(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-20
(45)【発行日】2025-01-28
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20250121BHJP
G06Q 30/06 20230101ALI20250121BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q30/06
(21)【出願番号】P 2021010165
(22)【出願日】2021-01-26
【審査請求日】2023-11-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中山 春希
【審査官】佐藤 光起
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-200651(JP,A)
【文献】特開2011-221946(JP,A)
【文献】国際公開第2006/077638(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体の利用者の行動を認識する利用者行動認識部と、
前記利用者行動認識部により、前記利用者が前記移動体による移動を開始すると推定される行動、又は、前記利用者が前記移動体から降りると推定される行動のいずれかに該当する特定行動が認識された場合に、前記利用者に対し、前記利用者
が有する前記移動体を貸出可能状態に登録する設定部を提示する情報提示部と、
管理装置と通信する通信部と、
前記設定部によって登録が指示された場合に、前記
移動体を貸出可能状態に登録する登録情報を前記通信部によって送信する情報送信部と、
を備え
、
前記情報提示部は、前記設定部を提示するときに、前記移動体を貸出可能状態にする時間を提示する、情報処理装置。
【請求項2】
前記情報提示部は、前記設定部を提示するときに、前記
移動体を貸出可能状態にする時間の候補を複数提示する、請求項
1記載の情報処理装置。
【請求項3】
移動体の利用者の行動を認識する利用者行動認識部と、
前記利用者行動認識部により、前記利用者が前記移動体による移動を開始すると推定される行動、又は、前記利用者が前記移動体から降りると推定される行動のいずれかに該当する特定行動が認識された場合に、前記利用者に対し、前記利用者
が有する前記移動体を貸出可能状態に登録する設定部を提示する情報提示部と、
管理装置と通信する通信部と、
前記設定部によって登録が指示された場合に、前記
移動体を貸出可能状態に登録する登録情報を前記通信部によって送信する情報送信部と、
を備え
、
前記移動体の位置を取得する位置情報取得部を備え、
前記情報提示部は、前記位置情報取得部によって取得された前記移動体の位置が、予め設定された特定位置にある場合に、前記設定部を提示する、情報処理装置。
【請求項4】
前記移動体の位置を取得する位置情報取得部と、
前記管理装置から、前記移動体の位置に基づいて、前記
移動体と同種の
移動体の貸出状況に関する情報を取得する貸出情報取得部と、を備え、
前記情報提示部は、前記設定部を提示するときに、前記貸出情報取得部によって取得した情報に基づいて前記
移動体を貸出可能状態にする時間を提示する、請求項
1または
2記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記利用者行動認識部は、前記移動体に搭載される機器類の電源供給状態、前記移動体が備えるドアの開閉状態、前記ドアのロック状態、及び、前記移動体の座席における着座状態の少なくともいずれかに基づき、前記利用者の行動を認識する、請求項1から
4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
移動体の利用者の行動を認識する利用者行動認識部と、
前記利用者行動認識部により、前記利用者が前記移動体による移動を開始すると推定される行動、又は、前記利用者が前記移動体から降りると推定される行動のいずれかに該当する特定行動が認識された場合に、前記利用者に対し、前記利用者
が有する前記移動体を貸出可能状態に登録する設定部を提示する情報提示部と、
管理装置と通信する通信部と、
前記設定部によって登録が指示された場合に、前記
移動体を貸出可能状態に登録する登録情報を前記通信部によって送信する情報送信部と、
を備え
、
前記情報送信部は、前記登録情報と前記移動体が有する燃料の残量を示す情報とを、前記通信部によって送信する、情報処理装置。
【請求項7】
移動体の利用者の行動を認識する利用者行動認識部と、
前記利用者行動認識部により、前記利用者が前記移動体による移動を開始すると推定される行動、又は、前記利用者が前記移動体から降りると推定される行動のいずれかに該当する特定行動が認識された場合に、前記利用者に対し、前記利用者
が有する前記移動体を貸出可能状態に登録する設定部を提示する情報提示部と、
管理装置と通信する通信部と、
前記設定部によって登録が指示された場合に、前記
移動体を貸出可能状態に登録する登録情報を前記通信部によって送信する情報送信部と、
を備え
、
前記情報処理装置は、前記移動体を撮影する撮影部を備え、
前記情報送信部は、前記登録情報と前記撮影部の撮影画像とを、前記通信部によって送信する、情報処理装置。
【請求項8】
移動体の利用者の行動を認識する利用者行動認識部と、
前記利用者行動認識部により、前記利用者が前記移動体による移動を開始すると推定される行動、又は、前記利用者が前記移動体から降りると推定される行動のいずれかに該当する特定行動が認識された場合に、前記利用者に対し、前記利用者
が有する前記移動体を貸出可能状態に登録する設定部を提示する情報提示部と、
管理装置と通信する通信部と、
前記設定部によって登録が指示された場合に、前記
移動体を貸出可能状態に登録する登録情報を前記通信部によって送信する情報送信部と、
を備え
、
前記情報送信部は、貸出可能状態に登録されている間に前記移動体が移動を開始した場合に、前記移動体の貸出可能状態の登録をキャンセルするキャンセル情報を前記通信部によって送信する、情報処理装置。
【請求項9】
前記情報提示部は、前記移動体に設けられた表示部によって前記設定部を提示し、
前記情報送信部は、前記表示部に表示された前記設定部に対する操作に基づいて、前記登録情報を前記通信部によって送信する、請求項1から
8のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
移動体の利用者の行動を認識し、
前記利用者が前記移動体による移動を開始すると推定される行動、又は、前記利用者が前記移動体から降りると推定される行動のいずれかに該当する特定行動が認識された場合に、前記利用者に対し、前記利用者
が有する前記移動体を貸出可能状態に登録する設定部を提示し、
前記設定部によって登録が指示された場合に、前記
移動体を貸出可能状態に登録する登録情報を管理装置に送信
し、
前記設定部を提示するときに、前記移動体を貸出可能状態にする時間を提示する、情報処理方法。
【請求項11】
通信部を備える情報処理装置を制御するコンピュータが実行可能なプログラムであって、
前記コンピュータにより、
移動体の利用者の行動を認識し、
前記利用者が前記移動体による移動を開始すると推定される行動、又は、前記利用者が前記移動体から降りると推定される行動のいずれかに該当する特定行動が認識された場合に、前記利用者に対し、前記利用者
が有する前記移動体を貸出可能状態に登録する設定部を提示し、
前記設定部によって登録が指示された場合に、前記
