(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-20
(45)【発行日】2025-01-28
(54)【発明の名称】半導体デバイス及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
H10B 43/50 20230101AFI20250121BHJP
H10B 43/20 20230101ALI20250121BHJP
H10B 43/27 20230101ALI20250121BHJP
H10D 30/68 20250101ALI20250121BHJP
【FI】
H10B43/50
H10B43/20
H10B43/27
H01L29/78 371
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023118736
(22)【出願日】2023-07-21
【審査請求日】2023-07-21
(32)【優先日】2023-05-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】599129074
【氏名又は名称】旺宏電子股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100169823
【氏名又は名称】吉澤 雄郎
(72)【発明者】
【氏名】沈 冠源
(72)【発明者】
【氏名】李 冠儒
(72)【発明者】
【氏名】邱 家榮
【審査官】小山 満
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2020/0402996(US,A1)
【文献】特表2020-510316(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0103992(US,A1)
【文献】特開2023-044175(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2023/0082361(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0043883(US,A1)
【文献】国際公開第2018/161863(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2023/0092799(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0378850(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2021/0210426(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10B 43/50
H10B 43/20
H10B 43/27
H01L 21/336
H01L 29/788
H01L 29/792
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘電体基板上に配置された階段構造であって、一層ずつ交互に積層された複数の導電層と複数の絶縁層とを具えている階段構造と、
前記階段構造の下部の階段部分の端部に配置され
、且つポリシリコン層である延長部と
、
前記複数の導電層上に載せられ、且つ前記延長部上に載せられていない複数の接点と
を具えた半導体デバイスであって、
前記延長部の抵抗値が前記複数の導電層の抵抗値と異なる半導体デバイス。
【請求項2】
前記延長部の抵抗値が前記複数の導電層の抵抗値よりも高い、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項3】
前記複数の導電層が金属材料を含む、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項4】
前記下部の階段部分内に配置され、前記下部の階段部分の前記導電層に接続された接続部を更に具えている、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項5】
前記接続部の幅が前記導電層の厚さよりも小さい、請求項4に記載の半導体デバイス。
【請求項6】
前記階段構造の前記導電層及び前記絶縁層を通って延びる支持ピラーを更に具えている、請求項4に記載の半導体デバイス。
【請求項7】
前記接続部が前記支持ピラーに対してずれている、請求項6に記載の半導体デバイス。
【請求項8】
前記接続部が接続ビアまたは接続壁を具えている、請求項4に記載の半導体デバイス。
【請求項9】
前記階段構造を通って延びる分離壁を更に具え、前記接続壁が延びる方向が、前記分離壁が延びる方向とは異なる、請求項8に記載の半導体デバイス。
