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特許7622927デジタル資産の取引における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システム、商品現物、暗号資産及び商品ST類の相互交換によるデジタル資産の取引における資産の売却に伴う税金自動算出システム、デジタル資産を用いたデビットサービスの提供における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システム、デジタル資産を用いた決済サービスの提供における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-20
(45)【発行日】2025-01-28
(54)【発明の名称】デジタル資産の取引における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システム、商品現物、暗号資産及び商品ST類の相互交換によるデジタル資産の取引における資産の売却に伴う税金自動算出システム、デジタル資産を用いたデビットサービスの提供における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システム、デジタル資産を用いた決済サービスの提供における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/12 20230101AFI20250121BHJP
【FI】
G06Q40/12 410
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022169534
(22)【出願日】2022-10-21
(65)【公開番号】P2024061534
(43)【公開日】2024-05-07
【審査請求日】2024-08-28
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】313004816
【氏名又は名称】西本 一也
(73)【特許権者】
【識別番号】519249262
【氏名又は名称】株式会社デジタルアセットマーケッツ
(74)【代理人】
【識別番号】110001405
【氏名又は名称】弁理士法人篠原国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100065824
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100104983
【弁理士】
【氏名又は名称】藤中 雅之
(74)【代理人】
【識別番号】100166394
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 和弘
(72)【発明者】
【氏名】西本 一也
【審査官】上田 威
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0130392(US,A1)
【文献】特開2018-097725(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トークン(ブロックチェーン等の分散技術においてデジタルで定義される価値などの総称であって、暗号資産を含む)、デジタル通貨、トークンとデジタル通貨、もしくはトークン同士、デジタル通貨同士など、あらゆる形態のデジタル資産間による取引を管理するための、少なくとも1種類のブロックチェーン等の分散技術における分散型台帳と、該分散型台帳に管理されるデジタル資産を用いた所定の処理を行うためのスマートコントラクトを備えて構築される、デジタル資産の取引における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムであって、
顧客からの暗号資産の購入指示を受け付ける機能を有する暗号資産購入指示受付手段と、
前記暗号資産購入指示受付手段が受け付けた当該暗号資産の購入指示に基づき、暗号資産交換業者(の業務システム)に設けられた顧客口座に入金されている所定の法定通貨(円)との交換により当該暗号資産を購入し、当該顧客口座に紐づけられたブロックチェーンの顧客アドレスに入庫する機能を有する暗号資産購入手段と、
前記暗号資産購入手段が購入した当該暗号資産の簿価を、当該法定通貨(円)を単位とした購入金額を用いて算出する機能を有する暗号資産簿価算出手段と、
前記暗号資産簿価算出手段が算出した当該暗号資産の簿価を当該顧客口座に記録する機能を有する暗号資産簿価記録手段と、
当該顧客からの、当該顧客口座に紐づけられたブロックチェーンの顧客アドレスに入庫されている暗号資産を用いた決済指示を受け付ける機能を有する暗号資産決済指示受付手段と、
前記暗号資産決済指示受付手段が前記決済指示を受け付けたとき、前記決済指示の対象となっている当該暗号資産を売却して、当該法定通貨(円)に自動的に変換する機能を有する法定通貨(円)変換手段と、
前記法定通貨(円)変換手段が所定の法定通貨(円)に変換した当該暗号資産の売却時の価格から、前記暗号資産簿価記録手段により当該顧客口座に記録されている簿価を差し引いて売却数量をかけた額を当該暗号資産の売買損益として算出する機能を有する暗号資産売買損益算出手段と、
前記暗号資産売買損益算出手段により算出された、当該暗号資産の売買損益を当該顧客口座に紐づけられたブロックチェーンの顧客アドレス内に記録する機能を有する暗号資産売買損益記録手段と、
前記暗号資産決済指示受付手段が前記決済指示を受け付けたときに、当該顧客口座に紐づけられたブロックチェーンの顧客アドレスに入庫されている当該暗号資産を出庫する機能を有する暗号資産出庫手段と、
前記暗号資産出庫手段による当該暗号資産の出庫時に、ブロックチェーンの出庫先アドレスに対して、当該暗号資産の出庫量と当該顧客口座に記録されている当該暗号資産の簿価とを当該暗号資産の出庫データとして記録し引き渡す機能を有する暗号資産出庫データ記録手段と、
前記顧客口座での暗号資産の売買損益の総計ないし、当該顧客口座に紐づけられたブロックチェーンの顧客アドレスに暗号資産の売却時に記録されている暗号資産の売買損益の総計により、所定期間内の売買損益を集計し、自動的に暗号資産の売却に伴い生じる税金の計算を行う機能を有する税金自動算出手段と、
を有することを特徴とするデジタル資産の取引における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システム。
【請求項2】
前記暗号資産が、第1の暗号資産建ての第2の暗号資産よりなる暗号資産ペアである場合における、第1の暗号資産建ての第2の暗号資産を、所定の法定通貨(円)建ての第1の暗号資産と、所定の法定通貨(円)建ての第2の暗号資産とに分解する機能を有する暗号資産ペア分解手段をさらに有し、
前記暗号資産購入指示受付手段は、顧客からの第1の暗号資産建ての第2の暗号資産の購入指示を受け付ける機能をさらに有し、
前記暗号資産購入手段は、前記暗号資産購入指示受付手段が受け付けた当該第1の暗号資産建ての第2の暗号資産の購入指示に基づき、暗号資産交換業者(の業務システム)に設けられた当該顧客口座に入金されている所定の法定通貨(円)との交換により当該第1の暗号資産建ての第2の暗号資産を購入し、当該顧客口座に紐づけられたブロックチェーンの顧客アドレスに入庫する機能をさらに有し、
前記暗号資産簿価算出手段は、前記暗号資産購入手段が購入した当該第1の暗号資産建ての第2の暗号資産の簿価を、前記暗号資産ペア分解手段により分解された、所定の法定通貨(円)建ての第1の暗号資産における、当該法定通貨(円)を単位とした売値を当該第2の暗号資産の購入金額として用いて算出するとともに、所定の法定通貨(円)建ての第2の暗号資産における、当該法定通貨(円)を単位とした買値を当該第1の暗号資産の売却金額として用いて算出する機能をさらに有し、
前記暗号資産簿価記録手段は、前記暗号資産簿価算出手段が算出した当該第1の暗号資産建ての第2の暗号資産の簿価を当該顧客口座に記録する機能をさらに有し、
前記暗号資産決済指示受付手段は、当該顧客からの、当該顧客口座に紐づけられたブロックチェーンの顧客アドレスに入庫されている当該第1の暗号資産建ての第2の暗号資産を用いた決済指示を受け付ける機能をさらに有し、
前記法定通貨(円)変換手段は、
当該第1の暗号資産建ての第2の暗号資産の取引が買い取引であるときには、前記暗号資産ペア分解手段により分解された、所定の法定通貨(円)建ての第1の暗号資産における当該法定通貨(円)を単位とした売値を第2の暗号資産の買値(の想定価格)として定めるとともに、前記暗号資産ペア分解手段により分解された、所定の法定通貨(円)建ての第2の暗号資産における当該法定通貨(円)を単位とした買値を第1の暗号資産の売値(の想定価格)として定め、
当該第1の暗号資産建ての第2の暗号資産の取引が売り取引であるときには、前記暗号資産ペア分解手段により分解された、所定の法定通貨(円)建ての第1の暗号資産における当該法定通貨(円)を単位とした買値を第2の暗号資産の売値(の想定価格)として定めるとともに、前記暗号資産ペア分解手段により分解された、所定の法定通貨(円)建ての第2の暗号資産における当該法定通貨(円)を単位とした売値を第1の暗号資産の買値(の想定価格)として定める機能をさらに有し、
前記暗号資産売買損益算出手段は、
当該第1の暗号資産建ての第2の暗号資産の取引が買い取引であるときには、前記法定通貨(円)変換手段により定められた、建て側の第1の暗号資産の所定の法定通貨(円)を単位とした売値(の想定価格)から前記暗号資産簿価記録手段により当該顧客口座に記録されている建て側の第1の暗号資産の当該法定通貨(円)を単位とした簿価を差し引いて売却数量をかけた額を建て側の第1の暗号資産の売買損益として算出するとともに、前記法定通貨(円)変換手段により定められた、建て側とは反対側の第2の暗号資産の所定の法定通貨(円)を単位とした買値(の想定価格)から前記暗号資産簿価記録手段により当該顧客口座に記録されている建て側とは反対側の第2の暗号資産の当該法定通貨(円)を単位とした簿価を差し引いて売却数量をかけた額を建て側とは反対側の第2の暗号資産の売買損益として算出し、
当該第1の暗号資産建ての第2の暗号資産の取引が売り取引であるときには、前記法定通貨(円)変換手段により定められた、建て側の第1の暗号資産の所定の法定通貨(円)を単位とした買値(の想定価格)から前記暗号資産簿価記録手段により当該顧客口座に記録されている建て側の第1の暗号資産の当該法定通貨(円)を単位とした簿価を差し引いて売却数量をかけた額を建て側の第1の暗号資産の売買損益として算出するとともに、前記法定通貨(円)変換手段により定められた、建て側とは反対側の第2の暗号資産の所定の法定通貨(円)を単位とした売値(の想定価格)から前記暗号資産簿価記録手段により当該顧客口座に記録されている建て側とは反対側の第2の暗号資産の当該法定通貨(円)を単位とした簿価を差し引いて売却数量をかけた額を建て側とは反対側の第2の暗号資産の売買損益として算出する機能をさらに有し、
前記税金自動算出手段は、
前記顧客口座での建て側の第1の暗号資産の売買損益の総計ないし、当該顧客口座に紐づけられたブロックチェーンの顧客アドレスに売却時に記録されている建て側の第1の暗号資産の売買損益の総計により、所定期間内の売買損益を集計し、自動的に建て側の第1の暗号資産の売却に伴い生じる税金の計算を行うとともに、
前記顧客口座での建て側の第2の暗号資産の売買損益の総計ないし、当該顧客口座に紐づけられたブロックチェーンの顧客アドレスに売却時に記録されている建て側の第2の暗号資産の売買損益の総計により、所定期間内の売買損益を集計し、自動的に建て側とは反対側の第2の暗号資産の売却に伴い生じる税金の計算を行う機能をさらに有する
ことを特徴とする請求項1に記載のデジタル資産の取引における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システム。
【請求項3】
トークン(ブロックチェーン等の分散技術においてデジタルで定義される価値などの総称であって、暗号資産を含む)、デジタル通貨、トークンとデジタル通貨、もしくはトークン同士、デジタル通貨同士など、あらゆる形態のデジタル資産間による取引を管理するための、少なくとも1種類のブロックチェーン等の分散技術における分散型台帳と、該分散型台帳に管理されるデジタル資産を用いた所定の処理を行うためのスマートコントラクトを備えて構築される、商品現物、暗号資産及び商品ST類の相互交換によるデジタル資産の取引における資産の売却に伴う税金自動算出システムであって、
(貴金属類、エネルギー類、農作物類、原料類など一般的に商品と呼ばれるすべてのものを対象とする)商品現物、(商品現物をベースとして作成されてなる)暗号資産及び(暗号資産を信託を介して発行されてなる、または商品現物をベースとして直接的に作成されてなる)商品ST類の相互交換を行う機能を有する資産取引手段と、
前記資産取引手段による相互交換の対象となる資産(商品現物、暗号資産又は商品ST類)の簿価を、所定の法定通貨(円)を単位とした購入金額を用いて算出する機能を有する資産簿価算出手段と、
前記資産簿価算出手段が算出した当該資産の簿価を顧客口座に記録する機能を有する資産簿価記録手段と、
前記資産取引手段による相互交換の対象となる資産(商品現物、暗号資産又は商品ST類)を所定の法定通貨(円)に自動的に変換する機能を有する法定通貨(円)変換手段と、
前記法定通貨(円)変換手段により当該法定通貨(円)に変換された、当該資産(商品現物、暗号資産又は商品ST類)の売却時の価格から、前記資産簿価記録手段により当該顧客口座に記録されている簿価を差し引いて売却数量をかけた額を当該資産(商品現物、暗号資産又は商品ST類)の売買損益として算出する機能を有する資産売買損益算出手段と、
前記資産売買損益算出手段により算出された、当該資産(商品現物、暗号資産又は商品ST類)の売買損益と、当該資産(商品現物、暗号資産又は商品ST類)について商品現物、暗号資産及び商品ST類のいずれかに夫々対応した資産の区分と、を当該顧客口座に紐づけられたブロックチェーンの顧客アドレス内に記録する機能を有する資産売買損益記録手段と、
前記顧客口座での前記資産取引手段による相互交換の対象となる資産(商品現物、暗号資産及び商品ST類の夫々)の売買損益の総計ないし、当該顧客口座に紐づけられたブロックチェーンの顧客アドレスに当該資産(商品現物、暗号資産及び商品ST類の夫々)の売却時に記録されている当該資産(商品現物、暗号資産及び商品ST類の夫々)の売買損益の総計により、所定期間内の売買損益を集計し、自動的に当該資産(商品現物、暗号資産及び商品ST類の夫々)の売却に伴い生じる税金の計算を、前記資産売買損益記録手段により記録された、資産の区分に応じて異なる税率で行う機能を有す税金自動算出手段
と、
を有することを特徴とする商品現物、暗号資産及び商品ST類の相互交換によるデジタル資産の取引における資産の売却に伴う税金自動算出システム。
【請求項4】
相互交換の対象となる資産(商品現物、暗号資産又は商品ST類)の銘柄を取引リストに登録する機能を有する銘柄登録用スマートコントラクトと、
前記銘柄登録用スマートコントラクトにより取引リストに登録されている銘柄について、一つのマーケットメイクを行う金融機関に対し顧客からの注文(リーブオーダー)があったときに、当該リーブオーダーを、各マーケットメイクを行う金融機関における共通のリーブオーダーとして取り扱い、各マーケットメイクを行う金融機関において共通に取り扱う、全ての当該銘柄についてのリーブオーダーの状況(注文ブック(約定)状態)に基づき、各マーケットメイクを行う金融機関における夫々独自の当該銘柄についてのレートを作成する機能を有する独自レート作成用スマートコントラクトと、
各マーケットメイクを行う金融機関における所定銘柄についてのリーブオーダーの状況(注文ブック(約定)状態)と、前記独自レート作成用スマートコントラクトが作成した、各マーケットメイクを行う金融機関における夫々独自の当該銘柄についてのレートを、各マーケットメイクを行う金融機関が把握しない非公開方式の共有情報として保管する機能を有する非公開共有情報保管用スマートコントラクトと、
前記非公開共有情報保管用スマートコントラクトを介して共有された、各マーケットメイクを行う金融機関における所定銘柄についてのリーブオーダーの状況(注文ブック(約定)状態)と、各マーケットメイクを行う金融機関における夫々独自の当該銘柄についてのレートを用いて当該銘柄についての基準レートを生成する機能を有する基準レート生成用スマートコントラクトと、
前記基準レート生成用スマートコントラクトが生成した所定銘柄についての基準レートを非公開情報として保管するとともに、顧客からの取引を所望する銘柄についてのレートの問い合わせを受け付けたときにのみ、前記基準レート生成用スマートコントラクトが生成した当該銘柄についての基準レートを当該顧客に提示する機能を有する基準レート提示用スマートコントラクトと、
前記独自レート作成用スマートコントラクトが作成した、各マーケットメイクを行う金融機関における所定銘柄についての自社レートに対当する顧客の当該銘柄についてのリーブオーダーを約定する機能を有する約定用スマートコントラクトと、
前記約定用スマートコントラクトが、所定のマーケットメイクを行う金融機関における所定銘柄についての自社レートで顧客の当該銘柄についてのリーブオーダーを約定することができない場合、前記非公開共有情報保管用スマートコントラクトが各マーケットメイクを行う金融機関が把握しない非公開方式で共有する情報として保管する、各マーケットメイクを行う金融機関における夫々独自の当該銘柄についてのリーブオーダーの状況(注文ブック(約定)状態)と、前記独自レート作成用スマートコントラクトが作成した、各マーケットメイクを行う金融機関における夫々独自の当該銘柄についてのレートと、を用いて、約定可能な相手先となるマーケットメイクを行う金融機関を探索する機能を有する約定先探索用スマートコントラクトと、
所定のマーケットメイクを行う金融機関の顧客の所定銘柄についてのリーブオーダーが、前記約定先探索用スマートコントラクトの探索した他のマーケットメイクを行う金融機関における当該銘柄についてのレートに対当する場合、前記約定用スマートコントラクトに当該銘柄についてのリーブオーダーを約定させる機能を有する約定制御用スマートコントラクトと、
をさらに備え、
前記資産簿価算出手段は、前記約定用スマートコントラクトにより約定されたときの資産(商品現物、暗号資産又は商品ST類)の所定の法定通貨(円)を単位とした購入金額を用いて、当該資産の簿価を算出する機能をさらに有し、
前記資産取引手段は、様々な暗号資産と様々なST類との相互交換を行うことを特徴とする請求項3に記載の商品現物、暗号資産及び商品ST類の相互交換によるデジタル資産の取引における資産の売却に伴う税金自動算出システム。
【請求項5】
トークン類(ブロックチェーン等の分散技術においてデジタルで定義される価値などの総称であって、暗号資産を含む)、デジタル通貨、トークン類とデジタル通貨、もしくはトークン類同士、デジタル通貨同士など、あらゆる形態のデジタル資産間による取引を管理するための、少なくとも1種類のブロックチェーン等の分散技術における分散型台帳と、該分散型台帳に管理されるデジタル資産を用いた所定の処理を行うためのスマートコントラクトを備えて構築される、デジタル資産を用いたデビットサービスの提供における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムであって、
デビットカードでの決済の際の清算対象として優先させるデジタルアセットトークンの銘柄の順位指定をデビットカード利用者(消費者)から受け付ける機能を有する清算対象優先資産選択指定受付手段と、
前記清算対象優先資産選択指定受付手段が受け付けたデジタルアセットトークンの銘柄の順位指定にしたがって清算に必要な代金分のデジタルアセットトークンの現金化を指示する機能を有する代金現金化指示手段と、
前記清算対象優先資産選択指定受付手段が受け付けたデジタルアセットトークンの銘柄の順位指定にしたがって、暗号資産交換業者側のデビットカード利用者(消費者)口座に預け入れされているデジタルアセットトークンを、清算に必要な代金分、現金に変換する機能を有する現金変換手段と、
前記現金変換手段が変換した代金分の現金を、銀行等の金融機関側のデビットカード利用者(消費者)口座へ転送する機能を有する現金転送手段と、
を有し、
前記代金現金化指示手段は、前記清算対象優先資産選択指定受付手段が、デビットカードでの決済の際の清算対象として優先させる資産として、銀行等の金融機関側のデビットカード利用者(消費者)口座に預け入れされている現金の選択指定を受け付けた場合において、銀行等の金融機関側のデビットカード利用者(消費者)口座に預け入れされている現金が清算に必要な額を満たさないときに、不足分の清算に必要な代金分の現金化を指示する機能をさらに有し、
前記現金変換手段は、前記代金現金化指示手段から不足分の清算に必要な代金分の現金化の指示を受けたとき、暗号資産交換業者側のデビットカード利用者(消費者)口座に預け入れされている不足分の清算に必要な代金分のデジタルアセットトークンを自動的に現金化する機能をさらに有し、
前記現金転送手段は、銀行等の金融機関側のデビットカード利用者(消費者)口座に、前記現金変換手段によって変換された不足分の現金を振り替える機能をさらに有するデジタル資産を用いたデビットサービス提供システムにおいて、
暗号資産交換業者側のデビットカード利用者(消費者)口座に預け入れされている暗号資産の簿価を当該デビットカード利用者(消費者)口座に記録する機能を有する暗号資産簿価記録手段と、
暗号資産がデビットカードでの決済の際の清算対象となる資産として、前記現金変換手段により現金化される場合、当該暗号資産を売却して、法定通貨(円)に自動的に変換する機能を有する法定通貨(円)変換手段と、
前記法定通貨(円)変換手段が所定の法定通貨(円)に変換した当該暗号資産の売却時の価格から、前記暗号資産簿価記録手段により当該デビットカード利用者(消費者)口座に記録されている簿価を差し引いて売却数量をかけた額を当該暗号資産の売買損益として算出する機能を有する暗号資産売買損益算出手段と、
前記暗号資産売買損益算出手段が算出した当該暗号資産の売買損益を当該デビットカード利用者(消費者)口座に紐づけられたブロックチェーンのデビットカード利用者(消費者)アドレス内に記録する機能を有する暗号資産売買損益記録手段と、
前記デビットカード利用者(消費者)口座での暗号資産の売買損益の総計ないし、当該デビットカード利用者(消費者)口座に紐づけられたブロックチェーンのデビットカード利用者(消費者)アドレスに暗号資産の売却時に記録されている暗号資産の売買損益の総計により、所定期間内の売買損益を集計し、自動的に暗号資産の売却に伴い生じる税金の計算を行う機能を有する税金自動算出手段と、
を有することを特徴とするデジタル資産を用いたデビットサービスの提供における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システム。
【請求項6】
トークン類(ブロックチェーン等の分散技術においてデジタルで定義される価値などの総称であって、暗号資産を含む)、デジタル通貨、トークン類とデジタル通貨、もしくはトークン類同士、デジタル通貨同士など、あらゆる形態のデジタル資産間による取引を管理するための、少なくとも1種類のブロックチェーン等の分散技術における分散型台帳と、該分散型台帳に管理されるデジタル資産を用いた所定の処理を行うためのスマートコントラクトを備えて構築される、デジタル資産を用いた決済サービスの提供における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムであって、
物品やサービスの提供側と購入側の各々にインターフェースプログラムを有し、
夫々のインターフェースプログラムは、
複数の決済手段夫々についての所定情報(サービス番号と口座的な管理番号)、決済手段の優先順位との設定を受け付ける機能を有する決済手段情報等設定手段と、
前記決済手段情報等設定手段が設定を受け付けたデータを決済手段利用可能情報として(当該インターフェースプログラムを構成するネットワーク内の処理手段及び記録媒体へ)記録する機能を有する決済手段利用可能情報記録手段と、を有し、
前記提供側のインターフェースプログラムと前記購入側のインターフェースプログラムは、決済時にコード(バーコードやQRコードなど)からなる前記決済手段利用可能情報を特定する識別子情報を、いずれか一方のインターフェースプログラムが表示し、いずれか他方のインターフェースプログラムに読み込ませることができる機能を有する識別子情報入出力手段を有し、
前記提供側のインターフェースプログラムは、双方の前記識別子情報入出力手段を用いて、前記購入側のインターフェースプログラムに前記提供側のインターフェースプログラムが表示する前記識別子情報(コード)を読み込ませる場合において、前記提供側からの決済価格情報の入力を受け付ける機能を有する決済価格情報入力受付手段を有し、
前記購入側のインターフェースプログラムは、双方の前記識別子情報入出力手段を用いて、前記購入側のインターフェースプログラムに前記提供側のインターフェースプログラムが表示する前記識別子情報(コード)を読み込ませる場合において、前記決済価格情報入力受付手段が入力を受け付けた前記提供側からの決済価格情報を確認する機能を有する決済価格情報確認手段を有し、
前記提供側のインターフェースプログラムと前記購入側のインターフェースプログラムのいずれか一方が、いずれか他方の前記識別子情報(コード)を読み込むことにより、双方のインターフェースプログラムが双方の決済手段を紐づけ、
前記提供側のインターフェースプログラムは、決済可能な決済手段を数種類提示する機能を有する決済手段提示手段を有し、
前記購入側のインターフェースプログラムは、前記提供側のインターフェースプログラムの前記決済手段提示手段より提示された数種類の決済手段の範囲に該当する決済手段を対象として、購入側が設定した優先順位の該当決済手段から順に決済処理の可否を確認する機能を有する決済処理可否確認手段を有し、
さらに、前記購入側のインターフェースプログラムの前記決済手段情報等設定手段は、前記決済処理可否確認手段による決済処理の可否の確認に際し、前記提供側のインターフェースプログラムより提示された数種類の決済手段の夫々について、所定の決済金額に対し、1回で決済処理に用いることのできる量を、前記決済手段利用可能情報の設定の際に予め指定しておくことができる機能をさらに有し、
前記購入側のインターフェースプログラムは、前記購入側が設定した優先順位にしたがって、該当する決済手段について、提供側のインターフェースプログラムより提示された1回で決済処理に用いることのできる量のストックがあるか否かをチェックし、1回で処理できる量のストックがある場合は優先的にその決済手段を決済処理に用いる機能を有する決済手段処理順制御手段を有し、
複数の前記決済手段のうちの少なくとも一つが暗号資産であり、さらに、
購入した当該暗号資産の簿価を、法定通貨(円)を単位とした購入金額を用いて算出する機能を有する暗号資産簿価算出手段と、
前記暗号資産簿価算出手段が算出した当該暗号資産の簿価を顧客口座に記録する機能を有する暗号資産簿価記録手段と、
暗号資産が決済手段として決済処理に用いられる場合、当該暗号資産を売却して、当該法定通貨(円)に自動的に変換する機能を有する法定通貨(円)変換手段と、
前記法定通貨(円)変換手段が所定の法定通貨(円)に変換した当該暗号資産の売却時の価格から、前記暗号資産簿価記録手段により当該顧客口座に記録されている簿価を差し引いて売却数量をかけた額を当該暗号資産の売買損益として算出する機能を有する暗号資産売買損益算出手段と、
前記暗号資産売買損益算出手段により算出された、当該暗号資産の売買損益を当該顧客口座に紐づけられたブロックチェーンの顧客アドレス内に記録する機能を有する暗号資産売買損益記録手段と、
前記顧客口座での暗号資産の売買損益の総計ないし、当該顧客口座に紐づけられたブロックチェーンの顧客アドレスに暗号資産の売却時に記録されている暗号資産の売買損益の総計により、所定期間内の売買損益を集計し、自動的に暗号資産の売却に伴い生じる税金の計算を行う機能を有する税金自動算出手段と、
