(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-20
(45)【発行日】2025-01-28
(54)【発明の名称】仕分けシステム、仕分け方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
B65G 1/137 20060101AFI20250121BHJP
【FI】
B65G1/137 A
(21)【出願番号】P 2022162111
(22)【出願日】2022-10-07
【審査請求日】2024-03-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】高木 裕太郎
(72)【発明者】
【氏名】太田 順也
(72)【発明者】
【氏名】森光 孝敏
(72)【発明者】
【氏名】岩本 国大
(72)【発明者】
【氏名】小池 宇織
【審査官】森林 宏和
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-137543(JP,A)
【文献】特開2022-114641(JP,A)
【文献】特開2008-105774(JP,A)
【文献】特開2022-127096(JP,A)
【文献】特開平07-309410(JP,A)
【文献】中国実用新案第214454046(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/00 - 1/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
仕分けシステムであって、
複数の箱が複数段に収容される棚と、
各箱を前記棚から出し入れする移載手段と、
各箱から物品を出し入れする、前記棚に取り付けられた仕分けロボットと、
を備え、
前記移載手段が、上段に収容された箱を途中まで引き出し、前記仕分けロボットが、
前記上段に収容された箱が途中まで引き出された状態で、前記上段に収容された箱と下段に収容された箱の各々から前記物品を出し入れする、
仕分けシステム。
【請求項2】
前記棚は、複数段複数列で構成され、
前記複数列は、仕分け元の箱が収容される列および仕分け先の箱が収容される列を含み、
前記上段に収容された箱および前記下段に収容された箱の各々が仕分け先の箱である、または前記上段に収容された箱および前記下段に収容された箱の各々が仕分け元の箱である
請求項1に記載の仕分けシステム。
【請求項3】
前記上段に収容された箱および前記下段に収容された箱の少なくともいずれかは、仕分け作業の際に前記物品を仮置きする箱である、
請求項1に記載の仕分けシステム。
【請求項4】
前記上段に収容された箱が仕分け元の箱であり前記下段に収容された箱が仕分け先の箱である、または、前記上段に収容された箱が仕分け先の箱であり前記下段に収容された箱が仕分け元の箱である、
請求項1に記載の仕分けシステム。
【請求項5】
複数の箱が複数段に収容される棚と、
各箱を前記棚から出し入れする移載手段と、
各箱から物品を出し入れする、前記棚に取り付けられた仕分けロボットと、
を備えた仕分けシステムにおける仕分け方法であって、
前記移載手段が、上段に収容された箱を途中まで引き出し、前記仕分けロボットが、
前記上段に収容された箱が途中まで引き出された状態で、前記上段に収容された箱と下段に収容された箱の各々から前記物品を出し入れするステップ、
を含む仕分け方法。
【請求項6】
仕分け方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記仕分け方法は、
複数の箱が複数段に収容される棚と、
各箱を前記棚から出し入れする移載手段と、
各箱から物品を出し入れする、前記棚に取り付けられた仕分けロボットと、
を備えた仕分けシステムにおける仕分け方法であって、
前記移載手段が、上段に収容された箱を途中まで引き出し、前記仕分けロボットが、
前記上段に収容された箱が途中まで引き出された状態で、前記上段に収容された箱と下段に収容された箱の各々から前記物品を出し入れするステップを含む、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、仕分けシステム、仕分け方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、箱の中の物品の仕分けを行う技術を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
箱を収容可能な棚において、仕分けロボットを用いて仕分けを行う場合がある。このような場合、箱の入れ替えに時間がかかるため、仕分けに時間がかかるという問題がある。また、箱の中の物品が重なっている場合、物品を把持しにくく、仕分けに時間がかかるという問題がある。
