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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-20
(45)【発行日】2025-01-28
(54)【発明の名称】表示制御装置、表示方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08B 27/00 20060101AFI20250121BHJP
   G08B 25/10 20060101ALI20250121BHJP
   G01S 13/74 20060101ALI20250121BHJP
【FI】
G08B27/00 A
G08B25/10 A
G01S13/74
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023534439
(86)(22)【出願日】2021-07-12
(86)【国際出願番号】 JP2021026105
(87)【国際公開番号】W WO2023286115
(87)【国際公開日】2023-01-19
【審査請求日】2023-12-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】福川 政利
【審査官】村山 禎恒
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/129055(WO,A1)
【文献】特開2006-318247(JP,A)
【文献】特開2015-102880(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B 23/00-31/00
G01S 13/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
現場で作業を行う複数の作業主体にそれぞれ装着された複数の検出装置の間で電波が送受信されることにより行われた測距の結果を示す測距結果情報を用いて、基準点に対する前記複数の作業主体それぞれの位置を算出する位置算出手段と、
前記作業主体である作業者に装着された面体に、1つ以上の前記作業主体の位置を示す位置情報を表示させるように制御を行う表示制御手段と、
を有する表示制御装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記面体を装着している前記作業者の位置が、当該作業者とは異なる前記作業主体の位置よりも目立つような表示形態で表示されるように、制御を行う、
請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記表示制御手段は、前記面体に、少なくとも当該面体を装着した前記作業者が前記現場から退避する際の退避ルートを表示させるように、制御を行う、
請求項1又は2に記載の表示制御装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、前記面体に、前記作業者の移動軌跡に基づいて生成された前記退避ルートが表示されるように、制御を行う、
請求項3に記載の表示制御装置。
【請求項5】
前記表示制御手段は、前記面体に、前記現場の指揮を行う指揮官の操作に応じて生成された前記退避ルートが表示されるように、制御を行う、
請求項3に記載の表示制御装置。
【請求項6】
前記表示制御手段は、前記面体に、当該面体を装着した前記作業者が進むべき方角を表示させることで、前記退避ルートが表示されるように、制御を行う、
請求項3に記載の表示制御装置。
【請求項7】
前記表示制御手段は、前記面体に、前記現場の位置に対応する、メッシュ状に分割された複数のエリアが表示され、表示された前記エリアに前記作業主体の位置が重畳されて表示されるように、制御を行う、
請求項1から6のいずれか1項に記載の表示制御装置。
【請求項8】
前記表示制御手段は、前記作業主体によって探索されたと判定された前記エリアの表示形態が、前記作業主体によって探索されたと判定されていない前記エリアの表示形態とは異なるように、制御を行う、
請求項7に記載の表示制御装置。
【請求項9】
現場で作業を行う複数の作業主体にそれぞれ装着された複数の検出装置の間で電波が送受信されることにより行われた測距の結果を示す測距結果情報を用いて、基準点に対する前記複数の作業主体それぞれの位置を算出し、
前記作業主体である作業者に装着された面体に、1つ以上の前記作業主体の位置を示す位置情報を表示させるように制御を行う、
表示方法。
【請求項10】
現場で作業を行う複数の作業主体にそれぞれ装着された複数の検出装置の間で電波が送受信されることにより行われた測距の結果を示す測距結果情報を用いて、基準点に対する前記複数の作業主体それぞれの位置を算出するステップと、
前記作業主体である作業者に装着された面体に、1つ以上の前記作業主体の位置を示す位置情報を表示させるように制御を行うステップと、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示制御装置、表示方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、地中式清掃工場の火災発生時の作業員の避難、消火に当たる消防隊員を支援する防災総合システムを開示する。特許文献1にかかるシステムは、プラント監視盤と、映像制御盤と、要員の携帯するPHSと基地局との通信を通じて現在位置を特定する位置監視盤と、小型カメラと表示画面を有する保全用情報端末とを備える。また、特許文献1にかかるシステムは、プラント監視盤からの非常用設備の稼動情報、位置監視盤からの位置情報をそれぞれ受信し、予め用意された工場の図面情報と共にCRT表示部に表示する防災総合表示盤を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-115796号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1にかかる技術では、要員の携帯するPHSと、予め工場に設けられた基地局との通信を通じて、要員の現在位置を特定する。言い換えると、特許文献1にかかる技術では、現場に基地局が設置されていないと、消防隊員等の要員(作業主体)の位置を特定することができない。したがって、特許文献1にかかる技術では、インフラが整備されていなければ、消防隊員等の作業主体の位置を把握することは困難である。
【0005】
本開示の目的は、このような課題を解決するためになされたものであり、インフラが整備されていない場合であっても作業主体の位置を把握することが可能となる表示制御装置、表示システム、表示方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示にかかる表示制御装置は、現場で作業を行う複数の作業主体にそれぞれ装着された複数の検出装置の間で電波が送受信されることにより行われた測距の結果を示す測距結果情報を用いて、基準点に対する前記複数の作業主体それぞれの位置を算出する位置算出手段と、前記作業主体である作業者に装着された面体に、1つ以上の前記作業主体の位置を示す位置情報を表示させるように制御を行う表示制御手段と、を有する。
【0007】
また、本開示にかかる表示システムは、現場で作業を行う複数の作業主体にそれぞれ装着された複数の検出装置と、前記作業主体である作業者に装着される面体と、表示制御装置と、を有し、前記複数の検出装置それぞれは、他の検出装置との間で電波を送受信することにより、前記他の検出装置との間の測距を行い、前記表示制御装置は、前記測距の結果を示す測距結果情報を用いて、基準点に対する前記複数の作業主体それぞれの位置を算出する位置算出手段と、前記作業主体である作業者に装着された面体に、1つ以上の前記作業主体の位置を示す位置情報を表示させるように制御を行う表示制御手段と、を有し、前記面体は、前記表示制御装置の制御に応じて、前記作業主体の位置情報を表示する。
【0008】
また、本開示にかかる表示方法は、現場で作業を行う複数の作業主体にそれぞれ装着された複数の検出装置の間で電波が送受信されることにより行われた測距の結果を示す測距結果情報を用いて、基準点に対する前記複数の作業主体それぞれの位置を算出し、前記作業主体である作業者に装着された面体に、1つ以上の前記作業主体の位置を示す位置情報を表示させるように制御を行う。
【0009】
また、本開示にかかるプログラムは、現場で作業を行う複数の作業主体にそれぞれ装着された複数の検出装置の間で電波が送受信されることにより行われた測距の結果を示す測距結果情報を用いて、基準点に対する前記複数の作業主体それぞれの位置を算出するステップと、前記作業主体である作業者に装着された面体に、1つ以上の前記作業主体の位置を示す位置情報を表示させるように制御を行うステップと、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、インフラが整備されていない場合であっても作業主体の位置を把握することが可能となる表示制御装置、表示システム、表示方法及びプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示の実施の形態にかかる表示システムの概要を示す図である。
図2】本開示の実施の形態にかかる表示制御装置によって実行される表示方法を示すフローチャートである。
図3】実施の形態1にかかる表示システムを示す図である。
図4】実施の形態1にかかる装置に搭載されている情報処理装置のハードウェア構成を示す図である。
図5】実施の形態1にかかる検出装置の構成を示す図である。
図6】実施の形態1にかかる表示システムにおける検出装置間の測距を説明するための図である。
図7】実施の形態1にかかる面体の構成を示す図である。
図8】実施の形態1にかかる面体の構成を示す図である。
図9】実施の形態1にかかる監視装置によって表示される隊長画面を例示する図である。
図10】実施の形態1にかかる表示制御装置の構成を示す図である。
図11】実施の形態1にかかる表示システムによって実行される表示方法を示すフローチャートである。
図12】隊員が存在する現場を例示する図である。
図13】実施の形態1にかかる表示制御装置の制御によって表示される位置情報表示画面を例示する図である。
図14図13に例示された位置情報表示画面に分割エリアが表示された状態を例示する図である。
図15図13に例示された位置情報表示画面が隊員画面に表示された状態を例示する図である。
図16図14に例示された位置情報表示画面において、マップ情報が表示されていない状態を例示する図である。
図17図13に例示された位置情報表示画面に退避ルートが表示された状態を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(本開示にかかる実施の形態の概要)
本開示の実施形態の説明に先立って、本開示にかかる実施の形態の概要について説明する。図1は、本開示の実施の形態にかかる表示システム1の概要を示す図である。
【0013】
表示システム1は、複数の検出装置2と、面体4と、表示制御装置10とを有する。複数の検出装置2は、現場で作業を行う複数の作業主体6にそれぞれ装着される。なお、作業主体は、作業者と、人間ではない移動体とを含む。複数の検出装置2それぞれは、他の検出装置2との間で電波を送受信することにより、他の検出装置2との間の測距を行う。
【0014】
面体4は、作業主体6である作業者に装着される。なお、例えば作業現場が火災現場である場合、作業者は、例えば消防隊員である。しかしながら、作業者は、消防隊員に限定されない。作業者は、作業現場の形態に応じて、適宜、変更され得る。例えば、作業者は、警察官、自衛隊員、レスキュー隊員、建設現場作業員、原子力発電作業員、倉庫の作業員、空港の作業員、モールの作業員等であってもよい。つまり、本実施の形態にかかる面体4は、様々な作業者に装着され得る。以下、適宜、作業者(作業主体)が消防隊員である場合の例について述べることがある。
【0015】
表示制御装置10は、例えば、コンピュータ(情報処理装置)で構成されてもよい。表示制御装置10は、検出装置2と、例えばネットワークを介して通信可能に接続され得る。表示制御装置10は、位置算出部12と、表示制御部14とを有する。
【0016】