を有することを特徴とするデジタル資産を用いた決済サービスの提供における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル資産の取引や、デジタル資産を用いたデビットサービスの提供や、デジタル資産を用いた決済サービスの提供における暗号資産を含む資産の売却に伴う税金自動算出システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、世界的なキャッシュレス化の流れに伴い、資産として価値のあるものをデジタル変換したデジタル資産に注目が集まっている。
デジタル資産で用いるトークンは、例えば、法定通貨を基準とした前払い支払い手段である電子マネーや法定通貨型のステーブルコイン、仮想通貨型のステーブルコイン等、通貨をデジタル化し、それ自体に価値があり決済に使えるもの、証券をデジタル化したST型トークン(ST:Security Tokens)、モノやサービスをデジタル化したICO型トークン(ICO:Initial Coin Offering、新規暗号資産公開)に分類される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
現状の日本国内においては、暗号資産(仮想通貨担保型など)の売却に関する税制対応についての課題がある。
暗号資産は、決済のベースに用いることができる特性を備えているが、それと共に、値上がり値下がりが顕著であり、証券のような投機的な特性も備えている。
【0004】
暗号資産には、この投機的な特性により、売買損益という概念が加わる。そして、現状では、暗号資産の売却益に対し税金の申告が求められる。
即ち、暗号資産を売却した段階で、税金の計算を別途行う必要が生じる。そして、暗号資産を売却する都度、税金の計算を行わなければならない煩雑さが、暗号資産の売却者の負担となっている。
このため、暗号資産の売却用途は、主に投機的手段に特定され、暗号資産を決済手段に用いるケースが制約されたものとなっている。
【0005】
しかしながら、暗号資産には、例えば、商品担保型ステーブルコインのような、価格変動が小さく、決済に適した特性を顕著に備えたものが出現し始めている。このような特性を顕著に備えた暗号資産に対しても、決済に用いるために、売却の都度、税金の計算をしなければならないのでは、暗号資産の売却者に対する税金の計算の負担が増大し、暗号資産の売却用途を決済手段に拡げることが困難になってしまう。
【0006】
本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、暗号資産の売却者に対する税金の計算の負担を抑え、価格変動が小さく決済向けの特性を顕著に備えた暗号資産の売却用途を決済手段として広く普及させることを可能にする、デジタル資産の取引における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システム、商品現物、暗号資産及び商品ST類の相互交換によるデジタル資産の取引における資産の売却に伴う税金自動算出システム、デジタル資産を用いたデビットサービスの提供における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システム、デジタル資産を用いた決済サービスの提供における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明によるデジタル資産の取引における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムは、トークン(ブロックチェーン等の分散技術においてデジタルで定義される価値などの総称であって、暗号資産を含む)、デジタル通貨、トークンとデジタル通貨、もしくはトークン同士、デジタル通貨同士など、あらゆる形態のデジタル資産間による取引を管理するための、少なくとも1種類のブロックチェーン等の分散技術における分散型台帳と、該分散型台帳に管理されるデジタル資産を用いた所定の処理を行うためのスマートコントラクトを備えて構築される、デジタル資産の取引における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムであって、顧客からの暗号資産の購入指示を受け付ける機能を有する暗号資産購入指示受付手段と、前記暗号資産購入指示受付手段が受け付けた当該暗号資産の購入指示に基づき、暗号資産交換業者(の業務システム)に設けられた当該顧客口座に入金されている所定の法定通貨(円)との交換により当該暗号資産を購入し、当該顧客口座に紐づけられたブロックチェーンの顧客アドレスに入庫する機能を有する暗号資産購入手段と、前記暗号資産購入手段が購入した当該暗号資産の簿価を、当該法定通貨(円)を単位とした購入金額を用いて算出する機能を有する暗号資産簿価算出手段と、前記暗号資産簿価算出手段が算出した当該暗号資産の簿価を当該顧客口座に記録する機能を有する暗号資産簿価記録手段と、当該顧客からの、当該顧客口座に紐づけられたブロックチェーンの顧客アドレスに入庫されている暗号資産を用いた決済指示を受け付ける機能を有する暗号資産決済指示受付手段と、前記暗号資産決済指示受付手段が前記決済指示を受け付けたとき、前記決済指示の対象となっている当該暗号資産を売却して、当該法定通貨(円)に自動的に変換する機能を有する法定通貨(円)変換手段と、前記法定通貨(円)変換手段が所定の法定通貨(円)に変換した当該暗号資産の売却時の価格から、前記暗号資産簿価記録手段により当該顧客口座に記録されている簿価を差し引いて売却数量をかけた額を当該暗号資産の売買損益として算出する機能を有する暗号資産売買損益算出手段と、前記暗号資産売買損益算出手段により算出された、当該暗号資産の売買損益を当該顧客口座に紐づけられたブロックチェーンの顧客アドレス内に記録する機能を有する暗号資産売買損益記録手段と、前記暗号資産決済指示受付手段が前記決済指示を受け付けたときに、当該顧客口座に紐づけられたブロックチェーンの顧客アドレスに入庫されている当該暗号資産を出庫する機能を有する暗号資産出庫手段と、前記暗号資産出庫手段による当該暗号資産の出庫時に、ブロックチェーンの出庫先アドレスに対して、当該暗号資産の出庫量と当該顧客口座に記録されている当該暗号資産の簿価とを当該暗号資産の出庫データとして記録し引き渡す機能を有する暗号資産出庫データ記録手段と、前記顧客口座での暗号資産の売買損益の総計ないし、当該顧客口座に紐づけられたブロックチェーンの顧客アドレスに暗号資産の売却時に記録されている暗号資産の売買損益の総計により、所定期間内の売買損益を集計し、自動的に暗号資産の売却に伴い生じる税金の計算を行う機能を有する税金自動算出手段と、を有することを特徴としている。
なお、本願明細書における「スマートコントラクト」とは、ブロックチェーン上で稼働する、処理を自動化するプログラムである。
【0008】
また、本発明のデジタル資産の取引における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムにおいては、前記暗号資産が、第1の暗号資産建ての第2の暗号資産よりなる暗号資産ペアである場合における、第1の暗号資産建ての第2の暗号資産を、所定の法定通貨(円)建ての第1の暗号資産と、所定の法定通貨(円)建ての第2の暗号資産とに分解する機能を有する暗号資産ペア分解手段をさらに有し、前記暗号資産購入指示受付手段は、顧客からの第1の暗号資産建ての第2の暗号資産の購入指示を受け付ける機能をさらに有し、前記暗号資産購入手段は、前記暗号資産購入指示受付手段が受け付けた当該第1の暗号資産建ての第2の暗号資産の購入指示に基づき、暗号資産交換業者(の業務システム)に設けられた当該顧客口座に入金されている所定の法定通貨(円)との交換により当該第1の暗号資産建ての第2の暗号資産を購入し、当該顧客口座に紐づけられたブロックチェーンの顧客アドレスに入庫する機能をさらに有し、前記暗号資産簿価算出手段は、前記暗号資産購入手段が購入した当該第1の暗号資産建ての第2の暗号資産の簿価を、前記暗号資産ペア分解手段により分解された、所定の法定通貨(円)建ての第1の暗号資産における、当該法定通貨(円)を単位とした売値を当該第2の暗号資産の購入金額として用いて算出するとともに、所定の法定通貨(円)建ての第2の暗号資産における、当該法定通貨(円)を単位とした買値を当該第1の暗号資産の売却金額として用いて算出する機能をさらに有し、前記暗号資産簿価記録手段は、前記暗号資産簿価算出手段が算出した当該第1の暗号資産建ての第2の暗号資産の簿価を当該顧客口座に記録する機能をさらに有し、前記暗号資産決済指示受付手段は、当該顧客からの、当該顧客口座に紐づけられたブロックチェーンの顧客アドレスに入庫されている当該第1の暗号資産建ての第2の暗号資産を用いた決済指示を受け付ける機能をさらに有し、前記法定通貨(円)変換手段は、当該第1の暗号資産建ての第2の暗号資産の取引が買い取引であるときには、前記暗号資産ペア分解手段により分解された、所定の法定通貨(円)建ての第1の暗号資産における当該法定通貨(円)を単位とした売値を第2の暗号資産の買値(の想定価格)として定めるとともに、前記暗号資産ペア分解手段により分解された、所定の法定通貨(円)建ての第2の暗号資産における当該法定通貨(円)を単位とした買値を第1の暗号資産の売値(の想定価格)として定め、当該第1の暗号資産建ての第2の暗号資産の取引が売り取引であるときには、前記暗号資産ペア分解手段により分解された、所定の法定通貨(円)建ての第1の暗号資産における当該法定通貨(円)を単位とした買値を第2の暗号資産の売値(の想定価格)として定めるとともに、前記暗号資産ペア分解手段により分解された、所定の法定通貨(円)建ての第2の暗号資産における当該法定通貨(円)を単位とした売値を第1の暗号資産の買値(の想定価格)として定める機能をさらに有し、前記暗号資産売買損益算出手段は、当該第1の暗号資産建ての第2の暗号資産の取引が買い取引であるときには、前記法定通貨(円)変換手段により定められた、建て側の第1の暗号資産の所定の法定通貨(円)を単位とした売値(の想定価格)から前記暗号資産簿価記録手段により当該顧客口座に記録されている建て側の第1の暗号資産の当該法定通貨(円)を単位とした簿価を差し引いて売却数量をかけた額を建て側の第1の暗号資産の売買損益として算出するとともに、前記法定通貨(円)変換手段により定められた、建て側とは反対側の第2の暗号資産の所定の法定通貨(円)を単位とした買値(の想定価格)から前記暗号資産簿価記録手段により当該顧客口座に記録されている建て側とは反対側の第2の暗号資産の当該法定通貨(円)を単位とした簿価を差し引いて売却数量をかけた額を建て側とは反対側の第2の暗号資産の売買損益として算出し、当該第1の暗号資産建ての第2の暗号資産の取引が売り取引であるときには、前記法定通貨(円)変換手段により定められた、建て側の第1の暗号資産の所定の法定通貨(円)を単位とした買値(の想定価格)から前記暗号資産簿価記録手段により当該顧客口座に記録されている建て側の第1の暗号資産の当該法定通貨(円)を単位とした簿価を差し引いて売却数量をかけた額を建て側の第1の暗号資産の売買損益として算出するとともに、前記法定通貨(円)変換手段により定められた、建て側とは反対側の第2の暗号資産の所定の法定通貨(円)を単位とした売値(の想定価格)から前記暗号資産簿価記録手段により当該顧客口座に記録されている建て側とは反対側の第2の暗号資産の当該法定通貨(円)を単位とした簿価を差し引いて売却数量をかけた額を建て側とは反対側の第2の暗号資産の売買損益として算出する機能をさらに有し、前記税金自動算出手段は、前記顧客口座での建て側の第1の暗号資産の売買損益の総計ないし、当該顧客口座に紐づけられたブロックチェーンの顧客アドレスに売却時に記録されている建て側の第1の暗号資産の売買損益の総計により、所定期間内の売買損益を集計し、自動的に建て側の第1の暗号資産の売却に伴い生じる税金の計算を行うとともに、前記顧客口座での建て側の第2の暗号資産の売買損益の総計ないし、当該顧客口座に紐づけられたブロックチェーンの顧客アドレスに売却時に記録されている建て側の第2の暗号資産の売買損益の総計により、所定期間内の売買損益を集計し、自動的に建て側とは反対側の第2の暗号資産の売却に伴い生じる税金の計算を行う機能をさらに有するのが好ましい。
【0009】
また、本発明によるデジタル資産の取引における商品現物、暗号資産及び商品ST類の相互交換による資産の売却に伴う税金自動算出システムは、トークン(ブロックチェーン等の分散技術においてデジタルで定義される価値などの総称であって、暗号資産を含む)、デジタル通貨、トークンとデジタル通貨、もしくはトークン同士、デジタル通貨同士など、あらゆる形態のデジタル資産間による取引を管理するための、少なくとも1種類のブロックチェーン等の分散技術における分散型台帳と、該分散型台帳に管理されるデジタル資産を用いた所定の処理を行うためのスマートコントラクトを備えて構築される、商品現物、暗号資産及び商品ST類の相互交換によるデジタル資産の取引における資産の売却に伴う税金自動算出システムであって、(貴金属類、エネルギー類、農作物類、原料類など一般的に商品と呼ばれるすべてのものを対象とする)商品現物、(商品現物をベースとして作成されてなる)暗号資産及び(暗号資産を信託を介して発行されてなる、または商品現物をベースとして直接的に作成されてなる)商品ST類の相互交換を行う機能を有する資産取引手段と、前記資産取引手段による相互交換の対象となる資産(商品現物、暗号資産又は商品ST類)の簿価を、所定の法定通貨(円)を単位とした購入金額を用いて算出する機能を有する資産簿価算出手段と、前記資産簿価算出手段が算出した当該資産の簿価を当該顧客口座に記録する機能を有する資産簿価記録手段と、前記資産取引手段による相互交換の対象となる資産(商品現物、暗号資産又は商品ST類)を所定の法定通貨(円)に自動的に変換する機能を有する法定通貨(円)変換手段と、前記法定通貨(円)変換手段により当該法定通貨(円)に変換された、当該資産(商品現物、暗号資産又は商品ST類)の売却時の価格から、前記資産簿価記録手段により当該顧客口座に記録されている簿価を差し引いて売却数量をかけた額を当該資産(商品現物、暗号資産又は商品ST類)の売買損益として算出する機能を有する資産売買損益算出手段と、前記資産売買損益算出手段により算出された、当該資産(商品現物、暗号資産又は商品ST類)の売買損益と、当該資産(商品現物、暗号資産又は商品ST類)について商品現物、暗号資産及び商品ST類のいずれかに夫々対応した資産の区分と、を当該顧客口座に紐づけられたブロックチェーンの顧客アドレス内に記録する機能を有する資産売買損益記録手段と、前記顧客口座での前記資産取引手段による相互交換の対象となる資産(商品現物、暗号資産及び商品ST類の夫々)の売買損益の総計ないし、当該顧客口座に紐づけられたブロックチェーンの顧客アドレスに当該資産(商品現物、暗号資産及び商品ST類の夫々)の売却時に記録されている当該資産(商品現物、暗号資産及び商品ST類の夫々)の売買損益の総計により、所定期間内の売買損益を集計し、自動的に当該資産(商品現物、暗号資産及び商品ST類の夫々)の売却に伴い生じる税金の計算を、前記資産売買損益記録手段により記録された、資産の区分に応じて異なる税率で行う機能を有する税金自動算出手段と、を有することを特徴としている。
【0010】
また、本発明の商品現物、暗号資産及び商品ST類の相互交換によるデジタル資産の取引における資産の売却に伴う税金自動算出システムにおいては、相互交換の対象となる資産(商品現物、暗号資産又は商品ST類)の銘柄を取引リストに登録する機能を有する銘柄登録用スマートコントラクトと、前記銘柄登録用スマートコントラクトにより取引リストに登録されている銘柄について、一つのマーケットメイクを行う金融機関に対し顧客からの注文(リーブオーダー)があったときに、当該リーブオーダーを、各マーケットメイクを行う金融機関における共通のリーブオーダーとして取り扱い、各マーケットメイクを行う金融機関において共通に取り扱う、全ての当該銘柄についてのリーブオーダーの状況(注文ブック(約定)状態)に基づき、各マーケットメイクを行う金融機関における夫々独自の当該銘柄についてのレートを作成する機能を有する独自レート作成用スマートコントラクトと、各マーケットメイクを行う金融機関における所定銘柄についてのリーブオーダーの状況(注文ブック(約定)状態)と、前記独自レート作成用スマートコントラクトが作成した、各マーケットメイクを行う金融機関における夫々独自の当該銘柄についてのレートを、各マーケットメイクを行う金融機関が把握しない非公開方式の共有情報として保管する機能を有する非公開共有情報保管用スマートコントラクトと、前記非公開共有情報保管用スマートコントラクトを介して共有された、各マーケットメイクを行う金融機関における所定銘柄についてのリーブオーダーの状況(注文ブック(約定)状態)と、各マーケットメイクを行う金融機関における夫々独自の当該銘柄についてのレートを用いて当該銘柄についての基準レートを生成する機能を有する基準レート生成用スマートコントラクトと、前記基準レート生成用スマートコントラクトが生成した所定銘柄についての基準レートを非公開情報として保管するとともに、顧客からの取引を所望する銘柄についてのレートの問い合わせを受け付けたときにのみ、前記基準レート生成用スマートコントラクトが生成した当該銘柄についての基準レートを当該顧客に提示する機能を有する基準レート提示用スマートコントラクトと、前記独自レート作成用スマートコントラクトが作成した、各マーケットメイクを行う金融機関における所定銘柄についての自社レートに対当する顧客の当該銘柄についてのリーブオーダーを約定する機能を有する約定用スマートコントラクトと、前記約定用スマートコントラクトが、所定のマーケットメイクを行う金融機関における所定銘柄についての自社レートで顧客の当該銘柄についてのリーブオーダーを約定することができない場合、前記非公開共有情報保管用スマートコントラクトが各マーケットメイクを行う金融機関が把握しない非公開方式で共有する情報として保管する、各マーケットメイクを行う金融機関における夫々独自の当該銘柄についてのリーブオーダーの状況(注文ブック(約定)状態)と、前記独自レート作成用スマートコントラクトが作成した、各マーケットメイクを行う金融機関における夫々独自の当該銘柄についてのレートと、を用いて、約定可能な相手先となるマーケットメイクを行う金融機関を探索する機能を有する約定先探索用スマートコントラクトと、所定のマーケットメイクを行う金融機関の顧客の所定銘柄についてのリーブオーダーが、前記約定先探索用スマートコントラクトの探索した他のマーケットメイクを行う金融機関における当該銘柄についてのレートに対当する場合、前記約定用スマートコントラクトに当該銘柄についてのリーブオーダーを約定させる機能を有する約定制御用スマートコントラクトと、をさらに備え、前記資産簿価算出手段は、前記約定用スマートコントラクトにより約定されたときの資産(商品現物、暗号資産又は商品ST類)の所定の法定通貨(円)を単位とした購入金額を用いて、当該資産の簿価を算出する機能をさらに有し、前記資産取引手段は、様々な暗号資産と様々なST類との相互交換を行うのが好ましい。
【0011】
また、本発明によるデジタル資産を用いたデビットサービスの提供における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムは、トークン類(ブロックチェーン等の分散技術においてデジタルで定義される価値などの総称であって、暗号資産を含む)、デジタル通貨、トークン類とデジタル通貨、もしくはトークン類同士、デジタル通貨同士など、あらゆる形態のデジタル資産間による取引を管理するための、少なくとも1種類のブロックチェーン等の分散技術における分散型台帳と、該分散型台帳に管理されるデジタル資産を用いた所定の処理を行うためのスマートコントラクトを備えて構築される、デジタル資産を用いたデビットサービスの提供における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムであって、デビットカードでの決済の際の清算対象として優先させるデジタルアセットトークンの銘柄の順位指定をデビットカード利用者(消費者)から受け付ける機能を有する清算対象優先資産選択指定受付手段と、前記清算対象優先資産選択指定受付手段が受け付けたデジタルアセットトークンの銘柄の順位指定にしたがって清算に必要な代金分のデジタルアセットトークンの現金化を指示する機能を有する代金現金化指示手段と、前記清算対象優先資産選択指定受付手段が受け付けたデジタルアセットトークンの銘柄の順位指定にしたがって、暗号資産交換業者側のデビットカード利用者(消費者)口座に預け入れされているデジタルアセットトークンを、清算に必要な代金分、現金に変換する機能を有する現金変換手段と、前記現金変換手段が変換した代金分の現金を、銀行等の金融機関側のデビットカード利用者(消費者)口座へ転送する機能を有する現金転送手段と、を有し、前記代金現金化指示手段は、前記清算対象優先資産選択指定受付手段が、デビットカードでの決済の際の清算対象として優先させる資産として、銀行等の金融機関側のデビットカード利用者(消費者)口座に預け入れされている現金の選択指定を受け付けた場合において、銀行等の金融機関側のデビットカード利用者(消費者)口座に預け入れされている現金が清算に必要な額を満たさないときに、不足分の清算に必要な代金分の現金化を指示する機能をさらに有し、前記現金変換手段は、前記代金現金化指示手段から不足分の清算に必要な代金分の現金化の指示を受けたとき、暗号資産交換業者側のデビットカード利用者(消費者)口座に預け入れされている不足分の清算に必要な代金分のデジタルアセットトークンを自動的に現金化する機能をさらに有し、前記現金転送手段は、銀行等の金融機関側のデビットカード利用者(消費者)口座に、前記現金変換手段によって変換された不足分の現金を振り替える機能をさらに有するデジタル資産を用いたデビットサービス提供システムにおいて、暗号資産交換業者側のデビットカード利用者(消費者)口座に預け入れされている暗号資産の簿価を当該デビットカード利用者(消費者)口座に記録する機能を有する暗号資産簿価記録手段と、暗号資産がデビットカードでの決済の際の清算対象となる資産として、前記現金変換手段により現金化される場合、当該暗号資産を売却して、当該法定通貨(円)に自動的に変換する機能を有する法定通貨(円)変換手段と、前記法定通貨(円)変換手段が所定の法定通貨(円)に変換した当該暗号資産の売却時の価格から、前記暗号資産簿価記録手段により当該デビットカード利用者(消費者)口座に記録されている簿価を差し引いて売却数量をかけた額を当該暗号資産の売買損益として算出する機能を有する暗号資産売買損益算出手段と、前記暗号資産売買損益算出手段が算出した当該暗号資産の売買損益を当該デビットカード利用者(消費者)口座に紐づけられたブロックチェーンのデビットカード利用者(消費者)アドレス内に記録する機能を有する暗号資産売買損益記録手段と、前記デビットカード利用者(消費者)口座での暗号資産の売買損益の総計ないし、当該デビットカード利用者(消費者)口座に紐づけられたブロックチェーンのデビットカード利用者(消費者)アドレスに暗号資産の売却時に記録されている暗号資産の売買損益の総計により、所定期間内の売買損益を集計し、自動的に暗号資産の売却に伴い生じる税金の計算を行う機能を有する税金自動算出手段と、を有することを特徴としている。
【0012】
また、本発明によるデジタル資産を用いた決済サービスの提供における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムは、トークン類(ブロックチェーン等の分散技術においてデジタルで定義される価値などの総称であって、暗号資産を含む)、デジタル通貨、トークン類とデジタル通貨、もしくはトークン類同士、デジタル通貨同士など、あらゆる形態のデジタル資産間による取引を管理するための、少なくとも1種類のブロックチェーン等の分散技術における分散型台帳と、該分散型台帳に管理されるデジタル資産を用いた所定の処理を行うためのスマートコントラクトを備えて構築される、デジタル資産を用いた決済サービスの提供における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムであって、物品やサービスの提供側と購入側の各々にインターフェースプログラムを有し、夫々のインターフェースプログラムは、複数の決済手段夫々についての所定情報(サービス番号と口座的な管理番号)、決済手段の優先順位との設定を受け付ける機能を有する決済手段情報等設定手段と、前記決済手段情報等設定手段が設定を受け付けたデータを決済手段利用可能情報として(当該インターフェースプログラムを構成するネットワーク内の処理手段および記録媒体へ)記録する機能を有する決済手段利用可能情報記録手段と、を有し、前記提供側のインターフェースプログラムと前記購入側のインターフェースプログラムは、決済時にコード(バーコードやQRコード(登録商標)など)からなる前記決済手段利用可能情報を特定する識別子情報を、いずれか一方のインターフェースプログラムが表示し、いずれか他方のインターフェースプログラムに読み込ませることができる機能を有する識別子情報入出力手段を有し、前記提供側のインターフェースプログラムは、双方の前記識別子情報入出力手段を用いて、前記購入側のインターフェースプログラムに前記提供側のインターフェースプログラムが表示する前記識別子情報(コード)を読み込ませる場合において、前記提供側からの決済価格情報の入力を受け付ける機能を有する決済価格情報入力受付手段を有し、前記購入側のインターフェースプログラムは、双方の前記識別子情報入出力手段を用いて、前記購入側のインターフェースプログラムに前記提供側のインターフェースプログラムが表示する前記識別子情報(コード)を読み込ませる場合において、前記決済価格情報入力受付手段が入力を受け付けた前記提供側からの決済価格情報を確認する機能を有する決済価格情報確認手段を有し、前記提供側のインターフェースプログラムと前記購入側のインターフェースプログラムのいずれか一方が、いずれか他方の前記識別子情報(コード)を読み込むことにより、双方のインターフェースプログラムが双方の決済手段を紐づけ、前記提供側のインターフェースプログラムは、決済可能な決済手段を数種類提示する機能を有する決済手段提示手段を有し、前記購入側のインターフェースプログラムは、前記提供側のインターフェースプログラムの前記決済手段提示手段より提示された数種類の決済手段の範囲に該当する決済手段を対象として、購入側が設定した優先順位の該当決済手段から順に決済処理の可否を確認する機能を有する決済処理可否確認手段を有し、さらに、前記購入側のインターフェースプログラムの前記決済手段情報等設定手段は、前記決済処理可否確認手段による決済処理の可否の確認に際し、前記提供側のインターフェースプログラムより提示された数種類の決済手段の夫々について、所定の決済金額に対し、1回で決済処理に用いることのできる量を、前記決済手段利用可能情報の設定の際に予め指定しておくことができる機能をさらに有し、前記購入側のインターフェースプログラムは、前記購入側が設定した優先順位にしたがって、該当する決済手段について、提供側のインターフェースプログラムより提示された1回で決済処理に用いることのできる量のストックがあるか否かをチェックし、1回で処理できる量のストックがある場合は優先的にその決済手段を決済処理に用いる機能を有する決済手段処理順制御手段を有し、複数の前記決済手段のうちの少なくとも一つが暗号資産であり、さらに、購入した当該暗号資産の簿価を、当該法定通貨(円)を単位とした購入金額を用いて算出する機能を有する暗号資産簿価算出手段と、前記暗号資産簿価算出手段が算出した当該暗号資産の簿価を当該顧客口座に記録する機能を有する暗号資産簿価記録手段と、暗号資産が決済手段として決済処理に用いられる場合、当該暗号資産を売却して、当該法定通貨(円)に自動的に変換する機能を有する法定通貨(円)変換手段と、前記法定通貨(円)変換手段が所定の法定通貨(円)に変換した当該暗号資産の売却時の価格から、前記暗号資産簿価記録手段により当該顧客口座に記録されている簿価を差し引いて売却数量をかけた額を当該暗号資産の売買損益として算出する機能を有する暗号資産売買損益算出手段と、前記暗号資産売買損益算出手段により算出された、当該暗号資産の売買損益を当該顧客口座に紐づけられたブロックチェーンの顧客アドレス内に記録する機能を有する暗号資産売買損益記録手段と、前記顧客口座での暗号資産の売買損益の総計ないし、当該顧客口座に紐づけられたブロックチェーンの顧客アドレスに暗号資産の売却時に記録されている暗号資産の売買損益の総計により、所定期間内の売買損益を集計し、自動的に暗号資産の売却に伴い生じる税金の計算を行う機能を有する税金自動算出手段と、を有することを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、暗号資産の売却者に対する税金の計算の負担を抑え、価格変動が小さく決済向けの特性を顕著に備えた暗号資産の売却用途を決済手段として広く普及させることを可能にする、デジタル資産の取引における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システム、商品現物、暗号資産及び商品ST類の相互交換によるデジタル資産の取引における資産の売却に伴う税金自動算出システム、デジタル資産を用いたデビットサービスの提供における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システム、デジタル資産を用いた決済サービスの提供における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムが得られる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の第1実施形態にかかるデジタル資産の取引における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムの全体構成を概念的に示すブロック図である。
