(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-20
(45)【発行日】2025-01-28
(54)【発明の名称】制御装置の制御ソフトウェアをテストする方法
(51)【国際特許分類】
G01R 13/02 20060101AFI20250121BHJP
G06F 11/36 20060101ALI20250121BHJP
【FI】
G01R13/02
G06F11/36 192
(21)【出願番号】P 2021576957
(86)(22)【出願日】2020-09-03
(86)【国際出願番号】 EP2020074568
(87)【国際公開番号】W WO2021043887
(87)【国際公開日】2021-03-11
【審査請求日】2023-07-03
(32)【優先日】2019-09-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】506012213
【氏名又は名称】ディスペース ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】dSPACE GmbH
【住所又は居所原語表記】Rathenaustr.26,D-33102 Paderborn, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】イェルク グレーテンコルド
【審査官】島▲崎▼ 純一
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-288245(JP,A)
【文献】特開2001-147679(JP,A)
【文献】特開2004-037279(JP,A)
【文献】特開平07-225887(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0098963(US,A1)
【文献】特開2008-084121(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0110460(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 13/02
G06F 11/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
評価のためにデータストリーム(12)を供給する制御装置の制御ソフトウェアをテストする方法であって、前記方法は、
-複数の行(14)および複数の列(16)を有するテーブル型配置構成(10)において、表示領域に前記データストリーム(12)を表示するために第
1構造および第
2構造を生成するステップを有し、
--前記第
1構造は、第1多次元リストを含み、
--前記第1多次元リストは、複数の行・要素リストを含み、
--前記行・要素リストは、複数の要素(20)を含み、
--前記行・要素リストにおけるそれぞれの要素(20)は、前記データストリーム(12)に
対応し、
--前記要素(20)は、前記要素(20)が
対応する前記データストリーム(12)がどの列(16)に表示されるかを定義し、
--前記第
2構造は、第2多次元リストを含み、
--前記第2多次元リストは、複数の列・要素リストを含み、
--前記列・要素リストは、複数の要素(20)を含み、
--前記要素(20)は、前記要素(20)が
対応する前記データストリーム(12)がどの行(14)に表示されるかを定義し、
前記方法はさらに、
-前記第
1構造および前記第
2構造に基づいて前記データストリーム(12)を表示するステップを有する、
方法。
【請求項2】
前記要素(20)により、前記データストリーム(12)との
対応状態を介して、前記データストリーム(12)のデータが前記制御装置によって伝送されるか否かを定義し、かつ/または
前記方法は付加的に、次のステップ、すなわち、
-前記要素(20)と前記データストリーム(12)とを
対応させるステップと、
-前記データストリーム(12)について、前記制御装置によってデータを伝送するステップと、
を有する、
請求項1記載の方法。
【請求項3】
表示されたデータストリーム(12)の表示停止は、前記要素(20)において、前記要素(20)に
対応した前記データストリーム(12)との
対応を解除することに結び付き、かつ/または
前記方法は付加的に、次のステップ、すなわち、
-前記要素(20)において、前記要素(20)に
対応した前記データストリーム(12)の前記
対応を解除するステップと、
-前記データストリーム(12)について、前記制御装置によるデータ伝送を中断するステップと、
を含む、
請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記データストリーム(12)の前記テーブル型配置構成(10)の、ユーザによる変更は、前記第
1構造および/または前記第
2構造における変化に結び付き、
前記テーブル型配置構成(10)におけるデータストリーム(12)の表示の、ユーザによる変更は、前記データストリーム(12)に
対応した前記要素(20)における変更に結び付き、
前記第
1構造および/または前記第
2構造における変化は、前記データストリーム(12)の前記テーブル型配置構成(10)における変更に結び付き、かつ/または
前記データストリーム(12)に
対応した前記要素(20)における変化は、前記テーブル型配置構成(10)における、前記要素(20)に
対応した前記データストリーム(12)の前記表示の変更に結び付く、
請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
前記要素(20)は、前記要素(20)に
対応する前記データストリーム(12)の前記表示の高さおよび/または幅を定義し、かつ/または
前記方法は付加的に、次のステップ、すなわち、
-前記要素(20)において、前記要素(20)に
対応する前記データストリーム(12)の前記表示の高さおよび/または幅を定義するステップと、
-前記要素(20)に
対応した前記データストリーム(12)を前記高さおよび/または幅で表示するステップと、
を含む、
請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
前記方法は付加的に、次のステップ、すなわち、
-前記要素(20)に
対応した前記データストリーム(12)の前記表示の高さおよび/または幅を変化させるステップを含む、
請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
前記要素(20)に
対応した前記データストリーム(12)の前記表示の高さを、今後の高さに変化させることは、次のステップ、すなわち、
