(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-20
(45)【発行日】2025-01-28
(54)【発明の名称】シール貼付具及びシール貼付装置
(51)【国際特許分類】
B65C 9/36 20060101AFI20250121BHJP
B65C 3/00 20060101ALI20250121BHJP
【FI】
B65C9/36
B65C3/00
(21)【出願番号】P 2021010638
(22)【出願日】2021-01-26
【審査請求日】2023-10-26
(73)【特許権者】
【識別番号】390034223
【氏名又は名称】イーデーエム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100206335
【氏名又は名称】太田 和宏
(74)【代理人】
【識別番号】100120857
【氏名又は名称】渡邉 聡
(72)【発明者】
【氏名】半藤 賢一
【審査官】佐藤 秀之
(56)【参考文献】
【文献】実開平05-049604(JP,U)
【文献】特開2000-128138(JP,A)
【文献】特開平10-007119(JP,A)
【文献】米国特許第04692201(US,A)
【文献】特開2010-052753(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65C 9/00
B65C 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の剛性を有するシールを曲げながら被貼付物のコーナー部又は曲面部に貼り付け可能に構成されるブロック状のシール貼付具であって、
前記シールの少なくとも一部を挟んで前記被貼付物に対向して配置され前記シールを曲げながら被貼付物のコーナー部又は曲面部に押圧することにより所定の反発力を有した状態で変形されて前記シールを前記被貼付物に押圧する外側部分と、
前記外側部分の前記シールとは反対側に配置され前記外側部分よりも反発力が弱い内側部分と、を備え、
前記被貼付物は、第1面と、前記第1面に連続して配置される第2面と、を有し、前記第1面と前記第2面とは、同一平面上に配置されておらず、
前記外側部分は、前記第1面に前記シールを押圧する第1ブロック側押圧面と、前記第1ブロック側押圧面に連続して形成され該外側部分が反発力を有した状態で変形されることで
前記第2面側に回り込んで前記第2面に前記シールを押圧する第2ブロック側押圧面と、を有し、
前記内側部分は、前記外側部分の前記シールとは反対側において前記第1ブロック側押圧面に対応した位置であって前記外側部分の前記第1ブロック側押圧面が前記第1面に前記シールを押圧した場合に前記第1面側の部分が潰れる位置に形成される第1内側部分と、前記外側部分の前記シールとは反対側において前記第1ブロック側押圧面に対応した位置から前記第2ブロック側押圧面側に所定距離離れた位置であって前記外側部分の前記第1ブロック側押圧面が前記第1面に前記シールを押圧した場合に
前記第2ブロック側押圧面が前記第2面側に回り込んだ状態で前記第1内側部分側の部分が潰れる位置に形成される第2内側部分と、を有
し、
前記第1内側部分と前記第2内側部分との間には、前記外側部分に連続して形成され前記外側部分と同じ反発力を有する中間部分が配置される、シール貼付具。
【請求項2】
前記内側部分は、前記外側部分の前記シールとは反対側において、前記第1面と前記第2面とが並ぶ方向に直交する方向に延びる柱状に形成される、請求項1に記載のシール貼付具。
【請求項3】
前記第2ブロック側押圧面は、前記第1ブロック側押圧面を挟んで両側に一対設けられる、請求項1又は2に記載のシール貼付具。
【請求項4】
前記第1面及び前記第2面は、いずれも平面状に形成される、請求項1~3のいずれかに記載のシール貼付具。
【請求項5】
前記第1ブロック側押圧面と前記第2ブロック側押圧面とは、前記外側部分が前記シールを前記被貼付物に押圧しない状態において、同一平面上に配置される、請求項1~4のいずれかに記載のシール貼付具。
【請求項6】
前記内側部分は、空洞空間である、請求項1~5のいずれかに記載のシール貼付具。
【請求項7】
請求項1~6のいずれかに記載のシール貼付具と、
前記被貼付物に仮貼付された前記シールを前記被貼付物に押圧するように前記シール貼付具を移動させる押圧移動機構と、を備えるシール貼付装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シール貼付具及びシール貼付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、被貼付物のコーナー部にシールを貼り付けるシール貼付装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のシール貼付装置は、押圧プレートにより、被貼付物の上面から側面にかけてシールを被貼付物に貼り付ける。押圧プレートは、シールを被貼付物の上面に押圧する第1押圧面と、シールを被貼付物の側面に押圧する第2押圧面と、を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のシール貼付装置においては、被貼付物のコーナー部にシールを貼り付けた場合に、被貼付物のコーナー部においてシールの浮きが生じることがあった。また、特許文献1に記載のシール貼付装置は、構造が複雑である。そのため、簡易な構成で、シールの浮きを抑制した状態で、被貼付物のコーナー部又は曲面部にシールを貼り付けることができるシール貼付具が望まれている。
【0005】
本発明は、簡易に構成され、シールの浮きを抑制した状態で、被貼付物のコーナー部又は曲面部にシールを貼り付けることができるシール貼付具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、所定の剛性を有するシールを曲げながら被貼付物のコーナー部又は曲面部に貼り付け可能に構成されるブロック状のシール貼付具であって、前記シールの少なくとも一部を挟んで前記被貼付物に対向して配置され前記シールを曲げながら被貼付物のコーナー部又は曲面部に押圧することにより所定の反発力を有した状態で変形されて前記シールを前記被貼付物に押圧する外側部分と、前記外側部分の前記シールとは反対側に配置され前記外側部分よりも反発力が弱い内側部分と、を備える、シール貼付具に関する。