図2】本実施形態にかかるデジタル資産の取引における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムにおける暗号資産購入指示受付手段の機能及び構成を概念的に示すブロック図である。
図3】本実施形態にかかるデジタル資産の取引における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムにおける暗号資産購入手段の機能及び構成を概念的に示すブロック図である。
図4】本実施形態にかかるデジタル資産の取引における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムにおける暗号資産簿価算出手段の機能及び構成を概念的に示すブロック図である。
図5】本実施形態にかかるデジタル資産の取引における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムにおける暗号資産簿価記録手段の機能及び構成を概念的に示すブロック図である。
図6】本実施形態にかかるデジタル資産の取引における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムにおける暗号資産決済指示受付手段の機能及び構成を概念的に示すブロック図である。
図7】本実施形態にかかるデジタル資産の取引における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムにおける法定通貨(円)変換手段の機能及び構成を概念的に示すブロック図である。
図8】本実施形態にかかるデジタル資産の取引における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムにおける暗号資産売買損益算出手段の機能及び構成を概念的に示すブロック図である。
図9】本実施形態にかかるデジタル資産の取引における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムにおける暗号資産売買損益記録手段の機能及び構成を概念的に示すブロック図である。
図10】本実施形態にかかるデジタル資産の取引における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムにおける暗号資産出庫手段の機能及び構成を概念的に示すブロック図である。
図11】本実施形態にかかるデジタル資産の取引における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムにおける暗号資産出庫データ記録手段の機能及び構成を概念的に示すブロック図である。
図12】本実施形態にかかるデジタル資産の取引における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムにおける税金自動算出手段の機能及び構成を概念的に示すブロック図である。
図13】本実施形態にかかるデジタル資産の取引における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムを用いた処理の流れの一部を概略的に示すフローチャートである。
図14】本実施形態にかかるデジタル資産の取引における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムを用いた処理の流れの他部を概略的に示すフローチャートである。
図15】本実施形態にかかるデジタル資産の取引における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムを用いた処理の流れのさらに他部を概略的に示すフローチャートである。
図16】本発明の第2実施形態にかかるデジタル資産の取引における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムの全体構成を概念的に示すブロック図である。
図17】本実施形態にかかるデジタル資産の取引における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムにおける暗号資産ペア分解手段の機能及び構成を概念的に示すブロック図である。
図18】本実施形態にかかるデジタル資産の取引における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムにおける暗号資産購入指示受付手段の機能及び構成を概念的に示すブロック図である。
図19】本実施形態にかかるデジタル資産の取引における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムにおける暗号資産購入手段の機能及び構成を概念的に示すブロック図である。
図20】本実施形態にかかるデジタル資産の取引における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムにおける暗号資産簿価算出手段の機能及び構成を概念的に示すブロック図である。
図21】本実施形態にかかるデジタル資産の取引における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムにおける暗号資産簿価記録手段の機能及び構成を概念的に示すブロック図である。
図22】本実施形態にかかるデジタル資産の取引における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムにおける暗号資産決済指示受付手段の機能及び構成を概念的に示すブロック図である。
図23】本実施形態にかかるデジタル資産の取引における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムにおける法定通貨(円)変換手段の機能及び構成を概念的に示すブロック図である。
図24】本実施形態にかかるデジタル資産の取引における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムにおける暗号資産売買損益算出手段の機能及び構成を概念的に示すブロック図である。
図25】本実施形態にかかるデジタル資産の取引における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムにおける税金自動算出手段の機能及び構成を概念的に示すブロック図である。
図26】本実施形態にかかるデジタル資産の取引における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムを用いた処理の流れの一部を概略的に示すフローチャートである。
図27】本実施形態にかかるデジタル資産の取引における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムを用いた処理の流れの他部を概略的に示すフローチャートである。
図28】本発明の第3実施形態にかかる商品現物、暗号資産及び商品ST類の相互交換によるデジタル資産の取引における資産の売却に伴う税金自動算出システムの全体構成を概念的に示すブロック図である。
図29】本実施形態にかかる商品現物、暗号資産及び商品ST類の相互交換によるデジタル資産の取引における資産の売却に伴う税金自動算出システムにおける資産取引手段の機能及び構成を概念的に示すブロック図である。
図30】本実施形態にかかる商品現物、暗号資産及び商品ST類の相互交換によるデジタル資産の取引における資産の売却に伴う税金自動算出システムにおける資産簿価算出手段の機能及び構成を概念的に示すブロック図である。
図31】本実施形態にかかる商品現物、暗号資産及び商品ST類の相互交換によるデジタル資産の取引における資産の売却に伴う税金自動算出システムにおける資産簿価記録手段の機能及び構成を概念的に示すブロック図である。
図32】本実施形態にかかる商品現物、暗号資産及び商品ST類の相互交換によるデジタル資産の取引における資産の売却に伴う税金自動算出システムにおける法定通貨(円)変換手段の機能及び構成を概念的に示すブロック図である。
図33】本実施形態にかかる商品現物、暗号資産及び商品ST類の相互交換によるデジタル資産の取引における資産の売却に伴う税金自動算出システムにおける資産売買損益算出手段の機能及び構成を概念的に示すブロック図である。
図34】本実施形態にかかる商品現物、暗号資産及び商品ST類の相互交換によるデジタル資産の取引における資産の売却に伴う税金自動算出システムにおける資産売買損記録手段の機能及び構成を概念的に示すブロック図である。
図35】本実施形態にかかる商品現物、暗号資産及び商品ST類の相互交換によるデジタル資産の取引における資産の売却に伴う税金自動算出システムにおける税金自動算出手段の機能及び構成を概念的に示すブロック図である。
図36】本実施形態にかかる商品現物、暗号資産及び商品ST類の相互交換によるデジタル資産の取引における資産の売却に伴う税金自動算出システムを用いた処理の流れの一部を概略的に示すフローチャートである。
図37】本実施形態にかかる商品現物、暗号資産及び商品ST類の相互交換によるデジタル資産の取引における資産の売却に伴う税金自動算出システムを用いた処理の流れの他部を概略的に示すフローチャートである。
図38】本発明の第4実施形態にかかる商品現物、暗号資産及び商品ST類の相互交換によるデジタル資産の取引における資産の売却に伴う税金自動算出システムの全体構成を概念的に示すブロック図である。
図39】本実施形態にかかる商品現物、暗号資産及び商品ST類の相互交換によるデジタル資産の取引における銘柄登録用スマートコントラクトの機能及び構成を概念的に示すブロック図である。
図40】本実施形態にかかる商品現物、暗号資産及び商品ST類の相互交換によるデジタル資産の取引における独自レート作成用スマートコントラクトの機能及び構成を概念的に示すブロック図である。
図41】本実施形態にかかる商品現物、暗号資産及び商品ST類の相互交換によるデジタル資産の取引における非公開共有情報保管用スマートコントラクトの機能及び構成を概念的に示すブロック図である。
図42】本実施形態にかかる商品現物、暗号資産及び商品ST類の相互交換によるデジタル資産の取引における基準レート生成用スマートコントラクトの機能及び構成を概念的に示すブロック図である。
図43】本実施形態にかかる商品現物、暗号資産及び商品ST類の相互交換によるデジタル資産の取引における基準レート提示用スマートコントラクトの機能及び構成を概念的に示すブロック図である。
図44】本実施形態にかかる商品現物、暗号資産及び商品ST類の相互交換によるデジタル資産の取引における約定用スマートコントラクトの機能及び構成を概念的に示すブロック図である。
図45】本実施形態にかかる商品現物、暗号資産及び商品ST類の相互交換によるデジタル資産の取引における約定先探索用スマートコントラクトの機能及び構成を概念的に示すブロック図である。
図46】本実施形態にかかる商品現物、暗号資産及び商品ST類の相互交換によるデジタル資産の取引における約定制御用スマートコントラクトの機能及び構成を概念的に示すブロック図である。
図47】本実施形態にかかる商品現物、暗号資産及び商品ST類の相互交換によるデジタル資産の取引における資産簿価算出手段の機能及び構成を概念的に示すブロック図である。
図48】本実施形態にかかる商品現物、暗号資産及び商品ST類の相互交換によるデジタル資産の取引における資産の売却に伴う税金自動算出システムに備わる商品現物、暗号資産及び商品ST類の相互交換によるデジタル資産の取引システムを用いた処理の流れの一部を概略的に示すフローチャートである。
図49】本実施形態にかかる商品現物、暗号資産及び商品ST類の相互交換によるデジタル資産の取引における資産の売却に伴う税金自動算出システムに備わる商品現物、暗号資産及び商品ST類の相互交換によるデジタル資産の取引システムを用いた処理の流れの他部を概略的に示すフローチャートである。
図50】本実施形態にかかる商品現物、暗号資産及び商品ST類の相互交換によるデジタル資産の取引における資産の売却に伴う税金自動算出システムに備わる商品現物、暗号資産及び商品ST類の相互交換によるデジタル資産の取引システムを用いた処理の流れのさらに他部を概略的に示すフローチャートである。
図51】本実施形態にかかる商品現物、暗号資産及び商品ST類の相互交換によるデジタル資産の取引における資産の売却に伴う税金自動算出システムに備わる商品現物、暗号資産及び商品ST類の相互交換によるデジタル資産の取引システムを用いた、基本的な処理の流れの全体を概略的に示すブロック図である。
図52】本発明の第5実施形態にかかるデジタル資産を用いたデビットサービスの提供における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムの全体構成を概念的に示すブロック図である。
図53】本実施形態にかかる暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムを備えたデジタル資産を用いたデビットサービス提供システムにおける清算対象優先資産選択指定受付手段の機能及び構成を概念的に示すブロック図である。
図54】本実施形態にかかる暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムを備えたデジタル資産を用いたデビットサービス提供システムにおける代金現金化指示手段の機能及び構成を概念的に示すブロック図である。
図55】本実施形態にかかる暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムを備えたデジタル資産を用いたデビットサービス提供システムにおける現金変換手段の機能及び構成を概念的に示すブロック図である。
図56】本実施形態にかかる暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムを備えたデジタル資産を用いたデビットサービス提供システムにおける現金転送手段の機能及び構成を概念的に示すブロック図である。
図57】本実施形態にかかるデジタル資産を用いたデビットサービスの提供システムに備わる暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムにおける暗号資産簿価記録手段の機能及び構成を概念的に示すブロック図である。
図58】本実施形態にかかるデジタル資産を用いたデビットサービスの提供システムに備わる暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムにおける法定通貨(円)変換手段の機能及び構成を概念的に示すブロック図である。
図59】本実施形態にかかるデジタル資産を用いたデビットサービスの提供システムに備わる暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムにおける暗号資産売買損益算出手段の機能及び構成を概念的に示すブロック図である。
図60】本実施形態にかかるデジタル資産を用いたデビットサービスの提供システムに備わる暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムにおける暗号資産売買損益記録手段の機能及び構成を概念的に示すブロック図である。
図61】本実施形態にかかるデジタル資産を用いたデビットサービスの提供システムに備わる暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムにおける税金自動算出手段の機能及び構成を概念的に示すブロック図である。
図62】本実施形態にかかるデジタル資産を用いたデビットサービスの提供における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムを用いた処理の流れの一部を概略的に示すフローチャートである。
図63】本実施形態にかかるデジタル資産を用いたデビットサービスの提供における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムを用いた処理の流れの他部を概略的に示すフローチャートである。
図64】本実施形態にかかるデジタル資産を用いたデビットサービスの提供における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムを用いた処理の流れのさらに他部を概略的に示すフローチャートである。
図65】本発明の第6実施形態にかかるデジタル資産を用いた決済サービスの提供における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムの全体構成を概念的に示すブロック図である。
図66】本実施形態にかかる暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムを備えたデジタル資産を用いた決済サービス提供システムにおける、提供側と購入側の双方のインターフェースプログラムに共通する決済手段情報等設定手段の機能及び構成を概念的に示すブロック図である。
図67】本実施形態にかかる暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムを備えたデジタル資産を用いた決済サービス提供システムにおける、提供側と購入側の双方のインターフェースプログラムに共通する決済手段利用可能情報記録手段の機能及び構成を概念的に示すブロック図である。
図68】本実施形態にかかる暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムを備えたデジタル資産を用いた決済サービス提供システムにおける、提供側と購入側の双方のインターフェースプログラムに共通する識別子情報入出力手段の機能及び構成を概念的に示すブロック図である。
図69】本実施形態にかかる暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムを備えたデジタル資産を用いた決済サービス提供システムにおける、提供側のインターフェースプログラムに備わる決済価格情報入力受付手段の機能及び構成を概念的に示すブロック図である。
図70】本実施形態にかかる暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムを備えたデジタル資産を用いた決済サービス提供システムにおける、購入側のインターフェースプログラムに備わる決済価格情報確認手段の機能及び構成を概念的に示すブロック図である。
図71】本実施形態にかかる暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムを備えたデジタル資産を用いた決済サービス提供システムにおける、提供側のインターフェースプログラムに備わる決済手段提示手段の機能及び構成を概念的に示すブロック図である。
図72】本実施形態にかかる暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムを備えたデジタル資産を用いた決済サービス提供システムにおける、購入側のインターフェースプログラムに備わる決済処理可否確認手段の機能及び構成を概念的に示すブロック図である。
図73】本実施形態にかかる暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムを備えたデジタル資産を用いた決済サービス提供システムにおける、購入側のインターフェースプログラムに備わる決済手段情報等設定手段に特有の機能及び構成を概念的に示すブロック図である。
図74】本実施形態にかかる暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムを備えたデジタル資産を用いた決済サービス提供システムにおける、購入側のインターフェースプログラムに備わる決済手段処理順制御手段の機能及び構成を概念的に示すブロック図である。
図75】本実施形態にかかるデジタル資産を用いた決済サービス提供システムに備わる暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムにおける暗号資産簿価算出手段の機能及び構成を概念的に示すブロック図である。
図76】本実施形態にかかるデジタル資産を用いた決済サービス提供システムに備わる暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムにおける暗号資産簿価記録手段の機能及び構成を概念的に示すブロック図である。
図77】本実施形態にかかるデジタル資産を用いた決済サービス提供システムに備わる暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムにおける法定通貨(円)変換手段の機能及び構成を概念的に示すブロック図である。
図78】本実施形態にかかるデジタル資産を用いた決済サービス提供システムに備わる暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムにおける暗号資産売買損益算出手段の機能及び構成を概念的に示すブロック図である。
図79】本実施形態にかかるデジタル資産を用いた決済サービス提供システムに備わる暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムにおける暗号資産売買損益記録手段の機能及び構成を概念的に示すブロック図である。
図80】本実施形態にかかるデジタル資産を用いた決済サービス提供システムに備わる暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムにおける税金自動算出手段の機能及び構成を概念的に示すブロック図である。
図81】本実施形態にかかるデジタル資産を用いた決済サービス提供システムに備わる暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムを用いた処理の流れの一部を概略的に示すフローチャートである。
図82】本実施形態にかかるデジタル資産を用いた決済サービス提供システムに備わる暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムを用いた処理の流れの他部を概略的に示すフローチャートである。
図83】本実施形態にかかるデジタル資産を用いた決済サービス提供システムに備わる暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムを用いた処理の流れのさらに他部を概略的に示すフローチャートである。
図84】本実施形態にかかるデジタル資産を用いた決済サービス提供システムに備わる暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムを用いた処理の流れのさらに他部を概略的に示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
実施形態の説明に先立ち、本発明を導出するに至った経緯及び本発明の作用効果について説明する。
上述のように、暗号資産は、決済のベースに用いることができる特性を備えているが、それと共に、値上がり値下がりが顕著であり、証券のような投機的な特性も備えている。
【0016】
暗号資産には、この投機的な特性により、売買損益という概念が加わる。そして、現状では、暗号資産の売却益に対し税金の申告が求められる。
即ち、暗号資産を売却した段階で、税金の計算を別途行う必要が生じる。そして、暗号資産を売却する都度、税金の計算を行わなければならない煩雑さが、暗号資産の売却者の負担となっている。
このため、暗号資産の売却用途は、主に投機的手段に特定され、暗号資産を決済手段に用いるケースが制約されたものとなっている。
【0017】
しかしながら、暗号資産には、例えば、商品担保型ステーブルコインのような、価格変動が小さく、決済に適した特性を顕著に備えたものが出現し始めている。このような特性を顕著に備えた暗号資産に対しても、決済に用いるために、売却の都度、税金の計算をしなければならないのでは、暗号資産の売却者に対する税金の計算の負担が増大し、暗号資産の売却用途を決済手段に拡げることが困難になってしまう。
そこで、本件発明者は、暗号資産の売却者に対する税金の計算の負担を抑え、価格変動が小さく決済向けの特性を顕著に備えた暗号資産の売却用途を決済手段として広く普及させるための方察について、次のように、考察・検討した。
【0018】
1.暗号資産を決済手段に用いるときにおける税金の計算への対処方法について
本件発明者は、暗号資産を用いた決済に際しては、決済の前に当該暗号資産を売却し、円に自動的に変換し、変換した円を用いて、暗号資産売却時の売買損益を計算することを考えた。
また、基本的に、暗号資産の決済は、顧客口座に紐づけられるブロックチェーンの1アドレス単位で行うこととして考えた。
【0019】
まず、顧客が国内において暗号資産を個人的に入手することを所望する場合、顧客は、暗号資産交換業者(の業務システム)において暗号資産を購入するための顧客口座をつくり、その顧客口座に円を預け入れ、預け入れた円と交換して暗号資産を購入する。購入した暗号資産は、顧客口座に紐づけられたブロックチェーンの顧客アドレスに入庫される。
購入時の暗号資産の簿価は、暗号資産交換業者(の業務システム)における当該顧客口座に記録されるようにする。
【0020】
暗号資産交換業者(の業務システム)の顧客口座に入金される円との交換により購入し、当該顧客口座に紐づけられたブロックチェーンの顧客アドレスに入庫されている暗号資産を、顧客個人が決済に用いることを所望する場合、顧客は、暗号資産交換業者(の業務システム)に対し当該暗号資産の出庫指示を行う。暗号資産交換業者(の業務システム)は、出庫時にブロックチェーンの出庫先アドレスに対して、当該暗号資産の出庫量だけではなく、当該顧客口座に記録されている簿価も出庫データとして記録し引き渡すようにする。
簿価は、個別購入価格、移動平均法価格、総平均法価格のいずれでもよいと考えられる。
【0021】
結果的に、暗号資産の売却は、主に、決済に用いるために行われるか、もしくは暗号資産交換業者(の業務システム)における顧客口座において円そのものとの交換のために行われる。
なお、暗号資産をブロックチェーンの別のアドレスに移動する場合、当該顧客口座に記録されている簿価をデータとして記録し引き渡すので、暗号資産を暗号資産交換業者(の業務システム)における顧客口座に紐づけられたブロックチェーンの顧客アドレスに入庫する場合も、簿価が受け取られ、当該顧客口座にデータとして記録されて管理対象になるようにする。
【0022】
これらの処理により得られた、暗号資産の売却時の価格と、当該顧客口座に記録されている簿価をベースとして、それらの価格を差し引いて売却数量をかけた額を売買損益として当該顧客口座に紐づけられたブロックチェーンの顧客アドレス内に記録するようにする。そして、暗号資産交換業者(の業務システム)における顧客口座での暗号資産の売買損益の総計ないし、ブロックチェーンの顧客個人のアドレスに暗号資産の売却時に記録されている暗号資産の売買損益の総計により、所定期間内の売買損益が集計され、自動的に暗号資産の売却に伴い生じる税金の計算が行われるようにする。
本件発明者は、このような暗号資産の売却に伴う税金の自動計算ロジックをブロックチェーンの自動決済機能に組み込むことで、暗号資産を用いた決済を容易にすることができると考えた。
