(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-17
(45)【発行日】2025-01-27
(54)【発明の名称】NRサイドリンク上のリソースのセットを示すための方法および装置
(51)【国際特許分類】
H04W 72/0446 20230101AFI20250120BHJP
H04W 72/0453 20230101ALI20250120BHJP
H04W 72/40 20230101ALI20250120BHJP
H04W 72/02 20090101ALI20250120BHJP
H04W 92/18 20090101ALI20250120BHJP
H04W 4/40 20180101ALI20250120BHJP
【FI】
H04W72/0446
H04W72/0453
H04W72/40
H04W72/02
H04W92/18
H04W4/40
(21)【出願番号】P 2023523158
(86)(22)【出願日】2020-10-16
(86)【国際出願番号】 CN2020121548
(87)【国際公開番号】W WO2022077448
(87)【国際公開日】2022-04-21
【審査請求日】2023-10-06
(73)【特許権者】
【識別番号】523107950
【氏名又は名称】レノボ・(ベイジン)・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100205785
【氏名又は名称】▲高▼橋 史生
(72)【発明者】
【氏名】ジェンニアン・スン
(72)【発明者】
【氏名】シャオドン・ユ
(72)【発明者】
【氏名】ハイペン・レイ
(72)【発明者】
【氏名】ハイミン・ワン
【審査官】▲高▼木 裕子
(56)【参考文献】
【文献】Lenovo, Motorola Mobility,Sidelink resource allocation for Reliability enhancement[online],3GPP TSG RAN WG1 #102-e R1-2005840,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_102-e/Docs/R1-2005840.zip>,2020年08月07日
【文献】MediaTek Inc.,Discussion on Mode 2 enhancements[online],3GPP TSG RAN WG1 #102-e R1- 2005645,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_102-e/Docs/R1-2005645.zip>,2020年08月08日
【文献】Fraunhofer HHI, Fraunhofer IIS,Resource Allocation Enhancements for Mode 2[online],3GPP TSG RAN WG1 #102-e R1-2005537,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_102-e/Docs/R1-2005537.zip>,2020年08月07日
【文献】Fujitsu,Considerations on inter-UE coordination for mode 2 enhancements[online],3GPP TSG RAN WG1 #102-e R1-2005546,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_102-e/Docs/R1-2005546.zip>,2020年08月07日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 - 7/26
H04W 4/00 - 99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のユーザ機器(UE)によって実施される方法であって、
第2のUEから協調情報を受信するステップと、
前記協調情報に基づいて、時間領域における時間境界を決定するステップと、
時間および周波数領域のうちの少なくとも1つの領域におけるリソースのセット
を決定することに
成功することに応答して、そして、前記時間および周波数領域における
リソース
を決定することに
成功することに応答して、前記第2のUEに対して、前記時間境界の前に前記リソースについてのシグナリングを送信するステップであって、前記シグナリングがリソースの前記セットを示す、ステップと
を
含み、
リソースの前記セットが前記時間領域のウィンドウ中に配置され、
前記ウィンドウの開始時間インスタンスが前記時間境界である
方法。
【請求項2】
前記ウィンドウの長さが、
固定値である、または
リソースプール毎に構成される、もしくは予め構成される、または
前記第2のUEによって示される、請求
項1に記載の方法。
【請求項3】
前記協調情報が、
前記第2のUEの周期的なトラフィックの前記時間領域での周期長、および
前記周期的なトラフィックについてリソースの1つまたは複数のセットを示すためのシグナリングを送信する合計時間
のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記周期長を含む前記協調情報に応答して、
前記時間境界および前記周期長に基づいて、前記時間領域の第2の時間境界を決定するステップと、
時間および周波数領域のうちの前記少なくとも1つの領域におけるリソースの第2のセット
を決定することに
成功することに応答して、そして、前記時間および周波数領域における第2のリソース
を決定することに
成功することに応答して、前記第2のUEに対して、前記第2の時間境界の前に前記第2のリソースについての第2のシグナリングを送信するステップであって、前記第2のシグナリングがリソースの前記第2のセットを示す、ステップと
をさらに含む、請求
項3に記載の方法。
【請求項5】
ネットワークまたは基地局(BS)に、専用スケジュール要求(SR)リソースを介して要求を送信するステップと、
前記ネットワークまたは前記基地局からシグナリングを受信するステップであって、前記シグナリングが前記リソースを示す、ステップと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
送信回路と、
前記送信回路に結合されるプロセッサとを備える装置であって、前記プロセッサは前記装置に対して、
ユーザ機器 (user equipment: UE) に協調情報を送信することと、
前記UEが時間領域および周波数領域のうちの少なくとも1つの領域におけるリソースのセット
を決定することに
成功することに応答して、前記UEから、時間境界の前にシグナリングを受信することであって、前記シグナリングがリソースの前記セットを示し、前記時間境界が前記協調情報に基づいて決定される、受信することと、
送信リソースを選択するために、リソースの前記セットを考慮に入れることによって、リソース選択手順を実施することと
を行わせるように構成さ
れ、
リソースの前記セットが前記時間領域のウィンドウ中に配置され、
前記ウィンドウの開始時間インスタンスが前記時間境界である
装置。
【請求項7】
前記ウィンドウの長さが、
固定値である、または
リソースプール毎に構成される、もしくは予め構成される、または
前記装置によって示される、請求
