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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-20
(45)【発行日】2025-01-28
(54)【発明の名称】咬合力計
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/22 20060101AFI20250121BHJP
   A61B 5/11 20060101ALI20250121BHJP
   A61C 19/05 20060101ALI20250121BHJP
   G01L 5/00 20060101ALI20250121BHJP
【FI】
A61B5/22 200
A61B5/11 300
A61C19/05 110
G01L5/00 Z
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2023503640
(86)(22)【出願日】2022-01-28
(86)【国際出願番号】 JP2022003414
(87)【国際公開番号】W WO2022185806
(87)【国際公開日】2022-09-09
【審査請求日】2023-09-01
(31)【優先権主張番号】P 2021035826
(32)【優先日】2021-03-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】檀野 圭右
(72)【発明者】
【氏名】家邉 徹
【審査官】▲高▼ 芳徳
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-215223(JP,A)
【文献】特開平08-252244(JP,A)
【文献】特開2001-224608(JP,A)
【文献】特開2019-091334(JP,A)
【文献】特表2016-522070(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/06 - 5/22
A61C 19/05
G01L 5/00 - 5/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンドルと、前記ハンドルから延びるアームと、前記アームに取り付けられた圧力センサと、を備え、
前記圧力センサは、咬合力の計測の際に接触対象からの圧力を受ける受圧面を有し、
前記圧力センサが検知する圧力の方向に沿う軸を圧力検知軸とし、前記ハンドルと前記アームとの接続箇所から前記アームと前記圧力センサとの接続箇所へと延びる方向の軸を第1軸とし、前記圧力検知軸及び前記第1軸の双方に直交する軸を第2軸としたとき、
前記圧力センサは、前記アームから前記第2軸に沿う方向に突出しており、
前記アームにおける前記ハンドルとの接続箇所とは反対側の端は、前記圧力検知軸に対して平行又は傾斜するとともに露出しており、且つ口腔内の特定の箇所に接触させることで前記受圧面を口腔内で位置決めするガイド面である
咬合力計。
【請求項2】
測定面に物体が接触したことを検知する接触センサを備え、
前記測定面は、前記ガイド面内に位置している
請求項1に記載の咬合力計。
【請求項3】
音、振動、光のうちの少なくとも1つにより報知を行う報知器を備え、
前記報知器は、前記接触センサにより物体の接触が検知されたことを条件に、報知を行う
請求項2に記載の咬合力計。
【請求項4】
前記圧力センサは、前記接触センサにより物体の接触が検知されたことを条件に、咬合力の測定を開始する
請求項2又は3に記載の咬合力計。
【請求項5】
前記圧力センサが検知する圧力の方向に沿う軸を圧力検知軸とし、前記圧力センサの外面のうち、前記圧力検知軸に沿う方向において前記受圧面とは反対側の面を反対面としたとき、
前記受圧面と前記反対面との前記圧力検知軸に沿う方向の距離のうち、最大の距離は、13mm以上である
請求項1~4のいずれか一項に記載の咬合力計。
【請求項6】
前記圧力センサが検知する圧力の方向に沿う軸を圧力検知軸とし、前記ハンドルと前記アームとの接続箇所から前記アームと前記圧力センサとの接続箇所へと延びる方向の軸を第1軸とし、前記圧力センサの外面のうち、前記圧力検知軸に沿う方向において前記受圧面とは反対側の面を反対面としたとき、
前記受圧面は、前記第1軸に沿う方向において前記ハンドルに近づくほど、前記反対面からの距離が大きくなるように、前記反対面に対して傾斜している
請求項1~5のいずれか一項に記載の咬合力計。
【請求項7】
前記圧力センサが検知する圧力の方向に沿う軸を圧力検知軸としたとき、
前記圧力センサは、前記圧力検知軸に沿う方向の寸法が可変な可変機構を有する
請求項1~6のいずれか一項に記載の咬合力計。
【請求項8】
前記可変機構は、内部に空洞を有し、前記空洞に流体を出し入れ可能なバルーンである
請求項7に記載の咬合力計。
【請求項9】
前記圧力センサが検知する圧力の方向に沿う軸を圧力検知軸とし、前記ハンドルと前記アームとの接続箇所から前記アームと前記圧力センサとの接続箇所へと延びる方向の軸を第1軸とし、前記圧力検知軸及び前記第1軸の双方に直交する軸を第2軸とし、前記第2軸に沿う方向の一方を正方向、前記正方向とは反対方向を負方向としたとき、
前記圧力センサが前記アームから前記正方向に突出する第1状態と、前記圧力センサが前記アームから前記負方向に突出する第2状態とを切り替え可能である
請求項1~8のいずれか一項に記載の咬合力計。
【請求項10】
前記圧力センサが検出した圧力の値に関する第1データと、前記第1データが取得された時間に関する第2データとを、互いに関連付けて記憶する記憶部を有する
請求項1~請求項9のいずれか一項に記載の咬合力計。
【請求項11】
外部機器と無線通信可能な通信機を有し、
前記通信機は、前記第1データ及び前記第2データを送信可能である
請求項10に記載の咬合力計。
【請求項12】
前記通信機は、外部機器から被測定者の身体に関する医療データを受信可能であり、
前記記憶部は、前記第1データ、前記第2データ、及び前記医療データを互いに関連付けて記憶する
請求項11に記載の咬合力計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、咬合力計に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の咬合力計は、圧力を検知する圧力センサを備えている。圧力センサは、向かい合って配置された一対の板状部材を有する。特許文献1の咬合力計は、一対の板状部材が噛みしめられた場合の圧力を、咬合力として計測する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実公平2-25379号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のような咬合力計で咬合力を計測する場合、同一人物であっても、口腔内のどの場所で圧力センサを噛むかによって計測結果に違いが生じる。したがって、測定した咬合力を基準値や過去の計測結果と比較する上では、常に口腔内の同一位置において圧力センサを噛むことが好ましい。しかしながら、圧力センサを噛んだ状態では口腔内の状態を目視によって確認することは難しい。したがって、目視に頼って口腔内の圧力センサの位置を位置決めするにも限界がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本開示の一態様に係る咬合力計は、ハンドルと、前記ハンドルから延びるアームと、前記アームに取り付けられた圧力センサと、を備え、前記圧力センサは、咬合力の計測の際に接触対象からの圧力を受ける受圧面を有し、前記圧力センサが検知する圧力の方向に沿う軸を圧力検知軸とし、前記ハンドルと前記アームとの接続箇所から前記アームと前記圧力センサとの接続箇所へと延びる方向の軸を第1軸とし、前記圧力検知軸及び前記第1軸の双方に直交する軸を第2軸としたとき、前記圧力センサは、前記アームから前記第2軸に沿う方向に突出しており、前記アームにおける前記ハンドルとの接続箇所とは反対側の端は、前記圧力検知軸に対して平行又は傾斜するとともに露出しており、且つ口腔内の特定の箇所に接触させることで前記受圧面を口腔内で位置決めするガイド面である。
