(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-20
(45)【発行日】2025-01-28
(54)【発明の名称】エレベータ監視システム及びエレベータ監視装置
(51)【国際特許分類】
B66B 13/26 20060101AFI20250121BHJP
B66B 5/00 20060101ALI20250121BHJP
【FI】
B66B13/26 H
B66B5/00 G
(21)【出願番号】P 2024075245
(22)【出願日】2024-05-07
【審査請求日】2024-05-07
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 雅之
【審査官】山田 拓実
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録特許第10-1673425(KR,B1)
【文献】特開2017-214168(JP,A)
【文献】特開平10-125188(JP,A)
【文献】特開平09-301661(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 13/00-13/30
B66B 3/00-5/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータのかごに配置され、前記かごの出入口の近傍の物体を検出する物体検出センサと、
前記物体検出センサの付近に配置され、前記物体検出センサに風を吹き付けるブロア手段と、
前記出入口に配置されたかごドアの開閉動作を制御する戸制御装置と、
前記ブロア手段の動作を制御するブロア制御装置と、
記録テーブルと、
を備え、
前記ブロア制御装置は、
前記物体検出センサにより前記出入口の近傍に物体が検出された状態が、予め設定された戸開時間閾値以上継続した場合、前記ブロア手段を稼動して前記物体検出センサへの風の吹き付けを行い、
前記ブロア手段を稼動した後、前記物体検出センサにより前記出入口近傍に物体が検出される状態が継続した場合、外部の端末に前記かごドアの戸開閉不良の発生を通知し、
前記記録テーブルは、
前記ブロア手段を稼動させた時刻である送風開始時刻と、
前記戸開閉不良の発生の通知に応じて確認された前記戸開閉不良の原因が、前記物体検出センサの汚れであったことを示す記録と、
前記ブロア手段を稼動した後、前記物体検出センサにより前記物体が検出されなくなったことを示す記録と、
を記録
し、
前記ブロア制御装置は、
前記記録テーブルの情報に基づいて、前記ブロア手段を稼動させる稼動時刻を設定し、
前記稼動時刻に前記ブロア手段を稼動させる
、
エレベータ監視システム。
【請求項2】
エレベータのかごに配置され、前記かごの出入口の近傍の物体を検出する物体検出センサと、
前記物体検出センサの付近に配置され、前記物体検出センサに風を吹き付けるブロア手段と、
前記出入口に配置されたかごドアの開閉動作を制御する戸制御装置と、
前記ブロア手段の動作を制御するブロア制御装置と、
を備え、
前記ブロア制御装置は、
前記物体検出センサにより前記出入口の近傍に物体が検出された状態が、予め設定された戸開時間閾値以上継続した場合、前記ブロア手段を稼動して前記物体検出センサへの風の吹き付けを行い、
前記ブロア手段を稼動した後、前記物体検出センサにより前記出入口近傍に物体が検出される状態が継続した場合、外部の端末に前記かごドアの戸開閉不良の発生を通知し、
現在時刻から、前記かごドアの戸開不良の原因となる前記物体検出センサの汚れの有無を出力する学習モデルを用いて、
前記現在時刻から予測時間先の時刻における、前記物体検出センサの汚れの有無を予測し、前記物体検出センサの汚れの発生有りと予測された場合、前記ブロア手段を稼動させる
、
エレベータ監視システム。
【請求項3】
エレベータのかごの出入口の近傍の物体を検出する物体検出センサにより前記出入口の近傍に物体が検出された状態が、予め設定された戸開時間閾値以上継続した場合、前記物体検出センサに風を吹き付けるブロア手段を稼動させて、前記物体検出センサへの風の吹き付けを行い、
前記ブロア手段を稼動した後、前記物体検出センサにより前記出入口の近傍に物体が検出される状態が継続した場合、外部の端末に前記エレベータのかごドアの戸開閉不良の発生を通知し、
前記ブロア手段を稼動させた時刻である送風開始時刻と、
前記戸開閉不良の発生の通知に応じて確認された前記戸開閉不良の原因が、前記物体検出センサの汚れであったことを示す記録と、
前記ブロア手段を稼動した後、前記物体検出センサにより前記物体が検出されなくなったことを示す記録と、
を記録する記録テーブルの情報に基づいて、前記ブロア手段を稼動させる稼動時刻を設定し、前記稼動時刻に前記ブロア手段を稼動させる
、
エレベータ監視装置。
【請求項4】
エレベータのかごの出入口の近傍の物体を検出する物体検出センサにより前記出入口の近傍に物体が検出された状態が、予め設定された戸開時間閾値以上継続した場合、前記物体検出センサに風を吹き付けるブロア手段を稼動させて、前記物体検出センサへの風の吹き付けを行い、
前記ブロア手段を稼動した後、前記物体検出センサにより前記出入口の近傍に物体が検出される状態が継続した場合、外部の端末に前記エレベータのかごドアの戸開閉不良の発生を通知し、
現在時刻から、前記かごドアの戸開閉不良の原因となる前記物体検出センサの汚れの有無を出力する学習モデルを用いて、
前記現在時刻から予測時間先の時刻における、前記物体検出センサの汚れ有無を予測し、前記物体検出センサの汚れの発生有りと予測された場合、前記ブロア手段を稼動させる
、
エレベータ監視装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示はエレベータ監視システム及びエレベータ監視装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、エレベータの保守管理システムが記載されている。この保守管理システムでは、監視データにエレベータの故障兆候が含まれている場合、トリガ通報が管理サーバに送信される。トリガ通報を受信した管理サーバは、エレベータの乗員に対して、故障兆候要因を確認するための確認メッセージを送信し、確認メッセージに対する乗員の応答メッセージを受信する。そして、受信した応答メッセージに基づいて、保守員の現場への出動要否が判定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、かご内に居る乗員に対して具体的な故障兆候要因を確認させることで、保守員が必要な状況かどうかを判断し、それにより保守員の不要な出動を低減させている。しかし、乗員への確認により保守員の出動が回避できるのは、例えば、乗員によるかご扉の抑えなど、故障以外の原因による場合のみである。すなわち、埃の蓄積等によるセンサの汚れにより、実際に何らかの異常が発生した場合には、保守員の出動が必要である。従って、より効果的に保守員の出動回数を低減できるシステムの開発が望まれる。
【0005】
