(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-20
(45)【発行日】2025-01-28
(54)【発明の名称】情報処理装置、車両、情報処理方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H04M 1/724 20210101AFI20250121BHJP
H04M 1/00 20060101ALI20250121BHJP
【FI】
H04M1/724
H04M1/00 W
(21)【出願番号】P 2021061197
(22)【出願日】2021-03-31
【審査請求日】2023-11-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】対馬 孔聖
(72)【発明者】
【氏名】塚原 祥平
(72)【発明者】
【氏名】小嶋 祐登
(72)【発明者】
【氏名】大塚 高廣
【審査官】松原 徳久
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-174485(JP,A)
【文献】特開2004-228851(JP,A)
【文献】特開2012-256001(JP,A)
【文献】特開2011-061357(JP,A)
【文献】特開2019-080168(JP,A)
【文献】特開2007-194692(JP,A)
【文献】特開2005-269498(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0374753(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10L13/00-99/00
H04B7/24-7/26
H04L12/00-12/22
12/50-12/66
41/00-49/9057
H04M1/00
1/24-3/00
3/16-3/20
3/38-3/58
7/00-7/16
11/00-11/10
99/00
H04W4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワークを介して外部装置と通信する情報処理装置であって、
前記外部装置と前記情報処理装置との間における通信の状態を測定する通信状態測定部と、
前記通信状態測定部が測定した前記通信の状態に基づいて、前記外部装置と前記情報処理装置との間における将来の通信の状態を予測する通信状態予測部と、
前記通信状態予測部が予測した前記将来の通信の状態に基づいて、前記外部装置と前記情報処理装置との通信中に前記情報処理装置から前記外部装置へ送信されるデータの将来の到達状況を推定する到達状況推定部と、
前記到達状況推定部が推定した前記将来の到達状況を前記情報処理装置のユーザに通知する到達状況通知部と
を備える、情報処理装置。
【請求項2】
前記通信の状態は、帯域幅およびスループットの何れかを含む、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記外部装置と前記情報処理装置との間における前記通信の状態を調整する通信状態調整部を更に備え、
前記通信状態測定部は、前記通信状態調整部によって調整された前記通信の状態を測定する、
請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記情報処理装置は、外部の表示装置と通信し、
前記到達状況通知部は、前記到達状況を前記表示装置に表示させることにより、前記到達状況を前記ユーザに通知する、
請求項1から3の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記到達状況通知部は、前記到達状況を示すアイコンを前記表示装置に表示させることにより、前記到達状況を前記ユーザに通知し、
前記到達状況通知部は、前記
将来の通信の状態に応じて表示態様が異なる前記アイコンを前記表示装置に表示させる、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記到達状況推定部は更に、前記通信状態測定部が測定した前記通信の状態に基づいて、前記データの現在の到達状況を推定し、
前記到達状況通知部は、前記到達状況推定部が推定した前記将来の到達状況および前記現在の到達状況を、それぞれ前記表示装置に表示させる、
請求項4または5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記ユーザが発した音声を検出する音声検出部を更に備え、
前記データは、前記音声検出部が検出する音声の音声データであって、前記外部装置と前記情報処理装置との通信中に前記情報処理装置が前記外部装置へ送信する前記音声データを含み、
前記到達状況通知部は、前記音声検出部が前記音声を検出している間に前記音声データの前記現在の到達状況を前記表示装置に表示させ、前記音声検出部が前記音声を検出していない間は前記音声データの前記将来の到達状況を前記表示装置に表示させる、
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記ユーザが発した音声を検出する音声検出部を更に備え、
前記データは、前記音声検出部が検出する音声の音声データであって、前記外部装置と前記情報処理装置との通信中に前記情報処理装置が前記外部装置へ送信する前記音声データを含み、
前記到達状況通知部は、前記音声検出部が前記音声を検出している間に前記音声データの前記到達状況を前記表示装置に表示させ、前記音声検出部が前記音声を検出していない間は前記音声データの前記到達状況を前記表示装置に表示させない、
請求項4または5に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記ユーザが発した音声を検出する音声検出部と、
前記表示装置および前記外部装置に画像データを実時間で表示させるための画像データ共有部と
を更に備え、
前記データは、
前記音声検出部が検出する音声の音声データであって、前記外部装置と前記情報処理装置との通信中に前記情報処理装置が前記外部装置へ送信する前記音声データと、
前記外部装置と前記情報処理装置との通信中に前記情報処理装置が前記外部装置へ送信する前記画像データと
を含み、
前記到達状況通知部は、前記音声データの前記到達状況、および、前記画像データの前記到達状況を、それぞれ前記表示装置に表示させる、
請求項4または5に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記外部装置と前記情報処理装置との通信中に前記情報処理装置が前記外部装置へ送信する前記画像データの送信量を取得する送信量取得部を更に備え、
前記到達状況推定部は、前記通信状態予測部が予測した前記将来の通信の状態、および、前記送信量取得部が取得した前記送信量に基づいて、前記画像データが前記表示装置および前記外部装置に表示されるタイムラグの時間を推定し、
前記到達状況通知部は、前記到達状況推定部が推定した前記タイムラグの時間を、前記画像データの前記到達状況と共に前記表示装置に表示させる、
請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
請求項4から10の何れか一項に記載の情報処理装置と、
メータおよびヘッドアップディスプレイの少なくとも一以上の前記表示装置と
を備える車両。
【請求項12】
通信ネットワークを介して外部装置と通信する情報処理装置によって実行される情報処理方法であって、
前記外部装置と前記情報処理装置との間における通信の状態を測定する通信状態測定段階と、
前記通信状態測定段階で測定した前記通信の状態に基づいて、前記外部装置と前記情報処理装置との間における将来の通信の状態を予測する通信状態予測段階と、
前記通信状態予測段階で予測した前記将来の通信の状態に基づいて、前記外部装置と前記情報処理装置との通信中に前記情報処理装置から前記外部装置へ送信されるデータの将来の到達状況を推定する到達状況推定段階と、
前記到達状況推定段階で推定した前記到達状況を前記情報処理装置のユーザに通知する到達状況通知段階と