項6に記載の装置。
【請求項8】
前記協調情報が、
前記装置の周期的なトラフィックの前記時間領域での周期長、および
前記周期的なトラフィックについてリソースの1つまたは複数のセットを示すためのシグナリングを受信する合計時間
のうちの少なくとも1つを含む、請求
項6に記載の装置。
【請求項9】
受信回路と、
送信回路と、
前記受信回路および前記送信回路に結合されるプロセッサとを備える装置であって、前記プロセッサは、前記装置に対して、
ユーザ機器 (user equipment: UE) から協調情報を受信することと、
前記協調情報に基づいて、時間領域における時間境界を決定することと、
時間および周波数領域のうちの少なくとも1つの領域におけるリソースのセット
を決定することに
成功することに応答して、そして、前記時間および周波数領域における
リソース
を決定することに
成功することに応答して、前記UEに対して、前記時間境界の前に前記リソースについてのシグナリングを送信することであって、前記シグナリングがリソースの前記セットを示す、送信することと
を行わせるように構成さ
れ、
リソースの前記セットが前記時間領域のウィンドウ中に配置され、
前記ウィンドウの開始時間インスタンスが前記時間境界である
装置。
【請求項10】
前記ウィンドウの長さが、
固定値である、または
リソースプール毎に構成される、もしくは予め構成される、または
前記UEによって示される、請求
項9に記載の装置。
【請求項11】
前記協調情報が、
前記UEの周期的なトラフィックの前記時間領域での周期長、および
前記周期的なトラフィックについてリソースの1つまたは複数のセットを示すためのシグナリングを送信する合計時間
のうちの少なくとも1つを含む、請求
項9に記載の装置。
【請求項12】
前記プロセッサは、前記周期長を含む前記協調情報に応答して、前記装置に対して、
前記時間境界および前記周期長に基づいて、前記時間領域の第2の時間境界を決定することと、
時間および周波数領域のうちの前記少なくとも1つの領域におけるリソースの第2のセット
を決定することに
成功することに応答して、そして、前記時間および周波数領域における第2のリソース
を決定することに
成功することに応答して、前記UEに対して、前記第2の時間境界の前に前記第2のリソースについての第2のシグナリングを送信することであって、前記第2のシグナリングがリソースの前記第2のセットを示す、送信することと
を行わせる、請求
項11に記載の装置。
【請求項13】
前記プロセッサは前記装置に対して、
ネットワークまたは基地局(BS)に、専用スケジュール要求(SR)リソースを介して要求を送信することと、
前記ネットワークまたは前記基地局からシグナリングを受信することであって、前記シグナリングが前記リソースを示す、受信することと
を行わせる、請求
項9に記載の装置。
【請求項14】
前記装置は第2のUEを含む、請求
項9に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願の実施形態は、ワイヤレス通信技術に関し、より詳細には、ニューラジオ(NR)サイドリンク上のリソースのセットを示すための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ビークルツーエブリシング(V2X)が、3GPP(登録商標)(第3世代パートナーシッププロジェクト)5Gワイヤレス通信技術に導入されている。V2X通信のチャネル構成の点から、2つのUE間の直接リンクはサイドリンクと呼ばれる。サイドリンクは、3GPPリリース12において導入されたロングタームエボリューション(LTE)の特徴であって、近接するUE間の直接通信を可能にし、データは、基地局(BS)またはコアネットワークを通過する必要がない。
【0003】
3GPP 5Gおよび/またはNRネットワークは、ネットワークスループット、カバレッジ、および堅牢性を向上させ、待ち時間および電力消費を減らすことが期待される。3GPP 5Gおよび/またはNRネットワークが発展すると、5Gおよび/またはNR技術を完成させるために、様々な態様が研究および開発される必要がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本出願のいくつかの実施形態は、ユーザ機器(UE)によって実施することができる方法を提供する。方法は、別のUEから協調情報を受信するステップと、協調情報に基づいて時間領域における時間境界を決定するステップと、時間および周波数領域のうちの少なくとも1つの領域におけるリソースのセットを首尾よく決定することに応答して、また、時間および周波数領域におけるリソースを首尾よく決定することに応答して、上述の別のUEに対して、時間境界の前にリソースについてのシグナリングを送信するステップであって、シグナリングがリソースのセットを示す、ステップとを含む。
【0006】
本出願のいくつかの実施形態は、UEによって実施することができる方法を提供する。方法は、別のUEに協調情報を送信するステップと、上述した別のUEが時間および周波数領域のうちの少なくとも1つの領域におけるリソースのセットを首尾よく決定することに応答して、上述した別のUEから、時間境界の前にシグナリングを受け取るステップであって、シグナリングがリソースのセットを示し、時間境界が協調情報に基づいて決定される、ステップと、送信リソースを選択するために、リソースのセットを考慮に入れることによって、リソース選択手順を実施するステップとを含む。
【0007】
本出願のいくつかの実施形態は、装置を提供する。装置は、コンピュータ実行可能命令を記憶した非一時的コンピュータ可読媒体と、受信回路と、送信回路と、非一時的コンピュータ可読媒体、受信回路、および送信回路に結合されるプロセッサとを含み、コンピュータ実行可能命令が、UEによって実施される上述の方法のいずれかをプロセッサに行わせる。
【0008】
1つまたは複数の例の詳細が、添付図面および下の説明に記載される。他の特徴、目的、および利点は、説明および図面、ならびに請求項から明らかとなろう。
【0009】
本出願の利点および特徴を得ることができる方式を記載するために、本出願の説明は、添付図面に図示されるそれらの具体的な実施形態を参照して表現される。これらの図面は、本出願の例示的な実施形態だけを描いており、したがって、本出願の範囲を限定する意図はない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本出願のいくつかの実施形態による、例示的なV2X通信システムを示す図である。
【
図2】本出願のいくつかの実施形態による、協調情報を受信するための方法の例示的なフローチャートを示す図である。
【
図3】本出願のいくつかの実施形態による、リソースのセットを示す例示的な図である。
【
図4】本出願のいくつかの実施形態による、協調情報を送信するための方法の例示的なフローチャートを示す図である。
【
図5】本出願のいくつかの実施形態による、時間境界の前のリソースのセットを示す例示的な図である。
【
図6】本出願のいくつかの実施形態による、時間境界の前のリソースのセットを示すさらなる例示的な図である。
【
図7】本出願のいくつかの実施形態による、リソースを要求する例示的なフローチャートの図である。
【
図8】本出願のいくつかの実施形態による装置の例示的なブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