本開示は、以上の課題を解決するため、エレベータの異常を知らせる信号に対応して保守員が出動する回数を低減できるように改良されたエレベータ監視システム及び監視装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のエレベータ監視システムは、エレベータのかごに配置され、かごの出入口の近傍の物体を検出する物体検出センサと、物体検出センサの付近に配置され、物体検出センサに風を吹き付けるブロア手段と、出入口に配置されたかごドアの開閉動作を制御する戸制御装置と、ブロア手段の動作を制御するブロア制御装置と、を備え、ブロア制御装置は、物体検出センサにより出入口の近傍に物体が検出された状態が、予め設定された戸開時間閾値以上継続した場合、ブロア手段を稼動して物体検出センサへの風の吹き付けを行い、ブロア手段を稼動した後、物体検出センサにより出入口近傍に物体が検出される状態が継続した場合、外部の端末にかごドアの戸開閉不良の発生を通知する。
本開示のエレベータ監視システムは、一例として、ブロア手段を稼動させた時刻である送風開始時刻と、戸開閉不良の発生の通知に応じて確認された戸開閉不良の原因が、物体検出センサの汚れであったことを示す記録と、ブロア手段を稼動した後、物体検出センサにより物体が検出されなくなったことを示す記録と、を記録する記録テーブルを備え、ブロア制御装置は、記録テーブルの情報に基づいて、ブロア手段を稼動させる稼動時刻を設定し、稼動時刻にブロア手段を稼動させる。
あるいは、本開示のエレベータ監視システムは、他の例として、ブロア制御装置が、現在時刻から、かごドアの戸開不良の原因となる物体検出センサの汚れの有無を出力する学習モデルを用いて、現在時刻から予測時間先の時刻における、物体検出センサの汚れの有無を予測し、物体検出センサの汚れの発生有りと予測された場合、ブロア手段を稼動させる。
【0007】
本開示のエレベータ監視装置は、エレベータのかごの出入口の近傍の物体を検出する物体検出センサにより出入口の近傍に物体が検出された状態が、予め設定された戸開時間閾値以上継続した場合、物体検出センサに風を吹き付けるブロア手段を稼動させて、物体検出センサへの風の吹き付けを行い、ブロア手段を稼動した後、物体検出センサにより出入口の近傍に物体が検出される状態が継続した場合、外部の端末にエレベータのかごドアの戸開閉不良の発生を通知する。
本開示のエレベータ監視装置は、一例として、ブロア手段を稼動させた時刻である送風開始時刻と、戸開閉不良の発生の通知に応じて確認された戸開閉不良の原因が、物体検出センサの汚れであったことを示す記録と、ブロア手段を稼動した後、物体検出センサにより物体が検出されなくなったことを示す記録と、を記録する記録テーブルの情報に基づいて、ブロア手段を稼動させる稼動時刻を設定し、稼動時刻にブロア手段を稼動させる。
あるいは、本開示のエレベータ監視装置は、他の例として、現在時刻から、かごドアの戸開閉不良の原因となる物体検出センサの汚れの有無を出力する学習モデルを用いて、現在時刻から予測時間先の時刻における、物体検出センサの汚れ有無を予測し、物体検出センサの汚れの発生有りと予測された場合、ブロア手段を稼動させる。
【発明の効果】
【0008】
物体検出センサへの埃の堆積等による汚れの付着により、物体検出センサに異常が発生する場合がある。この場合、物体検出センサに風を吹き付けることで、物体検出センサの汚れが除去されて、物体検出センサの異常が解消する場合がある。従って、保守員の出動回数を効果的に低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態1に係るエレベータ監視システム及びその周辺機器の外観を示す模式図である。
【
図2】実施の形態1に係るエレベータ監視システムの全体構成を示すブロック図である。
【
図3】実施の形態1に係るエレベータ監視システムの記憶部の構成を示すブロック図である。
【
図4】実施の形態1に係るエレベータ監視システムの記憶部の記録テーブルの一例を示す図である。
【
図5】実施の形態1に係るエレベータ監視システムの記憶部の稼動テーブルの一例を示す図である。
【
図6】実施の形態1に係るエレベータ監視システムの戸制御装置によるかごドアの開閉の制御動作の一例を示すフローチャートである。
【
図7】実施の形態1に係るエレベータ監視システムの発報装置による制御動作の一例を示すフローチャートである。
【
図8】実施の形態1に係るエレベータ監視システムのブロア制御装置によるブロアを制御する制御動作の一例を示すフローチャートである。
【
図9】実施の形態1に係るエレベータ監視システムの通知装置による制御動作の一例を示すフローチャートである。
【
図10】実施の形態1に係るエレベータ監視システムの端末の受信表示装置による制御動作の一例を示すフローチャートである。
【
図11】実施の形態1に係るエレベータ監視システムの予測装置による制御動作の一例を示すフローチャートである。
【
図12】実施の形態2に係るエレベータ監視システム及びその周辺機器の外観を示す模式図である。
【
図13】実施の形態2に係るエレベータ監視システムの全体構成を示すブロック図である。
【
図14】実施の形態2に係るエレベータ監視システムの記憶部の構成を示すブロック図である。
【
図15】実施の形態2に係るエレベータ監視システムの記憶部の管理マスタの一例を示す図である。
【
図16】実施の形態2に係るエレベータ監視システムの記憶部の記録テーブルの一例を示す図である。
【
図17】実施の形態2に係るエレベータ監視システムの発報装置による制御動作の一例を示すフローチャートである。
【
図18】実施の形態2に係るエレベータ監視システムの通知装置による制御動作の一例を示すフローチャートである。
【
図19】本実施の形態に係るエレベータ監視システムの反射率取得装置による制御動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本開示の実施の形態について説明する。なお、各図において、同一又は相当する部分には同一符号を付してその説明を簡略化ないし省略する。
【0011】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係るエレベータ監視システム及びその周辺機器の外観を示す模式図である。エレベータ監視システムはエレベータの運行を監視する。エレベータはかご100を備えている。かご100の出入口には、出入口を開閉するかごドア101が設けられている。
【0012】
かご100のかごドア101近傍には、物体検出センサが設置されている。物体検出センサは、かご100の出入口の物体を検出するセンサであり、乗降する乗客などを挟み込むことを防止するために設置されている。物体検出センサは、戸閉センサ投光装置102(
図2参照)と戸閉センサ受光装置103とを備える。物体検出センサは、戸閉センサ投光装置102から光を照射して、戸閉センサ受光装置103が受光する物体からの反射光の受光量の変化に基づいて物体の有無を検出するものである。
【0013】
戸閉センサ受光装置103の下部には、ブロア104が設置されている。ブロア104は、戸閉センサ受光装置103の受光面に風を吹き付けるブロア手段として機能する。これにより、戸閉センサ受光装置103表面に堆積した埃などの汚れを吹き飛ばす。ブロア104は、戸閉センサ受光装置103の受光面に風を吹き付けられるものであれば、その設置位置に限定はない。ブロア104は、例えば、戸閉センサ受光装置103の上部に配置され、エアカーテンのように上部から風を吹き付けるものとしてもよい。あるいは、ブロア104がかご100に埋め込まれた配置にしても良い。
【0014】
かご100の上部には、通信制御装置110が設置されている。通信制御装置110は、エレベータの外部に設置された、センタ130と通信可能に有線又は無線により接続されている。また、センタ130は、エレベータの外部の端末140と優先又は無線により通信可能に接続されている。
【0015】