【0005】
本開示は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、棚を用いた仕分けに要する時間を短縮できる仕分けシステム、仕分け方法、およびプログラムを実現する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様の仕分けシステムは、
複数の箱が複数段に収容される棚と、
各箱を前記棚から出し入れする移載手段と、
各箱から物品を出し入れする、前記棚に取り付けられた仕分けロボットと、
を備え、
前記移載手段が、前記上段に収容された箱を途中まで引き出し、前記仕分けロボットが、前記上段に収容された箱と下段に収容された箱の各々から前記物品を出し入れする。
【0007】
本開示の一態様の仕分け方法は、複数の箱が複数段に収容される棚と、
各箱を前記棚から出し入れする移載手段と、
各箱から物品を出し入れする、前記棚に取り付けられた仕分けロボットと、
を備えた仕分けシステムにおける仕分け方法であって、
前記移載手段が、前記上段に収容された箱を途中まで引き出し、前記仕分けロボットが、前記上段に収容された箱と下段に収容された箱の各々から前記物品を出し入れするステップ、
を含む。
【0008】
本開示の一態様のプログラムは、仕分け方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記仕分け方法は、
複数の箱が複数段に収容される棚と、
各箱を前記棚から出し入れする移載手段と、
各箱から物品を出し入れする、前記棚に取り付けられた仕分けロボットと、
を備えた仕分けシステムにおける仕分け方法であって、
前記移載手段が、前記上段に収容された箱を途中まで引き出し、前記仕分けロボットが、前記上段に収容された箱と下段に収容された箱の各々から前記物品を出し入れするステップを含む。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、棚を用いた仕分けに要する時間を短縮できる仕分けシステム、仕分け方法、およびプログラムを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施形態1にかかる仕分けシステムの構成を示すブロック図である。
【
図4】実施形態1にかかる搬送ロボットの模式側面図である。
【
図5】箱の引き出し方法を説明するための図である。
【
図6】仕分け方法の一例を説明するための図である。
【
図7】仕分け方法の一例を説明するための図である。
【
図8】仕分け方法の一例を説明するための図である。
【
図9】仕分け方法の一例を説明するための図である。
【
図10】実施形態2にかかる棚の模式正面図である。
【
図11】実施形態3にかかる棚の模式正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。但し、本開示が以下の実施の形態に限定される訳ではない。また、説明を明確にするため、以下の記載及び図面は、適宜、簡略化されている。
【0012】
実施形態1
以下、図面を参照して実施形態1にかかる仕分けシステムについて説明する。
図1は、実施形態1にかかる仕分けシステム1000の構成を示す概略図である。仕分けシステム1000は、棚100、搬送ロボット200、および管理サーバ300を備えている。棚100、搬送ロボット200、および管理サーバ300は、ネットワークNを介して相互に通信可能に接続されている。ネットワークNは有線であっても無線であってもよい。
【0013】
棚100は、複数の箱が複数段に収容される。棚100は仕分けロボットを備えており、仕分けロボットが各箱に定められた物品を配置する。搬送ロボット200は、棚100から箱を出し入れする。管理サーバ300は、仕分けシステム1000を管理するサーバである。
【0014】
棚100、搬送ロボット200、および管理サーバ300は、それぞれ例えばCPU(Central Processing Unit)などの演算部と、各種制御プログラムやデータ等が格納されたRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等の記憶部とを備えている。すなわち、棚100、搬送ロボット200、および管理サーバ300は、いずれもコンピュータとしての機能を有しており、上記各種制御プログラム等に基づいて処理を行う。
【0015】
なお、管理サーバ300による処理は、棚100側および搬送ロボット200側で実行されてもよい。したがって、管理サーバ300を含まない場合も、実施形態1にかかる仕分けシステム1000には含まれ得る。
【0016】
次に、
図2を参照して、棚100について説明する。
