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特許7622977ホスホルアミダイト化学を使用する骨格修飾モルホリノオリゴヌクレオチド及びキメラの合成
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-20
(45)【発行日】2025-01-28
(54)【発明の名称】ホスホルアミダイト化学を使用する骨格修飾モルホリノオリゴヌクレオチド及びキメラの合成
(51)【国際特許分類】
   C07H 21/04 20060101AFI20250121BHJP
   A61K 31/787 20060101ALI20250121BHJP
   A61K 48/00 20060101ALI20250121BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20250121BHJP
   C07F 9/6558 20060101ALI20250121BHJP
   C07F 9/6561 20060101ALI20250121BHJP
【FI】
C07H21/04
A61K31/787
A61K48/00
A61P43/00 111
C07F9/6558
C07F9/6561
【請求項の数】 6
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020168198
(22)【出願日】2020-10-05
(62)【分割の表示】P 2019515437の分割
【原出願日】2017-09-15
(65)【公開番号】P2021046396
(43)【公開日】2021-03-25
【審査請求日】2020-11-02
【審判番号】
【審判請求日】2023-01-04
(31)【優先権主張番号】62/513,089
(32)【優先日】2017-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/397,277
(32)【優先日】2016-09-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】509001010
【氏名又は名称】ザ リージェンツ オブ ザ ユニヴァーシティ オブ コロラド,ア ボディ コーポレイト
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カラザース マーヴィン
(72)【発明者】
【氏名】ポール シバシシュ
【合議体】
【審判長】阪野 誠司
【審判官】冨永 保
【審判官】関 美祝
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-534862(JP,A)
【文献】Tetrahedron Letters、(2008)、49、pp.3570~3573
【文献】J.Am.Chem.Soc.、(2015)、137、pp.3253~3264
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07F,C07H
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式:
【化1】
(式中、
Bはアデノシン、グアノシン、ウラシル、チミン、シトシン、及びイノシンから選択される核酸塩基、又はシリル保護基若しくは酸不安定性の保護基若しくは塩基不安定性の保護基で保護された前記核酸塩基であり、
Yは酸素又は硫黄であり、
Xは酸素、硫黄、BH、又はN,N-ジメチルアミノであり、オリゴマー中の少なくとも1つのXはN,N-ジメチルアミノである。)
で表される単量体サブユニットを含むオリゴマーを形成する方法であって、
a.ポリスチレン/CPG支持体に連結された、5’-未保護-2’-デオキシリボヌクレオシドを準備することと、
b.前記5’-未保護-2’-デオキシリボヌクレオシドとヌクレオシドホスホルジアミダイトとを、4,5-ジシアノイミダゾール(DCI)、テトラゾール、5-(エチルチオ)-1H-テトラゾール、又は他の活性化剤を含む無水アセトニトリル中で反応させて付加体を生成することと、
c.前記付加体のホウ素化、又は硫化、又は酸化の少なくとも1つを含む、前記付加体を化学的に活性化することと、
d.工程bの未反応ヌクレオシドをキャッピングすることと、
e.前記付加体を脱トリチル化することと、
f.工程b~工程eを繰り返して前記付加体を伸長してオリゴマーを形成することと、
g.前記オリゴマーからシアノエチル基を除去することと、
h.XがN,N-ジメチルアミノである場合、前記オリゴマーとヨウ素及びジメチルアミンとをテトラヒドロフラン中で接触させて、BH をN,N-ジメチルアミノ基に変換することと、
.前記オリゴマーと、水酸化アンモニウム及びエチレンジアミンを含む溶液とを接触させて、前記支持体から前記オリゴマーを除去することと、
を含み、
XがN,N-ジメチルアミノである場合、工程cが前記付加体のホウ素化を含み
程b及び/又は繰り返された工程bの少なくとも1つのヌクレオシドホスホルジアミダイトとして、下記式:
【化2】
(式中、
Bは前記と同じであり;
Rはトリチル、モノメトキシトリチル、ジメトキシトリチル、又はトリメトキシトリチルであり、
及びRは、それぞれ独立して、C2~20直鎖若しくは分岐鎖のアルキルである。)
で表される、工程bのヌクレオシドホスホルジアミダイトが使用される、方法。
【請求項2】
工程の前の前記オリゴマーがBIBS保護基を有する場合、前記オリゴマーをテトラブチルアンモニウムフルオリド(TBAF)のTHF溶液と接触させて前記オリゴマーからBIBS保護基を除去する追加工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記反復合成工程fが市販のDNA合成装置で行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
工程cが前記付加体を硫化してチオホスホルアミデートヌクレオチド間結合を生成することを含、請求項1に記載の方法
【請求項5】
前記核酸塩基保護基が、
【化3】
から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
天然DNA又はDNA/RNA複合体よりも安定である、前記オリゴマーと相補的なDNA又はRNAとの二重鎖を形成する工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2017年5月31日付けで出願された米国仮特許出願第62/513,089号及び2016年9月20日付けで出願された米国仮特許出願第62/397,277号の利益を主張するものである。これらの出願はどちらも引用することにより本明細書の一部をなす。
【0002】
本開示は、モルホリノオリゴヌクレオチド及びその誘導体を合成する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
モルホリノオリゴヌクレオチドは、DNA及びRNAに対するそれらの高親和性、様々なヌクレアーゼに対する抵抗性、in vivoでの安定性、及び低毒性によりアンチセンスオリゴヌクレオチド治療薬としての使用に有望である。ホスホロジアミデートモルホリノオリゴヌクレオチド(PMO;化合物3、図1)は、非イオンヌクレオチド間結合と、DNAのデオキシリボースに置き換わるモルホリノとを有する。これらのN,N-ジメチルアミノホスホラジアミデートモルホリノオリゴヌクレオチドは、RNAスプライシングを干渉するとともに、翻訳を妨げることによって遺伝子発現を阻害し(非特許文献1)、細胞ヌクレアーゼに抵抗性であり(非特許文献2、非特許文献3)、DNAよりも高いRNA結合親和性を有する(非特許文献4)。PMOの治療法の開発は、例えばデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)の治療及び出血性のフィロウイルス科のマールブルグウイルスの感染の予防に対する臨床試験において行われている(特許文献1及び特許文献2)。さらに、PMOは、ナノテクノロジーにおける適用(非特許文献5)及び表面ハイブリダイゼーション(非特許文献6)について考察されている。
【0004】
残念なことに、PMOに対するこれらの有望な適用は、効率的な合成方法論がないことから非常に限定されている。自動合成装置でDNA及びRNAを化学的に作製する標準法とは対照的に、現在、PMOはポリスチレン樹脂上で5’から3’方向に合成されている。第1段階として、5’-ヒドロキシル-N-トリチル-モルホリノヌクレオシドとN,N-ジメチルアミノジクロロホスホルアミデートとの縮合は、N,N-ジメチルアミノクロロホスホロアミデートシントンを生成する。塩基の存在下でのカップリングは、上記樹脂に付着した二量体をもたらす。酸による更なる脱トリチル化は、上記サイクルを繰り返すことによって伸長され得る二量体を生成する。このアプローチには、幾つかの認識される課題がある。例えば、縮合収率が低く(ジチミジンモルホリノの回収収率は45%であった)、長い反応時間を必要とする。さらに、5’-クロロ-ホスホロアミデート単量体は不安定であり、多量の塩基の存在下で2つのモルホリノ単量体をカップリングすることは困難である(非特許文献7)。さらに、このアプローチは、多くの実験室では容易に利用することができない、特殊な手順、技術及び材料(例えば、膨潤性ポリスチレン樹脂、特有の反応容器、及び脱トリチル化剤としてのトリフルオロ酢酸のピリジニウム塩)を必要とする。
【0005】
最近では、ポリチミジンPMOの合成に対するH-ホスホネート化学を使用して新たな方法が開発された。このアプローチにも課題が存在する。例えば、H-ホスホネート中のリン原子は、求電子性であり、孤立電子対を欠くことから、ほとんどのP(III)化合物よりも周囲条件下での酸化にはるかに抵抗性である。さらに、H-ホスホネートモルホリノ二量体の形成に対するカップリング収率は低い(77%)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】米国特許出願公開第2016/0040162号
【文献】米国特許出願公開第2015/0038462号
【非特許文献】
【0007】
【文献】Summerton, J. Biochim. Biophys. Acta 1999, 1489, 141-158
【文献】Hudziak, et al. Antisense Nucleic Acid Drug Dev. 1996, 6, 267-272
【文献】Arora, et al. J. Pharm. Sci. 2002, 91, 1009-18.
【文献】Summerton, J. E. Morpholinos and Related Antisense Biomolecules (Janson, C. G., and During, M. J., Eds.), 2003, Kluwer/Plenum Publishers.
【文献】Paul, et al., Chem. Commun., 2013, 49, 11278-80
【文献】Tercero, et al., J. Am. Chem. Soc., 2009, 131:4953
【文献】Bhadra, et al., Tetrahedron Letters 2015, 56: 4565-68
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
先の不利点はそれぞれ、本開示の方法によって克服される。さらに、本開示の方法は、以下で更に十分に検討される他の利点を達成する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示は、ホスホロジアミデートモルホリノ(PMO)及びPMO-DNAキメラを合成する新たな方法を提供する。これらの方法は、ホスホスホロジアミデートヌクレオチド間結合を含むオリゴマーが、自動DNA合成装置において高収率でホスホルアミダイト化学を使用して作製され得ることから、非常に強健である。上記プロセスは、モルホリノホスホルアミダイトをDNAに組み込むことから始まり、ホウ素化、そしてその後の様々なアミンの存在下でのヨウ素による酸化によって、多様なPMO及びPMO-DNAキメラのセットが形成される。上記方法は、一般的であり、多数のPMO結合の合成をもたらす。クロロホスホルアミデートシントンを使用する手順とは異なり、本開示のより反応性のホスホルジアミダイトシントンは、高収率でこれらの類縁体を合成するために使用され得る。これらの類縁体を集合させるため、カップリング中の、ジシアノイミダゾールを介するモルホリノホスホルジアミダイトのジイソプロピルアミノ成分の選択的活性化が使用される。
【0010】
有利には、先に開発されたN,N-ジメチルアミノPMOシントンが5’から3’の方向でこれらの類縁体を合成するように設計される化学とは異なり、モルホリノホスホルジアミダイトと2’-デオキシヌクレシドシントンの両方が3’から5’方向のオリゴヌクレオチドの合成に対して設計されたことから、PMO及びPMO-DNAキメラは、DNA合成装置で合成され得る。さらに、この新たなアプローチは、適切なアミンによるヨウ素の酸化によって多様なPMOキメラを生成するために使用され得るボランホスホルアミデートヌクレオチド間結合を使用することによって成り立つ。例えば、とりわけPMO-LNA、PMO-RNA、PMO-DNAホスホロチオエート/ホスホロジチオエート、及びPMO-DNAホスホノアセテート/ホスホノホルメートのキメラが、これらの方法を使用して作製され得る。
【0011】
様々な生物学及び生化学の適用におけるそれらの使用可能性について、これらのPMO-DNAキメラは、他のいくつかの類縁体に対して3つの可能性のある利点を示した。例えば、アミノモルホリノホスホロジアミデート誘導体は、修飾されていないDNA/RNA又は標準的なN,N-ジメチルアミノPMO類縁体のいずれかよりも、相補的なDNA
又はRNAとより安定な二重鎖を形成することがわかった(RNAとの二重鎖形成で1つの修飾当たりN,N-ジメチル類縁体よりもおよそ1.75倍安定)。さらに、これらのPMO-DNAキメラは、RNアーゼH1と活性である。これは、完全に置換されたPMOがRNアーゼH1と不活性である標準的なN,N-ジメチルアミノPMO類縁体と比べて有望である。これらのキャップ/ギャップN,N-ジメチルアミノPMOキメラは、RNアーゼH1を活性化することによって、生物学における様々な適用に有用な種々の生化学的特性を有する類縁体を提供する(例えば、アミノアミデート誘導体は、二重鎖形成に対して安定性が増強されている)。相補的なRNAとの(修飾されていない二重鎖と比較した)これらのPMO-DNAキメラの安定化の増加によって、この種のキャップ/ギャップ類縁体は、より短い一本鎖アンチセンスオリゴヌクレオチドを使用することができるため、オフターゲット効果を減少する。さらに、これらのPMO-DNAキメラを一般的に良く知られているトランスフェクト用試薬を使用して容易に細胞にトランスフェクトすることができ、マイクロインジェクション、PMOとDNAとのハイブリダイゼーション、及びエトキシル化ポリエチレンイミンによる送達、又はペプチド若しくは樹状分子トランスポーターのいずれかとの共役等の手法によるPMOの送達に関連する課題を排除する。
【0012】
したがって、本開示は、わずかな副生成物の形成を伴って、PMO誘導体を合成する効率的でコスト効率の良い方法を提供する、PMO合成方法論を提供する。これらの合成方法は、本発明者らの先に報告したヨウ素及びアミンの存在下でのボランホスホネートDNAのホスホルアミデートDNAへの立体選択的変換を組み込むことで(Paul, S., Roy, S., Monfregola, L., Shang, S., Shoemaker, R., Caruthers, M. H., J. Am. Chem. Soc.