図2は、本開示の実施の形態にかかる表示制御装置10によって実行される表示方法を示すフローチャートである。位置算出部12は、複数の検出装置2の間の測距の結果を示す測距結果情報を用いて、基準点に対する複数の作業主体6それぞれの位置を算出する(ステップS12)。好ましくは、位置算出部12は、複数の検出装置2の間の測距の結果を示す測距結果情報を用いて得られた複数の検出装置2の間の相対位置に基づいて、基準点に対する複数の作業主体6それぞれの位置を算出する。表示制御部14は、作業者に装着された面体4に、1つ以上の作業主体6の位置を示す位置情報を表示させるように、制御を行う(ステップS14)。例えば、表示制御部14は、作業者に装着された面体4に、少なくとも当該作業者を含む1つ以上の作業主体6の位置を示す位置情報を表示させるように、制御を行う。これにより、作業者に装着された面体4に、作業主体6の位置情報が表示される。
【0017】
一般的に、屋内の現場の指揮を屋外で行う指揮官(消防隊長等)は、現場で作業を行っている作業者(隊員、作業主体)の位置を把握することが困難である。したがって、指揮官は、無線による音声情報、又は、カメラ映像等を用いて、隊員の位置を把握することが多い。一方で、インフラの倒壊又は発生した煙により視界が確保できない状況に陥った場合、音声情報及びカメラ映像のみによって隊員の位置を把握するのは難しい。また、隊員自身も、現場で作業を行っていると、自己又は他の隊員の位置を把握できないことがある。この場合も、上記と同様に、音声情報及びカメラ映像のみでは、隊員自身が自己又は他の隊員の位置を把握することは困難である。
【0018】
特許文献1にかかる技術では、上述したように、位置標定のために建物に予め設置されている基地局を用いて、建物内の要員の位置を把握することができる。しかしながら、上述したように、特許文献1にかかる技術では、予め、基地局の設置といったインフラの整備が必要となる。また、災害現場等では、建物が倒壊するなどにより、インフラが倒壊する可能性がある。したがって、位置標定のためのインフラが整備されていなくても、作業者(作業主体)の位置を把握することが望ましい。
【0019】
本実施の形態にかかる表示システム1(表示制御装置10)は、複数の検出装置2の間で測距が行われた結果を用いて、基準点に対する複数の作業主体6(作業者、隊員)それぞれの位置を算出するように構成されている。したがって、インフラが整備されていない場合であっても、作業主体の位置を特定することができる。さらに、本実施の形態にかかる表示システム1(表示制御装置10)は、作業者に装着された面体4に、1つ以上の作業主体6の位置を示す位置情報を表示させるように、制御を行うように構成されている。したがって、インフラが整備されていない場合であっても、作業者は、作業主体の位置を把握することが可能となる。さらに、位置情報を指揮官の端末に表示させることで、インフラが整備されていない場合であっても、指揮官は、作業主体の位置を把握することが可能となる。
【0020】
また、特許文献1にかかる技術では、基地局を介して位置標定(測位)を行っているので、ネットワーク環境及びサーバの処理能力等により、位置標定のレスポンスが遅くなる可能性がある。ここで、災害現場等ではリアルタイム性が要求されるので、隊員の位置標定の際に遅延が発生することは、好ましくない。これに対し、本実施の形態では、基地局といったインフラ設備を介さないで位置標定を行うので、位置標定の際に遅延が発生することを抑制することが可能となる。
【0021】
また、地磁気を活用したインフラフリーの屋内測位技術もある。しかしながら、この技術では、前もって、その環境の地磁気マップを作成しておく等、事前の環境調査が必要となり、手間がかかる。これに対し、本実施の形態では、作業主体にそれぞれ装着された複数の検出装置の間で電波が送受信されることにより行われた測距の結果を用いて隊員の位置標定を行うので、事前の準備は不要である。
【0022】
(実施の形態1)
以下、実施形態について、図面を参照しながら説明する。説明の明確化のため、以下の記載及び図面は、適宜、省略、及び簡略化がなされている。また、各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。
【0023】
図3は、実施の形態1にかかる表示システム20を示す図である。表示システム20は、図1に示した表示システム1に対応する。表示システム20は、アンカーポイント30と、監視装置40と、複数の作業者装置50と、表示制御装置100とを有する。なお、図3には、4つの作業者装置50A~50Dが示されているが、作業者装置50の数は、任意の2以上の数であってもよい。
【0024】
複数の作業者装置50それぞれは、制御装置52、検出装置60及び面体70を有する。なお、制御装置52、検出装置60及び面体70は、互いに、物理的に別個であってもよい。検出装置60は、図1に示した検出装置2に対応する。また、面体70は、図1に示した面体4に対応する。作業者装置50(制御装置52、検出装置60及び面体70)は、作業者(隊員)に装着されている。制御装置52及び検出装置60は、隊員の任意の場所(例えば隊員が背負っている空気ボンベの下部など)に設けられている。また、面体70は、隊員の頭部に装着されている。
【0025】
また、作業者装置50A(制御装置52A、検出装置60A及び面体70A)は、隊員Aに装着されている。また、作業者装置50B(制御装置52B、検出装置60B及び面体70B)は、隊員Bに装着されている。また、作業者装置50C(制御装置52C、検出装置60C及び面体70C)は、隊員Cに装着されている。さらに、作業者装置50D(制御装置52D、検出装置60D及び面体70D)は、隊員Dに装着されている。つまり、図3の例では、4人の隊員A~Dが、現場で作業を行っている。
【0026】
制御装置52は、例えば制御ボックスである。制御装置52は、検出装置60及び面体70の動作を制御する。制御装置52は、検出装置60及び面体70が表示制御装置100と通信を行う際に、通信に必要な処理を行ってもよい。また、制御装置52は、検出装置60及び面体70が通信機能を有さない場合に、表示制御装置100と通信を行ってもよい。また、制御装置52は、作業者の作業に必要な情報を表示する画面を生成する。そして、制御装置52は、画面を面体70に表示させる。その際に、制御装置52は、表示制御装置100と通信を行って、表示制御装置100の制御によって、画面を面体70に表示させてもよい。
【0027】
図1等を用いて上述したように、複数の検出装置60それぞれは、他の検出装置60との間で電波を送受信することにより、他の検出装置60との間の測距を行う。具体的には、検出装置60は、UWB(Ultra Wide Band;超広帯域)無線システムによる電波(UWB電波)を、他の検出装置60との間で送受信する。なお、UWB無線システムは、その通信範囲は近距離(半径10m程度)であるものの、測距に用いることが可能である。これにより、検出装置60は、近傍の他の検出装置60との間の測距を行う。例えば、検出装置60Aは、検出装置60Bと間で電波を送受信することによって、検出装置60Aと検出装置60Bとの間の距離を計測する。
【0028】
面体70は、空気マスク及び透明窓(フェイスシールド)を備える。また、面体70(又は検出装置60)は、ガスセンサ及び温度センサを有してもよい。さらに、面体70は、スマートマスクとしての機能を有する。つまり、面体70は、必要な情報を隊員が視認可能に表示する。また、図1等を用いて上述したように、面体70は、隊員(作業者、作業主体)の位置情報を表示する。その際に、面体70は、後述するように、表示制御装置100による制御によって、隊員(作業者、作業主体)の位置情報を表示する。検出装置60及び面体70については後述する。
【0029】
表示制御装置100は、図1に示した表示制御装置10に対応する。表示制御装置100は、例えばパソコン又はサーバ等のコンピュータである。表示制御装置100は、アンカーポイント30及び監視装置40と、有線又は無線を介して通信可能に接続されている。表示制御装置10は、監視装置40と、例えばWLAN(Wireless Local Area Network)等のネットワーク22を介して通信可能に接続されている。
【0030】
また、表示制御装置100は、作業者装置50(制御装置52、検出装置60及び面体70)と、無線を介して通信可能に接続されている。具体的には、表示制御装置100は、作業者装置50と、例えばLPWA(Low Power Wide Area)等の、長距離通信(数km~数十km程度の信号の伝送)が可能な無線通信技術によって、通信可能に接続されている。
【0031】
上述した表示制御装置10と同様に、表示制御装置100は、複数の検出装置60の間の測距の結果を示す測距結果情報を用いて得られた複数の検出装置60の間の相対位置に基づいて、基準点に対する複数の隊員それぞれの位置を算出する。また、表示制御装置100は、面体70に、隊員の位置を示す位置情報を表示させるように、制御を行う。また、表示制御装置100は、監視装置40に、隊員の位置情報を表示させるように、制御を行う。詳しくは後述する。
【0032】
アンカーポイント30は、隊員A~D(作業者、作業主体)の位置標定(測位)を行う際の、基準点となる。つまり、アンカーポイント30を基準点として、隊員A~Dの位置が算出される。言い換えると、隊員A~Dの位置標定の際に、アンカーポイント30の位置を原点した座標系(座標空間)における、隊員A~Dの絶対位置が算出される。アンカーポイント30は、隊員によって、例えば現場の入口付近に設置される。
【0033】
アンカーポイント30は、例えばUWBアンカーである。アンカーポイント30は、近傍の検出装置60との間で電波を送受信することにより、その検出装置60との間の測距を行う。具体的には、アンカーポイント30は、UWB電波を、近傍の検出装置60との間で送受信する。これにより、検出装置60は、近傍の検出装置60との間の測距を行う。例えば、アンカーポイント30は、近傍の検出装置60Aと間で電波を送受信することによって、アンカーポイント30と検出装置60Aとの間の距離を計測する。
【0034】
監視装置40は、隊員の指揮官(隊長)によって操作される。監視装置40は、現場から離れた場所に置かれ得る。監視装置40は、例えば、ノートパソコン又はタブレット端末であってもよい。監視装置40は、後述するように、表示制御装置100による制御によって、隊員(作業者、作業主体)の位置情報を表示する。また、監視装置40は、位置情報以外にも、隊員の活動状況(作業状況)を表示し得る。監視装置40に表示される画面の詳細については後述する。
【0035】
また、監視装置40は、指揮官の操作に応じてメッセージを生成する。生成されたメッセージは、表示制御装置100によって作業者装置50(制御装置52又は面体70)に送信される。これにより、後述するように、面体70は、作業者が視認可能にメッセージを表示する。
【0036】
図4は、実施の形態1にかかる装置に搭載されている情報処理装置101のハードウェア構成を示す図である。情報処理装置101は、コンピュータとしての機能を有する。情報処理装置101は、表示制御装置100、監視装置40及び作業者装置50(制御装置52、検出装置60及び面体70)に、搭載され得る。
【0037】
情報処理装置101は、主要なハードウェア構成として、制御部102と、記憶部104と、通信部106と、インタフェース部108(IF;Interface)とを有する。制御部102、記憶部104、通信部106及びインタフェース部108は、データバスなどを介して相互に接続されている。
【0038】
制御部102は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサである。制御部102は、制御処理及び演算処理等を行う演算装置としての機能を有する。記憶部104は、例えばメモリ又はハードディスク等の記憶デバイスである。記憶部104は、例えばROM(Read Only Memory)又はRAM(Random Access Memory)等である。記憶部104は、制御部102によって実行される制御プログラム及び演算プログラム等を記憶するための機能を有する。また、記憶部104は、処理データ等を一時的に記憶するための機能を有する。記憶部104は、データベースを含み得る。
【0039】
通信部106は、他の装置と通信を行うために必要な処理を行う。通信部106は、通信ポート、ルータ、ファイアウォール等を含み得る。インタフェース部108は、例えばユーザインタフェース(UI)である。インタフェース部108は、キーボード、タッチパネル又はマウス等の入力装置と、ディスプレイ又はスピーカ等の出力装置とを有する。インタフェース部108は、ユーザによるデータの入力の操作を受け付け、ユーザに対して情報を出力する。
【0040】
図5は、実施の形態1にかかる検出装置60の構成を示す図である。検出装置60は、UWBモジュール62と、慣性計測装置64と、気圧センサ66とを有する。なお、UWBモジュール62、慣性計測装置64及び気圧センサ66は、互いに物理的に離れていてもよい。
