(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-20
(45)【発行日】2025-01-28
(54)【発明の名称】管理装置、管理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04L 41/0895 20220101AFI20250121BHJP
【FI】
H04L41/0895
(21)【出願番号】P 2023510045
(86)(22)【出願日】2021-03-31
(86)【国際出願番号】 JP2021013894
(87)【国際公開番号】W WO2022208754
(87)【国際公開日】2022-10-06
【審査請求日】2023-09-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】十楚 航
(72)【発明者】
【氏名】前佛 創
【審査官】木村 雅也
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/121869(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/240274(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第105530116(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 41/0895
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソフトウェアで実装されたネットワーク機能として実行されるVNF(Virtual Network Function)の仮想リソースを提供するNFVI(Network Function Virtualization Infrastructure)の制御を行うVIM(Virtualized Infrastructure Manager)と、
前記NFVI上にて、ネットワークサービスを実現するNFVO(NFV-Orchestrator)と、
前記VNFの管理を行うVNFM(VNF Manager)と、
前記VNFMにおけるデータ障害を検出する検出部と、
前記データ障害が検出された場合、前記NFVO、前記VIM及び前記VNFから情報を収集して、新たなVNFMの運用データを構築する構築部と、
を備え、
前記構築部は、運用状態である前記VNFを特定し、特定した運用状態の前記VNFを管理するための前記新たなVNFMの運用データを構築する、
管理装置。
【請求項2】
前記NFVOは、少なくともVNFR(Virtualized Network Function Record)を保持し、
前記構築部は、
前記NFVOから前記VNFRを取得し、
取得した前記VNFRから前記VNFの運用情報を抽出し、
該運用情報を用いて前記新たなVNFMの運用データを構築する、
請求項1に記載の管理装置。
【請求項3】
前記構築部は、
前記VNFRから、運用状態の前記VNFの構成要素であるVDU(Virtualization Deployment Unit)の情報を取得し、
取得したVDU情報を用いて、運用状態である前記VNFの接続先の前記VIMから、前記NFVIが管理する仮想リソース情報を取得し、
前記VDU情報と前記仮想リソース情報とを用いて、前記新たな前記VNFMの運用データを構築する、
請求項
2に記載の管理装置。
【請求項4】
前記構築部は、
取得した前記VNFRから前記VNFへの管理用接続情報を取得し、
前記管理用接続情報を用いて前記VNFにアクセスし、前記VNFの固有情報を取得することにより前記新たな前記VNFMの運用データを構築する、
請求項2
又は3に記載の管理装置。
【請求項5】
ソフトウェアで実装されたネットワーク機能として実行されるVNF(Virtual Network Function)の管理を行うVNFM(VNF Manager)におけるデータ障害を検出し、
前記データ障害が検出された場合、
運用状態である前記VNFを特定し、前記VNFの仮想リソースを提供するNFVI(Network Function Virtualization Infrastructure)の制御を行うVIM(Virtualized Infrastructure Manager)と、前記NFVI上にて、ネットワークサービスを実現するNFVO(NFV-Orchestrator)及び前記VNFから情報を収集して、
特定した運用状態の前記VNFを管理するための新たなVNFMの運用データを構築する、
管理方法。
【請求項6】
ソフトウェアで実装されたネットワーク機能として実行されるVNF(Virtual Network Function)の管理を行うVNFM(VNF Manager)におけるデータ障害を検出し、
前記データ障害が検出された場合、
運用状態である前記VNFを特定し、前記VNFの仮想リソースを提供するNFVI(Network Function Virtualization Infrastructure)の制御を行うVIM(Virtualized Infrastructure Manager)と、前記NFVI上にて、ネットワークサービスを実現するNFVO(NFV-Orchestrator)及び前記VNFから情報を収集して、
