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特許7622670金属部材の接合方法および金属部材接合構
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-20
(45)【発行日】2025-01-28
(54)【発明の名称】金属部材の接合方法および金属部材接合構
(51)【国際特許分類】
   B23K 26/21 20140101AFI20250121BHJP
【FI】
B23K26/21 W
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022031790
(22)【出願日】2022-03-02
(65)【公開番号】P2023127852
(43)【公開日】2023-09-14
【審査請求日】2024-02-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(72)【発明者】
【氏名】中村 太一
(72)【発明者】
【氏名】岩間 崇
(72)【発明者】
【氏名】山内 芳樹
【審査官】岩見 勤
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/162646(WO,A1)
【文献】特開2022-011883(JP,A)
【文献】特開2021-165560(JP,A)
【文献】特開平02-084287(JP,A)
【文献】特開2022-011659(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 26/21
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
貫通孔のある金属製の第1金属部材を準備する第1金属部材準備ステップと、
前記第1金属部材の前記貫通孔に挿入可能な軸部がある前記第1金属部材とは別個の第2金属部材を準備する第2金属部材準備ステップと、
前記第2金属部材の前記軸部を前記第1金属部材の前記貫通孔内に挿入する挿入ステップと、
前記第2金属部材の前記軸部を前記第1金属部材の前記貫通孔内に挿入した状態で、前記第2金属部材を押圧することなく、前記第1金属部材および前記第2金属部材のいずれかを溶融させるとともに、溶融させた前記第1金属部材および前記第2金属部材のいずれかを、前記貫通孔の内面と前記軸部との間の溝部またはテーパ部に流れ込ませて溶融凝固させることにより形成される係合部を用いて、前記第1金属部材および前記第2金属部材を接合する接合ステップとを備える、金属部材の接合方法。
【請求項2】
前記接合ステップは、高密度エネルギービームまたは高温度熱源により、前記第2金属部材を押圧することなく、前記第1金属部材および前記第2金属部材のいずれかを溶融させて接合させるステップを含む、請求項1に記載の金属部材の接合方法。
【請求項3】
前記第2金属部材準備ステップは、棒状の前記第2金属部材の先端部分を他の部分よりも細くした前記軸部がある前記第2金属部材を準備するステップを含む、請求項1または2に記載の金属部材の接合方法。
【請求項4】
前記貫通孔または前記軸部の少なくとも一方において、前記貫通孔に対する前記軸部の回転を止める非円形状の回り止め部を形成するステップをさらに備える、請求項1~3のいずれか1項に記載の金属部材の接合方法。
【請求項5】
前記接合ステップは、高密度エネルギービームを照射することにより、前記第1金属部材および前記第2金属部材の両方を溶融して前記第1金属部材と前記第2金属部材とを部分的に溶接により接合するとともに、前記第1金属部材および前記第2金属部材のいずれかを溶融させて前記第1金属部材と前記第2金属部材とを接合するステップを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の金属部材の接合方法。
【請求項6】
前記接合ステップは、前記第2金属部材を押圧することなく、前記第1金属部材および前記第2金属部材のいずれかを前記高密度エネルギービームとしてのレーザにより溶融さ
せて接合させるステップを含む、請求項2に記載の金属部材の接合方法。
【請求項7】
前記第2金属部材は、ステータに設けられたスロットに挿通されたコイルであり、
前記軸部は、軸線方向において前記ステータの前記スロットの外側に突出した前記コイルのコイルエンドであり、
前記接合ステップは、前記第2金属部材としての前記ステータの前記コイルの前記軸部を前記第1金属部材としての前記ステータのバスバーの前記貫通孔内に挿入した状態で、前記ステータの前記コイルを押圧することなく、前記ステータの前記コイルおよび前記ステータの前記バスバーのいずれかを溶融させて接合させるステップを含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の金属部材の接合方法
【請求項8】
貫通孔が形成された金属製の第1金属部材と、
前記第1金属部材の前記貫通孔に挿入される軸部を含み、前記第1金属部材とは別個に設けられた第2金属部材とを備え、
前記軸部は、前記第1金属部材の前記貫通孔の内面と前記軸部との間のテーパ部に、先端部が溶融凝固されて形成された係合部を有し、
前記第2金属部材は、前記係合部を用いて前記第1金属部材に係合されており、
前記軸部の挿入方向から見て、前記第1金属部材と、前記第2金属部材とは、部分的に溶接された溶接部を介して接合されている、金属部材接合構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属部材の接合方法および金属部材接合構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、金属部材の接合方法が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、金属製の第1接合部材と、金属製の第2接合部材とを接合する金属部材の接合方法が開示されている。金属部材の接合方法は、第1接合部材に溶着ボスが形成されるステップを備えている。金属部材の接合方法は、溶着ボスを挿入可能な挿入孔が第2接合部材に形成されるステップを備えている。金属部材の接合方法は、溶着ボスが挿入孔に挿入された後、挿入孔から突出した溶着ボスの先端に加熱した熱カシメ用工具が押し付けられるステップを備えている。これにより、上記特許文献1の金属部材の接合方法では、熱カシメ用工具の加熱により軟化した溶着ボスが成形されることにより、第1接合部材と、金属製の第2接合部材とが接合される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-83329号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1の金属部材の接合方法では、挿入孔から突出した溶着ボスの先端に加熱した熱カシメ用工具が押し付けられるステップを行う際、第1接合部材および第2接合部材が剛性の低い材料である場合、熱カシメ用工具の押し付けに起因して溶着ボスが動かないようにするために、第1接合部材および第2接合部材をクランプする(挟み込んで位置固定する)必要がある。この場合、上記特許文献1の金属部材の接合方法では、第1接合部材および第2接合部材をクランプする専用のクランプ装置が必要になる。このため、上記特許文献1の金属部材の接合方法では、クランプ装置の分だけ、金属部材を接合するための装置が大型化および複雑化するので、金属部材を接合するための装置の大型化および複雑化を抑制することが望まれている。また、第1接合部材および第2接合部材の両方を全体的に溶融させて溶接のみで、第1接合部材と第2接合部材とを接合する場合、第1接合部材と第2接合部材とを溶接させることに起因して生成される化合物(金属間化合物)の面積が広くなってしまうので、化合物に起因して第1接合部材と第2接合部材との接合強度が低下してしまうという問題点もある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、金属部材を接合するための装置の大型化および複雑化を抑制することが可能な金属部材の接合方法および金属部材接合構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面における金属部材の接合方法は、貫通孔のある金属製の第1金属部材を準備する第1金属部材準備ステップと、第1金属部材の貫通孔に挿入可能な軸部がある第1金属部材とは別個の第2金属部材を準備する第2金属部材準備ステップと、第2金属部材の軸部を第1金属部材の貫通孔内に挿入する挿入ステップと、第2金属部材の軸部を第1金属部材の貫通孔内に挿入した状態で、第2金属部材を押圧することなく、第1金属部材および第2金属部材のいずれかを溶融させるとともに、溶融させた第1金属部材および第2金属部材のいずれかを、貫通孔の内面と軸部との間の溝部またはテーパ部に流れ込ませて溶融凝固させることにより形成される係合部を用いて、第1金属部材および第2金属部材を接合する接合ステップとを備える。
