(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-20
(45)【発行日】2025-01-28
(54)【発明の名称】検査システム及び検査方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/26 20240101AFI20250121BHJP
【FI】
G06Q50/26
(21)【出願番号】P 2021045900
(22)【出願日】2021-03-19
【審査請求日】2024-02-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【氏名又は名称】速水 進治
(72)【発明者】
【氏名】住谷 達哉
(72)【発明者】
【氏名】山之内 慎吾
(72)【発明者】
【氏名】有吉 正行
(72)【発明者】
【氏名】森本 伸一
(72)【発明者】
【氏名】関戸 正規
(72)【発明者】
【氏名】小倉 一峰
【審査官】山崎 誠也
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-174421(JP,A)
【文献】特開2004-361365(JP,A)
【文献】特開2019-007771(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査対象者各々に特有の個人特有情報、及び、検査タイミング毎に変化する環境の状態値を示す環境情報の少なくとも一方を含む材料情報を取得する取得手段と、
前記材料情報に基づき、前記検査対象者毎に及び/又は検査タイミング毎に、検査の内容を決定する決定手段と、
を有
し、
前記決定手段は、
前記個人特有情報に基づき前記検査対象者が属するグループを特定し、前記環境情報に基づき該当する環境ケースを特定し、予め登録された前記環境ケース各々における各グループの検査の内容を示す情報に基づき、特定した前記環境ケースにおける特定したグループの検査の内容を決定する処理、又は、
前記個人特有情報に基づき前記検査対象者を識別し、前記環境情報に基づき該当する環境ケースを特定し、予め登録された前記環境ケース各々における前記検査対象者各々の検査の内容を示す情報に基づき、特定した前記環境ケースにおける識別した前記検査対象者の検査の内容を決定する処理、
を実行する検査システム。
【請求項2】
前記決定手段は、前記検査対象者毎に又は検査タイミング毎に、波長30マイクロメートル以上1メートル以下の電磁波の反射波の信号に基づく所持物検査の内容を決定する請求項1に記載の検査システム。
【請求項3】
前記決定手段は、前記検査対象者毎に又は検査タイミング毎に、前記所持物検査を実行するか否かを決定する請求項2に記載の検査システム。
【請求項4】
前記決定手段は、前記検査対象者毎に又は検査タイミング毎に、検出する検出対象物を決定する請求項2又は3に記載の検査システム。
【請求項5】
前記決定手段は、前記検査対象者毎に又は検査タイミング毎に、検査する身体の部位を決定する請求項2から4のいずれか1項に記載の検査システム。
【請求項6】
前記決定手段は、前記検査対象者毎に又は検査タイミング毎に、前記電磁波が照射されるエリアで一時停止する検査方法と、前記エリアで一時停止することなく通過する検査方法とのいずれを実行するか決定する請求項2から5のいずれか1項に記載の検査システム。
【請求項7】
前記決定手段は、前記検査対象者毎に又は検査タイミング毎に、前記所持物検査を含む複数種類の検査の中から実行する検査を決定する請求項2から6のいずれか1項に記載の検査システム。
【請求項8】
前記取得手段は、前記個人特有情報として、前記検査対象者が属するグループを示す情報及び前記検査対象者の過去の期間の検査履歴の少なくとも1つを取得する請求項1から7のいずれか1項に記載の検査システム。
【請求項9】
前記取得手段は、前記環境情報として、日時、曜日、天気、気温、施設の混雑状況、施設で行われるイベントの内容、検査の混雑状況、検査に関わる担当者の数、検査のスループット以外の検査待ち渋滞を引き起こす原因の存在の有無の中の少なくとも1つを示す情報を取得する請求項1から8のいずれか1項に記載の検査システム。
【請求項10】
コンピュータが、
検査対象者各々に特有の個人特有情報、及び、検査タイミング毎に変化する環境の状態値を示す環境情報の少なくとも一方を含む材料情報を取得し、
前記材料情報に基づき、前記検査対象者毎に及び/又は検査タイミング毎に、検査の内容を決定
し、
前記検査の内容を決定する処理では、
前記個人特有情報に基づき前記検査対象者が属するグループを特定し、前記環境情報に基づき該当する環境ケースを特定し、予め登録された前記環境ケース各々における各グループの検査の内容を示す情報に基づき、特定した前記環境ケースにおける特定したグループの検査の内容を決定する処理、又は、
前記個人特有情報に基づき前記検査対象者を識別し、前記環境情報に基づき該当する環境ケースを特定し、予め登録された前記環境ケース各々における前記検査対象者各々の検査の内容を示す情報に基づき、特定した前記環境ケースにおける識別した前記検査対象者の検査の内容を決定する処理、
を実行する検査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検査システム及び検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、入場者を撮影して生成された画像に基づき入場者の種別(社員、出入業者、入場禁止者、既来訪者)を判別し、判別結果に応じて入場者に対して実行する入場処理を決定することが開示されている。
【0003】
特許文献2には、搭乗ゲートの混雑度を検知し、検知した混雑度に応じて、搭乗ゲートを通過する人物の認証処理の処理速度を変更することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2004-126829号公報
【文献】国際公開第2015/136938号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
安全確保等のため、様々な場所で所持物検査等の検査が行われている。この検査においては、待ち時間の短縮が期待されている。本発明は、従来にない手法で、検査の待ち時間を短縮することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、
検査対象者各々に特有の個人特有情報、及び、検査タイミング毎に変化する環境の状態値を示す環境情報の少なくとも一方を含む材料情報を取得する取得手段と、
前記材料情報に基づき、前記検査対象者毎に及び/又は検査タイミング毎に、検査の内容を決定する決定手段と、
を有する検査システムが提供される。
【0007】
また、本発明によれば、
コンピュータが、
検査対象者各々に特有の個人特有情報、及び、検査タイミング毎に変化する環境の状態値を示す環境情報の少なくとも一方を含む材料情報を取得し、
前記材料情報に基づき、前記検査対象者毎に及び/又は検査タイミング毎に、検査の内容を決定する検査方法が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、検査の待ち時間を短縮できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態の検査システムの構成例を示す図である。
【
図2】本実施形態の装置のハードウエア構成の一例を示す図である。
【
図3】本実施形態の検査システムの機能ブロック図の一例を示す図である。
【
図4】本実施形態の電磁波送受信部の一例を模式的に示す図である。
【
図5】本実施形態の検査システムが処理する情報の一例を模式的に示す図である。
【
図6】本実施形態の検査システムが処理する情報の一例を模式的に示す図である。
【
図7】本実施形態の検査システムが処理する情報の一例を模式的に示す図である。
【
図8】本実施形態の検査システムが処理する情報の一例を模式的に示す図である。
【
図9】本実施形態の検査システムが処理する情報の一例を模式的に示す図である。
【
図10】本実施形態の検査システムが処理する情報の一例を模式的に示す図である。
【
図11】本実施形態の検査システムの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図12】本実施形態の検査システムの機能ブロック図の一例を示す図である。
【
図13】本実施形態の検査システムが処理する情報の一例を模式的に示す図である。
【
図14】本実施形態の検査システムが処理する情報の一例を模式的に示す図である。
【
図15】本実施形態の検査システムが処理する情報の一例を模式的に示す図である。
【
図16】本実施形態の検査システムが処理する情報の一例を模式的に示す図である。
【
図17】本実施形態の検査システムが処理する情報の一例を模式的に示す図である。
【
図18】本実施形態の検査システムが処理する情報の一例を模式的に示す図である。
【
図19】本実施形態の検査システムが処理する情報の一例を模式的に示す図である。
【
図20】本実施形態の検査システムが処理する情報の一例を模式的に示す図である。
【
図21】本実施形態の検査システムが処理する情報の一例を模式的に示す図である。
【
図22】本実施形態の検査システムが処理する情報の一例を模式的に示す図である。
【
図23】本実施形態の検査システムが処理する情報の一例を模式的に示す図である。
【
図24】本実施形態の検査システムが処理する情報の一例を模式的に示す図である。
【
図25】本実施形態の検査システムが処理する情報の一例を模式的に示す図である。
【
図26】本実施形態の検査システムが処理する情報の一例を模式的に示す図である。
【
