特許 7623051 組立式ＲＣプレキャスト柱－ＲＣ梁の接続ノード及びその工事方法

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B2)

(11)【特許番号】

(24)【登録日】2025-01-20

(45)【発行日】2025-01-28

(54)【発明の名称】組立式ＲＣプレキャスト柱－ＲＣ梁の接続ノード及びその工事方法

(51)【国際特許分類】

   E04B 1/21 20060101AFI20250121BHJP

   E04B 1/58 20060101ALI20250121BHJP

【ＦＩ】

E04B1/21 B

E04B1/58 505A

【請求項の数】 4

【外国語出願】

(21)【出願番号】P 2024051489

(22)【出願日】2024-03-27

(65)【公開番号】P2024149409

(43)【公開日】2024-10-18

【審査請求日】2024-03-27

(31)【優先権主張番号】202310365810.6

(32)【優先日】2023-04-07

(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN

【早期審査対象出願】

(73)【特許権者】

【識別番号】521362302

【氏名又は名称】海南大学

(74)【代理人】

【識別番号】100145403

【弁理士】

【氏名又は名称】山尾 憲人

(74)【代理人】

【識別番号】100132241

【弁理士】

【氏名又は名称】岡部 博史

(72)【発明者】

【氏名】陳 雲

(72)【発明者】

【氏名】付 前旺

(72)【発明者】

【氏名】雷 拓

【審査官】須永 聡

(56)【参考文献】

【文献】中国特許出願公開第１１５６５３０９８（ＣＮ，Ａ）

【文献】中国特許出願公開第１０４７７５５１６（ＣＮ，Ａ）

【文献】中国特許出願公開第１０３７４１８１７（ＣＮ，Ａ）

【文献】中国特許出願公開第１１３１５２６６９（ＣＮ，Ａ）

【文献】中国特許出願公開第１１５６８０１１６（ＣＮ，Ａ）

【文献】中国実用新案第２０９２１１６１８（ＣＮ，Ｕ）

【文献】中国実用新案第２１４３２９２６４（ＣＮ，Ｕ）

【文献】特開２００８－１１１２９０（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開平０７－１５８１６１（ＪＰ，Ａ）

(58)【調査した分野】(Int.Cl.，ＤＢ名)

Ｅ０４Ｂ １／２１

Ｅ０４Ｂ １／３８－１／６１

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

組立式ＲＣプレキャスト柱－ＲＣ梁の接続ノードであって、上部接続鋼スリーブ（３）、下部接続鋼スリーブ（５）、ＲＣプレキャスト柱（１）及びＲＣ梁（２）を含み、前記上部接続鋼スリーブ（３）及び下部接続鋼スリーブ（５）の断面形状は何れもＲＣプレキャスト柱（１）の断面形状に合っており、
前記上部接続鋼スリーブ（３）の筒体の内部には上部鉄筋アンカプレート（４）が固定され、上部鉄筋アンカプレート（４）は上部接続鋼スリーブ（３）の内部を上下の２つのキャビティに分け、上部鉄筋アンカプレート（４）の上方キャビティの筒壁にはいくつかのペグ（７）の一部が固定され、上部鉄筋アンカプレート（４）の上方の上部接続鋼スリーブ（３）は梁柱コア領域の上方のＲＣプレキャスト柱（１）の底端に外嵌され、ＲＣプレキャスト柱（１）の内において柱縦筋（１０１）は上部鉄筋アンカプレート（４）を貫通してナット（１０）によってロックされ、上部鉄筋アンカプレート（４）の上方のペグ（７）の他の一部はＲＣプレキャスト柱（１）に埋設され、
前記下部接続鋼スリーブ（５）の底端は梁柱コア領域の先端に対応して設けられ、その筒体の内部には下部鉄筋アンカプレート（６）が固定され、下部鉄筋アンカプレート（６）は下部接続鋼スリーブ（５）の内部を上下の２つのキャビティに分け、下部鉄筋アンカプレート（６）の下方キャビティの筒壁にはいくつかのペグ（７）が固定され、梁柱コア領域の下方のＲＣプレキャスト柱（１）の内において柱縦筋（１０１）は垂直方向に梁柱コア領域及び下部鉄筋アンカプレート（６）を貫通して、ナット（１０）によってロックされ、
前記ＲＣプレキャスト柱（１）の末端及び梁柱コア領域の柱フープ筋（１０２）は何れも密集して配置され、梁柱コア領域内の柱縦筋（１０１）の間には斜めブレース鉄筋（９）が固定されて配置され、
上部接続鋼スリーブ（３）の下部口と下部接続鋼スリーブ（５）の上部口とは、垂直方向に整合して突き合わせられ、継ぎ目で溶接されて閉鎖され、グラウトユニット（８）によって上部接続鋼スリーブ（３）、下部接続鋼スリーブ（５）及び梁柱コア領域の内部空間にはコンクリートが埋められ、
前記グラウトユニット（８）はグラウト注入管（８０１）、排気管（８０２）及びグラウト孔（８０３）を含み、前記グラウト注入管（８０１）及び排気管（８０２）は何れも埋め込まれるように梁柱コア領域の上部ＲＣプレキャスト柱（１）内に設けられ、両者の管体の一端は上部鉄筋アンカプレート（４）を貫通して上部接続鋼スリーブ（３）の下部キャビティまで延在し、他端はＲＣプレキャスト柱（１）の外側まで延在し、グラウト注入管（８０１）及び排気管（８０２）は上部接続鋼スリーブ（３）の下部キャビティと外部とを連通させ、前記グラウト孔（８０３）は、下部鉄筋アンカプレート（６）に設けられており、下部鉄筋アンカプレート（６）の上下両側の下部接続鋼スリーブ（５）のキャビティを連通させることを特徴とする組立式ＲＣプレキャスト柱－ＲＣ梁の接続ノード。

