(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-20
(45)【発行日】2025-01-28
(54)【発明の名称】フォームタイを用いたコンクリート壁体の構築方法
(51)【国際特許分類】
E04G 17/065 20060101AFI20250121BHJP
E04G 17/075 20060101ALI20250121BHJP
【FI】
E04G17/065 A
E04G17/075 A
(21)【出願番号】P 2024097646
(22)【出願日】2024-06-17
【審査請求日】2024-06-18
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】509080406
【氏名又は名称】胡 兆奇
(74)【代理人】
【識別番号】110001335
【氏名又は名称】弁理士法人 武政国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】胡 兆奇
【審査官】櫻井 茂樹
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3062400(JP,U)
【文献】特開平09-125697(JP,A)
【文献】特開2003-097048(JP,A)
【文献】特許第6960549(JP,B1)
【文献】実公昭49-045375(JP,Y1)
【文献】特開2001-81965(JP,A)
【文献】特開2006-283922(JP,A)
【文献】登録実用新案第3174474(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04G17/00-17/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の型枠(51)
について、Pコンを用いることなくセパレータ(52)とフォームタイ(1)
を用いて所定の間隔に固定し、コンクリート打設空間を形成するフォームタイを用いたコンクリート壁体の構築方法であって、
前記フォームタイ(1)
は、
コンクリート打設用の型枠(51)に
直接当てて固定する係止用円板部(3)を一端に有する棒状の軸本体(2)と、
該軸本体(2)の長手方向の他端に形成された、座金(57)とナット(58)を締結する雄ねじ部(5)と、
該軸本体(2)の該係止用円板部(3)側に連続して形成された、
該型枠(51)に開けられた貫通孔に通し、セパレータ(52)の雄ねじ部
(52a)に直接螺合する雌ねじ部(7)を有するセパレータ連結部(4)と、を備え
たものであり、
1枚目の型枠(51)の貫通孔に、
1本目のフォームタイ(1)のセパレータ連結部(4)を差し込み、該フォームタイ(1)の係止用円板部(3)
が、該
1枚目の型枠(51)の外側に
直接当
たるように取り付ける工程と、
前記セパレータ(52)の一側の雄ねじ部
(52a)に、
1本目のフォームタイ(1)のセパレータ連結部(4)の雌ねじ部(7)を螺合する工程と、
同様に
、2枚目の型枠(51)の貫通孔に
、2本目のフォームタイ(1)のセパレータ連結部(4)を差し込み、該
フォームタイ(1)の係止用円板部(3)が該2枚目の型枠(51)の外側に直接当たるように取り付ける工程と、
前記セパレータ(52)の他側の雄ねじ部
(52a)に、
2本目のフォームタイ(1)のセパレータ連結部(4)
の雌ねじ部(7)を螺合する工程と、
1本のセパレータ(52)の両雄ねじ部(52a)に、それぞれ螺合した各フォームタイ(1)の係止用円板部(3)が一対の型枠(51)の外側にそれぞれ配置され、
各
型枠(51)に桟木(60)を当て、該桟木(60)に単管(59)を当て、該単管(59)に座金(57)を当て、該座金(57)にフォームタイ(1)の雄ねじ部(5)を通し、該雄ねじ部(5)にナット(58)を締め付けて
一対の型枠(51)を固定する工程と、を有する、ことを特徴とするフォームタイを用いたコンクリート壁体の構築方法。
【請求項2】
一対の型枠(51)
について、Pコンを用いることなくセパレータ(52)とフォームタイ(1)
を用いて所定の間隔に固定し、コンクリート打設空間を形成するフォームタイを用いたコンクリート壁体の構築方法であって、
前記フォームタイ(1)
は、
コンクリート打設用の型枠(51)に開けられた貫通
孔に通し、該型枠(51)
に直接当てて固定する係止用円板部(3)を一端に有する棒状の軸本体(2)と、
該軸本体(2)の長手方向の他端に形成された、座金(57)とナット(58)を締結する雄ねじ部(5)と、
該軸本体(2)の該係止用円板部(3)側に連続して形成された、セパレータ(52)の雄ねじ部に
直接螺合する、雌ねじ部(7)を有するセパレータ連結部(4)と、を備え
たものであり、
1枚目の型枠(51)の貫通孔に、
1本目のフォームタイ(1)の雄ねじ部(5)を差し込み、該フォームタイ(1)の係止用円板部(3)
が該
