御ガスを供給するように構成される非常開閉供給器を含んでもよい。
【0029】
ここで、前記感知モジュールは、圧力ゲージ及びガス感知器の少なくとも1つを含み、前記制御モジュールは、前記圧力ゲージで感知された前記第3チャンバの圧力が設定圧力を超過するか、前記ガス感知器が前記工程ガスを感知した場合、前記ガス漏れが発生したと判断してもよい。
【0030】
ここで、前記対象物は、半導体基板を含み、前記工程ガスは、水素、重水素、フッ素、アンモニア及び塩素の少なくとも1つを含み、前記保護ガス及び前記防御ガスの少なくともつは、不活性ガスを含んでもよい。
【発明の効果】
【0031】
前記のように構成される本発明による高圧基板処理装置によれば、処理対象物を収容し、工程ガスを第1圧力で供給される第1チャンバと、第1チャンバを包み、保護ガスを第1圧力と関連して設定された第2圧力で供給される第2チャンバと、第2チャンバを包み、防御ガスを外部の圧力より高い第3圧力で供給されて外気の流入を遮断する第3チャンバとを備えることにより、第1チャンバから工程ガスが漏れても漏れた工程ガスが外気中の酸素と触れて発火する危険を第3チャンバが構造的に予防することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本発明の一実施例による高圧基板処理装置に対する概念図である。
図2図1の高圧基板処理装置の制御的構成を説明するためのブロック図である。
図3】本発明の他の実施例による高圧基板処理装置に対する概念図である。
図4】第3上部チャンバに対するガス制御方式を説明するためのフローチャートである。
図5】第3下部チャンバに対するガス制御方式を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の好ましい実施例による高圧基板処理装置用ガスボックスアセンブリについて添付の図面を参照して詳しく説明する。本明細書では、異なる実施例でも同一・類似の構成に対しては同一・類似の参照番号を付与し、その説明は最初の説明に置き換えられる。
【0034】
図1は、本発明の一実施例による高圧基板処理装置100に対する概念図である。
【0035】
本図を参照すると、高圧基板処理装置100は、第1チャンバ110、第2チャンバ120、第3チャンバ130、給気モジュール140及び排気モジュール150を含んでもよい。
【0036】
第1チャンバ110は、処理のための対象物を収容する収容空間を形成する。第1チャンバ110は、高温と高圧の作業環境において汚染を減少させるために非金属材、例えば、石英で製作されてもよい。図面上には簡略化されているが、第1チャンバ110の下段には前記収容空間を開放するドア(図示せず)が備えられる。前記ドアが下降することにより前記収容空間が開放され、前記対象物はホルダー(図示せず)に装着されたまま第1チャンバ110に投入される。第1チャンバ110の外側に配置されるヒータ(図示せず)の作動により、第1チャンバ110は数百~数千℃に達するように加熱される。前記対象物は、例えば、半導体基板であってもよい。その場合、前記ホルダーは前記半導体基板を複数層に積層できるウェハボート(wafer boat)であってもよい。
【0037】
第2チャンバ120は、第1チャンバ110を全体的に包むように形成される。それにより、第1チャンバ110の開放部(下段)及び前記開放部を閉鎖するドアも第2チャンバ120により全体的に包まれる。第1チャンバ110とは異なり、第2チャンバ120は汚染問題から自由であるため、金属材で製作されてもよい。第2チャンバ120は、第1チャンバ110を収容する内部空間を有する。第2チャンバ120も下部にドアを備えるが、第1チャンバ110のドアが開放される時、それも一緒に下降して開放できる。
【0038】
第3チャンバ130は、第2チャンバ120を全体的に包むように形成される。第3チャンバ130も第2チャンバ120の同様に汚染問題から自由であるため、金属材で製作されてもよい。第3チャンバ130は、高圧である第1チャンバ110及び第2チャンバ120に比べて低圧で運営される特徴を有する。これを強調するために、第3チャンバ130は第1チャンバ110及び第2チャンバ120とは異なるタイプの線で示した。
【0039】
他の代案的な実施例において、第3チャンバ130は第2チャンバ120の一部分のみを包むように形成することもできる。第2チャンバ120の一部分は、第2チャンバ120の上部、下部、左側部、右側部、コーナー部またはそれらが組み合わせられた部分であり得る。前記一部分のうち、第2チャンバ120の特にガス漏れに弱い部分(連結部位など)を包むように第3チャンバ130を構成してもよい。例えば、第3チャンバ130は第2チャンバ120の一部として、第2チャンバ120の開放部(下段)及び前記開放部を閉鎖するドアを全体的に包むように形成されてもよい。