特定した運用状態の前記VNFを管理するための新たなVNFMの運用データを構築する、
処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項7】
前記NFVOは、少なくともVNFR(Virtualized Network Function Record)を保持し、
前記NFVOから前記VNFRを取得し、
取得した前記VNFRから前記VNFの運用情報を抽出し、
該運用情報を用いて前記新たなVNFMの運用データを構築する、
処理をコンピュータに実行させる、
請求項
6に記載のプログラム。
【請求項8】
前記VNFRから、運用状態の前記VNFの構成要素であるVDU(Virtualization Deployment Unit)の情報を取得し、
取得したVDU情報を用いて、運用状態である前記VNFの接続先の前記VIMから、前記NFVIが管理する仮想リソース情報を取得し、
前記VDU情報と前記仮想リソース情報とを用いて、前記新たな前記VNFMの運用データを構築する、
処理をコンピュータに実行させる、
請求項
7に記載のプログラム。
【請求項9】
取得した前記VNFRから前記VNFへの管理用接続情報を取得し、
前記管理用接続情報を用いて前記VNFにアクセスし、前記VNFの固有情報を取得することにより前記新たな前記VNFMの運用データを構築する、
請求項7又は8に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ネットワーク機能仮想化(Network Functions Virtualization:NVF)の管理装置、管理方法及びプログラムが格納されたコンピュータ可読媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
仮想化技術を用いてネットワークをソフトウェア的に実現するNFV等が知られている。非特許文献1には、欧州電気通信標準化機構(European Telecommunications Standards Institute:ETSI)により、NFV参照アーキテクチャ(NFV reference architectural framework)が定義されている。
【0003】
このアーキテクチャにおいて、NFV MANO(Management and Orchestration)は、NFVO(NFV Orchestrator)、VNFM(VNF Manager)、VIM(Virtualized Infrastructure Manager)を備える。VNFMは、ネットワーク機能をVM(Virtual Machine)で実現するVNF(Virtual Network Function)の運用・管理を行う。
【0004】
特許文献1には、NFVOに対するデータを保持するデータベース(DB)と、VNFMに対するデータを保持するDBと、VIMに対するデータを保持するDBと、上記DBのうちの少なくとも2つのDBの間でデータを同期させる同期部を備える、仮想化管理・オーケストレーション装置が開示されている。この装置では、NFVOがVNFの状態が不明(例えば、NFVOのDBが保持するVNFR(Virtual Network Function Record)に含まれるデータが不定)であることを検出した場合、保守担当者は、VNFM又はVIMのDBが保持するデータを用いて、NFVOのDBの対応するデータを更新してデータの整合性を回復する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【非特許文献】
【0006】
【文献】ETSI GS NFV 002 V1.1.1 (2013-10) Network Functions Virtualisation (NFV); Figure 4. NFV Reference Architectural Framework
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
VNFMにおいてデータ不整合が発生した場合、バックアップデータを用いてデータの修復を行うことが考えられる。しかし、運用方式によりバックアップデータが古い場合、最新のVNFの状態と差分が発生し、VNFの制御ができなくなる恐れがある。
【0008】
また、VNFを再構築する方法もあるが、VNFの停止・再起動とサービス中断の影響が大きいという問題がある。VNFを再構築することにより、VNFの管理情報が新規に作成されるため、従来利用してきたVNFの情報が破棄され、運用上の問題を引き起こすケースも想定される。
【0009】
本開示の目的は、バックアップデータを用いることなく、可能な限り最新のデータでVNFMを新たに構築することが可能な、管理装置、管理方法及びプログラムが格納されたコンピュータ可読媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