1枚目の型枠(51)の内側に
直接当
たるように取り付ける工程と、
前記セパレータ(52)の一側の雄ねじ部
(52a)に、
1本目のフォームタイ(1)のセパレータ連結部(4)の雌ねじ部(7)を螺合する工程と、
同様に、
2枚目の型枠(51)の貫通孔に、2本目のフォームタイ(1)の雄ねじ部(5)
を差し込み、該フォームタイ(1)の係止用円板部(3)が該2枚目の型枠(51)の内側に直接当たるように取り付ける工程と、
前記セパレータ(52)の他側の雄ねじ部
(52a)に、
2本目のフォームタイ(1)のセパレータ連結部(4)の雌ねじ部(7)を螺合する工程と、
1本のセパレータ(52)の両雄ねじ部(52a)にそれぞれ螺合した各フォームタイ(1)の係止用円板部(3)が一対の型枠(51)の内側にそれぞれ配置され、
各
型枠(51)に桟木(60)を当て、該桟木(60)に単管(59)
を当て、該
単管(59)に座金(57)を当て、
該座金(57)にフォームタイ(1)の雄ねじ部(5)を通し、該雄ねじ部(5)にナット(58)を締め付けて
一対の型枠(51)を固定する工程と、を有する、ことを特徴とするフォームタイを用いたコンクリート壁体の構築方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリ-ト打設時に型枠を締め付けて保持する型枠用締付金具として機能するフォームタイ(登録商標)を用いたコンクリート壁体の構築方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、コンクリート製の構造物を構築する際に、
図13に示すように、生コンクリートを目的の形状に硬化させるために、鋼板や合板等から構成される一対のコンクリート用型枠(型枠パネル)51と、この型枠51の内部空間を所定寸法に維持するための型枠用のセパレータ52を用いる。このセパレータ52は、型枠51を固定するために両端にねじ加工された鋼棒状の部材である。このセパレータ52の両端に、型枠51を内側から支持する一対のPコン
(登録商標)53を取り付けて型枠51を固定保持して型枠を組み立てている。
【0003】
Pコン53は、型枠用保持具として略円錐形状の合成樹脂製のものが広く用いられている。このPコン53は雌ねじ部を有する保持具であり、その一側にセパレータ52を螺合連結し、そのPコンの他側には雄ねじ部を有する。この雄ねじ部は係止用円板部54を有する連結具55の雌ねじ部に螺合する。このPコン53と、連結具55の係止用円板部54で型枠51を挟んで型枠51を固定する。この連結具55の雄ねじ部にフォームタイ56を連結し、フォームタイ56に座金57とナット58を取り付け、型枠51の間に単管59、桟木60を挟んで型枠51の変形を防止するようになっている(
図14(c)参照)。
なお、連結具55を省略してPコン53に直接フォームタイ56を連結する工法も提案されている。
この型枠51内の空間にコンクリートを打設して、コンクリートを硬化させ、その後フォームタイ56と連結具55とPコン53を取り外して、型枠51を撤去する。これで、コンクリート壁体の構築が完了する。
【0004】
従来のコンクリート壁体の構築方法の作業工程は、
図14(a)、(b)、(c)と
図15(d)、(e)、(f)に示すような方法が多かった。
型枠51を組み立てる際に、先ず
図14(a)に示すように、コンクリート用の型枠51を挟み、フォームタイ用ソケットS1で、Pコン53に連結具55を連結し、これにフォームタイ56を締め付ける。このPコン53は
、セパレータ52の両端に取り付けるストッパとして機能する部材である。Pコン53は仕上げ部に使用し、コンクリートが硬化したあと取り外して再利用できる。フォームタイ56は、型枠パネル51を単管59と桟木60で固定する金具である。
反対側の型枠51にも1組のPコン53、連結具55とセパレータ52を手組みしたものを、
図14(b)に示すように、型枠51に取り付けて締め付ける。この時もソケットS1を用いて締め付ける。このセパレータ52はコンクリートの壁厚を決める鉄製などの棒であり、施工によって長さを変えるようになっている。
図14(c)に示すように、
型枠51に桟木60と単管59を当て、
単管59に座金57を当て、フォームタイ56のナット58を締める。単管59と桟木60で型枠51を固定する。
【0005】
次に反対側の型枠51を
図15(d)に示すように、固定する。
図14(a)と(c)と同様に型枠51を挟んで、フォームタイ用ソケットS3でフォームタイ56を連結具55に挟んでPコン53に締め付ける。
図15(e)に示すように、単管59と桟木60で型枠51を固定し、ロングソケットS2で、フォームタイ56のナット58を締める。
最後に、
図15(f)に示すように、両型枠51の内側にコンクリートを流し込むことでコンクリート製の壁、基礎となる。
【0006】