図2は、実施の形態1に係るエレベータ監視システムの全体構成を示すブロック図である。本実施の形態に係るエレベータ監視システムは、物体検出センサ(すなわち、戸閉センサ投光装置102と戸閉センサ受光装置103)、及び、ブロア104、並びに、通信制御装置110、センタ130、及び、端末140を備えている。
【0016】
通信制御装置110は、戸制御装置111と、ブロア制御装置112と、発報装置113と、を備えている。
【0017】
戸制御装置111は、かごドア101の戸開動作と戸閉動作とを制御する。戸制御装置111は、呼び出し階にかご100が着床した場合、又は乗場操作盤又はかご操作盤等の開ボタンの操作を受けた場合、かごドア101の戸開動作を実行する。また、戸制御装置111は、戸開状態が一定時間続いた後、又は乗場操作盤又はかご操作盤等の閉ボタンの操作を受けて、かごドア101の戸閉動作を実行する。
【0018】
あるいは戸制御装置111は、戸閉に失敗した後、更に戸開状態が一定時間続いた後、戸閉動作を再度試みる。戸制御装置111は、戸開時間閾値以上の時間、戸開動作を続けている場合に、戸閉動作の異常を検出する。戸制御装置111は、戸閉動作の異常を検出すると開閉不良信号を発報装置113に発信する。具体的に、戸開時間閾値は、戸開時間に対する閾値として、予め戸開時間設定114に設定された時間である。戸開時間閾値は一例として30秒である。
【0019】
また、戸制御装置111は戸開動作を開始した時に、戸開開始時刻を戸開時間記録115に記録する。戸開時間記録115には戸開開始時刻のデータが、例えば「戸開開始時刻=2024/2/1、9:00:00」のように記録される。
【0020】
ブロア制御装置112は、発報装置113からの指示信号に従って、ブロア104に送風動作の開始、停止を指示してブロア104の送風動作を制御する。ブロア104の送風動作が開始されることで戸閉センサ受光装置103に風が吹き付けられる。
【0021】
発報装置113は、ブロア制御装置112にブロア104の送風動作開始及び停止を指示する。具体的に、発報装置113は、戸制御装置111からの開閉不良信号を受信したことに応答して、あるいは、センタ130からのブロア稼動要求を受信したことに応答して、ブロア制御装置112にブロア104の送風動作の開始を指示する信号を発する。
【0022】
また、発報装置113は、稼動設定116を参照し、ブロア送風動作の開始からの経過時間が送風時間に達した場合、ブロア制御装置112にブロア104の送風停止を指示する。稼動設定116には、送風時間が予め設定されている。設定される送風時間は、例えば、10秒である。
【0023】
また、発報装置113は、稼動記録117に、開閉不良信号を受信したこととブロア104の稼動開始時刻とを記録する。あるいは、戸開閉不良信号の受信を含まずブロア104の稼動開始時刻のみが記録されるものとしてもよい。一例として、稼動記録117には、「送風開始時刻=2024/2/1、9:10:00」というような記録がなされる。
【0024】
センタ130は、通知装置131と、記憶部132と、予測装置133と、を備えている。通知装置131は、発報装置113からの発報を受信する。
【0025】
通知装置131は、発報装置113からの発報に応じて、通知装置131は端末140に対して戸開閉不良発生の通知を行うかどうかを決定する。この決定に際し、通知装置131は、記憶部132に記憶された条件を参照する。
【0026】
図3は、記憶部の構成を示すブロック図である。
図3に示されるように、記憶部132は、管理マスタ134と、記録テーブル135と、稼動テーブル136と、を備えている。
【0027】
通知装置131は、端末140に対し通知を行うか否かの決定を、発報装置113から基準時間内に複数の発報を受信したか否かに基づいて行う。管理マスタ134には、この決定の閾値となる基準時間が設定されている。基準時間は、例えば2分である。また、通知装置131は、予測装置133により設定された稼動時刻となった場合に、発報装置113にブロア稼動要求を送信することで、ブロア104の送風動作を指示する。
【0028】
図4は、記録テーブルの一例を示す図である。
図4に示されるように、記録テーブル135には、例えば、時刻、保守員出動、出動結果が対応付けられて記憶されている。ここで、時刻は発報を受信した時刻、保守員出動は発報に対して保守員の出動が行われたか否か、出動結果は保守員の出動の結果により判明した状況を示す情報である。
【0029】
予測装置133は、記録テーブル135の保守員出動と出動結果とにおける保守員が出動してセンサ汚れが解消されたとの記録、すなわち、保守員出動が「出動有り」かつ出動結果が「センサ汚れ」との記録と、ブロア104の稼動により保守員が出動せずに済んだ「出動なし」の記録と、保守員が出動した時刻とから、ブロア104を稼動させる時刻を予測して設定する。
【0030】
図5は、稼動テーブルの一例を示す図である。予測装置133により予測された稼動時刻は、
図5に示されるように稼動テーブル136に設定される。
【0031】
なお、本開示のエレベータ監視装置は、例えば発報装置113とセンタ130とにより構成される。
【0032】
端末140は、例えばエレベータの保守員が携帯可能な端末であってもよいし、例えば建物外部のエレベータ監視センタなどに設置された端末であってもよい。端末140は、受信表示装置141を備える。図示を省略するが端末140は、保守員に情報を表示する手段としてディスプレイ等を備えている。端末140は、表示手段に加えて、あるいは表示手段に替えて情報を音声により報知するスピーカーなどの報知手段を備えるものとしてもよい。受信表示装置141は、通知装置131からの通知を受信して、受信した通知の内容を表示手段に表示させる。
【0033】
次に、本実施の形態に係るエレベータ監視システムの制御動作について、
図6~
図11を用いて説明する。
図6~
図11の制御動作は、エレベータ監視システムが起動され、エレベータの運行が開始される際に毎回実行される。
【0034】
図6は、本実施の形態に係る戸制御装置によるかごドアの開閉の制御動作の一例を示すフローチャートである。
図6を用いて戸制御装置111による制御について説明する。
図6の制御動作では、まずステップS101で、戸開時間設定114に設定された戸開時間閾値が取得される。
【0035】
次に、ステップS102で戸開動作を行うか否かが判別される。具体的に、かご100が呼び出し階に着床した場合、又は、かご100の着床時に乗場操作盤又はかご操作盤の開ボタンの操作が受け付けられた場合に、戸開動作を行うと判定される。
【0036】
ステップS102で戸開動作を行うと判定された場合、次に、ステップS103に進み、かごドア101が開かれる。その後、ステップS104で、戸開時間記録115に戸開動作が開始された時刻が戸開開始時刻として記録される。その後、処理は、ステップS102に戻される。
【0037】
一方、ステップS102で戸開動作を行わないと判定された場合、つぎに、ステップS105で、戸閉動作を行うか否かが判定される。具体的に、戸開状態が一定時間続いた場合、又は、乗場操作盤又はかご操作盤等の閉ボタンの操作を受けた場合、又は、戸閉に失敗した後、更に戸開状態が一定時間続いた場合、戸閉動作を行うと判定される。ステップS105で戸閉動作を行わないと判定された場合、処理はステップS102に戻される。
【0038】