【0040】
給気モジュール140は第1チャンバ110、第2チャンバ120、及び第3チャンバ130に対してガスを供給する構成である。給気モジュール140はガスのソースとなり、半導体工場のユーティリティライン(ガス供給ライン)に連通されるガス供給ボックス141を有する。ガス供給ボックス141は、第1ガスライン143を介して、第1チャンバ110に対して対象物の処理のための工程ガスとして、例えば、水素/重水素、フッ素、アンモニア、塩素、窒素などを選択的に提供する。ガス供給ボックス141は、第2ガスライン144を介しては、第2チャンバ120に対して保護ガスとして、例えば、不活性ガスである窒素、または、アルゴンを提供する。第2チャンバ120に投入された保護ガスは、具体的に、第2チャンバ120と第1チャンバ110の間の空間に供給される。ガス供給ボックス141は、第3ガスライン145を介して、第3チャンバ130に対して防御ガスを提供することができる。前記防御ガスも前記不活性ガスを含んでもよい。第3チャンバ130に投入された前記防御ガスは、具体的に、第3チャンバ130と第2チャンバ120の間の空間に供給される。第3チャンバ130に供給される前記防御ガスは、第2チャンバ120に供給される保護ガスと同種あるいは異種のガスであってもよい。
【0041】
第1チャンバ110に供給される前記工程ガス及び第2チャンバ120に供給される前記保護ガスは、大気圧より高い圧力として、例えば、数気圧ないし数十気圧に達する高圧を形成するように供給される。前記工程ガスの圧力が第1圧力であり、前記保護ガスの圧力が第2圧力である時、前記第2圧力は前記第1圧力と関連して設定されることができる。例えば、前記第2圧力は前記第1圧力と実質的に同一であるかそれより多少大きく設定されてもよい。このような圧力関係は、第1チャンバ110から前記工程ガスが漏れず、第1チャンバ110が破損しないようにする利点を提供する。第3チャンバ130に供給される防御ガスの圧力は、第3圧力と規定することができ、前記第1圧力及び前記第2圧力とは異なる特徴を有する。前記第3圧力は第3チャンバ130の外部の圧力(通常、大気圧)よりは高いが、前記第1圧力及び前記第2圧力よりは低い。具体的に、前記第3圧力は前記外部の圧力に偏った値であり、大気圧より多少高い水準である。例えば、前記第3圧力は大気圧より数十ないし数百Pa程度高い圧力であってもよい。前記第3圧力は、前記1圧力または前記第2圧力の数分の一、あるいは数十分の一の水準にとどまってもよい。前記第3圧力は外部の空気(酸素)が第3チャンバ130内に流入することを遮断する程度に設定される。
【0042】
排気モジュール150は前記工程ガス、前記保護ガス、及び前記防御ガスを排気するための構成である。第1チャンバ110から前記工程ガスを排気するために、第1チャンバ110の上部には第1排気ライン151が連通される。第1排気ライン151は、第2チャンバ120及び第3チャンバ130の外に延長される。第1排気ライン151には、前記工程ガスの排出を調節するバルブ(図示せず)が設置されてもよい。第2チャンバ120/第3チャンバ130から前記保護ガス/前記防御ガスを排出するためにも、同様にそれぞれに連通される第2排気ライン153/第3排気ライン155を備えられる。これらの排気ライン151、153、155は互いに統合されるため、前記工程ガスは排気過程で前記保護ガス及び前記防御ガスに希釈されて濃度が低くなる。
【0043】
高圧基板処理装置100の制御的構成は、図2を参照して説明する。図2は、図1の高圧基板処理装置の制御的構成を説明するためのブロック図である。
【0044】
本図面(及び図1)を参照すると、高圧基板処理装置100は、前述の給気モジュール140、排気モジュール150などに加えて、ヒーティングモジュール160、感知モジュール170、制御モジュール180、及び格納モジュール190をさらに含む。
【0045】
ヒーティングモジュール160は、前述のヒータを含む構成である。前記ヒータは、第2チャンバ120の一構成として区分されてもよいが、本図面のように別途の構成であるヒーティングモジュール160として分類されてもよい。ヒーティングモジュール160、具体的に、前記ヒータは第2チャンバ120内に配置されてもよい。前記ヒータは第1チャンバ110に向かって発熱して、前記工程ガスが彼の発火点より高い温度で加熱されるようにすることができる。例えば、前記工程ガスとして水素が使用される場合、水素は自身の発火点である575℃以上に加熱されることができる。