Pコン53を省略して、セパレータ52に直接連結する形式のフォームタイ71も提案されている。例えば、特許文献1の特開2005-155280号公報「フォームタイの緩み止め具」のように、コンクリート打ち込み型枠を構成するセパレータの端部に軸一端部をもってネジ付けられる軸体と、この軸体の通し穴を備えた中央部を有しこの通し穴に軸体を通して軸体の軸線方向に移動可能に組み合わされると共に、中央部の両側にそれぞれバタパイプの押さえ付け部を備えた挟み付け体と、軸体に形成された雄ネジ部にネジ付けられて挟み付け体を軸体の軸他端部側から締め込むナット体とを備えてなるフォームタイの緩み止め具であって、頭部と一対の弾性脚部とを有していると共に、頭部には、ナット体の外郭形状に倣った穴形状を有し、かつ、ナット体を納め入れる大きさを持った貫通穴が形成してあり、一対の弾性脚部の内面間には、挟み付け体の中央部が納まる間隔が形成してあると共に、この一対の弾性脚部にはそれぞれ、貫通穴にナット体を納め入れさせた位置で挟み付け体の中央部における軸体の軸一端部側に向けられた縁部に弾発掛合される掛合爪が形成されているフォームタイの緩み止め具が提案されている。
【0007】
特許文献1のフォームタイ71は、
図16に示すように、セパレータ52の雄ねじ部が螺合する雌ねじ部72が開けられ、この雌ねじ部72の開口に型枠51に当てる係止用円板部73と、これに連続して軸本体74と、この軸本体74に連続して座金とナットを締め付ける雄ねじ部75が長手方向に連続して形成されている。雄ねじ部75の先端には、フォームタイ71をセパレータ52にフォームタイ用ソケットで締め付け、取外しの際に差し込まれる回動用係合部76が形成されている。
【0008】
図17は、セパレータ52に直接連結する形式のフォームタイ71を用いて、コンクリート壁体を構築する工程を示す説明図である。
フォームタイ71は、
図17(a)、(b)に示すように、型枠51の貫通
孔からフォームタイ71の雄ねじ部52aを突出させる。この突出させた雄ねじ部52aに、フォームタイ71の雌ねじ部72を螺合する。同じように反対側の型枠51にもフォームタイ71を取り付ける。
【0009】
次に
図17(c)に示すように、両方の型枠51の間に、生コンクリートを打設する。硬化したら、フォームタイ71をセパレータ52から外し、型枠51も外して作業が完了する(
図17(d))。
図示例では、型枠51を固定する桟木60、単管59、座金57とナット58は省略している。
【0010】
コンクリ-トを打設する際に型枠を固定することに関する技術が種々提案されている。例えば、特許文献2の特許第6960549号公報「型枠用Pコン代用構造」のように、コンクリ-ト中に埋設されるセパレーターと型枠中を貫通する雄ねじ棒が筒状ナットで連結され、この雄ねじ棒と一体に設けた外周寄りが次第に薄くなり、背面が平坦な鍔を有する鍔環が型枠に圧着され、かつ前記雄ねじ棒の外周と養生中のコンクリ-トとの間を緩衝するセパレーター側より型枠側が大径のテーパ状異径弾性材を介在させたPコン代用構造が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】特開2005-155280号公報
【文献】特許第6960549号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかし、特許文献1「フォームタイの緩み止め具」に開示されたような、フォームタイ71をセパレータ52に直接連結する形式の工法では、
図17(d)の型枠を外した状態の硬化後のコンクリ-トには、セパレータ52の雄ねじ部52aが壁面から大きく飛び出した状態で残り、その後処理が煩雑であるという問題を有していた。
【0013】
本発明の発明者は、フォームタイにPコンの機能を付加することに着目した。硬化後のコンクリ-ト面からセパレータの雄ねじ部が大きく飛び出すことがなく、後処理が円滑になる。また、コンクリート打設前の型枠の設置作業も迅速に処理できると考えた。
【0014】
本発明は、かかる問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、フォームタイに型枠を係止する部材を一体化することで、型枠を安定して固定でき、また何回でも再利用できるフォームタイを用いたコンクリート壁体の構築方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明のコンクリート壁体の構築方法に用いるフォームタイは、コンクリートを打設する空間を形成する一対の型枠(51)について、セパレータ(52)を用いて所定の間隔に保持するフォームタイ(1)であって、
コンクリート打設用の型枠(51)に開けられた貫通穴に当てて、該型枠(51)を固定する係止用円板部(3)を一端に有する棒状の軸本体(2)と、
前記軸本体(2)の長手方向の他端に形成された、座金(57)とナット(58)を締結する雄ねじ部(5)と、
前記軸本体(2)の前記係止用円板部(3)側に連続して形成された、セパレータ(52)の雄ねじ部が螺合する、雌ねじ部(7)を有するセパレータ連結部(4)と、を備えた、ことを特徴とする。