移動体を貸出可能状態に登録する登録情報を前記通信部によって管理装置に送信
し、
前記設定部を提示するときに、前記移動体を貸出可能状態にする時間を提示する、
ためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、資産を所有する利用者と資産を借り受けたい利用者との間で賃貸を仲介するシステムが知られている。特許文献1は、貸手となる会員が自動車を提供し、この自動車を、借手となる会員がレンタカーとして利用する自動車賃貸仲介システムを開示している。このシステムでは、貸手となる会員が端末を操作して、貸し出し希望日時及び場所、返却を希望する日時及び場所、提供する自動車の車種、年式、走行距離、車検年度、希望報酬、会員識別情報等の情報を入力して申し込みを行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1記載のシステムのように、従来、資産の所有者が資産を貸し出すためには、予め貸し出す期間を決定し、細かい情報を入力するという手順を経る必要があり、手間がかかるという課題があった。
本発明はかかる背景に鑑みてなされたものであり、資産の所有者が、資産を貸し出すための手順を簡易化し、利便性の向上を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するための第1態様として、移動体の利用者の行動を認識する利用者行動認識部と、前記利用者行動認識部により、前記利用者が前記移動体による移動を開始すると推定される行動、又は、前記利用者が前記移動体から降りると推定される行動のいずれかに該当する特定行動が認識された場合に、前記利用者に対し、前記利用者が有する前記移動体を貸出可能状態に登録する設定部を提示する情報提示部と、管理装置と通信する通信部と、前記設定部によって登録が指示された場合に、前記移動体を貸出可能状態に登録する登録情報を前記通信部によって送信する情報送信部と、を備え、前記情報提示部は、前記設定部を提示するときに、前記移動体を貸出可能状態にする時間を提示する、情報処理装置が挙げられる。
【0007】
上記情報処理装置において、前記情報提示部は、前記設定部を提示するときに、前記移動体を貸出可能状態にする時間の候補を複数提示する構成としてもよい。
【0008】
上記目的を達成するための第1態様として、移動体の利用者の行動を認識する利用者行動認識部と、前記利用者行動認識部により、前記利用者が前記移動体による移動を開始すると推定される行動、又は、前記利用者が前記移動体から降りると推定される行動のいずれかに該当する特定行動が認識された場合に、前記利用者に対し、前記利用者が有する前記移動体を貸出可能状態に登録する設定部を提示する情報提示部と、管理装置と通信する通信部と、前記設定部によって登録が指示された場合に、前記移動体を貸出可能状態に登録する登録情報を前記通信部によって送信する情報送信部と、を備え、前記移動体の位置を取得する位置情報取得部を備え、前記情報提示部は、前記位置情報取得部によって取得された前記移動体の位置が、予め設定された特定位置にある場合に、前記設定部を提示する構成としてもよい。
【0009】
上記情報処理装置において、前記移動体の位置を取得する位置情報取得部と、前記管理装置から、前記移動体の位置に基づいて、前記移動体と同種の移動体の貸出状況に関する情報を取得する貸出情報取得部と、を備え、前記情報提示部は、前記設定部を提示するときに、前記貸出情報取得部によって取得した情報に基づいて前記移動体を貸出可能状態にする時間を提示する構成としてもよい。
【0010】
上記情報処理装置において、前記利用者行動認識部は、前記移動体に搭載される機器類の電源供給状態、前記移動体が備えるドアの開閉状態、前記ドアのロック状態、及び、前記移動体の座席における着座状態の少なくともいずれかに基づき、前記利用者の行動を認識する構成としてもよい。
【0011】
上記目的を達成するための第1態様として、移動体の利用者の行動を認識する利用者行動認識部と、前記利用者行動認識部により、前記利用者が前記移動体による移動を開始すると推定される行動、又は、前記利用者が前記移動体から降りると推定される行動のいずれかに該当する特定行動が認識された場合に、前記利用者に対し、前記利用者が有する前記移動体を貸出可能状態に登録する設定部を提示する情報提示部と、管理装置と通信する通信部と、前記設定部によって登録が指示された場合に、前記移動体を貸出可能状態に登録する登録情報を前記通信部によって送信する情報送信部と、を備え、前記情報送信部は、前記登録情報と前記移動体が有する燃料の残量を示す情報とを、前記通信部によって送信する構成としてもよい。
【0012】
上記目的を達成するための第1態様として、移動体の利用者の行動を認識する利用者行動認識部と、前記利用者行動認識部により、前記利用者が前記移動体による移動を開始すると推定される行動、又は、前記利用者が前記移動体から降りると推定される行動のいずれかに該当する特定行動が認識された場合に、前記利用者に対し、前記利用者が有する前記移動体を貸出可能状態に登録する設定部を提示する情報提示部と、管理装置と通信する通信部と、前記設定部によって登録が指示された場合に、前記移動体を貸出可能状態に登録する登録情報を前記通信部によって送信する情報送信部と、を備え、前記情報処理装置は、前記移動体を撮影する撮影部を備え、前記情報送信部は、前記登録情報と前記撮影部の撮影画像とを、前記通信部によって送信する構成としてもよい。
【0013】
上記目的を達成するための第1態様として、移動体の利用者の行動を認識する利用者行動認識部と、前記利用者行動認識部により、前記利用者が前記移動体による移動を開始すると推定される行動、又は、前記利用者が前記移動体から降りると推定される行動のいずれかに該当する特定行動が認識された場合に、前記利用者に対し、前記利用者が有する前記移動体を貸出可能状態に登録する設定部を提示する情報提示部と、管理装置と通信する通信部と、前記設定部によって登録が指示された場合に、前記移動体を貸出可能状態に登録する登録情報を前記通信部によって送信する情報送信部と、を備え、前記情報送信部は、貸出可能状態に登録されている間に前記移動体が移動を開始した場合に、前記移動体の貸出可能状態の登録をキャンセルするキャンセル情報を前記通信部によって送信する構成としてもよい。
【0014】
上記情報処理装置において、前記情報提示部は、前記移動体に設けられた表示部によって前記設定部を提示し、前記情報送信部は、前記表示部に表示された前記設定部に対する操作に基づいて、前記登録情報を前記通信部によって送信する構成としてもよい。
【0015】
上記目的を達成するための第2態様として、移動体の利用者の行動を認識し、前記利用者が前記移動体による移動を開始すると推定される行動、又は、前記利用者が前記移動体から降りると推定される行動のいずれかに該当する特定行動が認識された場合に、前記利用者に対し、前記利用者が有する前記移動体を貸出可能状態に登録する設定部を提示し、前記設定部によって登録が指示された場合に、前記移動体を貸出可能状態に登録する登録情報を管理装置に送信し、前記設定部を提示するときに、前記移動体を貸出可能状態にする時間を提示する、情報処理方法が挙げられる。
【0016】
上記目的を達成するための第3態様として、通信部を備える情報処理装置を制御するコンピュータが実行可能なプログラムであって、前記コンピュータにより、移動体の利用者の行動を認識し、前記利用者が前記移動体による移動を開始すると推定される行動、又は、前記利用者が前記移動体から降りると推定される行動のいずれかに該当する特定行動が認識された場合に、前記利用者に対し、前記利用者が有する前記移動体を貸出可能状態に登録する設定部を提示し、前記設定部によって登録が指示された場合に、前記移動体を貸出可能状態に登録する登録情報を前記通信部によって管理装置に送信し、前記設定部を提示するときに、前記移動体を貸出可能状態にする時間を提示する、ためのプログラムが挙げられる。