-表示された前記データストリーム(12)の前記テーブル型配置構成(10)の前記行(14)において、前記第
1構造の前記行・要素リストにわたり、データストリーム(12)に
対応した別の要素(20)を求めるステップと、
-求められた、データストリーム(12)に
対応した前記別の要素(20)において、高さ要求を問い合わせるステップと、
-データストリーム(12)に
対応した前記別の要素(20)の前記問い合わされた高さ要求と今後の高さとを比較するステップと、
-前記高さ要求に基づき、前記要素(20)に
対応した前記データストリーム(12)の前記表示についての適合された今後の高さを返すステップと、
-適合されて返された前記今後の高さに基づき、前記要素(20)に
対応した前記データストリーム(12)の前記表示の前記高さを前記要素(20)において定義するステップと、
-前記行に表示されるすべてのデータストリームの前記表示の前記高さを、定義された前記高さに変化させるステップと、
を含む、
請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
前記要素(20)に
対応した前記データストリーム(12)の前記表示の幅を、今後の幅に変化させることは、次のステップ、すなわち、
-表示された前記データストリーム(12)の前記テーブル型配置構成(10)の前記列(16)において、前記第
2構造の前記列・要素リストにわたり、データストリーム(12)に
対応した別の要素(20)を求めるステップと、
-求められた、データストリーム(12)に
対応した前記別の要素(20)において、幅要求を問い合わせるステップと、
-データストリーム(12)に
対応した前記別の要素(20)の前記幅要求と今後の幅とを比較するステップと、
-前記幅要求に基づき、前記要素(20)に
対応した前記データストリーム(12)の前記表示についての適合された今後の幅を返すステップと、
-適合されて返された前記今後の幅に基づき、前記要素(20)に
対応した前記データストリーム(12)の前記表示の前記幅を前記要素(20)において定義するステップと、
-前記列(16)に表示されるすべてのデータストリーム(12)の前記表示の前記幅を、定義された前記幅に変化させるステップと、
を含む、
請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
前記要素(20)は、データストリーム(12)を表示するために、別の第
1構造および
2構造に
対応し、かつ/または
前記方法は付加的に、次のステップ、すなわち、
-データストリーム(12)を表示するために、前記要素(20)と別の第
1構造および別の
2構造とを
対応させるステップと、
-前記テーブル型配置構成(10)のセル内の前記別のテーブル型配置構成(18)において、前記別の第
1構造および前記別の
2構造に基づき、前記データストリーム(12)を表示するステップと、
を含む、
請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
前記方法は付加的に、次のステップ、すなわち、
-要素(20)に
対応したデータストリーム(12)について、前記制御装置により、連続してデータを伝送するステップと、
-伝送された前記データに基づき、前記テーブル型配置構成(10)における前記表示領域において、前記データストリーム(12)の前記表示を更新するステップと、
を含む、
請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
前記表示領域は、HiL応用において、リアルタイム測定データ用の測定データ機器によって前記データストリーム(12)を表示するために使用される、
請求項1から10までのいずれか1項記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、評価のためにデータストリームを供給する制御装置の制御ソフトウェアをテストする方法に関する。
【背景技術】
【0002】
制御装置の、特に電子制御装置の制御ソフトウェアの機能テストには基本的に、制御装置の形態の、または制御装置プロトタイプの形態のハードウェアが使用可能であり、制御ソフトウェアは、実際の周囲環境において、例えばロードテストにおいてテスト可能である。
【0003】
さらに、いわゆるHiL(Hardware-in-the-Loop)テストが考えられ、このテストでは、制御装置は、入力部および出力部を介して、実際の周囲環境をシミュレートするHiLシミュレータに接続される。HiLシミュレータは、センサおよびアクチュエータの複数の電気信号をエミュレートし、これらの信号が制御装置によって読み込まれる。例えば、内燃機関のHiLテストでは、クランクシャフトセンサおよびカムシャフトセンサの信号が、HiLシミュレータのハードウェアの一部である回転角度処理ユニット(APU:Angular Processing Unit)によって形成される。制御装置それ自体は、これらの信号に基づき、制御ソフトウェアを用いて、センサ信号および/またはアクチュエータ制御信号を生成し、これらの信号それ自体が、HiLシミュレータにおける電気信号の変化に結び付く。
【0004】
したがってどのタイプの制御ソフトウェアで機能テストするかにかかわりなく、多数の信号が生成されて伝送され、それらの時間経過が、データおよび/またはデータストリームの形態で検出されて、制御ソフトウェアのウィークポイントが識別されるかもしくは改善に行うことができるようになる。例えば、車両の制御装置の制御ソフトウェアの機能テストの際には、100,000個までの信号が車両によって制御装置に伝送される。データストリームの解析および評価には通例、データストリームの適切なグラフィック表示が含まれており、これにより、ユーザは、データへのアクセスを得て、データから推論を行うことできる。データストリームは、時間的に変わり得るデータを含むことが多いため、データストリームのグラフィック表示は、有意義には、計算機のグラフィカルユーザインタフェースの表示領域にデータストリームを表示することによってのみ実行可能である。
【0005】
しかしながら、表示領域に極めて多くの表示を必要とする、計算機での利用の際には、計算機のオペレーティングシステムが、そのために必要な計算能力をもはや調達することできず、オペレーティングシステムのクラッシュが生じるか、または少なくとも、表示領域に新たな表示をもはや形成できないという問題が起こり得る。さらに、制御ソフトウェアのテストの際に伝送される多くのデータストリームにおけるチャレンジは、データストリームの表示の明瞭さを保ちながら、データストリームの解析および評価のために、データストリームの表示を変更できるようにするチャンスをユーザに与えることができるようにすることである。
【0006】