【0041】
UWBモジュール62は、UWB電波を、近傍の検出装置60に送信する。また、UWBモジュール62は、近傍の検出装置60から送信されたUWB電波を受信する。これにより、UWBモジュール62は、その近傍の検出装置60までの距離を計測(推定)する。具体的には、UWBモジュール62は、TOA(Time Of Arrival)の技術により、近傍の検出装置60までの、UWB電波のパルスの伝搬時間を測定することにより、測距を行う。UWBモジュール62(検出装置60)は、近傍の検出装置60までの距離を示す距離情報と、その近傍の検出装置60の識別情報とを含む測距結果情報を生成する。なお、アンカーポイント30も、UWBモジュール62と同様の機能を有し得る。また、測距結果情報には、UWBモジュール62の電波の方向を示す情報が含まれていてもよい。つまり、測距結果情報は、UWBモジュール62が他の検出装置60のUWBモジュール62に対して送信した電波の方向、又は、UWBモジュール62が他の検出装置60のUWBモジュール62から受信した電波の方向を、示してもよい。
【0042】
慣性計測装置64は、例えばIMU(Internal Measurement Unit)である。慣性計測装置64は、例えば、加速度センサ及びジャイロセンサ等を含む。慣性計測装置64は、隊員の角速度及び加速度を計測することによって、隊員の姿勢、つまり隊員の向いている方角を検出する。慣性計測装置64は、検出結果を示すIMU情報を生成する。
【0043】
気圧センサ66は、周囲の環境における気圧を計測する。気圧センサ66は、計測結果である気圧情報を生成する。なお、後述するように、気圧情報を用いて、隊員が位置している場所のフロアレベルが特定(推定)され得る。
【0044】
制御装置52は、検出装置60によって生成された検出情報を、表示制御装置100に送信する。言い換えると、検出装置60は、制御装置52を介して、検出情報を表示制御装置100に送信する。なお、検出装置60が通信機能を有している場合、検出装置60が、検出情報を表示制御装置100に送信してもよい。なお、検出情報は、測距結果情報と、IMU情報と、気圧情報とを含む。制御装置52(又は検出装置60)は、LPWA等の長距離通信技術によって、検出情報を表示制御装置100に送信する。また、制御装置52は、表示制御装置100による制御により、後述するヘッドアップディスプレイ74に表示される画面を生成する。
【0045】
図6は、実施の形態1にかかる表示システム20における検出装置60間の測距を説明するための図である。ここで、アンカーポイント30は、基準点となるので、XY座標系における原点(0,0)に対応する。
【0046】
アンカーポイント30のUWBモジュールが、近傍の検出装置60AにUWB電波を送信した(近傍の検出装置60AとUWB電波を送受信した)場合、アンカーポイント30(UWBモジュール)は、検出装置60Aまでの距離を計測する。ここで、「近傍」とは、UWB電波が到達する程度(例えば10m~20m程度)に近いことを意味する。そして、アンカーポイント30(UWBモジュール)は、検出装置60Aまでの距離を示す距離情報と、検出装置60A(隊員A)の識別情報とを含む測距結果情報「An→A」を生成する。なお、アンカーポイント30は、検出装置60Aから、検出装置60A(隊員A)の識別情報を示すUWB電波を受信することによって、検出装置60A(隊員A)の識別情報を取得してもよい。また、アンカーポイント30は、検出装置60Aから、検出装置60Aまでの距離を示すUWB電波を受信することによって、検出装置60Aまでの距離を示す距離情報を取得してもよい。
【0047】
同様に、検出装置60AのUWBモジュール62が、近傍のアンカーポイント30にUWB電波を送信した(近傍のアンカーポイント30とUWB電波を送受信した)場合、検出装置60AのUWBモジュール62は、アンカーポイント30までの距離を計測する。そして、検出装置60AのUWBモジュール62は、アンカーポイント30までの距離を示す距離情報と、アンカーポイント30の識別情報とを含む測距結果情報「A→An」を生成する。なお、検出装置60Aは、アンカーポイント30から、アンカーポイント30の識別情報を示すUWB電波を受信することによって、アンカーポイント30の識別情報を取得してもよい。また、検出装置60Aは、アンカーポイント30から、アンカーポイント30までの距離を示すUWB電波を受信することによって、アンカーポイント30までの距離を示す距離情報を取得してもよい。なお、測距結果情報「A→An」で示される距離情報は、測距結果情報「An→A」で示される距離情報と、概ね(実質的に)同じであり得る。
【0048】
また、検出装置60AのUWBモジュール62が、近傍の検出装置60BにUWB電波を送信した(近傍の検出装置60BとUWB電波を送受信した)場合、検出装置60AのUWBモジュール62は、検出装置60Bまでの距離を計測する。そして、検出装置60AのUWBモジュール62は、検出装置60Bまでの距離を示す距離情報と、検出装置60B(隊員B)の識別情報とを含む測距結果情報「A→B」を生成する。なお、検出装置60Aは、検出装置60Bから、検出装置60B(隊員B)の識別情報を示すUWB電波を受信することによって、検出装置60B(隊員B)の識別情報を取得してもよい。また、検出装置60Aは、検出装置60Bから、検出装置60Bまでの距離を示すUWB電波を受信することによって、検出装置60Bまでの距離を示す距離情報を取得してもよい。
【0049】
同様に、検出装置60BのUWBモジュール62が、近傍の検出装置60AにUWB電波を送信した(近傍の検出装置60AとUWB電波を送受信した)場合、検出装置60BのUWBモジュール62は、検出装置60Aまでの距離を計測する。そして、検出装置60BのUWBモジュール62は、検出装置60Aまでの距離を示す距離情報と、検出装置60A(隊員A)の識別情報とを含む測距結果情報「B→A」を生成する。なお、検出装置60Bは、検出装置60Aから、検出装置60A(隊員A)の識別情報を示すUWB電波を受信することによって、検出装置60A(隊員A)の識別情報を取得してもよい。また、検出装置60Bは、検出装置60Aから、検出装置60Aまでの距離を示すUWB電波を受信することによって、検出装置60Aまでの距離を示す距離情報を取得してもよい。なお、測距結果情報「B→A」で示される距離情報は、測距結果情報「A→B」で示される距離情報と、概ね(実質的に)同じであり得る。
【0050】
また、検出装置60BのUWBモジュール62が、近傍の検出装置60CにUWB電波を送信した(近傍の検出装置60CとUWB電波を送受信した)場合、検出装置60BのUWBモジュール62は、検出装置60Cまでの距離を計測する。そして、検出装置60BのUWBモジュール62は、検出装置60Cまでの距離を示す距離情報と、検出装置60C(隊員C)の識別情報とを含む測距結果情報「B→C」を生成する。なお、検出装置60Bは、検出装置60Cから、検出装置60C(隊員C)の識別情報を示すUWB電波を受信することによって、検出装置60C(隊員C)の識別情報を取得してもよい。また、検出装置60Bは、検出装置60Cから、検出装置60Cまでの距離を示すUWB電波を受信することによって、検出装置60Cまでの距離を示す距離情報を取得してもよい。
【0051】
同様に、検出装置60CのUWBモジュール62が、近傍の検出装置60BにUWB電波を送信した(近傍の検出装置60BとUWB電波を送受信した)場合、検出装置60CのUWBモジュール62は、検出装置60Bまでの距離を計測する。そして、検出装置60CのUWBモジュール62は、検出装置60Bまでの距離を示す距離情報と、検出装置60B(隊員B)の識別情報とを含む測距結果情報「C→B」を生成する。なお、検出装置60Cは、検出装置60Bから、検出装置60B(隊員B)の識別情報を示すUWB電波を受信することによって、検出装置60B(隊員B)の識別情報を取得してもよい。また、検出装置60Cは、検出装置60Bから、検出装置60Bまでの距離を示すUWB電波を受信することによって、検出装置60Bまでの距離を示す距離情報を取得してもよい。なお、測距結果情報「C→B」で示される距離情報は、測距結果情報「B→C」で示される距離情報と、概ね(実質的に)同じであり得る。
【0052】
また、検出装置60BのUWBモジュール62が、近傍の検出装置60DにUWB電波を送信した(近傍の検出装置60DとUWB電波を送受信した)場合、検出装置60BのUWBモジュール62は、検出装置60Dまでの距離を計測する。そして、検出装置60BのUWBモジュール62は、検出装置60Dまでの距離を示す距離情報と、検出装置60D(隊員D)の識別情報とを含む測距結果情報「B→D」を生成する。なお、検出装置60Bは、検出装置60Dから、検出装置60D(隊員D)の識別情報を示すUWB電波を受信することによって、検出装置60D(隊員D)の識別情報を取得してもよい。また、検出装置60Bは、検出装置60Dから、検出装置60Dまでの距離を示すUWB電波を受信することによって、検出装置60Dまでの距離を示す距離情報を取得してもよい。
【0053】
同様に、検出装置60DのUWBモジュール62が、近傍の検出装置60BにUWB電波を送信した(近傍の検出装置60BとUWB電波を送受信した)場合、検出装置60DのUWBモジュール62は、検出装置60Bまでの距離を計測する。そして、検出装置60DのUWBモジュール62は、検出装置60Bまでの距離を示す距離情報と、検出装置60B(隊員B)の識別情報とを含む測距結果情報「D→B」を生成する。なお、検出装置60Dは、検出装置60Bから、検出装置60B(隊員B)の識別情報を示すUWB電波を受信することによって、検出装置60B(隊員B)の識別情報を取得してもよい。また、検出装置60Dは、検出装置60Bから、検出装置60Bまでの距離を示すUWB電波を受信することによって、検出装置60Bまでの距離を示す距離情報を取得してもよい。なお、測距結果情報「D→B」で示される距離情報は、測距結果情報「B→D」で示される距離情報と、概ね(実質的に)同じであり得る。
【0054】
また、検出装置60CのUWBモジュール62が、近傍の検出装置60DにUWB電波を送信した(近傍の検出装置60DとUWB電波を送受信した)場合、検出装置60CのUWBモジュール62は、検出装置60Dまでの距離を計測する。そして、検出装置60CのUWBモジュール62は、検出装置60Dまでの距離を示す距離情報と、検出装置60D(隊員D)の識別情報とを含む測距結果情報「C→D」を生成する。なお、検出装置60Cは、検出装置60Dから、検出装置60D(隊員D)の識別情報を示すUWB電波を受信することによって、検出装置60D(隊員D)の識別情報を取得してもよい。また、検出装置60Cは、検出装置60Dから、検出装置60Dまでの距離を示すUWB電波を受信することによって、検出装置60Dまでの距離を示す距離情報を取得してもよい。
【0055】
同様に、検出装置60DのUWBモジュール62が、近傍の検出装置60CにUWB電波を送信した(近傍の検出装置60CとUWB電波を送受信した)場合、検出装置60DのUWBモジュール62は、検出装置60Cまでの距離を計測する。そして、検出装置60DのUWBモジュール62は、検出装置60Cまでの距離を示す距離情報と、検出装置60C(隊員C)の識別情報とを含む測距結果情報「D→C」を生成する。なお、検出装置60Dは、検出装置60Cから、検出装置60C(隊員C)の識別情報を示すUWB電波を受信することによって、検出装置60C(隊員C)の識別情報を取得してもよい。また、検出装置60Dは、検出装置60Cから、検出装置60Cまでの距離を示すUWB電波を受信することによって、検出装置60Cまでの距離を示す距離情報を取得してもよい。なお、測距結果情報「D→C」で示される距離情報は、測距結果情報「C→D」で示される距離情報と、概ね(実質的に)同じであり得る。
【0056】
検出装置60Aの慣性計測装置64は、隊員Aの向いている方角を示すIMUを検出して、IMU情報を生成する。また、検出装置60Aの気圧センサ66は、隊員Aの周囲の環境における気圧を計測して、気圧情報を生成する。そして、検出装置60Aは、得られた測距結果情報とIMU情報と気圧情報とを含む検出情報Dt_Aを、例えばLPWA等によって、表示制御装置100に送信する。
【0057】
検出装置60Bの慣性計測装置64は、隊員Bの向いている方角を示すIMUを検出して、IMU情報を生成する。また、検出装置60Bの気圧センサ66は、隊員Bの周囲の環境における気圧を計測して、気圧情報を生成する。そして、検出装置60Bは、得られた測距結果情報とIMU情報と気圧情報とを含む検出情報Dt_Bを、例えばLPWA等によって、表示制御装置100に送信する。