2015, 137:3253-64)、本開示の合成方法の3つの顕著な利点をもたらす:
1)これらの方法は、ホスホルアミダイト化学を使用する標準的なDNA/RNA合成方法と独立しており(orthogonal)、また適合性であることから、PMO合成は通常のDNA合成装置で行うことができ、
2)N,N-ジメチルアミノホスホロアミデートモルホリノ以外のヌクレオチド間結合を有するPMOを初めて合成することができ、
3)これらの合成方法は、PMO-DNAキメラの合成を可能とする。これらのキメラは、アニオン性であることから、水溶性であり、RNAにハイブリダイズすることで、RNアーゼHを活性化する。
【0013】
本概要は、本発明の完全な範囲(extent and scope)を代表するものであると意図されるものでも、解釈されるものでもない。さらに、本明細書での「本開示」又はその態様への言及は、本開示の或る特定の実施形態を意味すると理解され、必ずしも全ての実施形態を特定の記載に限定すると解釈されるものではない。本開示は本概要並びに添付の図面及び発明を実施するための形態に様々な詳細度で説明され、本開示の範囲に関する限定は本概要に要素、構成要素等を含める又は含めないことによっては表されない。本開示の付加的な態様は、発明を実施するための形態から特に図面と考え合わせることでより明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】DNA(1)、RNA(2)、N,N-ジメチルアミノホスホルジアミデートモルホリノ(3)、及びボランホスホルアミデートモルホリノ(4)のオリゴヌクレオチドの化学構造を示す図である。
図2】N,N-ジメチルアミノホスホロジアミデートモルホリノオリゴヌクレオチドの合成に対する現在のアプローチを表す合成スキームの図である。モルホリノのナンバリングにおいて、第1級ヒドロキシル基は6’でなくてはならないが、本開示の適用上、通常の核酸化学と関係づけるためこのヒドロキシル基を5’と示す。
図3】BIBS保護モルホリノホスホルジアミダイトシントンの合成を表す合成スキームの図である。反応条件:(i)ルチジン(4.0当量)及び1,4-ジオキサン;(ii)1.0M NH/MeOH;(iii)DMT-Cl(1.2当量)、ピリジン;並びに(iv)NaIO(1.1当量)、(NH(1.1当量)、MeOH;(v)NaCNBH(2.0当量)、AcOH(2.0当量)、MeOH;(vi)P(OCHCHCN)(NiPr(1.2当量)、4,5-ジシアミノイミダゾール(0.5当量)、及びCHCl
図4】BIBS保護ホスホルアミダイトを使用して、ホスホルジアミデートモルホリノオリゴヌクレオチド(PMO)に対する固相合成の合成スキームを示す図である。化合物FはN,N-ジメチルアミノ-ホスホロジアミデートヌクレオチド間結合のみを有するPMOであり、「x」はN,N-ジエチルアミノ-PMOヌクレオチド単位の選択数であり、化合物Aはチミジンリボヌクレオシドであるが、このリボヌクレオシドは、4つの2’-デオキシリボヌクレオシド又はモルホリノヌクレオシドのいずれかによって置き換えられていてもよい。シトシン、アデニン、及びグアニンの塩基が使用される例では、塩基は、ビス(tertブチル)イソプロピルシリル(BIBS)基によって保護されなくてはならない。
図5】シリル保護基の除去後に行われた酸化的アミノ化反応におけるジメチルアミノの使用によって引き起こされたシトシンのC-4位及びC-6位における置換を示す図である。
図6】N,N-ジメチルアミノPMO三量体の合成(左パネル)、及び全反応混合物のLCMS分析によるLCプロファイル(右パネル)を表す図である。
図7図7A図7Fは、ODN27トランスフェクションの蛍光顕微鏡検査による可視化を示す図である。血清低減培地(Opti-MEM)中のODN27(100nM)をDharmafect 1を使用してHeLa細胞へトランスフェクトした後、37℃で18時間インキュベーションした。次いで、細胞をPBSで洗浄し、緩衝ホルマリン溶液を使用して固定した。細胞の核をDAPI(青色)によって対比染色した。図7A及び図7Dは、ODN27のフルオレセイン局在化の画像である。図7B及び図7Eは、同じ細胞における核のDAPI局在化の画像である。図7Cは、図7A及び図7Bによる画像の画像オーバーレイである。図7Fは、図7Dに示される細胞の位相コントラスト画像である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
別段の指示がない限り、以下の用語は下記の意味を有する。
【0016】
「オリゴヌクレオチド類縁体」の用語は、修飾された骨格構造、例えば、天然のオリゴヌクレオチド及びポリヌクレオチドに見られる標準的なホスホジエステル結合以外の骨格、並びに任意に、修飾された糖部分、例えばリボース部分又はデオキシリボース部分以外のモルホリノ部分を有するオリゴヌクレオチドを指す。類縁体は、標準的なポリヌクレオチド塩基に対するワトソン-クリック型塩基対合による水素結合が可能な塩基を維持し、ここで、類縁体骨格は、オリゴヌクレオチド類縁体分子と、標準的なポリヌクレオチド(例えば、一本鎖RNA又は一本鎖DNA)中の塩基との間の配列特異的様式のかかる水素結合を可能とするような塩基を提示する。好ましい類縁体は、実質的には帯電していないリン含有骨格を有するものである。
【0017】
「核酸塩基」は、核酸の合成に使用され得る限り特に限定されず、例えば、シトシル基、ウラシル基、チミニル基等のピリミジン塩基、及びアデニル基、グアニル基等のプリン塩基を含む。「任意に保護された核酸塩基」は、例えば、アデニル基、グアニル基又はシトシル基において保護され得るアミノ基を有する核酸塩基を意味し、アミノ基がモルホリノヌクレオチドのモルホリン環窒素原子の脱保護条件下で維持可能な保護基によって保護される核酸塩基が好ましい。
【0018】
「アミノ保護基」は、特に限定されず、その例として、Greene's PROTECTIVE GROUPS IN ORGANIC SYNTHESIS, 4th edition, Wiley-Interscience, 2006等に記載される保護基が挙げられる。「アミノ保護基」の具体例として、ピバロイル基、ピバロイルオキシメチル基、トリフルオロアセチル基、フェノキシアセチル基、4-イソプロピルフェノキシアセチル基、4-tert-ブチルフェノキシアセチル基、アセチル基、ベンゾイル基、イソブチリル基、ジメチルホルムアミジニル基、9-フルオレニルメチルオキシカルボニル基等が挙げられる。それらの中でも、フェノキシアセチル基、4-イソプロピルフェノキシアセチル基、アセチル基、ベンゾイル基、イソブチリル基及びジメチルホルムアミジニル基が好ましい。さらに、核酸塩基のカルボニル基は保護されてもよく、例えば、フェノール、2,5-ジクロロフェノール、3-クロロフェノール、3,5-ジクロロフェノール、2-ホルミルフェノール、2-ナフトール、4-メトキシフェノール、4-クロロフェノール、2-ニトロフェノール、4-ニトロフェノール、4-アセチルアミノフェノール、ペンタフルオロフェノール、4-ピバロイルオキシベンジルアルコール、4-ニトロフェネチルアルコール、2-(メチルスルホニル)エタノール、2-(フェニルスルホニル)エタノール、2-シアノエタノール、2-(トリメチルシリル)エタノール、ジメチルカルバモイルクロリド、ジエチルカルバモイルクロリド、エチルフェニルカルバモイルクロリド、1-ピロリジンカルボニルクロリド、4-モルホリンカルボニルクロリド、ジフェニルカルバモイルクロリド等を反応させることで保護され得る。
【0019】
幾つかの場合、カルボニル保護基は特に導入されなくてもよい。さらに、上に言及される基に加えて、任意の位置(複数の場合もある)で、任意の1個~3個の置換基(例えば、ハロゲン原子、アルキル基、アラルキル基、アルコキシ基、アシル基、アルコキシアルキル基、ヒドロキシ基、アミノ基、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシ、シアノ、ニトロ等)によって置換された核酸塩基である、修飾された核酸塩基(例えば、8-ブロモアデニル基、8-ブロモグアニル基、5-ブロモシトシル基、5-ヨードシトシル基、5-ブロムウラシル基、5-ヨードウラシル基、5-フルオロウラシル基、5-メチルシトシル基、8-オキソグアニル基、ヒポキサンチニル基等)もまた、「核酸塩基」に包含される。
【0020】
オリゴヌクレオチド類縁体中の実質的に帯電していないリン含有骨格は、サブユニット結合の大半、例えば60%~100%が生理学的pHにおいて帯電しておらず、1個のリン原子を含むものである。類縁体は、5個~40個のサブユニット、典型的には約8個~25個、好ましくは約12個~25個の単量体のサブユニットを含む。類縁体は、標的配列に対して正確な配列相補性を有してもよく、又は以下に定義されるように、およその相補性を有してもよい。
【0021】
オリゴヌクレオチド類縁体の「単量体」又は「サブユニット」は、該類縁体の1つのヌクレオチド(又はヌクレオチド類縁体)単位を指す。該用語は、付着されたサブユニット間結合を有する又は有しないヌクレオチド単位を指すが、「帯電したサブユニット」を指す場合、電荷は、典型的にはサブユニット間結合(例えば、ホスフェート又はホスホロチオエートの結合)内にある。
【0022】
「モルホリノオリゴヌクレオチド類縁体」は、図4に示される形態のモルホリノサブユニット構造で構成されるオリゴヌクレオチド類縁体であり、ここで、該構造は、1原子~3原子の長さのリン含有結合によって共に連結され、1つのサブユニットのモルホリノ窒素を隣接するサブユニットの5’環外炭素につなげ、「B」部分は、塩基特異的水素結合によって、ポリヌクレオチド中の塩基に結合するのに有効なプリン又はピリミジンの塩基対合部分である。プリン又はピリミジンの塩基対合部分は、典型的には、アデニン、シトシン、グアニン、ウラシル、又はチミンである。モルホリノオリゴマーの合成、構造、結合の特性は、米国特許第5,698,685号、同第5,217,866号、同第5,1
42,047号、同第5,034,506号、同第5,166,315号、同第5,521,063号、及び同第5,506,337号に詳しく記載され、それらの全てが引用することにより本明細書の一部をなす。
【0023】
図4に示されるサブユニット及び結合は、6原子反復単位骨格に使用される(ここで、6個の原子は、モルホリノ窒素、接続されたリン原子、5’環外炭素にリン原子を連結する原子(通常は酸素)、5’環外炭素、及び次のモルホリノ環の2個の炭素原子を含む)。これらの構造では、5’環外モルホリノ炭素をリン基に連結する原子は、硫黄、窒素、炭素又は酸素であってもよい。リンからのX部分ペンダントは、塩基特異的水素結合を妨げない任意の安定した基であり、フルオロ、アルキル、アルコキシ、チオアルコキシ及び環状アミンを含むアルキルアミノを含み、それらはいずれも、塩基特異的結合が妨害されない限り様々に置換され得る。アルキル、アルコキシ及びチオアルコキシは、1個~10個の炭素原子を含んでもよい。アルキルアミノは低級アルキル(C~C)置換を指すことが好ましく、環状アミンは、任意に酸素、窒素及び硫黄から選択される1個~2個の追加のヘテロ原子を含む、5員又は7員の窒素複素環であることが好ましい。Yは硫黄又は酸素である。
【0024】
