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特許7623276充電制御システム、充電ステーション、自律走行作業機、及び充電制御システムの制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-20
(45)【発行日】2025-01-28
(54)【発明の名称】充電制御システム、充電ステーション、自律走行作業機、及び充電制御システムの制御方法
(51)【国際特許分類】
   G05D 1/43 20240101AFI20250121BHJP
   B60L 53/66 20190101ALI20250121BHJP
   B60L 58/12 20190101ALI20250121BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20250121BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20250121BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20250121BHJP
   H02J 7/10 20060101ALI20250121BHJP
【FI】
G05D1/43
B60L53/66
B60L58/12
H01M10/44 Q
H01M10/48 P
H02J7/00 P
H02J7/10 K
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021508366
(86)(22)【出願日】2019-03-22
(86)【国際出願番号】 JP2019012116
(87)【国際公開番号】W WO2020194383
(87)【国際公開日】2020-10-01
【審査請求日】2021-07-05
【審判番号】
【審判請求日】2023-05-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】井上 智夫
(72)【発明者】
【氏名】川上 俊明
(72)【発明者】
【氏名】蟹沢 拓哉
(72)【発明者】
【氏名】椎山 拓己
(72)【発明者】
【氏名】西村 仁
【合議体】
【審判長】刈間 宏信
【審判官】堀内 亮吾
【審判官】鈴木 貴雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-10161号公報(JP,A)
【文献】特開2000-60034号公報(JP,A)
【文献】特開2000-207026号公報(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 1/00-1/87
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリーを有し、自律走行しながら所定の作業を実行する自律走行作業機と、前記バッテリーを充電する充電ステーションと、を備える充電制御システムであって、
前記自律走行作業機は、前記充電ステーションから供給される供給電力の遮断期間を規定する期間情報を示す電流を充電電流に重畳する重畳部を備え、
前記遮断期間は、前記バッテリーの充電を開始した時点から、前記バッテリーの充電が完了したときに前記供給電力を遮断した後、前記供給電力の遮断を解放する時点までの期間を示し、
前記充電ステーションは、
前記充電電流を検出する電流検出部と、
前記電流検出部の検出結果に基づき、前記期間情報を取得する情報取得部と、
前記供給電力を遮断する遮断部と、
前記遮断部の動作を制御する遮断制御部と、を備え、
前記遮断制御部は、前記バッテリーの充電が完了したときに前記供給電力を遮断し、前記情報取得部が取得した前記期間情報に基づき、前記供給電力の遮断を解放する、充電制御システム。
【請求項2】
前記自律走行作業機は、現在時刻と、前記所定の作業を開始する日時とに基づき、前記遮断期間を算出する算出部を備える、請求項1に記載の充電制御システム。
【請求項3】
前記自律走行作業機は、
前記バッテリーの残量に基づき、前記バッテリーの充電完了までに要する充電時間を算出する第1算出部と、
前記充電時間と、前記所定の作業を開始する日時とに基づき、前記遮断期間を算出する第2算出部と、を備える、請求項1に記載の充電制御システム。
【請求項4】
前記重畳部は、前記充電電流の電流値、パルス幅、及びパルス数の少なくとも1つによって前記期間情報を示す電流を前記充電電流に重畳する、請求項1から3のいずれか1項に記載の充電制御システム。
【請求項5】
前記自律走行作業機は、前記充電電流の電流値を規制する規制制御部を備え、
前記重畳部は、前記規制制御部に前記充電電流の電流値を規制させて、前記充電電流の電流値、パルス幅、及びパルス数の少なくとも1つによって前記期間情報を示す電流を前記充電電流に重畳する、請求項4に記載の充電制御システム。
【請求項6】
前記バッテリーの充電が完了したときに、前記遮断制御部は、前記供給電力を遮断する、請求項1から5のいずれか1項に記載の充電制御システム。
【請求項7】
前記遮断期間が経過したときに、前記遮断制御部は、前記供給電力の遮断を解放する、請求項1から6のいずれか1項に記載の充電制御システム。
【請求項8】
前記自律走行作業機は、
前記バッテリーの充電が完了したときに、前記自律走行作業機を通常状態から省電力状態に移行させる遷移部を備える、請求項1から6のいずれか1項に記載の充電制御システム。
【請求項9】
前記遮断期間が経過したときに、前記遷移部は、前記自律走行作業機を省電力状態から通常状態へ遷移させる、請求項8に記載の充電制御システム。
【請求項10】
前記自律走行作業機は、
前記バッテリーの蓄電電力に基づいて、前記自律走行作業機の動作電力を生成する内部電源回路を備え、
前記遷移部は、
前記バッテリーの充電が完了したときに、前記バッテリーから前記内部電源回路への電力の供給を遮断する、請求項8または9に記載の充電制御システム。
【請求項11】
前記充電ステーションから前記内部電源回路に電力を供給可能に構成され、
前記バッテリーからの電力の供給が遮断されている期間において、前記充電ステーションから前記内部電源回路への電力の供給が開始された場合に前記内部電源回路は、前記充電ステーションから供給される電力によって前記遷移部を動作させる電力を生成する、請求項10に記載の充電制御システム。
【請求項12】
自律走行しながら所定の作業を実行する自律走行作業機のバッテリーを充電する充電ステーションであって、
前記自律走行作業機に供給する供給電力の遮断期間を規定する期間情報を示す信号が前記自律走行作業機によって重畳された充電電流を検出する電流検出部と、
前記電流検出部の検出結果に基づき、前記期間情報を取得する情報取得部と、
前記供給電力を遮断する遮断部と、
前記遮断部の動作を制御する遮断制御部と、を備え、
前記遮断期間は、前記バッテリーの充電を開始した時点から、前記バッテリーの充電が完了したときに前記供給電力を遮断した後、前記供給電力の遮断を解放する時点までの期間を示し、
前記遮断制御部は、前記バッテリーの充電が完了したときに前記供給電力を遮断し、前記情報取得部が取得した前記期間情報に基づき、前記供給電力の遮断を解放する、充電ステーション。
【請求項13】
バッテリーを有し、自律走行しながら所定の作業を実行する自律走行作業機であって、
充電ステーションから供給される供給電力の遮断期間を規定する期間情報を示す信号を充電電流に重畳する重畳部を備え、
前記遮断期間は、前記バッテリーの充電を開始した時点から、前記バッテリーの充電が完了したときに前記供給電力を遮断した後、前記供給電力の遮断を解放する時点までの期間を示し、
前記充電ステーションによって、前記充電電流が検出され、前記充電電流の検出結果に基づき前記期間情報が取得され、前記期間情報に基づき前記供給電力の遮断が解放され、
前記バッテリーの充電が完了したときに、前記自律走行作業機を通常状態から省電力状態に移行させる遷移部を備え、
前記遮断期間が経過したときに、前記遷移部は、前記自律走行作業機を省電力状態から通常状態へ遷移させる、自律走行作業機。
【請求項14】