【0058】
検出装置60Cの慣性計測装置64は、隊員Cの向いている方角を示すIMUを検出して、IMU情報を生成する。また、検出装置60Cの気圧センサ66は、隊員Cの周囲の環境における気圧を計測して、気圧情報を生成する。そして、検出装置60Cは、得られた測距結果情報とIMU情報と気圧情報とを含む検出情報Dt_Cを、例えばLPWA等によって、表示制御装置100に送信する。
【0059】
検出装置60Dの慣性計測装置64は、隊員Dの向いている方角を示すIMUを検出して、IMU情報を生成する。また、検出装置60Dの気圧センサ66は、隊員Dの周囲の環境における気圧を計測して、気圧情報を生成する。そして、検出装置60Dは、得られた測距結果情報とIMU情報と気圧情報とを含む検出情報Dt_Dを、例えばLPWA等によって、表示制御装置100に送信する。
【0060】
図7及び図8は、実施の形態1にかかる面体70の構成を示す図である。面体70は、撮像装置72と、ヘッドアップディスプレイ74(HUD:Head-Up Display)と、音声入出力装置76と、操作スイッチ78とを有する。音声入出力装置76は、マイク76a及びスピーカ76bを有する。
【0061】
撮像装置72は、例えば赤外線カメラ及び可視カメラの少なくとも一方の機能を有し得る。撮像装置72は、面体70を装着した隊員(作業者)の前方等の周囲の環境を撮像する。撮像装置72は、撮像された撮像画像(動画像又は静止画像)を生成する。なお、赤外線カメラである撮像装置72は、例えば暗い環境下の現場で使用され得る。可視カメラである撮像装置72は、例えば明るい環境下の現場で使用され得る。
【0062】
ヘッドアップディスプレイ74は、面体70を装着した隊員(作業者)が視認可能に、隊員の作業に必要な情報を表示する。したがって、ヘッドアップディスプレイ74は、隊員の作業に必要な情報を示す隊員画面80を表示する。また、図8に例示するように、ヘッドアップディスプレイ74は、面体70を装着した隊員(作業者)の前方に、隊員画面80の虚像を表示させる。なお、図8の例では、説明の便宜上、面体70の正面と虚像である隊員画面80とが同じ方向(紙面手前方向)を向いているが、実際には、虚像である隊員画面80は、面体70の正面と対向するように表示される。
【0063】
具体的には、ヘッドアップディスプレイ74は、コンバイナ等の反射透光部材を有してもよい。そして、コンバイナには、例えば、作業者装置50の制御装置52(制御部102)によって生成された画面が、周知の光学系により投影されてもよい。この投影された画面は、コンバイナで反射(さらに拡大)されて、面体70を装着した隊員の目へ到達する。これにより、面体70を装着した隊員は、画面を、拡大され前方(例えば、1.5m前方)に浮かび上がる虚像として視認する。これにより、画像(虚像)は面体70を装着した隊員の視界と重なるため、隊員はほとんど視線を動かすことなく、画像(虚像)を視認することができる。なお、虚像を投影する光学系については周知のものを用いることができるため、説明を省略する。なお、ヘッドアップディスプレイ74は、面体70の透明窓70aの任意の部分に画像を投影することによって、虚像を表示するようにしてもよい。
【0064】
図8に例示するように、虚像として表示される隊員画面80は、撮像画像表示領域81と、突入経過時間表示領域82と、空気ボンベ残圧表示領域83と、メッセージ表示領域84を含む。撮像画像表示領域81には、自身又は他の隊員が装着する面体70に設けられた撮像装置72により撮像された画像が表示される。すなわち、撮像画像表示領域81には、隊員画面80を表示する面体70(自身の面体70)に設けられた撮像装置72により撮像された画像、あるいは、他の隊員の面体70に設けられた撮像装置72により撮像された画像が表示される。なお、他の隊員の面体70に設けられた撮像装置72によって撮影された画像が表示される場合には、その隊員の識別情報、名前、位置情報、撮影時刻情報等が合わせて表示されてもよい。このとき、位置情報は、その隊員の大まかな位置を示す情報であってもよい。突入経過時間表示領域82には、火災現場等の現場に隊員が突入してからの経過時間が表示される。空気ボンベ残圧表示領域83には、隊員が装着した空気ボンベの残量(残圧)が表示される。メッセージ表示領域84には、隊長(指揮官)が監視装置40を操作することによって生成されたメッセージ、又は、現場の状況等に応じて自動的に生成されたメッセージが表示される。例えば、メッセージ表示領域84には、表示制御装置100によって生成されたメッセージが表示されてもよい。
【0065】
音声入出力装置76は、音声を入出力する。好ましくは、音声入出力装置76は、骨伝導によって音声を入出力する。マイク76aは、面体70を装着した隊員の発した音声を入力して、隊員の音声を示す音声情報(隊員音声情報)を生成する。生成された隊員音声情報は、制御装置52によって、表示制御装置100(又は、監視装置40又は隊長の無線端末)に送信される。好ましくは、マイク76aは、骨伝導によって音声を入力する骨伝導マイクである。
【0066】
スピーカ76bは、隊長等の音声を、面体70を装着した隊員が聴取可能に出力する。なお、隊長等の音声を示す音声情報(隊長音声情報)は、監視装置40(又は、隊長の無線端末)によって生成され、表示制御装置100(又は、監視装置40又は隊長の無線端末)によって、制御装置52(又は面体70)送信されてもよい。なお、好ましくは、スピーカ76bは、骨伝導によって音声を出力する骨伝導スピーカである。
【0067】
隊員が面体を装着すると、騒がしい現場では、無線の音声が聞こえない可能性がある。したがって、音声により隊員と隊長とが会話を行うことができないおそれがある。これに対し、本実施の形態にかかる音声入出力装置76は、骨伝導によって音声を入出力する。これにより、音声によって、隊員と隊長とが会話を行うことが可能となる。
【0068】
操作スイッチ78は、隊員によって操作される。操作スイッチ78は、例えば、押しボタン式のスイッチである。操作スイッチ78は、面体70を装着した隊員が視認する画面の表示態様を切り換えるために用いられてもよい。例えば、操作スイッチ78が1回押下されると、突入経過時間表示領域82、空気ボンベ残圧表示領域83及びメッセージ表示領域84に表示される画像が表示されてもよい。また、操作スイッチ78が2回押下されると、撮像画像表示領域81及びメッセージ表示領域84に表示される画像が表示されてもよい。また、操作スイッチ78が3回押下されると、隊員の位置情報が表示されてもよい。また、操作スイッチ78が長押しされると、隊員の異常を知らせる緊急メッセージが発信されてもよい。
【0069】
図9は、実施の形態1にかかる監視装置40によって表示される隊長画面90を例示する図である。隊長画面90は、監視装置40のディスプレイ(インタフェース部108)に表示される。図9に例示するように、例えば、隊長画面90は、マップ表示領域91と、メッセージ送信領域92と、活動状況表示領域93とを含む。
【0070】
マップ表示領域91には、例えば、災害現場等の現場のマップ情報が表示される。マップ情報は、例えば、現場の地図、又は、現場である建屋のフロアマップ等である。また、マップ情報は、現場の写真(航空写真等)であってもよい。
【0071】
メッセージ送信領域92には、例えば、隊長が隊員に送信するメッセージ(例えば、緊急性の高いメッセージなど)が表示される。隊長が監視装置40を操作することによってメッセージが生成され、メッセージ送信領域92にそのメッセージが表示される。また、隊長は、メッセージ送信領域92に表示された送信ボタンをGUI(Graphical User Interface)によって操作することで、メッセージの送信を実行することもできる。この場合、メッセージを示すメッセージ情報が表示制御装置100に送信され、表示制御装置100は、面体70(メッセージ表示領域84)に、そのメッセージが表示されるように制御を行う。これにより、隊員画面80のメッセージ表示領域84に、メッセージが表示される。
【0072】
活動状況表示領域93は、隊員それぞれの活動状況を表示する。図9の例では、活動状況表示領域93には、隊員Aの活動状況を示す活動状況画像94Aと、隊員Bの活動状況を示す活動状況画像94Bと、隊員Cの活動状況を示す活動状況画像94Cと、隊員Dの活動状況を示す活動状況画像94Dとが表示されている。
【0073】
活動状況画像94それぞれは、対応する隊員が装着する面体70によって表示される画像(隊員画面80)と同じ画像が表示されてもよい。また、活動状況画像94それぞれは、対応する隊員が装着する面体70の撮像装置72によって撮影された撮像画像を含む。また、活動状況表示領域93(活動状況画像94それぞれ)には、隊員の個人情報(氏名、血液型等)が表示されてもよい。また、GUIにより隊長画面90を操作することによって、後で状況の振り返りを行うため、任意の隊員を選択して活動状況画像94の録画を実施することもできる。また、GUIにより隊長画面90を操作することによって、活動状況画像94に含まれる撮影画像のズームを行ってもよい。
【0074】
さらに、監視装置40は、隊長が例えば隊長画面90をGUIで操作することによって、各隊員の面体70に表示させる情報を選択してもよい。また、隊長が監視装置40を操作することで、マップ情報及び位置情報を見せたい隊員を、選択するようにしてもよい。隊長がこの操作を行うと、表示制御装置100は、選択された隊員の面体70に、マップ情報及び位置情報を表示させるように、制御を行う。
【0075】
図10は、実施の形態1にかかる表示制御装置100の構成を示す図である。表示制御装置100は、構成要素として、位置算出部110と、表示制御部120と、移動軌跡格納部132と、分割エリア生成部142と、探索エリア判定部144と、退避ルート生成部150とを有する。また、位置算出部110は、検出情報取得部112と、相対位置取得部114と、絶対位置算出部116とを有する。また、表示制御部120は、監視表示制御部122と、面体表示制御部124とを有する。
【0076】
位置算出部110は、図1の位置算出部12に対応する。位置算出部110は、位置算出手段としての機能を有する。表示制御部120は、図1の表示制御部14に対応する。表示制御部120は、表示制御手段としての機能を有する。移動軌跡格納部132は、移動軌跡格納手段としての機能を有する。分割エリア生成部142は、分割エリア生成手段としての機能を有する。探索エリア判定部144は、探索エリア判定手段としての機能を有する。退避ルート生成部150は、退避ルート生成手段としての機能を有する。
【0077】
また、検出情報取得部112は、検出情報取得手段としての機能を有する。相対位置取得部114は、相対位置取得手段としての機能を有する。絶対位置算出部116は、絶対位置算出手段としての機能を有する。また、監視表示制御部122は、監視表示制御手段としての機能を有する。面体表示制御部124は、面体表示制御手段としての機能を有する。
【0078】
なお、上述した各構成要素は、例えば、制御部102の制御によって、プログラムを実行させることによって実現できる。より具体的には、各構成要素は、記憶部104に格納されたプログラムを、制御部102が実行することによって実現され得る。また、必要なプログラムを任意の不揮発性記録媒体に記録しておき、必要に応じてインストールすることで、各構成要素を実現するようにしてもよい。また、各構成要素は、プログラムによるソフトウェアで実現することに限ることなく、ハードウェア、ファームウェア、及びソフトウェアのうちのいずれかの組み合わせ等により実現してもよい。また、各構成要素は、例えばFPGA(field-programmable gate array)又はマイコン等の、ユーザがプログラミング可能な集積回路を用いて実現してもよい。この場合、この集積回路を用いて、上記の各構成要素から構成されるプログラムを実現してもよい。
【0079】
図11は、実施の形態1にかかる表示システム20によって実行される表示方法を示すフローチャートである。図11に示されるフローチャートは、主に、表示制御装置100によって実行される。上述したように、複数の検出装置60の間で、測距が行われる(ステップS102)。これにより、各作業者装置50において、測距結果情報を含む検出情報が生成される。
【0080】