【請求項10】
前記階段構造を通って延びるチャネルピラーと、
前記チャネルピラー内に配置されて前記チャネルピラーに電気接続されている複数の導電性ピラーと、
前記導電層と前記チャネルピラーとの間に配置された電荷蓄積層と
を更に具えている、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項11】
前記電荷蓄積層が、前記延長部と、前記階段構造の前記下部の階段部分との間に更に配置されている、請求項10に記載の半導体デバイス。
【請求項12】
前記複数の導電層において、前記延長部に接続された前記導電層の厚さが、前記延長部に接続されていない前記導電層の厚さよりも大きくない、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項13】
半導体デバイスを製造する方法であって、
誘電体基板上に階段構造を形成するステップであって、前記階段構造が、一層ずつ交互に積層された複数の導電層と複数の絶縁層とを具えているステップと、
前記階段構造の下部の階段部分の端部に
ポリシリコン層である延長部を形成するステップと
、
前記階段構造の前記複数の導電層に載せられ且つ前記延長部上に載せられていない複数の接点を形成するステップとを含み、
前記延長部の抵抗値が前記複数の導電層の抵抗値と異なる方法。
【請求項14】
前記階段構造を形成するステップが、
一層ずつ交互に積層された複数の半導体層と複数の絶縁層とを前記誘電体基板上に形成するステップと、
前記複数の半導体層及び前記複数の絶縁層をパターン化して、前記階段構造を形成するステップと、
前記複数の半導体層の一部を前記複数の導電層と交換し、前記半導体層の一部を、下部の水平開口部の端部に残して、前記延長部を形成するステップと
を含む、請求項
13に記載の方法。
【請求項15】
前記複数の半導体層を接続する第1接続部を形成するステップと、
前記第1接続部を除去して、接続開口部を形成するステップと、
前記接続開口部内に導電材料を形成して、第2接続部を形成するステップと
を更に含む、請求項
14に記載の方法。
【請求項16】
前記接続開口部が、接続開口部または接続トレンチから成り、前記第2接続部が接続ビアまたは接続壁から成る、請求項
15に記載の方法。
【請求項17】
チャネルピラーを形成するステップであって、前記チャネルピラーが前記階段構造を貫通するステップと、
複数の導電性ピラーを前記チャネルピラー内に形成するステップであって、前記複数の導電性ピラーが前記チャネルピラーに電気接続されるステップと、
前記導電層と前記チャネルピラーとの間、及び前記導電層と前記延長部との間に電荷蓄積層を形成するステップと
をさらに含む、請求項
16に記載の方法。
【請求項18】
分離壁を形成するステップであって、該分離壁が前記階段構造を通って延びるステップを更に含み、
前記接続壁が延びる方向が、前記分離壁が延びる方向と異なる、請求項
16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集積回路、及び集積回路を製造する方法に関するものであり、特に、半導体デバイス、及び半導体デバイスを製造する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
関連技術の説明
不揮発性メモリは、記憶しているデータが電源オフ時に消失しないという利点を有するので、パーソナルコンピュータまたは他の電子機器用に広く用いられるメモリとなっている。現在、産業において一般に用いられている三次元メモリは、NOR(ノア:否定論理和)及びNAND(ナンド:否定論理積)メモリである。それに加えて、他の種類の三次元メモリはAND(アンド:論理積)メモリであり、ANDメモリは、高い集積度及び高い面積利用率を有する多次元メモリアレイに応用することができ、高速な動作速度という利点を有する。従って、三次元メモリデバイスの開発は、次第に現在の動向となりつつある。しかし、三次元メモリデバイスに関連する多数の挑戦が未だに存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
技術課題
本発明は半導体デバイスを提供し、この半導体デバイスは、電荷用の導電経路を有してアーク効果を低減することができ、誘電体基板上の種々の材料層及び構成部品がプラズマ衝撃によって損傷することを防止することができる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
課題の解決策
本発明の好適例によれば、半導体デバイスが階段構造及び延長部を含む。階段構造は誘電体基板上に配置されている。階段構造は、一層ずつ交互に積層された複数の導電層と複数の絶縁層とを含む。延長部は階段構造の下部の階段部分の端部に配置されている。延長部の抵抗値は複数の導電層の抵抗値と異なる。