【0046】
感知モジュール170は、各チャンバの環境を感知するための構成である。感知モジュール170としては、圧力ゲージ171とガス感知器175を採用されてもよい。圧力ゲージ171は、第1チャンバ110ないし第3チャンバ130のそれぞれ個別に設置されてもよい。ガス感知器175は第3チャンバ130内に設置されて、処理工程の実行中に漏れるガス(具体的に、水素のような活性ガス)、または外部から流入する酸素などを感知する。
【0047】
制御モジュール180は、給気モジュール140、排気モジュール150、及びヒーティングモジュール160を制御する構成である。制御モジュール180は感知モジュール170の感知結果に基づいて、給気モジュール140などを制御することができる。
【0048】
格納モジュール190は、制御モジュール180が制御のために参照できるデータ、プログラムなどを格納する構成である。
【0049】
このような構成によれば、制御モジュール180は、チャンバ110、120、130に前記工程ガス、前記保護ガス、または前記防御ガスが供給されるようにするか、チャンバ110、120、130からガスが排気されるようにする。前者のために、制御モジュール170は給気モジュール140を制御し、後者のために、制御モジュール170は排気モジュール150を制御する。第3チャンバ130に供給された前記防御ガスは、第1チャンバ110において基板に対する処理工程が正常に実行中である時に排気されない。
【0050】
制御モジュール180は、感知モジュール170の感知結果に応じてガス漏れが発生したか否かを判断する。具体的に、圧力ゲージ171で感知された第3チャンバ130の圧力が設定圧力を超過する場合、または、第3チャンバ130に設置されたガス感知器175が前記工程ガスを感知した場合などがガス漏れが発生した場合として判断される。
【0051】
制御モジュール180はガス漏れが発生したと判断した場合、処理工程を中断させて排気モジュール150を作動させる。排気モジュール150の作動にり、第1チャンバ110、第2チャンバ120、及び第3チャンバ130の少なくとも1つが排気される。
【0052】
以上の高圧基板処理装置100の他の形態について図3ないし図5を参照して説明する。
【0053】
まず、図3は、本発明の他の一実施例による高圧基板処理装置に対する概念図である。
【0054】
本図面を参照すると、高圧基板処理装置200は、前述の実施例の高圧基板処理装置100と概ね同一であるが、第3チャンバ230が第3-1チャンバ231と第3-2チャンバ235に区分される点、給気モジュール240と排気モジュール250の第3チャンバ230に関する構成が具体化されている点などで多少異なる。第1チャンバ210及び第2チャンバ220に関連した給気モジュール240及び排気モジュール250の構成は本図面では省略され、図1の図示に置き換える。
【0055】
第3-1チャンバ231と第3-2チャンバ235は、互いに独立した領域を占有するように形成されてもよい。例えば、第3-1チャンバ231は、第2チャンバ220の一部、具体的に、上部を包むように配置される。これにより、第3-1チャンバ231は第3上部チャンバ231と呼ばされてもよい。第3上部チャンバ231は主にガスライン143、144、145(以上、図1参照)を包む。それに対して、第3-2チャンバ235は第2チャンバ220の他の一部、具体的に、下部を包むように配置される。これにより、第3-2チャンバ235は、第3下部チャンバ235と呼ばれてもよい。第3下部チャンバ235は、主に半導体基板(図示せず)が投入される第2チャンバ220の開放部及びそれを閉鎖するドアを全体的に包むことができる。
【0056】
第3上部チャンバ231は開放される必要なく閉鎖型で運用されてもよい。それに対して、第3下部チャンバ235は半導体基板を投入または排出するためのドア(図示せず)が必要に応じて開放されなければならない。従って、第3下部チャンバ235は選択的開放型として運用されてもよい。
【0057】
給気モジュール240は、第3上部チャンバ231に対する給気のために、第3上部チャンバ231に連通される調節ライン246aとバイパスライン246bを備える。調節ライン246aは半導体工場のユーティリティラインに直接連結され、バイパスライン246bは調節ライン246aから分岐される。これは、第3ガスライン145がガス供給ボックス141(図1参照)を経て前記ユーティリティラインに連結される前述の実施例とは異なる。調節ライン246aが前記ユーティリティラインに直接連結されることにより、ガス供給ボックス141の誤作動によりガス供給に問題が発生する危険を分散することができる。
