(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-17
(45)【発行日】2025-01-27
(54)【発明の名称】航跡確立装置、レーダ装置および目標検出プログラム
(51)【国際特許分類】
G01S 13/72 20060101AFI20250120BHJP
【FI】
G01S13/72
(21)【出願番号】P 2023171349
(22)【出願日】2023-10-02
【審査請求日】2023-10-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 賢
【審査官】佐藤 宙子
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-169936(JP,A)
【文献】特開2014-153088(JP,A)
【文献】特開2023-125647(JP,A)
【文献】特開2006-329771(JP,A)
【文献】特開2001-255368(JP,A)
【文献】特開2004-093533(JP,A)
【文献】特開2022-001864(JP,A)
【文献】国際公開第2017/119081(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第103678949(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/00- 7/42
G01S 13/00-13/95
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナが受信した受信信号
において振幅がプロット検出用の閾値を超える点を検出点として検出し、検出した検出点を示すプロットデータを作成するプロットデータ作成部と、
前記プロットデータ作成部により作成したプロットデータを記憶装置に保存する保存部と、
前記プロットデータ作成部により作成したプロットデータが示す検出点と前記記憶装置に保存した過去の時系列のプロットデータが示す検出点とを目標に応じた条件で繋げた航跡を推定する航跡推定部と、
前記航跡推定部により航跡と推定した検出点が目標とする基準を満たす場合に前記航跡と推定した検出点を目標として出力する目標検出部と、
を有し、
前記航跡推定部は、時系列順の過去のプロットデータが示す過去の検出点に対して目標の想定速度の最小値と想定速度の最大値と想定旋回角度とに応じた想定位置ゲートを設定し、前記想定位置ゲート内に存在する検出点を時系列順に繋げた結果を航跡として推定し、
前記目標検出部は、航跡として推定した各検出点について振幅に基づく検出確率を算出し、算出した検出確率の累積値が目標検出用の閾値を超えた場合に前記航跡として推定した検出点を目標として出力する、
航跡確立装置。
【請求項2】
前記航跡推定部は、複数種類の目標ごとに想定速度と想定旋回角度とに応じた想定位置ゲートを設定する、
請求項
1に記載に航跡確立装置。
【請求項3】
所定のスキャン範囲における電波を受信するアンテナと、
前記アンテナが受信した受信信号
において振幅がプロット検出用の閾値を超える点を検出点として検出し、検出した検出点を示すプロットデータを作成するプロットデータ作成部と、
前記プロットデータ作成部により作成したプロットデータを記憶装置に保存する保存部と、
前記プロットデータ作成部により作成したプロットデータが示す検出点と前記記憶装置に保存した過去の時系列のプロットデータが示す検出点とを目標に応じた条件で繋げた航跡を推定する航跡推定部と、
前記航跡推定部により航跡と推定した各検出点が目標とする基準を満たす場合に前記航跡と推定した検出点を目標として出力する目標検出部と、
を有し、
前記航跡推定部は、時系列順の過去のプロットデータが示す過去の検出点に対して目標の想定速度の最小値と想定速度の最大値と想定旋回角度とに応じた想定位置ゲートを設定し、前記想定位置ゲート内に存在する検出点を時系列順に繋げた結果を航跡として推定し、
前記目標検出部は、航跡として推定した各検出点について振幅に基づく検出確率を算出し、算出した検出確率の累積値が目標検出用の閾値を超えた場合に前記航跡として推定した検出点を目標として出力する、
を有するレーダ装置。
【請求項4】
コンピュータに、
アンテナが受信した受信信号
において振幅がプロット検出用の閾値を超える点を検出点として検出し、検出した検出点を示すプロットデータを作成する処理と、
前記作成したプロットデータを記憶装置に保存する処理と、
前記作成したプロットデータが示す検出点と前記記憶装置に保存した過去の時系列のプロットデータが示す検出点とを目標に応じた条件で繋げた航跡を推定する処理
として、時系列順の過去のプロットデータが示す過去の検出点に対して目標の想定速度の最小値と想定速度の最大値と想定旋回角度とに応じた想定位置ゲートを設定し、前記想定位置ゲート内に存在する検出点を時系列順に繋げた結果を航跡として推定する処理と、