【0005】
本発明の好適例によれば、半導体デバイスを製造する方法が次のステップを含む。誘電体基板上に階段構造を形成し、階段構造は、一層ずつ交互に積層された複数の導電層と複数の絶縁層とを含む。階段構造の下部の階段部分の端部に延長部を形成する。延長部の抵抗値は複数の導電層の抵抗値と異なる。
【発明の効果】
【0006】
以上に基づいて、本発明の好適例では、積層構造の下部に位置する1つ以上の半導体層が、電荷用の導電経路として機能してアーク効果を低減することができ、誘電体基板上の種々の材料層及び構成部品がプラズマ衝撃によって損傷することを防止することができる。従って、プロセスの歩留まりを向上させることができる。それに加えて、上記1つ以上の半導体層に、後続する交換プロセスを施して1つ以上の導電層を形成することができ、これらの導電層はゲート層またはダミーゲート層として機能することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】
図2A~
図2Iは、本発明の一実施形態による半導体デバイスを製造する方法を示す概略断面図である。
【
図3】
図3A及び
図3Bは、本発明の一実施形態によるメモリデバイスのいくつかの階段構造の上面図である。
【
図4】
図4A~
図4Fは、本発明の他の実施形態による、メモリデバイスを製造する方法の概略断面図である。
【
図5】
図5A及び
図5Bは、本発明の他の実施形態によるメモリデバイスのいくつかの階段構造の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
実施形態の説明
図1Aは、いくつかの実施形態による三次元ANDフラッシュメモリアレイの回路図である。
図1Bは、
図1Aのメモリアレイの一部の部分透視図である。
図1C及び
図1Dは、
図1Bの直線I-I’に沿って切り取った断面図である。
図1Eは、
図1B、
図1C、
図1Dの直線II-II’における上面図である。
【0009】
図1Aは、行及び列の形に配列された垂直ANDメモリアレイ10の2つのブロックBLOCK
(i)及びBLOCK
(i+1)の概略図である。ブロックBLOCK
(i)はメモリアレイA
(i)を含む。メモリアレイA
(i)の1つの行(例えば、(m+1)番目の行)は、共通のワード線(例えば、WL
(i)
m+1)を有する一組のANDメモリセル20である。各行(例えば、(m+1)番目の行)内のメモリアレイA
(i)のANDメモリセル20が、共通のワード線(例えば、WL
(i)
m+1)に対応し、異なるソースピラー(例えば、SP
(i)
n及びSP
(i)
n+1)及びドレインピラー(例えば、DP
(i)
n及びDP
(i)
n+1)に結合され、これにより、これらのANDメモリセル20は、論理的には、共通のワード線(例えば、WL
(i)
m+1)に沿った行内に配列されている。
【0010】
メモリアレイA(i)の1つの列(例えば、n番目の列)は、共通のソースピラー(例えば、SP(i)
n)及び共通のドレインピラー(例えば、DP(i)
n)を有する一組のANDメモリセルである。各列(例えば、n番目の列)内のメモリアレイA(i)のANDメモリセル20は、異なるワード線(例えば、WL(i)
m+1及びWL(i)
m)に対応し、共通のソースピラー(例えば、SP(i)
n)及び共通のドレインピラー(例えば、DP(i)
n)に結合されている。従って、メモリアレイA(i)のANDメモリセル20は、論理的には、共通のソースピラー(例えば、SP(i)
n)及び共通のドレインピラー(例えば、DP(i)
n)に沿った列内に配列されている。物理的レイアウトでは、適用される製造方法に応じて、これらの列または行は、高密度化または他の理由で、絡ませてハニカムパターンまたは他のパターンに配列することができる。
【0011】
図1Aでは、ブロックBLOCK
(i)内で、メモリアレイA
(i)のn番目の列内のANDメモリセル20が、共通のソースピラー(例えば、SP
(i)
n)及び共通のドレインピラー(例えば、DP
(i)
n)を共有する。(n+1)番目の列内のANDメモリセル20は、共通のソースピラー(例えば、SP
(i)
n+1)及び共通のドレインピラー(例えば、DP
(i)
n+1)を共有する。
【0012】
共通のソースピラー(例えば、SP(i)
n)は共通のソース線(例えば、SLn)に結合され、共通のドレインピラー(例えば、DP(i)
n)は共通のビット線(例えば、BLn)に結合されている。共通のソースピラー(例えば、SP(i)
n+1)は共通のソース線(例えば、SLn+1)に結合され、共通のドレインピラー(例えば、DP(i)
n+1)は共通のビット線(例えば、BLn+1)に結合されている。
【0013】