このような問題が生じるのは、例えば、HiLアプリケーションにおいて、リアルタイム測定データ用にデータストリームを表示する際である。この際に往々にして必要であるのは、数多くのさまざまなデータストリームをグラフィックに表示することである。実践的に明らかになったのは、マイクロソフトWindowsの下では、出願人の製品「ControlDesk」のようなビジュアル表示および試験用ソフトウェアの使用範囲を完全には利用し尽くすことできないことである。というのは、グラフィック表示を生成するために従来使用されているデータストリームの表示の管理および従来使用されているやり方は、ほとんどリソースを節約しておらず、ひいては計算負荷がかかりすぎるからである。
【0007】
「ControlDesk」は、特に、CAN、LIN、Flexrayおよびイーサネットのようなバスシステムのビジュアル表示のためにコンピュータシステムにおいて使用されるソフトウェアである。特に、イーサネットと使用される際には、極めて多くのデータトラフィックが可能であり、これにより、データストリームの解析および評価により、多くのグラフィック表示も要求される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
この問題から出発して、本発明の課題は、上で説明した欠点を回避する、制御装置の制御ソフトウェアをテストする方法を提供することである。特に、制御装置によって供給されるデータストリームへの、効率的でありかつリソースを節約したアクセスが可能になるようにしたい。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題は、特許請求の範囲の請求項1の対象によって解決される。好ましい発展形態は、従属請求項に記載されている。
【0010】
したがって、本発明により、評価のためにデータストリームを供給する制御装置の制御ソフトウェアをテストする方法が構成され、この方法は、次のステップ、すなわち、
-複数の行および複数の列を有するテーブル型配置構成において、表示領域にデータストリームを表示するために第1木構造および第2木構造を生成するステップを有し、
--第1木構造は、第1多次元リストを含み、
--第1多次元リストは、複数の行・要素リストを含み、
--行・要素リストは、複数の要素を含み、
--行・要素リストにおけるそれぞれの要素は、データストリームに結合可能であり、
--要素が結合可能なデータストリームがどの列に表示されるかがこの要素によって定義され、
--第2木構造は、第2多次元リストを含み、
--第2多次元リストは、複数の列・要素リストを含み、
--列・要素リストは、複数の要素を含み、
--要素が結合可能なデータストリームがどの行に表示されるかがこの要素によって定義され、
上記の方法はさらに、
-第1木構造および第2木構造に基づいてデータストリームを表示するステップを有する。
【0011】
データストリームの表示とは好ましくは、この方法のユーザが、これにより、データストリームについての情報を得て、それらの値に対するアクセスを得るような形態で、データストリームがグラフィックに表示されることであると理解される。データストリームは好ましくは、時間で変わり得るデータを含む。したがってこの方法によってユーザに可能になるのは、データストリームを解析して評価することであり、このことは、通例、制御装置の制御ソフトウェアをテストする際に不可欠である。
【0012】
したがって本発明による方法により、データストリームの処理についての基礎が形成され、この方法により、計算機の能力が効率的に利用され、したがってオペレーティングシステムのクラッシュのような欠点が回避される。さらに、この方法により、さらに別のデータストリームを表示するために計算能力の高さが不十分であるというリスクが低減される。
【0013】
この方法では、テーブル型配置構成において、表示領域にデータストリームを表示するために第1木構造および第2木構造を生成するようにする。これらの木構造によって可能になるのは、データストリームの表示のテーブル型配置構成を特に効率的に形成して管理することである。第1木構造は、第1多次元リストを含む。リストとは、同様に構造化された多くのデータが、本発明の場合には行・要素リストが蓄えられるデータ構造・変化形態のことと理解される。同様に構造化されたデータへのアクセス、すなわち行・要素リストへのアクセスは、多次元のリストにおける行・要素リストの位置を示すインデックスを用いて行われる。この場合に多次元とは、リストの次元が1よりも大きいことを意味する。言い換えると、第1多次元リストは、少なくとも2次元データ構造をしている。第1多次元リストそれ自体は、複数の行・要素リストを含む。行・要素リストもリストである。行・要素リストの同様に構造化されたデータは、データストリームに結合可能な要素である。言い換えると、これらの要素は、特定のデータストリームに対するアクセスを表す。この方法では、第1木構造において、この要素が結合可能なデータストリームがテーブル型配置構成のどの列に表示されるかがそれぞれの要素によって定義されるようにする。したがって行・要素リストにおける要素のインデックスにより、データストリームがどの列に示されるかが定義されるのではなく、この要素に結合可能なデータストリームがどの列に表示されるかを要素それ自体が定義する。したがって行・要素リストにおける要素の順序は、テーブル型配置構成における表示にとって重要ではない。行・要素リストの長さは、テーブル型配置構成の列の個数と一致しなくてもよい。特に、空のセルを有するテーブル型配置構成において、行・要素リストは、列の個数よりも短い長さを有していてよい。本発明の趣旨に沿うと、空のセルは好ましくは、テーブル型配置構成のこのセルに現在、データストリームが表示されていないか、またはその表示が表示停止されていることを意味する。好ましくは、要素には、要素に結合可能なデータストリームがどの列に表示されるかだけでなく、データストリームの表示の別の特性を定義することも可能である。
【0014】
第2木構造では第1木構造と同様に、この要素が結合可能なデータストリームがどの行に表示されるかがこの要素によって定義されるようにする。したがって列・要素リストにおける要素のインデックスにより、要素が結合可能なデータストリームがどの行に示されるかが定義されるのではなく、この要素に結合可能なデータストリームがどの行に表示されるかを要素それ自体が定義する。したがって列・要素リストにおける要素の順序は、テーブル型配置構成における表示にとって重要ではない。列・要素リストの長さは、テーブル型配置構成の行の個数と一致しなくてもよい。特に、空のセルを有するテーブル型配置構成において、列・要素リストは、行の個数よりも短い長さを有していてよい。
【0015】