図27】本実施形態の検査システムが処理する情報の一例を模式的に示す図である。
【
図28】本実施形態の検査システムの構成例を示す図である。
【
図29】本実施形態の検査システムの構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0011】
本発明の検査システムは、「検査対象者各々に特有の個人特有情報」、及び、「検査タイミング毎に変化する環境の状態値を示す環境情報」の少なくとも一方を含む材料情報を取得し、当該材料情報に基づき、検査対象者毎に及び/又は検査タイミング毎に、検査の内容を決定する。以下、本発明の検査システムの実施形態を詳細に説明する。なお、各実施形態の概要は以下のとおりである。
【0012】
第1の実施形態では、検査システムは、検査対象者が属するグループを示す個人特有情報に基づき、検査対象者毎に、所持物検査の内容を決定する。
第2の実施形態では、検査システムは、検査対象者が属するグループを示す個人特有情報に基づき、検査対象者毎に、実行する検査の種類を決定する。
第3の実施形態では、検査システムは、検査対象者個人に関わる個人特有情報に基づき、検査対象者毎に、所持物検査の内容を決定する。
第4の実施形態では、検査システムは、検査対象者個人に関わる個人特有情報に基づき、検査対象者毎に、実行する検査の種類を決定する。
第5の実施形態では、検査システムは、環境情報に基づき、検査タイミング毎に、所持物検査の内容を決定する。
第6の実施形態では、検査システムは、環境情報に基づき、検査タイミング毎に、実行する検査の種類を決定する。
第7の実施形態では、検査システムは、個人特有情報及び環境情報に基づき、検査タイミング毎かつ検査対象者毎に、所持物検査の内容又は実行する検査の種類を決定する。
【0013】
<第1の実施形態>
「概要」
図1に示すように、本実施形態の検査システム10は、サーバ1と、検出装置2と、個人特有情報取得装置3とを含む。検出装置2及び個人特有情報取得装置3は、所持物検査が必要な任意の施設に設置される。施設は、ビル、会社、アミューズメント施設、空港、駅等が例示されるが、これらに限定されない。なお、サーバ1の設置位置は特段制限されない。
【0014】
検出装置2は、波長30マイクロメートル以上1メートル以下の電磁波の反射波の信号に基づき、検査対象者から検出対象物を検出する処理を実行する。個人特有情報取得装置3は、検出装置2による上記処理を実行される前の検査対象者から、検査対象者が属するグループを示す個人特有情報を取得する。サーバ1は、個人特有情報に基づき、検査対象者毎に、所持物検査の内容を決定する。例えば、サーバ1は、所持物検査を実行するか否かや、検出する対象物の種類等を、個人特有情報に基づき検査対象者毎に決定する。そして、サーバ1は、各検査対象者に対する所持物検査が決定した内容になるようにするための所定の処理を実行する。
【0015】
このような本実施形態の検査システム10によれば、複数の検査対象者各々に対して、各々の個人特有情報に応じた適切な内容の所持物検査を行うことができる。例えば、警察官や子供等、所持物検査の必要性が低い人物に対しては、所持物検査を行わなかったり、検出する対象物の種類を減らしたりできる。一方、所持物検査の必要性が高い人物に対しては、所持物検査を行ったり、検出する対象物の種類を増やしたりすることができる。このように所持物検査の必要性に応じて検査内容を調整することで、所持物検査が効率化し、検査の待ち時間が短縮される。
【0016】
「ハードウエア構成」
次に、検査システム10のハードウエア構成の一例を説明する。
図2は、検査システム10のハードウエア構成例を示す図である。検査システム10が備える各機能部は、任意のコンピュータのCPU(Central Processing Unit)、メモリ、メモリにロードされるプログラム、そのプログラムを格納するハードディスク等の記憶ユニット(あらかじめ装置を出荷する段階から格納されているプログラムのほか、CD(Compact Disc)等の記憶媒体やインターネット上のサーバ等からダウンロードされたプログラムをも格納できる)、ネットワーク接続用インターフェイスを中心にハードウエアとソフトウエアの任意の組合せによって実現される。そして、その実現方法、装置にはいろいろな変形例があることは、当業者には理解されるところである。
【0017】
図2に示すように、検査システム10は、プロセッサ1A、メモリ2A、入出力インターフェイス3A、周辺回路4A、バス5Aを有する。周辺回路4Aには、様々なモジュールが含まれる。検査システム10は、周辺回路4Aを有さなくてもよい。なお、検査システム10は物理的及び/又は論理的に分かれた複数の装置で構成されてもよい。物理的及び/又は論理的に分かれた複数の装置で構成される場合、複数の装置各々が上記ハードウエア構成を備えることができる。
【0018】
バス5Aは、プロセッサ1A、メモリ2A、周辺回路4A及び入出力インターフェイス3Aが相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。プロセッサ1Aは、例えばCPU、GPU(Graphics Processing Unit)などの演算処理装置である。メモリ2Aは、例えばRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などのメモリである。入出力インターフェイス3Aは、入力装置、外部装置、外部サーバ、外部センサ、電磁波送受信装置等から情報を取得するためのインターフェイスや、出力装置、外部装置、外部サーバ、電磁波送受信装置等に情報を出力するためのインターフェイスなどを含む。入力装置は、例えばキーボード、マウス、マイク等である。出力装置は、例えばディスプレイ、スピーカ、プリンター、メーラ等である。プロセッサ1Aは、各モジュールに指令を出し、それらの演算結果をもとに演算を行うことができる。
【0019】
「機能構成」
次に、検査システム10の機能構成を説明する。
図3に、検査システム10の機能ブロック図の一例を示す。図示するように、検査システム10は、取得部11と、決定部12と、検出部13と、電磁波送受信部14と、記憶部15とを有する。
【0020】
これら機能部は、
図1のサーバ1、検出装置2及び個人特有情報取得装置3の中のいずれかが備える。いずれの装置が各機能部を備えるかは特段制限されず、様々なパターンを採用できる。例えば、サーバ1及び個人特有情報取得装置3により取得部11が実現され、検出装置2により電磁波送受信部14が実現され、サーバ1により決定部12及び記憶部15が実現され、サーバ1又は検出装置2により検出部13が実現されてもよい。以下、各機能部の構成を説明する。
【0021】
電磁波送受信部14は、所定の領域に存在する検査対象者に向けて波長30マイクロメートル以上1メートル以下の電磁波(例:マイクロ波、ミリ波、テラヘルツ波等)を照射し、反射波を受信する。電磁波送受信部14は、例えばレーダである。電磁波送受信部14はあらゆる技術を採用して構成できる。例えば、電磁波送受信部14は、
図4の例のように、複数のアンテナ素子を並べたレーダで構成されるセンサパネルであってもよい。なお、パネルは一例であり、検査対象者が通過するゲートや、検査対象者が入るブース等、その他の手法で電磁波送受信部14を構成してもよい。
【0022】
検出部13は、電磁波送受信部14により受信された反射波の信号に基づき、異常状態を検出する検出処理を行う。本実施形態の異常状態は、所定の領域に存在する人物が予め設定された検出対象物を所持している状態である。検出対象物は、例えば持ち込みが禁止される物体であり、銃、ナイフ、カメラ、ペットボトル等が例示されるが、これらに限定されない。以下、判断処理の一例を説明する。
【0023】
-第1の判断処理例-
当該例では、検出部13は、電磁波送受信部14により受信された反射波の信号に基づき透過画像を作成する。そして、検出部13は、透過画像に現れた物体の形状に基づき、透過画像の中から検出対象物を検出する。透過画像の中から検出対象物が検出された場合、所定の領域に存在する検査対象者がその検出された検出対象物を所持していると判断する。
【0024】
事前の準備により、複数の物体各々の形状の特徴量が生成され、検査システム10に登録されている。検出部13は、検出対象物の形状の特徴量と、透過画像に現れた形状の特徴量との照合結果に基づき、透過画像の中から検出対象物を検出する。検出部13によるこれらの処理は、複数の物体の透過画像とラベルとで構成される教師データに基づく機械学習で生成された推定モデルを利用して実現されてもよいし、テンプレートマッチングで実現されてもよい。
【0025】
-第2の判断処理例-
当該例では、検出部13は、電磁波送受信部14により受信された反射波の信号に現れた特徴量(反射波特徴量)に基づき、所定の領域に存在する検査対象者が検出対象物を所持しているか判断する。反射波の信号の中から検出対象物に特有の反射波特徴量が検出された場合、所定の領域に存在する検査対象者がその検出された検出対象物を所持していると判断する。
【0026】
事前の準備により、複数の物体各々の反射波特徴量が生成され、検査システム10に登録されている。検出部13は、検出対象物の反射波特徴量と、反射波の信号に現れた特徴量との照合結果に基づき、反射波の信号の中から検出対象物に特有の反射波特徴量を検出する。検出部13によるこれらの処理は、複数の物体の反射波の信号とラベルとで構成される教師データに基づく機械学習で生成された推定モデルを利用して実現されてもよいし、テンプレートマッチングで実現されてもよい。
【0027】
