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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-17
(45)【発行日】2025-01-27
(54)【発明の名称】シート材容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 30/16 20060101AFI20250120BHJP
【FI】
B65D30/16 K
B65D30/16 H
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2023546650
(86)(22)【出願日】2021-09-09
(86)【国際出願番号】 JP2021033180
(87)【国際公開番号】W WO2023037474
(87)【国際公開日】2023-03-16
【審査請求日】2024-06-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137589
【弁理士】
【氏名又は名称】右田 俊介
(72)【発明者】
【氏名】倉賀野 彰
(72)【発明者】
【氏名】大島 貴宏
【審査官】種子島 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2021/049385(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/110865(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 30/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
相互に積層された外側フィルム層と内側フィルム層とを有する本体構成シート材を含む1又は複数のシート材を備えて構成されているシート材容器であって、
内容物を収容する収容領域と、
前記本体構成シート材により構成されており、前記収容領域を包囲している容器本体と、
を備え、
前記容器本体は、胴部及び底部を有し、
前記本体構成シート材は、
前記胴部の正面側を構成する正面側構成シート部と、
前記胴部の背面側を構成する背面側構成シート部と、
前記底部を構成する底面構成シート部と、
を有し、
前記容器本体は、
前記正面側構成シート部の一方の側縁と前記背面側構成シート部の一方の側縁とが間接又は直接に接合された第1側縁シール部と、
前記底面構成シート部における前記正面側構成シート部側の半部の一方の側縁と前記正面側構成シート部の前記一方の側縁とが間接又は直接に接合された第1正面下側側縁シール部と、
前記底面構成シート部における前記背面側構成シート部側の半部の一方の側縁と前記背面側構成シート部の前記一方の側縁とが間接又は直接に接合された第1背面下側側縁シール部と、
前記正面側構成シート部の横幅方向における中央部により構成された正面部と、
前記正面側構成シート部において前記正面部の一側方に隣接する部分を含んで構成されているとともに前記正面部に対して交差する第1側面部と、
を有し、
前記本体構成シート材は、前記外側フィルム層と前記内側フィルム層とが接合された本体シール部と、前記外側フィルム層と前記内側フィルム層とが部分的に非接合とされた非接合部と、を有するとともに、前記非接合部における前記外側フィルム層と前記内側フィルム層との層間に充填材を封入可能な充填部を有し、
前記充填部は、それぞれ前記正面部と前記第1側面部との境界に沿って上下に延在する第1上下延在部及び第2上下延在部を有し、
前記第1上下延在部及び前記第2上下延在部の上端は、前記第1側縁シール部、前記第1正面下側側縁シール部及び前記第1背面下側側縁シール部の交点よりも上方に位置しており、
前記第1上下延在部及び前記第2上下延在部の下端は、前記第1側縁シール部、前記第1正面下側側縁シール部及び前記第1背面下側側縁シール部の交点よりも下方に位置しているシート材容器。
【請求項2】
前記容器本体は、
前記正面側構成シート部の他方の側縁と前記背面側構成シート部の他方の側縁とが間接又は直接に接合された第2側縁シール部と、
前記底面構成シート部における前記正面側構成シート部側の半部の他方の側縁と前記正面側構成シート部の前記他方の側縁とが間接又は直接に接合された第2正面下側側縁シール部と、
前記底面構成シート部における前記背面側構成シート部側の半部の他方の側縁と前記背面側構成シート部の前記他方の側縁とが間接又は直接に接合された第2背面下側側縁シール部と、
前記正面側構成シート部において前記正面部の他側方に隣接する部分を含んで構成されているとともに前記正面部に対して交差する第2側面部と、
を有し、
前記充填部は、それぞれ前記正面部と前記第2側面部との境界に沿って上下に延在する第3上下延在部及び第4上下延在部を有し、
前記第3上下延在部及び前記第4上下延在部の上端は、前記第2側縁シール部、前記第2正面下側側縁シール部及び前記第2背面下側側縁シール部の交点よりも上方に位置しており、
前記第3上下延在部及び前記第4上下延在部の下端は、前記第2側縁シール部、前記第2正面下側側縁シール部及び前記第2背面下側側縁シール部の交点よりも下方に位置している請求項1に記載のシート材容器。
【請求項3】
前記正面部の上部には、横幅方向に延在する折り目が形成されており、
前記第1上下延在部及び前記第2上下延在部の上端、及び、前記第3上下延在部及び前記第4上下延在部の上端は、前記折り目よりも上方に位置している請求項2に記載のシート材容器。
【請求項4】
前記第1上下延在部及び前記第3上下延在部は、前記正面部に配置されており、
前記第1上下延在部及び前記第3上下延在部の下端は、前記正面部の下端に達している請求項2又は3に記載のシート材容器。
【請求項5】
前記底部は、当該シート材容器が水平な載置面に載置されて自立する際に接地する接地面を有し、
前記第1上下延在部及び前記第3上下延在部は、前記接地面の直上に配置される請求項2からのいずれか一項に記載のシート材容器。
【請求項6】
前記第2上下延在部は、前記第1側面部に配置されており、
前記第4上下延在部は、前記第2側面部に配置されている請求項2からのいずれか一項に記載のシート材容器。
【請求項7】
前記第1側縁シール部は、前記第1側面部の幅方向における中央部に配置されており、
前記第2側縁シール部は、前記第2側面部の幅方向における中央部に配置されている請求項2からのいずれか一項に記載のシート材容器。
【請求項8】
前記底部は、当該シート材容器が水平な載置面に載置されて自立する際に接地する接地面を有し、
前記充填部は、前記接地面の周縁に沿って環状に形成されている環状充填部を有し、
前記第1上下延在部の下端と、前記第3上下延在部の下端とは、それぞれ前記環状充填部に連通しており、
前記第1側縁シール部、前記第2側縁シール部、前記第1正面下側側縁シール部、前記第1背面下側側縁シール部、第2正面下側側縁シール部、及び、前記第2背面下側側縁シール部を剥がして、前記本体構成シート材を平面状に展開した状態では、
前記第1上下延在部と、前記環状充填部の一部分と、が互いに直線状に配置され、
前記第3上下延在部と、前記環状充填部の他の一部分と、が互いに直線状に配置される請求項2からのいずれか一項に記載のシート材容器。
【請求項9】
前記容器本体は、天マチを有する請求項1からのいずれか一項に記載のシート材容器。
【請求項10】
前記容器本体は略多角柱形状である請求項に記載のシート材容器。
【請求項11】
前記第1上下延在部の上端部と前記第2上下延在部の上端部とは相互に連通しており、
前記第1上下延在部の下端部と前記第2上下延在部の下端部とは相互に連通している請求項1から1のいずれか一項に記載のシート材容器。
【請求項12】
前記正面部と前記第1側面部との境界部である第1辺状部は、前記第1上下延在部と前記第2上下延在部とに囲まれた凹面を含んでいる請求項1から1のいずれか一項に記載のシート材容器。
【請求項13】
当該シート材容器は、更に、フィルムにより構成されていて前記容器本体の外面を覆う保護カバーを備えている請求項1から1のいずれか一項に記載のシート材容器。
【請求項14】
前記保護カバーの上端は、前記第1側縁シール部、前記第1正面下側側縁シール部及び前記第1背面下側側縁シール部の前記交点よりも上方に位置しており、
前記保護カバーの下端は、前記第1側縁シール部、前記第1正面下側側縁シール部及び前記第1背面下側側縁シール部の前記交点よりも下方に位置している請求項1に記載のシート材容器。
【請求項15】
前記容器本体の内側に配置されていて前記収容領域を画定している内袋を更に備え、
前記内袋は、前記1又は複数のシート材のうち最内層のシート材である内袋構成シート材により構成されている請求項1から1のいずれか一項に記載のシート材容器。
【請求項16】
前記本体構成シート材は、前記外側フィルム層と前記内側フィルム層とを含む複数のフィルム層を備えて構成されており、
前記複数のフィルム層は、互いに共通の樹脂材料により構成されており、
前記共通の樹脂材料は、分子の化学構造における主鎖および側鎖の分子骨格が互いに共通している請求項1から15のいずれか一項に記載のシート材容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート材容器に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のフィルムが積層され、その層間に空気などの充填材が封入された構造のシート材容器は、例えば特許文献1に記載されている。特許文献1のシート材容器は、内容物を収容する収容領域を有する容器と、容器を覆っている袋体と、袋体を構成している袋体構成シート材と、を備え、容器は、正面部と背面部とを有する一方で、側面部を有してない。
袋体構成シート材は、複数のフィルム層どうしが接合している接合部と、複数のフィルム層どうしが部分的に非接合とされた非接合部と、を備え、非接合部における複数のフィルム層どうしの層間に充填材が封入されて充填部が形成されている。
先行技術文献
特許文献1 特許第6193535号公報
【発明の概要】
【0003】
本発明は、相互に積層された外側フィルム層と内側フィルム層とを有する本体構成シート材を含む1又は複数のシート材を備えて構成されているシート材容器であって、内容物を収容する収容領域と、前記本体構成シート材により構成されており、前記収容領域を包囲している容器本体と、を備え、前記容器本体は、胴部及び底部を有し、前記本体構成シート材は、前記胴部の正面側を構成する正面側構成シート部と、前記胴部の背面側を構成する背面側構成シート部と、前記底部を構成する底面構成シート部と、を有し、前記容器本体は、前記正面側構成シート部の一方の側縁と前記背面側構成シート部の一方の側縁とが間接又は直接に接合された第1側縁シール部と、前記底面構成シート部における前記正面側構成シート部側の半部の一方の側縁と前記正面側構成シート部の前記一方の側縁とが間接又は直接に接合された第1正面下側側縁シール部と、前記底面構成シート部における前記背面側構成シート部側の半部の一方の側縁と前記背面側構成シート部の前記一方の側縁とが間接又は直接に接合された第1背面下側側縁シール部と、前記正面側構成シート部の横幅方向における中央部により構成された正面部と、前記正面側構成シート部において前記正面部の一側方に隣接する部分を含んで構成されているとともに前記正面部に対して交差する第1側面部と、を有し、前記本体構成シート材は、前記外側フィルム層と前記内側フィルム層とが接合された本体シール部と、前記外側フィルム層と前記内側フィルム層とが部分的に非接合とされた非接合部と、を有するとともに、前記非接合部における前記外側フィルム層と前記内側フィルム層との層間に充填材を封入可能な充填部を有し、
前記充填部は、それぞれ前記正面部と前記第1側面部との境界に沿って上下に延在する第1上下延在部及び第2上下延在部を有し、前記第1上下延在部及び前記第2上下延在部の上端は、前記第1側縁シール部、前記第1正面下側側縁シール部及び前記第1背面下側側縁シール部の交点よりも上方に位置しており、前記第1上下延在部及び前記第2上下延在部の下端は、前記第1側縁シール部、前記第1正面下側側縁シール部及び前記第1背面下側側縁シール部の交点よりも下方に位置しているシート材容器。
シート材容器に関する。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1】第1実施形態に係る充填材を封入した後のシート材容器の斜視図である。
図2】第1実施形態に係る充填材を封入した後のシート材容器の正面図である。
図3】第1実施形態に係る充填材を封入した後のシート材容器の背面図である。
図4】第1実施形態に係る充填材を封入した後のシート材容器の側面図である。
図5】第1実施形態に係る充填材を封入した後のシート材容器の底面図である。
図6】本体構成シート材の外側フィルム層と内側フィルム層とを示す分解斜視図である。
図7】内袋構成シート材と本体構成シート材とを示す分解斜視図である。
図8】相互に積層された内袋構成シート材と本体構成シート材とを有する容器構成シート材を示す平面図である。
図9】第1実施形態の変形例に係る充填材を封入した後のシート材容器の斜視図である。
図10】第1実施形態の変形例に係る充填材を封入した後のシート材容器の側面図である。
図11】相互に積層された内袋構成シート材と本体構成シート材とを有する容器構成シート材を示す平面図である。
図12】第2実施形態に係る充填材を封入した後のシート材容器の正面図である。
図13】第2実施形態に係る充填材を封入した後のシート材容器の側面図である。
図14図14(a)及び図14(b)は第2実施形態に係る充填材を封入した後のシート材容器の模式的な横断面図であり、このうち図14(a)は保護カバーで容器本体を覆う前の状態を示し、図14(b)は保護カバーで容器本体を覆っている状態を示す。
【発明の詳細な説明】
【0005】
本願発明者の検討によれば、特許文献1のシート材容器は、構造的強度について、なお改善の余地がある。
【0006】
本発明は、より良好な構造的強度を実現することが可能な構造のシート材容器に関する。
【0007】
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は適宜に省略する。
【0008】
〔第1実施形態〕
先ず、図1から図8を用いて第1実施形態を説明する。