【0008】
この発明の第1の局面における金属部材の接合方法では、上記のように、第2金属部材の軸部を第1金属部材の貫通孔内に挿入した状態で、第2金属部材を押圧することなく、第1金属部材および第2金属部材のいずれかを溶融させるとともに、溶融させた第1金属部材および第2金属部材のいずれかを、貫通孔の内面と軸部との間の溝部またはテーパ部に流れ込ませて溶融凝固させることにより形成される係合部を用いて、第1金属部材および第2金属部材を接合する接合ステップを設ける。これにより、第2金属部材に外力がかかりにくいので、第1金属部材および第2金属部材が剛性の低い材料である場合でも、第2金属部材を挟み込んで位置固定をした状態で第1金属部材および第2金属部材のいずれかを溶融させる必要が無い。その結果、第2金属部材を挟み込んで位置固定する専用のクランプ装置を設けない分だけ、金属部材を接合するための装置の大型化および複雑化を抑制することができる。また、第1金属部材および第2金属部材の両方を全体的に溶融させないので、第1金属部材と第2金属部材とを溶接させることに起因して生成される化合物(金属間化合物)の面積の増大を抑制することができる。その結果、化合物に起因する第1金属部材と第2金属部材との接合強度の低下を抑制することができる。
【0009】
上記第1の位置の局面による金属部材の接合方法において、好ましくは、接合ステップは、高密度エネルギービームまたは高温度熱源により、第2金属部材を押圧することなく、第1金属部材および第2金属部材のいずれかを溶融させて接合させるステップを含む。
【0010】
このように構成すれば、高密度エネルギービームにより第2金属部材から離れた位置から第1金属部材および第2金属部材のいずれかを溶融させることができるので、第1金属部材および第2金属部材のいずれかを溶融させる際に第2金属部材に負荷がかからないようにすることができる。また、熱源の温度が高い高温度熱源は、第1金属部材および第2金属部材のいずれかに若干接触しただけで、第1金属部材および第2金属部材のいずれかを溶融させることができるので、第1金属部材および第2金属部材のいずれかを溶融させる際に第2金属部材にかかる負荷を低減することができる。
【0011】
上記第1の局面による金属部材の接合方法において、好ましくは、第2金属部材準備ステップは、棒状の第2金属部材の先端部分を他の部分よりも細くした軸部がある第2金属部材を準備するステップを含む。
【0012】
このように構成すれば、切削加工やプレス加工などにより軸部を形成することができるので、軸部を形成するための加工方法を容易にすることができる。
【0013】
上記第1の局面による金属部材の接合方法において、好ましくは、貫通孔または軸部の少なくとも一方において、貫通孔に対する軸部の回転を止める非円形状の回り止め部を形成するステップをさらに備える。
【0014】
このように構成すれば、回り止め部により軸部の貫通孔内における回転を規制することができるので、第1金属部材と第2金属部材とを軸部の回転方向において位置決めすることができる。
【0015】
上記第1の局面による金属部材の接合方法において、好ましくは、接合ステップは、高密度エネルギービームを照射することにより、第1金属部材および第2金属部材の両方を溶融して第1金属部材と第2金属部材とを部分的に溶接により接合するとともに、第1金属部材および第2金属部材のいずれかを溶融させて第1金属部材と第2金属部材とを接合するステップを含む。
【0016】
このように構成すれば、第1金属部材と第2金属部材とを部分的に溶接した箇所により、軸部の貫通孔内における回転を規制することができるので、第1金属部材と第2金属部材とを軸部の回転方向に移動するのを防止するように接合することができる。
【0017】
上記高密度エネルギービームを用いる金属部材の接合方法において、好ましくは、接合ステップは、第2金属部材を押圧することなく、第1金属部材および第2金属部材のいずれかを高密度エネルギービームとしてのレーザにより溶融させて接合させるステップを含む。
【0018】
このように構成すれば、第1金属部材および第2金属部材のいずれかを簡易な方法により溶融させることができるので、金属部材を接合するための装置の複雑化を抑制することができる。
【0019】
上記第1の局面による金属部材の接合方法において、好ましくは、第2金属部材は、ステータに設けられたスロットに挿通されたコイルであり、軸部は、軸線方向においてステータのスロットの外側に突出したコイルのコイルエンドであり、接合ステップは、第2金属部材としてのステータのコイルの軸部を第1金属部材としてのステータのバスバーの貫通孔内に挿入した状態で、ステータのコイルを押圧することなく、ステータのコイルおよびステータのバスバーのいずれかを溶融させて接合させるステップを含む。
【0020】
このように構成すれば、ステータのコイルに外力がかかりにくいので、ステータのコイルを挟み込んで位置固定した状態でステータのバスバーおよびステータのコイルのいずれかを溶融させる必要が無い。その結果、ステータのコイルを挟み込んで位置固定する専用のクランプ装置を設けない分だけ、金属部材を接合するための装置の大型化を抑制することができる。
【0023】
この発明の第の局面における金属部材接合構造は、貫通孔が形成された金属製の第1金属部材と、第1金属部材の貫通孔に挿入される軸部を含み、第1金属部材とは別個に設けられた第2金属部材とを備え、軸部は、第1金属部材の貫通孔の内面と軸部との間のテーパ部に、先端部が溶融凝固されて形成された係合部を有し、第2金属部材は、係合部を用いて第1金属部材に係合されており、軸部の挿入方向から見て、第1金属部材と、第2金属部材とは、部分的に溶接された溶接部を介して接合されている。
【0024】
この発明の第の局面における金属部材接合構造は、上記のように、軸部の挿入方向から見て、第1金属部材と、第2金属部材とは、部分的に接合されている。これにより、軸部の貫通孔内における回転を規制することができるので、第1金属部材と第2金属部材とを軸部の回転方向に移動するのを防止するように接合することが可能な金属部材接合構造を得ることができる。
【0025】
なお、上記第1の局面における金属部材の接合方法において、以下のような構成も考えられる。
【0026】
(付記項1)
すなわち、上記一の局面による金属部材の接合方法において、第1金属部材の貫通孔の先端に挿入方向に向かうにしたがって挿入方向に直交する方向に広がるテーパ部を形成するステップをさらに備え、接合ステップは、第2金属部材を溶融して貫通孔におけるテーパ部に溶融した第2接合部材の一部を流し込むステップを含む。
【0027】
このように構成すれば、溶融した第2金属部材が貫通孔の奥に流れ込みやすくすることができるので、第2金属部材と貫通孔との間に溶融した第2金属部材を容易に満たすことができる。
【0028】
(付記項2)
上記第2金属部材準備ステップを備える金属部材の接合方法において、挿入ステップは、棒状の第2金属部材の他の部分の軸部側の端面と、第1金属部材とが当接するまで、第2金属部材の軸部を第1金属部材の貫通孔に挿入するステップを含む。
【0029】
このように構成すれば、棒状の第2金属部材の他の部分の軸部側の端面と、貫通孔に溶融して凝固した第2金属部材の軸部とにより第1金属部材を挟み込むことにより、第1金属部材と第2金属部材とを接合することができる。その結果、棒状の第2金属部材の他の部分の軸部側の端面と、貫通孔に溶融して凝固した第2金属部材の軸部とにより第1金属部材を挟み込むことにより第1金属部材と第2金属部材とが接合されるので、第1金属部材と第2金属部材とを強固に接合することができる。
【0030】