検出部13は、検出結果を所定の出力装置(ディスプレイ、スピーカ、警告ランプ、投影装置等)を介して出力することができる。出力装置は、例えば検査場に設置されており、検査対象者や検査を管理する管理者に向けて所定の情報を提示するようになっていてもよい。また、検出部13は、検出結果の内容(検出対象物が検出されたか否か)に応じて、出力装置の出力態様を異ならせてもよい。出力の仕方は様々であり、本実施形態ではあらゆる手段を採用できる。
【0028】
取得部11は、検査対象者への検査(検出部13及び電磁波送受信部14により実現される上記検査)が実行される前に、検査対象者各々に特有の個人特有情報を取得する。本実施形態の個人特有情報は、検査対象者各々が属するグループを示す情報である。
【0029】
グループは、職業、所定の団体内での所属先、性別、年令層、及び事前のデータ登録の有無の中の少なくとも1つを用いて定義される。例えば、「10才以下のグループ」、「警察官のグループ」、「警備員のグループ」、「清掃員のグループ」、「部署Aの女性のグループ」、「部署Aの男性のグループ」、「取締役のグループ」、「ボディーガードのグループ」、「データベースに登録されてない人のグループ」等が例示されるが、これらに限定されない。
【0030】
取得部11は、複数の検査対象者を互いに識別する対象者識別情報、検査対象者が所持している所持品に関する情報、検査対象者の衣服に関する情報、及び画像から推定された検査対象者の属性の中の少なくとも1つを取得し、取得した情報に基づき検査対象者が属するグループを特定する。以下、一例を説明する。
【0031】
-第1のグループ特定処理例-
当該例では、予め複数の人物各々に対象者識別情報が付され、記憶部15に、対象者識別情報と各検査対象者が属するグループとを紐付けた紐付け情報が記憶されている。
【0032】
そして、取得部11は、検査対象者各々から対象者識別情報を取得する。対象者識別情報は、複数の人物を互いに識別できるものであればよく、あらゆる技術を採用できる。例えば、対象者識別情報は、顔情報(顔画像や顔画像から抽出される外観の特徴量等)、指紋情報、声紋情報、虹彩情報、歩容情報等、各人物に備わる特性情報であってもよい。その他、対象者識別情報は、数字や文字等を並べたもの等、各人物のために作り出された情報であってもよい。
【0033】
対象者識別情報が顔情報、虹彩情報又は歩容情報等である場合、取得部11はカメラ等の撮像装置を含んで構成される。また、対象者識別情報が指紋情報である場合、取得部11は指紋センサ(指紋読取装置)を含んで構成される。また、対象者識別情報が声紋である場合、取得部11はマイクを含んで構成される。また、対象者識別情報が数字や文字等を並べた情報である場合、取得部11は近距離無線通信機、コード読み取り機、タッチパネル、キーボード、物理ボタン、マイク、カメラ等の入力装置を含んで構成される。
【0034】
当該例では、取得部11は、各検査対象者から取得した対象者識別情報と記憶部15に記憶されている紐付け情報とに基づき、各検査対象者が属するグループを特定する。
【0035】
なお、対象者識別情報を有さない検査対象者は、「データベースに登録されてない人のグループ」に属すると特定されてもよい。
【0036】
-第2のグループ特定処理例-
当該例では、取得部11は、カメラ等の撮像装置を含んで構成される。取得部11は、検査対象者を含む画像を解析し、検査対象者が所持している所持品に関する情報及び検査対象者の衣服に関する情報の少なくとも一方を取得する。そして、取得部11は、これらの情報に基づき、検査対象者の職業や所定の団体内での所属先等を推定する。具体的には、制服、バッチ、所持品等に基づき、その人物の職業や所定の団体内での所属先等を推定する。
【0037】
予め、職業や所定の団体内での所属先等毎に、各々に特有の所持品や衣服の特徴量が記憶部15に記憶されている。取得部11は、検査対象者を撮影した画像を解析し、これらの特徴量を検出することで、検査対象者の職業や所定の団体内での所属先等を推定する。
【0038】
-第3のグループ特定処理例-
当該例では、取得部11は、カメラ等の撮像装置を含んで構成される。取得部11は、検査対象者を含む画像を解析し、検査対象者の属性を推定する。そして、取得部11は推定した属性に基づき、検査対象者が属するグループを特定する。推定する属性は、年令層、性別等である。画像解析でこれらの属性を推定する技術は広く知られているので、ここでの説明は省略する。
【0039】
-第4のグループ特定処理例-
当該例では、第1乃至第3のグループ特定処理例の中のいずれか2つ以上を組み合わせて、検査対象者が属するグループを特定する。
【0040】
決定部12は、取得部11が取得した個人特有情報に基づき、検査対象者毎に所持物検査の内容を決定する。所持物検査は、検出部13及び電磁波送受信部14により実現される検査である。以下、一例を説明する。
【0041】
-第1の内容決定例-
当該例では、決定部12は、個人特有情報に基づき、検査対象者毎に、所持物検査を実行するか否かを決定する。例えば、
図5に示すようにグループが定義され、
図6に示すようにグループ毎に所持物検査を実行するか否かが定義されている。
図5や
図6に示す情報は記憶部15に記憶されている。
【0042】
決定部12は、
図6に示すように、予めグループ毎に所持物検査の内容を定めたグループ毎情報と、取得部11が取得した個人特有情報(検査対象者が属するグループを示す情報)とに基づき、検査対象者毎に所持物検査を実行するか否かを決定する。
【0043】
当該例の場合、決定部12は、決定した内容、すなわち所持物検査を実行するか否かを、所定の出力装置(ディスプレイ、スピーカ、ランプ、投影装置等)を介して出力することができる。出力装置は、例えば検査場に設置されており、検査対象者や検査を管理する管理者に向けて所定の情報を提示するようになっていてもよい。
【0044】
このようにすれば、所持物検査を実行しないと判断された検査対象者は、電磁波送受信部14により電磁波を照射される位置(パネルの前、ゲート、ブース等)を経由することなしに、その検査場を通過することができる。
【0045】
なお、所持物検査を実行しないと判断された検査対象者も、電磁波送受信部14により電磁波を照射される位置(パネルの前、ゲート、ブース等)を経由するが、その検査対象者には電磁波の照射、及び反射波の受信を実行しないように構成してもよい(電磁波送受信部14を制御)。その他、所持物検査を実行しないと判断された検査対象者にも電磁波を照射し、反射波を受信するが、その反射波の信号に基づく検出対象物の検出は実行しないように構成してもよい(検出部13を制御)。その他、所持物検査を実行しないと判断された検査対象者にも検出対象物の検出は実行するが、所定の検出対象物が検出されても警告を出力しないように構成してもよい(検出部13を制御)。
【0046】
-第2の内容決定例-
当該例では、決定部12は、個人特有情報に基づき、検査対象者毎に、検出する検出対象物を決定する。例えば、
図5に示すようにグループが定義され、
図7に示すようにグループ毎に検出対象物が定義されている。
図5や
図7に示す情報は記憶部15に記憶されている。
【0047】
決定部12は、
図7に示すように、予めグループ毎に所持物検査の内容を定めたグループ毎情報と、取得部11が取得した個人特有情報(検査対象者が属するグループを示す情報)とに基づき、検査対象者毎に所持物検査で検出する対象物(検出対象物)を決定する。
【0048】
当該例の場合、決定部12は、決定した内容を検出部13に通知する。検出部13は、決定された検出対象物を検出する処理を実行する。すなわち、上述した第1の判断処理例の場合、検出部13は、決定された検出対象物の形状の特徴量と、透過画像に現れた形状の特徴量との照合結果に基づき、透過画像の中から検出対象物を検出する。また、上述した第2の判断処理例の場合、決定された検出対象物の反射波特徴量と、反射波の信号に現れた特徴量との照合結果に基づき、反射波の信号の中から検出対象物に特有の反射波特徴量を検出する。なお、検出対象物として決定されていない対象物の特徴量(形状の特徴量又は反射波特徴量)は、照合対象から除外される。
【0049】
-第3の内容決定例-
当該例では、決定部12は、個人特有情報に基づき、検査対象者毎に、検査部位を決定する。例えば、
図5に示すようにグループが定義され、
図8に示すようにグループ毎に検査部位が定義されている。検査部位は、検査する部位であり、身体の少なくとも一部(全身、上半身、下半身、頭部等)や、衣服の構成要素(ポケット等)で表現される。
図5や
図8に示す情報は記憶部15に記憶されている。
【0050】
決定部12は、
図8に示すように、予めグループ毎に所持物検査の内容を定めたグループ毎情報と、取得部11が取得した個人特有情報(検査対象者が属するグループを示す情報)とに基づき、検査対象者毎に所持物検査の検査部位を決定する。
【0051】
当該例の場合、決定部12は、決定した内容を検出部13に通知する。検出部13は、決定された部位の画像を解析して検出対象物を検出する処理を実行する。すなわち、上述した第1の判断処理例の場合、検出部13は、最初に透過画像の中から検査部位を抽出し、その後、抽出した部位が写る画像部分を解析して検出対象物を検出する処理を実行する。予め、検査部位として特定される複数の部位各々の外観の特徴量が記憶部15に記憶されている。検出部13は、予め登録されている検査部位の外観の特徴量と、透過画像に現れた形状の特徴量との照合結果に基づき、透過画像の中から検査部位を抽出する。
【0052】
-第4の内容決定例-
当該例では、決定部12は、個人特有情報に基づき、検査対象者毎に、所持物検査の検査方法を決定する。例えば、
図5に示すようにグループが定義され、
図9に示すようにグループ毎に検査方法が定義されている。図示する例では、グループ毎に、「電磁波が照射されるエリア(