【0023】
2.暗号資産ペアの実用化について
また、本件発明者は、暗号資産ペアの実用化に関し、暗号資産の売却に伴う税金の計算への対処方法について考察・検討した。
例えば、ZPG/BTC(ビットコイン建てゴールドコイン)のような、暗号資産建て暗号資産取引となる暗号資産ペアの取引サービスは、暗号資産交換業者の業務システムにおいて提供できていない。
これに対し、ZPG/JPY(円建てゴールドコイン)のような、円建て暗号資産の取引サービスは、暗号資産交換業者の業務システムにおいて提供できている。この理由には、建て側の問題がある。
【0024】
建て側は、買い注文の取引を行う場合、売り側になる。そして、円建て暗号資産の買い注文の取引を行う場合は、建て側である円の売りとなるが、円は投機的特性を有しておらず、売買損益という概念がないため、円の売りで税金は発生しない。
しかし、ビットコインなどの暗号資産建て暗号資産の買い注文の取引を行う場合は、建て側であるビットコインなどの暗号資産の売りとなるが、暗号資産は投機的特性を有しており、売買損益という概念があるため、ビットコインなどの暗号資産の売りで税金の計算(の元になるデータ処理)の必要性が取引の都度発生してしまう。
【0025】
このため、暗号資産建て暗号資産取引となる暗号資産ペアの取引サービスを暗号資産交換業者の業務システムに実装する場合、その取引の都度、上記1の暗号資産を決済に用いるときと同様の処理を行う(例えば、暗号資産建て暗号資産の買い注文の取引においては、建て側の暗号資産を売却するときの円に変換した売却時の価格から建て側の暗号資産の円に変換した簿価を差し引いて売却数量をかけた額を売買損益として当該顧客口座に紐づけられたブロックチェーンの顧客アドレス内に記録し、暗号資産交換業者(の業務システム)における顧客口座での建て側の暗号資産の売買損益の総計ないし、当該顧客口座に紐づけられたブロックチェーンの顧客アドレスに売却時に記録されている建て側の暗号資産の売買損益の総計により、所定期間内の売買損益を集計し、自動的に税金の計算を行う)必要がある。
【0026】
そこで、暗号資産交換業者(の業務システム)における顧客口座には、取引時の記録データとして、売却する暗号資産の円に変換した簿価と、取引における円に変換した想定時価(売値)を取り込み、約定により双方(暗号資産建て暗号資産取引となる暗号資産ペア)の売りと買いの値段と数量を記録することを考えた。
【0027】
例えば、暗号資産建て暗号資産取引となる暗号資産ペアが、ZPG/BTC(ビットコイン建てゴールドコイン)の場合、ZPG/JPY(円建てゴールドコイン)の注文と、BTC/JPY(円建てビットコイン)の注文と、を組み合わせたものと考えることができる。これら2つの注文においては、JPY(円)が共通である。そこで、この2つの注文の円建て価格をベースとして、ZPG/BTC(ビットコイン建てゴールドコイン)の注文が買い注文の場合は、ZPG(ゴールドコイン)の買値(売りレートを記録)とBTC(ビットコイン)の売値(買いレートを記録)が想定価格として定まる。
一方、ZPG/BTC(ビットコイン建てゴールドコイン)の売り注文の場合は、ZPG(ゴールドコイン)の売値(買いレートを記録)とBTC(ビットコイン)の買値(売りレートを記録)が想定価格として定まる。
【0028】
なお、暗号資産交換業者(の業務システム)における顧客口座に記録されるデータ項目は、各暗号資産交換業者(の業務システム)におけるデータ記録方法に依存する。
また、暗号資産交換業者(の業務システム)における顧客口座での取引ではなく、ブロックチェーンの顧客個人のアドレスをベースとした、スマ-トコントラクトの自動取引処理においても、顧客口座と同様の処理を行うようにする。
ただし、その記録データは、ブロックチェーンに取引情報として直接的に記録されるようにする。
そして、所定期間内の税金の計算については、上記1の暗号資産を決済に用いるときと同様に、所定期間内の売買損益を自動(もしくは手動)集計して行うようにする。
【0029】
即ち、例えば、暗号資産建て暗号資産の注文が買い注文であるときには、建て側の暗号資産の円を単位とした売値の想定価格から建て側の暗号資産の円を単位とした簿価を差し引いて売却数量をかけた額を売買損益として当該顧客口座に紐づけられたブロックチェーンの顧客アドレス内に記録し、暗号資産交換業者(の業務システム)における顧客口座での建て側の暗号資産の売買損益の総計ないし、当該顧客口座に紐づけられたブロックチェーンの顧客アドレスに売却時に記録されている建て側の暗号資産の売買損益の総計により、所定期間内の売買損益を集計し、自動的に建て側の暗号資産の売却に伴い生じる税金の計算を行うようにする。
また、例えば、暗号資産建て暗号資産の注文が売り注文であるときには、建て側とは反対側の暗号資産の円を単位とした売値の想定価格から建て側とは反対側の暗号資産の円を単位とした簿価を差し引いて売却数量をかけた額を売買損益として当該顧客口座に紐づけられたブロックチェーンの顧客アドレス内に記録し、暗号資産交換業者(の業務システム)における顧客口座での建て側とは反対側の暗号資産の売買損益の総計ないし、当該顧客口座に紐づけられたブロックチェーンの顧客アドレスに売却時に記録されている建て側とは反対側の暗号資産の売買損益の総計により、所定期間内の売買損益を集計し、自動的に建て側とは反対側の暗号資産の売却に伴い生じる税金の計算を行うようにする。
【0030】
3.ST類と暗号資産との交換
また、本件発明者は、ST類と暗号資産との交換について、暗号資産をベースとしたSTの生成を含めた概念として、暗号資産とベースの同じものをST化することとして、暗号資産ではなく、単独の現物資産から直接的にSTを生成するケースを考えた。
具体的には、
・商社などが商品(金のような貴金属類、原油や電力などのエネルギー類、穀物など農作系のもの、原料類など、一般的に商品と呼ばれるもの全てを対象)の現物をベースとして暗号資産を生成し、生成した暗号資産を信託によりST化するというケースと、
・商品現物から直接的にSTを生成するケース
が考えられる。
そして、商品現物と暗号資産(商品担保型ステーブルコインなど)との相互交換や、暗号資産(商品担保型ステーブルコインなど)と商品STとの相互交換が可能な関係にある。
【0031】
ただし、現状の国内法においては、商品現物と暗号資産との相互交換や、暗号資産と商品STとの相互交換の際には、夫々を、円を用いて一旦清算して売買損益を管理・記録し、期間を纏めて税金の計算を行う必要がある。
そこで、本件発明者は、これら各々の交換の処理においては、暗号資産交換業者(の業務システム)における顧客口座で行う場合、もしくはブロックチェーンの顧客個人のアドレスをベースとした、スマートコントラクトの自動取引処理で行う場合など夫々の場合で、上記1の暗号資産を決済に用いるときと同様の方法(暗号資産の売却に伴う税金の自動計算ロジック)を組み込んで、売買における簿価と売却の情報を管理できるようにすることを考えた。
【0032】
その場合、売却のベースとなるものが、商品現物、暗号資産、ST(証券)のいずれに該当するかによって、税率や税金の計算方法が異なる。このため、暗号資産交換業者(の業務システム)における顧客口座や、ブロックチェーンの顧客個人のアドレスへのデータ記録に際しては、各々の区分(商品現物、暗号資産、ST(証券)等の税制別に)を同時に記録するようにする。
適用し得る税制は、常に変わり得る。例えば、STは数種類あり、STの内容に応じて適用し得る税制が変わり得る。個人においても、特定口座の開設如何によって税制が変わり得る。例えば、資産保有額に応じて分離課税、総合課税のいずれか有利となる税制を選択し得る。現物資産においても、決済において処理する場合は消費税制が基本になるが、暗号資産の場合はさらに総合課税とし、キャピタルゲインを組み込む必要がある。また、暗号資産の投資の場合は、単純な総合税制となる。
このように、税率や税金の計算方法は、多様に変わり得るため、例えば、銘柄単位で銘柄マスターを設け、銘柄マスターに、選択可能な税金計算ロジック(や計算タイミングなど)を設定しておき、決済や投資など資産の処理の仕方に応じて、所望の税金計算ロジックを選択・設定できるようにする。
そして、個人など資産の処理を行う者(顧客)が自己の意思で選択・設定した、税金計算処理を行うときに用いる、税金計算ロジックを、暗号資産交換業者(の業務システム)における顧客口座や、あるいは、ブロックチェーンの個人情報管理領域に記録しておき、記録された税金計算ロジックに基づいて、税金の自動計算を行うようにする。
つまり、税金の計算には一定のロジックを用いることができないため、上述のような税金計算ロジックを選択・設定する方法を用い、税金の計算を行うタイミングに合わせて、選択・設定した税金計算ロジックを用いて算出し、税金計算ロジック等のデータを個人単位で管理するようにする。
【0033】
この応用として、様々な暗号資産と様々なST類との相互交換(実際は取引)にも、同様の処理が可能であると考えられる。
なお、これら様々な暗号資産と様々なST類との相互交換には、金融機関(暗号資産交換業者、スマ-トコントラクトの運用金融機関)の自己が形式的に介在し、暗号資産交換業者の業務システムの内部において、銘柄単位の売りと買いのレートの算出及び提示やIOI(Indication of Interest:取引の意思の提示)情報の取得及び提示など価格に関するリアルタイムな情報処理が行われるようにする。
【0034】
4.Jデビットやクレジットデビットへの応用
また、本件発明者は、暗号資産の売却による税金の計算の自動処理のJデビットやクレジットデビットへの応用について、デビットカードなどの決済処理において、暗号資産を用いるケースを想定して考察・検討を行った。
より詳しくは、顧客がデビットカードなどの決済処理に際し、決済するために銀行へ預けている現金が不足する場合において、現金の融資以外に、提携する資金決済業者の顧客口座、もしくはブロックチェーンのアドレスが指定されている場合であって、そのアドレスに(顧客の指定により決済手段として用いる場合の優先順位が設定された)暗号資産が記録されている場合を想定して行った。
暗号資産を決済手段に用いて処理する場合、上述の金融機関(暗号資産交換業者、スマ-トコントラクトの運用金融機関)の自己が算出及び提示するレート(ここでは買いレート)に従い、決済の前に当該暗号資産を売却し、円に自動的に変換し、変換した円を決済に充当する。その場合の簿価と売却に関する情報の記録を上記1の暗号資産を決済に用いるときと同様に行うようにする。
【0035】
5.決済方法の優先順位設定について
また、本件発明者は、複数種類の決済手段を備えた決済系サービスにおいて、決済手段として暗号資産が用いられた場合における暗号資産の売却による税金の計算の自動処理ロジックの組み込みについても考察・検討した。
現状の決済処理は、〇〇ペイなどの先払いや、クレジットカードなどの後払いなど種々な方法が入り交ざっている。
ブロックチェーンのように分散技術を用いた金融系決済サービスや、電子マネーなどを応用したものなど、最近では決済系のサービスが多数提供され始めてきた。
これら決済系のサービスは、金融機関同士の間の口座連携など、金融機関同士が顧客口座を共有するなどして、ワンストップ処理を実装できるようになっているが、実際の決済処理は各金融機関単位で分けられており、決済時にはいずれかの金融機関を1つ選択する形態となっている。
【0036】
これら複数のデジタル的な概念として定義される決済方法を顧客個人が任意に選択して使い分けることができるようにすると(前払いなどはストックがないと支払いが不足時にはエラーになる)、管理が面倒になるが、利便性や優位性が向上する。今後、利便性や優位性が組み込まれた決済方法(サービス)が増えていく傾向にある。
【0037】
そこで、本件発明者は、これらの決済方法について、決済手段に優先順位をつけて処理する方法を考えた。そして、顧客が決済手段の優先順位の設定を行うことで、機械が自動的に設定された優先順位にしたがった決済手段を用いて決済処理を行うようにすることを考えた。
これらの決済方法は、小口決済に限定して処理するものを想定しており、リアルタイム的な処理が重視される。
【0038】
決済においては、物品やサービスを提供する側と、それらを購入する側とに分かれる。
物品やサービスの提供側と購入側は、ともに利用できる決済手段が複数あり、それらを纏めるインターフェースプログラム(IPと定義)の配下に入るようにする。
提供側と購入側は、各々のIPにおいて、複数の決済手段夫々についての所定情報(サービス番号と口座的な管理番号)と、その決済手段の優先順位と、を設定し、設定したデータを決済手段利用可能情報として(当該IPを構成するネットワーク内の処理手段及び記録媒体へ)記録する。
【0039】
提供側のIPと購入側のIPは、決済時にコード(バーコードやQRコードなど)などからなる決済手段利用可能情報を特定する識別子情報を、いずれか一方のIPが表示し、いずれか他方のIPに読み込ませる。
基本的に、提供側のIPに購入側のIPが表示する識別子情報(コード)を読み込ませる場合は、提供側のIPは決済価格情報を認識しているため、決済価格情報は不要であるが、購入側のIPに提供側のIPが表示する識別子情報(コード)を読み込ませる場合は、購入側のIPは決済価格情報を認識していないため、提供側のIPに決済価格情報を入力させ、購入側のIPが確認することになる。
【0040】
本件発明者は、この提供側のIPと購入側のIPのいずれか一方が、いずれか他方の識別子情報(コード)を読み込むことにより、双方のIPが裏側の処理にて双方の決済手段を紐づけ、その際、提供側のIPは決済可能な決済手段を数種類提示し、購入側のIPは提供側のIPより提示された数種類の決済手段の範囲に該当する決済手段を対象として、購入側が設定した優先順位の該当決済手段から順に決済処理できるか否かを確認するようにすることを考えた。
この決済処理できるか否かの確認に際しては、提供側のIPより提示された数種類の決済手段の夫々について、所定の決済金額に対し、1回で決済処理に用いることのできる量を、決済手段利用可能情報の設定の際に予め指定しておくことができるようにする。そして、購入側のIPは、購入側が設定した優先順位にしたがって、該当する決済手段について、提供側のIPより提示された1回で決済処理に用いることのできる量のストックがあるか否かをチェックし、1回で処理できる量のストックがある場合は優先的にその決済手段を決済処理に用いることができるようにすることを考えた。
【0041】
なお、この決済処理できるか否かの確認において、決済先の業者を1社にする(1社で当該決済処理ができないときには、次の決済先の業者による当該決済処理へ移るようにする)か、当該決済処理を複数の決済先の業者で分割可能にするか否かの設定が可能となるようにすることも考えた。
この決済先業者と決済処理内容のデータは、決済処理確認情報として提供側のIPと購入側のIPの双方に(IPを構成するネットワーク内の処理手段及び記録媒体へ)記録されるとともに、双方のIPの表示画面で内容を確認できるようにする。
【0042】
提供側のIPと購入側のIPに登録できる決済手段と決済手段の優先順位の設定例を示す。
次の順で決済手段が提供側のIPと購入側のIPに登録されているものとする。この場合、登録された順の決済手段が優先的に、決済処理に用いられる。
ポイントA
ポイントB
ポイントC
デジタル商品券A
特定決済条件付きステーブルコイン
通貨担保型ステーブルコインA(銀行共通型)
通貨担保型ステーブルコインB(地方通貨型)
通貨担保型ステーブルコインC(地方通貨型)
前払いペイメントA(先払い)
中央銀行発行デジタル通貨
JデビットA(銀行口座連携)
クレジットカードA(後払い)
商品担保型ステーブルコインA(暗号資産交換業口座連携)
ブロックチェーンアドレスAの暗号資産銘柄G
上記の例において、最後の2つの決済手段は暗号資産類であり、この決済手段を用いた決済では、上述の方法による円変換の決済と税金の計算に用いる対応データの記録を行えるようにすることを考えた。
【0043】
本件発明者は、暗号資産の売却者に対する税金の計算の負担を抑え、価格変動が小さく決済向けの特性を顕著に備えた暗号資産の売却用途を決済手段として広く普及させるための方察について、このような考察・検討を重ねた末に、本発明のデジタル資産の取引における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システム、商品現物、暗号資産及び商品ST類の相互交換によるデジタル資産の取引における資産の売却に伴う税金自動算出システム、デジタル資産を用いたデビットサービスの提供における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システム、デジタル資産を用いた決済サービスの提供における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムを導出するに至った。
【0044】
本発明のデジタル資産の取引における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムは、トークン(ブロックチェーン等の分散技術においてデジタルで定義される価値などの総称であって、暗号資産を含む)、デジタル通貨、トークンとデジタル通貨、もしくはトークン同士、デジタル通貨同士など、あらゆる形態のデジタル資産間による取引を管理するための、少なくとも1種類のブロックチェーン等の分散技術における分散型台帳と、該分散型台帳に管理されるデジタル資産を用いた所定の処理を行うためのスマートコントラクトを備えて構築される、デジタル資産の取引における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムであって、顧客からの暗号資産の購入指示を受け付ける機能を有する暗号資産購入指示受付手段と、前記暗号資産購入指示受付手段が受け付けた当該暗号資産の購入指示に基づき、暗号資産交換業者(の業務システム)に設けられた当該顧客口座に入金されている所定の法定通貨(円)との交換により当該暗号資産を購入し、当該顧客口座に紐づけられたブロックチェーンの顧客アドレスに入庫する機能を有する暗号資産購入手段と、前記暗号資産購入手段が購入した当該暗号資産の簿価を、当該法定通貨(円)を単位とした購入金額を用いて算出する機能を有する暗号資産簿価算出手段と、前記暗号資産簿価算出手段が算出した当該暗号資産の簿価を当該顧客口座に記録する機能を有する暗号資産簿価記録手段と、当該顧客からの、当該顧客口座に紐づけられたブロックチェーンの顧客アドレスに入庫されている暗号資産を用いた決済指示を受け付ける機能を有する暗号資産決済指示受付手段と、前記暗号資産決済指示受付手段が前記決済指示を受け付けたとき、前記決済指示の対象となっている当該暗号資産を売却して、当該法定通貨(円)に自動的に変換する機能を有する法定通貨(円)変換手段と、前記法定通貨(円)変換手段が所定の法定通貨(円)に変換した当該暗号資産の売却時の価格から、前記暗号資産簿価記録手段により当該顧客口座に記録されている簿価を差し引いて売却数量をかけた額を当該暗号資産の売買損益として算出する機能を有する暗号資産売買損益算出手段と、前記暗号資産売買損益算出手段により算出された、当該暗号資産の売買損益を当該顧客口座に紐づけられたブロックチェーンの顧客アドレス内に記録する機能を有する暗号資産売買損益記録手段と、前記暗号資産決済指示受付手段が前記決済指示を受け付けたときに、当該顧客口座に紐づけられたブロックチェーンの顧客アドレスに入庫されている当該暗号資産を出庫する機能を有する暗号資産出庫手段と、前記暗号資産出庫手段による当該暗号資産の出庫時に、ブロックチェーンの出庫先アドレスに対して、当該暗号資産の出庫量と当該顧客口座に記録されている当該暗号資産の簿価とを当該暗号資産の出庫データとして記録し引き渡す機能を有する暗号資産出庫データ記録手段と、前記顧客口座での暗号資産の売買損益の総計ないし、当該顧客口座に紐づけられたブロックチェーンの顧客アドレスに暗号資産の売却時に記録されている暗号資産の売買損益の総計により、所定期間内の売買損益を集計し、自動的に暗号資産の売却に伴い生じる税金の計算を行う機能を有する税金自動算出手段と、を有する。
【0045】
本発明のデジタル資産の取引における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムのように、暗号資産購入手段が購入した当該暗号資産の簿価を、当該法定通貨(円)を単位とした購入金額を用いて算出する機能を有する暗号資産簿価算出手段と、前記暗号資産簿価算出手段が算出した当該暗号資産の簿価を当該顧客口座に記録する機能を有する暗号資産簿価記録手段と、決済指示の対象となっている当該暗号資産を売却して、当該法定通貨(円)に自動的に変換する機能を有する法定通貨(円)変換手段と、前記法定通貨(円)変換手段が所定の法定通貨(円)に変換した当該暗号資産の売却時の価格から、前記暗号資産簿価記録手段により当該顧客口座に記録されている簿価を差し引いて売却数量をかけた額を当該暗号資産の売買損益として算出する機能を有する暗号資産売買損益算出手段と、前記暗号資産売買損益算出手段により算出された、当該暗号資産の売買損益を当該顧客口座に紐づけられたブロックチェーンの顧客アドレス内に記録する機能を有する暗号資産売買損益記録手段と、暗号資産出庫手段による当該暗号資産の出庫時に、ブロックチェーンの出庫先アドレスに対して、当該暗号資産の出庫量と当該顧客口座に記録されている当該暗号資産の簿価とを当該暗号資産の出庫データとして記録し引き渡す機能を有する暗号資産出庫データ記録手段と、前記顧客口座での暗号資産の売買損益の総計ないし、当該顧客口座に紐づけられたブロックチェーンの顧客アドレスに暗号資産の売却時に記録されている暗号資産の売買損益の総計により、所定期間内の売買損益を集計し、自動的に暗号資産の売却に伴い生じる税金の計算を行う機能を有する税金自動算出手段と、を有する構成にすれば、暗号資産を決済手段に用いたときにおける暗号資産の売却者に対する税金の計算の負担を抑え、価格変動が小さく決済向けの特性を顕著に備えた暗号資産の売却用途を決済手段として広く普及させることが可能となる。
【0046】
また、本発明のデジタル資産の取引における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムにおいては、好ましくは、前記暗号資産が、第1の暗号資産建ての第2の暗号資産よりなる暗号資産ペアである場合における、第1の暗号資産建ての第2の暗号資産を、所定の法定通貨(円)建ての第1の暗号資産と、所定の法定通貨(円)建ての第2の暗号資産とに分解する機能を有する暗号資産ペア分解手段をさらに有し、前記暗号資産購入指示受付手段は、顧客からの第1の暗号資産建ての第2の暗号資産の購入指示を受け付ける機能をさらに有し、前記暗号資産購入手段は、前記暗号資産購入指示受付手段が受け付けた当該第1の暗号資産建ての第2の暗号資産の購入指示に基づき、暗号資産交換業者(の業務システム)に設けられた当該顧客口座に入金されている所定の法定通貨(円)との交換により当該第1の暗号資産建ての第2の暗号資産を購入し、当該顧客口座に紐づけられたブロックチェーンの顧客アドレスに入庫する機能をさらに有し、前記暗号資産簿価算出手段は、前記暗号資産購入手段が購入した当該第1の暗号資産建ての第2の暗号資産の簿価を、前記暗号資産ペア分解手段により分解された、所定の法定通貨(円)建ての第1の暗号資産における、当該法定通貨(円)を単位とした売値を当該第2の暗号資産の購入金額として用いて算出するとともに、所定の法定通貨(円)建ての第2の暗号資産における、当該法定通貨(円)を単位とした買値を当該第1の暗号資産の売却金額として用いて算出する機能をさらに有し、前記暗号資産簿価記録手段は、前記暗号資産簿価算出手段が算出した当該第1の暗号資産建ての第2の暗号資産の簿価を当該顧客口座に記録する機能をさらに有し、前記暗号資産決済指示受付手段は、当該顧客からの、当該顧客口座に紐づけられたブロックチェーンの顧客アドレスに入庫されている当該第1の暗号資産建ての第2の暗号資産を用いた決済指示を受け付ける機能をさらに有し、前記法定通貨(円)変換手段は、当該第1の暗号資産建ての第2の暗号資産の取引が買い取引であるときには、前記暗号資産ペア分解手段により分解された、所定の法定通貨(円)建ての第1の暗号資産における当該法定通貨(円)を単位とした売値を第2の暗号資産の買値(の想定価格)として定めるとともに、前記暗号資産ペア分解手段により分解された、所定の法定通貨(円)建ての第2の暗号資産における当該法定通貨(円)を単位とした買値を第1の暗号資産の売値(の想定価格)として定め、当該第1の暗号資産建ての第2の暗号資産の取引が売り取引であるときには、前記暗号資産ペア分解手段により分解された、所定の法定通貨(円)建ての第1の暗号資産における当該法定通貨(円)を単位とした買値を第2の暗号資産の売値(の想定価格)として定めるとともに、前記暗号資産ペア分解手段により分解された、所定の法定通貨(円)建ての第2の暗号資産における当該法定通貨(円)を単位とした売値を第1の暗号資産の買値(の想定価格)として定める機能をさらに有し、前記暗号資産売買損益算出手段は、当該第1の暗号資産建ての第2の暗号資産の取引が買い取引であるときには、前記法定通貨(円)変換手段により定められた、建て側の第1の暗号資産の所定の法定通貨(円)を単位とした売値(の想定価格)から前記暗号資産簿価記録手段により当該顧客口座に記録されている建て側の第1の暗号資産の当該法定通貨(円)を単位とした簿価を差し引いて売却数量をかけた額を建て側の第1の暗号資産の売買損益として算出するとともに、前記法定通貨(円)変換手段により定められた、建て側とは反対側の第2の暗号資産の所定の法定通貨(円)を単位とした買値(の想定価格)から前記暗号資産簿価記録手段により当該顧客口座に記録されている建て側とは反対側の第2の暗号資産の当該法定通貨(円)を単位とした簿価を差し引いて売却数量をかけた額を建て側とは反対側の第2の暗号資産の売買損益として算出し、当該第1の暗号資産建ての第2の暗号資産の取引が売り取引であるときには、前記法定通貨(円)変換手段により定められた、建て側の第1の暗号資産の所定の法定通貨(円)を単位とした買値(の想定価格)から前記暗号資産簿価記録手段により当該顧客口座に記録されている建て側の第1の暗号資産の当該法定通貨(円)を単位とした簿価を差し引いて売却数量をかけた額を建て側の第1の暗号資産の売買損益として算出するとともに、前記法定通貨(円)変換手段により定められた、建て側とは反対側の第2の暗号資産の所定の法定通貨(円)を単位とした売値(の想定価格)から前記暗号資産簿価記録手段により当該顧客口座に記録されている建て側とは反対側の第2の暗号資産の当該法定通貨(円)を単位とした簿価を差し引いて売却数量をかけた額を建て側とは反対側の第2の暗号資産の売買損益として算出する機能をさらに有し、前記税金自動算出手段は、前記顧客口座での建て側の第1の暗号資産の売買損益の総計ないし、当該顧客口座に紐づけられたブロックチェーンの顧客アドレスに売却時に記録されている建て側の第1の暗号資産の売買損益の総計により、所定期間内の売買損益を集計し、自動的に建て側の第1の暗号資産の売却に伴い生じる税金の計算を行うとともに、前記顧客口座での建て側の第2の暗号資産の売買損益の総計ないし、当該顧客口座に紐づけられたブロックチェーンの顧客アドレスに売却時に記録されている建て側の第2の暗号資産の売買損益の総計により、所定期間内の売買損益を集計し、自動的に建て側とは反対側の第2の暗号資産の売却に伴い生じる税金の計算を行う機能をさらに有する。
このようにすれば、暗号資産建て暗号資産取引となる暗号資産ペアの取引において、暗号資産の売却者に対する税金の計算の負担を抑え、価格変動が小さく決済向けの特性を顕著に備えた暗号資産ペアの取引を広く普及させることが可能となる。
【0047】
