(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-20
(45)【発行日】2025-01-28
(54)【発明の名称】商品管理システム、商品管理方法、コンピュータプログラム及び記録媒体
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/06 20230101AFI20250121BHJP
B65G 1/137 20060101ALI20250121BHJP
【FI】
G06Q30/06
B65G1/137 B
(21)【出願番号】P 2021537277
(86)(22)【出願日】2020-07-30
(86)【国際出願番号】 JP2020029322
(87)【国際公開番号】W WO2021024919
(87)【国際公開日】2021-02-11
【審査請求日】2023-06-12
(31)【優先権主張番号】P 2019143765
(32)【優先日】2019-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104765
【氏名又は名称】江上 達夫
(74)【代理人】
【識別番号】100107331
【氏名又は名称】中村 聡延
(74)【代理人】
【識別番号】100131015
【氏名又は名称】三輪 浩誉
(72)【発明者】
【氏名】高畠 真彩
(72)【発明者】
【氏名】三浦 和樹
【審査官】阿部 潤
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-297797(JP,A)
【文献】特開2006-195685(JP,A)
【文献】特開2009-151661(JP,A)
【文献】特開2004-359363(JP,A)
【文献】特開2012-158455(JP,A)
【文献】特開2002-74090(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
B65G 1/137
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗の商品に取り付けられたRFIDタグから前記商品に関する情報である商品情報を読み取ることにより取得する取得手段と、
前記商品情報に基づいて、前記店舗のスタッフに対して提供する店舗側データ、及び前記店舗を利用する顧客に対して提供する顧客側データを生成する生成手段と、
前記店舗側データ及び前記顧客側データの少なくとも一方を出力する出力手段と
を備え、
前記出力手段は、前記店舗側データと、前記顧客側データとを相互に切り替えて出力することが可能とされており、
前記商品情報は、前記店舗における前記商品の残数に関する情報を含んでおり、
前記生成手段は、前記店舗側デー
タを、前記残数に応じて表示態様が異なる画像データとして生成
し、前記画像データは、欠品が生じている商品の棚を欠品が生じていない他の棚よりも濃く表示するデータ、及び、前記残数の少ない商品を上位表示するリストを表示するデータの少なくとも一方を含む
ことを特徴とする商品管理システム。
【請求項2】
前記出力手段は、前記店舗のスタッフ及び前記顧客の両方が利用する共通端末において、前記店舗側データと、前記顧客側データとを相互に切り替えて出力することが可能とされていることを特徴とする請求項
1に記載の商品管理システム。
【請求項3】
前記生成手段は、前記店舗側データを、前記店舗のスタッフによって補充されるべき商品を示す情報を含むものとして生成することを特徴とする請求項1又は2に記載の商品管理システム。
【請求項4】
前記生成手段は、前記店舗側データを、前記店舗のスタッフによって補充されるべき商品の優先順位を示す情報を含むものとして生成することを特徴とする請求項3に記載の商品管理システム。
【請求項5】
前記生成手段は、前記顧客側データを、前記商品のうち予め設定された条件に合致する所定商品に関する情報を含まないものとして生成することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の商品管理システム。
【請求項6】
前記所定商品は、陳列前の前記商品であることを特徴とする請求項5に記載の商品管理システム。
【請求項7】
前記取得手段は、自走式ロボットであり、前記商品情報を自動的に取得することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の商品管理システム。