バッテリーを有し、自律走行しながら所定の作業を実行する自律走行作業機と、前記バッテリーを充電する充電ステーションと、を備える充電制御システムの制御方法であって、
前記自律走行作業機が、前記充電ステーションから供給される供給電力の遮断期間を規定する期間情報を示す信号を充電電流に重畳する重畳ステップと、
前記充電ステーションが、前記充電電流を検出する電流検出ステップと、
前記充電ステーションが、前記電流検出ステップにおける検出結果に基づき、前記期間情報を取得する情報取得ステップと、
前記充電ステーションが、前記バッテリーの充電が完了したときに、前記供給電力を遮断する遮断ステップと、
前記充電ステーションが、前記情報取得ステップにおいて取得した前記期間情報に基づき、前記供給電力の遮断を解放する解放ステップと、
を含み、
前記遮断期間は、前記バッテリーの充電を開始した時点から、前記バッテリーの充電が完了したときに前記供給電力を遮断した後、前記供給電力の遮断を解放する時点までの期間を示す、充電制御システムの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充電制御システム、充電ステーション、自律走行作業機、及び充電制御システムの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自律走行しながら作業をする自律走行作業機の1つとして、芝地領域の中を自律的に走行し芝刈りをする芝刈機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の芝刈機は、バッテリーによって駆動され、バッテリーは、充電ステーションに接続することによって充電される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-10161号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の芝刈機では、消費電力を削減する余地があった。
上記芝刈機では、例えば、バッテリーの充電が完了した場合であっても、バッテリーが充電ステーションに接続されている。このことに起因して、電力が消費される場合がある。
本発明は、消費電力を削減可能な充電制御システム、充電ステーション、自律走行作業機、及び充電制御システムの制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、バッテリーを有し、自律走行しながら所定の作業を実行する自律走行作業機と、前記バッテリーを充電する充電ステーションと、を備える充電制御システムであって、前記自律走行作業機は、前記充電ステーションから供給される供給電力の遮断期間を規定する期間情報を示す電流を充電電流に重畳する重畳部を備え、前記遮断期間は、前記バッテリーの充電を開始した時点から、前記バッテリーの充電が完了したときに前記供給電力を遮断した後、前記供給電力の遮断を解放する時点までの期間を示し、前記充電ステーションは、前記充電電流を検出する電流検出部と、前記電流検出部の検出結果に基づき、前記期間情報を取得する情報取得部と、前記供給電力を遮断する遮断部と、前記遮断部の動作を制御する遮断制御部と、を備え、前記遮断制御部は、前記バッテリーの充電が完了したときに前記供給電力を遮断し、前記情報取得部が取得した前記期間情報に基づき、前記供給電力の遮断を解放する。
【0006】
本発明は、上記充電制御システムにおいて、前記自律走行作業機は、現在時刻と、前記所定の作業を開始する日時とに基づき、前記遮断期間を算出する算出部を備える。
【0007】
本発明は、上記充電制御システムにおいて、前記自律走行作業機は、前記バッテリーの残量に基づき、前記バッテリーの充電完了までに要する充電時間を算出する第1算出部と、前記充電時間と、前記所定の作業を開始する日時とに基づき、前記遮断期間を算出する第2算出部と、を備える。
【0008】
本発明は、上記充電制御システムにおいて、前記重畳部は、前記充電電流の電流値、パルス幅、及びパルス数の少なくとも1つによって前記期間情報を示す電流を前記充電電流に重畳する。
【0009】
本発明は、上記充電制御システムにおいて、前記自律走行作業機は、前記充電電流の電流値を規制する規制制御部を備え、前記重畳部は、前記規制制御部に前記充電電流の電流値を規制させて、前記充電電流の電流値、パルス幅、及びパルス数の少なくとも1つによって前記期間情報を示す電流を前記充電電流に重畳する。
【0010】
本発明は、上記充電制御システムにおいて、前記バッテリーの充電が完了したときに、前記遮断制御部は、前記供給電力を遮断する。
【0011】
本発明は、上記充電制御システムにおいて、前記遮断期間が経過したときに、前記遮断制御部は、前記供給電力の遮断を解放する。
【0012】
本発明は、上記充電制御システムにおいて、前記自律走行作業機は、前記バッテリーの充電が完了したときに、前記自律走行作業機を通常状態から省電力状態に移行させる遷移部を備える。
【0013】
本発明は、上記充電制御システムにおいて、前記遮断期間が経過したときに、前記遷移部は、前記自律走行作業機を省電力状態から通常状態へ遷移させる。
【0014】
本発明は、上記充電制御システムにおいて、前記自律走行作業機は、前記バッテリーの蓄電電力に基づいて、前記自律走行作業機の動作電力を生成する内部電源回路を備え、前記遷移部は、前記バッテリーの充電が完了したときに、前記バッテリーから前記内部電源回路への電力の供給を遮断する。
【0015】
本発明は、上記充電制御システムにおいて、前記充電ステーションから前記内部電源回路に電力を供給可能に構成され、前記バッテリーからの電力の供給が遮断されている期間において、前記充電ステーションから前記内部電源回路への電力の供給が開始された場合に前記内部電源回路は、前記充電ステーションから供給される電力によって前記遷移部を動作させる電力を生成する。
【0016】
本発明は、自律走行しながら所定の作業を実行する自律走行作業機のバッテリーを充電する充電ステーションであって、前記自律走行作業機に供給する供給電力の遮断期間を規定する期間情報を示す信号が前記自律走行作業機によって重畳された充電電流を検出する電流検出部と、前記電流検出部の検出結果に基づき、前記期間情報を取得する情報取得部と、前記供給電力を遮断する遮断部と、前記遮断部の動作を制御する遮断制御部と、を備え、前記遮断期間は、前記バッテリーの充電を開始した時点から、前記バッテリーの充電が完了したときに前記供給電力を遮断した後、前記供給電力の遮断を解放する時点までの期間を示し、前記遮断制御部は、前記バッテリーの充電が完了したときに前記供給電力を遮断し、前記情報取得部が取得した前記期間情報に基づき、前記供給電力の遮断を解放する。
【0017】
本発明は、バッテリーを有し、自律走行しながら所定の作業を実行する自律走行作業機であって、充電ステーションから供給される供給電力の遮断期間を規定する期間情報を示す信号を前記充電電流に重畳する重畳部を備え、前記遮断期間は、前記バッテリーの充電を開始した時点から、前記バッテリーの充電が完了したときに前記供給電力を遮断した後、前記供給電力の遮断を解放する時点までの期間を示し、前記充電ステーションによって、前記充電電流が検出され、前記充電電流の検出結果に基づき前記期間情報が取得され、前記期間情報に基づき前記供給電力の遮断が解放され、前記バッテリーの充電が完了したときに、前記自律走行作業機を通常状態から省電力状態に移行させる遷移部を備え、前記遮断期間が経過したときに、前記遷移部は、前記自律走行作業機を省電力状態から通常状態へ遷移させる。
【0018】