添付図面の詳細な説明は、本出願の好ましい実施形態の説明であることが意図され、本出願を実行できる唯一の形態を表すことは意図されない。本出願の精神および範囲内に包含されることが意図される異なる実施形態によって、同じまたは均等な機能を達成できることを理解されたい。
【0012】
ここで、その例が添付図面に図示される本出願のいくつかの実施形態への参照が詳細に行われることになる。理解を容易にするため、実施形態は、3GPP 5G、3GPP LTEリリース8、B5G、6Gなどといった特定のネットワークアーキテクチャおよび新規のサービスシナリオの下で提供される。ネットワークアーキテクチャおよび新規のサービスシナリオの発展とともに、本出願の全実施形態は、同様の技術的な問題にも適用可能であることが意図され、さらに、本出願において言及される用語が変わる可能性があるが、このことによって、本出願の原理に影響を及ぼすことはないはずである。
【0013】
V2X通信システムでは、送信UEは、伝送UE、Tx UE、サイドリンクTx UE、サイドリンク送信UEなどとも称される場合がある。受信UEは、伝受UE、Rx UE、サイドリンクRx UE、サイドリンク受信UEなどとも称される場合がある。
【0014】
図1は、本出願のいくつかの実施形態による、例示的なV2X通信システムを図示する。
【0015】
図1に示されるように、ワイヤレス通信システム100は、説明のために、UE101AおよびUE101Bを含む少なくとも2つのユーザ機器(UE)101と、少なくとも1つの基地局(BS)102とを含む。特定の数のUE101およびBS102が
図1に描かれるが、ワイヤレス通信システム100には、任意の数のUE101およびBS102が含まれてよいことが意図される。
【0016】
図1中の各UEは、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、携帯情報端末(PDA)、タブレットコンピュータ、スマートテレビジョン(たとえば、インターネットに接続されるテレビジョン)、セットトップボックス、ゲームコンソール、セキュリティシステム(監視カメラを含む)、車載コンピュータ、ネットワークデバイス(たとえば、ルータ、スイッチ、およびモデム)などといったコンピューティングデバイスを含むことができる。本出願のいくつかの実施形態によれば、
図1中のUEは、携帯ワイヤレス通信デバイス、スマートフォン、セルラ電話、フリップフォン、加入者識別モジュールを有するデバイス、パーソナルコンピュータ、選択呼出受信器、または、ワイヤレスネットワーク上で通信信号を送受信できる任意の他のデバイスを含むことができる。
【0017】
本出願のいくつかの実施形態では、
図1のUEは、歩行者UE(P-UEまたはPUE)または自転車乗りUEである。本出願のいくつかの実施形態では、
図1のUEは、スマートウォッチ、フィットネスバンド、光学式ヘッドマウントディスプレイなどといったウェアラブルデバイスを含む。さらに、
図1のUEは、加入者ユニット、モバイル、移動局、ユーザ、端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、固定端末、加入者局、ユーザ端末、もしくはデバイスと呼ぶことができ、または、当技術分野で使用される他の用語を使用して記載することができる。
図1のUEは、LTEまたはNR Uuインターフェースを介してBSと直接通信することができる。たとえば、UE101Aは、
図1に示されるような、「ステップa」および「ステップb」を介してBS102と直接通信することができる。
【0018】
本出願のいくつかの実施形態では、
図1の各UEは、IoTアプリケーション、高速大容量のeMBB(enhanced mobile broadband)アプリケーション、および/または超高信頼低遅延通信のURLLC(ultra-reliable and low latency communication)アプリケーションを採用することができる。たとえば、UE101Aは、IoTアプリケーションを実装することができ、IoT UEと称することができる一方で、UE101Bは、eMBBアプリケーションおよび/またはURLLCアプリケーションを実装することができ、eMBB UE、URLLC UE、またはeMBB/URLLC UEと称することができる。
図1のUEに採用される特定のタイプのアプリケーションは、変わってよく、限定されなくてよいことが意図される。
【0019】
図1のいくつかの実施形態によれば、UEは、たとえば、3GPP TS 23.303に規定されるようなPC5インターフェースといったサイドリンクを通して別のUEとV2Xメッセージを交換することができる。UEは、V2X通信システム内で、サイドリンクユニキャスト、サイドリンクグループキャスト、またはサイドリンクブロードキャストを通して別のUEに情報またはデータを送信することができる。
【0020】
ワイヤレス通信システム100は、ワイヤレス通信信号を送受信できる任意のタイプのネットワークと互換性があってよい。たとえば、ワイヤレス通信システム100は、ワイヤレス通信ネットワーク、セルラ電話ネットワーク、時分割多元接続(TDMA)ベースネットワーク、符号分割多元接続(CDMA)ベースネットワーク、直交周波数分割多元接続(OFDMA)ベースネットワーク、LTEネットワーク、3GPPベースネットワーク、3GPP 5Gネットワーク、衛星通信ネットワーク、高高度プラットフォームネットワーク、および/または他の通信ネットワークに適合する。
【0021】
本出願のいくつかの実施形態では、ワイヤレス通信システム100は、3GPPプロトコルの5G NRと互換性があり、ここでBS(
図1には図示せず)は、ダウンリンク(DL)上のOFDM変調スキームを使用してデータを送信し、
図1のUEは、離散フーリエ変換拡散直交周波数分割多重(DFT-S-OFDM)または巡回プレフィックスOFDM(CP-OFDM)スキームを使用するアップリンク(UL)上でデータを送信する。しかし、より一般的には、ワイヤレス通信システム100は、他のプロトコルの中でもとりわけ、たとえばWiMAXといった、何らかの他のオープンなまたは特許で守られた通信プロトコルを実装することができる。
【0022】
現在では、2つのサイドリンクリソース割当モード、すなわち、モード1およびモード2がサポートされる。モデル1では、時間および周波数領域におけるサイドリンクリソースの割当は、ネットワークまたはBSによって提供される。モデル2では、時間および周波数領域におけるリソースプールにおけるSL送信リソースをUEが決定する。
【0023】
3GPP標準化文書の合意によれば、3GPP 5G NRサイドリンクシステムなどでは、サイドリンク送信の信頼性を向上させるために、UE間協調を使用することができる。UE間協調の規定は、リソースのセットが協調UE(たとえば、
図1に図示され示されるUE101A)で決定されるものである。このリソースのセットをモード2でTx UE(たとえば、
図1に図示され示されるUE101B)に送ることができ、モード2のTx UEは、それ自体の送信のためのリソース選択手順の期間に、このリソースのセットを考慮に入れることができる。モード2のTx UEの側では、異なるRx UEまたは異なる宛先に向かう「1つまたは複数のセッション」または「1つまたは複数の送信」があってよい。
【0024】
図1に戻って参照すると、特に