前記航跡と推定した各検出点が目標とする基準を満たす場合に前記航跡と推定した検出点を目標として出力する処理
として、航跡として推定した各検出点について振幅に基づく検出確率を算出し、算出した検出確率の累積値が目標検出用の閾値を超えた場合に前記航跡として推定した検出点を目標として出力する処理と、
を実行させる目標検出プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、航跡確立装置、レーダ装置および目標検出プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遠方から到来する飛翔体などの移動体(以下、目標とも称する)を探知するシステムとして電波を使用したレーダ装置がある。近年、目標の移動速度の高速化が進んでいるため、レーダ装置は、遠方で早期に探知することが必要となってきている。目標を遠方で早期に探知するために、レーダ装置は、大型化および高出力化などの基本性能の向上、低SNでの目標検出技術の研究、目標航跡の抽出技術の研究などが行われている。
【0003】
従来の技術としては、複数回のスキャンで得られる複数のプロットデータを用いて目標の航跡を特定するレーダ装置が提案されている。例えば、従来のレーダ装置は、スキャンして得られたプロットデータと次のスキャンで得られたプロットデータとから計算する移動ベクトルによって検出点に対する航跡の仮説を作成する。しかしながら、上述した従来のレーダ装置は、距離変化量から移動ベクトルを計算するため、各スキャンで検出点が精度良く検出できなければ目標を精度良く検出できず、目標の急旋回や不規則な軌道に対応しにくいという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みて為されたもので、目標を精度良く検出できる航跡確立装置、レーダ装置および目標検出プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態によれば、航跡確立装置は、プロットデータ作成部と保存部と航跡推定部と目標検出部とを有する。プロットデータ作成部は、アンテナが受信した受信信号において振幅がプロット検出用の閾値を超える点を検出点として検出し、検出した検出点を示すプロットデータを作成する。保存部は、プロットデータ作成部により作成したプロットデータを記憶装置に保存する。航跡推定部は、プロットデータ作成部により作成したプロットデータが示す検出点と記憶装置に保存した過去の時系列のプロットデータが示す検出点とを目標に応じた条件で繋げた航跡を推定する。目標検出部は、航跡推定部により航跡と推定した検出点が目標とする基準を満たす場合に航跡と推定した検出点を目標として出力する。前記航跡推定部は、時系列順の過去のプロットデータが示す過去の検出点に対して目標の想定速度の最小値と想定速度の最大値と想定旋回角度とに応じた想定位置ゲートを設定し、前記想定位置ゲート内に存在する検出点を時系列順に繋げた結果を航跡として推定する。前記目標検出部は、航跡として推定した各検出点について振幅に基づく検出確率を算出し、算出した検出確率の累積値が目標検出用の閾値を超えた場合に前記航跡として推定した検出点を目標として出力する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、実施形態に係る航跡確立装置を含むレーダ装置の構成例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る航跡確立装置が1回のスキャン動作で得られる受信信号に基づくスキャン範囲における振幅のプロットデータの例を模式的に示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る航跡確立装置がスキャン範囲における振幅のプロットデータから検出する検出点を示すプロットデータの例を模式的に示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る航跡確立装置が作成するプロットデータが示す検出点に対する想定位置ゲートの設定例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る航跡確立装置における航跡推定部による航跡推定結果の第1の例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る航跡確立装置における航跡推定部による航跡推定結果の第2の例を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る航跡確立装置による目標検出までの動作例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して実施形態について説明する。
図1は、この発明の実施形態に係る航跡確立装置12を含むレーダ装置1の構成例を示すブロック図である。