したがって第1木構造および第2木構造により、テーブル型配置構成を構成する際に高いフレキシビリティが可能になる。というのは行・要素リストの長さおよび列・要素リストの長さは、テーブル型配置構成の行および列の個数と関連付けられなくてよいからである。同様に、行・要素リスト内での要素の順序は、テーブル型配置構成の行内での表示の順序に関係付けられている必要はなく、列・要素リスト内の要素の順序は、テーブル型配置構成の列内での表示の順序に関係付けられている必要はない。これにより、実際に表示されるデータストリームだけが管理されるため、表示されるデータストリームの効率的に管理が可能になる。テーブル型配置構成における空のセル、空の行および/または空の列は特に、記憶装置が専有されてしまうことに結び付かない。
【0016】
基本的に、行・要素リストにおける要素の個数は、配置構成の対応する行に表示可能な、もしくは現在表示されるデータストリームの個数に対応し、列・要素リストにおける要素の個数は、配置構成の対応する列に表示可能な、もしくは現在、表示されるデータストリームの個数に対応する。しかしながら、第1木構造および第2木構造により、データストリームの表示の、リソース節約する管理が可能になる。というのはつねに、動的な仕方で、かつ前もって確定することなく、関心対象のデータストリームだけを表示することができ、表示されてないデータストリームについてのデータ伝送を中断できるからである。したがってこの方法により、制御装置によって供給されるデータストリームに対する、効率的でありかつリソースを節約するアクセスが可能になる。
【0017】
データストリームに対する上述の効率的なアクセスに関して、本発明の有利な発展形態では、要素により、データストリームとの結合状態を介して、このデータストリームのデータが制御装置によって伝送されるか否かを定義するようにする。択一的または付加的には、この方法は、好ましい発展形態において次のステップ、すなわち、
-要素とデータストリームとを結合するステップと、
-このデータストリームについて、制御装置によってデータを伝送するステップと、を有する。言い換えると、このことは好ましくは、要素の結合が、この要素に結合可能なデータストリームのデータの伝送に結び付くことを意味する。好ましくは結合状態により、要素が現在、データストリームに結合されているか、またはデータストリームとの結合が現在、存在しないかが表される。特に、ユーザが、要素の結合状態を変更できるように構成される。データストリームと要素との結合が現在、存在する場合にのみ、このデータストリームについてのデータが、制御装置によって伝送される。
【0018】
この関連において、本発明の別の好ましい発展形態では、表示されたデータストリームの表示停止は、要素において、この要素に結合されたデータストリームとの結合を解除することに結び付くように構成される。したがってこの方法は好ましくは、次のステップ、すなわち、
-要素において、要素に結合されたデータストリームの結合を解除するステップと、
-このデータストリームについて、制御装置によるデータ伝送を中断するステップと、を含む。したがってさらに表示領域内のテーブル型配置構成において、特にリソース節約する、データストリームの表示の表示開始機能もしくは表示停止機能および/または折り畳みもしくは展開を可能にすることができる。データストリームについてのデータは、要素とデータストリームとの結合が存在する場合にのみ、制御装置によって伝送される。データストリームの表示がユーザにもはや見えなくなると直ちに、要素とデータストリームとの結合は解除され、データはもはや伝送されなくなる。特に、テーブル型配置構成の一般的な構造は、テーブル型配置構成におけるデータストリームの表示の表示停止によって影響を受けることない。というのは、データストリームに結合可能な要素により、データストリームがどの行もしくは列に表示されるべきかが定義されるからである。したがって、要素は、またさらにこの要素に結合可能なデータストリームは、データストリームが表示されない場合であっても、テーブル型配置構成内でそれらの行・列関係が保持されている。これにより、テーブル型配置構成においてデータストリームをセル毎に容易に表示停止にすることができる。したがって、行および/または列全体を表示停止する必要はない。これにより、ユーザに可能になるのは、動的かつ行毎に、データの解析および評価に現在、必要であるデータストリームだけを明瞭に表示することである。好ましくは、データストリームの表示の表示停止および/または表示開始もしくは展開および/または折り畳みをユーザがトリガできるように構成される。
【0019】
第1木構造および第2木構造により、制御装置によって供給されるデータストリームに対する効率的なアクセスが可能になるだけでなく、明瞭なテーブル型配置構成も可能になる。この関連において、本発明の好適な実施形態では、データストリームのテーブル型配置構成の、ユーザによる変更が、第1木構造および/または第2木構造における変化に結び付き、テーブル型配置構成におけるデータストリームの表示の、ユーザによる変更が、このデータストリームに結合された要素における変更に結び付き、第1木構造および/または第2木構造における変化が、データストリームのテーブル型配置構成における変更に結び付き、かつ/またはデータストリームに結合された要素における変化が、テーブル型配置構成における、この要素に結合されたデータストリームの表示の変更に結び付くように構成される。
【0020】
ユーザによるテーブル型配置構成の変更とは好ましくは、ユーザが、その行為により、例えばドラッグアンドドロップアクションにより、テーブル型配置構成の変更を引き起こすことであると理解される。テーブル型配置構成の変更とはさらに好ましくは、データストリームの表示を1つのセルから別のセルにシフトすることであると理解される。したがって、シフトの際には、テーブル型配置構成における表示の列関係および/または行関係が互いに変化する。
【0021】
さらに、テーブル型配置構成の変更とは好ましくは、データストリームの表示の追加または除去のことであると理解される。追加もしくは除去の際には、テーブル型配置構成は、別の行および/または列だけ補足されるかもしくは縮小される。これらの行および/または列は好ましくは、テーブル型配置構成の縁部だけではなく、テーブル型配置構成内にも追加および/または除去可能である。言い換えると、このことが意味するのは、第1木構造および第2木構造により、テーブル型配置構成におけるデータストリームの表示が、行毎または列毎に構成されていなくてもよいことである。
【0022】
したがって、データストリームの表示の追加または除去により、テーブル型配置構成における表示の列関係および/または行関係は互いに変化してよい。テーブル型配置構成における表示の、変更された互いの列関係および/または行関係は好ましくは、第1木構造および/または第2木構造にマッピングされる。したがって、第1構造および/または第2木構造は、継続的に取り扱われて、最新のテーブル型配置構成をつねにそのつど反映する。