一方、ステップS105で戸閉動作を行うと判定された場合、次にステップS106で、戸閉センサ受光装置103が受光しているかが判定される。戸閉センサが受光していると判定された場合、かご100の出入口近傍にかごドア101の開閉の障害となる物体は検出されていないと判断できる。従って、ステップS106で、戸閉センサ受光装置103が受光していると判定された場合、ステップS107に進み、かごドア101の戸閉動作が実行される。
【0039】
その後、ステップS108で記録された戸開時間記録115の戸開開始時刻が削除され、処理はステップS102に戻される。
【0040】
一方、ステップS106で、戸閉センサ受光装置103が受光していないと判定された場合、ステップS109に進む。ステップS109では、現在時刻と、ステップS104で記録された戸開開始時刻の時間差が、ステップS102で取得された戸開時間閾値以上であるか否かが判定される。ステップS109で、時間差が戸開時間閾値より小さいと判定された場合、処理はステップS102に戻される。
【0041】
一方、ステップS109で、時間差が戸開時間閾値以上と判定された場合、ステップS110に進む。ステップS110では、開閉不良信号が発報装置113に送信される。その後処理はステップS102に戻される。
【0042】
図7は、本実施の形態に係る発報装置による制御動作の一例を示すフローチャートである。
図7を用いて発報装置113による制御動作例について説明する。
【0043】
図7の制御では、まずステップS201において、稼動設定116に設定された送風時間が取得される。
【0044】
ステップS202で稼動記録117に送風開始時刻が記録されているかが判定される。稼動記録117の送風開始時刻は、後述のステップS206の処理により記録される時刻である。
【0045】
ステップS202で送風開始時刻の記録がないと判定された場合、次に、ステップS203で、ブロア稼動要求が受信されたか否かが判定される。ブロア稼動要求は後述する通知装置131の制御処理により発報装置113に送信される信号である。
【0046】
ステップS203でブロア稼動要求を受信していないと判定された場合、次に、ステップS204で、開閉不良信号を受信したか否かが判定される。戸開不良信号は、上述した
図6の戸制御装置111による制御処理により送信される信号である。ステップS204で開閉不良信号を受信していないと判定された場合、処理はステップS202に戻される。
【0047】
ステップS203でブロア稼動要求を受信したと判定された場合、あるいは、ステップS204で、開閉不良信号を受信したと判定された場合、次に、ステップS205で、ブロア制御装置112に送風動作の指示が送信される。次に、S206で、稼動記録117に送風開始時刻が記録される。その後処理は、ステップS202に戻される。
【0048】
ステップS202で、稼動記録117に送風開始時刻の記録が有ると判定された場合、次に、S207で、現在時刻と送風開始時刻との時間差が、ステップS201で取得された送風時間以上か否か判定される。ステップS207で、時間差が送風時間未満であると判定された場合、処理はステップS202に戻される。
【0049】
ステップS207で時間差が送風時間以上であると判定された場合、ステップS208で、ブロア制御装置112に送風停止動作の指示が送信される。次に、ステップS209でセンタ130に対し、発報が行われる。この発報には、送風開始時刻の情報が付加されている。
【0050】
次に、S210で、稼動記録117の送風開始時刻が削除される。その後、処理はステップS202に戻される。
【0051】
図8は、本実施の形態に係るブロア制御装置によるブロアを制御する制御動作の一例を示すフローチャートである。
図8を用いてブロア制御装置112によるブロア104の制御例について説明する。
【0052】
図8の制御処理ではまず、ステップS301で、送風動作指示を受けたか否かが判定される。送風動作指示は、
図7の制御処理により発報装置113から発報される指示である。ステップS301で送風動作指示を受けていないと判定された場合、処理はS301に戻され、送風動作指示を受信するまでステップS301の判定処理が所定の制御間隔で繰り返し実行される。
【0053】
一方、ステップS301で送風動作指示を受けたと判定された場合、次に、ステップS302で、ブロア104の送風動作が開始される。
【0054】
次に、ステップS303で、送風停止動作指示を受けたか否かが判定される。送風停止動作指示は、
図7で説明した制御処理により発報装置113から発報される指示である。ステップS303で送風停止動作指示を受信していないと判定された場合、処理はステップS303に戻され、送風停止動作指示を受信するまで、ステップS303の判定処理が所定の制御間隔で繰り返し実行される。
【0055】
ステップS303で、送風停止動作指示を受信したと判定された場合、次にステップS304で、ブロア104の送風動作が停止される。その後処理は、ステップS301に戻される。
【0056】
図9は、本実施の形態に係る通知装置による制御動作の一例を示すフローチャートである。
図9を用いて通知装置131による制御動作例について説明する。
【0057】
図9の制御処理では、まず、ステップS401で、管理マスタ134から基準時間が取得される。次に、ステップS402で、稼動テーブル136から稼動時刻が読み込まれる。
【0058】
次に、ステップS403で、現在時刻が稼動時刻となったか否かが判定される。ステップS403で稼動時刻となったと判定された場合、次に、ステップS404で、ブロア稼動要求の信号が発報装置113に送信される。
【0059】
ステップS403で現在時刻が稼動時刻となっていないと判定された場合、あるいは、ステップS404でブロア稼動要求が送信された後、次に、ステップS405で、発報を受信したか否かが判定される。発報は、
図7の発報装置113による制御処理によりブロア制御装置112に対して送風停止動作の指示が発信された際に、通知装置131に送信される信号である。ステップS405で発報を受信していないと判定された場合、処理はステップS402に戻される。
【0060】
ステップS405で発報を受信したと判定された場合、次に、ステップS406で記録テーブル135を参照し、直前の発報時刻が取得される。直前の発報時刻は前回発報の発報を受信した時刻である。ここで、直前の発報時刻を「発報時刻1」と称する。
【0061】
次に、S407で、今回受信した発報と共に送信された送風開始時刻が記録テーブル135に追加される。ステップS407で今回記録された当該時刻を「発報時刻2」と称する。
【0062】
次に、ステップS408で、発報時刻2と発報時刻1との時間差が、ステップS401で取得された基準時間以上であるか否かが判別される。つまり、ここでは、前回ブロア104による送風が実行された時間と、今回、ブロア104による送風が実行された時間との間隔が基準時間以上であるか否かが判断されることになる。発報時刻2と発報時刻1との時間差が基準時間以上であれば、処理はステップS402に戻される。
【0063】
一方、ステップS408で、時間差が基準時間未満であると判定された場合、次に、ステップS409で、端末140に対する通知が行われる。この通知は、ブロア104による送風の実行間隔が基準時間より短くなったことを示すものであり、すなわち、戸閉センサ受光装置103へのブロア104による送風では解消しない戸開閉の異常が発生していることを示すものである。その後、処理はステップS402に戻される。
【0064】
図10は、端末の受信表示装置による制御動作の一例を示すフローチャートである。
図10を用いて、受信表示装置141による制御動作例を説明する。ステップS501では、センタ130の通知装置131からの通知が受信されたか否かが判定される。ここで通知は、