図1に示されるステップ1において、(Tx UEとして機能することができる)UE101Bは、(協調UEとして機能することができる)UE101Aにトリガ情報または協調情報を送信する。UE101Aは、サイドリンクリソース割当モード1またはモード2で動作することができる。候補の受信器は、意図された受信器、目標受信器、候補受信UE、候補Rx UEなどと称することもできる。
図1に示されるステップ2では、UE101Aは、時間領域および/または周波数領域におけるリソースのセットに関する情報をUE101Bに送信する。
【0025】
本出願の実施形態は、どのようにして、UE101Aが時間領域および/または周波数領域のリソースのセットを時間内にUE101Bに送信できるのを保証するか、どのようにして、リソースのセットを、リソース割当モード2で動作するUE101Bのリソース選択ウィンドウと整合させるか、UE101Aがリソース割当モード1で動作する場合に、リソースのセットを送信するため、どのようにして、BSがサイドリンクリソースを時間内に割り当てることができるのを保証するか、どのようにして、UE間協調のための周期的なトラフィックを取り扱うかについての具体的な手順を規定する。本出願の実施形態は、以下で具体的に記載されることになる。
【0026】
図2は、本出願のいくつかの実施形態による、協調情報を受信するための方法の例示的なフローチャートを図示する。
【0027】
図2の実施形態は、UEが実施することができる(たとえば、
図1に図示され示されるUE101A、
図3に図示され示されるUE(a)、または
図7に図示され示されるUE(1))。UEに関して記載されるが、他のデバイスは
図2のものと同様の方法を実施するように構成することができることを理解されたい。
【0028】
図2に示されるような例示的な方法200では、オペレーション201において、UE(たとえば、
図1に図示され示されるUE101A、
図3に図示され示されるUE(a)、または
図7に図示され示されるUE(1))が協調情報を受信する。たとえば、UEは、別のUE(たとえば、
図1に図示され示されるUE101Bまたは
図3に図示され示されるUE(b))から協調情報を受信する。
【0029】
図2の実施形態では、上述の別のUE(たとえば、
図1に図示され示されるUE101B)がモード2で動作すると仮定する。すなわち、上述の別のUEのサイドリンク送信のための、時間領域および/または周波数領域におけるサイドリンクリソースがUE(たとえば、
図1に図示され示されるUE101A)によって決定される。
図2の実施形態では、UEが協調UEとして機能し、上述の別のUEがTx UEとして機能する。
【0030】
オペレーション202において、UEは、オペレーション201で受信した協調情報に基づいて、時間領域における時間境界を決定する。オペレーション203において、UEが時間領域および/または周波数領域におけるリソースのセットを首尾よく決定し、UEが時間および周波数領域におけるリソースを首尾よく決定する場合、UEは、時間境界の前にリソースについてのシグナリングを送信する。シグナリングは、時間領域および/または周波数領域におけるリソースのセットを示す。
【0031】
いくつかの実施形態によれば、オペレーション201で受信した協調情報は時間オフセット値を含む。時間境界は、時間オフセット値とオペレーション201における協調情報を受信した時間インスタンスとの合計を計算することによって、オペレーション202で決定される。たとえば、時間オフセット値は、ミリ秒の単位であってよい(たとえば、10ms)。時間オフセット値は、物理的スロットの合計数または論理的スロットの合計数によって表すことができる。
【0032】
いくつかの他の実施形態によれば、オペレーション201で受信した協調情報は、時間領域における時間インスタンスを含む。時間境界は時間インスタンスに対応する。一例では、時間インスタンスは、システムフレーム数(SFN)およびスロットインデックスと関係する。たとえば、オペレーション201で受信した協調情報は、SFNとスロットインデックス値の合計によって表すことができる、時間領域における絶対時間を含む。
【0033】
図2の実施形態では、UEは、モード1またはモード2で動作することができる。いくつかの実施形態によれば、UEが上述の別のUEに送信されるべき利用可能なデータを有する場合、UEは、決定されたリソースについての利用可能なデータとシグナリングを一緒に送信する。特に、
図1を参照して、UE101Aがリソース割当モード1で動作する場合、(リソースのセットを示す)シグナリングの送信のための物理的リソースは、BSによって割り当てられるべきである。UE101AがUE101Bに送信するべきデータも有する場合、BSは、そのデータ送信のため、UE101Aにサイドリンクリソースを割り当てることができる。UE101Aは、BSによって割り当てられたリソースについて、データと(リソースのセットを示す)シグナリングとを一緒に送信することができる。
【0034】
実施形態によれば、UEは、ネットワークまたは基地局(BS)(たとえば、
図1に図示され示されるBS102または
図7に図示され示されるBS(2))に、専用スケジュール要求(SR)リソースを介して要求を送信する。次いで、ネットワークまたはBSは、時間境界の前のリソースのセットを示すシグナリングを送信するために使用することができるリソースを割り当てる。UEは、ネットワークまたは基地局から、構成情報またはBSによって割り当てられるリソースを示すシグナリングを受信する。UEは、受信した構成情報またはシグナリングに基づいて、割り当てられるリソースを決定することができる。特に、
図1を参照して、UE101Aがリソース割当モード1で動作し、UE101AからUE101Bに送信されるべきデータが低い優先度を有する場合、送信されるべきデータは、(リソースのセットを示す)シグナリングの送信にとって時宜を得ていない可能性があり、したがって、送信されるべきデータおよび(リソースのセットを示す)シグナリングは、BSによって割り当てられるサイドリンクリソースに一緒に送信することができない。さらに、UE101AがUE101Bに送信されるべきデータを有さない場合、BSがサイドリンクリソースを割り当てることはない。この場合には、UEは、リソースのセットを示すシグナリングの送信のためのリソースを要求するために、専用SRリソースを介して要求を送信することができる。そのような実施形態は、シグナリングの送信のためにBSがUE101Aに専用リソースを構成するために、UE101Aがリソースのセットを示すシグナリングを時間内にUE101Bに送信することができることを保証する。具体的な例が
図7に記載される。
【0035】
いくつかの実施形態によれば、オペレーション203におけるリソースのセットは、時間領域のウィンドウ中に配置される。一実施形態では、ウィンドウの開始時間インスタンスは、オペレーション201で受信した協調情報に基づいて決定された時間境界である。具体的な例が
図5および
図6に記載される。
(1)一実施形態では、時間領域のウィンドウの長さは、固定値、たとえば、標準化文書に規定されるような固定値である。
(2)さらなる実施形態では、時間領域のウィンドウの長さは、リソースプール毎に構成される、または予め構成される。たとえば、時間領域のウィンドウの長さは、時間領域のスロットの合計数、たとえば時間領域のスロットの正確な数によって表すことができる。
(3)別の実施形態では、時間領域のウィンドウの長さは、上述の別のUE(たとえば、