【発明の効果】
【0017】
上記構成によれば、利用者が資産を貸し出すことを容易に登録できるので、資産の貸出に関する手順を簡易化し、利便性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図4】情報処理装置及び管理装置の動作を示すシーケンス図。
【
図7】情報処理装置及び管理装置の動作を示すシーケンス図。
【
図8】情報処理装置及び管理装置の動作を示すシーケンス図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[1.情報処理システムの概要]
図1は、本実施形態の情報処理装置1及び管理装置200を含む情報処理システムの概要を示す説明図である。本実施形態では、移動体の一例として、四輪自動車である車両Vsを示す。
【0020】
本実施形態の情報処理システムは、所有者Uoが、所有者Uoの希望する時間だけ資産を貸し出すことを可能とする。所有者Uoが貸し出す資産は、例えば所有者Uoが有する車両Vsが挙げられるが、駐車場所Paを貸し出すことも可能である。ここで、資産は動産であっても不動産であってもよく、住居を含む建物、建物内の一部のスペース、ガレージ等であってもよい。以下では一例として、所有者Uoが利用者Urに車両Vsを貸し出す例、及び、所有者Uoが駐車場所Paを、車両Vuの駐車場所として貸し出す例を説明する。
【0021】
図中に符号110、120、130で示す装置は、モバイルデバイス、或いは、ハンドヘルドコンピュータと呼ばれる携帯型のコンピュータであり、例えば、スマートフォンやタブレット型コンピュータである。本実施形態の携帯型装置110、120、130は、情報処理システムの利用者である所有者Uo、利用者Urが使用する装置である。
【0022】
車両Vsには情報処理装置1が搭載される。情報処理装置1は、車両Vsに固定的に設置される装置であってもよいし、車両Vsに一時的に設置される装置であってもよい。本実施形態の情報処理装置1は、車両Vsに搭載されるタッチパネル40及びカメラ44を備え、通信ネットワーク500を介して管理装置200と通信を実行する。
【0023】
情報処理システムを構成する管理装置200は、通信ネットワーク500に接続され、情報処理装置1との間でデータ通信を実行する。通信ネットワーク500は、データ通信ネットワークであればよく、公衆回線網を含む広域通信ネットワーク、LAN(Local Area Network)等が挙げられる。管理装置200は、例えば、サーバ装置であり、クラウド型のサーバであってもよい。管理装置200は、携帯型装置110、120、130を含む各種の装置とデータ通信を実行可能である。
【0024】
管理装置200は、所有者Uoが車両Vsや駐車場所Paを貸し出す日時や場所に関するデータを格納するシェアリングDB210を有する。シェアリングDB210に格納されたデータに基づき、自動車の使用を希望する利用者Urは、携帯型装置120を使用して車両Vsを借りる手続を行う。また、この情報処理システムでは、駐車場所Paの使用を希望する利用者Urが、携帯型装置130を使用して駐車場所Paを借りる手続を行うことが可能である。
【0025】
情報処理装置1は、通信ネットワーク500に直接、接続可能である必要はない。例えば、情報処理装置1は携帯型装置110と近距離無線通信手段によって通信を実行し、携帯型装置110の機能によって管理装置200と通信を実行してもよい。この場合、近距離無線通信手段としては、Wi-Fi(登録商標)DirectやBluetooth(登録商標)等が挙げられる。
【0026】
図2は、シェアリングDB210に記憶されるデータの模式図である。
シェアリングDB210は、登録資産データ220、車両貸出データ230、駐車場所貸出データ240、及び、貸出履歴データ250を格納する。
【0027】
登録資産データ220は、レコード221を格納する。レコード221は、例えば、個々の資産の識別情報であるIDと、資産の種類と、資産の所有者の識別情報である所有者IDと、資産に関する付加的な情報とを含む。1件の資産に対応付けて1つのレコード231が登録資産データ220に格納される。資産に関する付加的な情報は、例えば、車両Vsが有する付加機能に関する情報である。具体的には、車両Vsが、カーナビゲーション装置、自動運転機能、衝突被害軽減ブレーキ、対話型エージェント等の機能を有しているか否かを示す情報が挙げられる。登録資産データ220にレコード221が格納された資産は、本実施形態の情報処理システムで貸し出しを行うことが可能となる。
【0028】
車両貸出データ230、及び、駐車場所貸出データ240は、情報処理システムにおいて貸し出し可能な資産として登録された資産のデータを格納する。換言すれば、車両貸出データ230または駐車場所貸出データ240にデータが格納された資産は、利用者Urが借り受けることが可能な資産である。車両貸出データ230は、貸し出される資産のうち、車両に該当する資産に関するデータを含む。駐車場所貸出データ240は、貸し出される資産のうち、駐車場所に該当する資産に関するデータを含む。
【0029】
車両貸出データ230は、貸し出される1つの車両につき1つのレコード231を含む。レコード231は、例えば、車両のID、登録番号、走行距離、残燃料、付加機能に関する情報、車内画像、貸出可能日時を含む。車両のIDはレコード221のIDと共通であってもよい。登録番号は車両のナンバープレート或いはライセンスプレートの番号や記号である。走行距離及び残燃料は、後述する手法により車両の貸し出しが申し込まれたときの車両の総走行距離と燃料の残量である。付加機能に関する情報は、レコード221に含まれる情報と同様に、車両がカーナビゲーション装置、自動運転機能、衝突被害軽減ブレーキ、対話型エージェント等の機能を有しているか否かを示す情報が挙げられる。車内画像は、車両の貸し出しが申し込まれたときに撮影された車内空間の画像である。貸出可能日時は、車両を貸し出し可能な期間の始期と終期を指定する。レコード231は、車両の貸し出しの対価を示す情報を含んでもよい。
【0030】
駐車場所貸出データ240は、貸し出される1つの駐車場所につき1つのレコード241を含む。レコード241は、例えば、駐車場所のID、位置情報、利用条件、外観画像、貸出可能日時を含む。駐車場所のIDはレコード221のIDと共通であってもよい。位置情報は駐車場所の位置を示す座標等である。利用条件は、駐車場所の利用に関する条件を示し、例えば、駐車可能な車両のサイズ及び重量の制限に関する情報である。外観画像は駐車場所の外観を撮影した画像である。貸出可能日時は、駐車場所を貸し出し可能な期間の始期と終期を指定する。レコード241は、駐車場所の貸し出しの対価を示す情報を含んでもよい。
【0031】
貸出履歴データ250は、管理装置200の機能により資産が貸し出された履歴を示すデータを含む。例えば、貸出履歴データ250は、貸し出された資産ID、貸し出された日時、返却された日時等を含む。
【0032】
[2.情報処理装置の構成]
図3は、情報処理装置1のブロック図である。