を備える、情報処理方法。
【請求項13】
通信ネットワークを介して外部装置と通信するコンピュータに、
前記外部装置と前記コンピュータとの間における通信の状態を測定する通信状態測定手順と、
前記通信状態測定手順で測定した前記通信の状態に基づいて、前記外部装置と前記コンピュータとの間における将来の通信の状態を予測する通信状態予測手順と、
前記通信状態予測手順で予測した前記将来の通信の状態に基づいて、前記外部装置と前記コンピュータとの通信中に前記コンピュータから前記外部装置へ送信されるデータの将来の到達状況を推定する到達状況推定手順と、
前記到達状況推定手順で推定した前記到達状況を前記コンピュータのユーザに通知する到達状況通知手順と
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、車両、情報処理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、「一のコンピュータが他のコンピュータから音声データを受信すると該一のコンピュータは他のコンピュータに対して受信した旨を通知し、該通知を受信した他のコンピュータは該通知に応じた表示を行う」と記載されている(請求項1)。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1] 特開2004-48329号公報
【発明の概要】
【0003】
本発明の第1の態様においては、通信ネットワークを介して外部装置と通信する情報処理装置が提供される。情報処理装置は、外部装置と情報処理装置との間における通信の状態を測定する通信状態測定部を備えてもよい。情報処理装置は、通信状態測定部が測定した通信の状態に基づいて、外部装置と情報処理装置との間における将来の通信の状態を予測する通信状態予測部を備えてもよい。情報処理装置は、通信状態予測部が予測した将来の通信の状態に基づいて、外部装置と情報処理装置との通信中に情報処理装置から外部装置へ送信されるデータの将来の到達状況を推定する到達状況推定部を備えてもよい。情報処理装置は、到達状況推定部が推定した到達状況を情報処理装置のユーザに通知する到達状況通知部を備えてもよい。
【0004】
通信の状態は、帯域幅およびスループットの何れかを含んでもよい。
【0005】
情報処理装置は、外部装置と情報処理装置との間における通信の状態を調整する通信状態調整部を更に備えてもよい。通信状態測定部は、通信状態調整部によって調整された通信の状態を測定してもよい。
【0006】
情報処理装置は、外部の表示装置と単方向通信してもよい。到達状況通知部は、到達状況を表示装置に表示させることにより、到達状況をユーザに通知してもよい。
【0007】
到達状況通知部は、到達状況を示すアイコンを表示装置に表示させることにより、到達状況をユーザに通知してもよい。到達状況通知部は、通信の状態に応じて表示態様が異なるアイコンを表示装置に表示させてもよい。
【0008】
到達状況推定部は更に、通信状態測定部が測定した通信の状態に基づいて、データの現在の到達状況を推定してもよい。到達状況通知部は、到達状況推定部が推定した将来の到達状況および現在の到達状況を、それぞれ表示装置に表示させてもよい。
【0009】
情報処理装置は、ユーザが発した音声を検出する音声検出部を更に備えてもよい。データは、音声検出部が検出する音声の音声データであって、外部装置と情報処理装置との通信中に情報処理装置が外部装置へ送信する音声データを含んでもよい。到達状況通知部は、音声検出部が音声を検出している間に音声データの現在の到達状況を表示装置に表示させ、音声検出部が音声を検出していない間は音声データの将来の到達状況を表示装置に表示させてもよい。
【0010】
情報処理装置は、ユーザが発した音声を検出する音声検出部を更に備えてもよい。データは、音声検出部が検出する音声の音声データであって、外部装置と情報処理装置との通信中に情報処理装置が外部装置へ送信する音声データを含んでもよい。到達状況通知部は、音声検出部が音声を検出している間に、音声データの到達状況を表示装置に表示させてもよく、音声検出部が音声を検出していない間は音声データの到達状況を表示装置に表示させなくてもよい。
【0011】
情報処理装置は、ユーザが発した音声を検出する音声検出部を更に備えてもよい。情報処理装置は、表示装置および外部装置に画像データを実時間で表示させるための画像データ共有部を更に備えてもよい。データは、音声検出部が検出する音声の音声データであって、外部装置と情報処理装置との通信中に情報処理装置が外部装置へ送信する音声データを含んでもよい。データは、外部装置と情報処理装置との通信中に情報処理装置が外部装置へ送信する画像データを含んでもよい。到達状況通知部は、音声データの到達状況、および、画像データの到達状況を、それぞれ表示装置に表示させてもよい。
【0012】
情報処理装置は、外部装置と情報処理装置との通信中に情報処理装置が外部装置へ送信する画像データの送信量を取得する送信量取得部を更に備えてもよい。到達状況通知部は、通信状態予測部が予測した将来の通信の状態、および、送信量取得部が取得した送信量に基づいて、画像データが表示装置および外部装置に表示されるタイムラグの時間を推定してもよい。到達状況通知部は、到達状況推定部が推定したタイムラグの時間を、画像データの到達状況と共に表示装置に表示させてもよい。
【0013】
本発明の第2の態様においては、車両が提供される。車両は、上記の何れかの情報処理装置を備えてもよい。車両は、メータおよびヘッドアップディスプレイの少なくとも一以上の表示装置を備えてもよい。
【0014】
本発明の第3の態様においては、通信ネットワークを介して外部装置と通信する情報処理装置によって実行される情報処理方法が提供される。情報処理方法は、外部装置と情報処理装置との間における通信の状態を実時間で測定する通信状態測定段階を備えてもよい。情報処理方法は、通信状態測定段階で測定した通信の状態に基づいて、外部装置と情報処理装置との間における将来の通信の状態を予測する通信状態予測段階を備えてもよい。情報処理方法は、通信状態予測段階で予測した将来の通信の状態に基づいて、外部装置と情報処理装置との通信中に情報処理装置から外部装置へ送信されるデータの将来の到達状況を推定する到達状況推定段階を備えてもよい。情報処理方法は、到達状況推定段階で推定した到達状況を情報処理装置のユーザに通知する到達状況通知段階を備えてもよい。
【0015】
本発明の第4の態様においては、プログラムが提供される。プログラムは、通信ネットワークを介して外部装置と通信するコンピュータに、外部装置とコンピュータとの間における通信の状態を測定する通信状態測定手順を実行させてもよい。プログラムは、コンピュータに、通信状態測定手順で測定した通信の状態に基づいて、外部装置とコンピュータとの間における将来の通信の状態を予測する通信状態予測手順を実行させてもよい。プログラムは、コンピュータに、通信状態予測手順で予測した将来の通信の状態に基づいて、外部装置とコンピュータとの通信中にコンピュータから外部装置へ送信されるデータの将来の到達状況を推定する到達状況推定手順を実行させてもよい。プログラムは、コンピュータに、到達状況推定手順で推定した到達状況をコンピュータのユーザに通知する到達状況通知手順を実行させてもよい。
【0016】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】一実施形態に係る車両50の利用形態を模式的に示す。
【
図3】音声データ量すなわち通信状態の時系列データのグラフ例を示す。
【
図4】表示装置26の画面27における表示例を示す。
【
図5】表示装置26の画面27における他の表示例を示す。
【
図6】表示装置26の画面27における更に他の表示例を示す。
【
図7】情報処理装置200の一部の機能ブロック間のデータの流れを模式的に示す。
【
図8】情報処理装置200が実行する情報処理方法に関するフローチャートを示す。
【
図9】車両50内の制御システム1000の実装例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0019】