(付記項3)
上記第1の局面による金属部材の接合方法において、第1金属部材準備ステップは、第2金属部材の軸部を第1金属部材の貫通孔内に挿入する挿入方向に直交する方向に窪む溝部を貫通孔に形成するステップをさらに備え、接合ステップは、第2金属部材を溶融して貫通孔における溝部に溶融した第2金属部材の一部を流し込むステップを含む。
【0031】
このように構成すれば、溝部において凝固した第2金属部材の一部により、第1金属部材と第2金属部材とを挿入方向および挿入方向とは逆方向の両方において位置決めすることができるので、挿入方向および挿入方向とは逆方向の各々の位置決めする構造を第1金属部材および第2金属部材に分けて形成する場合と比較して、第2金属部材の加工を容易にすることができる。
【0032】
(付記項4)
上記他の部分よりも細い軸部を形成するステップを備える金属部材の接合方法において、挿入ステップは、第2金属部材の軸部を第1金属部材の貫通孔内に挿入して嵌合させるステップを含み、第2金属部材準備ステップは、軸部において貫通孔に嵌合させる部分よりも先端側の部分を細くすることにより細長部を形成するステップを含む。
【0033】
このように構成すれば、細長部は他の部分よりも細くより容易に溶融させることができるので、軸部を溶融させる工程の効率を向上させることができる。
【0034】
(付記項5)
上記高密度エネルギービームを用いる金属部材の接合方法において、第2金属部材準備ステップは、第2金属部材の軸部を第1金属部材の貫通孔内に挿入する挿入方向側の端面を挿入方向とは逆方向に窪ませて形成された凹部を含み、接合ステップは、高密度エネルギービームとしてのレーザを凹部に照射することにより第2金属部材を接合させるステップを含む。
【0035】
このように構成すれば、第2金属部材の凹部内部においてレーザを乱反射させることができるので、レーザが有するエネルギーを第2金属部材に確実に吸収させることができる。その結果、第2金属部材に対する吸収率が低いレーザを用いた場合でも、第2金属部材を溶融させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】第1~第7実施形態の金属部材の接合方法が適用されるモータを示した斜視図である。
図2図1の101-101線に沿った断面の斜視図である。
図3図1の101-101線に沿った断面の模式図である。
図4】第1実施形態の金属部材の接合方法を示したフローチャートである。
図5】第1実施形態の金属部材の接合方法においてセグメントコイルの軸部およびバスバーリングの貫通孔が形成される工程を断面図である。
図6】第1実施形態の金属部材の接合方法においてセグメントコイルの軸部がバスバーリングの貫通孔に挿入される工程を断面図である。
図7】第1実施形態の金属部材の接合方法においてセグメントコイルの軸部がバスバーリングの貫通孔に挿入された状態を示した平面図である。
図8】第1実施形態の金属部材の接合方法においてセグメントコイルの軸部にレーザを照射する工程を示した断面図である。
図9】第1実施形態の金属部材の接合方法において溶融したセグメントコイルの軸部が凝固した状態を示した平面図である。
図10】第2実施形態の金属部材の接合方法により接合されたセグメントコイルとバスバーリングとを示した断面図である。
図11】第2実施形態の金属部材の接合方法を示したフローチャートである。
図12】第2実施形態の金属部材の接合方法においてセグメントコイルの軸部およびバスバーリングの貫通孔が形成される工程を断面図である。
図13】第2実施形態の金属部材の接合方法においてセグメントコイルの軸部がバスバーリングの貫通孔に挿入される工程を断面図である。
図14】第2実施形態の金属部材の接合方法においてバスバーリングにレーザを照射する工程を示した断面図である。
図15】第3実施形態の金属部材の接合方法により接合されたセグメントコイルとバスバーリングとを示した平面図である。
図16図16(A)~図16(G)は、第3実施形態の金属部材の接合方法により接合されたセグメントコイルとバスバーリングとの変形例を示した平面図である。
図17】第3実施形態の金属部材の接合方法を示したフローチャートである。
図18】第4実施形態の金属部材の接合方法により接合されたセグメントコイルとバスバーリングとを示した断面図である。
図19図19(A)および図19(B)は、第4実施形態の金属部材の接合方法により接合されたセグメントコイルとバスバーリングとの変形例を示した断面図である。
図20】第4実施形態の金属部材の接合方法を示したフローチャートである。
図21】第5実施形態の金属部材の接合方法により接合されたセグメントコイルとバスバーリングとを示した平面図である。
図22】第5実施形態の金属部材の接合方法により接合されたセグメントコイルとバスバーリングとを示した断面図である。
図23】第5実施形態の金属部材の接合方法を示したフローチャートである。
図24】第5実施形態の金属部材の接合方法においてセグメントコイルの軸部にレーザを照射する工程を示した断面図である。
図25】第5実施形態の金属部材の接合方法において溶融したセグメントコイルの軸部が凝固した状態を示した平面図である。
図26】第6実施形態の金属部材の接合方法を示したフローチャートである。
図27】第6実施形態の金属部材の接合方法においてセグメントコイルの軸部およびバスバーリングの貫通孔が形成される工程を断面図である。
図28】第6実施形態の金属部材の接合方法においてセグメントコイルの軸部の細長部にレーザを照射する工程を示した断面図である。
図29】第7実施形態の金属部材の接合方法を示したフローチャートである。
図30】第7実施形態の金属部材の接合方法においてセグメントコイルの軸部およびバスバーリングの貫通孔が形成される工程を断面図である。
図31】第7実施形態の金属部材の接合方法においてセグメントコイルの軸部の凹部にレーザを照射する工程を示した断面図である。
図32】第1~第7実施形態の金属部材の接合方法により接合されたセグメントコイルとバスバーリングとを示した断面図の変形例である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0038】
[第1実施形態]
図1図9を参照して、金属部材の接合方法の構成について説明する。
【0039】
図1に示すように、モータ100に設けられるステータ1の構成について説明する。具体的には、モータ100は、ステータ1と、ロータ(図示せず)とを備えている。
【0040】
図1図3に示すように、ステータ1は、バスバーリング1(特許請求の範囲の「第1金属部材」および「バスバー」の一例)と、セグメントコイル1(特許請求の範囲の「第2金属部材」、「第2部材」および「コイル」の一例)と、スロット13とを含んでいる。バスバーリング11は、アルミニウムにより形成されている。
【0041】
図2および図3に示すように、バスバーリング11には、セグメントコイル12の先端部と、バスバーリング11とを接続するための貫通孔11aが形成されている。貫通孔11aは、バスバーリング11を厚み方向に貫通している。貫通孔11aは、テーパ部111を有している。テーパ部111は、セグメントコイル12の後述する軸部12aをバスバーリング11の貫通孔11a内に挿入するA方向(特許請求の範囲の「挿入方向」の一例)において、バスバーリング11の貫通孔11aの先端にA方向に向かうにしたがってA方向に直交する方向に広がっている。
【0042】
セグメントコイル12は、バスバーリング11とは異なる種類の金属により形成されている。セグメントコイル12は、銅により形成されている。セグメントコイル12は、バスバーリング11とは別個に設けられている。セグメントコイル12は、棒状に形成されている。セグメントコイル12は、ステータ1に設けられたスロット13に挿通されたコイルである。セグメントコイル12は、軸部12aを有している。軸部12aは、棒状のセグメントコイル12の先端部分を他の部分12bよりも細くすることにより形成されている。軸部12aは、C方向(特許請求の範囲の「軸線方向」の一例)においてステータ1のスロット13の外側に突出したコイルのコイルエンドである。C方向は、モータ100の回転中心軸線Rcに沿った方向に平行な方向である。
【0043】
軸部12aは、係合部121と、バックアップ部122と、嵌合部123とを有している。