【0007】
また、前記被貼付物は、第1面と、前記第1面に連続して配置される第2面と、を有し、前記第1面と前記第2面とは、同一平面上に配置されておらず、前記外側部分は、前記第1面に前記シールを押圧する第1ブロック側押圧面と、前記第1ブロック側押圧面に連続して形成され該外側部分が反発力を有した状態で変形されることで前記第2面に前記シールを押圧する第2ブロック側押圧面と、を有することが好ましい。
【0008】
また、前記内側部分は、前記外側部分の前記シールとは反対側において、前記第1面と前記第2面とが並ぶ方向に直交する方向に延びる柱状に形成されることが好ましい。
【0009】
また、前記内側部分は、前記外側部分の前記シールとは反対側において前記第1ブロック側押圧面に対応した位置に形成される第1内側部分を有することが好ましい。
【0010】
また、前記内側部分は、前記外側部分の前記シールとは反対側において前記第1ブロック側押圧面に対応した位置から所定距離離れた位置に形成される第2内側部分を有することが好ましい。
【0011】
また、前記第2ブロック側押圧面は、前記第1ブロック側押圧面を挟んで両側に一対設けられることが好ましい。
【0012】
また、前記第1面及び前記第2面は、いずれも平面状に形成されることが好ましい。
【0013】
また、前記第1ブロック側押圧面と前記第2ブロック側押圧面とは、前記外側部分が前記シールを前記被貼付物に押圧しない状態において、同一平面上に配置されることが好ましい。
【0014】
また、前記内側部分は、空洞空間であることが好ましい。
【0015】
本発明は、前記シール貼付具と、前記被貼付物に仮貼付された前記シールを前記被貼付物に押圧するように前記シール貼付具を移動させる押圧移動機構と、を備えるシール貼付装置に関する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、簡易に構成され、シールの浮きを抑制した状態で、被貼付物のコーナー部又は曲面部にシールを貼り付けることができるシール貼付具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】第1実施形態のシール貼付装置を示す斜視図である。
【
図2】第1実施形態のシール貼付装置を示す正面図である。
【
図3】第1実施形態において、押圧変形ブロックが被貼付物のコーナー部にシールを押圧する押圧動作を示す斜視図である。
【
図4】第1実施形態において、押圧変形ブロックが被貼付物のコーナー部にシールを押圧する押圧動作を示す正面図である。
【
図5】シール貼付装置において、被貼付物の側面にシールを押圧する押圧動作を示す正面図である。
【
図6】第2実施形態において、押圧変形ブロックが被貼付物のコーナー部にシールを押圧する押圧動作を示す正面図である。
【
図7】第3実施形態において、押圧変形ブロックが被貼付物のコーナー部にシールを押圧する押圧動作を示す正面図である。
【
図8】第4実施形態において、押圧変形ブロックが被貼付物のコーナー部にシールを押圧する押圧動作を示す正面図である。
【
図9】第5実施形態において、押圧変形ブロックが被貼付物のコーナー部にシールを押圧する押圧動作を示す斜視図である。
【
図10】第5実施形態において、押圧変形ブロックが被貼付物のコーナー部にシールを押圧する押圧動作を示す正面図である。
【
図11】(a)は、第6実施形態のシール貼付装置を示す正面図である。(b)は、第7実施形態のシール貼付装置を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の第1実施形態の押圧変形ブロック3(シール貼付具)を含むシール貼付装置1について、図面を参照して説明する。なお、本実施形態においては、以下の説明及び図面において、押圧変形ブロック3の複数の内側部分32が並ぶ方向又は内側部分32の水平方向の径方向をX方向という。押圧変形ブロックの内側部分32が延びる軸方向をY方向という。上下方向をZ方向という。Z方向は、X方向及びY方向に直交する方向である。
【0019】
本実施形態の押圧変形ブロック3は、ブロック状のシール貼付具である。押圧変形ブロック3は、所定の剛性を有するシールSを曲げながら被貼付物10のコーナー部又は曲面部に貼り付け可能である。
【0020】
本実施形態において、押圧変形ブロック3により被貼付物10に貼り付けられるシールSは、例えば、裏面に接着剤などの貼着部を設けた紙製やプラスチック製のシートである。シールSには、例えば、物品に関する関連する情報が記載されたラベルシールや、箱本体と蓋とを有する箱において箱本体と蓋とに跨って貼り付けられる封止シールなどが含まれる。
【0021】
本実施形態においては、
図1及び
図2に示すように、被貼付物10は、外形が直方体形状に形成される。被貼付物10は、X方向に長さXaの幅を有してY方向に長さYa延びる上面11(第1面)と、上面11のX方向の両端部それぞれから下方に長さZa延びる一対の側面12(第2面)と、下面14と、上面11と側面12との角部分により構成される一対のコーナー部13と、を有する。
【0022】
上面11は、X方向及びY方向に平行な平面状に形成される。上面11は、Y方向に長い長方形に形成される。一対の側面12は、Y方向及びZ方向に平行な平面状に形成される。一対の側面12は、それぞれ、上面11のX方向の両端部それぞれから上面11に直交するZ方向に延びる平面状に形成される。
【0023】
側面12は、コーナー部13において上面11と側面12との境界となる辺を介して、上面11に連続する。上面11と側面12とは、同一平面上に配置されていない。下面14は、X方向及びY方向に平行な平面状に形成され、上面11の下方において、上面11に平行に配置される。上面11、一対の側面12及び下面14は、