好ましいモルホリノオリゴマーは、ホスホロジアミデート結合モルホリノオリゴマーであり、本明細書においてPMOと称される。かかるオリゴマーは、図4に示されるようなモルホリノサブユニット構造で構成され、式中、X=NH、NHR又はNR(ここで、Rは低級アルキル、好ましくはメチルである)、Y=O、及びZ=Oであり、Bは、塩基特異的水素結合によって、ポリヌクレオチド中の塩基に対して結合するのに有効なプリン又はピリミジンの塩基対合部分である。また、図4において、式中、X=低級アルコキシ、例えばメトキシ又はエトキシ、Y=NH又はNR(ここで、Rは低級アルキルである)、Y=Oである、代替的なホスホロジアミデート結合を有する構造も好ましい。
【0025】
特にアルキル基、アルコキシ基、チオアルキル基又はアルキルアミノ基に関して「置換される(された)」の用語は、例えば、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、チオール、アルキルチオ、アミノ、アルキルアミノ、イミノ、オキソ(ケト)、ニトロ、シアノ等のヘテロ原子を含有する置換基、又はカルボン酸、スルホン酸、ホスホン酸等の様々な酸若しくはエステルによる炭素上の水素原子の置換を指す。また、「置換される」の用語は、アルキル、カルボニル、又は他の炭素を含有する基によるヘテロ原子上の水素原子(アミン水素等)の置換を指す場合もある。
【0026】
配列は、逆平行配置でハイブリダイゼーションが起こる場合に互いに「相補的」であると記載される。二本鎖ポリヌクレオチドは、他方のポリヌクレオチドに対して「相補的」となり得る。ターゲッティング配列は、標的配列に対して「およその」又は「実質的な」相補性を有していても、依然として本発明の目的で機能し得る。本開示のオリゴヌクレオチド類縁体は、好ましくは、10個のヌクレオチドのうち標的配列と多くても1個のミスマッチ、好ましくは20個のうち多くても1個のミスマッチを有する。代替的には、本開示のアンチセンスオリゴマーは、本明細書に示される例示的なターゲッティング配列と、少なくとも90%の配列相同性、好ましくは少なくとも95%の配列相同性を有する。したがって、本開示の方法によって作製されるオリゴマーは、アンチセンス療法に適用可能な疾患状態を治療するために投与される場合に治療用アンチセンス分子として特に有用である。
【0027】
実質的に45℃超、好ましくは少なくとも50℃、典型的には60℃~80℃又はそれよりも高いTmにより、生理学的条件下でオリゴマーが標的にハイブリダイズする場合、オリゴヌクレオチド類縁体は、標的ポリヌクレオチドに「特異的にハイブリダイズ」する。かかるハイブリダイゼーションは、好ましくは、ストリンジェントなハイブリダイゼー
ション条件に相当する。所与のイオン強度及びpHにおいて、Tmは、50%の標的配列が相補性ポリヌクレオチドにハイブリダイズする温度である。ここでも、かかるハイブリダイゼーションは、正確な相補性を有する場合と同じく、標的配列に対するアンチセンスオリゴマーの「およその」又は「実質的な」相補性によって起こり得る。
【0028】
「ヌクレアーゼ抵抗性」オリゴマー分子(オリゴマー)は、その骨格が、非ハイブリダイズ形態又はハイブリダイズ形態で、体内の一般的な細胞外及び細胞内のヌクレアーゼによるヌクレアーゼ切断に対して実質的に抵抗性であるものを指し、すなわち、該オリゴマーは、そのオリゴマーが曝露される体内の通常のヌクレアーゼ条件下でほとんど又は全くヌクレアーゼ切断を示さない。
【0029】
「ヘテロ二重鎖」は、オリゴヌクレオチド類縁体と標的RNAの相補性部分との間の二重鎖を指す。「ヌクレアーゼ抵抗性ヘテロ二重鎖」は、ヘテロ二重鎖が、二本鎖RNA/RNA又はRNA/DNAの複合体を切断することができるRNアーゼH等の細胞内及び細胞外のヌクレアーゼによるin vivo分解に実質的に抵抗性であるように、その相補的な標的に対するアンチセンスオリゴマーの結合によって形成されるヘテロ二重鎖を指す。
【0030】
本開示のオリゴヌクレオチド類縁体は、細胞内の標的RNA配列に特異的に結合することが好ましい。かかる結合の塩基特異性は配列特異的である。例えば、一本鎖ポリヌクレオチドは、配列が相補的である一本鎖ポリヌクレオチドに特異的に結合することができる。
【0031】
上に上述されるように、アンチセンスオリゴマーは、ウイルスゲノム、好ましくは5’-CS又は3’-CSのいずれかの標的化部分に向けられた塩基配列を有する。さらに、オリゴマーは、感染した宿主細胞に投与された場合、例えば、感染した動物被験体に投与された場合に、感染ウイルスを有効に標的とすることができる。この要件は、オリゴマー化合物が(a)哺乳動物細胞によって積極的に取り込まれる能力を有する場合、及び(b)一旦取り込まれると、約50℃よりも高いTmで標的ssRNAと二重鎖を形成する場合に満たされる。
【0032】
以下に記載されるように、細胞によって取り込まれる能力は、オリゴマー骨格が実質的に帯電していないことを必要とし、好ましくはオリゴマー構造が細胞膜を越える積極的な又は促進された輸送に対する基質として認識されることを必要とする。オリゴマーが標的RNAと安定な二重鎖を形成する能力は、上に言及される因子、標的に関するアンチセンスオリゴマーの長さ及び相補性の程度、A:T塩基マッチに対するG:Cの比、並びに任意のミスマッチ塩基の位置と並んで、オリゴマー骨格にも依存する。アンチセンスオリゴマーの細胞ヌクレアーゼに抵抗する能力は、生存、及び細胞の細胞質へのオリゴマーの最終的な送達を促進する。
【0033】
以下の方法は、任意の所与の実質的に帯電していない骨格を、これらの要件を満たすその能力について試験するのに有用である。
【0034】
細胞による積極的な又は促進された取り込み
アンチセンスオリゴマーは、遊離(非複合体化)形態で投与された場合に宿主細胞膜を越える促進された若しくは積極的な輸送によって、又は複合体化形態で投与された場合にエンドサイトーシス機構によって宿主細胞により取り込まれ得る。
【0035】
作用物質が遊離形態で投与される例では、アンチセンス化合物は、実質的に無電荷でなくてはならず、そのサブユニット間結合の大半は生理学的pHで帯電していないことを意
味する。この技術を支持して行われた実験は、少数の正味の電荷、例えば、15-mer~20-merのオリゴマーに対して1~2の電荷は、実際、実質的に帯電していない骨格を有する特定のオリゴマーの細胞取り込みを増強することができることを示す。電荷は、オリゴマー自体、例えば骨格結合において保有されてもよく、又は末端荷電基付加物(terminal charged-group appendages)であってもよい。帯電した結合の数は、帯電して
いない結合4つ当たり1個以下の帯電した結合であることが好ましい。上記数は、帯電していない結合10個当たり1個以下、又は帯電していない結合20個当たり1個以下の帯電した結合であることがより好ましい。一実施形態では、オリゴマーは完全に帯電していない。
【0036】
また、オリゴマーは、反対の電荷がほぼ等しい数で存在する限り、負及び正に帯電した両方の骨格結合を含んでもよい。オリゴマーは、いずれかの電荷の3個~5個を超える一連の(run)連続するサブユニットを含んでいないことが好ましい。例えば、オリゴマー
は、所与の数のアニオン性結合、例えば、ホスホロチオエート又はN3’→P5’ホスホルアミデート結合、及びN,N-ジエチレンジアミンホスホルアミデート等の匹敵する数のカチオン性結合を有してもよい。正味荷電は、中性又は多くてもオリゴマー1個当たり1~2の正味荷電であることが好ましい。
【0037】
実質上又は完全に帯電していないことに加えて、アンチセンス剤は、細胞膜を越えてオリゴマーの輸送を促進する、又は積極的にオリゴマーを輸送することができる、メンブレントランスポーター系に対する基質(すなわち、膜タンパク質(単数又は複数))であることが好ましい。この特徴は、以下の通り、オリゴマー相互作用又は細胞取り込みに関する幾つかの試験のうち1つによって特定され得る。
【0038】
第1の試験は、オリゴマー化合物の細胞表面上の選択された帯電したオリゴマーを置き換える能力、又は細胞表面上の選択された帯電したオリゴマーによって置き換えられる能力を調べることによって、細胞表面受容体における結合を評価する。約10nM~300nMの最終オリゴマー濃度で典型的には蛍光標識されている所与の量の試験オリゴマーと共に細胞をインキュベートする。すぐ後に、例えば10分~30分後(試験オリゴマーの著しい内部移行が生じ得る前に)、徐々に濃度を増加させて置き換え化合物を添加する。試験化合物が細胞表面受容体に結合することができる場合、置き換え化合物が試験化合物を置き換えることが観察される。置き換え化合物が試験化合物濃度の10倍以下の濃度で50%の置き換えをもたらすことが示される場合、その試験化合物は、置き換え化合物と同じ細胞輸送システムに対する認識部位で結合すると見なされる。
【0039】
第2の試験は、試験化合物が、標識されたレポーター、例えば蛍光レポーターを細胞へと輸送する能力を調べることにより、細胞輸送を測定する。約10nM~300nMの最終濃度で添加された標識試験化合物の存在下で細胞をインキュベートする。30分間~120分間のインキュベーションの後、細胞内の標識について、例えば顕微鏡検査によって細胞を調べる。顕著な細胞内標識の存在は、試験化合物が促進された又は積極的な輸送によって輸送される証拠である。
【0040】
また、アンチセンス化合物は複合化形態で投与されてもよく、ここで、複合化剤は、典型的にはポリマー、例えば、アンチセンス化合物上の任意の正味電荷と反対の電荷を持つ、カチオン性の脂質、ポリペプチド又は非生物学的カチオン性ポリマーである。アニオン性オリゴヌクレオチドとカチオン性脂質又は他のポリマー成分との間の二重層複合体を含む、複合体を形成する方法がよく知られている。例えば、カチオン性脂質であるDOTMA(N-[1-(2,3-ジオレイルオキシ)プロピル]-N,N,N-トルメチルアンモニウムクロリド)及び中性リン脂質DOPE(ジオレイルホスファチジルエタノールアミン)を含むリポソーム組成物であるLipofectin(商標)が広く使用されてい
る。投与後、複合体は、典型的にはエンドソーム体における粒子カプセル化を含む、エンドサイトーシス機構を通して細胞によって取り込まれる。
【0041】
また、アンチセンス化合物は、アンチセンスオリゴマーの5’末端又は3’末端に連結されたアルギニンに富むペプチドとのコンジュゲート形態で投与されてもよい。ペプチドは、典型的には、8個~16個のアミノ酸であり、アルギニンと、フェニルアラニン及びシステインを含む他のアミノ酸との混合物からなる。ペプチドコンジュゲートオリゴマーに対する細胞の曝露は、細胞内取り込み及びRNA標的への送達の増強をもたらす。
【0042】
代替的には、標識化合物を動物に投与し、オリゴマーが投与されてから数時間後に動物から採取した体液試料を標的RNAとのヘテロ二重鎖の存在についてアッセイする、単純なin vivo試験によって、任意の所与の骨格を有するオリゴマーの必須の特性を確認することができる。
【0043】
RNアーゼHに対する実質的な抵抗性
アンチセンスオリゴヌクレオチドによる発現の阻害を説明するため2つの一般的な機構が提案されている。第1に、オリゴヌクレオチドとウイルスRNAとの間に形成されるヘテロ二重鎖は、RNアーゼHに対する基質として作用し、標的RNAの切断をもたらす。このクラスに属する又はそれに属することが提案されるオリゴヌクレオチドとして、ホスホロチオエート、ホスホトリエステル及びホスホジエステル(修飾されていない「天然」オリゴヌクレオチド)が挙げられる。かかる化合物は、オリゴマー:RNA二重鎖構造中のウイルスRNAをRNアーゼHによる加水分解に曝露して、機能を喪失させる。