位置算出部110は、各隊員(作業者)の、現場における位置を算出する(ステップS104~S108)。具体的には、位置算出部110は、測距結果情報を用いて得られた複数の検出装置60の間の相対位置に基づいて、基準点(アンカーポイント30)に対する複数の隊員(作業者、作業主体)それぞれの位置を算出する。以下、位置算出部110の各構成要素の説明とともに詳述する。
【0081】
検出情報取得部112は、各隊員(作業者)に装着された検出装置60によって生成された検出情報を取得する(ステップS104)。具体的には、検出情報取得部112は、各隊員に装着された作業者装置50(制御装置52又は検出装置60)から、検出装置60によって生成された検出情報を受信(取得)する。これにより、各隊員に装着された検出装置60に関する検出情報(以下、単に「各隊員に関する検出情報」と称することもある)が取得される。なお、検出情報取得部112は、表示制御装置100に搭載された情報処理装置101(図4)の通信部106を制御して、検出情報を取得する。なお、上述したように、検出情報は、測距結果情報と、IMU情報と、気圧情報とを含む。
【0082】
相対位置取得部114は、複数の検出装置60の間の相対位置を取得する(ステップS106)。具体的には、相対位置取得部114は、各隊員に装着された検出装置60によって生成された測距結果情報を用いて、複数の検出装置60の間の相対位置を取得する。言い換えると、相対位置取得部114は、検出情報取得部112によって取得された検出情報に含まれる測距結果情報を用いて、複数の検出装置60の間の相対位置、つまり複数の隊員の間の相対位置を取得(算出)する。
【0083】
さらに具体的には、相対位置取得部114は、その隊員のUWBモジュール62から近傍の隊員のUWBモジュール62に対するUWB電波の方向と、その隊員の慣性計測装置64によるIMU情報とから、その隊員に対する近傍の隊員の方角を検出してもよい。すなわち、相対位置取得部114は、IMU情報からその隊員が向いている方角を取得する。そして、相対位置取得部114は、隊員が向いている方角と、隊員に対するUWBモジュール62の姿勢とから、その隊員のUWBモジュール62(検出装置60)から見た、近傍の隊員のUWBモジュール62(検出装置60)の方角を検出することができる。そして、相対位置取得部114は、その検出された方角と、その隊員の検出装置60から近傍の隊員の検出装置60までの距離とから、その隊員(検出装置60)に対する近傍の隊員(検出装置60)の相対位置を取得(算出)することができる。なお、隊員に対するUWBモジュール62の姿勢は、UWBモジュール62(検出装置60)がどのような姿勢で隊員に装着されるかによって、予め定められ得る。
【0084】
例えば、隊員A(検出装置60A)の近傍には、隊員B(検出装置60B)が存在するとする。その場合、相対位置取得部114は、隊員AのUWBモジュール62から隊員BのUWBモジュール62に対するUWB電波の方向と、隊員AのIMU情報とから、隊員A(検出装置60A)に対する隊員B(検出装置60B)の方角を検出する。これにより、相対位置取得部114は、その検出された方角と、隊員A(検出装置60A)から隊員B(検出装置60)までの距離とから、隊員A(検出装置60A)に対する隊員B(検出装置60B)の相対位置を取得する。
【0085】
なお、ある隊員について、その隊員の近傍に3人以上の隊員が存在する場合、相対位置取得部114は、その隊員については、三角測量の技術により、その隊員(検出装置60)と、近傍の隊員(検出装置60)との相対位置を取得してもよい。すなわち、この場合、その隊員の検出装置60については、3つ以上の検出装置60からの距離が計測されている。したがって、相対位置取得部114は、その隊員に対する近傍の隊員の方角を検出しなくても、三角測量の原理により、その隊員(検出装置60)と、近傍の隊員(検出装置60)との相対位置を取得(算出)することができる。例えば、隊員B(検出装置60B)の近傍には、隊員A(検出装置60A)、隊員C(検出装置60C)及び隊員D(検出装置60D)が存在するとする。この場合、相対位置取得部114は、三角測量の原理により、隊員B(検出装置60B)と、隊員A(検出装置60A)、隊員C(検出装置60C)及び隊員D(検出装置60D)との相対位置を取得してもよい。
【0086】
また、ある隊員について、その隊員の近傍に2人の隊員が存在するとする。この場合、相対位置取得部114は、その隊員については、三角測量の原理と、その隊員に対する近傍の隊員の方角とを組み合わせて、その隊員(検出装置60)と近傍の隊員(検出装置60)との相対位置を取得してもよい。すなわち、この場合では、その隊員の検出装置60については、2つの検出装置60からの距離が計測されているのみであるので、三角測量の原理のみでは、その隊員の近傍の2人の隊員に対する相対位置は、一意に定まらない。すなわち、近傍の2人の隊員を結ぶ直線のどちら側にその隊員が位置しているのか、定まらない。この場合、相対位置取得部114は、上述した方法によって、その隊員に対する近傍の2人の隊員それぞれの大凡の方角を検出することにより、三角測量の原理を用いて、その隊員の近傍の2人の隊員に対する相対位置を取得してもよい。
【0087】
例えば、隊員C(検出装置60C)の近傍には、隊員B(検出装置60B)及び隊員D(検出装置60D)が存在するとする。この場合、相対位置取得部114は、隊員C(検出装置60C)に対する、隊員B(検出装置60B)及び隊員D(検出装置60D)それぞれの方角を検出する。そして、相対位置取得部114は、それらの方角と、三角測量の原理とを用いて、隊員C(検出装置60C)と、隊員B(検出装置60B)及び隊員D(検出装置60D)との相対位置を取得してもよい。
【0088】
絶対位置算出部116は、各隊員(作業者)の絶対位置を算出する(ステップS108)。具体的には、絶対位置算出部116は、基準点(アンカーポイント30)に対する各隊員(作業者)の位置を、絶対位置として算出する。さらに具体的には、絶対位置算出部116は、アンカーポイント30に対する相対位置が取得されている隊員(検出装置60)の絶対位置を算出する。すなわち、絶対位置算出部116は、この隊員については、アンカーポイント30に対する相対位置を、その隊員の絶対位置として算出する。例えば、アンカーポイント30の近傍に隊員Aが存在するため、アンカーポイント30に対する隊員A(検出装置60A)の相対位置が取得されているとする。この場合、絶対位置算出部116は、アンカーポイント30に対する隊員A(検出装置60A)の相対位置を、隊員Aの絶対位置と算出する。
【0089】
そして、絶対位置算出部116は、絶対位置が算出された隊員(検出装置60)との間の相対位置が取得されている隊員(検出装置60)について、幾何学的手法により、絶対位置を算出する。例えば、上述した例では、隊員A(検出装置60A)と隊員Bとの間の相対位置が取得されている。この場合、絶対位置算出部116は、隊員Aの絶対位置と、隊員Aに対する隊員Bの相対位置とから、幾何学的手法により、隊員Bの絶対位置を算出する。例えば、2次元座標系において、隊員Aの絶対位置を(Xa,Ya)とし、隊員Aに対する隊員Bの相対位置ベクトルを(Xab,Yab)とする。この場合、絶対位置算出部116は、Xb=Xa+Xab、Yb=Ya+Yabにより、隊員Bの絶対位置(Xb,Yb)を算出してもよい。絶対位置算出部116は、他の隊員についても、同様にして絶対位置を算出する。なお、隊員の数が多い場合、絶対位置算出部116は、MDS(Multi Dimensional Scaling:多次元尺度構成法)等の多変量解析法を用いて、各隊員の絶対位置を算出してもよい。
【0090】
なお、位置算出部110は、気圧情報を用いて、隊員の位置する場所のフロアレベルを特定してもよい。つまり、位置算出部110は、複数の検出装置60それぞれで検出された気圧情報に基づいて、現場における隊員(作業者、作業主体)のフロアレベルを特定(推定)する。気圧は地表で最も高く、空気が薄くなる上空へ行くほど、低くなる。位置算出部110は、気圧情報を用いて気圧の変化を捉えることにより、高度を測定する。具体的には、位置算出部110は、現場である建物に隊員が進入する前に検出された気圧を、基準となる1階(グランドレベル)の気圧(基準気圧)であると判定する。そして、位置算出部110は、ある隊員に関する気圧情報に示された気圧が基準気圧よりも予め定められた値よりも低下した場合に、その隊員のフロアレベルが上昇した(例えばその隊員が2階に上がった)と判定する。
【0091】
移動軌跡格納部132は、各隊員(作業者)の移動軌跡を格納する(ステップS110)。具体的には、移動軌跡格納部132は、各隊員の絶対位置とそのときの時刻とを対応付けた移動軌跡データを格納する。なお、移動軌跡データを用いて、各隊員の絶対位置をプロットすることにより、移動軌跡が生成される。移動軌跡格納部132は、表示制御装置100に搭載された情報処理装置101の記憶部104によって実現され得る。
【0092】
分割エリア生成部142は、隊員の作業現場を複数のエリアに分割した分割エリアを生成する(ステップS112)。具体的には、分割エリア生成部142は、現場の位置に対応する、メッシュ状に分割された複数のエリア(分割エリア)を生成する。分割エリアは、例えば、数m×数mの矩形であってもよい。また、分割エリアの形状は、矩形に限られず、例えば、六角形であってもよい。分割エリアについては後述する。
【0093】
表示制御部120は、隊員(作業者)の位置を示す位置情報が表示デバイスに表示されるように、制御を行う(ステップS120)。これにより、隊員(作業者)の位置情報が表示デバイス(監視装置40及び面体70)に表示される。つまり、表示制御部120の制御によって、隊員の位置情報を表示する位置情報表示画面が、表示デバイスに表示される。このとき、表示制御部120は、複数の分割エリアが表示され、表示された分割エリアに隊員(作業者、作業主体)の位置が重畳されるように、制御を行う。
【0094】
監視表示制御部122は、各隊員の情報が監視装置40に表示されるように制御を行う。これにより、監視装置40には、図9で例示したように、各隊員の情報を示す隊長画面90が表示される。
【0095】
また、監視表示制御部122は、各隊員の位置情報が監視装置40に表示されるように、制御を行う。具体的には、監視表示制御部122は、各隊員の位置情報及び分割エリアを監視装置40に表示させるための命令を、監視装置40に送信する。これにより、監視装置40に搭載された情報処理装置101のインタフェース部108は、隊員の位置情報を表示する。これにより、隊長は、各隊員の位置を容易に把握することが可能となる。また、このとき、監視装置40のインタフェース部108は、隊員の位置がメッシュ状の分割エリアに重畳されるように、隊員の位置情報を表示する。また、このとき、監視装置40は、隊員の位置と分割エリアの位置とを対応させて位置情報が表示されるように、制御を行う。
【0096】
面体表示制御部124は、各隊員の情報が、対応する隊員に装着された面体70に表示されるように制御を行う。これにより、その隊員に装着された面体70には、図8で例示したように、対応する隊員の情報を示す隊員画面80が表示される。
【0097】
また、面体表示制御部124は、隊員の位置情報及び分割エリアが各隊員に装着された面体70に表示されるように、制御を行う。具体的には、面体表示制御部124は、隊員の位置情報及び分割エリアを面体70に表示させるための命令を、作業者装置50の制御装置52に送信する。これにより、制御装置52は、隊員の位置情報を表示する画面を生成する。そして、制御装置52がヘッドアップディスプレイ74を制御することにより、隊員に装着された面体70のヘッドアップディスプレイ74は、隊員の位置情報を表示する。これにより、隊員は、各隊員の位置を容易に把握することが可能となる。
【0098】
また、制御装置52は、隊員の位置と分割エリアの位置とを対応させて位置情報が表示されるように、制御を行う。これにより、制御装置52は、隊員の位置がメッシュ状の分割エリアに重畳された画面を生成する。そして、制御装置52がヘッドアップディスプレイ74を制御することにより、隊員に装着された面体70のヘッドアップディスプレイ74は、隊員の位置がメッシュ状の分割エリアに重畳されるように、隊員の位置情報を表示する。
【0099】
また、面体表示制御部124は、各隊員に装着された面体70に隊員の位置情報を表示させる際に、その面体70を装着した隊員の位置が目立つような表示形態となるように、制御を行ってもよい。つまり、面体表示制御部124は、その面体70を装着している隊員(作業者)の位置が、この隊員とは異なる隊員(作業者、作業主体)の位置よりも目立つような表示形態で表示されるように、制御を行う。例えば、面体表示制御部124は、隊員Aの面体70に、隊員Aの位置が隊員B~隊員Dの位置よりも目立つような表示形態で表示されるように、制御を行う。