レーダ装置1は、飛翔体、航空機又は無人機などの飛行体を含む移動物体(以下、目標と称する)を電波によって探知する装置である。レーダ装置1は、電波を用いて所定の範囲(スキャン範囲)をスキャン(走査)することにより所定のスキャン範囲に存在する物体を探知する。本実施形態に係るレーダ装置1は、所定のレーダ位置に対して接近してくる目標を探知する。具体例としては、レーダ装置1は、特定の施設(以下、対象施設と称する)又は対象施設の周辺にレーダ位置を設定することにより対象施設に接近する物体である目標を探知する。
【0009】
図1に示す構成例において、レーダ装置1は、アンテナ11と航跡確立装置12とを有する。レーダ装置1は、アンテナ11が受信した信号を航跡確立装置12が取得する構成を備えるものであれば良い。レーダ装置1は、アンテナ11と航跡確立装置12とを一体的に構成したものであって良いし、アンテナ11と航跡確立装置12とを離れた場所に設置した構成であっても良い。
【0010】
さらに、レーダ装置1は、アンテナ11をUAV(無人機)などの飛行体(移動物体)に設置し、航跡確立装置12がアンテナ11から受信信号を取得する構成としても良い。また、レーダ装置1は、アンテナ11と航跡確立装置12とを飛行体などの移動物体に設置し、航跡確立装置12が所定位置に設けた外部装置に目標の検出結果などの情報を出力する構成としても良い。
【0011】
アンテナ11は、電波を送受信する。アンテナ11は、目標を探知するための電波を発信し、発信した電波の反射波を受信する。アンテナ11は、所定のスキャン範囲に電波を送出する構成を備える。スキャン範囲に存在する物体は、アンテナ11から送出された電波を反射する。アンテナ11は、スキャン範囲に存在する物体で反射された反射波を含む電波を受信する。
【0012】
すなわち、アンテナ11は、1回のスキャン(走査)動作で所定のスキャン範囲に存在する物体からの反射波を含む電波を受信信号として受信する。アンテナ11は、スキャン範囲をスキャンした結果である受信信号を航跡確立装置12へ出力する。アンテナ11は、所定の間隔ごとにスキャン動作を実行することにより所定間隔でスキャン範囲をスキャンした受信信号を航跡確立装置12へ出力する。
【0013】
航跡確立装置12は、アンテナ11が受信した信号を取得する。航跡確立装置12は、所定の間隔で所定のスキャン範囲をスキャンした結果である受信信号を取得する。航跡確立装置12は、アンテナ11からの受信信号において移動物体らしい検出点(プロット)を検出する。航跡確立装置12は、1スキャンごとの検出点を示すプロットデータを作成する。航跡確立装置12は、複数スキャンのプロットデータから各検出点の航跡(軌跡)を推定する。航跡確立装置12は、推定される検出点の航跡に基づいて検出点が探知すべき目標であるか否かを判定する。航跡確立装置12は、推定した航跡によって検出点が目標であると判定した場合に目標が検出されたことを出力する。
【0014】
航跡確立装置12は、プロセッサ、メモリおよびインターフェースを備えるコンピュータなどで構成される。航跡確立装置12としてのコンピュータは、プロセッサがメモリ(記憶装置)に記憶したプログラムを実行することにより種々の処理を実行する。例えば、航跡確立装置12としてのコンピュータは、後述する処理を実行するための目標検出プログラムをメモリにインストールし、プロセッサが目標検出プログラムを実行することにより後述する動作を実現するようにしても良い。
【0015】
航跡確立装置12は、後述する時系列のプロットデータを記憶するメモリおよび設定情報を記憶するメモリなどの記憶装置を有する。航跡確立装置12は、アンテナ11から受信信号を取得するインターフェースを備える。また、航跡確立装置12は、アンテナ11からの受信信号を処理する1又は複数の回路を備えるものであっても良い。
【0016】
図1に示す構成例において、航跡確立装置12は、インターフェース部120、プロットデータ作成部121、プロットデータ保存部(保存部)122、航跡推定部123、および、航跡判定部(目標検出部)124などの機能を有する。
インターフェース部120、プロットデータ作成部121、プロットデータ保存部122、航跡推定部123、および、航跡判定部124は、航跡確立装置12としてのプロセッサ、メモリおよびインターフェースを備えるコンピュータがプログラムを実行することにより実現される機能である。
なお、インターフェース部120、プロットデータ作成部121、プロットデータ保存部122、航跡推定部123、および、航跡判定部124の一部又は全部の機能は、回路などのハードウエアによって実現されるようにしても良い。
【0017】
インターフェース部120は、アンテナ11が受信した受信信号をアンテナ11から取得する。インターフェース部120は、アンテナ11の受信信号をプロットデータ作成部121へ供給する。インターフェース部120は、アンテナ11から取得する受信信号を処理する信号回路を含むものであっても良い。