図1及び図2に示すように、本実施形態に係るシート材容器100は、相互に積層された外側フィルム層と内側フィルム層とを有する本体構成シート材21を含む1又は複数のシート材を備えて構成されているシート材容器であって、内容物(不図示)を収容する収容領域17と、本体構成シート材21により構成されており、収容領域17を包囲している容器本体20と、を備えている。
容器本体20は、正面側構成シート部31の一方の側縁31aと背面側構成シート部32の一方の側縁32aとが間接又は直接に接合された第1側縁シール部46と、底面構成シート部33における正面側構成シート部31側の半部33aの一方の側縁と正面側構成シート部31の一方の側縁31aとが間接又は直接に接合された第1正面下側側縁シール部48aと、底面構成シート部33における背面側構成シート部32側の半部33bの一方の側縁と背面側構成シート部32の一方の側縁32aとが間接又は直接に接合された第1背面下側側縁シール部49aと、正面側構成シート部31の横幅方向における中央部により構成された正面部20aと、正面側構成シート部31において正面部20aの一側方に隣接する部分を含んで構成されているとともに正面部20aに対して交差する第1側面部20cと、正面側構成シート部31において正面部20aの他側方に隣接する部分を含んで構成されているとともに正面部20aに対して交差する第2側面部20dと、を有する。
更に、本体構成シート材21は、外側フィルム層22と内側フィルム層23とが接合された本体シール部26と、外側フィルム層22と内側フィルム層23とが部分的に非接合とされた非接合部24と、を有するとともに、非接合部24における外側フィルム層22と内側フィルム層23との層間に充填材を封入可能な充填部60を有する。
充填部60は、それぞれ正面部20aと第1側面部20cとの境界に沿って上下に延在する第1上下延在部61a及び第2上下延在部61bを有する。
第1上下延在部61a及び第2上下延在部61bの上端は、第1側縁シール部46、第1正面下側側縁シール部48a及び第1背面下側側縁シール部49aの交点46bよりも上方に位置しており、第1上下延在部61a及び第2上下延在部61bの下端は、第1側縁シール部46、第1正面下側側縁シール部48a及び第1背面下側側縁シール部49aの交点46bよりも下方に位置している。
なお、ここでいう「間接又は直接に接合された」とは、シート部どうしの間に他の層が介在していてもよいし、他の層を介さずに直にシート部どうしが接合されていてもよい。
【0009】
本実施形態によれば、シート材容器100は、それぞれ正面部20aと第1側面部20cとの境界に沿って上下に延在する第1上下延在部61a及び第2上下延在部61bを有する。これにより、例えば、正面部20aと第1側面部20cとの境界に沿って上下に延在する上下延在部が1つである場合と比較して、上下方向に加わる力に対するシート材容器100の耐変形性をより向上させることができるので、例えば、落下等による衝撃がシート材容器100に加わった場合でも、シート材容器100の変形(潰れ)をより確実に抑制することができる。
更には、第1上下延在部61a及び第2上下延在部61bの上端は、第1側縁シール部46、第1正面下側側縁シール部48a及び第1背面下側側縁シール部49aの交点46bよりも上方に位置しており、第1上下延在部61a及び第2上下延在部61bの下端は、第1側縁シール部46、第1正面下側側縁シール部48a及び第1背面下側側縁シール部49aの交点46bよりも下方に位置している。
これにより、第1上下延在部61a及び第2上下延在部61bの各々によって、交点46bの周辺が補強されている。このため、落下等による衝撃がシート材容器100に加わった場合でも、第1上下延在部61a及び第2上下延在部61bによって、交点46bに加わる衝撃を緩和させることができる。この結果、正面側構成シート部31の一方の側縁31aと背面側構成シート部32の一方の側縁32aとが接合された状態、底面構成シート部33における正面側構成シート部31側の半部33aの一方の側縁と正面側構成シート部31の一方の側縁31aとが接合された状態、及び、底面構成シート部33における背面側構成シート部32側の半部33bの一方の側縁と背面側構成シート部32の一方の側縁32aとが接合された状態を良好に維持することができる。
【0010】
また、本実施形態の場合、後述するように、容器本体20は、第2側面部20dと、第2側縁シール部47と、第2正面下側側縁シール部48bと、第2背面下側側縁シール部49bと、を更に備えている。そして、充填部60は、第1側面部20c側と同様に、正面部20aと第2側面部20dとの境界に沿って互いに並列に上下に延在する第3上下延在部61c及び第4上下延在部61dを有する。第3上下延在部61c及び第4上下延在部61dの上端は、第2側縁シール部47と、第2正面下側側縁シール部48bと、第2背面下側側縁シール部49bとの交点47bよりも上方に位置しており、第3上下延在部61c及び第4上下延在部61dの下端は、第2側縁シール部47と、第2正面下側側縁シール部48bと、第2背面下側側縁シール部49bとの交点47bよりも下方に位置している。
これにより、第3上下延在部61c及び第4上下延在部61dの各々によって、交点47bの周辺が補強されている。このため、落下等による衝撃がシート材容器100に加わった場合でも、第3上下延在部61c及び第4上下延在部61dによって、当該交点47bに加わる衝撃を緩和させることができる。よって、シート材容器100のより良好な構造的強度を実現することができる。
【0011】
本発明において、内容物の種類は、特に限定されない。内容物としては、例えば、シャンプー、リンス、ボディーソープ、洗剤、漂白剤、柔軟剤、飲料、食品の他に、エンジンオイル、化学薬品などが挙げられる。
また、内容物は、液体(ペースト状のものを含む)であっても良いし、固体(例えば、粒状のもの(顆粒状のものを含む)、或いは粉状のものなど)であっても良い。
本実施形態の場合、内容物は、例えば、液体である。
内容物が液体の場合には、内容物の粘度は、例えば30℃において好ましくは1mPa・s以上12万mPa・s以下(B型粘度計で測定。例えば東機産業社製ビスコメーターTV-10又はビスコメーターTVB-10等で測定)であり、より好ましくは1mPa・s以上6万mPa・s以下である。
【0012】
容器本体20は、例えば、胴部11と、胴部11の上側に配置されている天マチ14と、胴部11の下側に配置されている底部13と、を有する袋状に形成されている。ただし、本発明は、この例に限らず、容器本体20は、天マチ14を有していなくてもよい。
【0013】
容器本体20は、収容領域17を包囲している。本実施形態の場合、容器本体20は、内袋40を包囲している。すなわち、本実施形態の場合、シート材容器100は、容器本体20の内側に配置されている内袋40を備え、内袋40が収容領域17を有する。内袋40は、1又は複数のシート材のうち最内層のシート材である内袋構成シート材41により構成されている。
容器本体20はシート材容器100の外殻を構成している。以下では、容器本体20の胴部11、天マチ14及び底部13のことを、シート材容器100の胴部11、天マチ14及び底部13と称する場合がある。
シート材容器100は、底部13が水平な載置面に載置された状態で自立可能となっている。より詳細には、底部13は、例えば、シート材容器100が水平な載置面に載置されて自立する際に接地する接地面13a(底マチ)を有する。
なお、本発明において、必ずしも接地面13aの全面が載置面に接地することに限定されず、例えば、接地面13aの一部分が載置面から浮いていてもよい。そして、接地面13aは、載置面に当接する点のすべてを最短距離で包絡する包絡線の内側の範囲である。より詳細には、図8に示すように、接地面13aとは、正面側構成シート部31と底面構成シート部33との境界線(後述する折り曲げ線81に相当)、及び、背面側構成シート部32と底面構成シート部33との境界線(後述する折り曲げ線82に相当)よりも底面構成シート部33の中心側の部分であり、平面視において、底部13の外形線よりも内側に収まっている。なお、図2及び図3に示すように、底部13の周縁は、外方に向けて立ち上がっているので、典型的には、接地面13aとはならない。
【0014】
本実施形態において、シート材容器100の各構成要素の位置関係(上下関係等)の説明は、特に断りのない場合は、シート材容器100を図1及び図2のように自立させた状態での位置関係を説明したものである。ただし、これらの説明における位置関係は、シート材容器100の使用時や製造時の位置関係とは必ずしも一致しない。
また、シート材容器100の各構成要素の位置関係について、各図に示される位置関係を説明する場合もある。
シート材容器100の正面側(図2における紙面の手前側)を前方、シート材容器100の背面側(図2における紙面の奥側)を後方といい、シート材容器100の正面に向かって左側(図2における左側)を左方、シート材容器100の正面に向かって右側(図2における右側)を右方という。また、シート材容器100の左右方向を横幅方向という場合がある。
【0015】
容器本体20は、一例として、略多角柱形状である。
これにより、容器本体20の側周面が、3つ以上の面状部を有する構造となるので、シート材容器100において、不図示の標示部及び模様等の印刷を施すことが可能な面をより多く確保することができる。よって、より高い自由度で、シート材容器100の外観をデザインすることができる。また、収容領域17の内容積を十分に確保することができる。
本実施形態の場合、図1及び図2に示すように、容器本体20は、一例として、3対の対向面を有しており、このうち互いに隣接する面どうしが互いに略直交している略直方体形状(略四角柱形状)である。
このため、複数のシート材容器100を並べて配置する際に、互いに隣接するシート材容器100どうしの間の間隙をより小さくすることができる。よって、より多くのシート材容器100を一度に輸送したり、複数のシート材容器100をよりコンパクトに収納したりすることができる。
より詳細には、容器本体20の平断面形状は、例えば、略正方形状となっている。
また、ここでいう面状部とは、それぞれ複数の角部により囲まれている領域を意味している。本実施形態においては、面状部は、それぞれ4つの角部により囲まれている。
【0016】
より詳細には、容器本体20は、例えば、正面部20a、第1側面部20c、底部13及び天マチ14に加えて、背面側構成シート部32の横幅方向における中央部により構成された背面部20bと、正面側構成シート部31において正面部20aの他側方に隣接する部分を含んで構成されているとともに正面部20aに対して交差する第2側面部20dと、を有する。
ただし、発明において、容器本体20は、略直方体形状に限らず、例えば、略三角柱形状や略五角柱形状等の多角柱形状であってもよい。
【0017】
図3に示すように、胴部11は、正面部20aと、第1側面部20cと、背面部20bと、第2側面部20dと、の4つの面状部を有する略矩形筒状である。正面部20aの幅寸法(左右寸法)、第1側面部20cの幅寸法(前後寸法)、背面部20bの幅寸法(左右寸法)及び第2側面部20dの幅寸法(前後寸法)は、例えば、互いに略同等に設定されている。
正面部20aと背面部20bとは、前後方向において、収容領域17を間に挟んで互いに略平行となるように対向している。正面部20aは正面側に位置しており、背面部20bは背面側に位置している。
第1側面部20cと第2側面部20dとは、左右方向において、収容領域17を間に挟んで互いに略平行となるように対向している。第1側面部20cは左側に位置しており、第2側面部20dは右側に位置している。
第1側面部20cの前縁は、正面部20aの左側縁と接続されており、第1側面部20cの後縁は、背面部20bの左側縁と接続されている。第2側面部20dの前縁は、正面部20aの右側縁と接続されており、第2側面部20dの後縁は、背面部20bの右側縁と接続されている。すなわち、第1側面部20cは、正面部20aの左側縁と背面部20bの左側縁とを相互に繋いでいる。第2側面部20dは、正面部20aの右側縁と背面部20bの右側縁とを相互に繋いでいる。
天マチ14と底部13とは、上下方向において、収容領域17を間に挟んで互いに対向している。
天マチ14の前縁は、正面部20aの上縁と接続されており。天マチ14の後縁は、背面部20bの上縁と接続されている。底部13の前縁は、正面部20aの下縁と接続されており、底部13の後縁は、背面部20bの下縁と接続されている。すなわち、天マチ14は、正面部20aの上縁と背面部20bの上縁とを相互に繋いでいるとともに、第1側面部20cの上縁と第2側面部20dの上縁とを相互に繋いでいる。天マチ14には、収容領域17から内容物を吐出する吐出口が設けられている。
底部13は、正面部20aの下縁と背面部20bの下縁とを相互に繋いでいるとともに、第1側面部20cの下縁と第2側面部20dの下縁とを相互に繋いでいる。
【0018】
前後方向に視た正面部20a及び背面部20bの形状は、例えば、上下に長尺な略矩形状である。同様に、左右方向に視た第1側面部20c及び第2側面部20dの形状は、例えば、上下に長尺な略矩形状である。
正面部20aと背面部20bとは、例えば、互いに前後対称形状となっている。第1側面部20cと第2側面部20dとは、例えば、互いに左右対称形状となっている。
天マチ14の平面形状は、特に限定されないが、本実施形態の場合、天マチ14は、略矩形状に形成されている。同様に、底部13の平面形状は、特に限定されないが、本実施形態の場合、底部13は、略矩形状に形成されている。
【0019】
本実施形態の場合、第1側面部20cは、正面側構成シート部31において正面部20aの一側方に位置する部分と、背面側構成シート部32において背面部20bの一側方に位置する部分と、により構成されている。
第2側面部20dは、正面側構成シート部31において正面部20aの他側方に位置する部分と、背面側構成シート部32において背面部20bの他側方に位置する部分と、により構成されている。
【0020】
また、容器本体20は、例えば、正面部20aと第1側面部20cとの境界部である第1辺状部16aと、正面部20aと第2側面部20dとの境界部である第2辺状部16bと、背面部20bと第1側面部20cとの境界部である第3辺状部16cと、背面部20bと第2側面部20dとの境界部である第4辺状部16dと、を有する。
正面部20aと第1側面部20cとの境界部である第1辺状部16aは、第1上下延在部61aと第2上下延在部61bとに囲まれた凹面を含んでいる。
より詳細には、第1辺状部16a~第4辺状部16dの各々は、例えば、凹面を含んでおり、当該2つの面状部どうしが共有する2つの角部の間に亘って延在している。より詳細には、第1辺状部16a~第4辺状部16dの長手方向における過半部は、それぞれ充填部60ではない非充填部67となっており、当該非充填部67が凹面となっている。
