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7622357コード決済確認支援システム、コード決済確認支援方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-20
(45)【発行日】2025-01-28
(54)【発明の名称】コード決済確認支援システム、コード決済確認支援方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/06 20120101AFI20250121BHJP
   G06Q 20/32 20120101ALI20250121BHJP
   G07G 1/12 20060101ALI20250121BHJP
【FI】
G06Q20/06 300
G06Q20/32
G07G1/12 321L
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020090564
(22)【出願日】2020-05-25
(65)【公開番号】P2021189459
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2023-04-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】飯塚 修弘
(72)【発明者】
【氏名】今野 航
【審査官】木村 慎太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-061040(JP,A)
【文献】特許第6647674(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G07G 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子マネーによる代金の決済の完了時において、当該決済を行なう顧客の端末に表示される決済事業者により生成された決済完了画面を観察して、前記代金の決済の完了を確認するコード決済方式で用いられるコード決済確認支援システムであり、
前記決済完了画面が前記決済事業者により生成された正規な画面であることを証明する真正確認情報を生成する真正確認情報生成部と、
前記決済完了画面を含む決済の情報に対して前記真正確認情報を付与して、前記端末に送信する決済確認支援情報を生成する情報合成部と
音声合成エンジン及び音源を記憶する素材情報記憶部と、
を備え、
前記真正確認情報が、前記決済に関連する決済関連情報における少なくとも決済する金額を含む、決済毎に異なる通知情報を音声で出力することを含み、
前記真正確認情報生成部が、前記声合成エンジン及び前記音源を用いて、前記通知情報を音声で出力する前記真正確認情報を作成する
ことを特徴とするコード決済確認支援システム。
【請求項2】
真正確認情報生成部が、前記決済完了画面で通知される情報を含む決済に関連する情報である決済関連情報に対応させて前記真正確認情報を生成する
ことを特徴とする請求項1に記載のコード決済確認支援システム。
【請求項3】
所定の選択情報と前記真正確認情報との対応関係を示す素材データテーブルをさらに備え、
前記真正確認情報生成部が、前記素材データテーブルを参照して、前記決済に関連する決済関連情報により求まる前記選択情報に対応した前記真正確認情報を抽出する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のコード決済確認支援システム。
【請求項4】
前記選択情報が、前記決済関連情報における時間、曜日の項目のデータである
ことを特徴とする請求項3に記載のコード決済確認支援システム。
【請求項5】
前記選択情報が、前記決済関連情報の各項目における数値データから所定のロジックで求められる計算値である
ことを特徴とする請求項3に記載のコード決済確認支援システム。
【請求項6】
前記選択情報が前記決済事業者及び店舗の各々で異なっている
ことを特徴とする請求項3から請求項5のいずれか一項に記載のコード決済確認支援システム。
【請求項7】
前記真正確認情報が、前記決済完了画面の表示形態を、前記選択情報毎に異ならせる情報である
ことを特徴とする請求項3から請求項6のいずれか一項に記載のコード決済確認支援システム。
【請求項8】
前記真正確認情報が、前記決済完了画面に対して、前記選択情報毎に異なる画像を表示する情報である
ことを特徴とする請求項3から請求項7のいずれか一項に記載のコード決済確認支援システム。
【請求項9】
前記真正確認情報が、前記決済完了画面における前記決済関連情報の各々を、前記選択情報毎によって異なるフォントで表示する情報である
ことを特徴とする請求項3から請求項7のいずれか一項に記載のコード決済確認支援システム。
【請求項10】
電子マネーによる代金の決済の完了時において、当該決済を行なう顧客の端末に表示される決済事業者により生成された決済完了画面を観察して、前記代金の決済の完了を確認するコード決済方式で用いられるコード決済確認支援方法であり、
真正確認情報生成部が、前記決済完了画面が前記決済事業者により生成された正規な画面であることを証明する真正確認情報を生成する真正確認情報生成過程と、
情報合成部が、前記決済完了画面を含む決済の情報に対して前記真正確認情報を付与して、前記端末に送信する決済確認支援情報を生成する情報合成過程と
音声合成エンジン及び音源を記憶する素材情報記憶過程と、
を含み、
前記真正確認情報が、前記決済に関連する決済関連情報における少なくとも決済する金額を含む、決済毎に異なる通知情報を音声で出力することを含み、
前記真正確認情報生成過程が、前記声合成エンジン及び前記音源を用いて、前記通知情報を音声で出力する前記真正確認情報を作成する
ことを特徴とするコード決済確認支援方法。
【請求項11】
電子マネーによる代金の決済の完了時において、当該決済を行なう顧客の端末に表示される決済事業者により生成された決済完了画面を観察して、前記代金の決済の完了を確認するコード決済方式で用いられるコード決済確認支援システムとしてコンピュータを動作させるプログラムであり、
前記コンピュータを、
前記決済完了画面が前記決済事業者により生成された正規な画面であることを証明する真正確認情報を生成する真正確認情報生成手段、
前記決済完了画面を含む決済の情報に対して前記真正確認情報を付与して、前記端末に送信する決済確認支援情報を生成する情報合成手段
音声合成エンジン及び音源を記憶する素材情報記憶手段、
として動作させ、
前記真正確認情報が、前記決済に関連する決済関連情報における少なくとも決済する金額を含む、決済毎に異なる通知情報を音声で出力することを含み、
