(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-20
(45)【発行日】2025-01-28
(54)【発明の名称】損料管理装置、損料管理方法、および、損料管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/12 20230101AFI20250121BHJP
【FI】
G06Q40/12 420
(21)【出願番号】P 2023090058
(22)【出願日】2023-05-31
(62)【分割の表示】P 2019061242の分割
【原出願日】2019-03-27
【審査請求日】2023-06-09
(73)【特許権者】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村野 弘樹
(72)【発明者】
【氏名】大隈 祐治
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【審査官】谷川 智秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-160935(JP,A)
【文献】特開2014-026394(JP,A)
【文献】特開2007-034347(JP,A)
【文献】特開平07-073240(JP,A)
【文献】特開2018-206007(JP,A)
【文献】特開平04-337864(JP,A)
【文献】特開2007-310621(JP,A)
【文献】特開2006-268717(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶部と制御部とを備えた損料管理装置であって、
前記記憶部は、
各機材に対する損料単価を設定した機材マスタを記憶する機材記憶手段、
を備え、
前記制御部は、
前記機材の搬入出時点を設定した機材受払データを取得する機材受払取得手段と、
前記機材マスタ、および、前記機材受払データに基づいて、
前記機材の搬入時点から搬出時点迄、前記機材の前記搬入時点から本日迄、期首から前記機材の前記搬出時点迄、前記期首から前記本日迄、前記機材の前記搬出時点から前記搬入時点迄、または、前記機材の前記
搬出時
点から前
記本日迄の日数と当該機材の1日当たりの前記損料単価とを乗じた値を前記機材の損料として取得し、当該損料を含む機材損料データを取得する機材損料取得手段と、
を備えたことを特徴とする損料管理装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記機材損料データに基づいて、借方の勘定科目が未成工事支出金、且つ、貸方の勘定科目が間接機械賃借料である損料仕訳データを作成する仕訳作成手段、
を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の損料管理装置。
【請求項3】
前記機材損料取得手段は、
前記機材マスタ、および、前記機材受払データに基づいて、前記機材の工事現場への
前記搬入時点から前記
搬出時点もしくは前記本日迄の日数と当該機材の1日当たりの前記損料単価とを乗じた値を前記機材の損料として取得し、当該損料を含む前記機材損料データを取得することを特徴とする請求項1または2に記載の損料管理装置。
【請求項4】
前記機材損料取得手段は、
前記機材マスタ、および、前記機材受払データに基づいて、前記機材の直前の搬出場所からの
前記搬出時点から前記搬
入時点もしくは前記本日迄の日数と当該機材の1日当たりの前記損料単価とを乗じた値を前記機材の損料として取得し、当該損料を含む前記機材損料データを取得することを特徴とする請求項1または2に記載の損料管理装置。
【請求項5】
前記損料単価は、
1日当たりの単価であることを特徴とする請求項1または2に記載の損料管理装置。
【請求項6】
前記機材損料取得手段は、
前記機材マスタ、および、前記機材受払データに基づいて、前記機材の搬入日から前記
搬出時点もしくは前記本日迄の日数と、当該機材の1日当たりの前記損料単価とを乗じた値を当該機材の前記損料として取得し、当該損料を含む前記機材損料データを取得することを特徴とする請求項1または2に記載の損料管理装置。
【請求項7】
前記仕訳作成手段は、
前記機材損料データに基づいて、工事毎の前記損料仕訳データを作成することを特徴とする請求項2に記載の損料管理装置。
【請求項8】
前記仕訳作成手段は、
期末に到達した場合、前記機材損料データに基づいて、当期の前記損料仕訳データを作成することを特徴とする請求項2に記載の損料管理装置。
【請求項9】
記憶部と制御部とを備えた損料管理装置に実行させるための損料管理方法であって、
前記記憶部は、
各機材に対する損料単価を設定した機材マスタを記憶する機材記憶手段、
を備え、
前記制御部で実行される、
前記機材の搬入出時点を設定した機材受払データを取得する機材受払取得ステップと、
前記機材マスタ、および、前記機材受払データに基づいて、