図2に示すように、Y方向に見た場合に、周方向Rに並んで配置される。
【0024】
コーナー部13は、上面11と側面12との境界となる辺と、上面11と側面12との境界となる辺に接する上面11の一部と、上面11と側面12との境界となる辺に接する側面12の一部と、を含む角部分により構成される。一対のコーナー部13は、被貼付物10のX方向の両端の角部分に形成される。コーナー部13は、Y方向に延びる。
【0025】
本実施形態においては、コーナー部13は、上面11と側面12との境界となる辺のみを意味するのではなく、上面11と側面12との境界となる辺と、上面11と側面12との境界となる辺に接する上面11の一部と、上面11と側面12との境界となる辺に接する側面12の一部と、を含んで構成される。本実施形態のシール貼付装置1は、被貼付物10のコーナー部13において、シールSを曲げながら被貼付物10の上面11の一部と側面12の一部とに跨って貼り付けることができる。
【0026】
シールSは、被貼付物10に貼り付けられる前の状態において、平面形状のシート状に形成される。本実施形態においては、シールSは、被貼付物10に貼り付けられる前の平面形状の状態において、例えば、X方向の長さXsは、被貼付物10の上面11のX方向の長さXaよりも長く形成され、例えば、Y方向の長さYsは、上面11のY方向の長さYaよりも短く形成される。
【0027】
シールSは、所定の剛性(腰)を有する。シールSの裏面には接着剤が設けられる。シールSは、被貼付物10の上面11に平面形状の状態で仮貼着された状態で、押圧変形ブロック3(後述)に押圧された場合には、被貼付物10の一対のコーナー部13において曲げられて、被貼付物10のコーナー部13に貼り付けられる。
【0028】
シール貼付装置1は、
図1及び
図2に示すように、被貼付物10を搬送する搬送部2と、押圧変形ブロック3(シール貼付具)と、ブロック押圧駆動部4(押圧移動機構)と、シールSを被貼付物10の側面に押圧する一対の側面押圧駆動機構5と、を備える。
【0029】
搬送部2は、被貼付物10を搬送方向Pに搬送する。搬送部2は、例えば、移動ベルト21と、移動ベルト21を駆動するベルト駆動部(図示せず)と、を備えて構成される。
【0030】
搬送部2は、シールSが上面11(第1面)に平面形状の状態で仮貼付された被貼付物10を、シール貼り付け位置まで搬送する。搬送部2は、被貼付物10をシール貼り付け位置において停止させ、押圧変形ブロック3及び側面押圧駆動機構5によりシールSが曲げられて被貼付物10に貼り付けられた後に、シールSが貼り付けられた被貼付物10を、次の工程(例えば、検査工程)が行われる位置に向けて搬送する。
【0031】
ブロック押圧駆動部4は、支持板41と、支持板41をZ方向に移動させる駆動軸部42と、を有する。ブロック押圧駆動部4の下部に設けられる支持板41の下面には、押圧変形ブロック3が固定される。ブロック押圧駆動部4は、Z方向に移動可能に構成され、押圧変形ブロック3が被貼付物10に仮貼付されたシールSを被貼付物10に押圧するように、押圧変形ブロック3を被貼付物10に近づく方向、又は、押圧変形ブロック3が被貼付物10から離れる方向に移動させる。
【0032】
押圧変形ブロック3は、被貼付物10のコーナー部13に対して、シールSを貼り付ける。押圧変形ブロック3は、ブロック状に形成され、シールSを曲げながら被貼付物10のコーナー部13に押圧することにより反発力を有した状態で変形される。
【0033】
押圧変形ブロック3は、
図1及び
図2に示すように、外側部分31と、3つの空洞部分32(内側部分)と、を有する。
【0034】
外側部分31は、押圧変形ブロック3のシールS側の部分である。外側部分31は、シールSの少なくとも一部を挟んで被貼付物10に対向して配置される。外側部分31は、シールSを曲げながら被貼付物10のコーナー部13に押圧することにより、所定の反発力を有した状態で変形されて、シールSを被貼付物10に押圧する。
【0035】
外側部分31は、被貼付物10側の面において、第1ブロック側押圧面33と、一対の第2ブロック側押圧面34と、一対のブロック側非押圧面35と、を有する。第1ブロック側押圧面33、一対の第2ブロック側押圧面34及び一対のブロック側非押圧面35とは、外側部分31がシールSを被貼付物10に押圧しない状態において、外側部分31における被貼付物10側の面において同一平面上に形成される。
【0036】
第1ブロック側押圧面33は、外側部分31の被貼付物10側の面において、X方向の中央に形成される。第1ブロック側押圧面33は、被貼付物10の上面11にシールSを押圧する。
【0037】
一対の第2ブロック側押圧面34は、外側部分31の被貼付物10側の面において、第1ブロック側押圧面33を挟んでX方向の両側に形成される。一対の第2ブロック側押圧面34は、第1ブロック側押圧面33に並んで連続して配置される。第2ブロック側押圧面34は、外側部分31が第1ブロック側押圧面33において被貼付物10の上面11を押圧した場合に、外側部分31が反発力を有した状態で変形されることで、被貼付物10の側面12側に回り込んで、被貼付物10の側面12にシールSを押圧する。
【0038】
一対のブロック側非押圧面35は、外側部分31の被貼付物10側の面において、第1ブロック側押圧面33のX方向の両方の外側に配置される一対の第2ブロック側押圧面34に対してX方向の両方の外側に配置される。一対のブロック側非押圧面35は、被貼付物10の上面11及び側面12にシールSを押圧しない面である。なお、第2ブロック側押圧面34とブロック側非押圧面35との境界位置は、一定ではなく、押圧変形ブロック3の押圧力や、被貼付物10の大きさや形状、シールSの大きさや形状などによって変化する。
【0039】