前記真正確認情報生成手段が、前記声合成エンジン及び前記音源を用いて、前記通知情報を音声で出力する前記真正確認情報を作成する、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コード決済確認支援システム、コード決済確認支援方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、支払のキャッシュレス化が促進され、識別コードを用いた電子決済(コード決済)が、コンビニ、スーパー、あるいはドラッグストアや飲食店などの店舗における料金の支払いなどの場面で利用されている。
また、コード決済には、現在、CPM(Customer Presented Mode)方式とMPM(Merchant Presented Mode)方式とがある。
CPM方式は、顧客のスマートフォン(あるいはタブレット端末などを含む携帯端末)の表示画面に表示された識別コードを店舗端末に接続したリーダで読み取り、識別コードに紐付けた(対応付けた)顧客の電子マネー口座から、店舗が予め決済事業者へ登録しておいた口座へ決済する料金(決済料金)が支払われる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
一方、MPM方式は、店側が予め印刷または店舗端末の表示画面に表示された識別コードを、顧客がスマートフォンで読み取り、決済料金を所定の欄に入力して送信することにより、顧客が予め決済事業社へ登録しておいた電子マネー口座から、識別コードに紐付いた店舗の口座へ決済料金が支払われる。
MPM方式は、店舗に識別コードを提示、例えば識別コードの印刷物を置いておくだけで、電子マネーの決済処理が可能であり、CPM方式と比較して容易に導入できるため、多くの店舗で用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2007-299316号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、MPM方式の場合には、顧客のスマートフォンと決済事業者との間の通信のみが行なわれ、店舗端末と決済事業者の口座管理システムとの間では決済に関する通信が一切行なわれない。
このため、MPM方式においては、商品の代金の支払における決済処理の完了を、店員は顧客のスマートフォンに表示される決済完了画面を目視することで確認することがほとんどである。
そのため、このシステムを悪用することで、スマートフォンにおける決済のアプリケーションが偽造され、顧客のスマートフォンと決済事業者との間の決済の通信を一切行なわずに、あたかも支払ったかのように見せる、偽装された決済完了画面を表示させ、代金の支払いを逃れる犯罪行為が発生する可能性がある。
【0006】
店員が決済番号に基づいた決済事業者に対する問合せ、あるいは決済事業者から店舗に予め付与されたアカウントにより決済状態をインターネットで閲覧することにより、決済処理の結果を確認することは可能である。
しかし、顧客から決済番号を聞き出したり、顧客の決済処理の結果を確認するための環境を整備しなければならなかったり等の手間がかかるため、実際には上記確認作業を行なっていない店舗がほとんどである。
【0007】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたもので、店員が顧客のスマートフォンなどの携帯端末に表示された決済完了画面を確認することにより、表示されている決済完了画面が真正なものか或いは偽造されたものか、すなわち決済処理が実際に完了しているか否かの判定を容易に行なうことができるコード決済確認支援システム、コード決済確認支援方法及びプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するために、本発明のコード決済確認支援システムは、電子マネーによる代金の決済の完了時において、当該決済を行なう顧客の端末に表示される決済事業者により生成された決済完了画面を観察して、前記代金の決済の完了を確認するコード決済方式で用いられるコード決済確認支援システムであり、前記決済完了画面が前記決済事業者により生成された正規な画面であることを証明する真正確認情報を生成する真正確認情報生成部と、前記決済完了画面を含む決済の情報に対して前記真正確認情報を付与して、前記端末に送信する決済確認支援情報を生成する情報合成部と、音声合成エンジン及び音源を記憶する素材情報記憶部と、を備え、前記真正確認情報が、前記決済に関連する決済関連情報における少なくとも決済する金額を含む、決済毎に異なる通知情報を音声で出力することを含み、前記真正確認情報生成部が、前記声合成エンジン及び前記音源を用いて、前記通知情報を音声で出力する前記真正確認情報を作成することを特徴とする。
【0009】
本発明のコード決済確認支援システムは、真正確認情報生成部が、前記決済完了画面で通知される情報を含む決済に関連する情報である決済関連情報に対応させて前記真正確認情報を生成することを特徴とする。
【0011】
本発明のコード決済確認支援システムは、所定の選択情報と前記真正確認情報との対応関係を示す素材データテーブルをさらに備え、前記真正確認情報生成部が、前記素材データテーブルを参照して、前記決済に関連する決済関連情報により求まる前記選択情報に対応した真正確認情報を抽出することを特徴とする。
【0012】
本発明のコード決済確認支援システムは、前記選択情報が、前記決済関連情報における時間、曜日の項目のデータであることを特徴とする。
【0013】
本発明のコード決済確認支援システムは、前記選択情報が、前記決済関連情報の各項目における数値データから所定のロジックで求められる計算値であることを特徴とする。
【0014】
本発明のコード決済確認支援システムは、前記選択情報が前記決済事業者及び店舗の各々で異なっていることを特徴とする。
【0015】
本発明のコード決済確認支援システムは、前記真正確認情報が、前記決済完了画面の表示形態を、前記選択情報毎に異ならせる情報であることを特徴とする。
本発明のコード決済確認支援システムは、前記真正確認情報が、前記決済完了画面に対して、前記選択情報毎に異なる画像を表示する情報であることを特徴とする。
【0016】
本発明のコード決済確認支援システムは、前記真正確認情報が、前記決済完了画面における前記決済関連情報の各々を、前記選択情報毎によって異なるフォントで表示する情報であることを特徴とする。
【0017】