【0023】
例えば、データストリームの別の表示が、ユーザによって追加される場合、第1木構造の、対応する行・要素リストは、このデータストリームに結合されている要素だけ拡張される。同様のことは、第2木構造の、対応する列・要素リストにも当てはまる。この際にかかわりがないのは、付加的なこの要素が、行・要素リストもしくは列・要素リストにおいて、はじめに、終わりに、または行・要素リストもしくは列・要素リストの中間のどこに追加されるかである。言い換えると、行・要素リストもしくは列・要素リストにおいて追加される要素のインデックスは、重要ではない。というのは、テーブル型配置構成において、要素に結合されたデータストリームが表示される箇所は、インデックスによって定義されないからである。
【0024】
データストリームの表示をシフトする際に注意すべきであるのは、2つの木構造が必ずしも変化しないことである。例えば、1つのセルにおけるデータストリームの表示が、同じ行内で1つの列から別の列にシフトされる場合、第1木構造の、対応する行・要素リストでは好ましくはなにも変化しない。というのは、データストリームの表示は依然として、テーブル型配置構成の同じ行において行われるからである。その代わりにこの例では、データストリームが、別の列に表示されるため、第2木構造が変化する。したがって第2木構造では好ましくは、要素が、以前の列を表している列・要素リストから除去され、その代わりに現在の列を表している列・要素リストに追加される。
【0025】
シフトの際に好ましくは、データストリームに結合された要素も結果的に変化する。上の例では好ましくは、第1木構造の対応する行・要素リストでは確かに、なにも変化しないが、好ましくは、データストリームに結合されている行・要素リストにおける要素は変化する。これに関して、対応する要素は好ましくは、要素に結合されたデータストリームがどの列に表示されるかを定義する情報を変化させ、新たな列に対応してこの情報を適合させる。
【0026】
テーブル型配置構成におけるデータストリームの表示の、ユーザによる変更とは好ましくは、このユーザが、その行為により、例えば、マウスの移動により、またはマウスのクリックにより、データストリームの表示の変化を生じさせることであると理解される。データの表示の変更とはさらに好ましくは、データストリームの表示の具体的な仕方の変更と理解される。これには好ましくは、表示の高さ、表示の幅、表示の色、表示の解像度および/または表示の透明度が含まれる。したがって好ましくは、データストリームの表示の変更は、データストリームに結合された要素における変更に結び付く。このことは特に、データストリームの表示の変更は、第1木構造および/または第2木構造の変更に結び付かないことも意味する。好ましくは、データストリームに結合可能な要素が、結合可能なデータストリームの表示の仕方に関する情報を含むように構成される。この情報は好ましくは、表示の高さ、表示の幅、表示の色、表示の解像度および/または表示の透明度に関する情報である。データストリームの表示がユーザによって変更される場合、これらの情報は好ましくは要素において更新され、ユーザによって選択された値に適合される。さらに好ましくは、要素は、表示の高さ、表示の幅、表示の解像度および/または表示の透明度についての、上回るかつ/または下回るべきでない境界値に関する情報を含む。これらの境界値は、ユーザが定義可能であるか、または結合可能なデータストリームまたはデータストリームの現在値に応じて生成可能である。
【0027】
ここまで示したのは、ユーザが、データストリームのテーブル型配置構成および/またはテーブル型配置構成におけるデータストリームの表示を変更でき、このことが、第1木構造および/または第2木構造において、要素における変化に結び付くことである。しかしながら好ましくは逆に、第1木構造および/または第2木構造における変化も、データストリームのテーブル型配置構成における変更に結び付く。好ましくはさらに、データストリームに結合された要素における変化は、テーブル型配置構成においてこの要素に結合されたデータストリームの表示の変更に結び付く。したがって上記の方法は好ましくは、付加的なステップ、すなわち、
-データストリームのテーブル型配置構成を変更するステップと、
-変更されたテーブル型配置構成に第1木構造および/または第2木構造を適合させるステップと、および/または
-第1木構造および/または第2木構造を変化させるステップと、
-変化させた第1木構造および/または第2木構造にデータストリームのテーブル型配置構成を適合させるステップと、を含む。
【0028】
したがってさらに有利にはこの方法は、次の付加的なステップ、すなわち、
-テーブル型配置構成におけるデータストリームの表示を変更するステップと、
-変更された表示に、データストリームに結合された要素を適合させるステップ、および/または
-データストリームに結合された要素を変化させるステップと、
-テーブル型配置構成における、データストリームに結合された要素の表示を、変化させた要素に適合させるステップと、を含む。要素のこの変化は好ましくは、要素に結合されたデータストリームによって引き起こされてよい。すなわち、データストリームに結合された要素を変化させるステップは好ましくは、要素に結合されたデータストリームの現在値に基づいて、データストリームに結合された要素を変化させることを含む。例えば、データストリームの現在値に、データストリームの表示の高さを動的に適合させることができる。特に、テーブル型配置構成は、制御装置によって供給されるデータストリームから動的に生成可能である。
【0029】
すでに述べたように好ましくは、要素は、この要素に結合可能なデータストリームの表示の仕方についての情報を含むように構成されている。この関連において本発明の好ましい発展形態では、要素により、要素に結合可能なデータストリームの表示の高さおよび/または幅を定義し、かつ/または上記の方法が付加的に、次のステップ、すなわち、
-要素に結合されたデータストリームの表示の高さおよび/または幅を要素において定義するステップと、
-要素に結合されたデータストリームをこの高さおよび/または幅で表示するステップと、を含むように構成される。
【0030】
要素に結合されたデータストリームの表示の高さおよび/または幅を要素において定義するステップは好ましくは、要素に結合されたデータストリーム、もしくは受信されるデータに応じた値を定義することを含む。択一的または付加的には、高さおよび/または幅は、ユーザによって決定されてもよい。そうすると、本発明の好ましい発展形態によれば、ユーザは、要素に結合されたデータストリームの表示の高さおよび/または幅を要素において定義でき、かつ/または上記の方法が付加的に、次のステップ、すなわち、
