(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-20
(45)【発行日】2025-01-28
(54)【発明の名称】オンライン内覧支援システム、オンライン内覧支援装置、およびオンライン内覧支援プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/16 20240101AFI20250121BHJP
G06Q 10/02 20120101ALI20250121BHJP
【FI】
G06Q50/16
G06Q10/02
(21)【出願番号】P 2022016818
(22)【出願日】2022-02-07
【審査請求日】2023-08-14
(73)【特許権者】
【識別番号】502396683
【氏名又は名称】株式会社デベロップジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】高橋 友広
(72)【発明者】
【氏名】藤森 俊吾
(72)【発明者】
【氏名】森本 学
【審査官】三吉 翔子
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-091896(JP,A)
【文献】特開2005-332352(JP,A)
【文献】特開2001-155179(JP,A)
【文献】特開2017-033164(JP,A)
【文献】特開2017-107272(JP,A)
【文献】X-Techが導くDX,PC-Webzine Vol.344 ,日本,PC-Webzine編集局,2020年09月25日,第344巻,48-49
【文献】ソニー「VLOGCAM ZV-1」実写レビュー!動画も写真も高品質に撮れる実力派カメラ,online,2021年11月27日,[2024年10月24日検索]、インターネット<URL:https://web.archive.org/web/20211127165043/https:/rental.kikito.docomo.ne.jp/portal/articles/2494/#title5_1>
【文献】VRROOM|不動産VR(バーチャル・リアリティ)作成アプリ,online,2021年11月29日,[令和6年5月16日検索]、インターネット<URL:https://web.archive.org/web/20211129001452/https://vrroom.jp/>
【文献】スマートフォン用三脚_自撮り棒_2way_ホルダー一体型 - P-STSRS02ITABK,online,2022年01月20日,[令和6年5月16日検索]、インターネット<URL:https://web.archive.org/web/20220120180237/https://www.elecom.co.jp/products/P-STSRS02ITABK.html>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠隔地にいるユーザーが物件をオンラインで内覧するオンライン内覧の実施を支援するためのシステムであって、
前記ユーザーによって使用されるユーザー端末と、
前記物件の案内担当者に保持され、所望の範囲の画像を撮影して取得する取得部と、
前記案内担当者の指示に基づいて、前記物件に関する情報を提供する提供部と、
前記取得部によって取得された画像と、前記提供部によって提供される情報とを、前記ユーザー端末において可視化されるように出力可能な出力部と、
を有し、
前記取得部はカメラを備える撮影端末であり、当該撮影端末は、前記案内担当者によって保持され、前記カメラの向きまたは姿勢を変更および固定するために複数の回動自在な軸を有する保持部材に固定され、
前記保持部材は、前記案内担当者が片手で容易に把持可能な把持部と、前記撮影端末を挟持または係合によって固定するための固定部と、前記把持部および前記固定部を接続するためのアーム部と、を有し、当該アーム部は、前記複数の回動自在な軸を有し、
前記提供部は、前記撮影端末とは異なる端末であって、前記オンライン内覧における前記案内担当者の指示に基づいて、前記物件に関する資料を含む情報を提供するために使用され、前記案内担当者が持ち運んで、操作が可能な情報提供端末であり、
前記出力部は、前記取得部によって取得された画像と、前記提供部によって提供される情報を示す画像とが、前記ユーザー端末において切り替えられて、または、互いに少なくとも一部が重畳されて表示されるように出力
し、
前記取得部は、所望の範囲が撮影された映像をリアルタイムに取得し、
前記出力部は、前記提供部によって提供される情報とともに、前記取得部によって取得された前記映像を前記ユーザー端末においてライブ配信映像として可視化されるように出力し、
かつ、前記出力部は、前記ライブ配信映像において示される所定の箇所と、前記提供部によって提供される情報である前記物件の図面において前記所定の箇所と対応する箇所とが、対応付けられて表示されるように出力するオンライン内覧支援システム。
【請求項2】
遠隔地にいるユーザーが物件をオンラインで内覧するオンライン内覧の実施を支援するためのシステムであって、
前記ユーザーによって使用されるユーザー端末と、
前記物件の案内担当者に保持され、所望の範囲が撮影された映像をリアルタイムに取得する取得部と、
前記案内担当者の指示に基づいて、前記物件に関する情報を提供する提供部と、
前記提供部によって提供される情報とともに、前記取得部によって取得された前記映像を前記ユーザー端末においてライブ配信映像として可視化されるように出力可能な出力部と、
を有し、
前記出力部は、前記ライブ配信映像において示される所定の箇所と、前記提供部によって提供される情報である前記物件の図面において前記所定の箇所と対応する箇所とが、対応付けられて表示されるように出力するオンライン内覧支援システム。
【請求項3】
前記出力部は、前記ライブ配信映像と、前記提供部によって提供される情報を示す画像とが、前記ユーザー端末において重畳されて表示されるように出力する請求項
2に記載のオンライン内覧支援システム。
【請求項4】
前記取得部はカメラを備える撮影端末であり、当該撮影端末は、前記案内担当者によって保持され、前記カメラの向きまたは姿勢を変更および固定するために複数の回動自在な軸を有する保持部材に固定される請求項
2または
3に記載のオンライン内覧支援システム。
【請求項5】
前記保持部材は、前記案内担当者が片手で容易に把持可能な把持部と、前記撮影端末を挟持または係合によって固定するための固定部と、前記把持部および前記固定部を接続するためのアーム部と、を有し、当該アーム部は、前記複数の回動自在な軸を有する請求項
4に記載のオンライン内覧支援システム。
【請求項6】
前記案内担当者から、前記オンライン内覧が可能な候補日時の登録を受け付ける登録部と、
前記登録部によって受け付けられた前記候補日時を示す情報を前記ユーザー端末に対して送信し、前記ユーザーによる前記候補日時の中からの選択を受け付けることによって前記オンライン内覧の予約を受け付ける受付部と、
前記受付部によって予約が受け付けられた日時に前記オンライン内覧が開始されるように前記案内担当者および前記ユーザーに通知を送信する通知部と、
を有する請求項1~
5のいずれかに記載のオンライン内覧支援システム。