本発明のコード決済確認支援方法は、電子マネーによる代金の決済の完了時において、当該決済を行なう顧客の端末に表示される決済事業者により生成された決済完了画面を観察して、前記代金の決済の完了を確認するコード決済方式で用いられるコード決済確認支援方法であり、真正確認情報生成部が、前記決済完了画面が前記決済事業者により生成された正規な画面であることを証明する真正確認情報を生成する真正確認情報生成過程と、情報合成部が、前記決済完了画面を含む決済の情報に対して前記真正確認情報を付与して、前記端末に送信する決済確認支援情報を生成する情報合成過程と、音声合成エンジン及び音源を記憶する素材情報記憶過程と、を含み、前記真正確認情報が、前記決済に関連する決済関連情報における少なくとも決済する金額を含む、決済毎に異なる通知情報を音声で出力することを含み、前記真正確認情報生成過程が、前記声合成エンジン及び前記音源を用いて、前記通知情報を音声で出力する前記真正確認情報を作成することを特徴とする。
【0018】
本発明のプログラムは、電子マネーによる代金の決済の完了時において、当該決済を行なう顧客の端末に表示される決済事業者により生成された決済完了画面を観察して、前記代金の決済の完了を確認するコード決済方式で用いられるコード決済確認支援システムとしてコンピュータを動作させるプログラムであり、前記コンピュータを、前記決済完了画面が前記決済事業者により生成された正規な画面であることを証明する真正確認情報を生成する真正確認情報生成手段、前記決済完了画面を含む決済の情報に対して前記真正確認情報を付与して、前記端末に送信する決済確認支援情報を生成する情報合成手段、音声合成エンジン及び音源を記憶する素材情報記憶手段、として動作させ、前記真正確認情報が、前記決済に関連する決済関連情報における少なくとも決済する金額を含む、決済毎に異なる通知情報を音声で出力することを含み、前記真正確認情報生成手段が、前記声合成エンジン及び前記音源を用いて、前記通知情報を音声で出力する前記真正確認情報を作成する、プログラムである。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように、本発明によれば、店員が顧客のスマートフォンなどの携帯端末に表示された決済完了画面を確認することにより、表示されている決済完了画面が真正なものか或いは偽造されたものか、すなわち決済処理が実際に完了しているか否かの判定を容易に行なうことができるコード決済確認支援システム、コード決済確認支援方法及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の第1の実施形態によるコード決済確認支援システムを用いたコード決済システムの構成例を示すブロック図である。
図2】ユーザ端末の表示画面に表示される決済事業者の口座管理システムが生成する決済完了画面の例を示す図である。
図3】本実施形態によるコード決済確認支援システム300を用いた電子マネー決済システムにおける決済処理の動作例を示すシーケンス図である。
図4】コード決済確認支援システムの素材情報記憶部304に記憶されているルールテーブル及び素材データテーブルの構成例を示している。
図5】本実施形態による真正確認情報が付加される決済完了画面の一例を示す図である。
図6】本実施形態におけるコード決済確認支援システムの素材情報記憶部304に記憶されている素材データテーブルの他の構成例を示している。
【発明を実施するための形態】
【0021】
<第1の実施形態>
以下、本発明の第1の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態によるカード管理システムを用いたバーコード(二次元バーコードを含む)決済システムの構成例を示すブロック図である。図1において、コード決済システム1は、ユーザ端末100_1~100_n、口座管理システム200及びコード決済確認支援システム300の各々を備えている。
コード決済システム1において、ユーザ端末100、口座管理システム200及びコードシステム300の各々は、インターネットを含む情報通信網500により接続されている。
【0022】
本実施形態において、MPM方式における決済完了画面が「代金の決済が完了したタイミングにおいて、決済事業者により正規に生成された(真の)画像である」ことを確認するために用いる真正確認情報を音声として説明する。店舗の店員は、予め、ユーザ端末100の表示画面に決済完了画面が表示された際に、決済完了画面における決済金額が音声により出力される(発声される)ことを、コード決済確認支援システム300を運用する事業体から予め通知されて認識している。
【0023】
このため、店員は、顧客より提示された決済完了画面を確認した際に、表示された決済金額が音声で出力された場合、確認している決済完了画面は正規、すなわち真に決済が完了した際に決済事業者に作成された画面であることを確認することができる。一方、店員は、顧客より提示された決済完了画面を確認した際に、表示された決済金額が音声で出力されない場合、確認している決済完了画面は非正規、すなわち真に決済が完了したことで決済事業者により生成された画像ではないことを確認することができる。
【0024】
ユーザ端末100_1は、データ入出力部101、識別コード読取り部102、決済制御部103、表示部104、音声出力部105及び記憶部106の各々を備えている。他のユーザ端末100_nも、ユーザ端末100_1と同様の構成である。ユーザ端末100には、例えば、コード決済を行なうアプリケーションのプログラムがインストールされ、このアプリケーションが起動されることにより、ユーザ端末100の各部の動作が実行される。
データ入出力部101は、情報通信網を介したデータの送受信を行ない、また、コード決済確認支援システム300から供給される決済完了情報を記憶部106に書き込んで記憶させる。
【0025】
識別コード読取り部102は、店舗における代金の支払を行なう会計(支払場所)において、店舗側が提示する識別コードの読取りを行なう。
ここで、識別コードの読取りは、識別コードが印刷された印刷物、あるいはレジスターの表示画面やタブレット端末などに表示された識別コードの画像を、ユーザ端末100に搭載された撮像装置(不図示)で撮像することにより行なわれる。
そして、識別コード読取り部102は、識別コードの種類を判別し、撮像した識別コード情報を抽出して取得する。
【0026】
ここで、識別コード情報は、少なくとも、契約店情報、業種、取引通貨、契約店名、契約店所在地、契約店郵便番号及びチェックデジットを含んでいる。
契約店情報は、決済事業者が提供する決済サービスを導入している事業者、ブランド、店舗名、識別コードの表示方法などを一意に特定するための情報(文字列など)などである。業種は、ビジネスとして取り扱う商品による分類であり、服飾、飲食、宿泊、運送などである。取引通貨は、決済を行う通貨の種類、例えば円、ドル、ユーロなどである。契約店名は、契約している店舗の名称である。契約店所在地は、契約している店舗の住所である。契約店郵便番号は、契約している店舗の郵便番号である。チェックデジットは、決済金額などの数列の誤りを検出したり、捏造を防止したりするための、一定のアルゴリズムに従って付加される数値や記号である。
【0027】
決済制御部103は、アプリケーションが起動された際、識別コードの読取りを促す表示を表示部104に対して表示する。
