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▶ 日本製紙株式会社の特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-20
(45)【発行日】2025-01-28
(54)【発明の名称】紙製ラベル原紙
(51)【国際特許分類】
   D21H 27/00 20060101AFI20250121BHJP
   D21H 21/20 20060101ALI20250121BHJP
【FI】
D21H27/00 Z
D21H21/20
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021044893
(22)【出願日】2021-03-18
(65)【公開番号】P2022144051
(43)【公開日】2022-10-03
【審査請求日】2023-10-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000183484
【氏名又は名称】日本製紙株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100162396
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 泰之
(74)【代理人】
【識別番号】100194803
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 理弘
(72)【発明者】
【氏名】吉良 望美
(72)【発明者】
【氏名】森川 泰行
【審査官】塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-197212(JP,A)
【文献】特開2004-358731(JP,A)
【文献】特開2022-060160(JP,A)
【文献】特開2003-027399(JP,A)
【文献】特開平09-141000(JP,A)
【文献】特開2017-172077(JP,A)
【文献】特開平03-136842(JP,A)
【文献】特開2006-299498(JP,A)
【文献】特開平10-143074(JP,A)
【文献】特開平08-157302(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D21B 1/00- 1/38
D21C 1/00-11/14
D21D 1/00-99/00
D21F 1/00-13/12
D21G 1/00- 9/00
D21H 11/00-27/42
D21J 1/00- 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
JIS P8135:1998の一般法に準拠して浸漬時間を24時間として測定した湿潤比引張強さが、MD方向、CD方向のいずれか、または両方が、10kNm/kg以上であることを特徴とする紙製ラベル用原紙。
【請求項2】
JIS P8135:1998の一般法に準拠して浸漬時間を24時間として測定した湿潤比引張強さが、MD方向、CD方向の両方が10kNm/kg以上であることを特徴とする請求項1に記載の紙製ラベル用原紙。
【請求項3】
坪量が、18g/m以上100g/m以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の紙製ラベル用原紙。
【請求項4】
JIS P8125-1:2017に準拠して測定したMD方向の曲げ抵抗値が、3.0mN以上50mN以下であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の紙製ラベル用原紙。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料用ボトル等に使用される紙製ラベルとするための紙製ラベル原紙に関する。
【背景技術】
【0002】
プラスチックは、安価で成形が容易なため、様々な製品の材料として広く用いられており、年間3億トン以上のプラスチック製品が生産されている。
プラスチック製品の多くは、適切に処分されているが、その一部は、管理不十分や不法投棄により、環境中にごみとして流出してしまい、最終的に海に到達する。海洋中に流出するプラスチックごみの量は、年間800万トン以上にのぼると推測され、これらのプラスチックごみの多くは非生分解性であるため、そのほとんどが海洋中に蓄積される。
【0003】
プラスチックごみによる環境破壊を防ぐ動きが高まっており、プラスチック製使い捨て製品のリサイクル率向上が求められている。例えば、代表的なプラスチック製使い捨て製品であるPETボトルは、日本国では回収システムが確立しており、2018年度には、252億本のPETボトルが販売され、そのリサイクル率(リサイクル量/販売量)は91.5%にも上る(非特許文献1)。
一方、商品名や原材料等を表示するために、PETボトル等に巻き付けて使用するラベルは、ポリスチレン、ポリプロピレン、PET等の様々な材質からなるため、リサイクルに不向きである。そのため、日本国では、2018年度にPETボトルの販売本数とほぼ等しい252億枚ものラベルがゴミとして処分されたと推測される。
【0004】
化石資源由来であるプラスチックの環境への負荷が小さい代替材料として、生物由来プラスチック、生分解性プラスチックと並んで、紙が注目されている。しかし、特に飲料用PETボトルは、内容物がこぼれる、結露する等してラベルが濡れる場合があり、さらには、屋外での催事等でPETボトルごと氷水に浸して冷やされる場合がある。