【0100】
例えば、面体表示制御部124は、対応する隊員の位置情報のみに特定のマーカを付加するように、制御を行ってもよい。あるいは、面体表示制御部124は、対応する隊員の位置情報が、他の隊員の位置情報よりも明瞭に(明るく)表示されるように、制御を行ってもよい。あるいは、面体表示制御部124は、対応する隊員の位置情報を示す画像(アイコン)が、他の隊員の位置情報を示す画像(アイコン)よりも大きく表示されるように、制御を行ってもよい。あるいは、面体表示制御部124は、対応する隊員の位置情報を示す画像(アイコン)の色が、他の隊員の位置情報を示す画像(アイコン)色よりも目立つものとなるように、制御を行ってもよい。例えば、対応する隊員の位置情報を示す画像(アイコン)を赤色で表示し、他の隊員の位置情報を示す画像(アイコン)を黒色で表示してもよい。
【0101】
これにより、隊員は、面体70に表示された複数の隊員の位置情報のうちのどれが自分の位置情報であるかを、容易に把握することが可能となる。したがって、隊員は、さらに容易に、自分の位置を把握することが可能となる。
【0102】
ここで、隊長(指揮官)が監視装置40を操作することによって、どの隊員の面体70に位置情報を表示させるかを、決定してもよい。具体的には、例えば、隊員Aの面体70に位置情報を表示させる旨の操作が監視装置40になされた場合、監視装置40は、隊員Aの面体70に位置情報を表示させる旨の命令を、表示制御装置100に送信する。このとき、表示制御装置100の面体表示制御部124は、隊員の位置情報(及び分割エリア)を面体70Aに表示させるための命令を、隊員Aの作業者装置50Aの制御装置52Aに送信する。これにより、隊員Aに装着された面体70Aのヘッドアップディスプレイ74は、隊員の位置情報を表示する。なお、このとき、隊員A以外の隊員の面体70には、隊員の位置情報が表示されなくてもよい。
【0103】
ここで、表示制御部120は、面体70に表示される表示内容とは異なる表示内容を、監視装置40に表示させるように、制御を行ってもよい。具体的には、監視表示制御部122は、面体70に表示される画面とは異なる画面を監視装置40に表示させるための命令を、監視装置40に送信する。これにより、図8及び図9に例示したように、面体70に表示される画面とは異なる画面が監視装置40に表示される。
【0104】
探索エリア判定部144は、複数の分割エリアのうち、隊員によって探索された分割エリアがあるか否かを判定する(ステップS130)。隊員によって探索された分割エリアがあると判定された場合(S130のYES)、表示制御部120は、探索済みの分割エリア(探索済みエリア)の表示が変更されるように、制御を行う(ステップS132)。つまり、表示制御部120は、隊員(作業者、作業主体)によって探索されたと判定された分割エリアの表示形態が、隊員(作業者、作業主体)によって探索されたと判定されていない分割エリアの表示形態とは異なるように、制御を行う。一方、隊員によって探索された分割エリアがないと判定された場合(S130のNO)、S132の処理は実行されない。
【0105】
具体的には、探索エリア判定部144は、例えば、1人以上の隊員が、ある分割エリアに到達した後でその分割エリアから出た場合に、その分割エリアが探索済みエリアであると判定してもよい。また、探索エリア判定部144は、移動軌跡格納部132に格納された移動軌跡を用いて、探索済みエリアを判定してもよい。なお、分割エリアが探索されたか否かの判定方法については、上記の例に限られず、現場の状況等に応じて、適宜、定められ得る。
【0106】
また、探索エリア判定部144は、隊長が監視装置40を操作することによって、探索済みエリアを判定してもよい。つまり、隊長が監視装置40に表示された隊員の位置情報を視認して探索済みエリアを判断してもよい。そして、隊長は、GUIにより監視装置40を操作して、探索済みエリアを指定してもよい。例えば、隊長は、監視装置40のインタフェース部108において、GUIによるタップ又はクリック等の操作により探索済みエリアを選択することによって、探索済みエリアを指定してもよい。そして、監視装置40は、探索済みエリアを示す情報を表示制御装置100に送信してもよい。この情報を用いて、探索エリア判定部144は、探索済みエリアを判定してもよい。
【0107】
また、例えば、表示制御部120は、探索済みエリアの表示が探索済みエリア以外の分割エリアの表示よりも暗くなるように、制御を行う。例えば、表示制御部120は、探索済みエリアが塗りつぶされたように表示されるように、制御を行ってもよい。
【0108】
そして、監視表示制御部122は、探索済みエリアの表示を変更する旨の命令を、監視装置40に送信する。これにより、監視装置40に搭載された情報処理装置101のインタフェース部108は、探索済みエリアの表示が変更された画面を表示する。
【0109】
同様に、面体表示制御部124は、探索済みエリアの表示を変更する旨の命令を、作業者装置50の制御装置52に送信する。これにより、制御装置52は、探索済みエリアの表示が変更された画面を生成する。そして、制御装置52がヘッドアップディスプレイ74を制御することにより、ヘッドアップディスプレイ74は、探索済みエリアの表示が変更された画面を表示する。
【0110】
このように、探索済みエリアの表示を変更することで、隊長及び隊員は、探索済みエリアを容易に把握することができる。これにより、隊員は、探索済みエリア以外の分割エリアを中心に探索活動を進めることができる。また、隊長は、監視装置40の画面を見ながら、現場のどこを探索すべきかを、隊員に指示することができる。
【0111】
退避ルート生成部150は、隊員に対して退避命令が発せられたか否かを判定する(ステップS140)。ここで、退避命令は、隊員に対して現場から退避することを指示する命令である。退避命令は、例えば、緊急時に、隊長が監視装置40を操作することによって、発せられてもよい。この場合、監視装置40は、退避命令が発せられた旨を示す情報を表示制御装置100に送信してもよい。この情報を用いて、退避ルート生成部150は、退避命令が発せられたことを判定してもよい。
【0112】
退避命令が発せられた場合(S140のYES)、退避ルート生成部150は、隊員ごとに、現場から退避する際の退避ルートを生成する(ステップS142)。また、表示制御部120(面体表示制御部124)は、各隊員の退避ルートがその隊員の面体70に表示されるように、制御を行う(ステップS144)。なお、表示制御部120(面体表示制御部124)は、各隊員の面体70に、他の隊員の退避ルートが表示されるように、制御を行ってもよい。つまり、表示制御部120は、面体70に、少なくともこの面体70を装着した隊員(作業者)が現場から退避する際の退避ルートを表示させるように、制御を行う。一方、退避命令が発せられていない場合(S140のNO)、S142及びS144の処理は実行されない。
【0113】
退避ルート生成部150は、隊員(作業者)の移動軌跡に基づいて、その隊員(作業者)の退避ルートを生成してもよい。具体的には、退避ルート生成部150は、隊員の移動軌跡を逆行するようにして、退避ルートを生成してもよい。その際に、移動軌跡において隊員が最短ルートで移動していなかった場合に、退避ルート生成部150は、移動軌跡に沿った最短ルートとなる退避ルートを生成してもよい。これにより、自動的に退避ルートが生成されるので、緊急時に退避ルートを検討することが不要となる。面体表示制御部124は、生成された退避ルートが面体70に表示されるように、制御を行う。
【0114】
また、退避ルート生成部150は、隊長(指揮官)の操作に応じて隊員(作業者)の退避ルートを生成してもよい。具体的には、隊長は、監視装置40を操作して、退避ルートを生成する。例えば、タブレット端末である監視装置40のタッチパネルに表示された位置情報及びマップ情報に退避ルートを手書きすることで、退避ルートが生成されてもよい。監視装置40は、この生成された退避ルートを示す情報を、表示制御装置100に送信する。退避ルート生成部150は、この情報を用いて、退避ルートを生成してもよい。これにより、例えば、上記のように自動的に生成された退避ルートが、建物の倒壊等によって通行不可となった場合であっても、手動により退避ルートを生成することが可能となる。面体表示制御部124は、生成された退避ルートが面体70に表示されるように、制御を行う。
【0115】
また、退避ルート生成部150は、隊員が進むべき方角の表示を生成してもよい。そして、表示制御部120(面体表示制御部124)は、面体70に、この面体70を装着した隊員(作業者)が進むべき方角を表示させることで、退避ルートが表示されるように制御を行う。具体的には、退避ルート生成部150は、上述した自動又は手動の方法によって、退避ルートを生成する。そして、退避ルート生成部150は、退避ルートにおいて隊員がどの方角に進むべきかを示すメッセージを生成してもよい。例えば、退避ルート生成部150は、「北へ進め」、「前進せよ」又は「右へ進め」といったメッセージを生成してもよい。面体表示制御部124は、生成された退避ルートを示すメッセージが面体70(隊員画面80のメッセージ表示領域84)に表示されるように、制御を行う。退避ルート生成部150は、退避ルートにおいて隊員がどの方角に進むべきかを示す矢印を生成してもよい。
【0116】
<具体例>
ここで、面体70及び監視装置40に表示される位置情報の具体例について説明する。
図12は、隊員が存在する現場900を例示する図である。図12は、隊員A~Dが、建物である現場900に配置されている例を示している。また、現場900は、火災現場である。なお、図12の上方向を、北向きとする。現場900の入口902の近傍に、アンカーポイント30が配置されている。なお、アンカーポイント30は、現場900に常設されているものではなく、隊員が現場900に進入する際に隊員によって設置される。上述したように、このアンカーポイント30の位置が、隊員の絶対位置の基準点(座標系でいう原点)となる。アンカーポイント30は、表示制御装置100と通信可能に接続されている。
【0117】
作業者装置50A(検出装置60A)を装着した隊員Aは、通路904上の、アンカーポイント30の概ね西側の近傍に存在している。作業者装置50B(検出装置60B)を装着した隊員Bは、通路904上の、隊員Aの概ね西側の近傍に存在している。作業者装置50C(検出装置60C)を装着した隊員Cは、通路904上の、隊員Bの概ね南側の近傍に存在している。作業者装置50D(検出装置60D)を装着した隊員Dは、部屋906の中に存在している。そして、隊員Dは、隊員B及び隊員Cの近傍に存在している。また、隊員Bの近傍の部屋908に火元910が存在している。
【0118】
この場合、図6を用いて上述したように、アンカーポイント30と検出装置60Aとの間の距離が計測される。また、検出装置60Aと検出装置60Bとの間の距離が計測される。また、検出装置60Bと検出装置60Cとの間の距離が計測される。また、検出装置60Bと検出装置60Dとの間の距離が計測される。また、検出装置60Cと検出装置60Dとの間の距離が計測される。
【0119】
検出装置60A(制御装置52A)は、検出情報Dt_Aを表示制御装置100に送信する。また、検出装置60B(制御装置52B)は、検出情報Dt_Bを表示制御装置100に送信する。また、検出装置60C(制御装置52C)は、検出情報Dt_Cを表示制御装置100に送信する。また、検出装置60D(制御装置52D)は、検出情報Dt_Dを表示制御装置100に送信する。そして、上述したように、表示制御装置100の位置算出部110は、各検出装置60から取得された検出情報を用いて、隊員A~Dの絶対位置、つまりアンカーポイント30(基準点)に対する位置を算出する。
【0120】
図13は、実施の形態1にかかる表示制御装置100の制御によって表示される位置情報表示画面200を例示する図である。上述したように、表示制御部120の制御によって、位置情報表示画面200が、面体70及び監視装置40に表示される。
【0121】
位置情報表示画面200は、面体70に表示された隊員画面80(図8)において、撮像画像表示領域81に、撮像画像の代わりに表示されるようにしてもよい。あるいは、位置情報表示画面200は、面体70に表示された隊員画面80の全面に表示されるようにしてもよい。各隊員が装着された面体70の操作スイッチ78を操作することによって、位置情報表示画面200が隊員画面80にどのように表示されるかを切り替え可能としてもよい。あるいは、隊長が監視装置40を操作することによって、位置情報表示画面200が各隊員の面体70に表示される隊員画面80にどのように表示されるかを切り替え可能としてもよい。