一態様に係る管理装置は、ソフトウェアで実装されたネットワーク機能として実行されるVNFの仮想リソースを提供するNFVIの制御を行うVIMと、前記NFVI上にて、ネットワークサービスを実現するNFVOと、前記VNFの管理を行うVNFMと、前記VNFMにおけるデータ障害を検出する検出部と、前記データ障害が検出された場合、前記NFVO、前記VIM及び前記VNFから情報を収集して、新たなVNFMの運用データを構築する構築部とを備えるものである。
【0011】
一態様に係る管理方法は、ソフトウェアで実装されたネットワーク機能として実行されるVNFの管理を行うVNFMにおけるデータ障害を検出し、前記データ障害が検出された場合、前記VNFの仮想リソースを提供するNFVIの制御を行うVIMと、前記NFVI上にて、ネットワークサービスを実現するNFVO及び前記VNFから情報を収集して、新たなVNFMの運用データを構築する。
【0012】
一態様に係るコンピュータ可読媒体は、ソフトウェアで実装されたネットワーク機能として実行されるVNFの管理を行うVNFMにおけるデータ障害を検出し、前記データ障害が検出された場合、前記VNFの仮想リソースを提供するNFVIの制御を行うVIMと、前記NFVI上にて、ネットワークサービスを実現するNFVO及び前記VNFから情報を収集して、新たなVNFMの運用データを構築する、処理をコンピュータに実行させるプログラムが格納されたものである。
【発明の効果】
【0013】
上述の態様によれば、バックアップデータを用いることなく、可能な限り最新のデータでVNFMを新たに構築することが可能な、管理装置、管理方法及びプログラムが格納されたコンピュータ可読媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】ETSIにより定義される、NFV参照アーキテクチャを説明する図である。
【
図2】実施の形態に係る管理装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】実施の形態に係る管理方法を示すフロー図である。
【
図4】実施の形態に係る管理方法のシーケンスを例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本開示の実施の形態について説明する。なお、以下の記載及び図面は、説明の明確化のため、適宜、省略及び簡略化がなされている。また、以下の各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。また、以下で示す具体的な数値などは、本開示の理解を容易とするための例示にすぎず、これに限定されるものではない。
【0016】
実施の形態は、サーバ上の仮想化レイヤ上に実装したVM(Virtual Machine)により、ネットワーク機能をソフトウェアで実現するNFV(Network Functions Virtualization)の管理装置に関する。まず、
図1を参照して、ETSIにより定義される、NFV参照アーキテクチャを説明する。
図1は、ETSIにより定義される、NFV参照アーキテクチャを説明する図である。
【0017】
図1を参照すると、VNF(Virtual Network Function)4はソフトウェアで実装され、ネットワーク機能として実行される。また、VNF4ごとに管理機能となるEMS(Element Management System)5が設けられる。VNF4は、性能設定情報や障害情報などの固有情報を保持している。
【0018】
NFVI6は、VNF4の実行基盤をなす。NFVI6は、コンピューティング、ストレージ、ネットワーク機能等の物理マシン(サーバ)のハードウェアリソースを、ハイパーバイザ(Hypervisor)等の仮想化レイヤで仮想化した仮想化コンピューティング、仮想化ストレージ、仮想化ネットワーク等の仮想リソースとして実現する。
【0019】
NFV MANO(Management and Orchestration)10は、ハードウェアリソースやソフトウェアリソースの管理、並びにVNFの管理機能とオーケストレーション機能を提供する。NFV MANO10は、NFVO(NFV-Orchestrator)1、VNFM(VNF manager)2、VIM(Virtualized Infrastructure Manager)3を備えている。
【0020】
NFVO1は、VNF4とNFVI6の管理及びオーケストレーションを行う。具体的には、NFVO1は、NFVI6上で、ネットワークサービス(VNF4へのリソース割り当て、VNFの管理(例えば、オートヒーリング(障害自動再構成)、オートスケーリング、VNFのライフサイクル管理等)を実現する。NFVO1は、VNF4の状態や運用状態などを示すVNFR(VNF Record)情報を保持、管理する。また、NFVO1は、VNF4の構成を定義した、VNFD(VNF Descriptor)を管理する。
【0021】
VNFM2は、VNF4のライフサイクル管理(例えば、生成、更新、問い合わせ、ヒーリング、スケーリング、終了等)及びイベント通知を行う。VNFM2は、VNF4のインスタンス化とVNFインスタンスのライフサイクル管理においてVNFDを用いる。
【0022】
VIM3は、VNF4を動作させるために必要となる仮想リソースの割り当てを実施する。VIM3は、仮想化レイヤを介してNFVI6を制御し、例えば、コンピューティング、ストレージ、ネットワークのリソース管理、NFVの実行基盤であるNFVIの障害監視、リソース情報の監視等を実施する。