【請求項8】
少なくとも1つのコンピュータによって実行される商品管理方法であって、
店舗の商品に取り付けられたRFIDタグから前記商品に関する情報である商品情報を読み取ることにより取得
することと、
前記商品情報に基づいて、前記店舗のスタッフに対して提供する店舗側データ、及び前記店舗を利用する顧客に対して提供する顧客側データを生成することと、
前記店舗側データ及び前記顧客側データの少なくとも一方を、前記店舗側データと、前記顧客側データとを相互に切り替えて出力することが可能な出力手段で出力することと
を含み、
前記商品情報は、前記店舗における前記商品の残数に関する情報を含んでおり、
前記生成することは、前記店舗側デー
タを、前記残数に応じて表示態様が異なる画像データとして生成
することを含み、
前記画像データは、欠品が生じている商品の棚を欠品が生じていない他の棚よりも濃く表示するデータ、及び、前記残数の少ない商品を上位表示するリストを表示するデータの少なくとも一方を含む
ことを特徴とする商品管理方法。
【請求項9】
店舗の商品に取り付けられたRFIDタグから前記商品に関する情報である商品情報を読み取ることにより取得
することと、
前記商品情報に基づいて、前記店舗のスタッフに対して提供する店舗側データ、及び前記店舗を利用する顧客に対して提供する顧客側データを生成することと、
前記店舗側データ及び前記顧客側データの少なくとも一方を、前記店舗側データと、前記顧客側データとを相互に切り替えて出力することが可能な出力手段で出力することと
を含む商品管理方法であり、
前記商品情報は、前記店舗における前記商品の残数に関する情報を含んでおり、
前記生成することは、前記店舗側デー
タを、前記残数に応じて表示態様が異なる画像データとして生成
することを含み、
前記画像データは、欠品が生じている商品の棚を欠品が生じていない他の棚よりも濃く表示するデータ、及び、前記残数の少ない商品を上位表示するリストを表示するデータの少なくとも一方を含む
商品管理方法をコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、店舗の商品を管理する商品管理システム、商品管理方法、コンピュータプログラム及び記録媒体の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のシステムとして、店舗内の各商品から読み取った情報に基づいて、商品の位置や在庫情報等を管理するものが知られている。例えば特許文献1から5では、商品に取り付けられたRFID(Radio Frequency IDentifier)タグから読み取った情報を用いて、店舗内の商品を管理する技術が開示されている。また、特許文献6及び7では、ロボットを利用してRFIDタグから情報を読み取る技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-158455号公報
【文献】特開2005-320074号公報
【文献】特開2004-359363号公報
【文献】特開2009-205481号公報
【文献】特開2005-034358号公報
【文献】特開2007-217069号公報
【文献】特開2009-023740号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した特許文献1から5に記載されているような技術では、商品から読み取った情報が店舗スタッフ及び顧客に対して出力(例えば、ディスプレイ等に表示)される。しかしながら、店舗スタッフと顧客とでは、システムに対して要求する情報が互いに異なる。例えば、店舗スタッフは、商品の補充等を行うために欠品商品に関する情報等を要求する一方で、顧客は、そのような情報をあまり要求しない。逆に、顧客は、商品に関する具体的な情報(例えば、素材や仕様等に関する情報)を要求する一方で、店舗スタッフは、そのような情報をあまり要求しない。この結果、商品に関する情報を単に出力しただけでは、店舗スタッフ及び顧客に対して適切な情報を提供することはできないという技術的問題点が生ずる。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、店舗スタッフ及び顧客に対して適切な情報を提供することが可能な商品管理システム、商品管理方法、コンピュータプログラム及び記録媒体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の商品管理システムの一の態様は、店舗の商品から前記商品に関する情報である商品情報を取得する取得手段と、前記商品情報に基づいて、前記店舗のスタッフに対して提供する店舗側データ、及び前記店舗を利用する顧客に対して提供する顧客側データを生成する生成手段と、前記店舗側データ及び前記顧客側データの少なくとも一方を出力する出力手段とを備える。