前記機材の搬入時点から搬出時点迄、前記機材の前記搬入時点から本日迄、期首から前記機材の前記搬出時点迄、前記期首から前記本日迄、前記機材の前記搬出時点から前記搬入時点迄、または、前記機材の前記
搬出時
点から前
記本日迄の日数と当該機材の1日当たりの前記損料単価とを乗じた値を前記機材の損料として取得し、当該損料を含む機材損料データを取得する機材損料取得ステップと、
を含むことを特徴とする損料管理方法。
【請求項10】
記憶部と制御部とを備えた損料管理装置に実行させるための損料管理プログラムであって、
前記記憶部は、
各機材に対する損料単価を設定した機材マスタを記憶する機材記憶手段、
を備え、
前記制御部において、
前記機材の搬入出時点を設定した機材受払データを取得する機材受払取得ステップと、
前記機材マスタ、および、前記機材受払データに基づいて、
前記機材の搬入時点から搬出時点迄、前記機材の前記搬入時点から本日迄、期首から前記機材の前記搬出時点迄、前記期首から前記本日迄、前記機材の前記搬出時点から前記搬入時点迄、または、前記機材の前記
搬出時
点から前
記本日迄の日数と当該機材の1日当たりの前記損料単価とを乗じた値を前記機材の損料として取得し、当該損料を含む機材損料データを取得する機材損料取得ステップと、
を実行させるための損料管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、損料管理装置、損料管理方法、および、損料管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、機械の損料を工期1ヶ月のまとまった単位で算出し、1日当たりの損料に換算することで、日割のコスト評価を可能とする構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1記載の発明においては、1日あたりの損料単価を設定し、機材の現場への搬入から搬出までの期間において、各日までに生じた損料を算出することができなかったという課題があった。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、機材の搬入出の情報をもとに日次で損料を自動計算することが可能になることで、精緻な原価を迅速に把握することが可能となるため、業務負荷の軽減および効率化を実現することができる損料管理装置、損料管理方法、および、損料管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る損料管理装置は、記憶部と制御部とを備えた損料管理装置であって、前記記憶部は、各機材に対する損料単価を設定した機材マスタを記憶する機材記憶手段と、施工期間中の損料計算対象時間および/または損料計算対象日を設定したカレンダマスタを記憶するカレンダ記憶手段と、を備え、前記制御部は、前記機材の搬入出に関する機材受払データを取得する機材受払取得手段と、前記機材マスタ、前記カレンダマスタ、および、前記機材受払データに基づいて、前記施工期間中の所定時点迄に生じた前記機材の損料を含む機材損料データを取得する機材損料取得手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る損料管理装置において、前記制御部は、前記機材損料データに基づいて、損料仕訳データを作成する仕訳作成手段、を更に備えたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る損料管理装置において、前記機材損料取得手段は、前記機材マスタ、前記カレンダマスタ、および、前記機材受払データに基づいて、前記施工期間中における前記機材の工事現場への搬入時点から前記所定時点迄に生じた前記機材の損料を含む前記機材損料データを取得することを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る損料管理装置において、前記機材損料取得手段は、前記機材マスタ、前記カレンダマスタ、および、前記機材受払データに基づいて、前記施工期間中における前記機材の直前の搬出場所からの搬出時点から前記所定時点迄に生じた前記機材の損料を含む前記機材損料データを取得することを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る損料管理装置において、前記損料単価は、1時間当たりの単価、および/または、1日当たりの単価であることを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る損料管理装置において、前記機材損料取得手段は、前記機材マスタ、前記カレンダマスタ、および、前記機材受払データに基づいて、前記施工期間中における前記機材の搬入日から所定日迄の前記損料計算対象日の日数と、当該機材の1日当たりの前記損料単価とを乗じた値を当該機材の前記損料として取得し、当該損料を含む前記機材損料データを取得することを