3つの空洞部分32は、外側部分31のシールSとは反対側の押圧変形ブロック3の内部に配置される。3つの空洞部分32は、押圧変形ブロック3における被貼付物10側の面から、押圧変形ブロック3の内部側に所定距離離れて配置される。3つの空洞部分32が形成される位置は、外側部分31が被貼付物10のコーナー部13を押圧した場合に、外側部分31が潰れて被貼付物10の側面12に回り込んで、シールSを被貼付物10のコーナー部13に押圧することで、シールSを被貼付物10のコーナー部13に良好に貼り付けることが可能な位置が設定される。
【0040】
3つの空洞部分32は、それぞれ、外側部分31のシールSとは反対側の押圧変形ブロック3の内部において、被貼付物10の上面11と側面12とが並ぶ方向に直交するY方向に延びる。本実施形態においては、上面11、一対の側面12及び下面14は、
図2に示すように、Y方向に見た場合に、周方向Rに並んで配置される。そのため、被貼付物10の上面11と側面12とが並ぶ方向に直交する方向は、周方向Rに直交するY方向である。3つの空洞部分32が延びるY方向は、被貼付物10のコーナー部13が延びる方向と一致する。
【0041】
本実施形態においては、3つの空洞部分32は、それぞれ、押圧変形ブロック3をY方向に貫通して延びる円柱状の空洞空間により形成される。3つの空洞部分32は、外側部分31よりも反発力が弱く形成される。3つの空洞部分32は、第1空洞部分321(第1内側部分)と、一対の第2空洞部分322(第1内側部分)と、により構成される。
【0042】
第1空洞部分321は、外側部分31のシールSとは反対側の押圧変形ブロック3の内部において、押圧変形ブロック3におけるX方向の中央に形成される。第1空洞部分321は、外側部分31のシールSとは反対側の押圧変形ブロック3の内部において、X方向の位置が、第1ブロック側押圧面33に対応した位置に形成される。
【0043】
一対の第2空洞部分322は、外側部分31のシールSとは反対側の押圧変形ブロック3の内部において、第1空洞部分321を挟んでX方向の両側に所定距離離れて配置される。一対の第2空洞部分322は、それぞれ、外側部分31のシールSとは反対側の押圧変形ブロック3の内部において、X方向の位置が、第1ブロック側押圧面33に対応した位置からX方向に所定距離離れた位置に形成される。一対の第2空洞部分322は、それぞれ、外側部分31のシールSとは反対側の押圧変形ブロック3の内部において、X方向の位置が、ブロック側非押圧面35に対応した位置に形成される。
【0044】
本実施形態においては、押圧変形ブロック3の外形は、X方向の長さが長さXbt、Y方向の長さが長さYb、Z方向の長さが長さZbの直方体形状に形成される。
【0045】
押圧変形ブロック3のX方向の長さXbtは、例えば、被貼付物10のX方向の長さXaよりも長く形成される。押圧変形ブロック3のY方向の長さYbは、例えば、シールSのY方向の長さYsよりも長く且つ被貼付物10のY方向の長さYaよりも短く形成される。押圧変形ブロック3のZ方向の長さZbは、例えば、外側部分31のシールSとは反対側の押圧変形ブロック3の内部に内側部分32を設けた状態で、外側部分31が反発力を有した状態でシールSを被貼付物10に押圧可能な長さで形成される。
【0046】
本実施形態においては、
図2に示すように、第1空洞部分321のX方向の直径は、長さXb1で形成される。第1空洞部分321のX方向の長さXb1は、例えば、被貼付物10の上面11のX方向の長さXaと同じ長さに形成される。なお、第1空洞部分321のX方向の長さXb1は、被貼付物10の上面11のX方向の長さXaと異なった長さでもよい。
【0047】
一対の第2空洞部分322,322のX方向の直径は、それぞれ、例えば、長さXb2で形成される。本実施形態においては、第1空洞部分321のX方向の長さXb1と第2空洞部分322,322のX方向の長さXb2とは、例えば、同じ長さである。なお、第1空洞部分321のX方向の長さXb1と第2空洞部分322,322のX方向の長さXb2とは、異なった長さでもよい。本実施形態においては、第1空洞部分321と第2空洞部分322とは、X方向において、長さXb3離間して配置されている。
【0048】
本実施形態においては、押圧変形ブロック3は、外側部分31も含めた全体が、例えば、スポンジにより構成される。なお、スポンジの材質は限定されない。例えば、ウレタン材質のスポンジが挙げられる。また、押圧変形ブロック3の3つの空洞部分32は、それぞれ、例えば、円柱状の空洞空間により構成される。
【0049】
以上のように構成される押圧変形ブロック3は、
図3及び
図4に示すように、ブロック押圧駆動部4が押圧変形ブロック3を下方に移動させることで、被貼付物10に仮貼付されたシールSを、被貼付物10のコーナー部13に押圧する。
【0050】
これにより、押圧変形ブロック3は、
図3及び
図4に示すように、外側部分31の第1ブロック側押圧面33が被貼付物10の上面11にシールSを押圧することで、外側部分31よりも反発力が弱い第1空洞部分321の下方側が潰れると共に、第1空洞部分321のX方向の外側に配置され外側部分31よりも反発力が弱い第2空洞部分322の第1空洞部分321側が潰れて、第2ブロック側押圧面34が、被貼付物10の側面12側に回り込むように変形する。よって、押圧変形ブロック3は、被貼付物10のコーナー部13にシールSを良好に貼り付けることができる。
【0051】
一対の側面押圧駆動機構5は、
図1及び
図2に示すように、搬送部2に搬送される被貼付物10の側面の側方に配置される。一対の側面押圧駆動機構5は、押圧変形ブロック3により被貼付物10のコーナー部13に貼り付けられたシールSの側面の部分を被貼付物10の側面12に押圧する。一対の側面押圧駆動機構5は、それぞれ、押圧板部51と、駆動部52と、を有する。
【0052】
押圧板部51は、X方向に厚みを有する板状に形成され、Y方向及びZ方向に延びる。押圧板部51の表面511には、例えば、スポンジやゴムなどの反発力を有する部材が設けられている。駆動部52は、被貼付物10の側面12に近づく方向及び被貼付物10の側面12から離れる方向に押圧板部51を移動させる。駆動部52が押圧板部51を被貼付物10の側面12に近づく方向に移動させることで、被貼付物10の側面12に仮貼付されたシールSを、被貼付物10の側面12に貼り付ける。