一般的に、紙を構成するパルプ等の製紙用繊維は、抄紙機等での抄紙時に紙が流れる方向に沿って配向しやすくなるため、引張強さ等の各種紙力は、抄紙時に紙が流れる方向(以下、MD方向という。)とこれに直交する方向(以下、CD方向という。)とでは異なる値となることが知られている。そのため、使用される用途に適合したMD方向、CD方向の各種紙力を有する紙が選択されるが、紙をラベルとして使用する場合は、上記のとおりラベルごと氷水に浸して冷やされる場合があるため、紙のMD方向、CD方向共に非常に高い耐水性が要求される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【文献】PETボトルリサイクル推進協議会、“リサイクル率の算出”、[online]、インターネット<URL:http://www.petbottle-rec.gr.jp/data/calculate.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
プラスチック製ラベルの代替として、飲料用ボトル等に使用することができる紙製ラベルを製造するための耐水性に優れた紙製ラベル用原紙を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の課題を解決するための手段は、以下の通りである。
1.湿潤比引張強さが、MD方向、CD方向のいずれか、または両方が、10kNm/kg以上であることを特徴とする紙製ラベル用原紙。
2.湿潤比引張強さが、MD方向、CD方向の両方が10kNm/kg以上であることを特徴とする1.に記載の紙製ラベル用原紙。
3.坪量が、18g/m以上100g/m以下であることを特徴とする1.または2.に記載の紙製ラベル用原紙。
4.JIS P8125-1:2017に準拠して測定したMD方向の曲げ抵抗値が、3.0mN以上50mN以下であることを特徴とする1.~3.のいずれかに記載の紙製ラベル用原紙。
【発明の効果】
【0008】
本発明の紙製ラベル用原紙は、耐水性に優れており、水に濡れても破れにくい。本発明の紙製ラベル用原紙は、飲料用ボトルや調味料用ボトル等に使用する紙製ラベルの原紙として好適に使用することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の詳細を説明する。
本発明の紙製ラベル用原紙(以下、原紙ともいう)は、湿潤比引張強さが、MD方向、CD方向のいずれか、または両方が10kNm/kg以上である。本発明の原紙は、湿潤比引張強さが、MD方向、CD方向のいずれか、または両方が10kNm/kg以上であり、湿潤状態での紙力に優れている。本発明の原紙は、湿潤比引張強さが、MD方向、CD方向の両方が10kNm/kg以上であることが好ましい。湿潤比引張強さが、MD方向、CD方向の両方が10kNm/kg以上である原紙は、濡れた状態で上下左右様々な方向から力が加わっても破れにくく、飲料用ボトルに使用する紙製ラベルの原紙としてさらに好適に使用することができる。なお、本明細書において、湿潤比引張強さとは、JIS P8135:1998の一般法に準拠して浸漬時間を24時間として測定した湿潤引張強さを、坪量で除した値である。
本発明の原紙は、湿潤比引張強さが、MD方向、CD方向の両方が12kNm/kg以上であることが好ましく、15kNm/kg以上であることがより好ましい。さらに、本発明の原紙は、湿潤比引張強さが、MD方向で20kNm/kg以上であることが好ましく、25kNm/kg以上であることがより好ましい。また、CD方向で12kNm/kg以上であることが好ましく、15kNm/kg以上であることがより好ましい。
【0010】
本発明の原紙は、JIS P8135:1998の一般法に準拠し浸漬時間を24時間として測定した湿潤引張強さが、MD方向で0.5kN/m以上であることが好ましく、0.6kN/m以上であることがより好ましく、0.8kN/m以上であることがさらに好ましい。また、CD方向で0.1kN/m以上であることが好ましく、0.3kN/m以上であることがより好ましく、0.4kN/m以上であることがさらに好ましい。
【0011】
本発明の原紙は、JIS P8113:1998に準拠して測定した比引張強さ(以下、乾燥比引張強さという)が、MD方向で80kNm/kg以上であることが好ましく、100kNm/kg以上であることがより好ましい。また、CD方向で40kNm/kg以上であることが好ましく、50kNm/kg以上であることがより好ましい。また、JIS P8113:1998に準拠して測定した引張強さ(以下、乾燥引張強さという)が、MD方向で1.8kN/m以上であることが好ましく、2.0kN/m以上であることがより好ましく、2.5kN/m以上であることがさらに好ましい。また、CD方向で0.8kN/m以上であることが好ましく、1.2.kN/m以上であることがより好ましく、1.5kN/m以上であることがさらに好ましい。
また、湿潤時比引張強さと乾燥比引張強さの比(湿潤比引張強さ/乾燥比引張強さ)が、MD方向で0.25以上であることが好ましく、0.3以上であることがより好ましい。また、この比がCD方向で0.15以上であることが好ましく、0.25以上であることがより好ましく、0.3以上であることがさらに好ましい。
【0012】