図1は、一実施形態に係る車両50a及び車両50bの利用形態を模式的に示す。車両50a及び車両50bは、例えば自動車である。車両50a及び車両50bは、内燃機関を備える自動車、電気自動車、燃料電池自動車(FCV)等であってよい。車両50a及び車両50bは、輸送機器の一例である。なお、本実施形態において、車両50a及び車両50bの一方のことを「車両50」と称し、他方のことを「外部の車両50」と称する場合がある。
【0020】
車両50a及び車両50bはそれぞれ、情報処理装置200a及び情報処理装置200bを備える。なお、本実施形態において、情報処理装置200a及び情報処理装置200bの一方のことを「情報処理装置200」と称し、他方のことを「外部装置」と称する場合がある。
【0021】
情報処理装置200aは、外部の車両50bの制御装置200bや、外部装置30a、外部装置30bなどとデータ通信を行ってもよい。なお、本実施形態において、外部の車両50bの制御装置200bや、外部装置30a、外部装置30bなどのことを「外部装置30」と総称する場合がある。
【0022】
情報処理装置200は、通信ネットワーク90及び無線通信システム92を介して、外部装置30と通信する。情報処理装置200は、外部装置30と単方向通信してもよい。通信ネットワーク90は、インターネット等のIPネットワーク、P2Pネットワーク、VPNを含む専用回線、及び仮想ネットワーク等を含む。本実施形態において、無線通信システム92は、通信ネットワーク90に接続される移動体通信網である。例えば、無線通信システム92は、無線アクセスネットワーク及びコアネットワークを含む。
【0023】
外部装置30aは、例えば車両50の乗員にサービス提供するサーバを含む。例えば外部装置30aは、動画等のコンテンツデータを格納するサーバや、SNS(ソーシャルネットワークサービス)を提供するサーバ等を含む。情報処理装置200は、車両50の乗員の指示に応じて、外部装置30aから動画データを受信してもよい。また、情報処理装置200は、車両50の乗員の指示に応じて、SNSメッセージとしてのテキスト情報、音声情報、画像情報、動画情報等を、外部装置30aから受信してもよい。また、情報処理装置200は、車両50の乗員の指示に応じて、車両50の乗員からのSNSメッセージとしてのテキスト情報、音声情報、画像情報、動画情報等を、外部装置30aに送信してもよい。
【0024】
外部装置30bは、例えば車両50の制御係に関するサービス提供を行うサーバである。外部装置30bは、例えば車両50の制御系関連情報を収集するサーバを含んでよい。外部装置30が収集する制御関連情報は、車両50の自動運転に用いられたLIDARデータ等を例示することができる。外部装置30bは、例えば車両50に制御系関連情報を提供するサーバを含んでよい。外部装置30bが提供する制御系関連情報としては、車両50の自動運転に用いられる地図データ等を含んでよい。情報処理装置200は、自動運転制御のために取得したLIDARデータ等を外部装置30bに送信してもよい。情報処理装置200は、車両50の乗員の指示に関係なく、地図データを外部装置30bから受信してもよい。
【0025】
情報処理装置200は、外部装置30との間の通信の状態を、データ通信の優先度に応じて制御してもよい。例えばSNSデータ等のデータ通信は、車両50の制御系関連情報のデータ通信より優先順位が低い。情報処理装置200は、通信の状態の時系列データに基づいて、将来の通信の状態を予測する。情報処理装置200は、将来の通信の状態が低くなることが予測される場合、車両50の制御関連情報より優先順位が低い外部装置30aとの間のデータ通信を、最低限のサービス品質を維持できる程度に遅延させてもよい。これにより、車両50の制御関連情報のデータ通信の通信の状態を維持してもよい。また、情報処理装置200は、通信の状態が更に低くなることが予測され、外部装置30aとの間で最低限のサービス品質を維持できないことが予測される場合、外部装置30aとの間のデータ通信を停止して、車両50の制御系関連情報のデータ通信の通信の状態を維持してもよい。このようにして、情報処理装置200は、優先度の低いデータの通信を制限することによって、優先度の高いデータ通信を継続することができる可能性を高めてもよい。なお、以降の説明において、通信の状態を「通信状態」と称する場合がある。
【0026】
図2は、車両50の機能構成を模式的に示す。車両50は、情報処理装置200と、表示装置26とを備える。本実施形態における車両50は更に、制御装置24aと、制御装置24bと、機器25aと、機器25bと、車両内ネットワーク29とを備える。情報処理装置200は、通信状態測定部210と、通信状態予測部220と、到達状況推定部224と、到達状況通知部225とを備える。本実施形態における情報処理装置200は更に、通信部202と、帯域制御部230と、制御対象判別部240と、優先度制御部250とを備える。本実施形態における情報処理装置200は更に、音声検出部226と、画像データ共有部227と、送信量取得部228とを備える。なお、
図2には、本実施形態に関する機能ブロックが示されている。車両50及び情報処理装置200は、
図2に示す機能ブロック以外の機能ブロックを備えてよい。
【0027】
情報処理装置200、制御装置24a、制御装置24b、および表示装置26は、車両内ネットワーク29で互いに接続されている。本実施形態における情報処理装置200は、表示装置26と通信する。車両内ネットワーク29はイーサネット(登録商標)ワークを含んでよい。車両内ネットワーク29はCAN(Controller Area Network)を含んでよい。
【0028】
制御装置24a及び制御装置24bは、それぞれ機器25a及び機器25bを制御する。制御装置24a及び制御装置24bは、それぞれECU(Electronic Control Unit)であってよい。機器25a及び機器25bは、例えばエンジン等の駆動系機器、情報通信系機器等を含む。制御装置24及び機器25の一実施例については、
図9等に関連して具体例を説明する。なお、制御装置24a及び制御装置24bのことを「制御装置24」と総称する場合がある。また、機器25a及び機器25bを「機器25」と総称する場合がある。
【0029】
通信部202は、移動体通信網を介して外部装置30と通信を行う。通信状態測定部210は、外部装置30と情報処理装置200との間における通信状態を測定する。当該通信状態は、帯域幅およびスループットの何れかを含む。なお、通信状態測定部210は、通信部202から外部装置30へのアップロード方向の単方向通信状態を測定してよい。通信状態測定部210は、外部装置30から通信部202へのダウンロード方向の単方向通信状態を測定してよい。通信状態予測部220は、通信状態測定部210が測定した通信状態に基づいて、外部装置30と情報処理装置200との間における将来の通信状態を予測する。ここで言う「将来」とは、例えば現時点から数秒先のことを指してもよく、具体的には、現時点から3秒~10秒程度先のことを指してもよい。以降の説明においても同様とし、重複する説明を省略する。
【0030】
到達状況推定部224は、通信状態予測部220が予測した将来の通信状態に基づいて、外部装置30と情報処理装置200との通信中に情報処理装置200から外部装置30へ送信されるデータの到達状況を推定する。当該データの一例は、音声データや画像データである。到達状況推定部224は、当該通信中に情報処理装置200から外部装置30へ送信されるデータの現在の到達状況を推定してもよく、当該データの将来の到達状況を推定してもよい。
【0031】
到達状況通知部225は、到達状況推定部224が推定した到達状況を情報処理装置200のユーザに通知する。到達状況通知部225は、例えば、当該到達状況を示す画像や音声により、当該到達状況をユーザに通知してもよい。到達状況通知部225は、一例として、データの到達状況を表示装置26に表示させることにより、当該到達状況をユーザに通知してもよい。なお、表示装置26は、車両50において、メータ、ヘッドアップディスプレイ、ディスプレイオーディオ、およびスクリーンオーディオの少なくとも一以上であってもよいが、ドライバディストラクションの観点を鑑みて、メータ及び/又はヘッドアップディスプレイに設けることが望ましい。