【0018】
プロットデータ作成部121は、インターフェース部120を介して3次元空間における位置を示す情報と電波の振幅とを示すアンテナ11の受信信号を取得する。プロットデータ作成部121は、インターフェース部120により取得したアンテナ11の受信信号に基づいてスキャン範囲における物体の候補とする検出点を検出(抽出)する。プロットデータ作成部121は、1回のスキャンごとにスキャン範囲において検出した検出点を示すプロットデータを作成する。
【0019】
例えば、プロットデータ作成部121は、距離、方位角、仰角で示されるスキャン範囲とする空間の各点における受信信号の振幅値を示す振幅データを生成する。プロットデータ作成部121は、スキャン範囲における各点の振幅値をプロットした振幅のプロットデータを生成する。プロットデータ作成部121は、スキャン範囲における各点の振幅値とプロット検出用の閾値(スレッショルド)とを比較する。プロットデータ作成部121は、振幅値がプロット検出用の閾値を超える点を検出点とする。プロットデータ作成部121は、スキャン範囲における検出点を示すデータをプロットデータとして作成する。プロットデータ作成部121は、作成したプロットデータをプロットデータ保存部122と航跡推定部123とへ供給する。
【0020】
図2は、1回のスキャン動作により得られるスキャン範囲の受信信号に基づくスキャン範囲の各点における振幅のプロットデータの例を模式的に示す図である。
図3は、
図2に示す振幅のプロットデータから検出する検出点を示すプロットデータの例を模式的に示す図である。
図2に示す例では、基準位置とするレーダ位置R(
図4参照)を基準とした距離、方位角および仰角によって定義する3次元空間であるスキャン範囲における各点の振幅値を示す。
【0021】
プロットデータ作成部121は、
図3に示すように、
図2に示す各点について振幅値とプロット検出用の閾値とを比較することにより各点が物体(目標)の候補とする検出点であるか否か(検出の有無)を判定する。例えば、プロットデータ作成部121は、
図2に示すスキャン範囲において振幅がプロット検出用の閾値を超える点を検出点として検出する。プロットデータ作成部121は、1回のスキャン動作によるスキャン範囲において検出した全ての検出点についての距離、方位角、仰角および振幅を示すデータを1スキャン分のプロットデータとする。
【0022】
プロットデータ保存部122は、プロットデータ作成部121が作成したプロットデータを時系列順に航跡確立装置12が備える記憶装置(メモリ)に保存する。例えば、プロットデータ保存部122は、プロットデータ作成部121が作成する1スキャンごとのプロットデータに時系列を示す識別情報(例えばID)を付与して記憶装置に記憶する。また、プロットデータ保存部122は、記憶装置に保存した過去のプロットデータを航跡推定部123に送信する。
【0023】
航跡推定部123は、複数の時系列順のプロットデータに基づいて目標の候補である検出点の航跡を推定する航跡推定処理を実行する。航跡推定部123は、プロットデータ作成部121が作成したプロットデータ(現在のプロットデータ)を取得する。また、航跡推定部123は、プロットデータ保存部122が保存した時系列順の過去のプロットデータを取得する。航跡推定部123は、プロットデータ作成部121が作成した現在のプロットデータとプロットデータ保存部122が保存した時系列順の過去のプロットデータとに基づいて検出点の航跡を推定する。
【0024】
航跡推定部123は、過去のプロットデータが示す検出点(過去の検出点)に対して目標に応じた条件としての想定位置ゲートを設定する。航跡推定部123は、現在のプロットデータが示す検出点(現在の検出点)が想定位置ゲート内にあるか否かを判断する。航跡推定部123は、現在の検出点が過去の検出点に対する想定位置ゲート内にある場合、過去の検出点とその過去の検出点に対する想定位置ゲート内にある現在の検出点とを繋げた航跡を推定する。
【0025】
航跡推定部123は、目標とする移動体を想定して設定される想定速度と想定旋回角度とに基づいて想定位置ゲートを設定する。例えば、航跡推定部123は、検出する対象とする目標に対応して設定される想定速度と想定旋回角度とを設定情報として記憶する設定記憶部123aを備える。
【0026】
図4は、プロットデータが示す検出点Pに対する想定位置ゲートGの設定例を示す図である。
図4に示すように、想定位置ゲートGは、目標の候補である検出点Pがレーダ位置Rに向かう方向に移動することを想定して設定する。航跡推定部123は、レーダ位置R(又はレーダ位置Rの周辺)に向かって移動している目標を検出するため、目標の候補である検出点の航跡を
図4に示すような想定位置ゲートGを用いて推定する。ここで、レーダ位置Rは、アンテナ11又はアンテナ11を備えるレーダ装置1の設置位置に限定されるものではなく、任意の位置に設定しても良い。例えば、レーダ装置1とは異なる位置にある対象施設をレーダ位置として設定しても良い。
