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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-20
(45)【発行日】2025-01-28
(54)【発明の名称】蓄電セル
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/477 20210101AFI20250121BHJP
   H01M 10/04 20060101ALI20250121BHJP
   H01M 50/103 20210101ALI20250121BHJP
   H01M 50/474 20210101ALI20250121BHJP
   H01M 50/531 20210101ALI20250121BHJP
   H01M 50/586 20210101ALI20250121BHJP
   H01M 50/593 20210101ALI20250121BHJP
【FI】
H01M50/477
H01M10/04 W
H01M50/103
H01M50/474
H01M50/531
H01M50/586
H01M50/593
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2022180867
(22)【出願日】2022-11-11
(65)【公開番号】P2024070402
(43)【公開日】2024-05-23
【審査請求日】2023-12-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 聡美
(72)【発明者】
【氏名】芳賀 正宜
(72)【発明者】
【氏名】千原 真志
(72)【発明者】
【氏名】池田 丈典
(72)【発明者】
【氏名】倉下 那奈
【審査官】瀧口 博史
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-059506(JP,A)
【文献】国際公開第2018/034425(WO,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0011645(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0363316(US,A1)
【文献】特表2021-518974(JP,A)
【文献】特開2006-40899(JP,A)
【文献】特表2014-523610(JP,A)
【文献】特開2010-061815(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/00
H01M 10/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の正極タブ及び複数の負極タブが上向きに突出するように巻回された巻回体からなる電極体と、
前記電極体を収容するセルケースと、
前記電極体と前記セルケースとの間を絶縁する絶縁部材と、を備え、
前記電極体は、
互いに隣接するように配置された2つの単位電極体と、
前記2つの単位電極体の周面と底面とをまとめて覆う形状を有する絶縁フィルムと、を有し、
前記セルケースは、
前記電極体を収容するとともに上向きに開口する開口部を有するケース本体と、
前記ケース本体の前記開口部を塞ぐように前記ケース本体に接続された蓋と、を有し、
前記絶縁部材は、前記2つの単位電極体が互いに隣接する方向と上下方向との双方と直交する方向に前記ケース本体と接しており、かつ、前記電極体の上面と前記絶縁フィルムの上面の双方を被覆する被覆部を有し、
前記被覆部は、前記電極体から染み出した電解液を保持する保持部を有し、
前記保持部は、前記単位電極体と前記絶縁フィルムとの間の部位の上方に位置する部位を含む、蓄電セル。
【請求項2】
前記保持部は、毛細管現象により前記電解液を保持可能な格子状リブで構成されている、請求項1に記載の蓄電セル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、蓄電セルに関する。
【背景技術】
【0002】
特開2016-152117号公報には、電極体と、電極を電解液とともに収容するケースと、を備える蓄電装置が開示されている。電極体は、正極と負極とが互いに絶縁された状態で巻回された巻回体からなる。ケースは、上向きに開口するケース本体と、ケース本体の開口を塞ぐ蓋板と、を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-152117号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特開2016-152117号公報に記載される二次電池では、上方から蓋に外力が作用した際、蓋が電極体に接触する懸念がある。また、電極体の膨張時に電極体から染み出した電解液は、ケースの下部に向かうため、電極体の収縮時において、特に電極体の上部において電解液が不足しやすい。
【0005】