【0032】
帯域制御部230は、外部装置30と情報処理装置200との間における通信状態を調整する。換言すると、帯域制御部230は、外部装置30と情報処理装置200との間で送受信されるデータ、例えば音声データの帯域制御、すなわちデータ量制御を実行する。なお、この場合、通信状態測定部210は、帯域制御部230によって調整された通信状態を測定してもよい。また、この場合、通信状態予測部220は、当該調整後の通信状態に基づいて将来の通信状態を予測してもよい。換言すると、通信状態予測部220は、調整後のデータ量に基づいて将来のデータ量を予測してもよい。また、この場合、到達状況推定部224は、将来の通信状態、すなわち将来のデータ量に基づいて、将来のデータ到達状況を推定してもよい。なお、帯域制御部230は、通信状態調整部の一例である。
【0033】
帯域制御部230は、通信状態予測部220が予測した通信状態に基づいて、外部装置30とのデータ通信を制御してもよい。具体的には、帯域制御部230は、通信部202を制御することにより、外部装置30とのデータ通信を制御してもよい。帯域制御部230は、音声データや画像データを入力された場合に、音声データ等を通信部202を介して外部装置30に送信する。
【0034】
制御対象判別部240は、外部装置30とのデータ通信の種別を判別してもよい。優先度制御部250は、制御対象判別部240が判別した種別に基づいて、複数のデータ通信について通信の優先度を設定してもよい。帯域制御部230は、将来の通信状態が予め定められた閾値を下回る場合に、優先度制御部250が設定した優先度が低いデータ通信について、優先度制御部250が設定した優先度が高いデータ通信と比較して、通信状態を制限してもよい。これにより、優先度の高いデータを連続的に通信できる可能性を高めてもよい。なお、帯域制御部230は、将来の通信状態が予め定められた閾値を一時的に下回った場合には、優先度が低いデータ通信について通信状態を制限しなくてよい。例えば、帯域制御部230は、将来の通信状態が予め定められた閾値を下回る時間が予め定められた時間以下の場合には、優先度が低いデータ通信について通信状態を制限しなくてよい。帯域制御部230は、将来の通信状態が予め定められた閾値を下回る時間が予め定められた時間を超えた場合に、優先度が低いデータ通信について通信状態を制限してよい。予め定められた閾値は、可変値であってよい。帯域制御部230は、外部装置30との間のデータ通信状況に基づいて閾値を定めてよい。例えば、帯域制御部230は、外部装置30との間で行われているデータ通信において最低限のサービス品質を提供するために必要な通信状態に基づいて、閾値を定めてよい。帯域制御部230は、当該最低限のサービス品質を提供するために必要な通信状態に予め定められた係数を乗じた値を、閾値として定めてよい。予め定められた係数は、1以上の任意の値であってよい。予め定められた係数は、1未満の任意の値であってよい。なお、予め定められた閾値は、可変値ではなく固定値であってよい。
【0035】
帯域制御部230は、優先度制御部250が設定した優先度が低いデータ通信について、優先度制御部250が設定した優先度が高いデータ通信より比較して、データ通信を遅延させることにより、通信状態を制限してもよい。帯域制御部230は、優先度が低いデータ通信で通信されるデータをバッファリングすることにより、データ通信を遅延させてよい。優先度の高いデータを遅延させないので、優先度の高いデータを連続的に通信できる可能性を高めることができる。なお、帯域制御部230は、優先度が低いデータ通信のデータ量を低下させることによって、通信状態を制限してもよい。帯域制御部230は、優先度が低いデータ通信のビットレートを低下させることによって、通信状態を制限してもよい。帯域制御部230は、優先度が低いデータ通信によって送信されるデータが画像データである場合、送信する画像の画質を低下させることによって、通信状態を制限してよい。
【0036】
通信状態予測部220は、帯域制御部230が優先度が低いデータ通信を遅延させた遅延量を用いて、将来の通信状態を予測してよい。通信状態予測部220は、遅延情報を考慮して将来の通信状態を予測するので、将来予測精度を高めることができる。
【0037】
制御対象判別部240は、データ通信の種別として、車両50の制御に関するデータ通信であるか否かを判別してもよい。優先度制御部250は、車両50の制御に関する予め定められたデータ通信の優先度を、他のデータ通信の優先度より高く設定してもよい。これにより、車両50の制御に関するデータ通信を連続的に行うことができるので、車両50の走行の安全性を高めることができる。帯域制御部230は、車両50の制御系に関するデータ通信の通信状態として車両50の制御系に関するデータ通信に基づくサービス提供を継続するために必要な予め定められた値を確保できない場合に、予め定められた他のデータ通信を停止してよい。なお、制御対象判別部240は、データ通信の種別として、車両50の制御に関するデータ通信であるか、マルチメディアのデータ通信であるかを判別してよい。優先度制御部250は、車両50の制御に関するデータ通信の優先度を、マルチメディアのデータ通信の優先度より高く設定してよい。
【0038】
帯域制御部230は、優先度が低いデータ通信の通信状態を、優先度が低いデータ通信に基づくサービス提供を継続するために必要な予め定められた値まで制限してよい。これにより、優先度が低いデータ通信についても、データ通信が完全に断絶してしまう可能性を低減することができる。
【0039】
音声検出部226は、例えばマイクロフォンを含み、ユーザが発した音声を検出する。音声検出部226は、音声を検出した場合に、検出した音声の音声データを帯域制御部230に出力すると共に、その旨を到達状況通知部225に通知する。当該音声データは、外部装置30と情報処理装置200との通信中に情報処理装置200が外部装置30へ送信するデータの一例である。また、この場合、到達状況通知部225は、音声が検出されているか否かを、音声検出部226から通知が入力されているか否かに応じて判断してもよい。代替的に、音声検出部226は、音声を検出しなくなった場合には、その旨を到達状況通知部225に通知してもよい。この場合、到達状況通知部225は、音声が検出されているか否かを、音声検出部226からの通知内容に応じて判断してもよい。
【0040】
画像データ共有部227は、例えば画像データを保持するメモリを含み、表示装置26および外部装置30に画像データを実時間で表示させる。当該画像データは、例えば、ドライブレコーダやドライバモニタカメラ等のカメラ画像であってもよい。なお、当該画像データは、外部装置30と情報処理装置200との通信中に情報処理装置200が外部装置30へ送信するデータの一例である。
【0041】
送信量取得部228は、外部装置30と情報処理装置200との通信中に情報処理装置200が外部装置30へ送信する画像データの送信量を通信部202から取得する。送信量取得部228は、当該通信中に情報処理装置200が外部装置30へ送信する他のデータ、例えば音声データの送信量を取得してもよい。送信量取得部228は、取得した送信量を到達状況推定部224に通知する。
【0042】
図3は、音声データ量すなわち通信状態の時系列データのグラフ例を示す。グラフの横軸は時間を指し、縦軸は音声データ量、すなわち通信状態を指す。グラフには、通信状態の時間変化を太い線で示す。
【0043】
また、グラフには、現在の時点を細い直線で示し、現在の時点から時間Δt後の将来を、同様に細い直線で示す。また、グラフには、通信状態の閾値を破線の直線で示す。また、グラフには、通信状態が当該閾値以上である時間帯を、四角い左下斜めの斜線領域で示す。また、グラフには、通信状態が当該閾値未満である時間帯を、四角い縦縞領域で示す。また、グラフには、通信状態が0である時間帯を、四角い右下斜めの斜線領域で示す。
【0044】
到達状況通知部225は、通信状態予測部220が予測した、現在の時点から時間Δt後における将来の通信状態が、