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る損料管理装置において、前記機材損料取得手段は、前記機材マスタ、前記カレンダマスタ、および、前記機材受払データに基づいて、前記施工期間中における前記機材の搬入時点から前記所定時点迄の前記損料計算対象時間の時間数と、当該機材の1時間当たりの前記損料単価とを乗じた値を当該機材の前記損料として取得し、当該損料を含む前記機材損料データを取得することを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る損料管理装置において、前記制御部は、前記施工期間中に工事中止期間が生じた場合、当該工事中止期間に対応する前記損料計算対象時間および/または前記損料計算対象日が損料計算対象外となるように前記カレンダマスタの更新を実行する更新手段、を更に備えたことを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る損料管理装置において、前記更新手段は、更に、更新を実行した前記カレンダマスタに基づいて、前記機材受払データに、前記工事中止期間に対応する調整日数、および/または、前記工事中止期間に対応する調整時間数を追加する更新を実行することを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る損料管理装置において、前記制御部は、前記機材損料データに基づいて、所定期間における工事毎の損料を含む原価データを作成する原価作成手段、を更に備えたことを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係る損料管理装置において、前記仕訳作成手段は、前記機材損料データに基づいて、工事毎の前記損料仕訳データを作成することを特徴とする。
【0017】
また、本発明に係る損料管理装置において、前記仕訳作成手段は、期末に到達した場合、前記機材損料データに基づいて、当期の前記損料仕訳データを作成することを特徴とする。
【0018】
また、本発明に係る損料管理装置において、前記損料仕訳データは、借方の勘定科目が未成工事支出金、且つ、貸方の勘定科目が間接機械賃借料であることを特徴とする。
【0019】
また、本発明に係る損料管理方法は、記憶部と制御部とを備えた損料管理装置に実行させるための損料管理方法であって、前記記憶部は、各機材に対する損料単価を設定した機材マスタを記憶する機材記憶手段と、施工期間中の損料計算対象時間および/または損料計算対象日を設定したカレンダマスタを記憶するカレンダ記憶手段と、を備え、前記制御部で実行させる、前記機材の搬入出に関する機材受払データを取得する機材受払取得ステップと、前記機材マスタ、前記カレンダマスタ、および、前記機材受払データに基づいて、前記施工期間中の所定時点迄に生じた前記機材の損料を含む機材損料データを取得する機材損料取得ステップと、を含むことを特徴とする。
【0020】
また、本発明に係る損料管理プログラムは、記憶部と制御部とを備えた損料管理装置に実行させるための損料管理プログラムであって、前記記憶部は、各機材に対する損料単価を設定した機材マスタを記憶する機材記憶手段と、施工期間中の損料計算対象時間および/または損料計算対象日を設定したカレンダマスタを記憶するカレンダ記憶手段と、を備え、前記制御部において、前記機材の搬入出に関する機材受払データを取得する機材受払取得ステップと、前記機材マスタ、前記カレンダマスタ、および、前記機材受払データに基づいて、前記施工期間中の所定時点迄に生じた前記機材の損料を含む機材損料データを取得する機材損料取得ステップと、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、機材の入出庫データをもとに損料を自動計算し、その計算結果から仕訳を自動作成することが可能になることで、業務負荷の軽減および効率化を実現することができるという効果を奏する。また、本発明によれば、日次で処理を行うことで精緻な原価金額を迅速に把握することが可能となるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は、本実施形態における損料管理装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、本実施形態における機材マスタの一例を示す図である。
【
図3】
図3は、本実施形態におけるカレンダマスタの一例を示す図である。
【
図4】
図4は、本実施形態における損料管理装置の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、本実施形態における損料管理処理の一例を示すフロー図である。
【
図6】
図6は、本実施形態における損料管理処理の一例を示すフロー図である。
【
図7】
図7は、本実施形態における損料管理処理の一例を示すフロー図である。
【
図8】