-要素に結合されたデータストリームの表示の幅および/または高さを要素においてユーザが定義するステップと、
-この幅および/または高さで、要素に結合されたデータストリームを表示するステップと、を含むように構成される。
【0031】
さらに、すでに述べたように高さおよび/または幅は、定義されるだけでなく、これを変化させることも可能である。したがって好ましくは、テーブル型配置構成におけるデータストリームの表示のユーザによる変更は、ユーザによる高さおよび/または幅の変更を含む。さらに、高さおよび/または幅の変更は、動的に行うことが可能である。上記の方法は好ましくは、次のステップ、すなわち、
-要素に結合されたデータストリームの表示の高さおよび/または幅を変化させるステップと、
-要素に結合されたデータストリームの現在値に基づき、要素に結合されたデータストリームの表示の高さおよび/または幅を変化させるステップと、を含む。
【0032】
要素に結合されたデータストリームの表示の高さを変化させる際には、基本的には、この1つの表示だけが変化して、テーブル型配置構成におけるデータストリームの別の表示が、この変化によって互いに関係しないことも可能である。しかしながら好ましくは、テーブル型配置構成におけるデータストリームの表示の高さが変化する際、データストリームが表示される、テーブル型配置構成の行の高さが適合されるように構成される。これは好ましくは、この行において行われるデータストリームのすべての表示が同様に高さを変化させることによって行われる。したがって、本発明の有利な発展形態によれば、要素に結合されたデータストリームの表示の高さを、今後の高さに変化させることは、次のステップ、すなわち、
-表示されたデータストリームのテーブル型配置構成の行において、第1木構造の行・要素リストにわたり、データストリームに結合された別の要素を求めるステップと、
-求められた、データストリームに結合された別の要素において、高さ要求を問い合わせるステップと、
-データストリームに結合された別の要素の問い合わされた高さ要求と今後の高さとを比較するステップと、
-高さ要求に基づき、要素に結合されたデータストリームの表示についての適合された今後の高さを返すステップと、
-適合されて返された今後の高さに基づき、要素に結合されたデータストリームの表示の高さを要素において定義するステップと、
-行に表示されるすべてのデータストリームの表示の高さを、定義された高さに変化させるステップと、を含むように構成される。したがって第1木構造により、表示の高さ、および対応する行の高さの効率的かつリソースを節約した変更が可能になる。というのは、行・要素リストを介して、高さ変化に関係する要素が識別可能であるからである。これらの要素では、これらの要素に結合されたデータストリームの表示についての高さ要求が問い合わされる。この意味において、高さ要求とは好ましくは、データストリームの表示の高さについての下方または上方の境界値と理解される。今後の高さと高さ要求との間に不一致がない場合、適合された今後の高さを返すことは好ましくは、要素に結合されたデータストリームの表示についての今後の高さを返すことを含む。例えば、複数の別の要素のいずれにも高さ要求がない場合、このことは、問い合わされた今後の高さを許可することに対応する。
【0033】
同様のことは好ましくは、幅の変化についても当てはまる。したがって好ましくは、テーブル型配置構成におけるデータストリームの表示の幅を変化させる際、データストリームが表示される、テーブル型配置構成の列の幅が適合されるように構成される。これは好ましくは、この列において行われるデータストリームのすべての表示が同様に幅を変化させることによって行われる。本発明の有利な発展形態によれば、要素に結合されたデータストリームの表示の幅を、今後の幅に変化させることは、次のステップ、すなわち、
-表示されたデータストリームのテーブル型配置構成の列において、第2木構造の列・要素リストにわたり、データストリームに結合された別の要素を求めるステップと、
-求められた、データストリームに結合された別の要素において、幅要求を問い合わせるステップと、
-データストリームに結合された別の要素の幅要求と今後の幅とを比較するステップと、
-幅要求に基づき、要素に結合されたデータストリームの表示についての適合された今後の高さを返すステップと、
-適合されて返された今後の幅に基づき、要素に結合されたデータストリームの表示の幅を要素において定義するステップと、
-列に表示されるすべてのデータストリームの幅を、定義された幅に変化させるステップと、を含む。
【0034】
したがって、第1木構造および第2木構造を生成することにより、テーブル型配置構成におけるデータストリームの、リソースを節約した表示が可能になり、第1木構造および第2木構造により、表示のテーブル型配置構成、およびデータストリームそれ自体の表示は、極めてフレキシブルである。したがって、データストリームの表示の明瞭さが保たれ、かつさらにユーザには、データストリームの解析および評価のために、データストリームの表示を変更するチャンスが与えられる。この関連において、本発明の好ましい発展形態によれば、要素は、データストリームを表示するために、別の第1木構造および第2木構造に結合可能であり、かつ/またはこの方法は付加的に、次のステップ、すなわち、
-データストリームを表示するために、要素と、別の第1木構造および別の第2木構造とを結合するステップと、
-テーブル型配置構成のセル内の別のテーブル型配置構成において、別の第1木構造および別の第2木構造に基づき、データストリームを表示するステップと、を含むように構成される。したがって好ましくは、要素はデータストリームだけと結合可能ではなく、別の第1木構造および別の第2木構造とも結合可能である。この別の第1木構造は、第1木構造と同様に構成されており、別の第2木構造は、第2木構造と同様に構成されている。したがって、別の第1木構造および第2木構造それ自体はここでも、データストリームに結合可能な別の要素を含む。したがってさらに、テーブル型配置構成のセル内に別のテーブル型配置構成が形成可能である。このような「テーブル内のテーブル」は、3次元テーブルとして捉えることが可能である。テーブル型配置構成のセル内に別のテーブル型配置構成を形成することにより、フレキシビリティが高まるだけではない。特に、データストリームのいくつかの表示が表示停止されかつ/または折り畳まれる、データストリームの表示との組み合わせにおいて、この3次元テーブルにより、複数の利点が得られる。好ましくは、表示停止されかつ/または折り畳まれた表示の際に、その下にあるテーブル型配置構成のコンテンツが見えるように構成される。したがって、テーブル型配置構成のセル内の別のテーブル型配置構成において、その下にあるものとは好ましくは、テーブル型配置構成のこのセルのことであると理解される。