【0016】
前記係止用円板部(3)は前記軸本体(2)から分離できる構成にすることができる。
前記セパレータ連結部(4)の外周に、差し入れ、抜き取ることができる筒体(401)を取り付けることが望ましい。
【0017】
前記セパレータ連結部(4)に開けられた雌ねじ部(7)が、該セパレータ連結部(4)の開口端から前記係止用円板部(3)が形成された位置まで届かない長さ(L1)でねじ切り加工されたものである。
前記セパレータ連結部(4)に開けられた雌ねじ部(7)が、該セパレータ連結部(4)の開口端から前記係止用円板部(3)が形成された位置より先までの長さ(L2)でねじ切り加工されたものである。
【0018】
前記セパレータ連結部(4)は円筒形状又は円錐台形状を有する。
【0019】
本発明のフォームタイを用いたコンクリート壁体の構築方法は、一対の型枠(51)について、Pコンを用いることなくセパレータ(52)とフォームタイ(1)を用いて所定の間隔に固定し、コンクリート打設空間を形成するフォームタイを用いたコンクリート壁体の構築方法であって、
前記フォームタイ(1)は、
コンクリート打設用の型枠(51)に直接当てて固定する係止用円板部(3)を一端に有する棒状の軸本体(2)と、
該軸本体(2)の長手方向の他端に形成された、座金(57)とナット(58)を締結する雄ねじ部(5)と、
該軸本体(2)の該係止用円板部(3)側に連続して形成された、該型枠(51)に開けられた貫通孔に通し、セパレータ(52)の雄ねじ部(52a)に直接螺合する雌ねじ部(7)を有するセパレータ連結部(4)と、を備えたものであり、
1枚目の型枠(51)の貫通孔に、1本目のフォームタイ(1)のセパレータ連結部(4)を差し込み、該フォームタイ(1)の係止用円板部(3)が、該1枚目の型枠(51)の外側に直接当たるように取り付ける工程と、
前記セパレータ(52)の一側の雄ねじ部(52a)に、1本目のフォームタイ(1)のセパレータ連結部(4)の雌ねじ部(7)を螺合する工程と、
同様に、2枚目の型枠(51)の貫通孔に、2本目のフォームタイ(1)のセパレータ連結部(4)を差し込み、該フォームタイ(1)の係止用円板部(3)が該2枚目の型枠(51)の外側に直接当たるように取り付ける工程と、
前記セパレータ(52)の他側の雄ねじ部(52a)に、2本目のフォームタイ(1)のセパレータ連結部(4)の雌ねじ部(7)を螺合する工程と、
1本のセパレータ(52)の両雄ねじ部(52a)に、それぞれ螺合した各フォームタイ(1)の係止用円板部(3)が一対の型枠(51)の外側にそれぞれ配置され、
各型枠(51)に桟木(60)を当て、該桟木(60)に単管(59)を当て、該単管(59)に座金(57)を当て、該座金(57)にフォームタイ(1)の雄ねじ部(5)を通し、該雄ねじ部(5)にナット(58)を締め付けて一対の型枠(51)を固定する工程と、を有する、ことを特徴とする。
【0020】
また、本発明のフォームタイを用いたコンクリート壁体の構築方法は、一対の型枠(51)について、Pコンを用いることなくセパレータ(52)とフォームタイ(1)を用いて所定の間隔に固定し、コンクリート打設空間を形成するフォームタイを用いたコンクリート壁体の構築方法であって、
前記フォームタイ(1)は、
コンクリート打設用の型枠(51)に開けられた貫通孔に通し、該型枠(51)に直接当てて固定する係止用円板部(3)を一端に有する棒状の軸本体(2)と、
該軸本体(2)の長手方向の他端に形成された、座金(57)とナット(58)を締結する雄ねじ部(5)と、
該軸本体(2)の該係止用円板部(3)側に連続して形成された、セパレータ(52)の雄ねじ部に直接螺合する、雌ねじ部(7)を有するセパレータ連結部(4)と、を備えたものであり、
1枚目の型枠(51)の貫通孔に、1本目のフォームタイ(1)の雄ねじ部(5)を差し込み、該フォームタイ(1)の係止用円板部(3)が該1枚目の型枠(51)の内側に直接当たるように取り付ける工程と、
前記セパレータ(52)の一側の雄ねじ部(52a)に、1本目のフォームタイ(1)のセパレータ連結部(4)の雌ねじ部(7)を螺合する工程と、
同様に、2枚目の型枠(51)の貫通孔に、2本目のフォームタイ(1)の雄ねじ部(5)を差し込み、該フォームタイ(1)の係止用円板部(3)が該2枚目の型枠(51)の内側に直接当たるように取り付ける工程と、
前記セパレータ(52)の他側の雄ねじ部(52a)に、2本目のフォームタイ(1)のセパレータ連結部(4)の雌ねじ部(7)を螺合する工程と、
1本のセパレータ(52)の両雄ねじ部(52a)にそれぞれ螺合した各フォームタイ(1)の係止用円板部(3)が一対の型枠(51)の内側にそれぞれ配置され、