【0007】
上記構成によれば、ガイド面を歯の側面、歯茎、頬の内側などの特定の箇所に接触させることで、受圧面を口腔内で位置決めしやすい。そして、ガイド面が特定の箇所に接触したことは、口腔内の触覚、咬合力計を持つ手指の触覚などで判断でき得る。したがって、口腔内を目視しなくても、口腔内で受圧面を位置決めしやすくなる。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、目視に頼らずに、圧力センサの受圧面を位置決めしやすい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態の咬合力計の斜視図。
図2】第1実施形態の圧力センサの斜視図。
図3】第1実施形態の咬合力計で咬合力を測定する方法を説明する図。
図4】第2実施形態の咬合力計の斜視図。
図5】第2実施形態の咬合力計で咬合力を測定する方法を説明する図。
図6】第3実施形態の咬合力計のブロック図。
図7】変更例の咬合力計の斜視図。
図8】変更例の咬合力計の圧力センサの斜視図。
図9】変更例の咬合力計の平面図。
図10】変更例の咬合力計の部分斜視図。
図11】変更例の咬合力計の部分斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1実施形態>
以下、咬合力計の実施形態について、説明する。なお、添付図面は、理解を容易にするために構成要素を拡大して示している場合がある。また、構成要素の寸法比率は、実際のものと、または別の図面中のものと異なる場合がある。
【0011】
<第1実施形態の咬合力計の全体構成について>
図1に示すように、咬合力計10は、ハンドル11と、圧力センサ12と、アーム13と、ディスプレイ14と、を備えている。
【0012】
咬合力計10は、全体として棒状になっている。ハンドル11は、咬合力計10のうち、長手方向の一方側の略半分を構成している。ハンドル11は、略直方体状である。ハンドル11は、咬合力を測定する際に、使用者によって掴まれる持ち手になっている。
【0013】
アーム13は、ハンドル11の長手方向の他方側の端面から延びている。アーム13は、扁平な角柱状になっている。アーム13は、ハンドル11と略同一方向に延びている。アーム13は、ハンドル11よりも細くなっている。
【0014】
ディスプレイ14は、ハンドル11内に位置している。ディスプレイ14のうちの表示面は、ハンドル11の外部に露出している。ディスプレイ14は、圧力センサ12によって検出された圧力などの情報を表示する。
【0015】
圧力センサ12は、アーム13におけるハンドル11とは反対側の端に取り付けられている。すなわち、圧力センサ12は、咬合力計10の先端に位置している。圧力センサ12は、略直方体状である。
【0016】
ここで、ハンドル11とアーム13との接続箇所からアーム13と圧力センサ12との接続箇所へと延びる方向の軸を、第1軸Xとする。なお、本実施形態において、第1軸Xは、ハンドル11及びアーム13の長手方向と平行な軸である。また、第1軸Xと直交し、且つディスプレイ14に沿う軸を第2軸Yとする。また、第1軸X及び第2軸Yの双方と直交する軸を第3軸Zとする。なお、第1軸Xに沿う2つの方向のうち、ハンドル11から視て圧力センサ12に向かう方向を第1正方向X1とし、第1正方向X1の反対方向を第1負方向X2とする。また、第2軸Yに沿う2つの方向のうち、一方を第2正方向Y1とし、第2正方向Y1の反対方向を第2負方向Y2とする。また、第3軸Zに沿う2つの方向のうち、ハンドル11の重心から視てディスプレイ14に向かう方向を第3正方向Z1とし、第3正方向Z1の反対方向を第3負方向Z2とする。
【0017】
図2に示すように、圧力センサ12は、一対の板材12A、第1樹脂材12B、一対の第2樹脂材12Cを備えている。一対の板材12Aの材料は、導電性の金属である。各板材12Aは、第3軸Zに沿う方向から視て、長方形状である。一対の板材12Aの主面は、互いに向かい合っている。各板材12Aの主面は、第3軸Zに対して直交している。一対の板材12Aは、図示しない配線に接続されている。一対の板材12Aは、コンデンサの電極として機能する。
【0018】
第1樹脂材12Bは、一対の板材12Aの主面の間に位置している。すなわち、第1樹脂材12Bは、一対の板材12Aの間の隙間を埋めている。第1樹脂材12Bは、板材である。第1樹脂材12Bは、平面視で、板材12Aの主面と同じ長方形状である。板材12Aの主面と直交する方向から視たときに、第1樹脂材12Bは、板材12Aからはみ出さずに重なっている。
【0019】
第2樹脂材12Cは、板材12Aに対して第1樹脂材12Bとは反対側に位置している。第2樹脂材12Cは、1つの板材12Aにつき、1つ存在する。すなわち、一方の第2樹脂材12Cは、一方の板材12Aの主面の反対側に位置している。他方の第2樹脂材12Cは、他方の板材12Aの主面の反対側に位置している。すなわち、一対の第2樹脂材12Cは、一対の板材12Aを挟み込んでいる。各第2樹脂材12Cは、略直方体状である。第3軸Zに沿う方向から平面視したとき、第2樹脂材12Cの各辺は、第1軸X又は第2軸Yに平行になっている。
【0020】
なお、本実施形態において、圧力センサ12は、一対の板材12Aの主面に直交する方向の圧力を検知する。すなわち、第3軸Zは、圧力センサ12が検知する圧力の方向に沿う圧力検知軸である。
【0021】
<ガイド面について>
図2に示すように、圧力センサ12は、各第2樹脂材12Cの外面から突出する複数の突起120を有している。突起120は、第2樹脂材12Cの外面のうち、第3軸Zと直交する外面から突出している。つまり、突起120は、第3正方向Z1側の第2樹脂材12Cの、第3正方向Z1側の外面から突出している。また、突起120は、第3負方向Z2側の第2樹脂材12Cの、第3負方向Z2側の外面から突出している。
【0022】
突起120は、1つの第2樹脂材12Cにつき、2つ存在している。各突起120は、第1軸Xと平行に延びている。1つの突起120は、第2樹脂材12Cにおける第2正方向Y1側の縁の全域に亘って延びている。もう1つの突起120は、第2樹脂材12Cにおける第2負方向Y2側の縁の全域に亘って延びている。これら2つの突起120は、第2軸Yに沿う方向に離れている。したがって、第2樹脂材12Cにおける第3軸Zと直交する外面のうち、2つの突起120で挟まれた領域は、露出している。そして、この露出している面は、圧力センサ12において、咬合力の計測の際に、歯及び歯茎等の接触対象からの圧力を受ける受圧面12Dである。
【0023】
突起120の形状は、直方体状である。また、上述したとおり、2つの突起120で挟まれた領域は、受圧面12Dである。したがって、圧力センサ12は、各受圧面12Dの外縁から立ち上がる一対のガイド面121を有している。そして、ガイド面121は、各受圧面12Dを挟んで第2軸Yに沿う方向の両側に1つずつ位置している。
【0024】