図9の通知装置131の制御動作により通知される。通知を受信していないと判定された場合、処理はステップS501に戻される。
【0065】
一方、ステップS501で通知が受信されたと判定された場合、ステップS502に進む。ステップS502では、保守員の出動を促す内容のメッセージが、端末140のディスプレイ等に表示される。メッセージの表示に替えて、あるいはメッセージの表示に加え、音声でのメッセージの通知あるいは所定の警告音がスピーカーから流されるようにしてもよい。その後、処理はステップS501に戻される。
【0066】
図11は、予測装置による制御動作の一例を示すフローチャートである。
図11を用いて、戸閉センサ受光装置103へのほこりの付着の汚れ対策として、定期的にブロア104を送風動作させる制御動作について説明する。
【0067】
ステップS601では、記録テーブル135が読み込まれる。次に、ステップS602で、出動結果が「センサ汚れ」であった記録の日時から、時刻のみを切り出して、ユニークな値のみの時刻リスト1を抽出する。例えば、
図4の記録テーブル135の例では、時刻リスト1として、「9:00:00、12:00:00」が抽出される。
【0068】
次に、ステップS603で、出動しなくて済んだ記録、すなわち記録テーブル135の出動結果が、保守員が出動していないことを意味する「-」である記録の日時から、時刻のみを切り出して、ユニークな値のみの時刻リスト2を抽出する。
図4の記録テーブル135の例では、時刻リスト2として、「8:50:00、9:00:00」が抽出される。
【0069】
次に、ステップS604で、時刻リスト2の項目間時間差分が計算される。項目時間差分は、時刻リスト2の時刻の時間差である。
図4の記録テーブル135の例では、項目時間差分は「00:10:00」となる。ここで、時刻リスト2に3つ以上の時刻が抽出された場合、例えば、隣接する2つの時刻の時間差のうち最長の時間差、あるいは、隣接する2つの時刻の時間差の平均時間を項目時間差分とすることができる。
【0070】
次に、ステップS605で、時刻リスト1の各時刻-項目時間差分の各時刻と、時刻リスト1の各時刻とを順に連結してユニークな値のみの時刻リスト3が作成される。
図4の記録テーブル135の例では、時刻リスト3は、「8:50:00、9:00:00、11:50:00、12:00:00」となる。
【0071】
次に、ステップS606で、時刻リスト3が、稼動時刻として稼動テーブル136にセットされる。その後、今回の処理は終了とされる。ここでセットされた稼動時刻に従って、通知装置131から、ブロア稼動要求が発報装置113に送信され、これに応じてブロア104の送風動作が行われる。
【0072】
より具体的な例として、戸閉センサ受光装置103へのほこりの付着が、ブロア104の送風動作により解消される場合の動作例を説明する。
【0073】
戸制御装置111は、例えば、かご100が一階の乗場から呼ばれて一階に着床した場合、戸制御装置111は戸開動作を行い、この時の時刻(例えば、2024/2/1、9:00:00)を、戸開時間記録115に戸開開始時刻として記録する。
【0074】
戸制御装置111は、一定時間の戸開を継続した後、戸閉動作を行うと判断するが、戸閉センサ受光装置103が受光できない場合、現在時刻(例えば、2024/2/1、9:00:30)と戸開開始時刻(例えば、9:00:00)の時間差と戸開時間閾値(例えば、30秒)を比較する。比較の結果、時間差が戸開時間閾値以上となっていれば、発報装置113に開閉不良信号を送信する。
【0075】
発報装置113は、戸制御装置111から開閉不良信号を受信すると、ブロア制御装置112に送風動作指示して、稼動記録117に送風開始時刻(例えば、2024/2/1、9:00:30)を記録する。
【0076】
その後、発報装置113は、稼動記録117に送風開始時刻の記録が有ると判定すると、現在時刻と送風開始時刻(例えば、2024/2/1、9:00:30)の時間差と送風時間(例えば、10秒)とを比較する。比較の結果、時間差が送風時間以上となったとき(例えば、現在時刻が9:00:40になったとき)、発報装置113はブロア制御装置112に送風停止動作を指示する。その後、発報装置113は、通知装置131に発報を行い、送風開始時刻を削除する。
【0077】
ブロア104の送風動作により戸閉センサ受光装置103へのほこりが払われた後の処理で、再び、戸制御装置111は、戸閉動作を行うと判定する。戸閉センサ受光装置103が受光していると判定されれば、戸制御装置111は、かごドア101を閉じて、戸開時間記録115の戸開開始時刻(例えば、2024/2/1、9:00:00)を削除する。
【0078】
通知装置131は、発報を受信した場合、記録テーブル135を参照し、直前の発報時刻1(例えば、2024/2/1、8:50:00)と、発報と共に送信された発報時刻2(2024/2/1、9:00:30)との時間差と基準時間を比較する。比較の結果、時間差分が基準時間未満であれば、通知装置131は端末140への通知を行わない。
【0079】
この例では、開閉不良信号が送信された後、ブロア104からの送風により戸閉センサ受光装置103が受光できるようになったため、戸開閉不良が解消され2回目の開閉不良信号が送信されない。従って、今回の戸閉センサ受光装置103の受光不良に対して送信される開閉不良信号、及び、発報装置113から通知装置131への発報は1回だけとなる。従って、今回の発報時刻2と、直前の発報時刻1との間隔は基準時間より長いものとなっており、保守員の端末140への通知が回避されている。これにより、保守員の出動が抑制される。
【0080】
次に、他の具体例として、戸閉センサ受光装置103への送風では、戸閉センサ受光装置103の受光異常が解消されない場合の動作例を説明する。
【0081】
この例の場合、最初に、ステップS110で、発報装置113に開閉不良信号が発信され、発報装置113から、ブロア制御装置112に送風動作指示と送風停止動作指示が送信されブロア104による風の吹き付けが行われ、通知装置131に発報と送風開始時刻が送信されるまでの流れは、戸閉センサ受光装置103の異常がブロア104の送風により解消される上記の具体例の場合と同様である。
【0082】
この例では、ブロア104の送風動作では、戸閉センサ受光装置103への受光が回復しない。従って、再び、
図6の処理が実行された際に、再度、開閉不良信号が発信される。
【0083】
開閉不良信号を受けて、発報装置113では、再び、送風動作指示が出され、送風開始時刻が新たに記録され、その後、送風開始時刻と共に通知装置131に発報される。
【0084】
この例では、戸閉センサ受光装置103の受光不良に対し、連続的に2回、開閉不良信号が送信され、通知装置131に送風開始時刻の発報がなされる。従って、最初の発報時刻1と次の発報時刻2との間隔が基準時間より短くなる。従って、戸開閉不良が発生していることが端末140に通知される。
【0085】
次に、予測装置133により設定された稼動時刻に基づいて、ブロア104を定期的に動作させる場合の具体例について説明する。
【0086】
予測装置133は、保守員が出動した時刻と保守員が出動することでセンサ汚れが解消された記録、及び、ブロア104の稼動により保守員が出動せずに済んだ記録とからブロア104の稼動時刻として設定する。
【0087】
例えば、
図4の記録テーブル135の記録例から、ブロア104の可動時刻を設定する場合の例を説明する。