図2は、棚100の模式正面図である。なお、当然のことながら、
図2およびその他の図に示した右手系XYZ座標は、構成要素の位置関係を説明するための便宜的なものである。通常、Z軸正向きが鉛直上向き、XY平面が水平面であり、図面間で共通である。
【0017】
棚100は、筐体110、複数対のレール120、撮像部130、および仕分けロボット140を備えている。理解を容易にするため、箱10をハッチングして示している。
【0018】
筐体110は、Z軸正方向側に設けられた天板と、Z軸負方向側に設けられた底板と、Y軸正方向側および負方向側に設けられた側板とを備えている。天板には、撮像部130が取り付けられる。また、筐体110は、仕分けロボット140を取り付けるためのガイドレール111を含んでいる。
【0019】
複数対のレール120は、筐体110の内部において、奥行き方向(X軸方向)に延設されると共に、高さ方向(Z軸方向)に等間隔に並設される。複数対のレール120に沿って、複数の箱10が収容される。
【0020】
図3は、箱10の概略斜視図である。
図3を参照すると、箱10は、幅方向(
図2のY軸方向)に突出する突出部11を備える。突出部11は、箱10の奥行方向(
図2のX軸方向)に延設されている。突出部11の一方がレール120の一方に支持され、突出部11の他方が一対のレール120の他方に支持される。なお、箱10の底面が一対のレール120に支持されてもよい。このような場合、箱10は突出部11を備えていなくてもよい。
【0021】
図2に戻り、棚100は、複数の箱10を収容可能に構成される。棚100は複数段複数列で構成される。棚100は、収容エリアA1、収容エリアA2、および収容エリアA3を有している。収容エリアA1は箱10a1および箱10a2が収容されているエリアであり、収容エリアA2は箱10a3および箱10a4が収容されているエリアである。収容エリアA3には、箱10b、10c、10d、10e、10f、および10gが収容されている。箱10a1~10a4および箱10b~10gは、箱10の具体例である。
【0022】
収容エリアA1および収容エリアA2は、仕分けロボット140がアプローチ可能なエリアである。収容エリアA1および収容エリアA2の一方には仕分け元の箱が配置され、他方には仕分け先の箱が配置される。つまり、棚100は、仕分け元の箱が収容される列および仕分け先の箱が収容される列を含んでいる。以下では、収容エリアA1に仕分け元の箱が配置され、収容エリアA2に仕分け先の箱が配置される場合について説明する。
【0023】
収容エリアA1は、複数の種類の物品が混載された箱10や、複数のユーザの物品が混載された箱10が配置される。収容エリアA1には、棚100が配置された家屋の外部から搬送されてきた箱10が配置されてもよい。収容エリアA1および収容エリアA2の少なくとも一方は複数段(例:2段)から成る。
【0024】
一方、収容エリアA3は、所定の種類の物品を収容する箱や、所定のユーザの物品を収容する箱が配置される。例えば、箱10bには父親が使用する物品が収容され、箱10cには母親が使用する物品が収容され、箱10dには子供が使用する物品が収容される。例えば、箱10eにはキッチン用品が収容され、箱10fには洗面用品が収容され、箱10gにはトイレ用品が収容される。収容エリアA3に収容された箱に物品を補充する場合、その箱を取り出して収容エリアA2に格納し、仕分けロボット140により物品の補充を行う。
【0025】
撮像部130は、筐体110の天板などに下向きに取り付けられる。撮像部130は、箱10a1および箱10a3の中を撮像可能な位置に配置されている。また、箱10a1および箱10a3を棚100から引き出した場合、撮像部130は、箱10a2および箱10a4の中を撮像できる。撮像部130は、撮像映像を管理サーバ300に出力する。
【0026】
仕分けロボット140は、ガイドレール111に取り付けられており、両側矢印で示すようにY軸方向に移動できる。仕分けロボット140はロボットアームおよびロボットハンドを備える。ロボットハンドは、吸着ハンドであってもよく、把持ハンドであってもよい。また、仕分けロボット140は、Z軸方向に伸縮可能に構成されており、箱10a1および箱10a3だけでなく、箱10a2や箱10a4にアプローチできる。
【0027】
仕分けロボット140は、箱10a1や箱10a2から、箱10a3や箱10a4に物品を移載する。仕分けロボット140は、撮像部130の撮像画像を用いて物品を認識できる。物品を移載した後、箱10a3や箱10a4は、搬送ロボット200によって棚100の収容エリアA3に格納される。なお、仕分けロボット140が箱10を移動させてもよい。
【0028】
次に、
図4を参照して搬送ロボット200の構成について説明する。