【0053】
次に、シール貼付装置1の動作について説明する。
図3及び
図4は、シール貼付装置1の押圧動作を示す図である。
図3(a)及び
図4(a)は、押圧変形ブロック3が被貼付物10の上面11に配置されたシールSに接触した状態を示す図であり、
図3(b)及び
図4(b)は、押圧変形ブロック3がシールSを被貼付物10に押圧した初期の状態を示す図であり、
図3(c)及び
図4(c)は、押圧変形ブロック3が初期の状態から更にシールSを被貼付物10に押圧した状態を示す図である。
【0054】
図1及び
図2に示すように、シールSが被貼付物10の上面11に平面形状の状態で仮貼付された状態で、被貼付物10は、搬送部2により、搬送方向Pに移動される。ここでは、シールSが所定の剛性(腰)を有しているため、シールSは、被貼付物10の上面11において、平面形状の状態で水平に配置されて仮貼付された状態で搬送される。そして、搬送部2は、シールSを貼り付けるシール貼り付け位置において、被貼付物10を停止させる。
【0055】
続けて、シール貼り付け位置において、ブロック押圧駆動部4は、
図3(a)及び
図4(a)に示すように、押圧変形ブロック3を下方に移動させて、被貼付物10の上面11に仮貼付されたシールSに押圧変形ブロック3を接触させて、更に、押圧変形ブロック3を、
図3(b)及び
図4(b)に示すように、シールSを被貼付物10に押圧する。
【0056】
図3(b)及び
図4(b)に示すように、押圧変形ブロック3を押圧すると、所定の剛性を有するシールSは、被貼付物10の上面11に貼り付けられた状態で、コーナー部13の辺において下方に屈曲する。これにより、シールSは、コーナー部13の辺において折り曲げられて、被貼付物10の一方の側面12、上面11及び他方の側面12に沿って配置される。
【0057】
その後、押圧変形ブロック3の第1ブロック側押圧面33が、シールSを被貼付物10の上面11を押圧して、第1空洞部分321の下方側が潰れると共に、第2空洞部分322の第1空洞部分321側が潰れて、第1ブロック側押圧面33のX方向の外側の第2ブロック側押圧面34が、被貼付物10の側面12側に回り込むように変形する。
【0058】
そして、押圧変形ブロック3を更に押圧すると、
図3(c)及び
図4(c)に示すように、一対の第2空洞部分322のX方向の内側が更に潰れて、第2ブロック側押圧面34が被貼付物10の側面12側に更に回り込んで、被貼付物10のコーナー部13にシールSを押圧することができる。よって、押圧変形ブロック3は、被貼付物10のコーナー部13において、シールSの浮きを抑制した状態で、シールSを被貼付物10に良好に貼り付けることができる。
【0059】
続けて、
図5に示すように、ブロック押圧駆動部4により、押圧変形ブロック3を被貼付物10の上方側に退避させた後に、側面押圧駆動機構5の駆動部52を駆動する。これにより、一対の側面押圧駆動機構5の押圧板部51は、被貼付物10のコーナー部13の下方の側面12に沿って配置されたシールSを、被貼付物10の側面12に押圧して貼り付けることができる。なお、側面押圧駆動機構5の駆動部52を駆動する場合に、押圧変形ブロック3を被貼付物10の上方側に退避させずに、側面押圧駆動機構5の駆動部52を駆動してもよい。この場合、一対の側面押圧駆動機構5の押圧板部51により、シールSを被貼付物10の側面12に押圧して貼り付けた後に、ブロック押圧駆動部4により、押圧変形ブロック3を被貼付物10の上方側に退避させることができる。
【0060】
このようにして、シールSの浮きを抑制した状態で、被貼付物10のコーナー部13に、シールSを良好に貼り付けることができる。
【0061】
本実施形態の押圧変形ブロック3によれば、例えば、以下の効果が奏される。
【0062】
本実施形態のシール貼付具3は、所定の剛性を有するシールSを曲げながら被貼付物10のコーナー部13に貼り付け可能に構成され、シールSの少なくとも一部を挟んで被貼付物10に対向して配置されシールSを曲げながら被貼付物10のコーナー部13に押圧することにより所定の反発力を有した状態で変形されてシールSを被貼付物10に押圧する外側部分31と、外側部分31のシールSとは反対側に配置され外側部分31よりも反発力が弱い内側部分32と、を備える。
【0063】
そのため、外側部分31と内側部分32とを備える押圧変形ブロック3を用いることで、押圧変形ブロック3を被貼付物10に押圧した場合に、内側部分32が潰れた状態で、シールSを曲げながら被貼付物10のコーナー部13に押圧できる。これにより、簡易な構成で、シールSの浮きを抑制した状態で、被貼付物10のコーナー部13に良好にシールSを貼り付けることができる。また、押圧変形ブロック3を被貼付物10に押圧した場合に、内側部分32が潰れた状態で被貼付物10を安定して保持できるため、シールSを被貼付物10に安定した状態で貼り付けることができる。
【0064】
また、本実施形態においては、被貼付物10は、上面11と、上面11に連続して配置される側面12と、を有し、上面11と側面12とは、同一平面上に配置されておらず、外側部分31は、上面11にシールSを押圧する第1ブロック側押圧面33と、第1ブロック側押圧面33に連続して形成され外側部分31が反発力を有した状態で変形されることで側面12にシールSを押圧する第2ブロック側押圧面34と、を有する。
【0065】
そのため、第1ブロック側押圧面33が被貼付物10の上面11にシールSを押圧しながら、第2ブロック側押圧面34が被貼付物10の側面12にシールSを押圧することで、シールSを曲げながら被貼付物10に貼り付ける。これにより、押圧変形ブロック3の第1ブロック側押圧面33及び第2ブロック側押圧面34により、被貼付物10の上面11と側面12とを押圧できるため、簡易な構成で、シールSの浮きを抑制した状態で、被貼付物10のコーナー部13に良好にシールSを貼り付けることができる。
【0066】