【0007】
本発明の商品管理方法の一の態様は、店舗の商品から前記商品に関する情報である商品情報を取得する取得工程と、前記商品情報に基づいて、前記店舗のスタッフに対して提供する店舗側データ、及び前記店舗を利用する顧客に対して提供する顧客側データを生成する生成工程と、前記店舗側データ及び前記顧客側データの少なくとも一方を出力する出力工程とを含む。
【0008】
本発明のコンピュータプログラムの一の態様は、店舗の商品から前記商品に関する情報である商品情報を取得する取得工程と、前記商品情報に基づいて、前記店舗のスタッフに対して提供する店舗側データ、及び前記店舗を利用する顧客に対して提供する顧客側データを生成する生成工程と、前記店舗側データ及び前記顧客側データの少なくとも一方を出力する出力工程とをコンピュータに実行させる。
【0009】
本発明のコンピュータプログラムの一の態様は、上述したコンピュータプログラムが記録されている。
【発明の効果】
【0010】
上述した商品管理システム、商品管理方法、コンピュータプログラム及び記録媒体のそれぞれの一の態様によれば、店舗スタッフ及び顧客に対して適切な情報を提供して、商品を好適に管理することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施形態に係る商品管理システムの全体構成を示すブロック図である。
【
図2】実施形態に係る商品管理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】実施形態に係る商品管理システムの動作の流れを示すフローチャートである。
【
図4】顧客側データとして、フロアマップにおける商品の位置を表示する場合の一例を示す図である。
【
図5】店舗側データとして、欠品が生じた商品の位置を表示する場合の一例を示す図である。
【
図6】店舗側データとして、商品に関する情報をリスト表示する場合の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら、商品管理システム、商品管理方法、コンピュータプログラム及び記録媒体の実施形態について説明する。
【0013】
(システム構成)
まず、
図1及び
図2を参照しながら、本実施形態に係る商品管理システムの構成について説明する。
図1は、実施形態に係る商品管理システムの全体構成を示すブロック図である。
図2は、実施形態に係る商品管理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0014】
図1において、本実施形態に係る商品管理システム1は、店舗における商品を管理するシステムであり、主な構成要素として、RFタグ読取装置10と、商品管理装置20と、データ表示装置30とを備えて構成されている。
【0015】
RFタグ読取装置10は、商品に取り付けられたRFIDタグ(以下、適宜「RFタグ」と称する)から、商品情報を読み取り(即ち、取得)可能に構成されている。なお、ここでの「商品情報」は、商品に関する各種情報であり、予めRFタグに記憶されている。商品情報の一例としては、商品名、商品の種別、商品のサイズ、商品の色、商品の素材、商品の仕様、及び商品の位置(例えば、商品の配置位置)等が挙げられる。RFタグ読取装置10は、例えば店舗側スタッフの操作によってRFタグを読み取るようなものであってもよいし、自走式のロボットのように自動的にRFタグを読み取る動作を実行するものであってもよい。RFタグ読取装置10で読み取られた商品情報は、商品管理装置20に出力される構成となっている。
【0016】
なお、商品情報は、必ずしもRFタグに記憶されたものでなくともよく、商品そのものや、商品に取り付けられたタグ等から読み取り可能なものであればよい。例えば、商品情報はバーコードやQRコード(登録商標)のコード情報として商品に付与されていてもよい。その場合、RFタグ読取装置10は、コード読取装置として構成されればよい。
【0017】