また、本発明のデジタル資産の取引における商品現物、暗号資産及び商品ST類の相互交換による資産の売却に伴う税金自動算出システムは、トークン(ブロックチェーン等の分散技術においてデジタルで定義される価値などの総称であって、暗号資産を含む)、デジタル通貨、トークンとデジタル通貨、もしくはトークン同士、デジタル通貨同士など、あらゆる形態のデジタル資産間による取引を管理するための、少なくとも1種類のブロックチェーン等の分散技術における分散型台帳と、該分散型台帳に管理されるデジタル資産を用いた所定の処理を行うためのスマートコントラクトを備えて構築される、商品現物、暗号資産及び商品ST類の相互交換によるデジタル資産の取引における資産の売却に伴う税金自動算出システムであって、(貴金属類、エネルギー類、農作物類、原料類など一般的に商品と呼ばれるすべてのものを対象とする)商品現物、(商品現物をベースとして作成されてなる)暗号資産及び(暗号資産を信託を介して発行されてなる、または商品現物をベースとして直接的に作成されてなる)商品ST類の相互交換を行う機能を有する資産取引手段と、前記資産取引手段による相互交換の対象となる資産(商品現物、暗号資産又は商品ST類)の簿価を、所定の法定通貨(円)を単位とした購入金額を用いて算出する機能を有する資産簿価算出手段と、前記資産簿価算出手段が算出した当該資産の簿価を当該顧客口座に記録する機能を有する資産簿価記録手段と、前記資産取引手段による相互交換の対象となる資産(商品現物、暗号資産又は商品ST類)を所定の法定通貨(円)に自動的に変換する機能を有する法定通貨(円)変換手段と、前記法定通貨(円)変換手段により当該法定通貨(円)に変換された、当該資産(商品現物、暗号資産又は商品ST類)の売却時の価格から、前記資産簿価記録手段により当該顧客口座に記録されている簿価を差し引いて売却数量をかけた額を当該資産(商品現物、暗号資産又は商品ST類)の売買損益として算出する機能を有する資産売買損益算出手段と、前記資産売買損益算出手段により算出された、当該資産(商品現物、暗号資産又は商品ST類)の売買損益と、当該資産(商品現物、暗号資産又は商品ST類)について商品現物、暗号資産及び商品ST類のいずれかに夫々対応した資産の区分と、を当該顧客口座に紐づけられたブロックチェーンの顧客アドレス内に記録する機能を有する資産売買損益記録手段と、前記顧客口座での前記資産取引手段による相互交換の対象となる資産(商品現物、暗号資産及び商品ST類の夫々)の売買損益の総計ないし、当該顧客口座に紐づけられたブロックチェーンの顧客アドレスに当該資産(商品現物、暗号資産及び商品ST類の夫々)の売却時に記録されている当該資産(商品現物、暗号資産及び商品ST類の夫々)の売買損益の総計により、所定期間内の売買損益を集計し、自動的に当該資産(商品現物、暗号資産及び商品ST類の夫々)の売却に伴い生じる税金の計算を、前記資産売買損益記録手段により記録された、資産の区分に応じて異なる税率で行う機能を有する税金自動算出手段と、を有する。
このようにすれば、税制の異なるデジタル資産間の売買における資産の売却者に対する税金の計算の負担を抑えることが可能となる。
【0048】
また、本発明のデジタル資産の取引における商品現物、暗号資産及び商品ST類の相互交換による資産の売却に伴う税金自動算出システムにおいては、好ましくは、相互交換の対象となる資産(商品現物、暗号資産又は商品ST類)の銘柄を取引リストに登録する機能を有する銘柄登録用スマートコントラクトと、前記銘柄登録用スマートコントラクトにより取引リストに登録されている銘柄について、一つのマーケットメイクを行う金融機関に対し顧客からの注文(リーブオーダー)があったときに、当該リーブオーダーを、各マーケットメイクを行う金融機関における共通のリーブオーダーとして取り扱い、各マーケットメイクを行う金融機関において共通に取り扱う、全ての当該銘柄についてのリーブオーダーの状況(注文ブック(約定)状態)に基づき、各マーケットメイクを行う金融機関における夫々独自の当該銘柄についてのレートを作成する機能を有する独自レート作成用スマートコントラクトと、各マーケットメイクを行う金融機関における所定銘柄についてのリーブオーダーの状況(注文ブック(約定)状態)と、前記独自レート作成用スマートコントラクトが作成した、各マーケットメイクを行う金融機関における夫々独自の当該銘柄についてのレートを、各マーケットメイクを行う金融機関が把握しない非公開方式の共有情報として保管する機能を有する非公開共有情報保管用スマートコントラクトと、前記非公開共有情報保管用スマートコントラクトを介して共有された、各マーケットメイクを行う金融機関における所定銘柄についてのリーブオーダーの状況(注文ブック(約定)状態)と、各マーケットメイクを行う金融機関における夫々独自の当該銘柄についてのレートを用いて当該銘柄についての基準レートを生成する機能を有する基準レート生成用スマートコントラクトと、前記基準レート生成用スマートコントラクトが生成した所定銘柄についての基準レートを非公開情報として保管するとともに、顧客からの取引を所望する銘柄についてのレートの問い合わせを受け付けたときにのみ、前記基準レート生成用スマートコントラクトが生成した当該銘柄についての基準レートを当該顧客に提示する機能を有する基準レート提示用スマートコントラクトと、前記独自レート作成用スマートコントラクトが作成した、各マーケットメイクを行う金融機関における所定銘柄についての自社レートに対当する顧客の当該銘柄についてのリーブオーダーを約定する機能を有する約定用スマートコントラクトと、前記約定用スマートコントラクトが、所定のマーケットメイクを行う金融機関における所定銘柄についての自社レートで顧客の当該銘柄についてのリーブオーダーを約定することができない場合、前記非公開共有情報保管用スマートコントラクトが各マーケットメイクを行う金融機関が把握しない非公開方式で共有する情報として保管する、各マーケットメイクを行う金融機関における夫々独自の当該銘柄についてのリーブオーダーの状況(注文ブック(約定)状態)と、前記独自レート作成用スマートコントラクトが作成した、各マーケットメイクを行う金融機関における夫々独自の当該銘柄についてのレートと、を用いて、約定可能な相手先となるマーケットメイクを行う金融機関を探索する機能を有する約定先探索用スマートコントラクトと、所定のマーケットメイクを行う金融機関の顧客の所定銘柄についてのリーブオーダーが、前記約定先探索用スマートコントラクトの探索した他のマーケットメイクを行う金融機関における当該銘柄についてのレートに対当する場合、前記約定用スマートコントラクトに当該銘柄についてのリーブオーダーを約定させる機能を有する約定制御用スマートコントラクトと、をさらに備え、前記資産簿価算出手段は、前記約定用スマートコントラクトにより約定されたときの資産(商品現物、暗号資産又は商品ST類)の所定の法定通貨(円)を単位とした購入金額を用いて、当該資産の簿価を算出する機能をさらに有し、前記資産取引手段は、様々な暗号資産と様々なST類との相互交換を行う。
このようにすれば、各マーケットメイクを行う金融機関の収益率が下がることなく、約定価格のばらつきをなくして、流動性が低い資産の公正な取引を行うことを可能にし、かつ、様々な暗号資産と様々なST類との相互売買における資産の売却者に対する税金の計算の負担を抑え、税制の異なる資産間の取引を活性化することが可能となる。
【0049】
また、本発明のデジタル資産を用いたデビットサービスの提供における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムは、トークン類(ブロックチェーン等の分散技術においてデジタルで定義される価値などの総称であって、暗号資産を含む)、デジタル通貨、トークン類とデジタル通貨、もしくはトークン類同士、デジタル通貨同士など、あらゆる形態のデジタル資産間による取引を管理するための、少なくとも1種類のブロックチェーン等の分散技術における分散型台帳と、該分散型台帳に管理されるデジタル資産を用いた所定の処理を行うためのスマートコントラクトを備えて構築される、デジタル資産を用いたデビットサービスの提供における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムであって、デビットカードでの決済の際の清算対象として優先させるデジタルアセットトークンの銘柄の順位指定をデビットカード利用者(消費者)から受け付ける機能を有する清算対象優先資産選択指定受付手段と、前記清算対象優先資産選択指定受付手段が受け付けたデジタルアセットトークンの銘柄の順位指定にしたがって清算に必要な代金分のデジタルアセットトークンの現金化を指示する機能を有する代金現金化指示手段と、前記清算対象優先資産選択指定受付手段が受け付けたデジタルアセットトークンの銘柄の順位指定にしたがって、暗号資産交換業者側のデビットカード利用者(消費者)口座に預け入れされているデジタルアセットトークンを、清算に必要な代金分、現金に変換する機能を有する現金変換手段と、前記現金変換手段が変換した代金分の現金を、銀行等の金融機関側のデビットカード利用者(消費者)口座へ転送する機能を有する現金転送手段と、を有し、前記代金現金化指示手段は、前記清算対象優先資産選択指定受付手段が、デビットカードでの決済の際の清算対象として優先させる資産として、銀行等の金融機関側のデビットカード利用者(消費者)口座に預け入れされている現金の選択指定を受け付けた場合において、銀行等の金融機関側のデビットカード利用者(消費者)口座に預け入れされている現金が清算に必要な額を満たさないときに、不足分の清算に必要な代金分の現金化を指示する機能をさらに有し、前記現金変換手段は、前記代金現金化指示手段から不足分の清算に必要な代金分の現金化の指示を受けたとき、暗号資産交換業者側のデビットカード利用者(消費者)口座に預け入れされている不足分の清算に必要な代金分のデジタルアセットトークンを自動的に現金化する機能をさらに有し、前記現金転送手段は、銀行等の金融機関側のデビットカード利用者(消費者)口座に、前記現金変換手段によって変換された不足分の現金を振り替える機能をさらに有するデジタル資産を用いたデビットサービス提供システムにおいて、暗号資産交換業者側のデビットカード利用者(消費者)口座に預け入れされている暗号資産の簿価を当該デビットカード利用者(消費者)口座に記録する機能を有する暗号資産簿価記録手段と、暗号資産がデビットカードでの決済の際の清算対象となる資産として、前記現金変換手段により現金化される場合、当該暗号資産を売却して、当該法定通貨(円)に自動的に変換する機能を有する法定通貨(円)変換手段と、前記法定通貨(円)変換手段が所定の法定通貨(円)に変換した当該暗号資産の売却時の価格から、前記暗号資産簿価記録手段により当該デビットカード利用者(消費者)口座に記録されている簿価を差し引いて売却数量をかけた額を当該暗号資産の売買損益として算出する機能を有する暗号資産売買損益算出手段と、前記暗号資産売買損益算出手段が算出した当該暗号資産の売買損益を当該デビットカード利用者(消費者)口座に紐づけられたブロックチェーンのデビットカード利用者(消費者)アドレス内に記録する機能を有する暗号資産売買損益記録手段と、前記デビットカード利用者(消費者)口座での暗号資産の売買損益の総計ないし、当該デビットカード利用者(消費者)口座に紐づけられたブロックチェーンのデビットカード利用者(消費者)アドレスに暗号資産の売却時に記録されている暗号資産の売買損益の総計により、所定期間内の売買損益を集計し、自動的に暗号資産の売却に伴い生じる税金の計算を行う機能を有する税金自動算出手段と、を有する。
このようにすれば、デビットカードの決済における清算対象として暗号資産を用いたときの暗号資産の売却者に対する税金の計算の負担を抑え、デビットカードでの決済における清算対象に暗号資産を用い易くすることが可能となる。
【0050】
また、本発明のデジタル資産を用いた決済サービスの提供における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムは、トークン類(ブロックチェーン等の分散技術においてデジタルで定義される価値などの総称であって、暗号資産を含む)、デジタル通貨、トークン類とデジタル通貨、もしくはトークン類同士、デジタル通貨同士など、あらゆる形態のデジタル資産間による取引を管理するための、少なくとも1種類のブロックチェーン等の分散技術における分散型台帳と、該分散型台帳に管理されるデジタル資産を用いた所定の処理を行うためのスマートコントラクトを備えて構築される、デジタル資産を用いた決済サービスの提供における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムであって、物品やサービスの提供側と購入側の各々にインターフェースプログラムを有し、夫々のインターフェースプログラムは、複数の決済手段夫々についての所定情報(サービス番号と口座的な管理番号)、決済手段の優先順位との設定を受け付ける機能を有する決済手段情報等設定手段と、前記決済手段情報等設定手段が設定を受け付けたデータを決済手段利用可能情報として(当該インターフェースプログラムを構成するネットワーク内の処理手段及び記録媒体へ)記録する機能を有する決済手段利用可能情報記録手段と、を有し、前記提供側のインターフェースプログラムと前記購入側のインターフェースプログラムは、決済時にコード(バーコードやQRコードなど)からなる前記決済手段利用可能情報を特定する識別子情報を、いずれか一方のインターフェースプログラムが表示し、いずれか他方のインターフェースプログラムに読み込ませることができる機能を有する識別子情報入出力手段を有し、前記提供側のインターフェースプログラムは、双方の前記識別子情報入出力手段を用いて、前記購入側のインターフェースプログラムに前記提供側のインターフェースプログラムが表示する前記識別子情報(コード)を読み込ませる場合において、前記提供側からの決済価格情報の入力を受け付ける機能を有する決済価格情報入力受付手段を有し、前記購入側のインターフェースプログラムは、双方の前記識別子情報入出力手段を用いて、前記購入側のインターフェースプログラムに前記提供側のインターフェースプログラムが表示する前記識別子情報(コード)を読み込ませる場合において、前記決済価格情報入力受付手段が入力を受け付けた前記提供側からの決済価格情報を確認する機能を有する決済価格情報確認手段を有し、前記提供側のインターフェースプログラムと前記購入側のインターフェースプログラムのいずれか一方が、いずれか他方の前記識別子情報(コード)を読み込むことにより、双方のインターフェースプログラムが双方の決済手段を紐づけ、前記提供側のインターフェースプログラムは、決済可能な決済手段を数種類提示する機能を有する決済手段提示手段を有し、前記購入側のインターフェースプログラムは、前記提供側のインターフェースプログラムの前記決済手段提示手段より提示された数種類の決済手段の範囲に該当する決済手段を対象として、購入側が設定した優先順位の該当決済手段から順に決済処理の可否を確認する機能を有する決済処理可否確認手段を有し、さらに、前記購入側のインターフェースプログラムの前記決済手段情報等設定手段は、前記決済処理可否確認手段による決済処理の可否の確認に際し、前記提供側のインターフェースプログラムより提示された数種類の決済手段の夫々について、所定の決済金額に対し、1回で決済処理に用いることのできる量を、前記決済手段利用可能情報の設定の際に予め指定しておくことができる機能をさらに有し、前記購入側のインターフェースプログラムは、前記購入側が設定した優先順位にしたがって、該当する決済手段について、提供側のインターフェースプログラムより提示された1回で決済処理に用いることのできる量のストックがあるか否かをチェックし、1回で処理できる量のストックがある場合は優先的にその決済手段を決済処理に用いる機能を有する決済手段処理順制御手段を有し、複数の前記決済手段のうちの少なくとも一つが暗号資産であり、さらに、購入した当該暗号資産の簿価を、当該法定通貨(円)を単位とした購入金額を用いて算出する機能を有する暗号資産簿価算出手段と、前記暗号資産簿価算出手段が算出した当該暗号資産の簿価を当該顧客口座に記録する機能を有する暗号資産簿価記録手段と、暗号資産が決済手段として決済処理に用いられる場合、当該暗号資産を売却して、当該法定通貨(円)に自動的に変換する機能を有する法定通貨(円)変換手段と、前記法定通貨(円)変換手段が所定の法定通貨(円)に変換した当該暗号資産の売却時の価格から、前記暗号資産簿価記録手段により当該顧客口座に記録されている簿価を差し引いて売却数量をかけた額を当該暗号資産の売買損益として算出する機能を有する暗号資産売買損益算出手段と、前記暗号資産売買損益算出手段により算出された、当該暗号資産の売買損益を当該顧客口座に紐づけられたブロックチェーンの顧客アドレス内に記録する機能を有する暗号資産売買損益記録手段と、前記顧客口座での暗号資産の売買損益の総計ないし、当該顧客口座に紐づけられたブロックチェーンの顧客アドレスに暗号資産の売却時に記録されている暗号資産の売買損益の総計により、所定期間内の売買損益を集計し、自動的に暗号資産の売却に伴い生じる税金の計算を行う機能を有する税金自動算出手段と、を有する。
このようにすれば、複数種類の決済手段を備えた決済系サービスにおいて、多様な決済手段を用いることができ、利便性や優位性が向上するとともに、決済手段として暗号資産を用いたときの暗号資産の売却者に対する税金の計算の負担を抑えることが可能となり、決済手段として用いることのできる種類を増やすことが可能となる。
【0051】
したがって、本発明によれば、暗号資産の売却者に対する税金の計算の負担を抑え、価格変動が小さく決済向けの特性を顕著に備えた暗号資産の売却用途を決済手段として広く普及させることを可能にする、デジタル資産の取引における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システム、商品現物、暗号資産及び商品ST類の相互交換によるデジタル資産の取引における資産の売却に伴う税金自動算出システム、デジタル資産を用いたデビットサービスの提供における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システム、デジタル資産を用いた決済サービスの提供における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムが得られる。
【0052】
以下、本発明の実施形態について、適宜、図面を参照して説明する。
第1実施形態
図1は本発明の第1実施形態にかかるデジタル資産の取引における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムの構成を概念的に示すブロック図である。
図1のデジタル資産の取引における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムは、トークン(ブロックチェーン等の分散技術においてデジタルで定義される価値などの総称であって、暗号資産を含む)、デジタル通貨、トークンとデジタル通貨、もしくはトークン同士、デジタル通貨同士など、あらゆる形態のデジタル資産間による取引を管理するための、少なくとも1種類のブロックチェーン等の分散技術における分散型台帳と、該分散型台帳に管理されるデジタル資産を用いた所定の処理を行うためのスマートコントラクトを備えて構築され、暗号資産購入指示受付手段11と、暗号資産購入手段12と、暗号資産簿価算出手段13と、暗号資産簿価記録手段14と、暗号資産決済指示受付手段15と、法定通貨(円)変換手段16と、暗号資産売買損益算出手段17と、暗号資産売買損益記録手段18と、暗号資産出庫手段19と、暗号資産出庫データ記録手段20と、税金自動算出手段21と、を有している。
【0053】
暗号資産購入指示受付手段11は、例えば、図2に示すように、例えば、購入を所望する暗号資産の種類(銘柄)、暗号資産の購入金額(又は量)の入力を受け付ける画面などからなり、顧客からの暗号資産の購入指示を受け付ける機能を有して構成されている。
【0054】
暗号資産購入手段12は、例えば、図3に示すように、暗号資産購入指示受付手段11が受け付けた当該暗号資産の購入指示に基づき、暗号資産交換業者(の業務システム)に設けられた当該顧客口座に入金されている所定の法定通貨(円)との交換により当該暗号資産を購入し、当該顧客口座に紐づけられたブロックチェーンの顧客アドレスに入庫する機能を有して構成されている。
【0055】
暗号資産簿価算出手段13は、例えば、図4に示すように、暗号資産購入手段12が購入した当該暗号資産の簿価を、当該法定通貨(円)を単位とした購入金額を用いて算出する機能を有して構成されている。
なお、簿価は、個別購入価格、移動平均法価格、総平均法価格のいずれを用いてもよい。
【0056】
暗号資産簿価記録手段14は、例えば、図5に示すように、暗号資産簿価算出手段13が算出した当該暗号資産の簿価を当該顧客口座に記録する機能を有して構成されている。
【0057】
暗号資産決済指示受付手段15は、例えば、図6に示すように、当該顧客からの、当該顧客口座に紐づけられたブロックチェーンの顧客アドレスに入庫されている暗号資産を用いた決済指示を受け付ける機能を有して構成されている。
【0058】
法定通貨(円)変換手段16は、例えば、図7に示すように、暗号資産決済指示受付手段15が決済指示を受け付けたとき、決済指示の対象となっている当該暗号資産を売却して、当該法定通貨(円)に自動的に変換する機能を有して構成されている。
【0059】
暗号資産売買損益算出手段17は、例えば、図8に示すように、法定通貨(円)変換手段16が所定の法定通貨(円)に変換した当該暗号資産の売却時の価格から、暗号資産簿価記録手段14により当該顧客口座に記録されている簿価を差し引いて売却数量をかけた額を当該暗号資産の売買損益として算出する機能を有して構成されている。
【0060】
暗号資産売買損益記録手段18は、例えば、図9に示すように、暗号資産売買損益算出手段17により算出された、当該暗号資産の売買損益を当該顧客口座に紐づけられたブロックチェーンの顧客アドレス内に記録する機能を有して構成されている。
【0061】
暗号資産出庫手段19は、例えば、図10に示すように、暗号資産決済指示受付手段15が決済指示を受け付けたとき、当該顧客口座に紐づけられたブロックチェーンの顧客アドレスに入庫されている当該暗号資産を出庫する機能を有して構成されている。
【0062】
暗号資産出庫データ記録手段20は、例えば、図11に示すように、暗号資産出庫手段19による当該暗号資産の出庫時に、ブロックチェーンの出庫先アドレスに対して、当該暗号資産の出庫量と当該顧客口座に記録されている当該暗号資産の簿価とを当該暗号資産の出庫データとして記録し引き渡す機能を有して構成されている。
【0063】
税金自動算出手段21は、例えば、図12に示すように、顧客口座での暗号資産の売買損益の総計ないし、当該顧客口座に紐づけられたブロックチェーンの顧客アドレスに暗号資産の売却時に記録されている暗号資産の売買損益の総計により、所定期間内の売買損益を集計し、自動的に暗号資産の売却に伴い生じる税金の計算を行う機能を有して構成されている。
【0064】
第1実施形態のデジタル資産の取引における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムを用いた処理の流れ
このような構成を備えた第1実施形態のデジタル資産の取引における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムを用いた処理の流れを図13図15を用いて説明する。
【0065】
(S1-1)暗号資産の購入~簿価の計算、記録(図13
第1実施形態のデジタル資産の取引においては、顧客は暗号資産交換業者(の業務システム)に顧客口座を開設し、当該顧客口座に所定の法定通貨(円)を所定額預け入れておく。そして、顧客は、暗号資産購入指示受付手段11を介して、暗号資産の購入指示を行う。暗号資産購入手段12は、暗号資産購入指示受付手段11が受け付けた当該暗号資産の購入指示に基づき、暗号資産交換業者(の業務システム)に設けられた当該顧客口座に入金されている所定の法定通貨(円)との交換により当該暗号資産を購入し、当該顧客口座に紐づけられたブロックチェーンの顧客アドレスに入庫する。
このとき、暗号資産簿価算出手段13は、暗号資産購入手段12が購入した当該暗号資産の簿価を、当該法定通貨(円)を単位とした購入金額を用いて算出する。
また、暗号資産簿価記録手段14は、暗号資産簿価算出手段13が算出した当該暗号資産の簿価を当該顧客口座に記録する。
【0066】
(S1-2)暗号資産の決済指示受付~法定通貨への自動変換~暗号資産の出庫~売買損益の算出、記録(図14図15
このようにして、当該顧客口座に紐づけられたブロックチェーンの顧客アドレスに入庫されている暗号資産を用いた決済を顧客が所望する場合、顧客は、暗号資産決済指示受付手段15を介して、暗号資産を用いた決済指示を行う。暗号資産決済指示受付手段15は、当該顧客からの、当該顧客口座に紐づけられたブロックチェーンの顧客アドレスに入庫されている暗号資産を用いた決済指示を受け付ける。
暗号資産決済指示受付手段15が決済指示を受け付けたとき、法定通貨(円)変換手段16は、決済指示の対象となっている当該暗号資産を売却して、当該法定通貨(円)に自動的に変換する。
また、暗号資産出庫手段19は、暗号資産決済指示受付手段15が決済指示を受け付けたとき、当該顧客口座に紐づけられたブロックチェーンの顧客アドレスに入庫されている当該暗号資産を出庫する。
暗号資産出庫データ記録手段20は、暗号資産出庫手段19による当該暗号資産の出庫時に、ブロックチェーンの出庫先アドレスに対して、当該暗号資産の出庫量と当該顧客口座に記録されている当該暗号資産の簿価とを当該暗号資産の出庫データとして記録し引き渡す。
また、暗号資産売買損益算出手段17は、法定通貨(円)変換手段16が所定の法定通貨(円)に変換した当該暗号資産の売却時の価格から、暗号資産簿価記録手段14により当該顧客口座に記録されている簿価を差し引いて売却数量をかけた額を当該暗号資産の売買損益として算出する。
また、暗号資産売買損益記録手段18は、暗号資産売買損益算出手段17により算出された、当該暗号資産の売買損益を当該顧客口座に紐づけられたブロックチェーンの顧客アドレス内に記録する。
【0067】
(S1-3)暗号資産の売却に伴い生じる税金の計算(図15
また、所定期間ごとに、税金自動算出手段21が作動する。
税金自動算出手段21は、顧客口座での暗号資産の売買損益の総計ないし、当該顧客口座に紐づけられたブロックチェーンの顧客アドレスに暗号資産の売却時に記録されている暗号資産の売買損益の総計により、所定期間内の売買損益を集計し、自動的に暗号資産の売却に伴い生じる税金の計算を行う。
これにより、暗号資産を決済等に用いた場合における、暗号資産の売却に伴う税金が自動的に算出されることになる。
【0068】
第1実施形態のデジタル資産の取引における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムの効果
第1実施形態のデジタル資産の取引における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムによれば、顧客からの暗号資産の購入指示を受け付ける機能を有する暗号資産購入指示受付手段11と、暗号資産購入指示受付手段11が受け付けた当該暗号資産の購入指示に基づき、暗号資産交換業者(の業務システム)に設けられた当該顧客口座に入金されている所定の法定通貨(円)との交換により当該暗号資産を購入し、当該顧客口座に紐づけられたブロックチェーンの顧客アドレスに入庫する機能を有する暗号資産購入手段12と、暗号資産購入手段12が購入した当該暗号資産の簿価を、当該法定通貨(円)を単位とした購入金額を用いて算出する機能を有する暗号資産簿価算出手段13と、暗号資産簿価算出手段13が算出した当該暗号資産の簿価を当該顧客口座に記録する機能を有する暗号資産簿価記録手段14と、当該顧客からの、当該顧客口座に紐づけられたブロックチェーンの顧客アドレスに入庫されている暗号資産を用いた決済指示を受け付ける機能を有する暗号資産決済指示受付手段15と、暗号資産決済指示受付手段15が決済指示を受け付けたとき、決済指示の対象となっている当該暗号資産を売却して、当該法定通貨(円)に自動的に変換する機能を有する法定通貨(円)変換手段16と、法定通貨(円)変換手段16が所定の法定通貨(円)に変換した当該暗号資産の売却時の価格から、暗号資産簿価記録手段14により当該顧客口座に記録されている簿価を差し引いて売却数量をかけた額を当該暗号資産の売買損益として算出する機能を有する暗号資産売買損益算出手段17と、暗号資産売買損益算出手段17により算出された、当該暗号資産の売買損益を当該顧客口座に紐づけられたブロックチェーンの顧客アドレス内に記録する機能を有する暗号資産売買損益記録手段18と、暗号資産決済指示受付手段15が決済指示を受け付けたとき、当該顧客口座に紐づけられたブロックチェーンの顧客アドレスに入庫されている当該暗号資産を出庫する機能を有する暗号資産出庫手段19と、暗号資産出庫手段19による当該暗号資産の出庫時に、ブロックチェーンの出庫先アドレスに対して、当該暗号資産の出庫量と当該顧客口座に記録されている当該暗号資産の簿価とを当該暗号資産の出庫データとして記録し引き渡す機能を有する暗号資産出庫データ記録手段20と、顧客口座での暗号資産の売買損益の総計ないし、当該顧客口座に紐づけられたブロックチェーンの顧客アドレスに暗号資産の売却時に記録されている暗号資産の売買損益の総計により、所定期間内の売買損益を集計し、自動的に暗号資産の売却に伴い生じる税金の計算を行う機能を有する税金自動算出手段21と、を有する構成としたので、暗号資産を決済手段に用いたときにおける暗号資産の売却者に対する税金の計算の負担を抑え、価格変動が小さく決済向けの特性を顕著に備えた暗号資産の売却用途を決済手段として広く普及させることができる。