【0044】
「立体遮断物質(steric blockers)」、或いは「RNアーゼH不活性」又は「RNア
ーゼH抵抗性」と称される第2のクラスのオリゴヌクレオチド類縁体は、RNアーゼHに対して基質として作用することが観察されておらず、標的RNAの核細胞質輸送、スプライシング、翻訳、又は複製を立体的に遮断することによって作用すると考えられる。このクラスは、メチルホスホネート、モルホリノオリゴヌクレオチド、ペプチド核酸(PNA)、特定の2’-O-アリル又は2’-O-アルキル修飾オリゴヌクレオチド、及びN3’→N5’ホスホルアミデートを含む。
【0045】
試験オリゴマーを、試験化合物と共に、RNA:オリゴマー二重鎖を形成させ、その後、標準的なアッセイ条件下で二重鎖をRNアーゼHと共にインキュベートすることによって、そのRNアーゼH抵抗性についてアッセイすることができる。RNアーゼHへの曝露後、ゲル電気泳動法又は質量分析によって、無傷の二重鎖の有無をモニターすることができる。
【0046】
in vivo取り込み
迅速試験は、所与のアンチセンスオリゴマー型が上に言及される必要な特性、すなわち高いTm、宿主細胞によって積極的に取り込まれる能力、及びRNアーゼHに対する実質的な抵抗性を提供することを確認するため存在する。この方法は、正しく設計されたアンチセンス化合物が、哺乳動物被験体に投与された場合に標的RNAの相補的な部分と安定なヘテロ二重鎖を形成し、その後、該ヘテロ二重鎖が尿(又は他の体液)中に現れるという発見に基づく。この方法の詳細は、「標的RNAを検出する非侵襲的方法(Non-Invasive Method for Detecting Target RNA)」(非侵襲法)と題される米国特許出願第09/736,920号に提示され、その開示は、引用することにより本明細書の一部をなす。簡潔には、既知のRNAに対して標的化された塩基配列を有する評価される骨格を含む試験オリゴマーが、動物、例えば哺乳動物被験体に注入される。アンチセンスオリゴマーは、宿主RNA又は感染ウイルスのRNAを含む、任意の細胞内RNAに対して向けられてもよい。投与から数時間後(典型的には8時間後~72時間後)、アンチセンス-RNA
ヘテロ二重鎖の存在について尿をアッセイする。ヘテロ二重鎖が検出される場合、その骨格は、本発明のアンチセンスオリゴマーにおける使用に適している。
【0047】
オリゴマーは、哺乳動物被験体に対して適切である場合には、後の分析を容易にするため、例えば蛍光又は放射性のタグによって標識されてもよい。アッセイは、任意の好適な固相又は流体のフォーマットであってもよい。一般的には、固相アッセイは、最初にヘテロ二重鎖分析物を固相支持体、例えば粒子又はポリマー又は試験片基体に結合させ、結合したヘテロ二重鎖の存在/量を検出することを含む。流動相のアッセイでは、分析物の試料を、典型的には、干渉する試料成分を除去するために前処理する。オリゴマーを標識する場合、ヘテロ二重鎖の存在は、標識タグを検出することによって確認される。非標識化合物については、ヘテロ二重鎖は、固相フォーマットの場合には免疫アッセイによって、又は溶液若しくは懸濁液のフォーマットの場合には質量分析若しくは他の既知の方法によって検出され得る。
【0048】
例示的なオリゴマー骨格
オリゴヌクレオチド類縁体で使用され得る非イオン結合の例を図4に示す。これらの図では、Bは、好ましくはアデニン、シトシン、グアニン及びウラシルから選択されるポリヌクレオチド中の塩基に対して、塩基特異的水素結合によって結合するのに有効なプリン又はピリミジンの塩基対合部分を表す。好適な骨格構造として、カーボネート(R=O)結合及びカルバメート(R=NH)結合;アルキルホスホネート結合及びホスホトリエステル結合(R=アルキル又は-O-アルキル);アミド結合;スルホン結合及びスルホンアミド結合(R、R=CH);並びにチオホルムアセチル結合(2E)が挙げられる。後者は、ホスホロチオエートアンチセンス化合物に関して、増強された二重鎖及び三重鎖の安定性を有すると報告されている。3’-メチレン-N-メチルヒドロキシアミノ化合物も報告されている。
【0049】
好ましいオリゴマー構造は、帯電していない結合によってつながった塩基対合部分を持つモルホリノに基づくサブユニットを採用する。アンチセンスオリゴマーを含むモルホリノオリゴヌクレオチドは、例えば、共有の米国特許第5,698,685号、同第5,217,866号、同第5,142,047号、同第5,034,506号、同第5,166,315号、同第5,185,444号、同第5,521,063号、及び同第5,506,337号に詳述され、それらの全てが引用することによって明らかに本明細書の一部をなす。
【0050】
モルホリノに基づくサブユニットの重要な特性として、安定な、帯電していない骨格結合によってオリゴマー形態で連結される能力;形成されるポリマーが、Tmの高い標的RNA含む相補性塩基標的核酸と、更には10塩基~14塩基の短いオリゴマーともハイブリダイズし得るように、ヌクレオチド塩基(例えば、アデニン、シトシン、グアニン又はウラシル)を支持する能力;哺乳動物細胞へと積極的に輸送されるオリゴマーの能力;及びRNアーゼ分解に抵抗するオリゴマー:RNAヘテロ二重鎖の能力が挙げられる。
【0051】
本開示のアンチセンスオリゴヌクレオチドに対する骨格構造は、帯電していないリン含有サブユニット結合によって連結される、図4に示されるモルホリノサブユニット型が挙げられる。図4は、5原子反復ユニット骨格を形成するリン含有結合を示し、ここで、モルホリノ環は1原子ホスホアミド結合によって連結される。図4は、6原子反復単位骨格をもたらす結合を示す。この構造では、5’モルホリノ炭素をリン基に連結する原子は、硫黄、窒素、炭素であってもよく、又は好ましくは酸素であってもよい。リンからのX部分のペンダントは、フッ素、アルキル若しくは置換アルキル、アルコキシ若しくは置換アルコキシ、チオアルキル若しくは置換チオアルキル、又はモルホリン若しくはピペリジン等の環状構造を含む、非置換、一置換若しくは二置換の窒素であってもよい。アルキル、
アルコキシ、及びチオアルコキシは、1個~6個の炭素原子を含むことが好ましい。Y部分は、硫黄又は酸素であり、好ましくは酸素である。
【0052】
上で言及されるように、実質的に帯電していないオリゴマーは、有利には、限られた数の、例えば5個毎の帯電していない結合当たり最大約1個、より好ましくは10個毎の帯電していない結合当たり最大約1個の帯電した結合を含む。したがって、幾つかの帯電した結合、例えば帯電したホスホルアミデート又はホスホロチオエートもまた、オリゴマーに組み込まれ得る。
【0053】
本開示の別の態様は、ポリスチレン支持体に連結された5’-未保護-2’-デオキシリボヌクレオシドから開始し、この5’-未保護-2’-デオキシリボヌクレオシドを、4,5-ジシアミノイミダゾール(DCI)を含む無水アセトニトリル中でホスホルアミダイトシントン(すなわち、単量体)と反応させて、ホスホルアミダイトジエステルヌクレオチド間結合を有する二量体を生成することを含む、モルホリノ含有オリゴヌクレオチド類縁体を製造する方法を提供する。次いで、二量体のホウ素化、硫化、又は酸化のいずれかによって上記二量体を化学的に活性化する。次いで、二量体をキャップし、脱トリチル化する。これらの工程(キャッピング及び脱トリチル化の工程によってホスホルアミダイトシントンを付加する)は、成長するオリゴマーに単量体を付加することによってオリゴマーを伸長させる(二量体から三量体、四量体、五量体、六量体等へと段階的に成長させる)ため、所望に応じて繰り返す。次いで、モルホリノホスホロアミデートオリゴマーをテトラヒドロフラン中のヨウ素及びジメチルアミンと接触させて、モルホリノボランホスホロアミデートをN,N-ジメチルアミノPMOに変換する。次いで、オリゴマーを水酸化アンモニウム及びエチレンジアミンを含む溶液と接触させて、ポリスチレン支持体からオリゴマーを除去する。これらのオリゴマーに対する反復する単量体の付加は、一般的な市販のDNA合成装置で行われてもよく、それにより、費用効率の高いやり方で合成の効率及び速度が大幅に増強され得る。
【0054】
本開示の合成方法における使用に対する例示的な単量体として、以下:
【化1】
(式中、
B又はBは、シリル保護基、又は酸不安定性保護基、又は塩基不安定性保護基であってもよく、
X=シアノエチル若しくはその誘導体、アルキル、チオアルキル、チオカルボニル、カルボキシレート、アセテート、又はホルメート誘導体であり、
R=ジメトキシトリチル、トリメトキシトリチル、又は任意のシリルに基づく保護基であり、
及びRは独立して、イソプロピル、C2~20直鎖若しくは分岐鎖のアルキル鎖、又は5員~7員の脂肪族環である)からなる群から選択される化学構造を有するホスホルアミダイトが挙げられる。
【0055】
本明細書に引用される各々の刊行物又は特許は、その全体が引用することにより本明細書の一部をなす。
【0056】
ここで一般的に記載される開示は、本開示の実施形態の或る特定の態様の単なる例示を
目的として含まれる以下の実施例を参照することでより容易に理解される。実施例は、他の技法及び方法が特許請求の範囲を満たし、特許請求される開示の範囲から逸脱することなく用いることができることが上記の教示及び以下の実施例から当業者により認識されるように、本開示を限定することを意図するものではない。
【実施例
【0057】
実施例1
N-ジ-tertブチルイソブチル保護モルホリノホスホルアミダイトの合成
ボランホスホルアミデートモルホリノ結合を生成するため、必要な4塩基全てに対してホスホラジアミダイトシントンを開発した(図3の合成スキームを参照されたい)。文献プロトコル(Zhang, et al., Tetrahedron Letters 2008, 49, 3570、Pattanayak, et al., Nucleosides, Nucleotides and Nucleic Acids, 2012, 31, 763-782)に従ってホスホラジアミダイトチミジンモルホリノ単量体シントンの合成を行った。最初に、アルゴン雰囲気下、チミジンを無水ピリジン中のジメトキシトリチルクロリド(DMT-Cl)により処理して、5’O-DMTr-チミジン(7)を生じ、それを、その後過ヨウ素酸ナトリウム、続いて二ホウ酸アンモニウムで処理して、2’,3’-ジヒドロキシル-モルホリノ-チミジンを生成した(図示していない)。弱酸性条件下でシアノ水素化ホウ素ナトリウムを使用して2’及び3’のヒドロキシル基の還元を行い(更なる精製を行わない)、チミンモルホリノ単量体(8)を生成した。その後、アルゴン雰囲気下、ジクロロメタン中の2-シアノエチル-N,N,N’,N’-テトライソプロピルホスホロジアミダイト及び4,5-ジシアミノイミダゾール(DCI)による化合物(8)のホスフィチル化によって、基本単位のチミジンシントン(9)を収率86%で作製した。チミジンシントン(9)は塩基保護を必要としない。
【0058】
また、本発明者らは、同様のプロトコルに従って5’-ジメトキシトリチル-モルホリノチミジン-3’-O-メチル-N,N-ジイソプロピルホスホラジアミダイトを合成したが、シアノエチルホスホラジアミダイトとの固相カップリングはO-メチル相当物よりも効率的であることを見出した。
【0059】
シトシン、アデニン、及びグアニンの対応する単量体の合成は、先に報告される様々なプロトコル(Roy, S., Olesiak, M., Shang, S., Caruthers, M. H., J. Am. Chem. Soc.