これにより、第1辺状部16a~第4辺状部16dが面取り形状となるので、シート材容器100の把持感を向上させることができる。
【0021】
また、本実施形態の場合、第1側面部20cと第2側面部20dとは、互いに左右対称形状となっている。
より詳細には、図1に示すように、容器本体20は、例えば、第1側縁シール部46と、第1正面下側側縁シール部48aと、第1背面下側側縁シール部49aと、に加えて、正面側構成シート部31の他方の側縁31bと背面側構成シート部32の他方の側縁32bとが間接又は直接に接合された第2側縁シール部47と、底面構成シート部33における正面側構成シート部31側の半部33aの他方の側縁と正面側構成シート部31の他方の側縁31bとが間接又は直接に接合された第2正面下側側縁シール部48bと、底面構成シート部33における背面側構成シート部32側の半部33bの他方の側縁と背面側構成シート部32の他方の側縁32bとが間接又は直接に接合された第2背面下側側縁シール部49bと、を有する。
本実施形態の場合、第1正面下側側縁シール部48a及び第1背面下側側縁シール部49aは、第1側縁シール部46の下端に連接されているとともに、当該下端から二股に分岐している。
同様に、第2正面下側側縁シール部48b及び第2背面下側側縁シール部49bは、第2側縁シール部47の下端に連接されているとともに、当該下端から二股に分岐している。
【0022】
図4に示すように、第1側縁シール部46は、例えば、第1側面部20cの幅方向における中央部に配置されている。同様に、図1に示すように、第2側縁シール部47は、第2側面部20dの幅方向における中央部に配置されている。
これにより、シート材容器100を把持した際に、使用者の手の平に対して第1側縁シール部46及び第2側縁シール部47が当たりにくくなるので、シート材容器100の把持性を向上させることができる。
なお、詳細は後述するが、本実施形態の場合、第1側面部20cの幅方向における中央部とは、前後方向における中央部であり、第2側面部20dの幅方向における中央部とは、前後方向における中央部である。
【0023】
更に、容器本体20は、天マチ14の周縁に沿って配置されている天マチ周縁シール部45を備えている。天マチ周縁シール部45は、例えば、天マチ14を周回状に取り囲んでいる。
第1側縁シール部46、第2側縁シール部47及び天マチ周縁シール部45は、例えば、容器本体20の外方に向けて起立している。第1側縁シール部46、第2側縁シール部47及び天マチ周縁シール部45の延在方向に対して直交する方向における第1側縁シール部46、第2側縁シール部47及び天マチ周縁シール部45の寸法(第1側縁シール部46、第2側縁シール部47及び天マチ周縁シール部45の幅寸法)は、例えば、略一定となっている。
第1側縁シール部46、第2側縁シール部47及び天マチ周縁シール部45は、外側フィルム層22と内側フィルム層23とを接合する本体シール部26を有する。
【0024】
容器本体20は、本体構成シート材21(図6図8参照)を折り曲げて当該本体構成シート材21の周縁部における一部分どうしを相互に接合(本実施形態の場合、内袋40を構成する内袋構成シート材41を介して相互に接合)することによって構成されている。
【0025】
本実施形態の場合、内袋40は、内袋構成シート材41(図7参照)の周縁部における一部分どうしを相互に接合することにより構成されている。すなわち、内袋構成シート材41を折り曲げて当該内袋構成シート材41の周縁部どうしを相互に接合することによって、袋状の内袋40が構成されている。内袋40は、容器本体20によって覆われている。内袋40は、当該内袋40の内部に収容領域17を有する。
ただし、本発明において、収容領域17を画定する内容器が容器本体20の内側に配置されている場合に、その内容器は、シート材により構成された内袋40に限らず、例えば、ブロー成形により構成されたものであってもよい。
【0026】
内袋40の形状は、特に限定されないが、本実施形態の場合、内袋40は容器本体20と同様の形状に形成されている。
内袋40は、収容領域17を間に挟んで正面側に位置する第1主面部(不図示)と背面側に位置する第2主面部(不図示)とを有する。
【0027】
シート材容器100は、例えば、天マチ14(天面部)に設けられているスパウト15と、スパウト15に装着(例えば着脱可能に装着)されているキャップ部70と、を備えている。スパウト15は、天マチ14を貫通して設けられている。
より詳細には、スパウト15は、例えば、図2に示すように、スパウト15は、注出口15cを有する筒部15aと、筒部15aの基端から外周囲に張り出しているフランジ部15bと、を有する。筒部15aは、円筒状に形成されている。筒部15aの外周面にはねじ山が形成されており、筒部15aは雄ねじ形状となっている。筒部15aは、天マチ14を上下に貫通しており、天マチ14から上方に突出している。フランジ部15bは、筒部15aの軸方向における一端(下端)において当該軸方向に対して直交する配置で設けられている。
フランジ部15bは、例えば、内袋構成シート材41において、胴部11の天マチ14に沿って配置されている部分の内面又は外面に設けられている。フランジ部15bの下面は、例えば、天マチ14において内袋構成シート材41の内面に対して接合されている。ただし、本発明は、この例に限らず、フランジ部15bは、本体構成シート材21の内側フィルム層23に対して直接接合されていてもよい。
筒部15aの先端の開口が、収容領域17から内容物を吐出する注出口15cである。
【0028】
キャップ部70は、例えば、筒部15aに対して着脱可能に螺合している雌ねじ形状の筒状部である装着部71と、装着部71に固定されているポンプ部72と、ポンプ部72から下方に延出しているディップチューブ77と、ポンプ部72に対して昇降可能にポンプ部72に保持されているヘッド部73と、を備えている。
ヘッド部73は、例えば、ポンプ部72から上方に突出している支持筒部74と、当該ヘッド部73の上端部から水平に突出しているノズル部75と、を有し、ノズル部75の先端には内容物を吐出する吐出口76が形成されている。
キャップ部70内における内容物の流路(不図示)が、スパウト15を上下に貫通する状態に配置されている。
本実施形態の場合、一例として、ヘッド部73がポンプ部72に対して下方に押し込まれる(押下される)と、ポンプ部72の働きによって内容物が吐出口76から吐出されるようになっている。
ここで、上述のように、本実施形態の場合、第1上下延在部61a及び第2上下延在部61bによって、上下方向に加わる力に対するシート材容器100の耐変形性をより向上させることができる。このため、ヘッド部73がポンプ部72に対して押し込まれたとしても、シート材容器100の変形(潰れ)を抑制することができる。
ただし、例えば、ポンプ部72が水平方向に押圧されることによって、内容物が吐出口76から吐出されるようになっていてもよい。
【0029】
本実施形態の場合、正面部20aに形成されている充填部60と、背面部20bに形成されている充填部60とは、互いに前後対称形状となっている。同様に、第1側面部20cに形成されている充填部60と、第2側面部20dに形成されている充填部60とは、互いに左右対称形状となっている。
より詳細には、充填部60は、例えば、第1上下延在部61a及び第2上下延在部61bに加えて、それぞれ正面部20aと第2側面部20dとの境界に沿って上下に延在する第3上下延在部61c及び第4上下延在部61dと、それぞれ背面部20bと第1側面部20cとの境界に沿って上下に延在する第5上下延在部62a及び第6上下延在部62bと、それぞれ背面部20bと第2側面部20dとの境界に沿って上下に延在する第7上下延在部62c及び第8上下延在部62dと、を有する。
図2及び図4に示すように、第1上下延在部61a及び第2上下延在部61bは、例えば、第1辺状部16aに沿って互いに並列に上下に延在している。
図2に示すように、第3上下延在部61c及び第4上下延在部61dは、例えば、第2辺状部16bに沿って互いに並列に上下に延在している。
図3に示すように、第5上下延在部62a及び第6上下延在部62bは、例えば、第3辺状部16cに沿って互いに並列に上下に延在している。
第7上下延在部62c及び第8上下延在部62dは、例えば、第4辺状部16dに沿って互いに並列に上下に延在している。
このように、シート材容器100は、対応する辺状部に沿って互いに並列に上下に延在する一対の上下延在部(第1上下延在部61a~第4上下延在部61d及び第5上下延在部62a~第8上下延在部62d)を備える構造となるので、上下方向に加わる力に対するシート材容器100の耐変形性をより向上させることができる。よって、落下等による衝撃がシート材容器100に加わった場合でも、シート材容器100の変形(潰れ)をより確実に抑制することができる。
なお、ここで、「並列」とは、必ずしも平行でなくともよく、例えば、隣り合う2つの上下延在部どうしが、互いに略ハの字状(略V字状)に延在していてもよい。
【0030】
より詳細には、第1上下延在部61a及び第3上下延在部61cは、例えば、正面部20aに配置されている。第2上下延在部61bは、第1側面部20cに配置されており、第4上下延在部61dは、第2側面部20dに配置されている。
これにより、第1側面部20c及び第2側面部20dの各々に充填部60(第2上下延在部61b及び第4上下延在部61d)が配置されている構成となるので、落下等によってシート材容器100に対して上下方向に力が加わった場合でも、シート材容器100が左右方向に変形してしまう(潰れてしまう)ことを抑制できる。
また、正面部20a、第1側面部20c及び第2側面部20dの各々において、指を掛けて容器本体20を容易に把持できるようになっている部分(以下、指掛かり部)となる凹凸(第1上下延在部61a~第4上下延在部61d)を確保できるので、シート材容器100の把持性を向上させることができる。
同様に、第5上下延在部62a及び第7上下延在部62cは、例えば、背面部20bに配置されている。第6上下延在部62bは、第1側面部20cに配置されており、第8上下延在部62dは、第2側面部20dに配置されている。
これにより、正面部20a、背面部20b、第1側面部20c及び第2側面部20dの4つの面状部において、それぞれ対応する上下延在部(第1上下延在部61a~第8上下延在部62d)が形成されている構成となるので、上下方向に加わる力に対するシート材容器100の耐変形性をより一層向上させることができる。
また、正面部20a、背面部20b、第1側面部20c及び第2側面部20dの各々において、指掛かり部となる凹凸(第5上下延在部62a~第8上下延在部62d)を確保できるので、使用者の手の平の大きさにかかわらず良好に当該指掛かり部に指を掛けることができる。よって、シート材容器100の把持性をより向上させることができる。
【0031】
ここで、第3上下延在部61c及び第4上下延在部61dの上端は、第2側縁シール部47、第2正面下側側縁シール部48b及び第2背面下側側縁シール部49bの交点47bよりも上方に位置している。
また、第3上下延在部61c及び第4上下延在部61dの下端は、第2側縁シール部47、第2正面下側側縁シール部48b及び第2背面下側側縁シール部49bの交点47bよりも下方に位置している。
これにより、第3上下延在部61c及び第4上下延在部61dの各々によって、交点47bの周辺が補強されている。このため、落下等による衝撃がシート材容器100に加わった場合でも、第3上下延在部61c及び第4上下延在部61dによって、当該交点47bに加わる衝撃を緩和させることができる。よって、シート材容器100のより良好な構造的強度を実現することができる。
より詳細には、一例として、第1上下延在部61a及び第2上下延在部61bの上端は、第1側縁シール部46の下端よりも上方に位置しており、第1上下延在部61a及び第2上下延在部61bの下端は、第1側縁シール部46の下端よりも下方に位置している。また、第3上下延在部61c及び第4上下延在部61dの上端は、第2側縁シール部47の下端よりも上方に位置している。また、第3上下延在部61c及び第4上下延在部61dの下端は、第2側縁シール部47の下端よりも下方に位置している。
【0032】
更に、第5上下延在部62a及び第6上下延在部62bの上端は、第1側縁シール部46、第1正面下側側縁シール部48a及び第1背面下側側縁シール部49aとの交点46b)よりも上方に位置している。第5上下延在部62a及び第6上下延在部62bの下端は、交点46bよりも下方に位置している。
同様に、第7上下延在部62c及び第8上下延在部62dの上端は、第2側縁シール部47、第2正面下側側縁シール部48b及び第2背面下側側縁シール部49bの交点47bよりも上方に位置している。また、第7上下延在部62c及び第8上下延在部62dの下端は、交点47bよりも下方に位置している。
これにより、第5上下延在部62a~及び第8上下延在部62dの各々によって、交点46b、47bの周辺が補強されている。このため、落下等による衝撃がシート材容器100に加わった場合でも、第5上下延在部62a~及び第8上下延在部62dの各々によって、交点46b、47bに加わる衝撃を緩和させることができる。よって、シート材容器100のより良好な構造的強度を実現することができる。
【0033】
また、本実施形態の場合、正面部20aの上部には、横幅方向に延在する折り目89aが形成されている。そして、第1上下延在部61a及び第2上下延在部61bの上端、及び、第3上下延在部61c及び第4上下延在部61dの上端は、折り目89よりも上方に位置している。
これにより、第1上下延在部61a~第4上下延在部61dの各々の上下寸法を十分に確保することができるので、シート材容器100の構造的強度をより向上させることができる。
同様に、背面部20bの上部には、横幅方向に延在する折り目89bが形成されている。そして、第5上下延在部62a及び第6上下延在部62bの上端、及び、第7上下延在部62c及び第8上下延在部62dの上端は、折り目89bよりも上方に位置している。
これにより、第5上下延在部62a~第8上下延在部62dの各々の上下寸法を十分に確保することができるので、シート材容器100の構造的強度をより向上させることができる。
【0034】
また、第1上下延在部61a及び第3上下延在部61cの下端は、正面部20aの下端に達していることが好ましい。