各型枠(51)に桟木(60)を当て、該桟木(60)に単管(59)を当て、該単管(59)に座金(57)を当て、該座金(57)にフォームタイ(1)の雄ねじ部(5)を通し、該雄ねじ部(5)にナット(58)を締め付けて一対の型枠(51)を固定する工程と、を有する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明のフォームタイ(1)を用いたコンクリート壁体の構築方法では、従来のようにPコン53を使用していないので、型枠(51)の組み立て作業工程の1工程が減り、作業時間の短縮を図ることができる。また、型枠(51)の保持具の重量の軽減化と小型化とを図ることができる。
しかも、従来のフォームタイの形状にセパレータ連結部(4)を付加した形状であるため、これがPコン53に代わっているので、コンクリートの硬化後に、その壁面にセパレータ(52)の雄ねじ部(52a)が大きく突出して残ることがない。その調節作業をする必要がないので、コンクリート壁体の構築作業時間を短縮することができる。フォームタイ(1)は型枠(51)の貫通孔に外側又は内側の何れからも通すことができる。
【0022】
コンクリートの硬化後の壁面から突出するセパレータ(52)の雄ねじ部の突出長さは、セパレータ連結部(4)に開けられた雌ねじ部(7)の長さの調節で自由に可変することができる。勿論は、コンクリート壁面から突出させない構成にすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明のフォームタイを示し、(a)は正面図、(b)は左側面図、(c)は右側面図である。
【
図2】本発明のフォームタイを用いたコンクリート壁体を構築する方法を示す説明図であり、(a)はセパレータにフォームタイを連結する前の状態、(b)はセパレータにフォームタイのセパレータ連結部を連結した後の状態、(c)は2枚の型枠を構成する状態の断面図である。
【
図3】本発明のフォームタイを用いたコンクリート壁体を構築する方法を示す説明図であり、(d)は型枠に単管と桟木を取り付ける状態の断面図、(e)は完成した型枠にコンクリートを打設した状態の断面図、(f)はコンクリート壁体からフォームタイと型枠とを完全に取り外した状態の断面図である。
【
図4】フォームタイの変形例1を示し、(a)は別体の係止用円板部を軸本体に取り付ける状態の正面図であり、係止用円板部は断面図で示し、(b)は係止用円板部のみの側面図、(c)は別体の係止用円板部を軸本体に取り付けた状態の正面図である。
【
図5】フォームタイの変形例2を示し、(a)は別体の係止用円板部を軸本体に取り付ける状態の正面図であり、係止用円板部は断面図で示し、(b)は係止用円板部のみの側面図、(c)は別体の係止用円板部を軸本体に取り付けた状態の正面図である。
【
図6】フォームタイの変形例3を示すものであり、(a)はセパレータ連結部に筒体を取り付けた正面図、(b)はコンクリート壁体からフォームタイと型枠とを取り外した状態のコンクリートの断面図である。
【
図7】セパレータ連結部の変形例4を示すものであり、(a)は筒体をセパレータ連結部の段差部に取り付ける状態、(b)は筒体をセパレータ連結部の段差部に取り付けた状態である。
【
図8】セパレータ連結部の変形例5を示し、(a)はフォームタイの正面図、(b)はコンクリート壁体からフォームタイと型枠とを取り外した状態のコンクリートの断面図である。
【
図9】セパレータ連結部の変形例6を示し、(a)はフォームタイの正面図、(b)はコンクリート壁体からフォームタイと型枠とを取り外した状態のコンクリートの断面図である。
【
図10】セパレータ連結部に開けられた雌ねじ部の長さを示す断面図であり、(a)は雌ねじ部が短い状態(変形例7)、(b)は雌ねじ部が(a)より長い状態(変形例8)である。
【
図11】本発明のフォームタイを用いたコンクリート壁体を構築する他の方法を示す説明図であり、(a)はセパレータにフォームタイを連結する前の状態、(b)はセパレータにフォームタイのセパレータ連結部を連結した後の状態、(c)は2枚の型枠を構成する状態の断面図である。
【
図12】
他の方法のフォームタイを用いたコンクリート壁体を構築する方法を示す説明図であり、(d)は型枠に単管と桟木を取り付ける状態の断面図、(e)は完成した型枠にコンクリートを打設した状態の断面図、(f)はコンクリート壁体からフォームタイと型枠とを完全に取り外した状態の断面図である。
【
図13】従来のセパレータにPコンと連結具を用いてフォームタイを締め付ける説明図である。
【
図14】(a)、(b)と(c)は従来のセパレータにPコンと連結具を用いてフォームタイを締め付けて型枠を固定する作業工程を示す説明図である。
【
図15】(d)、(e)と(f)は従来のセパレータにPコンと連結具を用いてフォームタイを締め付けて型枠を固定する作業工程を示す説明図である。
【
図16】従来のセパレータに直接締め付ける形態のフォームタイを示す正面図である。
【
図17】(a)、(b)、(d)と(c)は従来のセパレータに直接締め付ける形態のフォームタイを用いてフォームタイを締め付けて型枠を固定する作業工程を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明は、一対の型枠について、Pコンを用いることなくセパレータとフォームタイを用いて所定の間隔に固定し、コンクリート打設空間を形成するコンクリート壁体の構築方法である。