【請求項2】

前記柱フープ筋（１０２）の密集セグメントの長さは、ＲＣプレキャスト柱（１）の断面の長辺の長さの以上であることを特徴とする請求項１に記載の組立式ＲＣプレキャスト柱－ＲＣ梁の接続ノード。

【請求項3】

前記グラウト注入管（８０１）及び排気管（８０２）は、上部鉄筋アンカプレート（４）の同一の対角線に設けられるとともに、上部鉄筋アンカプレート（４）の中心位置の両側にそれぞれ設けられることを特徴とする請求項１に記載の組立式ＲＣプレキャスト柱－ＲＣ梁の接続ノード。

【請求項4】

請求項１～３の何れか１項に記載の組立式ＲＣプレキャスト柱－ＲＣ梁の接続ノードの工事過程に適用される組立式ＲＣプレキャスト柱－ＲＣ梁の接続ノードの工事方法であって、
ＲＣプレキャスト柱（１）を製造して、柱縦筋（１０１）の末端に斜めブレース鉄筋（９）、上部接続鋼スリーブ（３）及び下部接続鋼スリーブ（５）を事前に固定するステップ１と、
梁柱コア領域の下部のＲＣプレキャスト柱（１）を取り付けるステップ２と、
ＲＣ梁（２）の工事を行うステップ３と、
上部接続鋼スリーブ（３）と下部接続鋼スリーブ（５）とを垂直方向に整合させるように、梁柱コア領域の上部のＲＣプレキャスト柱（１）を吊り上げるステップ４と、
梁柱コア領域の上部のＲＣプレキャスト柱（１）の位置をチェックして、上部接続鋼スリーブ（３）と下部接続鋼スリーブ（５）とを両者の継ぎ目で溶接して固定するステップ５と、
梁柱コア領域のテンプレートを支持して配置するステップ６と、
グラウトユニット（８）によって上部接続鋼スリーブ（３）、下部接続鋼スリーブ（５）及び梁柱コア領域の内部空間にコンクリートを注入して、緻密になるように振動させるステップ７と、
梁柱コア領域のコンクリートが所定強度に達した後、脱型を行って、次のＲＣプレキャスト柱（１）の吊り上げ工事を行うステップ８と、を含むことを特徴とする組立式ＲＣプレキャスト柱－ＲＣ梁の接続ノードの工事方法。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は組立式建築工事の技術分野に関わり、具体的に組立式ＲＣプレキャスト柱－ＲＣ梁の接続ノード及びその工事方法に関わっている。

【背景技術】

【0002】

中国の組立式建築が７０年以上発展しており、最初の手作業から機械化の生産に至るまで、外国の高度な技術を学びなから独自に革新できるようになるまで、その期間、浮き沈みを経験した。