本開示の目的は、蓋に外力が作用した際における蓋の電極体への接触と、電極体の上部における電解液の不足と、の双方を抑制することが可能な蓄電セルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一局面に従った蓄電セルは、複数の正極タブ及び複数の負極タブが上向きに突出するように巻回された巻回体からなる電極体と、前記電極体を収容するセルケースと、前記電極体と前記セルケースとの間を絶縁する絶縁部材と、を備え、前記セルケースは、前記電極体を収容するとともに上向きに開口する開口部を有するケース本体と、前記ケース本体の前記開口部を塞ぐように前記ケース本体に接続された蓋と、を有し、前記絶縁部材は、前記電極体の上面を被覆する被覆部を有し、前記被覆部は、前記電極体から染み出した電解液を保持する保持部を有する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、蓋に外力が作用した際における蓋の電極体への接触と、電極体の上部における電解液の不足と、の双方を抑制することが可能な蓄電セルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の一実施形態における蓄電セルを概略的に示す斜視図である。
図2図1に示される蓄電セルの分解斜視図である。
図3図1に示される蓄電セルの断面図である。
図4】正極連結ピンの近傍の拡大断面図である。
図5】被覆部の一部を概略的に示す平面図である。
図6】被覆部の変形例を概略的に示す平面図である。
図7】被覆部の変形例を概略的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下で参照する図面では、同一またはそれに相当する部材には、同じ番号が付されている。
【0010】
図1は、本開示の一実施形態における蓄電セルを概略的に示す斜視図である。図2は、図1に示される蓄電セルの分解斜視図である。図3は、図1に示される蓄電セルの断面図である。
【0011】
図1図3に示されるように、蓄電セル1は、電極体100と、セルケース200と、外部端子300と、連結部材400と、絶縁部材500と、を備えている。
【0012】
電極体100は、複数の単位電極体111,112と、絶縁フィルム120と、を有している。本実施形態では、複数の単位電極体は、2つの単位電極体111,112を含んでいる。各単位電極体111,112は、複数のタブ、すなわち、複数の正極タブ110P及び複数の負極タブ110Nを含んでいる。各単位電極体111,112は、互いに同じ構造を有している。このため、以下、単位電極体111について説明する。
【0013】
単位電極体111は、正極シートと、セパレータと、負極シートと、を含んでいる。正極シート、負極シートおよびセパレータは、長尺な長方形形状に形成されている。
【0014】
正極シートは、金属箔と、金属箔に設けられた正極合材層と、を含んでいる。金属箔の上側の長辺部には、正極合材層が形成されていない未塗工部が形成されており、この未塗工部には、前記複数の正極タブ110Pが互いに間隔をあけて形成されている。
【0015】
負極シートは、金属箔と、金属箔に形成された負極合材層と、を含んでいる。金属箔の上側の長辺部には、負極合材層が形成されていない未塗工部が形成されており、この未塗工部には、前記複数の負極タブ110Nが互いに間隔をあけて形成されている。
【0016】
各シートは、複数の正極タブ110P及び複数の負極タブ110Nが上向きに突出するように巻回され、これにより単位電極体111が形成される。つまり、単位電極体111は、複数の正極タブ110P及び複数の負極タブ110Nが上向きに突出するように巻回された巻回体からなる。各シートを巻回した状態においては、各正極タブ110Pが厚さ方向(図3において紙面と直交する方向)に配列されるとともに、各負極タブ110Nが厚さ方向に配列されるように形成されている。なお、正極タブ110Pおよび負極タブ110Nは、幅方向(厚さ方向及び高さ方向の双方と直交する方向)に間隔をあけて配置されている。
【0017】
絶縁フィルム120は、複数の単位電極体111,112の周面と底面とをまとめて覆う形状を有している。
【0018】
セルケース200は、電極体100を収容している。セルケース200は、図示略の電解液も収容している。セルケース200は、密封されている。セルケース200は、ケース本体210と、蓋220と、を有している。
【0019】
ケース本体210は、上向きに開口する開口部211を有している。ケース本体210は、アルミニウム等の金属からなる。ケース本体210は、底壁212と、周壁214と、を有している。底壁212は、矩形かつ平板状に形成されている。周壁214は、底壁212から起立している。周壁214は、四角筒状に形成されている。幅方向における周壁214の長さは、厚さ方向における周壁214の長さよりも長い。高さ方向における周壁214の長さは、厚さ方向における周壁214の長さよりも長い。
【0020】
蓋220は、ケース本体210の開口部211を閉塞している。蓋220は、溶接等によって開口部211に接続されている。蓋220は、平板状に形成されている。蓋220は、アルミニウム等の金属からなる。蓋220は、蓋本体222と、反転板224と、を有している。
【0021】
蓋本体222は、ケース本体210に溶接等によって接続されている。蓋本体222には、圧力解放弁222aと、注液孔222bと、封止部材222cと、一対のピン挿通孔222dと、が形成されている。
【0022】
圧力解放弁222aは、蓋本体222の中央部に形成されている。圧力解放弁222aは、セルケース200の内圧が所定圧以上となると破断するように形成されている。圧力解放弁222aが破断することで、セルケース200内のガスが当該圧力解放弁222aを通じてセルケース200外に放出されるため、セルケース200の内圧が低下する。
【0023】
注液孔222bは、蓄電セル1の製造過程において、セルケース200内に電解液を注入するための貫通孔である。
【0024】