商品管理装置20は、RFタグ読取装置10で取得された商品情報に基づいて、店舗の顧客に対して提供する顧客側データ、及び店舗スタッフに対して提供する店舗側データを生成可能に構成されている。商品管理装置20は、論理的な処理ブロック又は物理的なハードウェアとして、顧客側データ生成部210及び店舗側データ生成部220を備えている。
【0018】
顧客側データ生成部210は、商品情報に基づいて顧客側データを生成する。顧客側データは、店舗で商品を購入する顧客用に生成されるデータであり、例えば商品情報に含まれる各種情報に対して、それらの情報を顧客に対して分かりやすく提供するための処理(例えば、情報のイメージ化、並び替え、取捨選択等)を実行することで生成される。顧客側データの具体例については、後に詳述する。顧客側データ生成部210で生成された顧客側データは、データ表示装置30に出力される構成となっている。
【0019】
店舗側データ生成部220は、商品情報に基づいて店舗側データを生成する。店舗側データは、店舗スタッフ(売場スタッフだけでなく、管理部門等のスタッフ等も含む)用に生成されるデータであり、例えば商品情報に含まれる各種情報に対して、それらの情報を店舗スタッフに対して分かりやすく提供するための処理(例えば、情報のイメージ化、並び替え、取捨選択等)を実行することで生成される。店舗側データの具体例については、後に詳述する。店舗側データ生成部220で生成された店舗側データは、データ表示装置30に出力される構成となっている。
【0020】
図2に示すように、本実施形態に係る商品管理装置20は、CPU(Central Processing Unit)11と、RAM(Random Access Memory)12と、ROM(Read Only Memory)13と、記憶装置14とを備えている。商品管理装置20は更に、入力装置15と、出力装置16とを備えていてもよい。CPU11と、RAM12と、ROM13と、記憶装置14と、入力装置15と、出力装置16とは、データバス17を介して接続されている。
【0021】
CPU11は、コンピュータプログラムを読み込む。例えば、CPU11は、RAM12、ROM13及び記憶装置14のうちの少なくとも一つが記憶しているコンピュータプログラムを読み込んでもよい。例えば、CPU11は、コンピュータで読み取り可能な記録媒体が記憶しているコンピュータプログラムを、図示しない記録媒体読み取り装置を用いて読み込んでもよい。CPU11は、ネットワークインタフェースを介して、商品管理装置20の外部に配置される不図示の装置からコンピュータプログラムを取得してもよい(つまり、読み込んでもよい)。CPU11は、読み込んだコンピュータプログラムを実行することで、RAM12、記憶装置14、入力装置15及び出力装置16を制御する。本実施形態では特に、CPU11が読み込んだコンピュータプログラムを実行すると、CPU11内には、店舗における商品を管理するための機能ブロックが実現される。つまり、CPU11は、商品を管理するためのコントローラとして機能可能である。上述した、顧客側データ生成部210及び店舗側データ生成部220は、例えばこのCPU11において実現されるものである。
【0022】
RAM12は、CPU11が実行するコンピュータプログラムを一時的に記憶する。RAM12は、CPU11がコンピュータプログラムを実行している際にCPU11が一時的に使用するデータを一時的に記憶する。RAM12は、例えば、D-RAM(Dynamic RAM)であってもよい。
【0023】
ROM13は、CPU11が実行するコンピュータプログラムを記憶する。ROM13は、その他に固定的なデータを記憶していてもよい。ROM13は、例えば、P-ROM(Programmable ROM)であってもよい。
【0024】
記憶装置14は、商品管理システム1が長期的に保存するデータを記憶する。記憶装置14は、CPU11の一時記憶装置として動作してもよい。記憶装置14は、例えば、ハードディスク装置、光磁気ディスク装置、SSD(Solid State Drive)及びディスクアレイ装置のうちの少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0025】
入力装置15は、商品管理システム1のユーザからの入力指示を受け取る装置である。入力装置15は、例えば、キーボード、マウス及びタッチパネルのうちの少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0026】