本発明は、バッテリーを有し、自律走行しながら所定の作業を実行する自律走行作業機と、前記バッテリーを充電する充電ステーションと、を備える充電制御システムの制御方法であって、前記自律走行作業機が、前記充電ステーションから供給される供給電力の遮断期間を規定する期間情報を示す信号を前記充電電流に重畳する重畳ステップと、前記充電ステーションが、前記充電電流を検出する電流検出ステップと、前記充電ステーションが、前記電流検出ステップにおける検出結果に基づき、前記期間情報を取得する情報取得ステップと、前記充電ステーションが、前記バッテリーの充電が完了したときに、前記供給電力を遮断する遮断ステップと、前記充電ステーションが、前記情報取得ステップにおいて取得した前記期間情報に基づき、前記供給電力の遮断を解放する解放ステップと、を含み、前記遮断期間は、前記バッテリーの充電を開始した時点から、前記バッテリーの充電が完了したときに前記供給電力を遮断した後、前記供給電力の遮断を解放する時点までの期間を示す。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、消費電力を削減できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、本発明の実施形態に係る無人芝刈りシステムの構成の一例を示す図である。
図2図2は、自律走行作業機の構成の一例を示す側面図である。
図3図3は、バッテリーの給電経路の一例を示す図である。
図4図4は、充電制御システムの構成の一例を示す図である。
図5図5は、第1制御部の構成、及び第2制御部の構成の一例を示す図である。
図6図6は、充電電流の一例を示す図である。
図7図7は、スイッチの動作の一例を示すタイミングチャートである。
図8図8は、第1制御部の処理の一例を示すフローチャートである。
図9図9は、第2制御部の処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して実施形態について説明する。
【0022】
[1.無人芝刈りシステムの構成]
[1-1.無人芝刈りシステムの全体構成]
図1は、本実施形態に係る無人芝刈システム1の構成を示す図である。
無人芝刈システム1は、ロボット芝刈機2と、芝刈り作業を実行する対象である芝刈エリアARを区画するエリアワイヤー5と、充電ステーション3と、を備える。
ロボット芝刈機2は、芝刈エリアARの中を無人で自律走行しながら芝草を刈る自律走行型の作業機である。エリアワイヤー5は、芝刈エリアARの境界Aをロボット芝刈機2が検知可能にするために、業者等によって境界Aに沿って敷設される部材である。本実施形態では、敷設されたエリアワイヤー5が磁性を帯びており、ロボット芝刈機2がエリアワイヤー5の磁気を検出することで芝刈エリアARの境界Aを検知する。ロボット芝刈機2は、「自律走行作業機」の一例に対応する。
【0023】
充電ステーション3は、ロボット芝刈機2を充電する制御基板31を有し、芝刈エリアARの中に設置される。制御基板31については、図4を参照して詳細に説明する。充電ステーション3は、非作業時におけるロボット芝刈機2の待機場所でもある。ロボット芝刈機2は、芝刈り作業の終了時には、自律走行により充電ステーション3に帰還し、充電ステーション3で適宜に充電を受けるように構成されている。
【0024】
[1-2.ロボット芝刈機の構成]
図2は、本実施形態に係るロボット芝刈機2の構成の一例を示す側面図である。
ロボット芝刈機2を、以下の説明において、芝刈機2と表記する場合がある。
芝刈機2は、ハウジング11と、ハウジング11の前部に設けられた左右の前輪12と、ハウジング11の後部に設けられた左右の後輪13と、ハウジング11の中央の下部に設けられた作業部14とを備えている。作業部14は、刈刃が設けられた刈刃ディスクであり、刈刃ディスクが回転駆動されることによって芝草を刈ることができる。
【0025】
芝刈機2は、左右の走行用モーター15と、作業部駆動用モーター16と、バッテリー17と、車輪速センサー18と、第1制御部20とを備えている。ハウジング11は、左右の走行用モーター15、作業部駆動用モーター16、バッテリー17、車輪速センサー18、及び第1制御部20を収納する。
左右の走行用モーター15の各々は、左右の後輪13を個別に駆動する。走行用モーター15が、第1制御部20の指示に従って後輪13を駆動することによって、芝刈機2が走行する。作業部駆動用モーター16は、作業部14を駆動する。第1制御部20の指示に従って作業部駆動用モーター16が作業部14を駆動することによって、芝刈り作業が実行される。バッテリー17は、芝刈機2の各部に動作電力を供給する。車輪速センサー18は、駆動輪である左右の後輪13の回転速度を検出する。車輪速センサー18の検出信号は、第1制御部20に伝送される。
【0026】
第1制御部20は、芝刈機2の各部の動作を制御する。第1制御部20は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサーと、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等のメモリーとを有する。メモリーには、作業対象エリアに関するマップデータ、及び制御プログラム等のデータが格納されている。第1制御部20については、図4及び図5を参照して詳細に説明する。
【0027】
[1-3.充電制御システムの構成]
図3は、充電制御システム100におけるバッテリー17の給電経路の一例を示す図である。
充電制御システム100は、変換装置4と、充電ステーション3と、ロボット芝刈機2とを備える。充電制御システム100は、ロボット芝刈機2のバッテリー17の充電を制御する。
図3に示すように、商用電源から供給される電力は、変換装置4と、充電ステーション3とを経由して、バッテリー17に供給される。
変換装置4は、接続プラグ41と、ACDCアダプター42とを備える。接続プラグ41は、商用電源に接続される。ACDCアダプター42は、商用電源から供給される交流電圧を、直流電圧に変換する。接続プラグ41とACDCアダプター42との間は、電源線PW1によって接続される。
【0028】
充電ステーション3は、制御基板31と、接続部32と、載置台33とを備える。制御基板31には、第2制御部311が搭載される。第2制御部311は、充電ステーション3の動作を制御する。第2制御部311は、例えば、CPU等のプロセッサーと、RAM、ROM等のメモリーとを有する。メモリーには、制御プログラム等のデータが格納されている。第2制御部311については、図4及び図5を参照して詳細に説明する。変換装置4と充電ステーション3との間は、電源線PW2によって接続される。
【0029】
接続部32は、充電ステーション3と芝刈機2とを通電可能に接続する。載置台33には、芝刈機2が載置される。接続部32は、載置台33に芝刈機2が載置された場合に、充電ステーション3と芝刈機2とを通電可能に接続するように構成される。すなわち、載置台33に芝刈機2が載置された場合に、充電ステーション3から芝刈機2に電力を供給できる。載置台33に芝刈機2が載置された場合に、接続部32とバッテリー17との間は、電源線PW3によって接続される。すなわち、載置台33に芝刈機2が載置された場合に、充電ステーション3からバッテリー17に電力を供給できる。
【0030】
図4は、充電制御システム100の構成の一例を示す図である。図4では、電力を供給する経路を実線で示し、信号を伝送する経路を破線で示している。
【0031】
充電ステーション3の制御基板31には、第2制御部311と、第3スイッチ312と、電流検出回路313とが搭載される。
電流検出回路313は、ACDCアダプター42と接続部32との間に配置される。電流検出回路313は、ACDCアダプター42からバッテリー17に供給される充電電流JBの電流値を検出する。電流検出回路313の検出した電流値を示す第4信号SG4は、第2制御部311へ伝送される。
第3スイッチ312は、電流検出回路313と接続部32との間に配置される。第3スイッチ312は、第2制御部311からの第5信号SG5に従ってONとOFFとが切り換えられる。第3スイッチ312がONの場合には、充電ステーション3から芝刈機2へ電力を供給できる。第3スイッチ312は、「遮断部」の一例に対応する。
【0032】
芝刈機2は、第1制御部20と、充電制御IC(Integrated Circuit)22と、第1スイッチ23と、第2スイッチ24と、内部電源回路25とを備える。
充電制御IC22は、接続部32とバッテリー17との間に配置される。充電制御IC22は、第1制御部20からの第2信号SG2に従って充電電流JBを規制する。充電電流JBは、充電時に充電ステーション3からバッテリー17に供給される電流を示す。
【0033】