情報処理装置1は、CPU(Central Processing Unit)10、及び、プログラムやデータを記憶するメモリ20を備える。メモリ20は、半導体メモリデバイスや磁気的記録媒体で構成される記憶装置である。メモリ20は、CPU10が実行する制御用プログラム21、及び、CPU10により処理される各種のデータを記憶する。CPU10は、制御用プログラム21を実行することにより、情報処理装置1の各部を制御する。CPU10及びメモリ20は、不図示のインターフェイス回路を備えてもよい。メモリ20は、車両情報22、登録情報23、及び、貸出情報24を記憶する。車両情報22は、車両Vsに関する情報であり、車両Vsの登録番号、型式、車両Vsが備える付加機能に関する情報等を含む。登録情報23および貸出情報24については後述する。
【0033】
図3に、CPU10が構成する機能部として、通信制御部11、表示制御部12、入力受付部13、音声処理部14、利用者行動認識部15、位置情報取得部16、貸出情報取得部17、情報提示部18、及び、情報送信部19を示す。これらの各機能部は、例えば、CPU10が制御用プログラム21を実行することにより、ソフトウェアとハードウェアの協働により実現される。これらの各部の機能については後述する。
【0034】
CPU10には、タッチパネル40、スピーカ41、マイク42、GNSS(Global Navigation Satellite System)43、カメラ44、及び、通信ユニット45が接続される。
【0035】
タッチパネル40、スピーカ41、及び、マイク42は、例えば、車両Vsのダッシュボードに設置される。タッチパネル40は、文字や画像を表示する液晶表示パネルと、液晶表示パネルへの接触を検出するタッチセンサーとが重畳された構成を有する。タッチパネル40は表示部の一例に対応する。
【0036】
GNSS43は、車両Vsの現在位置を測位する。車両Vsが不図示のカーナビゲーションシステムを搭載している場合、GNSS43として、カーナビゲーションシステムが備えるGPS(Global Positioning System)ユニット等を利用してもよい。
【0037】
カメラ44は、車両Vsの車室空間を撮影するデジタルカメラである。カメラ44は、例えば、車両Vsの車室内の前部、或いは、車両Vsの車室内の天井に設置される。カメラ44は、前後左右を撮影する全天球カメラ(360度カメラ)であってもよいし、広角カメラであってもよい。カメラ44は、撮影部の一例に対応する。
【0038】
通信ユニット45は、アンテナ、RF回路、エンコーダ、デコーダ等を有する無線通信装置を備える。通信ユニット45は、通信ネットワーク500に接続し、管理装置200との間でデータ通信を実行する。また、上述のように、通信ユニット45は、携帯型装置110とWi-Fi DirectやBluetooth通信を行い、携帯型装置110の通信機能を利用して、通信ネットワーク500に接続する構成であってもよい。通信ユニット45は通信部の一例に対応する。
【0039】
情報処理装置1は、ECU50(Electronic Control Unit)に接続される。ECU50は、車両Vsに搭載される電子デバイスを制御する制御装置である。情報処理装置1は、ECU50を介して、車両Vsが搭載する電子デバイスに接続される。
図3には、情報処理装置1が、ECU50を介して、ドアスイッチ61、ドアロック機構62、シートベルトセンサ63、着座センサ64、シフト位置センサ65、燃料計66、イグニッションセンサ67、及び、ACC電源68に接続される例を示す。車両Vsは複数のECU50を搭載してもよい。この場合、情報処理装置1には複数のECU50が接続されてもよい。
【0040】
ドアスイッチ61は、車両Vsが備えるドアが開いているか否かを検知するスイッチ式のセンサである。ドアスイッチ61は、車両Vsを運転する人が昇降時に使用するドアのみに設けられてもよい。ドアロック機構62は、車両Vsが備えるドアを、閉じた状態でロックする。車両Vsが複数のドアを備える場合、各々のドアに対応して複数のドアスイッチ61及びドアロック機構62が設けられてもよい。
【0041】
シートベルトセンサ63は、車両Vsの座席に設けられたシートベルトの装着状態を検知する。着座センサ64は、車両Vsの座席に人が着座しているか否かを検知する。シートベルトセンサ63及び着座センサ64は、車両Vsが備える全ての座席に設けられてもよいし、運転席のみに設けられてもよい。
【0042】
シフト位置センサ65は、車両Vsが備えるシフト装置のシフト位置を検知する。シフト位置は、例えば、駐停車時に使用されるP(パーキング)、後退時に使用されるR(リバース)、N(ニュートラル)、走行時に使用されるD(ドライブ)等である。燃料計66は、車両Vsが搭載する燃料の残量を検知する。車両Vsが電気自動車である場合、燃料計66に替えて、バッテリ残量を検知する検知部を、情報処理装置1に接続してもよい。イグニッションセンサ67は、車両Vsのイグニッションスイッチ、或いは、メインスイッチの状態を検知する。ACC電源(アクセサリ電源)68は、車両Vsが備える電源回路から電子デバイスや補機に供給される電源である。
【0043】
通信制御部11は、通信ユニット45を制御してデータ通信を行う。通信制御部11は、通信ユニット45によって受信したデータをメモリ20に記憶させる。
表示制御部12は、タッチパネル40に表示用の制御信号を出力し、文字や画像を含む画面をタッチパネル40に表示させる。
入力受付部13は、タッチパネル40に対する操作を検知することにより、車両Vに搭乗している人物による入力を受け付ける。
音声処理部14は、マイク42が集音した音のデジタル音声データを取得する。また、音声処理部14は、スピーカ41を駆動して音を出力させる。
【0044】
利用者行動認識部15は、認識対象の人物の行動を認識する。認識対象の人物は、利用者行動認識部15は、車両Vに搭乗している人物または車両Vに搭乗しようとしている人物であり、例えば所有者Uoであるが、利用者Urであってもよい。詳細には、利用者行動認識部15は、認識対象の人物の行動を認識して、その人物が、予め設定された特定行動を行うことを検知する。
本実施形態において、特定行動は、所有者Uoが車両Vsによる移動を開始すると推定される開始特定行動、及び、所有者Uoが車両Vsから降りると推定される降車特定行動を含む。利用者行動認識部15は、例えば、(1)所有者Uoが車両Vsに乗車したこと、(2)所有者Uoが車両Vsを起動させたこと、(3)所有者Uoが車両Vsによる移動を開始するための操作を行ったことを検知した場合、開始特定行動を検知する。
【0045】
具体的な例として、利用者行動認識部15は、車両Vsのドアが開かれたこと、ドアロックの解除、または、運転席への着座を検知した場合に、所有者Uoが車両Vsに乗車したことを検知する。利用者行動認識部15は、イグニッションスイッチがオンにされたこと、または、ACC電源68がオンになったことを検知した場合に、所有者Uoが車両Vsを起動させたことを検知する。利用者行動認識部15は、運転席のシートベルトが装着されたこと、または、車両Vsのシフト位置がPからDまたはRに切り替えられたことを検知した場合に、所有者Uoが移動を開始するための操作を行ったことを検知する。このほか、利用者行動認識部15は、車両Vsのステアリングホイールが操作されたこと、所有者Uoが保有する携帯端末の位置情報が車両Vsの所定範囲内に入ったこと、或いは、自動運転機能が起動したことを検知した場合に、所有者Uoが車両Vsによる移動を開始するための操作を行ったことを検知してもよい。また、利用者行動認識部15は、車両Vsの車速センサによって検知された車速が0より大きくなった場合に、所有者Uoが車両Vsによる移動を開始するための操作を行ったことを検知してもよい。