【0027】
想定速度は、目標とする移動物体の移動速度を想定して設定する。
図4に示す例において、想定速度は、基準位置とするレーダ位置Rに向かう方向における目標の移動速度を想定するものである。想定速度としては、想定する最小の速度(最小値)Saと想定する最大の速度(最大値)Sbとを設定する。また、想定速度としては、目標に対応する標準の想定速度Scと標準の想定速度Scを基準とした速度の変動幅とを設定しても良い。
【0028】
想定旋回角度は、想定速度で移動している目標とする移動物体が移動方向を変更できる角度を想定して設定する。
図4に示す例において、想定旋回角度αは、検出点Pとレーダ位置Rとを結ぶ直線を移動方向とした場合における目標とする移動物体の旋回角度の想定範囲である。例えば、目標とする移動物体が飛翔体であれば、飛行中の飛翔体の旋回能力を想定した想定旋回角度αが設定される。
【0029】
航跡推定部123は、プロットデータが示す検出点Pとレーダ位置Rとを通る直線(直線PR)に対して検出点Pから想定旋回角度αとなる範囲を設定する。さらに、航跡推定部123は、想定旋回角度αにより設定される範囲において検出点Pを基点に想定速度の最小値Saと最大値Sbとなる範囲を設定する。これにより、航跡推定部123は、検出点Pから直線PRに対して想定旋回角度αで、かつ、想定速度の最小値Saと最大値Sbとで定義される範囲を想定位置ゲートGとして設定する。
【0030】
なお、
図4は、想定位置ゲートGの例を簡易的に2次元で表しているが、想定位置ゲートGは、3次元空間に対して設定しても良い。例えば、航跡推定部123は、プロットデータが示す検出点Pが3次元の位置として特定される場合には3次元の想定位置ゲートGを設定する。
【0031】
航跡推定部123は、最新(現在)のプロットデータで示される検出点Pがプロットデータ保存部122に保存した過去の検出点に対する想定位置ゲート内に存在するか判定する。航跡推定部123は、時系列のプロットデータに基づき、過去の検出点に対する想定位置ゲート内に存在する検出点を時系列で繋げることにより目標の候補である検出点の航跡を推定する。航跡推定部123は、時系列の検出点に対する想定位置ゲートによって推定した航跡の推定結果を航跡判定部124に供給する。
【0032】
航跡判定部124は、航跡推定部123による目標の候補である検出点の航跡の推定結果に基づいて検出点を目標として検出するか否かを判定する。航跡判定部124は、航跡推定部123による時系列の検出点を繋げた航跡の推定結果が目標の航跡であるか否か判定する。例えば、航跡判定部124は、推定された航跡として繋げられた各検出点について振幅に基づく検出確率を計算し、各検出点の検出確率の累積値が目標判定用の閾値(目標とする基準)を超えるか否かにより検出点が目標であるか否かを判定する。
【0033】
図5は、実施形態に係る航跡確立装置12における航跡推定部123による航跡推定結果の第1の例を示す図である。
図5に示す例において、航跡推定部123は、過去の検出点Pn、Pn+1、Pn+2に対して想定位置ゲートGn、Gn+1、Gn+2を設定する。航跡推定部123は、想定位置ゲートGn+2、Gn+1、Gn内にそれぞれ検出点Pn+3、Pn+2、Pn+1が存在するため、時系列の各検出点Pn+3、Pn+2、Pn+1、Pnを繋げた航跡を推定する。
【0034】
図5に示すように、航跡判定部124は、航跡推定部123が想定位置ゲートGn、Gn+1、Gn+2を用いて航跡として繋げた(推定した)各検出点Pn+3、Pn+2、Pn+1、Pnについて検出確率を算出する。航跡判定部124は、プロットデータ保存部122に保存したプロットデータから各検出点Pn+3、Pn+2、Pn+1、Pnの振幅を特定し、特定した振幅から各検出点Pn+3、Pn+2、Pn+1、Pnの検出確率を算出する。
【0035】
航跡判定部124は、推定された航跡を構成する各検出点Pn+3、Pn+2、Pn+1、Pnの検出確率を累積し、検出確率の累積値を算出する。航跡判定部124は、各検出点Pn+3、Pn+2、Pn+1、Pnの検出確率の累積値を目標判定用の閾値と比較することにより目標判定を行う。航跡判定部124は、各検出点Pn+3、Pn+2、Pn+1、Pnの検出確率の累積値が目標判定用の閾値を超えると、それらの検出点からなる航跡が目標の航跡であると判定する。航跡判定部124は、航跡推定部123により推定された航跡が目標の航跡とである判定した場合、各検出点Pn+3、Pn+2、Pn+1、Pn(又は各検出点Pn+3、Pn+2、Pn+1、Pnの航跡)を目標として検出したことを出力する。
【0036】
図6は、実施形態に係る航跡確立装置12における航跡推定部123による航跡推定結果の第2の例を示す図である。
図6に示す例において、航跡推定部123は、想定位置ゲートGを用いて航跡として繋げた(推定した)各検出点(Pn+3、Pn+2、Pn+1、Pn)について検出確率を算出する。