【請求項7】
前記受付部は、前記ユーザー端末において前記候補日時がカレンダー状に表示されるように前記候補日時を示す情報を送信する請求項
6に記載のオンライン内覧支援システム。
【請求項8】
前記受付部は、前記ユーザーから前記オンライン内覧を希望する複数のユーザーに関する内覧者情報の入力を受け付け、
前記通知部は、前記受付部によって受け付けられた前記内覧者情報に基づいて、前記オンライン内覧の予約に関する情報および前記オンライン内覧に参加するためのアクセス情報を前記複数のユーザーに通知する請求項
6または
7に記載のオンライン内覧支援システム。
【請求項9】
前記受付部は、前記ユーザーから、前記物件への入居を予定するユーザーに関する入居者情報の入力をさらに受け付ける請求項
6~
8のいずれかに記載のオンライン内覧支援システム。
【請求項10】
前記通知部は、前記受付部によって受け付けられた前記入居者情報を、前記案内担当者にさらに通知する請求項
9に記載のオンライン内覧支援システム。
【請求項11】
前記出力部は、前記受付部によって受け付けられた前記入居者情報に基づいて、前記入居を予定するユーザーに対応する入居者画像を生成し、前記取得部によって取得された前記物件の画像に、前記入居者画像を重ねて出力する請求項
9または
10に記載のオンライン内覧支援システム。
【請求項12】
前記入居者情報は、前記入居を予定するユーザーの家族構成、人数、身長、体重、および年齢のうちの少なくともいずれかに関する情報を含み、
前記出力部は、前記入居者情報の内容に応じて生成する前記入居者画像を異ならせる請求項
11に記載のオンライン内覧支援システム。
【請求項13】
前記出力部によって生成される前記入居者画像は、前記入居者情報に基づいて生成される前記入居を予定するユーザーの3次元アバター画像である請求項
11または
12に記載のオンライン内覧支援システム。
【請求項14】
前記受付部は、前記ユーザーから、前記物件に設置予定の物品に関する設置物情報の入力をさらに受け付け、
前記出力部は、前記受付部によって受け付けられた前記設置物情報に基づいて、前記物品に対応する設置物画像を生成し、前記取得部によって取得された前記物件の画像に、前記設置物画像を重ねて出力する請求項
6~
13のいずれかに記載のオンライン内覧支援システム。
【請求項15】
遠隔地にいるユーザーが物件をオンラインで内覧するオンライン内覧の実施を支援するためのシステムに適用されるオンライン内覧支援装置であって、
前記物件の案内担当者によって撮影される物件の映像をリアルタイムに取得する取得部と、
前記案内担当者の指示に基づいて、前記物件に関する情報を提供する提供部と、
前記提供部によって提供される情報とともに、前記取得部によって取得された前記映像を、前記ユーザーによって使用されるユーザー端末においてライブ配信映像として可視化されるように出力可能な出力部と、
を有し、
前記出力部は、前記ライブ配信映像において示される所定の箇所と、前記提供部によって提供される情報である前記物件の図面において前記所定の箇所と対応する箇所とが、対応付けられて表示されるように出力するオンライン内覧支援装置。
【請求項16】
前記案内担当者から、前記オンライン内覧が可能な候補日時の登録を受け付ける登録部と、
前記登録部によって受け付けられた前記候補日時を示す情報を前記ユーザー端末に対して送信し、前記ユーザーによる前記候補日時の中からの選択を受け付けることによって前記オンライン内覧の予約を受け付ける受付部と、
前記受付部によって予約が受け付けられた日時に前記オンライン内覧が開始されるように前記案内担当者および前記ユーザーに通知を送信する通知部と、
を有する請求項
15に記載のオンライン内覧支援装置。
【請求項17】
情報処理装置を請求項
15または
16に記載のオンライン内覧支援装置として機能させるためのオンライン内覧支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オンライン内覧支援システム、オンライン内覧支援装置、およびオンライン内覧支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報処理技術の発展に伴い、様々な商品やサービスがネットワークを介してオンラインで提供されている。
【0003】
たとえば、住宅の購入を検討する際に、購入希望者が物件を確認する内覧(内見または見学等とも称される)について、従来は、購入希望者が現地やモデルルームに赴いて物件を直接確認することが一般的であった。しかし、近年では様々な社会環境の変化の影響を受けて、内覧をオンラインで実施するための技術も提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献のようなオンライン内覧の技術においては、物件の画像を閲覧することはできるものの、従来の内覧のように、担当者と一緒に物件を見ながら、担当者から物件の案内や説明を受けたり、担当者に様々な質問や相談をしたりすることはできない。したがって、購入希望者は、住宅を購入するという大きな決断をするために必要な情報や満足感、安心感を得ることが難しいという問題がある。また、オンライン内覧の日程調整、予約、システムへのアクセス情報の発行・送付等を効率的に行うための仕組みがないため、オンライン内覧を開催するまでの担当者やユーザーの作業負荷が大きいという問題がある。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、オンライン内覧の開催に向けた担当者およびユーザーの作業負荷を低減しつつ、オンライン内覧において従来の現地に直接赴いて行う内覧と同様の情報や満足感、安心感を購入希望者に与えることを可能とするためのオンライン内覧支援システム、オンライン内覧支援装置、およびオンライン内覧支援プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的は、下記の手段によって達成される。
【0008】
オンライン内覧支援システムは、遠隔地にいるユーザーが物件をオンラインで内覧するオンライン内覧の実施を支援するためのシステムであり、ユーザー端末、取得部、提供部、および出力部を有する。ユーザー端末は、オンライン内覧に参加するユーザーによって使用される端末である。取得部は、物件の案内担当者に保持され、所望の範囲の画像を撮影して取得する。この取得部はカメラを備える撮影端末であり、当該撮影端末は、案内担当者によって保持され、カメラの向きまたは姿勢を変更および固定するために複数の回動自在な軸を有する保持部材に固定される。保持部材は、案内担当者が片手で容易に把持可能な把持部と、撮影端末を挟持または係合によって固定するための固定部と、把持部および固定部を接続するためのアーム部と、を有し、当該アーム部は、複数の回動自在な軸を有する。提供部は、案内担当者の指示に基づいて、物件に関する情報を提供する。この提供部は、撮影端末とは異なる端末であって、オンライン内覧における案内担当者の指示に基づいて、物件に関する資料を含む情報を提供するために使用され、案内担当者が持ち運んで、操作が可能な情報提供端末である。出力部は、取得部によって取得された画像と、提供部によって提供される情報とを、ユーザー端末において可視化されるように出力する。この出力部は、取得部によって取得された画像と、提供部によって提供される情報を示す画像とが、ユーザー端末において切り替えられて、または、互いに少なくとも一部が重畳されて表示されるように出力する。取得部は、所望の範囲が撮影された映像をリアルタイムに取得し、出力部は、提供部によって提供される情報とともに、取得部によって取得された映像をユーザー端末においてライブ配信映像として可視化されるように出力し、かつ、出力部は、ライブ配信映像において示される所定の箇所と、提供部によって提供される情報である物件の図面において所定の箇所と対応する箇所とが、対応付けられて表示されるように出力する。