さらに、本発明の原紙は、JIS P8125-1:2017に準拠して測定したMD方向の曲げ抵抗値が、3.0mN以上50mN以下であることが好ましい。MD方向の曲げ抵抗値が上記した範囲内であると、機械を用いてボトル等に巻き付ける際の取り扱い性に優れており、断紙や巻き付け不良の発生が起こりにくい。MD方向の曲げ抵抗値は、5.0mN以上であることがより好ましく、8.0mN以上であることがさらに好ましい。
【0013】
本発明の紙製ラベル用原紙は、パルプ、填料、湿潤紙力材等の各種助剤等からなる。
パルプとしては、針葉樹の晒クラフトパルプ(NBKP)、針葉樹の未晒クラフトパルプ(NUKP)、広葉樹の晒クラフトパルプ(LBKP)、広葉樹の未晒クラフトパルプ(LUKP)、サルファイトパルプ(SP)等の木材の化学パルプ、グランドパルプ(GP)、リファイナーグランドパルプ(RGP)、ストーングランドパルプ(SGP)、ケミグランドパルプ(CGP)、セミケミカルパルプ(SCP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)等の木材の機械パルプ、ケナフ、バガス、竹、麻、ワラなどから得られた非木材パルプ、古紙を原料とし、脱墨工程にて古紙に含まれるインキを除去した古紙パルプなど、公知のパルプを適宜配合して用いることが可能である。
【0014】
これらの中で、価格や入手が容易であること、容器から取り外す際に破りやすいことなどの点から、パルプ全量に対して木材パルプを50重量%以上含むことが好ましく、パルプ全量に対して針葉樹パルプ(NP)を50重量%以上含むことがより好ましい。針葉樹パルプを50重量%以上とすることにより、原紙の強度を高くし、耐久性を向上させることができる。パルプ全量に対する針葉樹パルプの割合は、60重量%以上であることがより好ましく、80重量%以上であることがさらに好ましい。針葉樹パルプは、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)や針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)などを好適に使用することができる。一般的に、漂白処理をした晒パルプよりも、漂白処理をしない未晒パルプを用いる方が、紙力の強い紙を製造できるが、本発明は、湿潤強度の高い原紙が得られるため、紙力の弱い晒パルプを使用した場合に、本発明の効果を大きく享受することができる。
【0015】
本発明の原料パルプの濾水度(カナダ標準フリーネス:CSF)は、特に限定されないが、200ml以上600ml以下が好ましく、250ml以上500ml以下であることがより好ましい。本発明において、複数種の原料パルプを使用する場合、叩解は複数の原料パルプを別々に叩解してもよいし、混合して叩解してもよい。
【0016】
填料としては、タルク、カオリン、焼成カオリン、クレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、ホワイトカーボン、ゼオライト、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化珪素、非晶質シリカ、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、硫酸バリウム、硫酸カルシウムなどの無機填料、尿素-ホルマリン樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂、微小中空粒子等の有機填料等の公知の填料を使用することができる。なお、填料は、任意材料であり、使用しなくてもよく、使用する場合は、配合量が少ない方が好ましい。
【0017】
本発明の原紙は、本発明の効果を妨げない範囲内において、その他の各種助剤を含むことができる。例えば、ロジン、アルキルケテンダイマー(AKD)、アルケニルコハク酸無水物(ASA)などのサイズ剤、ポリアクリルアミド系高分子、ポリビニルアルコール系高分子、カチオン化澱粉、各種変性澱粉、尿素・ホルマリン樹脂、メラミン・ホルマリン樹脂などの乾燥紙力増強剤、湿潤紙力増強剤、歩留剤、濾水性向上剤、凝結剤、硫酸バンド、嵩高剤、染料、蛍光増白剤、pH調整剤、消泡剤、紫外線防止剤、退色防止剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤等を、必要に応じて適宜選択して使用可能である。
【0018】
本発明の原紙は、湿潤紙力増強剤を含むことが好ましい。湿潤紙力増強剤としては、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂、ポリアミンエピクロルヒドリン樹脂、ポリアミドエピクロルヒドリン樹脂、ポリビニルアミン樹脂、ポリエチレンイミン樹脂などの1種、または2種以上を混合して使用することができる。これらの中でも、湿潤時の紙力に優れるため、ポリアミンエピクロルヒドリン樹脂を用いることが好ましい。
【0019】
湿潤紙力剤は、原料パルプの固形分重量に対して、0.5重量%以上含むことが好ましく、0.6重量%以上含むことがより好ましく、0.7重量%以上含むことがさらに好ましい。添加量の上限は7.0重量%以下とすることが好ましく、4.0重量%以下がより好ましく、2.0重量%以下がさらに好ましい。湿潤紙力剤の含有量が0.5重量%未満であると、十分な湿潤紙力が発揮できない場合がある。一方、湿潤紙力剤の含有量が7.0重量%を超えると、それ以上の紙力向上効果がほとんど望めずに高コストとなるとともに、地合が悪くなったり、抄紙機に汚れが発生したりする場合がある。