封止部材222cは、注液孔222bを封止する部材である。注液孔222bは、ケース本体210への電解液の注入後、封止部材222cによって封止される。
【0025】
一対のピン挿通孔222dは、幅方向に互いに間隔をあけて形成されている。各ピン挿通孔222dは、後述の連結ピン420を挿通するための貫通孔である。
【0026】
反転板224は、溶接等によって蓋本体222に接続されている。反転板224は、蓋本体222の外側から内側に向かって凸となるように湾曲する形状を有している。反転板224は、セルケース200の内圧が所定圧以上となると、セルケース200の内側から外側に向かって凸となるように湾曲する形状に変形する。
【0027】
外部端子300は、セルケース200の上面に固定されている。外部端子300には、図示略のバスバーが溶接等によって接続される。外部端子300は、正極部材300Pと、負極部材300Nと、を有している。
【0028】
正極部材300Pは、セルケース200の上面に溶接等によって接続されている。正極部材300Pは、正極端子板310と、端子ブロック320と、を有している。
【0029】
正極端子板310は、直方体形状に形成されている。正極端子板310は、アルミニウム等の金属からなる。
【0030】
端子ブロック320は、直方体形状に形成されている。端子ブロック320は、正極端子板310を構成する金属とは異なる金属(鉄など)からなる。端子ブロック320は、蓋本体222の上面に溶接によって接続されており、この端子ブロック320の上面に、正極端子板310が溶接等によって接続されている。つまり、ケース本体210及び蓋220は、端子ブロック320を介して正極端子板310に電気的に接続されており、正極端子板310と同じ極性に帯電している。正極端子板310及び端子ブロック320の各々には、後述の正極連結ピン420Pを挿通させるための貫通孔が形成されている。
【0031】
負極部材300Nは、セルケース200の上面に溶接等によって接続されている。負極部材300Nは、正極部材300Pから幅方向に間隔をあけて配置されている。負極部材300Nは、負極端子板330と、絶縁プレート340と、を有している。
【0032】
負極端子板330は、略直方体形状に形成されている。負極端子板330は、反転板224の上方に配置されている。図4に示されるように、負極端子板330は、反転板224に対向する対向部332を有している。なお、セルケース200の内圧が所定圧未満(通常時)の場合、反転板224は、対向部332から離間している。
【0033】
絶縁プレート340は、蓋220の上面に固定されている。絶縁プレート340は、負極端子板330を保持している。絶縁プレート340は、蓋220と負極端子板330との間を絶縁している。負極端子板330及び絶縁プレート340の各々には、後述の負極連結ピン420Nを挿通させるための貫通孔が形成されている。図4に示されるように、絶縁プレート340は、対向部332を露出させる露出口342を有している。
【0034】
連結部材400は、複数のタブ110P,110Nと外部端子300とを連結している。連結部材400は、集電板410と、連結ピン420と、を有している。
【0035】
集電板410は、複数のタブに接続されている。集電板410は、正極集電板410Pと、負極集電板410Nと、を有している。
【0036】
正極集電板410Pは、溶接等によって複数の正極タブ110Pに接続されている。正極集電板410Pは、第1平板部411と、第2平板部412と、を有している。
【0037】
第1平板部411には、複数の正極タブ110Pが超音波溶接等によって接続されている。第1平板部411には、貫通孔が形成されている。複数の正極タブ110Pは、第1平板部411の下面に接続されている。ただし、複数の正極タブ110Pは、第1平板部411の上面に接続されてもよい。
【0038】
第2平板部412は、幅方向における第1平板部411の外側に配置されている。第2平板部412には、連結孔412hと、ヒューズ部412aと、が形成されている。ヒューズ部412aは、第2平板部412をその厚み方向に貫通する貫通孔で構成されている。なお、図3及び図4に示されるように、第2平板部412と第1平板部411との間に薄肉部が形成されていてもよい。
【0039】
負極集電板410Nは、溶接等によって複数の負極タブ110Nに接続されている。負極集電板410Nの構成は、正極集電板410Pの構成と実質的に同じである。
【0040】
連結ピン420は、集電板410と外部端子300とを連結している。連結ピン420は、正極連結ピン420Pと、負極連結ピン420Nと、を有している。
【0041】
正極連結ピン420Pは、正極集電板410Pと正極端子板310とを連結している。正極連結ピン420Pは、円柱状に形成されている。正極連結ピン420Pの下端部は、連結孔412hに挿入された状態で第2平板部412に接続されている。正極連結ピン420Pの上端部は、正極端子板310にカシメられている。
【0042】
負極連結ピン420Nは、負極集電板410Nと負極端子板330とを連結している。負極連結ピン420Nは、円柱状に形成されている。負極連結ピン420Nの下端部は、連結孔412hに挿入された状態で第2平板部412に接続されている。負極連結ピン420Nの上端部は、負極端子板330にカシメられている。
【0043】
絶縁部材500は、連結部材400とセルケース200との間を絶縁している。絶縁部材500は、電極体100とセルケース200との間も絶縁している。絶縁部材500は、絶縁シート510と、インシュレータ520と、被覆部530と、を有している。