図4は搬送ロボット200の模式側面図である。搬送ロボット200は、車輪210、本体部220、天板230、および支柱240を備えている。2対の車輪210は、本体部220の下側に回転可能に固定されており、モータ等の駆動源(不図示)によって駆動される。
【0029】
図4に示すように、伸縮可能な支柱240を介して天板230が本体部220に連結されている。天板230は支柱240の上端に連結されている。搬送ロボット200は、天板230に箱10を載置して、箱10を搬送する。
【0030】
支柱240は、例えば、テレスコピック型の伸縮機構を有しており、モータ等の駆動源(不図示)によって伸縮される。白抜き矢印で示すように、支柱240の長さを変更することによって、天板230の高さを変更できる。これにより、搬送ロボット200は、高さが互いに異なる収容エリアから箱10を出し入れできる。搬送ロボット200は、マニピュレータ(不図示)を用いて、箱10を棚100から天板230に移載できる。また、搬送ロボット200は、マニピュレータを用いて、箱10を天板230から棚100に移載できる。
【0031】
次に、
図1を参照して、管理サーバ300の機能について説明する。管理サーバ300は、仕分け管理部310を備えている。仕分け管理部310は、棚100に置かれた複数の箱10への物品の仕分けを管理する。仕分け管理部310は、下段に収容された箱10から仕分けロボット140が物品を出し入れする場合、上段に引き出された箱を引き出すように搬送ロボット200に指示する。
【0032】
仕分け管理部310は、まず、仕分け元の箱10を収容エリアA1に格納するように搬送ロボット200に指示する。そして、仕分け管理部310は、仕分け元の箱10に収容されている物品に基づいて、収容エリアA3に収容されている箱10から、仕分け先の箱10を選択する。なお、仕分け元の箱10に収容されている物品に関する情報は、管理サーバ300に登録されているものとする。登録作業は、箱10の発送元である物流センターにおいて行われてもよい。
【0033】
仕分け管理部310は、複数の仕分け先の箱10を選択してもよい。そして、仕分け管理部310は、仕分け先の箱10を収容エリアA2に格納するように搬送ロボット200に指示する。
【0034】
仕分け管理部310は、仕分け元の箱10から仕分け先の箱10へ物品を移載するように仕分けロボット140に指示する。仕分け管理部310は、
図2に示す箱10a1から箱10a4へ物品を移載する場合、箱10a3を棚100から引き出すように搬送ロボット200に指示する。同様に、仕分け管理部310は、箱10a2から箱10a3へ物品を移載する場合、箱10a1を棚100から引き出すように搬送ロボット200に指示する。仕分け管理部310は、箱10a2から箱10a4へ物品を移載する場合、箱10a1および箱10a3を棚100から引き出すように搬送ロボット200に指示する。搬送ロボット200が、各箱10を棚100から引き出す移載手段として機能している。
【0035】
搬送ロボット200は、
図5に示すように箱10をレール120の途中まで引き出す。これにより、仕分けロボット140は、上段に収容された箱10と下段に収容された箱10の両方から物品を出し入れできるようになる。
図2を参照して具体的に説明する。仕分けロボット140は、箱10a1に収容された物品を箱10a3に格納し、箱10a1を途中まで引き出した後、箱10a2に収容された物品を箱10a3に格納することができる。仕分けロボット140は、箱10a1に収容された1つの物品を箱10a3に格納し、箱10a3を引き出した後、箱10a3に収容された他の物品を箱10a4に格納することができる。仕分けシステム1000は迅速に仕分けを実行できる。
【0036】
なお、箱10を引き出す前に、仕分けロボット140が、箱10に収容された物品を棚100の奥行方向(-Y方向)に移動させてもよい。物品が、仕分けロボット140の可動範囲内に位置し易くなる。
【0037】
撮像部130は、箱10a1および箱10a3を途中まで引き出した場合に箱10a2の中および箱10a4の中が十分撮像されるように設置されていてもよい。例えば、撮像部130による撮影方向が、鉛直下方向に対して前方に傾いていてもよい。撮像部130の撮影方向が制御可能であってもよい。または、物品が、予め箱10の奥行方向側に配置されていてもよい。箱10の引き出し量は、撮像部130の撮像範囲に応じて定められてもよい。
【0038】
棚100が2つ以上の仕分けロボット140を有している場合、一つの仕分けロボット140が箱10を途中まで引き出してもよい。つまり、仕分けロボット140が、各箱10を棚100から引き出す移載手段として機能してもよい。また、棚100に備えられた引き出し機構が、箱10を途中まで引き出してもよい。