【0023】
NFVフレームワーク外には、OSS(Operations Support Systems)/BSS(Business Support systems)7が設けられる。OSSは、例えば通信事業者(キャリア)がサービスを構築し、運営していくために必要なシステム(機器やソフトウェア、仕組みなど)を総称したものである。BSSは、例えば通信事業者(キャリア)が利用料などの課金、請求、顧客対応などのために使う情報システム(機器やソフトウェア、仕組みなど)の総称である。
【0024】
このように、実施の形態は、ETSIに定義されるNFV参照アーキテクチャに準拠している。上述の通り、VNFM2は、NFV MANO10の1つのコンポーネントとしてVNFの運用・管理を行う機構として定義されている。
【0025】
VNFM2は、大きく分けて3つの対向システムとの接続関係を持つ。すなわち、VNFM2は、NFVO1、VIM3、VNF4と連携している。VNFM2は、これら3つの対向システムと情報の送信・受領を行い、VNFの管理・運用を行っている。
【0026】
本発明者は、VNFM2においてデータ不整合が発生し、システム復旧が出来ないケースを想定し、可能な限り最新の情報を用いてVNFM2を再構築するために、以下の構成を考案した。VNFM2が管理すべき情報は上記3つの対向システムが持つ情報をベースとして構成されている。この特性を利用し、3つの対向システムからVNFM2が管理すべき情報を収集することでVNFMの再構築を可能とする。
【0027】
図2は、実施の形態に係る管理装置の構成を示すブロック図である。
図2において、
図1と同一の構成要素には同一の符号を付している。
図2に示すように、管理装置は、NFVO1、VNFM2、VIM3、VNF4を含む。また、VNFM2は、検出部11、構築部12を含む。
【0028】
検出部11は、VNFM2におけるデータ障害を検出する。構築部12は、検出部11でデータ障害が検出された場合、NFVO1、VIM3及びVNF4から情報を収集して、新たなVNFMを構築する。このように、実施の形態では3つの対向システムから情報を取得することにより、VNFMを新たに構築して、システムを復旧させることが可能となる。
【0029】
VNFM2は、VNF4を管理するために、以下の情報を保持している。
・VNFの構成情報
VNF4の構成情報ついては、例えば、VNF名、VNF機能、FPGA対応可否、VNFイメージファイル及びFPGA互換性等の情報が保持される。
・仮想リソースを取得するためのVIMへの接続情報
VIM3への情報については、例えば、VIM3の識別子と、VIM3によって割り当てられた仮想リソースに関する情報とを含む。割り当てられた仮想リソースに関する情報は、割り当てられたリソースのタイプと量とを含み得る。
・VNFライフサイクル管理のポリシー情報
このポリシー情報は、VNF4に対してライフサイクル管理オペレーションを実行し、ネットワークサービスをデプロイするための装置の権限を記述するために使用される。
【0030】
VNFM2の運用データが破壊された場合、上記の情報を修復するために、VNFM2は以下の情報をキーとして対向システムから情報を取得する必要がある。
・対向システム(NFVO1、VIM3、VNF4)への接続情報
・動作しているVNF4の一覧情報
【0031】
VNFM2が故障した場合に対向システムから情報を取得する手法について、図3、4を参照して説明する。図3は、実施の形態に係る管理方法を示すフロー図であり、図4はそのシーケンスを例示する図である。以下の説明では、故障したVNFMを旧環境のVNFM、復旧に向けて新たに構築されるVNFMを新環境のVNFMとする。なお、図4におけるVNFM2は、新環境のVNFMである。図4において、図3のステップに対応する箇所には同一の符号を付している。
【0032】
ステップS10において、検出部11は、旧環境のVNFMの故障を検出する。旧環境のVNFMの故障が検出されると、運用者は復旧対象のVNFMを新たに構築する(ステップS11)。新環境のVNFM2を構築する際、構築部12は、旧環境にて接続されていた対向システムとの接続情報(EndPointなど)を設定する。このとき新環境のVNFM2は、VNF4に関する運用情報を保持していない。
【0033】
次に、構築部12は、NFVO1からVNFRの一覧を取得する(ステップS12)。VNFRは、VNF4を一意に特定する情報(例えば、VNF ID)や、VNF4の構成を記したVNFD情報、VNF4の運用・稼働状況、VNF4を管理するための接続情報など、VNF4に関する運用情報を含む。
【0034】
構築部12は、NFVO1よりVNFRの一覧を取得した後、取得したVNFRからVNFの運用情報を抽出する。そして、該運用情報を用いて新環境のVNFMの運用データを構築する(ステップS13)。
【0035】
NFVO1は、NFVI6上で動作するすべてのVNF4の情報をVNFRとして保持している。そのため、構築部12は、これらのVNFRをすべて参照することで、運用状態であるVNFを認識することが可能となる。ここで、「運用状態のVNF」は、VNFRの運用・稼働状況から削除されていないVNFを指す。