また、オンライン内覧支援システムは、遠隔地にいるユーザーが物件をオンラインで内覧するオンライン内覧の実施を支援するためのシステムであり、ユーザー端末、取得部、提供部、および出力部を有する。ユーザー端末は、オンライン内覧に参加するユーザーによって使用される端末である。取得部は、物件の案内担当者に保持され、所望の範囲が撮影された映像をリアルタイムに取得する。提供部は、案内担当者の指示に基づいて、物件に関する情報を提供する。出力部は、提供部によって提供される情報とともに、取得部によって取得された映像をユーザー端末においてライブ配信映像として可視化されるように出力する。この出力部は、ライブ配信映像において示される所定の箇所と、提供部によって提供される情報である物件の図面において所定の箇所と対応する箇所とが、対応付けられて表示されるように出力する。
【0009】
オンライン内覧支援装置は、遠隔地にいるユーザーが物件をオンラインで内覧するオンライン内覧の実施を支援するためのシステムに適用され、取得部、提供部、および出力部を有する。取得部は、物件の案内担当者によって撮影される物件の映像をリアルタイムに取得する。提供部は、案内担当者の指示に基づいて、物件に関する情報を提供する。出力部は、提供部によって提供される情報とともに、取得部によって取得された映像を、ユーザーによって使用されるユーザー端末においてライブ配信映像として可視化されるように出力する。この出力部は、ライブ配信映像において示される所定の箇所と、提供部によって提供される情報である物件の図面において前記所定の箇所と対応する箇所とが、対応付けられて表示されるように出力する。
【0010】
オンライン内覧支援プログラムは、情報処理装置を上記のオンライン内覧支援装置として機能させるように構成される。
【発明の効果】
【0011】
本発明のオンライン内覧支援システムによれば、物件の案内担当者に保持され、所望の範囲の画像を撮影して取得する取得部と、案内担当者の指示に基づいて、物件に関する情報を提供する提供部と、取得部によって取得された画像と、提供部によって提供される情報とを、ユーザー端末において可視化されるように出力可能な出力部と、案内担当者から、オンライン内覧が可能な候補日時の登録を受け付ける登録部と、登録部によって受け付けられた候補日時を示す情報をユーザー端末に対して送信し、ユーザーによる候補日時の中からの選択を受け付けることによってオンライン内覧の予約を受け付ける受付部と、受付部によって予約が受け付けられた日時にオンライン内覧が開始されるように案内担当者およびユーザーに通知を送信する通知部とを有する。これにより、オンライン内覧の開催に向けた担当者およびユーザーの作業負荷を低減しつつ、オンライン内覧において従来の現地に直接赴いて行う内覧と同様の情報や満足感、安心感を購入希望者に与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一実施形態に係るオンライン内覧支援システムの概略構成を示す図である。
【
図2】
図1に示したユーザー端末の概略構成を示すブロック図である。
【
図3】
図1に示した撮影端末の概略構成を示すブロック図である。
【
図4】
図1に示した撮影端末が保持部材に固定される様子を例示する図である。
【
図5】
図1に示した情報提供端末の概略構成を示すブロック図である。
【
図6】
図1に示したサーバーの概略構成を示すブロック図である。
【
図7】
図1に示した管理者端末の概略構成を示すブロック図である。
【
図8】サーバーの機能構成を示すブロック図である。
【
図9】
図1に示したオンライン内覧支援システムにおいて実行される予約処理の手順を示すシーケンスチャートである。
【
図10】
図9のステップS101の処理においてユーザー端末に表示される予約受付画面の一例を示す図である。
【
図11】
図9のステップS101の処理においてユーザー端末に表示される予約受付画面の一例を示す図である。
【
図12】
図1に示したオンライン内覧支援システムにおいて実行されるオンライン内覧処理の手順を示すシーケンスチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0014】
〔実施形態〕
<オンライン内覧支援システムの構成>
図1は、本発明の一実施形態に係るオンライン内覧支援システムの概略構成を示す図である。
【0015】
図1に示すように、オンライン内覧支援システムは、複数のユーザー端末(ユーザー端末100a、100b等と称され、互いに区別しないときには「ユーザー端末100」と総称される。)、撮影端末200、情報提供端末300、サーバー400、および管理者端末500を有し、各構成はネットワークを通じて相互に通信可能に構成されている。
【0016】
ユーザー端末100は、ユーザー各々がオンライン内覧を予約したり、オンライン内覧に参加したりするために使用される、スマートフォン、タブレットPC、ノートPC、デスクトップPC、各種ウェアラブル端末等の情報端末である。
【0017】
撮影端末200は、オンライン内覧における物件の案内担当者によって使用され、物件や周囲の環境等、所望の範囲の画像を撮影して取得する。撮影端末200は、たとえば、カメラ、カメラ付きのスマートフォン、タブレットPC、または各種ウェアラブル端末等である。撮影端末200によって撮影された画像(映像)は、リアルタイムでサーバー400等に送信され、ライブ配信映像としてリアルタイムでユーザー端末100に配信される。撮影端末200は、取得部として機能する。
【0018】
情報提供端末300は、オンライン内覧における物件の案内担当者の指示に基づいて、物件に関する資料等の各種情報を提供するために使用される、スマートフォン、タブレットPC、各種ウェアラブル端末等の情報端末である。情報提供端末300は、提供部として機能する。
【0019】
サーバー400は、オンライン内覧支援システムおよびサービスを管理・運営する事業者(以下、「サービス提供者」とも称する)によって設けられ、各種情報を登録・管理・送受信するサーバーである。サーバー400は、オンライン内覧支援装置を構成する。
【0020】
管理者端末500は、オンライン内覧支援システムおよびサービスを管理する管理者によって使用される情報端末である。管理者端末500は、サーバー400に接続して、管理者の指示に基づいて、オンライン内覧支援システムの各種設定および管理のための処理を実行する。
【0021】
以下、各構成について詳細に説明する。
【0022】
<ユーザー端末100>
図2は、ユーザー端末の概略構成を示すブロック図である。
【0023】