図3に示す3つの領域の何れに含まれるのかに応じて、到達状況推定部224が推定した到達状況を異なる態様でユーザに通知してもよい。換言すると、到達状況通知部225は、予測された通信状態が、(1)予め定められた閾値以上、(2)当該閾値未満であって0よりも大きい、および、(3)0、の何れであるかに応じて、当該到達状況を異なる態様でユーザに通知してもよい。
【0045】
なお、
図3では、音声データ量に関して、到達状況の通知方法の一例を説明したが、画像データ量に関しても、
図3と同様の通知方法で、到達状況をユーザに通知してもよい。また、到達状況通知部225は、音声データ量および画像データ量のそれぞれで、異なる閾値を用いてもよい。また、到達状況通知部225は、1種類の通信状態に対して、例えば音声データ量に対して、2以上の閾値を用いてもよい。また、当該閾値は、ユーザが設定可能であってもよく、情報処理装置200が設定してもよい。
【0046】
図4は、表示装置26の画面27における表示例を示す。画面27において、(1)は、情報処理装置200のユーザが外部装置30のユーザと通話中であることを示すアイコンである。また、(2)は、到達状況推定部224が推定した到達状況を示すアイコンである。
【0047】
到達状況通知部225は、当該到達状況を示すアイコンを表示装置26に表示させることにより、当該到達状況をユーザに通知してもよい。到達状況通知部225は更に、通信の状態に応じて表示態様が異なるアイコンを表示装置26に表示させてもよい。
【0048】
具体的な一例として、画面27のアイコン(2)は、通信状態予測部220が予測した、現在の時点から時間Δt後における将来の通信状態が、
図3で説明した閾値以上の場合に、緑色で表示されてもよい。アイコン(2)が緑色で表示されることは、外部装置30と情報処理装置200との通信中において、現在データが外部装置30に届いていること、または将来データが外部装置30に届くことを意図してもよい。
【0049】
また、画面27のアイコン(2)は、将来の通信状態が、閾値未満であって0よりも大きい場合に、黄色で表示されてもよい。アイコン(2)が黄色で表示されることは、外部装置30と情報処理装置200との通信中において、現在データが外部装置30に届き難くなっていること、または将来データが外部装置30に届き難くなることを意図してもよい。
【0050】
また、画面27のアイコン(2)は、将来の通信状態が0である場合に、赤色で点滅表示されてもよい。アイコン(2)が赤色で点滅表示されることは、外部装置30と情報処理装置200との通信中において、現在データが外部装置30に届いていないこと、または将来データが外部装置30に届かなくなることを意図してもよい。
【0051】
なお、
図4の表示態様は一例に過ぎず、到達状況通知部225は、表示装置26の画面27において、他の表示態様でユーザに到達状況を通知してもよい。例えば、到達状況通知部225は、音声検出部226が音声を検出している間に音声データの到達状況を表示装置26に表示させ、音声検出部226が音声を検出していない間は音声データの到達状況を表示装置26に表示させなくてもよい。
【0052】
また、例えば、到達状況通知部225は、1種類の通信状態に対して2以上の閾値を用いる場合に、4つの異なる表示態様でアイコン(2)を表示させてもよい。また、当該表示態様はユーザによって設定可能であってもよい。
【0053】
また、例えば、通信状態に応じて、アイコン(2)の矢印長さを異ならせて表示してもよい。より具体的には、通信状態が良好である程、アイコン(2)の矢印長さを相対的に長く表示してもよい。
【0054】
図5は、表示装置26の画面27における他の表示例を示す。
図5に示す例では、画面27の上側に現在の音声データ到達状況をアイコン(1)で示し、画面27の下側に将来の音声データ到達状況をアイコン(2)で示す。アイコン(1)および(2)の表示方法は、
図4における表示方法と同じであってもよく、異なっていてもよい。また、アイコン(1)および(2)の表示態様は、互いに同じであってもよく、異なっていてもよい。
【0055】
到達状況推定部224は、通信状態測定部210が測定した通信の状態に基づいて、データの現在の到達状況を推定してもよい。
図5に示すように、到達状況通知部225は、到達状況推定部224が推定した将来の到達状況および現在の到達状況を、それぞれ表示装置26に表示させてもよい。
【0056】
図6は、表示装置26の画面27における更に他の表示例を示す。
図6に示す例では、画面27の上側に音声データ到達状況をアイコン(1)で示し、画面27の下側に画像データ到達状況をアイコン(2)で示す。また、アイコン(2)の右下には、画像データが表示装置26および外部装置30に表示されるタイムラグの時間を表示するフィールド(3)を示す。アイコン(1)および(2)の表示方法は、
図4における表示方法と同じであってもよく、異なっていてもよい。また、アイコン(1)および(2)の表示態様は、互いに同じであってもよく、異なっていてもよい。
【0057】
図6に示すように、到達状況通知部225は、音声データの到達状況、および、画像データの到達状況を、それぞれ表示装置26に表示させてもよい。この場合、到達状況推定部224は、通信状態予測部220が予測した将来の通信の状態、および、送信量取得部228が取得した送信量に基づいて、画像データが表示装置26および外部装置30に表示されるタイムラグの時間を推定してもよい。この場合、到達状況通知部225は、到達状況推定部224が推定したタイムラグの時間を、画像データの到達状況と共に表示装置26に表示させてもよい。到達状況通知部225は、例えばビデオ通話中のように、リアルタイムで連続的な画像を送信しているときにタイムラグが生じるか否かを、表示装置26の画面27に表示することができる。
【0058】
図7は、情報処理装置200の一部の機能ブロック間のデータの流れを模式的に示す。
【0059】
帯域制御部230は、制御装置24から送信される送信データを監視する。帯域制御部230は、IPアドレス及びポート番号の組み合わせに基づいて、新たなサービスについてのデータ通信が開始されたか否かを判断する。新たな通信が開始された場合、帯域制御部230は、IPアドレス及びポート番号を含む通信情報を制御対象判別部240に通知する。帯域制御部230は、通信状態測定部210のリクエストに応じて、外部装置30との間の通信データ量を示す情報を通信状態測定部210に送信する。
【0060】
制御対象判別部240は、通信情報に基づいて、データ通信の種別を判別する。例えば制御対象判別部240は、IPアドレス及びポート番号に基づいて、データ通信の種別を判別する。制御対象判別部240は、データ通信情報に基づいて、データ通信の種別を判別する。制御対象判別部240は、データ通信の種別を含む制御対象情報を、通信状態測定部210及び優先度制御部250に通知する。
【0061】
通信状態測定部210は、通信部202と外部装置30との間の通信状態を測定する。通信状態測定部210は、帯域制御部230から通知された通信データ量に基づいて、現在の通信状態を算出する。通信状態測定部210は、制御対象情報毎に通信状態を測定してよい。通信状態測定部210は、合計の通信状態を測定してよい。通信状態測定部210は、測定した制御対象の通信状態を、優先度制御部250及び通信状態予測部220に通知する。
【0062】