同様に、ブロックBLOCK(i+1)はメモリアレイA(i+1)を含み、メモリアレイA(i+1)はブロックBLOCK(i)内のメモリアレイA(i)と同様である。メモリアレイA(i+1)の1つの行(例えば、(m+1)番目の行)は、共通のワード線(例えば、WL(i+1)
m+1)を有する一組のANDメモリセル20である。各行(例えば、(m+1)番目の行)内のメモリアレイA(i+1)のANDメモリセル20は、共通のワード線(例えば、WL(i+1)
m+1)に対応し、異なるソースピラー(例えば、SP(i+1)
n及びSP(i+1)
n+1)及び異なるドレインピラー(例えば、DP(i+1)
n及びDP(i+1)
n+1)に結合されている。メモリアレイA(i+1)の1つの列(例えば、n番目の列)は、共通のソースピラー(例えば、SP(i+1)
n)及び共通のドレインピラー(例えば、DP(i+1)
n)を有する一組のANDメモリセル20である。各列(例えば、n番目の列)内のメモリアレイA(i+1)のANDメモリセル20は、異なるワード線(例えば、WL(i+1)
m+1及びWL(i+1)
m)に対応し、共通のソースピラー(例えば、SP(i+1)
n)及び共通のドレインピラー(例えば、DP(i+1)
m)に結合されている。従って、メモリアレイA(i+1)のANDメモリセル20は、論理的には、共通のソースピラー(例えば、SP(i+1)
n)及び共通のドレインピラー(例えば、DP(i+1)
n)に沿った列内に配列されている。
【0014】
ブロックBLOCK(i+1)とブロックBLOCK(i)とは、ソース線(例えば、SLn及びSLn+1)及びビット線(例えば、BLn及びBLn+1)を共用する。従って、ソース線SLn及びビット線BLnは、ブロックBLOCK(i)のANDメモリアレイA(i)内のANDメモリセル20のn番目の列に結合され、ブロックBLOCK(i+1)のANDメモリアレイA(i+1)内のANDメモリセル20のn番目の列に結合されている。同様に、ソース線SLn+1及びビット線BLn+1は、ブロックBLOCK(i)のANDメモリアレイA(i)内のANDメモリセル20の(n+1)番目の列に結合され、ブロックBLOCK(i+1)のANDメモリアレイA(i+1)内のANDメモリセル20の(n+1)番目の列に結合されている。
【0015】
図1B~
図1Dを参照すれば、メモリアレイ10は、例えば、半導体ダイの相互接続構造の上方に配置することができ、例えば、半導体基板上に形成された1つ以上の能動素子(例えば、トランジスタ)上に配置されている。従って、誘電体基板(または誘電体層と称する)50は、シリコン基板上に形成された金属相互接続構造の上方の誘電体層(例えば、酸化シリコン層)とすることができる。メモリアレイ10は、積層構造GSK、複数のチャネルピラー16、複数の第1導電性ピラー(ソースピラーとも称する)32a、複数の第2導電性ピラー(ドレインピラーとも称する)32b、及び複数の電荷蓄積構造40を含むことができる。
【0016】
図1Bを参照すれば、積層構造GSKが誘電体基板50上に形成されている。積層構造GSKは、誘電体基板50の表面50s上に縦方向に積層された複数のゲート層(ワード線または導電層とも称する)38及び複数の絶縁層54を含む。Z方向には、ゲート層38どうしが、これらの間に配置された絶縁層54によって互いに電気絶縁されている。ゲート層38は、誘電体基板50の表面に平行な方向に広がる。
図1F~
図1Iに示すように、階段状の領域SR内のゲート層38は階段構造SCを有することができる。従って、より下方のゲート層38はより上方のゲート層38よりも長く、下方のゲート層38の端部は、より上方のゲート層38の端部を超えて横方向に延びる。ゲート層38に接続するための接点(図示せず)をゲート層38の端部上に載せて、それぞれのゲート層38をそれぞれの導電線に接続することができる。
【0017】
図1B~
図1Dを参照すれば、メモリアレイ10は複数のチャネルピラー16を更に含む。一部の実施形態では、各チャネルピラー16が上から見てリング形状を有する。チャネルピラー16の材料は、アンドープ(ドープなしの)ポリシリコンのような半導体を含むことができる。
【0018】
図1B~
図1Dを参照すれば、メモリアレイ10が、複数の絶縁ピラー28、複数の第1導電性ピラー32a、及び複数の第2導電性ピラー32bを更に含む。本例では、第1導電性ピラー32aがソースピラーとして機能する。第2導電性ピラー32bはドレインピラーとして機能する。第1導電性ピラー32a、第2導電性ピラー32b、及び絶縁ピラー28の各々は、ゲート層38の表面(即ち、X-Y平面)に垂直な方向(即ち、Z方向)に延びる。第1導電性ピラー32aと第2導電性ピラー32bとは、絶縁ピラー28によって分離され、絶縁充填層24によって包囲されている。第1導電性ピラー32a及び第2導電性ピラー32bはチャネルピラー16に電気接続されている。第1導電性ピラー32a及び第2導電性ピラー32bは、ドープされたポリシリコンまたは金属材料を含むことができる。絶縁ピラー28は窒化シリコンまたは酸化シリコンを含むことができ、絶縁充填層24は酸化シリコンを含むことができる。