図2に示すように、ユーザー端末100は、制御部110、記憶部120、通信部130、操作表示部140、撮影部150、および音声入出力部160を有する。各構成要素は、バスを介して相互に通信可能に接続されている。
【0024】
制御部110は、CPU(Central Processing Unit)を有し、プログラムに従い、上述した各構成要素の制御や各種の演算処理を実行する。
【0025】
記憶部120は、予め各種プログラムや各種データを記憶するROM(Read Only Memory)、作業領域として一時的にプログラムやデータを記憶するRAM(Random Access Memory)、各種プログラムや各種データを記憶する。
【0026】
通信部130は、ネットワークを介して他の端末や装置等と通信するための構成である。通信部130は、たとえばサーバー400との間で各種情報を送受信する。
【0027】
操作表示部140は、各種の情報を表示したり、ユーザーからの入力を受け付けたりするための構成であり、たとえば、タッチパネル式のディスプレイによって構成される。操作表示部140は、液晶ディスプレイ、マスス等のポインティングデバイス、キーボード等の組み合わせによって構成されてもよい。
【0028】
撮影部150は、可視光を感度領域とするカメラである。撮影部150は、オンライン内覧においてユーザーの様子を撮影してユーザーの画像を取得するために用いられる。
【0029】
音声入出力部160は、音声を入力するためのマイクまたは音声入力端子等と、音声を出力するためのスピーカーまたは音声出力端子等によって構成される。
【0030】
<撮影端末200>
図3は、撮影端末の概略構成を示すブロック図である。
図4は、撮影端末が保持部材に固定される様子を例示する図である。
【0031】
図3に示すように、撮影端末200は、制御部210、記憶部220、通信部230、操作表示部240、撮影部250、および音声入出力部260を有する。各構成要素は、バスを介して相互に通信可能に接続されている。なお、制御部210、記憶部220、通信部230、操作表示部240、撮影部250、および音声入出力部260の各構成は、ユーザー端末100の制御部110、記憶部120、通信部130、操作表示部140、撮影部150、および音声入出力部160と同様の機能を有するので、重複する説明を省略する。
【0032】
図4に示すように、撮影端末200は、案内担当者によって保持される保持部材20に固定される。保持部材20は、案内担当者が片手で容易に把持可能な把持部21と、撮影端末200を挟持または係合等によって固定するための固定部22と、把持部21および固定部22を接続するためのアーム部23と、を有する。アーム部23には、撮影端末200または撮影端末200に設けられた撮影部250(カメラ)の向きまたは姿勢を変更および固定するために、複数の回動自在な軸24が設けられる。
【0033】
これにより、案内担当者は、スマートフォン等の汎用的な撮影端末を用いて、片手で容易に、物件の様子や説明する案内担当者の様子等、所望の範囲の画像を安定的に撮影することができる。その結果、たとえば、案内担当者は、空いたもう一方の手で情報提供端末300を同時に操作して、ユーザーに対してタイムリーに資料を提供することができる。あるいは、案内担当者は、空いたもう一方の手で、物件に設けられたドアや引き出し等を容易に開けてユーザーが内覧を所望する箇所をスムーズに撮影することができ、ユーザーに対して与えるストレスを軽減しつつオンライン内覧を進めることができる。
【0034】
<情報提供端末300>
図5は、
図1に示した情報提供端末の概略構成を示すブロック図である。
【0035】
図5に示すように、情報提供端末300は、制御部310、記憶部320、通信部330、および操作表示部340を有する。各構成要素は、バスを介して相互に通信可能に接続されている。なお、制御部310、記憶部320、通信部330、および操作表示部340の各構成は、ユーザー端末100の制御部110、記憶部120、通信部130、および操作表示部140と同様の機能を有するので、重複する説明を省略する。
【0036】
情報提供端末300は、オンライン内覧における物件の案内担当者の指示に基づいて、物件の紹介資料、図面、仕様、価格、周辺情報、他の物件の情報や比較情報が記載された資料等の各種情報を、記憶部320またはネットワークを介して接続された外部のサーバー等から取得して、ユーザーに閲覧させるためにサーバー400に送信する。
【0037】
なお、情報提供端末300と撮影端末200は、案内担当者による情報の提供と、物件または案内担当者自身等の撮影とが同時かつ円滑に行えるようなものであれば、いかなる形態によって実現されてもよく、たとえば、情報提供端末300と撮影端末200とが同一の端末によって実現されてもよい。
【0038】
<サーバー400>
図6は、
図1に示したサーバーの概略構成を示すブロック図である。
【0039】
図6に示すように、サーバー400は、制御部410、記憶部420、および通信部430を有する。各構成要素は、バスを介して相互に通信可能に接続されている。なお、制御部410、記憶部420、および通信部430の各構成は、ユーザー端末100の制御部110、記憶部120、および通信部130と同様の機能を有するので、重複する説明を省略する。
【0040】
記憶部420には、サーバー400をオンライン内覧支援装置として機能させるための各種プログラムや情報が記憶される。サーバー400の機能について、詳細は後述する。
【0041】
<管理者端末500>
図7は、
図1に示した管理者端末の概略構成を示すブロック図である。
【0042】
図7に示すように、管理者端末500は、制御部510、記憶部520、通信部530、および操作表示部540を有する。各構成要素は、バスを介して相互に通信可能に接続されている。なお、制御部510、記憶部520、通信部530、および操作表示部540の各構成は、ユーザー端末100の制御部110、記憶部120、通信部130、および操作表示部140と同様の機能を有するので、重複する説明を省略する。
【0043】
<サーバー400の機能>
図8は、サーバーの機能構成を示すブロック図である。
【0044】
図8に示すように、サーバー400の制御部410は、プログラムを読み込んで処理を実行することによって、取得部411、提供部412、出力部413、登録部414、受付部415、および通知部416として機能する。
【0045】
取得部411は、物件の案内担当者に保持された撮影端末200によって撮影された画像を示す情報を、通信部430を介して受信して取得する。
【0046】
提供部412は、案内担当者の指示に基づいて、情報提供端末300から送信された資料等の情報を提供する。
【0047】
出力部413は、取得部411によって取得された画像と、提供部412によって提供される情報とを、ユーザー端末100において可視化されて、ユーザー端末100を使用するユーザーが閲覧できるように出力する。
【0048】
また、出力部413は、取得部411によって取得された画像と、提供部412によって提供される情報を示す画像とが、ユーザー端末100において重畳されて表示されるように出力してもよい。
【0049】
また、出力部413は、取得部411によって取得された画像と、提供部412によって提供される情報を示す画像とが、ユーザー端末100において切り替えられて表示されるように出力してもよい。