2013, 135:6234-41)を使用して最初にヌクレオシドアミノ基をビス(tert-ブチル)イソブチルシリル(BIBS)で保護することによって開始した。
【0060】
2,6-ルチジンの存在下での5’,3’,2’-トリ-O-アセチルシチジン(10)とBIBS-OTf(Tf=トリフレート)との反応により、アルゴン雰囲気下で60℃にて2時間撹拌した後に収率76%の11を得た。しかしながら、15及び20からの16及び21の合成は、それぞれ、25%~31%(16)及び74%(21)の収率ではるかに長い反応時間(3日間)を必要とした。図3の合成スキームに表されるように、これらの保護(シリル化)リボヌクレオシド(11、16、21)を最初に水酸化アンモニウムで処理し、アセチル保護基を除去して5’-ジメトキシ-トリチル化合物(12、17、22)、その後モルホリノ誘導体(13、18及び23)に変換した。これらの化合物を使用して、ホスホルジアミダイトシントン14、19及び24を生成した。
【0061】
モルホリノヌクレオシドの合成に対する基本手順
5’-ジメトキシトリチル保護ヌクレオシドをメタノールに溶解した後、1.2当量の過ヨウ素酸ナトリウム及び二ホウ酸アンモニウム四水和物(1.2当量)を添加した。混合物を室温で3時間撹拌したところ、TLCは出発材料の完全な消費を示した。反応混合物をセライト(celite)のパッドを通して濾過し、活性化された粉体の4A°モレキュラーシーブ(0.4g/mmol)に添加した後、それぞれ2.0当量のシアノ水素化ホウ
素ナトリウム及び氷酢酸を添加した。その後、反応混合物を4時間~5時間撹拌したところ、中間体ジオールは完全に還元された。反応混合物をセライトのパッドを通して濾過し、蒸発乾固させた。生成物をクロロホルムに溶解し、飽和NaHCO及びブラインで洗浄した。有機相を収集し、NaSOで乾燥して濾過し、溶媒を減圧下で除去した。生成物をシリカゲルカラム上のフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。全ての例において、シリカゲルスラリーを、追加の5%トリエチルアミンを含む出発溶離液の混合物を用いて作製した。スラリーを注いだ後、トリエチルアミンを含まない2カラム容量の出発溶媒混合物でカラムを洗浄した。8、13及び18を19:1のクロロホルム:メタノールまでのクロロホルムの勾配を使用して溶出した。1:1の酢酸エチル:ヘキサンから7:3の酢酸エチル:ヘキサンへの勾配を使用して、化合物23を精製した。以下の欄に記載される全ての収率は、5’-ジメトキシトリチル-N-BIBS保護ヌクレオシドから開始する2工程に対して得られたものを表す。
【0062】
5’-ジメトキシトリチルモルホリノチミジン(8):収率:53%。H NMR(CDCl,400MHz)δ:7.46~7.44(2H,m)、7.35~7.20(7H,m)、6.85~6.81(4H,m)、5.78~5.75(1H,dd)、4.02~3.98(1H,m)、3.79(6H,s)、3.28~3.25(1H,m)、3.16~3.12(1H,dd)、3.08~3.04(2H,m)、2.43(3H,s)。13C NMR(CDCl)δ:164.22、158.49、150.45、144.72、135.90、135.78、135.32、130.06、130.03、128.12、127.81、126.83、113.10、113.09、110.82、86.02、80.90、64.43、55.20、45.93、11.84。ESI-MS(m/z):561.2314(M+H)
【0063】
-ジ(tert-ブチル)イソブチルシリル-5’-ジメトキシトリチルモルホリノシチジン(13):収率:64%。H NMR(CDCl,400MHz)δ:7.59~7.58(1H,d)、7.53~7.51(2H,m)、7.41~7.25(7H,m)、6.91~6.87(4H,m)、5.88~5.87(1H,d)、5.79~5.76(1H,dd)、4.70(1H,bs)、4.03~4.00(1H,m)、3.82(6H,s)、3.29~3.24(2H,m)、3.14~3.10(1H,m)、3.04~3.00(1H,d)、2.67~2.62(1H,m)、2.52~2.46(1H,m)、2.15~2.08(1H,m)、1.18~1.17(19H,m)、1.07~1.03(8H,m)。13C NMR(CDCl)δ:168.25、158.63、154.57、145.06、140.50、136.02、135.95、130.06、130.02、128.11、127.88、126.73、113.06、96.3588.95、81.76、77.94、64.70、55.17、50.01、47.32、46.30、28.68、26.24、26.14、24.82、21.02、20.72、20.67、11.65。ESI-MS(m/z):727.4047(M+H)
【0064】
-ジ(tert-ブチル)イソブチルシリル-5’-ジメトキシトリチルモルホリノアデノシン(18):収率:61%。H NMR(CDCl,400MHz)δ:8.38(1H,s)、8.01(1H,s)、7.51~7.48(2H,m)、7.39~7.24(7H,m)、6.88~6.85(4H,m)、5.90~5.86(1H,dd)、4.11~4.08(1H,m)、3.82(6H,s)、3.33~3.26(2H,m)、3.15~3.10(2H,m)、2.79~2.73(1H,m)、2.19~2.12(1H,m)、1.22~1.02(27H,m)。13C NMR(CDCl)δ:158.64、158.11、152.55、148.92、144.97、144.96、137.76、135.90、130.04、128.06、127.80、126.74、121.60、121.52、117.79、117.7
1、113.04、86.06、80.44、76.89、64.39、60.14、59.88、50.16、49.93、48.49、47.36、47.12、46.08、46.00、43.93、43.83、43.71、26.82、26.28、26.19、24.80、24.36、24.27、24.18、21.04、20.81、20.79、20.35、20.07。ESI-MS(m/z):751.4238(M+H)
【0065】
-O-ビス[ジ(tert-ブチル)イソブチルシリル-5’-ジメトキシトリチルモルホリノグアノシン(23):収率:47%。H NMR(CDCl,400MHz)δ:7.80(1H,s)、7.51~7.49(2H,m)、7.39~7.32(6H,m)、7.28~7.25(1H,m)、6.89~6.87(4H,m)、5.74~5.71(1H,m)、4.05(1H,bs)、3.82(6H,s)、3.31~3.26(1H,m)、3.23~3.15(2H,m)、3.13~3.07(1H,m)、2.76~2.70(1H,m)、2.26~2.19(1H,m)、2.15~2.09(1H,m)、1.93(1H,bs)、1.21~1.18(36H,m)、1.09~1.07(2H,m)、1.03-0.99(16H,m)。13
NMR(CDCl)δ:160.69、159.39、158.62、154.10、145.01、135.56、135.85、130.02、128.06、127.79、126.73、116.84、113.06、85.99、80.73、77.41、64.42、60.23、49.83、47.78、26.31、24.89、24.72、21.94、21.40、20.73。ESI-MS(m/z):965.5944(M+H)
【0066】
再び図3を参照すると、適切に保護されたシントン(9、14、19又は24)の合成に対する手順は、以下の通りである。
【0067】
上に記載される5’-O-DMT-N-BIBS保護モルホリノヌクレオシド(8、13、18又は23)を真空下で一晩乾燥した。それらを無水CHClに溶解した後、アルゴン下で1.2当量の2-シアノエチル-N,N,N’,N’-テトライソプロピルホスホロジアミダイトを添加した。0.5当量の4,5-ジシアノイミダゾールを添加した後、室温にてアルゴン雰囲気下で5時間に亘って撹拌しながら反応を進行させた。この時、TLCは出発材料の完全な変換を示した。反応混合物をCHClで希釈し、最初に5%NaHCO溶液で、次いでブラインで洗浄した。有機層をNaSOで乾燥し、濾過し、蒸発乾固させた。シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって生成物を精製した。追加の5%トリエチルアミンを含む出発溶離液の混合物を用いて、シリカゲルスラリーを作製した。スラリーを注いだ後、トリエチルアミンを含まない2カラム容量の出発溶媒混合物でカラムを洗浄した。ホスホルジアミダイト化合物9、14、19及び24を3:7の酢酸エチル:ヘキサンから1:1の酢酸エチル:ヘキサンへの勾配を使用して精製した。
【0068】
5’-O-ジメトキシトリチルモルホリノチミン-3’-O-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルホスホルジアミダイト(9):収率:86%。31P NMR(CDCl)δ:127.21、126.08。H NMR(CDCl,400MHz)δ:9.51(1H,bs)、7.50~7.47(2H,m)、7.38~7.25(8H,m)、6.89~6.86(4H,m)、5.78~5.75(0.5H,dd)、5.65~5.62(0.5H,dd)、4.08~4.02(1H,m)、3.99~3.86(3H,m)、3.82(6H,s)、3.65~3.52(2H,m)、3.48~3.34(1H,m)、3.31~3.27(1H,m)、3.13~3.09(1H,m)、2.75~2.68(2H,m)、2.53~2.47(2H,m)、1.96(3H,m)、1.25~1.18(12H,m)。13C NMR(CDCl
)δ:164.02、163.96、158.66、150.13、144.95、135.92、135.90、135.79、135.68、135.52、129.99、128.07、127.77、126.77、117.89、117.74、113.05、110.48、110.39、86.05、80.54、80.49、80.20、77.36、77.21、64.37、60.09、59.84、55.20、49.05、48.83、47.58、47.06、46.83、45.87、45.78、43.91、43.74、24.36、24.29、24.22、24.20、20.77、20.33、20.66、12.29。ESI-MS(m/z):727.4047(M+H)
【0069】
-ジ(tert-ブチル)イソブチルシリル-5’-ジメトキシトリチル-モルホリノシトシン-3’-O-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルホスホルジアミダイト(14):収率:83%。31P NMR(CDCl)δ:126.32、124.88。H NMR(CDCl,400MHz)δ:7.58~7.55(1H,m)、7.50~7.48(2H,m)、7.38~7.31(6H,m)、7.28~7.24(1H,m)、6.88~6.85(4H,m)、5.79~5.76(1.5H,m)、5.63~5.59(0.5H,m)、4.54(1H,bs)、4.04~3.87(3H,m)、3.82(6H,s)、3.74~3.71(0.5H,m)、3.65~3.45(3H,m)、3.30~3.24(1.5H,m)、3.14~3.10(1H,m)、2.80~2.75(1H,m)、2.71~2.68(1H,m)、2.55~2.46(1H,m)、2.38~2.31(1H,m)、2.11~2.07(1H,m)、1.78(1H,bs)、1.25~1.15(31H,m)、1.04~1.02(8H,m)。13C NMR(CDCl)δ:168.14、158.61、154.46、144.98、140.62、140.42、135.98、135.88、130.03、128.07、127.75、126.71、117.96、117.75、113.02、96.20、96.09、85.97、81.68、81.34、81.23、77.05、77.00、64.50、60.21、60.09、59.85、55.18、49.63、49.41、47.98、47.13、46.18、45.91、45.83、43.96、43.84、43.77、28.58、26.21、26.07、24.78、24.38、24.26、24.17、24.12、20.98、20.76、20.71、20.62、20.31、20.23。ESI-MS(m/z):927.5329(M+H)