また、本実施形態においては、内側部分32は、外側部分31のシールSとは反対側において、被貼付物10の上面11と側面12とが並ぶ方向に直交するY方向に延びる柱状に形成される。これにより、内側部分32が被貼付物10のコーナー部13に沿って潰れるため、外側部分31がコーナー部13の側面12側に回り込みやすくなる。よって、シールSの浮きを抑制した状態で、被貼付物10のコーナー部13に良好にシールSを貼り付けることができる。
【0067】
また、本実施形態においては、内側部分32は、円柱状に形成される。そのため、外側部分31のシールSとは反対側に内側部分32を形成して押圧変形ブロック3を製造する場合に、円筒状の部材を用いて、外側部分31の一部をY方向に沿って円柱状に貫通させるように抜いて形成すればよいので、内側部分32を容易に形成できる。よって、押圧変形ブロック3の製造が容易である。
【0068】
また、本実施形態においては、内側部分32は、第1ブロック側押圧面33が形成される位置における外側部分31のシールSとは反対側に形成される第1内側部分321を有する。そのため、第1ブロック側押圧面33において被貼付物10の上面11を押圧する場合に、第1内側部分321が変形して潰れやすくなる。これにより、第1ブロック側押圧面33において被貼付物10の上面11を押圧する場合に、第1内側部分321が変形して潰れて、シール貼付具3を下方側に移動させやすくなる。よって、外側部分31が変形することで、被貼付物10のコーナー部13の側面12側に、外側部分31が回り込みやすいため、シールSの浮きを抑制した状態で、被貼付物10のコーナー部13に良好にシールSを貼り付けることができる。
【0069】
また、本実施形態においては、内側部分32は、ブロック側非押圧面35が形成される位置における外側部分31のシールSとは反対側の押圧変形ブロック3の内部に形成される第2内側部分322を有する。これにより、外側部分31が被貼付物10のコーナー部13の側面12側に回り込むように変形する。よって、被貼付物10のコーナー部13の側面12に、外側部分31が回り込みやすいため、シールSの浮きを抑制した状態で、被貼付物10のコーナー部13に良好にシールSを貼り付けることができる。
【0070】
また、本実施形態においては、第2ブロック側押圧面34は、第1ブロック側押圧面33を挟んで両側に一対設けられる。これにより、本実施形態の被貼付物10ように、側面12、上面11及び側面12がこの順で形成される場合において、シールSをコ字状に折り曲げて、側面12、上面11及び側面12に、シールSの浮きを抑制した状態で、シールSをコーナー部13に良好に貼り付けることができる。
【0071】
また、本実施形態においては、被貼付物10の上面11及び側面12は、いずれも平面状に形成される。これにより、シールSを、被貼付物10のコーナー部13において、平面状の上面11及び側面12に跨って良好に貼り付けることができる。
【0072】
また、本実施形態においては、第1ブロック側押圧面33と第2ブロック側押圧面34とは、外側部分31がシールSを被貼付物10に押圧しない状態において、同一平面上に配置される。これにより、外側部分31における被貼付物10の上面11に対向する側の面を平面により形成できるため、外側部分31の所定の面を平面で形成することで外側部分31を容易に製造できると共に、外側部分31の平面がシールSを被貼付物10に押圧するため、安定して押圧することができる。
【0073】
また、本実施形態においては、内側部分32は、空洞空間である。そのため、外側部分31においてくり抜くことで空洞空間を形成できるため、押圧変形ブロック3に内側部分32を容易に設けることができる。よって、押圧変形ブロック3を容易に製造できる。
【0074】
また、本実施形態のシール貼付装置1は、押圧変形ブロック3と、被貼付物10に仮貼付されたシールSを被貼付物10に押圧するように押圧変形ブロック3を移動させるブロック押圧駆動部4と、を備える。そのため、ブロック押圧駆動部4を駆動させることで、シールSを曲げながら被貼付物10のコーナー部13に押圧できるため、シールSを容易に被貼付物10に貼り付けることができる。
【0075】
次に、
図6により、第2実施形態について説明する。第2実施形態の構成は、第1実施形態の構成と比べて、押圧変形ブロック3A及び被貼付物10Aの構成が主に異なる。第2実施形態において説明しない点については、第1実施形態の説明を援用できる。
【0076】
第2実施形態の押圧変形ブロック3Aは、
図6に示すように、外側部分31Aと、1つの空洞部分32(内側部分)と、を有する。押圧変形ブロック3Aは、内側部分32において、第1実施形態の一対の第2空洞部分322を有さずに、第1実施形態と同様の第1空洞部分321を有する。また、第2実施形態の被貼付物10の上面11のX方向の長さXaaは、第1実施形態では被貼付物10の上面11のX方向の長さXaが第1空洞部分321のX方向の長さXb1と同じ長さであるのに対して、第1空洞部分321のX方向の長さXb1よりも短い。
【0077】
第2実施形態の押圧変形ブロック3AをシールSが仮貼けされた被貼付物10Aに向けて移動させると、
図6(a)に示すように、押圧変形ブロック3Aは、シールSの上面に接触する。この状態から、
図6(b)に示すように、押圧変形ブロック3Aを更に押圧すると、シールSがコーナー部13の辺において折り曲げられ、その後、押圧変形ブロック3Aの第1ブロック側押圧面33が、シールSを被貼付物10Aの上面11を押圧して、第1空洞部分321のX方向の中央側の部分が外側の部分よりも多く潰れて、X方向の外側の第2ブロック側押圧面34が、被貼付物10Aの側面12側に回り込むように変形する。
【0078】
そして、押圧変形ブロック3Aを更に押圧すると、