【0050】
登録部414は、案内担当者から、オンライン内覧が可能な候補日時の登録を受け付ける。
【0051】
受付部415は、登録部414によって受け付けられた候補日時を示す情報をユーザー端末100に対して送信し、ユーザーによる候補日時の中からの選択を受け付けることによってオンライン内覧の予約を受け付ける。
【0052】
また、受付部415は、ユーザー端末100において候補日時がカレンダー状に表示されるように候補日時を示す情報を送信してもよい。
【0053】
また、受付部415は、ユーザーからオンライン内覧を希望する複数のユーザーに関する内覧者情報の入力を受け付けてもよい。
【0054】
また、受付部415は、ユーザーから、オンライン内覧の対象となる物件への入居を予定するユーザーに関する入居者情報の入力をさらに受け付けてもよい。入居者情報には、入居を予定するユーザーの家族構成、人数、身長、体重、および年齢のうちの少なくともいずれかに関する情報が含まれる。
【0055】
また、受付部415は、ユーザーから、オンライン内覧の対象となる物件に設定予定の物品に関する設置物情報の入力をさらに受け付けてもよい。
【0056】
通知部416は、受付部415によって予約が受け付けられた日時にオンライン内覧が開始されるように案内担当者およびユーザーに通知を送信する。
【0057】
また、通知部416は、受付部415によってオンライン内覧を希望する複数のユーザーに関する内覧者情報が受け付けられた場合、オンライン内覧の予約に関する情報およびオンライン内覧に参加するためのアクセス情報を当該複数のユーザーに通知してもよい。
【0058】
また、通知部416は、受付部415によって入居者情報が受け付けられた場合、入居者情報の内容を案内担当者に通知してもよい。
【0059】
また、出力部413は、受付部415によって入居者情報が受け付けられた場合、入居者情報に基づいて、入居を予定するユーザーに対応する入居者画像を生成し、取得部411によって取得された物件の画像に、生成した入居者画像を重ねて出力してもよい。入居者情報には、入居を予定するユーザーの家族構成、人数、身長、体重、および年齢のうちの少なくともいずれかに関する情報が含まれるため、出力部413は、入居者情報の内容に応じて、生成する入居者画像を異ならせることができる。
【0060】
また、出力部413は、入居者画像として、入居を予定するユーザーの3次元アバター画像を生成してもよい。
【0061】
また、出力部413は、受付部415によってオンライン内覧の対象となる物件に設置予定の物品に関する設置物情報が受け付けられた場合、物品に対応する設置物画像を生成し、取得部411によって取得された物件の画像に、生成した設置物画像を重ねて出力してもよい。
【0062】
なお、オンライン内覧支援システムの各構成は、それぞれ上記の構成要素以外の構成要素を含んでいてもよく、あるいは、上記の構成要素のうちの一部が含まれていなくてもよい。
【0063】
<オンライン内覧支援システムにおける処理の概要>
<予約処理>
図9は、
図1に示したオンライン内覧支援システムにおいて実行される予約処理の手順を示すシーケンスチャートである。
図10および
図11は、
図9のステップS101の処理においてユーザー端末に表示される予約受付画面の一例を示す図である。
図9のシーケンスチャートに示される処理は、各構成のストレージにプログラムとして記憶されており、各構成の制御部が各部を制御することにより実行される。
【0064】
図9に示すように、案内担当者によって使用される情報提供端末300は、案内担当者から、対象となる物件のオンライン内覧が可能な候補日時の登録を受け付け(ステップS301)、受け付けた候補日時情報を、サーバー400に送信する(ステップS302)。なお、ステップS301の受付処理およびサーバー400への送信処理は、情報提供端末300以外の構成によって実行されてもよく、たとえば、案内担当者や管理者の指示に基づいて、撮影端末200または管理者端末500によって実行されてもよい。
【0065】
サーバー400は、情報提供端末300から送信された候補日時情報を受信して記憶部420のデータベースに登録し(ステップS401)、候補日時情報を、当該物件のオンライン内覧を希望するユーザーのユーザー端末100aに送信する(ステップS402)。
【0066】
ユーザー端末100aは、サーバー400から送信された候補日時情報を、操作表示部140に表示して、ユーザーによる、候補日時の中からの選択を受け付けることによって、オンライン内覧の予約を受け付ける(ステップS101)。
【0067】
たとえば、ユーザー端末100aは、
図10および
図11に示すようなカレンダー状の画面において候補日時を表示する。
【0068】
図10の画面においては、約1か月程度の期間において、オンライン内覧の候補日時として登録されている時間帯が含まれる日付が、丸印で囲まれて表現されている。これにより、ユーザーは、ある程度の幅を持った期間において、候補日時の大枠を日付単位で把握することができ、自身のスケジュールや他の内覧希望者のスケジュールとの対比や調整を、迅速かつ容易に行うことができる。たとえば、
図10の画面において、具体的な日付を選択すると、より詳細を示す
図11の画面が表示される。
【0069】
図11の画面においては、数日程度の期間において、オンライン内覧の候補日時として登録されている日付および時間帯が、グレーに着色されて表現されている。ユーザーは、グレーに着色された候補日時の中から、希望する時間帯を選択することによって、当該時間帯においてオンライン内覧を予約することができる。一回のオンライン内覧の時間の長さは、案内担当者や管理者の都合に応じて予め設定されていてもよい。この場合、ユーザーは、たとえば
図11の画面において開始時間または時間帯を示す枠(スロット)を選択するだけで、オンライン内覧の時間として設定された所定の長さの時間帯が自動的に選択される。これにより、案内担当者が物件を案内するために必要十分な時間を設定できると共に、ユーザーが開始時間と終了時間を設定する手間も省くこともできる。
【0070】
続いて、ユーザー端末100aは、ユーザーから、対象となる物件のオンライン内覧を希望するユーザーに関する内覧者情報の入力を受け付ける(ステップS102)。内覧者情報には、オンライン内覧に参加するユーザーの名前や、オンライン内覧に参加するためのアクセス情報を送信するためのメールアドレス、SNSアカウント等の連絡先情報等が含まれる。たとえば、オンライン内覧を希望するユーザーが複数存在する場合や、複数の拠点に分かれて所在している場合、複数のユーザーそれぞれの内覧者情報の入力を受け付ける。
【0071】
なお、本実施形態では、ユーザーが予めオンライン内覧を希望する旨を案内担当者等に伝えてあり、サーバー400に、当該ユーザーの連絡先情報が登録されている例について説明しているが、本発明の範囲はこれに限定されない。たとえば、ユーザーが、オンライン内覧の対象となる物件に関する情報をウェブサイト上の広告等から発見して、「オンライン内覧の申し込み」等のメニューを選択することによって、オンライン内覧の予約が実施されてもよい。たとえばユーザー端末100aは、リダイレクト処理等によってサーバー400にアクセスするように誘導され、サーバー400に登録されている候補日時情報を取得し、ステップS101以降の処理を実行する。この場合、ユーザー端末100aは、ステップS102の処理において、内覧者情報として、ユーザー自身に関する情報の登録も受け付けることができる。