ガイド面121は、突起120の延びる方向を反映して、第1軸Xと平行に延びている。また、ガイド面121は、受圧面12Dの第1軸Xに沿う方向の全域に亘って存在している。また、ガイド面121と受圧面12Dとが成す角度は、直角である。すなわち、ガイド面121は、第3軸Zに対して平行な面である。第1軸Xに沿う方向から視たとき、一対のガイド面121及び1つの受圧面12Dは、受圧面12Dを底面とする窪んだ形状になっている。なお、この実施形態では、2つの突起120と1つの第2樹脂材12Cとは、同一の材質である。また、2つの突起120と1つの第2樹脂材12Cとは、一体成形物であってもよい。
【0025】
2つの第2樹脂材12Cの受圧面12D同士は、第3軸Zに沿う方向において、互いに反対面の関係にある。そして、2つの第2樹脂材12Cの受圧面12D同士は、互いに平行である。第3正方向Z1に位置する受圧面12Dと、当該受圧面12Dと反対側の受圧面12Dとの第3軸Zに沿う方向の距離LMは13mm以上、例えば20mmである。
【0026】
<第1実施形態の作用について>
咬合力計10で咬合力を測定する際、ディスプレイ14が上側になるように、ハンドル11を持つ。そして、図3に示すように、咬合力計10の圧力センサ12が付けられている第1正方向X1側の一部を、口腔内に挿入する。例えば、被測定者の右側の咬合力を測定する場合には、圧力センサ12が、被測定者の右側の奥歯近傍に位置するように咬合力計10を差し込む。
【0027】
次に、一対のガイド面121及び1つの受圧面12Dによって区画される窪みの内側に歯が嵌るように、咬合力計10の位置を調整する。このとき、一対のガイド面121のうちの一方又は両方が、上記窪みの内側に嵌った歯の側面に接触するように、咬合力計10の位置を調整する。
【0028】
上記の状態で、被測定者が歯を噛み合わせ、一対の受圧面12Dに圧力をかけることで、圧力センサ12の第1樹脂材12Bは、力を受けて変形する。第1樹脂材12Bが変形することで、一対の板材12A間の静電容量が変化する。咬合力計10は、圧力センサ12の当該静電容量の変化を圧力の変化として検出する。そして、ディスプレイ14は、検知された圧力を咬合力として表示する。
【0029】
なお、上の説明では、被測定者が上下の歯を有しているものとして説明したが、被測定者が上下の歯のうちの一方又は両方を欠いている場合がある。この場合、圧力センサ12は、歯茎と歯、又は上下の歯茎で噛まれることになる。
【0030】
<第1実施形態の効果>
(1-1)上記実施形態において、圧力センサ12は、受圧面12Dの外縁から立ち上がるガイド面121を備えている。このガイド面121を、歯の側面などの接触対象に接触させることで、受圧面12Dを口腔内で位置決めしやすい。そして、ガイド面121が歯の側面に接触したことは、口腔内の触覚、咬合力計10を持っている手指の触覚などで判断でき得る。したがって、口腔内を目視しなくても、口腔内における特定の箇所で受圧面12Dを位置決めしやすくなる。
【0031】
(1-2)上記実施形態において、一対のガイド面121及び1つの受圧面12Dは、受圧面12Dを底面とする窪んだ形状になっている。当該構成によれば、1対のガイド面121及び、1つの受圧面12Dの3面で歯を挟み込むことができるため、ガイド面121で位置決めした後に、圧力センサ12が位置ずれしにくい。
【0032】
(1-3)上記実施形態において、ガイド面121は、第1軸Xに平行な面である。したがって、奥歯の歯並びに対して、略平行に咬合力計10を口腔内に挿入した場合に、突起120の先端が奥歯に干渉しにくい。また、ガイド面121を歯の側面に接触させつつ、歯列に沿って圧力センサ12を移動させることもできる。
【0033】
(1-4)仮に、被測定者が上下の歯の両方を欠いている無歯顎者である場合、上下の歯茎で圧力センサ12を噛み合わせることになる。ここで、圧力センサ12において一対の受圧面12Dの距離LMが異なる複数の試験例を用意した。具体的には、一対の受圧面12Dの距離LMとして、5mm、10mm、13mm、16mm、20mmの5種類の試験例を用意した。そして、これら5種類の試験例に対して、無歯顎者による噛みやすいか否かの官能試験、具体的には、5種類の試験例のうちでどの試験例が最も噛みやすいかを選択させる試験を行った。
【0034】
その結果、5種類の試験例の中で「最も噛みやすい」との評価が得られた割合は、5mmの場合は0%、10mmの場合は0%、13mmの場合は約33%、16mmの場合は約25%、20mmの場合は約41%であった。この結果から、無歯顎者の場合、一対の受圧面12Dの距離LMが10mm以下の場合には噛みにくく、少なくとも13mmを超えていればある程度噛みやすいと感じることがわかった。上記実施形態では、一対の受圧面12Dの距離LMとして13mm以上が確保されているので、無歯顎者であっても噛みやすくて正確な咬合力の測定が期待できる。
【0035】
<第2実施形態>
以下、咬合力計の第2実施形態について説明する。なお、図面は理解を容易にするために構成要素を拡大して示している場合がある。構成要素の寸法比率は実際のものと、又は別の図中のものとは異なる場合がある。また、第1実施形態と同様の構成については、説明を簡略化又は省略していることがある。
【0036】
<第2実施形態の咬合力計の全体構成について>
図4に示すように、咬合力計10は、ハンドル11と、圧力センサ12と、アーム13と、ディスプレイ14と、を備えている。咬合力計10は、全体として棒状になっている。ハンドル11は、咬合力計10のうち、長手方向の一方側の略半分を構成している。
【0037】
アーム13は、ハンドル11の長手方向の他方側の端面から延びている。アーム13は、全体として棒状である。アーム13は、第1アーム材13A、第2アーム材13B、及び第3アーム材13Cを備えている。
【0038】
第1アーム材13Aは、扁平な角柱状である。第1アーム材13Aは、ハンドル11の長手方向と同一の方向に延びている。第1アーム材13Aは、ハンドル11の長手方向の他方側の端面から延びている。第1アーム材13Aは、ハンドル11よりも細くなっている。
【0039】
第2アーム材13Bは、略棒状である。第2アーム材13Bは、ハンドル11の長手方向と同一の方向に延びている。第2アーム材13Bは、第1アーム材13Aの長手方向の他方側の端面から延びている。第2アーム材13Bは、第1アーム材13Aよりも細くなっている。
【0040】
第3アーム材13Cは、第2アーム材13Bの長手方向の他方側の端面に接続している。第3アーム材13Cは、略直方体状である。第3アーム材13Cにおける第2軸Yに沿う方向の寸法は、第2アーム材13Bにおける第2軸Yに沿う方向の寸法よりも、わずかに大きくなっている。また、第3アーム材13Cにおける第3軸Zに沿う方向の寸法は、第2アーム材13Bにおける第3軸Zに沿う方向の寸法よりも、わずかに大きくなっている。第3アーム材13Cは、第2アーム材13Bの端面の全体を覆っている。第3アーム材13Cの材質は、第2アーム材13Bの材質よりも軟質である。
【0041】
圧力センサ12は、第2アーム材13Bにおける第2正方向Y1側の面に接続している。すなわち、圧力センサ12は、第2アーム材13Bから第2正方向Y1に突出している。圧力センサ12は、第2アーム材13Bの長手方向において、第2アーム材13Bの中央よりも第3アーム材13C側に位置している。
【0042】
ここで、ハンドル11と第1アーム材13Aとの接続箇所から第2アーム材13Bと圧力センサ12との接続箇所へと延びる方向の軸を、第1軸Xとする。本実施形態において、第1軸Xは、ハンドル11、及びアーム13の長手方向と平行な軸である。また、第2軸Y、第3軸Zは、第1実施形態と同様である。また、第1正方向X1、第1負方向X2、第2正方向Y1、第2負方向Y2、第3正方向Z1、第3負方向Z2についても、第1実施形態と同様である。