【0044】
係合部121は、軸部12aの先端部を溶融させることにより形成されている。係合部121は、A方向において、セグメントコイル12の先端にA方向に向かうにしたがってA方向に直交する方向に広がるテーパ形状を有している。また、係合部121は、A方向において、貫通孔11aの先端よりもA方向側に突出する部分を有している。バックアップ部122は、セグメントコイル12の軸部12a以外の他の部分12bの軸部12a側の端面である。バックアップ部122は、バスバーリング11と当接する当接面である。嵌合部123は、セグメントコイル12のうちの係合部121と嵌合部123との間の部分である。嵌合部123は、貫通孔11aに嵌合する部分である。嵌合部123は、貫通孔11aに対して隙間嵌めにより嵌合されている。
【0045】
スロット13は、ステータ1の内周面1aに窪んで形成された溝である。スロット13は、C方向に沿って延びている。スロット13には、セグメントコイル12の一部分が配置されている。
【0046】
(金属部材の接合方法)
以下に、図4図9を参照して、第1実施形態の金属部材の接合方法について説明する。金属部材の接合方法は、バスバーリング11と、セグメントコイル12とを接合する際、セグメントコイル12に負荷がかからないようにすることが可能な接合方法である。
【0047】
ステップS1において、テーパ部111を設けた貫通孔11aのあるバスバーリング11を準備する(図5を参照)。すなわち、ステップS1は、金属製のバスバーリング11に貫通孔11aを形成するステップと、A方向において、バスバーリング11の貫通孔11aの先端にA方向に向かうにしたがってA方向に直交する方向に広がるテーパ部111を形成するステップとを有している。貫通孔11aは、切削加工により形成される。なお、ステップS1は、特許請求の範囲の「第1金属部材準備ステップ」の一例である。
【0048】
ステップS2において、バスバーリング11の貫通孔11aに挿入可能な軸部12aがあるバスバーリング11とは別個のセグメントコイル12を準備する(図5を参照)。すなわち、ステップS2では、セグメントコイル12の先端部分を他の部分12bよりも細くした軸部12aがあるセグメントコイル12が準備される。また、ステップS2では、バスバーリング11とは別個のセグメントコイル12に、バスバーリング11の貫通孔11aに挿入可能な軸部12aが形成される。ステップS2では、棒状のセグメントコイル12の先端部分を他の部分12bよりも細くすることにより軸部12aが形成される。軸部12aは、切削加工により形成される。なお、ステップS2は、特許請求の範囲の「第2金属部材準備ステップ」の一例である。
【0049】
ステップS3において、バスバーリング11の貫通孔11aにセグメントコイル12の軸部12aが嵌合される(図6および図7を参照)。ステップS3は、セグメントコイル12の軸部12aをバスバーリング11の貫通孔11a内に挿入して嵌合させるステップを有している。ステップS3は、棒状のセグメントコイル12の他の部分12bの軸部12a側の端面(バックアップ部122)と、バスバーリング11とが当接するまで、セグメントコイル12の軸部12aをバスバーリング11の貫通孔11aに挿入するステップを有している。なお、ステップS3は、特許請求の範囲の「挿入ステップ」の一例である。
【0050】
ステップS4において、セグメントコイル12の軸部12aにレーザL(特許請求の範囲の「高密度エネルギービーム」の一例)が照射される(図8および図9を参照)。ここで、レーザLは、グリーンレーザである。これにより、軸部12aが溶融するとともに、貫通孔11aのテーパ部111が設けられた空間に溶融した軸部12aが流れ込む。そして、テーパ部111が設けられた空間に溶融した軸部12aが、外気により冷却されて凝固する(図9を参照)。なお、ステップS4は、特許請求の範囲の「接合ステップ」の一例である。
【0051】
すなわち、ステップS4は、セグメントコイル12の軸部12aをバスバーリング11の貫通孔11a内に挿入した状態で、セグメントコイル12を押圧することなく、セグメントコイル12を溶融させてバスバーリング11およびセグメントコイル12を接合するステップである。具体的には、ステップS4は、レーザLなどを有する溶融部と、セグメントコイル12とを当接させないことにより、セグメントコイル12を押圧することなく、セグメントコイル12を高密度エネルギービームとしてのレーザLにより溶融させて接合させるステップである。このように、ステップS4では、セグメントコイル12およびバスバーリング11のうちのセグメントコイル12が溶融されている。
【0052】
ステップS4の後、金属部材の接合方法は終了する。
【0053】
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0054】
第1実施形態では、上記のように、金属部材の接合方法は、セグメントコイル12の軸部12aをバスバーリング11の貫通孔11a内に挿入した状態で、セグメントコイル12を押圧することなく、セグメントコイル12を溶融させてバスバーリング11およびセグメントコイル12を接合するステップS4を備えている。これにより、セグメントコイル12に外力がかかりにくいので、セグメントコイル12およびバスバーリング11が剛性の低い材料である場合でも、セグメントコイル12を挟み込んで位置固定した状態でセグメントコイル12を溶融させる必要が無い。この結果、セグメントコイル12を挟み込んで位置固定する専用のクランプ装置を設けない分だけ、金属部材を接合するための装置の大型化および複雑化を抑制することができる。また、セグメントコイル12およびバスバーリング11の両方を全体的に溶融させないので、セグメントコイル12とバスバーリング11とを溶接させることに起因して生成される化合物(金属間化合物)の面積の増大を抑制することができる。この結果、化合物に起因するセグメントコイル12とバスバーリング11との接合強度の低下を抑制することができる。
【0055】
また、第1実施形態では、上記のように、金属部材の接合方法は、レーザL(高密度エネルギービーム)により、セグメントコイル12を押圧することなく、セグメントコイル12を溶融させて接合させるステップS4を含んでいる。これにより、レーザLによりセグメントコイル12から離れた位置からセグメントコイル12を溶融させることができるので、セグメントコイル12を溶融させる際にセグメントコイル12に負荷がかからないようにすることができる。
【0056】
また、第1実施形態では、上記のように、金属部材の接合方法は、棒状のセグメントコイル12の先端部分を他の部分よりも細くした軸部12aがあるセグメントコイル12を準備するステップS2を含んでいる。これにより、切削加工やプレス加工などにより軸部12aを形成することができるので、軸部12aを形成するための加工方法を容易にすることができる。
【0057】
また、第1実施形態では、上記のように、金属部材の接合方法は、セグメントコイル12を押圧することなく、セグメントコイル12を高密度エネルギービームとしてのレーザLにより溶融させて接合させるステップS4を含んでいる。これにより、セグメントコイル12を簡易な方法により溶融させることができるので、金属部材を接合するための装置の複雑化を抑制することができる。
【0058】
また、第1実施形態では、上記のように、セグメントコイル12は、ステータ1に設けられたスロット13に挿通されたコイルである。軸部12aは、C方向においてステータ1のスロット13の外側に突出したコイルのコイルエンドである。金属部材の接合方法は、ステータ1のセグメントコイル12の軸部12aをステータ1のバスバーリング11の貫通孔11a内に挿入した状態で、ステータ1のセグメントコイル12を押圧することなく、ステータ1のセグメントコイル12を溶融させて接合させるステップS4を含んでいる。これにより、ステータ1のセグメントコイル12に外力がかかりにくいので、ステータ1のセグメントコイル12を挟み込んで位置固定した状態でステータ1のセグメントコイル12を溶融させる必要が無い。この結果、ステータ1のセグメントコイル12を挟み込んで位置固定する専用のクランプ装置を設けない分だけ、金属部材を接合するための装置の大型化を抑制することができる。
【0059】
[第2実施形態]