通信状態予測部220は、通信状態測定部210により測定された通信状態に基づいて、将来の通信状態を予測する。例えば、通信状態予測部220は、通信状態の時系列データに基づいて、時系列データの予測モデルを同定する。同定する予測モデルは、過去の時系列データから未来の時系列データを予測できるモデルであれば、いかなるモデルであってよい。例えば、同定する予測モデルとしては、ARモデル(AutoRegressive Model)等の時系列モデルや、Vasicekモデル等の確率微分方程式モデル等を例示することができる。一例として、Vasicekモデルを用いる場合、Vasicekモデルの確率微分方程式の一般解と、時系列データとを用いて、最尤推定法等の手法を用いて、Vasicekモデルの確率微分方程式の一般解のモデルパラメータを同定してよい。通信状態予測部220は、同定した予測モデルに基づいて、将来の通信状態の時系列データの確率分布を算出する。通信状態予測部220は、将来の通信状態の時系列データの確率分布に基づいて、将来の通信状態を予測してよい。なお、通信状態予測部220は、上記特許文献1及び上記特許文献2に記載されている手法を用いて、将来の通信状態の時系列データの確率分布を算出してよい。特許第6337881号及び特許第6390167号に記載されているように、TCP通信等の通信プロトコルの通信開始後の過渡特性をモデル化した通信モデルに基づいて算出した補正率を用いて、過渡特性の影響を除去するよう時系列データを補正し、補正した時系列データに基づいて、時系列データの予測モデルを同定してもよい。
【0063】
通信状態予測部220は、外部装置30からフィードバックされる通信状態に基づいて、通信状態を予測してよい。通信状態予測部220は、通信状態の制御対象毎に、将来の通信状態を予測してよい。外部装置30からフィードバックされる通信状態としては、ネットワークの転送遅延及びパケットロス率等を例示することができる。通信状態予測部220は、予測した将来の通信状態を到達状況推定部224及び優先度制御部250に通知する。通信状態予測部220は、後述するように優先度制御部250において設定された遅延情報に基づいて、将来の通信状態を算出してよい。
【0064】
到達状況推定部224は、通信状態予測部220が予測した将来の通信状態に基づいて、外部装置30と情報処理装置200との通信中に情報処理装置200から外部装置30へ送信されるデータの到達状況を推定し、到達状況通知部225に通知する。
【0065】
優先度制御部250は、データ通信のそれぞれに対する優先度を設定して、データ通信のそれぞれの通信状態を決定する。優先度制御部250は、制御対象判別部240から通知されたデータ通信の種別毎の制御対象情報、制御対象判別部240から通知された制御対象のデータ通信の種別、及び通信状態予測部220から通知された予測される通信状態に基づいて、データ通信の種別毎の優先度を設定し、優先度に応じて通信状態を設定する。優先度制御部250は、設定した通信状態が得られるようなデータ通信の遅延量を設定してよい。優先度制御部250は、設定したデータ通信の遅延量を、通信状態予測部220に通知してよい。
【0066】
優先度制御部250は、設定した通信状態を帯域制御部230に通知する。帯域制御部230は、優先度制御部250から通知されたデータ通信の種別毎の通信状態に従って、データ通信の種別毎に送信データを遅延させる。また、優先度制御部250は、設定した通信状態に対応する単位時間あたりの入力通信データ量を、制御装置24に通知する。制御装置24は、優先度制御部250から通知された入力通信データ量に従って、データ通信の種別毎に送信データの送信を制限する。例えば、制御装置24は、ポート番号で定まるサービス毎に、外部装置30へと送信するデータ量を制限する。これにより、データ通信の優先度に応じて通信状態を適切に制限することができる。
【0067】
図8は、情報処理装置200が実行する情報処理方法に関するフローチャートを示す。
図8のフローは、例えば情報処理装置200と外部装置30とが通信を開始したことによって開始する。
【0068】
情報処理装置200は、将来の通信状態を予測し(ステップS101)、音声・映像をエンコードして外部装置30へ送信することを開始する(ステップS103)。情報処理装置200は、将来の通信状態に基づいて、音声データの将来の到達状況を推定し、推定した将来の到達状況を示すアイコンを表示装置26に表示させる(ステップS105)。
【0069】
情報処理装置200は、ユーザの音声、すなわち発話を検出した場合に(ステップS107:YES)、音声データの将来の到達状況を示すアイコンを表示装置26に表示させず、現在の通信状態に基づいて推定した音声データの現在の到達状況を示すアイコンを表示装置26に表示させ(ステップS109)、ステップS107に戻る。すなわち、情報処理装置200は、ユーザの発話を検出したら、将来の到達状況を示すアイコンを、現在の到達状況を示すアイコンに切り替え、発話を検出している最中は、将来の到達状況を示すアイコンを表示せずに現在の到達状況を示すアイコンを表示する。
【0070】
情報処理装置200は、ユーザの発話を検出しなくなった場合に(ステップS107:NO)、情報処理装置200と外部装置30との間で通信が継続しているか否かを判断し(ステップS111)、継続している場合にはステップS105へ戻り、継続してない場合には当該フローを終了する。
【0071】
当フローで説明したように、到達状況推定部224は更に、通信状態測定部210が測定した通信の状態に基づいて、データの現在の到達状況を推定してもよい。また、到達状況通知部225は、到達状況推定部224が推定した将来の到達状況および現在の到達状況を、それぞれ表示装置26に表示させてもよい。より具体的な一例として、到達状況通知部225は、音声検出部226が音声を検出している間に音声データの現在の到達状況を表示装置26に表示させ、音声検出部226が音声を検出していない間は音声データの将来の到達状況を表示装置26に表示させてもよい。
【0072】
本実施形態による情報処理装置200との比較例として、インタラクティブコミュニケーションツールで、通話相手が音声受信時に応答信号を送信することで、利用者は通話相手に対して問いかけることなく、音声が聞こえているかどうかを確認することが考えられる。比較例では、利用者と通話相手との間でタイムラグが発生する。また、応答信号の送受信に一部の通信帯域を使用されるため、音声データのスループットに悪影響を与える。
【0073】
これに対して、本実施形態による情報処理装置200によれば、上記で説明した構成を備えることにより、ユーザビリティの高い到達確認を行うことができる。より具体的には、例えば、情報処理装置200が推定した通信の状態が予め定められた閾値未満であれば、外部装置30に送信するデータの到達状況が悪いと推定し、到達状況が良くなるまで待機するよう、リアルタイムでユーザに促すことができる。また、情報処理装置200は、画像データを共有している間に会話がなされていなければ、音声データの到達状況のアイコンを示さないようにすることができる。すなわち、情報処理装置200は、ユーザの発話に合わせて音声データの到達状況のアイコンを表示装置26に表示させたり表示させなくしたりすることができる。また、情報処理装置200は、データの到達状況に応じて、表示装置26に表示するアイコンを異ならせたりすることで、ユーザはスムーズに会話できるようになる。
【0074】
図9は、車両50の制御システム1000の実装例を示す。制御システム1000は、コアECU1010と、TCU1020と、AD/ADAS ECU1021と、情報系ECU1022と、エリアECU1023と、エリアECU1024と、センサ機器1040と、情報系機器1041と、駆動系機器1030と、快適系機器1031と、アラーム系機器1032と、視界系機器1033と、先進安全系機器1034と、防盗系機器1035と、灯体系機器1036と、ドア系機器1037と、ドライブポジション系機器1038と、開閉系機器1039と、通信ネットワーク1080と、通信ネットワーク1081と、通信ネットワーク1082と、通信ネットワーク1084と、通信ネットワーク1085とを備える。AD/ADAS ECU1021は、自動運転(AD)、先進運転支援システム(ADAS)に関する制御を行うECUである。
【0075】
TCU1020はテレマティクス制御ユニットである。TCU1020は、上述した情報処理装置200の一実装例である。なお、TCU1020及びコアECU1010が協働して、上述した情報処理装置200として機能してもよい。AD/ADAS ECU1021、情報系ECU1022、エリアECU1023、及びエリアECU1024は、それぞれ上述した制御装置24の一実装例である。
【0076】