出力装置16は、商品管理システム1に関する情報を外部に対して出力する装置である。例えば、出力装置16は、商品管理システム1に関する情報を表示可能な表示装置であってもよい。
【0027】
図1に戻り、データ表示装置30は、例えばディスプレイ等の表示部を有する装置として構成されており、商品管理装置20(具体的には、顧客側データ生成部210及び店舗側データ生成部220)によって生成された顧客側データ及び店舗側データの少なくとも一方を表示する。データ表示装置30は、例えば店舗に設置されたデジタルサイネージや、顧客が保有する端末(例えば、スマートフォン等)として構成されており、店舗内の顧客に対して顧客側データを表示する。或いは、データ表示装置30は、レジカウンタに設置されたモニタや、店舗スタッフが保有する端末(例えば、タブレット等)として構成されており、店舗スタッフに対して店舗側データを表示する。また、データ表示装置30は、顧客及び店舗スタッフの両方が利用できる共通端末として構成されており、顧客側データと店舗側データとを互いに切り替えて表示可能に構成されてもよい。
【0028】
なお、データ表示装置30は、顧客や店舗スタッフの操作に応じて、顧客側データ又は店舗側データの表示態様(表示内容や、表示形式、表示する階層等)を変更可能に構成されてもよい。また、データ表示装置30は、顧客側データ及び店舗側データを表示することに加えて又は代えて、他の方法(例えば、音声等)で出力するようにしてもよい。言い換えれば、顧客側データ及び店舗側データの形式は、画像データやテキストデータに限定されるものではなく、その他の形式であってもよい。
【0029】
(動作説明)
次に、
図3を参照しながら、実施形態に係る商品管理システム1の動作の流れについて説明する。
図3は、実施形態に係る商品管理システムの動作の流れを示すフローチャートである。
【0030】
図3に示すように、本実施形態に係る商品管理システム1の動作時には、まずRFタグ読取装置10が、商品から商品情報を取得する(ステップS101)。商品情報の読取は、典型的には店舗が閉店している時間帯(例えば、夜間等)に実行される。具体的には、閉店後に店舗スタッフがRFタグ読取装置10を操作して、商品情報の読取り動作を行う。或いは、店舗スタッフも退店した無人の状態で、自走式ロボットとして構成されたRFタグ読取装置10が、自動的に商品情報の読取り動作を行ってもよい。また、商品情報の読取は、店舗の営業時間中に(言い換えれば、店舗内に顧客がいる状態で)実行されてもよい。
【0031】
商品情報が取得されると、顧客側データ生成部210が、取得された商品情報に基づいて顧客側データを生成する(ステップS102)。また、店舗側データ生成部220が、取得された商品情報に基づいて店舗側データを生成する(ステップS103)。なお、ステップS102とS103の処理は、相前後して実行されてもよいし、同時に並行して実行されてもよい。
【0032】
顧客側データ及び店舗側データが生成されると、それらのうち少なくとも一方をデータ表示装置30が出力する(ステップS104)。例えば、データ表示装置30は、顧客側データ及び店舗側データを、画像として顧客や店舗スタッフに対して表示する。なお、データ表示装置30は、生成後すぐに顧客側データ及び店舗側データを出力するようにしてもよいし、顧客や店舗スタッフの操作に応じて適宜顧客側データ及び店舗側データを出力するようにしてもよい。また、データ表示装置30は、新たな顧客側データ及び店舗側データが生成される度に(言い換えれば、顧客側データ及び店舗側データが更新される度に)、自動的に出力する顧客側データ及び店舗側データを変更するようにしてもよい。
【0033】
(顧客側データの表示例)
次に、
図4を参照しながら、顧客側データの具体的な表示例について説明する。
図4は、顧客側データとして、フロアマップにおける商品の位置を表示する場合の一例を示す図である。なお、以下では、本実施形態にかかる商品管理システム1がアパレルショップ(即ち、衣料品小売店)に適用される場合を例にして説明する。
【0034】
図4に示すように、顧客側データは、店舗における商品の位置を示すデータとして生成されてもよい。この場合、データ表示装置30には、店内のフロアマップと、顧客が検索した商品の位置を示すマーク(図中の黒丸)とが表示される。このような顧客側データを表示すれば、顧客が購入したい商品を見つけやすくなる。なお、店舗内に顧客の検索条件と合致する商品が複数存在する場合には、複数のマークが表示されてもよい。この場合、商品ごとにマークの色や大きさ等を変更してもよい。