また、決済制御部103は、識別コード読取り部102が識別コード情報を取得した場合、表示部104に対して決済する金額(決済金額)の金額入力及びクーポンやポイントなどの、顧客が店舗に対して実際に支払う金額を減額する情報入力欄を表示する。
そして、決済制御部103は、金額入力欄に決済金額の数値が入力される、またクーポンやポイントなどの利用がある場合にはそれらの情報も併せて入力されることにより、決済要求情報を口座管理システム200に対して出力する。
【0028】
ここで、決済要求情報は、少なくとも、取引区分、発行会社コード、端末コード、店舗コード、端末処理年月日、端末処理時間、承認番号、決済金額及び支払い金額を含んでいる。
取引区分は、送信される要求電文の取引種別を示しており、アクティベート(決済事業者における新たな取引口座の開設要求)、入金(取引口座への電子マネーのチャージ要求)、出金(取引口座からの電子マネーを用いた決済要求)、残高照会(取引口座における電子マネーの金額の照会要求)及び取消(アクティベート、入金、出金、残高照会の各々の要求を取り消す要求)などである。
【0029】
発行会社コードは、口座管理システム200に登録された、識別コードを用いた電子決済サービスを導入している事業者を一意に特定するための情報(数列など)である。端末コードは、決済事業者によって付与されたユーザの取引口座を一意に特定するための情報(数列など)である。店舗コードは、ユーザ端末100により読み込まれた識別コード情報に含まれる契約店情報における店舗コードである。
【0030】
端末処理年月日は、決済制御部103が口座管理システム200に決済要求情報を出力した年月日である。端末処理時間は、決済制御部103が口座管理システム200に決済要求情報を出力した時刻である。承認番号は、口座管理システム200により付与される管理番号であり、ユーザ端末100から口座管理システム200に出力される時点においては存在しない。決済金額は、商品の代金として金額入力欄に入力された数列である。支払い金額は、クーポンやポイントの利用相当分だけ決済金額から減額された、顧客が店舗に対して実際に支払う金額である。
【0031】
表示部104は、例えば、カラー液晶ディスプレイなどの画像表示デバイスである。
音声出力部105は、スピーカなどの音声を出力するデバイスである。
記憶部106は、決済処理を行なうアプリケーションのプログラムや、識別コードの種別(識別コード種別)を識別するための参照情報などが書き込まれている。
【0032】
口座管理システム200は、データ入出力部201、口座番号管理部202、口座残高管理部203及び口座情報記憶部204の各々を備えている。
データ入出力部201は、情報通信網500を介して、ユーザ端末100及びコード決済確認支援システム300の各々とのデータの送受信を行なう。
口座番号管理部202は、ユーザ端末100から供給された決済要求情報から、ユーザ端末100の端末コードを抽出する。
【0033】
そして、口座番号管理部202は、口座情報記憶部204の口座テーブルにおける端末コード(以下、参照端末コード)を参照し、抽出した端末コード(以下、抽出端末コード)と同一の参照端末コードが検出できるか否かの判定を行なう。
ここで、口座番号管理部202は、上記口座テーブルにおいて抽出端末コードと同一の参照端末コードが検出された場合、ユーザ認証において口座を有しており決済処理を利用できるユーザとして認証する。一方、口座番号管理部202は、抽出端末コードと同一の参照端末コードが検出されない場合、ユーザ認証において口座を有しておらず、決済処理を利用できるユーザとして認証しない。
【0034】
口座残高管理部203は、口座テーブルにおける参照端末コードに対応して記憶されている電子マネーの金額(残高)の管理、例えば入金(金額加算)処理、出金(金額減算)処理、金額の確認処理などを行なう。
また、口座残高管理部203は、決済金額の出金処理が正常に終了した際、決済処理が終了したとして承認番号を付与し、決済完了情報をコード決済確認支援システム300に対して送信する。この決済完了情報には、口座残高管理部203が決済毎に生成するユーザ端末100に対して出力する、決済が完了したことを示す決済完了画面を含む。
【0035】
ここで、決済完了情報は、少なくとも、決済関連情報として、発行会社コード、端末コード、店舗コード、端末処理年月日、端末処理時間、承認番号、決済金額及び支払金額の各々と、決済が完了したことを示す決済完了画面の画像データとを含んでいる。
【0036】
発行会社コードは、口座管理システム200に登録された、識別コードを用いた電子決済サービスを導入している事業者を一意に特定するための情報(数列など)である。端末コードは、決済事業者によって付与されたユーザの取引口座を一意に特定するための情報(数列など)である。店舗コードは、ユーザ端末100により読み込まれた識別コード情報に含まれる契約店情報における店舗コードである。
【0037】
端末処理年月日は、決済制御部103が口座管理システム200に決済要求情報を出力した年月日である。端末処理時間は、決済制御部103が口座管理システム200に決済要求情報を出力した時刻である。承認番号は、口座管理システム200により取引に対応して付与される管理番号である。決済金額は、商品の代金として金額入力欄に入力された数列である。支払い金額は、クーポン券やポイントの利用相当分だけ決済金額から減額された、顧客が店舗に対して実際に支払う金額を示す数列である。
【0038】
図2は、ユーザ端末の表示画面に表示される決済事業者の口座管理システムが生成する決済完了画面の例を示す図である。
図2において、表示部104の表示画面104Sには、例えば、文字画像601、文字画像602、文字画像603及び文字画像604の各々が表示される。
文字画像601は、電子マネーによるコード決済処理が正常に終了したことを示す「お支払いが完了しました」などの、決済の完了を示す文字列の画像である。
ここで、文字画像603には、音声で読み上げられる決済金額「1,234円」が表示される。支払い金額は、文字画像604に示すように、決済金額「1,234円」に対して、うち利用ポイントを100円(100P)分使用し、うちクーポン利用を500円分使用しているため、「634円」となる。
【0039】
また、文字画像602は、決済完了情報における店舗名を示す文字列の画像である。
文字画像603は、決済完了情報における決済金額を示す文字列の画像である。
文字画像603は、決済において使用したポイント数、使用したクーポンの金額、決済で獲得したポイント数、取引日時(端末処理年月日、端末処理時間)などの、決済に付随した情報を示す文字列の画像である。
【0040】
口座情報記憶部204には、端末コードと電子マネーの残高とが対応づけられた上記口座テーブルが書き込まれて記憶されている。