第1スイッチ23は、充電制御IC22とバッテリー17との間に配置される。第1スイッチ23は、第1制御部20からの第1信号SG1に従ってONとOFFとが切り換えられる。第3スイッチ312がONであり、且つ第1スイッチ23がONである場合には充電ステーション3からバッテリー17へ電力を供給できる。すなわち、バッテリー17を充電できる。
第2スイッチ24は、バッテリー17と内部電源回路25との間に配置される。第2スイッチ24は、第1制御部20からの第3信号SG3に従ってONとOFFとが切り換えられる。第2スイッチ24がONである場合には、バッテリー17から内部電源回路25へ電力を供給できる。この場合には、内部電源回路25から、芝刈機2の各部に対して、電力を供給できる。
【0034】
内部電源回路25は、接続部32に接続されると共に、第2スイッチ24を介してバッテリー17と接続される。第2スイッチ24がONの場合には、バッテリー17から第2スイッチ24を介して内部電源回路25に電力が供給される。
内部電源回路25は、芝刈機2の各部に対して、電力を供給する。例えば、内部電源回路25は、第1制御部20に対して3Vの直流電圧を供給する。また、例えば、内部電源回路25は、充電制御IC22に対して5Vの直流電圧を供給する。すなわち、内部電源回路25は、バッテリー17から供給される直流電圧から、複数の電圧値の直流電圧を生成し、芝刈機2の各部に対して、各部の動作に適した電圧値の直流電圧を供給する。また、内部電源回路25は接続部32に接続されるため、第3スイッチ312がONである場合には、充電ステーション3から内部電源回路25に電力が供給される。内部電源回路25については、図5を参照して更に説明する。
【0035】
[1-4.第1制御部及び第2制御部の構成]
図5は、第1制御部20の構成、及び第2制御部311の構成の一例を示す図である。
第1制御部20は、第1算出部201と、第2算出部202と、重畳部203と、規制制御部204と、遷移部205とを備える。具体的には、第1制御部20のプロセッサーが、メモリーに記憶された制御プログラムを実行することによって、第1算出部201、第2算出部202、重畳部203、規制制御部204及び遷移部205として機能する。
【0036】
第2制御部311は、電流検出部311Aと、情報取得部311Bと、遮断制御部311Cとを備える。具体的には、第2制御部311のプロセッサーが、メモリーに記憶された制御プログラムを実行することによって、電流検出部311A、情報取得部311B及び遮断制御部311Cとして機能する。
【0037】
第1算出部201は、バッテリー17の残量QRに基づき、バッテリー17の充電完了までに要する充電時間TFを算出する。例えば、第1算出部201は、バッテリー17のバッテリー電圧VBを検出し、バッテリー電圧VBに基づき、バッテリー17の残量QRを算出する。そして、第1算出部201は、バッテリー17の残量QRに基づき、バッテリー17の充電完了までに要する充電時間TFを算出する。
本実施形態では、第1算出部201が、バッテリー電圧VBを検出し、バッテリー電圧VBに基づき、バッテリー17の残量QRを算出するが、本発明はこれに限定されない。第1算出部201が、バッテリー17の残量QRを算出すればよい。例えば、第1算出部201が、充電電流JBに基づき、バッテリー17の残量QRを算出してもよい。
【0038】
第2算出部202は、充電時間TFと芝刈り作業を開始する日時とに基づき、遮断期間PCを算出する。遮断期間PCは、供給電力PSを遮断する期間を規定する。具体的には、遮断期間PCは、充電を開始した時点から芝刈り作業を開始する日時までの期間を示す。換言すれば、遮断期間PCは、充電を開始した時点から供給電力PSの遮断を解放する時点までの期間を示す。芝刈り作業は、「所定の作業」の一例に対応する。芝刈り作業を開始する日時は、予め第1制御部20のメモリーに記憶されている。「供給電力PS」は、充電ステーション3から芝刈機2に供給される電力を示す。
【0039】
重畳部203は、充電電流JBの電流値、パルス幅、及びパルス数の少なくとも1つによって期間情報DPを示す電流JAを充電電流JBに重畳する。期間情報DPは、供給電力PSの遮断期間PCを規定する。
具体的には、重畳部203は、規制制御部204に充電電流JBの電流値を規制させて、充電電流JBの電流値、パルス幅、及びパルス数の少なくとも1つによって期間情報DPを示す電流JAを充電電流JBに重畳する。
例えば、重畳部203は、規制制御部204に充電電流JBの電流値を規制させて、充電電流JBのパルス数によって期間情報DPを示す電流JAを充電電流JBに重畳する。期間情報DPを示す電流JAが重畳された充電電流JBの一例については、図6を参照して詳細に説明する。
本実施形態では、重畳部203は、規制制御部204に充電電流JBの電流値を規制させて、充電電流JBのパルス数によって期間情報DPを示す電流JAを充電電流JBに重畳するが、本発明はこれに限定されない。重畳部203は、規制制御部204に充電電流JBの電流値を規制させて、充電電流JBの電流値、パルス幅、及びパルス数の少なくとも1つによって期間情報DPを示す電流JAを充電電流JBに重畳すればよい。
【0040】
規制制御部204は、充電電流JBの電流値を規制する。具体的には、規制制御部204は、充電制御ICに対して、充電電流JBの電流値を規制するよう指示する第2信号SG2を伝送する。そして、充電制御ICは、規制制御部204からの第2信号SG2による指示に従って、充電電流JBの電流値を規制する。具体的には、充電制御ICは、充電電流JBの電流値を、通常の充電電流JBの電流値未満の電流値に低下させる。「通常の充電電流JBの電流値」とは、規制制御部204が充電電流JBの電流値を規制しない場合における、充電電流JBの電流値を示す。
【0041】
遷移部205は、バッテリー17の充電が完了したときに、芝刈機2を通常状態から省電力状態に移行させる。また、遷移部205は、遮断期間PCが経過したときに、芝刈機2を省電力状態から通常状態へ遷移させる。
なお、「通常状態」とは、芝刈機2が芝刈り作業を実行可能な状態を示す。例えば、「通常状態」とは、バッテリー17から内部電源回路25に電力が供給され、且つ、内部電源回路25から芝刈機2の各部に電力が供給される状態を示す。
「省電力状態」とは、「通常状態」と比較して、芝刈機2が消費する電力が少ない状態を示す。例えば、「省電力状態」とは、充電ステーション3からバッテリー17に電力が供給されず、且つバッテリー17から内部電源回路25に電力が供給さない状態を示す。この場合には、内部電源回路25から芝刈機2の各部に電力が供給されない。本実施形態では、「省電力状態」は、いわゆる、シャットダウン状態である。
【0042】
具体的には、バッテリー17の充電が完了したときには、遷移部205は、第1スイッチ23に対して、「OFF」することを指示する第1信号SG1を伝送する。第1スイッチ23は、遷移部205からの第1信号SG1による指示に従って、OFFする。第1スイッチ23がOFFすることによって、充電ステーション3からバッテリー17への電力の供給が遮断される。
また、バッテリー17の充電が完了したときには、遷移部205は、第2スイッチ24に対して、「OFF」することを指示する第3信号SG3を伝送する。第2スイッチ24は、遷移部205から第3信号SG3による指示に従って、OFFする。第2スイッチ24がOFFすることによって、バッテリー17から内部電源回路25への電力の供給が遮断される。
【0043】
遮断期間PCが経過したときには、遷移部205は、第2スイッチ24に対して、「ON」することを指示する第3信号SG3を伝送する。第2スイッチ24は、遷移部205から第3信号SG3による指示に従って、ONする。第2スイッチ24がONするため、バッテリー17から内部電源回路25に電力が供給される。
また、遮断期間PCが経過したときには、遷移部205は、第1スイッチ23に対して、「ON」することを指示する第1信号SG1を伝送する。第1スイッチ23は、遷移部205から第1信号SG1による指示に従って、ONする。
【0044】
電流検出部311Aは、充電電流JBを検出する。具体的には、電流検出部311Aは、電流検出回路313からの第4信号SG4に基づき、充電電流JBの電流値を検出する。第4信号SG4は、充電電流JBの電流値を示す。