図4の記録テーブル135には、2024/2/1の8:50と9:00とにブロア104が稼動したことにより、保守員が出動しなくて済んだという記録と、2024/1/30と2024/1/31の9:00と、2024/1/29の12:00とに保守員が出動した結果、発報の原因が物体検出センサのセンサ汚れであったという記録と、が記録されている。
【0088】
この場合、保守員の出動結果が「センサ汚れ」であった記録の日時から、時刻のみを切り出して、ユニークな値のみの時刻リスト1として、「9:00:00、12:00:00」が抽出される。
【0089】
次に、記録テーブル135の出動結果が「-」である記録の日時から、時刻のみを切り出して、ユニークな値のみの時刻リスト2として「8:50:00、9:00:00」が抽出される。
【0090】
次に、時刻リスト2の項目間時間差分が計算される。項目時間差分は、時刻リスト2の時刻の時間差である。
図4の記録テーブル135の例では、項目時間差分は「00:10:00」となる。
【0091】
次に、時刻リスト1-項目時間差分の時刻と、時刻リスト1と、を連結してユニークな値のみの時刻リスト3が作成される。
図4の記録テーブル135の例では、時刻リスト3は、「8:50:00、9:00:00、11:50:00、12:00:00」となる。時刻リスト3が稼動テーブル136にセットされる。
【0092】
通知装置131は、稼動テーブル136から稼動時刻(例えば「8:50:00、9:00:00、11:50:00、12:00:00」)を読み込み、現在時刻が稼動時刻であると判定すると、発報装置113にブロア稼動要求を送信する。
【0093】
発報装置113は、ブロア稼動要求を受信すると、ブロア制御装置112にブロア104の送風動作を指示し、その後、所定の送風時間が経過すると送風停止動作を指示する。この場合にも、通知装置131への発報が実行される。
【0094】
以上説明したように、本実施の形態のエレベータ監視システムによれば、戸閉動作の際に異常が発生し開閉不良信号が送信された場合、ブロア104により戸閉センサ受光装置103に風が吹き付けられる。これにより戸閉センサ受光装置103が受光可能な状態となり戸閉動作の異常が解消されれば、保守員の端末140への異常発生の通知が行われない。従って、保守員の点検のための出動回数を低減することができる。
【0095】
また、本実施の形態では、予測装置133により戸閉センサ受光装置103の汚れの発生の可能性がある時刻を予測して、設定されたブロア稼動時刻に定期的にブロア104による送風を実行する。このように、定期的にブロア104による風の吹き付けを行うことで、戸閉センサ受光装置103への汚れの堆積を抑制することができる。その結果、戸閉センサ受光装置103が戸閉センサ投光装置102からの光を受光しないことに起因するかごドア101の開閉不良信号の発生を低減し、ひいては保守員による出動回数を低減することができる。
【0096】
なお、エレベータ監視システムは、ブロア104を定期的に稼動させる構成を有しないものであってもよい。あるいは、エレベータ監視システムは、予測装置133を備える構成に限られない。例えば、過去のセンサ汚れの発生等による予測を行わず、予めブロア稼動時刻を設定しておいて、設定された稼動時刻にブロア104により送風を行う構成としてもよい。また、予測装置133によりブロア稼動時刻を設定する場合にも、ブロア稼動時刻の設定方法は、本実施の形態で説明した手法に限られない。予測装置133により、記録テーブル135の時刻、保守員出動、出動結果の記録を参照して、戸閉センサ受光装置103のセンサ汚れ発生のタイミングを予測し、そのタイミングより前にブロア104を稼動させることで、戸開閉不良の発生を効果的に抑制することができる。
【0097】
また本実施の形態では、戸閉センサ受光装置103に対しブロア104を配置し、戸閉センサ受光装置103に対しブロア104により風を吹き付ける場合について説明した。しかし、エレベータ監視システムはこれに限られない。エレベータ監視システムは、例えば、戸閉センサ投光装置102に対してもブロアが設置されたものであってもよい。この場合、例えば、戸閉センサ受光装置103にブロア104により風を吹き付けるタイミングと同期して、戸閉センサ投光装置102にブロアから風を吹き付ける構成としてもよい。
【0098】
実施の形態2.
図12は、実施の形態2に係るエレベータ監視システム及びその周辺機器の外観を示す模式図である。
図12のエレベータ監視システムは、投光器105と反射率測定器106とを備える点を除き、
図1のエレベータ監視システムと同一である。
【0099】
投光器105と反射率測定器106とは、戸閉センサ受光装置103の上部に配置されている。投光器105は、戸閉センサ受光装置103に投光できる位置に配置され、戸閉センサ受光装置103に向けて投光を行う。反射率測定器106は、戸閉センサ受光装置103からの反射光を受光できる位置に配置されている。反射率測定器106が受光する反射光の受光量の変化に基づいて、戸閉センサ受光装置103の汚れの度合いを計測することができる。戸閉センサ投光装置102に対しても、同様に、ブロア104と投光器105と反射率測定器106とが設置されていてもよい。
【0100】
図13は、本実施の形態に係るエレベータ監視システムの全体構成を示すブロック図である。
図13のエレベータ監視システムは、投光器105、反射率測定器106、反射率取得装置118、反射率取得設定119、反射率取得記録120を備える点、記憶部132に替えて、記憶部232を備える点を除き、
図2のエレベータ監視システムと同一である。
【0101】
反射率取得装置118は、反射率取得設定119を参照して、反射率測定器106から反射率を取得する。反射率取得設定119には反射率の取得間隔が設定されている。反射率取得間隔は一例として1時間である。取得された反射率の取得結果は反射率取得記録120に記録される。一例として、反射率取得記録120には、反射率を取得した時刻が、例えば「反射率取得時刻=2024/1/29、12:30:00」といったように記録される。また、反射率取得装置118は、反射率取得を指示する反射率取得要求を発報装置113から受け取った場合にも、反射率測定器106により反射率を取得して、反射率取得記録120に記録する。
【0102】
図14は、本実施の形態に係る記憶部の構成を示すブロック図である。
図14に示されるように、記憶部232は、管理マスタ234と、記録テーブル235と、学習モデル236と、を備えている。
【0103】
図15は、管理マスタの一例を示す図である。
図15に示されるように、管理マスタ234には、端末140に対し通知を行うか否かの判定の基準となる基準時間と共に、予測時間が設定されている。
図15の例では、基準時間は2分であり、予測時間は1時間に設定されている。
【0104】
図16は、記録テーブル235の一例を示す図である。
図16に示されるように、記録テーブル235には、例えば、日時、保守員出動、出動結果、及び、反射率が記録されている。日時は、発報を受信した時刻であり、保守員出動は、保守員の出動が行われたか否かであり、出動結果は、保守員の出動の結果、点検により判明した状況を示す情報である。また、反射率は、各時刻において反射率測定器106により測定された反射率である。
【0105】
学習モデル236は、時刻を入力として、その時刻に戸閉センサ受光装置103に受光異常が生じる重汚れが発生するかどうかを推論し、推論結果を出力する学習モデルである。学習モデル236は、記録テーブル235に記録されたデータに基づく機械学習により生成される。学習モデル236の構築については後述する。