【0072】
続いて、ユーザー端末100aは、ユーザーから、対象となる物件への入居を予定するユーザーに関する入居者情報の入力を受け付ける(ステップS103)。入居者情報には、たとえば、入居を予定するユーザーの家族構成、人数、身長、体重、年齢等の情報が含まれる。入居者情報には、ペットに関する情報や、入居者の職業や職場の場所、自家用車の有無、今後想定されるイベントや家族構成の変化等、入居者に関係する情報であって、住居の検討や選定に影響を与え得るいかなる情報が含まれてもよい。
【0073】
続いて、ユーザー端末100aは、ユーザーから、対象となる物件に設置予定の物品に関する設置物情報の入力を受け付ける(ステップS104)。設置物情報には、たとえば、設置予定の家具や、仕事や趣味に使用する物品、ペットのために設置が必要となる物品等の情報が含まれる。設置物情報は、上記の例に限定されず、設置される物品に関する情報であって、住居の検討や選定に影響を与え得るいかなる情報が含まれてもよい。
【0074】
続いて、ユーザー端末100aは、ステップS101~S104の処理において入力を受け付けた各種情報を、サーバー400に送信する(ステップS105)。
【0075】
サーバー400は、ユーザー端末100aから送信された各種情報を受信して、記憶部420に登録する(ステップS403)。
【0076】
サーバー400は、ステップS403の処理において登録したオンライン内覧の予約に関する予約情報と、オンライン内覧に参加するためのアクセス情報とを、ユーザー端末100aに送信する(ステップS404)。予約情報には、たとえば、対象となる物件に関する情報や、予約した日時(時間帯)に関する情報や、参加するユーザーに関する情報等が含まれる。アクセス情報には、オンライン内覧に参加するためのURL等の接続情報や、案内担当者の連絡先情報等が含まれる。
【0077】
ユーザー端末100aは、サーバー400から送信された予約情報を、記憶部120に登録すると共に操作表示部140に表示する(ステップS106)。
【0078】
また、サーバー400は、オンライン内覧の予約に関する予約情報と、オンライン内覧に参加するためのアクセス情報とを、ステップS403の処理において登録した内覧者情報に基づいて、他の内覧者が使用するユーザー端末100b等に送信する(ステップS405)。
【0079】
ユーザー端末100b等は、サーバー400から送信された予約情報を、記憶部120に登録すると共に操作表示部140に表示する(ステップS107)。
【0080】
また、サーバー400は、予約情報、内覧者情報とあわせて、ステップS403の処理において登録した入居者情報および設置物情報を、撮影端末200および情報提供端末300に送信する(ステップS406)。
【0081】
撮影端末200および情報提供端末300は、サーバー400から送信された各種情報を、記憶部に登録すると共にディスプレイ等に出力する(ステップS201、S303)。たとえば、撮影端末200は、登録された予約情報に基づいて、オンライン内覧の開始時間に、自動的に撮影を開始してもよい。また、情報提供端末300は、登録された予約情報に基づいて、オンライン内覧の開始時間に、アラームを出力したりして、案内担当者にオンライン内覧が開始することをリマインドしてもよい。
【0082】
<オンライン内覧処理>
図12は、
図1に示したオンライン内覧支援システムにおいて実行されるオンライン内覧処理の手順を示すシーケンスチャートである。
図12のシーケンスチャートに示される処理は、各構成のストレージにプログラムとして記憶されており、各構成のCPUが各部を制御することにより実行される。
【0083】
図12に示すように、ユーザー端末100a、ユーザー端末100b、撮影端末200、情報提供端末300、サーバー400の各構成は、予約処理において発行されたオンライン内覧のアクセス情報等を用いて、オンライン内覧のための通信セッションを確立する。なお、サーバー400の他に、各端末間におけるオンラインでの画像情報および音声情報の送受信を可能とするための外部のサーバーが用いられてもよい。
【0084】
撮影端末200は、案内担当者の指示に基づいて、ユーザーが内覧を希望する物件の画像や、物件に関する説明等を実施する案内担当者自身の画像を取得して(ステップS211)、取得した撮影画像をサーバー400に送信する(ステップS212)。撮影端末200は、オンライン内覧が行われている間、撮影画像を即時かつ継続的にサーバー400に送信する。なお、撮影端末200は、案内担当者の指示に基づいて、音声入出力部260によって案内担当者の音声を示す音声情報を取得して、サーバー400経由で各ユーザー端末100に送信する。
【0085】
情報提供端末300は、案内担当者の指示に基づいて、ユーザーに対して説明するための物件に関する図面や資料等の物件資料情報を、記憶部320またはネットワークを介して接続されたサーバー等から取得して(ステップS311)、取得した物件資料情報をサーバー400に送信する(ステップS312)。
【0086】
なお、撮影端末200による撮影画像情報の送信と、情報提供端末300による物件資料情報の送信は、案内担当者の指示に基づいて任意の順番またはタイミングで実行され、たとえば両者は同時に実行されてもよい。
【0087】
サーバー400は、撮影端末200から送信された撮影画像情報と、情報提供端末300から送信された物件資料情報とを受信し、ユーザー端末100a、100b等に送信して出力されるための内覧用画像を出力する(ステップS411)。
【0088】
たとえば、サーバー400は、撮影端末200によって取得された撮影画像と、情報提供端末300によって提供される物件資料とが、ユーザー端末100a、100b等において切り換えられて表示されるように、撮影画像情報および物件資料情報を処理して内覧用画像を出力する。あるいは、サーバー400は、撮影端末200によって取得された撮影画像と、情報提供端末300によって提供される物件資料とが、ユーザー端末100a、100b等において互いに少なくとも一部が重畳されて表示されるように、撮影画像情報および物件資料情報を処理して内覧用画像を出力する。また、サーバー400は、撮影画像において示される所定の箇所と、物件資料情報によって示される物件の図面において上記の所定の箇所と対応する箇所とが、対応付けられて表示されるように出力してもよい。たとえば、撮影画像においてある部屋が映されている場合に、当該部屋が図面において着色や図形の重畳等によって強調表示されることによって対応付けられて表示される。上記の処理は、たとえばサーバー400が、撮影端末200に備えられた各種センサーの出力から撮影端末200の位置や向きを判断して、予め位置や向きが登録された図面における対応する箇所を特定することによって実行されてもよい。あるいは、サーバー400が案内担当者からの指示を受け付けることによって実行されてもよい。
【0089】