【0045】
情報取得部311Bは、電流検出部311Aの検出結果に基づき、期間情報DPを取得する。期間情報DPは、供給電力PSの遮断期間PCを規定する。
例えば、重畳部203が、規制制御部204に充電電流JBの電流値を規制させて、充電電流JBのパルス数によって期間情報DPを示す電流JAを充電電流JBに重畳する場合には、情報取得部311Bは、以下のようにして、期間情報DPを取得する。すなわち、情報取得部311Bは、電流検出部311Aの検出結果に基づき、充電電流JBのパルス数を期間情報DPとして取得する。
【0046】
遮断制御部311Cは、バッテリー17の充電が完了したときに、充電ステーション3から芝刈機2に供給される供給電力PSを遮断する。具体的には、遮断制御部311Cは、電流検出部311Aの検出結果に基づき、バッテリー17の充電が完了したか否かを判定する。更に具体的には、遮断制御部311Cは、充電電流JBの電流値が閾値以下である場合に、バッテリー17の充電が完了したと判定する。
また、バッテリー17の充電が完了したと判定した場合に、遮断制御部311Cは、第3スイッチ312に対して、「OFF」することを指示する第5信号SG5を伝送する。第3スイッチ312は、遮断制御部311Cからの第5信号SG5による指示に従って、OFFする。第3スイッチ312がOFFになるため、充電ステーション3から芝刈機2に供給される供給電力PSが遮断される。その結果、充電ステーション3から内部電源回路25への電力の供給が遮断される。
【0047】
また、遮断制御部311Cは、情報取得部311Bが取得した期間情報DPに基づき、充電ステーション3から芝刈機2に供給される供給電力PSの遮断を解放する。具体的には、遮断制御部311Cは、期間情報DPが示す遮断期間PCが経過したか否かを判定する。そして、遮断期間PCが経過したと判定した場合には、遮断制御部311Cは、第3スイッチ312に対して、「ON」することを指示する第5信号SG5を伝送する。第3スイッチ312は、遮断制御部311Cからの第5信号SG5による指示に従って、ONする。第3スイッチ312がONになるため、充電ステーション3から芝刈機2に供給される供給電力PSの遮断が解放される。すなわち、充電ステーション3から芝刈機2に供給電力PSが供給される。その結果、充電ステーション3から内部電源回路25へ電力が供給される。
【0048】
内部電源回路25は、バッテリー17からの電力の供給が遮断されている期間において、充電ステーション3から内部電源回路25への電力の供給が開始された場合に、充電ステーション3から供給される電力から遷移部205を動作させる電力を生成する。
具体的には、バッテリー17の充電が完了し、且つ遮断期間PCが経過した場合には、内部電源回路25は、充電ステーション3から供給される電力から第1制御部20を動作させる電力を生成し、第1制御部20に電力を供給する。
すなわち、バッテリー17の充電が完了したときには、遷移部205の指示に従って、第2スイッチ24はOFFになる。また、遮断期間PCが経過した場合には、遮断制御部311Cからの指示に従って、第3スイッチ312がONになる。よって、バッテリー17の充電が完了し、且つ遮断期間PCが経過した場合には、バッテリー17からの電力の供給が遮断されている期間において、充電ステーション3から内部電源回路25への電力の供給が開始される。
このようにして、内部電源回路25は、充電ステーション3から内部電源回路25への電力の供給が開始された場合に、充電ステーション3から供給される電力から遷移部205を動作させる電力を生成するため、遷移部205が動作可能になる。そして、遷移部205は、遮断期間PCが経過したときに、芝刈機2を省電力状態から通常状態へ遷移させる。その結果、芝刈機2は、芝刈り作業を実行可能な状態になる。
【0049】
[2.充電電流の具体例]
図6は、期間情報DPを示す電流JAが重畳された充電電流JBの一例を示す図である。本実施形態では、充電電流JBのパルス数によって期間情報DPを示す電流JAを充電電流JBに重畳する場合について説明する。
図6の横軸は、時間Tを示し、縦軸は充電電流JBの電流値を示す。
【0050】
時点T1において、芝刈機2が載置台33に載置され、接続部32は、充電ステーション3と芝刈機2とを通電可能に接続する。その結果、充電電流JBが零から第1電流値JB1に変化し、バッテリー17の充電が開始される。第1電流値JB1は、規制制御部204が充電電流JBの電流値を規制していない場合における充電電流JBの電流値を示す。
次に、時点T2において、規制制御部204は、充電電流JBの電流値を規制する。その結果、充電電流JBが第1電流値JB1から第2電流値JB2に変化する。第2電流値JB2は、第1電流値JB1よりも電流JAの電流値だけ小さい。第2電流値JB2は、規制制御部204が充電電流JBの電流値を規制している場合における充電電流JBの電流値を示す。
次に、時点T3において、規制制御部204は、充電電流JBの電流値の規制を解除する。その結果、充電電流JBが第2電流値JB2から第1電流値JB1に変化する。このようにして、重畳部203は、規制制御部204に充電電流JBの電流値を規制させて、充電電流JBに第1パルスP1を重畳する。
第1パルスP1は、第1制御部20が第2制御部311に対して、期間情報DPの伝送を開始することを示す。第1パルスP1は、「充電開始信号」の一例に対応する。「充電開始信号」は、充電が開始されたことを示す信号である。また、「充電開始信号」は、遮断期間信号を送信することを第2制御部311に報知するための信号である。
【0051】
次に、時点T4において、第2制御部311は、第1パルスP1を検出したことを示す第2パルスP2を生成する。具体的には、第2制御部311は、第3スイッチ312に対して、OFFすることを指示する第5信号SG5を伝送し、第3スイッチ312をOFFする。その結果、充電電流JBが零になる。
次に、時点T5において、第2制御部311は、第3スイッチ312に対して、ONすることを指示する第5信号SG5を伝送し、第3スイッチ312をONする。その結果、充電電流JBが第1電流値JB1になる。このようにして、情報取得部311Bは、第2パルスP2を生成する。
第2パルスP2は、「受信応答信号」の一例に対応する。「受信応答信号」は、第2制御部311が充電開始信号を受信したことを示す信号である。
【0052】
次に、時点T6~時点T11において、重畳部203は、規制制御部204に充電電流JBの電流値を規制させて、充電電流JBのパルス数によって期間情報DPを示す電流JAを充電電流JBに重畳する。
具体的には、時点T6において、規制制御部204は、充電電流JBの電流値を規制する。その結果、充電電流JBが第1電流値JB1から第2電流値JB2に変化する。
次に、時点T7において、規制制御部204は、充電電流JBの電流値の規制を解除する。その結果、充電電流JBが第2電流値JB2から第1電流値JB1に変化する。このようにして、重畳部203は、第3パルスP3を生成する。
次に、時点T8において、規制制御部204は、充電電流JBの電流値を規制する。その結果、充電電流JBが第1電流値JB1から第2電流値JB2に変化する。
次に、時点T9において、規制制御部204は、充電電流JBの電流値の規制を解除する。その結果、充電電流JBが第2電流値JB2から第1電流値JB1に変化する。このようにして、重畳部203は、第4パルスP4を生成する。
次に、時点T10において、規制制御部204は、充電電流JBの電流値を規制する。その結果、充電電流JBが第1電流値JB1から第2電流値JB2に変化する。
次に、時点T11において、規制制御部204は、充電電流JBの電流値の規制を解除する。その結果、充電電流JBが第2電流値JB2から第1電流値JB1に変化する。このようにして、重畳部203は、第5パルスP5を生成する。
第3パルスP3~第5パルスP5は、期間情報DPを示す。すなわち、充電電流JBのパルス数が「3」である。例えば、重畳部203は、期間情報DPが示す遮断期間PCに応じて、充電電流JBのパルス数を決定する。例えば、1つのパルスが2時間を示す。この場合には、第3パルスP3~第5パルスP5は、遮断期間PCが6時間(=2時間×3)であることを示す。第3パルスP3~第5パルスP5は、「遮断期間信号」の一例に対応する。「遮断期間信号」は、遮断期間PCを示す信号である。