【実施例1】
【0025】
以下、本発明の好ましい実施の形態を図面を参照して説明する。
<本発明のフォームタイの構成>
図1は本発明のフォームタイを示し、(a)は正面図、(b)は左側面図、(c)は右側面図である。
本発明のフォームタイ1は、例えば金属製の棒状の軸本体2と、この軸本体2の長手方向の一端に型枠51を固定する係止用円板部3を有し、この係止用円板部3に連続して形成されたセパレータ連結部4と、その軸本体2の他端に形成された雄ねじ部5を有する型枠用の保持具である。フォームタイ1は、コンクリートを打設する空間を形成する一対の型枠51について、セパレータ52を用いて所定の間隔に保持する際に使用する。なお、フォームタイ1は金属製に限定されず、強靭な強度を有する材質であればプラスチックで製造することも可能である。
【0026】
<軸本体と雄ねじ部の構成>
軸本体2は、棒状の部材であり、長手方向の一端にフランジ形状の係止用円板部3を有する。この係止用円板部3は、コンクリート打設用の型枠51に開けられた貫通孔に当て、型枠51を固定する機能を有する部材である。図示例では、係止用円板部3が軸本体2と一体形成された形態を示しているが、係止用円板部3は軸本体2の使用に際して嵌合する形式のものでもよい。また、図示例では係止用円板部3が円形状をしているが、抜け止め機能を有するものであれば円形に限定されないことは勿論である。
【0027】
雄ねじ部5は、座金57とナット58を締結する部分である。また、座金57で固定する単管59、桟木60の太さ、さらに固定する単管59の本数に応じて座金57とナット58の位置が大きく変動する。即ち、係止用円板部3から離れた位置に取り付けられることがある。そこで、雄ねじ部5の長さは、軸本体2の長さより数倍の長さを有する。
【0028】
雄ねじ部5の先端には、
図1(a)と(c)に示すように、フォームタイ1をセパレータ52にフォームタイ用ソケットで締め付け、取外しの際に差し込まれる回動用係合部6が形成されている。図示例では断面形状が6角形であるが、この6角形に限定されず、4角形又は多角形にすることができる。
【0029】
<セパレータ連結部の構成>
セパレータ連結部4は、軸本体2の係止用円板部3側に連続して形成された部材である。このセパレータ連結部4は、文字通りセパレータ52の雄ねじ部52aが螺合する雌ねじ部7を有する。セパレータ連結部4をセパレータ52に締め付け、又は取り外す際には回動用係合部6にフォームタイ用ソケットを差し込んで行う。
【0030】
セパレータ連結部4の形状は、円筒形状を有する。コンクリートが硬化した後に、容易に抜くためである。
【0031】
セパレータ連結部4の内部に開ける雌ねじ部7は、係止用円板部3の位置より先(軸本体2側)までは開けないことが好ましい。セパレータ52の雄ねじ部52aが、硬化したコンクリート壁面から大きく突出しないようにするためである。
【0032】
<コンクリート壁体を構築する方法>
図2は実施例1のフォームタイを用いたコンクリート壁体を構築する方法を示す説明図であり、(a)はセパレータにフォームタイを連結する前の状態、(b)はセパレータにフォームタイのセパレータ連結部を連結した後の状態、(c)は2枚の型枠を構成する状態の断面図である。
図3は実施例1のフォームタイを用いたコンクリート壁体を構築する方法を示す説明図であり、(d)は型枠に単管と桟木を取り付ける状態の断面図、(e)は完成した型枠にコンクリートを打設した状態の断面図、(f)はコンクリート壁体からフォームタイと型枠とを完全に取り外した状態の断面図である。
実施例1のフォームタイを用いてコンクリート壁体を構築する方法を説明する。型枠51を組み立てる際に、
図2(a)、(b)に示すように、フォームタイ1のセパレータ連結部4を、コンクリート用の型枠51の貫通孔に通し、フォームタイ用ソケットで、セパレータ52の雄ねじ部
52aにセパレータ連結部4を螺合してフォームタイ1を締め付ける。同様に、
図2(c)に示すように、反対側の型枠51にも別のフォームタイ1を締め付ける。
この図示する方法は、フォームタイ1の係止用円板部3を型枠51の貫通孔の「外側」に配置した締結方法である。
【0033】
図3(d)に示すように、型枠51に桟木60
を当て、桟木60に単管59を当て、単管59には座金57を当て、フォームタイ1の
雄ねじ部5にナット58を締め
付ける。単管59と桟木60を型枠51に固定する。同様に、反対側の型枠51
は別のフォームタイ1で固定する。
図3(e)に示すように、両型枠51の内側に
生コンクリートを流し込むことでコンクリート製の壁、基礎となる。
図3(f)は硬化したコンクリートを示し、型枠51、単管59