【0041】
コード決済確認支援システム300は、データ入出力部301、真正確認情報生成部302、情報合成部303及び素材情報記憶部304の各々を備えている。
データ入出力部301は、情報通信網500を介して、ユーザ端末100及び口座管理システム200の各々とのデータの送受信を行なう。
【0042】
真正確認情報生成部302は、上記決済完了画面が決済事業者の口座管理システム200により正規に作成された画面であることを証明するための真正確認情報を生成する。
本実施形態においては、真正確認情報は決済関連情報における決済金額の音声データとしている。
そのため、真正確認情報生成部302は、素材情報記憶部304に記憶されている音声合成エンジン(プログラム)及び音源などにより、決済完了情報に含まれる決済金額(図2の文字画像603に対応)の数字を読み上げる音声データを生成する。
決済金額は、その使用する店舗において、その決済毎に異なる情報であり、文字画像601や文字画像602のように、テンプレートとして固定された情報ではない。
【0043】
また、決済金額については商品の決済を行なうまでは、最終的に決定されないものであり、予め音声データを用意しておくことが困難なため、店舗の店員が音声による決済金額の読み上げの音声が確認できない場合には、決済完了画面が正規に作成されたものでないことを認識することができる。
さらに、合成される音声の場合、音声合成エンジン及び音源の種類により生成される音声の周波数や抑揚などに特徴があるため、他の音声合成エンジン及び音源の組合せで生成した音声と異なることを認識することも可能である。
【0044】
情報合成部303は、口座管理システム200から供給される決済完了画面を含む決済完了情報に対して上記音声データを真正確認情報として合成し、決済確認支援情報を生成する。
そして、情報合成部303は、生成した決済確認支援情報を、データ入出力部301を介して、ユーザ端末100に対して出力する。
【0045】
図3は、本実施形態によるコード決済確認支援システム300を用いたコード決済システムにおける決済処理の動作例を示すシーケンス図である。
ステップS101:
顧客は、店舗内で購入する商品を選択し、店舗の代金の支払いを行なう支払場所にて、購入する商品の代金の決済をコード決済で行なう際、当該決済を行なうためのアプリケーションを起動する。
【0046】
そして、顧客は、決済制御部103によりユーザ端末100の表示部104に表示される起動画面の指示に従い、上記支払場所における会計処理を行うレジスター(例えばPOS(point of sales system )レジスター)近傍に設置された識別コード(印刷物あるいはレジスターやタブレット端末の表示画面に表示された画像)を、ユーザ端末100に搭載された撮像装置により撮像する。
これにより、識別コード読取り部102は、識別コードの種類を判別し、撮像した識別コード種別に応じた情報を取得する。
【0047】
ステップS102:
決済制御部103は、識別コード情報が取得された場合、商品の代金としての決済金額を入力する金額入力欄及びクーポン利用情報(決済金額のうちでクーポンを用いて支払う金額を示す情報)や、ポイント利用情報(決済金額のうちでポイントを用いて支払う金額を示す情報)などの、顧客が店舗に対して実際に支払う金額を減額する情報入力欄を、ユーザ端末100の表示部104に表示する。
顧客は、ユーザ端末100の表示部104に表示された金額入力欄に、店舗のレジスターに表示された金額を入力する。また、顧客は、クーポンやポイントなどを利用する場合にはそれらの情報も併せて、所定の入力欄に入力する。
【0048】
ステップS103:
決済制御部103は、金額入力欄に入力された決済金額及びクーポンやポイントの利用相当分だけ決済金額から減額された支払い金額を含む決済要求情報を、口座管理システム200に対してデータ入出力部101を介して出力する。
【0049】
ステップS104:
口座番号管理部202は、データ入出力部201を介して入力される決済要求情報から端末コードを抽出する。
そして、口座番号管理部202は、口座情報記憶部204における認証テーブルを参照し、抽出した端末コードである抽出端末コードと同一の参照端末コードの有無を検索して確認する。
【0050】
このとき、口座番号管理部202は、口座情報記憶部204の口座テーブルにおいて、抽出端末コードと同一の参照端末コードが検出された場合、抽出端末コードが登録されており、口座が存在するとして処理をステップS105Yへ進める。
一方、口座番号管理部202は、口座情報記憶部204の口座テーブルにおいて、抽出端末コードと同一の参照端末コードが検出されない場合、抽出端末コードが登録されておらず、口座が存在しないとして処理をステップS105Nへ進める。
【0051】
ステップS105Y:
口座番号管理部202は、口座残高管理部203に対して、決済要求情報における支払い金額による残高の更新処理を要求する。
これにより、口座残高管理部203は、口座情報記憶部204の口座テーブルから、抽出端末コードと同一の参照端末コードに対応する残高を読み出す。
そして、口座残高管理部203は、参照端末コードに対応する残高と、決済要求情報における支払いとを比較し、口座の残高が支払い金額以上であるか否かの判定を行う。
【0052】
このとき、口座残高管理部203は、口座の残高が支払い金額以上である場合、検出された参照端末コードに対応する残高から支払い金額を減算して、減算結果を新たな残高として口座テーブルに上書きして金額の更新を行う。
さらに、決済要求情報における取引区分が「出金」の場合、口座残高管理部203は、処理をステップ106Yへ進め、取引区分が「出金」以外の場合、処理をステップS107へ進める。
一方、口座残高管理部203は、口座の残高が支払い金額未満である場合、検出された参照端末コードに対応する残高から決済金額を減算せず、すなわち口座テーブルの残高を更新せずに、処理をステップ106Nへ進める。
【0053】
ステップS105N:
口座番号管理部202は、抽出端末コードと一致する参照端末コードが口座管理テーブルにないため、ユーザ端末100に対して、端末コードが登録されていないことを示す通知を行なう。
【0054】
ステップS106Y:
口座残高管理部203は、ユーザ端末100に対して出力する、決済が完了したことを示す決済完了画面を生成する。
そして、口座残高管理部203は、完了した決済処理に対して承認番号を付与し、上記決済完了画面を含む決済完了情報をコード決済確認支援システム300に対して送信する。
【0055】
ステップS106N:
口座残高管理部203は、口座管理テーブルにおける残高が支払い金額に満たないため、ユーザ端末100に対して、ユーザ端末100のユーザ端末に対応する口座が、支払い金額に対して残高不足であることを示す通知を行なう。