【0053】
[3.スイッチの動作の具体例]
図7は、第1スイッチ23、第2スイッチ24及び第3スイッチ312の動作の一例を示すタイミングチャートである。
図7では、上部に第1スイッチ23のタイミングチャートを示し、中央部に第2スイッチ24のタイミングチャートを示し、下部に第3スイッチ312のタイミングチャートを示している。各タイミングチャートの横軸は時間Tであり、縦軸は、スイッチがONであるかOFFであるかを示す。
【0054】
まず、時点TAにおいて、芝刈機2が載置台33に載置され、接続部32は、充電ステーション3と芝刈機2とを通電可能に接続する。第2制御部311は、充電ステーション3と芝刈機2とが通電可能に接続されたことを検出して、第3スイッチ312に対して、「ON」することを指示する第5信号SG5を伝送する。第3スイッチ312は、第2制御部311からの第5信号SG5による指示に従って、ONする。第3スイッチ312がONすることによって、バッテリー17の充電が開始される。
【0055】
次に、時点TBにおいて、バッテリー17の充電が完了したと遷移部205が判定し、遷移部205は、芝刈機2を通常状態から省電力状態に移行させる。具体的には、遷移部205は、第1スイッチ23に対して、「OFF」することを指示する第1信号SG1を伝送する。第1スイッチ23は、遷移部205からの第1信号SG1による指示に従って、OFFする。第1スイッチ23がOFFすることによって、充電ステーション3からバッテリー17への電力の供給が遮断される。
また、時点TBにおいて、遷移部205は、第2スイッチ24に対して、「OFF」することを指示する第3信号SG3を伝送する。第2スイッチ24は、遷移部205から第3信号SG3による指示に従って、OFFする。第2スイッチ24がOFFすることによって、バッテリー17から内部電源回路25への電力の供給が遮断される。
【0056】
次に、時点TCにおいて、バッテリー17の充電が完了したと遮断制御部311Cが判定し、遮断制御部311Cは、第3スイッチ312に対して、「OFF」することを指示する第5信号SG5を伝送する。第3スイッチ312は、遮断制御部311Cからの第5信号SG5による指示に従って、OFFする。第3スイッチ312がOFFすることによって、充電ステーション3から芝刈機2に供給される供給電力PSが遮断される。
【0057】
次に、時点TDにおいて、遮断制御部311Cは、遮断期間PCが経過したと判定し、第3スイッチ312に対して、「ON」することを指示する第5信号SG5を伝送する。第3スイッチ312は、遮断制御部311Cからの第5信号SG5による指示に従って、ONする。第3スイッチ312がONすることによって、充電ステーション3から芝刈機2に供給される供給電力PSの遮断が解放される。すなわち、充電ステーション3から芝刈機2に供給電力PSが供給される。
【0058】
次に、時点TEにおいて、遷移部205は、遮断期間PCが経過したと判定し、第1スイッチ23に対して、「ON」することを指示する第1信号SG1を伝送する。第1スイッチ23は、遷移部205からの第1信号SG1による指示に従って、ONする。第1スイッチ23がONすることによって、充電ステーション3からバッテリー17へ電力が供給される。
また、遷移部205は、第2スイッチ24に対して、「ON」することを指示する第3信号SG3を伝送する。第2スイッチ24は、遷移部205から第3信号SG3による指示に従って、ONする。第2スイッチ24がONすることによって、バッテリー17から内部電源回路25へ電力が供給される。
【0059】
[4.第1制御部及び第2制御部の処理]
図8は、第1制御部20の処理の一例を示すフローチャートである。
なお、図8の初期状態においては、第1スイッチ23、第2スイッチ24及び第3スイッチ312の各々がONである場合について説明する。
図8に示すように、まず、ステップSA101において、第1制御部20は、バッテリー17の充電が開始されたか否かを判定する。第1制御部20は、例えば、充電制御ICに充電電流JBが流れているか否かに応じて、バッテリー17の充電が開始されたか否かを判定する。
バッテリー17の充電が開始されていないと第1制御部20が判定した場合(ステップSA101:NO)には、処理が待機状態になる。バッテリー17の充電が開始されたと第1制御部20が判定した場合(ステップSA101:YES)には、処理がステップSA103に進む。
そして、ステップSA103において、第1制御部20は、充電開始信号SGAを第2制御部311に対して送信する。充電開始信号SGAは、充電が開始されたことを示す信号であって、例えば、図6に示す第1パルスP1に対応する。
【0060】
次に、ステップSA105において、第1制御部20は、受信応答信号SGBを検出したか否かを判定する。受信応答信号SGBは、第2制御部311が充電開始信号SGAを受信したことを示す信号であって、例えば、図6に示す第2パルスP2に対応する。
受信応答信号SGBを検出していないと第1制御部20が判定した場合(ステップSA105:NO)には処理がステップSA107に進む。
そして、ステップSA107において、第1制御部20は、充電開始信号SGAを第2制御部311に対して所定回数だけ送信したか否かを判定する。所定回数は、例えば3回である。
充電開始信号SGAを第2制御部311に対して所定回数だけ送信したと第1制御部20が判定した場合(ステップSA107:YES)には、処理が終了する。充電開始信号SGAを第2制御部311に対して所定回数だけ送信していないと第1制御部20が判定した場合(ステップSA107:NO)には、処理がステップSA103に戻る。
受信応答信号SGBを検出したと第1制御部20が判定した場合(ステップSA105:YES)には処理がステップSA109に進む。
そして、ステップSA109において、第1算出部201は、バッテリー17の残量QRに基づき、バッテリー17の充電完了までに要する充電時間TFを算出する。
【0061】
次に、ステップSA111において、第2算出部202は、充電時間TFと、芝刈り作業を開始する日時とに基づき、遮断期間PCを算出する。遮断期間PCは、充電を開始した時点から供給電力PSの遮断を解放する時点までの期間を示す。
次に、重畳部203は、充電電流JBのパルス数によって期間情報DPを示す電流JAを充電電流JBに重畳する。このことによって、重畳部203は、遮断期間信号SGCを第2制御部311に対して送信する。遮断期間信号SGCは、期間情報DPを示す信号であって、例えば図6に示す第3パルスP3~第5パルスP5に対応する。
次に、ステップSA115において、遷移部205は、バッテリー17の充電が完了し、供給電力PSが遮断されたか否かを判定する。遷移部203は、例えば、充電電流JBに基づいて、供給電力PSが遮断されたか否かを判定する。具体的には、遷移部203は、充電電流JBが零である場合に、供給電力PSが遮断されたと判定する。
供給電力PSが遮断されていないと遷移部205が判定した場合(ステップSA115:NO)には、処理が待機状態になる。供給電力PSが遮断されたと遷移部205が判定した場合(ステップSA115:YES)には、処理がステップSA117に進む。
そして、ステップSA117において、遷移部205は、芝刈機2を通常状態から省電力状態に移行させる。具体的には、遷移部205は、第1スイッチ23をOFFし、第2スイッチ24をOFFする。
【0062】
次に、ステップSA119において、内部電源回路25は、充電ステーション3から内部電源回路25への電力の供給が開始されたか否かを判定する。
充電ステーション3から内部電源回路25への電力の供給が開始されていないと内部電源回路25が判定した場合(ステップSA119:NO)には、処理が待機状態になる。充電ステーション3から内部電源回路25への電力の供給が開始されたと内部電源回路25が判定した場合(ステップSA119:YES)には、処理がステップSA121に進む。