【0058】
調節ライン246aにはガス調節供給器247aが設置されてもよい。ガス調節供給器247aは正常作動モードで第3上部チャンバ231に前記防御ガスを供給する構成である。ガス調節供給器247aは、前記防御ガスの供給流量を調節して、第3上部チャンバ231の設定圧力を維持する機能を担当する。このために、ガス調節供給器247aは圧力ゲージ271で感知した圧力に基づいて作動するようになる。
【0059】
バイパスライン246bには非常開閉供給器247bが設置されてもよい。非常開閉供給器247bは前記防御ガスの供給流量を調節することはない。これは非常作動モード{第3上部チャンバ231を排気するモード}で第3上部チャンバ231に前記防御ガスを最大設定流量で供給する構成である。これはまた、正常作動モードでは閉鎖状態を維持する。前記防御ガスが第3上部チャンバ231に対して大量に供給されることにより、第3上部チャンバ231内の漏れガスはより迅速に排気できる。
【0060】
調節ライン246aにはレギュレータ247cとマニュアルバルブ247dも設置できる。レギュレータ247cは、前記ユーティリティラインから流入する前記防御ガスの流量を調節して、前記最大設定流量を変更できるようにする。マニュアルバルブ247dは、調節ライン246aを介する前記防御ガスの流動自体を断続するための手動バルブである。
【0061】
第3下部チャンバ235に対する給気のためには、給気モジュール240は第3下部チャンバ235にそれぞれ連通されるメイン調節ライン248aと補助調節ライン248bを備える。基本的にメイン調節ライン248aを介して前記防御ガスが第3下部チャンバ235に対して供給される。メイン調節ライン248aを介する前記防御ガスの供給に限界がある場合には、補助調節ライン248bを介して前記防御ガスが追加で第3下部チャンバ235に供給される。ガス調節供給器249bがガス調節供給器249aと共に作動することにより、より迅速に前記防御ガスの目標供給量に到達できるようになる。
【0062】
メイン調節ライン248aと補助調節ライン248bは、それぞれガス調節供給器249a、249bを有して、ガス供給量を調節することができる。メイン調節ライン248aのガス調節供給器249aは、補助調節ライン248bのガス調節供給器249bより大きな流量で前記防御ガスを供給することができる。ガス調節供給器249a、249bは、例えば、MFC(Mass Flow controller)であってもよい。メイン調節ライン248aと補助調節ライン248bには流路自体を開閉するための開閉バルブ249c、249dも設置される。
【0063】
排気モジュール250については、第3上部チャンバ231に連通される排気ライン255を説明する。排気ライン255を構成するダクト256は、半導体工場のユーティリティライン(ガス排気ライン)に連通されてもよい。ダクト256にはゲートバルブ257が設置されてもよい。第3上部チャンバ231に対する排気が必要な場合、ゲートバルブ257は制御モジュール180(図2参照)の制御下で開放される。第3下部チャンバ235にも排気ライン255と類似した構成の排気ラインが設置されてもよい。
【0064】
感知モジュール270は、第3上部チャンバ231内の環境を感知するために、圧力ゲージ271とガス感知器275を備える。これらは第3上部チャンバ231内に設置されるもので、第1センサと通称してもよい。このようなセンサは、第3下部チャンバ235内の環境を感知するために第3下部チャンバ235内にも設置されることができる。その場合、第3下部チャンバ235に設置されたゲージ及び感知器は第2センサと通称してもよい。
【0065】
制御モジュール180(図2参照)は、第3上部チャンバ231と第3下部チャンバ235に対して相異なる基準に従って前記防御ガスを供給するように給気モジュール240を制御する。具体的に、第3上部チャンバ231に対しては、その圧力を設定圧力に維持することが基準となりうる。これとは異なり、第3下部チャンバ235に対しては、その酸素濃度を設定濃度に維持することが基準になりうる。このような制御のために、制御モジュール180は前記第1センサと前記第2センサの感知結果に基づくようになる。以下、これらについて具体的に説明する。
【0066】