【0035】
なお、顧客が検索した商品が店舗内に存在する場合であっても、例えば商品が陳列前の状態(例えば、倉庫内や通路上など、陳列棚以外の場所に置かれている状態)である場合には、そのような商品に関する情報を表示しないようにしてもよい。言い換えれば、顧客が購入できない状況にある商品に関する情報については、顧客側データに含まれないようにしてもよい。このように、予め設定された条件に合致する所定商品に関する情報を顧客側データから意図的に除外すれば、より適切な情報を顧客に提供することが可能となる。
【0036】
その他、顧客側データには、顧客が検索した商品を含むコーディネート/スタイル、商品に関する説明(素材・仕様・取り扱い等)、商品に関するレビュー(口コミ)、店舗内の商品をインターネット上で販売するEC(Electronic Commerce)サイト等への連携画面等が含まれていてもよい。
【0037】
(店舗側データの表示例)
次に、
図5及び
図6を参照しながら、店舗側データの具体的な表示例について説明する。
図5は、店舗側データとして、欠品が生じた商品の位置を表示する場合の一例を示す図である。
図6は、店舗側データとして、商品に関する情報をリスト表示する場合の一例を示す図である。以下でも、
図4の例と同様に、本実施形態にかかる商品管理システム1がアパレルショップに適用される場合を例にして説明する。
【0038】
図5に示すように、店舗側データは、店舗内で欠品している(即ち、残数がゼロ又は極めて少ない)商品を示すデータとして生成されてもよい。この場合、データ表示装置30には、欠品が生じているか否かに応じて表示態様が異なる画像が表示される。図に示す例では、欠品が生じている商品の棚が、欠品が生じていない他の棚よりも濃く表示されている。また、欠品が生じている商品については、具体的な商品名(ここでは「スウェットパンツ」及び「スリムパンツ」)が表示されている。このような店舗側データを表示すれば、店舗スタッフは、欠品している商品の種類、及び欠品している商品の位置を直感的に知ることができる。よって、欠品している商品の補充作業等を効率的に行うことが可能となる。
【0039】
図6に示すように、店舗側データは、店舗内で取り扱っている商品をリスト形式で表示するデータとして生成されてもよい。なお、リスト上の各商品は、各種条件に応じて並び替え可能とされてもよい。或いは、補充作業を効率的に実行することを目的とする場合、残数(数量)の少ない商品が自動的に上位表示されるようにしてもよい。
【0040】
また、補充作業を行う場合の目安として「優先順位」が表示されてもよい。ここでの優先順位は、例えば商品の残数だけでなく、商品の売れ行き等を考慮して設定されてもよい。具体的には、売れ行きがよい(即ち、減るスピードが速い)商品については、比較的数量が多い場合であっても補充の優先順位が高く設定され(例えば、図中の「スウェットパンツ」参照)、売れ行きが悪い(即ち、減るスピードが遅い)商品については、比較的数量が少ない場合であっても補充の優先順位が低く設定されるようにしてもよい(例えば、図中の「スリムパンツ」参照)。
【0041】
(技術的効果)
次に、実施形態に係る商品管理システム1によって得られる技術的効果について説明する。
【0042】
図1から
図6で説明したように、本実施形態に係る商品管理システム1によれば、商品情報に基づいて「顧客側データ」及び「店舗側データ」が生成されるため、顧客及び店舗スタッフに対して、それぞれ適切な情報を出力することができる。このため、顧客側データ及び店舗側データを分けない(即ち、同じデータを顧客にも店舗スタッフにも出力する)場合と比べると、より好適に商品を管理することが可能となる。
【0043】
なお、本実施形態において説明した顧客側データ及び店舗側データは、あくまで一例であり、店舗で扱う商品の種類や店舗の形態等に応じて、適宜別々のデータ(即ち、顧客側データ及び店舗側データ)を生成するようにすればよい。なお、顧客側データ及び店舗側データは、少なくとも部分的に異なるものであればよく、互いに重複する部分があっても構わない。具体的には、顧客側データ及び店舗側データの各々の表示態様が同じであっても、そこに含まれる商品情報の種類や数が顧客向けと店舗スタッフ向けとで異なる状態とされていれば、上述した技術的効果は相応に得られる。或いは、顧客側データ及び店舗側データに含まれる商品情報の種類や数が同じであっても、その表示態様が顧客向けと店舗スタッフ向けとで一部異なるものとなっていれば、上述した技術的効果は相応に得られる。