そして、ステップSA121において、内部電源回路25は、充電ステーション3から供給された電力から第1制御部20を動作させる電力を生成し、第1制御部20に電力を供給する。そして、遷移部205は、バッテリー17から内部電源回路25への電力の供給を開始する。具体的には、遷移部205は、第2スイッチ24をONにすることによって、バッテリー17から内部電源回路25への電力の供給を開始する。
次に、ステップSA123において、遷移部205は、芝刈機2を省電力状態から通常状態に移行させ、処理が終了する。具体的には、遷移部205は、第1スイッチ23をONにする。
【0063】
図9は、第2制御部311の処理の一例を示すフローチャートである。
なお、図9の初期状態においては、第1スイッチ23、第2スイッチ24及び第3スイッチ312の各々がONである場合について説明する。
まず、ステップSB101において、第2制御部311は、芝刈機2との接続を検出したか否かを判定する。例えば、接続部32における導通を検出することによって、第2制御部311は、芝刈機2との接続を検出したか否かを判定する。
芝刈機2との接続を検出していないと第2制御部311が判定した場合(ステップSB101:NO)には、処理が待機状態になる。芝刈機2との接続を検出したと第2制御部311が判定した場合(ステップSB101:YES)には、処理がステップSB103に進む。
【0064】
次に、ステップSB103において、第2制御部311は、バッテリー17の充電を開始する。
次に、ステップSB105において、第2制御部311は、充電開始信号SGAを検出したか否かを判定する。充電開始信号SGAは、第1制御部20が第2制御部311に対して、期間情報DPの伝送を開始することを示す。充電開始信号SGAは、例えば図6の第1パルスP1に対応する。
充電開始信号SGAを検出していないと第2制御部311が判定した場合(ステップSB105:NO)には、処理が待機状態になる。充電開始信号SGAを検出したと第2制御部311が判定した場合(ステップSB105:YES)には、処理がステップSB107に進む。
そして、ステップSB107において、第2制御部311は、受信応答信号SGBを第1制御部20に対して送信する。受信応答信号SGBは、充電開始信号SGAを検出したことを示す。また、受信応答信号SGBは、例えば図6の第2パルスP2に対応する。
【0065】
次に、ステップSB109において、情報取得部311Bは、遮断期間信号SGCを検出したか否かを判定する。遮断期間信号SGCは、期間情報DPを示す。遮断期間信号SGCは、例えば図6の第3パルスP3~第5パルスP5に対応する。
遮断期間信号SGCを検出していないと情報取得部311Bが判定した場合(ステップSB109:NO)には、処理が待機状態になる。遮断期間信号SGCを検出したと情報取得部311Bが判定した場合(ステップSB109:YES)には、処理がステップSB111に進む。
そして、ステップSB111において、情報取得部311Bは、電流検出部311Aの検出結果に基づき、期間情報DPを取得する。期間情報DPは、供給電力PSの遮断期間PCを規定する。遮断期間PCは、充電を開始した時点から供給電力PSの遮断を解放する時点までの期間を示す。
次に、ステップSB113において、遮断制御部311Cは、遮断期間PCのカウントを開始する。
【0066】
次に、ステップSB115において、遮断制御部311Cは、バッテリー17の充電が完了したか否かを判定する。
バッテリー17の充電が完了していないと遮断制御部311Cが判定した場合(ステップSB115:NO)には、処理が待機状態になる。バッテリー17の充電が完了したと遮断制御部311Cが判定した場合(ステップSB115:YES)には、処理がステップSB117に進む。
そして、ステップSB117において、遮断制御部311Cは、供給電力PSを遮断する。換言すれば、遮断制御部311Cは、充電ステーション3からバッテリー17及び内部電源回路25への電力の供給を遮断する。
【0067】
次に、ステップSB119において、遮断制御部311Cは、遮断期間PCが経過したか否かを判定する。
遮断期間PCが経過していないと遮断制御部311Cが判定した場合(ステップSB119:NO)には、処理が待機状態になる。遮断期間PCが経過したと遮断制御部311Cが判定した場合(ステップSB119:YES)には、処理がステップSB121に進む。
そして、ステップSB121において、遮断制御部311Cは、供給電力PSの遮断を解放する。換言すれば、遮断制御部311Cは、充電ステーション3からバッテリー17及び内部電源回路25への電力の供給を開始する。その後、処理が終了する。
【0068】
図8のステップSA113が、「重畳ステップ」の一例に対応する。図9のステップSB109が、「電流検出ステップ」の一例に対応する。図9のステップSB111が「情報取得ステップ」の一例に対応する。図9のステップSB117が「遮断ステップ」の一例に対応する。図9のステップSB119及びステップSB121が「解放ステップ」の一例に対応する。
【0069】
[5.本実施形態の効果]
以上説明したように、本実施形態では、充電制御システム100は、バッテリー17を有し、自律走行しながら芝刈り作業を実行する芝刈機2と、バッテリー17を充電する充電ステーション3と、を備える。芝刈機2は、充電ステーション3から供給される供給電力PSの遮断期間PCを規定する期間情報DPを示す電流を充電電流JBに重畳する重畳部203を備える。充電ステーション3は、充電電流JBを検出する電流検出部311Aと、電流検出部311Aの検出結果に基づき、期間情報DPを取得する情報取得部311Bと、供給電力PSを遮断する遮断制御部311Cと、を備える。遮断制御部311Cは、情報取得部311Bが取得した期間情報DPに基づき、芝刈機2への電力の供給の遮断を解放する。
すなわち、重畳部203が供給電力の遮断期間PCを規定する期間情報DPを示す電流を充電電流JBに重畳し、電流検出部311Aが充電電流JBを検出し、情報取得部311Bが電流検出部311Aの検出結果に基づき、期間情報DPを取得する。よって、充電電流JBにより期間情報DPを芝刈機2から充電ステーション3へ伝送できる。また、遮断制御部311Cは、供給電力PSを遮断し、情報取得部311Bが取得した期間情報DPに基づき、供給電力PSの遮断を解放する。
したがって、芝刈機2の消費電力を削減できる。例えば、充電が完了したときに、遮断制御部311Cが供給電力PSを遮断し、遮断期間PCが経過したときに、遮断制御部311Cが供給電力PSの遮断を解放する。この場合には、芝刈機2の消費電力を効果的に削減できる。
【0070】
また、本実施形態に係る充電ステーション3、芝刈機2、及び充電制御システム100の制御方法は、上記と同様の効果を得ることができる。
【0071】
また、芝刈機2は、バッテリー17の残量に基づき、バッテリー17の充電完了までに要する充電時間TFを算出する第1算出部201と、充電時間TFと、芝刈り作業を開始する日時とに基づき、遮断期間PCを算出する第2算出部と、を備える。
よって、適正な遮断期間PCを算出できる。したがって、芝刈機2の消費電力を効果的に削減できる。
【0072】
また、重畳部203は、充電電流JBの電流値、パルス幅、及びパルス数の少なくとも1つによって期間情報DPを示す電流を充電電流JBに重畳する。
したがって、期間情報DPが充電電流JBの電流値、パルス幅、及びパルス数の少なくとも1つによって表されるため、電流検出部311Aの検出結果に基づき、情報取得部311Bが期間情報DPを容易に取得できる。
【0073】
また、芝刈機2は、充電電流JBの電流値を規制する規制制御部204を備える。重畳部203は、規制制御部204に充電電流JBの電流値を規制させて、充電電流JBの電流値、パルス幅、及びパルス数の少なくとも1つによって期間情報DPを示す電流を充電電流JBに重畳する。
よって、規制制御部204に充電電流JBの電流値を規制させることによって期間情報DPを示す電流を充電電流JBに重畳するため、簡素な構成で期間情報DPを示す電流を充電電流JBに重畳できる。
【0074】
また、バッテリー17の充電が完了したときに、遮断制御部311Cは、供給電力PSを遮断する。