、桟木60及びフォームタイ1は外した状態の断面図を示す。図示するように、硬化したコンクリートの壁面からセパレータ52の雄ねじ部52aが突出していない。
【0034】
本発明のフォームタイ1は、従来のようなPコン53を使用していないので、型枠51の組み立て作業工程の1工程が減り、作業時間の短縮を図ることができる。また、型枠51の保持具の重量の軽減化と小型化とを図ることができる。
本発明のフォームタイ1は、従来のフォームタイの形状にセパレータ連結部4を付加した形状であるため、これがPコン53に代わって機能する。このように、コンクリートの硬化後に、その壁面にセパレータ52の雄ねじ部52aが大きく突出して残ることがないので、その調節作業をする必要がない。コンクリート壁体の構築作業時間を短縮することができる。
【0035】
<フォームタイの変形例1、変形例2(係止用円板部が別体構成)>
図4はフォームタイの変形例1を示し、(a)は別体の係止用円板部を軸本体に取り付ける状態の正面図であり、係止用円板部は断面図で示し、(b)は係止用円板部のみの側面図、(c)は別体の係止用円板部を軸本体に取り付けた状態の正面図である。
図5はフォームタイの変形例2を示し、(a)は別体の係止用円板部を軸本体に取り付ける状態の正面図であり、係止用円板部は断面図で示し、(b)は係止用円板部のみの側面図、(c)は別体の係止用円板部を軸本体に取り付けた状態の正面図である。
フォームタイの変形例1は、係止用円板部301は軸本体2から分離できる構成にしたものである。
図1に示したフォームタイ1は、係止用円板部301が軸本体2に一体成型されたものを示している。しかし、この係止用円板部3(301)は必ずしもの軸本体2に一体成型したものに限定されない。変形例1のように係止用円板部3(301)の部材を、軸本体2に後付けする構成でも良い。例えば、型枠51の貫通孔の内径に大小に応じて、係止用円板部301の外径を大きくする必要が生じるときがある。このような場合に短い径の係止用円板部3では抜け止めの機能を果たすことができない。そこで、簡単に係止用円板301を交換できる構成にした。
【0036】
例えば、
図4に示すように、係止用円板部301について、その中心に開けた穴にねじ山302を設け、このねじ山302に螺合するねじ山201を軸本体2にも設けた構成がある。
または
図5に示すように、係止用円板部303の一部に軸本体2の周囲に形成した溝部202に差し込める切込み304を設けた構成でもよい。係止用円板部303を略U字形状に構成したものである。このような構成以外にも種々の取付け構造が考えられる。
【0037】
<フォームタイの変形例3、4(セパレータ連結部に筒体を取り付ける)>
図6はフォームタイの変形例3を示すものであり、(a)はセパレータ連結部に筒体を取り付けた正面図、(b)はコンクリート壁体からフォームタイと型枠とを取り外した状態のコンクリートの断面図である。
変形例3のフォームタイ1は、セパレータ連結部4の外周に、差し入れたり、抜き取ることができる筒体401を取り付けたものである。この筒体401はセパレータ連結部4の外周と同じ内径を有するゴム製のチューブ、硬質プラスチック又は軟質プラスチック製のチューブである。筒体401は建設現場、搬送中にセパレータ連結部4から外れない程度の密着力を有する内径、又は粘着力を有する素材であれば良い。
【0038】
この筒体401は、型枠51内でコンクリートが硬化した後に、フォームタイ1を抜き取るときに、セパレータ連結部4から分離して、フォームタイ1をコンクリート壁面から容易に抜き取ることができる。筒体401は、コンクリート内に残るが、そのまま止水効果を奏する。また、筒体401がコンクリート壁面から大きく飛び出すときは、抜き取るか、切断する。
【0039】
図7はセパレータ連結部の変形例4を示すものであり、(a)は筒体をセパレータ連結部の段差部に取り付ける状態、(b)は筒体をセパレータ連結部の段差部に取り付けた状態である。
また、筒体401はセパレータ連結部4の一部に取り付け、かつ段差が生じないようにパレータ連結部4の一部は径が短く、すなわち部分的に細く形成した段差部402に取り付けることも可能である。図示するように、コンクリート内に残るように、セパレータ連結部4の長さ分ではなく、セパレータ52から型枠51の間隔のみに取り付けることも可能である。この長さにすればコンクリート硬化後の後処理工程が不要になる。
【0040】
<セパレータ連結部の変形例5、変形例6>
図8はセパレータ連結部の変形例1示し、(a)はフォームタイの正面図、(b)はコンクリート壁体からフォームタイと型枠とを取り外した状態のコンクリートの断面図である。
図9はセパレータ連結部の変形例6を示し、(a)はフォームタイの正面図、(b)はコンクリート壁体からフォームタイと型枠とを取り外した状態のコンクリートの断面図である。
セパレータ連結部4の形状は、円筒形状に限定されない。
図8に示すように、コンクリートが硬化した後に、容易に抜ける形状であれば、円錐台形状に形成したものでも良い。更に、