【0003】

経済及び科学技術の発展に伴って、現場打ち建築モードの利点は徐々に失って、組立式建築は将来の中国建築業の主な発展方向となっている。また、過去の５年間、国家は多くの重要な政策を次々に出して、組立式建築の発展を精力的に推進し始めた。ＲＣ（Ｒｅｉｎｆｏｒｃｅ Ｃｏｎｃｒｅｔｅ）柱は組立式建築における重要な垂直方向支持部材であり、ＲＣ梁は組立式建築における主な曲げ部材であり、梁柱ノードを深く研究することで、組立式建築の応用及び開発の促進に決定的な影響を与える。

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

鉄筋コンクリート骨組構造の接続ノードは上下のＲＣ柱、ＲＣ梁及び床スラブが交差して結合する箇所であり、構造設計の過程で一般的に配筋を補強する必要があるため、骨組構造ノードの鉄筋は縦横に交差して、非常に密集しており、組立式コンクリート骨組構造として、ＲＣプレキャスト柱、ＲＣプレキャスト梁、プレキャスト床スラブなどの部材には何れも予備鉄筋が設けられており、如何に互いに衝突しないようにこれらの鉄筋を集合し、且つ耐荷力を合理にするかということは、配慮しなければならない重要な問題であるとともに、工場プレキャスト加工、現場吊り上げ・組立工事にとって解決しようとする主な問題である。ノード領域の鉄筋が密集するため、ＲＣプレキャスト柱の縦筋はノード内においてスリーブ注入の方式で単一柱の縦筋を１本ごとに接続する場合、工事空間が小さく、接続の困難さが大きく、工事効率が低く、工事品質を保証しにくいという問題が存在する。

【0005】

背景技術に記載の技術問題を解決するために、本発明は組立式ＲＣプレキャスト柱－ＲＣ梁の接続ノード及びその工事方法を提出することを目的とする。

【課題を解決するための手段】

【0006】

上記技術目的を実現するために、本発明は以下の技術方案を採用し、
組立式ＲＣプレキャスト柱－ＲＣ梁の接続ノードは上部接続鋼スリーブ、下部接続鋼スリーブ、ＲＣプレキャスト柱及びＲＣ梁を含み、前記上部接続鋼スリーブ及び下部接続鋼スリーブの断面形状は何れもＲＣプレキャスト柱の断面形状に合っており、
前記上部接続鋼スリーブの筒体の内部には上部鉄筋アンカプレートが固定され、上部鉄筋アンカプレートは上部接続鋼スリーブの内部を上下の２つのキャビティに分け、上部鉄筋アンカプレートの上方キャビティの筒壁にはいくつかのペグが固定され、上部鉄筋アンカプレートの上方の上部接続鋼スリーブは梁柱コア領域の上方のＲＣプレキャスト柱の底端に外嵌され、ＲＣプレキャスト柱の内において柱縦筋は上部鉄筋アンカプレートを貫通してナットによってロックされ、上部鉄筋アンカプレートの上方のペグはＲＣプレキャスト柱に埋設され、
前記下部接続鋼スリーブの底端は梁柱コア領域の先端に対応して設けられ、その筒体の内部には下部鉄筋アンカプレートが固定され、下部鉄筋アンカプレートは下部接続鋼スリーブの内部を上下の２つのキャビティに分け、下部鉄筋アンカプレートの下方キャビティの筒壁にはいくつかのペグが固定され、梁柱コア領域の下方のＲＣプレキャスト柱の内において柱縦筋は垂直方向に梁柱コア領域及び下部鉄筋アンカプレートを貫通してナットによってロックされ、
前記ＲＣプレキャスト柱の末端及び梁柱コア領域の柱フープ筋は何れも密集して配置され、梁柱コア領域内の柱縦筋の間には斜めブレース鉄筋が固定されて配置され、
上部接続鋼スリーブの下部口と下部接続鋼スリーブの上部口とは、垂直方向に整合して突き合わせられ、継ぎ目で溶接されて閉鎖され、グラウトユニットによって上部接続鋼スリーブ、下部接続鋼スリーブ及び梁柱コア領域の内部空間にはコンクリートが埋められる。