【0122】
位置情報表示画面200は、監視装置40に表示された隊長画面90(図9)において、マップ表示領域91に表示されるようにしてもよい。あるいは、位置情報表示画面200は、隊長画面90において、活動状況表示領域93に、各隊員の活動状況画像94の代わりに表示されるようにしてもよい。あるいは、位置情報表示画面200は、監視装置40に表示された隊長画面90の全面に表示されるようにしてもよい。隊長が監視装置40を操作することによって、位置情報表示画面200が隊長画面90にどのように表示されるかを切り替え可能としてもよい。
【0123】
位置情報表示画面200は、現場900のフロアマップに対応するマップ情報210を表示する。また、位置情報表示画面200は、マップ情報210における北向きを示す方位マーク202を表示してもよい。また、現場900における火元910の位置が判明している場合、位置情報表示画面200は、マップ情報210の対応する箇所に、火元マーク204を表示してもよい。方位マーク202及び火元マーク204は、表示制御部120の制御によって表示され得る。火元マーク204は、隊長が監視装置40を操作して火元910の位置を指定することによって、表示されるようにしてもよい。具体的には、監視装置40は、指定された火元910の位置情報を表示制御装置100に送信する。そして、表示制御部120は、マップ情報210において火元910の位置に対応する箇所に、火元マーク204を表示させるように、制御を行う。
【0124】
そして、位置情報表示画面200は、マップ情報210に重畳するように、アンカーポイント30の画像及び隊員A~Dの画像(アイコン)を表示する。具体的には、位置情報表示画面200は、マップ情報210の、アンカーポイント30の位置に対応する箇所に、アンカーポイント画像212を表示する。また、位置情報表示画面200は、マップ情報210の、隊員Aの位置に対応する箇所に、隊員Aの隊員画像220Aを表示する。また、位置情報表示画面200は、マップ情報210の、隊員Bの位置に対応する箇所に、隊員Bの隊員画像220Bを表示する。また、位置情報表示画面200は、マップ情報210の、隊員Cの位置に対応する箇所に、隊員Cの隊員画像220Cを表示する。また、位置情報表示画面200は、マップ情報210の、隊員Dの位置に対応する箇所に、隊員Dの隊員画像220Dを表示する。ここで、各隊員の隊員画像220は、各隊員の位置情報を示している。また、隊員画像220それぞれの近傍に、対応する隊員の識別情報(名前等)が表示されてもよい。なお、隊長が位置情報表示画面200において隊員画像220を例えばタップ操作又はクリック操作等によって選択すると、その選択された隊員画像220に対応する隊員の面体70に設けられた撮像装置72で撮影された画像が、表示されてもよい。あるいは、各隊員画像220の近傍に又は各隊員画像220に重ねて、各隊員画像220に対応する各隊員の面体70に設けられた撮像装置72で撮影された画像が、表示されてもよい。
【0125】
図13に例示したような位置情報表示画面200が、表示制御装置100(表示制御部120)の制御によって面体70に表示されることにより、各隊員(作業者)は、各隊員(作業者、作業主体)の位置を、容易に把握することが可能となる。また、図13に例示したような位置情報表示画面200が、表示制御装置100(表示制御部120)の制御によって監視装置40に表示されることにより、隊長(指揮官)は、各隊員(作業者、作業主体)の位置を、容易に把握することが可能となる。
【0126】
図14は、図13に例示された位置情報表示画面200に分割エリア230が表示された状態を例示する図である。図14の例では、位置情報表示画面200は、9個の分割エリア230-1~230-9を表示している。そして、位置情報表示画面200において、各隊員の位置情報を示す隊員画像220が、分割エリア230に重畳されて表示されている。
【0127】
また、図14の例において、分割エリア230-1,230-2,230-3,230-6,230-9は、探索済みエリアである。したがって、探索済みエリアである分割エリア230-1,230-2,230-3,230-6,230-9の表示形態は、探索済みエリアでない分割エリア230-4,230-5,230-7,230-8の表示形態とは異なっている。図14の例では、探索済みエリアである分割エリア230-1,230-2,230-3,230-6,230-9は、塗りつぶされたような、暗い表示形態で表示されている。
【0128】
図14に例示したような位置情報表示画面200が、表示制御装置100(表示制御部120)の制御によって面体70に表示されることにより、各隊員(作業者)は、探索済みエリアを、容易に把握することが可能となる。また、図14に例示したような位置情報表示画面200が、表示制御装置100(表示制御部120)の制御によって監視装置40に表示されることにより、隊長(指揮官)は、探索済みエリアを、容易に把握することが可能となる。また、これにより、隊長は、各隊員の位置情報を見ながら、無線等を用いた音声によって、各隊員に、探索すべき場所を指示することが可能となる。
【0129】
図15は、図13に例示された位置情報表示画面200が隊員画面80に表示された状態を例示する図である。図15は、隊員Dの面体70Dに表示された隊員画面80を例示している。図15の例では、図8に例示された隊員画面80の撮像画像表示領域81の位置に、位置情報表示画面200が表示されている。これにより、隊員Dは、自分の位置及び他の隊員の位置を、容易に把握することができる。また、同様の位置情報表示画面200が他の隊員の面体70に表示されることによって、他の隊員についても同様に、自分の位置及び他の隊員の位置を、容易に把握することができる。なお、作業者装置50(制御装置52又は面体70)は、表示制御装置100から、他の隊員の面体70に設けられた撮像装置72で撮影された画像を取得してもよい。この場合、隊員が位置情報表示画面200において隊員画像220を例えば音声等によって選択すると、その選択された隊員画像220に対応する隊員の面体70に設けられた撮像装置72で撮影された画像が、表示されてもよい。この場合、制御装置52は、隊員の音声に対して音声認識処理を行って、隊員画像220を選択してもよい。例えば、隊員Dが「隊員A」と発声すると、制御装置52は、マイク76aによって入力された音声信号から音声認識を行って、隊員画像220Aを選択し、隊員画像220Aの近傍等に隊員Aの撮像装置72で撮影された画像を表示させる。あるいは、各隊員画像220の近傍に又は各隊員画像220に重ねて、各隊員画像220に対応する各隊員の面体70に設けられた撮像装置72で撮影された画像が、表示されてもよい。
【0130】
また、図15に例示された位置情報表示画面200において、隊員Dの隊員画像220Dに、自己の位置を示すマーカ222が付加されている。これにより、隊員Dは、複数の隊員画像220のうちのどれが自分に対応するかを、容易に把握することができる。したがって、隊員Dは、自分の位置を容易に把握することが可能となる。また、同様の位置情報表示画面200が他の隊員の面体70に表示されることによって、他の隊員についても同様に、自分の位置を容易に把握することが可能となる。
【0131】
このとき、表示制御部120(面体表示制御部124)は、隊員Dに装着された面体70Dに位置情報表示画面200を表示させる際に、隊員Dの隊員画像220Dにマーカ222を付加するように、制御を行う。そして、面体表示制御部124は、隊員Dの隊員画像220にマーカ222が付加されるための命令を、作業者装置50Dの制御装置52Dに送信する。これにより、制御装置52Dは、隊員Dの位置情報(隊員画像220D)にマーカ222が付加された位置情報表示画面200を生成する。
【0132】
なお、図15の例では、マーカ222は円形であるが、マーカ222の形状は任意であってもよい。また、隊員Dの隊員画像220Dにマーカを付加することに限定されない。上述したように、隊員Dの隊員画像220Dが、他の隊員画像220よりもの目立つような、任意の表示形態が考えられる。
【0133】
図16は、図14に例示された位置情報表示画面200において、マップ情報210が表示されていない状態を例示する図である。図16の例では、位置情報表示画面200は、アンカーポイント画像212、各隊員の隊員画像220A~220D、方位マーク202、及び、分割エリア230-1~230-9を表示している。このとき、アンカーポイント画像212及び複数の隊員画像220が、メッシュ状に区切られた分割エリア230に配置されている。そして、上述したように、アンカーポイント30は、現場900の入口902の近傍に設置されている。したがって、各隊員及び隊長は、マップ情報がなくても、現場900において、各隊員が入口902に対してどの辺りに位置しているかを、把握することができる。
【0134】
図17は、図13に例示された位置情報表示画面200に退避ルートが表示された状態を例示する図である。図17に例示するように、表示制御部120の制御によって、位置情報表示画面200に、退避ルート生成部150によって生成された退避ルート240が表示される。図17の例では、隊員Dの退避ルート240が表示されている。表示制御部120は、図17に例示された位置情報表示画面200が、少なくとも隊員Dの面体70に表示されるように制御を行ってもよい。また、表示制御部120は、図17に例示された位置情報表示画面200が、監視装置40に表示されるように制御を行ってもよい。
【0135】
これにより、各隊員は、緊急退避時に、退避ルートを容易に把握することができる。そして、緊急退避時に、各隊員は、退避ルートに従って移動すればよい。特に、緊急退避時、隊員は、パニック状態になることがあり、自分の位置及び進むべき方向が分からなくなることがある。本実施の形態では、そのような隊員を支援することができる。なお、上述したように、退避ルートは、隊員が進むべき方角を示すメッセージとして表示されてもよい。例えば、表示制御部120(面体表示制御部124)は、「北へ進め」、「前進せよ」、「右へ進め」、又は、「約10m真っすぐ進んで右に曲がれ」といったメッセージが、隊員画面80のメッセージ表示領域84に表示されるように、制御を行ってもよい。あるいは、表示制御部120(面体表示制御部124)は、隊員が進むべき方角を示す図形(例えば矢印等)が、隊員画面80に表示されるように、制御を行ってもよい。隊員が進むべき方角を示す図形は、例えば位置情報表示画面200に重畳されて表示されてもよい。
【0136】
なお、何らかのトラブルによって面体70に隊員画面80が表示されなくなった場合でも、隊長が、監視装置40に表示された、図17に例示したような位置情報表示画面200を見ながら、無線等による音声によって、隊員に指示を行ってもよい。あるいは、この場合、制御装置52が、退避ルートに対応する音声情報を自動的に生成してもよい。そして、面体70のスピーカ76bが、音声情報を出力してもよい。
【0137】
(変形例)
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、図11に示したフローチャートの各処理の順序は、適宜、変更可能である。また、図11に示したフローチャートの処理の1つ以上は、なくてもよい。例えば、図11に示したフローチャートにおいて、S112,S130~S144の処理は、省略されてもよい。また、図11に示したフローチャートにおいて、S130~S132の処理と、S140~S144の処理とは、順序が逆であってもよい。
【0138】
また、実施の形態1では、隊員(作業者)が現場で作業を行うとしたが、作業者以外の移動体が作業を行ってもよい。例えば、ロボット、無人作業車又はドローン等の移動体が、現場で作業を行ってもよい。この場合、移動体は、作業主体である。なお、移動体には、検出装置60が装着(設置)され得るが、面体70は装着されなくてもよい。
【0139】
また、上述した実施の形態では、面体70はヘッドアップディスプレイ74によって隊員画面80(位置情報等)を表示するとしたが、このような構成に限られない。面体70は、ヘッドアップディスプレイ74によって情報を表示しなくてもよい。例えば、面体70に設けられた液晶画面等の画面に、情報が表示されてもよい。しかしながら、ヘッドアップディスプレイ74によって隊員画面80を虚像で表示することによって、隊員は、隊員画面80を視認する際に、視線の移動を最小限にするだけでよい。
【0140】