次に、図10図14を参照して、第2実施形態の金属部材の接合方法について説明する。詳細には、第1実施形態の金属部材の接合方法とは異なり、第2実施形態の金属部材の接合方法では、セグメントコイル212の軸部212aにテーパ部2120が形成されている。なお、第2実施形態において、上記第1実施形態と同様の構成に関しては、同じ符号を付して説明を省略する。
【0060】
図10に示すように、モータ200は、ステータ201と、ロータ(図示せず)とを備えている。
【0061】
ステータ201は、バスバーリング211(特許請求の範囲の「第1金属部材」および「バスバー」の一例)と、セグメントコイル212(特許請求の範囲の「第2金属部材」、「第2部材」および「コイル」の一例)とを含んでいる。
【0062】
バスバーリング211には、セグメントコイル212の先端部と、バスバーリング211とを接続するための貫通孔211aが形成されている。貫通孔211aは、テーパ部2111を有している。
【0063】
セグメントコイル212は、軸部212aを有している。軸部212aは、係合部2121と、バックアップ部122と、嵌合部123とを有している。
【0064】
係合部2121は、A方向において、セグメントコイル212の先端にA方向に向かうにしたがってA方向に直交する方向に広がるテーパ形状を有している。また、A方向において、係合部2121の位置は、貫通孔211aの先端の位置と略同じである。なお、第2実施形態のその他の構成は、第1実施形態の構成と同様であるので説明を省略する。
【0065】
(金属部材の接合方法)
以下に、図11図14を参照して、第2実施形態の金属部材の接合方法について説明する。金属部材の接合方法は、バスバーリング211と、セグメントコイル212とを接合する際、セグメントコイル212に負荷がかからないようにすることが可能な接合方法である。
【0066】
ステップS201において、貫通孔211aのあるバスバーリング211を準備する(図12を参照)。すなわち、ステップS201は、金属製のバスバーリング211に貫通孔211aを形成するステップを有している。貫通孔211aは、切削加工により形成される。ステップS202において、バスバーリング211の貫通孔211aに挿入可能なテーパ形状の軸部212aがあるセグメントコイル212を準備する(図12を参照)。ステップS202において、セグメントコイル212にテーパ形状の係合部2121を有する軸部212aが形成される。軸部212aは、切削加工により形成される。なお、ステップS201は、特許請求の範囲の「第1金属部材準備ステップ」の一例である。また、ステップS202は、特許請求の範囲の「第2金属部材準備ステップ」の一例である。
【0067】
ステップS3において、バスバーリング211の貫通孔211aにセグメントコイル212の軸部212aが嵌合される(図13を参照)。ステップS204において、バスバーリング211の貫通孔211aの近傍にレーザL(特許請求の範囲の「高密度エネルギービーム」の一例)が照射される(図14を参照)。ここで、レーザLは、グリーンレーザである。これにより、バスバーリング211の貫通孔211aの近傍の部分が溶融するとともに、貫通孔211aと軸部212aとの間に設けられた空間に溶融したバスバーリング211が流れ込む。そして、貫通孔211aと軸部212aとの間に設けられた空間に溶融したバスバーリング211が、外気により冷却されて凝固する(図10を参照)。このように、ステップS204では、セグメントコイル212およびバスバーリング211のうちのバスバーリング211が溶融されている。ステップS204の後、金属部材の接合方法は終了する。なお、ステップS204は、特許請求の範囲の「接合ステップ」の一例である。
【0068】
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0069】
第2実施形態では、第1実施形態と同様に、金属部材の接合方法は、セグメントコイル212の軸部212aをバスバーリング211の貫通孔211a内に挿入した状態で、セグメントコイル212を押圧することなく、バスバーリング211を溶融させてバスバーリング211およびセグメントコイル212を接合するステップS204を備えている。これにより、金属部材を接合するための装置の大型化および複雑化を抑制することができる。なお、第2実施形態のその他の効果は、第1実施形態の効果と同様であるので説明を省略する。
【0070】
[第3実施形態]
次に、図15図17を参照して、第3実施形態の金属部材の接合方法について説明する。詳細には、第1実施形態の金属部材の接合方法とは異なり、第3実施形態の金属部材の接合方法では、バスバーリング311の貫通孔311aに回り止め部3111が形成されている。なお、第3実施形態において、上記第1実施形態と同様の構成に関しては、同じ符号を付して説明を省略する。
【0071】
図15に示すように、モータ300は、ステータ301と、ロータ(図示せず)とを備えている。
【0072】
ステータ301は、バスバーリング311(特許請求の範囲の「第1金属部材」および「バスバー」の一例)と、セグメントコイル1(特許請求の範囲の「第2金属部材」、「第2部材」および「コイル」の一例)とを含んでいる。
【0073】
図15に示すように、バスバーリング311には、セグメントコイル12の先端部と、バスバーリング311とを接続するための貫通孔311aが形成されている。貫通孔311aは、バスバーリング311を厚み方向に貫通している。貫通孔311aは、回り止め部3111を有している。回り止め部3111は、貫通孔311aにおいて、貫通孔311aに対する軸部12aの回転を止めるように構成されている。回り止め部3111は、平面視において、非円形状を有している。具体的には、回り止め部3111は、平面視において、略矩形形状を有している。
【0074】
また、回り止め部3111は、図16(A)~図16(G)に示すような変形例を有している。
【0075】
図16(A)~図16(C)に示す回り止め部3111は、貫通孔311aに設けられている。図16(A)に示す回り止め部3111は、平面視において、略楕円形状を有している。図16(B)に示す回り止め部3111は、平面視において、略溝形状を有している。なお、略溝形状の回り止め部3111は、貫通孔311aに複数設けられていてもよい。図16(C)に示す回り止め部3111は、平面視において、複数(2つ)の略三角形形状の溝、および、複数(2つ)の溝を有している。
【0076】
図16(D)~図16(G)に示す回り止め部3111は、貫通孔311aおよび軸部312aに設けられている。図16(D)に示す回り止め部3111は、平面視において、略矩形形状の貫通孔311a、および、略矩形形状の軸部312aを有している。図16(E)に示す回り止め部3111は、平面視において、略楕円形状の貫通孔311a、および、略矩形形状の軸部312aを有している。図16(F)に示す回り止め部3111は、平面視において、略溝形状の貫通孔311a、および、略矩形形状の軸部312aを有している。略溝形状を有している。図16(G)に示す回り止め部3111は、平面視において、複数(2つ)の三角形形状の溝、および、複数(2つ)の溝を有している。なお、第3実施形態のその他の構成は、第1実施形態の構成と同様であるので説明を省略する。
【0077】
(金属部材の接合方法)
以下に、図17を参照して、第3実施形態の金属部材の接合方法について説明する。金属部材の接合方法は、バスバーリング311と、セグメントコイル12(312)とを接合する際、セグメントコイル12に負荷がかからないようにすることが可能な接合方法である。
【0078】
ステップS301において、回り止め部3111を設けた貫通孔311aのあるバスバーリング311を準備する(図15を参照)。すなわち、ステップS301において、バスバーリング311に回り止め部3111を設けた貫通孔311aが形成される。なお、ステップS301は、特許請求の範囲の「第1金属部材準備ステップ」の一例である。ここで、ステップS2~ステップS4の内容は、第1実施形態のステップS2~ステップS4の内容と同じであるので、説明を省略する。
【0079】
(第3実施形態の効果)
第3実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0080】