【0056】
ステップS107:
口座残高管理部203は、決済が完了したことを示す決済完了画面を生成し、ユーザ端末100に対して送信する。
【0057】
ステップS108:
真正確認情報生成部302は、素材情報記憶部304に記憶されている音声合成エンジン及び音源などにより、決済完了情報に含まれる決済金額の数字を読み上げる音声データを生成し、真正確認情報とする。
【0058】
ステップS109:
真正確認情報合成部302は、口座管理システム200から供給される決済完了画面を含む決済完了情報と、生成した音声データの真正確認情報とを合成して、決済確認支援情報を生成する。
【0059】
ステップS110:
情報合成部303は、生成した決済確認支援情報を、データ入出力部301を介して、ユーザ端末100に対して出力する。
【0060】
ステップS111:
決済制御部103は、コード決済確認支援システム300から供給される決済確認支援情報を、データ入出力部101を介して取得する。
そして、決済制御部103は、決済確認支援情報における決済完了画面を表示部104の表示画面に表示するとともに、決済金額の音声データを音声出力部105から音声として出力する。
【0061】
店舗の店員は、ユーザ端末100における表示画面に表示される決済完了画面と、音声として出力される決済金額により、決済が完了したこと示す通知を確認する。
このとき、店舗の店員は、決済完了画面とともに、音声による決済金額の通知があるため、確認している決済完了画面は正規、すなわち真に決済が完了したことで表示されていることを確認することができる。
一方、店舗の店員は、決済完了画面の表示はされるが、音声による決済金額の通知が無い場合、確認している決済完了画面は非正規、すなわち偽造された画面が表示されていることを確認することができる。
【0062】
上述した構成により、本実施形態によれば、決済完了画面が正規のものであることを確認するための真正確認情報として音声を決済完了画面に付加し、店員は正規の決済完了画面が表示された際に決済金額の音声が出力されることを予め認識しているため、決済完了画面が表示された際に、表示された決済金額が音声で出力された場合、顧客より提示された決済完了画面が正規に口座管理システムで生成されている、すなわち真に決済が完了したことで表示されている決済完了画面であることを確認することが可能となり、MPM方式における決済完了画面の偽造による不正な決済処理の確認を容易に行うことができる。
【0063】
また、本実施形態によれば、決済完了画面に対して音声データを付加し、ユーザ端末100において、決済完了画面を表示させる際に、音声をユーザ端末100から出力するのみで、決済完了画面の真偽を確認することができるため、店舗に新たな設備を設ける必要がなく、安価にかつ簡易に利用することができる。
【0064】
また、本実施形態においては、コード決済確認支援システム300と口座管理システム200との各々を異なる構成として説明したが、口座管理システム200がコード決済確認支援システム300の機能を備える構成としてもよい。
【0065】
<第2の実施形態>
以下、本発明の第2の実施形態について、図面を参照して説明する。第2の実施形態のコード決済確認支援システムは、図1に示す第1の実施形態によるコード決済確認支援システム300と同様の構成である。以下、第1実施形態と異なる、第2の実施形態によるコード決済確認支援システムの動作を説明する。
第2の実施形態によるコード決済確認支援システムは、第1の実施形態における決済金額を音声により出力する動作に対し、決済の際における決済完了情報に含まれる決済関連情報の違いに対応して、それぞれ異なる真正確認情報を生成する。
【0066】
図4は、コード決済確認支援システムの素材情報記憶部304に記憶されているルールテーブル及び素材データテーブルの構成例を示している。
図4(a)はルールテーブルの構成例を示し、図4(b)は素材テーブルの構成例を示している。
図4(a)のルールテーブルにおいては、決済の際における決済完了情報に含まれる決済関連情報の各々を条件情報と定義すると、選択情報は予めコード決済確認支援システム300に登録された条件情報の組合せ(以下、条件組合せ)より決定される情報(数列)である。また、図4(b)の素材テーブルにおいては、コード決済確認支援システム300に登録された真正確認情報(あるいは真正確認情報の種別及び真正確認情報のデータファイルが記憶された記憶領域を示すインデックス)と、その真正確認情報に対応する情報(以下、選択情報)との関係が記載されている。
【0067】
条件情報としては、例えば発行会社コード、店舗コード、端末コード、決済が行われる際の日(端末処理年月日、曜日も含む)、時間帯(端末処理時間)、決済の承認番号、所定の計算式で求められる数値などである。ルールテーブルにおける条件組合せが曜日のみの場合、日曜日から土曜日の各々に対応して、それぞれ選択情報が設定されているため、素材テーブルのレコード数は7個である。
【0068】
また、条件組合せが時間帯のみの場合、例えば、24時間周期で1時間毎に選択情報を切替えたり、3時間毎に切替えたりするなど、任意に設定する。24時間周期で1時間毎に選択情報を切替える場合、素材データテーブルのレコード数は1個ある。
また、選択情報は、発行会社コード、店舗コード、端末コード、端末処理年月日、端末処理時間、承認番号などのいずれか、あるいは組合せ、または全てであり、任意に設定することができる。
【0069】
真正確認情報としては、データの種別として、画像(静止画像、動画像(実写やアニメーションなど))、所定の文字列、決済完了画面における文字画像のフォントを含む決済完了画面の表示形態を異ならせる情報や、第1の実施形態における音声など、店舗の店員が真正確認情報を容易に検知できる特徴を有している表示形態であれば、いずれの素材を用いてもよい。
静止画像としては、犬、猫、馬、城などの複数種類の画像がある。また、動画像としては、車が走行している、風車が回っているなどの複数種類の画像がある。文字列としては、「次のご来店をお待ちします」、や「お買いあげありがとうございます」などの複数種類の文字画像がある。
音声の場合には、大人の男性、女性、子供の男子、女子などの周波数や抑揚の異なる複数種類の音声データがある。
【0070】
図5は、本実施形態による真正確認情報が付加される決済完了画面の一例を示す図である。図5においては、図2の決済完了画面に対して、真正確認情報表示領域605が付加されている。真正確認情報表示領域605には、真正確認情報が、静止画像、動画像、所定の文字列である場合に用いられる。真正確認情報が音声の場合には使用されない。
真正確認情報がフォントの場合、文字画像601から文字画像604のいずれか、あるいは組み合わせのフォントが設定されている。
【0071】