図8は、本実施形態における損料管理処理の一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。
【0024】
[1.概要]
まず、本発明の概要について説明する。
【0025】
建設業界では、建設機材を使用した際に損料を計上している。ここで、損料とは、償却費、維持修理費および/または管理費等のトータルでかかるライフサイクルコストを1日当たりの金額に換算して出される経費であり、例えば、損料単価3万円の機材を工事Aで3日、および、工事Bで2日使用した場合、工事Aの損料は、9万円(=3万円*3日)となり、工事Bの損料は、6万円(=3万円*2日)となる。
【0026】
従来、どの機材をどの工事で使用しているかといった入出庫データは、管理できていたが、その日数から損料を計算し、計算結果から経費の仕訳の入力することは、別途行っていたため、非効率であった。また、従来、損料の計算処理および仕訳の入力は、月末にまとめて処理を行うことが多く、日次での発生原価の金額を捉えることができなかった。
【0027】
そこで、本実施形態においては、日次での損料計算処理を可能とすることで、タイムリーに原価発生を把握できる仕組みを提供している。
【0028】
[2.構成]
本実施形態に係る損料管理装置100の構成の一例について、
図1から
図3を参照して説明する。
図1は、本実施形態における損料管理装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0029】
図1に示すように、損料管理装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、損料管理装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0030】
損料管理装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。損料管理装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0031】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、損料管理装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、損料管理装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。
【0032】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、およびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。記憶部106は、機材マスタ106aと、カレンダマスタ106bと、仕訳ファイル106cとを備えている。
【0033】
機材マスタ106aは、各機材に対する損料単価を設定したマスタである。ここで、損料単価は、1時間当たりの単価、および/または、1日当たりの単価等であってもよい。また、機材は、建設機材等であってもよい。また、機材マスタ106aは、機材コード(CD)、および/または、機材名等の機材識別子が設定されていてもよい。
【0034】
ここで、
図2を参照して、本実施形態における機材マスタ106aの一例について説明する。
図2は、本実施形態における機材マスタ106aの一例を示す図である。
【0035】
図2に示すように、本実施形態における機材マスタ106aには、機材コード、機材名、および、損料単価が設定されており、機材毎に損料の単価が設定されている。
【0036】
図1に戻り、カレンダマスタ106bは、施工期間中の損料計算対象時間および/または損料計算対象日を設定したマスタである。ここで、カレンダマスタ106bは、施工期間中の日付、施工期間中の各日が損料計算対象であるか否かを示す損料計算対象識別子、および/または、施工期間中の各日における工事予定時間等が設定されていてもよい。
【0037】
ここで、
図3を参照して、本実施形態におけるカレンダマスタ106bの一例について説明する。
図3は、本実施形態におけるカレンダマスタ106bの一例を示す図である。
【0038】
図3に示すように、本実施形態におけるカレンダマスタ106bには、施工期間中の日付、および、損料計算対象コードが設定されており、工事を行わない休日等が損料計算対象外として設定されている。
【0039】