【0069】
第2実施形態
図16は本発明の第2実施形態にかかるデジタル資産の取引における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムの構成を概念的に示すブロック図である。
図16のデジタル資産の取引における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムは、暗号資産購入指示受付手段11’と、暗号資産購入手段12’と、暗号資産簿価算出手段13’と、暗号資産簿価記録手段14’と、暗号資産決済指示受付手段15’と、法定通貨(円)変換手段16’と、暗号資産売買損益算出手段17’と、暗号資産売買損益算出手段18’と、暗号資産出庫手段19と、暗号資産出庫データ記録手段20と、税金自動算出手段21’と、暗号資産ペア分解手段22と、を有している。
なお、便宜上、図1に示した第1実施形態にかかるデジタル資産の取引における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムと同じ構成部分については、同じ符号を付し、説明は省略する。
【0070】
暗号資産ペア分解手段22は、例えば、図17に示すように、暗号資産が、第1の暗号資産建ての第2の暗号資産よりなる暗号資産ペアである場合における、第1の暗号資産建ての第2の暗号資産を、所定の法定通貨(円)建ての第1の暗号資産と、所定の法定通貨(円)建ての第2の暗号資産とに分解する機能を有して構成されている。
【0071】
暗号資産購入指示受付手段11’は、例えば、図18に示すように、図2に示した暗号資産購入指示受付手段11に有する機能に加えて、顧客からの第1の暗号資産建ての第2の暗号資産の購入指示を受け付ける機能をさらに有して構成されている。
【0072】
暗号資産購入手段12’は、例えば、図19に示すように、図3に示した暗号資産購入手段12に有する機能に加えて、暗号資産購入指示受付手段11’が受け付けた当該第1の暗号資産建ての第2の暗号資産の購入指示に基づき、暗号資産交換業者(の業務システム)に設けられた当該顧客口座に入金されている所定の法定通貨(円)との交換により当該第1の暗号資産建ての第2の暗号資産を購入し、当該顧客口座に紐づけられたブロックチェーンの顧客アドレスに入庫する機能をさらに有して構成されている。
【0073】
暗号資産簿価算出手段13’は、例えば、図20に示すように、図4に示した暗号資産簿価算出手段13に有する機能に加えて、暗号資産購入手段12’が購入した当該第1の暗号資産建ての第2の暗号資産の簿価を、暗号資産ペア分解手段22により分解された、所定の法定通貨(円)建ての第1の暗号資産における、当該法定通貨(円)を単位とした売値を当該第2の暗号資産の購入金額として用いて算出するとともに、所定の法定通貨(円)建ての第2の暗号資産における、当該法定通貨(円)を単位とした買値を当該第1の暗号資産の売却金額として用いて算出する機能をさらに有して構成されている。
【0074】
暗号資産簿価記録手段14’は、例えば、図21に示すように、図5に示した暗号資産簿価記録手段14に有する機能に加えて、暗号資産簿価算出手段13’が算出した当該第1の暗号資産建ての第2の暗号資産の簿価を当該顧客口座に記録する機能をさらに有して構成されている。
【0075】
暗号資産決済指示受付手段15’は、例えば、図22に示すように、図6に示した暗号資産決済指示受付手段15に有する機能に加えて、当該顧客からの、当該顧客口座に紐づけられたブロックチェーンの顧客アドレスに入庫されている当該第1の暗号資産建ての第2の暗号資産を用いた決済指示を受け付ける機能をさらに有して構成されている。
【0076】
法定通貨(円)変換手段16’は、例えば、図23に示すように、図7に示した法定通貨(円)変換手段16に有する機能に加えて、次の機能をさらに有して構成されている。
・当該第1の暗号資産建ての第2の暗号資産の取引が買い取引であるときには、暗号資産ペア分解手段22により分解された、所定の法定通貨(円)建ての第1の暗号資産における当該法定通貨(円)を単位とした売値を第2の暗号資産の買値(の想定価格)として定めるとともに、暗号資産ペア分解手段22により分解された、所定の法定通貨(円)建ての第2の暗号資産における当該法定通貨(円)を単位とした買値を第1の暗号資産の売値(の想定価格)として定める機能。
・当該第1の暗号資産建ての第2の暗号資産の取引が売り取引であるときには、暗号資産ペア分解手段22により分解された、所定の法定通貨(円)建ての第1の暗号資産における当該法定通貨(円)を単位とした買値を第2の暗号資産の売値(の想定価格)として定めるとともに、暗号資産ペア分解手段22により分解された、所定の法定通貨(円)建ての第2の暗号資産における当該法定通貨(円)を単位とした売値を第1の暗号資産の買値(の想定価格)として定める機能。
【0077】
暗号資産売買損益算出手段17’は、例えば、図24に示すように、図8に示した暗号資産売買損益算出手段17に有する機能に加えて、次の機能をさらに有して構成されている。
・当該第1の暗号資産建ての第2の暗号資産の取引が買い取引であるときには、法定通貨(円)変換手段16’により定められた、建て側の第1の暗号資産の所定の法定通貨(円)を単位とした売値(の想定価格)から暗号資産簿価記録手段14’により当該顧客口座に記録されている建て側の第1の暗号資産の当該法定通貨(円)を単位とした簿価を差し引いて売却数量をかけた額を建て側の第1の暗号資産の売買損益として算出するとともに、法定通貨(円)変換手段16’により定められた、建て側とは反対側の第2の暗号資産の所定の法定通貨(円)を単位とした買値(の想定価格)から暗号資産簿価記録手段14’により当該顧客口座に記録されている建て側とは反対側の第2の暗号資産の当該法定通貨(円)を単位とした簿価を差し引いて売却数量をかけた額を建て側とは反対側の第2の暗号資産の売買損益として算出する機能。
・当該第1の暗号資産建ての第2の暗号資産の取引が売り取引であるときには、法定通貨(円)変換手段16’ により定められた、建て側の第1の暗号資産の所定の法定通貨(円)を単位とした買値(の想定価格)から暗号資産簿価記録手段14’により当該顧客口座に記録されている建て側の第1の暗号資産の当該法定通貨(円)を単位とした簿価を差し引いて売却数量をかけた額を建て側の第1の暗号資産の売買損益として算出するとともに、法定通貨(円)変換手段16’により定められた、建て側とは反対側の第2の暗号資産の所定の法定通貨(円)を単位とした売値(の想定価格)から暗号資産簿価記録手段14’により当該顧客口座に記録されている建て側とは反対側の第2の暗号資産の当該法定通貨(円)を単位とした簿価を差し引いて売却数量をかけた額を建て側とは反対側の第2の暗号資産の売買損益として算出する機能。
【0078】
税金自動算出手段21’は、例えば、図25に示すように、図12に示した税金自動算出手段21に有する機能に加えて、次の機能をさらに有して構成されている。
・顧客口座での建て側の第1の暗号資産の売買損益の総計ないし、当該顧客口座に紐づけられたブロックチェーンの顧客アドレスに売却時に記録されている建て側の第1の暗号資産の売買損益の総計により、所定期間内の売買損益を集計し、自動的に建て側の第1の暗号資産の売却に伴い生じる税金の計算を行うとともに、顧客口座での建て側の第2の暗号資産の売買損益の総計ないし、当該顧客口座に紐づけられたブロックチェーンの顧客アドレスに売却時に記録されている建て側の第2の暗号資産の売買損益の総計により、所定期間内の売買損益を集計し、自動的に建て側とは反対側の第2の暗号資産の売却に伴い生じる税金の計算を行う機能。
【0079】
第2実施形態のデジタル資産の取引における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムを用いた処理の流れ
このような構成を備えた第2実施形態のデジタル資産の取引における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムを用いた処理の流れを図26図27を用いて説明する。
第2実施形態のデジタル資産の取引において、顧客が第1の暗号資産建ての第2の暗号資産の取引を行った場合、図26図27に示すように、暗号資産ペア分解手段22は、第1の暗号資産建ての第2の暗号資産を、所定の法定通貨(円)建ての第1の暗号資産と、所定の法定通貨(円)建ての第2の暗号資産とに分解する。
次いで、法定通貨(円)変換手段16’、暗号資産売買損益算出手段17’、 税金自動算出手段21’は、当該第1の暗号資産建ての第2の暗号資産の取引が買い取引であるか売り取引であるかに応じて、次の処理を行う。
【0080】
当該第1の暗号資産建ての第2の暗号資産の取引が買い取引であるとき(図26
法定通貨(円)変換手段16’は、当該第1の暗号資産建ての第2の暗号資産の取引が買い取引であるときには、暗号資産ペア分解手段22により分解された、所定の法定通貨(円)建ての第1の暗号資産における当該法定通貨(円)を単位とした売値を第2の暗号資産の買値(の想定価格)として定めるとともに、暗号資産ペア分解手段22により分解された、所定の法定通貨(円)建ての第2の暗号資産における当該法定通貨(円)を単位とした買値を第1の暗号資産の売値(の想定価格)として定める。
暗号資産売買損益算出手段17’は、法定通貨(円)変換手段16’ により定められた、建て側の第1の暗号資産の所定の法定通貨(円)を単位とした売値(の想定価格)から暗号資産簿価記録手段14’により当該顧客口座に記録されている建て側の第1の暗号資産の当該法定通貨(円)を単位とした簿価を差し引いて売却数量をかけた額を建て側の第1の暗号資産の売買損益として算出するとともに、法定通貨(円)変換手段16’により定められた、建て側とは反対側の第2の暗号資産の所定の法定通貨(円)を単位とした買値(の想定価格)から暗号資産簿価記録手段14’により当該顧客口座に記録されている建て側とは反対側の第2の暗号資産の当該法定通貨(円)を単位とした簿価を差し引いて売却数量をかけた額を建て側とは反対側の第2の暗号資産の売買損益として算出する。
税金自動算出手段21’は、暗号資産交換業者(の業務システム)における顧客口座での建て側の暗号資産の売買損益の総計ないし、当該顧客口座に紐づけられたブロックチェーンの顧客アドレスに売却時に記録されている建て側の第1の暗号資産の売買損益の総計により、所定期間内の売買損益を集計し、自動的に建て側の第1の暗号資産の売却に伴い生じる税金の計算を行うとともに、顧客口座での建て側の第2の暗号資産の売買損益の総計ないし、当該顧客口座に紐づけられたブロックチェーンの顧客アドレスに売却時に記録されている建て側の第2の暗号資産の売買損益の総計により、所定期間内の売買損益を集計し、自動的に建て側とは反対側の第2の暗号資産の売却に伴い生じる税金の計算を行う。
【0081】
当該第1の暗号資産建ての第2の暗号資産の取引が売り取引であるとき(図27
法定通貨(円)変換手段16’は、暗号資産ペア分解手段22により分解された、所定の法定通貨(円)建ての第1の暗号資産における当該法定通貨(円)を単位とした買値を第2の暗号資産の売値(の想定価格)として定めるとともに、暗号資産ペア分解手段22により分解された、所定の法定通貨(円)建ての第2の暗号資産における当該法定通貨(円)を単位とした売値を第1の暗号資産の買値(の想定価格)として定める。
暗号資産売買損益算出手段17’は、法定通貨(円)変換手段16’ により定められた、建て側の第1の暗号資産の所定の法定通貨(円)を単位とした買値(の想定価格)から暗号資産簿価記録手段14’により当該顧客口座に記録されている建て側の第1の暗号資産の当該法定通貨(円)を単位とした簿価を差し引いて売却数量をかけた額を建て側の第1の暗号資産の売買損益として算出するとともに、法定通貨(円)変換手段16’により定められた、建て側とは反対側の第2の暗号資産の所定の法定通貨(円)を単位とした売値(の想定価格)から暗号資産簿価記録手段14’により当該顧客口座に記録されている建て側とは反対側の第2の暗号資産の当該法定通貨(円)を単位とした簿価を差し引いて売却数量をかけた額を建て側とは反対側の第2の暗号資産の売買損益として算出する。
税金自動算出手段21’は、顧客口座での建て側の第1の暗号資産の売買損益の総計ないし、当該顧客口座に紐づけられたブロックチェーンの顧客アドレスに売却時に記録されている建て側の第1の暗号資産の売買損益の総計により、所定期間内の売買損益を集計し、自動的に建て側の第1の暗号資産の売却に伴い生じる税金の計算を行うとともに、顧客口座での建て側の第2の暗号資産の売買損益の総計ないし、当該顧客口座に紐づけられたブロックチェーンの顧客アドレスに売却時に記録されている建て側の第2の暗号資産の売買損益の総計により、所定期間内の売買損益を集計し、自動的に建て側とは反対側の第2の暗号資産の売却に伴い生じる税金の計算を行う。
これにより、暗号資産建ての暗号資産の注文を行った場合における、暗号資産の売却に伴う税金が自動的に算出されることになる。
【0082】
第2実施形態のデジタル資産の取引における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムの効果
第2実施形態のデジタル資産の取引における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムによれば、暗号資産が、第1の暗号資産建ての第2の暗号資産よりなる暗号資産ペアである場合における、第1の暗号資産建ての第2の暗号資産を、所定の法定通貨(円)建ての第1の暗号資産と、所定の法定通貨(円)建ての第2の暗号資産とに分解する機能を有する暗号資産ペア分解手段22をさらに有し、暗号資産購入指示受付手段11’は、顧客からの第1の暗号資産建ての第2の暗号資産の購入指示を受け付ける機能をさらに有し、暗号資産購入手段12’は、前記暗号資産購入指示受付手段11’が受け付けた当該第1の暗号資産建ての第2の暗号資産の購入指示に基づき、暗号資産交換業者(の業務システム)に設けられた当該顧客口座に入金されている所定の法定通貨(円)との交換により当該第1の暗号資産建ての第2の暗号資産を購入し、当該顧客口座に紐づけられたブロックチェーンの顧客アドレスに入庫する機能をさらに有し、暗号資産簿価算出手段13’は、暗号資産購入手段12’が購入した当該第1の暗号資産建ての第2の暗号資産の簿価を、暗号資産ペア分解手段22により分解された、所定の法定通貨(円)建ての第1の暗号資産における、当該法定通貨(円)を単位とした売値を当該第2の暗号資産の購入金額として用いて算出するとともに、所定の法定通貨(円)建ての第2の暗号資産における、当該法定通貨(円)を単位とした買値を当該第1の暗号資産の売却金額として用いて算出する機能をさらに有し、暗号資産簿価記録手段14’は、暗号資産簿価算出手段13’が算出した当該第1の暗号資産建ての第2の暗号資産の簿価を当該顧客口座に記録する機能をさらに有し、暗号資産決済指示受付手段15’は、当該顧客からの、当該顧客口座に紐づけられたブロックチェーンの顧客アドレスに入庫されている当該第1の暗号資産建ての第2の暗号資産を用いた決済指示を受け付ける機能をさらに有し、法定通貨(円)変換手段16’は、当該第1の暗号資産建ての第2の暗号資産の取引が買い取引であるときには、暗号資産ペア分解手段22により分解された、所定の法定通貨(円)建ての第1の暗号資産における当該法定通貨(円)を単位とした売値を第2の暗号資産の買値(の想定価格)として定めるとともに、暗号資産ペア分解手段22により分解された、所定の法定通貨(円)建ての第2の暗号資産における当該法定通貨(円)を単位とした買値を第1の暗号資産の売値(の想定価格)として定め、当該第1の暗号資産建ての第2の暗号資産の取引が売り取引であるときには、暗号資産ペア分解手段22により分解された、所定の法定通貨(円)建ての第1の暗号資産における当該法定通貨(円)を単位とした買値を第2の暗号資産の売値(の想定価格)として定めるとともに、暗号資産ペア分解手段22により分解された、所定の法定通貨(円)建ての第2の暗号資産における当該法定通貨(円)を単位とした売値を第1の暗号資産の買値(の想定価格)として定める機能をさらに有し、暗号資産売買損益算出手段17’は、当該第1の暗号資産建ての第2の暗号資産の取引が買い取引であるときには、法定通貨(円)変換手段16’により定められた、建て側の第1の暗号資産の所定の法定通貨(円)を単位とした売値(の想定価格)から暗号資産簿価記録手段14’により当該顧客口座に記録されている建て側の第1の暗号資産の当該法定通貨(円)を単位とした簿価を差し引いて売却数量をかけた額を建て側の第1の暗号資産の売買損益として算出するとともに、法定通貨(円)変換手段16’により定められた、建て側とは反対側の第2の暗号資産の所定の法定通貨(円)を単位とした買値(の想定価格)から暗号資産簿価記録手段14’により当該顧客口座に記録されている建て側とは反対側の第2の暗号資産の当該法定通貨(円)を単位とした簿価を差し引いて売却数量をかけた額を建て側とは反対側の第2の暗号資産の売買損益として算出し、当該第1の暗号資産建ての第2の暗号資産の取引が売り取引であるときには、法定通貨(円)変換手段16’により定められた、建て側の第1の暗号資産の所定の法定通貨(円)を単位とした買値(の想定価格)から暗号資産簿価記録手段14’により当該顧客口座に記録されている建て側の第1の暗号資産の当該法定通貨(円)を単位とした簿価を差し引いて売却数量をかけた額を建て側の第1の暗号資産の売買損益として算出するとともに、法定通貨(円)変換手段16’により定められた、建て側とは反対側の第2の暗号資産の所定の法定通貨(円)を単位とした売値(の想定価格)から暗号資産簿価記録手段14’により当該顧客口座に記録されている建て側とは反対側の第2の暗号資産の当該法定通貨(円)を単位とした簿価を差し引いて売却数量をかけた額を建て側とは反対側の第2の暗号資産の売買損益として算出する機能をさらに有し、税金自動算出手段21’は、顧客口座での建て側の第1の暗号資産の売買損益の総計ないし、当該顧客口座に紐づけられたブロックチェーンの顧客アドレスに売却時に記録されている建て側の第1の暗号資産の売買損益の総計により、所定期間内の売買損益を集計し、自動的に建て側の第1の暗号資産の売却に伴い生じる税金の計算を行うとともに、顧客口座での建て側の第2の暗号資産の売買損益の総計ないし、当該顧客口座に紐づけられたブロックチェーンの顧客アドレスに売却時に記録されている建て側の第2の暗号資産の売買損益の総計により、所定期間内の売買損益を集計し、自動的に建て側とは反対側の第2の暗号資産の売却に伴い生じる税金の計算を行う機能をさらに有して構成したので、暗号資産建て暗号資産取引となる暗号資産ペアの取引において、暗号資産の売却者に対する税金の計算の負担を抑え、価格変動が小さく決済向けの特性を顕著に備えた暗号資産ペアの取引を広く普及させることができる。
【0083】
第3実施形態
図28は本発明の第3実施形態にかかる商品現物、暗号資産及び商品ST類の相互交換によるデジタル資産の取引における資産の売却に伴う税金自動算出システムの構成を概念的に示すブロック図である。
図28の商品現物、暗号資産及び商品ST類の相互交換によるデジタル資産の取引における資産の売却に伴う税金自動算出システムは、トークン(ブロックチェーン等の分散技術においてデジタルで定義される価値などの総称であって、暗号資産を含む)、デジタル通貨、トークンとデジタル通貨、もしくはトークン同士、デジタル通貨同士など、あらゆる形態のデジタル資産間による取引を管理するための、少なくとも1種類のブロックチェーン等の分散技術における分散型台帳と、該分散型台帳に管理されるデジタル資産を用いた所定の処理を行うためのスマートコントラクトを備えて構築され、資産取引手段31と、資産簿価算出手段32と、資産簿価記録手段33と、法定通貨(円)変換手段34と、資産売買損益算出手段35と、資産売買損益記録手段36と、税金自動算出手段37と、を有している。
【0084】
資産取引手段31は、例えば、図29に示すように、(貴金属類、エネルギー類、農作物類、原料類など一般的に商品と呼ばれるすべてのものを対象とする)商品現物、(商品現物をベースとして作成されてなる)暗号資産及び(暗号資産を信託を介して発行されてなる、または商品現物をベースとして直接的に作成されてなる)商品ST類の相互交換を行う機能を有して構成されている。
なお、資産取引手段31は、様々な暗号資産と様々なST類との相互交換を行うことができるように構成するのが好ましい。
【0085】
資産簿価算出手段32は、例えば、図30に示すように、資産取引手段31による相互交換の対象となる資産(商品現物、暗号資産又は商品ST類)の簿価を、所定の法定通貨(円)を単位とした購入金額を用いて算出する機能を有して構成されている。
【0086】
資産簿価記録手段33は、例えば、図31に示すように、資産簿価算出手段32が算出した当該資産の簿価を当該顧客口座に記録する機能を有して構成されている。
【0087】
法定通貨(円)変換手段34は、例えば、図32に示すように、資産取引手段31による相互交換の対象となる資産(商品現物、暗号資産又は商品ST類)を所定の法定通貨(円)に自動的に変換する機能を有して構成されている。
【0088】
資産売買損益算出手段35は、例えば、図33に示すように、法定通貨(円)変換手段34により当該法定通貨(円)に変換された、当該資産(商品現物、暗号資産又は商品ST類)の売却時の価格から、資産簿価記録手段33により当該顧客口座に記録されている簿価を差し引いて売却数量をかけた額を当該資産(商品現物、暗号資産又は商品ST類)の売買損益として算出する機能を有して構成されている。
【0089】
資産売買損益記録手段36は、例えば、図34に示すように、資産売買損益算出手段35により算出された、当該資産(商品現物、暗号資産又は商品ST類)の売買損益と、当該資産(商品現物、暗号資産又は商品ST類)について商品現物、暗号資産及び商品ST類のいずれかに夫々対応した資産の区分と、を当該顧客口座に紐づけられたブロックチェーンの顧客アドレス内に記録する機能を有して構成されている。
【0090】
税金自動算出手段37は、例えば、図35に示すように、顧客口座での資産取引手段31による相互交換の対象となる資産(商品現物、暗号資産及び商品ST類の夫々)の売買損益の総計ないし、当該顧客口座に紐づけられたブロックチェーンの顧客アドレスに当該資産(商品現物、暗号資産及び商品ST類の夫々)の売却時に記録されている当該資産(商品現物、暗号資産及び商品ST類の夫々)の売買損益の総計により、所定期間内の売買損益を集計し、自動的に当該資産(商品現物、暗号資産及び商品ST類の夫々)の売却に伴い生じる税金の計算を、資産売買損益記録手段36により記録された、資産の区分に応じて異なる税率で行う機能を有して構成されている。
【0091】
第3実施形態の商品現物、暗号資産及び商品ST類の相互交換によるデジタル資産の取引における資産の売却に伴う税金自動算出システムを用いた処理の流れ
このような構成を備えた第3実施形態の商品現物、暗号資産及び商品ST類の相互交換によるデジタル資産の取引における資産の売却に伴う税金自動算出システムを用いた処理の流れを図36図37を用いて説明する。
【0092】
(S3-1)商品現物、暗号資産及び商品ST類の相互交換~簿価の計算、記録(図36
第3実施形態の商品現物、暗号資産及び商品ST類の相互交換によるデジタル資産の取引においては、顧客は、資産取引手段31を介して、商品現物、暗号資産及び商品ST類の相互交換を行う。
資産簿価算出手段32は、資産取引手段31による相互交換の対象となる資産(商品現物、暗号資産又は商品ST類)の簿価を、所定の法定通貨(円)を単位とした購入金額を用いて算出する。
資産簿価記録手段33は、資産簿価算出手段32が算出した当該資産の簿価を当該顧客口座に記録する。
【0093】
(S3-2)相互売買における売り側の資産の法定通貨への自動変換~売買損益の算出、記録(図37
法定通貨(円)変換手段34は、資産取引手段31による相互交換の対象となる資産(商品現物、暗号資産又は商品ST類)を所定の法定通貨(円)に自動的に変換する。
資産売買損益算出手段35は、法定通貨(円)変換手段34により当該法定通貨(円)に変換された、当該資産(商品現物、暗号資産又は商品ST類)の売却時の価格から、資産簿価記録手段33により当該顧客口座に記録されている簿価を差し引いて売却数量をかけた額を当該資産(商品現物、暗号資産又は商品ST類)の売買損益として算出する。
資産売買損益記録手段36は、資産売買損益算出手段35により算出された、当該資産(商品現物、暗号資産又は商品ST類)の売買損益と、当該資産(商品現物、暗号資産又は商品ST類)について商品現物、暗号資産及び商品ST類のいずれかに夫々対応した資産の区分と、を当該顧客口座に紐づけられたブロックチェーンの顧客アドレス内に記録する。
【0094】
(S3-3)資産の売却に伴い生じる税金の計算(図37
また、所定期間ごとに、税金自動算出手段37が作動する。
税金自動算出手段37は、顧客口座での資産取引手段31による相互交換の対象となる資産(商品現物、暗号資産及び商品ST類の夫々)の売買損益の総計ないし、当該顧客口座に紐づけられたブロックチェーンの顧客アドレスに当該資産(商品現物、暗号資産及び商品ST類の夫々)の売却時に記録されている当該資産(商品現物、暗号資産及び商品ST類の夫々)の売買損益の総計により、所定期間内の売買損益を集計し、自動的に当該資産(商品現物、暗号資産及び商品ST類の夫々)の売却に伴い生じる税金の計算を、資産売買損益記録手段36により記録された、資産の区分に応じて異なる税率で行う。
これにより、商品現物、暗号資産及び商品ST類の相互交換によるデジタル資産の取引を行った場合における、夫々の資産の売却に伴う税金が自動的に算出されることになる。
【0095】
第3実施形態の商品現物、暗号資産及び商品ST類の相互交換によるデジタル資産の取引における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムの効果
第3実施形態の商品現物、暗号資産及び商品ST類の相互交換によるデジタル資産の取引における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムによれば、商品現物、暗号資産及び商品ST類の相互交換を行う機能を有する資産取引手段31と、資産取引手段31による相互交換の対象となる資産(商品現物、暗号資産又は商品ST類)の簿価を、所定の法定通貨(円)を単位とした購入金額を用いて算出する機能を有する資産簿価算出手段32と、資産簿価算出手段32が算出した当該資産の簿価を当該顧客口座に記録する機能を有する資産簿価記録手段33と、資産取引手段31による相互交換の対象となる資産(商品現物、暗号資産又は商品ST類)を所定の法定通貨(円)に自動的に変換する機能を有する法定通貨(円)変換手段34と、法定通貨(円)変換手段34により当該法定通貨(円)に変換された、当該資産(商品現物、暗号資産又は商品ST類)の売却時の価格から、資産簿価記録手段33により当該顧客口座に記録されている簿価を差し引いて売却数量をかけた額を当該資産(商品現物、暗号資産又は商品ST類)の売買損益として算出する機能を有する資産売買損益算出手段35と、資産売買損益算出手段35により算出された、当該資産(商品現物、暗号資産又は商品ST類)の売買損益と、当該資産(商品現物、暗号資産又は商品ST類)について商品現物、暗号資産及び商品ST類のいずれかに夫々対応した資産の区分と、を当該顧客口座に紐づけられたブロックチェーンの顧客アドレス内に記録する機能を有する資産売買損益記録手段36と、顧客口座での資産取引手段31による相互交換の対象となる資産(商品現物、暗号資産及び商品ST類の夫々)の売買損益の総計ないし、当該顧客口座に紐づけられたブロックチェーンの顧客アドレスに当該資産(商品現物、暗号資産及び商品ST類の夫々)の売却時に記録されている当該資産(商品現物、暗号資産及び商品ST類の夫々)の売買損益の総計により、所定期間内の売買損益を集計し、自動的に当該資産(商品現物、暗号資産及び商品ST類の夫々)の売却に伴い生じる税金の計算を、資産売買損益記録手段36により記録された、資産の区分に応じて異なる税率で行う機能を有する税金自動算出手段37と、を有する構成としたので、税制の異なるデジタル資産間の売買における資産の売却者に対する税金の計算の負担を抑えることができる。