図1に図示され示されるUE101B)によって示される。時間領域のウィンドウの長さは、上述の別のUEのリソース選択ウィンドウに関係することができる。リソース選択ウィンドウは、上述の別のUEの送信の、残りのパケット遅延バジェット(PDB)によって決定することができる。
たとえば、
図1を参照して、UE101Bから受信した協調情報は、時間領域のウィンドウの長さを含む。リソースのセットの長さは、UE101Bのリソース選択ウィンドウに依存し、リソース選択ウィンドウは、UE101Bの送信の残りのPDBによって決定される。この実施形態は、UE101Bの送信の性能にとって有効であり、リソースのセットのシグナリングオーバーヘッドを減らすことにも有効である。
【0036】
図2の実施形態に戻って参照すると、UEがリソースのセットを決定するのに失敗した場合、リソースのセットを決定するのに失敗したことを示すため、UEは、上述の別のUE(たとえば、
図1に図示され示されるUE101B)にメッセージを送信することができる。メッセージは、辞退メッセージなどと称することもできる。
【0037】
いくつかの実施形態によれば、オペレーション201で受信した協調情報は、以下のうちの少なくとも1つを含む。
-上述の別のUE(たとえば、
図1に図示され示されるUE101B)の周期的なトラフィックの時間領域での周期長、および
-周期的なトラフィックについてリソースの1つまたは複数のセットを示すためのシグナリングを送信する合計時間。
図1を参照して、UE101Aが、UE101Bの周期的なトラフィックについて、リソースの4つのセットを決定する場合、UE101Aは、これらのリソースの4つのセットを示すためのシグナリングを4回送信する必要がある。UE101Bは、「4回」に関する表示を協調情報中で送信することができる。
【0038】
たとえば、UE101Bの周期的なトラフィックの周期長は、
図6に示されるように「P」で表される。UE101Aは、101Bの周期的なトラフィックの各周期について、UE101Bにリソースのセットを送信しなければならない。さらに、UE101Bは、オペレーション201で受信した協調情報に、その周期的なトラフィックについての「リソースのセット」の要求数を示すことができる。その周期的なトラフィックについての「リソースのセット」の要求数は、周期的なトラフィックについての(リソースの1つまたは複数のセットを示す)シグナリングを送信する合計時間に対応する。たとえば、「リソースのセット」の要求数は4である。次いで、UE101Aは、UE101Bの周期的なトラフィックについてのリソースの4つのセットを決定し、これらのリソースの4つのセットを示すためのシグナリングを4回送信する。
【0039】
図2の実施形態に戻って参照して、協調情報が上述の別のUEの周期的なトラフィックの時間領域の周期長(たとえば、
図6に示される「P」)を含む場合、UEは、(協調情報に基づいて決定される)時間境界および周期長に基づいて、時間領域のさらなる時間境界を決定する。UEが時間領域および/または周波数領域におけるリソースのさらなるセットを首尾よく決定し、UEが時間および周波数領域におけるさらなるリソースを首尾よく決定する場合、UEは、さらなる時間境界の前にさらなるリソースについてのさらなるシグナリングを送信し、上述の別のUEにリソースのさらなるセットを示すことができる。
【0040】
上述の別のUEの周期的なトラフィックについて、UEは、(協調情報に基づいて決定される)時間境界および周期長(たとえば、
図6に示される「P」)に基づいて、時間領域の別の時間境界を決定することができる。UEが時間領域および/または周波数領域におけるリソースの別のセットを首尾よく決定し、UEが時間および周波数領域における別のリソースを首尾よく決定する場合、UEは、決定した別の時間境界の前に決定した別のリソースについての別のシグナリングを送信し、上述の別のUEに決定したリソースの別のセットを示すことができる。具体的な例が
図6に記載される。
【0041】
図1および
図3~
図8に図示され示される実施形態に記載される詳細、特に、時間領域および/または周波数領域のリソースのセットを示すことに関する内容は、
図2に図示され示される実施形態に適用可能である。さらに、
図2の実施形態で記載される詳細は、
図1および
図3~
図8の全実施形態に適用可能である。
【0042】
図3は、本出願のいくつかの実施形態による、リソースのセットを示す例示的な図を図示する。
【0043】
図3の実施形態は、UE(a)(たとえば、
図1に図示され示されるUE101A)が協調UEとして機能し、UE(b)(たとえば、
図1に図示され示されるUE101B)がモード2で動作してTx UEとして機能する。
【0044】
いくつかの実施形態によれば、
図3に示されるように、ステップ301において、Tx UEとして機能するUE(b)が、協調UEとして機能するUE(a)に協調情報を送信する。UE(a)は受信した協調情報に基づいて時間領域の時間境界を決定することができる。UE(a)は受信した協調情報にしたがってリソースのセットを決定することもできる。ステップ302では、UE(a)が、時間境界の前のリソースについて、リソースのセットを示すシグナリングをUE(b)に送信することができる。
【0045】
図1、
図2および
図4~
図8に図示され示される実施形態に記載される詳細、特に、時間領域および/または周波数領域のリソースのセットを示すことに関する内容は、
図3に図示され示される実施形態に適用可能である。さらに、
図3の実施形態で記載される詳細は、
図1、
図2、および
図4~
図8の全実施形態に適用可能である。
【0046】
図4は、本出願のいくつかの実施形態による、協調情報を送信するための方法の例示的なフローチャートを図示する。
【0047】
図4の実施形態は、UE(たとえば、
図1に図示され示されるUE101B、または
図3に図示され示されるUE(b))が実施することができる。UEに関して記載されるが、他のデバイスが
図4のものと同様の方法を実施するように構成されうることを理解されたい。
【0048】
図4に示されるような例示的な方法400では、オペレーション401において、UE(たとえば、
図1に図示され示されるUE101B、または
図3に図示され示されるUE(b))が協調情報を別のUE(たとえば、
図1に図示され示されるUE101A、
図3に図示され示されるUE(a)、または
図7に図示され示されるUE(1))に送信する。
【0049】
図4の実施形態では、UE(たとえば、
図1に図示され示されるUE101B)がモード2で動作すると仮定する。すなわち、UEのサイドリンク送信のための時間領域および/または周波数領域のサイドリンクリソースは、上述の別のUEによって決定される。
図4の実施形態では、UEがTx UEとして機能し、上述の別のUEが協調UEとして機能する。
【0050】
オペレーション402において、上述の別のUEが時間領域および/または周波数領域におけるでリソースのセットを首尾よく決定する場合、UEは、時間境界の前にシグナリングを受信する。シグナリングはリソースのセットを示す。時間境界は、オペレーション401で送信された協調情報に基づいて決定される。オペレーション403において、UEは、送信リソースを選択するために、シグナリングによって示されるリソースのセットを考慮に入れることによって、リソース選択手順を実施する。UEは、選択した送信リソースについてのデータを送信することができる。