【0037】
図6に示す例において、航跡推定部123は、過去の検出点Pn、Pn+1に対して想定位置ゲートGn、Gn+1を設定する。想定位置ゲートGn内に検出点Pn+1が存在するが、想定位置ゲートGn+1内には検出点が存在しない。このため、航跡推定部123は、時系列の各検出点Pn+1、Pnを繋げた航跡の推定結果を出力した後、検出点Pn+1に繋がる航跡の推定結果を出力することがない。従って、航跡判定部124は、検出点Pn+1、Pnの検出確率の累積値が目標判定用の閾値を超えなければ、検出点Pn+1、Pnを目標として検出しない。
【0038】
次に、実施形態に係る航跡確立装置12の動作の流れについて説明する。
図7は、実施形態に係る航跡確立装置12による目標検出までの動作例を説明するためのフローチャートである。
まず、レーダ装置1において、アンテナ11は、所定のスキャン間隔でスキャン範囲をスキャンする。アンテナ11は、スキャン範囲をスキャンするごとに受信した電波を示す受信信号を航跡確立装置12へ供給する。
【0039】
航跡確立装置12は、インターフェース部120によりアンテナ11が受信した受信信号を取得する(ステップST11)。インターフェース部120がアンテナ11から取得する受信信号は、受信した電波の振幅とスキャン範囲とする3次元空間における位置を示す情報とを含む信号であるものとする。航跡確立装置12において、インターフェース部120は、アンテナ11の受信信号をプロットデータ作成部121へ供給する。
【0040】
航跡確立装置12のプロットデータ作成部121は、インターフェース部120がアンテナ11から取得した受信信号に基づいて1スキャン分のプロットデータを作成する(ステップST12)。プロットデータ作成部121は、1回分のスキャンデータである受信信号からスキャン範囲における目標(移動物体)の候補とする検出点を検出し、スキャン範囲における検出点を示すプロットデータを作成する。例えば、プロットデータ作成部121は、距離、方位角、仰角で示されるスキャン範囲の各点における受信信号の振幅のうちプロット検出用の閾値を超える点を検出点として検出し、検出した検出点を示すプロットデータを作成する。
【0041】
航跡確立装置12は、プロットデータ作成部が1スキャン分のプロットデータを作成すると、プロットデータ保存部122によりプロットデータ作成部121が作成したプロットデータを時系列順に記憶装置に保存する(ステップST13)。
【0042】
また、航跡確立装置12の航跡推定部123は、プロットデータ作成部が作成する1スキャン分のプロットデータとプロットデータ保存部122が保存する過去のプロットデータとに基づいて航跡推定処理を実行する(ステップST14-16)。
【0043】
すなわち、航跡確立装置12の航跡推定部123は、検出対象とする目標に対応する設定情報としての想定速度および想定旋回角度(想定角度)を設定記憶部123aから取得する(ステップST14)。航跡推定部123は、目標に対応する想定速度および想定角度を取得すると、時系列順の過去のプロットデータが示す過去の検出点に対して想定速度および想定旋回角度に基づく想定位置ゲートを設定する(ステップST15)。
【0044】
航跡推定部123は、現在の検出点を含む時系列の検出点が過去の検出点に対する想定位置ゲート内に存在するか否かを判断する。航跡推定部123は、現在の検出点が過去の検出点に対応する想定位置ゲート内にあれば、現在の検出点と想定位置ゲートの起点となる過去の検出点を繋げる。また、航跡推定部123は、現在の検出点に繋がった過去の検出点がさらに過去の検出点に対する想定位置ゲート内にあれば、現在の検出点に繋がった過去の検出点とさらに過去の検出点とを繋げる。航跡推定部123は、現在の検出点から繋がる時系列の過去の検出点を選出することにより現在の検出点から繋がる検出点群を航跡として推定する(ステップST16)。
【0045】
航跡確立装置12の航跡判定部124は、航跡推定部123による航跡の推定結果を得ると、航跡として推定された検出点群を目標として検出するか否かを判定する航跡判定処理(航跡確立処理)を実行する(ステップST17-21)。
【0046】
航跡判定部124は、航跡推定部123による検出点の航跡の推定結果を取得すると、航跡の推定結果として得られた各検出点について検出確率を算出する(ステップST17)。例えば、航跡判定部124は、各検出点について振幅に基づく検出確率を計算する。航跡判定部124は、各検出点の検出確率を算出すると、航跡として推定された各検出点の検出確率の累積値を算出する(ステップS18)。
【0047】
航跡判定部124は、航跡として推定された各検出点の検出確率の累積値に基づいて推定された航跡を構成する検出点が目標とする移動物体であるか否かを判定する(ステップST19)。例えば、航跡判定部124は、航跡として推定された各検出点の検出確率の累積値と目標判定用の閾値(目標とする基準)とを比較することにより推定された航跡の検出点が目標(推定された航跡が目標の航跡)であるか否かを判定する。