図6(c)に示すように、第1空洞部分321の下方側が更に潰れると共に、第1空洞部分321のX方向の外側が更に潰れて、第2ブロック側押圧面34が被貼付物10Aの側面12側に更に回り込んで、被貼付物10のコーナー部13にシールSを押圧することができる。ここで、被貼付物10の上面11のX方向の長さXaaが、第2空洞部分322のX方向の長さXb1よりも短いため、被貼付物10の上面11のX方向の長さと第2空洞部分322のX方向の長さとが同じ場合よりも、被貼付物10Aの側面12側に回り込む量が大きくなる。よって、押圧変形ブロック3Aは、被貼付物10のコーナー部13において、シールSの浮きを抑制した状態で、シールSを被貼付物10Aに良好に貼り付けることができる。
【0079】
次に、
図7により、第3実施形態について説明する。第3実施形態の構成は、第1実施形態の押圧変形ブロック3の構成と比べて、押圧変形ブロック3Bの構成が主に異なる。第3実施形態において説明しない点については、第1実施形態の説明を援用できる。
【0080】
第3実施形態の押圧変形ブロック3Bは、
図7に示すように、外側部分31Bと、2つの空洞部分32(内側部分)と、を有する。押圧変形ブロック3Bは、内側部分32において、第1実施形態の第1空洞部分321を有さずに、第1実施形態と同様の一対の第2空洞部分322,322を有する。
【0081】
一対の第2空洞部分322,322は、それぞれ、外側部分31BのシールSとは反対側の押圧変形ブロック3Bの内部において、第1ブロック側押圧面33に対応した位置TからX方向に所定距離離れた位置に形成される。一対の第2空洞部分322,322は、X方向の位置が、ブロック側非押圧面35に対応した位置に形成される。
【0082】
第3実施形態の押圧変形ブロック3BをシールSが仮貼けされた被貼付物10に向けて移動させると、
図7(a)に示すように、押圧変形ブロック3Bは、シールSの上面に接触する。この状態から、
図7(b)に示すように、押圧変形ブロック3Bを更に押圧すると、シールSがコーナー部13の辺において折り曲げられ、その後、押圧変形ブロック3Bの第1ブロック側押圧面33が、シールSを被貼付物10の上面11を押圧して、X方向の外側の第2ブロック側押圧面34が、被貼付物10の側面12側に回り込むように変形する。
【0083】
そして、押圧変形ブロック3Bを更に押圧すると、
図7(c)に示すように、一対の第2空洞部分322のX方向の内側が更に潰れて、第2ブロック側押圧面34が被貼付物10の側面12側に更に回り込んで、被貼付物10のコーナー部13にシールSを押圧することができる。よって、押圧変形ブロック3Bは、被貼付物10のコーナー部13において、シールSの浮きを抑制した状態で、シールSを被貼付物10に良好に貼り付けることができる。
【0084】
次に、
図8により、第4実施形態について説明する。第4実施形態の構成は、第1実施形態の構成と比べて、押圧変形ブロック3C及び被貼付物10Cの構成が主に異なる。第4実施形態において説明しない点については、第1実施形態の説明を援用できる。第4実施形態においては、第1実施形態比べて被貼付物10CがX方向に長く形成され、被貼付物10Cの一方のコーナー部13にシールSを貼り付ける。
【0085】
第4実施形態の押圧変形ブロック3Cは、
図8に示すように、外側部分31Cと、2つの空洞部分32(内側部分)と、を有する。押圧変形ブロック3Cは、内側部分32において、第1実施形態の第1空洞部分321と、第1実施形態の一対の第2空洞部分322のうちの一方側の第2空洞部分322と、を有する。また、被貼付物10CのX方向の長さは、第1実施形態の被貼付物10のX方向の長さよりも長い。
【0086】
第4実施形態の押圧変形ブロック3CをシールSが仮貼けされた被貼付物10Cに向けて移動させると、
図8(a)に示すように、押圧変形ブロック3Cは、シールSの上面に接触する。この状態から、
図8(b)に示すように、押圧変形ブロック3Cを更に押圧すると、シールSがコーナー部13の辺において折り曲げられ、その後、押圧変形ブロック3Cの第1ブロック側押圧面33が、シールSを被貼付物10Cの上面11を押圧して、第1空洞部分321の下方側が潰れると共に、第2空洞部分322の第1空洞部分321側が潰れて、X方向の外側の第2ブロック側押圧面34が、被貼付物10Cの側面12側に回り込むように変形する。
【0087】
そして、押圧変形ブロック3Cを更に押圧すると、
図8(c)に示すように、第1空洞部分321の下方側が更に潰れると共に第2空洞部分322の第1空洞部分321側が更に潰れて、第2ブロック側押圧面34が被貼付物10Cの側面12側に更に回り込んで、被貼付物10Cのコーナー部13にシールSを押圧することができる。よって、押圧変形ブロック3Cは、被貼付物10Cのコーナー部13において、シールSの浮きを抑制した状態で、シールSを被貼付物10Cに良好に貼り付けることができる。
【0088】
次に、
図9及び
図10により、第5実施形態について説明する。第5実施形態の構成は、第1実施形態の構成と比べて、押圧変形ブロック3Dの構成が主に異なる。第5実施形態において説明しない点については、第1実施形態の説明を援用できる。
【0089】
第5実施形態の押圧変形ブロック3Dは、正面から見た場合に上方が開放するコ字状に形成される被貼付物10Dに、シールSを貼り付け可能である。被貼付物10Dは、上面11とX方向の内側に形成される側面12Dとにより構成される内側コーナー部13Dを2つ備えている。
【0090】
第5実施形態の押圧変形ブロック3Dは、外側部分31DのシールSとは反対側の押圧変形ブロック3Dの内部に配置される内側部分32Dにおいて、内側コーナー部13Dの上面11D側の部分に対向する第1空洞部分321Dが2つ設けられる。第5実施形態の押圧変形ブロック3Dは、2つの内側コーナー部13Dそれぞれに、シールSを貼り付け可能である。
【0091】
第5実施形態の押圧変形ブロック3DをシールSが仮貼けされた被貼付物10Dに向けて移動させると、
図9(a)及び
図10(a)に示すように、押圧変形ブロック3Dは、シールSの上面に接触する。この状態から、
図9(b)及び