【0070】
-ジ(tert-ブチル)イソブチルシリル-5’-ジメトキシトリチルモルホリノアデニン-3’-O-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルホスホルジアミダイト(19):収率:79%。31P NMR(CDCl)δ:127.96、125.36。H NMR(CDCl,400MHz):8.38~8.37(1H,d)、8.01~8.00(1H,d)、7.51~7.48(2H,m)、7.38~7.31(6H,m)、7.28~7.24(1H,m)、6.88~6.86(4H,m)、5.93~5.90(0.5H,m)、5.82~5.79(0.5H,m)、5.39(1H,bs)、4.14~4.10(0.5H,m)、4.06~4.02(0.5H,m)、4.0~3.90(2H,m)、3.82(6H,s)、3.71~3.63(1H,m)、3.60~3.52(2.5H,m)、3.42~3.37(0.5H,m)、3.34~3.30(1H,m)、3.17~3.13(1H,m)、3.02~2.91(1H,m)、2.78~2.75(1H,m)、2.72~2.68(1H,m)、2.66~2.59(1H,m)、1.26~1.18(31H,m)、1.10~1.08(8H,m)。13C NMR(CDCl)δ:158.64、158.11、152.55、148.92、144.97、137.76、135.92、135.80、130.02、128.06、127.77、126.74、121.60、117.79、117.71、113.04、86.50、80.50、80.44、80.
34、80.22、76.94、76.81、64.39、60.14、59.91、55.18、50.16、49.93、48.49、48.44、47.35、47.12、46.08、46.00、43.95、43.83、43.71、28.62、26.28、26.19、24.80、24.35、24.29、24.18、21.04、20.79、20.36、20.27。ESI-MS(m/z):951.5437(M+H)
【0071】
,O-ビス[ジ(tert-ブチル)イソブチルシリル]-5’-ジメトキシトリチル-モルホリノグアニン-3’-O-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルホスホラジアミダイト(24):収率:82%。31P NMR(CDCl)δ:127.62、126.99。H NMR(CDCl,400MHz):7.79~7.76(1H,d)、7.49~7.45(2H,m)、7.37~7.29(6H,m)、7.27~7.23(1H,m)、6.87~6.84(4H,m)、5.76~5.64(1H,dd)、4.55(1H,s)、4.05~3.88(3H,m)、3.82(6H,s)、3.67~3.54(3H,m)、3.49~3.45(1H,m)、3.32~3.23(1H,m)、3.19~2.90(2H,m)、2.71~2.68(2H,m)、2.61~2.54(1H,m)、2.23~2.16(1H,m)、2.13~2.06(1H,m)、1.27~1.15(49H,m)、1.06-0.97(27H,m)。13C NMR(CDCl)δ:160.67、159.38、158.61、154.33、154.06、144.96、136.47、135.90、135.79、130.00、128.02、127.76、126.69、117.58、116.77、113.03、85.99、80.69、80.58、79.55、79.49、76.95、76.45、76.36、64.22、60.20、60.12、59.88、59.86、55.16、49.71、49.47、47.77、47.68、47.46、47.26、45.96、45.89、43.99、43.88、43.77、43.65、28.76、28.07、26.39、26.31、26.27、24.87、24.68、24.44、24.37、24.27、24.19、21.90、21.37、20.83、20.76、20.75、20.69、20.35、20.32、20.27、20.24。ESI-MS(m/z):1165.7203(M+H)
【0072】
PMO-DNAキメラの合成のため、5’-DMT-2’-デオキシリボヌクレオシド-3’-ホスホルアミダイトシントン26、27及び28を文献プロトコル(Roy, et al., J. Am. Chem. Soc. 2013, 135, 6234-6241)に従って作製した。化合物25を商業的
に入手可能な供給元(Glen Research)から得た。
【0073】
26、27及び28の合成に対する一般法
5’-ジメトキシトリチル-N-BIBS保護2’-デオキシヌクレオシドを、アルゴンを吹き込んだ丸底フラスコに添加した。無水ジクロロメタン及び2-シアノエチル-N,N,N’,N’-テトライソプロピルホスホロジアミダイト(1.2当量)をシリンジによって添加した。1.0当量のテトラゾール(Glen Researchから得たCHCN中0
.4M)をこの溶液に30分かけて撹拌しながら滴加した。反応物を室温で2時間~3時間撹拌し、このとき、TLCが出発材料の完全な消失を示した。反応混合物をジクロロメタン中に希釈し、飽和NaHCO溶液で2回抽出した。有機層をNaSOで乾燥し、濾過し、蒸発乾固させた。生成物をシリカカラム上のフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。追加の5%トリエチルアミンを含む出発溶離液の混合物を用いてシリカゲルスラリーを作製した。スラリーを注いだ後、トリエチルアミンを含まない2カラム容量の出発溶媒混合物でカラムを洗浄した。26及び27を3:7の酢酸エチル:ヘキサンから1:1の酢酸エチル:ヘキサンへの勾配を使用して精製した。28を7:3のヘキサン:ジメチルエーテル混合物を使用して精製した。
【0074】
-ジ(tert-ブチル)イソブチルシリル-5’-ジメトキシトリチル-2’-デオキシシチジン3’-O-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルホスホルアミダイト(26)。収率:87%。31P NMR(CDCl):148.67、148.43。H NMR(CDCl,400MHz)δ:7.88~7.80(1H,dd)、7.49~7.45(2H,m)、7.37~7.27(7H,m)、6.90~6.86(4H,m)、6.35~6.29(1H,m)、5.53~5.51(1H,m)、4.71~4.62(1H,m)、4.49(1H,bs)、4.20~4.16(1H,m)、3.89~3.77(7H,m)、3.72~3.58(3H,m)、3.51~3.35(2H,m)、2.68~2.58(2H,m)、2.52~2.49(1H,m)、2.30~2.22(1H,m)、2.11~2.04(1H,m)、1.29~1.25(1H,m)、1.23~1.20(9H,m)、1.14~1.10(22H,m)、1.02-0.97(9H,m)。13C NMR(CDCl)δ:158.71、155.07、144.68、140.67、135.58、130.13、128.15、127.89、126.90、117.75、117.60、113.12、96.12、96.04、86.60、85.82、85.77、85.16、85.11、84.98、84.92、62.91、62.61、58.64、58.26、43.30、43.14、40.75、40.53、28.59、26.10、24.79、24.33、24.26、20.66、20.41、20.18。ESI-MS(m/z):928.5201(M+H)
【0075】
-ジ(tert-ブチル)イソブチルシリル-5’-ジメトキシトリチル-2’-デオキシアデノシン3’-O-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルホスホルアミダイト(27)。収率:81%。31P NMR(CDCl):148.51、148.49。H NMR(CDCl,400MHz)δ:8.30(1H,s)、7.98~7.96(1H,d)、7.47~7.44(2H,m)、7.37~7.34(4H,m)、7.31~7.23(3H,m)、6.87~6.83(4H,m)、6.46~6.43(1H,m)、4.86~4.78(1H,m)、4.34~4.28(1H,m)、3.92~3.82(7H,m)、3.78~3.62(3H,m)、3.47~3.32(2H,m)、3.02~2.94(1H,m)、2.70~2.57(2H,m)、2.55~2.52(1H,m)、2.18~2.11(1H,m)、1.25~1.16(30H,m)、1.10~1.08(3H,m)、1.03~1.00(7H,m)。13C NMR(CDCl)δ:158.64、158.09、152.37、149.19、144.86、138.72、135.86、135.67、130.11、129.99、128.09、127.78、126.74、122.27、117.76、117.64、113.05、86.31、85.66、85.45、84.27、74.14、73.97、73.54、73.37、63.67、63.53、58.54、58.26、43.30、43.18、39.03、38.93、28.62、26.25、26.21、24.80、24.42、24.38、24.31、21.02、20.79、20.44、20.37、20.29、20.22。ESI-MS(m/z):952.5279(M+H)、974.5130(M+Na)
【0076】
-ジ(tert-ブチル)イソブチルシリル-5’-ジメトキシトリチル-2’-デオキシグアノシン3’-O-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルホスホルアミダイト(28)。収率:79%。31P NMR(CDCl):149.03、148.52。H NMR(CDCl,400MHz)δ:7.83~7.77(1H,d)、7.51~7.48(2H,m)、7.39~7.24(7H,m)、6.90~6.86(4H,m)、6.41~6.38(1H,t)、4.65~4.60(1H,m)、4.54(1H,bs)、4.30~4.28(1H,m)、3.86~3.76(7H,m)、3.73~3.61(3H,m)、3.43~3.33(2H,m)、2.8
5~2.45(4H,m)、2.25~2.17(1H,m)、2.12~2.05(1H,m)、1.23~1.15(48H,m)、1.06-0.97(18H,m)。13C NMR(CDCl)δ:160.64、159.27、158.67、154.21、144.77、136.28、135.71、135.60、130.08、128.11、127.87、126.80、117.56、117.14、113.13、86.39、85.40、85.09、83.79、83.63、63.78、63.48、58.37、58.16、43.34、43.18、40.88、40.55、28.74、28.09、26.30、26.17、24.89、24.69、24.52、24.45、24.36、24.29、21.90、21.37、20.77、20.73、20.71、20.62、20.40、20.33、20.22、20.15。ESI-MS(m/z):1188.6903(M+Na)