また、サーバー400は、記憶部420に登録されている入居者情報に基づいて、入居を予定するユーザーに対応する入居者画像を生成し、撮影画像または内覧用画像に重ねて出力する(ステップS412)。サーバー400は、入居者情報に含まれている、入居を予定するユーザーの家族構成、人数、身長、体重、年齢等の情報に基づいて、入居者画像の数、大きさ、形状、配置等を異ならせて生成する。サーバー400は、入居者画像として、入居を予定するユーザーに対応する2次元の画像を生成してもよい。あるいは、サーバー400は、入居を予定するユーザーに対応する人物の像を3次元画像として表現した3次元アバター画像を生成してもよい。
【0090】
また、サーバー400は、記憶部420に登録されている設置物情報に基づいて、対象の物件に設置予定の物品に対応する設置物画像を生成し、撮影画像または内覧用画像に重ねて出力する(ステップS413)。たとえば、設置物情報として、テーブル、ソファ、テレビ、冷蔵庫等の物品の種類と、各物品の縦、横、高さ等の寸法が登録されている場合、サーバー400は、各物品の種類に応じて予め用意されているサンプル画像を、各物品の寸法に応じて拡大・縮小することなどによって設置物画像を生成することができる。
【0091】
続いて、サーバー400は、ステップS411~S413の処理において生成および加工された内覧用画像を示す情報を、ユーザー端末100a、100b等に送信する(ステップS414、S415)。
【0092】
ユーザー端末100a、100b等は、サーバー400から送信された内覧用画像情報に基づいて、内覧用画像を出力する(ステップS111、S112)。
【0093】
また、ユーザー端末100a、100b等は、ユーザーの指示に基づいて、撮影部150によってユーザー自身の画像を撮影して画像情報を取得したり、音声入出力部160によってユーザーの音声を示す音声情報を取得したりして、取得した各種情報を、サーバー400経由で、案内担当者の撮影端末200または情報提供端末300に送信する。これにより、案内担当者は、各ユーザーの状況や様子、反応等をリアルタイムで容易に確認することができ、双方向の円滑なコミュニケーションが可能となる。
【0094】
以上のように、本実施形態のオンライン内覧支援システムは、物件の案内担当者に保持され、所望の範囲の画像を撮影して取得する取得部と、案内担当者の指示に基づいて、物件に関する情報を提供する提供部とを有する。また、オンライン内覧支援システムは、取得部によって取得された画像と、提供部によって提供される情報とを、ユーザー端末において可視化されるように出力部を有する。さらに、オンライン内覧支援システムは、案内担当者からオンライン内覧が可能な候補日時の登録を受け付ける登録部と、登録された候補日時を示す情報をユーザー端末に対して送信し、ユーザーによる候補日時の中からの選択を受け付けることによってオンライン内覧の予約を受け付ける受付部と、受付部によって予約が受け付けられた日時にオンライン内覧が開始されるように案内担当者およびユーザーに通知を送信する通知部とを有する。このように構成されるオンライン内覧支援システムによれば、オンライン内覧の開催に向けた担当者およびユーザーの作業負荷を低減しつつ、オンライン内覧において、案内担当者が物件をリアルタイムで撮影した映像のライブ配信とあわせて、必要な情報を容易に提供することが可能となる。したがって、遠隔地にいるユーザーがネットワークを介して参加するオンライン内覧においても、従来の現地に直接赴いて行う内覧と同様またはそれ以上の情報や満足感、安心感を購入希望者に与えることができる。
【0095】
また、サーバー400は、ユーザー端末において候補日時がカレンダー状に表示されるように候補日時を示す情報を送信する。これにより、ユーザーは候補日時を即座に把握して自身や他の内覧希望者のスケジュールとの対比や調整を容易に行うことができ、オンライン内覧の日時を円滑に決定することができる。
【0096】
また、撮影端末200は、案内担当者によって保持され、カメラの向きまたは姿勢を変更および固定するために複数の回動自在な軸を有する保持部材に固定される。これにより、案内担当者は、スマートフォン等の汎用的な撮影端末を用いて、物件の様子や説明する案内担当者の様子等、所望の範囲の画像を安定的に撮影することができる。したがって、ユーザーに対して与えるストレスを極力軽減してスムーズにオンライン内覧を進めることができる。
【0097】
また、保持部材20は、案内担当者が片手で容易に把持可能な把持部21と、撮影端末200を挟持または係合によって固定するための固定部22と、把持部21および固定部22を接続するためのアーム部23と、を有し、当該アーム部23は、撮影端末200の向きまたは姿勢を変更および固定可能な複数の回動自在な軸24を有する。これにより、案内担当者は、スマートフォン等の汎用的な撮影端末を用いて、片手で容易に、物件の様子や説明する案内担当者の様子等、所望の範囲の画像を安定的に撮影することができる。その結果、たとえば、案内担当者は、空いたもう一方の手で情報提供端末300を同時に操作して、ユーザーに対してタイムリーに資料を提供することができる。あるいは、案内担当者は、空いたもう一方の手で、物件に設けられたドアや引き出し等を容易に開けてユーザーが内覧を所望する箇所をスムーズに撮影することができ、ユーザーが見たい映像や知りたい情報をスムーズに提供して効果的にオンライン内覧を進めることができる。
【0098】
また、サーバー400は、ユーザーからオンライン内覧を希望する複数のユーザーに関する内覧者情報の入力を受け付け、受け付けられた内覧者情報に基づいて、オンライン内覧の予約に関する情報およびオンライン内覧に参加するためのアクセス情報を複数のユーザーに通知する。これにより、それぞれ複数の異なる拠点に所在する複数のユーザーも容易にオンライン内覧に参加することができ、その結果、たとえば、ユーザーと同居している家族が仕事等で離れた場所に所在しているときでも、家族揃って物件を内覧することができ、内覧のスケジュール調整を容易化しつつ、ユーザーの家族を含めて満足度の高い効果的な内覧を実現することができる。
【0099】
また、サーバー400は、ユーザーから、物件への入居を予定するユーザーに関する入居者情報の入力をさらに受け付ける。これにより、たとえば、入力された情報を案内担当者が閲覧することによって、案内担当者は、物件の入居者に関する情報を事前に把握した上で内覧に臨むことができ、効果的かつ効率的なオンライン内覧につなげることができる。
【0100】
また、サーバー400は、受け付けられた入居者情報を、案内担当者に通知する。これにより、案内担当者は、物件の入居者に関する情報を事前に容易に把握することができ、ユーザーが重要視するポイントや物件選定の決め手となり得るポイントについて予め検討した上でオンライン内覧に臨むことができる。たとえば、案内担当者は、入居者情報に基づいて、家族構成に応じた物件の間取りの効果的な使い方の検討や、子供の有無や年齢構成等に応じた学校、塾・習い事、公園、スーパー、駐車場等の周辺環境の調査、入居者の職業や職場の場所に応じた通勤手段や通勤経路の調査等、ユーザーが知りたい情報を事前に調査して準備することができ、効果的なオンライン内覧を実施することができる。
【0101】