このようにすることにより、正面部20aの耐変形性を向上させることができるので、前後方向における容器本体20の変形を抑制することができる。
同様に、第5上下延在部62a及び第7上下延在部62cの下端は、背面部20bの下端に達していることが好ましい。よって、前後方向における容器本体20の変形を、より確実に抑制することができる。
このようにすることにより、背面部20bの耐変形性を向上させることができるので、前後方向における容器本体20の変形をより確実に抑制することができる。
【0035】
更に好ましくは、第1上下延在部61a及び第3上下延在部61cは、正面部20aの上端から下端に亘って延在している。
このようにすることにより、正面部20aの耐変形性をより向上させることができる。
同様に、更に好ましくは、第5上下延在部62a及び第7上下延在部62cは、背面部20bの上端から下端に亘って延在している。
このようにすることにより、背面部20bの耐変形性をより向上させることができる。
【0036】
更に、図5に示すように、第1上下延在部61a及び第3上下延在部61cは、底部13の接地面13aの直上に配置されることが好ましい。
このようにすることにより、落下等により接地面13aに衝撃が加わった場合でも、第1正面下側側縁シール部48a、第1背面下側側縁シール部49a及び第1側縁シール部46との交点46bに加わる衝撃を緩和させることができる。
同様に、第2上下延在部61b及び第4上下延在部61d~第8上下延在部62dは、底部13の接地面13aの直上に配置されることが好ましい。
このようにすることにより、落下等により接地面13aに衝撃が加わった場合でも、第1正面下側側縁シール部48a、第1背面下側側縁シール部49a及び第1側縁シール部46との交点46b、並びに、第2正面下側側縁シール部48b、第2背面下側側縁シール部49b及び第2側縁シール部47との交点47bに加わる衝撃をそれぞれ緩和させることができる。
なお、ここで、「第1上下延在部61aが接地面13aの直上に配置される」とは、平面視において、第1上下延在部61aの少なくとも一部分が接地面13aと重なることを意味している。同様に、「第3上下延在部61c(又は第4上下延在部61d~第8上下延在部62d)が接地面13aの直上に配置される」とは、平面視において、第1上下延在部61a(又は第4上下延在部61d~第8上下延在部62d)の少なくとも一部分が接地面13aと重なることを意味している。
【0037】
より詳細には、本実施形態の場合、第1上下延在部61aは、正面部20aにおける左上の角部から左下の角部に亘って延在しており、第3上下延在部61cは、正面部20aにおける右上の角部から右下の角部に亘って延在している。また、第2上下延在部61bは、第1側面部20cにおける前側且つ上側の角部から前側且つ下側の角部に亘って延在しており、第4上下延在部61dは、第2側面部20dにおける前側且つ上側の角部から前側且つ下側の角部に亘って延在している。
同様に、本実施形態の場合、第5上下延在部62aは、背面部20bにおける左上の角部から左下の角部に亘って延在しており、第7上下延在部62cは、背面部20bにおける右上の角部から右下の角部に亘って延在している。また、第6上下延在部62bは、第1側面部20cにおける後側且つ上側の角部から後側且つ下側の角部に亘って延在しており、第8上下延在部62dは、第2側面部20dにおける後側且つ上側の角部から後側且つ下側の角部に亘って延在している。
【0038】
また、図1及び図3等に示すように、第1上下延在部61aと第2上下延在部61bとの左右方向における離間距離よりも、第1上下延在部61aと第3上下延在部61cとの左右方向における離間距離の方が大きいことが好ましい。
このようにすることにより、第1上下延在部61aと第2上下延在部61bとが互いにより近接して配置された構造となるので、充填部60によって、第1辺状部16a及びその近傍をより良好に補強することができる。
同様に、第3上下延在部61cと第4上下延在部61dとの左右方向における離間距離よりも、第1上下延在部61aと第3上下延在部61cとの左右方向における離間距離の方が大きいことが好ましく、第5上下延在部62aと第6上下延在部62bとの左右方向における離間距離、及び、第7上下延在部62cと第8上下延在部62dとの左右方向における離間距離よりも、第5上下延在部62aと第7上下延在部62cとの左右方向における離間距離の方が大きいことが好ましい。
このようにすることにより、第3上下延在部61c及び第4上下延在部61d、第5上下延在部62a及び第6上下延在部62b、第7上下延在部62c及び第8上下延在部62d、がそれぞれ互いにより近接して配置された構造となるので、充填部60によって、第2辺状部16b~第4辺状部16d及びその近傍をより良好に補強することができる。
【0039】
また、図1及び図3等に示すように、第1上下延在部61aと第2上下延在部61bとの左右方向における離間距離よりも、第1上下延在部61aと第5上下延在部62aとの前後方向における離間距離の方が大きいことも好ましい。
このようにすることによっても、第1上下延在部61aと第2上下延在部61bとが互いにより近接して配置された構造となるので、充填部60によって、第1辺状部16a及びその近傍をより良好に補強することができる。
同様に、第3上下延在部61cと第4上下延在部61dとの左右方向における離間距離よりも、第4上下延在部61dと第8上下延在部62dとの前後方向における離間距離の方が大きいことが好ましく、第5上下延在部62aと第6上下延在部62bとの左右方向における離間距離よりも、第6上下延在部62bと第2上下延在部61bとの前後方向における離間距離の方が大きいことも好ましい。また、第7上下延在部62cと第8上下延在部62dとの左右方向における離間距離よりも、第8上下延在部62dと第4上下延在部61dとの前後方向における離間距離の方が大きいことも好ましい。
このようにすることによっても、第3上下延在部61c及び第4上下延在部61d、第3上下延在部61c及び第4上下延在部61d、第3上下延在部61c及び第4上下延在部61d、がそれぞれ互いにより近接して配置された構造となるので、充填部60によって、第2辺状部16b~第4辺状部16d及びその近傍をより良好に補強することができる。
【0040】
更に、本実施形態の場合、充填部60は、図1から図4に示すように、それぞれ水平方向に延在している第1突出部65a、第2突出部65b、第3突出部65c、第4突出部65d、第5突出部65e、第6突出部65f、第7突出部65g及び第8突出部65hを有する。
第1突出部65aは、例えば、正面部20aの上下方向における中間部において、第1上下延在部61aから正面部20aの横幅方向における中央部に向けて突出している。
第2突出部65bは、例えば、第1側面部20cの上下方向における中間部において、第2上下延在部61bから第1側面部20cの幅方向における中央部に向けて突出している。
第3突出部65cは、例えば、正面部20aの上下方向における中央部において、第3上下延在部61cから正面部20aの横幅方向における中央部に向けて突出している。
第4突出部65dは、例えば、第2側面部20dの上下方向における中央部において、第4上下延在部61dから第2側面部20dの幅方向における中央部に向けて突出している。
第5突出部65eは、例えば、背面部20bの上下方向における中間部において、第5上下延在部62aから背面部20bの横幅方向における中央部に向けて突出している。
第6突出部65fは、例えば、第1側面部20cの上下方向における中間部において、第6上下延在部62bから第1側面部20cの幅方向における中央部に向けて突出している。
第7突出部65gは、例えば、背面部20bの上下方向における中央部において、第7上下延在部62cから背面部20bの横幅方向における中央部に向けて突出している。
第8突出部65hは、例えば、第2側面部20dの上下方向における中央部において、第8上下延在部62dから第2側面部20dの幅方向における中央部に向けて突出している。
このような構成によれば、充填部60(第1突出部65a~第8突出部65h)によって容器本体20が補強されるので、収容領域17に収容されている内容物の減少に起因するシート材容器100の変形(潰れ)を抑制することができる。より詳細には、本実施形態の場合、第1突出部65a及び第2突出部65bによって、正面部20aと第1側面部20cとが互いに略直交している状態を良好に維持することができる。同様に、第3突出部65c~第8突出部65hによって、正面部20aと第2側面部20dとが互いに略直交している状態、背面部20bと第1側面部20cとが互いに直交している状態、及び、背面部20bと第2側面部20dとが互いに直交している状態をそれぞれ良好に維持することができる。すなわち、正面部20aと背面部20bとが、前後方向において、収容領域17を間に挟んで互いに略平行となるように対向している状態、及び、第1側面部20cと第2側面部20dとが、左右方向において、収容領域17を間に挟んで互いに略平行となるように対向している状態を良好に維持することができる。
また、シート材容器100の変形(潰れ)を抑制できるので、シート材容器100の自立性を向上させることができる。
なお、ここで、「正面部20aの上下方向における中間部」とは、例えば、上下方向における中間部とは、少なくとも正面部20aの上端と下端との間の部分(図2に示すH参照)である。好ましくは、「正面部20aの上下方向における中間部」とは、例えば、正面部20aの中央部であり、当該中央部とは、正面部20aを高さ方向において3等分(図2に示す1/3H参照)したうちの真ん中の領域である。
同様に、「背面部20bの上下方向における中間部」とは、例えば、少なくとも背面部20bの上端と下端との間の部分である。
好ましくは、「背面部20bの上下方向における中間部」とは、例えば、背面部20bの中央部であり、当該中央部とは、背面部20bを高さ方向において3等分したうちの真ん中の領域である。
更に、本実施形態の場合、第1突出部65a、第3突出部65c、第5突出部65e及び第7突出部65gの各々は、正面部20a(又は背面部20b)を上下に約2等分する位置(図2に示す1/2H参照)を含んで延在していることが好ましい。
また、ここで、「正面部20aの横幅方向における中央部」とは、例えば、左右方向における正面部20aの中央部であり、正面部20aを左右方向において3等分したうちの真ん中の領域を意味している。同様に、「背面部20bの横幅方向における中央部」とは、例えば、左右方向における背面部20bの中央部であり、背面部20bを左右方向において3等分したうちの真ん中の領域を意味している。
また、ここで、「第1側面部20cの幅方向における中央部」とは、例えば、前後方向における第1側面部20cの中央部であり、第1側面部20cを前後方向において3等分したうちの真ん中の領域を意味している。同様に、「第2側面部20dの幅方向における中央部」とは、例えば、前後方向における第2側面部20dの中央部であり、第2側面部20dを前後方向において3等分したうちの真ん中の領域を意味している。
【0041】
図2に示すように、本実施形態の場合、第1上下延在部61a及び第3上下延在部61cの各々の太さ(本実施形態の場合、左右寸法)は、例えば、上下方向における中間部に向けて徐々に細幅となっている。同様に、図3に示すように、第5上下延在部62a及び第7上下延在部62cの各々の太さ(本実施形態の場合、左右寸法)は、例えば、上下方向における中間部に向けて徐々に細幅となっている。
また、図4に示すように、第2上下延在部61b及び第4上下延在部61dの各々の太さ(本実施形態の場合、左右寸法)は、例えば、上下方向における中間部に向けて徐々に太幅となっている。同様に、図3に示すように、第5上下延在部62a及び第8上下延在部62dの各々の太さ(本実施形態の場合、左右寸法)は、例えば、上下方向における中間部に向けて徐々に太幅となっている。
【0042】
更に、充填部60は、接地面13aの周縁に沿って環状に形成されている環状充填部68と、天マチ14の周縁に沿って環状に形成されている天マチ充填部66と、第1上下延在部61aの上端と第3上下延在部61cの上端とを相互に繋いでいる第1上部水平延在部63aと、第1上下延在部61aの下端と第3上下延在部61cの下端とを相互に繋いでいる第1下部水平延在部64aと、第5上下延在部62aの上端と第7上下延在部62cの上端とを相互に繋いでいる第2上部水平延在部63bと、第5上下延在部62aの下端と第7上下延在部62cの下端とを相互に繋いでいる第2下部水平延在部64bと、を有する。
第1上部水平延在部63aは、正面部20aの上端部に配置されており、例えば、略水平に左右に延在している。
第1下部水平延在部64aは、正面部20aの下端部に配置されており、例えば、略水平に左右に延在している。
第2上部水平延在部63bは、背面部20bの上端部に配置されており、例えば、略水平に左右に延在している。
第2下部水平延在部64bは、背面部20bの下端部に配置されており、例えば、略水平に左右に延在している。
シート材容器100は、このような構造の充填部60を備えていることによって、容器本体20のほぼ全体に亘って、構造的強度が十分に確保されている。
【0043】
本実施形態の場合、充填部60の全体が一繋がりに形成されている。
なお、本発明において、シート材容器100は、互いに独立した複数の充填部60を備えていても良い。
より詳細には、第1上下延在部61aの下端と、第3上下延在部61cの下端とは、それぞれ環状充填部68(本実施形態の場合、環状充填部68の前縁)に連通している。第1上下延在部61aの上端と、第3上下延在部61cの上端とは、それぞれ天マチ充填部66(本実施形態の場合、天マチ充填部66の前縁)に連通している。
同様に、第5上下延在部62aの下端と、第7上下延在部62cの下端とは、それぞれ環状充填部68(本実施形態の場合、環状充填部68の後縁)に連通しており、第5上下延在部62aの上端と、第7上下延在部62cの上端とは、それぞれ天マチ充填部66(本実施形態の場合、天マチ充填部66の後縁)に連通している。
また、第1上下延在部61aの上端部と第2上下延在部61bの上端部とは相互に連通しており、第1上下延在部61aの下端部と第2上下延在部61bの下端部とは相互に連通している。より詳細には、第1上下延在部61aと第2上下延在部61bとは、上端部と、上下方向における中央部と、下端部とにおいて、それぞれ相互に連通している。更に詳細には、第1上下延在部61aと第2上下延在部61bとは、第1辺状部16aの上端部、上下方向における中央部及び下端部において相互に連通している。