【0044】
絶縁シート510は、蓋本体222の下面に接続されている。絶縁シート510のうち、高さ方向に圧力解放弁222aと重なる部位、注液孔222bと重なる部位、各ピン挿通孔222dと重なる部位、及び、反転板224と重なる部位に、貫通孔が形成されている。
【0045】
インシュレータ520は、連結ピン420を包囲する形状を有しており、連結ピン420とセルケース200との間を絶縁している。インシュレータ520は、正極側インシュレータ520Pと、負極側インシュレータ520Nと、を有している。
【0046】
正極側インシュレータ520Pは、正極連結ピン420Pを被覆している。正極側インシュレータ520Pは、円筒状に形成されている。正極側インシュレータ520Pは、正極連結ピン420Pと蓋本体222との間を絶縁している。
【0047】
負極側インシュレータ520Nは、負極連結ピン420Nを被覆している。負極側インシュレータ520Nの構造は、正極側インシュレータ520Pの構造と同じである。
【0048】
被覆部530は、電極体100の上面を被覆している。被覆部530は、略平板状に形成されている。被覆部530は、当該被覆部530の下面と電極体100の上面との間にわずかな隙間が形成される位置に固定されている。被覆部530は、電極体100から染み出した電解液を保持する保持部532を有している。図5に示されるように、保持部532は、毛細管現象により電解液を保持可能な格子状リブで構成されている。
【0049】
以上に説明した蓄電セル1において、電極体100への異常の発生等に起因してセルケース200の内圧が前記所定圧以上まで上昇すると、反転板224は、反転する(上向きに凸となるように湾曲する形状に変形する)ことによって負極端子板330の対向部332に接触する。これにより、蓋220を介して外部端子300、連結部材400及び電極体100が閉回路を形成するため、この回路に大電流が流れる。そうすると、第2平板部412に形成されたヒューズ部412aが溶断する。その結果、電極体100とセルケース200との電気的な接続が遮断される。
【0050】
以上に説明したように、本実施形態における蓄電セル1では、被覆部530が電極体100の上面を被覆しているため、蓋220に外力が作用した際に蓋220が電極体100に接触することが抑制される。さらに、充電時における電極体100の膨張に起因して電極体100から染み出した電解液は、被覆部530における保持部532により保持されるとともに、放電時における電極体100の収縮時に保持部532から電極体100の上部に供給される。このため、電極体100の上部における電解液の不足が抑制される。
【0051】
上記実施形態において、図6に示されるように、保持部532は、ハニカム状リブで構成されてもよい。あるいは、図7に示されるように、保持部532は、互いに間隔を置いて環状に並ぶように配置された6つの三角形によって1つの六角形が形成されるように複数の三角形が配置されたリブで構成されてもよい。
【0052】
上述した例示的な実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
【0053】
[態様1]
複数の正極タブ及び複数の負極タブが上向きに突出するように巻回された巻回体からなる電極体と、
前記電極体を収容するセルケースと、
前記電極体と前記セルケースとの間を絶縁する絶縁部材と、を備え、
前記セルケースは、
前記電極体を収容するとともに上向きに開口する開口部を有するケース本体と、
前記ケース本体の前記開口部を塞ぐように前記ケース本体に接続された蓋と、を有し、
前記絶縁部材は、前記電極体の上面を被覆する被覆部を有し、
前記被覆部は、前記電極体から染み出した電解液を保持する保持部を有する、蓄電セル。
【0054】
この蓄電セルでは、被覆部が電極体の上面を被覆しているため、蓋に外力が作用した際に蓋が電極体に接触することが抑制される。さらに、充電時における電極体の膨張に起因して電極体から染み出した電解液は、被覆部における保持部により保持されるとともに、放電時における電極体の収縮時に保持部から電極体の上部に供給されるため、電極体の上部における電解液の不足が抑制される。
【0055】
[態様2]
前記保持部は、毛細管現象により前記電解液を保持可能な格子状リブで構成されている、態様1に記載の蓄電セル。
【0056】
この態様では、格子状リブによって被覆部の剛性が有効に確保されるため、蓋に外力が作用した際における蓋の電極体への接触がより確実に抑制される。
【0057】
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0058】
1 蓄電セル、100 電極体、110N 負極タブ、110P 正極タブ、111,112 単位電極体、120 絶縁フィルム、200 セルケース、210 ケース本体、211 開口部、220 蓋、222 蓋本体、224 反転板、300 外部端子、300N 負極部材、300P 正極部材、310 正極端子板、320 端子ブロック、330 負極端子板、340 絶縁プレート、400 連結部材、410 集電板、410N 負極集電板、410P 正極集電板、420 連結ピン、420N 負極連結ピン、420P 正極連結ピン、422 被覆部、422a ヒューズ部、500 絶縁部材、510 絶縁シート、520 インシュレータ、520N 負極側インシュレータ、520P 正極側インシュレータ、530 被覆部、532 保持部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7