【0106】
予測装置133は、学習モデル236を用いて、現在時刻より所定の予測時間先の時刻において戸閉センサ受光装置103に受光異常が生じる重汚れが発生するかどうかを推定する。その結果、重汚れが発生すると推定された場合には、発報装置113にブロア稼動要求を送信してブロア104を稼動させる。これにより、戸閉センサ受光装置103の汚れが事前に除去され、重汚れの発生が抑制される。
【0107】
次に、本実施の形態に係るエレベータ監視システムの制御動作について、
図17~
図19を用いて説明する。
図17~
図19の制御動作は、エレベータ監視システムが起動され、エレベータの運行が開始される際に毎回実行される。なお、戸制御装置111、ブロア制御装置112、及び、端末140の受信表示装置141のそれぞれによる制御動作例は、
図6、
図8及び
図10で説明したものと同一である。
【0108】
図17は、実施の形態2に係る発報装置による制御動作の一例を示すフローチャートである。
図17を用いて発報装置113による制御動作例について説明する。
図17の制御処理は、
図7に替えて実行されるものであり、
図7のステップS208の処理の後に、ステップS701の処理を有し、ステップS209に替えてステップS702の処理を有する点を除き、
図7の制御動作と同一である。
【0109】
図17に示される制御動作では、ステップS208において、ブロア104の送風停止動作の指示が送信された後、次に、ステップS701で、反射率測定器106により測定された反射率が読み取られる。その後、ステップS702で、通知装置131への発報に際し、送風開始時刻と共に反射率が送信される。
【0110】
図18は、実施の形態2に係る通知装置による制御動作の一例を示すフローチャートである。
図18を用いて通知装置131による制御動作について説明する。
図18の制御処理は、
図9に替えて実行されるものである。
【0111】
図18の制御処理では、まず、ステップS801で、管理マスタ234から基準時間と予測時間とが取得される。次に、ステップS802で、重汚れの発生が予測されるか否かが判定される。この判定は、学習モデル236に現在時刻と予測時間とを与えることで、学習モデル236から、現在時刻から予測時間だけ先の時刻における重汚れの発生予測の回答を得ることにより行われる。
【0112】
ステップS802で重汚れ発生が予測されると判定された場合、次に、ステップS803で、ブロア稼動要求の信号が発報装置113に送信される。その後、処理は、ステップS802に戻される。
【0113】
ステップS802で、重汚れ発生が予測されないと判定された場合、次に、ステップS804で、発報を受信したか否かが判定される。発報は、
図17の発報装置113による制御によりブロア制御装置112に対して送風停止動作の指示が発信された際に、通知装置131に送信される信号である。ステップS804で発報を受信していないと判定された場合、処理はステップS802に戻さる。
【0114】
ステップS804で発報を受信したと判定された場合、次に、ステップS805で、記録テーブル235を参照し、直前の発報時刻が取得される。ここで、直前の発報時刻を「発報時刻1」と称する。
【0115】
次に、ステップS806で、発報と共に送信された時刻と反射率とが記録テーブル235に追加される。ステップS806で今回記録された当該時刻を「発報時刻2」と称する。
【0116】
次に、ステップS807で、発報時刻2と発報時刻1との時間差が、ステップS801で取得された基準時間以上であるか否かが判別される。つまり、ここでは、前回ブロア104による送風が実行された時刻と、今回、ブロア104による送風が実行された時間との間隔が基準時間以上であるか否かが判断される。発報時刻2と発報時刻1との時間差が基準時間以上であれば、処理はステップS802に戻される。
【0117】
一方、ステップS807で、時間差が基準時間未満であると判定された場合、次に、ステップS808で、端末140に対する通知が行われる。その後、処理はステップS802に戻される。
【0118】
図19は、本実施の形態に係る反射率取得装置が実行する制御動作の一例を示すフローチャートである。
図19を用いて、反射率取得装置118による反射率取得の際の制御動作について説明する。
【0119】
図19に示されるように、ステップS901において、反射率取得設定119から反射率取得間隔が取得される。次に、ステップS902では、反射率取得要求を受け取ったか否かが判定される。反射率取得要求は、例えば、
図17の発報装置113の制御動作によりステップS701で反射率の取得が行われる場合に発報装置113から発せられる。また、例えば保守員が出動した際など、反射率の測定が必要となった場合、保守員が端末140から反射率取得要求の信号を発信することもできる。
【0120】
ステップS902で反射率取得要求を受け取ったと判定された場合、次に、ステップS903で、反射率が取得される。すなわち、投光器105に投光の指示が出されて反射率取得装置118により計測された反射率が取得される。ステップS904で、取得された反射率が、反射率取得要求の発信元に返信される。
【0121】
一方、ステップS902で反射率取得要求を受け取っていないと判定された場合、次に、ステップS906で、反射率取得記録120に記録された反射率取得時刻が取得される。反射率取得時刻は、後述するステップS905の処理で記録される時刻である。
【0122】
次に、ステップS907で、現在時刻と反射率取得時刻との時間差が反射率取得間隔以上であるか否かが判定される。ステップS907で時間差が反射率取得間隔未満と判定された場合、処理はステップS902に戻される。
【0123】
一方、ステップS907で差分が反射率取得間隔以上と判定された場合、次に、ステップS908で反射率が取得される。
【0124】
次に、ステップS909で記録テーブル235に、現在時刻と、保守員出動がなかったことを示す「-」と、出動結果がないことを示す「-」と、ステップS908で取得された反射率と、が記録される。
【0125】
ステップS909の記録テーブル235への記録の後、又は、ステップS904で反射率が返された後、次に、S905で、反射率取得記録120の反射率取得時刻を現在時刻で更新する。その後、処理は、ステップS902に戻される。
【0126】
次に、より具体的に、記録テーブル235に反射率が記録される場合の動作を説明する。定期的な反射率の取得は、反射率取得設定119に設定された反射率取得間隔(例えば、1時間)で実行される。反射率取得装置118は、反射率取得記録120から、反射率取得時刻(例えば、2024/1/29、12:30:00)を取得する。取得した反射率取得時刻と、現在時刻との時間差が、反射率取得間隔(1時間)以上となっていれば、反射率取得装置118は、反射率測定器106から反射率を取得する。
【0127】
取得した反射率(例えば、50%)は、記憶部232の記録テーブル235に現在時刻と、保守員出動なしを示す「-」の記録、出動結果の記録「-」と関連付けて記録され、保守員の出動がなかった時の反射率データとして、記録テーブル235に蓄積される。
【0128】