【0007】

好ましくは、前記グラウトユニットはグラウト注入管、排気管及びグラウト孔を含み、前記グラウト注入管及び排気管は、何れも埋め込まれるように、梁柱コア領域の上部ＲＣプレキャスト柱内に設けられ、両者の管体の一端は上部鉄筋アンカプレートを貫通して、上部接続鋼スリーブの下部キャビティまで延在し、他端はＲＣプレキャスト柱の外側まで延在し、グラウト注入管及び排気管は上部接続鋼スリーブの下部キャビティと外部とを連通させ、前記グラウト孔は、下部鉄筋アンカプレートに設けられており、下部鉄筋アンカプレートの上下両側の下部接続鋼スリーブのキャビティを連通させる。

【0008】

好ましくは、前記柱フープ筋の密集セグメントの長さはＲＣプレキャスト柱の断面の長辺の長さの以上である。

【0009】

好ましくは、前記グラウト注入管及び排気管は、上部鉄筋アンカプレートの同一の対角線に設けられるとともに、上部鉄筋アンカプレートの中心位置の両側にそれぞれ設けられる。

【0010】

また、本発明は上記組立式ＲＣプレキャスト柱－ＲＣ梁の接続ノードの工事方法をさらに提供し、
ＲＣプレキャスト柱を製造して、柱縦筋の末端に斜めブレース鉄筋、上部接続鋼スリーブ及び下部接続鋼スリーブを事前に固定するステップ１と、
梁柱コア領域の下部のＲＣプレキャスト柱を十分に取り付けるステップ２と、
ＲＣ梁の工事を行うステップ３と、
上部接続鋼スリーブと下部接続鋼スリーブとを垂直方向に整合させるように、梁柱コア領域の上部のＲＣプレキャスト柱を十分に吊り上げるステップ４と、
梁柱コア領域の上部のＲＣプレキャスト柱の位置をチェックして、上部接続鋼スリーブと下部接続鋼スリーブとを両者の継ぎ目で溶接して固定するステップ５と、
梁柱コア領域のテンプレートを支持して配置するステップ６と、
グラウトユニットによって、上部接続鋼スリーブ、下部接続鋼スリーブ及び梁柱コア領域の内部空間にコンクリートを注入して、緻密になるように振動させるステップ７と、
梁柱コア領域のコンクリートが所定強度に達した後、脱型を行って、次のＲＣプレキャスト柱の吊り上げ工事を行うステップ８と、を含む。

【発明の効果】

【0011】

従来技術に比べると、本発明の有益な效果は以下の通りである。本発明において、溶接されて接続される上部接続鋼スリーブと下部接続鋼スリーブによって、梁柱コア領域の上下の中実プレキャスト柱の柱縦筋の効果的な接続を実現し、柱縦筋の接続を梁柱コア領域からずらして、工事空間が狭い梁柱コア領域内で柱縦筋を１本ごとに接続することを回避できる上に、梁柱コア領域の柱縦筋の貫通配置を保証でき、上部接続鋼スリーブと下部接続鋼スリーブとの閉鎖チャンバ、及び梁柱コア領域はコンクリート現場打ちの方式で、全体的グラウチングを実現し、工事が便利で効率的であり、接続品質が確実である。

【0012】

以下の図面を結合して詳しく記載することで、本発明の上記及び／又は他の態様、利点は明らか且つ分かりやすくなり、これらの図面は本発明を限定していなく、模式的なものに過ぎない。

【図面の簡単な説明】

【0013】

【図1】本発明による組立式ＲＣプレキャスト柱－ＲＣ梁の接続ノードの立体構造模式図

【図2】本発明による組立式ＲＣプレキャスト柱－ＲＣ梁の接続ノードの、一部の構造が除去された立体構造模式図

【発明を実施するための形態】

【0014】

以下、図面を参照して本発明の組立式ＲＣプレキャスト柱－ＲＣ梁の接続ノード及びその工事方法の実施例を記載する。ここに記載の実施例は本発明の特定の具体的な実施形態であり、本発明の構想を説明し、何れも解釈的且つ例示的なものであるため、本発明の実施形態及び範囲を限定していない。ここに記載の実施例以外、当業者はさらに、本出願の請求項及び明細書の開示内容に基づいて他の自明な技術案を採用してもよく、これらの技術案は、ここに記載の実施例に対して任意の自明な差し替え及び補正を行った技術案を含む。