【0051】
いくつかの実施形態によれば、上述の別のUE(たとえば、
図1に図示され示されるUE101A)がUE(たとえば、
図1に図示され示されるUE101B)に送信されるべき利用可能なデータを有する場合、UEは、利用可能なデータとリソースについてのシグナリングを一緒に受信する。上述の別のUEがリソースのセットを決定するのに失敗した場合、UEは、上述の別のUEから、リソースのセットが決定するのに失敗したことを示すメッセージを受信することができる。メッセージは、辞退メッセージなどと称することもできる。
【0052】
いくつかの実施形態によれば、時間境界の前のリソースのセットを示すシグナリングをUEが受信しない場合、または上述のUEがリソースのセットを決定するのに失敗したことを示すメッセージをUEが受信した場合、UEは、リソースのセットを考慮に入れることなく、UEの検知手順によって決定される候補リソースのセットから送信リソースを選択することができる。
【0053】
図1を参照して、UE101Aが時間内に(リソースのセットを示す)シグナリングを送信するためのリソースを得るのに失敗した場合、UE101Bは、時間境界の前にリソースのセットを示すシグナリングを受信することができず、したがって、UE101Bは、UEの検知手順によって決定されたそれ自体の候補リソースのセットからリソースを選択するためにフォールバックすることができる。UE101Aがリソースのセットを決定できない場合、UE101Aは、UE101Bに辞退メッセージを送信することができる。UE101Aがその検知に基づいてリソースのセットを得ることができない場合、UE101Aは、UE101Bにリソースのセットの代わりに辞退メッセージを送信することができる。UE101Aから辞退メッセージを受信した後、UE101Bは、リソースのセットを考慮に入れることなく、UEの検知手順によって決定されたそれ自体の候補リソースのセットからリソースを選択するためにフォールバックすることができる。
【0054】
いくつかの実施形態によれば、オペレーション401で送信される協調情報は、時間オフセット値を含む。時間境界は、時間オフセット値と協調情報を送信する時間インスタンスとの合計として、オペレーション401で決定される。時間オフセット値は、ミリ秒の単位であってよい(たとえば、10ms)。時間オフセット値は、物理的スロットの合計数または論理的スロットの合計数によって表すことができる。
【0055】
いくつかの他の実施形態によれば、オペレーション401で送信された協調情報は、時間領域における時間インスタンスを含む。時間境界は時間インスタンスに対応する。一例では、時間インスタンスは、システムフレーム数(SFN)およびスロットインデックスと関係する。たとえば、協調情報は、SFNとスロットインデックス値の合計によって表される、時間領域における絶対時間を含む。
【0056】
いくつかの実施形態によれば、オペレーション402におけるシグナリングによって示されるリソースのセットは、時間領域のウィンドウ中に配置される。一実施形態では、ウィンドウの開始時間インスタンスは、オペレーション401で送信された協調情報に基づいて決定された時間境界である。具体的な例が
図5に記載される。
【0057】
時間領域のウィンドウの長さは、時間領域のスロットの合計数、たとえば時間領域のスロットの正確な数によって表すことができる。時間領域のウィンドウの長さは、UE(たとえば、
図1に図示され示されるUE101B)のリソース選択ウィンドウに関係することができる。一実施形態では、時間領域のウィンドウの長さは、固定値、たとえば、標準化文書に規定されるような固定値である。さらなる実施形態では、時間領域のウィンドウの長さは、リソースプール毎に構成される、または予め構成される。
【0058】
別の実施形態では、時間領域のウィンドウの長さは、UEによって示される。たとえば、
図1を参照して、UE101Bから受信した協調情報は、時間領域のウィンドウの長さを含む。本実施形態では、リソースのセットの長さは、UE101Bのリソース選択ウィンドウに依存するべきであり、リソース選択ウィンドウは、UE101Bの送信の残りのPDBによって決定される。この実施形態は、UE101Bの送信の性能にとって有効であり、リソースのセットのシグナリングオーバーヘッドを減らすことにも有効である。
【0059】
いくつかの実施形態によれば、オペレーション401で送信された協調情報は、以下のうちの少なくとも1つを含む。
-UE(たとえば、
図1に図示され示されるUE101B)の周期的なトラフィックの時間領域での周期長(たとえば、
図6に示される「P」)、および
-周期的なトラフィックについてリソースの1つまたは複数のセットを示すためのシグナリングを送信する合計時間。たとえば、UE101Bによって送信される協調情報は、UE101Bの周期的なトラフィックについての「リソースのセット」の要求数を含む。
【0060】
一例では、UE101Bは、たとえば、3GPP標準化文書TS38.331に規定されるような以下の構成リスト中のそのトラフィックの周期のインデックスといった、構成パラメータ「sl-ResourceReservePeriodList-r16」に基づいてそのトラフィックの周期長を示すことができる。
sl-ResourceReservePeriodList-r16 SEQUENCE (SIZE (1..16)) OF SL-ResourceReservePeriod-r16 OPTIONAL, -- Need M
SL-ResourceReservePeriod-r16 ::= CHOICE{
sl-ResourceReservePeriod1-r16 ENUMERATED {ms0, ms100, ms200, ms300, ms400, ms500, ms600, ms700, ms800, ms900, ms1000},
sl-ResourceReservePeriod2-r16 INTEGER (1..99)
}
【0061】
図4の実施形態に戻って参照して、オペレーション401で送信された協調情報がUEの周期的なトラフィックの時間領域の周期長を含む場合、および上述の別のUEが時間領域および/または周波数領域におけるリソースのさらなるセットを首尾よく決定する場合、UEは、上述の別のUEから、リソースのさらなるセットを示す時間領域におけるさらなる時間境界の前にさらなるシグナリングを受信することができる。さらなる時間境界は、(協調情報に基づいて決定される)時間境界およびUEの周期的なトラフィックの時間領域における周期長に基づいて決定することができる。UEは、さらなる送信リソースを選択するために、リソースのさらなるセットを考慮に入れることによって、リソース選択手順を実施することができる。
【0062】
UEの周期的なトラフィックについて、上述の別のUEが時間領域および/または周波数領域におけるリソースの別のセットを首尾よく決定する場合、UEは、上述の別のUEから、リソースの上述の別のセットを示す時間領域における別の時間境界の前に別のシグナリングを受信することができる。上述の別の時間境界は、(協調情報に基づいて決定される)時間境界およびUEの周期的なトラフィックの時間領域における周期長に基づいて決定することができる。UEは、別の送信リソースを選択するために、リソースの上述の別のセットを考慮に入れることによって、リソース選択手順を実施することができる。具体的な例が
図6に記載される。
【0063】