図4の例の場合、パネルで構成された電磁波送受信部14の前)で一時停止する第1の検査方法(一時停止)」、及び「電磁波が照射されるエリアで一時停止することなく通過する第2の検査方法(スルー)」のいずれが定められている。第1の検査方法の方が検出精度が高くなるが、スループットが悪くなる。第2の検査方法の方が検出精度が低くなるが、スループットはよくなる。
図5や
図9に示す情報は記憶部15に記憶されている。
【0053】
決定部12は、
図9に示すように、予めグループ毎に所持物検査の内容を定めたグループ毎情報と、取得部11が取得した個人特有情報(検査対象者が属するグループを示す情報)とに基づき、検査対象者毎に所持物検査の検査方法を決定する。
【0054】
当該例の場合、決定部12は、決定した内容(検査方法)を、所定の出力装置(ディスプレイ、スピーカ、ランプ、投影装置等)を介して出力することができる。出力装置は、例えば検査場に設置されており、検査対象者や検査を管理する管理者に向けて所定の情報を提示するようになっていてもよい。
【0055】
なお、上述した第1の検査方法及び第2の検査方法はあくまで一例であり、その他の検査方法であってもよい。例えば、電磁波が照射されるエリアを1人ずつ通過する検査方法と、電磁波が照射されるエリアを複数人で同時に通過する検査方法とがあり、グループ毎にいずれかの検査方法が定められていてもよい。
【0056】
-第5の内容決定例-
当該例では、決定部12は、個人特有情報に基づき、検査対象者毎に、検出対象物を検出する処理の基準値を決定する。例えば、
図5に示すようにグループが定義され、
図10に示すようにグループ毎に基準値が定義されている。
図5や
図10に示す情報は記憶部15に記憶されている。
【0057】
ここで、基準値について説明する。上述した検出部13は、検出対象物の形状の特徴量と、透過画像に現れた形状の特徴量との照合、または、検出対象物の反射波特徴量と、反射波の信号に現れた特徴量との照合により、反射波の信号の中に所定の検出対象物に特有の特徴量が含まれている確からしさ(信頼度、確信度等ともいう)を算出する。この確からしさは数値で表現される。表現手法は様々であるが、例えば、パーセンテージで表現したりする。そして、検出部13は、この確からしさが基準値以上である場合、反射波の信号の中にその検出対象物に特有の特徴量が含まれていると判断する。
【0058】
上述した検出対象者毎に決定する基準値は、この算出された確からしさと比較される参照値である。この基準値を高くするほど、誤検出(異なる対象物を検出対象物として検出すること)が少なくなり、検出のヒット件数も少なくなるが、検出漏れも多くなる。この基準値を低くするほど、誤検出(異なる対象物を検出対象物として検出すること)が多くなり、検出のヒット件数も多くなるが、検出漏れは少なくなる。
【0059】
決定部12は、
図10に示すように、予めグループ毎に所持物検査の内容を定めたグループ毎情報と、取得部11が取得した個人特有情報(検査対象者が属するグループを示す情報)とに基づき、検出対象物を検出する処理の基準値を決定する。
【0060】
当該例の場合、決定部12は、決定した内容を検出部13に通知する。検出部13は、検出対象物の形状の特徴量と、透過画像に現れた形状の特徴量との照合、または、検出対象物の反射波特徴量と、反射波の信号に現れた特徴量との照合により、反射波の信号の中に所定の検出対象物に特有の特徴量が含まれている確からしさ(信頼度、確信度等ともいう)を算出した後、算出した確からしさと上記決定された基準値との比較結果に基づき、反射波の信号の中に所定の検出対象物に特有の特徴量が含まれているか否かを決定する。
【0061】
なお、
図10に示す情報は、すべての検出対象物の基準値が同じ値であることを前提にしているが、検出対象物毎に基準値が異なってもよい。すなわち、グループ毎に、複数の検出対象物各々の基準値が定められていてもよい。
【0062】
-第6の内容決定例-
当該例では、第1の内容決定例乃至第5の内容決定例の中の複数を組み合わせる。例えば、第1の内容決定例に基づき、検査対象者毎に、所持物検査を実行するか否かを決定する。そして、所持物検査を実行すると決定した検査対象者に対しては、第2の内容決定例乃至第5の内容決定例の中の少なくとも1つに基づき、検査対象者毎に、検査内容を決定する。
【0063】
次に、
図11のフローチャーを用いて、検査システム10の処理の流れの一例を説明する。
【0064】
まず、検査システム10は、個人特有情報及び環境情報の少なくとも一方を含む材料情報を取得する(S10)。
【0065】
本実施形態では、検査システム10は、検査場での所持物検査の前に、検査対象者から個人特有情報を取得する。例えば、検査システム10は、その検査対象者が属するグループを示す情報を、個人特有情報として取得する。検査システム10は、複数の検査対象者を互いに識別する対象者識別情報、検査対象者が所持している所持品に関する情報、検査対象者の衣服に関する情報、及び画像から推定された検査対象者の属性の中の少なくとも1つを取得し、取得した情報に基づき検査対象者が属するグループを特定することができる。
【0066】
次いで、検査システム10は、S10で取得した材料情報に基づき、検査対象者毎に及び/又は検査タイミング毎に、検査の内容を決定する(S11)。
【0067】
本実施形態では、検査システム10は、個人特有情報(材料情報)に基づき、検査対象者毎に、波長30マイクロメートル以上1メートル以下の電磁波の反射波の信号に基づく所持物検査の内容を決定する。例えば、検査システム10は、個人特有情報に基づき、検査対象者毎に、所持物検査を実行するか否かを決定することができる。又、検査システム10は、個人特有情報に基づき、検査対象者毎に、所持物検査の内容を決定することができる。
【0068】
次いで、検査システム10は、各検査対象者に対する所持物検査が決定した内容となるようにするための所定の処理を実行する(S12)。例えば、検査システム10は、決定内容を検査対象者や検査を管理する管理者に向けて提示したり、検出部13や電磁波送受信部14等の処理内容を制御したりする。
【0069】
「作用効果」
本実施形態の検査システム10によれば、複数の検査対象者各々に対して、各々の個人特有情報に応じた適切な内容の所持物検査を行うことができる。例えば、警察官や子供等、所持物検査の必要性が低い人物に対しては、所持物検査を行わなかったり、検出する対象物の種類を減らしたりできる。一方、所持物検査の必要性が高い人物に対しては、所持物検査を行ったり、検出する対象物の種類を増やしたりすることができる。このように所持物検査の必要性に応じて検査内容を調整することで、所持物検査が効率化し、検査の待ち時間が短縮される。
【0070】
<第2の実施形態>
図12に、本実施形態の検査システム10の機能ブロック図の一例を示す。本実施形態の検査システム10は、検査部16を有する点で第1の実施形態の検査システム10と異なる。
【0071】
検査部16は、第1の実施形態で説明した波長30マイクロメートル以上1メートル以下の電磁波の反射波の信号に基づく所持物検査(以下、「反射波の信号に基づく所持物検査」)以外の検査を検査対象者に対して行う。例えば、検査部16は、検査対象者の体温を測定する体温検査や、金属探知機を利用した所持物検査や、におい検知器を利用した所持物検査等を行うことができる。これらの検査は、あらゆる技術を採用して実現できる。
【0072】
検査部16は、検査結果を所定の出力装置(ディスプレイ、スピーカ、警告ランプ、投影装置等)を介して出力することができる。出力装置は、例えば検査場に設置されており、検査対象者や検査を管理する管理者に向けて所定の情報を提示するようになっていてもよい。また、検査部16は、検査結果の内容に応じて、出力装置の出力態様を異ならせてもよい。出力の仕方は様々であり、本実施形態ではあらゆる手段を採用できる。
【0073】
決定部12は、検査対象者が属するグループを示す個人特有情報に基づき、検査対象者毎に、複数種類の検査の中から実行する検査を決定する。複数種類の検査は、検出部13及び電磁波送受信部14により実現される反射波の信号に基づく所持物検査のほか、検査部16により実現される上述した各種検査を含む。
【0074】
例えば、
図13に示すように、グループ毎に実行する検査の種類を定めたグループ毎情報が記憶部15に記憶されていてもよい。そして、決定部12は、当該グループ毎情報に基づき、検査対象者毎に、複数種類の検査の中から実行する検査を決定してもよい。グループの概念や、検査対象者が属するグループを特定する手段は、第1の実施形態で説明した通りである。
【0075】
決定部12は、決定した内容、すなわち実行する検査の種類を示す情報を、所定の出力装置(ディスプレイ、スピーカ、ランプ、投影装置等)を介して出力することができる。出力装置は、例えば検査場に設置されており、検査対象者や検査を管理する管理者に向けて所定の情報を提示するようになっていてもよい。
【0076】
本実施形態の検査システム10のその他の構成は、第2の実施形態と同様である。
【0077】
以上、本実施形態の検査システム10によれば、第1の実施形態と同様の作用効果が実現される。また、本実施形態の検査システム10によれば、検査対象者毎に適した検査を行うことができる。個人に合わせて検査の内容をカスタマイズすることで、検査の無駄を省くことができる。結果、検査が効率化し、検査の待ち時間が短縮される。
【0078】
<第3の実施形態>
本実施形態では、グループ毎に所持物検査の内容を定めておくのでなく、検査対象者毎に所持物検査の内容を定めておく点で、第1の実施形態と異なる。本実施形態の検査システム10の機能ブロック図の一例は、第1の実施形態同様、
図3で示される。
【0079】
取得部11は、第1の実施形態で説明した対象者識別情報を、個人特有情報として取得する。
【0080】