真正確認情報生成部302は、決済完了情報からその決済に対応する条件情報を取得する。真正確認情報生成部302は、条件情報が曜日で設定されている場合、決済が行われる日の曜日を条件情報とする。
そして、真正確認情報生成部302は、素材情報記憶部304の素材データテーブルを参照し、条件組合せが火曜日である場合、火曜日に対応した選択情報、例えば画像のデータを読み出したり、音声のデータを生成したりする処理を行なう。
情報合成部303は、真正確認情報が画像の場合、口座管理システム200から供給される図2の決済完了画面に対して、図5の真正確認情報表示領域605に表示させるように決済完了画面と申請確認情報を合成し、決済確認支援情報を生成する。
【0072】
図6は、本実施形態におけるコード決済確認支援システムの素材情報記憶部304に記憶されている素材データテーブルの他の構成例を示している。
図6において、条件組合せとして、発行会社コード、店舗コード、端末コード、表示時間帯の各々の条件情報で設定されている。選択情報としては、「各時間帯における選択情報」の下部の欄において、それぞれの時間帯に対応して、真正確認情報「1」から真正確認情報「24」までの24種類が設定されている。
発行会社コードは、決済完了情報における発行会社コードと同様であり、決済事業者が提供する決済サービスを導入している事業者を一意に特定するための情報である。店舗コードは、決済完了情報における店舗コードと同様であり、店舗を一意に特定するための情報である。時間帯としては、1時間毎として設定されている。
また、端末コードを上記条件組み合わせにおける条件として用いる構成としてもよい。この端末コードは、決済完了情報における端末コードの上3桁の数列として設定される。
【0073】
図6において、条件組合せは、発行会社毎に異なる条件情報の組合せの構成として設定している。
例えば、発行会社コード「1234567」は、店舗コード、端末コード及び時間帯の条件組合せ毎に対応して、選択情報が設定されている。さらに、端末コード毎に、時間帯に対応する選択情報が店舗コード及び端末コードの各々のパラメータの組み合わせ毎に同一とならないように、時間帯と選択情報との対応を、24時間周期で設定している。
発行会社コード「1234567」における選択情報の設定は、同一店舗、同一時刻において、ユーザ端末が異なれば選択情報に対応する真正確認情報は異なるため、最も高いセキュリティレベルとして設定された例である。
【0074】
また、発行会社コード「2345678」は、店舗コード及び時間帯の条件組合せ毎に対応して、選択情報が設定されている。さらに、1時間毎に区切られた同一時間帯において、店舗コード別に異なる選択情報が24時間周期で設定されている。
また、1時間毎に、発行会社コード「3456789」及び「4567890」の各々は、時間帯毎の条件組合せに対応して、選択情報が設定されている。このため、1時間毎に区切られた同一時間帯において、店舗コードや端末コードの違いに関わらず、同じ選択情報が24時間周期で設定されている。
【0075】
上述した図6に示すように、発行会社(決済事業者が提供する決済サービスを導入している事業者)毎に、条件組合せのルールを異ならせた場合、条件組合せを構成するパラメータとしての条件情報は、発行会社、決済事業者及びコード決済確認支援システム300の運用会社(あるいは運用会社におけるシステムの運用者)の各々しか認識していないため、セキュリティレベルを向上させることが可能である。
また、定期的(例えば、一ヶ月毎など)にルールを変更したり、条件組合せと選択情報との対応関係を変更したりすることにより、定常的に高いセキュリティを保持させつつ、コード決済確認支援システム300を運用していくことが可能である。
【0076】
真正確認情報生成部302は、決済完了情報における発行会社コードを抽出し、素材情報記憶部304に記憶されているルールテーブルを参照する。
そして、真正確認情報生成部302は、発行会社コードにおける条件組合せを構成するパラメータとしての条件情報の種類を読み出し、対応するパラメータを決済完了情報から抽出する。
真正確認情報生成部302は、抽出したパラメータの組み合わせにより、決済を行うユーザ端末100に対応する選択情報を読み込むための条件組合せを生成する。
【0077】
真正確認情報生成部302は、ルールテーブルを参照して、生成した条件組合せに対応する選択情報を読み出して取得した後、選択情報に対応する真正確認情報を素材テーブルから読み出し、情報合成部303へ提供する。
そして、情報合成部303は、真正確認情報生成部302から提供された真正確認情報を決済完了情報に付加し、あるいは決済完了情報における決済完了画面に反映させ、決済完了支援情報を生成する。
情報合成部303は、生成した決済完了支援情報を、ユーザ端末100に対して出力する。
【0078】
本実施形態においては、上述した決済完了情報に付加される、あるいは決済完了情報における決済完了画面に対して反映される真正確認情報は、予め各店舗に対して提供されている。
図4及び図6において、例えば、条件組合せを構成するパラメータとしての条件情報が曜日や時間帯の場合、曜日や時間帯に対してどのような真正確認情報が設定されているかを示す情報は、コード決済システムを運用する店舗の各々に対して予め通知されている。
一例としては、コード決済確認支援システムのサービスを受ける各々の店舗に対して、条件情報の曜日の各々に対応する真正確認情報である画像、文字列、音声それぞれの情報を確認できる状態で記載されたファイルなどである。
【0079】
上記ファイルの一例として、真正確認情報が画像の場合、条件組合せとその条件組合せに対応して表示される画像が印刷された印刷物などである。真正確認情報が文字列の場合、条件組合せとその条件組合せにおいて表示される文字画像が印刷された印刷物などである。真正確認情報が音声の場合、条件組合せとその条件組合せにおいて発生される声の特性(女性、男性、女子、男子などの特性)が印刷された印刷物などである。
また、CD-ROM(compact disc read only memory)、DVD(digital versatile disc)メモリ、USB(universal serial bus)メモリなどの記録媒体に上記冊子における条件情報と真正確認情報との対応を示すデータを書き込んで、本実施形態のコード決済確認支援システム300のサービスを受ける店舗の各々に、事前に配布しておいてもよい。
【0080】
また、店舗の各々の端末などの表示画面に対して、図4及び図6の素材データテーブルに対応して、情報合成部303が、現在のタイミングによって決済完了画面の画像データに対して付加される真正確認情報を表示する構成としてもよい。
【0081】