【0048】
航跡判定部124は、航跡として推定された各検出点の検出確率の累積値が目標判定用の閾値を超える場合、推定された航跡の各検出点を目標として検出すると判定する(ステップST20、YES)。また、航跡判定部124は、航跡として推定された各検出点の検出確率の累積値が目標判定用の閾値を超えない場合、推定された航跡の各検出点を目標として検出しないと判定する(ステップST20、NO)。
【0049】
航跡判定部124は、推定された航跡の各検出点を目標として検出しないと判定した場合(ステップST20、NO)、上記ステップST20へ戻り、上述した処理を繰り返し実行する。
【0050】
また、航跡判定部124は、推定された航跡の各検出点を目標として検出すると判定した場合(ステップST20、YES)、目標を検出したことを出力する(ステップST21)。例えば、航跡確立装置12は、目標が検出された検出点を示す情報を表示装置に表示する。また、航跡確立装置12は、目標として検出された検出点の位置を示す情報をスキャン範囲に存在する目標の位置として出力しても良い。また、航跡確立装置12は、目標として検出した複数の検出点からなる航跡を検出した目標の航跡として出力するようにしても良い。
【0051】
以上のように、実施形態に係る航跡確立装置は、アンテナが受信した電波(受信信号)から目標の候補として検出する検出点を示すプロットデータを作成し、作成したプロットデータを記憶装置に保存し、作成したプロットデータの検出点と保存したプロットデータの過去の検出点とを想定位置ゲートによって繋げた航跡を推定し、推定した航跡の検出点が目標であると判定した場合に推定した航跡の検出点を目標として出力する。
【0052】
これにより、実施形態に係る航跡確立装置によれば、アンテナがスキャン範囲をスキャンした受信信号から検出する検出点と過去の検出点とを過去の検出点に対して設定する想定位置ゲートによって繋げた航跡に基づいて目標を精度良く検出することができる。また、実施形態に係る航跡確立装置は、目標とする移動物体の想定速度および想定旋回角度に応じて想定位置ゲートを設定する。これにより、航跡確立装置は、目標の移動(飛行)能力に応じた想定位置ゲートを設定することでき、多様な移動能力を有する目標であっても精度良く検出することができる。
【0053】
(変形例)
航跡確立装置12が検出する対象である目標とする移動物体は、飛翔体、無人機あるいは航空機などの種々の移動物体が想定される。目標となり得る移動物体は、機体の種類によって移動可能な速度および旋回可能な角度が異なると考えられる。このため、航跡確立装置12を含むレーダ装置1は、複数種類の目標を設定できるようにしても良い。航跡確立装置12の変形例として、複数種類の目標に対応して、目標の種類ごとに想定速度および想定旋回角度を設定する例について説明する。
【0054】
このような変形例に係る航跡確立装置12は、上述した構成と同様な構成で、複数種類の目標に対して目標の種類ごとに想定速度および想定旋回角度を設定することにより実現できる。複数種類の目標を設定した場合、航跡確立装置12は、上述した航跡推定処理と航跡判定処理とを各目標について実行すれば良い。すなわち、航跡確立装置12は、複数種類の目標ごとに想定位置ゲートを設定する。これにより、航跡確立装置12は、複数種類の目標ごとに設定した想定位置ゲートによる時系列の検出点の繋がりに基づいて複数種類の目標を検出することができる。
【0055】
また、複数種類の目標を設定した場合、航跡確立装置12は、想定位置ゲートによる検出点の繋がりから検出した目標がどの種類の目標であるかを示す情報を出力するようにしても良い。例えば、航跡確立装置12は、飛翔体に対応する想定速度および想定旋回角度で設定した想定位置ゲートを用いて目標を検出した場合には飛翔体を検出したこと出力し、航空機に対応する想定速度および想定旋回角度で設定した想定位置ゲートを用いて目標を検出した場合には航空機を検出したこと出力するようにしても良い。
【0056】
以上のように、実施形態の変形例に係る航跡確立装置は、複数種類の目標に対して目標ごとの想定速度および想定旋回角度(移動能力)に応じた想定位置ゲートを設定し、複数種類の目標ごとに設定した想定位置ゲートを用いて目標の種類ごとに航跡を推定する。この結果、変形例として説明した航跡確立装置によれば、アンテナが複数回のスキャンした受信信号から複数種類の目標を検出することができる。
【0057】