湿潤紙力増強剤の量は、ケルダール法、エネルギー分散型X線分析等による元素分析により定量することが可能である。本発明において、原紙に含まれる湿潤紙力増強剤の量は、ケルダール法を用いて定量した窒素元素が全てポリアミンエピクロルヒドリン樹脂由来とした場合の換算値をいう。
【0020】
原紙の抄紙方法は特に限定されず、トップワイヤー等を含む長網抄紙機、オントップフォーマー、ギャップフォーマー、丸網抄紙機、ヤンキーマシン等の抄紙機を用いて行うことができる。抄紙時のpHは、酸性、中性、アルカリ性のいずれでもよいが、酸性が好ましい。抄紙速度は、特に限定されない。
原紙の乾燥方法は特に限定されないが、ヤンキードライヤーを用いて乾燥させて製造することが好ましい。乾燥方式は特に制限されず、蒸気シリンダ加熱乾燥方式、熱風乾燥方式、ガス式赤外線乾燥方式、電気式赤外線乾燥方式等の公知の方式で行うことができる。
【0021】
原紙の坪量は、特に限定されないが、紙力と取り扱い性のバランスに優れるため、18g/m以上100g/m以下であることが好ましい。本発明の原紙を、ボトルに巻き付ける等して折り曲げて使用する場合は、坪量18g/m以上60g/m以下であることが好ましい。また、小片状でボトルに貼り付ける等して折り曲げずに使用する場合は、坪量50g/m以上100g/m以下であることが好ましい。
原紙の密度は、例えば、0.5g/cm以上0.7g/cm以下であることが好ましく、0.55g/cm以上0.70g/cm以下としてもよい。
【0022】
本発明の原紙は、商品名、商品情報等が印刷される。原紙に直接印刷することもできるが、ワックス、ロウ、耐水ニス等を塗布した後に印刷することもできる。また、印刷した後に、ワックス、ロウ、耐水ニス等を塗布することもできる。
【実施例
【0023】
以下に具体的な例を示して、本発明をさらに詳述するが、本発明はこれにより限定されるものではない。また、特に断らない限り、以下に記載する「部」及び「%」は、それぞれ「重量部」及び「重量%」を示す。また、本発明において特に記載しない限り、数値範囲はその端点を含むものとして記載される。
【0024】
測定方法
・坪量
JIS P8124に準拠して測定した。
・カナダ標準フリーネス(CSF)
JIS P8121に準拠して測定した。
・曲げ抵抗値
JIS P8125-1:2017に準拠して測定した。
【0025】
・引張強さ
(湿潤)
JIS P8135:1998の一般法に準拠して浸漬時間を24時間として湿潤引張強さを測定した。測定した湿潤引張強さを、上記で測定した坪量で除し、湿潤比引張強さを算出した。
(乾燥)
JIS P8113:1998に準拠して、乾燥引張強さ、乾燥比引張強さを測定した。
【0026】
「実施例1」
パルプ原料として、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP、CSF:460ml)70部と広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP、CSF:300ml)30部を使用した。この混合パルプ100部に対して、ポリアミンエピクロルヒドリン樹脂(WS4011、星光PMC製、湿潤紙力増強剤)を0.85重量%(対パルプ乾燥重量)、ポリアクリルアミド(乾燥紙力増強剤)を0.3部、硫酸アルミニウム、サイズ剤を配合した紙料を調成した。抄紙機を用いてこの紙料から湿紙を抄造し、ヤンキードライヤーを用いて乾燥して、坪量20g/mの紙製ラベル用原紙を得た。
【0027】
「実施例2」
坪量を26g/mとした以外は、実施例1と同様にして紙製ラベル用原紙を得た。
「実施例3」
坪量を32g/mとした以外は、実施例1と同様にして紙製ラベル用原紙を得た。
「実施例4」
坪量を37.9g/mとした以外は、実施例1と同様にして紙製ラベル用原紙を得た。
「実施例5」
坪量を45g/mとした以外は、実施例1と同様にして紙製ラベル用原紙を得た。
【0028】
「比較例1」
パルプ原料として、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP、CSF:450ml)20部と広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP、CSF:510ml)80部を使用した。この混合パルプ100部に対して、ポリアミドポリアミン・エピクロロヒドリン樹脂(AF255、荒川化学製、湿潤紙力増強剤)を1.40重量%(対パルプ乾燥重量)、ポリアクリルアミド(乾燥紙力増強剤)を0.3部、硫酸アルミニウム、サイズ剤を配合した紙料を調成した。抄紙機を用いてこの紙料から湿紙を抄造、乾燥して、坪量87.2g/mの紙製ラベル用原紙を得た。
【0029】
「比較例2」
パルプ原料として、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP、CSF:620ml)13部と広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP、CSF:440ml)87部を使用した。この混合パルプ100部に対して、ポリアクリルアミド(乾燥紙力増強剤)0.25部、カチオン化澱粉、填料、硫酸アルミニウム、サイズ剤を配合した紙料を調成した。抄紙機を用いてこの紙料から湿紙を抄造し、ヤンキードライヤーを用いて乾燥して、坪量29.4g/mの紙製ラベル用原紙を得た。
【0030】
【表1】
【0031】
本発明である実施例1~5で得られた紙製ラベル用原紙は、湿潤比引張強さに優れており、濡れても破れにくく、特に、飲料用ボトルの紙製ラベルに好適であることが示された。