第3実施形態では、第1実施形態と同様に、金属部材の接合方法は、セグメントコイル12(312)の軸部12a(312a)をバスバーリング311の貫通孔311a内に挿入した状態で、セグメントコイル12(312a)を押圧することなく、セグメントコイル12(312)を溶融させてバスバーリング311およびセグメントコイル12(312)を接合するステップS4を備えている。これにより、金属部材を接合するための装置の大型化および複雑化を抑制することができる。
【0081】
また、第3実施形態では、上記のように、金属部材の接合方法は、貫通孔311aまたは軸部12a(312a)の少なくとも一方において、貫通孔311aに対する軸部12a(312a)の回転を止める非円形状の回り止め部3111を形成するステップS1を備えている。これにより、回り止め部3111により軸部12a(312a)の貫通孔311a内における回転を規制することができるので、バスバーリング311とセグメントコイル12(312)とを軸部12a(312a)の回転方向において位置決めすることができる。なお、第3実施形態のその他の効果は、第1実施形態の効果と同様であるので説明を省略する。
【0082】
[第4実施形態]
次に、図18図20を参照して、第4実施形態の金属部材の接合方法について説明する。詳細には、第1実施形態の金属部材の接合方法とは異なり、第4実施形態の金属部材の接合方法では、セグメントコイル412にバックアップ部が形成されていない。なお、第4実施形態において、上記第1実施形態と同様の構成に関しては、同じ符号を付して説明を省略する。
【0083】
図18に示すように、モータ400は、ステータ401と、ロータ(図示せず)とを備えている。
【0084】
ステータ401は、バスバーリング411(特許請求の範囲の「第1金属部材」および「バスバー」の一例)と、セグメントコイル412(特許請求の範囲の「第2金属部材」、「第2部材」および「セグメントコイル」の一例)とを含んでいる。
【0085】
バスバーリング411は、貫通孔411aと、溝部411bとを有している。溝部411bは、貫通孔411aの内側面をA方向(特許請求の範囲の「挿入方向」の一例)に直交する方向に窪んで形成されている。
【0086】
セグメントコイル412は、バスバーリング411とは異なる種類の金属により設けられている。セグメントコイル412は、棒状に形成されている。セグメントコイル412は、突出部412aと、嵌合部123とを有している。突出部412aは、A方向に直交する方向の断面において、A方向に直交する方向に突出している。突出部412aは、セグメントコイル412の外周面の全周に設けられていてもよいし、セグメントコイル412の外周面の一部に設けられていてもよい。セグメントコイル412は、溝部411bと、突出部412aとが係合することにより、A方向に位置決めされている。
【0087】
また、突出部412aは、図19(A)および図19(B)に示すような変形例を有している。
【0088】
図19(A)に示す突出部412aは、セグメントコイル412の外周面に略螺旋状に形成されている。図19(B)に示す突出部412aは、セグメントコイル412の外周面に略先細り状に形成されていてもよい。なお、第4実施形態のその他の構成は、第1実施形態の構成と同様であるので説明を省略する。
【0089】
(金属部材の接合方法)
以下に、図20を参照して、第4実施形態の金属部材の接合方法について説明する。金属部材の接合方法は、バスバーリング411と、セグメントコイル412とを接合する際、セグメントコイル412に負荷がかからないようにすることが可能な接合方法である。
【0090】
ステップS401において、溝部411bを設けた貫通孔411aのあるバスバーリング411を準備する(図18を参照)。すなわち、ステップS401において、バスバーリング411に溝部411bを設けた貫通孔411aが形成される。ステップS401は、A方向に直交する方向に窪む溝部411bを貫通孔411aに形成するステップである。なお、ステップS401は、特許請求の範囲の「第1金属部材準備ステップ」の一例である。ここで、ステップS2およびステップS3の内容は、第1実施形態のステップS2およびステップS3の内容と同じであるので、説明を省略する。
【0091】
ステップS404において、セグメントコイル412の先端部分(軸部)にレーザL(特許請求の範囲の「高密度エネルギービーム」の一例)が照射される。ここで、ステップS404は、セグメントコイル412を溶融して貫通孔411aにおける溝部411bに溶融したセグメントコイル312の一部を流し込むステップである。なお、ステップS404は、特許請求の範囲の「接合ステップ」の一例である。
【0092】
(第4実施形態の効果)
第4実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0093】
第4実施形態では、第1実施形態と同様に、金属部材の接合方法は、セグメントコイル412の先端部分(軸部)をバスバーリング411の貫通孔411a内に挿入した状態で、セグメントコイル412を押圧することなく、セグメントコイル412を溶融させてバスバーリング411およびセグメントコイル412を接合するステップS4を備えている。これにより、金属部材を接合するための装置の大型化および複雑化を抑制することができる。なお、第4実施形態のその他の効果は、第1実施形態の効果と同様であるので説明を省略する。
【0094】
[第5実施形態]
次に、図21図25を参照して、第5実施形態の金属部材の接合方法について説明する。詳細には、第1実施形態の金属部材の接合方法とは異なり、第5実施形態の金属部材の接合方法では、セグメントコイル512の軸部512aの一部と、バスバーリング11の一部分とを接合するように、レーザLが照射される。なお、第5実施形態において、上記第1実施形態と同様の構成に関しては、同じ符号を付して説明を省略する。
【0095】
図21および図22に示すように、モータ500は、ステータ501と、ロータ(図示せず)とを備えている。
【0096】
ステータ501は、バスバーリング1(特許請求の範囲の「第1金属部材」および「バスバー」の一例)と、セグメントコイル512(特許請求の範囲の「第2金属部材」、「第2部材」および「セグメントコイル」の一例)と、溶接部513とを含んでいる。
【0097】
セグメントコイル512は、軸部512aを有している。軸部512aは、溶融凝固部5121と、バックアップ部122と、嵌合部123とを有している。溶融凝固部5121は、軸部512aの先端部が溶融凝固されることにより形成されている。
【0098】
溶融凝固部5121は、軸部512aの先端部を溶融凝固させることにより形成されている。セグメントコイル512は、溶融凝固部5121を介して、バスバーリング11に係合されている。溶融凝固部5121は、A方向において、セグメントコイル512の先端にA方向に向かうにしたがってA方向に直交する方向に広がるテーパ形状を有している。また、溶融凝固部5121は、A方向において、貫通孔11aの先端よりもA方向側に突出する部分を有している。バックアップ部122は、セグメントコイル512の軸部512a以外の他の部分12bの軸部512a側の端面である。バックアップ部122は、バスバーリング11と当接する当接面である。嵌合部123は、セグメントコイル512のうちの溶融凝固部5121と嵌合部123との間の部分である。嵌合部123は、貫通孔11aに嵌合する部分である。嵌合部123は、貫通孔11aに対して隙間嵌めにより嵌合されている。
【0099】
溶接部513は、レーザL(特許請求の範囲の「高密度エネルギービーム」の一例)により溶融したバスバーリング11の一部およびセグメントコイル512の一部が混合された状態で凝固する(溶接する)ことによって形成されている。すなわち、溶接部513は、バスバーリング11とセグメントコイル512とを全体的にではなく部分的に溶接することにより接合している。これにより、バスバーリング11と、セグメントコイル512とが部分的に溶接部513を介して接合されるので、セグメントコイル512の回転が規制される。このように、溶接部513は、セグメントコイル512の回転を規制する回り止め部である。なお、第5実施形態のその他の構成は、第1実施形態の構成と同様であるので説明を省略する。
【0100】