決定部12は、取得部11が取得した個人特有情報に基づき、検査対象者毎に所持物検査の内容を決定する。以下、一例を説明する。
【0081】
-第7の内容決定例-
当該例では、決定部12は、個人特有情報に基づき、検査対象者毎に、所持物検査を実行するか否かを決定する。例えば、
図14に示すように対象者識別情報毎に所持物検査を実行するか否かが定義されている。
図14に示す情報は記憶部15に記憶されている。
【0082】
決定部12は、
図14に示すように、予め検査対象者毎に所持物検査の内容を定めた個人毎情報と、取得部11が取得した個人特有情報(対象者識別情報)とに基づき、検査対象者毎に所持物検査を実行するか否かを決定する。
【0083】
なお、決定部12は、対象者識別情報を有さない検査対象者に対しては、予め定められた未登録者用の所持物検査の内容(所持物検査を実行するか否か)を決定することができる。未登録者用の所持物検査の内容は、所持物検査を実行することが定められていてもよい。
【0084】
当該例の場合、決定部12は、決定した内容、すなわち所持物検査を実行するか否かを、所定の出力装置(ディスプレイ、スピーカ、ランプ、投影装置等)を介して出力することができる。出力装置は、例えば検査場に設置されており、検査対象者や検査を管理する管理者に向けて所定の情報を提示するようになっていてもよい。
【0085】
このようにすれば、所持物検査を実行しないと判断された検査対象者は、電磁波送受信部14により電磁波を照射される位置(パネルの前、ゲート、ブース等)を経由することなしに、その検査場を通過することができる。
【0086】
なお、所持物検査を実行しないと判断された検査対象者も、電磁波送受信部14により電磁波を照射される位置(パネルの前、ゲート、ブース等)を経由するが、その検査対象者には電磁波の照射、及び反射波の受信を実行しないように構成してもよい(電磁波送受信部14を制御)。その他、所持物検査を実行しないと判断された検査対象者にも電磁波を照射し、反射波を受信するが、その反射波の信号に基づく検出対象物の検出は実行しないように構成してもよい(検出部13を制御)。その他、所持物検査を実行しないと判断された検査対象者にも検出対象物の検出は実行するが、所定の検出対象物が検出されても警告を出力しないように構成してもよい(検出部13を制御)。
【0087】
-第8の内容決定例-
当該例では、決定部12は、個人特有情報に基づき、検査対象者毎に、検出する検出対象物を決定する。例えば、
図15に示すように対象者識別情報毎に検出対象物が定義されている。
図15に示す情報は記憶部15に記憶されている。
【0088】
決定部12は、
図15に示すように、予め検査対象者毎に所持物検査の内容を定めた個人毎情報と、取得部11が取得した個人特有情報(対象者識別情報)とに基づき、検査対象者毎に所持物検査で検出する対象物(検出対象物)を決定する。
【0089】
なお、決定部12は、対象者識別情報を有さない検査対象者に対しては、予め定められた未登録者用の所持物検査の内容(検出対象物)を決定することができる。
【0090】
当該例の場合、決定部12は、決定した内容を検出部13に通知する。検出部13は、決定された検出対象物を検出する処理を実行する。すなわち、第1の実施形態で説明した第1の判断処理例の場合、検出部13は、決定された検出対象物の形状の特徴量と、透過画像に現れた形状の特徴量との照合結果に基づき、透過画像の中から検出対象物を検出する。また、第1の実施形態で説明した第2の判断処理例の場合、決定された検出対象物の反射波特徴量と、反射波の信号に現れた特徴量との照合結果に基づき、反射波の信号の中から検出対象物に特有の反射波特徴量を検出する。なお、検出対象物として決定されていない対象物の特徴量(形状の特徴量又は反射波特徴量)は、照合対象から除外される。
【0091】
-第9の内容決定例-
当該例では、決定部12は、第8の内容決定例と異なる方法で、個人特有情報に基づき、検査対象者毎に、検出する検出対象物を決定する。
【0092】
当該例では、施設に複数の検査場が設けられる。そして、複数の検査場各々で、各種検査が行われる。例えば、施設の入口に検査場が設けられるとともに、施設内の各種エリアの入口に検査場が設けられる例等が挙げられる。
【0093】
そして、当該例では、
図16に示すように対象者識別情報に紐付けて、検査対象者の検査履歴が登録されている。
図16に示す情報は記憶部15に記憶されている。検査履歴は、過去の期間に、施設に設置された検査場において各検査対象者に対して行われた検査の内容を示す。例えば、検査履歴は、各検査対象者に対して行われた所持物検査において検出対象となった対象物、すなわち検出処理を実行済みの対象物を示す。
【0094】
「過去の期間」は、「当日」であってもよいし、「現時点から所定時間前まで」であってもよいし、その他であってもよい。例えば、施設への出入りを繰り返す場合を想定し、「直近の施設への入場タイミングから現時点まで」を「過去の期間」としてもよい。
【0095】
図16に示す例では、通番と、対象者識別情報と、検査済対象物とが紐付けて登録されている。通番は、施設に来た人に対して検査システム10が付与した識別情報である。対象者識別情報は、上述の通りである。検査済対象物は、過去の期間に、各検査対象者に対して行われた所持物検査において検出対象となった対象物を示す。なお、図示する例では、各検査済対象物に紐付けて、検査が行われた検査場の識別情報(G001等)と、検査が行われた時刻(8:13等)とが登録されているが、これらの情報は登録されなくてもよいし、その他の情報がさらに登録されてもよい。
【0096】
決定部12は、
図16に示すような検査対象者各々の検査履歴に基づき、検査対象者毎に、各検査場での所持物検査で検出する対象物(検出対象物)を決定する。例えば、決定部12は、検出済対象物以外の対象物を、検出する対象物(検出対象物)として決定する。
【0097】
当該例の場合、決定部12は、決定した内容を検出部13に通知する。検出部13は、決定された検出対象物を検出する処理を実行する。すなわち、第1の実施形態で説明した第1の判断処理例の場合、検出部13は、決定された検出対象物の形状の特徴量と、透過画像に現れた形状の特徴量との照合結果に基づき、透過画像の中から検出対象物を検出する。また、第1の実施形態で説明した第2の判断処理例の場合、決定された検出対象物の反射波特徴量と、反射波の信号に現れた特徴量との照合結果に基づき、反射波の信号の中から検出対象物に特有の反射波特徴量を検出する。なお、検出対象物として決定されていない対象物の特徴量(形状の特徴量又は反射波特徴量)は、照合対象から除外される。
【0098】
-第10の内容決定例-
当該例では、決定部12は、個人特有情報に基づき、検査対象者毎に、検査部位を決定する。例えば、
図17に示すように対象者識別情報毎に検査部位が定義されている。
図17に示す情報は記憶部15に記憶されている。検査部位は、検査する部位であり、身体の少なくとも一部(全身、上半身、下半身、頭部等)や、衣服の構成要素(ポケット等)で表現される。
【0099】
決定部12は、
図17に示すように、予め対象者識別情報毎に所持物検査の内容を定めた個人毎情報と、取得部11が取得した個人特有情報(対象者識別情報)とに基づき、検査対象者毎に所持物検査の検査部位を決定する。
【0100】
当該例の場合、決定部12は、決定した内容を検出部13に通知する。検出部13は、決定された部位の画像を解析して検出対象物を検出する処理を実行する。すなわち、上述した第1の判断処理例の場合、検出部13は、最初に透過画像の中から検査部位を抽出し、その後、抽出した部位が写る画像部分を解析して検出対象物を検出する処理を実行する。予め、検査部位として特定される複数の部位各々の外観の特徴量が記憶部15に記憶されている。検出部13は、予め登録されている検査部位の外観の特徴量と、透過画像に現れた形状の特徴量との照合結果に基づき、透過画像の中から検査部位を抽出する。
【0101】
-第11の内容決定例-
当該例では、決定部12は、個人特有情報に基づき、検査対象者毎に、所持物検査の検査方法を決定する。例えば、
図18に示すように対象者識別情報毎に検査方法が定義されている。
図18に示す情報は記憶部15に記憶されている。図示する例では、検査対象者毎に、「電磁波が照射されるエリア(
図4の例の場合、パネルで構成された電磁波送受信部14の前)で一時停止する第1の検査方法(一時停止)」、及び「電磁波が照射されるエリアで一時停止することなく通過する第2の検査方法(スルー)」のいずれが定められている。第1の検査方法の方が検出精度が高くなるが、スループットが悪くなる。第2の検査方法の方が検出精度が低くなるが、スループットはよくなる。
【0102】
決定部12は、
図18に示すように、予め対象者識別情報毎に所持物検査の内容を定めた個人毎情報と、取得部11が取得した個人特有情報(対象者識別情報)とに基づき、所持物検査の検査方法を決定する。
【0103】
当該例の場合、決定部12は、決定した内容(検査方法)を、所定の出力装置(ディスプレイ、スピーカ、ランプ、投影装置等)を介して出力することができる。出力装置は、例えば検査場に設置されており、検査対象者や検査を管理する管理者に向けて所定の情報を提示するようになっていてもよい。
【0104】
なお、上述した第1の検査方法及び第2の検査方法はあくまで一例であり、その他の検査方法であってもよい。例えば、電磁波が照射されるエリアを1人ずつ通過する検査方法と、電磁波が照射されるエリアを複数人で同時に通過する検査方法とがあり、グループ毎にいずれかの検査方法が定められていてもよい。
【0105】
-第12の内容決定例-
当該例では、決定部12は、個人特有情報に基づき、検査対象者毎に、検出対象物を検出する処理の基準値を決定する。例えば、