【0036】
例えば、構築部12は運用状態であるVNF4を特定する。構築部12は、この特定した運用状態のVNF4の運用情報を用いて、新環境のVNFM2における、運用状態のVNF4のみを管理するための運用データを構築してもよい。
【0037】
具体的には、構築部12は、特定した運用状態のVNF4のVNFRから、該VNFの構成情報(VNFを構成しているVDU(Virtual Deployment Unit)やCP(Connection Point)などの情報)やこれらのリソースにアクセスするための接続情報などを取得し、該VNF4の運用データの構築を行う。
【0038】
上記VDU情報には、VDU識別子や、どのVIM3を介して仮想リソースが作成されたかを示す、VIM3の接続先情報などが含まれる。構築部12は、取得した運用状態のVNF4のVDU情報を用いて、該VNF4の接続先のVIM3から、NFVI6が管理する仮想リソース情報を取得する(ステップS14)。
【0039】
なお、VNF4が有するVDU情報は、NFVO1が有するVNFパッケージのVNFDに定義されている。この定義情報とステップS14において確認した仮想リソース情報とを用いて、新環境のVNFM2における、VNF4の仮想リソースの構成情報(運用データ)を構築する。
【0040】
そして、VNFM2は、VNF4への接続を復旧する(ステップS15)。構築部12は、各VNFRから、各VNF及びVDUへの管理用接続情報を取得する。VNF及びVDUへの管理用接続情報には、VNFM2が各種仮想リソースを管理するための接続先IPアドレスの情報(VDUmgmt IPアドレス)が含まれる。
【0041】
VNFM2は、このIPアドレスを用いて、VNF4へアクセスを行う。構築部12は、この管理用接続情報を用いて各VNF4へアクセスし、運用に必要となるステートレスな設定情報や障害情報などの、VNF4の現在の固有情報の取得を実施する。このように、実施の形態によれば、各対向システムから取得した情報を用いて、新環境のVNFM2の運用データを構築することが可能となる。
【0042】
以上説明したように、実施の形態によれば、VNFM2の対向システムからVNFM2が管理すべき情報を収集することで、常に最新の情報にてVNFM2の運用データの復旧が可能となる。また、再度VNF4を構築せずに、新たなVNFM2の運用データを構築することができるため、サービス停止時間をVNF再構築時間より抑えることが可能となる。
【0043】
なお、図面に記載された様々な処理を行う各機能ブロックは、ハードウェア的には、プロセッサ、メモリ、その他の回路で構成することができる。また、上述した処理を、プロセッサにプログラムを実行させることにより実現することも可能である。従って、これらの機能ブロックは、ハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、又はそれらの組合せによっていろいろな形で実現でき、いずれかに限定されるものではない。
【0044】
上述したプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0045】
以上、実施の形態を参照して本開示を説明したが、本開示は上述した実施の形態に限定されるものではない。本開示の構成や詳細には、本開示のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0046】
また、上述した実施の形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0047】
(付記1)
ソフトウェアで実装されたネットワーク機能として実行されるVNF(Virtual Network Function)の仮想リソースを提供するNFVI(Network Function Virtualization Infrastructure)の制御を行うVIM(Virtualized Infrastructure Manager)と、
前記NFVI上にて、ネットワークサービスを実現するNFVO(NFV-Orchestrator)と、
前記VNFの管理を行うVNFM(VNF Manager)と、
前記VNFMにおけるデータ障害を検出する検出部と、
前記データ障害が検出された場合、前記NFVO、前記VIM及び前記VNFから情報を収集して、新たなVNFMの運用データを構築する構築部と、
を備える、
管理装置。
(付記2)
前記NFVOは、少なくともVNFR(Virtualized Network Function Record)を保持し、
前記構築部は、
前記NFVOから前記VNFRを取得し、
取得した前記VNFRから前記VNFの運用情報を抽出し、
該運用情報を用いて前記新たなVNFMの運用データを構築する、
付記1に記載の管理装置。
(付記3)
前記構築部は、運用状態である前記VNFを特定し、特定した運用状態の前記VNFを管理するための前記新たなVNFMの運用データを構築する、
付記2に記載の管理装置。
(付記4)
前記構築部は、
前記VNFRから、運用状態の前記VNFの構成要素であるVDU(Virtualization Deployment Unit)の情報を取得し、