【0043】
圧力センサ12は、略直方体状である。第3軸Zに沿う方向から平面視したとき、第2樹脂材12Cの各辺は、第1軸Xまたは第2軸Yに平行になっている。図4において図示は省略するが、圧力センサ12は、第1実施形態と同様に、一対の板材12A、第1樹脂材12B、一対の第2樹脂材12Cを備えている。ただし、第2実施形態の圧力センサ12は、第1実施形態の突起120に対応する構成を有していない。したがって、各第2樹脂材12Cの第3軸Zと直交する2つの外面全体が受圧面12Dである。
【0044】
2つの第2樹脂材12Cの受圧面12D同士は、第3軸Zに沿う方向において、互いに反対面の関係にある。そして、2つの第2樹脂材12Cの受圧面12D同士は、互いに平行である。第3正方向Z1に位置する受圧面12Dと、当該受圧面12Dと反対側の受圧面12Dとの第3軸Zに沿う方向の距離LMは13mm以上、例えば20mmである。
【0045】
<ガイド面及び接触センサについて>
図4に示すように、第3アーム材13Cの第1正方向X1側の端、すなわち、アーム13におけるハンドル11との接続箇所とは反対側の端は、ガイド面121になっている。ガイド面121は、外部に露出している。ガイド面121は、第1軸Xに直交し、且つ第3軸Zに平行な平面である。
【0046】
咬合力計10は、接触センサ70を備えている。本実施形態において、接触センサ70は、物体が接触したことを圧力の変化で検知する圧力センサである。したがって、接触センサ70の感度は、圧力センサ12の感度よりも高い。その一方で、接触センサ70が測定可能な圧力は、圧力センサ12が測定可能な圧力よりも小さい。接触センサ70は、物体が接触したことを検知する測定面71を備えている。測定面71は、上記のガイド面121内に位置している。本実施形態では、ガイド面121の全体が、測定面71として機能する。
【0047】
また、咬合力計10は、インジケータランプ72を備えている。インジケータランプ72は、ハンドル11の外面から露出している。インジケータランプ72は、接触センサ70が、測定面71と物体との接触を検知した場合に、点灯する。すなわち、インジケータランプ72は、接触センサ70により物体の接触が検知されたことを条件に、光によって報知を行う報知器である。そして、本実施形態では、圧力センサ12は、接触センサ70により物体の接触が検知したことを条件に咬合力の測定を開始する。
【0048】
<第2実施形態の作用について>
咬合力計10で咬合力を測定する際、ディスプレイ14が上側になるように、ハンドル11を持つ。そして、図5に示すように、咬合力計10においてガイド面121が位置する第1正方向X1側の一部を、口腔内に挿入する。例えば、図5に示すように、被測定者の右側の咬合力を測定する場合には、測定者の右側の上下の奥歯の間に圧力センサ12が位置するように、咬合力計10を口腔内に差し込む。このとき、圧力センサ12の受圧面12Dが、被測定者の右側の歯の噛み合わせ面に沿うように、咬合力計10を挿入する。ここで、圧力センサ12は、第2アーム材13Bから第2正方向Y1に突出している。したがって、受圧面12Dを、圧力センサ12を上下の奥歯の間に配置した場合、第2アーム材13Bの一部、及び第3アーム材13Cは、被測定者の右の歯と頬の内側面との間に位置することになる。
【0049】
咬合力計10を徐々に被測定者の口の奥へと差し込むと、ガイド面121が、被測定者の口の奥の壁面に接触する。すなわち、接触センサ70の測定面71が口の奥の壁面と接触する。なお、圧力センサ12は、第2アーム材13Bの第1正方向X1の端に近い側に位置している。そのため、ガイド面121が、被測定者の口の奥の壁に接触した際には、圧力センサ12は、被測定者の奥歯近傍に位置している。
【0050】
測定面71が被測定者の口の奥の壁に接触したことに伴い、インジケータランプ72が点灯する。また、測定面71が非測定者の口の奥の壁に接触したことに伴い、圧力センサ12は、受圧面12Dの圧力の検知を開始する。上記の状態で、被測定者が歯を噛み合わせ、受圧面12Dに圧力をかけることで、圧力センサ12が圧力を検知する。そして、ディスプレイ14は、検知された圧力を咬合力として表示する。
【0051】
<第2実施形態の効果>
次に、第2実施形態の効果を説明する。第2実施形態の咬合力計10は、第1実施形態の(1-4)の効果に加え、以下の効果を奏する。
【0052】
(2-1)上記実施形態において、アーム13におけるハンドル11との接続箇所とは反対側の端は、第3軸Zに平行で露出しているガイド面121である。このガイド面121を、口の奥の壁などの接触対象に接触させることで、受圧面12Dを口腔内で位置決めしやすい。そして、ガイド面121が、口の奥に接触したことは、口腔内の触覚、咬合力計10を持っている手指の触覚などで判断でき得る。したがって、口腔内を目視しなくても、口腔内における特定の箇所に受圧面12Dを位置決めしやすくなる。
【0053】
(2-2)上記実施形態において、接触センサ70の測定面71は、ガイド面121内に位置している。したがって、ガイド面121が接触対象に接触したこと、換言すると、ガイド面121が受圧面12Dを正しく位置決めできていることを、接触センサ70で検知できる。
【0054】
(2-3)上記実施形態において、インジケータランプ72は、接触センサ70により物体の接触が検知されたことを条件に、点灯する。したがって、咬合力を測定する際に、測定者は、インジケータランプ72を確認することで、受圧面12Dが適切な位置に配置されたことを把握できる。
【0055】
(2-4)上記実施形態において、圧力センサ12は、接触センサ70により物体の接触が検知されたことを条件に、咬合力の測定を開始する。したがって、ガイド面121による受圧面12Dの位置決めが不完全であるにも拘わらず、意図せず咬合力の測定が行われてしまうといった事態は生じにくい。
【0056】
(2-5)上記実施形態において、ガイド面121は、第3アーム材13Cの第1正方向X1側の端面である。第3アーム材13Cにおける第3軸Z及び第2軸Yに沿う方向の寸法は、第2アーム材13Bの各寸法よりも、わずかに大きくなっている。また、第3アーム材13Cの材質は、第2アーム材13Bの材質よりも軟質である。したがって、第3アーム材13Cのガイド面121が、被測定者の口の奥の壁に接触した場合、第2アーム材13Bの端面がガイド面である場合よりも、口腔内を傷つけにくい。
【0057】
<第3実施形態>
以下、咬合力計の第3実施形態について説明する。なお、第3実施形態の咬合力計10の構造は、第1実施形態の咬合力計の構造と略同一である一方、電気的な構成が異なっている。そのため、以下では、主として、第3実施形態の電気的な構成について説明する。
【0058】
<第3実施形態の咬合力計の電気的な構成について>
図6に示すように、咬合力計10は、制御装置100、圧力センサ12、ディスプレイ14、通信機80、及び複数の操作ボタン90を備えている。図6において図示は省略するが、制御装置100は、ハンドル11に内蔵されている。なお、圧力センサ12及びディスプレイ14は、第1実施形態で説明したものと同一である。制御装置100、圧力センサ12、ディスプレイ14、通信機80、及び複数の操作ボタン90は、配線、ケーブルなどにより、相互に通信可能になっている。
【0059】
制御装置100は、演算装置101、周辺回路102、記憶部103、及び内部バス104を備えている。演算装置101、周辺回路102、及び記憶部103は、内部バス104を介して相互に通信可能になっている。