【0039】
図2に戻り、箱10a3への仕分けが完了した場合、または箱10a4への仕分けが完了した場合、仕分け管理部310は、箱10a3または箱10a4を収容エリアA3へ格納するように搬送ロボット200に指示する。仕分け作業が完了していない箱10が存在する場合、仕分け管理部310は、その箱10を収容エリアA3から収容エリアA2に移載するように搬送ロボット200に指示する。
【0040】
次に、
図6~
図9を参照して、実施形態1にかかる仕分けシステム1000の動作の一例を説明する。
図6を参照すると、仕分け元の箱10a1には、物品20b1、物品20b2、および物品20c1が収容されている。仕分け元の箱10a2には、物品20b3、物品20d1、および物品20d2が収容されている。物品20b1~20b3は父親が使用する物品であり、箱10bに収容される。物品20c1は母親が使用する物品であり、箱10cに収容される。物品20d1~20d2は子供が使用する物品であり、箱10dに収容される。つまり、箱10bは物品20b1~b3の仕分け先の箱であり、箱10cは物品20c1の仕分け先の箱であり、箱10dは物品20d1~20d2の仕分け先の箱である。
【0041】
図7に示すように、仕分けシステム1000は、箱10bおよび箱10cを収容エリアA2に格納する。箱10bは収容エリアA2の上段に格納され、箱10cは収容エリアA2の下段に格納されている。そして、仕分けロボット140は、物品20b1および物品20b2を箱10bに配置する。そして、搬送ロボット200が箱10a1を途中まで引き出し、仕分けロボット140が物品20b3を箱10bに配置する。これで箱10bへの仕分けが完了する。
【0042】
図8は、搬送ロボット200により箱10bが収容エリアA3に格納された状態を示している。箱10a1は途中まで引き出されている。仕分けロボット140が物品20c1を箱10cに配置し、箱10cへの仕分けが完了する。また、箱10a1からの仕分けが完了する。なお、
図8では箱10bを収容エリアA3に格納する場合を示しているが、箱10bを途中まで引き出して物品20c1を箱10cに格納してもよい。
【0043】
図9は、搬送ロボット200により箱10cが収容エリアA3に格納され、箱10dが収容エリアA2に格納された状態を示している。箱10a1は途中まで引き出されている。仕分けロボット140が物品20d1~20d2を箱10dに配置し、箱10dへの仕分けが完了する。そして、箱10dは収容エリアA3に格納される。
【0044】
実施形態1にかかる仕分けシステムは、棚100の上段に収容された箱10と下段に収容された箱10の両方から物品を出し入れできるため、仕分け作業にかかる時間を短縮できる。
【0045】
また、箱10を途中まで引き出した状態にすることで、仕分けロボット140の可動範囲内に両方の箱10を位置させやすくなり、仕分け作業を行い易くなる。箱10を全部引き出した場合、上段に収容された箱10が、仕分けロボットの可動範囲外に位置してしまう恐れがある。
【0046】
実施形態2
実施形態1では、棚の上段に収容された箱および棚の下段に収容された箱の各々が仕分け先の箱であるか、または仕分け元の箱であった。実施形態2にかかる仕分けシステムでは、上限または下段に物品を仮置きするための箱が配置される。
【0047】
図10を参照し、実施形態2にかかる棚100aについて説明する。棚100aは、棚100と同様に、筐体110、複数対のレール120、撮像部130、および仕分けロボット140を備えている。
【0048】
棚100aは、収容エリアA1、収容エリアA2、収容エリアA3、および収容エリアA4を有している。収容エリアA1は箱10a1が収容されているエリアであり、収容エリアA2は箱10a3が収容されているエリアである。収容エリアA3には、箱10b、10c、10d、10e、10f、および10gが収容されている。収容エリアA4には、箱10a5が収容されている。
【0049】
収容エリアA1、収容エリアA2、収容エリアA4は、仕分けロボット140がアプローチ可能なエリアである。収容エリアA1に仕分け元の箱が配置され、収容エリアA2に仕分け先の箱が配置される。収容エリアA4には物品を仮置きするための箱が配置される。仕分け元の箱には複数の物品が収容されているものとする。
【0050】
図1を参照して、実施形態2にかかる仕分けシステムは、実施形態1と同様に、仕分け管理部310を含む管理サーバ300を備える。仕分け管理部310は、箱10a1から箱10a3に物品を移載するように仕分けロボット140に指示する。
【0051】
移載対象である物品の上に他の物品が重なっている場合や、移載対象である物品の周囲に他の物品が存在している場合がある。このような場合、仕分けロボット140により移載対象である物品を把持または吸着することが困難である。移載対象の上に重なっている物品や、移載対象の周囲に存在する物品を障害物と言う。