また、サーバー400は、受け付けられた入居者情報に基づいて、入居を予定するユーザーに対応する入居者画像を生成し、取得部によって取得された物件の画像に、入居者画像を重ねて出力する。これにより、リアルタイムで撮影されている物件のライブ配信映像に、ユーザーに対応する人物画像が重ねられて表示される。したがって、ユーザーは、自身がその場に存在するイメージや、自身がその物件に実際に居住している際のイメージを容易に掴むことができ、臨場感のある効果的なオンライン内覧を実現することができる。
【0102】
また、入居者情報は、入居を予定するユーザーの家族構成、人数、身長、体重、および年齢のうちの少なくともいずれかに関する情報を含み、サーバー400は、入居者情報の内容に応じて生成する入居者画像を異ならせる。これにより、リアルタイムで撮影されている物件のライブ配信映像に、ユーザーの家族構成、人数、身長、体重、年齢等に応じた人物画像が重ねられて表示される。したがって、オンライン内覧に参加したユーザーは、たとえば、家族がリビングやダイニングに集まったときに広さが十分であるか、身長を考慮したときに居室の天井や出入口の高さ等が十分であるか、身長・体重から想定される体型を考慮したときに生活導線に不都合な点はないかといった、適切な物件を選定するために必要となる細かな検討を容易に行うことができる。その結果、従来の現地に直接赴いて行う内覧と同等またはそれ以上の情報や満足感、安心感をユーザーに与えることができる。
【0103】
また、サーバー400によって生成される入居者画像は、入居者情報に基づいて生成される入居を予定するユーザーの3次元アバター画像である。これにより、ユーザーに応じて生成された3次元アバター画像が、リアルタイムで撮影されている物件のライブ配信映像に重ねて表示される。したがって、ユーザーは、自身がその場に存在するイメージや、自身がその物件に実際に居住している際のイメージをより明確かつ現実的に想起することができ、より効果的な内覧を実現することができる。
【0104】
また、サーバー400は、ユーザーから、物件に設置予定の物品に関する設置物情報の入力をさらに受け付け、受け付けられた設置物情報に基づいて、物品に対応する設置物画像を生成し、取得部によって取得された物件の画像に、設置物画像を重ねて出力する。これにより、リアルタイムで撮影されている物件のライブ配信映像に、ユーザーが設置予定の家具や家電などの物品に対応する画像が重ねて表示される。したがって、ユーザーは、たとえばダイニングテーブルやソファ、ベッド等の大型家具、テレビや冷蔵庫等の大型家電について、物件に設置する際の設置スペースの充足性や圧迫感の有無、生活導線等のイメージを容易に掴むことができる。その結果、従来の現地に直接赴いて行う内覧と同様またはそれ以上の情報や満足感、安心感をユーザーに与えることができる。
【0105】
また、サーバー400は、取得部によって取得された画像と、提供部によって提供される情報を示す画像とが、ユーザー端末において切り替えられて表示されるように出力する。これにより、ユーザー端末には、リアルタイムで撮影されている物件のライブ配信映像と、物件に関する説明資料等とが切り換えられて表示される。したがって、案内担当者は、ユーザーに閲覧させたい映像や情報を、必要に応じて自在に切り替えてユーザー端末に表示させることができる、案内担当者の意図を的確に反映してスムーズにオンライン内覧を実施することができる。
【0106】
また、サーバー400は、取得部によって取得された画像と、提供部によって提供される情報を示す画像とが、ユーザー端末において重畳されて表示されるように出力する。これにより、ユーザー端末には、リアルタイムで撮影されている物件のライブ配信映像と、物件に関する説明資料等とが重ねて表示される。したがって、ユーザーは、実際の物件の映像を見つつ、物件の図面や仕様等の必要な情報もあわせて閲覧することができるため、より効果的な内覧を実現することができる。
【0107】
また、サーバー400は、取得部によって取得された画像において示される所定の箇所と、提供部によって提供される情報である物件の図面において、上記の所定の箇所と対応する箇所とが、対応付けられて表示されるように出力する。これにより、たとえば、ユーザーは、リアルタイムで撮影されている物件のライブ配信映像が、図面上のどの部分に相当するのかを瞬時に把握することができ、オンライン内覧を効果的かつ効率的に進めることが可能となる。
【0108】
なお、本発明は、上述した実施形態および変形例のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲内において、種々改変することができる。
【0109】
たとえば、ユーザー端末100、撮影端末200、情報提供端末300、サーバー400、管理者端末500は、それぞれ複数の装置によって構成されてもよく、あるいは単一の装置によって構成されてもよい。
【0110】
また、各構成が有する機能は、他の構成によって実現されてもよい。たとえば、サーバー400が有する各機能が、撮影端末200や情報提供端末300によって実現されていてもよく、あるいは、他のサーバーによって実現されてもよい。あるいは、撮影端末200が有する各機能の一部が、情報提供端末300によって実現されてもよい。
【0111】
また、上記の実施形態におけるシーケンスチャートの処理単位は、各処理の理解を容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものである。処理ステップの分類の仕方によって、本願発明が制限されることはない。各処理は、さらに多くの処理ステップに分割することもできる。また、1つの処理ステップが、さらに多くの処理を実行してもよい。
【0112】
上述した実施形態に係るシステムにおける各種処理を行う手段および方法は、専用のハードウェア回路、またはプログラムされたコンピューターのいずれによっても実現することが可能である。上記プログラムは、たとえば、フレキシブルディスクおよびCD-ROM等のコンピューター読み取り可能な記録媒体によって提供されてもよいし、インターネット等のネットワークを介してオンラインで提供されてもよい。この場合、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムは、通常、ハードディスク等の記憶部に転送され記憶される。また、上記プログラムは、単独のアプリケーションソフトとして提供されてもよいし、システムの一機能としてその装置のソフトウェアに組み込まれてもよい。
【符号の説明】
【0113】
100 ユーザー端末、
110 制御部、
120 記憶部、
130 通信部、
140 操作表示部、
150 撮影部、
160 音声入出力部、
200 撮影端末、
210 制御部、
220 記憶部、
230 通信部、
240 操作表示部、
250 撮影部、
260 音声入出力部、
20 保持部材、
21 把持部、
22 固定部、
23 アーム部、
24 軸、
300 情報提供端末、
310 制御部、
320 記憶部、
330 通信部、
340 操作表示部、
400 サーバー、
410 制御部、
411 取得部、
412 提供部、
413 出力部、
414 登録部、
415 受付部、
416 通知部、
420 記憶部、
430 通信部、
500 管理者端末、
510 制御部、
520 記憶部、
530 通信部、
540 操作表示部。