【0060】
演算装置101は、予め定められたプログラムを実行することにより、圧力センサ12での圧力の検出やディスプレイ14での表示内容を制御する。また、演算装置101は、予め定められたプログラムを実行することにより、記憶部103へのデータの記憶、通信機80でのデータの送受信を制御する。
【0061】
周辺回路102は、演算装置101及び通信機80などを駆動させるための電源回路、時間を計測するためのクロック回路を含んでいる。クロック回路の一例は、水晶振動子を利用した発振回路である。
【0062】
記憶部103は、演算装置101において実行される各種のプログラムを記憶している。記憶部103は、個々の咬合力計10を特定するためのIDデータを記憶している。記憶部103は、演算装置101の指令に基づき、圧力センサ12が検出した圧力の値に関するデータを、第1データとして記憶する。また、記憶部103は、第1データが取得された時間に関する第2データを、第1データと関連付けて記憶する。記憶部103は、通信機80によって受信される被測定者の身体に関する医療データを、第1データ及び第2データと関連付けて記憶する。
【0063】
通信機80は、外部機器と無線通信可能である。図6において図示は省略するが、通信機80は、ハンドル11に内蔵されている。通信機80は、演算装置101からの指令に基づき、記憶部103に記憶されている第1データ、第2データ、及びIDデータを、送信先の機器に送信する。通信機80は、送信先の機器から、送信したIDデータに対応する被測定者の医療データを受信する。
【0064】
操作ボタン90は、咬合力計10を操作するためのボタンである。操作ボタン90の例は、咬合力計10の電源を入れるための電源ボタン、咬合力の測定を開始するためのスタートボタン、ディスプレイ14上で表示される情報を切り替えるための切り替えボタンなどである。なお、1つの操作ボタン90が複数の機能を兼ねていることもある。
【0065】
制御装置100は、外部機器としてのサーバ200と無線通信可能である。サーバ200は、制御装置210及び通信機220を備えている。制御装置210及び通信機220は、配線、ケーブル等により相互に通信可能である。
【0066】
制御装置210は、演算装置211、周辺回路212、記憶部213、及び内部バスを備えている。演算装置211、周辺回路212、及び記憶部213は、内部バスを介して相互に通信可能になっている。
【0067】
演算装置211は、予め定められたプログラムを実行することにより、記憶部213へのデータの記憶、通信機220でのデータの送受信を制御する。周辺回路212は、演算装置211及び通信機220などを駆動させるための電源回路、時間を計測するためのクロック回路を含んでいる。
【0068】
記憶部213は、被測定者毎の医療データを記憶している。医療データの例は、年齢、性別、身長、体重、無歯顎者か否か、過去の咬合力測定の結果などである。なお、記憶部213に記憶されている医療データは、管理者により入力されたデータであったり、咬合力計10ではない他の測定機器によって計測されサーバ200に送信されたものであったりする。また、サーバ200は、IDデータに関連付けて医療データを記憶している。
【0069】
上記の制御装置100及び制御装置210は、コンピュータプログラム(ソフトウェア)に従って各種処理を実行する1つ以上のプロセッサを含む回路(circuitry)として構成し得る。なお、制御装置100及び制御装置210は、各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する、特定用途向け集積回路(ASIC)等の1つ以上の専用のハードウェア回路、又はそれらの組み合わせを含む回路として構成してもよい。プロセッサは、CPU及び、RAM並びにROM等のメモリを含む。メモリは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコード又は指令を格納している。メモリすなわちコンピュータ可読媒体は、汎用又は専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含む。
【0070】
<第3実施形態の咬合力計の咬合力測定処理について>
第3実施形態の咬合力計10における咬合力測定処理について説明する。
測定者によって操作ボタン90が操作されると、制御装置100は、咬合力測定処理を開始する。このとき、制御装置100は、操作ボタン90が操作された時刻を、測定開始時刻として取得する。この測定開始時刻には、年月日も含まれる。また、制御装置100は、取得した測定開始時刻を記憶部103に記憶する。なお、測定開始時刻は、第2データの一例である。
【0071】
制御装置100は、咬合力測定処理を開始すると、圧力センサ12が検出した圧力を取得する。制御装置100は、咬合力測定処理を開始してから予め定められた一定期間が経過するまで、所定の制御周期で、圧力を取得する。一定時間は、例えば、数秒である。制御装置100は、一定期間で取得された圧力の値の平均値及び最大値を算出する。また、制御装置100は、算出した平均値及び最大値を、咬合力測定処理の開始時に記憶部103に記憶した測定開始時刻に関連付けて、記憶部103に記憶する。なお、圧力の平均値及び最大値は、第1データの一例である。
【0072】
制御装置100は、記憶部103が記憶した第1データをディスプレイ14に表示するようにディスプレイ14へ指令する。なお、このとき、制御装置100は、第1データに関連付けられた第2データを第1データと共に表示するように、ディスプレイ14に指令してもよい。
【0073】
制御装置100は、ディスプレイ14への指令と並行して、記憶部103に記憶されている第1データ、第2データ、をIDデータと共に、サーバ200に送信するように通信機80へ指令する。そして、通信機80は、記憶部103に記憶されている第1データ、第2データ、及びIDデータを、互いに関連付けてサーバ200に送信する。
【0074】
サーバ200は、通信機220によって上記データを受信する。制御装置210は、受信したIDデータに対応する第1データ及び第2データを、記憶部213に記憶する。また、サーバ200は、受信したIDデータに対応する医療データに、受信した第1データ及び第2データを関連付けて記憶する。
【0075】
サーバ200は、上記のIDデータに対応する医療データを、咬合力計10に送信するように通信機220へ指令する。そして、通信機220は、当該医療データを咬合力計10へ送信する。
【0076】
咬合力計10の制御装置100は、通信機80によって医療データを受信する。当該医療データは、サーバ200によって第1データ及び第2データに関連付けられたデータである。制御装置100は、受信した医療データを記憶部103に記憶する。制御装置100は、当該医療データをディスプレイ14に表示する。例えば、制御装置100は、過去の咬合力測定の結果、被測定者の身長及び体重をディスプレイ14に表示する。
【0077】
<第3実施形態の効果>
次に、第3実施形態の効果を説明する。第3実施形態の咬合力計10は、第1実施形態の効果に加え、以下の効果を奏する。
【0078】
(3-1)上記実施形態において、制御装置100は、圧力の値に関する第1データと、第1データが取得された時間に関する第2データとを、互いに関連付けて記憶している。例えば、制御装置100が、測定における圧力の最大値と、その測定の年月日と、を関連付けて記憶していると、被測定者の測定した時期による咬合力を確認できる。
【0079】