【0046】
利用者行動認識部15は、例えば、(1)所有者Uoが車両Vsの走行を停止させたこと、(2)所有者Uoが車両Vsの機能を停止させたこと、(3)所有者Uoが車両Vsから降車したことを検知した場合、降車特定行動を検知する。
【0047】
具体的な例として、利用者行動認識部15は、運転席のシートベルトの装着が解除されたこと、または、車両Vsのシフト位置がDまたはRからPに切り替えられたことを検知した場合に、所有者Uoが車両Vsの走行を停止したことを検知する。このほか、利用者行動認識部15は、自動運転機能が終了したことを検知した場合、及び、車両Vsの車速センサによって検知された車速が0となった場合に、所有者Uoが車両Vsによる移動を停止したことを検知してもよい。
【0048】
また、利用者行動認識部15は、イグニッションスイッチがオフにされたこと、または、ACC電源68がオフになったことを検知した場合に、所有者Uoが車両Vsの機能を停止させたことを検知する。利用者行動認識部15は、車両Vsの機能が停止した後にドアが開かれたこと、または、車両Vsの機能が停止した後にドアロックが解除されたことを検知した場合に、所有者Uoが車両Vsから降車したことを検知する。また、利用者行動認識部15は、車両Vsの機能が停止した後に所有者Uoが運転席から離席したことを検知した場合に、所有者Uoが車両Vsから降車したことを検知する。
【0049】
位置情報取得部16は、GNSS43によって測位された車両Vsの位置を取得する。
貸出情報取得部17は、管理装置200から情報を取得する。貸出情報取得部17は、管理装置200と通信を実行し、車両Vsに対応するレコード221を登録資産データ220から取得し、或いは、車両Vsに対応するレコード221の有無を照合する。これにより、CPU10は、車両Vsが、貸し出し対象の資産として管理装置200に登録されているか否かを判定できる。
また、貸出情報取得部17は、管理装置200と通信を実行し、貸出履歴データ250から抽出される貸出情報24を取得し、メモリ20に記憶する。貸出情報24は、車両Vsの位置を含む所定範囲で過去に実行された車両の貸し出しにおいて、車両が貸し出された時間を示す情報である。貸出情報24は、管理装置200により、貸出履歴データ250に格納された情報をもとに生成される。
【0050】
情報提示部18は、所有者Uoに対し、車両Vsまたは駐車場所Paを貸出可能状態に登録するための設定部を提示する。情報提示部18が提示する設定部は、例えば、所有者Uoが、車両Vsまたは駐車場所Paを貸出可能状態に登録することを指示するためのユーザーインターフェースである。このユーザーインターフェースには、所有者Uoが容易に指示を行えるように、車両Vsまたは駐車場所Paの貸し出しに関する情報が提示される。
【0051】
情報送信部19は、通信ユニット45によって管理装置200に情報を送信する。詳細には、情報送信部19は、情報提示部18が提示した設定部を利用して所有者Uoが貸出可能状態に登録することを指示した場合に、貸出可能状態への登録を要求する登録情報23を生成し、管理装置200に送信する。
【0052】
情報送信部19は、貸出可能状態に登録された車両Vsが、貸出可能状態に登録されている間に移動を開始した場合に、車両Vsの貸出可能状態の登録をキャンセルするキャンセル情報を管理装置200に送信する。例えば、情報送信部19は、利用者行動認識部15が所有者Uoの開始特定行動を検知したときに、登録情報23を参照し、車両Vsが貸出可能状態となっている時間帯であるか否かを判定する。車両Vsが貸出可能状態となっている時間帯であった場合、情報送信部19は、キャンセル情報を管理装置200に送信する。
【0053】
[3.情報処理装置及び管理装置の動作]
図4は、情報処理装置1及び管理装置200の動作の概要を示すシーケンス図である。
図4には情報処理装置1、及び、管理装置200の動作をそれぞれ示す。
図5及び
図6は、情報処理装置1が表示する画面の例を示す図である。以下では、
図4、
図5、
図6を参照して、情報処理装置1及び管理装置200の動作を説明する。
【0054】
情報処理装置1の動作のうち、ステップSA1、SA2は利用者行動認識部15により実行され、ステップSA3、SA4、SA5、SA8、SA9は貸出情報取得部17により実行される。ステップSA6、SA7は位置情報取得部16により実行され、ステップSA10は情報提示部18により実行される。ステップSA11-SA13は情報送信部19により実行される。
【0055】
図4に示す動作は、車両Vsの走行中、および、車両Vsが停止中であって所有者Uoが車両Vsの車内にいるときに実行される。
情報処理装置1は、所有者Uoの行動を認識し(ステップSA1)、所有者Uoの行動が降車特定行動に該当するか否かを判定する(ステップSA2)。すなわち、情報処理装置1は、所有者Uoの降車特定行動を検知する。
【0056】
所有者Uoの行動が降車特定行動に該当しないと判定した場合(ステップSA2;NO)、情報処理装置1はステップSA1に戻る。
所有者Uoの行動が降車特定行動に該当すると判定した場合(ステップSA2;YES)、情報処理装置1は、車両Vsが貸し出し対象の資産として管理装置200に登録されているか否かを照合する(ステップSA3)。ステップSA3で、情報処理装置1は、管理装置200に対し、車両Vsの登録番号等の情報を送信し、車両Vsに対応するレコード221が登録資産データ220に格納されているか否かを問い合わせる。
【0057】
管理装置200は、情報処理装置1の問い合わせに応じて、車両Vsに対応するレコード221が登録資産データ220に格納されているか否かを示す照合結果を、情報処理装置1に送信する(ステップSB1)。
【0058】
情報処理装置1は、管理装置200から照合結果を受信し(ステップSA4)、照合結果に基づき、車両Vsが登録されているか否かを判定する(ステップSA5)。車両Vsが管理装置200に登録されていないと判定した場合(ステップSA5;NO)、情報処理装置1は本処理を終了する。
【0059】
車両Vsが管理装置200に登録されていると判定した場合(ステップSA5;YES)、情報処理装置1は、車両情報22をメモリ20から読み出して、取得する(ステップSA6)。情報処理装置1は、GNSS43から位置情報を取得し(ステップSA7)、管理装置200に対し、車両Vsの位置情報に基づいて貸出情報24を要求する(ステップSA8)。
【0060】
管理装置200は、情報処理装置1の要求に応じて、貸出情報24を生成し、情報処理装置1に送信する(ステップSB2)。ステップSB2で、管理装置200は、貸出履歴データ250から、車両Vsの位置を含む所定範囲で過去に実行された車両の貸し出しに関する情報を抽出する。さらに、管理装置200は、抽出した情報から、車両が貸し出された時間を示す情報を抽出し、平均の貸出時間を算出する。管理装置200は、算出した貸出時間の平均を含む貸出情報24を生成し、貸出情報24を生成する。
【0061】
情報処理装置1は、管理装置200が送信する貸出情報24を取得し、メモリ20に記憶させる(ステップSA9)。
情報処理装置1は、貸出情報24に基づいて、設定部を含むユーザーインターフェース(UI)をタッチパネル40に表示させる(ステップSA10)。
【0062】
図5は、情報処理装置1が表示する画面の一例として、カーシェア設定画面301を示す図である。
カーシェア設定画面301は、所有者Uoに情報を提示するとともに、所有者Uoによる操作を受け付けるユーザーインターフェースである。
【0063】