【0019】
図1C及び
図1Dを参照すれば、電荷蓄積構造40がチャネルピラー16とゲート層(または導電層と称する)38との間に配置されている。電荷蓄積構造40は、トンネル層(またはバンドギャップ操作トンネル酸化物層と称する)14、電荷蓄積層12、及びブロッキング(遮断)層36を含むことができる。電荷蓄積層12は、トンネル層14とブロッキング層36との間に配置されている。一部の実施形態では、トンネル層14及びブロッキング層36が酸化シリコンを含む。電荷蓄積層12は、窒化シリコン、または電荷を捕捉することができる他の材料を含む。一部の実施形態では、
図1Cに示すように、電荷蓄積構造40の一部分(例えば、トンネル層14及び電荷蓄積層12)が、ゲート層38に垂直な方向(即ち、Z方向)に連続して延び、電荷蓄積構造40の他の部分(例えば、ブロッキング層36)がゲート層38を包囲する。他の実施形態では、
図1Dに示すように、電荷蓄積構造40(例えば、トンネル層14、電荷蓄積層12、及びブロッキング層36)が、対応するゲート層38を包囲する。
【0020】
図1Eを参照すれば、電荷蓄積構造40、チャネルピラー16、ソースピラー32a、及びドレインピラー32bがゲート層38によって包囲され、これによりメモリセル20が規定される。異なる動作方法によれば、1ビット動作または2ビット動作をメモリセル20上で実行することができる。例えば、ソースピラー32a及びドレインピラー32bに電圧を印加すると、ソースピラー32a及びドレインピラー32bがチャネルピラー16に接続されているので、電子がチャネルピラー16に沿って移動して電荷蓄積構造40の全体に蓄積される。これにより、1ビット動作をメモリセル20上で実行することができる。それに加えて、ファウラー・ノルドハイム・トンネリング(トンネル注入)を含む動作については、電子またはホールを、ソースピラー32aとドレインピラー32bとの間で電荷蓄積構造40内に捕捉することができる。ソース側注入、チャネル・ホットエレクトロン注入、バンド間トンネリング・ホットキャリア注入を含む動作については、電子またはホールを、ソースピラー32a及びドレインピラー32bの一方に隣接した電荷蓄積構造40内に局所的に捕捉することができる。従って、シングルレベルセル(SLC(single level cell)、1ビット)またはマルチレベルセル(MLC(multi-level cell)、2ビット以上)動作をメモリセル20上で実行することができる。
【0021】
動作中には、選択したワード線(ゲート層)38に電圧を印加し;例えば、対応するメモリセル20の対応する閾値電圧(V
th)よりも高い電圧を印加すると、チャネルピラー16が選択したワード線38と交差するチャネル領域がオン状態にされて、電流が(
図1Bに示す)ビット線BL
nまたはBL
n+1からドレインピラー32bに入り、オン状態のチャネル領域を通って(例えば、矢印60によって示す向きに)ソースピラー32aまで流れて、最終的に(
図1Bに示す)ソース線SL
nまたはSL
n+1まで流れることを可能にする。
【0022】
【0023】
図1F~
図1Iを参照すれば、本発明の一部の実施形態では、階段構造SCの上部の階段部分TPの導電層38がワード線として機能することができる。階段構造SCの下部の階段部分LPの導電層38を用いて、漏洩経路を閉じることができる。下部の階段部分LPの端部は、階段構造SCの延長部に接続されている。延長部EPの抵抗値は、隣接する導電層38gの抵抗値と異なる。導電層38gは、例えばタングステンを含む。延長部EPは、ポリシリコンのような半導体を含む。
【0024】
図1F及び
図1Gを参照すれば、一部の実施形態では、延長部EPと隣接する導電層38gとを、電荷蓄積構造40のブロッキング層36によって互いに電気絶縁することができる。
図1H及び
図1Iを参照すれば、一部の実施形態では、延長部EPと隣接する導電層38gとを、電荷蓄積構造40のブロッキング層36、電荷蓄積層12、及びトンネル層14によって互いに電気絶縁することができる。
【0025】
図1F及び
図1Hを参照すれば、延長部EPが複数の層を含むことができる。
図1G及び
図1Iを参照すれば、延長部EPを単一層にすることもできる。延長部EPの各層は、下部の階段部分LPの1つの
導電層38gに接続されている。それに加えて、下部の階段部分LPの導電層38gどうしは、接続部38vを通して互いに電気接続されている。一部の実施形態では、下部の階段部分LPの各
導電層38gの間にバリア(障壁)層37を含めることもできる。バリア層37は、