(3-2)上記実施形態において、制御装置100は、サーバ200と無線通信可能な通信機80を有している。通信機80は、第1データ及び第2データをサーバ200に送信可能である。これによれば、サーバ200において、過去一定期間の第1データ及び第2データ、複数の被測定者の第1データ及び第2データなど、複数のデータを一括で管理できる。
【0080】
(3-3)上記実施形態において、通信機80は、サーバ200から被測定者の身体に関する医療データを受信可能である。また、制御装置100の記憶部103は、受信した第1データ、第2データ、及び医療データを互いに関連付けて記憶している。これによれば、測定した咬合力だけでなく、過去の咬合力測定の結果、身長及び体重など咬合力計10では測定できないデータなど、関連する被測定者の医療データをディスプレイ14で確認できる。
【0081】
<変更例>
上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0082】
・上記実施形態において、圧力センサ12は、圧力を計測するセンサ本体と、センサ本体を覆う袋状のカバーと、を備えていてもよい。圧力センサ12がカバーを有する場合、圧力センサ12の受圧面12D及びガイド面121をカバーが覆ってもよい。この場合でもカバーが可撓性を有していれば、受圧面12D及びガイド面121の形状に追従してカバーが変形できる。
【0083】
・圧力センサ12がカバーを有する例において、カバーが受圧面12D及びガイド面121を有していてもよい。例えば、図7に示す例では、咬合力計10の圧力センサ12は、上記実施形態と同様に、一対の板材12A、第1樹脂材12B、一対の第2樹脂材12Cを備えている。これら、板材12A、第1樹脂材12B、第2樹脂材12Cは、圧力を計測するセンサ本体20を構成する。センサ本体20は、略直方体状である。
【0084】
また、圧力センサ12は、センサ本体20を覆うカバー40を備えている。カバー40は、センサ本体20の全体を覆っている。カバー40は、袋状のカバー材50と、カバー材50の外面に接合された2つの弾性体60と、4つの突起120と、を備えている。
【0085】
カバー材50は、第3軸Zに沿う方向から視たときに、第1軸Xに沿う方向に長い、略長方形状である。カバー材50は、第1負方向X2側が開口しており、第1正方向X1側、第2正方向Y1側、及び第2負方向Y2側が閉塞している。カバー材50は、センサ本体20に加え、アーム13の略全体を覆っている。
【0086】
一方の弾性体60は、カバー材50の第3正方向Z1側の外面に、接合している。もう一方の弾性体60は、カバー材50の第3負方向Z2側の外面に、接合している。弾性体60は、板材である。弾性体60は、第3軸Zに沿う方向からみて、矩形状になっている。第3軸Zに沿う方向から視て、弾性体60の各辺は、第1軸Xまたは第2軸Yと平行になっている。2つの弾性体60は、カバー材50を挟んで対照的な箇所に位置している。
【0087】
カバー40は、弾性体60の外面から突出する複数の突起120を有している。突起120は、第3正方向Z1側の弾性体60の、第3正方向Z1側の外面から突出している。また、突起120は、第3負方向Z2側の弾性体60の、第3負方向Z2側の外面から突出している。
【0088】
突起120は、1つの弾性体60につき、2つ存在している。各突起120は、第1軸Xと平行に延びている。1つの突起120は、弾性体60における第2正方向Y1側の縁の全域に亘って延びている。もう1つの突起120は、弾性体60における第2負方向Y2側の縁の全域に亘って延びている。これら2つの突起120は、第2軸Yに沿う方向に離れている。したがって、弾性体60の第3軸Zと直交する外面のうち、2つの突起120で挟まれた領域は、露出している。そして、この露出している面は、圧力センサ12において、咬合力の計測の際に、歯及び歯茎等の接触対象からの圧力を受ける受圧面12Dである。
【0089】
突起120の形状は、直方体状である。また、上述したとおり、2つの突起120で挟まれた領域は、受圧面12Dである。したがって、圧力センサ12は、各受圧面12Dの外縁から立ち上がる一対のガイド面121を有している。すなわち、カバー40は、受圧面12D及びガイド面121を有している。そして、ガイド面121は、各受圧面12Dを挟んで第2軸Yに沿う方向の両側に1つずつ位置している。突起120の材質は、弾性体60と同一の材質であり、例えば、突起120は弾性体60との一体成形物であってもよい。
【0090】
上記の図7に示す例では、カバー40が設けられているため、計測のたびにカバー40を取り換えたり、洗浄したりすることで、受圧面12Dを常に衛生的に保つことができる。
【0091】
・上記の図7に示す例において、カバー材50は、少なくともセンサ本体20を覆っていればよい。すなわち、アーム13の一部又は全部がカバー40から露出していてもよい。
【0092】
・上記の図7に示す例において、弾性体60が省略されていて、突起120がカバー材50から突出していてもよい。この場合、突起120は、カバー材50との一体成形物であってもよい。このように、カバー40が受圧面12D及びガイド面121を有していれば、カバー40の構成は、上記の図7に示す例に限定されない。
【0093】
・上記実施形態において、圧力センサ12は、第3軸Zの寸法が可変な可変機構を有していてもよい。図8に示す咬合力計10の圧力センサ12の例のように、可変機構は、内部に空洞を有し、空洞に流体を出し入れ可能なバルーン12Eであってもよい。
【0094】
具体的には、図8に示すように、圧力センサ12は、一対の板材12Aと、第1樹脂材12Bと、一つの第2樹脂材12Cと、を備えている。また、第1実施形態と同様に、第2樹脂材12Cは、第3正方向Z1側の外面に一対の突起120を備えている。また、第1実施形態と同様に、2つの突起120で挟まれた領域は、受圧面12Dである。
【0095】
第2樹脂材12Cの第3負方向Z2側の面には、バルーン12Eが取り付けられている。バルーン12Eは、弾性を有する伸縮可能な樹脂材である。バルーン12Eの第3負方向Z2を向く面は、咬合力の計測の際に接触対象からの圧力を受ける受圧面12Dである。
【0096】
バルーン12Eは、内部が空洞になっている。本実施形態では、当該空洞に、流体のオイルが満たされている。また、バルーン12Eは、バルーン12Eの内外を貫通する貫通孔を有している。なお、図8において貫通孔の図示は省略する。当該貫通孔にチューブ等を差し込むことで、バルーン12Eの空洞にオイルを出し入れできる。なお、咬合力を測定するとき等、チューブを差し込む必要がないときは、貫通孔は閉栓されている。バルーン12Eにオイルを出し入れすることでバルーン12Eが伸び縮みし、第3正方向Z1を向く受圧面12Dと反対側の受圧面12Dとの第3軸Zに沿う方向の最大の距離LMが変更できる。
【0097】
上記の図8に示す圧力センサ12の例では、オイルを出し入れすることで、被測定者にとって噛みやすいと感じる距離LMに自在に変更できる。この場合、被測定者にとって適切な距離LMにすることで、不安定な状態で咬合力を測定することを抑制できる。
【0098】
・上記の図8に示す例において、バルーン12Eに空洞に満たされる対象は、流体であればオイルでなくてもよい。例えば、バルーン12Eの内部に気体を満たしてもよい。
・上記の図8に示す例において、咬合力の測定の際に、バルーン12Eが、接触対象から圧力を受ける位置であれば、バルーン12Eの配置は、図8の例に限定されない。例えば、第2樹脂材12Cの内部に位置していてもよい。
【0099】