カーシェア設定画面301は、設定部310を含む。設定部310には、カーシェアボタン311、312、313、314が配置される。各々のカーシェアボタン311、312、313、314には、貸出時間表示321、322、323、324が対応付けて配置される。
【0064】
カーシェアボタン311、312、313、314は、所有者Uoによって、車両Vsを貸出可能状態に登録するよう指示するための操作部である。例えば、カーシェアボタン311は、所有者Uoによってカーシェアボタン311にタッチする操作を受け付ける。この操作はタッチパネル40が備えるタッチセンサーにより検出される。カーシェアボタン312、313、314も同様である。
【0065】
カーシェアボタン311は、貸出時間表示321に表示された時間だけ、車両Vsを貸出可能状態に登録することを指示する操作部である。同様に、カーシェアボタン312、313、314は、それぞれ、貸出時間表示322、323、324に表示された時間だけ、車両Vsを貸出可能状態に登録することを指示する操作部である。
【0066】
貸出時間表示321、322、323、324に表示される時間は、所有者Uoに対して情報処理装置1が提案する貸出時間の候補である。貸出時間の候補は1つであってもよいし、
図5に例示したように複数であってもよい。貸出時間の候補は、貸出情報24に基づいて生成される。つまり、情報処理装置1は、車両Vsの周辺で過去に実行された車両の貸出の実績に基づいて、所有者Uoに対し、車両Vsを貸し出す時間の候補を提示する。所有者Uoは、カーシェア設定画面301に表示された貸出時間の候補を選び、設定部310で操作を行う。これにより、車両を借り受けることを希望する利用者Urが使いやすい時間、車両Vsを貸出可能状態とすることができ、所有者Uoと利用者Urの双方に有益な貸出時間を設定できる。
【0067】
カーシェア設定画面301は、推奨マーカー325を含む。推奨マーカー325は、貸出時間表示321、322、323、324の注目度を高める表示である。推奨マーカー325は、貸出情報24に基づいて最も需要があると推定される貸出時間の候補に対応して配置される。
図5の例では貸出時間表示321に並べて配置される。推奨マーカー325を表示して、貸出時間の候補のいずれかを強調することにより、車両Vsの貸出の契約が成立しやすい貸出時間を所有者Uoに推奨できる。
【0068】
カーシェア設定画面301には、車両画像331、及び、車両情報332が配置される。車両画像331は、車両Vsの画像である。貸出時間表示322は車両Vsに関する情報であり、例えば登録番号等を含む。車両画像331及び車両情報332は、車両情報22に含まれる。車両画像331及び車両情報332は、所有者Uoに対し、貸出可能状態に登録する対象が車両Vsであることを確認させる効果がある。
【0069】
情報処理装置1は、設定部に対する操作の有無を判定し(ステップSA11)、所定時間以上、操作がない場合は(ステップSA11;NO)、本処理を終了する。
設定部に対する操作があった場合(ステップSA11;YES)、情報処理装置1は、燃料の残量、および、カメラ44の撮影画像を取得する(ステップSA12)。ステップSA12では、設定部への操作後の燃料の残量、及び、操作後にカメラ44が撮影した撮影画像を取得する。ここで、イグニッションスイッチ或いはACC電源68がオフにされたことによって燃料計66が動作を停止している場合、情報処理装置1は、燃料計66が最後に検出した燃料の残量を取得する。
【0070】
情報処理装置1は、車両Vsを貸出可能状態に登録することを要求する登録情報と、燃料の残量と、撮影画像とを、管理装置200に送信する(ステップSA13)。登録情報は、車両Vsを貸出可能状態にする貸出時間を含む。この貸出時間は、設定部の操作によって指定された時間である。
【0071】
管理装置200は、情報処理装置1から登録情報と、燃料の残量と、撮影画像とを受信する(ステップSB3)。管理装置200は、ステップSB3で受信した情報をもとに車両貸出データ230のレコード231を生成して、車両Vsを貸出可能状態に登録する(ステップSB4)。
【0072】
図6は、情報処理装置1が表示する画面の一例として、登録完了通知画面302を示す図である。
登録完了通知画面302は、カーシェア設定画面301の設定部310に対する操作が行われた後に、貸出可能状態の登録が済んだことを所有者Uoに通知する画面であり、タッチパネル40に表示される。
【0073】
登録完了通知画面302には、車両画像331と、登録完了通知333とが配置される。車両画像331はカーシェア設定画面301と共通である。登録完了通知333は、所有者Uoに対し、車両Vsの貸出可能状態の登録が済んだことや、貸出可能状態に設定した貸出時間を通知する文字や画像を含む。
【0074】
ここで、貸出可能状態に登録された車両Vsを利用者Urが借り受ける手順について説明する。
図7は、携帯型装置120及び管理装置200の動作を示すシーケンス図である。
【0075】
携帯型装置120は、利用者Urの操作に応じて、アプリケーションプログラム(以下ではアプリと呼ぶ)を起動する(ステップSC1)。このアプリは、利用者Urが、管理装置200により提供される車両のシェアリングサービス、いわゆるカーシェアを利用するためのアプリである。
【0076】
携帯型装置120は、利用者Urの操作に応じて、位置を指定してカーシェアの利用を要求する(ステップSC2)。具体的には、携帯型装置120は、利用者Urが希望する利用場所で借り受けることが可能な車両の情報を、管理装置200に対して要求する。
【0077】
管理装置200は、携帯型装置120の要求に応じて、車両貸出データ230からレコード231を抽出する(ステップSB11)。ステップSB11で、管理装置200は、携帯型装置120により指定された場所、およびその近くで貸出可能状態となっている車両のレコード231を、車両貸出データ230から抽出する。管理装置200は、車両貸出データ230から抽出したデータを携帯型装置120に送信する(ステップSB12)。ステップSB12で、管理装置200は、車両貸出データ230から抽出したレコード231に含まれる情報から、所有者Uoに関する情報等を除いて、携帯型装置120に送信してもよい。
【0078】
携帯型装置120は、管理装置200が送信するデータを受信して、表示画面に表示する(ステップSC3)。例えば、携帯型装置120は、借り受けることが可能な車両の情報、車両を借り受けることができる位置、車両の貸出時間等を表示する。車両の情報としては、車種、付加機能、燃料の残量、車両の撮影画像等が挙げられる。
【0079】
利用者Urが、表示された情報をもとに、利用したい車両を選択する等の操作を行うと、携帯型装置120は、利用者Urの操作を受け付ける(ステップSC4)。携帯型装置120は、借り受けたい車両と、車両を使用する時間とを指定して、管理装置200に対し、カーシェアの利用を要求する(ステップSC5)。
【0080】
管理装置200は、携帯型装置120による要求を受信し(ステップSB13)、カーシェア契約を生成し、契約に係る情報を貸出履歴データ250に記憶する(ステップSB14)。管理装置200は、携帯型装置120、及び、対象の車両の所有者Uoが使用する携帯型装置110に対し、カーシェア契約の成立を通知する(ステップSB15)。管理装置200は、携帯型装置120に対し、利用する車両Vsのロックを解錠するためのデジタルキーを発行する(ステップSB16)。
携帯型装置120は、管理装置200からデジタルキーを受信する(ステップSC6)。
【0081】