また、上述した実施の形態では、表示制御装置100(位置算出部110)が、各隊員の相対位置を算出するとしたが、このような構成に限られない。作業者装置50(例えば制御装置52)が、相対位置を算出してもよい。この場合、相対位置取得部は、作業者装置50(制御装置52)から相対位置情報を取得(受信)する。
【0141】
また、上述した実施の形態では、複数の検出装置(UWBモジュール)の間で直接電波が送受信されるとしたが、このような構成に限られない。隊員間の距離が、UWB電波が届かない程度に離れてしまい得る場合に、隊員が中継装置を現場に設置するようにしてもよい。ここで、この中継装置は、UWBモジュールを有する。これにより、各検出装置は、中継装置を介して、他の検出装置と電波を送受信することが可能となる。
【0142】
上述の例において、プログラムは、コンピュータに読み込まれた場合に、実施形態で説明された1又はそれ以上の機能をコンピュータに行わせるための命令群(又はソフトウェアコード)を含む。プログラムは、非一時的なコンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体に格納されてもよい。限定ではなく例として、コンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体は、random-access memory(RAM)、read-only memory(ROM)、フラッシュメモリ、solid-state drive(SSD)又はその他のメモリ技術、CD-ROM、digital versatile disk(DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスク又はその他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又はその他の磁気ストレージデバイスを含む。プログラムは、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体上で送信されてもよい。限定ではなく例として、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体は、電気的、光学的、音響的、またはその他の形式の伝搬信号を含む。
【0143】
以上、実施の形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記によって限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0144】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
現場で作業を行う複数の作業主体にそれぞれ装着された複数の検出装置の間で電波が送受信されることにより行われた測距の結果を示す測距結果情報を用いて、基準点に対する前記複数の作業主体それぞれの位置を算出する位置算出手段と、
前記作業主体である作業者に装着された面体に、1つ以上の前記作業主体の位置を示す位置情報を表示させるように制御を行う表示制御手段と、
を有する表示制御装置。
(付記2)
前記表示制御手段は、前記面体を装着している前記作業者の位置が、当該作業者とは異なる前記作業主体の位置よりも目立つような表示形態で表示されるように、制御を行う、
付記1に記載の表示制御装置。
(付記3)
前記表示制御手段は、前記面体に、少なくとも当該面体を装着した前記作業者が前記現場から退避する際の退避ルートを表示させるように、制御を行う、
付記1又は2に記載の表示制御装置。
(付記4)
前記表示制御手段は、前記面体に、前記作業者の移動軌跡に基づいて生成された前記退避ルートが表示されるように、制御を行う、
付記3に記載の表示制御装置。
(付記5)
前記表示制御手段は、前記面体に、前記現場の指揮を行う指揮官の操作に応じて生成された前記退避ルートが表示されるように、制御を行う、
付記3に記載の表示制御装置。
(付記6)
前記表示制御手段は、前記面体に、当該面体を装着した前記作業者が進むべき方角を表示させることで、前記退避ルートが表示されるように、制御を行う、
付記3に記載の表示制御装置。
(付記7)
前記表示制御手段は、前記面体に、前記現場の位置に対応する、メッシュ状に分割された複数のエリアが表示され、表示された前記エリアに前記作業主体の位置が重畳されて表示されるように、制御を行う、
付記1から6のいずれか1項に記載の表示制御装置。
(付記8)
前記表示制御手段は、前記作業主体によって探索されたと判定された前記エリアの表示形態が、前記作業主体によって探索されたと判定されていない前記エリアの表示形態とは異なるように、制御を行う、
付記7に記載の表示制御装置。
(付記9)
前記表示制御手段は、前記現場の指揮を行う指揮官の監視装置に前記作業主体の位置を表示させるように制御を行い、
前記表示制御手段は、前記面体に表示される表示内容と異なる表示内容を、前記監視装置に表示させるように、制御を行う、
付記1から8のいずれか1項に記載の表示制御装置。
(付記10)
前記位置算出手段は、前記複数の検出装置それぞれで検出された気圧を示す気圧情報に基づいて、前記現場における前記作業主体のフロアレベルを特定する、
付記1から9のいずれか1項に記載の表示制御装置。
(付記11)
現場で作業を行う複数の作業主体にそれぞれ装着された複数の検出装置と、
前記作業主体である作業者に装着される面体と、
表示制御装置と、
を有し、
前記複数の検出装置それぞれは、他の検出装置との間で電波を送受信することにより、前記他の検出装置との間の測距を行い、
前記表示制御装置は、
前記測距の結果を示す測距結果情報を用いて、基準点に対する前記複数の作業主体それぞれの位置を算出する位置算出手段と、
前記作業主体である作業者に装着された面体に、1つ以上の前記作業主体の位置を示す位置情報を表示させるように制御を行う表示制御手段と、
を有し、
前記面体は、前記表示制御装置の制御に応じて、前記作業主体の位置情報を表示する、
表示システム。
(付記12)
前記表示制御手段は、前記面体を装着している前記作業者の位置が、当該作業者とは異なる前記作業主体の位置よりも目立つような表示形態で表示されるように、制御を行う、
付記11に記載の表示システム。
(付記13)
前記表示制御手段は、前記面体に、少なくとも当該面体を装着した前記作業者が前記現場から退避する際の退避ルートを表示させるように、制御を行う、
付記11又は12に記載の表示システム。
(付記14)
前記表示制御手段は、前記面体に、前記作業者の移動軌跡に基づいて生成された前記退避ルートが表示されるように、制御を行う、
付記13に記載の表示システム。
(付記15)
前記表示制御手段は、前記面体に、前記現場の指揮を行う指揮官の操作に応じて生成された前記退避ルートが表示されるように、制御を行う、
付記13に記載の表示システム。
(付記16)
前記表示制御手段は、前記面体に、当該面体を装着した前記作業者が進むべき方角を表示させることで、前記退避ルートが表示されるように、制御を行う、
付記13に記載の表示システム。
(付記17)
前記表示制御手段は、前記面体に、前記現場の位置に対応する、メッシュ状に分割された複数のエリアが表示され、表示された前記エリアに前記作業主体の位置が重畳されて表示されるように、制御を行う、
付記11から16のいずれか1項に記載の表示システム。
(付記18)
前記表示制御手段は、前記作業主体によって探索されたと判定された前記エリアの表示形態が、前記作業主体によって探索されたと判定されていない前記エリアの表示形態とは異なるように、制御を行う、
付記17に記載の表示システム。
(付記19)
前記表示制御手段は、前記現場の指揮を行う指揮官の監視装置に前記作業主体の位置を表示させるように制御を行い、
前記表示制御手段は、前記面体に表示される表示内容と異なる表示内容を、前記監視装置に表示させるように、制御を行う、
付記11から18のいずれか1項に記載の表示システム。
(付記20)
前記位置算出手段は、前記複数の検出装置それぞれで検出された気圧を示す気圧情報に基づいて、前記現場における前記作業主体のフロアレベルを特定する、
付記11から19のいずれか1項に記載の表示システム。
(付記21)
前記面体には、骨伝導により音声を入出力する音声入出力装置が設けられている、
付記11から20のいずれか1項に記載の表示システム。
(付記22)
前記面体は、当該面体を装着した前記作業者の前方に虚像を表示させる、
付記11から21のいずれか1項に記載の表示システム。
(付記23)
現場で作業を行う複数の作業主体にそれぞれ装着された複数の検出装置の間で電波が送受信されることにより行われた測距の結果を示す測距結果情報を用いて、基準点に対する前記複数の作業主体それぞれの位置を算出し、
前記作業主体である作業者に装着された面体に、1つ以上の前記作業主体の位置を示す位置情報を表示させるように制御を行う、
表示方法。
(付記24)
前記面体を装着している前記作業者の位置が、当該作業者とは異なる前記作業主体の位置よりも目立つような表示形態で表示されるように、制御を行う、
付記23に記載の表示方法。
(付記25)
前記面体に、少なくとも当該面体を装着した前記作業者が前記現場から退避する際の退避ルートを表示させるように、制御を行う、
付記23又は24に記載の表示方法。
(付記26)
前記面体に、前記作業者の移動軌跡に基づいて生成された前記退避ルートが表示されるように、制御を行う、
付記25に記載の表示方法。
(付記27)
前記面体に、前記現場の指揮を行う指揮官の操作に応じて生成された前記退避ルートが表示されるように、制御を行う、
付記25に記載の表示方法。
(付記28)
前記面体に、当該面体を装着した前記作業者が進むべき方角を表示させることで、前記退避ルートが表示されるように、制御を行う、
付記25に記載の表示方法。
(付記29)
前記面体に、前記現場の位置に対応する、メッシュ状に分割された複数のエリアが表示され、表示された前記エリアに前記作業主体の位置が重畳されて表示されるように、制御を行う、
付記23から28のいずれか1項に記載の表示方法。
(付記30)
前記作業主体によって探索されたと判定された前記エリアの表示形態が、前記作業主体によって探索されたと判定されていない前記エリアの表示形態とは異なるように、制御を行う、
付記29に記載の表示方法。
(付記31)
前記現場の指揮を行う指揮官の監視装置に前記作業主体の位置を表示させるように制御を行い、
前記面体に表示される表示内容と異なる表示内容を、前記監視装置に表示させるように、制御を行う、
付記23から30のいずれか1項に記載の表示方法。
(付記32)
前記複数の検出装置それぞれで検出された気圧を示す気圧情報に基づいて、前記現場における前記作業主体のフロアレベルを特定する、
付記23から31のいずれか1項に記載の表示方法。
(付記33)
現場で作業を行う複数の作業主体にそれぞれ装着された複数の検出装置の間で電波が送受信されることにより行われた測距の結果を示す測距結果情報を用いて、基準点に対する前記複数の作業主体それぞれの位置を算出するステップと、
前記作業主体である作業者に装着された面体に、1つ以上の前記作業主体の位置を示す位置情報を表示させるように制御を行うステップと、
をコンピュータに実行させるプログラムが格納された非一時的なコンピュータ可読媒体。
【符号の説明】
【0145】
1 表示システム
2 検出装置
4 面体
6 作業主体
10 表示制御装置
12 位置算出部
14 表示制御部
20 表示システム
22 ネットワーク
30 アンカーポイント
40 監視装置
50 作業者装置
52 制御装置
60 検出装置
62 UWBモジュール
64 慣性計測装置
66 気圧センサ
70 面体
72 撮像装置
74 ヘッドアップディスプレイ
76 音声入出力装置
76a マイク
76b スピーカ
78 操作スイッチ
80 隊員画面
81 撮像画像表示領域
82 突入経過時間表示領域
83 空気ボンベ残圧表示領域
84 メッセージ表示領域
90 隊長画面
91 マップ表示領域
92 メッセージ送信領域
93 活動状況表示領域
94 活動状況画像
100 表示制御装置
101 情報処理装置
110 位置算出部
112 検出情報取得部
114 相対位置取得部
116 絶対位置算出部
120 表示制御部
122 監視表示制御部
124 面体表示制御部
132 移動軌跡格納部
142 分割エリア生成部
144 探索エリア判定部
150 退避ルート生成部
200 位置情報表示画面
210 マップ情報
212 アンカーポイント画像
220 隊員画像
222 マーカ
230 分割エリア
240 退避ルート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17