【0077】
実施例2
BIBS保護モルホリノホスホラジアミダイトを使用するモルホリノオリゴヌクレオチドの合成
一旦、実施例1に記載されるシントンが利用可能となると、次の目標は、ボランホスホロアミデートモルホリノ誘導体を作製し、これらの化合物を対応するPMOに変換するため固相合成サイクルを最適化することであった。合成サイクルを図4及び表1に概説する。合成に先立って、ポリスチレン支持体に連結された2’-デオキシリボチミジン上の5’-DMT基を、10%トリメチルホスファイトボラン(TMPB)を含むクロロホルム中の0.5%トリフルオロ酢酸で除去した。
【0078】
4,5-ジシアノイミダゾール(DCI)を含む無水アセトニトリル中において、5’-未保護-2’-デオキシリボヌクレオシド(図4、化合物A)をシントン9、14、19又は24のうちの1つと反応させて(図4、「1.縮合」)、ホスホルアミダイトジエステルヌクレオチド間結合を有する二量体を生成した(図4、化合物B)。カップリングの待ち時間は300秒であった。ホウ素化、キャッピング(図4、「2.ホウ素化」及び3.「キャッピング」)及び脱トリチル化(図4、「4.脱保護」)に続いて、このサイクルの反復は、PMOへの更なる変換の準備ができている生成物を生成した。
【0079】
【表1】
【0080】
合成の後、支持体をアセトニトリルで洗浄し、ヌクレオチド間結合からシアノエチル基を除去するためトリエチルアミン:アセトニトリルの1:1混合物で600秒間処理し(図4、「5.シアノエチルの除去」)、アセトニトリル及びジクロロメタンで数回洗浄して残留トリエチルアミンを除去し、乾燥した。次に、ポリスチレン支持体をカラムから取り去り、1.5mL容のネジ蓋ガラス反応バイアルに入れた。
【0081】
モルホリノボランホスホロアミデートをN,N-ジメチルアミノPMOへ変換するため、モルホリノボランホスホロアミデートを0.05Mヨウ素及び2.0Mジメチルアミンのテトラヒドロフラン溶液で一晩処理した(図4、「6.ヨウ素/ジメチルアミン」)。樹脂をアセトニトリルで繰り返し洗浄し、次いでオリゴヌクレオチドをテトラブチルアンモニウムフルオリド(TBAF)の1.0MTHF溶液で処理してBIBS保護基を除去した(図4、「7.シリル脱保護」)。(EtNHFはホスホロジアミデート結合を加水分解したため、この試薬をこれらのシリル基を除去するため使用することはできなかった)。
【0082】
シリル保護基の除去後に酸化的アミノ化反応を行った場合、シトシンのN-4におけるアミン置換が観察された(図5)。図4の反応工程6及び反応工程7に表されるように、脱シリル化に先立って酸化的アミノ化反応を行うことにより、この課題を克服した。
【0083】
一旦シリル基が除去されると、30%水酸化アンモニウムを使用してオリゴヌクレオチドを支持体から切断し(図4、「8.支持体からの切断」)、0.2μm遠心分離フィルターを使用してポリスチレン樹脂を除去し、溶液をIllustra NAP-25カラムを通過させてフッ化塩を除去した。Amicon(商標)Ultra-15 3K遠心分離フィルター装置を使用し(より短い失敗した配列を除去するため)、各PMOを用いて追加の精製工程を行った。次いで、オリゴヌクレオチドを更なる特性評価及び他の研究に使用した。
【0084】
この合成をABI 394合成装置で行った。全ての合成を、スクシネート結合を介して少量のポリスチレン固体支持体につなげられた5’-DMT2’-デオキシチミジンを使用して0.2マイクロモルスケールで行った。モルホリノオリゴヌクレオチドの合成のため、カップリング時間を300秒に増加させて標準的な2.0マイクロモルの合成サイクルを使用した。脱トリチル化工程の後にメタノールで洗浄した。全てのホスホルジアミダイト(9、14、19又は24;0.1M)を無水CHCNに溶解した。10%TMPBを含む無水CHCl中のTFAの0.5%溶液を使用して、脱トリチル化を行った。ホウ素化に対する溶液(THF中、0.05M BH-THF複合体)を使用に先立って新たに作製した。活性化(4,5-ジシアノイミダゾール)及びキャッピングのための試薬をGlen Researchから購入した。合成サイクルの段階的な説明を表1に記載する。
脱保護を以下の2工程で行った:固体支持体に連結されたボラン-ホスホルアミデートモルホリノオリゴヌクレオチドを、最初にトリエチルアミンの1:1アセトニトリル溶液で10分間処理した後、アセトニトリルで広範囲に洗浄した。次いで、アルゴン流を使用して樹脂を乾燥し、ガラスバイアルに移した。ヨウ素(0.05M)及びTHF中のジメチルアミン(2.0M)の溶液をガラスバイアルに添加した。アンモニアとの反応のため、同量のヨウ素をアンモニア(2.0M)のイソプロパノール溶液に溶解し、この溶液を樹脂に添加した。次いで、ガラスバイアルを24時間に亘り機械的シェーカーに置いた。メチルアミン及びモルホリノジアミデート誘導体の合成のため、各アミンの2.0MTHF溶液を使用した。
【0085】
樹脂の入ったバイアルを4000rpmで遠心分離し、上清をピペットで除去した。その後、アセトニトリルの2mLアリコートで樹脂を4回~5回洗浄し、勢いよく振盪し、
4000rpmで5分間遠心分離機に置き、上清を除去した。アミノ修飾モルホリノ誘導体については、イソプロパノールのアンモニア溶液を真空下で除去した。これらのモルホリノオリゴヌクレオチドを、一晩のフルオリド(テトラブチルアンモニウムフルオリドの1.0MTHF溶液1.0mL)処理によって脱シリル化した。次いで、樹脂から生成物を除去するため樹脂を37%水酸化アンモニウム水1mLで1時間処理し、0.2μm遠心分離フィルターを使用してポリスチレン樹脂ビーズを除去した。
【0086】
Milipore水0.5mLを添加することによって各溶液の全容量を2.5mLまで希釈し、PMOをIllustra(商標)NAP(商標)-25カラム(GE Healthcare)を使用して脱塩した。最初に、これらのカラムを25.0mLの水で平衡化した。
水が重力流動によってゲル床に完全に入った後、2.5mLの試料をカラムに充填し、Milipore水3.5mLを使用して精製された試料を溶出した。AMICON(商標)Ultra-4 3K装置を使用して、10個超のヌクレオチドを有するオリゴヌクレオチドに対して第2の工程の精製を行った。Napカラム精製後に蓄積した溶液(総容量3.5mL)をAmicon装置に充填し、4000×gで30分間遠心分離した。濃縮溶質を、同様に、Milipore水3.0mLで2回洗浄した。オリゴヌクレオチドを収集し、様々な実験に使用した。
【0087】
5-(エチルチオ)-1H-テトラゾール(ETT)によるウリジンモルホリノホスホルアミダイト(B=ウラシルであることを除いて9に類似する)のsiRNA配列への組み込み、及び水性ヨウ素よる得られたモルホリノホスホルアミダイトヌクレオチド間結合の対応するホスホルアミデートモルホリノ結合へのその後の変換が報告されている(Tetrahedron Letters 2008, 49:3570-73、Bioorg. Med. Chem., 2009, 17:2441-46)。しかしながら、本発明者らは、化合物9、14、19及び24においてETT(pK=4.3)がモルホリン及びN,N-ジイソプロピルアミンの両方を活性化したことを見出した(図3)。その結果、モルホリンの活性化に続くホウ素化及びヨウ素/ジメチルアミン酸化が、それ以上伸長することができない5’-N,N-ジイソプロピルアミノ-ホスホロジアミデート(図4、化合物C)を有するキャップされたPMOオリゴヌクレオチドをもたらすことから、それらの文献プロトコルに従って非常に低い収率の最終PMO生成物が観察された(図4)。更にこの課題を考察するため、幾つかのより酸性が抑えられた活性化物質(テトラゾール、サッカリン-1-メチルイミダゾール、4,5-ジシアノイミダゾール)を試験して、N,N-ジイソプロピルアミン(pK=11.1)と反応し得るが、モルホリン(pK=8.3)とは最小限しか反応し得ないものを同定した。ODN1(表2)に対応する配列を有するPMOの合成においてスクリーニングされた活性化物質のうち、4,5-ジシアノイミダゾール(pK=5.2、0.12M、300秒のカップリング時間を有する)は、低いレベルの副生成物と共に、最も高い収率(67%)の所望のPMOを生成した(補足情報、図S2)。カップリング工程の後に合成されたモルホリノホスホルアミダイトジエステル(図4、化合物B)がキャッピング溶液に不安定であるため、キャッピング工程に先立って、リン(IV)モルホリノ化合物(図4、化合物D)を生成するためホウ素化を行った。ホウ素化の後、支持体をアセトニトリルで洗浄し、無水酢酸を使用して失敗した配列をキャップし、10%TMBP及び0.5%TFAのクロロホルム溶液を使用して脱トリチル化を行った(化合物Dはこれらの酸性脱トリチル化条件に対して安定であった)。
【0088】
図4に概説されるこの合成手順を使用して、チミンヌクレオシド塩基のみを有する三量体を合成し、ヨウ素/N,N-ジメチルアミンによってN,N-ジメチルアミノPMO誘導体へと変換し、アンモニアを用いて支持体から取り除いて、LCMSによって分析した。LCプロファイル(図6、右パネル)に示される4つの主なピークは、生成物の4つのジアステレオマーについて予測された質量スペクトルを有する(算出質量902.3、実測901.3)。粗製反応混合物による全てのピークの合わせた面積をこれらのジアステ
レオマーに対するピーク面積と比較することで、化合物29は収率94%と計算された。二量体が作製される同様の実験において、第1のカップリング収率は、他の報告される手順よりもはるかに良好な96%ということがわかった(Bioorg. Med. Chem. Lett. 2012,
22:1445-47、Tetrahedron Letters, 2015, 56;4565-68)。
【0089】
【表2】
【0090】
このアプローチ使用してオリゴチミジン(表2、ODN1及び2)及び4つ全ての塩基(表2、ODN3~8)を有するN,N-ジメチルアミノPMOを合成し、LCMSによって特性評価した。12ヌクレオシド長~16ヌクレオシド長のPMOはRNA発現の有効な阻害物質(スプライシングの妨害又はmRNA翻訳の妨害のいずれかを介する)であることが確立されていたため、本発明者らは、次に、4つ全ての塩基を有する16-mer(表2、ODN8)の合成を行った。未精製の反応混合物のLCMSクロマトグラムは、収率(単離された10 A260単位)及びこのODNの質量分析の両方が満足できるものであったことを示した。
【0091】
実施例3
PMO-DNAキメラの合成
PMO-DNAキメラの合成のため、4,5-ジシアミノイミダゾール(0.12M及び300秒のカップリング時間)及びETT(0.25M及び180秒のカップリング時間)を、モルホリノホスホルジアミダイトシントン(9、14、19又は24)及び5’-ジメトキシトリチル-2’-デオキシリボヌクレオシド-3’-ホスホルアミダイト(25、26、27又は28)に対してそれぞれ使用した。縮合の後、モルホリノホスホルアミダイトジエステルをリン(IV)ボラン結合に変換し、THF/水/ピリジン中の0.02Mヨウ素による標準的な酸化を使用してホスファイトトリエステルをホスフェートトリエステルに変換した。所望の配列/長さのPMO-DNAキメラが作製されるまでこれらの合成工程を繰り返した。表1はこれらの合成工程を概説する。