図4は、第3上部チャンバに対するガス制御方式を説明するためのフローチャートである。
【0067】
本図面(及び図2ないし図3)を参照すると、圧力ゲージ271により第3上部チャンバ231内のガスの圧力が感知される(S1)。
【0068】
制御モジュール180は、感知された圧力を第3上部チャンバ231に対して設定された設定圧力と比較する(S2)。
【0069】
感知された圧力が設定圧力未満である場合(S3)、制御モジュール180は前記防御ガスを追加で投入するために給気モジュール240を制御する(S4)。具体的に、制御モジュール180はガス調節供給器247aを作動させて、第3上部チャンバ231内の圧力が設定圧力に到達するようにする。
【0070】
感知された圧力が設定圧力と同一である場合(S5)、その状態が維持されればよい。制御モジュール180は給気モジュール240を作動させない。
【0071】
感知された圧力が設定圧力を超える場合(S6)、制御モジュール180はガス漏れの状況であると判断する(S7)。これは、第1チャンバ210内の工程ガス及び/又は第2チャンバ220内の保護ガスが漏れて第3上部チャンバ231内に浸透することにより第3上部チャンバ231内の圧力が増加した場合であるためである。ガス漏れに対応して、非常開閉供給器247bが作動して防御ガスが最大設定流量で第3上部チャンバ231に投入される。前記防御ガスの投入は漏れガスの濃度を希釈する(S8)。希釈された漏れガスは、ゲートバルブ257の開放によりダクト256を介して排気される(S9)。第3上部チャンバ231の排気時に、第1チャンバ110及び第2チャンバ120も排気ライン151、153(図1参照)により排気されることができる。第3下部チャンバ235はガス漏れの程度が大きくないため、排気されない可能性もあるが、厳密な管理のために一緒に排気される場合もある。
【0072】
ガス漏れ判断(S7)、希釈(S8)、及び排気(S9)は、第3上部チャンバ231内のガスを感知して行われることもできる(S10)。ガス感知器275が工程ガスを感知すると(S11)、制御モジュール180はガス漏れが発生したと判断する(S7)。その場合、前述したように希釈(S8)及び排気(S9)の段階が順次行われることができる。
【0073】
図5は、第3下部チャンバに対するガス制御方式を説明するためのフローチャートである。
【0074】
本図面を参照すると、前記第2センサのうちガス感知器(275を参照)は酸素濃度を感知する(S21)。
【0075】
感知された酸素濃度が設定酸素濃度を超過したと判断される場合(S23)、制御モジュール180は第3下部チャンバ235に対する前記防御ガスの投入量を増大させる。このためには、制御モジュール180はメイン調節ライン248aを介して必要な量の防御ガスが第3下部チャンバ235に追加で供給されるようにする。
【0076】
要求される前記防御ガスの追加供給量が多い場合、制御モジュール180はメイン調節ライン248aだけでなく補助調節ライン248bを介しても前記防御ガスが前記第3下部チャンバ235に供給されるようにする。前記防御ガスの供給によって、第3下部チャンバ235内の酸素濃度は設定酸素濃度に到達する(S25)。
【0077】
感知された酸素濃度が設定酸素濃度以下と判断される場合(S23)、制御モジュール180は前記防御ガスに対する現在の投入量を維持する(S27)。このために、制御モジュール180はメイン調節ライン248aを介する前記防御ガスの投入流量が維持されるようにする。第3下部チャンバ235は常時一定量のガスを排気するように構成され、この場合、前記防御ガスが持続的に投入されても第3下部チャンバ235は大気圧より若干高い水準の圧力を維持することになる。
【0078】
前記のような高圧基板処理装置は、前述の実施例の構成と作動方式に限定されるものではない。前記実施例は、各実施例の全部または一部が選択的に組み合わされて多様な変形ができるように構成されることもできる。
【0079】
例えば、第3下部チャンバ235に対してはガス漏れ及び対応について説明していないが、第3上部チャンバ231について説明したような作動が第3下部チャンバ235に対しても行われることができる。
【符号の説明】
【0080】
100、200:高圧基板処理装置
110、210:第1チャンバ
120、220:第2チャンバ
130、230:第3チャンバ
140、240:給気モジュール
150、250:排気モジュール
160:ヒーティングモジュール
170、270:感知モジュール
180:制御モジュール
190:格納モジュール
図1
図2
図3
図4
図5