【0035】
本発明の別の好ましい発展形態では、上記の方法が付加的に、次のステップ、すなわち、
-要素に結合されたデータストリームについて、制御装置により、連続してデータを伝送するステップと、
-伝送されたデータに基づき、テーブル型配置構成における表示領域において、データストリームの表示を更新するステップと、を含むように構成される。
【0036】
データの連続した伝送とは好ましくは、新たなデータを、例えば最新の測定データを制御装置によって繰り返して伝送することである。この伝送は、例えば、あらかじめ決定されたクロックまたはイベント駆動で連続して行われてよい。データストリームの表示は、伝送されたデータに基づき、連続して更新される。例えば、動的な仕方で、最新の測定値に表示の高さを適合させるか、または比較的長い時間にわたってもはや測定が変更されない場合、このデータストリームの表示は停止可能である。この表示停止はここでも好ましくは、データストリームが結合される要素の結合の解除のトリガに結び付き、これにより、このデータストリームについてのデータ伝送が中断される。
【0037】
この方法は、多くのさまざまな応用に使用可能である。本発明の好ましい発展形態では、この方法は、HiL応用において車両制御装置の制御ソフトウェアをテストするために使用される。さらに好ましくは、HiL応用において、リアルタイム測定データ用の測定データ機器によってデータストリームを表示するために表示領域を使用する。
【0038】
以下では、図面を参照し、好ましい実施例に基づいて本発明をさらに詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図1】本発明の好ましい実施例にしたがい、データストリームを表示するための、表示領域におけるテーブル型配置構成を略示する図である。
【
図2】本発明の別の好ましい実施例にしたがい、データストリームを表示するための、表示領域におけるテーブル型配置構成を略示する図である。
【
図3】本発明のさらに別の好ましい実施例にしたがい、データストリームを表示するための、表示領域におけるテーブル型配置構成を略示する図である。
【
図4】本発明のさらに別の好ましい実施例にしたがい、データストリームを表示するための、表示領域におけるテーブル型配置構成を略示する図である。
【
図5】本発明のさらに別の好ましい実施例にしたがい、テーブル型配置構成において、データストリームを表示する高さを変化させるための流れ図を略示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
図1には、本発明の好ましい実施例にしたがい、データストリーム12を表示するための、表示領域におけるテーブル型配置構成10が略示されている。テーブル型配置構成10は、複数の行14および複数の列16を有する。この実施例では、これらは3つの行14および3つの列16である。全部あわせて、テーブル型配置構成10には、5つのデータストリーム12、すなわちデータストリームA~Eが表示されている。テーブル型配置構成10にデータストリーム12を表示するために、第1木構造および第2木構造が生成されるように構成される。
【0041】
第1木構造は、第1多次元リストを含んでおり、第1多次元リストそれ自体は、複数の行・要素リストを含む。行・要素リストそれ自体は、複数の要素20を含む。要素20はそれぞれ、データストリーム12に結合可能である。読者にとって、
図1の特定のデータストリーム12に要素20を結合できることがわかるようにするために、以下では、データストリームA~Eと同様に要素20を要素A~Eと記す。特に、要素20が結合可能なデータストリーム12が、テーブル型配置構成10においてどの列16に表示されるかを要素20が定義するように構成される。要素20における列16の定義は、以下では、要素20の名前の後の、下付き、太字で書式設定されかつ下線が引かれた数字によって特徴付けられている。
【0042】
図1に示されたテーブル型配置構成10については、次の第1木構造が生成される。すなわち、
第1多次元リスト:
<行・要素リスト<要素・A
1,2
,要素・B
1,3
>>)
<行・要素リスト<要素・C
2、1
>>)
<行・要素リスト<要素・D
3,1
,要素・E
3,2
>>)
である。
【0043】
したがって第1木構造では、行・要素リストの長さは、テーブル型配置構成10の列16の個数と一致しない。すなわち、
図1では3つの列16が示されているが、行・要素リストの長さは、1つの要素の長さかまたは2つの要素の長さを有する。
【0044】
すでに述べたように、テーブル型配置構成10においてデータストリーム12を表示するために第2木構造の生成も行われる。第2木構造は、第2多次元リストを含んでおり、第2多次元リストそれ自体は、複数の列・要素リストを含む。列・要素リストそれ自体は、複数の要素20を含む。特に、要素20が結合可能なデータストリーム12が、テーブル型配置構成10においてどの行14に表示されるかを要素20が定義するように構成される。要素20における行14の定義は、以下では、要素名の後の、下付きの、太字で書式設定されかつ下線が引かれた数字によって特徴付けられている。
【0045】
図1に示されたテーブル型配置構成10については、次の第2木構造が生成される。すなわち、
第2多次元リスト:
<列・要素リスト<要素・C
2,1,要素・D
3,1>>)
<列・要素リスト<要素・A
1,2,要素・E
3,2>>)
<列・要素リスト<要素・B
1,3>>)
である。
【0046】
したがって第2木構造では、列・要素リストの長さは、テーブル型配置構成10の行14の個数と一致しない。すなわち、
図1では3つの行14が示されているが、列・要素リストの長さは、2つの要素の長さか、または3つの要素の長さを有する。
【0047】
図2にも同様に、データストリーム12を表示するための、表示領域におけるテーブル型配置構成10が略示されており、
図2では、
図1と比較して、データストリームAの表示は、ユーザによってテーブル型配置構成10内でシフトされている。
図1では、データストリームAは、第1行14の第2列16に表示されている。
図2では、データストリームAは、第2行14の第2列16に表示されている。データストリームAの表示のシフトは、
図2では、抹消線が引かれかつ下線が引かれたデータストリームAで明確に示されている。
【0048】
データストリーム12のテーブル型配置構成10のユーザによる変更により、この例では、第1木構造の変化が生じる。これに対し、この例では第2木構造は、
図1と同様である。というのは、データストリームAは、依然として第2列16に表示されているからである。すなわち、
【表1】
である。
【0049】