図1に戻り、仕訳ファイル106cは、仕訳データを記憶する。ここで、仕訳ファイル106cは、施工期間中の所定時点迄に生じた機材の損料を含む機材損料データ、所定期間における工事毎の損料を含む原価データ、および/または、機材の工事現場における搬入出に関する機材受払データ等を記憶していてもよい。また、仕訳データは、損料仕訳データ等であってもよい。ここで、損料仕訳データは、借方の勘定科目が未成工事支出金、且つ、貸方の勘定科目が間接機械賃借料であってもよい。また、機材受払データは、機材識別子、搬出日付、搬出場所識別子、搬入日付、搬入場所識別子、工事中止期間に対応する調整日数、および/または、工事中止期間に対応する調整時間数等を含んでいてもよい。また、機材損料データは、機材識別子、搬出日付、搬出場所識別子、搬入日付、搬入場所識別子、機材の損料、機材の損料単価、機材の損料計算対象日の日数(使用日数)、機材の損料計算対象時間の時間数(使用時間数)、および/または、工事識別子等を含んでいてもよい。また、原価データは、工事識別子、会計日付、原価科目区分、および/または、原価等を含んでいてもよい。
【0040】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(タッチパネルを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、およびマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114またはプリンタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0041】
制御部102は、損料管理装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部102は、機能概念的に、機材受払取得部102aと、機材損料取得部102bと、原価作成部102cと、更新部102dと、仕訳作成部102eとを備えている。
【0042】
機材受払取得部102aは、機材の搬入出に関する機材受払データを取得する。ここで、機材受払取得部102aは、機材受払データを仕訳ファイル106cに格納してもよい。
【0043】
機材損料取得部102bは、機材の損料を含む機材損料データを取得する。ここで、機材損料取得部102bは、機材マスタ106a、カレンダマスタ106b、および、機材受払データに基づいて、施工期間中の所定時点迄に生じた機材の損料を含む機材損料データを取得してもよい。また、機材損料取得部102bは、機材マスタ106a、カレンダマスタ106b、および、機材受払データに基づいて、施工期間中における機材の工事現場への搬入時点から所定時点迄に生じた機材の損料を含む機材損料データを取得してもよい。また、機材損料取得部102bは、機材マスタ106a、カレンダマスタ106b、および、機材受払データに基づいて、施工期間中における機材の直前の搬出場所からの搬出時点から所定時点迄に生じた機材の損料を含む機材損料データを取得してもよい。また、機材損料取得部102bは、機材マスタ106a、カレンダマスタ106b、および、機材受払データに基づいて、施工期間中における機材の搬入日から所定日迄の損料計算対象日の日数と、当該機材の1日当たりの損料単価とを乗じた値を当該機材の損料として取得し、当該損料を含む機材損料データを取得してもよい。また、機材損料取得部102bは、機材マスタ106a、カレンダマスタ106b、および、機材受払データに基づいて、施工期間中における機材の搬入時点から所定時点迄の損料計算対象時間の時間数と、当該機材の1時間当たりの損料単価とを乗じた値を当該機材の損料として取得し、当該損料を含む機材損料データを取得してもよい。また、機材損料取得部102bは、機材損料データを仕訳ファイル106cに格納してもよい。
【0044】
原価作成部102cは、機材損料データに基づいて、所定期間における工事毎の損料を含む原価データを作成する。ここで、原価作成部102cは、原価データを仕訳ファイル106cに格納してもよい。また、所定期間は、1週、1月、2月、半年、または、1年等であってもよい。
【0045】
更新部102dは、施工期間中に工事中止期間が生じた場合、当該工事中止期間に対応する損料計算対象時間および/または損料計算対象日が損料計算対象外となるようにカレンダマスタ106bの更新を実行する。ここで、更新部102dは、更新を実行したカレンダマスタ106bに基づいて、機材受払データに、工事中止期間に対応する調整日数、および/または、工事中止期間に対応する調整時間数を追加する更新を実行してもよい。
【0046】
仕訳作成部102eは、仕訳データを作成する。ここで、仕訳作成部102eは、機材損料データまたは原価データに基づいて、損料仕訳データを作成してもよい。また、仕訳作成部102eは、機材損料データまたは原価データに基づいて、工事毎の損料仕訳データを作成してもよい。また、仕訳作成部102eは、期末に到達した場合、機材損料データまたは原価データに基づいて、当期の損料仕訳データを作成してもよい。ここで、期末は、週末、月末、月度末、四半期末、半期末、年末、または、年度末であってもよい。また、仕訳作成部102eは、仕訳データを仕訳ファイル106cに格納してもよい。
【0047】
[3.具体例]
本実施形態の具体例について、
図4から
図8を参照して説明する。
【0048】
[損料管理処理]
ここで、
図4から
図8を参照して、本実施形態における損料管理処理の一例について説明する。