(金属部材の接合方法)
以下に、図23図25を参照して、金属部材の接合方法について説明する。金属部材の接合方法は、バスバーリング11と、セグメントコイル512とを接合する際、セグメントコイル512に負荷がかからないようにすることが可能な接合方法である。
【0101】
ステップS1~ステップS3の内容は、第1実施形態の金属部材の接合方法のステップS1~ステップS3と同じ内容であるので、説明は省略する。ステップS504において、平面視において、セグメントコイル512の軸部512aを横切るように断続的にレーザLが照射される。すなわち、ステップS504は、レーザLを照射することにより、バスバーリング11およびセグメントコイル512の両方を溶融してバスバーリング11とセグメントコイル512とを部分的に溶接して接合するとともに、セグメントコイル512およびバスバーリング11のいずれかを溶融させてセグメントコイル512とバスバーリング11とを溶接により接合するステップである。このように、ステップS504では、バスバーリング11とセグメントコイル512とが、全体的にではなく部分的に溶接することにより接合されている。なお、ステップS504は、特許請求の範囲の「接合ステップ」の一例である。ステップS504の後、金属部材の接合方法は終了する。
【0102】
(第5実施形態の効果)
第5実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0103】
第5実施形態では、第1実施形態と同様に、金属部材の接合方法は、セグメントコイル512の軸部512aをバスバーリング11の貫通孔11a内に挿入した状態で、セグメントコイル512を押圧することなく、セグメントコイル512を溶融させてバスバーリング11およびセグメントコイル512を接合するステップS504を備えている。これにより、金属部材を接合するための装置の大型化および複雑化を抑制することができる。
【0104】
また、第5実施形態では、上記のように、ステップS504は、レーザLを照射することにより、セグメントコイル512およびバスバーリング11の両方を溶融してセグメントコイル512とバスバーリング11とを部分的に溶接により接合するとともに、セグメントコイル512を溶融させてセグメントコイル512とバスバーリング11とを接合するステップである。これにより、セグメントコイル512とバスバーリング11とを部分的に溶接した箇所(溶接部513)により、軸部512aの貫通孔11a内における回転を規制することができるので、セグメントコイル512とバスバーリング11とを軸部12aの回転方向に移動するのを防止するように接合することができる。
【0105】
また、第5実施形態では、上記のように、金属部材接合構造は、貫通孔11aが形成された金属製のバスバーリング11と、バスバーリング11の貫通孔11aに挿入される軸部512aを含み、バスバーリング11とは別個に設けられたセグメントコイル512とを備えている。軸部512aは、先端部が溶融凝固された溶融凝固部5121を有している。セグメントコイル512は、溶融凝固部5121を介して、バスバーリング11に係合されている。A方向から見て、溶融凝固部5121と、バスバーリング11における貫通孔11aの縁部分とは、部分的に溶接された溶接部513を介して接合されている。これにより、軸部512aの貫通孔11a内における回転を規制することができるので、バスバーリング11とセグメントコイル512とを軸部512aの回転方向に移動するのを防止するように接合することが可能な金属部材接合構造を得ることができる。なお、第5実施形態のその他の効果は、第1実施形態の効果と同様であるので説明を省略する。
【0106】
[第6実施形態]
次に、図26図28を参照して、第6実施形態の金属部材の接合方法について説明する。詳細には、第1実施形態の金属部材の接合方法とは異なり、第6実施形態の金属部材の接合方法では、セグメントコイル612の軸部12aの細長部6121にレーザLが照射されている。なお、第6実施形態において、上記第1実施形態と同様の構成に関しては、同じ符号を付して説明を省略する。
【0107】
(金属部材の接合方法)
以下に、図26図28を参照して、第6実施形態の金属部材の接合方法について説明する。金属部材の接合方法は、バスバーリング1(特許請求の範囲の「第1金属部材」および「バスバー」の一例)と、セグメントコイル612(特許請求の範囲の「第2金属部材」、「第2部材」および「セグメントコイル」の一例)とを接合する際、セグメントコイル12に負荷がかからないようにすることが可能な接合方法である。
【0108】
ステップS1およびステップS3の内容は、第1実施形態の金属部材の接合方法のステップS1およびステップS3と同じ内容であるので、説明は省略する。ステップS602において、細長部6121を設けた軸部12aのあるセグメントコイル612が準備される(図27を参照)。すなわち、ステップS602において、セグメントコイル612に軸部12aおよび細長部6121が形成される。ステップS602は、軸部12aにおいて貫通孔11aに嵌合させる部分よりも先端側の部分を細くすることにより細長部6121を形成するステップである。なお、ステップS602は、特許請求の範囲の「第2金属部材準備ステップ」の一例である。
【0109】
ステップS604において、セグメントコイル612の軸部12aの細長部6121にレーザLが照射される(図28を参照)。すなわち、ステップS604は、レーザLを照射することにより、セグメントコイル12の細長部6121が溶融するとともに、貫通孔11aのテーパ部111が設けられた空間に溶融した細長部6121が流れ込む。そして、テーパ部111が設けられた空間に溶融した軸部12aが、外気により冷却されて凝固する。ステップS604の後、金属部材の接合方法は終了する。なお、ステップS604は、特許請求の範囲の「接合ステップ」の一例である。
【0110】
(第6実施形態の効果)
第6実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0111】
第6実施形態では、第1実施形態と同様に、金属部材の接合方法は、セグメントコイル612の軸部12aをバスバーリング11の貫通孔11a内に挿入した状態で、セグメントコイル612を押圧することなく、セグメントコイル612を溶融させてバスバーリング11およびセグメントコイル612を接合するステップS604を備えている。これにより、金属部材を接合するための装置の大型化および複雑化を抑制することができる。なお、第6実施形態のその他の効果は、第1実施形態の効果と同様であるので説明を省略する。
【0112】
[第7実施形態]
次に、図29図31を参照して、第7実施形態の金属部材の接合方法について説明する。詳細には、第1実施形態の金属部材の接合方法とは異なり、第7実施形態の金属部材の接合方法では、セグメントコイル712の軸部712aの凹部7121にレーザLが照射されている。なお、第7実施形態において、上記第1実施形態と同様の構成に関しては、同じ符号を付して説明を省略する。
【0113】
(金属部材の接合方法)
以下に、図29図31を参照して、第7実施形態の金属部材の接合方法について説明する。金属部材の接合方法は、バスバーリング11(特許請求の範囲の「第1金属部材」および「バスバー」の一例)と、セグメントコイル712(特許請求の範囲の「第2金属部材」、「第2部材」および「セグメントコイル」の一例)とを接合する際、セグメントコイル712に負荷がかからないようにすることが可能な接合方法である。
【0114】
ステップS1およびステップS3の内容は、第1実施形態の金属部材の接合方法のステップS1およびステップS3と同じ内容であるので、説明は省略する。ステップS702において、凹部7121を設けた軸部712aのあるセグメントコイル712を準備する(図30を参照)。すなわち、ステップS702において、セグメントコイル712に軸部712aおよび凹部7121が形成される(図30を参照)。すなわち、ステップS702は、セグメントコイル712の軸部712aをA方向(特許請求の範囲の「挿入方向」の一例)とは逆方向に窪ませて凹部7121を形成するステップである。なお、ステップS702は、特許請求の範囲の「第2金属部材準備ステップ」の一例である。
【0115】