図8に示すように、係止用円板部3が型枠51の貫通孔からの抜け止め機能を有する範囲で、セパレータ連結部4の半紡錘形状など、硬化したコンクリートから抜き取れる形状であれば、円筒形状又は円錐台形状に限定されない。
【0041】
<セパレータ連結部の変形例7、変形例8>
図10はセパレータ連結部に開けられた雌ねじ部の長さを示す断面図であり、(a)は雌ねじ部が短い状態(変形例3)、(b)は雌ねじ部が(a)より長い状態(変形例4)である。
図10(a)に示すセパレータ連結部4の変形例7は、開けられた雌ねじ部7がセパレータ連結部4の開口端から係止用円板部3が形成された位置まで届かない長さ(L1)でねじ切り加工されたものである。これはセパレータ52の雄ねじ部52aを、硬化したコンクリートの壁面から突出しないようにコンクリート壁体を構築することができる。
【0042】
図10(b)に示すセパレータ連結部4の変形例8は、雌ねじ部7がセパレータ連結部4の開口端から係止用円板部3が形成された位置より先までの長さ(L2)でねじ切り加工されたものである。これは必要に応じてセパレータ52の雄ねじ部52aを、硬化したコンクリートの壁面から突出するようにコンクリート壁体を構築することができる。
【実施例2】
【0043】
<コンクリート壁体を構築する他の方法>
図11は本発明のフォームタイを用いたコンクリート壁体を構築する他の方法を示す説明図であり、(a)はセパレータにフォームタイを連結する前の状態、(b)はセパレータにフォームタイのセパレータ連結部を連結した後の状態、(c)は2枚の型枠を構成する状態の断面図である。
図12は
他の方法のフォームタイを用いたコンクリート壁体を構築する方法を示す説明図であり、(d)は型枠に単管と桟木を取り付ける状態の断面図、(e)は完成した型枠にコンクリートを打設した状態の断面図、(f)はコンクリート壁体からフォームタイと型枠とを完全に取り外した状態の断面図である。
本発明のフォームタイを用いてコンクリート壁体を構築する他の方法を説明する。
図2と
図3で示したコンクリート壁体を構築する方法は、フォームタイ1の係止用円板部3を型枠51の貫通孔の「外側」に配置した締結方法である。これでもセパレータ52の雄ねじ部が硬化したコンクリート壁面から突出しないが、更にセパレータ52の雄ねじ部をコンクリート壁面の奥に配置するようにすることが可能である。
この
図11と図12で図示する方法は、フォームタイ1の係止用円板部3を型枠51の貫通孔の「内側」に配置した締結方法である。型枠51を組み立てる際に、
図11(b)に示すように、フォームタイ1の雄ねじ部5を、コンクリート用の型枠51の貫通孔に通し、係止用円板部3を型枠51の貫通孔の内側に配置する。その後、フォームタイ用ソケットで、セパレータ52の雄ねじ部
52aにセパレータ連結部4を螺合してフォームタイ1を締め付ける。同様に、
図11(c)に示すように、反対側の型枠51も別のフォームタイ1を締め付ける。
【0044】
図12(d)に示すように、型枠51に桟木60
を当て、桟木60に単管59を当て、単管59には座金57を当て、フォームタイ1の
雄ねじ部5にナット58を締め
付ける。単管59と桟木60を型枠51に固定する。同様に、反対側の型枠51を別のフォームタイ1で固定する。
図12(e)に示すように、両型枠51の内側にコンクリートを流し込むことでコンクリート製の壁、基礎となる。
図12(f)は硬化したコンクリートを示し、型枠51、単管59
、桟木60及びフォームタイ1は外した状態の断面図を示す。図示するように、硬化したコンクリートの壁面からセパレータ52の雄ねじ部52aが突出していない。
【0045】
なお、本発明は、フォームタイ1に型枠51を係止する部材を一体化することで、型枠52を安定して固定でき、また何回でも再利用できる構成であれば、上述した発明の実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明のフォームタイを用いたコンクリート壁体の構築方法は、型枠として使用するものであればコンクリート用に限定されず、種々の型枠の保持具に利用することができる。
【符号の説明】
【0047】
1 フォームタイ
2 軸本体
3 係止用円板部
4 セパレータ連結部
401 筒体
5 フォームタイの雄ねじ部
7 フォームタイの雌ねじ部
51 型枠
52 セパレータ
52a セパレータの雄ねじ部
57 座金
58 ナット
【要約】
【課題】フォームタイ1に型枠51を係止する部材を一体化することで、型枠52を安定して固定でき、また何回でも再利用する。
【解決手段】コンクリート打設用の型枠51に開けられた貫通穴に当て、型枠51を固定する係止用円板部3を一端に有する棒状の軸本体2と、軸本体2の長手方向の他端に形成された、座金57とナット58を締結する雄ねじ部5と、軸本体2の係止用円板部3側に連続して形成された、セパレータ52の雄ねじ部5が螺合する、雌ねじ部7を有するセパレータ連結部4と、を備えたものである。
【選択図】
図1