【0096】
また、第3実施形態の商品現物、暗号資産及び商品ST類の相互交換によるデジタル資産の取引における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムによれば、資産取引手段31は、様々な暗号資産と様々なST類との相互交換を行うように構成したので、暗号資産と様々なST類との相互売買における資産の売却者に対する税金の計算の負担を抑え、税制の異なる資産間の取引を活性化することができる。
【0097】
第4実施形態
図38は本発明の第4実施形態にかかる商品現物、暗号資産及び商品ST類の相互交換によるデジタル資産の取引における資産の売却に伴う税金自動算出システムの構成を概念的に示すブロック図である。
図38の商品現物、暗号資産及び商品ST類の相互交換によるデジタル資産の取引における資産の売却に伴う税金自動算出システムは、図28に示した構成に加えて、銘柄登録用スマートコントラクト41と、独自レート作成用スマートコントラクト42と、非公開共有情報保管用スマートコントラクト43と、基準レート生成用スマートコントラクト44と、基準レート提示用スマートコントラクト45と、約定用スマートコントラクト46と、約定先探索用スマートコントラクト47と、約定制御用スマートコントラクト48と、をさらに備えて構成されている。
【0098】
銘柄登録用スマートコントラクト41は、例えば、図39に示すように、相互交換の対象となる資産(商品現物、暗号資産又は商品ST類)の銘柄を取引リストに登録する機能を有して構成されている。
【0099】
独自レート作成用スマートコントラクト42は、例えば、図40に示すように、銘柄登録用スマートコントラクト41により取引リストに登録されている銘柄について、一つのマーケットメイクを行う金融機関100(1)に対し顧客110(1,x)(但し、xは正の整数)からの注文(リーブオーダー)があったときに、当該リーブオーダーを、各マーケットメイクを行う金融機関100(1)~100(n)(但し、nは2以上の整数)における共通のリーブオーダーとして取り扱い、各マーケットメイクを行う金融機関100(1)~100(n)(但し、nは2以上の整数)において共通に取り扱う、全ての当該銘柄についてのリーブオーダーの状況(注文ブック(約定)状態)に基づき、各マーケットメイクを行う金融機関100(1)~100(n)(但し、nは2以上の整数)における夫々独自の当該銘柄についてのレートを作成する機能を有して構成されている。
【0100】
非公開共有情報保管用スマートコントラクト43は、例えば、図41に示すように、各マーケットメイクを行う金融機関100(1)~100(n)(但し、nは2以上の整数)における所定銘柄についてのリーブオーダーの状況(注文ブック(約定)状態)と、独自レート作成用スマートコントラクト42が作成した、各マーケットメイクを行う金融機関100(1)~100(n)(但し、nは2以上の整数)における夫々独自の当該銘柄についてのレートを、各マーケットメイクを行う金融機関100(1)~100(n)(但し、nは2以上の整数)が把握しない非公開方式の共有情報として保管する機能を有して構成されている。
【0101】
基準レート生成用スマートコントラクト44は、例えば、図42に示すように、非公開共有情報保管用スマートコントラクト43を介して共有された、各マーケットメイクを行う金融機関100(1)~100(n)(但し、nは2以上の整数)における所定銘柄についてのリーブオーダーの状況(注文ブック(約定)状態)と、各マーケットメイクを行う金融機関100(1)~100(n)(但し、nは2以上の整数)における夫々独自の当該銘柄についてのレートを用いて当該銘柄についての基準レートを生成する機能を有して構成されている。
【0102】
基準レート提示用スマートコントラクト45は、例えば、図43に示すように、基準レート生成用スマートコントラクト44が生成した所定銘柄についての基準レートを非公開情報として保管するとともに、顧客110(L,x)(但し、Lは1以上n以下の整数、xは正の整数)からの取引を所望する銘柄についてのレートの問い合わせを受け付けたときにのみ、基準レート生成用スマートコントラクト44が生成した当該銘柄についての基準レートを当該顧客110(L,x)(但し、Lは1以上n以下の整数、xは正の整数)に提示する機能を有して構成されている。
【0103】
約定用スマートコントラクト46は、例えば、図44に示すように、独自レート作成用スマートコントラクト42が作成した、各マーケットメイクを行う金融機関100(1)~100(n)(但し、nは2以上の整数)における所定銘柄についての自社レートに対当する顧客110(1,x)(但し、xは正の整数)の当該銘柄についてのリーブオーダーを約定する機能を有して構成されている。
【0104】
約定先探索用スマートコントラクト47は、例えば、図45に示すように、約定用スマートコントラクト46が、所定のマーケットメイクを行う金融機関100(L)(但し、Lは1以上n以下の整数)における所定銘柄についての自社レートで顧客110(L,x)(但し、Lは1以上n以下の整数、xは正の整数)の当該銘柄についてのリーブオーダーを約定することができない場合、非公開共有情報保管用スマートコントラクト43が各マーケットメイクを行う金融機関100(1)~100(n)(但し、nは2以上の整数)が把握しない非公開方式で共有する情報として保管する、各マーケットメイクを行う金融機関100(1)~100(n)(但し、nは2以上の整数)における夫々独自の当該銘柄についてのリーブオーダーの状況(注文ブック(約定)状態)と、独自レート作成用スマートコントラクト42が作成した、各マーケットメイクを行う金融機関100(1)~100(n)(但し、nは2以上の整数)における夫々独自の当該銘柄についてのレートと、を用いて、約定可能な相手先となるマーケットメイクを行う金融機関100(m)(但し、mは1以上n以下、かつ、L以外の整数)を探索する機能を有して構成されている。
【0105】
約定制御用スマートコントラクト48は、例えば、図46に示すように、所定のマーケットメイクを行う金融機関100(L)(但し、Lは1以上n以下の整数)の顧客110(L,x)(但し、Lは1以上n以下の整数、xは正の整数)の所定銘柄についてのリーブオーダーが、約定先探索用スマートコントラクト47の探索した他のマーケットメイクを行う金融機関100(m)(但し、mは1以上n以下、かつ、L以外の整数)における当該銘柄についてのレートに対当する場合、約定用スマートコントラクト46に当該銘柄についてのリーブオーダーを約定させる機能を有して構成されている。
【0106】
また、資産簿価算出手段32’は、例えば、図47に示すように、図30に示した資産簿価算出手段32に有する機能に加えて、約定用スマートコントラクト46により約定されたときの資産(商品現物、暗号資産又は商品ST類)の所定の法定通貨(円)を単位とした購入金額を用いて、当該資産の簿価を算出する機能をさらに有して構成されている。
【0107】
また、資産取引手段31は、様々な暗号資産と様々なST類との相互交換を行うように構成されている。
【0108】
第4実施形態の商品現物、暗号資産及び商品ST類の相互交換によるデジタル資産の取引における資産の売却に伴う税金自動算出システムを用いた処理の流れ
このような構成を備えた第4実施形態の商品現物、暗号資産及び商品ST類の相互交換によるデジタル資産の取引における資産の売却に伴う税金自動算出システムを用いた処理の流れを図48図51を用いて説明する。なお、図51は本発明の第4実施形態にかかる商品現物、暗号資産及び商品ST類の相互交換によるデジタル資産の取引における資産の売却に伴う税金自動算出システムに備わる商品現物、暗号資産及び商品ST類の相互交換によるデジタル資産の取引システムを用いた、基本的な処理の流れの全体を概略的に示すブロック図である。
【0109】
(S4-1)相互交換の対象となる資産(商品現物、暗号資産又は商品ST類)の銘柄の取引リストへの登録(図48
銘柄登録用スマートコントラクト41が、相互交換の対象となる資産(商品現物、暗号資産又は商品ST類)の銘柄を取引リストに登録する。
【0110】
(S4-2)独自レートの作成(図48
独自レート作成用スマートコントラクト42は、銘柄登録用スマートコントラクト41により取引リストに登録されている銘柄について、一つのマーケットメイクを行う金融機関100(1)に対し顧客110(1,x)(但し、xは正の整数)からの注文があったときに、当該リーブオーダーを、各マーケットメイクを行う金融機関100(1)~100(n)(但し、nは2以上の整数)における共通の顧客のリーブオーダーとして取り扱い、各マーケットメイクを行う金融機関100(1)~100(n)(但し、nは2以上の整数)において共通に取り扱う、全ての当該銘柄についてのリーブオーダーの状況(注文ブック(約定)状態)に基づき、各マーケットメイクを行う金融機関100(1)~100(n)(但し、nは2以上の整数)における夫々独自の当該銘柄についてのレートを作成する。
【0111】
(S4-3)非公開情報の共有(図48
非公開共有情報保管用スマートコントラクト43は、各マーケットメイクを行う金融機関100(1)~100(n)(但し、nは2以上の整数)における所定銘柄についてのリーブオーダーの状況(注文ブック(約定)状態)と、独自レート作成用スマートコントラクト42が作成した、各マーケットメイクを行う金融機関100(1)~100(n)(但し、nは2以上の整数)における夫々独自の当該銘柄についてのレートを、各マーケットメイクを行う金融機関100(1)~100(n)(但し、nは2以上の整数)が把握しない非公開方式の共有情報として保管する。
【0112】
(S4-4)基準レートの生成(図49
基準レート生成用スマートコントラクト44は、非公開共有情報保管用スマートコントラクト43を介して共有された、各マーケットメイクを行う金融機関100(1)~100(n)(但し、nは2以上の整数)における所定銘柄についてのリーブオーダーの状況(注文ブック(約定)状態)と、各マーケットメイクを行う金融機関100(1)~100(n)(但し、nは2以上の整数)における夫々独自の当該銘柄についてのレートを用いて当該銘柄についての基準レートを生成する。
【0113】
(S4-5)基準レートの提示(図49)
基準レート生成用スマートコントラクト44が生成した所定銘柄についての基準レートを非公開情報として保管するとともに、顧客110(L,x)(但し、Lは1以上n以下の整数、xは正の整数)からの取引を所望する銘柄についてのレートの問い合わせを受け付けたときにのみ、基準レート生成用スマートコントラクト44が生成した当該銘柄についての基準レートを当該顧客110(L,x)(但し、Lは1以上n以下の整数、xは正の整数)に提示する。
【0114】
(S4-6)約定(図49
約定用スマートコントラクト46は、独自レート作成用スマートコントラクト42が作成した、各マーケットメイクを行う金融機関100(1)~100(n)(但し、nは2以上の整数)における所定銘柄についての自社レートに対当する顧客110(1,x)(但し、xは正の整数)の当該銘柄についてのリーブオーダーを約定する。
【0115】
(S4-7)約定先の探索(図50
約定先探索用スマートコントラクト47は、約定用スマートコントラクト46が、所定のマーケットメイクを行う金融機関100(L)(但し、Lは1以上n以下の整数)における所定銘柄についての自社レートで顧客110(L,x)(但し、Lは1以上n以下の整数、xは正の整数)の当該銘柄についてのリーブオーダーを約定することができない場合、非公開共有情報保管用スマートコントラクト43が各マーケットメイクを行う金融機関100(1)~100(n)(但し、nは2以上の整数)が把握しない非公開方式で共有する情報として保管する、各マーケットメイクを行う金融機関100(1)~100(n)(但し、nは2以上の整数)における夫々独自の当該銘柄についてのリーブオーダーの状況(注文ブック(約定)状態)と、独自レート作成用スマートコントラクト42が作成した、各マーケットメイクを行う金融機関100(1)~100(n)(但し、nは2以上の整数)における夫々独自の当該銘柄についてのレートと、を用いて、約定可能な相手先となるマーケットメイクを行う金融機関100(m)(但し、mは1以上n以下、かつ、L以外の整数)を探索する。
【0116】
(S4-8)探索先レートでの約定(図50
約定制御用スマートコントラクト48は、所定のマーケットメイクを行う金融機関100(L)(但し、Lは1以上n以下の整数)の顧客110(L,x)(但し、Lは1以上n以下の整数、xは正の整数)の所定銘柄についてのリーブオーダーが、約定先探索用スマートコントラクト47の探索した他のマーケットメイクを行う金融機関100(m)(但し、mは1以上n以下、かつ、L以外の整数)における当該銘柄についてのレートに対当する場合、約定用スマートコントラクト46に当該銘柄についてのリーブオーダーを約定させる。
【0117】
なお、商品現物、暗号資産及び商品ST類の相互交換によるデジタル資産の取引における資産の売却に伴う税金自動算出システムを用いた処理の流れは、図36図37に示すものと略同じである。
但し、資産簿価算出手段32’は、約定用スマートコントラクト46により約定されたときの資産(商品現物、暗号資産又は商品ST類)の所定の法定通貨(円)を単位とした購入金額を用いて、当該資産の簿価を算出する。
【0118】
第4実施形態の商品現物、暗号資産及び商品ST類の相互交換によるデジタル資産の取引における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムの効果
第4実施形態の商品現物、暗号資産及び商品ST類の相互交換によるデジタル資産の取引における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムによれば、相互交換の対象となる資産(商品現物、暗号資産又は商品ST類)の銘柄を取引リストに登録する機能を有する銘柄登録用スマートコントラクト41と、銘柄登録用スマートコントラクト41により取引リストに登録されている銘柄について、一つのマーケットメイクを行う金融機関100(1)に対し顧客110(1,x)(但し、xは正の整数)からの注文(リーブオーダー)があったときに、当該リーブオーダーを、各マーケットメイクを行う金融機関100(1)~100(n)(但し、nは2以上の整数)における共通のリーブオーダーとして取り扱い、各マーケットメイクを行う金融機関100(1)~100(n)(但し、nは2以上の整数)において共通に取り扱う、全ての当該銘柄についてのリーブオーダーの状況(注文ブック(約定)状態)に基づき、各マーケットメイクを行う金融機関100(1)~100(n)(但し、nは2以上の整数)における夫々独自の当該銘柄についてのレートを作成する機能を有する独自レート作成用スマートコントラクト42と、各マーケットメイクを行う金融機関100(1)~100(n)(但し、nは2以上の整数)における所定銘柄についてのリーブオーダーの状況(注文ブック(約定)状態)と、独自レート作成用スマートコントラクト42が作成した、各マーケットメイクを行う金融機関100(1)~100(n)(但し、nは2以上の整数)における夫々独自の当該銘柄についてのレートを、各マーケットメイクを行う金融機関100(1)~100(n)(但し、nは2以上の整数)が把握しない非公開方式の共有情報として保管する機能を有する非公開共有情報保管用スマートコントラクト43と、非公開共有情報保管用スマートコントラクトを介して共有された、各マーケットメイクを行う金融機関100(1)~100(n)(但し、nは2以上の整数)における所定銘柄についてのリーブオーダーの状況(注文ブック(約定)状態)と、各マーケットメイクを行う金融機関100(1)~100(n)(但し、nは2以上の整数)における夫々独自の当該銘柄についてのレートを用いて当該銘柄についての基準レートを生成する機能を有する基準レート生成用スマートコントラクト44と、基準レート生成用スマートコントラクト44が生成した所定銘柄についての基準レートを非公開情報として保管するとともに、顧客110(L,x)(但し、Lは1以上n以下の整数、xは正の整数)からの取引を所望する銘柄についてのレートの問い合わせを受け付けたときにのみ、基準レート生成用スマートコントラクト44が生成した当該銘柄についての基準レートを当該顧客110(L,x)(但し、Lは1以上n以下の整数、xは正の整数)に提示する機能を有する基準レート提示用スマートコントラクト45と、独自レート作成用スマートコントラクト42が作成した、各マーケットメイクを行う金融機関100(1)~100(n)(但し、nは2以上の整数)における所定銘柄についての自社レートに対当する顧客110(1,x)(但し、xは正の整数)の当該銘柄についてのリーブオーダーを約定する機能を有する約定用スマートコントラクト46と、約定用スマートコントラクト46が、所定のマーケットメイクを行う金融機関100(L)(但し、Lは1以上n以下の整数)における所定銘柄についての自社レートで顧客110(L,x)(但し、Lは1以上n以下の整数、xは正の整数)の当該銘柄についてのリーブオーダーを約定することができない場合、非公開共有情報保管用スマートコントラクト43が各マーケットメイクを行う金融機関100(1)~100(n)(但し、nは2以上の整数)が把握しない非公開方式で共有する情報として保管する、各マーケットメイクを行う金融機関100(1)~100(n)(但し、nは2以上の整数)における夫々独自の当該銘柄についてのリーブオーダーの状況(注文ブック(約定)状態)と、独自レート作成用スマートコントラクト42が作成した、各マーケットメイクを行う金融機関100(1)~100(n)(但し、nは2以上の整数)における夫々独自の当該銘柄についてのレートと、を用いて、約定可能な相手先となるマーケットメイクを行う金融機関100(m)(但し、mは1以上n以下、かつ、L以外の整数)を探索する機能を有する約定先探索用スマートコントラクト47と、所定のマーケットメイクを行う金融機関100(L)(但し、Lは1以上n以下の整数)の顧客110(L,x)(但し、Lは1以上n以下の整数、xは正の整数)の顧客110(L,x)(但し、Lは1以上n以下の整数、xは正の整数)の所定銘柄についてのリーブオーダーが、約定先探索用スマートコントラクト47の探索した他のマーケットメイクを行う金融機関における当該銘柄についてのレートに対当する場合、約定用スマートコントラクト46に当該銘柄についてのリーブオーダーを約定させる機能を有する約定制御用スマートコントラクト48と、をさらに備え、資産簿価算出手段32’は、約定用スマートコントラクト46により約定されたときの資産(商品現物、暗号資産又は商品ST類)の所定の法定通貨(円)を単位とした購入金額を用いて、当該資産の簿価を算出する機能をさらに有し、資産取引手段31は、様々な暗号資産と様々なST類との相互交換を行うように構成したので、各マーケットメイクを行う金融機関の収益率が下がることなく、約定価格のばらつきをなくして、流動性が低い資産の公正な取引を行うことを可能にし、かつ、様々な暗号資産と様々なST類との相互売買における資産の売却者に対する税金の計算の負担を抑え、税制の異なる資産間の取引を活性化することが可能となる。
【0119】
第5実施形態
図52は本発明の第5実施形態にかかるデジタル資産を用いたデビットサービス提供における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムの構成を概念的に示すブロック図である。
図52のデジタル資産を用いたデビットサービス提供における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムは、トークン類(ブロックチェーン等の分散技術においてデジタルで定義される価値などの総称であって、暗号資産を含む)、デジタル通貨、トークン類とデジタル通貨、もしくはトークン類同士、デジタル通貨同士など、あらゆる形態のデジタル資産間による取引を管理するための、少なくとも1種類のブロックチェーン等の分散技術における分散型台帳と、該分散型台帳に管理されるデジタル資産を用いた所定の処理を行うためのスマートコントラクトを備えて構築され、清算対象優先資産選択指定受付手段61と、代金現金化指示手段62と、現金変換手段63と、現金転送手段64と、を有するデジタル資産を用いたデビットサービス提供システムにおいて、暗号資産簿価記録手段65と、法定通貨(円)変換手段66と、暗号資産売買損益算出手段67と、暗号資産売買損益記録手段68と、税金自動算出手段69と、を有している。
【0120】
清算対象優先資産選択指定受付手段61は、例えば、図53に示すように、デビットカードでの決済の際の清算対象として優先させるデジタルアセットトークンの銘柄の順位指定をデビットカード利用者(消費者)から受け付ける機能を有して構成されている。
【0121】
代金現金化指示手段62は、例えば、図54に示すように、清算対象優先資産選択指定受付手段61が受け付けたデジタルアセットトークンの銘柄の順位指定にしたがって、清算に必要な代金分のデジタルアセットトークンの現金化を指示する機能を有して構成されている。
また、代金現金化指示手段62は、清算対象優先資産選択指定受付手段61が、デビットカードでの決済の際の清算対象として優先させる資産として、銀行等の金融機関側のデビットカード利用者(消費者)口座に預け入れされている現金の選択指定を受け付けた場合において、銀行等の金融機関側のデビットカード利用者(消費者)口座に預け入れされている現金が清算に必要な額を満たさないときに、不足分の清算に必要な代金分の現金化を指示する機能をさらに有して構成されている。
【0122】
現金変換手段63は、例えば、図55に示すように、清算対象優先資産選択指定受付手段61が受け付けたデジタルアセットトークンの銘柄の順位指定にしたがって、暗号資産交換業者側のデビットカード利用者(消費者)口座に預け入れされているデジタルアセットトークンを、清算に必要な代金分、現金に変換する機能を有して構成されている。
また、現金変換手段63は、代金現金化指示手段62から不足分の清算に必要な代金分の現金化の指示を受けたとき、暗号資産交換業者側のデビットカード利用者(消費者)口座に預け入れされている不足分の清算に必要な代金分のデジタルアセットトークンを自動的に現金化する機能をさらに有して構成されている。
【0123】
現金転送手段64は、例えば、図56に示すように、現金変換手段63が変換した代金分の現金を、銀行等の金融機関側のデビットカード利用者(消費者)口座へ転送する機能を有して構成されている。
また、現金転送手段64は、銀行等の金融機関側のデビットカード利用者(消費者)口座に、現金変換手段63によって変換された不足分の現金を振り替える機能をさらに有して構成されている。
【0124】
暗号資産簿価記録手段65は、例えば、図57に示すように、暗号資産交換業者側のデビットカード利用者(消費者)口座に預け入れされている暗号資産の簿価を当該デビットカード利用者(消費者)口座に記録する機能を有して構成されている。
【0125】
法定通貨(円)変換手段66は、例えば、図58に示すように、暗号資産がデビットカードでの決済の際の清算対象となる資産として、現金変換手段63により現金化される場合、当該暗号資産を売却して、当該法定通貨(円)に自動的に変換する機能を有して構成されている。
【0126】
暗号資産売買損益算出手段67は、例えば、図59に示すように、法定通貨(円)変換手段66が所定の法定通貨(円)に変換した当該暗号資産の売却時の価格から、暗号資産簿価記録手段65により当該デビットカード利用者(消費者)口座に記録されている簿価を差し引いて売却数量をかけた額を当該暗号資産の売買損益として算出する機能を有して構成されている。
【0127】
暗号資産売買損益記録手段68は、例えば、図60に示すように、暗号資産売買損益算出手段67が算出した当該暗号資産の売買損益を当該デビットカード利用者(消費者)口座に紐づけられたブロックチェーンのデビットカード利用者(消費者)アドレス内に記録する機能を有して構成されている。
【0128】
税金自動算出手段69は、例えば、図61に示すように、デビットカード利用者(消費者)口座での当該暗号資産の売買損益の総計ないし、当該デビットカード利用者(消費者)口座に紐づけられたブロックチェーンのデビットカード利用者(消費者)アドレスに当該暗号資産の売却時に記録されている当該暗号資産の売買損益の総計により、所定期間内の売買損益を集計し、自動的に当該暗号資産の売却に伴い生じる税金の計算を行う機能を有して構成されている。
【0129】
第5実施形態のデジタル資産を用いたデビットサービス提供における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムを用いた処理の流れ
このような構成を備えた第5実施形態のデジタル資産を用いたデビットサービス提供における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムを用いた処理の流れを図62図64を用いて説明する。
第5実施形態のデジタル資産を用いたデビットサービス提供における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムにおいては、デビットカード利用者(消費者)は、清算対象優先資産選択指定受付手段61を介して、デビットカードでの決済の際の清算対象として優先させるデジタルアセットトークンの銘柄の順位を指定する。本例では、暗号資産が、デビットカードでの決済の際の清算対象として現金の次の順位に指定されているものとする。
【0130】
(S5-1)代金現金化指示~現金変換~現金転送(図62
代金現金化指示手段62は、清算対象優先資産選択指定受付手段61が受け付けたデジタルアセットトークンの銘柄の順位指定にしたがって清算に必要な代金分のデジタルアセットトークンの現金化を指示する。
ここで、代金現金化指示手段62は、清算対象優先資産選択指定受付手段61が、デビットカードでの決済の際の清算対象として優先させる資産として、銀行等の金融機関側のデビットカード利用者(消費者)口座に預け入れされている現金の選択指定を受け付けた場合において、銀行等の金融機関側のデビットカード利用者(消費者)口座に預け入れされている現金が清算に必要な額を満たさないときに、不足分の清算に必要な代金分の現金化を指示する。
現金変換手段63は、清算対象優先資産選択指定受付手段61が受け付けたデジタルアセットトークンの銘柄の順位指定にしたがって、暗号資産交換業者側のデビットカード利用者(消費者)口座に預け入れされているデジタルアセットトークンを、清算に必要な代金分、現金に変換する。
ここで、現金変換手段63は、代金現金化指示手段62から不足分の清算に必要な代金分の現金化の指示を受けたとき、暗号資産交換業者側のデビットカード利用者(消費者)口座に預け入れされている不足分の清算に必要な代金分のデジタルアセットトークン(本例では暗号資産)を自動的に現金化する。
現金転送手段64は、現金変換手段63が変換した代金分の現金を、銀行等の金融機関側のデビットカード利用者(消費者)口座へ転送する。
また、銀行等の金融機関側のデビットカード利用者(消費者)口座に、現金変換手段63によって変換された不足分の現金を振り替える。
【0131】
(S5-2)暗号資産の簿価の記録~法定通貨の自動変換~売買損益の計算、記録(図63
暗号資産簿価記録手段65は、暗号資産交換業者側のデビットカード利用者(消費者)口座に預け入れされている暗号資産の簿価を当該デビットカード利用者(消費者)口座に記録する。
法定通貨(円)変換手段66は、暗号資産がデビットカードでの決済の際の清算対象となる資産として、現金変換手段63により現金化される場合、当該暗号資産を売却して、当該法定通貨(円)に自動的に変換する。
暗号資産売買損益算出手段67は、法定通貨(円)変換手段66が所定の法定通貨(円)に変換した当該暗号資産の売却時の価格から、暗号資産簿価記録手段65により当該デビットカード利用者(消費者)口座に記録されている簿価を差し引いて売却数量をかけた額を当該暗号資産の売買損益として算出する。