このように、管理装置200において貸出可能状態に登録された車両は、車両の利用を希望する利用者Urの申し込みに応じて貸し出される。
図7に示す動作において、利用者Urに対する料金の請求および決済の処理を行ってもよい。また、デジタルキーは、管理装置200とは異なるサーバ装置によって、携帯型装置120に対して発行されてもよい。
【0082】
図8は、情報処理装置1及び管理装置200の動作の概要を示すシーケンス図である。
図8を参照して、駐車場所Paを貸出可能状態に登録する動作を説明する。
【0083】
情報処理装置1の動作のうち、ステップSA21、SA22は利用者行動認識部15により実行され、ステップSA25、SA26は貸出情報取得部17により実行される。ステップSA23、SA24は位置情報取得部16により実行され、ステップSA27は情報提示部18により実行される。ステップSA28、SA29は情報送信部19により実行される。
【0084】
図8に示す動作は、車両Vsの停車中、および、駐車中に実行される。
情報処理装置1は、所有者Uoの行動を認識し(ステップSA21)、情報処理装置1の行動が開始特定行動に該当するか否かを判定する(ステップSA22)。すなわち、情報処理装置1は、所有者Uoの開始特定行動を検知する。
【0085】
所有者Uoの行動が開始特定行動に該当しないと判定した場合(ステップSA22;NO)、情報処理装置1はステップSA21に戻る。
所有者Uoの行動が開始特定行動に該当すると判定した場合(ステップSA22;YES)、情報処理装置1はGNSS43により位置情報を取得する(ステップSA23)。情報処理装置1は、車両Vsの位置が、所有者Uoが貸し出す資産として登録された駐車場所か否かを判定する(ステップSA24)。車両Vsの位置が登録された駐車場所でない場合(ステップSA24;NO)、情報処理装置1は処理を終了する。
【0086】
車両Vsの位置が、登録された駐車場所である場合(ステップSA24)、情報処理装置1は、管理装置200に対し、車両Vsの位置情報に基づいて貸出情報24を要求する(ステップSA25)。
【0087】
管理装置200は、情報処理装置1の要求に応じて、貸出情報24を生成する(ステップSB21)。ステップSB21で、管理装置200は、貸出履歴データ250から、車両Vsの位置を含む所定範囲で過去に実行された駐車場所の貸し出しに関する情報を抽出する。さらに、管理装置200は、抽出した情報から、駐車場所が貸し出された時間を示す情報を抽出し、貸出時間の平均を求める。管理装置200は、求めた貸出時間の平均を含む貸出情報24を生成し、情報処理装置1に送信する。
【0088】
情報処理装置1は、管理装置200が送信する貸出情報24を取得し、メモリ20に記憶させる(ステップSA26)。
情報処理装置1は、貸出情報24に基づいて、設定部を含むユーザーインターフェースをタッチパネル40に表示させる(ステップSA27)。
【0089】
ステップSA27で表示されるユーザーインターフェースは、例えば、カーシェア設定画面301と同様に、駐車場所Paを貸し出すことを指示する設定部を有し、貸出時間を指定できる。
【0090】
情報処理装置1は、設定部に対する操作の有無を判定し(ステップSA28)、所定時間以上、操作がない場合は(ステップSA28;NO)、本処理を終了する。
設定部に対する操作があった場合(ステップSA28;YES)、情報処理装置1は、駐車場所Paを貸出可能状態に登録することを要求する登録情報を管理装置200に送信する(ステップSA29)。登録情報は、駐車場所Paを貸出可能状態にする貸出時間を含む。この貸出時間は、設定部の操作によって指定された時間である。
【0091】
管理装置200は、情報処理装置1から登録情報を受信する(ステップSB22)。管理装置200は、ステップSB22で受信した情報をもとに駐車場所貸出データ240のレコード241を生成して、駐車場所Paを貸出可能状態に登録する(ステップSB23)。
【0092】
[4.他の実施形態]
上記実施形態は本発明を適用した一具体例を示すものであり、発明が適用される形態を限定するものではない。
例えば、上記実施形態では、車両Vsの一例として四輪自動車を例示したが、車両Vsは、二輪車両や貨物車両等、種々の車両とすることができる。
また、上記実施形態で、情報処理装置1は、設定部を含むユーザーインターフェースをタッチパネル40に表示し、タッチパネル40に対するタッチ操作を受け付けるものとして説明した。これは一例であり、例えば、情報処理装置1は、タッチパネル40にユーザーインターフェースを表示した後、マイク42を利用して音声による操作を受け付けてもよい。また、スピーカ41によって音声を出力することにより、貸出時間の選択及び貸出可能状態への登録を案内する構成であってもよい。
【0093】
また、情報処理装置1は、車両Vsに固定的に設置されるものに限定されない。すなわち、ユーザーインターフェースを提示する装置であるタッチパネル40や撮影を行うカメラ44が車両Vsに設置されていれば、その他の構成は任意に変更可能である。例えば、上記実施形態で説明した情報処理装置1のCPU10が実行する動作の一部を、携帯型装置110と同様の装置により実現してもよい。
【0094】
なお、
図3は、本願発明の理解を容易にするために、情報処理装置1の機能構成を、主な処理内容により区分して示した概略図であり、情報処理装置1の構成を限定するものではない。例えば、CPU10が備える構成要素の処理を、1つのハードウェアユニットにより実行してもよいし、複数のハードウェアユニットにより実行してもよい。
また、
図4、
図7及び
図8に示した各処理は、1つのプログラムにより実行されてもよいし、複数のプログラムにより実行されてもよい。
【0095】
また、CPU10が実行する制御用プログラム21は、可搬型の情報記録媒体に制御用プログラム21を記録させた状態で実現することも可能である。情報記録媒体は、ハードディスク等の磁気的記録媒体、CD等の光学的記録媒体、USB(Universal Serial Bus)メモリーやSSD(Solid State Drive)等の半導体記憶デバイスが挙げられるが、その他の記録媒体を用いることも可能である。情報処理装置1は、情報記録媒体から制御用プログラム21を読み出して実行してもよい。
【0096】
[5.上記実施形態によりサポートされる構成]
上記実施形態は、以下の構成の具体例である。
【0097】
(第1項)移動体の利用者の行動を認識する利用者行動認識部と、前記利用者行動認識部により、前記利用者が前記移動体による移動を開始すると推定される行動、又は、前記利用者が前記移動体から降りると推定される行動のいずれかに該当する特定行動が認識された場合に、前記利用者に対し、前記利用者の資産を貸出可能状態に登録する設定部を提示する情報提示部と、管理装置と通信する通信部と、前記設定部によって登録が指示された場合に、前記資産を貸出可能状態に登録する登録情報を前記通信部によって送信する情報送信部と、を備える情報処理装置。
第1項の情報処理装置によれば、利用者が移動体による移動を開始すると推定される行動、又は、利用者が移動体から降りると推定される行動を行った場合に、設定部を利用して、資産の貸出を登録できる。このため、利用者が資産を貸し出すことを容易に登録できるので、資産の貸出に関する手順を簡易化し、利便性の向上を図ることができる。さらに、情報処理装置は、利用者の特定行動を認識することによって、資産の貸出が可能になると推定されるときに設定部を提示する。このため、利用者は、資産の貸出を予定しておくことなく、容易に貸出を登録することができる。また、利用者の予定が不確実な場合であっても対応できる。
【0098】