なお、上記した各処理はいくつかのソフトウェアによって実行することが可能である。このため、上記処理の手順を実行するいくつかのプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を通じてこれらプログラムを航跡確立装置としてのコンピュータにインストールして実行することで、上記処理を容易に実現することができる。例えば、航跡確立装置を構成するコンピュータは、プログラムをネットワーク経由でダウンロードし、ダウンロードしたプログラムを記憶することで、プログラムをインストールするようにしても良い。また、航跡確立装置を構成するコンピュータは、上記プログラムを各種の情報記憶媒体から読み取り、読み取ったプログラムを記憶することで、プログラムをインストールするようにしても良い。
【0058】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載した内容を付記する。
[1]
アンテナが受信した受信信号から目標の候補として検出する検出点を示すプロットデータを作成するプロットデータ作成部と、
前記プロットデータ作成部により作成したプロットデータを記憶装置に保存する保存部と、
前記プロットデータ作成部により作成したプロットデータが示す検出点と前記記憶装置に保存した過去の時系列のプロットデータが示す検出点とを目標に応じた条件で繋げた航跡を推定する航跡推定部と、
前記航跡推定部により航跡と推定した検出点が目標とする基準を満たす場合に前記航跡と推定した検出点を目標として出力する目標検出部と、
を有する航跡確立装置。
[2]
前記プロットデータ作成部は、前記受信信号において振幅がプロット検出用の閾値を超える点を検出点として検出する、
[1]に記載に航跡確立装置。
[3]
前記航跡推定部は、時系列順の過去のプロットデータが示す過去の検出点に対して目標の想定速度に応じた想定位置ゲートを設定し、前記想定位置ゲート内に存在する検出点を時系列順に繋げた結果を航跡として推定する、
[1]に記載に航跡確立装置。
[4]
前記航跡推定部は、前記想定位置ゲートを目標の想定速度と想定旋回角度とに応じて設定する、
[3]に記載に航跡確立装置。
[5]
前記目標検出部は、航跡として推定した各検出点について検出確率を算出し、算出した検出確率の累積値が目標検出用の閾値を超えた場合に前記航跡として推定した検出点を目標として出力する、
[2]に記載に航跡確立装置。
[6]
前記目標検出部は、前記検出確率を検出点の振幅に基づいて算出する、
[5]に記載に航跡確立装置。
[7]
前記航跡推定部は、複数種類の目標ごとに想定速度と想定旋回角度とに応じた想定位置ゲートを設定する、
[3]乃至[6]の何れか1つに記載に航跡確立装置。
[8]
所定のスキャン範囲における電波を受信するアンテナと、
前記アンテナが受信した受信信号から目標の候補として検出する検出点を示すプロットデータを作成するプロットデータ作成部と、
前記プロットデータ作成部により作成したプロットデータを記憶装置に保存する保存部と、
前記プロットデータ作成部により作成したプロットデータが示す検出点と前記記憶装置に保存した過去の時系列のプロットデータが示す検出点とを目標に応じた条件で繋げた航跡を推定する航跡推定部と、
前記航跡推定部により航跡と推定した各検出点が目標とする基準を満たす場合に前記航跡と推定した検出点を目標として出力する目標検出部と、
を有するレーダ装置。
[9]
コンピュータに、
アンテナが受信した受信信号から目標の候補として検出する検出点を示すプロットデータを作成する処理と、
前記作成したプロットデータを記憶装置に保存する処理と、
前記作成したプロットデータが示す検出点と前記記憶装置に保存した過去の時系列のプロットデータが示す検出点とを目標に応じた条件で繋げた航跡を推定する処理と、
前記航跡と推定した各検出点が目標とする基準を満たす場合に前記航跡と推定した検出点を目標として出力する処理と、
を実行させる目標検出プログラム。
【符号の説明】
【0059】
1…レーダ装置、
11…アンテナ、
12…航跡確立装置、
120…インターフェース部、
121…プロットデータ作成部、
122…プロットデータ保存部(保存部)、
123…航跡推定部、
123a…設定記憶部、
124…航跡判定部(目標検出部)、
P(Pn、Pn+1、Pn+2、Pn+3)…検出点、
R…レーダ位置、
G(Gn、Gn+1、Gn+2)…想定位置ゲート。
【要約】
【課題】 目標を精度良く検出できる航跡確立装置、レーダ装置および目標検出プログラムを提供する。
【解決手段】 実施形態によれば、航跡確立装置は、プロットデータ作成部と保存部と航跡推定部と目標検出部とを有する。プロットデータ作成部は、アンテナが受信した受信信号から目標の候補として検出する検出点を示すプロットデータを作成する。保存部は、プロットデータ作成部により作成したプロットデータを記憶装置に保存する。航跡推定部は、プロットデータ作成部により作成したプロットデータが示す検出点と記憶装置に保存した過去の時系列のプロットデータが示す検出点とを目標に応じた条件で繋げた航跡を推定する。目標検出部は、航跡推定部により航跡と推定した検出点が目標とする基準を満たす場合に航跡と推定した検出点を目標として出力する。
【選択図】
図1