暗号資産売買損益記録手段68は、暗号資産売買損益算出手段67が算出した当該暗号資産の売買損益を当該デビットカード利用者(消費者)口座に紐づけられたブロックチェーンのデビットカード利用者(消費者)アドレス内に記録する。
【0132】
(S5-3)暗号資産の売却に伴い生じる税金の計算(図64
また、所定期間ごとに、税金自動算出手段69が作動する。
税金自動算出手段69は、デビットカード利用者(消費者)口座での当該暗号資産の売買損益の総計ないし、当該デビットカード利用者(消費者)口座に紐づけられたブロックチェーンのデビットカード利用者(消費者)アドレスに当該暗号資産の売却時に記録されている当該暗号資産の売買損益の総計により、所定期間内の売買損益を集計し、自動的に当該暗号資産の売却に伴い生じる税金の計算を行う。
これにより、デジタル資産を用いたデビットサービス提供における暗号資産の売却に伴う税金が自動的に算出されることになる。
【0133】
第5実施形態のデジタル資産を用いたデビットサービス提供における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムの効果
第5実施形態のデジタル資産を用いたデビットサービス提供における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムによれば、デビットカードでの決済の際の清算対象として優先させるデジタルアセットトークンの銘柄の順位指定をデビットカード利用者(消費者)から受け付ける機能を有する清算対象優先資産選択指定受付手段61と、清算対象優先資産選択指定受付手段61が受け付けたデジタルアセットトークンの銘柄の順位指定にしたがって清算に必要な代金分のデジタルアセットトークンの現金化を指示する機能を有する代金現金化指示手段62と、清算対象優先資産選択指定受付手段61が受け付けたデジタルアセットトークンの銘柄の順位指定にしたがって、暗号資産交換業者側のデビットカード利用者(消費者)口座に預け入れされているデジタルアセットトークンを、清算に必要な代金分、現金に変換する機能を有する現金変換手段63と、現金変換手段63が変換した代金分の現金を、銀行等の金融機関側のデビットカード利用者(消費者)口座へ転送する機能を有する現金転送手段64と、を有し、代金現金化指示手段62は、清算対象優先資産選択指定受付手段61が、デビットカードでの決済の際の清算対象として優先させる資産として、銀行等の金融機関側のデビットカード利用者(消費者)口座に預け入れされている現金の選択指定を受け付けた場合において、銀行等の金融機関側のデビットカード利用者(消費者)口座に預け入れされている現金が清算に必要な額を満たさないときに、不足分の清算に必要な代金分の現金化を指示する機能をさらに有し、現金変換手段63は、代金現金化指示手段62から不足分の清算に必要な代金分の現金化の指示を受けたとき、暗号資産交換業者側のデビットカード利用者(消費者)口座に預け入れされている不足分の清算に必要な代金分のデジタルアセットトークンを自動的に現金化する機能をさらに有し、現金転送手段64は、銀行等の金融機関側のデビットカード利用者(消費者)口座に、現金変換手段63によって変換された不足分の現金を振り替える機能をさらに有するデジタル資産を用いたデビットサービス提供システムにおいて、暗号資産交換業者側のデビットカード利用者(消費者)口座に預け入れされている暗号資産の簿価を当該デビットカード利用者(消費者)口座に記録する暗号資産簿価記録手段65と、暗号資産がデビットカードでの決済の際の清算対象となる資産として、現金変換手段63により現金化される場合、当該暗号資産を売却して、当該法定通貨(円)に自動的に変換する法定通貨(円)変換手段66と、法定通貨(円)変換手段66が所定の法定通貨(円)に変換した当該暗号資産の売却時の価格から、暗号資産簿価記録手段65により当該デビットカード利用者(消費者)口座に記録されている簿価を差し引いて売却数量をかけた額を当該暗号資産の売買損益として算出する暗号資産売買損益算出手段67と、暗号資産売買損益算出手段67が算出した当該暗号資産の売買損益を当該デビットカード利用者(消費者)口座に紐づけられたブロックチェーンのデビットカード利用者(消費者)アドレス内に記録する暗号資産売買損益記録手段68と、デビットカード利用者(消費者)口座での当該暗号資産の売買損益の総計ないし、当該デビットカード利用者(消費者)口座に紐づけられたブロックチェーンのデビットカード利用者(消費者)アドレスに当該暗号資産の売却時に記録されている当該暗号資産の売買損益の総計により、所定期間内の売買損益を集計し、自動的に当該暗号資産の売却に伴い生じる税金の計算を行う税金自動算出手段69と、を有する構成としたので、デビットカードの決済における清算対象として暗号資産を用いたときの暗号資産の売却者に対する税金の計算の負担を抑え、デビットカードでの決済における清算対象に暗号資産を用い易くすることができる。
【0134】
第6実施形態
図65は本発明の第6実施形態にかかるデジタル資産を用いた決済サービス提供における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムの構成を概念的に示すブロック図である。
図65のデジタル資産を用いた決済サービス提供における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムは、トークン類(ブロックチェーン等の分散技術においてデジタルで定義される価値などの総称であって、暗号資産を含む)、デジタル通貨、トークン類とデジタル通貨、もしくはトークン類同士、デジタル通貨同士など、あらゆる形態のデジタル資産間による取引を管理するための、少なくとも1種類のブロックチェーン等の分散技術における分散型台帳と、該分散型台帳に管理されるデジタル資産を用いた所定の処理を行うためのスマートコントラクトを備えて構築され、物品やサービスの提供側と購入側の各々にインターフェースプログラム70(80)を有している。
夫々のインターフェースプログラム70(80)は、決済手段情報等設定手段71(81)と、決済手段利用可能情報記録手段72(82)と、を有している。
【0135】
決済手段情報等設定手段71(81)は、例えば、図66に示すように、複数の決済手段夫々についての所定情報(サービス番号と口座的な管理番号)、決済手段の優先順位との設定を受け付ける機能を有して構成されている。
【0136】
決済手段利用可能情報記録手段72(82)は、例えば、図67に示すように、決済手段情報等設定手段71(81)が設定を受け付けたデータを決済手段利用可能情報として(当該インターフェースプログラム70(80)を構成するネットワーク内の処理手段及び記録媒体へ)記録する機能を有して構成されている。
【0137】
また、提供側のインターフェースプログラム70と購入側のインターフェースプログラム80は、識別子情報入出力手段73(83)を有している。
識別子情報入出力手段73(83)は、例えば、図68に示すように、決済時にコード(バーコードやQRコードなど)などからなる決済手段利用可能情報を特定する識別子情報を、いずれか一方のインターフェースプログラム(70又は80)が表示し、いずれか他方のインターフェースプログラム(80又は70)に読み込ませることができる機能を有して構成されている。
【0138】
また、提供側のインターフェースプログラム70は、決済価格情報入力受付手段74を有している。
決済価格情報入力受付手段74は、例えば、図69に示すように、双方の識別子情報入出力手段(73、83)を用いて、購入側のインターフェースプログラム80に提供側のインターフェースプログラム70が表示する識別子情報(コード)を読み込ませる場合において、提供側からの決済価格情報の入力を受け付ける機能を有して構成されている。
【0139】
また、購入側のインターフェースプログラム80は、決済価格情報確認手段84を有している。
決済価格情報確認手段84は、例えば、図70に示すように、双方の識別子情報入出力手段(73、83)を用いて、購入側のインターフェースプログラム80に提供側のインターフェースプログラム70が表示する識別子情報(コード)を読み込ませる場合において、決済価格情報入力受付手段74が入力を受け付けた提供側からの決済価格情報を確認する機能を有して構成されている。
【0140】
そして、提供側のインターフェースプログラム70と購入側のインターフェースプログラム80は、いずれか一方が、いずれか他方の識別子情報(コード)を読み込むことにより、双方のインターフェースプログラムが双方の決済手段を紐づけるように構成されている。
【0141】
また、提供側のインターフェースプログラム70は、決済手段提示手段75を有している。
決済手段提示手段75は、例えば、図71に示すように、決済可能な決済手段を数種類提示する機能を有して構成されている。
【0142】
また、購入側のインターフェースプログラム80は、決済処理可否確認手段85を有している。
決済処理可否確認手段85は、例えば、図72に示すように、提供側のインターフェースプログラム70の決済手段提示手段75より提示された数種類の決済手段の範囲に該当する決済手段を対象として、購入側が設定した優先順位の該当決済手段から順に決済処理の可否を確認する機能を有して構成されている。
【0143】
さらに、購入側のインターフェースプログラム80の決済手段情報等設定手段81は、例えば、図73に示すように、決済処理可否確認手段85による決済処理の可否の確認に際し、提供側のインターフェースプログラム70より提示された数種類の決済手段の夫々について、所定の決済金額に対し、1回で決済処理に用いることのできる量を、決済手段利用可能情報の設定の際に予め指定しておくことができる機能をさらに有して構成されている。
【0144】
また、購入側のインターフェースプログラム80は、決済手段処理順制御手段86を有している。
決済手段処理順制御手段86は、例えば、図74に示すように、購入側が設定した優先順位にしたがって、該当する決済手段について、提供側のインターフェースプログラム70より提示された1回で決済処理に用いることのできる量のストックがあるか否かをチェックし、1回で処理できる量のストックがある場合は優先的にその決済手段を決済処理に用いる機能を有して構成されている。
【0145】
このような構成を前提として、本実施形態のデジタル資産を用いた決済サービス提供における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムは、複数の決済手段のうちの少なくとも一つが暗号資産であり、さらに、暗号資産簿価算出手段91と、暗号資産簿価記録手段92と、法定通貨(円)変換手段93と、暗号資産売買損益算出手段94と、暗号資産売買損益記録手段95と、税金自動算出手段96と、を有している。
【0146】
暗号資産簿価算出手段91は、例えば、図75に示すように、購入した当該暗号資産の簿価を、当該法定通貨(円)を単位とした購入金額を用いて算出する機能を有して構成されている。
【0147】
暗号資産簿価記録手段92は、例えば、図76に示すように、暗号資産簿価算出手段91が算出した当該暗号資産の簿価を当該顧客口座に記録する機能を有して構成されている。
【0148】
法定通貨(円)変換手段93は、例えば、図77に示すように、暗号資産が決済手段として決済処理に用いられる場合、当該暗号資産を売却して、当該法定通貨(円)に自動的に変換する機能を有して構成されている。
【0149】
暗号資産売買損益算出手段94は、例えば、図78に示すように、法定通貨(円)変換手段93が所定の法定通貨(円)に変換した当該暗号資産の売却時の価格から、暗号資産簿価記録手段92により当該顧客口座に記録されている簿価を差し引いて売却数量をかけた額を当該暗号資産の売買損益として算出する機能を有して構成されている。
【0150】
暗号資産売買損益記録手段95は、例えば、図79に示すように、暗号資産売買損益算出手段94により算出された、当該暗号資産の売買損益を当該顧客口座に紐づけられたブロックチェーンの顧客アドレス内に記録する機能を有して構成されている。
【0151】
税金自動算出手段96は、例えば、図80に示すように、顧客口座での当該暗号資産の売買損益の総計ないし、当該顧客口座に紐づけられたブロックチェーンの顧客アドレスに当該暗号資産の売却時に記録されている当該暗号資産の売買損益の総計により、所定期間内の売買損益を集計し、自動的に当該暗号資産の売却に伴い生じる税金の計算を行う機能を有して構成されている。
【0152】
第6実施形態のデジタル資産を用いた決済サービス提供における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムを用いた処理の流れ
このような構成を備えた第6実施形態のデジタル資産を用いた決済サービス提供における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムを用いた処理の流れを図81図83を用いて説明する。
【0153】
(S6-1)決済手段情報等の設定~決済手段利用可能情報の記録~識別子情報の入力~決済価格情報の入力の受付~決済価格情報の確認(図81図82
第6実施形態のデジタル資産を用いた決済サービス提供における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムにおいては、決済手段情報等設定手段71(81)は、複数の決済手段夫々についての所定情報(サービス番号と口座的な管理番号)、決済手段の優先順位との設定を受け付ける。
決済手段利用可能情報記録手段72(82)は、決済手段情報等設定手段71(81)が設定を受け付けたデータを決済手段利用可能情報として(当該インターフェースプログラム70(80)を構成するネットワーク内の処理手段及び記録媒体へ)記録する。
識別子情報入出力手段73(83)は、決済時にコード(バーコードやQRコードなど)などからなる決済手段利用可能情報を特定する識別子情報を、いずれか一方のインターフェースプログラム(70又は80)が表示し、いずれか他方のインターフェースプログラム(80又は70)に読み込ませる。
また、提供側のインターフェースプログラム70は、双方の識別子情報入出力手段(73、83)を用いて、購入側のインターフェースプログラム80に提供側のインターフェースプログラム70が表示する識別子情報(コード)を読み込ませる場合において、決済価格情報入力受付手段74を介して提供側からの決済価格情報の入力を受け付ける。
また、購入側のインターフェースプログラム80は、双方の識別子情報入出力手段(73、83)を用いて、購入側のインターフェースプログラム80に提供側のインターフェースプログラム70が表示する識別子情報(コード)を読み込ませる場合において、決済価格情報確認手段84を介して決済価格情報入力受付手段74が入力を受け付けた提供側からの決済価格情報を確認する。
そして、提供側のインターフェースプログラム70と購入側のインターフェースプログラム80は、いずれか一方が、いずれか他方の識別子情報(コード)を読み込むことにより、双方のインターフェースプログラムが双方の決済手段を紐づける。
【0154】
(S6-2)数種類の決済可能な決済手段の提示~決済処理の可否の確認(図83
また、提供側のインターフェースプログラム70は、決済手段提示手段75を介して、決済可能な決済手段を数種類提示する。
また、購入側のインターフェースプログラム80は、決済処理可否確認手段85を介して、提供側のインターフェースプログラム70の決済手段提示手段75より提示された数種類の決済手段の範囲に該当する決済手段を対象として、購入側が設定した優先順位の該当決済手段から順に決済処理の可否を確認する。
なお、購入側のインターフェースプログラム80の決済手段情報等設定手段81は、決済処理可否確認手段85による決済処理の可否の確認に際し、提供側のインターフェースプログラム70より提示された数種類の決済手段の夫々について、所定の決済金額に対し、1回で決済処理に用いることのできる量を、決済手段利用可能情報の設定の際に予め指定しておくことができる。
購入側のインターフェースプログラム80は、決済手段処理順制御手段86を介して、購入側が設定した優先順位にしたがって、該当する決済手段について、提供側のインターフェースプログラム70より提示された1回で決済処理に用いることのできる量のストックがあるか否かをチェックし、1回で処理できる量のストックがある場合は優先的にその決済手段を決済処理に用いる。
【0155】
ここで、本実施形態のデジタル資産を用いた決済サービス提供における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムは、複数の決済手段のうちの少なくとも一つが暗号資産であるものとする。
(S6-3)暗号資産簿価算出、記録~法定通貨への自動変換~売買損益の算出、記録~暗号資産の売却に伴い生じる税金の計算(図84
暗号資産簿価算出手段91は、購入した当該暗号資産の簿価を、当該法定通貨(円)を単位とした購入金額を用いて算出する。
暗号資産簿価記録手段92は、暗号資産簿価算出手段91が算出した当該暗号資産の簿価を当該顧客口座に記録する。
法定通貨(円)変換手段93は、暗号資産が決済手段として決済処理に用いられる場合、当該暗号資産を売却して、当該法定通貨(円)に自動的に変換する。
暗号資産売買損益算出手段94は、法定通貨(円)変換手段93が所定の法定通貨(円)に変換した当該暗号資産の売却時の価格から、暗号資産簿価記録手段92により当該顧客口座に記録されている簿価を差し引いて売却数量をかけた額を当該暗号資産の売買損益として算出する。
暗号資産売買損益記録手段95は、暗号資産売買損益算出手段94により算出された、当該暗号資産の売買損益を当該顧客口座に紐づけられたブロックチェーンの顧客アドレス内に記録する。
税金自動算出手段96は、顧客口座での当該暗号資産の売買損益の総計ないし、当該顧客口座に紐づけられたブロックチェーンの顧客アドレスに当該暗号資産の売却時に記録されている当該暗号資産の売買損益の総計により、所定期間内の売買損益を集計し、自動的に当該暗号資産の売却に伴い生じる税金の計算を行う。
これにより、デジタル資産を用いた決済サービス提供における暗号資産の売却に伴う税金が自動的に算出されることになる。
【0156】
第6実施形態のデジタル資産を用いた決済サービス提供における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムの効果
第6実施形態のデジタル資産を用いた決済サービス提供における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムによれば、物品やサービスの提供側と購入側の各々にインターフェースプログラム70(80)を有し、夫々のインターフェースプログラム70(80)は、複数の決済手段夫々についての所定情報(サービス番号と口座的な管理番号)、決済手段の優先順位との設定を受け付ける機能を有する決済手段情報等設定手段71(81)と、決済手段情報等設定手段71(81)が設定を受け付けたデータを決済手段利用可能情報として(当該インターフェースプログラムを構成するネットワーク内の処理手段及び記録媒体へ)記録する機能を有する決済手段利用可能情報記録手段72(82)と、を有し、提供側のインターフェースプログラム70と購入側のインターフェースプログラム80は、決済時にコード(バーコードやQRコードなど)などからなる決済手段利用可能情報を特定する識別子情報を、いずれか一方のインターフェースプログラム(70又は80)が表示し、いずれか他方のインターフェースプログラム(80又は70)に読み込ませることができる機能を有する識別子情報入出力手段73(83)を有し、提供側のインターフェースプログラム70は、双方の識別子情報入出力手段(73、83)を用いて、購入側のインターフェースプログラム80に提供側のインターフェースプログラム70が表示する識別子情報(コード)を読み込ませる場合において、提供側からの決済価格情報の入力を受け付ける機能を有する決済価格情報入力受付手段74を有し、購入側のインターフェースプログラム80は、双方の識別子情報入出力手段(73、83)を用いて、購入側のインターフェースプログラム80に提供側のインターフェースプログラム70が表示する識別子情報(コード)を読み込ませる場合において、決済価格情報入力受付手段74が入力を受け付けた提供側からの決済価格情報を確認する機能を有する決済価格情報確認手段84を有し、提供側のインターフェースプログラム70と購入側のインターフェースプログラム80のいずれか一方が、いずれか他方の識別子情報(コード)を読み込むことにより、双方のインターフェースプログラムが双方の決済手段を紐づけ、提供側のインターフェースプログラム70は、決済可能な決済手段を数種類提示する機能を有する決済手段提示手段75を有し、購入側のインターフェースプログラム80は、提供側のインターフェースプログラム70の決済手段提示手段75より提示された数種類の決済手段の範囲に該当する決済手段を対象として、購入側が設定した優先順位の該当決済手段から順に決済処理の可否を確認する機能を有する決済処理可否確認手段85を有し、さらに、購入側のインターフェースプログラム80の決済手段情報等設定手段81は、決済処理可否確認手段85による決済処理の可否の確認に際し、提供側のインターフェースプログラム70より提示された数種類の決済手段の夫々について、所定の決済金額に対し、1回で決済処理に用いることのできる量を、決済手段利用可能情報の設定の際に予め指定しておくことができる機能をさらに有し、購入側のインターフェースプログラム80は、購入側が設定した優先順位にしたがって、該当する決済手段について、提供側のインターフェースプログラム70より提示された1回で決済処理に用いることのできる量のストックがあるか否かをチェックし、1回で処理できる量のストックがある場合は優先的にその決済手段を決済処理に用いる機能を有する決済手段処理順制御手段86を有し、複数の決済手段のうちの少なくとも一つが暗号資産であり、さらに、購入した当該暗号資産の簿価を、当該法定通貨(円)を単位とした購入金額を用いて算出する機能を有する暗号資産簿価算出手段91と、暗号資産簿価算出手段91が算出した当該暗号資産の簿価を当該顧客口座に記録する機能を有する暗号資産簿価記録手段92と、暗号資産が決済手段として決済処理に用いられる場合、当該暗号資産を売却して、当該法定通貨(円)に自動的に変換する機能を有する法定通貨(円)変換手段93と、法定通貨(円)変換手段93が所定の法定通貨(円)に変換した当該暗号資産の売却時の価格から、暗号資産簿価記録手段92により当該顧客口座に記録されている簿価を差し引いて売却数量をかけた額を当該暗号資産の売買損益として算出する機能を有する暗号資産売買損益算出手段94と、暗号資産売買損益算出手段94により算出された、当該暗号資産の売買損益を当該顧客口座に紐づけられたブロックチェーンの顧客アドレス内に記録する暗号資産売買損益記録手段95と、顧客口座での当該暗号資産の売買損益の総計ないし、当該顧客口座に紐づけられたブロックチェーンの顧客アドレスに当該暗号資産の売却時に記録されている当該暗号資産の売買損益の総計により、所定期間内の売買損益を集計し、自動的に当該暗号資産の売却に伴い生じる税金の計算を行う機能を有する税金自動算出手段96と、を有する構成としたので、複数種類の決済手段を備えた決済系サービスにおいて、多様な決済手段を用いることができ、利便性や優位性が向上するとともに、決済手段として暗号資産を用いたときの暗号資産の売却者に対する税金の計算の負担を抑えることが可能となり、決済手段として用いることのできる種類を増やすことができる。
【0157】
したがって、第1~第6実施形態によれば、暗号資産の売却者に対する税金の計算の負担を抑え、価格変動が小さく決済向けの特性を顕著に備えた暗号資産の売却用途を決済手段として広く普及させることを可能にする、デジタル資産の取引における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システム、商品現物、暗号資産及び商品ST類の相互交換によるデジタル資産の取引における資産の売却に伴う税金自動算出システム、デジタル資産を用いたデビットサービスの提供における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システム、デジタル資産を用いた決済サービスの提供における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムが得られる。
【0158】
以上、本発明のデジタル資産の取引における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システム、商品現物、暗号資産及び商品ST類の相互交換によるデジタル資産の取引における資産の売却に伴う税金自動算出システム、デジタル資産を用いたデビットサービスの提供における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システム、デジタル資産を用いた決済サービスの提供における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムについて実施形態を用いて説明したが、本発明のデジタル資産の取引における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システム、商品現物、暗号資産及び商品ST類の相互交換によるデジタル資産の取引における資産の売却に伴う税金自動算出システム、デジタル資産を用いたデビットサービスの提供における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システム、デジタル資産を用いた決済サービスの提供における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムは、上記実施形態で説明した構成に限られるものではなく、本発明の請求項の範囲内でどのような形態にも構成可能である。
【産業上の利用可能性】
【0159】
本発明のデジタル資産の取引における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システム、商品現物、暗号資産及び商品ST類の相互交換によるデジタル資産の取引における資産の売却に伴う税金自動算出システム、デジタル資産を用いたデビットサービスの提供における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システム、デジタル資産を用いた決済サービスの提供における暗号資産の売却に伴う税金自動算出システムは、暗号資産の売却を伴うデジタル資産の取引を行うことが必要とされる分野に有用である。
【符号の説明】
【0160】
11、11’ 暗号資産購入指示受付手段
12、12’ 暗号資産購入手段
13、13’、91 暗号資産簿価算出手段
14、14’、65、92 暗号資産簿価記録手段
15、15’ 暗号資産決済指示受付手段
16、16’、34、66、93 法定通貨(円)変換手段
17、17’、67、94 暗号資産売買損益算出手段
18、18’、68、95 暗号資産売買損益記録手段
19 暗号資産出庫手段
20 暗号資産出庫データ記録手段
21、21’、37、69、96 税金自動算出手段
22 暗号資産ペア分解手段
31 資産取引手段
32、32’ 資産簿価算出手段
33 資産簿価記録手段
35 資産売買損益算出手段
36 資産売買損益記録手段
41 銘柄登録用スマートコントラクト
42 独自レート作成用スマートコントラクト
43 非公開共有情報保管用スマートコントラクト
44 基準レート生成用スマートコントラクト
45 基準レート提示用スマートコントラクト
46 約定用スマートコントラクト
47 約定先探索用スマートコントラクト
48 約定制御用スマートコントラクト
49 決済用スマートコントラクト
61 清算対象優先資産選択指定受付手段
62 代金現金化指示手段
63 現金変換手段
64 現金転送手段
70 提供側のインターフェースプログラム
80 購入側のインターフェースプログラム
71、81 決済手段情報等設定手段
72、82 決済手段利用可能情報記録手段
73、83 識別子情報入出力手段
74 決済価格情報入力受付手段
75 決済手段提示手段
84 決済価格情報確認手段
85 決済処理可否確認手段
86 決済手段処理順制御手段
100 マーケットメイクを行う金融機関
110 顧客
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