また、例えば発報装置113から、反射率取得要求が出された場合にも反射率が取得され、記録される。具体的に、発報装置113は、ブロア稼動要求を受信した場合、あるいは開閉不良信号を受信した場合、ブロア制御装置112に送風動作指示して、送風開始時刻(例えば、2024/2/1、9:00:30)を記録する。その後、送風時間(例えば、10秒)が経過すると、発報装置113は、ブロア制御装置112に送風動作を指示して、反射率取得装置118に反射率取得要求を発信する。反射率取得装置118により取得された反射率(例えば、40%)は、送風開始時刻(例えば、2024/2/1、9:00:30)と共に、通知装置131に発報される。
【0129】
通知装置131の制御動作により送風開始時刻(すなわち、発報時刻2)と反射率とが記録テーブル235に追加される。また、端末140へ通知がなされ、保守員が出動を行った際に、保守員は、記録テーブル235を更新する。記録テーブル235には、保守員が出動した日時と保守員出動の「出動有り」の記録と出動結果の記録と、戸閉センサ受光装置103修復前(即ち、センサ汚れを起こしている状態の)に測定した反射率のデータとが蓄積される。
【0130】
学習モデル236の構築例について説明する。上記のように、記録テーブル235に測定された反射率を測定して記録することで、戸閉センサ受光装置103の汚れが数値化される。日時と反射率のデータから、時間経過にも伴う戸閉センサ受光装置103の反射率の低下が時系列分析により予測される。また、保守員が出動した場合の出動結果が「センサ汚れ」であった場合を正解とする教師あり学習により、時間経過に伴う反射率の変化から「センサ汚れ」となるセンサの重汚れの発生を機械学習した学習モデル236が構築される。
【0131】
本実施の形態では、学習モデル236が、学習装置を備える構成とし、記録テーブル235の記録を用いて、学習モデル236を定期的に更新してもよい。また、学習モデル236は、構築済みの学習モデルのみが搭載されたものであってもよい。この場合、例えば、クラウドサーバー、あるいは外部の端末等に搭載された学習装置により、学習モデル236を定期的に更新する構成としてもよい。
【0132】
通知装置131によりブロア稼動要求が送信される動作例について説明する。通知装置131は、記憶部232の管理マスタ234から予測時間(一例として、1時間)を取得する。通知装置131は、現在時刻(一例として、2024/2/1、10:00:00)に予測時間(一例として、1時間)を足した将来時刻(一例として、2024/2/1、11:00:00)を学習モデル236に与え、その将来時刻における重汚れの発生を予測させる。学習モデル236からの出力が、同将来時刻に重汚れの発生を予測するものであった場合、通知装置131は、発報装置113にブロア稼動要求を送信する。
【0133】
このように、本実施の形態では、学習モデル236を利用したセンサの重汚れの発生予測により、事前に戸閉センサ受光装置103の汚れを除去することができる。これにより、保守員の出動が抑制される。
【0134】
なお、本実施の形態では、戸閉センサ受光装置103に対し、ブロア104、投光器105及び反射率測定器106を配置し、戸閉センサ受光装置103の重汚れを予測してブロア104を稼動させる場合について説明した。しかし、エレベータ監視システムはこれに限られない。エレベータ監視システムは、例えば、戸閉センサ投光装置102に対してもブロアが設置されたものであってもよい。この場合、例えば、戸閉センサ受光装置103にブロア104により風を吹き付けるタイミングと同期して、戸閉センサ投光装置102にブロアから風を吹き付ける構成としてもよい。
【0135】
また、エレベータ監視システムは、例えば、戸閉センサ投光装置102に対してもブロアと投光器と反射率測定器とが配置された構成であってもよい。この場合、戸閉センサ投光装置102の重汚れを予測する学習モデルを機械学習により生成し、学習モデルによって現在時刻から予測時間先の将来時刻における戸閉センサ投光装置102に重汚れの発生が予測された場合に、戸閉センサ投光装置102に対して設置されたブロアを送風動作させるように構成することができる。
【0136】
なお、以上の実施の形態では、エレベータ監視システムが通信制御装置110とセンタ130と端末140とを備え、通信制御装置110が戸制御装置111、ブロア制御装置112、発報装置113、反射率取得装置118等を備え、センタ130が通知装置131、予測装置133を備える場合について説明した。ただし、これらの装置は、物理的に独立した個々の装置である必要はなく、1つ又は複数の制御装置に、これらの装置が備える機能が搭載されていればよい。
【0137】
また、以上の実施の形態に記載された各装置等の構成要素により実現される機能は、当該記載された機能を実現するようにプログラムされた、汎用プロセッサ、特定用途プロセッサ、集積回路、ASICs(Application Specific Integrated Circuits)、CPU(Central Processing Unit)、従来型の回路、あるいは、それらの組合せを含む回路を使用して実装されてもよい。プロセッサは、トランジスタやその他の回路を含むので、回路とみなされる。プロセッサは、メモリに格納されたプログラムを実行するものであってもよい。また、実施の形態における回路、ユニット、手段は、記載された機能を実現するようにプログラムされたハードウェア、又は、実行するハードウェアである。当該ハードウェアは、実施の形態に開示されているあらゆるハードウェア、又は、当該記載された機能を実現するようにプログラムされた、又は、実行するものとして知られているあらゆるハードウェアであってもよい。当該ハードウェアが一種の回路と考え得るプロセッサである場合、当該回路、手段、又はユニットは、ハードウェアと、当該ハードウェア及び又はプロセッサを構成するために用いられるソフトウェアとの組合せである。
【0138】
なお、以上の実施の形態において各要素の個数、数量、量、範囲等の数に言及した場合、特に明示した場合や原理的に明らかにその数に特定される場合を除いて、その言及した数に、本開示のエレベータ監視システム又は監視装置が限定されるものではない。また、この実施の形態において説明する構造等は、特に明示した場合や明らかに原理的にそれに特定される場合を除いて、必ずしも必須のものではない。
【符号の説明】
【0139】
101 かごドア、 102 戸閉センサ投光装置、 103 戸閉センサ受光装置、 104 ブロア、 105 投光器、 106 反射率測定器、 110 通信制御装置、 111 戸制御装置、 112 ブロア制御装置、 113 発報装置、 114 戸開時間設定、 115 戸開時間記録、 116 稼動設定、 117 稼動記録、 118 反射率取得装置、 119 反射率取得設定、 120 反射率取得記録、 130 センタ、 131 通知装置、 132 記憶部、 133 予測装置、 134 管理マスタ、 135 記録テーブル、 136 稼動テーブル、 140 端末、 141 受信表示装置、 232 記憶部、 234 管理マスタ、 235 記録テーブル、 236 学習モデル
【要約】
【課題】エレベータの異常を知らせる信号に対応して保守員が出動する回数を低減する。
【解決手段】本開示のエレベータ監視システムは、エレベータのかごに配置され、かごの出入口の近傍の物体を検出する物体検出センサと、物体検出センサの付近に配置され、物体検出センサに風を吹き付けるブロア手段と、出入口に配置されたかごドアの開閉動作を制御する戸制御装置と、ブロア手段の動作を制御するブロア制御装置と、を備え、ブロア制御装置は、物体検出センサにより出入口の近傍に物体が検出された状態が、予め設定された戸開時間閾値以上継続した場合、ブロア手段を稼動して物体検出センサへの風の吹き付けを行う。
【選択図】
図2