図4は、本実施形態における損料管理装置100の処理の一例を示すフローチャートである。
【0049】
図4に示すように、機材受払取得部102aは、ユーザにより入力装置112を介して施工期間中における工事現場での機材の搬入出データが入力された場合、搬入出データに基づいて、当該機材受払データを取得し、当該機材受払データを仕訳ファイル106cに格納する(ステップSA-1)。
【0050】
そして、機材損料取得部102bは、機材マスタ106a、カレンダマスタ106b、および、機材受払データに基づいて、当期の施工期間中における機材の搬入日または期首から、搬出日または本日迄の損料計算対象日の日数と、当該機材の1日当たりの損料単価とを乗じた値を当該機材の損料として取得し、当該損料を含む機材損料データを取得し、当該機材損料データを仕訳ファイル106cに格納する(ステップSA-2)。
【0051】
そして、原価作成部102cは、機材損料データに基づいて、当期における工事毎の損料を含む原価データを作成し、当該原価データを仕訳ファイル106cに格納する(ステップSA-3)。
【0052】
そして、更新部102dは、期末が到来したか否かを判定する(ステップSA-4)。
【0053】
そして、更新部102dは、期末が到来していないと判定した場合(ステップSA-4:No)、入力装置112を介して搬入出データが入力されるまで待機して、処理をステップSA-1に移行させる。
【0054】
一方、更新部102dは、期末が到来したと判定した場合(ステップSA-4:Yes)、処理をステップSA-5に移行させる。
【0055】
そして、更新部102dは、当期の施工期間中に工事中止期間が生じていたか否かを判定する(ステップSA-5)。
【0056】
そして、更新部102dは、当期の施工期間中に工事中止期間が生じていないと判定した場合(ステップSA-5:No)、処理をステップSA-9に移行させる。
【0057】
一方、更新部102dは、当期の施工期間中に工事中止期間が生じていたと判定した場合(ステップSA-5:Yes)、処理をステップSA-6に移行させる。
【0058】
そして、更新部102dは、当期の施工期間中に生じた工事中止期間に対応する損料計算対象日を損料計算対象外となるようにカレンダマスタ106bの更新を実行し、更新を実行した当該カレンダマスタ106bに基づいて、機材受払データに、工事中止期間に対応する調整日数、および/または、工事中止期間に対応する調整時間数を追加する更新を実行する(ステップSA-6)。
【0059】
そして、機材損料取得部102bは、機材マスタ106a、更新部102dにより更新されたカレンダマスタ106b、および、更新部102dにより更新された機材受払データに基づいて、当期の施工期間中における機材の搬入日または期首から、搬出日または本日迄の損料計算対象日の日数と、当該機材の1日当たりの損料単価とを乗じた値を当該機材の損料として取得し、当該損料を含む機材損料データを取得し、当該機材損料データを仕訳ファイル106cに格納する(ステップSA-7)。
【0060】
そして、原価作成部102cは、機材損料データに基づいて、当期における工事毎の損料を含む原価データを作成し、当該原価データを仕訳ファイル106cに格納する(ステップSA-8)。
【0061】
そして、仕訳作成部102eは、原価データに基づいて、借方の勘定科目が未成工事支出金、且つ、貸方の勘定科目が間接機械賃借料である、当期の工事毎の損料仕訳データを作成し(ステップSA-9)、処理を終了する。
【0062】
ここで、
図2、
図3、および、
図5から
図8を参照して、本実施形態における損料管理処理の具体例について説明する。
図5から
図8は、本実施形態における損料管理処理の一例を示すフロー図である。
【0063】
図5に示すように、本実施形態においては、2018年12月1日に、機材センタからK001:クレーン、および、K002:ボーリングマシンが工事Aに出庫され、ユーザによる出庫データ入力により機材受払データが取得される(ステップSB-1)。ここで、当タイミングにおいては、機材が工事現場に到着していないため、損料は発生しない。
【0064】
そして、
図5に示すように、本実施形態においては、2018年12月3日に、K001:クレーンおよびK002:ボーリングマシンが工事Aの現場へ到着して使用開始され、ユーザによる入庫データ入力により機材受払データが取得され、機材マスタ106a、カレンダマスタ106b、および、当該機材受払データに基づいて、機材損料データ、および、原価データが取得される(ステップSB-2)。
【0065】
そして、
図6に示すように、本実施形態においては、2018年12月6日に、K001:クレーンが工事Aの現場から工事Bの現場へ出庫され、ユーザによる出庫データ入力により機材受払データが取得され、機材マスタ106a、カレンダマスタ106b、および、当該機材受払データに基づいて、機材損料データ、および、原価データが取得される(ステップSB-3)。このように、本実施形態においては、出庫日当日は損料計算対象日の日数としてカウントされない。