通信ネットワーク1080、通信ネットワーク1081、通信ネットワーク1082、通信ネットワーク1084、及び通信ネットワーク1085は、車両内ネットワーク29の一実装例である。通信ネットワーク1080、通信ネットワーク1081、通信ネットワーク1082、通信ネットワーク1084及び通信ネットワーク1085は、イーサネット(登録商標)ワークを備えてよい。TCU1020、コアECU1010、AD/ADAS ECU1021、情報系ECU1022、エリアECU1023、及びエリアECU1024は、通信ネットワーク1080、通信ネットワーク1081、通信ネットワーク1082、通信ネットワーク1084及び通信ネットワーク1085を介してIP通信可能であってよい。なお、通信ネットワーク1084及び通信ネットワーク1085は、CANを備えてよい。
【0077】
センサ機器1040は、カメラ、レータ及びLIDARを含むセンサを備える。AD/ADAS ECU1021は、バスを通じてセンサ機器1040が備える各センサに接続され、センサ機器1040が備える各センサを制御するとともに、各センサが検出した情報を取得する。
【0078】
情報系機器1041は、メータ機器、ディプレイ機器、チューナ、プレーヤ、DSRC(狭域通信)システム、無線充電器及びUSBポートを含む機器を備える。情報系ECU1022は、バスを通じて情報系機器1041が備える各機器に接続され、情報系機器1041が備える各機器を制御する。情報系機器1041は、情報通信機器、マルチメディア関連機器、ユーザインタフェース機器を含む。
【0079】
駆動系機器1030は、電動パーキングブレーキ(EPB)、電動パワーステアリングシステム(EPS)、車両挙動安定化制御システム(VSA)、シフター(SHIFTER)、パワー・ドライブ・ユニット(PDU)、インテリジェントパワーユニット(IPU)、及び燃料噴射装置(FI)を含む機器を備える。駆動系機器1030は、バスを通じて駆動系機器1030が備える各機器に接続され、駆動系機器1030が備える各機器を制御する。
【0080】
エリアECU1024は、バスを通じて、快適系機器1031、アラーム系機器1032、視界系機器1033、先進安全系機器1034、防盗系機器1035、灯体系機器1036、ドア系機器1037、ドライブポジション系機器1038、及び開閉系機器1039と接続され、快適系機器1031、アラーム系機器1032、視界系機器1033、先進安全系機器1034、防盗系機器1035、灯体系機器1036、ドア系機器1037、ドライブポジション系機器1038、及び開閉系機器1039が備える機器を制御する。快適系機器1031、アラーム系機器1032、視界系機器1033、先進安全系機器1034、防盗系機器1035、灯体系機器1036、ドア系機器1037、ドライブポジション系機器1038、及び開閉系機器1039と接続される。快適系機器1031、アラーム系機器1032、視界系機器1033、先進安全系機器1034、防盗系機器1035、灯体系機器1036、ドア系機器1037、ドライブポジション系機器1038、及び開閉系機器1039は、主として車両50の補機を含む。
【0081】
駆動系機器1030、センサ機器1040、快適系機器1031、アラーム系機器1032、視界系機器1033、先進安全系機器1034、防盗系機器1035、灯体系機器1036、ドア系機器1037、ドライブポジション系機器1038、及び開閉系機器1039は、車両50の制御系の機器である。情報系機器1041は非制御系の機器である。
【0082】
センサ機器1040、駆動系機器1030、快適系機器1031、アラーム系機器1032、視界系機器1033、先進安全系機器1034、防盗系機器1035、灯体系機器1036、ドア系機器1037、ドライブポジション系機器1038、及び開閉系機器1039が含む機器に関するデータ通信は、情報系機器1041が含む機器に関するデータ通信と比べて、優先度が低くてよい。
【0083】
なお、車両50は、移動体の一例である。移動体としては、乗用車やバス等の自動車、鞍乗型車両、航空機、船舶等の輸送機器を含む。移動体は、輸送機器に限らず、移動可能な任意の機器であってよい。
【0084】
以上に説明したように、情報処理装置200及び情報処理装置200の一実装例において、優先度の低いデータ通信を制限することによって、優先度の高いデータ通信を継続することができる可能性を高めてもよい。一般に、移動体に搭載される機器において複数のデータ通信が行われる場合、通信速度(通信帯域ともいう)の中で通信する必要がある。しかし、複数のデータ通信の全てにおいて適切な通信速度が常に得られるとは限らない。例えば通信環境が悪化することによって通信速度が低下した場合に、優先度が高いデータ通信が制限されてしまう場合があるという課題がある。これに対し、上述した情報処理装置200は、このような課題を軽減してもよい。
【0085】
図10は、本発明の複数の実施形態が全体的又は部分的に具現化され得るコンピュータ2000の例を示す。コンピュータ2000にインストールされたプログラムは、コンピュータ2000を、実施形態に係る情報処理装置等の装置又は当該装置の各部として機能させる、当該装置又は当該装置の各部に関連付けられるオペレーションを実行させる、及び/又は、実施形態に係るプロセス又は当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ2000に、本明細書に記載の処理手順及びブロック図のブロックのうちのいくつか又はすべてに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU2012によって実行されてよい。
【0086】
本実施形態によるコンピュータ2000は、CPU2012、及びRAM2014を含み、それらはホストコントローラ2010によって相互に接続されている。コンピュータ2000はまた、ROM2026、フラッシュメモリ2024、通信インタフェース2022、及び入力/出力チップ2040を含む。ROM2026、フラッシュメモリ2024、通信インタフェース2022、及び入力/出力チップ2040は、入力/出力コントローラ2020を介してホストコントローラ2010に接続されている。
【0087】
CPU2012は、ROM2026及びRAM2014内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。
【0088】
通信インタフェース2022は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。フラッシュメモリ2024は、コンピュータ2000内のCPU2012によって使用されるプログラム及びデータを格納する。ROM2026は、アクティブ化時にコンピュータ2000によって実行されるブートプログラム等、及び/又はコンピュータ2000のハードウエアに依存するプログラムを格納する。入力/出力チップ2040はまた、キーボード、マウス及びモニタ等の様々な入力/出力ユニットをシリアルポート、パラレルポート、キーボードポート、マウスポート、モニタポート、USBポート、HDMI(登録商標)ポート等の入力/出力ポートを介して、入力/出力コントローラ2020に接続してよい。
【0089】
プログラムは、CD-ROM、DVD-ROM、又はメモリカードのようなコンピュータ可読記憶媒体又はネットワークを介して提供される。RAM2014、ROM2026、又はフラッシュメモリ2024は、コンピュータ可読記憶媒体の例である。プログラムは、フラッシュメモリ2024、RAM2014、又はROM2026にインストールされ、CPU2012によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ2000に読み取られ、プログラムと上記様々なタイプのハードウエアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法が、コンピュータ2000の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。
【0090】