同様に、第3上下延在部61cと第4上下延在部61dとは、上端部と、上下方向における中央部と、下端部とにおいて、それぞれ相互に連通している。より詳細には、第3上下延在部61cと第4上下延在部61dとは、第2辺状部16bの上端部、上下方向における中央部及び下端部において相互に連通している。
第5上下延在部62aと第6上下延在部62bとは、上端部と、上下方向における中央部と、下端部とにおいて、それぞれ相互に連通している。より詳細には、第5上下延在部62aと第6上下延在部62bとは、第3辺状部16cの上端部、上下方向における中央部及び下端部において相互に連通している。
第7上下延在部62cと第8上下延在部62dとは、上端部と、上下方向における中央部と、下端部とにおいて、それぞれ相互に連通している。より詳細には、第7上下延在部62cと第8上下延在部62dとは、第4辺状部16dの上端部、上下方向における中央部及び下端部において相互に連通している。
【0044】
また、第1突出部65aと第3突出部65cとは相互に直に連通しており、第1突出部65aと第3突出部65cとの集合体は、正面部20aの横幅方向に延在している。
これにより、充填部60によって、正面部20aの耐変形性をより向上させることができる。
同様に、第5突出部65eと第7突出部65gとは相互に直に連通しており、第5突出部65eと第7突出部65gとの集合体は、背面部20bの横幅方向に延在している。
これにより、充填部60によって、背面部20bの耐変形性をより向上させることができる。
なお、ここで「突出部どうしが直に連通している」とは、突出部どうしの間に充填部60におけるその他の部分が介在しておらず、当該突出部どうしが直接的に連通していることを意味している。すなわち、各突出部の各々の端部どうしが直接的に接しており、各突出部どうしは、当該端部において相互に連通している。
図2及び図3に示すように、第1突出部65aと第3突出部65cとの集合体の太さ(本実施形態の場合、上下寸法)は、例えば、左右方向における位置にかかわらず略一定となっている。同様に、第5突出部65eと第7突出部65gとの集合体の太さ(本実施形態の場合、上下寸法)は、例えば、左右方向における位置にかかわらず略一定となっている。
【0045】
また、本実施形態の場合、第1側縁シール部46、第2側縁シール部47、第1正面下側側縁シール部48a、第1背面下側側縁シール部49a、第2正面下側側縁シール部48b、及び、第2正面下側側縁シール部48bを剥がして、本体構成シート材21を平面状に展開した状態(図8参照)では、第1上下延在部61aと、環状充填部68の一部分と、が互いに直線状に配置され、第3上下延在部61cと、環状充填部68の他の一部分と、が互いに直線状に配置される。
これにより、第1上下延在部61a及び第3上下延在部61cの各々が、環状充填部68ひいては接地面13aから略鉛直に起立した構造となるので、上下方向に加わる力に対するシート材容器100の耐変形性をより向上させることができる。
同様に、本体構成シート材21を平面状に展開した状態(図8参照)では、第5上下延在部62aと、環状充填部68の一部分と、が互いに直線状に配置され、第7上下延在部62cと、環状充填部68の他の一部分と、が互いに直線状に配置される。
これにより、第5上下延在部62a及び第7上下延在部62cの各々が、環状充填部68ひいては接地面13aから略鉛直に起立した構造となるので、上下方向に加わる力に対するシート材容器100の耐変形性を向上させることができる。
なお、ここで、「直線状に配置される」とは、本体構成シート材21を平面状に展開した状態において、上下に延在する1本の直線(図8に示す二点鎖線101、102)が、対応する充填部60の形成領域の内側に収まるように配置されることを意味している。
より好ましくは、第1上下延在部61aと、接地面13aの一部分と、が互いに直線状に配置され、第3上下延在部61cと、接地面13aの他の一部分と、が互いに直線状に配置される。同様に、第5上下延在部62aと、接地面13aの一部分と、が互いに直線状に配置され、第7上下延在部62cと、接地面13aの他の一部分と、が互いに直線状に配置される。
更に好ましくは、天マチ充填部66の一部分と、第1上下延在部61aと、接地面13aの一部分と、第5上下延在部62aと、が互いに直線状に配置される。同様に、天マチ充填部66の一部分と、第3上下延在部61cと、接地面13aの一部分と、第7上下延在部62cと、が互いに直線状に配置される。
また、正面部20aにおいて、第1上下延在部61aと第3上下延在部61cとは互いに略平行に延在しており、背面部20bにおいて、第5上下延在部62aと第7上下延在部62cとは互いに略平行に延在している。
【0046】
ここで、本実施形態の場合、容器本体20は、当該容器本体20の内面と内袋40の外面との間に外気を導入させる外気導入部98を有する。
外気導入部98は、例えば、外側フィルム層22と内側フィルム層23とを貫通している貫通孔である。
このようにすることによって、外気導入部98を介した空気の取り込み(容器本体20の内面と内袋40の外面との間への空気の取り込み)がスムーズとなるので、短時間で多くの内容物を吐出した場合でも、容器本体20の変形(潰れ)を抑制することができる。
図5に示すように、本実施形態の場合、一例として、外気導入部98は、底部13の中央部に形成されている。
【0047】
図6及び図7に示すように、本体構成シート材21は、容器本体20の外面側を構成する外側フィルム層22と、容器本体20の内面側を構成する内側フィルム層23と、を相互に積層及び接合することにより構成されている。すなわち、一例として、本実施形態の場合、本体構成シート材21は、外側フィルム層22と内側フィルム層23との2層のフィルム層により構成されている。ただし、本発明は、この例に限らず、本体構成シート材21は、外側フィルム層22及び内側フィルム層23以外のフィルム層を有していても良い。
本実施形態の場合、外側フィルム層22と内側フィルム層23とは互いに同形状に形成されている。ただし、本発明は、この例に限らず、外側フィルム層22と内側フィルム層23とは互いに異形状であっても良い。異形状の場合は、外側フィルム層22は内側フィルム層23よりも大きい形状であることが好ましい。
外側フィルム層22及び内側フィルム層23には、スパウト15の筒部15aが挿通される挿通孔が形成されている。
【0048】
本体構成シート材21には、外側フィルム層22と内側フィルム層23とが部分的に非接合とされた非接合部24(図8)が形成されている。例えば、外側フィルム層22又は内側フィルム層23の一方または両方において、他方に対して対向する面には、部分的に非接合処理が施されている。非接合処理は、非接合剤(いわゆる糊殺し剤)を塗布して糊殺し状態とすることによって、容易に形成することができる。糊殺し剤としては、外側フィルム層22と内側フィルム層23との接合を抑制できるものであれば、いかなるものも使用することができる。糊殺し剤としては、例えば、オフセット印刷、フレキソ印刷、レタープレス印刷(凸版印刷)のそれぞれに使用する印刷用インキ、メジウムインキ、糊殺し専用インキ等を好ましく用いることができる。また、熱硬化型や紫外線硬化型のインキを好ましく用いることができる。非接合処理が施された範囲が非接合部24となる。非接合部24に充填材が封入されることによって、充填材が封入された充填部60が形成されるようになっている。
充填材は、流体(気体または液体)、固体(例えば粉粒体、樹脂ペレット等)または半固体(例えば発泡材等)とすることができ、空気などの気体であることが好ましい。
充填部60は、必ずしも非接合部24の全部に形成されていることに限定されず、複数ある非接合部24の一部に形成されていてもよい。
図6では、外側フィルム層22及び内側フィルム層23の各々において、相互に接合されて本体シール部26となる領域には、便宜的に右上がりのハッチングを付している。
図7及び図8では、本体構成シート材21において、非接合部24を画定するために外側フィルム層22と内側フィルム層23とが相互に接合されている領域、すなわち本体シール部26の形成領域には、便宜的に右上がりのハッチングを付している。
更に、図7では、本体構成シート材21の周縁部のシール領域と、それ以外の領域と、の境界線であるシール境界線21cを二点鎖線で示している。本実施形態の場合、本体構成シート材21のシール境界線21cよりも外側の領域においては、製袋の際に、外側フィルム層22と内側フィルム層23とが相互に接合されるとともに、内側フィルム層23と内袋構成シート材41とが相互に接合される。
外側フィルム層22と内側フィルム層23との接合の手法としては、一例として、ヒートシール、超音波シール、接着剤による接合等を用いることができる。
【0049】
本実施形態の場合、外側フィルム層22及び内側フィルム層23の各々は、複数の樹脂層を含む層構造をなしている。また、内袋構成シート材41も、複数の樹脂層を含む層構造をなしている。
【0050】
本体構成シート材21は、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、ポリエステル系又はポリアミド系のいずれか1種の樹脂層を含んでいることが好ましい。
本体構成シート材21の外側フィルム層22及び内側フィルム層23を構成する樹脂層の材料は、特に限定されないが、例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超低密度ポリエチレン(ULDPE)、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)などのポリエチレン系材料、または延伸ポリプロピレン(OPP)、未延伸ポリプロピレン(CPP)、アイソタクチックPP、シンジオタクチックPP、アタクチックPP、ランダムPP、ブロックPPなどのポリプロピレン系材料、またはポリエチレンテレフタレート(PET)、非晶性ポリエチレンテレフタレート(非晶性PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンナフタレート(PBN)などのポリエステル系材料、または延伸ナイロン(ONy)、未延伸ナイロン(CNy)、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、MXD6などのポリアミド系材料のいずれかであるのがより好ましく、これらのうち上記ポリエチレン系材料であるのが特に好ましい。
【0051】
外側フィルム層22は、一例として、第1層、第2層、第3層及び第4層の4つの樹脂層をこの順に積層することにより構成された4層構造をなしている。
このうち第1層は、容器本体20の外面を構成する。第1層は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)または延伸ナイロン(ONy)により構成されている。第1層の主な機能としては、容器本体20に光沢感及び印刷適性をもたらすとともに容器本体20の剛性を確保することが挙げられる。
第2層は、例えば、当該第2層における第1層側の面にシリカ及び/又はアルミナが蒸着されたポリエチレンテレフタレートにより構成された透明蒸着PETの層である。第2層の主な機能としては、容器本体20にガスバリア性をもたらすことが挙げられる。
第3層は、例えば、延伸ナイロンにより構成されている。第3層の主な機能としては、容器本体20の耐ピンホール性を確保することが挙げられる。
第4層は、例えば、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)により構成されている。第4層の主な機能としては、内側フィルム層23とのヒートシール性を確保することが挙げられる。
【0052】
内側フィルム層23の層構造としては、外側フィルム層22の第1層から第4層と同様の層構造に加えて、例えば直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)により構成されている第5層を備える構造が挙げられる。第5層は、第1層と隣接した層であり、内側フィルム層23における第4層とは反対側の面を構成している。第5層の主な機能としては、外側フィルム層22とのヒートシール性を確保することが挙げられる。
内側フィルム層23の第4層の主な機能としては、内袋構成シート材41とのヒートシール性を確保することが挙げられる。
【0053】
内袋40を構成する内袋構成シート材41は、一例として、第1層、第2層及び第3層をこの順に積層することにより構成された3層構造をなしている。
このうち第1層は、例えば、直鎖状低密度ポリエチレンにより構成されている。第1層の主な機能としては、本体構成シート材21とのヒートシール性(内側フィルム層23とのヒートシール性)を確保することが挙げられる。
第2層は、例えば、当該第2層における第1層側の面にシリカ及び/又はアルミナが蒸着された延伸ナイロンにより構成された透明蒸着延伸ナイロンの層である。第2層の主な機能としては、ガスバリア性及び耐ピンホール性を確保することが挙げられる。
第3層は、例えば、直鎖状低密度ポリエチレンにより構成されている。第3層の主な機能としては、内袋構成シート材41どうしのヒートシール性を確保することが挙げられる。
【0054】
本体構成シート材21が有する複数のフィルム層(本実施形態の場合、外側フィルム層22及び内側フィルム層23)は、例えば、互いに共通の樹脂材料により構成されており、当該共通の樹脂材料は、分子の化学構造における主鎖および側鎖の分子骨格が互いに共通していることが好ましい。
このようにすることにより、容器本体20から得られるリサイクル材の物性および品質を高めることができる。
【0055】
更に、共通の樹脂材料は、例えば、ポリエチレン系樹脂材料であり、ポリエチレン系樹脂材料は、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超低密度ポリエチレン(ULDPE)、およびエチレン・ビニルアルコール共重合体(EVOH)からなる群から選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。
このようにすることにより、容器本体20がポリエチレン系樹脂材料により構成されているため、ポリエチレン系樹脂材料の容器リサイクルシステムが構築でき、リサイクル材の物性および品質もより高めることができる。
【0056】
より詳細には、リサイクル性の観点から、外側フィルム層22、内側フィルム層23及び内袋構成シート材41は、すべて、オレフィン系特にポリエチレン系樹脂層により構成されていることが好ましい。