・例えば、上記の図8のバルーン12Eを備えた圧力センサ12を、第2実施形態の咬合力計10に適用する場合、突起120は省略できる。
・可変機構は、バルーン12Eでなくてもよい。例えば、複数の樹脂を層状に重ねたものを、第2樹脂材12Cの第3軸Zを向く面に着脱可能に接合してもよい。当該樹脂の各層も、互いに着脱可能で接合されている。この場合、上記の樹脂の各層を着脱させることで、最大の距離LMが変更可能である。
【0100】
・第2実施形態において、圧力センサ12がアーム13から突出する方向は、第2正方向Y1及び第2負方向Y2のどちらでもよく、また、これらの方向が切り替え可能であってもよい。
【0101】
具体的には、図9に示す例では、アーム13における第1アーム材13Aが、シャフトSを介して、ハンドル11に連結している。シャフトSは、第1軸Xに沿う方向に平行である。第1アーム材13Aは、シャフトSの中心軸線を中心として180度回転可能である。したがって、アーム13全体が、ハンドル11に対して回転可能である。この例において、圧力センサ12が、アーム13から第2正方向Y1に突出している状態を第1状態とする。この第1状態から、図9に示す破線矢印Pで示すように、アーム13をハンドル11に対して180度回転させる。このとき、アーム13の回転に合わせて、圧力センサ12は、第3正方向Z1に向かって移動し、その後、第2負方向Y2に向かって変位する。この結果、圧力センサ12がアーム13から第2負方向Y2に突出する第2状態へと切り替わる。すなわち、図9に示す例では、アーム13を回転させることで、咬合力計10は、第1状態と、第2状態とを切り替えできる。
【0102】
仮に、第1状態で、被測定者の左側の咬合力を測定すると、ディスプレイ14を有するハンドル11の面が、第3負方向Z2を向く。この状態では、ディスプレイ14に表示された咬合力を確認しにくい。一方で、第2状態で、被測定者の左側の咬合力を測定すると、ディスプレイ14を有するハンドル11の面が、第3正方向Z1を向く。この状態では、ディスプレイ14に表示された咬合力を確認しやすい。すなわち、被測定者となる歯の測定対象が左右のどちらの場合でも、第1状態と第2状態とを切り替えることで、ディスプレイ14を確認しながら、咬合力の測定ができる。
【0103】
なお、図9に示す例において、咬合力の測定時においてハンドル11に対するアーム13の回転位置は適宜調節すればよい。例えば、第1状態と第2状態との中間の状態で、咬合力を測定しても構わない。
【0104】
・上記の図9に示す例において、アーム13は、360度回転可能であってもよい。少なくともアーム13が180度以上回転可能であれば、第1状態と第2状態とを切り替え可能である。
【0105】
・上記実施形態において、圧力センサ12の形状は、上記実施形態の例に限定されない。例えば、受圧面12Dが、第3軸Zに直交せず、第3軸Zに対して傾斜していてもよい。図10に示す例では、圧力センサ12は、上記実施形態のように、一対の板材12A、第1樹脂材12B、一対の第2樹脂材12Cを備えている。これら、板材12A、第1樹脂材12B、第2樹脂材12Cは、圧力を計測するセンサ本体20を構成する。
【0106】
また、図10に示す例では、第1実施形態と同様に、1つの第2樹脂材12Cにおいて2つの突起120を備えている。各突起120は、四角柱状である。2つの突起120は、第2軸Yに沿う方向に離れている。したがって、第2樹脂材12Cにおける第3軸Zと交差する外面のうち、2つの突起120で挟まれた領域は、露出している。そして、この露出している面は、圧力センサ12において、咬合力の計測の際に、歯及び歯茎等の接触対象からの圧力を受ける受圧面12Dである。
【0107】
図10に示す例において、第3軸Z沿う方向において、第3正方向Z1を向く受圧面12Dの反対側の面を反対面12DDとする。なお、反対面12DDも、咬合力の計測の際に接触対象からの圧力を受ける受圧面である。
【0108】
受圧面12Dは、第1軸Xに沿う方向においてハンドル11に近づくほど、すなわち第1負方向X2に向かうほど、反対面12DDからの距離が大きくなっている。換言すると、受圧面12Dは、反対面12DDに対して傾斜している。なお、図10に示す例では、反対面12DDも、受圧面12Dの傾斜と同じように、第3軸Zに対して傾斜している。すなわち、図10に示す例では、第1軸X及び第2軸Yの双方を含む面に対して、受圧面12D及び反対面12DDは傾斜している。また、受圧面12D及び反対面12DDの第3軸Zに対する傾斜角度は、いずれも同じである。
【0109】
図10に示す例では、受圧面12Dと同様に、突起120の第3軸Zを向く面も傾斜している。すなわち、第3正方向Z1側の突起120の最も第3正方向Z1に位置する面は、第1軸Xに沿う方向においてハンドル11に近づくほど、反対面12DDからの距離が大きくなっている。これにより、各受圧面12Dの外縁から立ち上がるガイド面121の第3軸Zに沿う寸法は、第1軸Xに沿う方向においてハンドル11に近づくほど長くなっている。
【0110】
被測定者の口は顎関節を支点として略扇状に開く。そのため、被測定者が咬合する際には、顎関節に近いほど対象物の厚さが小さいと噛みやすい。図10に示す咬合力計10では、第1軸Xに沿う方向においてハンドル11に近づくほど、すなわち第1負方向X2に向かうほど、反対面12DDからの距離が大きくなっている。換言すると、一対の受圧面12Dの第3軸Zに沿う方向の寸法は、第1正方向X1に向かうほど、小さくなっている。
【0111】
図10に示す変更例においては、受圧面12D及び反対面12DDの距離が、咬合力計10の使用時において口腔内の奥側ほど小さくなる。被測定者が口を開けたとき、口腔内における上下のスペースは、口腔内の奥側ほど小さいことが一般的である。そのため、被測定者の口腔内に咬合力計10を挿入した場合、被測定者が噛みやすく感じる可能性が高い。また、このように、被測定者が口を開けたときの上下のスペースに合わせて、圧力センサ12の寸法を設計しているので、被測定者がガイド面121に沿って歯を受圧面12Dに押し当てたときに、歯が受圧面12Dからずれにくい。
【0112】
・上記の受圧面12Dの傾斜に関する構成を第2実施形態に適用してもよい。例えば、図11に示す例では、圧力センサ12は、図10に示す例と同様に、一対の板材12A、第1樹脂材12B、一対の第2樹脂材12Cを備えている。ただし、図11に示す例の圧力センサ12は、図10に示す例における突起120に対応する構成を有していない。
【0113】
図11に示す例において、第3軸Z沿う方向において、第3正方向Z1を向く受圧面12Dの反対側の面を反対面12DDとする。なお、反対面12DDも、咬合力の計測の際に接触対象からの圧力を受ける受圧面である。
【0114】
当該受圧面12Dは、図10に示す例と同様に、第1軸Xに沿う方向においてハンドル11に近づくほど、反対面12DDからの距離が大きくなっている。すなわち、受圧面12Dは、反対面12DDに対して傾斜している。
【0115】
・上記実施形態において、ハンドル11、圧力センサ12、アーム13を備えていれば、咬合力計10の構成は上記実施形態の例に限定されない。例えば、ハンドル11、圧力センサ12、アーム13、ディスプレイ14以外の構成を有していてもよい。また、ハンドル11、圧力センサ12、アーム13、ディスプレイ14の形状も適宜変更できる。
【0116】
・上記実施形態において、圧力センサ12の構成は上記実施形態の例に限定されない。例えば、ダイアフラムを介して流体の圧力を感圧素子で検出するダイアフラム式、ひずみセンサを利用したゲージ式などであってもよい。
【0117】