ステップS704において、セグメントコイル612の軸部712aの凹部7121にレーザLが照射される(図31を参照)。すなわち、ステップS704は、高密度エネルギービームとしてのレーザLを凹部7121に照射することによりセグメントコイル712とバスバーリング11とを接合させるステップである。これにより、レーザLを照射することにより、セグメントコイル712の凹部7121の周りの部分が溶融するとともに、貫通孔11aのテーパ部111が設けられた空間に溶融した軸部712aが流れ込む。そして、テーパ部111が設けられた空間に溶融した軸部712aが、外気により冷却されて凝固する。ステップS704の後、金属部材の接合方法は終了する。なお、ステップS702は、特許請求の範囲の「接合ステップ」の一例である。
【0116】
(第7実施形態の効果)
第7実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0117】
第7実施形態では、第1実施形態と同様に、金属部材の接合方法は、セグメントコイル712の軸部712aをバスバーリング11の貫通孔11a内に挿入した状態で、セグメントコイル712を押圧することなく、セグメントコイル712を溶融させてバスバーリング11およびセグメントコイル712を接合するステップS704を備えている。これにより、金属部材を接合するための装置の大型化および複雑化を抑制することができる。なお、第7実施形態のその他の効果は、第1実施形態の効果と同様であるので説明を省略する。
【0118】
[変形例]
今回開示された上記実施形態は、全ての点で例示であり制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更(変形例)が含まれる。
【0119】
たとえば、上記第1~第7実施形態では、バスバーリング11(211、311、411:第1部材)は、アルミニウムにより形成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第1部材は、アルミニウム以外の金属または樹脂などにより形成されていてもよい。ここで、第1部材が樹脂製である場合、部材の接合方法は、貫通孔のある樹脂製の第1部材を準備する第1部材準備ステップを備えている。部材の接合方法は、第1部材の貫通孔に挿入可能な軸部がある第1部材とは別個の金属製の第2部材を準備する第2部材準備ステップを備えている。部材の接合方法は、第2部材の軸部を第1部材の貫通孔内に挿入する挿入ステップを備えている。部材の接合方法は、第2部材の軸部を第1部材の貫通孔内に挿入した状態で、第2部材を押圧することなく、第2部材を溶融させて第1部材および第2部材を接合する接合ステップを備えている。これにより、第2部材に外力がかかりにくいので、第2部材が剛性の低い材料である場合でも、第2部材を挟み込んで位置固定した状態で第2部材を溶融させる必要が無い。この結果、第2部材を挟み込んで位置固定する専用のクランプ装置を設けない分だけ、部材を接合するための装置の大型化および複雑化を抑制することが可能な部材の接合方法を得ることができる。
【0120】
また、上記第1~第7実施形態では、セグメントコイル12(212、412、512、612、712、812:第2金属部材)は、バスバーリング11(211、311、411:第1金属部材)とは異なる種類の金属として銅により形成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第2金属部材は、第1金属部材と同じ材質の金属(たとえば、銅)により形成されていてもよい。
【0121】
また、第1~第7実施形態では、バスバーリング11(211、311、411:第1金属部材)と、セグメントコイル12(212、412、512、612、712、812:第2金属部材)とが接合される例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第1金属部材としての平線コイルと、第2金属部材としての平線コイルとが、接合されてもよい。
【0122】
また、第1~第7実施形態では、セグメントコイル12(212、412、512、612、712、812:第2金属部材)の軸部12a(212a、412a、512a、712a)にレーザLが照射される例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第2金属部材の軸部にヒータなどの高温度熱源を接触させて第2金属部材の軸部を溶融させてもよい。これにより、熱源の温度が高い高温度熱源は、セグメントコイルに若干接触しただけで、セグメントコイルを溶融させることができるので、セグメントコイルを溶融させる際にセグメントコイルにかかる負荷を低減することができる。
【0123】
また、第1~第7実施形態では、レーザL(高密度エネルギービーム)が、グリーンレーザである例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、高密度エネルギービームは、電子ビームであってもよい。
【0124】
また、第1~第7実施形態では、セグメントコイル12(212、412、512、612、712、812:第2金属部材)の軸部12a(212a、412a、512a、712a)と、バスバーリング11(211、311、411:第1金属部材)の貫通孔11a(211a、311a、811a)とが、A方向(挿入方向)において同軸上に配置されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第2金属部材の軸部と、バスバーリングの貫通孔とは、挿入方向において同軸上に配置されていなくてもよい(偏心していてもよい)。
【0125】
また、上記第1~第7実施形態では、金属部材の接合方法は、棒状のセグメントコイル12(212、412、512、612、712、812:第2金属部材)の先端部分を他の部分よりも細くすることにより軸部を形成するステップS2(S202、S602、S702)を含んでいる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、金属部材の接合方法は、棒状の第2金属部材の先端部分を他の部分よりも細くすることにより軸部を形成するステップを含んでいなくてもよい。
【0126】
また、上記第1~第7実施形態において、バスバーリング11(211、311、411:第1金属部材)の貫通孔11a(211a、311a、811a)と、棒状のセグメントコイル12(212、412、512、612、712、812:第2金属部材)との接合の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第1金属部材および第2金属部材は、接合の例として図32(A)~図32(F)に示す変形例のような断面形状を有する接合構造であってもよい。図32(A)に示す貫通孔811aは、円弧形状部811を有している。図32(B)に示す貫通孔811aは、段差部811を有している。図32(C)に示す貫通孔811aは、特定の形状を有していない。図32(D)に示す貫通孔811aは、傾斜面を有する段差部811を有している。図32(E)に示す貫通孔811aは、凹部を有する段差部811を有している。円弧形状部811を有している。図32(F)に示す貫通孔811aは、キー溝811を有している。
【0127】
また、上記第1~第7実施形態において、金属部材の接合方法は、モータ100(200、300、400、500、600、700、800)に適用される例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、金属部材の接合方法は、モータ以外に適用されてもよい。
【符号の説明】
【0128】
1 ステータ
11、211、311、411 バスバーリング(第1金属部材、バスバー)
11a、211a、311a、411a、811a 貫通孔
12、212、312、412、512、612、712 セグメントコイル(第2金属部材、第2部材、コイル)
12a、212a、312a、512a、712a 軸部
12b 他の部分
13 スロット
121、2121 係合部
513 溶接部
3111 回り止め部
5121 溶融凝固部
L レーザ
図1
図2
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