図19に示すように対象者識別情報毎に基準値が定義されている。
図19に示す情報は記憶部15に記憶されている。基準値の概念は、第1の実施形態で説明した通りである。
【0106】
決定部12は、
図19に示すように、予め対象者識別情報毎に所持物検査の内容を定めたグループ毎情報と、取得部11が取得した個人特有情報(対象者識別情報)とに基づき、検出対象物を検出する処理の基準値を決定する。
【0107】
当該例の場合、決定部12は、決定した内容を検出部13に通知する。検出部13は、検出対象物の形状の特徴量と、透過画像に現れた形状の特徴量との照合、または、検出対象物の反射波特徴量と、反射波の信号に現れた特徴量との照合により、反射波の信号の中に所定の検出対象物に特有の特徴量が含まれている確からしさ(信頼度、確信度等ともいう)を算出した後、算出した確からしさと上記決定された基準値との比較結果に基づき、反射波の信号の中に所定の検出対象物に特有の特徴量が含まれているか否かを決定する。
【0108】
なお、
図19に示す情報は、すべての検出対象物の基準値が同じ値であることを前提にしているが、検出対象物毎に基準値が異なってもよい。すなわち、対象者識別情報毎に、複数の検出対象物各々の基準値が定められていてもよい。
【0109】
-第13の内容決定例-
当該例では、第7の内容決定例乃至第12の内容決定例の中の複数を組み合わせる。例えば、第7の内容決定例に基づき、検査対象者毎に、所持物検査を実行するか否かを決定する。そして、所持物検査を実行すると決定した検査対象者に対しては、第8の内容決定例乃至第12の内容決定例の中の少なくとも1つに基づき、検査対象者毎に、検査内容を決定する。
【0110】
本実施形態の検査システム10のその他の構成は、第1の実施形態と同様である。
【0111】
以上、本実施形態の検査システム10によれば、第1の実施形態と同様の作用効果が実現される。また、本実施形態の検査システム10によれば、検査対象者毎に適した所持物検査の内容を定義し、定義した内容の所持物検査を行うことができる。個人に合わせて所持物検査の内容をカスタマイズすることで、検査の無駄を省くことができる。結果、所持物検査が効率化し、検査の待ち時間が短縮される。
【0112】
<第4の実施形態>
図12に、本実施形態の検査システム10の機能ブロック図の一例を示す。本実施形態の検査システム10は、検査部16を有する点で第3の実施形態の検査システム10と異なる。検査部16の構成は、第2の実施形態で説明したとおりである。
【0113】
決定部12は、個人特有情報に基づき、検査対象者毎に、複数種類の検査の中から実行する検査を決定する。複数種類の検査は、検出部13及び電磁波送受信部14により実現される反射波の信号に基づく所持物検査のほか、検査部16により実現される上述した各種検査を含む。
【0114】
例えば、
図20に示すように、検査対象者毎に実行する検査の種類を定めた個人毎情報が記憶部15に記憶されていてもよい。そして、決定部12は、当該個人毎情報に基づき、検査対象者毎に、複数種類の検査の中から実行する検査を決定してもよい。
【0115】
その他、施設に複数の検査場が設けられ、複数の検査場各々で、各種検査が行われてもよい。例えば、施設の入口に検査場が設けられるとともに、施設内の各種エリアの入口に検査場が設けられる例等が挙げられる。
【0116】
そして、
図21に示すように対象者識別情報に紐付けて、検査対象者の検査履歴が登録されていてもよい。
図21に示す情報は記憶部15に記憶されている。図示する検査履歴は、過去の期間に、施設に設置された検査場において各検査対象者に対して行われた検査の種類を示す。過去の期間の概念は、第2の実施形態で説明した通りである。
【0117】
決定部12は、
図21に示すような検査対象者各々の検査履歴に基づき、検査対象者毎に、各検査場で実行する検査の種類を決定する。例えば、決定部12は、実施済検査以外の検査を、実行する検査として決定してもよい。
【0118】
決定部12は、決定した内容、すなわち実行する検査の種類を示す情報を、所定の出力装置(ディスプレイ、スピーカ、ランプ、投影装置等)を介して出力することができる。出力装置は、例えば検査場に設置されており、検査対象者や検査を管理する管理者に向けて所定の情報を提示するようになっていてもよい。
【0119】
本実施形態の検査システム10のその他の構成は、第3の実施形態と同様である。
【0120】
以上、本実施形態の検査システム10によれば、第3の実施形態と同様の作用効果が実現される。また、本実施形態の検査システム10によれば、検査対象者毎に適した検査を行うことができる。個人に合わせて検査の内容をカスタマイズすることで、検査の無駄を省くことができる。結果、検査が効率化し、検査の待ち時間が短縮される。
【0121】
<第5の実施形態>
本実施形態の検査システム10は、個人特有情報に基づき検査対象者毎に検査の内容を決定するのでなく、検査タイミング毎に変化する環境の状態を示す環境情報に基づき検査タイミング毎に検査の内容を決定する点で、第1の実施形態と異なる。本実施形態の検査システム10の機能ブロック図の一例は、第1の実施形態同様、
図3で示される。また、本実施形態の検査システム10は、
図1に示す構成から個人特有情報取得装置3をなくした構成とすることができる。
【0122】
取得部11は、検査タイミング毎に変化する環境の状態値を示す環境情報を取得する。環境情報は、例えば、検査の進行に影響し得るものの状態値を示すことができる。具体的には、環境情報は、日時、曜日、天気、気温、施設の混雑状況、施設で行われるイベントの内容、検査の混雑状況、検査に関わる担当者の数、検査のスループット以外の検査待ち渋滞を引き起こす原因の存在の有無の中の少なくとも1つを示してもよい。
【0123】
これらの環境情報を取得する手段は特段制限されない。当該手段としては、例えば、検査システム10内に記憶されているデータの参照、サーバに記憶されている情報の取得、施設内を撮影した画像の解析、ユーザによる状態値の入力等が例示される。
【0124】
決定部12は、取得部11が取得した環境情報に基づき、検査タイミング毎に所持物検査の内容を決定する。所持物検査は、検出部13及び電磁波送受信部14により実現される検査である。以下、一例を説明する。
【0125】
-第14の内容決定例-
当該例では、決定部12は、環境情報に基づき、検査タイミング毎に、所持物検査を実行するか否かを決定する。当該例では、環境情報で示される環境の状態値に基づき、複数のケースが定義されている。施設の混雑状況を利用した例として、「第1のケース:施設が混雑」、「第2のケース:施設が空いている」等が考えられる。また、「第1のケース:月曜日~金曜日、施設が混雑」、「第2のケース:月曜日~金曜日、施設が空いている」、「第3のケース:土曜日~日曜日、施設が混雑」、「第4のケース:土曜日~日曜日、施設が空いている」等のように複数の環境情報を組み合わせてケースを定義してもよい。
【0126】
そして、
図22に示すようにケース毎に所持物検査を実行するか否かが定義されている。
図22に示す情報や複数のケースの定義を示す情報(不図示)は記憶部15に記憶されている。
【0127】
決定部12は、取得部11が取得した環境情報に基づき該当するケースを特定する。その後、決定部12は、
図22に示すように、予めケース毎に所持物検査の内容を定めたケース毎情報と、ケースの特定結果とに基づき、検査タイミング毎に所持物検査を実行するか否かを決定する。
【0128】
当該例の場合、決定部12は、決定した内容、すなわち所持物検査を実行するか否かを、所定の出力装置(ディスプレイ、スピーカ、ランプ、投影装置等)を介して出力することができる。出力装置は、例えば検査場に設置されており、検査対象者や検査を管理する管理者に向けて所定の情報を提示するようになっていてもよい。
【0129】
このようにすれば、所持物検査を実行しないと判断されたタイミングでは、検査対象者は、電磁波送受信部14により電磁波を照射される位置(パネルの前、ゲート、ブース等)を経由することなしに、その検査場を通過することができる。
【0130】
なお、所持物検査を実行しないと判断されたタイミングでも、検査対象者は、電磁波送受信部14により電磁波を照射される位置(パネルの前、ゲート、ブース等)を経由するが、その検査対象者には電磁波の照射、及び反射波の受信を実行しないように構成してもよい(電磁波送受信部14を制御)。その他、所持物検査を実行しないと判断されたタイミングでも、検査対象者に電磁波を照射し、反射波を受信するが、その反射波の信号に基づく検出対象物の検出は実行しないように構成してもよい(検出部13を制御)。その他、所持物検査を実行しないと判断されたタイミングでも、検査対象者から検出対象物を検出する処理を実行するが、所定の検出対象物が検出されても警告を出力しないように構成してもよい(検出部13を制御)。
【0131】
-第15の内容決定例-
当該例では、決定部12は、環境情報に基づき、検査タイミング毎に、検出する検出対象物を決定する。まず、上述のように、環境情報で示される環境の状態値に基づき、複数のケースが定義されている。そして、
図23に示すようにケース毎に検出対象物が定義されている。
図23に示す情報や複数のケースの定義を示す情報(不図示)は記憶部15に記憶されている。
【0132】
決定部12は、取得部11が取得した環境情報に基づき該当するケースを特定する。その後、決定部12は、
図23に示すように、予めケース毎に所持物検査の内容を定めたケース毎情報と、ケースの特定結果とに基づき、検査タイミング毎に検出対象物を決定する。
【0133】