・第1実施形態において、突起120の形状は、実施形態の例に限定されない。突起120の外面の一部が受圧面12Dから立ち上がる面、すなわちガイド面121になっているのであれば、突起120の形状は問わない。
【0118】
・受圧面12D及びガイド面121の形状は平面に限らない。例えば、第1実施形態において、受圧面12D及びガイド面121で構成される窪みの形状が、被測定者の歯の形状に合わせた形状であってもよい。この場合、ガイド面121で位置決めした後に、受圧面12Dが口腔内において位置ずれする可能性は低い。また、第2実施形態において、ガイド面121が外側に向かって凸な半球面状であってもよい。
【0119】
・第1実施形態において、突起120の数は、1つでもよいし、3つ以上でもよい。また、突起120の配置は、上記第1実施形態の例に限定されない。例えば、突起120が、第2樹脂材12Cの第2正方向Y1、及び第2負方向Y2の縁に設けられておらず、第1正方向X1の縁に沿って位置していてもよい。この場合でも突起120の第1負方向X2を向く面に測定対象である歯などの内側を引っかけることで、受圧面12Dの位置決めが可能である。なお、この変更例の場合、ガイド面121は、第1軸Xに交差する面となる。
【0120】
・第1実施形態において、突起120は第2樹脂材12Cと別の材質で合ってもよい。また、突起120を含む部材が第2樹脂材12Cに取り付けられていてもよい。すなわち、受圧面12Dは、第2樹脂材12Cの外面でなくてもよい。
【0121】
・上記実施形態において、受圧面12Dが湾曲していてもよい。例えば、第3正方向Z1に位置する受圧面12Dの中央部が、第3正方向Z1に突出していてもよい。この場合、上述の距離LMは、第3正方向Z1に位置する受圧面12Dと、当該受圧面12Dと反対側の受圧面12Dとの最大の距離LMとする。
【0122】
・上記実施形態において、第3正方向Z1に位置する受圧面12Dと当該受圧面12Dと反対側の受圧面12Dとの第3軸Zに沿う方向の距離LMは、13mmより小さくてもよい。
【0123】
・第2実施形態において、圧力センサ12がアーム13に取り付けられる位置は適宜変更できる。アーム13の全体の長さによっては、圧力センサ12が、第2アーム材13Bの中央よりもハンドル11に近い側に取り付けられていてもよい。
【0124】
・第2実施形態において、圧力センサ12は、接触センサ70により物体の接触が検知されたことを条件とせずに咬合力の測定を開始してもよい。すなわち、圧力センサ12は、常に受圧面12Dの圧力を検知する状態であってもよい。この場合、ディスプレイ14に表示された値が安定するまで測定することで、適切な咬合力を測定できる。
【0125】
・第2実施形態において、接触センサ70の測定面71は、ガイド面121の範囲外に位置していてもよい。ただし、接触センサ70によって、ガイド面121が口腔内の特定の箇所に接触したことを検出するという観点では、測定面71及びガイド面121は、できるだけ近くに位置していることが好ましい。
【0126】
・第2実施形態において、接触センサ70は、圧力を検知するセンサに限られない。例えば、接触センサ70は、測定面71に水分が付着したことを検知するセンサであってもよい。また、接触センサ70は、測定面71が接触した物体の温度を検知するセンサであってもよい。すなわち、接触センサ70は、測定面71に物体が接触したことを検知できればよい。また、第2実施形態において、咬合力計10が、接触センサ70を備えていなくてもよい。
【0127】
・第2実施形態において、音、振動、光のうちの少なくとも1つにより報知を行う報知器を備えていればよい。すなわち、上記実施形態において報知器は、インジケータランプ72に限定されない。例えば、ディスプレイ14を光による報知を行う報知器として機能させてもよい。ディスプレイ14が報知器として機能する場合、接触センサ70が物体の接触を検知したこと条件に、ディスプレイ14の画面が変更されたり、画面が点灯したりするとよい。また、例えば、咬合力計10が、報知器としてスピーカを備えていてもよい。その場合、スピーカは、接触センサ70が物体の接触を検知したことを条件に、音を発して報知する。また、咬合力計10が、報知器として、振動モータを備えていてもよい。その場合、振動モータは、接触センサ70が物体の接触を検知したことを条件に回転し、回転に伴って発生する振動で報知する。
【0128】
・第3実施形態の通信に関する構成を第2実施形態の咬合力計10に適用してもよい。
・第3実施形態において、第1データは、圧力、すなわち咬合力に関するデータであれば、適宜変更できる。例えば、第1データは、圧力の平均値及び最大値のどちらか一方のみでもよい。また、第1データは、圧力の平均値及び最大値に限らず、所定の制御周期で取得した全ての圧力の値であってもよい。
【0129】
・第3実施形態において、第2データは、第1データが取得された時間に関するデータであれば適宜に変更できる。例えば、第2データは、測定開始時刻からの経過時間を含んでいてもよい。その場合、制御装置100は経過時間ごとに、圧力センサ12が取得する圧力値を関連付けて記憶できる。このような構成では、例えば、制御装置100は、被測定者の1秒ごとの咬合力を記憶できる。そして、制御装置100は、1秒ごとの咬合力をグラフとしてディスプレイ14に表示できる。この例では、被測定者の咬合力の経時的な変化を、例えば、棒グラフや折れ線グラフといったかたちで表示できる。
【0130】
・また、第2データは、咬合力計10の測定終了時刻、及び測定開始時刻から測定終了時刻までの経過時間を含んでいてもよい。たとえば、測定開始時刻を、圧力センサ12が圧力を検知し始めた時刻とし、測定終了時刻を、圧力センサ12が検知する圧力が0になった時刻とすることができる。このような構成によれば、被測定者が噛み続けられる時間を測定できる。
【0131】
・第3実施形態において、制御装置100は、第1データ及び第2データに加えて、他のデータを取得してもよい。制御装置100は、環境データを取得してもよい。環境データは、例えば、外気温や湿度などである。また、制御装置100は、環境データを第1データの補正に適用してもよい。環境データは、咬合力計10が備える温度センサ及び湿度センサから取得してもよいし、通信機80によって外部の通信機器から取得してもよい。このような構成によれば、例えば温度や湿度における制御装置100や圧力センサ12の回路の特性変化に対応することができる。
【0132】
・第3実施形態において、通信機80が第1データ、第2データ、及びIDデータを送信する宛先は、サーバ200に限定されない。例えば、スマートフォンなどの通信機器でもよい。
【0133】
・第3実施形態において、咬合力計10は通信機80を備えていなくてもよい。その場合でも、制御装置100は第1データ及び第2データを関連させて記憶できる。
・第3実施形態において、咬合力計10の制御装置100は、サーバ200等の外部機器から第2データを取得してもよい。例えば、操作ボタン90が押された際に、通信機80がサーバ200にリクエスト信号を送信し、サーバ200がそのリクエスト信号を受信したタイミングを測定開始時刻として咬合力計10に送信する。そして、制御装置100は、サーバ200から受信した当該測定開始時刻を取得する。
【符号の説明】
【0134】
10…咬合力計
11…ハンドル
12…圧力センサ
12A…板材
12B…第1樹脂材
12C…第2樹脂材
12D…受圧面
13…アーム
14…ディスプレイ
120…突起
121…ガイド面
LM…距離
X…第1軸
Y…第2軸
Z…第3軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11