行・要素リストにおける要素20の順序は、テーブル型配置構成10の対応する列16における、データストリーム12の表示の順序にとって重要ではない。同様に、列・要素リストにおける要素の順序は、テーブル型配置構成10の対応する行14における、データストリーム12の表示の順序にとって重要ではない。
【0050】
図3にも同様に、データストリーム12を表示するための、表示領域におけるテーブル型配置構成10が略示されており、ここでは、データストリームF~Hが表示されている。
図3のテーブル型配置構成10は、3つの行14を有し、第2行14にはデータストリーム12は表示されない。さらに、
図3のテーブル型配置構成10は、5つの列16を有し、第3列16および第4列16にはデータストリーム12が表示されない。
【0051】
図3のテーブル型配置構成について、第1木構造および第2木構造は次に対応する。すなわち、
第1多次元リスト:
<行・要素リスト<要素・F
1,2
,要素・G
1,5
>>)
<行・要素リスト<要素・H
3,1
>>)
第2多次元リスト:
<列・要素リスト<要素・H
3,1>>)
<列・要素リスト<要素・F
1,2>>)
<列・要素リスト<要素・G
1,5>>)
である。
【0052】
したがって第1木構造および第2木構造は、テーブル型配置構成10の大きさを表す必要はない。
図3では、テーブル型配置構成10は、3×5、すなわち15個の大きさを有する。第1木構造および第2木構造は、空の行14および空の列16について固有のリストを作成せず、これにより、記憶スペースが節約される。さらに、第1木構造および/または第2木構造を大きく拡大することなく、テーブル型配置構成10は、フレキシブルに拡張可能である。例えば、100番目の行14において、データストリーム12の付加的な表示を追加することができ(
図3に示していない)、これにより、この場合、テーブル型配置構成10は、500個のセルを有することになる。しかしながら第1木構造および/または第2木構造は、このために、485個の要素だけ拡張する必要はなく、ただ1つの要素だけを拡張すればよい。
【0053】
図4には、データストリームI~Lを有する別の概略的なテーブル型配置構成が示されている。この場合、テーブル型配置構成10は、テーブル内のテーブル、すなわち入れ子構造を有する。ここには、2つの行14および3つの列16を有する第1テーブル型配置構成10が存在する。第2行14の第2列16にあるセルには、2つの行および2つの列を有する別のテーブル型配置構成18が示されている。このような入れ子の配置構成は、木構造を介して極めて容易に生成かつ管理可能である。この配置構成は、要素20が、データストリームに結合されるのではなく、別の第1木構造および別の第2木構造に結合されることによって形成される。以下では、要素20と木構造とのこの結合を「VB」(Verknuepfung Baumstruktur:結合木構造)によって表す。
図4のテーブル型配置構成については、次の第1木構造および第2木構造が生成される。すなわち、
第1多次元リスト:
<行・要素リスト<要素・I
1,1
>>)
<行・要素リスト<要素・VB
2,2
,要素・L
2,3
>>)
第2多次元リスト:
<列・要素リスト<要素・I
1,1>>)
<列・要素リスト<要素・VB
2,2>>)
<列・要素リスト<要素・L
2,3>>)
である。
【0054】
行・要素リストおよび列・要素リストには、別の第1木構造および別の第2木構造に結合された要素「要素・VB」が存在する。要素・VBが結合されている別の第1木構造および別の第2木構造は、
図4の別のテーブル型配置構成18について次のようになる。すなわち、
別の第1多次元リストを有する別の第1木構造:
<行・要素リスト<要素・J
1,1
,要素・K
1,2
>>)
別の第2多次元リストを有する別の第2木構造:
<列・要素リスト<要素・J
1,1>>)
<列・要素リスト<要素・K
1,2>>)
である。
【0055】
図5には、本発明の別の好ましい実施例にしたがい、テーブル型配置構成10において、データストリーム12を表示する高さを変化させるための例示的な概略流れ図が示されている。データストリーム12の表示により、高さが変更されるべき場合、このデータストリーム12に結合されている要素20が、その親22に問い合わせるのは、この要素20が、データストリーム12の表示の高さを変化させてよいか否かである。この場合、親22とは、テーブル型配置構成10によって形成されるデータオブジェクトのことである。したがって親22は、第1木構造および第2木構造を生成しかつ場合によって更新するデータオブジェクトでもある。この例では、要素20は、要素20に結合されたデータストリーム12の表示の高さを、30の今後の高さに変化させてよいか否かを親22に問い合わせる。親22は、リソースを節約して、第1木構造にわたり、対応する行12の複数の別の要素20についての特性および条件を直接に問い合わせ可能である。したがって、今後の高さにデータストリーム12の表示の高さを変化させることは、表示されるデータストリーム12のテーブル型配置構成10の行14において、データストリーム12に結合されたどの別の要素20が表示されるかを、第1木構造の行・要素リストにわたって求める第1ステップを含む。別のステップでは、データストリーム12に結合されたこれらの別の要素20において高さ要求を問い合わせる。それぞれの要素20は、表示の高さにも関係する、結合可能なデータストリーム12の表示のタイプについての情報をそれぞれ含んでいる。この例では、情報の「オートサイズ」および「最小サイズ」が高さ要求として問い合わされる。情報の最小サイズは、データストリーム12の表示の最小サイズを示すのに対し、情報のオートサイズは、真/偽値でデータストリーム12の表示停止の可否を示す。要素20に結合されたデータストリーム12が、表示停止できないことをどの要素20も要求しない場合、今後の高さが直接に許可される。択一的には、今後の高さと、問い合わされた最小の大きさとが比較され、場合によっては適合された今後の高さが返される。したがってこの方法は、高さ要求に基づき、要素に結合されたデータストリームの表示について適合された今後の高さを返すステップを含む。最後にただ1つの要素20が、実際に適合され、別の要素20は、さらなるデータトラフィックなしに提案にしたがう。このために親22は、対応する差分を計算して情報を転送する。そうすると、該当する行14の中の小さくすべき行14は、必要な通信が可能な限りに少なくなるようにするために個々の要素20へのさらなる問い合わせを行うことなく、上の行14の以前の高さと、上の行14の今後の高さとの間の差分だけシフトされる。
【符号の説明】
【0056】
10 テーブル型配置構成
12 データストリーム
14 行
16 列
18 別のテーブル型配置構成
20 要素
22 親