【0057】
この場合の外側フィルム層22は、容器の外面側から順に、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)、及び、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)の3層を備えていることが挙げられる。
この場合の内側フィルム層23及び内袋構成シート材41は、それぞれ外側フィルム層22と同じ層構成であることが挙げられる。
【0058】
または、外側フィルム層22は、容器の外面側から順に、二軸延伸ポリエチレン(BOPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)、及び、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)の4層を備えていることが挙げられる。
この場合の内側フィルム層23及び内袋構成シート材41は、それぞれ直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)、及び、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)の3層を備えていることが挙げられる。
【0059】
または、外側フィルム層22は、容器の外面側から順に、二軸延伸ポリエチレン(BOPE)及び直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)の2層を備えているとともに、最外層に塗工型ガスバリア層を有するものであることが挙げられる。塗工型ガスバリア層とは、ガスバリア性を有する材料を塗工することによって形成されたコーティング層であり、金属やシリカなどを蒸着させて形成された蒸着層は、この塗工型ガスバリア層には包含されない。つまり、塗工型ガスバリア層は、ガスバリア性を有する材料を塗工して形成したコーティング層に限定される。そして、ガスバリア性を有する材料としては、塗工によりコーティング層形成が可能な材料であれば特段限定はされないが、例えば、ポリ塩化ビニリデン、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)、有機(エチレン-ビニルアルコール共重合樹脂(EVOH)系)/無機(板状フィラー)ナノコンポジット型材料、有機(酢酸ビニル(VA)系)/無機(シロキサンポリマー)ハイブリッド型材料、ポリビニルアルコール(PVOH)、ポリビニルアルコール(PVOH)とアクリル酸およびメタクリル酸メチルとの共重合体、ヒドロキシポリウレタンなどが好適なものとして示される。特に、基材層への塗工性(塗工した際の密着性)が高いもの、および/または、アルカリ水、温水、有機溶剤などの処理によって基材層から脱離可能なものを使用するのがより好ましい。
この場合の内側フィルム層23は、容器の外面側から順に、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)及び高密度ポリエチレン(HDPE)の2層を備えているとともに、最内層に上記の塗工型ガスバリア層を有するものであることが挙げられる。
この場合の内袋構成シート材41は、容器の外面側から順に、高密度ポリエチレン(HDPE)及び直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)の2層を備えているとともに、最外層に上記の塗工型ガスバリア層を有するものであることが挙げられる。
【0060】
または、外側フィルム層22は、容器の外面側から順に、高密度ポリエチレン(HDPE)及び直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)の2層を備えているとともに、中間層に上記の塗工型ガスバリア層を有するものであることが挙げられる。
この場合の内側フィルム層23は、容器の外面側から順に、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)及び高密度ポリエチレン(HDPE)の2層を備えているとともに、中間層に上記の塗工型ガスバリア層を有するものであることが挙げられる。
この場合の内袋構成シート材41は、外側フィルム層22と同じ層構成であることが挙げられる。
【0061】
ただし、外側フィルム層22及び内側フィルム層23の層構造は、上記の例に限らず、また、外側フィルム層22及び内側フィルム層23を構成する各層の材料及び層数は、上記の例に限らない。
また、内袋構成シート材41の層構造は、上記の例に限らない。
【0062】
図6及び図7に示すように本体構成シート材21に内袋構成シート材41が積層され、図7に示すように内側フィルム層23の周縁部と内袋構成シート材41の周縁部とが相互に接合されるとともに、外側フィルム層22の周縁部と内側フィルム層23の周縁部とが相互に接合されている。これにより、本体構成シート材21と内袋構成シート材41とにより容器構成シート材51が構成されている。
ここで、容器構成シート材51の周縁部のシール部を周縁シール部52と称する。周縁シール部52は、内側フィルム層23の周縁部と内袋構成シート材41の周縁部とのシール部(以下、内外シール部43)と、外側フィルム層22の周縁部と内側フィルム層23の周縁部とのシール部(以下、本体周縁シール部28)と、を含む。本体周縁シール部28の形成領域のうち、一部分に、天マチ周縁シール部45が形成されており、他の一部分に、第1側縁シール部46及び第2側縁シール部47が形成されている。
このように、シート材容器100は、1又は複数のシート材の周縁部どうしが相互に接合されている周縁シール部52を有し、周縁シール部52は、胴部11の一対の側縁の各々に沿って延在している第1側縁シール部46及び第2側縁シール部47を含む。
図8において、周縁シール部52の形成領域には、左上がりのハッチングを付している。また、図8において、周縁シール部52の形成領域と本体シール部26の形成領域とが重複している領域では、左上がりのハッチングと右上がりのハッチングとが重なっている。
周縁シール部52を形成する手法としては、一例として、ヒートシール、超音波シール、接着剤による接合等を用いることができる。
【0063】
図6に示すように、本体構成シート材21は、胴部11の正面側を構成する正面側構成シート部31と、胴部11の背面側を構成する背面側構成シート部32と、底部13を構成する底面構成シート部33と、天マチ14を構成する天マチ構成シート部34と、チューブ状の延出部25と、を有する。延出部25は、例えば、背面側構成シート部32から外方に延出している。
天マチ構成シート部34には、スパウト15の筒部15aが挿通される挿通穴21aが形成されている。
本実施形態の場合、非接合部24は、シート材容器100の充填部60の形状と対応する形状に形成されている。
非接合部24において、天マチ充填部66となる部分は、挿通穴21aを囲む周回状に形成されている。
【0064】
また、本実施形態の場合、図8に示すように、本体シール部26は、本体周縁シール部28に加えて、本体周縁シール部28よりも内側に配置されている複数(例えば、4つ)の内周側本体シール部26aと、本体周縁シール部28と内周側本体シール部26aとの間に配置されている複数(例えば、8つ)の辺状部構成シール部27と、を含む。
【0065】
各内周側本体シール部26aは、例えば、正面視において、略矩形環状に形成されている。
図2及び図8等に示すように、正面部20aには、2つの内周側本体シール部26aが配置されている。2つの内周側本体シール部26aは、例えば、上下に並んで配置されている。より詳細には、正面視において、上側の内周側本体シール部26aは、例えば、上底(上縁)の長さ寸法よりも下底(下縁)の長さ寸法が大きい略台形状となっている。下側の内周側本体シール部26aは、例えば、正面視において、下底(下縁)の長さ寸法よりも上底(上縁)の長さ寸法が大きい略台形状となっている。そして、上側の内周側本体シール部26aの下縁と、下側の内周側本体シール部26aの上縁と、の間には間隙が形成されており、当該間隙は非接合部24となっている。そして、第1突出部65aと第3突出部65cとの集合体は、上側の内周側本体シール部26aの下縁と、下側の内周側本体シール部26aの上縁と、によって画定されている。
同様に、図3等に示すように、背面部20bには、2つの内周側本体シール部26aが上下に並んで配置されている。背面視において、上側の内周側本体シール部26aは、例えば、上底(上縁)の長さ寸法よりも下底(下縁)の長さ寸法が大きい略台形状となっており、下側の内周側本体シール部26aは、例えば、下底(下縁)の長さ寸法よりも上底(上縁)の長さ寸法が大きい略台形状となっている。そして、第5突出部65eと第7突出部65gとの集合体は、上側の内周側本体シール部26aの下縁と、下側の内周側本体シール部26aの上縁と、によって画定されている。
なお、例えば、各内周側本体シール部26aは、正面視において、略正方形状となっていてもよい。
【0066】
辺状部構成シール部27は、例えば、本体構成シート材21において、第1辺状部16a~第4辺状部16dとなる部分にそれぞれ2つずつ形成されている。
図5に示すように、各辺状部構成シール部27は、例えば、上下方向に長尺な細幅の略環状に形成されている。より詳細には、本体構成シート材21が展開された状態において、第1辺状部16a及び第3辺状部16cの各々の辺状部構成シール部27は、左側に向けて凸の略台形状に形成されており、第2辺状部16b及び第4辺状部16dの各々の辺状部構成シール部27は、右側に向けて凸の略台形状に形成されている。
各辺状部構成シール部27は、例えば、対応する面状部どうしの境界線に沿って配置されている。
第1辺状部16a~第4辺状部16dの非充填部67は、例えば、対応する辺状部に形成されている辺状部構成シール部27の形成領域と、当該辺状部構成シール部27により画定された閉領域と、によって構成されている。
そして、第1辺状部16a~第4辺状部16dにおける非充填部67以外の部分が、対応する2つの上下延在部(第1上下延在部61a~第8上下延在部62d)どうしの連通箇所となっている。
より詳細には、各辺状部構成シール部27は、対応する辺状部の長手方向における両端部を避けて形成されている。また、第1辺状部16a~第4辺状部16dと対応する2つの辺状部構成シール部27は、例えば、上下方向における中間部において、互いに僅かに離間して配置されている。これにより、第1辺状部16a~第4辺状部16dにおいて、対応する2つの上下延在部どうしは、辺状部の上端部、下端部及び中間部において相互に連通している。
また、第1辺状部16a~第4辺状部16dの非充填部67は、対応する2つの上下延在部どうしの境界部に配置されている。そして、各非充填部67は、例えば、対応する2つの上下延在部の各々よりも内方に凹の凹面となっている。
【0067】
更に、図8に示すように、第2上下延在部61bの上下方向における中央部に、本体シール部26の一部分が配置されている。
これにより、第2上下延在部61bひいては第1側面部20cが左方に向けて膨張する量を抑制することができる。よって、第1側面部20cをより平面に近い形状に形成することができるので、より確実に、容器本体20を略直方体形状(多角柱形状)とすることができる。
同様に、第3上下延在部61cの上下方向における中央部に、本体シール部26の一部分が配置されており、第6上下延在部62bの上下方向における中央部に、本体シール部26の一部分が配置されており、第8上下延在部62dの上下方向における中央部に、本体シール部26の一部分が配置されている。
これにより、第1側面部20cが左方に向けて膨張する量、及び、第2側面部20dが右方に向けて膨張する量を抑制することができるので、第1側面部20c及び第2側面部20dの各々をより平面に近い形状に形成することができる。よって、更に確実に、容器本体20を略直方体形状(多角柱形状)とすることができる。
より詳細には、本体シール部26は、左右方向に延在している複数(例えば、4つ)の水平シール部26bを含む。第2上下延在部61b、第6上下延在部62b、第3上下延在部61c及び第8上下延在部62dの各々の上下方向における中央部に、一つずつの水平シール部26bが配置されている。
各水平シール部26bは、例えば、前後方向に長尺な環状に形成されている。水平シール部26bの内側の領域は、非充填部67となっている。したがって、本実施形態の場合、第2上下延在部61b、第3上下延在部61c、第6上下延在部62b及び第8上下延在部62dの各々の上下方向における中央部には、それぞれ前後方向に長尺な非充填部67が配置されている。
【0068】
本実施形態の場合、内袋構成シート材41は、本体構成シート材21における延出部25を除く部分と同形状に形成されている。
なお、図7では、内袋構成シート材41のシール境界線41aを便宜的に二点鎖線で示している。シール境界線41aは、内袋構成シート材41が本体構成シート材21と接合(シール)される領域と内袋構成シート材41における他の領域との境界線であるとともに、容器構成シート材51を用いてシート材容器100が形成される際に内袋構成シート材41どうしが接合される領域と内袋構成シート材41における他の領域との境界線である。
本実施形態の場合、シール境界線41aの位置とシール境界線21cの位置とは互いに対応している(互いに重なっている)。
【0069】
内袋構成シート材41において天マチ構成シート部34と重なる部分には、スパウト15の筒部15aが挿通される挿通穴41bが形成されている。
スパウト15のフランジ部15bは、例えば、内袋構成シート材41において天マチ構成シート部34と重なっている部分の内面に対して接合されている。筒部15aは、内袋構成シート材41の挿通穴41b及び天マチ構成シート部34の挿通穴21aを通してこれらシートの外面側に突出している。
【0070】
容器構成シート材51が、図8に示す折り曲げ線81、折り曲げ線82及び折り曲げ線84においてそれぞれ谷折りされるとともに、折り曲げ線83及び折り曲げ線85においてそれぞれ山折りされた状態で、容器構成シート材51の周縁部(周縁シール部52)どうし(内袋構成シート材41どうし)が接合されることによって、容器構成シート材51が二重構造の袋状に形成される。また、容器構成シート材51が折り曲げ線83において山折りされることにより、折り目98aが形成され、容器構成シート材51が折り曲げ線83において山折りされることにより、折り目98bが形成される。
ここで、谷折りとは、図8における奥側に向けて凸の折り曲げ方であり、山折りとは、図6における手前側に向けて凸の折り曲げ方である。
すなわち、内袋構成シート材41の縁部どうしが接合されて内袋シール部42(図1参照)が形成されることにより、内袋構成シート材41によって内袋40が形成されるとともに、内袋40を覆う袋状の容器本体20が形成される。
内袋構成シート材41どうしの接合の手法としては、一例として、ヒートシール、超音波シール、接着剤による接合等を用いることができる。
本実施形態の場合、本体周縁シール部28、内袋シール部42及び内外シール部43は、互いに対応する位置(互いに重なる位置)に配置されている。本体周縁シール部28、内袋シール部42及び内外シール部43の総称を周縁シール部19とする(周縁シール部19は、本体周縁シール部28、内袋シール部42及び内外シール部43を含む)。
このため、本実施形態の場合、天マチ周縁シール部45、第1側縁シール部46並びに第2側縁シール部47の各々は、本体周縁シール部28、内袋シール部42及び内外シール部43を含んで構成されている。
ただし、本発明は、この例に限らず、天マチ周縁シール部45、第1側縁シール部46並びに第2側縁シール部47の各々は、本体周縁シール部28のみにより構成されていてもよい。
【0071】
正面側構成シート部31において、折り曲げ線85よりも天マチ構成シート部34側の部分は、第1重複部31cである。第1重複部31cは、非接合部24に充填材が充填される前の状態では、天マチ構成シート部34における一方の半部と重なって配置されている。
背面側構成シート部32において、折り曲げ線86よりも底面構成シート部33から遠い側に位置する部分は、第2重複部32cである。第2重複部32cは、非接合部24に充填材が充填される前の状態では、天マチ構成シート部34における他方の半部と重なって配置されている。
【0072】
こうして、容器構成シート材51が二重の袋状に形成され、シート材容器100(充填材の充填前)が得られる。シート材容器100は、例えば、延出部25に形成されている注入口25aから非接合部24に充填材が注入され、その後、延出部25の基端部において非接合部24を封止する。これにより、非接合部24(充填部60)に充填材が封入される。
なお、充填部60の内部における圧力は、特に限定されないが、大気圧よりも高圧であることが好ましく、例えば、10kPa以上500kPa以下(ゲージ圧)とすることができる。
充填材が封入された充填部60の形成後、例えば、延出部25は切除される。
こうして、充填部60に充填材が封入されたシート材容器100が得られる。ただし、充填材が封入されたシート材容器100の状態でも延出部25が残留していてもよい。
【0073】
シート材容器100の作製後、スパウト15の筒部15aを通して収容領域17に内容物を充填した後で、スパウト15にキャップ部70が装着されることによって、収容領域17に内容物が封入されたシート材容器100が得られる。
【0074】
ここで、第1上下延在部61aと第2上下延在部61bとが上下方向における中央部で相互に連通している部分の太さは、第1突出部65aの太さよりも細いことが好ましい。
これにより、充填部60が、正面部20aと第1側面部20cとの境界部(第1辺状部16a)と対応する部位において屈曲容易となる。そして、充填部60に充填材を封入すると、第1上下延在部61aと第2上下延在部61bとは、互いの境界部(第1辺状部16aの非充填部67)において屈曲し、正面部20a及び第1側面部20cが互いに交差した状態となる。すなわち、正面部20aと第1側面部20cとが略直交している形状をより確実に実現することができる。
より詳細には、充填部60は第1辺状部16aと対応する部位において屈曲容易となっているので、充填部60が膨張する際に生じる引張力により引っ張られることによって、第1上下延在部61aと第2上下延在部61bとの境界部、すなわち非充填部67において本体構成シート材21は折れ曲がる。また、その過程において非充填部67は内方に凹の形状に変形する。
同様に、第3上下延在部61cと第4上下延在部61dとが上下方向における中央部で相互に連通している部分の太さは、第3突出部65cの太さよりも細いことが好ましい。
また、第5上下延在部62aと第6上下延在部62bとが上下方向における中央部で相互に連通している部分の太さは、第5突出部65eの太さよりも細いことが好ましく、第7上下延在部62cと第8上下延在部62dとが上下方向における中央部で相互に連通している部分の太さは、第5突出部65eの太さよりも細いことが好ましい。
このようにすることにより、充填部60が、第2辺状部16b~第4辺状部16dと対応する部位において屈曲容易となる。そして、充填部60に充填材を封入すると、充填部60は、各面状部どうしの境界部(第2辺状部16b~第4辺状部16dの非充填部67)において屈曲する。よって、より確実に、容器本体20を、互いに隣接する面どうしが互いに略直交している略直方体形状とすることができる。
【0075】
<第1実施形態の変形例>
次に、図9から図11を用いて第1実施形態の変形例を説明する。
本実施形態に係るシート材容器100は、以下に説明する点で、上記の第1実施形態に係るシート材容器100と相違しており、その他の点では、上記の第1実施形態に係るシート材容器100と同様に構成されている。
【0076】
本変形例の場合、図9及び図10に示すように、充填部60は、正面部20aに形成される第1突出部65a及び第3突出部65cと、背面部20bに形成される第5突出部65e及び第7突出部65gと、を有していない。
このような構成によっても、充填部60は、上下に延在する第1上下延在部61a~第8上下延在部62dを有するので、上下方向に加わる力に対するシート材容器100の耐変形性を向上させることができる。すなわち、シート材容器100のより良好な構造的強度を実現することができる。
【0077】
また、図10に示すように、第2突出部65bは、例えば、第1上下延在部61a側から第1側縁シール部46側に向けて二股に分岐している。第6突出部65fは、例えば、第5上下延在部62a側から第1側縁シール部46側に向けて二股に分岐している。
同様に、第4突出部65dは、例えば、第3上下延在部61c側から第2側縁シール部47側に向けて二股に分岐している。第8突出部65hは、例えば、第7上下延在部62c側から第2側縁シール部47側に向けて二股に分岐している。
また、図11に示すように、内周側本体シール部26aは、正面部20aと背面部20bとにそれぞれ1つずつ配置されている。各内周側本体シール部26aは、例えば、正面視において、上下に長尺な略矩形状に形成されている。
【0078】
〔第2実施形態〕
次に、図12及び図13を用いて第2実施形態を説明する。
本実施形態に係るシート材容器100は、以下に説明する点で、上記の第1実施形態及びその変形例に係るシート材容器100と相違しており、その他の点では、上記の第1実施形態及びその変形例に係るシート材容器100と同様に構成されている。
【0079】
本実施形態の場合、図12に示すように、シート材容器100は、更に、フィルムにより構成されていて容器本体20の外面を覆う保護カバー90を備えている。
これにより、容器本体20が保護カバー90によって補強された構造となっているので、落下等によってシート材容器100に対して上下方向に力が加わった場合でも、容器本体20が左右方向に変形してしまう(潰れてしまう)ことをより確実に抑制できる。
また、容器本体20の変形を抑制できるので、容器本体20と保護カバー90との間に隙間が形成されてしまうことを抑制できる。
そして、図13に示すように、保護カバー90の上端は、第1側縁シール部46、第1正面下側側縁シール部48a及び第1背面下側側縁シール部49aの交点46bよりも上方に位置しており、保護カバー90の下端は、第1側縁シール部46、第1正面下側側縁シール部48a及び第1背面下側側縁シール部49aの交点46bよりも下方に位置している。
これにより、第1正面下側側縁シール部48a、第1背面下側側縁シール部49a及び第1側縁シール部46との交点46bが保護カバー90によって覆われている構造となる。このため、正面側構成シート部31の一方の側縁31aと背面側構成シート部32の一方の側縁32aとが接合された状態、底面構成シート部33における正面側構成シート部31側の半部33aの一方の側縁と正面側構成シート部31の一方の側縁31aとが接合された状態、及び、底面構成シート部33における背面側構成シート部32側の半部33bの一方の側縁と背面側構成シート部32の一方の側縁32aとが接合された状態を良好に維持することができる。
同様に、保護カバー90の上端は、第2側縁シール部47、第2正面下側側縁シール部48b及び第2背面下側側縁シール部49bの交点47bよりも上方に位置しており、保護カバー90の下端は、第2側縁シール部47、第2正面下側側縁シール部48b及び第2背面下側側縁シール部49bの交点47bよりも下方に位置している。
これにより、第2正面下側側縁シール部48b、第2背面下側側縁シール部49b及び第2側縁シール部47との交点47bが保護カバー90によって覆われている構造となる。このため、正面側構成シート部31の他方の側縁31bと背面側構成シート部32の他方の側縁32bとが接合された状態、底面構成シート部33における正面側構成シート部31側の半部33aの他方の側縁と正面側構成シート部31の他方の側縁31aとが接合された状態、及び、底面構成シート部33における背面側構成シート部32側の半部33bの他方の側縁と背面側構成シート部32の他方の側縁32aとが接合された状態を良好に維持することができる。
【0080】
保護カバー90は、一例として、シュリンクラベルである。この場合、予め筒状に形成されたシュリンクラベルをシート材容器100の胴部11に被せ、その後、シュリンクラベルを収縮させることにより、シュリンクラベルを胴部11に密着させて装着する。
ここで、本実施形態の場合、容器本体20の側周面(正面部20a、背面部20b、第1側面部20c及び第2側面部20d)には、上下に延在する上下延在部(第1上下延在部61a~第8上下延在部62d)形成されているので、シュリンクラベルを収縮させる際に、容器本体20の変形(潰れ)を抑制することができる。
【0081】
ただし、保護カバー90は、例えば、シュリンクラベルの他に、巻ラベル又はストレッチラベルであってもよい。
保護カバー90が巻ラベルである場合、巻ラベルをシート材容器100の胴部11の周囲に巻き付けて、巻ラベルの一端部と他端部とを接着剤により貼り付けて、巻ラベルを胴部11に密着させて装着する。
保護カバー90がストレッチラベルである場合、予め筒状に形成されたストレッチラベルをシート材容器100の胴部に被せると、ストレッチラベルの伸縮性(ゴム弾性)によって、ストレッチラベルが胴部11に密着した状態で装着される。
【0082】
また、保護カバー90の材料は、特に限定されないが、保護カバー90がシュリンクラベルである場合、保護カバー90は、リサイクルPET(ポリエチレンテレフタレート)、リサイクルOPP(延伸ポリプロピレン)、リサイクルOPS(二軸延伸ポリスチレン)又はリサイクルLDPE(低密度ポリエチレン)のうち単一の材料により構成された樹脂層により構成されていることが好ましい。
保護カバー90が巻ラベルである場合、保護カバー90は、ポリプロピレンの樹脂層により構成されていることが好ましい。
保護カバー90がストレッチラベルである場合、保護カバー90は、LLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)の樹脂層により構成されていることが好ましい。
【0083】
保護カバー90は、例えば、胴部11の全周を包囲していることが好ましい。このようにすることにより、保護カバー90によって、容器本体20がより十分に補強された構造を実現することができる。
より詳細には、本実施形態の場合、保護カバー90は、胴部11が有する4つの面状部(正面部20a、背面部20b、第1側面部20c及び第2側面部20d)の各々の全面を覆っている。
これにより、保護カバー90によって、容器本体20が更に良好に補強された構造を実現することができる。また、保護カバー90の表面に印刷を施す構成とすることにより、シート材容器100において、標示部及び模様等の印刷を施すことが可能な面をより多く確保することができる。
更には、上述のように、第1上下延在部61a~第8上下延在部62dによって補強されていることにより、シート材容器100の変形(潰れ)を抑制することができる。よって、保護カバー90の変形も抑制し、更には保護カバー90の表面に施された標示部や模様等の視認性や良好な外観をより確実に維持することができる。
【0084】
また、保護カバー90の上端は、正面部20aの上部の折り目89aよりも上方に位置していることが好ましい。
このようにすることにより、保護カバー90によって、第1上下延在部61a~第8上下延在部62dの各々の上部を良好に保護することができるとともに、容器本体20の上部がより十分に補強された構造を実現することができる。
【0085】
また、保護カバー90は、底部13の接地面13aの少なくとも一部分を覆っていることが好ましい。
このようにすることにより、保護カバー90によって、環状充填部68を良好に保護することができる。よって、シート材容器100の自立性をより確実に維持することができる。
【0086】
また、保護カバー90は、天マチ14の少なくとも一部分を覆っていることが好ましい。
このようにすることにより、シート材容器100の天マチ14の突き刺し強度を向上させることができる。
【0087】
更には、本実施形態の場合も、第1辺状部16aは、第1上下延在部61aと第2上下延在部61bとに囲まれた凹面を含んでいる。そして、保護カバー90は、凹面を覆っていることが好ましい。
このようにすることにより、凹面と保護カバー90との間に空隙が形成されることとなり、当該空隙と第1上下延在部61a及び第2上下延在部61bの各々の弾力性との組み合わせによって、シート材容器100のよりソフトな把持感を実現させることができる。
より詳細には、第1辺状部16a~第4辺状部16dの各々は、例えば、凹面を含んでおり、保護カバー90は、各凹面を覆っていることが好ましい。
このようにすることにより、シート材容器100の略全体に亘って、よりソフトな把持感を実現させることができる。
【0088】
ここで、本実施形態の場合、図14(a)及び図14(b)に示すように、容器本体20の前後寸法W1及び横幅寸法L1の各々は、保護カバー90で容器本体20を覆う前と比べて縮小していることが好ましい。なお、図14(a)及び図14(b)においては、内袋の図示を省略している。また、ここでいう容器本体20の前後寸法W1とは、例えば、前後方向における第1上下延在部61aの前端と第5上下延在部62aの後端との離間距離(又は第3上下延在部61cの前端と第7上下延在部62cの後端との離間距離)を意味している。また、ここでいう容器本体20の横幅寸法L1とは、例えば、左右方向における第2上下延在部61bの左端と第4上下延在部61dの右端との離間距離(又は第6上下延在部62bの左端と第8上下延在部62dの右端との離間距離)を意味している。
このようにすることにより、保護カバー90と容器本体20との接触面積を十分に確保することができるので、保護カバー90によって容器本体20をより良好に補強することができる。
より詳細には、保護カバー90で容器本体20を覆う前と比べて縮小している状態において、保護カバー90によって容器本体20に対して内方向(容器本体20の中心側)に力が加わっている。これにより、例えば、図14(b)に示すように、正面部20aにおける充填部60の非形成領域と、背面部20bにおける充填部60の非形成領域と、がそれぞれ撓み、当該各非形成領域の一部分が保護カバー90の内面に接触している。同様に、例えば、第1側面部20cにおける充填部60の非形成領域と、第2側面部20dにおける充填部60の非形成領域と、がそれぞれ撓み、当該各非形成領域の一部分が保護カバー90の内面に接触している。
これにより、落下等によって容器本体20対して衝撃が加わった場合でも、充填部60と保護カバー90との接触箇所に加えて、充填部60の非形成領域と保護カバー90との接触箇所を介して、当該衝撃が保護カバー90に伝達される。このため、保護カバー90によって容器本体20に加わる衝撃を十分に緩和させることができるので、シート材容器100の構造的強度をより向上させることができる。
更に詳細には、保護カバー90と容器本体20との接触面積を十分に確保する観点から、特に容器本体20における保護カバー90で覆われている部位(本実施形態の場合、特に胴部11)について、当該部位の前後寸法及び横幅寸法の各々が、保護カバー90で容器本体20を覆う前と比べて縮小していることが好ましい。また、容器本体20における保護カバー90で覆われている部位の近傍においても、前後寸法及び横幅寸法の各々が、保護カバー90で容器本体20を覆う前と比べて縮小していることが好ましい。
また、本実施形態の場合、保護カバー90を容器本体20から取り外すと、容器本体20の前後寸法W1及び横幅寸法L1の各々が増大することが好ましい。
このようにすることにより、保護カバー90が容器本体20を覆っている状態において、保護カバー90によって容器本体20に対して内方向により力が加わっている構成となるので、保護カバー90と容器本体20との接触面積を十分に確保することができる。
【0089】
本実施形態の場合、一例として、正面部20aにおける充填部60の非形成領域のうち、第1上下延在部61aと第3上下延在部61cとの間の領域の一部分が、保護カバー90の内面に接触している。同様に、例えば、背面部20bにおける充填部60の非形成領域のうち、第5上下延在部62aと第7上下延在部62cとの間の領域の一部分が、保護カバー90の内面に接触している。また、例えば、第1側縁シール部46の側縁の一部分と、第2側縁シール部47の側縁の一部部と、がそれぞれ保護カバー90の内面に接触している。
【0090】
更に、側面視において、第1側縁シール部46、第1正面下側側縁シール部48a及び第1背面下側側縁シール部49aの交点46bの高さにおける第2上下延在部61bと第6上下延在部62bとの距離(図13に示す距離W2)は、保護カバー90で容器本体20を覆う前と比べて縮小していることが好ましい。
このような構成によれば、前後方向において、第2上下延在部61bと交点46bとの離間距離と、第6上下延在部62bと交点46bとの離間距離と、がそれぞれ縮小することとなる。このため、落下等によってシート材容器100に対して衝撃が加わった場合でも、第2上下延在部61b及び第6上下延在部62bの各々により当該交点46bにおける応力の集中を抑制できる。すなわち、シート材容器100の構造的強度をより一層向上させることができる。
同様に、側面視において、第2側縁シール部47、第2正面下側側縁シール部48b及び第2背面下側側縁シール部49bの交点47bの高さにおける第4上下延在部61dと第8上下延在部62dとの距離(不図示)は、保護カバー90で容器本体20を覆う前と比べて縮小していることが好ましい。
このような構成によれば、落下等によってシート材容器100に対して衝撃が加わった場合でも、第4上下延在部61dと第8上下延在部62dとの各々により交点47bにおける応力の集中を抑制できる。すなわち、シート材容器100の構造的強度をより一層向上させることができる。
【0091】
なお、シート材容器100に保護カバー90を装着するタイミングは、内容物の充填前であってもよいし、内容物の充填後であってもよいし、スパウト15にキャップ部70が装着される前であってもよいし、スパウト15にキャップ部70が装着された後であってもよい。
【0092】
保護カバー90は、シート材容器100から取り外し可能に、シート材容器100に装着されている。このため、シート材容器100の良好なリサイクル性を実現することができる。
【0093】
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的が達成される限りにおける種々の変形、改良等の態様も含む。
【0094】
例えば、シート材容器100は、内袋40を備えていなくてもよい。この場合、容器本体20によって収容領域17が構成されている。すなわち、周縁シール部19において、本体構成シート材21の内側フィルム層23の一部分どうしが接合されることによって、容器本体20が形成されるとともに収容領域17が構成されている。
この場合、例えば、フランジ部15bの外面151は、本体シール部26により本体構成シート材21の内側フィルム層23に対して直接接合されている。
【0095】
また、上記においては、シート材容器100がポンプ部72を有するポンプ容器である例を説明したが、シート材容器100は、ポンプ容器以外であってもよい。例えば、シート材容器100は、筒部15aを閉塞するキャップ(スクリューキャップなど)を有するものであってもよい。
【0096】
また、上記においては、充填部60が、正面部20aと第1側面部20cとの境界に沿って互いに並列に上下に延在する2つの上下延在部(第1上下延在部61a及び第2上下延在部61b)を有する例を説明した。ただし、シート材容器100は、必ずしも当該2つの上下延在部を備えていなくてもよい。
この場合、シート材容器100は、相互に積層された外側フィルム層22と内側フィルム層23とを有する本体構成シート材21を含む1又は複数のシート材を備えて構成されているシート材容器であって、内容物を収容する収容領域17と、本体構成シート材21により構成されており、収容領域17を包囲している容器本体20と、を備えている。
容器本体20は、胴部11及び底部13を有し、本体構成シート材21は、胴部11の正面側を構成する正面側構成シート部31と、胴部11の背面側を構成する背面側構成シート部32と、底部13を構成する底面構成シート部33と、を有する。
容器本体20は、正面側構成シート部31の横幅方向における中央部により構成された正面部20aと、正面側構成シート部31において正面部20aの一側方に隣接する部分を含んで構成されているとともに正面部20aに対して交差する第1側面部20cと、を有する。
本体構成シート材21は、外側フィルム層22と内側フィルム層23とが接合された本体シール部26と、外側フィルム層22と内側フィルム層23とが部分的に非接合とされた非接合部24と、を有するとともに、非接合部24における外側フィルム層22と内側フィルム層23との層間に充填材を封入可能な充填部60を有する。
充填部60は、正面部20aと第1側面部20cとの境界に沿って上下に延在する上下延在部を有し、底部13は、シート材容器100が水平な載置面に載置されて自立する際に接地する接地面13aを有し、上下延在部は、接地面13aから略鉛直に起立している。
更に、充填部60は、正面部20aと第2側面部20dとの境界に沿って上下に延在する上下延在部と、背面部20bと第1側面部20cとの境界に沿って上下に延在する上下延在部と、背面部20bと第2側面部20dとの境界に沿って上下に延在する上下延在部と、を有し、各上下延在部は、接地面13aから略鉛直に起立している。
このような構成によっても、上下方向に加わる力に対するシート材容器100の耐変形性をより向上させることができるので、例えば、落下等による衝撃がシート材容器100に加わった場合でも、シート材容器100の変形(潰れ)をより確実に抑制することができる。
【0097】
すなわち、上記の実施形態は、以下の技術思想を包含する。
相互に積層された外側フィルム層と内側フィルム層とを有する本体構成シート材を含む1又は複数のシート材を備えて構成されているシート材容器であって、内容物を収容する収容領域と、前記本体構成シート材により構成されており、前記収容領域を包囲している容器本体と、を備え、前記容器本体は、胴部及び底部を有し、前記本体構成シート材は、前記胴部の正面側を構成する正面側構成シート部と、前記胴部の背面側を構成する背面側構成シート部と、前記底部を構成する底面構成シート部と、を有し、前記容器本体は、前記正面側構成シート部の横幅方向における中央部により構成された正面部と、前記正面側構成シート部において前記正面部の一側方に隣接する部分を含んで構成されているとともに前記正面部に対して交差する第1側面部と、を有し、前記本体構成シート材は、前記外側フィルム層と前記内側フィルム層とが接合された本体シール部と、前記外側フィルム層と前記内側フィルム層とが部分的に非接合とされた非接合部と、を有するとともに、前記非接合部における前記外側フィルム層と前記内側フィルム層との層間に充填材を封入可能な充填部を有し、前記充填部は、前記正面部と前記第1側面部との境界に沿って上下に延在する上下延在部を有し、前記底部は、当該シート材容器が水平な載置面に載置されて自立する際に接地する接地面を有し、前記上下延在部は、前記接地面から略鉛直に起立しているシート材容器。
【0098】
また、上記の実施形態は、以下の技術思想を包含する。
相互に積層された外側フィルム層と内側フィルム層とを有する本体構成シート材を含む1又は複数のシート材を備えて構成されているシート材容器であって、内容物を収容する収容領域と、前記本体構成シート材により構成されており、前記収容領域を包囲している容器本体と、を備え、前記容器本体は、胴部及び底部を有し、前記本体構成シート材は、前記胴部の正面側を構成する正面側構成シート部と、前記胴部の背面側を構成する背面側構成シート部と、前記底部を構成する底面構成シート部と、を有し、前記容器本体は、前記正面側構成シート部の一方の側縁と前記背面側構成シート部の一方の側縁とが間接又は直接に接合された第1側縁シール部と、前記底面構成シート部における前記正面側構成シート部側の半部の一方の側縁と前記正面側構成シート部の前記一方の側縁とが間接又は直接に接合された第1正面下側側縁シール部と、前記底面構成シート部における前記背面側構成シート部側の半部の一方の側縁と前記背面側構成シート部の前記一方の側縁とが間接又は直接に接合された第1背面下側側縁シール部と、前記正面側構成シート部の横幅方向における中央部により構成された正面部と、前記背面側構成シート部の横幅方向における中央部により構成された背面部と、前記正面側構成シート部において前記正面部の一側方に隣接する部分および前記背面側構成シート部において前記背面部の一側方に隣接する部分を含んで構成されているとともに前記正面部及び前記背面部に対して交差する第1側面部を有し、前記本体構成シート材は、前記外側フィルム層と前記内側フィルム層とが接合された本体シール部と、前記外側フィルム層と前記内側フィルム層とが部分的に非接合とされた非接合部と、を有するとともに、前記非接合部における前記外側フィルム層と前記内側フィルム層との層間に充填材を封入可能な充填部を有し、前記充填部は、前記正面部と前記第1側面部との境界に沿って上下に延在する上下延在部と、前記背面部と前記第1側面部との境界に沿って上下に延在する上下延在部と、を有し、当該シート材容器は、更に、フィルムにより構成されていて前記容器本体の外面を覆う保護カバーを備え、側面視において、前記第1側縁シール部、前記第1正面下側側縁シール部及び前記第1背面下側側縁シール部の交点の高さにおける前記上下延在部どうしの距離は、前記保護カバーで前記容器本体を覆う前と比べて縮小しているシート材容器。
【0099】
また、シート材容器100の各種の構成要素は、個々に独立した存在である必要はなく、複数の構成要素が一個の部材として形成されていること、一つの構成要素が複数の部材で形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等が許容される。
【0100】
また、上記各実施形態及び変形例は、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、適宜に組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0101】
11 胴部
13 底部
13a 接地面
14 天マチ
15 スパウト
17 収容領域
19 周縁シール部
20 容器本体
20a 正面部
20b 背面部
20c 第1側面部
20d 第2側面部
21 本体構成シート材
22 外側フィルム層
23 内側フィルム層
24 非接合部
26 本体シール部
31 正面側構成シート部
32 背面側構成シート部
33 底面構成シート部
41 内袋構成シート材
46 第1側縁シール部
46b 交点
47 第2側縁シール部
47b 交点
48a 第1正面下側側縁シール部
48b 第2正面下側側縁シール部
49a 第1背面下側側縁シール部
49b 第2背面下側側縁シール部
51 容器構成シート材
60 充填部
61a 第1上下延在部
61b 第2上下延在部
61c 第3上下延在部
61d 第4上下延在部
62a 第5上下延在部
62b 第6上下延在部
62c 第7上下延在部
62d 第8上下延在部
67 非充填部
89a、89b 折り目
90 保護カバー
100 シート材容器
図1
図2
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