したがって、消費電力を効果的に削減できる。
【0075】
また、遮断期間PCが経過したときに、遮断制御部311Cは、供給電力PSの遮断を解放する。
よって、簡素な構成で、芝刈機2に遮断期間PCが経過したことを通知できる。したがって、芝刈機2を適正なタイミングで起動できる。
【0076】
また、芝刈機2は、バッテリー17の充電が完了したときに、芝刈機2を通常状態から省電力状態に移行させる遷移部205を備える。
よって、バッテリー17の充電が完了したときに、芝刈機2は通常状態から省電力状態に移行される。したがって、芝刈機2の消費電力を削減できる。
【0077】
また、遮断期間PCが経過したときに、遷移部205は、芝刈機2を省電力状態から通常状態へ遷移させる。
したがって、芝刈機2は、遮断期間PCが経過するまで省電力状態に保持される。したがって、芝刈機2の消費電力を削減できる。また、遮断期間PCが経過したときに、芝刈機2を省電力状態から通常状態へ遷移されるため、適正なタイミングで芝刈機2を動作し得る状態に移行できる。
【0078】
また、芝刈機2は、バッテリー17の蓄電電力に基づいて、芝刈機2の動作電力を生成する内部電源回路25を備える。遷移部205は、バッテリー17の充電が完了したときに、バッテリー17から内部電源回路25への電力の供給を遮断する。
よって、バッテリー17の充電が完了したときに、バッテリー17から、芝刈機2の動作電力を生成する内部電源回路25への電力の供給を遮断するため、バッテリー17の蓄電電力の消費量を削減できる。したがって、芝刈機2の消費電力を削減できる。
【0079】
また、充電ステーション3から内部電源回路25に電力を供給可能に構成される。バッテリー17からの電力の供給が遮断されている期間において、充電ステーション3から内部電源回路25への電力の供給が開始された場合に、内部電源回路25は、充電ステーション3から供給される電力によって遷移部205を動作させる電力を生成する。
よって、バッテリー17から内部電源回路25への電力の供給が遮断されている期間であっても、充電ステーション3から供給される電力によって遷移部205を動作させることができる。したがって、バッテリー17から内部電源回路25への電力の供給が遮断されている期間においても、遷移部205を動作できる。その結果、バッテリー17から内部電源回路25への電力の供給が遮断されている期間における芝刈機2の消費電力を削減できる。
【0080】
[6.他の実施形態]
本発明は上記実施形態の構成に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能である。
例えば、本実施形態では、「自律走行作業機」がロボット芝刈機2であるが、本発明はこれに限定されない。「自律走行作業機」が自律走行しながら所定の作業を実行すればよい。例えば、「自律走行作業機」が、自律走行しながら監視作業を行う警備ロボットでもよい。
【0081】
また、本実施形態では、「省電力状態」が、いわゆる、シャットダウン状態であるが、本発明はこれに限定されない。「省電力状態」が、いわゆる、スリープ状態でもよい。この場合には、芝刈機2の構成を簡素化できる。具体的には、芝刈機2の第2スイッチ24が不要になる。また、供給電力PSが遮断されている状態でも、バッテリー17から内部電源回路25の電力が供給されるため、芝刈機2を容易に「通常状態」に移行できる。その結果、第1制御部20の処理が簡素化できる。
【0082】
また、本実施形態では、遮断制御部311Cが、バッテリー17の充電が完了し、且つ、遮断期間PCが経過した場合に、芝刈機2への電力の供給の遮断を解放するが、本発明はこれに限定されない。
遮断期間PCに基づき、芝刈機2への電力の供給の遮断を解放すればよい。
例えば、バッテリー17の蓄電量が所定量に到達したときから、芝刈機2への電力の供給を遮断してもよい。所定量は、例えば、満充電時の蓄電量の80%である。この場合には、充電ステーション3から芝刈機2に供給する消費電力を効果的に削減できる。また、この場合には、第1算出部201は、充電時間TFを算出しなくてもよい。この場合には、第2算出部202は、芝刈り作業を開始する日時に基づき、遮断期間PCを算出する。
例えば、「芝刈作業を開始する日時」は、芝刈機2の第1制御部20のメモリーにユーザの入力により格納されている。当該メモリーには、例えば、芝刈作業を開始する作業時間帯が曜日毎に格納されている。作業時間帯は一日に複数回存在してもよい。そして、第2算出部202は、「現在時刻」から、メモリーに記憶された「複数の作業時間帯のうち次に到来する作業時間帯」までの時間を「遮断期間PC」として算出してもよい。
また、例えば、遮断期間PCが経過する所定時間前まで芝刈機2への電力の供給を遮断してもよい。所定時間は、例えば、芝刈機2の起動に要する時間である。この場合には、遮断期間PCが経過するときに、芝刈機2を即座に動作させることができる。
【0083】
また、図2図4等に示した各機能ブロックのうち少なくとも一部は、ハードウェアで実現してもよいし、ハードウェアとソフトウェアの協働により実現される構成としてもよく、図に示した通りに独立したハードウェア資源を配置する構成に限定されない。
また、第1制御部20及び第2制御部311の各々が実行する制御プログラムは、メモリー内の他の記憶部に記憶されてもよい。また、外部の装置に記憶された制御プログラムを、通信部等を介して取得して実行する構成としてもよい。
【0084】
また、図6に示す充電電流JBは、一例に過ぎず、これに限定されない。例えば、遮断期間信号SGCが、図6に示す第3パルスP3~第5パルスP5に対応するが、遮断期間信号SGCは、期間情報DPを示す信号であればよい。また、受信応答信号SGBが、図6に示す第2パルスP2に対応するが、受信応答信号SGBは、第2制御部311が充電開始信号を受信したことを示す信号であればよい。
【0085】
また、図7に示すタイミングチャートは、一例に過ぎず、これに限定されない。例えば、図7では、時点TB~時点TCにおいて、第1スイッチ23がOFFし、第2スイッチ24がOFFし、第3スイッチ312がOFFするが、これに限定されない。第1スイッチ23がOFFし、第3スイッチ312がOFFし、第2スイッチ24がOFFしてもよい。
【0086】
また、図8及び図9に示すフローチャートの処理単位は、第1制御部20及び第2制御部311の処理を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものである。図8及び図9に示すフローチャートに示す処理単位の分割の仕方や名称によって実施形態が制限されることはない。また、第1制御部20及び第2制御部311の処理は、処理内容に応じて、さらに多くの処理単位に分割することもできるし、1つの処理単位がさらに多くの処理を含むように分割することもできる。また、上記のフローチャートの処理順序も、図示した例に限られるものではない。
また、第1算出部201が充電時間TFを算出しない場合には、図8のステップSA109、及び図9のステップSB105は不要である。また、図8において、ステップSA103~ステップSA107の処理をステップSA113の後に実行してもよい。また、図9のステップSB107の処理をステップSB111の後に実行してもよい。
【符号の説明】
【0087】
100 充電制御システム
2 ロボット芝刈機、芝刈機(自律走行作業機)
17 バッテリー
20 第1制御部
201 第1算出部
202 第2算出部
203 重畳部
204 規制制御部
205 遷移部
22 充電制御IC
23 第1スイッチ
24 第2スイッチ
25 内部電源回路
3 充電ステーション
31 制御基板
311 第2制御部
311A 電流検出部
311B 情報取得部
311C 遮断制御部
312 第3スイッチ(遮断部)
32 接続部
4 変換装置
42 ACDCアダプター
DP 期間情報
JB 充電電流
PC 遮断期間
PS 供給電力
SGA 充電開始信号
SGB 受信応答信号
SGC 遮断期間信号
TF 充電時間
VB バッテリー電圧
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9