【0015】

本発明の記載において、「前」、「后」、「左」、「右」、「頂」、「底」、「上」、「下」、「内」、「外」、「横」、「縦」などの用語で指示された方位又は位置関係は図面による方位又は位置関係であり、指された装置又は素子が特定の方位を備え、特定の方位で構造されて操作されなければならないと指示又は暗示していなく、ただ、本発明を便利に記載して記載を簡略化するためのものであるので、本発明を限定していない。また、用語である「第１」、「第２」は相対重要性を指示又は暗示していなく、ただ記載のためのものである。

【0016】

本明細書の図面は模式図であり、本発明の構想を説明し、各部分の形状及びその相互関係を模式的に示す。ここで、本発明の実施例の各部品の構造を明らかに示すために、各図面の間は同じ縮尺で描かれていない。同様な符号は同様な部分を示す。

【0017】

以下、図面を結合して本発明の原理及び特徴を記載し、挙げられた実施例は本発明の範囲を限定していなく、単に本発明を解釈する。以下、図１～２を結合して、本発明の好適な実施例をさらに詳しく説明し、梁柱の内部構造をより明らかに表現するために、図１～２において一部の梁柱の配筋を示していない。

【0018】

図１～図２に示すように、本発明の好適な組立式ＲＣプレキャスト柱－ＲＣ梁の接続ノードは上部接続鋼スリーブ３、下部接続鋼スリーブ５、ＲＣプレキャスト柱１及びＲＣ梁２を含み、前記上部接続鋼スリーブ３及び下部接続鋼スリーブ５の断面形状は何れもＲＣプレキャスト柱１の断面形状に合う。

【0019】

前記上部接続鋼スリーブ３の筒体の内部には上部鉄筋アンカプレート４が固定され、上部鉄筋アンカプレート４は上部接続鋼スリーブ３の内部を上下の２つのキャビティに分け、上部鉄筋アンカプレート４の上方キャビティの筒壁にはいくつかのペグ７が固定され、上部鉄筋アンカプレート４の上方の上部接続鋼スリーブ３は梁柱コア領域の上方のＲＣプレキャスト柱１の底端に外嵌され、ＲＣプレキャスト柱１の内において柱縦筋１０１は上部鉄筋アンカプレート４を貫通してナット１０によってロックされ、無論、ナット１０と上部鉄筋アンカプレート４との間にはシム板が追加されてもよく、上部鉄筋アンカプレート４の上方のペグ７はＲＣプレキャスト柱１に埋設され、ペグ７は上部接続鋼スリーブ３とＲＣプレキャスト柱１との結合強度を効果的に向上して、上部接続鋼スリーブ３がしっかりと固結されることを保証する。

【0020】

前記下部接続鋼スリーブ５の底端は梁柱コア領域の先端に対応して設けられ、その筒体の内部には下部鉄筋アンカプレート６が固定され、下部鉄筋アンカプレート６は下部接続鋼スリーブ５の内部を上下の２つのキャビティに分け、下部鉄筋アンカプレート６の下方キャビティの筒壁にはいくつかのペグ７が固定され、梁柱コア領域の下方のＲＣプレキャスト柱１の内において柱縦筋１０１は垂直方向に梁柱コア領域及び下部鉄筋アンカプレート６を貫通してナット１０によってロックされ、無論、ナット１０と下部鉄筋アンカプレート６との間にはシム板が追加されてもよい。

【0021】

前記ＲＣプレキャスト柱１の末端及び梁柱コア領域の柱フープ筋１０２は何れも密集して配置され、柱フープ筋１０２の密集セグメントの長さはＲＣプレキャスト柱１の断面の長辺の長さの以上であり、梁柱コア領域内の柱縦筋１０１の間には斜めブレース鉄筋９が固定されて配置され、柱フープ筋１０２及び斜めブレース鉄筋９に対する密集配置によって、梁柱の接続ノードの構造強度及び剪断強度を向上する。

【0022】

上部接続鋼スリーブ３の下部口と下部接続鋼スリーブ５の上部口とは、垂直方向に整合して突き合わせられ、継ぎ目で溶接されて閉鎖され、上部接続鋼スリーブ３及び下部接続鋼スリーブ５の全高は４０～１５０ｃｍであり、グラウトユニット８によって、上部接続鋼スリーブ３、下部接続鋼スリーブ５及び梁柱コア領域の内部空間にはコンクリートが埋められている。