また、店舗の店員が所定の端末により、ユーザ端末100の表示画面に表示される決済完了画面の画像を読み込み、その読み込んだ画像(撮像画像)をコード決済確認支援システム300に出力する。そして、情報合成部303が、店舗の端末から供給される撮像画像の画像認識を行ない、現在のタイミングにおける真正確認情報による画像(あるいは文字画像)であるか否かの検出を行ない、その結果を店舗の端末に返信する構成としてもよい。
【0082】
条件組合せを構成するパラメータとしての条件情報を用いて、選択情報を数式から算出する場合について、以下にその一例を説明する。
条件情報は、カード発行会社コード、店舗コード、端末コード、端末処理年月日、端末処理時間などである。
真正確認情報生成部302は、カード発行会社コード、店舗コード及び端末コードの上3桁、端末処理年月日及び端末処理時間の上4桁の各々の数値を決済完了情報から抽出する。
【0083】
そして、真正確認情報生成部302は、カード発行会社コード、店舗コード及び端末コードの上3桁、端末処理年月日及び端末処理時間の上4桁の各々の数値を加算する。
真正確認情報生成部302は、加算の結果として得られた加算値を、素材情報記憶部304の素材データテーブルに登録されている選択情報の総数で除算する。
真正確認情報生成部302は、除算の結果として得られた余り(z)に対して「1」を加算し(z+1)、選択情報として用いる計算値(x=z+1)を算出する。
【0084】
例えば、発行会社コードが「1234567」であり、店舗コードが「050」であり、端末コードが「121」であり、端末処理年月日が「20200107(2020年1月7日)」であり、端末処理時間が「214235(21時42分35秒)」である場合、加算値は「21436987」となる。ここで、素材情報記憶部304に登録されている素材データテーブルにおける選択情報の総数を「24」とした場合、「21436987/24」を計算し、商が「893207」であり余り(z)が「19」であるため、選択情報は「19+1」により、「20」と求められる。
【0085】
これにより、真正確認情報生成部302は、図4における素材情報記憶部304の素材データテーブルを参照して、選択情報が「20」に対応する真正確認情報を検索して読み出す。
上述した計算のロジックを認識している人間のみが、選択情報と真正確認情報との対応関係を生成することが可能である。
このため、定期的にロジックを変更することにより、選択情報と真正確認情報との対応関係が更新され、決済完了画面の真偽を判定する真正確認情報を偽造することは困難であり、決済完了画面の真偽の判定によるセキュリティを向上させることができる。
【0086】
上述した構成により、本実施形態によれば、決済完了画面が正規のものであることを確認するための真正確認情報として、画像(静止画像、動画像、文字画像)や音声を決済完了画面に付加し、店員が正規の決済完了画面が表示された際に、そのタイミングにいずれの真正確認情報が付与されているかを店員は予め認識しているため、決済完了画面が表示された際に、表示された決済完了画面における真正確認情報を確認することにより、顧客より提示された決済完了画面は正規に口座管理システムにおいて生成されたものか否かを確認することができる。
【0087】
すなわち、本実施形態によれば、ユーザ端末の表示画面における決済完了画面を確認することにより、あるいは決済完了画面が表示された際に出力される音声を聞くことにより、現在確認している決済完了画面が、真に(実際に)決済が完了した結果として表示されていることを確認することが可能となり、MPM方式における決済処理において表示される決済完了画面の真偽の判定、すなわち決済処理が正常に行なわれたか否かの確認を容易に行うことができる。
【0088】
例えば、決済完了情報により設定される選択情報に対応した真正確認情報が犬の動画像で設定されている状態において、ユーザ端末100の表示画面104Sに表示される決済完了画面における真正確認情報表示領域605に犬の動画像が確認される場合、店員はその決済完了画面が真である(決済事業者により生成された正規な画像である)ことを容易に検出することができる。
一方、決済完了情報により設定された選択情報に対応した真正確認情報が犬の動画像で設定されている状態において、ユーザ端末100の表示画面104Sに表示される決済完了画面における真正確認情報表示領域605に猫の静止画が観察される場合、店員はその決済完了画面が偽である(決済事業者により生成された正規な画像でない)ことを容易に検出することができる。
【0089】
また、本実施形態において、決済完了情報に含まれる発行会社コード、店舗コード、端末コード、端末処理年月日、端末処理時間などのパラメータに対応して、所定のルールにより選択情報を求めて、選択情報毎に設定された真正確認情報を決済完了画面に付加することで、条件情報の変化に対応して真正確認情報を異ならせることができる。
このため、本実施形態によれば、決済を行なうタイミング毎に異なる真正確認情報が設定されることにより、顧客には現時点における真正確認情報を予測することが困難となり、決済完了画面の偽造を行ない難くなるため、決済完了画面の偽造を行なうことで商品の代金の支払いを逃れようとする人の発生を抑制できる。
【0090】
一方、本実施形態によれば、店舗の店員は、複数の真正確認情報の中からいずれの真正確認情報が用いられるかについては予め通知されており、顧客のユーザ端末100の表示画面104Sに決済完了画面が表示された際、予め通知されていた真正確認情報に対応した画像が真正確認情報表示領域605に表示されているか否か、あるいは予め通知されていた真正確認情報に対応した音声が発声されたか否かを確認することにより、ユーザ端末100の表示画面104Sに表示された決済完了画面の真偽の判定を容易に行なうことができる。
【0091】
なお、本発明における図1のコード決済確認支援システム300の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、店舗の店員がユーザ端末の表示画面に表示される決済完了画面の真偽判定を支援する処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0092】
また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0093】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0094】
100_1,100_n…ユーザ端末
101,201,301…データ入出力部
102…識別コード読取り部
103…決済制御部
104…表示部
105…音声出力部
106…記憶部
200…口座管理システム
202…口座番号管理部
203…口座残高管理部
204…口座情報記憶部
300…コード決済確認支援システム
302…真正確認情報生成部
303…情報合成部
304…素材情報記憶部
500…情報通信網
図1
図2
図3
図4
図5
図6