【0044】
<付記>
以上説明した実施形態に関して、更に以下の付記を開示する。
【0045】
(付記1)
付記1に記載の商品管理システムは、店舗の商品から前記商品に関する情報である商品情報を取得する取得手段と、前記商品情報に基づいて、前記店舗のスタッフに対して提供する店舗側データ、及び前記店舗を利用する顧客に対して提供する顧客側データを生成する生成手段と、前記店舗側データ及び前記顧客側データの少なくとも一方を出力する出力手段とを備えることを特徴とする商品管理システムである。
【0046】
(付記2)
付記2に記載の商品管理システムは、前記出力手段は、前記店舗側データと、前記顧客側データとを相互に切り替えて出力することが可能とされていることを特徴とする付記2に記載の商品管理システムである。
【0047】
(付記3)
付記3に記載の商品管理システムは、前記商品情報は、前記店舗における前記商品の残数に関する情報を含んでおり、前記生成手段は、前記店舗側データ及び前記顧客側データの少なくとも一方を、前記残数に応じて表示態様が異なる画像データとして生成することを特徴とする付記1又は2に記載の商品管理システムである。
【0048】
(付記4)
付記4に記載の商品管理システムは、前記生成手段は、前記店舗側データを、前記店舗のスタッフによって補充されるべき商品を示す情報を含むものとして生成することを特徴とする付記1から3のいずれか一項に記載の商品管理システムである。
【0049】
(付記5)
付記5に記載の商品管理システムは、前記生成手段は、前記店舗側データを、前記店舗のスタッフによって補充されるべき商品の優先順位を示す情報を含むものとして生成することを特徴とする請求項4に記載の商品管理システムである。
【0050】
(付記6)
付記6に記載の商品管理システムは、前記生成手段は、前記顧客側データを、前記商品のうち予め設定された条件に合致する所定商品に関する情報を含まないものとして生成することを特徴とする付記1から5のいずれか一項に記載の商品管理システムである。
【0051】
(付記7)
付記7に記載の商品管理システムは、前記所定商品は、陳列前の前記商品であることを特徴とする付記6に記載の商品管理システムである。
【0052】
(付記8)
付記8に記載の商品管理システムは、前記取得手段は、自走式ロボットであり、前記商品情報を自動的に取得することを特徴とする付記1から7のいずれか一項に記載の商品管理システムである。
【0053】
(付記9)
付記9に記載の商品管理方法は、店舗の商品から前記商品に関する情報を取得する取得工程と、前記商品情報に基づいて、前記店舗のスタッフに対して提供する店舗側データ、及び前記店舗を利用する顧客に対して提供する顧客側データを生成する生成工程と、前記店舗側データ及び前記顧客側データの少なくとも一方を出力する出力工程とを含むことを特徴とする商品管理方法である。
【0054】
(付記10)
付記10に記載のコンピュータプログラムは、店舗の商品から前記商品に関する情報である商品情報を取得する取得工程と、前記商品情報に基づいて、前記店舗のスタッフに対して提供する店舗側データ、及び前記店舗を利用する顧客に対して提供する顧客側データを生成する生成工程と、前記店舗側データ及び前記顧客側データの少なくとも一方を出力する出力工程とをコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラムである。
【0055】
(付記11)
付記11に記載の記録媒体は、付記10に記載のコンピュータプログラムが記録されていることを特徴とする記録媒体である。
【0056】
本発明は、請求の範囲及び明細書全体から読み取ることのできる発明の要旨又は思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う商品管理システム、商品管理方法、コンピュータプログラム及び記録媒体もまた本発明の技術思想に含まれる。
【0057】
法令で許容される限りにおいて、この出願は、2019年8月5日に出願された日本出願特願2019-143765を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。また、法令で許容される限りにおいて、本願明細書に記載された全ての公開公報及び論文をここに取り込む。
【符号の説明】
【0058】
1 商品管理システム
10 RFタグ読取装置
20 商品管理装置
30 データ表示装置