【0023】

図２に示すように、前記グラウトユニット８はグラウト注入管８０１、排気管８０２及びグラウト孔８０３を含み、前記グラウト注入管８０１及び排気管８０２は何れも埋め込まれるように、梁柱コア領域の上部のＲＣプレキャスト柱１内に設けられ、グラウト注入管８０１及び排気管８０２は、上部鉄筋アンカプレート４の同一の対角線に設けられるとともに、上部鉄筋アンカプレート４の中心位置の両側にそれぞれ設けられており、その両者の管体の一端は上部鉄筋アンカプレート４を貫通して上部接続鋼スリーブ３の下部キャビティまで延在し、他端はＲＣプレキャスト柱１の外側まで延在し、グラウト注入管８０１及び排気管８０２は上部接続鋼スリーブ３の下部キャビティと外部とを連通させ、前記グラウト孔８０３は、下部鉄筋アンカプレート６に設けられており、下部鉄筋アンカプレート６の上下両側の下部接続鋼スリーブ５のキャビティを連通させ、連通する空間は全体的注入を実現できる上に、凝固後のコンクリート体の全体性を保証でき、さらに、ノードの強度を向上しており、グラウチング品質を保証するために、グラウト注入管８０１、排気管８０２の設置数、管径、グラウト孔８０３の開設サイズ、及び開設数は何れも計算によって決定される。

【0024】

また、本発明は上記組立式ＲＣプレキャスト柱－ＲＣ梁の接続ノードの工事方法をさらに提供し、
ＲＣプレキャスト柱１を製造し、ＲＣ梁がプレキャスト梁の形態であれば、プレキャスト梁を同期に製造して、柱縦筋１０１の末端に斜めブレース鉄筋９を事前に固定し、そして、上部接続鋼スリーブ３及び下部接続鋼スリーブ５を柱縦筋１０１の末端に外嵌して、ナット１０によってロックして固定するステップ１と、
梁柱コア領域の下部のＲＣプレキャスト柱１を十分に取り付けるステップ２と、
ＲＣ梁２の工事を行うステップ３であって、ＲＣ梁２の構造形態が限定されず、現場打ち梁であってもよいし、重ね梁又はプレキャスト梁であってもよいステップ３と、
梁柱コア領域の上部のＲＣプレキャスト柱１を十分に吊り上げ、上部接続鋼スリーブ３と下部接続鋼スリーブ５とを垂直方向に整合させるように梁柱コア領域の上部のＲＣプレキャスト柱１の位置を調節し、仮の固定措置で梁柱コア領域の上部のＲＣプレキャスト柱１を固定するステップ４と、
梁柱コア領域の上部のＲＣプレキャスト柱１の位置をチェックして、開先溶接によって上部接続鋼スリーブ３と下部接続鋼スリーブ５とを両者の継ぎ目で溶接して固定するステップ５と、
梁柱コア領域のテンプレートを支持して配置するステップ６と、
グラウトユニット８によって、上部接続鋼スリーブ３、下部接続鋼スリーブ５及び梁柱コア領域の内部空間にコンクリートを注入して、緻密になるように振動させるステップ７と、
梁柱コア領域のコンクリートが所定強度に達した後、脱型を行って、次のＲＣプレキャスト柱１の吊り上げ工事を行うステップ８と、を含む。

【0025】

以上は本発明を限定していなく、本発明の好適な実施例に過ぎず、本発明の精神及び原則内で完成した任意の補正、等価差し替え、改良などは何れも本発明の保護範囲内に該当すべきである。

【符号の説明】

【0026】

１ ＲＣプレキャスト柱
１０１ 柱縦筋
１０２ 柱フープ筋
２ ＲＣ梁
２０１ 梁主筋
２０２ 梁フープ筋
３ 上部接続鋼スリーブ
４ 上部鉄筋アンカプレート
５ 下部接続鋼スリーブ
６ 下部鉄筋アンカプレート
７ ペグ
８ グラウトユニット
８０１ グラウト注入管
８０２ 排気管
８０３ グラウト孔
９ 斜めブレース鉄筋
１０ ナット

【図1】

【図2】