【0066】
そして、
図6に示すように、本実施形態においては、2018年12月8日に、K001:クレーンが工事Bの現場へ到着して使用開始され、ユーザによる入庫データ入力により機材受払データが取得され、機材マスタ106a、カレンダマスタ106b、および、当該機材受払データに基づいて、機材損料データ、および、原価データが取得される(ステップSB-4)。
【0067】
そして、
図7に示すように、本実施形態においては、2018年12月12日に、K001:クレーンが工事Bの現場から機材センタへ返却され、K002:ボーリングマシンが工事Aの現場から機材センタへ返却され、ユーザによる出庫データ入力により機材受払データが取得され、機材マスタ106a、カレンダマスタ106b、および、当該機材受払データに基づいて、機材損料データ、および、原価データが取得される(ステップSB-5)。
【0068】
そして、
図7に示すように、本実施形態においては、2018年12月15日に、K001:クレーン、および、K002:ボーリングマシンが機材センタへ到着して入庫され、ユーザによる入庫データ入力により機材受払データが取得され、機材マスタ106a、カレンダマスタ106b、および、当該機材受払データに基づいて、機材損料データ、および、原価データが取得される(ステップSB-6)。
【0069】
そして、
図8に示すように、本実施形態においては、2018年12月度において、機材が工事の現場にはあるが、自然災害(例えば、台風)等の要因により工事が止まっていた期間を使用日数から調整するために、ユーザによる損料調整入力により工事Aの2日分(2018年12月9日から2018年12月10日)を損料計算対象外とし調整する(ステップSB-7)。このように、本実施形態においては、
図3に示すように、カレンダマスタ106bにおいて、2018年12月9日から2018年12月10日迄が損料計算対象外を設定することで、当該期間を、損料計算対象日の日数としてカウントされないようにしている。
【0070】
そして、
図8に示すように、本実施形態においては、2018年12月度末において、借方の勘定科目が未成工事支出金、且つ、貸方の勘定科目が間接機械賃借料である、12月度の工事Aおよび工事Bの損料仕訳データを作成する(ステップSB-8)。
【0071】
[4.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0072】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0073】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0074】
また、損料管理装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0075】
例えば、損料管理装置100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて損料管理装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0076】
また、このコンピュータプログラムは、損料管理装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0077】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0078】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、本実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0079】
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0080】
また、損料管理装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、損料管理装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0081】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明は、損料計算を行う機材を使用する建設業・工事業等の業界において有用である。
【符号の説明】
【0083】
100 損料管理装置
102 制御部
102a 機材受払取得部
102b 機材損料取得部
102c 原価作成部
102d 更新部
102e 仕訳作成部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 機材マスタ
106b カレンダマスタ
106c 仕訳ファイル
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク