(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-20
(45)【発行日】2025-01-28
(54)【発明の名称】制御装置
(51)【国際特許分類】
B30B 15/26 20060101AFI20250121BHJP
B21D 43/00 20060101ALI20250121BHJP
B30B 15/00 20060101ALI20250121BHJP
【FI】
B30B15/26
B21D43/00 J
B30B15/00 F
(21)【出願番号】P 2024068330
(22)【出願日】2024-04-19
【審査請求日】2024-06-12
(73)【特許権者】
【識別番号】308007022
【氏名又は名称】相源株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104178
【氏名又は名称】山本 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100174344
【氏名又は名称】安井 雅俊
(72)【発明者】
【氏名】山西 伸和
(72)【発明者】
【氏名】辻 研治
【審査官】石田 宏之
(56)【参考文献】
【文献】特許第6340603(JP,B1)
【文献】特許第6797741(JP,B2)
【文献】特許第5651874(JP,B2)
【文献】特許第5713878(JP,B2)
【文献】特開2024-099980(JP,A)
【文献】特許第7551361(JP,B2)
【文献】特開2017-187392(JP,A)
【文献】特開2005-7414(JP,A)
【文献】特開2018-122266(JP,A)
【文献】特開2014-23998(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B30B 15/26
B21D 43/00
B30B 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部装置から送信される部品情報を受信し、プレス加工装置に送るワークの表裏面に形成された油分を吸引する吸引ロールに接続された真空装置の吸引圧を、インバータで前記真空装置が備える真空ポンプのモータの周波数をPID制御することにより、前記部品情報が指定する設定真空圧に収束させ、前記表裏面に形成された油膜層の膜厚を制御する制御装置であって、
前記真空装置は
、吸い込み能力が互いに同等である第1真空ポンプと第2真空ポンプを備え、
前記設定真空圧に応じて前記
第1真空ポンプと前記第2真空ポンプのうち駆動させる真空ポンプの台数を切り替える駆動制御部を備え
、
前記駆動制御部は、
前記設定真空圧が閾値以上の場合は、前記第1真空ポンプと前記第2真空ポンプの両方を同時に且つ同じ吸引圧で駆動させ、それらを合わせた吸引圧が前記設定真空圧となるように、前記第1真空ポンプと前記第2真空ポンプの夫々のモータの周波数をPID制御し、
前記設定真空圧が前記閾値未満の場合は、前記第1真空ポンプと前記第2真空ポンプのうち片方のみを駆動させ、前記片方の吸引圧が前記設定真空圧となるように、前記片方の真空ポンプのモータの周波数をPID制御すること
を特徴とする制御装置。
【請求項2】
外部装置から送信される部品情報を受信し、プレス加工装置に送るワークの表裏面に形成された油分を吸引する吸引ロールに接続された真空装置の吸引圧を、インバータで前記真空装置が備える真空ポンプのモータの周波数をPID制御することにより、前記部品情報が指定する設定真空圧に収束させ、前記表裏面に形成された油膜層の膜厚を制御する制御装置であって、
前記真空装置は
、第1真空ポンプと、前記第1真空ポンプよりも吸い込み能力が低い第2真空ポンプを備え、
前記設定真空圧に応じて前記
第1真空ポンプと前記第2真空ポンプのうち駆動させる真空ポンプの台数を切り替える駆動制御部を備え
、
前記駆動制御部は、
前記設定真空圧が閾値以上の場合は、前記第1真空ポンプと前記第2真空ポンプの両方を駆動させ、それらを合わせた吸引圧が前記設定真空圧となるように、前記第1真空ポンプと前記第2真空ポンプの夫々のモータの周波数をPID制御し、
前記設定真空圧が前記閾値未満の場合は、前記設定真空圧が前記閾値未満の場合は、前記第2真空ポンプのみを駆動させ、前記第2真空ポンプの吸引圧が前記設定真空圧となるように、前記第2真空ポンプのモータの周波数をPID制御すること
を特徴とする制御装置。
【請求項3】
前記設定真空圧の変更を受け付ける受付部を備え、
前記駆動制御部は、
前記受付部が前記設定真空圧の変更を受け付けた場合、変更後の前記設定真空圧に応じて前記駆動させる前記真空ポンプの台数を再度切り替える変更後駆動制御部を備えたこと
を特徴とする請求項1
又は2に記載の制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ワークを加工装置に送る搬送路に設置したチャンバー内に、搬送路上流側にワークの送り動作を実行するピンチロールを配設した前室と、該前室に隣接した搬送路下流側にワークの表裏面に洗浄油が供給された状態で接触回転するブラシロールとを配設した洗浄室と、該洗浄室に隣接した搬送路下流側にロール周面の接触でワークの表裏面の油分を拭き取るオイルカットロールとワーク表裏面の油分を吸引する吸引ロールとを配設した後室と、を区画形成し、洗浄後のワークに形成すべき油膜層の膜厚を所定範囲に制御する膜厚制御装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
この装置では、吸引ロールに接続された真空ポンプの吸引圧を、インバータでモータの周波数をPID制御することにより、設定真空圧に収束させる真空装置と、洗浄済ワークに形成すべき油膜層の所望膜厚と、真空ポンプの設定圧、及びモータの適正周波数範囲との対応関係を記憶した設定テーブルを備える。そして、膜厚設定手段により設定した所望膜厚と設定テーブルの記憶内容に基づいて、真空ポンプの設定真空圧、及び適正周波数範囲を制御条件記憶領域に設定し、該制御条件記憶領域の設定内容に基づいて機器を作動させる。
【0004】
真空ポンプの設定真空圧を高くすると、ワークの表裏面に形成される油膜層の膜厚は薄くなる。その反対に、設定新空圧を低くすると、ワークの表裏面に形成される油膜層の膜厚は厚くなる。プレス加工によるワークの変形量はプレス加工するパーツに応じて異なる。一般的にプレス加工によるワークの変形量が大きいほど、ワークの表裏面に形成する油膜層の膜厚を厚くすることが求められる。例えば自動車のサイドアウタのようなパーツはプレス加工によるワークの変形量が他のパーツと比較して大きい。この場合、膜厚を厚くする為に、他のパーツを製造するときの設定真空圧よりも低くすることが必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
設定真空圧を低くするには、真空ポンプの吸引圧を低くする必要がある。真空ポンプの吸引圧はインバータでモータの周波数をPID制御することによって調節できる。しかしながら、周波数が低くなりモータの回転数が低くなり過ぎると、真空ポンプの流量制御が不安定になるという問題点があった。例えばモータの回転が肉眼で確認できるほどの低い回転数であったり、ハンチング(カクカクする動き)を起こすほどの低い回転数であると、流量制御が不安定になる。よって、ワークの変形量がより大きいものを扱う為には、設定真空圧が低くても真空装置の安定した流量制御ができる制御装置の開発が求められていた。
【0007】
本発明の目的は、ワークの油膜層の膜厚をより厚くする為に設定真空圧を低くしても、真空装置の安定した流量制御が可能な制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の制御装置は、外部装置から送信される部品情報を受信し、プレス加工装置に送るワークの表裏面に形成された油分を吸引する吸引ロールに接続された真空装置の吸引圧を、インバータで前記真空装置が備える真空ポンプのモータの周波数をPID制御することにより、前記部品情報が指定する設定真空圧に収束させ、前記表裏面に形成された油膜層の膜厚を制御する制御装置であって、前記真空装置は、吸い込み能力が互いに同等である第1真空ポンプと第2真空ポンプを備え、前記設定真空圧に応じて前記第1真空ポンプと前記第2真空ポンプのうち駆動させる真空ポンプの台数を切り替える駆動制御部を備え、前記駆動制御部は、前記設定真空圧が閾値以上の場合は、前記第1真空ポンプと前記第2真空ポンプの両方を同時に且つ同じ吸引圧で駆動させ、それらを合わせた吸引圧が前記設定真空圧となるように、前記第1真空ポンプと前記第2真空ポンプの夫々のモータの周波数をPID制御し、前記設定真空圧が前記閾値未満の場合は、前記第1真空ポンプと前記第2真空ポンプのうち片方のみを駆動させ、前記片方の吸引圧が前記設定真空圧となるように、前記片方の真空ポンプのモータの周波数をPID制御することを特徴とする。制御装置は、設定真空圧に応じて駆動させる真空ポンプの台数を自動で切り替えることができるので、低い設定真空圧であってもインバータでモータの安定した回転を維持できる。これにより制御装置は真空装置を安定して動作させることができるので、油膜層の膜厚を安定して制御できる。また複数の真空ポンプのうち駆動させない真空ポンプを生じさせることによって、駆動させる真空ポンプの吸引能力を最大限に発揮させることができる。また、制御装置は、設定真空圧が閾値以上の場合、吸引能力が互いに同等の2台の真空ポンプを同時に且つ同じ吸引圧で駆動させることで、第1真空ポンプと第2真空ポンプの制御を容易にできる。また、設定真空圧が閾値未満の場合は1台の真空ポンプのみを駆動させるので、低い設定真空圧でも安定した制御が可能となる。また、片方のみを駆動させる場合、もう片方は駆動を停止させるので、駆動させる片方の吸引能力を最大限に発揮させることができる。
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
請求項2の制御装置は、外部装置から送信される部品情報を受信し、プレス加工装置に送るワークの表裏面に形成された油分を吸引する吸引ロールに接続された真空装置の吸引圧を、インバータで前記真空装置が備える真空ポンプのモータの周波数をPID制御することにより、前記部品情報が指定する設定真空圧に収束させ、前記表裏面に形成された油膜層の膜厚を制御する制御装置であって、前記真空装置は、第1真空ポンプと、前記第1真空ポンプよりも吸い込み能力が低い第2真空ポンプを備え、前記設定真空圧に応じて前記第1真空ポンプと前記第2真空ポンプのうち駆動させる真空ポンプの台数を切り替える駆動制御部を備え、前記駆動制御部は、前記設定真空圧が閾値以上の場合は、前記第1真空ポンプと前記第2真空ポンプの両方を駆動させ、それらを合わせた吸引圧が前記設定真空圧となるように、前記第1真空ポンプと前記第2真空ポンプの夫々のモータの周波数をPID制御し、前記設定真空圧が前記閾値未満の場合は、前記設定真空圧が前記閾値未満の場合は、前記第2真空ポンプのみを駆動させ、前記第2真空ポンプの吸引圧が前記設定真空圧となるように、前記第2真空ポンプのモータの周波数をPID制御することを特徴とする。制御装置は、設定真空圧に応じて駆動させる真空ポンプの台数を自動で切り替えることができるので、低い設定真空圧であってもインバータでモータの安定した回転を維持できる。これにより制御装置は真空装置を安定して動作させることができるので、油膜層の膜厚を安定して制御できる。また複数の真空ポンプのうち駆動させない真空ポンプを生じさせることによって、駆動させる真空ポンプの吸引能力を最大限に発揮させることができる。また、設定真空圧が閾値未満の場合、第1真空ポンプの吸引能力よりも低い第2真空ポンプのみを駆動させるので、低い設定真空圧であってもインバータでモータの安定した回転を維持できる。
【0013】
請求項3の制御装置は、前記設定真空圧の変更を受け付ける受付部を備え、前記駆動制御部は、前記受付部が前記設定真空圧の変更を受け付けた場合、変更後の前記設定真空圧に応じて前記駆動させる前記真空ポンプの台数を再度切り替える変更後駆動制御部を備えてもよい。吸引ロールの状態やワークの表裏面等の状態を見て設定真空圧を微調整したい場合、受付部によって設定真空圧の変更を受け付けることができる。そして、変更後の設定真空圧に応じて駆動させる真空ポンプの台数を再度切り替えることができるので、常時設定真空圧に対応する台数の真空ポンプを駆動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図4】吸引ロール15a,15b、真空装置50、制御装置30の正面図である。
【
図7】制御装置30における制御系統を示すブロック図である。
【
図8】真空ポンプ制御処理のフローチャートである。
【
図9】吸引ロール15a,15b、真空装置150(変形例)、制御装置130の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を説明する。以下に記載される構成、制御処理などは、特定的な記載がない限り、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明する為に用いられるものである。
【0016】
図1を参照し、プレス加工システム1の構成について説明する。プレス加工システム1は板金であるワークを洗浄し、そのワーク表面に所定膜厚の油膜層を形成した状態でプレス加工することにより、自動車のパーツP1~P4を製造するシステムである。例えばパーツP1はサイドアウタ、パーツP2はフロントドア、パーツP3はトランクリッド、パーツP4はボンネットである。プレス加工システム1は中央管理装置7、ワーク供給装置2、膜厚制御装置10、プレス加工装置3、金型チェンジャー5、制御装置30、真空装置50を備える。
【0017】
中央管理装置7はプレス加工システム1の動作を統括する。中央管理装置7はワーク供給装置2、プレス加工装置3、金型チェンジャー5、及び制御装置30の夫々に部品情報を送信する。ワーク供給装置2、プレス加工装置3、金型チェンジャー5、及び制御装置30は、中央管理装置7から受信した部品情報に基づき動作する。
【0018】
ワーク供給装置2は例えば4つのストッカーA~Dを備える。ストッカーAはワークW1を複数枚ストックする。ワークW1はパーツP1用のワークである。ワークW1には部品番号=001が付与される。ストッカーBはワークW2を複数枚ストックする。ワークW2はパーツP2用のワークである。ワークW2には部品番号=002が付与される。ストッカーCはワークW3を複数枚ストックする。ワークW3はパーツP3用のワークである。ワークW3には部品番号=003が付与される。ストッカーDはワークW4を複数枚ストックする。ワークW4はパーツP4用のワークである。ワークW4には部品番号=004が付与される。以下説明において、ワークW1~W4を総称する場合は「ワークW」と呼ぶ。なお、ストッカーA~Dにストックされる洗浄前のワークWの表裏面には、既に錆止め等の表面処理が施されている。
【0019】
中央管理装置7がワーク供給装置2に送信する部品情報には部品番号が含まれる。ワーク供給装置2は中央管理装置7から送信された部品番号に対応するワークWをストッカーから運搬し、搬送ライン6の入口に供給する。搬送ライン6は、ワーク供給装置2からプレス加工装置3に向けてワークを搬送するラインである。搬送ライン6にはコンベア等の自動搬送機構が設けられる。
【0020】
膜厚制御装置10は搬送ライン6の途中に設置される。膜厚制御装置10は、搬送ライン6に沿って搬送されたワークWを洗浄し、その上下面に所定膜厚の油膜層を形成する。ワークWの上下面に形成する油膜層の所定膜厚は自動車のパーツ毎に決められている。膜厚制御装置10には真空装置50が付設される。真空装置50は、膜厚制御装置10の後述する吸引ロール15a,15bに接続される。真空装置50は、制御装置30の制御により、吸引ロール15a,15bからワークWの上下面に形成された油膜層を吸引して所定膜厚に調節する。なお、膜厚制御装置10の具体的構成については後述する。
【0021】
制御装置30は、中央管理装置7から送信される部品情報に基づき、膜厚制御装置10と真空装置50の夫々の動作を制御する。中央管理装置7が膜厚制御装置10と真空装置50に送信する部品情報には、後述の油シャワー条件、設定真空圧等の各種情報が含まれる。
【0022】
プレス加工装置3は、中央管理装置7から送信される部品情報に基づき、所定膜厚の油膜層が上下面に形成されたワークWをプレス加工して自動車のパーツを形成する。中央管理装置7からプレス加工装置3に送信される部品情報には、プレス条件が含まれる。プレス条件とは、例えばプレスによる打ち抜き、又はプレスによる曲げに必要な圧力である。プレス条件は自動車のパーツ毎に異なる。プレス加工装置3には金型が固定される。金型は金型チェンジャー5により自動車のパーツ毎に付替え交換される。
【0023】
金型チェンジャー5はプレス加工装置3に付設される。金型チェンジャー5は、中央管理装置7から送信される部品情報に基づき、プレス加工装置3に固定する金型の付替え交換を行う。中央管理装置7から金型チェンジャー5に送信される部品情報には、金型の識別情報が含まれる。金型チェンジャー5は4つの金型K1~K4を保持し、中央管理装置7から送信された金型の識別情報に基づき、プレス加工装置3に対して付替え交換を行う。
【0024】
金型K1は、ワークW1をプレス加工してパーツP1を形成する金型である。金型K2は、ワークW2をプレス加工してパーツP2を形成する金型である。金型K3は、ワークW3をプレス加工してパーツP3を形成する金型である。金型K4は、ワークW4をプレス加工してパーツP4を形成する金型である。
【0025】
図2,
図3を参照し、膜厚制御装置10の具体的構成について説明する。膜厚制御装置10は、チャンバー11内に上流側から順に、上下一対のピンチロール12a,12b、上下一対のブラシロール13a,13b、上下一対のオイルカットロール14a,14b、上下一対の吸引ロール15a,15bを収納する。
【0026】
チャンバー11は三組の遮蔽板16a,16b、17a,17b、18a,18bにより、前室11A、洗浄室11B、拭き取り室11C、吸引室11Dの四つの区画室に区画される。前室11Aはピンチロール12a,12bを収納する。洗浄室11Bはブラシロール13a,13bを収納する。拭き取り室11Cはオイルカットロール14a,14bを収納する。吸引室11Dは吸引ロール15a,15bを収納する。
【0027】
洗浄室11Bには、上側の遮蔽板16a,17aの下端近くと、下側の遮蔽板16b,17bの上端近くとに、洗浄油噴射ノズル19a~19dがブラシロール13a,13bの全長に渡って設置される。また、吸引室11Dには、上側の遮蔽板18aの上端近くに油スプレー管21が上側の吸引ロール15aの全長に渡って設置される。
【0028】
チャンバー11の入り口11inから進入するワークWは、前室11Aに設置されたピンチロール12a,12bによって上下から挟み付けられて出口11outの方向へ搬送される。洗浄室11Bでは、進入してきたワークWの上下面に対して、洗浄油噴射ノズル19a~19dによる洗浄油の噴射とブラシロール13a,13bによるブラッシングによるブラシ洗浄が実行される。
【0029】
拭き取り室11Cでは、オイルカットロール14a,14bによる油の拭き取りが実行される。オイルカットロール14a,14bは進入してきたワークWの上下面に当接して回転する。吸引室11Dでは、吸引ロール15a,15bによる油の吸引が実行される。吸引ロール15a,15bは進入してきたワークWの上下面に当接して回転する。こうして、ワーク供給装置2から供給されたワークWは、膜厚制御装置10のチャンバー11を入り口11inから出口11outへと搬送される間に、上下面の洗浄・拭き取り・吸引を施され、プレス加工装置3へと投入される。
【0030】
図4に示すように、吸引ロール15a,15bには、中空ロールの外周に不織布積層体22a,22bが装着される。上側の吸引ロール15aには、線圧付与機構(図示略)が設けられる。線圧付与機構は下側の吸引ロール15bに向けてロール押し付け圧を付与する。
【0031】
ワークWの連続洗浄を開始する前には、油シャワー処理が実行される。油シャワー処理は、ワークWの種類毎に異なる油シャワー条件に基づき、線圧付与機構によって上下の吸引ロール15a,15bを接触させると共に、油スプレー管21から所定時間だけ油をスプレーした後に吸引ロール15a,15bを所定時間空転させる処理である。油シャワー条件とは、スプレーする油量と空転時間等である。油シャワー条件は、中央管理装置7から制御装置30に送信される部品情報によって指定される。油シャワー処理が実行されることにより、吸引ロール15a,15bの夫々の不織布積層体22a,22bが所望の湿潤状態となる。
【0032】
図4に示すように、吸引ロール15a,15bには、ロータリージョイント15e,15fを介して真空装置50が接続される。真空装置50は、2つの真空ポンプ51,52、圧力スイッチ(図示略)等を備え、制御装置30によって動作が制御される。真空ポンプ51,52は吸引能力が同じポンプである。真空ポンプ51,52は後述の制御装置30により同時駆動で且つ同一の吸引圧により設定真空圧を保持する様にインバータモータをPID制御される。
【0033】
図5を参照し、油膜層の膜厚と設定真空圧との関係について説明する。
図5に示す表は、ワークWの上面に形成する油膜層の膜厚と設定真空圧との関係を示している。膜厚をM1(g/m
2)に制御するには、真空装置50の設定真空圧をS1(-Kpa)に設定する。膜厚をM2(g/m
2)に制御するには、真空装置50の設定真空圧をS2(-Kpa)に設定する。膜厚をM3(g/m
2)に制御するには、真空装置50の設定真空圧をS3(-Kpa)に設定する。膜厚をM4(g/m
2)に制御するには、真空装置50の設定真空圧をS4(-Kpa)に設定する。膜厚はM1<M2<M3<M4の関係であり、設定真空圧はS1>S2>S3>S4の関係である。
【0034】
つまり膜厚を薄くするには設定真空圧を高く設定すればよく、膜厚を厚くするには設定真空圧を低く設定すればよい。本実施形態では、ワークW1~W4の夫々の上下面に形成する油膜層の膜厚は、対応する自動車のパーツP1~P4に応じて決められている。それ故、中央管理装置7はワークW1~W4毎に設定真空圧を記憶する。中央管理装置7は搬送ライン6に沿って搬送されるワークWの種類に応じて、制御装置30に対して設定真空圧を部品情報として送信する。
【0035】
なお、設定真空圧は操作パネル110(
図3参照)によって調節可能である。操作パネル110は制御装置30に設けられる。操作パネル110はタッチパネルであり、各種操作を受け付けると共に、各種情報を表示する。操作パネル110(
図3参照)による設定真空圧の調節については後述する。
【0036】
図5に示すように、操作パネル110には、真空圧の設定真空圧デジタル表示部111a,実圧デジタル表示部111b,実圧アナログ表示部111c、インバータ周波数のデジタル表示部112a,アナログ表示部112b,設定真空圧調整用の設定真空圧アップスイッチ114a,設定真空圧ダウンスイッチ114b等が設けられる。
【0037】
図6を参照し、制御装置30における制御系統について説明する。制御装置30はPLC31と記憶部32を備える。記憶部32は設定テーブル(図示略)等の各種情報を記憶する。設定テーブルは設定真空圧とインバータ周波数範囲とを対応付けて記憶する。制御装置30には、操作パネル110、膜厚制御装置10、及び真空装置50が電気的に接続される。PLC31は、操作パネル110に表示された各種スイッチ114a,114b,115の入力を受け付けると共に、各種表示部111a~111c,112a,112bに各種情報を表示する。
【0038】
例えば制御装置30が中央管理装置7から部品情報を受信すると、PLC31はその部品情報に含まれる油シャワー実行条件に基づき、膜厚制御装置10の油スプレー管21からの油スプレーと、吸引ロール15a,15bの空転とを実行する。
【0039】
さらにPLC31はその部品情報に含まれる設定新空圧を設定真空圧デジタル表示部111aに表示する。さらにPLC31は、真空装置50の吸引圧をインバータでモータの周波数をPID制御することにより、その設定新空圧に収束させる。
【0040】
また、設定真空圧は操作パネル110で調節可能であり、設定真空圧アップスイッチ114aを押下することによって上昇させることができ、設定真空圧ダウンスイッチ114bを押下することによって降下させることができる。PLC31は設定真空圧の調節結果に対応して、設定真空圧デジタル表示部111aにデジタル表示すると共に設定真空圧を更新する。
【0041】
真空装置50は運転中の吸引圧の実圧とインバータ周波数(以下、INV周波数と呼ぶ)とを制御装置30に随時送信する。PLC31は運転中の吸引圧の実圧を、実圧デジタル表示部111bにデジタル表示すると共に、実圧アナログ表示部111cにスケール表示する。さらにPLC31は運転中のINV周波数を、INV周波数デジタル表示部112aにデジタル表示すると共に、INV周波数アナログ表示部112bにスケール表示する。さらにPLC31は、INV周波数アナログ表示部112bに、記憶部32に記憶された設定テーブル(図示略)に記憶されたインバータ周波数範囲に対応するインジケータ目盛112c,112dを表示する。作業者は、インジケータ目盛112c,112dを視認することにより、運転中のINV周波数の変動状態が適正な範囲内に収まっているか否かを感覚的に確認できる。
【0042】
図1を参照し、プレス加工システム1の動作の一例について説明する。例えばパーツP1(サイドアウタ)をプレス加工する場合を例に説明する。この場合、中央管理装置7はワーク供給装置2に対して部品番号=001の部品情報を送信し、制御装置30に対してワークW1に対応する油シャワー条件、及び設定新空圧を含む部品情報を送信し、金型チェンジャー5に対して金型K1を識別する識別情報を含む部品情報を送信し、プレス加工装置3に対してワークW1のプレス条件を含む部品情報を送信する。
【0043】
ワーク供給装置2は、中央管理装置7から受信した部品番号=001の部品情報に基づき、ストッカーAからワークW1を運搬し、搬送ライン6に供給する。搬送ライン6に供給されたワークW1は膜厚制御装置10に搬送される。制御装置30は、中央管理装置7から受信した油シャワー条件に基づき膜厚制御装置10の動作を制御する。これと並行して、制御装置30は真空装置50の吸引圧が中央管理装置7から受信した設定真空圧となるように真空装置50の動作を制御する。なお、制御装置30のPLC31による真空装置50の制御動作については後述する。膜厚制御装置10により所定膜厚の油膜層が形成されたワークWは搬送ライン6によってプレス加工装置3に搬送される。
【0044】
金型チェンジャー5は、中央管理装置7から受信した金型の識別情報に基づき、金型K1をプレス加工装置3にセットする。プレス加工装置3は、中央管理装置7から受信したプレス条件に基づき、ワークW1に対してプレス加工を実行する。こうして、プレス加工装置3からパーツP1が製造される。製造されたパーツP1は自動車の組立てラインに搬送され、決められた色で塗装される。
【0045】
図7を参照し、真空ポンプ制御処理について説明する。中央管理装置7から部品情報として設定真空圧を受信すると、PLC31は本処理を実行する。
【0046】
PLC31は受信した設定真空圧が閾値a1以上か否か判断する(S11)。閾値a1は、設定真空圧に応じて2台の真空ポンプ51,52の両方を駆動するか、片方のみを駆動するかを決定する為の基準値である。なお、閾値a1は作業者により適宜変更可能である。
【0047】
PLC31は、吸引能力が同一の2台の真空ポンプ51,52を用いて、設定真空圧がa1(-KPa)以上か未満かで、駆動させる真空ポンプの台数を2台若しくは1台に自動で切り替える。PLC31は2台の真空ポンプ51,52を駆動させる場合、それら2台を同じ吸引圧で同時に駆動させ、それらを合わせた吸引圧が設定真空圧となるように、インバータでモータの周波数をPID制御する。
【0048】
設定真空圧が閾値a1以上であった場合(S11:YES)、PLC31は真空ポンプ51,52の2台を同時駆動し、夫々の吸引圧で設定真空圧に収束するように、インバータでモータの周波数をPID制御する(S12)。PLC31は2台の真空ポンプ51,52を駆動させることから、閾値a1以上の高い設定真空圧を安定して維持できる。これによりPLC31は油膜層の膜厚を正確且つ安定して制御できる。
【0049】
他方、設定真空圧が閾値a1未満であった場合(S11:NO)、PLC31は片方である真空ポンプ51のみを駆動し、1台の吸引圧のみで設定真空圧に収束するように、インバータでモータの周波数をPID制御する(S13)。PLC31は1台の真空ポンプ51のみを駆動させることから、閾値a1未満の低い設定真空圧であってもモータを安定して回転させることができる。これにより、PLC31は閾値a1未満の低い設定真空圧を安定して維持できるので、油膜層の膜厚を正確かつ安定して制御できる。
【0050】
次いで、PLC31は操作パネル110の設定真空圧アップスイッチ114aが作業者により押下されたか否か判断する(S14)。設定真空圧アップスイッチ114aが押下された場合(S14:YES)、PLC31は、現在の設定真空圧を所定量だけ上昇させた値(設定真空圧-α)に更新する(S16)。
【0051】
設定真空圧アップスイッチ114aが押下されない場合(S14:NO)、PLC31は設定真空圧ダウンスイッチ114bが作業者により押下されたか否か判断する(S15)。設定真空圧ダウンスイッチ114bが押下された場合は(S15:YES)、PLC31は現在の設定真空圧を所定量だけ降下させた値(設定真空圧+α)に更新する(S17)。
【0052】
なお、設定真空圧アップスイッチ114及び設定真空圧ダウンスイッチ114bの何れも押下されない場合(S14:NO、S15:NO)、PLC31は処理を後述のS21に進める。
【0053】
そして、設定真空圧が更新された場合(S16,S17)、PLC31は再度更新後の設定真空圧が閾値a1以上か否か判断する(S18)。更新後の設定真空圧が閾値a1以上であった場合(S18:YES)、PLC31は真空ポンプ51,52の2台を同時駆動し、夫々の吸引圧で設定真空圧に収束するように、インバータでモータの周波数をPID制御する(S19)。
【0054】
他方、更新後の設定真空圧が閾値a1未満であった場合(S18:NO)、PLC31は片方である真空ポンプ51のみを駆動し、1台の吸引圧のみで設定真空圧に収束するように、インバータでモータの周波数をPID制御する(S20)。
【0055】
次いで、PLC31は中央管理装置7から新たに部品情報を受信したか否か判断する(S21)。部品情報を受信しない場合(S21:NO)、PLC31はS14に戻って上記処理を繰り返す。部品情報を新たに受信した場合(S21:YES)、PLC31はS11に戻って上記処理を繰り返す。
【0056】
ところで、プレス加工システム1による連続運転の実行中、
図6に示す操作パネル110において、アナログ表示部112bのインバータ周波数が下限のインジケータ目盛112cを下回るときは洗浄済ワークWの表面の「濡れ過ぎ」を意味し、逆にアナログ表示部112bのインバータ周波数が上限のインジケータ目盛112dを上回るときは洗浄済ワークWの表面の「乾き過ぎ」を意味する。つまり、作業者は、INV周波数アナログ表示部112bに対するスケール表示がインジケータ目盛112c,112dの範囲内に収まっているか否かにより、所定膜厚が実現できているか否かを容易に確認できる。
【0057】
作業者は、「濡れ過ぎ」のときは設定真空圧アップスイッチ114aを押下して設定真空圧を上昇させて吸引ロール15a,15bによる油の吸引量を増加させる。逆に「乾き過ぎ」のときは設定真空圧ダウンスイッチ114bを押下して設定真空圧を降下させて吸引ロール15a,15bによる油の吸引量を低下させるといった調整を容易に実行できる。
【0058】
上記説明において、中央管理装置7は本発明の「外部装置」の一例である。真空ポンプ51は本発明の「第1真空ポンプ」の一例であり、真空ポンプ52は「第2真空ポンプ」の一例である。
図8のS11~S13を実行するPLC31は本発明の「駆動制御部」の一例である。S18~S20を実行するPLC31は本発明の「変更後駆動制御部」の一例である。操作パネル110は本発明の「受付部」の一例である。
【0059】
以上説明したように、本実施形態の制御装置30は、中央管理装置7から送信される部品情報を受信し、プレス加工装置3に送るワークWの表裏面に形成された油分を吸引する吸引ロール15a,15bに接続された真空装置50の吸引圧を、インバータで真空装置50が備える2台の真空ポンプ51,52のモータの周波数をPID制御することにより、部品情報が指定する設定真空圧に収束させ、表裏面に形成された油膜層の膜厚を制御する。制御装置30のPLC31は、中央管理装置7から送信された部品情報に含まれる設定真空圧に応じて2台の真空ポンプ51,52のうち駆動させる真空ポンプの台数を切り替える。これにより制御装置30は低い設定真空圧であってもインバータでモータの安定した回転を維持できる。制御装置30は真空装置50を安定して動作させることができるので、油膜層の膜厚を安定して制御できる。また2台の真空ポンプ51,52のうち駆動させない真空ポンプを生じさせることによって、駆動させる真空ポンプの吸い込み能力を最大限に発揮させることができる。
【0060】
また、PLC31は、設定真空圧が閾値a1以上の場合は、真空ポンプ51,52の両方を駆動させ、設定真空圧が閾値a1未満の場合は、真空ポンプ51のみを駆動させる。設定真空圧が閾値a1以上か未満かで、2台の真空ポンプ51,52のうち駆動させる真空ポンプを2台と1台に自動で切り替えることができる。設定真空圧が閾値a1未満の場合は真空ポンプ51のみを駆動させるので、低い設定真空圧でも安定した制御が可能となる。また、真空ポンプ51のみを駆動させる場合、真空ポンプ52は駆動を停止させるので、駆動させる真空ポンプ51の吸い込み能力を最大限に発揮させることができる。
【0061】
また、真空ポンプ51と真空ポンプ52は吸い込み能力が互いに同等である。その上でPLC31は真空ポンプ51と52を駆動させる場合、真空ポンプ51と52を同時に且つ同じ吸引圧で駆動させる。これによりPLC31は真空ポンプ51と52の制御を容易にできる。
【0062】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。上記実施形態のプレス加工システム1は自動車工場等に設置されるものであるが、自動車工場に限定されず、その他の工場に設置されてもよい。プレス加工システム1が製造する自動車のパーツP1~P4は一例であって、その他の自動車のパーツの製造も可能である。
【0063】
プレス加工装置3にセットされる金型は金型チェンジャー5によって自動交換されるが、交換方法は変更可能である。例えば手動で交換してもよい。
【0064】
図4に示す真空装置50は2台の真空ポンプ51,52を備え、それらは同等の吸い込み能力を有するものであるが、吸い込み能力を相互に異ならせてもよい。例えば
図9に示すように、変形例である真空装置150は、2台の真空ポンプ151,152を備えるが、真空ポンプ152(本発明の「第2真空ポンプ」の一例)は真空ポンプ151と比較して小型の真空ポンプである。油膜層の膜厚をかなり厚くしたい場合、設置真空圧をかなり落とす必要があるが、このときに小型の真空ポンプ152のみを駆動させることで、インバータでモータの安定した回転を維持できる。よって、極低レベルでの真空制御が可能になる。
【0065】
真空装置50は2台の真空ポンプ51,52を備えるが、複数台であればよく、例えば3台以上であってもよい。その場合、部品情報として指定される設定真空圧が高ければ高いほど、駆動させる真空ポンプの台数を多くすればよい。この場合、設定真空圧が高いレベルであってもその設定真空圧に安定して収束させることができる。その反対に、設定真空圧が低ければ低いほど、駆動させる真空ポンプの台数を少なくすればよい。この場合、設定真空圧が低いレベルであってもその設定真空圧に安定して収束させることができる。
【0066】
膜厚制御装置10の吸引室11Dには上下一対の吸引ロール15a,15bが設けられるが、吸引ロールの本数や長さは限定しない。例えばワークWの上側に2本の吸引ロール、下側に2本の吸引ロールを設けてもよい。
【0067】
制御装置30はPLC31で動作するものであるが、PLC31の代わりに例えばCPUで動作するものであってもよい。
図8に示す真空ポンプ制御処理の各ステップは、PLC31によって実行される例に限定されず、一部又は全部が他の電子機器(例えば、ASIC)によって実行されてもよい。真空ポンプ制御処理の各ステップは、複数の電子機器(例えば複数のCPU、又は複数のPLC)によって分散処理されてもよい。
【0068】
上記実施形態では、洗浄室11B内に洗浄油噴射ノズル19a~19dを設置したが、ブラシロール13a,13bの内側から洗浄油を吐出させる構成としても構わない。また、上記実施形態では油スプレー管21を吸引室11Dの上側の遮蔽板18aの上端近くに設置したが、例えば、吸引ロール15aの頂点辺りより前側の範囲内の適所に設置するなど、スプレーした油が出口11outから漏れない位置であればどこでも構わない。加えて、上記実施形態ではプレス加工システム1に設置した制御装置30の操作パネル110を操作する構成について説明したが、作業者が所持する遠隔操作用の端末に操作パネル110と同様の機能を持たせてもよい。
【符号の説明】
【0069】
1
3 プレス加工装置
7 中央管理装置
15a,15b 吸引ロール
30 制御装置
31 PLC
50 真空装置
51,52 真空ポンプ
【要約】
【課題】ワークの油膜層の膜厚をより厚くする為に設定真空圧を低くしても、真空装置の安定した流量制御が可能な制御装置を提供する。
【解決手段】制御装置30は、中央管理装置7から送信される部品情報を受信し、プレス加工装置3に送るワークWの表裏面に形成された油分を吸引する吸引ロール15a,15bに接続された真空装置50の吸引圧を、インバータで真空装置50が備える2台の真空ポンプのモータの周波数をPID制御することにより、部品情報が指定する設定真空圧に収束させ、表裏面に形成された油膜層の膜厚を制御する。制御装置30のPLCは、中央管理装置7から送信された部品情報に含まれる設定真空圧に応じて2台の真空ポンプのうち駆動させる真空ポンプの台数を切り替える。
【選択図】
図1