当該例の場合、決定部12は、決定した内容を検出部13に通知する。検出部13は、決定された検出対象物を検出する処理を実行する。すなわち、上述した第1の判断処理例の場合、検出部13は、決定された検出対象物の形状の特徴量と、透過画像に現れた形状の特徴量との照合結果に基づき、透過画像の中から検出対象物を検出する。また、上述した第2の判断処理例の場合、決定された検出対象物の反射波特徴量と、反射波の信号に現れた特徴量との照合結果に基づき、反射波の信号の中から検出対象物に特有の反射波特徴量を検出する。なお、検出対象物として決定されていない対象物の特徴量(形状の特徴量又は反射波特徴量)は、照合対象から除外される。
【0134】
-第16の内容決定例-
当該例では、決定部12は、環境情報に基づき、検査タイミング毎に、検査部位を決定する。まず、上述のように、環境情報で示される環境の状態値に基づき、複数のケースが定義されている。そして、
図24に示すようにケース毎に検査部位が定義されている。検査部位は、検査する部位であり、身体の少なくとも一部(全身、上半身、下半身、頭部等)や、衣服の構成要素(ポケット等)で表現される。
図24に示す情報や複数のケースの定義を示す情報(不図示)は記憶部15に記憶されている。
【0135】
決定部12は、取得部11が取得した環境情報に基づき該当するケースを特定する。その後、決定部12は、
図24に示すように、予めケース毎に所持物検査の内容を定めたケース毎情報と、ケースの特定結果とに基づき、検査タイミング毎に検査部位を決定する。
【0136】
当該例の場合、決定部12は、決定した内容を検出部13に通知する。検出部13は、決定された部位の画像を解析して検出対象物を検出する処理を実行する。すなわち、上述した第1の判断処理例の場合、検出部13は、最初に透過画像の中から検査部位を抽出し、その後、抽出した部位が写る画像部分を解析して検出対象物を検出する処理を実行する。予め、検査部位として特定される複数の部位各々の外観の特徴量が記憶部15に記憶されている。検出部13は、予め登録されている検査部位の外観の特徴量と、透過画像に現れた形状の特徴量との照合結果に基づき、透過画像の中から検査部位を抽出する。
【0137】
-第17の内容決定例-
当該例では、決定部12は、環境情報に基づき、検査タイミング毎に、所持物検査の検査方法を決定する。まず、上述のように、環境情報で示される環境の状態値に基づき、複数のケースが定義されている。そして、
図25に示すようにケース毎に検査方法が定義されている。図示する例では、ケース毎に、「電磁波が照射されるエリア(
図4の例の場合、パネルで構成された電磁波送受信部14の前)で一時停止する第1の検査方法(一時停止)」、及び「電磁波が照射されるエリアで一時停止することなく通過する第2の検査方法(スルー)」のいずれが定められている。第1の検査方法の方が検出精度が高くなるが、スループットが悪くなる。第2の検査方法の方が検出精度が低くなるが、スループットはよくなる。例えば、検査混雑のケースでは第2の検査方法を実施し、施設混雑のケースでは第1の検査方法を実施することが定義されていてもよい。このように定義すると、検査混雑時には、第2の検査方法でスループットを上げ、混雑を解消することができる。そして、施設が混雑しており、検査に関係なくスループットが低いような場合には、第1の検査方法で検査スループットよりも検出精度を重視することができる。
図25に示す情報や複数のケースの定義を示す情報(不図示)は記憶部15に記憶されている。
【0138】
決定部12は、取得部11が取得した環境情報に基づき該当するケースを特定する。その後、決定部12は、
図25に示すように、予めケース毎に所持物検査の内容を定めたケース毎情報と、ケースの特定結果とに基づき、検査タイミング毎に所持物検査の検査方法を決定する。
【0139】
当該例の場合、決定部12は、決定した内容(検査方法)を、所定の出力装置(ディスプレイ、スピーカ、ランプ、投影装置等)を介して出力することができる。出力装置は、例えば検査場に設置されており、検査対象者や検査を管理する管理者に向けて所定の情報を提示するようになっていてもよい。
【0140】
なお、上述した第1の検査方法及び第2の検査方法はあくまで一例であり、その他の検査方法であってもよい。例えば、電磁波が照射されるエリアを1人ずつ通過する検査方法と、電磁波が照射されるエリアを複数人で同時に通過する検査方法とがあり、グループ毎にいずれかの検査方法が定められていてもよい。
【0141】
-第18の内容決定例-
当該例では、決定部12は、環境情報に基づき、検査タイミング毎に、検出対象物を検出する処理の基準値を決定する。まず、上述のように、環境情報で示される環境の状態値に基づき、複数のケースが定義されている。そして、
図26に示すようにケース毎に基準値が定義されている。
図26に示す情報や複数のケースの定義を示す情報(不図示)は記憶部15に記憶されている。基準値の概念は、第1の実施形態で説明した通りである。
【0142】
決定部12は、取得部11が取得した環境情報に基づき該当するケースを特定する。その後、決定部12は、
図26に示すように、予めケース毎に所持物検査の内容を定めたケース毎情報と、ケースの特定結果とに基づき、検出対象物を検出する処理の基準値を決定する。
【0143】
当該例の場合、決定部12は、決定した内容を検出部13に通知する。検出部13は、検出対象物の形状の特徴量と、透過画像に現れた形状の特徴量との照合、または、検出対象物の反射波特徴量と、反射波の信号に現れた特徴量との照合により、反射波の信号の中に所定の検出対象物に特有の特徴量が含まれている確からしさ(信頼度、確信度等ともいう)を算出した後、算出した確からしさと上記決定された基準値との比較結果に基づき、反射波の信号の中に所定の検出対象物に特有の特徴量が含まれているか否かを決定する。
【0144】
なお、
図26に示す情報は、すべての検出対象物の基準値が同じ値であることを前提にしているが、検出対象物毎に基準値が異なってもよい。すなわち、ケース毎に、複数の検出対象物各々の基準値が定められていてもよい。
【0145】
-第19の内容決定例-
当該例では、第14の内容決定例乃至第18の内容決定例の中の複数を組み合わせる。例えば、第14の内容決定例に基づき、検査タイミング毎に、所持物検査を実行するか否かを決定する。そして、所持物検査を実行すると決定した検査対象者に対しては、第15の内容決定例乃至第18の内容決定例の中の少なくとも1つに基づき、検査タイミング毎に、検査内容を決定する。
【0146】
次に、
図11のフローチャーを用いて、検査システム10の処理の流れの一例を説明する。
【0147】
まず、検査システム10は、個人特有情報及び環境情報の少なくとも一方を含む材料情報を取得する(S10)。
【0148】
本実施形態では、検査システム10は、任意のタイミングで、環境情報を取得する。当該環境情報の取得に応じて、以下の検査内容の決定、及び検査内容の変更が行われる。環境情報の取得は、1日に1回行われてもよいし、1日に複数回行われてもよい。検査システム10は、予め定められた所定のタイミングの到来(例:1時間毎、30分毎)を監視し、当該タイミングの到来に応じて、最新の環境情報の取得を実行してもよい。また、検査システム10は、ユーザからの実行指示に応じて、最新の環境情報の取得を実行してもよい。
【0149】
次いで、検査システム10は、S10で取得した材料情報に基づき、検査対象者毎に及び/又は検査タイミング毎に、検査の内容を決定する(S11)。
【0150】
本実施形態では、検査システム10は、環境情報(材料情報)に基づき該当するケースを特定し、ケースの特定結果に基づき、検査タイミング毎に、波長30マイクロメートル以上1メートル以下の電磁波の反射波の信号に基づく所持物検査の内容を決定する。例えば、検査システム10は、環境情報に基づくケースの特定結果に基づき、検査タイミング毎に、所持物検査を実行するか否かを決定することができる。又、検査システム10は、環境情報に基づくケースの特定結果に基づき、検査タイミング毎に、所持物検査の内容を決定することができる。
【0151】
次いで、検査システム10は、各検査対象者に対する所持物検査が決定した内容となるようにするための所定の処理を実行する(S12)。例えば、検査システム10は、決定内容を検査対象者や検査を管理する管理者に向けて提示したり、検出部13や電磁波送受信部14等の処理内容を制御したりする。
【0152】
本実施形態の検査システム10のその他の構成は、第1の実施形態と同様である。
【0153】
以上、本実施形態の検査システム10によれば、第1の実施形態と同様の作用効果が実現される。また、本実施形態の検査システム10によれば、環境情報で特定される状況毎に(ケース毎に)、各状況に適した方法で検査を行うことができる。その時の状況に応じて検査の内容をカスタマイズすることで、検査の無駄を省くことができる。結果、検査が効率化し、検査の待ち時間が短縮される。
【0154】
<第6の実施形態>
図12に、本実施形態の検査システム10の機能ブロック図の一例を示す。本実施形態の検査システム10は、検査部16を有する点で第5の実施形態の検査システム10と異なる。検査部16の構成は、第2の実施形態で説明したとおりである。
【0155】
決定部12は、環境情報に基づき、検査タイミング毎に、複数種類の検査の中から実行する検査を決定する。複数種類の検査は、検出部13及び電磁波送受信部14により実現される反射波の信号に基づく所持物検査のほか、検査部16により実現される上述した各種検査を含む。
【0156】
例えば、
図27に示すように、ケース毎に実行する検査の種類を定めたケース毎情報が記憶部15に記憶されていてもよい。そして、決定部12は、取得部11が取得した環境情報に基づき該当するケースを特定した後、特定した結果と
図27に示すようなケース毎情報とに基づき、検査タイミング毎に、複数種類の検査の中から実行する検査を決定してもよい。
【0157】