【0052】
このような場合、管理サーバ300の仕分け管理部310は、箱10a3を途中まで引き出すように搬送ロボット200に指示する。そして、仕分け管理部310は、箱10a1から箱10a5へ障害物を移載するように仕分けロボット140に指示する。そして、仕分け管理部310は、移載対象を箱10a3へ移載するように仕分けロボット140に指示する。
【0053】
実施形態2にかかる仕分けシステムは、仕分け作業の障害となる障害物が存在する場合に、仕分け作業に要する時間を短縮できる。
【0054】
実施形態3
実施形態1では、仕分け元の箱や仕分け先の箱が複数存在し、棚の上段と下段に収容される場合について説明した。実施形態3にかかる仕分けシステムでは、仕分け元の箱および仕分け先の箱がそれぞれ上段および下段に収容される。なお、仕分け元の箱および仕分け先の箱がそれぞれ下段および上段に収容されてもよい。
【0055】
図11を参照し、実施形態3にかかる棚100bについて説明する。棚100bは、棚100と同様に、筐体110、複数対のレール120、撮像部130、および仕分けロボット140を備えている。
【0056】
棚100aは、収容エリアA1および収容エリアA2、収容エリアA3を有している。収容エリアA1は箱10a1が収容されているエリアであり、収容エリアA2は箱10a3が収容されているエリアである。収容エリアA3には、箱10b、10c、10d、10e、10f、および10gが収容されている。
【0057】
収容エリアA1および収容エリアA2は、仕分けロボット140がアプローチ可能なエリアである。収容エリアA1に仕分け元の箱が配置され、収容エリアA2に仕分け先の箱が配置される。なお、収容エリアA2と収容エリアA1の位置は逆であってもよい。
【0058】
実施形態3にかかる仕分けシステムは、実施形態1と同様に、仕分け管理部310を含む管理サーバ300を備える。管理サーバ300の仕分け管理部310は、移載対象である物品を把持または吸着するように仕分けロボット140に指示する。
【0059】
仕分け管理部310は、箱10a1を途中まで引き出すように搬送ロボット200に指示する。そして、仕分け管理部310は、移載対象である物品を箱10a3に配置するように指示する。これにより、移載対象である物品を、箱10a1から箱10a3に移載できる。
【0060】
実施形態3では仕分け元の箱と仕分け先の箱が1列に収容されるため、棚のサイズを縮小できる。
【0061】
上述したプログラムは、コンピュータに読み込まれた場合に、1又はそれ以上の機能をコンピュータに行わせるための命令群(又はソフトウェアコード)を含む。プログラムは、非一時的なコンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体に格納されてもよい。限定ではなく例として、コンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体は、random-access memory(RAM)、read-only memory(ROM)、フラッシュメモリ、solid-state drive(SSD)又はその他のメモリ技術、CD-ROM、digital versatile disc(DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスク又はその他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又はその他の磁気ストレージデバイスを含む。プログラムは、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体上で送信されてもよい。限定ではなく例として、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体は、電気的、光学的、音響的、またはその他の形式の伝搬信号を含む。
【0062】
なお、本開示は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0063】
1000 仕分けシステム
100、100a、100b 棚
110 筐体
120 レール
130 撮像部
140 仕分けロボット
150 搬送アーム
10、10a1、10a2、10a3、10a4、10a5、10b、10c、10d、10e、10f、10g 箱
11 突出部
20b1、20b2、20b3、20c1、20d1、20d2 物品
200 搬送ロボット
210 車輪
220 本体部
230 天板
240 支柱
300 管理サーバ
310 仕分け管理部