【0092】
PMO-DNAキメラは科学界にとって目新しく、様々な研究プロジェクトに有用であると証明されることができたため、幾つかのPMO-DNAキメラを合成した(表2、ODN9~16)。最初に、これらのキメラを、4つのN,N-ジメチルアミノPMO結合
を含む一連の21-merのオリゴチミジンとして作製した。これらの21-merにおいて、モルホリノジアミデート結合を、5’末端若しくは3’末端のいずれかに隣接して、又は21merの真ん中付近に近接して、またオリゴマーを通して第3位毎に置いた(表2;ODN9、10、11、12及び13)。これらのキメラに対して、ヨウ素による活性化の際のジエチルアミンによるボランの置換は効率的に進行し、粗反応混合物のLCMSによる分析は、予想されるホスホロジアミデート結合がほぼ定量的収率で形成されたことを明らかにした。これらの有望な結果は、4つ全てのヌクレオ塩基を様々な場所に含み、多数のPMO結合を含むPMO-DNAキメラの合成(表2;ODN14、15及び16)をもたらした。反応混合物のLCMS分析及び31 NMRは、予想されたPMO-DNAキメラが平均収率10~20 A260単位(0.2μMの合成サイクルから)によって高収率で得られたことを実証した。これらの実験もまた、ジメチルアミンによる処理がスクシネート結合の計測可能な切断及び合成中に生成物の喪失をもたらさないことを実証した。
【0093】
実施例4
アミノ結合、N-メチルアミノ結合及びモルホリノ結合を有するPMOの固相合成
ボランホスホネート結合は、多数の求核分子による置き換えに対して、ヨウ素によって活性化され得ることが知られている。したがって、N,N-ジメチルアミノ-ホスホロジアミデート結合を有するPMO類縁体を合成することによるこの新たな合成経路を試験することに加えて、本発明者らは、幾つかの新たなPMO-DNA誘導体を生成するため他のアミンを使用することができるかどうか調べることにした。
【0094】
最初に、このオリゴマーの中心付近に4つのボランホスホルアミデートモルホリノ結合を有するオリゴチミジン21-merを合成した。このオリゴヌクレオチドを含む支持体を、ヨウ素酸化条件下でN-メチルアミン、アンモニア、及びモルホリンで処理した3つの試料に分け、その後、逆相カラムクロマトグラフィーを使用して精製した。さらに、4つ全ての塩基及びアミノ-ホスホロジアミデートヌクレオチド間結合を有する混合配列のPMO-DNAキメラを合成し、ここでは、ジアミデート結合の位置をこれらのキメラの5’末端、3’末端、及び5’/3’末端に配置した。これらのPMOの配列及びLCMSによる質量分析を表3に列挙する。収率は、N,N-ジメチルアミノPMOキメラについて得られたものに匹敵した。
【0095】
【表3】
【0096】
実施例5
PMO-DNAキメラの融解温度
修飾PMO-DNAキメラの標的結合能力を評価するため、アミノ、メチルアミノ、モルホリノ及びジメチルアミノ-モルホリノヌクレオチド間結合を有する2’-デオキシオリゴチミジンを用いて二重鎖ハイブリダイゼーション研究を行った。二重鎖の全体濃度1
.0μM、バッファー(1.0M NaCl、10mMリン酸ナトリウム、pH7.1)中1:1の比でPMO11、17、18及び19を21ヌクレオチド長の2’-デオキシリボ-又はリボアデノシン-オリゴヌクレオチドと混合した。試料を96℃で変性し、15℃まで冷却した。その後、試料を1℃/分の速度で加熱し、A260対時間を記録した。融解温度を半分解離の温度とし、一次導関数プロット(表4)から得た。
【0097】
PMO11、17、18及び19のRNAヘテロ二重鎖の融解温度研究は、ホスホロジアミデートヌクレオチド間結合の導入が、修飾されていない二重鎖と比べてPMO:RNA二重鎖を安定化したことを示した。安定化の増加傾向は、アミノ>N-メチルアミノ>N,N-ジメチルアミノ>モルホリノであった。PMO-DNAキメラに2’-デオキシリボアデノシン21merと二重鎖を形成させる場合、モルホリノ類縁体を除いて、修飾されていないDNA・DNA二重鎖のTと比較すると、同様の傾向が観察された。
【0098】
【表4】
【0099】
実施例6
キメラPMO-RNAヘテロ二重鎖のRNアーゼH1活性
N,N-ジメチルアミノPMO-DNAキメラを、RNアーゼH1活性を刺激するそれらの能力について試験した。試験系は、5’-O-フルオレセイン標識RNA及び相補性N,N-ジメチルアミノPMOキメラで構成された。
【0100】
5’-フルオレセインPMO-DNAキメラの合成。ボランホスホルアミデートモルホリノキメラのDMT-ON合成の完了後、ODNを標準的なDNA合成サイクルを使用して、5’-Amino-Modifier C6-TFA(Glen research)と共役させ
た。環外のアミンのヨウ素酸化反応及び脱シリル化を行った後、逆相HPLCを使用してオリゴヌクレオチドを精製した(バッファーA:重炭酸トリエチルアンモニウム、0.05M、バッファーB:アセトニトリル;0%→100%B 50分間;55℃;流速4.0mL/分)。精製されたODNを、1:1 NHOH:CHNHの溶液1mLに溶解し、65℃で3時間加熱してトリフルオロアセトアミド基を除去した。反応混合物を乾燥し、20mMリン酸ナトリウム及び0.15M NaClを含むバッファー(200マイクロL)(pH8.0)に溶解し、濃度を測定した。20倍のモル過剰の5-(及び6-)カルボキシ-フルオレセインスクシンイミジルエステル(Thermo Fisher Scientific)をDMSOに溶解し、ODN溶液に添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌した後、4℃で3時間に亘って撹拌した。反応混合物を300マイクロLの水で希釈し、ILLUSTRA(商標)NAP(商標)-5カラムを使用して過剰なNHS-フルオレセインを除去した。分析したPMOは、いずれかの末端にN,N-ジメチルアミノPMO結合、及び類縁体の中心に3-7ホスホジエステル結合を有するキャップ/ギャップ配列を含むオリゴチミジン14-mer(ODN24~ODN26、表5)であった。対照は、相補性DNA及び2’-O-メチルRNA(それぞれRNアーゼH1活性を活性化するもの、
及び刺激しないもの)であった。これらのキャップ/ギャップオリゴヌクレオチド類縁体はいずれもRNA加水分解を活性化することがわかった。
【0101】
E.コリ(E. coli)RNアーゼH1によるRNAヘテロ二重鎖の加水分解。E.コリ
RNアーゼH1(Promega)の実験を以前に記載される条件(J. Am. Chem. Soc., 2003, 125:940-50)を使用して行った。50mM Tris-HCl(pH8.0)、20mM
KCl、9mM MgCl、1mM β-メルカプトエタノール及び250μg/mLウシ血清アルブミンのアッセイバッファーを使用して、上記反応を行った。オリゴデオキシヌクレオチド又は修飾されたオリゴデオキシヌクレオチド(200pmol)及び5’-O-フルオレセイン標識相補性オリゴリボヌクレオチドをアッセイバッファー(35μL)に添加した。E.コリのRNアーゼH1(3単位)の添加に続いて、25℃で12時間に亘り反応を行った。トラッキング色素を含む同じ容量の80%ホルムアミドゲルローディングバッファーで反応混合物を希釈し、ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって分析した(20%、19:1架橋、7M尿素)。全ての反応を3回繰り返して行った。Molecular Dynamics Typhoon Phosphorimagerを使用して現像したゲルを分析した。
【0102】
【表5】
【0103】
実施例7
細胞取り込み
脂質系トランスフェクション試薬を使用して細胞に帯電していないPMOを送達することができないため、一般的に使用されるsiRNAトランスフェクション試薬であるDharmafect 1の存在下で、これらのPMO-DNAキメラの細胞取り込みを調べた。PMO-DNAキメラを合成し(ODN27、5’-FL-Tt、これらの略称の説明については表2を参照されたい)、ここで、内部の通常のヌクレオチドは、5’-末端及び3’-末端においてN,N-ジメチルアミノPMOヌクレオチドに挟まれる。また、ODN27は、6炭素リンカーによってつながれたフルオレセイン色素(FL)を含んだ。Dharmafect 1の存在下、生細胞及び固定した細胞を用いてHeLa細胞をODN27(100nM濃度)でトランスフェクションし(図7)、それぞれ20時間及び18時間のインキュベーションの後、蛍光顕微鏡によって画像化した。
【0104】
顕微鏡画像によって観察される脂質トランスフェクション。ODN27原液を200マイクロLのOptiMEMで最終濃度0.1マイクロM ODNまで希釈した。別々のエッペンドルフチューブにおいて、5.0マイクロLのDharmaFECT 1を200マイクロLのOptiMEMで希釈した。ODN27の溶液200マイクロLとDhamaFECT 1溶液を混合し、20分間平衡化させ、600マイクロLのOptiMEMを添加した。10%FBS及びペニシリンストレプトマイシン(penstrep)を含むDMEM培地中、6ウェルプレートに置いたカバーガラス上、0.3×10細胞/ウェルでHela細胞を蒔いた。24時間後、培地を除去し、80%培養密度でトランスフェクショ
ンする前に、細胞を2回洗浄した(2.0mL D-PBS/洗浄)。D-PBSをHela細胞から取り除き、1.0mLのトランスフェクション混合物を各ウェルに添加した。その後、細胞を37℃で18時間インキュベートし、2回洗浄した(2.0mL D-PBS/洗浄)。10%の中性バッファーホルマリン1.0mLで細胞を15分間覆った。ホルマリン溶液を除去し、室温にて10分間DPBS 3.0mLで細胞を覆った。カバーガラスをウェルから取り除き、封入剤としてDAPIを含むFlouromount-Gを使用してカバースライドに上下逆さまに封入し、Hamamatsu C4742-95 CCD及びCoolSNAP ESデジタルカメラを備えた倒立顕微鏡(OlympusIX 81)を使用して観察した。
【0105】
細胞を100nMのODN27でインキュベートする場合に蛍光シグナルの増加が観察されたことから、トランスフェクションは用量依存的であった。蛍光は、主として核に分布されるよう見えるが、多くの類縁体に見られる共通の断続的な(punctuated)構造物を有しない細胞質分布の痕跡も存在する。
【0106】
本発明の上記実施例は例示及び説明目的で提示されている。さらに、これらの実施例は本発明を本明細書に開示される形態に限定することを意図していない。結果として、本明細書の教示に応じた変更及び修正、並びに関連分野の技術又は知識が本発明の範囲内となる。本明細書で与えられる実施例に記載される特定の実施形態は、本発明を実施するのに知られるベストモードを更に説明するものであり、当業者がかかる又は他の実施形態において本発明の特定用途又は使用に要求される様々な変更を加えて本発明を利用することが可能であることを意図している。添付の特許請求の範囲は従来技術によって許容される程度に代替的な実施形態を包含するように解釈されることを意図している。
【0107】
これは、かかる多項従属を認めない管轄特許庁における方式要件に適合するように、添付の請求項が多項従属を伴わずに起草される範囲で行われたに過ぎない。多項従属請求項を与えることによって含意され得る特徴の全ての可能性のある組み合わせが明示的に意図されるべきであり、また本発明の一部とされるべきであることに留意されたい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7