図10(b)に示すように、更に押圧すると、シールSが内側コーナー部13Dの辺において折り曲げられ、その後、押圧変形ブロック3Dの2つの第1ブロック側押圧面33それぞれが、シールSを被貼付物10Dの2つの上面11Dそれぞれを押圧して、2つの第1空洞部分321Dそれぞれの下方側が潰れて、X方向の内側の2つの第2ブロック側押圧面34それぞれが、被貼付物10Dの2つの側面12Dそれぞれの側に回り込むように変形する。
【0092】
そして、押圧変形ブロック3Dを更に押圧すると、
図9(c)及び
図10(c)に示すように、第1空洞部分321Dが下方側に更に潰れて、第2ブロック側押圧面34が被貼付物10Dの側面12D側に回り込んで、被貼付物10Dの2つの内側コーナー部13DそれぞれにシールSを押圧することができる。よって、押圧変形ブロック3Dは、被貼付物10Dの内側コーナー部13Dにおいて、シールSの浮きを抑制した状態で、シールSを被貼付物10Dに良好に貼り付けることができる。
【0093】
次に、他の変形形態について説明する。第1実施形態において、内側部分32(第1空洞部分321、第2空洞部分322)を円形状に形成したが、内側部分の形状は、これに限定されない。内側部分(第1空洞部分321、第2空洞部分322)を、例えば、多角形状に形成してもよい。例えば、第1実施形態の内側部分(第1空洞部分321、第2空洞部分322)を、
図11(a)に示すように、断面が四角形状の筒状に形成してもよい。
【0094】
また、
図11(b)に示すように、被貼付物10FにおけるシールSを貼り付ける部分の表面を曲面状に形成してもよい。被貼付物10FにおけるシールSを貼り付ける部分は、上側曲面11F(第1面)と、上側曲面11Fに連続して形成された側面側曲面12F(第2面)と、を有する。上側曲面11Fと側面側曲面12Fとは、同一平面状に配置されていない。
【0095】
以上、好適な実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限定されることなく種々の形態で実施することができる。
【0096】
例えば、前記実施形態においては、押圧変形ブロック3の外側部分31をスポンジで構成したが、外側部分31の材質はこれに限定されない。押圧変形ブロック3の外側部分31を、例えば、ゴム材料などで構成してもよい。
【0097】
また、前記実施形態においては、内側部分32を空洞空間により構成したが、これに限定されない。例えば、内側部分32を、空洞空間に代えて、外側部分31の反発力よりも小さい反発力を有する他の部材としてもよい。例えば、外側部分31をスポンジで構成し、内側部分32を、外側部分31よりも反発力が弱い他のスポンジで構成してもよい。
【0098】
また、前記実施形態においては、外側部分31をスポンジにより構成し、内側部分32を空洞空間により構成することで、外側部分と内側部分との反発力を明確に異なるように構成したが、これに限定されない。「外側部分」と「内側部分」とを、反発力が徐々に変わるように構成してもよい。
【0099】
また、前記実施形態においては、シール貼付装置1に一対の側面押圧駆動機構5を設けたが、これに限定されない。シールSの長さが短く形成されることで押圧変形ブロック3によりシールSの全体を被貼付物10のコーナー部13に貼り付けることが可能であれば、一対の側面押圧駆動機構5を備えていなくてよい。
【0100】
また、前記実施形態においては、押圧変形ブロック3をブロック押圧駆動部4により下方に移動させて、シールSを被貼付物10に押圧して貼り付けたが、これに限定されない。押圧変形ブロック3を手で把持して移動させることで、シールSを被貼付物10に押圧して貼り付けてもよい。
【0101】
また、前記実施形態においては、被貼付物10のコーナー部13の角度は直角に限定されない。被貼付物10のコーナー部13の角度を、例えば、30°~179°の間に設定してもよい。また、被貼付物10のコーナー部13は、面取りされている場合や、曲率半径Rが例えば10mm以下程度の小さい曲面が形成されている場合も、コーナー部に含まれる。
【0102】
また、前記第1実施形態においては、被貼付物10の上面11及び側面12をいずれも平面状に形成した。
図11(b)に示す変形形態においては、被貼付物10Fの上側曲面11F(第1面)を曲面状に形成し、側面側曲面12F(第2面)を曲面状に形成した。しかし、これらに限定されない。
図11(b)に示す変形形態において、例えば、一方を曲面状に形成し、他方を平面状に形成してもよい。
【0103】
また、前記実施形態においては、押圧変形ブロック3(シール貼付具)を1つの部材により一体で構成したが、これに限定されない。押圧変形ブロック3を、2つ以上の部材を組み合わせた一体の部材で構成してもよい。押圧変形ブロック3を2つ以上の部材を組み合わせた一体の部材で構成する場合に、2つ以上の部材は、同じ材料で構成してもよいし、異なる材料で構成してもよい。
【0104】
また、前記実施形態においては、内側部分32は、外側部分31を貫通して形成されているが、これに限定されない。内側部分32を、外側部分31を貫通せずに形成してもよい。
【0105】
また、前記実施形態においては、第1ブロック側押圧面33と第2ブロック側押圧面34とを同一平面上に配置したが、これに限定されない。第1ブロック側押圧面33と第2ブロック側押圧面34を、例えば、段差状に配置してもよい。
【0106】
また、前記実施形態においては、搬送部2は、被貼付物10をシール貼り付け位置において停止させ、押圧変形ブロック3及び側面押圧駆動機構5によりシールSが曲げられて被貼付物10に貼り付けしたが、これに限定されない。シール貼付装置は、被貼付物10が移動する搬送方向Pに移動しながら被貼付物のコーナー部又は曲面部にシールを貼り付けてもよい。
【符号の説明】
【0107】
1 シール貼付装置(シール貼付装置)
3 押圧変形ブロック(シール貼付具)
4 ブロック押圧駆動部(押圧移動機構)
10 被貼付物
11 上面(第1面)
12 側面(第2面)
13 コーナー部
31 外側部分
32 内側部分
33 第1ブロック側押圧面
34 第2ブロック側押圧面
35 ブロック側非押圧面
321 第1内側部分
322 第2内側部分
S シール