取得したVDU情報を用いて、運用状態である前記VNFの接続先の前記VIMから、前記NFVIが管理する仮想リソース情報を取得し、
前記VDU情報と前記仮想リソース情報とを用いて、前記新たな前記VNFMの運用データを構築する、
付記3に記載の管理装置。
(付記5)
前記構築部は、
取得した前記VNFRから前記VNFへの管理用接続情報を取得し、
前記管理用接続情報を用いて前記VNFにアクセスし、前記VNFの固有情報を取得することにより前記新たな前記VNFMの運用データを構築する、
付記2~4のいずれかに記載の管理装置。
(付記6)
ソフトウェアで実装されたネットワーク機能として実行されるVNF(Virtual Network Function)の管理を行うVNFM(VNF Manager)におけるデータ障害を検出し、
前記データ障害が検出された場合、前記VNFの仮想リソースを提供するNFVI(Network Function Virtualization Infrastructure)の制御を行うVIM(Virtualized Infrastructure Manager)と、前記NFVI上にて、ネットワークサービスを実現するNFVO(NFV-Orchestrator)及び前記VNFから情報を収集して、新たなVNFMの運用データを構築する、
管理方法。
(付記7)
前記NFVOは、少なくともVNFR(Virtualized Network Function Record)を保持し、
前記NFVOから前記VNFRを取得し、
取得した前記VNFRから前記VNFの運用情報を抽出し、
該運用情報を用いて前記新たなVNFMの運用データを構築する、
付記6に記載の管理方法。
(付記8)
運用状態である前記VNFを特定し、特定した運用状態の前記VNFを管理するための前記新たなVNFMの運用データを構築する、
付記7に記載の管理方法。
(付記9)
前記VNFRから、運用状態の前記VNFの構成要素であるVDU(Virtualization Deployment Unit)の情報を取得し、
取得したVDU情報を用いて、運用状態である前記VNFの接続先の前記VIMから、前記NFVIが管理する仮想リソース情報を取得し、
前記VDU情報と前記仮想リソース情報とを用いて、前記新たな前記VNFMの運用データを構築する、
付記8に記載の管理方法。
(付記10)
取得した前記VNFRから前記VNFへの管理用接続情報を取得し、
前記管理用接続情報を用いて前記VNFにアクセスし、前記VNFの固有情報を取得することにより前記新たな前記VNFMの運用データを構築する、
付記7~9のいずれかに記載の管理方法。
(付記11)
ソフトウェアで実装されたネットワーク機能として実行されるVNF(Virtual Network Function)の管理を行うVNFM(VNF Manager)におけるデータ障害を検出し、
前記データ障害が検出された場合、前記VNFの仮想リソースを提供するNFVI(Network Function Virtualization Infrastructure)の制御を行うVIM(Virtualized Infrastructure Manager)と、前記NFVI上にて、ネットワークサービスを実現するNFVO(NFV-Orchestrator)及び前記VNFから情報を収集して、新たなVNFMの運用データを構築する、
処理をコンピュータに実行させるプログラムが格納された、
コンピュータ可読媒体。
(付記12)
前記NFVOは、少なくともVNFR(Virtualized Network Function Record)を保持し、
前記NFVOから前記VNFRを取得し、
取得した前記VNFRから前記VNFの運用情報を抽出し、
該運用情報を用いて前記新たなVNFMの運用データを構築する、
処理をコンピュータに実行させるプログラムが格納された、
付記11に記載のコンピュータ可読媒体。
(付記13)
運用状態である前記VNFを特定し、特定した運用状態の前記VNFを管理するための前記新たなVNFMの運用データを構築する、
処理をコンピュータに実行させるプログラムが格納された、
付記12に記載のコンピュータ可読媒体。
(付記14)
前記VNFRから、運用状態の前記VNFの構成要素であるVDU(Virtualization Deployment Unit)の情報を取得し、
取得したVDU情報を用いて、運用状態である前記VNFの接続先の前記VIMから、前記NFVIが管理する仮想リソース情報を取得し、
前記VDU情報と前記仮想リソース情報とを用いて、前記新たな前記VNFMの運用データを構築する、
処理をコンピュータに実行させるプログラムが格納された、
付記13に記載のコンピュータ可読媒体。
(付記15)
取得した前記VNFRから前記VNFへの管理用接続情報を取得し、
前記管理用接続情報を用いて前記VNFにアクセスし、前記VNFの固有情報を取得することにより前記新たな前記VNFMの運用データを構築する、
処理をコンピュータに実行させるプログラムが格納された、
付記12~14のいずれかに記載のコンピュータ可読媒体。
【符号の説明】
【0048】
1 NFVO
2 VNFM
3 VIM
4 VNF
5 EMS
6 NFVI
7 OSS/BSS
10 NFV MANO
11 検出部
12 構築部