決定部12は、決定した内容、すなわち実行する検査の種類を示す情報を、所定の出力装置(ディスプレイ、スピーカ、ランプ、投影装置等)を介して出力することができる。出力装置は、例えば検査場に設置されており、検査対象者や検査を管理する管理者に向けて所定の情報を提示するようになっていてもよい。
【0158】
本実施形態の検査システム10のその他の構成は、第5の実施形態と同様である。
【0159】
以上、本実施形態の検査システム10によれば、第5の実施形態と同様の作用効果が実現される。また、本実施形態の検査システム10によれば、環境情報で特定される状況毎に(ケース毎に)、各状況に適した検査を行うことができる。その時の状況に応じて検査の内容をカスタマイズすることで、検査の無駄を省くことができる。結果、検査が効率化し、検査の待ち時間が短縮される。
【0160】
<第7の実施形態>
本実施形態の検査システム10は、個人特有情報及び環境情報に基づき、検査タイミング毎かつ検査対象者毎に、検査の内容を決定する点で、第1乃至第6の実施形態と異なる。
【0161】
本実施形態の検査システム10の機能ブロック図の一例は、
図3又は
図12で示される。
【0162】
本実施形態では、ケース毎に、複数のグループ各々の検査内容を定めた情報が記憶部15に記憶されている。そして、決定部12は、当該情報に基づき、検査タイミング毎かつ検査対象者毎に、検査の内容を決定する。
【0163】
他の例として、本実施形態では、ケース毎に、複数の検査対象者各々の検査内容を定めた情報が記憶部15に記憶されている。そして、決定部12は、当該情報に基づき、検査タイミング毎かつ検査対象者毎に、検査の内容を決定する。
【0164】
決定する検査内容は、第1乃至第6の実施形態で説明したものであり、所持物検査の内容や、実行する検査の種類等である。
【0165】
本実施形態の検査システム10のその他の構成は、第1乃至第6の実施形態と同様である。
【0166】
以上、本実施形態の検査システム10によれば、第1乃至第6の実施形態と同様の作用効果が実現される。また、本実施形態の検査システム10によれば、環境情報で特定される状況毎(ケース毎)、かつ、検査対象者毎に、各状況かつ各検査対象者に適した検査を行うことができる。その時の状況や検査対象者に応じて検査の内容をカスタマイズすることで、検査の無駄を省くことができる。結果、検査が効率化し、検査の待ち時間が短縮される。
【0167】
<変形例>
以下、上述した実施形態に適用可能な変形例を説明する。これらの変形例においても、上述した実施形態と同様の作用効果が実現される。
【0168】
-第1の変形例-
図1では、個人特有情報取得装置3により取得された個人特有情報が検出装置2を経由してサーバ1に送信されているが、個人特有情報取得装置3により取得された個人特有情報が検出装置2を経由せずにサーバ1に送信されてもよい。例えば、
図29に示すように、サーバ1に対して、検出装置2及び個人特有情報取得装置3が並列に接続されてもよい。また、例えば、検査場に、検査場の情報を収集する情報収集装置が設置されてもよい。そして、検出装置2及び個人特有情報取得装置3はいずれも、この情報収集装置を経由して、サーバ1と通信してもよい。
【0169】
-第2の変形例-
図28に示すように、検査システム10は、サーバ1を有さなくてもよい。この場合、検査場に設置された検出装置2と個人特有情報取得装置3により、取得部11、決定部12、検出部13、電磁波送受信部14及び記憶部15が実現される。また、検査場に設置されたローカル装置により、検査部16が実現される。なお、第5及び第6の実施形態に当該変形例を適用する場合、検査システム10は個人特有情報取得装置3を有さなくてもよい。
【0170】
-第3の変形例-
上記実施形態では、個人特有情報取得装置3は、検出装置2による検出処理を実行される前の検査対象者から、その検査対象者に特有の個人特有情報を取得することとした。変形例として、個人特有情報取得装置3は、検出装置2による電磁波送受信の後、かつ、反射波の信号に基づく検出処理の実行前に、個人特有情報の取得を実施してもよい。例えば、検査の判定をオフライン処理する場合などが考えられる。
【0171】
-第4の変形例-
上記実施形態の異常状態は、所定の領域に存在する人物が予め設定された検出対象物を所持している状態であった。そして、検出部13は、反射波の信号の中から、反射波の信号に含まれていることが好ましくない異常データ(検出対象物の特徴量)を検出した。
【0172】
当該変形例では、検出部13は、含まれていることが好ましい正常データを参照し、反射波の信号の中から、異常状態(正常データで示される状態と異なる状態)を検出する検出処理を行う。
【0173】
-第5の変形例-
上記実施形態では、持ち込みが禁止されている対象物が検出対象物として設定された。そして、所定の領域に存在する人物が予め設定された検出対象物を所持している状態を、異常状態として検出した。当該変形例では、ユーザが持っている必要がある対象物が検出対象物として設定される。例えば、警察官のバッチや、イベントに参加する人が所持することを義務つけられている物などが、当該変形例において検出対象物となる。そして、当該変形例では、所定の領域に存在する人物が予め設定された検出対象物を所持していない状態を、異常状態として検出する。この場合、異常状態が検出されたユーザの属性に基づき、その場所で2次検査を行うか、後で2次検査を行うか決定してもよい。ユーザの属性は、性別、年齢など、画像から推定されるものであってもよいし、その他であってもよい。
【0174】
なお、持ち込みが禁止されている対象物が検出対象物Aとして設定され、ユーザが持っている必要がある対象物が検出対象物Bとして設定されてもよい。この場合、「検出対象物Aが検出され、検出対象物Bが検出されていないケース」、「検出対象物Bが検出され、検出対象物Aが検出されていないケース」、「検出対象物A及び検出対象物B両方とも検出されているケース」、「検出対象物A及び検出対象物B両方とも検出されていないケース」等、検出結果が複数のケースに分かれる。いずれのケースを異常状態として検出するかは、設計的事項である。
【0175】
なお、本明細書において、「取得」とは、ユーザ入力に基づき、又は、プログラムの指示に基づき、「自装置が他の装置や記憶媒体に格納されているデータを取りに行くこと(能動的な取得)」、たとえば、他の装置にリクエストまたは問い合わせして受信すること、他の装置や記憶媒体にアクセスして読み出すこと等、および、ユーザ入力に基づき、又は、プログラムの指示に基づき、「自装置に他の装置から出力されるデータを入力すること(受動的な取得)」、たとえば、配信(または、送信、プッシュ通知等)されるデータを受信すること、また、受信したデータまたは情報の中から選択して取得すること、及び、「データを編集(テキスト化、データの並び替え、一部データの抽出、ファイル形式の変更等)などして新たなデータを生成し、当該新たなデータを取得すること」の少なくともいずれか一方を含む。
【0176】
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下に限られない。
1. 検査対象者各々に特有の個人特有情報、及び、検査タイミング毎に変化する環境の状態値を示す環境情報の少なくとも一方を含む材料情報を取得する取得手段と、
前記材料情報に基づき、前記検査対象者毎に及び/又は検査タイミング毎に、検査の内容を決定する決定手段と、
を有する検査システム。
2. 前記決定手段は、前記検査対象者毎に又は検査タイミング毎に、波長30マイクロメートル以上1メートル以下の電磁波の反射波の信号に基づく所持物検査の内容を決定する1に記載の検査システム。
3. 前記決定手段は、前記検査対象者毎に又は検査タイミング毎に、前記所持物検査を実行するか否かを決定する2に記載の検査システム。
4. 前記決定手段は、前記検査対象者毎に又は検査タイミング毎に、検出する検出対象物を決定する2又は3に記載の検査システム。
5. 前記決定手段は、前記検査対象者毎に又は検査タイミング毎に、検査する身体の部位を決定する2から4のいずれかに記載の検査システム。
6. 前記決定手段は、前記検査対象者毎に又は検査タイミング毎に、前記電磁波が照射されるエリアで一時停止する検査方法と、前記エリアで一時停止することなく通過する検査方法とのいずれを実行するか決定する2から5のいずれかに記載の検査システム。
7. 前記決定手段は、前記検査対象者毎に又は検査タイミング毎に、前記所持物検査を含む複数種類の検査の中から実行する検査を決定する請求項2から6のいずれか1項に記載の検査システム。
8. 前記取得手段は、前記個人特有情報として、前記検査対象者が属するグループを示す情報及び前記検査対象者の過去の期間の検査履歴の少なくとも1つを取得する1から7のいずれかに記載の検査システム。
9. 前記取得手段は、前記環境情報として、日時、曜日、天気、気温、施設の混雑状況、施設で行われるイベントの内容、検査の混雑状況、検査に関わる担当者の数、検査のスループット以外の検査待ち渋滞を引き起こす原因の存在の有無の中の少なくとも1つを示す情報を取得する1から8のいずれかに記載の検査システム。
10. コンピュータが、
検査対象者各々に特有の個人特有情報、及び、検査タイミング毎に変化する環境の状態値を示す環境情報の少なくとも一方を含む材料情報を取得し、
前記材料情報に基づき、前記検査対象者毎に及び/又は検査タイミング毎に、検査の内容を決定する検査方法。
【符号の説明】
【0177】
1 サーバ
2 検出装置
3 個人特有情報取得装置
10 検査システム
11 取得部
12 決定部
13 検出部
14 電磁波送受信部
15 記憶部
16 検査部
1A プロセッサ
2A メモリ
3A 入出力I/F(インターフェイス)
4A 周辺回路
5A バス