図1~
図3および
図5~
図8に図示され示される実施形態に記載される詳細、特に、時間領域および/または周波数領域のリソースのセットを示すシグナリングを受信することに関する内容は、
図4に図示され示される実施形態に適用可能である。さらに、
図4の実施形態で記載される詳細は、
図1~
図3、および
図5~
図8の全実施形態に適用可能である。
【0064】
図5は、本出願のいくつかの実施形態による、時間境界の前のリソースのセットを示す例示的な図を図示する。
図5の実施形態は、UE-A(たとえば、
図1に図示され示されるUE101A、
図3に図示され示されるUE(a)、または
図7に図示され示されるUE(1))およびUE-B(たとえば、
図1に図示され示されるUE101B、または
図3に図示され示されるUE(b))によって実施される時間領域におけるフローチャートを示す。
【0065】
図5の実施形態では、時間インスタンス「n0」において、UE-B(たとえば、
図1に図示され示されるUE101B)がUE-A(たとえば、
図1に図示され示されるUE101A)に協調情報を送信する。協調情報は、リソースのセットの送信のための、時間境界を含むことができる。たとえば、時間境界は、
図5に示されるような時間インスタンス「T10」と同じである。
【0066】
ここで、UE-Aが、時間領域および/または周波数領域のリソースのセットを決定し、時間および周波数領域のリソースを決定する。UE-Aがリソースのセットを首尾よく決定し、リソースを首尾よく決定した後、UE-Aは、時間境界「T10」の前の任意の時間インスタンスにリソースについての(リソースのセットを示す)シグナリングを送信することができる。たとえば、UE-Aは、
図5に示されるように、時間インスタンス「n1」にシグナリングを送信する。
【0067】
UE-Bの送信についての時間領域でのリソースウィンドウは「W」とマーキングされる。
図5に示されるように、ウィンドウ「W」は、時間インスタンス「T10」から開始して、時間インスタンス「T20」で終了する。UE-Aによって決定されるリソースのセットは、UE-Bの送信のためにウィンドウ「W」内に配置されるべきである。時間インスタンス「n1」でリソースについての(リソースのセットを示す)シグナリングを受信した後、UE-Bは、送信リソースを選択するために、UE-Aによって決定されたリソースのセットを考慮に入れることによって、リソース選択手順を実施することができる。UE-Bは、選択した送信リソースについてのデータを送信することができる。
【0068】
図1~
図4および
図6~
図8に図示され示される実施形態に記載される詳細、特に、時間領域および/または周波数領域のリソースのセットを示すことに関する内容は、
図5に図示され示される実施形態に適用可能である。さらに、
図5の実施形態で記載される詳細は、
図1~
図4、および
図6~
図8の全実施形態に適用可能である。
【0069】
図6は、本出願のいくつかの実施形態による、時間境界の前のリソースのセットを示すさらなる例示的な図を図示する。
図5と同様に、
図6の実施形態は、UE-A(たとえば、
図1に図示され示されるUE101A、
図3に図示され示されるUE(a)、または
図7に図示され示されるUE(1))およびUE-B(たとえば、
図1に図示され示されるUE101B、または
図3に図示され示されるUE(b))によって実施される時間領域におけるフローチャートを示す。
【0070】
図6の実施形態は、UE-Bが周期的なトラフィックをサポートすると仮定する。たとえば、UE-Bの送信についての時間領域の3つのリソースウィンドウは、
図6に示されるように、「W1」、「W2」、および「W3」とマーキングされる。時間領域の特定の数のリソースウィンドウが
図6に描かれるが、時間領域の任意の数のリソースウィンドウをUE-Bの送信のために含むことができることが意図される。
【0071】
ウィンドウ「W1」は、時間インスタンス「T10」から開始して、時間インスタンス「T20」で終了する。ウィンドウ「W2」は、時間インスタンス「T11」から開始して、時間インスタンス「T21」で終了する。ウィンドウ「W3」は、時間インスタンス「T12」から開始して、時間インスタンス「T22」で終了する。
【0072】
図5と同様に、
図6の実施形態では、時間インスタンス「n0」において、UE-B(たとえば、
図1に図示され示されるUE101B)がUE-A(たとえば、
図1に図示され示されるUE101A)に協調情報を送信する。協調情報は、リソースのセットの送信のための、時間境界を含むことができる。たとえば、時間境界は、
図6に示されるような時間インスタンス「T10」と同じである。
【0073】
UE-Aがウィンドウ「W1」内に配置されるリソースのセットを首尾よく決定し、リソースを首尾よく決定した後、UE-Aは、時間境界「T10」の前のリソースについての(リソースのセットを示す)シグナリングを送信する。たとえば、UE-Aは、
図6に示されるように、時間インスタンス「n1」にリソースについてのシグナリングを送信する。時間インスタンス「n1」でリソースについてのシグナリングをUE-Bが受信した後、UE-Bは、送信リソースを選択するために、UE-Aによって決定されたリソースのセットを考慮に入れることによって、リソース選択手順を実施することができる。
【0074】
図6の実施形態では、協調情報は、時間境界(たとえば、
図6に示されるような時間インスタンス「T10」)およびUE-Bの周期的なトラフィックの時間領域の周期長(たとえば、
図6に示されるような「P」)の両方を含むことができる。UE-Aは、後続のリソースウィンドウにおけるリソースのさらなるセットを示すためのさらなるシグナリングを送信するための第2の時間境界を決定または計算することができる。
図6の実施形態では、協調情報は、UE-Bの周期的なトラフィックについての「リソースのセット」の要求数をさらに含むことができる。たとえば、
図6の実施形態では、「リソースのセット」の要求数は3である。
【0075】
一例では、
図6に示されるように、時間境界(すなわち、時間インスタンス「T10」)および周期長「P」に基づいて、UE-Aが時間インスタンス「T10」と周期長「P」の合計を計算し、(ウィンドウ「W2」内に配置されるリソースのさらなるセットを示す)さらなるシグナリングを送信するための第2の時間境界が時間インスタンス「T11」であると決定することができる。すなわち、時間インスタンス「T11」が第2の時間境界である。
【0076】
UE-Aがウィンドウ「W2」内に配置されるリソースのさらなるセットを首尾よく決定し、さらなるリソースを首尾よく決定した後、UE-Aは、第2の時間境界「T11」の前の任意の時間インスタンスにさらなるリソースについてのさらなるシグナリングを送信することができる。たとえば、UE-Aは、
図6に示されるように、時間インスタンス「n2」にさらなるリソースについてのさらなるシグナリングを送信する。
【0077】
時間インスタンス「n2」でさらなるシグナリングを受信した後、UE-Bは、さらなる送信リソースを選択するために、ウィンドウ「W2」内に配置されるリソースのさらなるセットを考慮に入れることによって、リソース選択手順を実施することができる。
【0078】
同様に、UE-Aは、