(第2項)前記情報提示部は、前記設定部を提示するときに、前記資産を貸出可能状態にする時間を提示する、第1項記載の情報処理装置。
第2項の情報処理装置によれば、資産を貸出可能状態にする時間を、設定部を利用して容易に登録できる。
【0099】
(第3項)前記情報提示部は、前記設定部を提示するときに、前記資産を貸出可能状態にする時間の候補を複数提示する、第2項記載の情報処理装置。
第3項の情報処理装置によれば、設定部とともに提示される候補を参照して、資産を貸出可能状態にする時間を、より容易に登録できる。
【0100】
(第4項)前記移動体の位置を取得する位置情報取得部を備え、前記情報提示部は、前記位置情報取得部によって取得された前記移動体の位置が、予め設定された特定位置にある場合に、前記設定部を提示する、第1項から第3項のいずれか1項に記載の情報処理装置。
第4項の情報処理装置によれば、資産の貸出が可能になることが高い確実性で推定される場合に、設定部を提示するので、設定部が必要とされないタイミングで設定部を提示することを抑制できる。これにより、利用者の利便性を、より一層向上させることができる。
【0101】
(第5項)前記移動体の位置を取得する位置情報取得部と、前記管理装置から、前記移動体の位置に基づいて、前記資産と同種の資産の貸出状況に関する情報を取得する貸出情報取得部と、を備え、前記情報提示部は、前記設定部を提示するときに、前記貸出情報取得部によって取得した情報に基づいて前記資産を貸出可能状態にする時間を提示する、第2項または第3項記載の情報処理装置。
第5項の情報処理装置によれば、資産を貸出可能状態にする時間を、利用者の資産と同種の資産の貸出状況に基づいて提示する。これにより、利用者の資産を、資産を借り受ける第三者が利用しやすい時間だけ貸出可能状態にすることができ、資産を効率よく利用できる。
【0102】
(第6項)前記利用者行動認識部は、前記移動体に搭載される機器類の電源供給状態、前記移動体が備えるドアの開閉状態、前記ドアのロック状態、及び、前記移動体の座席における着座状態の少なくともいずれかに基づき、前記利用者の行動を認識する、第1項から第5項のいずれか1項に記載の情報処理装置。
第6項の情報処理装置によれば、利用者の特定行動を、移動体の状態に基づいて高精度で認識できる。
【0103】
(第7項)前記資産は前記移動体であり、前記情報送信部は、前記登録情報と前記移動体が有する燃料の残量を示す情報とを、前記通信部によって送信する、第1項から第6項のいずれか1項に記載の情報処理装置。
第7項の情報処理装置によれば、移動体を資産として貸出可能状態に登録する場合に、移動体の燃料の残量を示す情報を、管理装置によって管理できる。これにより、資産を借り受ける第三者が、燃料の残量を知ることができ、資産を借り受ける第三者の利便性を向上させることができる。
【0104】
(第8項)前記資産は前記移動体であり、前記情報処理装置は、前記移動体を撮影する撮影部を備え、前記情報送信部は、前記登録情報と前記撮影部の撮影画像とを、前記通信部によって送信する、第1項から第7項のいずれか1項に記載の情報処理装置。
第8項の情報処理装置によれば、移動体を資産として貸出可能状態に登録する場合に、移動体を撮影した画像を、管理装置によって管理できる。これにより、資産を借り受ける第三者が、移動体を撮影した画像を見ることができ、資産を借り受ける第三者の利便性を向上させることができる。
【0105】
(第9項)前記情報送信部は、貸出可能状態に登録された前記資産が前記移動体であり、貸出可能状態に登録されている間に前記移動体が移動を開始した場合に、前記資産の貸出可能状態の登録をキャンセルするキャンセル情報を前記通信部によって送信する、第1項から第8項のいずれか1項に記載の情報処理装置。
第9項の情報処理装置によれば、移動体が貸出可能状態に登録された場合であって、移動体の貸出ができない可能性が生じた場合に、貸出可能状態をキャンセルできる。これにより、移動体が貸出可能状態に登録された後に利用者の予定が変更された場合に、速やかに貸出可能状態の登録を解除できる。
【0106】
(第10項)前記情報提示部は、前記移動体に設けられた表示部によって前記設定部を提示し、前記情報送信部は、前記表示部に表示された前記設定部に対する操作に基づいて、前記登録情報を前記通信部によって送信する、第1項から第9項のいずれか1項に記載の情報処理装置。
第10項の情報処理装置によれば、移動体に設けられた表示部を利用して、利用者が、資産の貸出を容易に登録できる。
【0107】
(第11項)移動体の利用者の行動を認識し、前記利用者が前記移動体による移動を開始すると推定される行動、又は、前記利用者が前記移動体から降りると推定される行動のいずれかに該当する特定行動が認識された場合に、前記利用者に対し、前記利用者の資産を貸出可能状態に登録する設定部を提示し、前記設定部によって登録が指示された場合に、前記資産を貸出可能状態に登録する登録情報を管理装置に送信する、情報処理方法。
第11項の情報処理方法によれば、利用者が移動体による移動を開始すると推定される行動、又は、利用者が移動体から降りると推定される行動を行った場合に、設定部を利用して、資産の貸出を登録できる。このため、利用者が資産を貸し出すことを容易に登録できるので、資産の貸出に関する手順を簡易化し、利便性の向上を図ることができる。さらに、情報処理装置は、利用者の特定行動を認識することによって、資産の貸出が可能になると推定されるときに設定部を提示する。このため、利用者は、資産の貸出を予定しておくことなく、容易に貸出を登録することができる。また、利用者の予定が不確実な場合であっても対応できる。
【0108】
(第12項)通信部を備える情報処理装置を制御するコンピュータが実行可能なプログラムであって、前記コンピュータにより、移動体の利用者の行動を認識し、前記利用者が前記移動体による移動を開始すると推定される行動、又は、前記利用者が前記移動体から降りると推定される行動のいずれかに該当する特定行動が認識された場合に、前記利用者に対し、前記利用者の資産を貸出可能状態に登録する設定部を提示し、前記設定部によって登録が指示された場合に、前記資産を貸出可能状態に登録する登録情報を前記通信部によって管理装置に送信する、ためのプログラム。
第12項のプログラムによれば、利用者が移動体による移動を開始すると推定される行動、又は、利用者が移動体から降りると推定される行動を行った場合に、設定部を利用して、資産の貸出を登録できる。このため、利用者が資産を貸し出すことを容易に登録できるので、資産の貸出に関する手順を簡易化し、利便性の向上を図ることができる。さらに、情報処理装置は、利用者の特定行動を認識することによって、資産の貸出が可能になると推定されるときに設定部を提示する。このため、利用者は、資産の貸出を予定しておくことなく、容易に貸出を登録することができる。また、利用者の予定が不確実な場合であっても対応できる。
【符号の説明】
【0109】
1…情報処理装置、10…CPU、11…通信制御部、13…入力受付部、14…音声処理部、15…利用者行動認識部、16…位置情報取得部、17…貸出情報取得部、18…情報提示部、19…情報送信部、20…メモリ、21…制御用プログラム(プログラム)、22…車両情報、23…登録情報、24…貸出情報、40…タッチパネル(表示部)、41…スピーカ、42…マイク、43…GNSS、44…カメラ(撮影部)、45…通信ユニット(通信部)、110、120、130…携帯型装置、200…管理装置、301…カーシェア設定画面、310…設定部、500…通信ネットワーク、Pa…駐車場所、Uo…所有者(利用者)、Vs…車両(移動体)。