例えば、コンピュータ2000及び外部デバイス間で通信が実行される場合、CPU2012は、RAM2014にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース2022に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース2022は、CPU2012の制御下、RAM2014及びフラッシュメモリ2024のような記録媒体内に提供される送信バッファ処理領域に格納された送信データを読み取り、読み取った送信データをネットワークに送信し、ネットワークから受信された受信データを、記録媒体上に提供される受信バッファ処理領域等に書き込む。
【0091】
また、CPU2012は、フラッシュメモリ2024等のような記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM2014に読み取られるようにし、RAM2014上のデータに対し様々な種類の処理を実行してよい。CPU2012は次に、処理されたデータを記録媒体にライトバックする。
【0092】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理にかけられてよい。CPU2012は、RAM2014から読み取られたデータに対し、本明細書に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々な種類のオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々な種類の処理を実行してよく、結果をRAM2014にライトバックする。また、CPU2012は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU2012は、第1の属性の属性値が指定されている、条件に一致するエントリを当該複数のエントリの中から検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0093】
上で説明したプログラム又はソフトウェアモジュールは、コンピュータ2000上又はコンピュータ2000近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバーシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能である。コンピュータ可読記憶媒体に格納されたプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ2000に提供してよい。
【0094】
コンピュータ2000にインストールされ、コンピュータ2000を情報処理装置200として機能させるプログラムは、CPU2012等に働きかけて、コンピュータ2000を、情報処理装置200の各部としてそれぞれ機能させてよい。これらのプログラムに記述された情報処理は、コンピュータ2000に読込まれることにより、ソフトウエアと上述した各種のハードウエア資源とが協働した具体的手段である情報処理装置200の各部として機能する。そして、これらの具体的手段によって、本実施形態におけるコンピュータ2000の使用目的に応じた情報の演算又は加工を実現することにより、使用目的に応じた特有の情報処理装置200が構築される。
【0095】
様々な実施形態が、ブロック図等を参照して説明された。ブロック図において各ブロックは、(1)オペレーションが実行されるプロセスの段階又は(2)オペレーションを実行する役割を持つ装置の各部を表わしてよい。特定の段階及び各部が、専用回路、コンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、及び/又はコンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタル及び/又はアナログハードウエア回路を含んでよく、集積回路(IC)及び/又はディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、論理AND、論理OR、論理XOR、論理NAND、論理NOR、及び他の論理オペレーション、フリップフロップ、レジスタ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)等のようなメモリ要素等を含む、再構成可能なハードウエア回路を含んでよい。
【0096】
コンピュータ可読記憶媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、処理手順又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段をもたらすべく実行され得る命令を含む製品の少なくとも一部を構成する。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(RTM)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0097】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又はSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0098】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ又はプログラマブル回路に対し、ローカルに又はローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して提供され、説明された処理手順又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段をもたらすべく、コンピュータ可読命令を実行してよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0099】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0100】
例えば、以上の実施形態では、情報処理装置200は車両50に実装されるものとして説明した。情報処理装置200は、通信環境の変動が大きい車両50のような移動体に実装されることが好適である。これに代えて、情報処理装置200は、パソコンや携帯端末に実装されてもよい。
【0101】
特許請求の範囲、明細書、及び図面中において示した装置、システム、プログラム、及び方法における動作、手順、ステップ、及び段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、及び図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0102】
24 制御装置
25 機器
26 表示装置
27 画面
29 車両内ネットワーク
30 外部装置
50 車両
90 通信ネットワーク
92 無線通信システム
200 情報処理装置
202 通信部
210 通信状態測定部
220 通信状態予測部
224 到達状況推定部
225 到達状況通知部
226 音声検出部
227 画像データ共有部
228 送信量取得部
230 帯域制御部
240 制御対象判別部
250 優先度制御部
1000 制御システム
1010 コアECU
1020 TCU
1021 AD/ADAS ECU
1022 情報系ECU
1023 エリアECU
1024 エリアECU
1030 駆動系機器
1031 快適系機器
1032 アラーム系機器
1033 視界系機器
1034 先進安全系機器
1035 防盗系機器
1036 灯体系機器
1037 ドア系機器
1038 ドライブポジション系機器
1039 開閉系機器
1040 センサ機器
1041 情報系機器
1080 通信ネットワーク
1081 通信ネットワーク
1082 通信ネットワーク
1084 通信ネットワーク
1085 通信ネットワーク
2000 コンピュータ
2010 ホストコントローラ
2012 CPU
2014 RAM
2020 入力/出力コントローラ
2022 通信インタフェース
2024 フラッシュメモリ
2026 ROM
2040 入力/出力チップ