図6に示されるように、第2の時間境界(すなわち、時間インスタンス「T11」)と周期長「P」の合計を計算し、(ウィンドウ「W3」内に配置されるリソースの別のセットを示す)別のシグナリングを送信するための第3の時間境界が時間インスタンス「T12」であると決定することができる。すなわち、時間インスタンス「T12」が第3の時間境界である。
【0079】
UE-Aがウィンドウ「W3」内に配置されるリソースの上述の別のセットを首尾よく決定し、別のリソースを首尾よく決定した後、UE-Aは、第3の時間境界「T12」の前の任意の時間インスタンスに上述の別のリソースについての上述の別のシグナリングを送信することができる。たとえば、UE-Aは、
図6に示されるように、時間インスタンス「n3」に上述の別のリソースについての上述の別のシグナリングを送信する。
【0080】
時間インスタンス「n3」で上述の別のシグナリングを受信した後、UE-Bは、別の送信リソースを選択するために、ウィンドウ「W3」内に配置されるリソースの上述の別のセットを考慮に入れることによって、リソース選択手順を実施することができる。
【0081】
図1~
図5、
図7、および
図8に図示され示される実施形態に記載される詳細、特に、時間領域および/または周波数領域のリソースのセットを示すことに関する内容は、
図6に図示され示される実施形態に適用可能である。さらに、
図6の実施形態で記載される詳細は、
図1~
図5、
図7、および
図8の全実施形態に適用可能である。
【0082】
図7は、本出願のいくつかの実施形態による、リソースを要求する例示的なフローチャートを図示する。
【0083】
図7の実施形態では、UE(1)(たとえば、
図1に図示され示されるUE101A)は、協調UEとして機能し、リソース割当モード1で動作すると仮定する。したがって、リソースのセットを送信するUE(1)のための物理的リソースは、BS(2)(たとえば、
図1に図示され示されるBS102)によって割り当てられるべきである。
【0084】
図7に示されるような実施形態では、ステップ701において、UE(1)がBS(2)に要求を送信する。たとえば、UE(1)は、時間領域および/または周波数領域におけるリソースのセットの送信のためリソースを要求するために、専用SRリソースを介して要求を送信することができる。
【0085】
ステップ702において、BS(2)は、BS(2)によって割り当てられるリソースを示すシグナリングまたは構成情報をUE(1)に送信する。次いで、UE(1)は、時間内に別のUE(たとえば、
図1に図示され示されるUE101B)に、示されるリソースについて、リソースのセットを示すシグナリングを送信することができる。
【0086】
図1~
図6、および
図8に図示され示される実施形態に記載される詳細、特に、リソースのセットを示すことに関する内容は、
図7に図示され示される実施形態に適用可能である。さらに、
図7の実施形態で記載される詳細は、
図1~
図6、および
図8の全実施形態に適用可能である。
【0087】
図8は、本出願のいくつかの実施形態による装置の例示的なブロック図を図示する。本出願のいくつかの実施形態では、装置800は、少なくとも、
図2~
図7のいずれか1つに図示された方法を実施できるUEであってよい。
【0088】
図8に示されるように、装置800は、少なくとも1つの受信器802、少なくとも1つの送信器804、少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読媒体806、ならびに少なくとも1つの受信器802、少なくとも1つの送信器804、および少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読媒体806に結合される少なくとも1つのプロセッサ808を含むことができる。
【0089】
図8では、少なくとも1つの受信器802、少なくとも1つの送信器804、少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読媒体806および少なくとも1つのプロセッサ808などの要素は単数で記載されるが、単数への限定が明示的に述べられない限り、複数が意図される。本出願のいくつかの実施形態では、少なくとも1つの受信器802と少なくとも1つの送信器804は、送受信器などの単一のデバイスに組み合わされる。本出願のある実施形態では、装置800は、入力デバイス、メモリ、および/または他の構成要素をさらに含むことができる。
【0090】
本出願のいくつかの実施形態では、少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読媒体806は、たとえば
図2~
図7のいずれかの図面に記載されるように、少なくとも1つの受信器802、少なくとも1つの送信器804、および少なくとも1つのプロセッサ808とともに、方法の動作を実施するようにプログラムされるコンピュータ実行可能命令をその上に記憶していてよい。
【0091】
当業者は、本明細書に開示される態様に関係して記載される方法の動作を、ハードウェアで直接具体化すること、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールで具体化すること、または2つの組合せで具体化することができると理解されよう。ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD-ROM、または当技術分野で知られている任意の他の形態の記憶媒体に常駐することができる。加えて、いくつかの態様では、方法の動作は、コンピュータプログラム製品の中に組み込むことができる非一時的コンピュータ可読媒体上のコードおよび/または命令のうちの1つまたは任意の組合せまたはセットとして常駐することができる。
【0092】
本開示がその特定の実施形態で記載されている一方で、多くの変更形態、修正形態、および変形形態が当業者に明らかであり得ることが明白である。たとえば、本実施形態の様々な構成要素は、他の実施形態において、交換、追加、または置き換えることができる。また、必ずしも、各図の要素の全部が開示される実施形態の動作に必要であるわけではない。たとえば、当業者は、独立請求項の要素を単純に採用することによって、本開示の教示を作り使用することが可能になるであろう。したがって、本明細書に記載される本開示の実施形態は、説明を意図しており、限定することは意図していない。様々な変更を、本開示の精神および範囲から逸脱することなく行うことができる。
【0093】
本文書において、「含む(include)」、「含む(including)」といった用語またはそれらの任意の他の変形形態は、非排他的含有をカバーすることが意図され、その結果、要素のリストを含むプロセス、方法、物品、または装置はそれらの要素だけを含まず、明示的にリスト化されない他の要素またはそのようなプロセス、方法、物品、または装置に固有の他の要素を含むことができる。「a」、「an」などが前に付く要素は、制限無しに、要素を含むプロセス、方法、物品、または装置中に追加で同じ要素が存在することを除外しない。また、「別の」という用語は、少なくとも第2のものまたはそれ以上と規定される。本明細書で使用する「有する(having)」などの用語は、「含む(including)」と規定される。
【符号の説明】
【0094】
100 ワイヤレス通信システム
101 ユーザ機器、UE
101A UE
101B UE
102 基地局、BS
200 方法
400 方法
800 装置
802 受信器
804 送信器
806 非一時的コンピュータ可読媒体
808 プロセッサ