導電層38gとブロッキング層36との間に配置することができる。バリア層37の材料は、チタニウム(Ti)、窒化チタニウム(TiN)、窒化タンタル(TaN)、またはその組合せを含む。
【0026】
図2A~
図2Iは、本発明の一実施形態による半導体デバイスを製造する方法を示す概略断面図である。
【0027】
図2Aを参照すれば、誘電体基板100を用意する。誘電体基板100は、例えばシリコン基板上に形成された相互接続構造の誘電体層である。誘電体基板100の材料は酸化シリコンを含む。複数の絶縁層92と複数の半導体層94とを一層ずつ交互に誘電体基板100上に積層させる。各絶縁層92は酸化シリコン層を含む。各半導体層94はドープされたポリシリコン層を含む。本実施形態では、3つの絶縁層92及び2つの半導体層94が存在するが、本発明はこのことに限定されない。他の実施形態では、より多数またはより少数の絶縁層92、及びより多数またはより少数の半導体層94を、実際の必要性に応じて形成することができる。
【0028】
図2Bを参照すれば、マスク層95を誘電体基板100上に形成する。マスク層95は開口部を有する。この開口部は、円形、楕円形、正方形、長方形、等の種々の形状を有することができる。その後に、エッチングプロセスを実行して、この開口部を、その下にある絶縁層92及び半導体層94まで転移させて、開口部OP1を形成する。開口部OP1は接続開口部または接続トレンチとすることができる。開口部OP1は最下部の半導体層94を露出させることができる。
【0029】
図2B及び
図2Cを参照すれば、マスク層95を除去する。次に、他の半導体層94Tを絶縁層92上に形成する。半導体層94Tを更に開口部OP1内に充填して、接続部96を形成する。それに加えて、半導体層94Tを接地して放電経路として機能させることができる。絶縁層92及び半導体層94と94Tが一緒に、積層構造SK1の下部BPを形成する。
【0030】
図2Cを参照すれば、積層構造SK1の上部UPを、積層構造SK1の下部BP上に形成する。本実施形態では、積層構造SK1の上部UPが、積層構造SK1の下部BP上に一層ずつ交互に積層された複数の絶縁層104と複数の中間層106とを含む。各絶縁層104は酸化シリコン層を含む。各中間層106は窒化シリコン層を含む。中間層106は犠牲層として機能することができ、この犠牲層は、後続するプロセスにおいて完全または部分的に除去することができる。本実施形態では、積層構造SK1が7つの絶縁層104及び6つの中間層106を有するが、本発明はこのことに限定されない。他の実施形態では、より多数の絶縁層104及びより多数の中間層106を、実際の必要性に応じて形成することができる。
【0031】
図2Dを参照すれば、積層構造SK1の上部をパターン化するのに対し、積層構造SK1の下部BPはパターン化しないで、階段構造SCを形成する。複数の中間層106の長さを、最上部から最下部にかけて次第に増加させ、複数の半導体層94の長さはほぼ同じにする。その後に、誘電体層107を誘電体基板100上に形成する。誘電体層107は階段構造SCを覆う。誘電体層107は、化学機械的研磨プロセスで平坦な表面を有することができる。積層構造SK1の上部UPにおける最下部の絶縁層104は、積層構造SK1の下部BPを覆う。
【0032】
図2Eを参照すれば、リソグラフィー及びエッチングプロセスを実行して、複数の開口部108をアレイ領域(図示せず)内の積層構造SK1内に形成する。各開口部108は、積層構造SK1の上部UPから下部BPまで延びる。開口部108は円形の外形を有するが、本発明はこのことに限定されない。他の実施形態では、開口部108が、多角形(図示せず)のような他の形状の外形を有することができる。エッチングプロセスはドライエッチングプロセスを含むことができる。ドライエッチングプロセス中に、半導体層94Tは電荷用の導電経路として機能することができる。
【0033】
図2Eを参照すれば、半導体層94及び中間層106の側壁上に保護層110を形成する。各保護層100は酸化シリコン層を含む。保護層110を形成する方法は、乾式(ドライ)熱酸化プロセス、湿式(ウェット)熱酸化プロセス、またはその組合せを含む。次に、チャネルピラー116を各開口部108内に形成する。チャネルピラー116の材料は、アンドープ・ポリシリコンのような半導体を含む。チャネルピラー116を形成する方法は、積層構造SK1上及び開口部108内にチャネル材料を形成することを含む。次に、エッチバックプロセスを実行してチャネル材料を部分的に除去して、チャネルピラー116を形成する。
【0034】
図2Eを参照すれば、絶縁充填層124及び絶縁ピラー128を各開口部108内に形成する。絶縁充填層124の材料は酸化シリコンを含み、その形成方法は低温熱酸化法を含む。絶縁ピラー128の材料は窒化シリコンを含み、その形成方法は化学気相成長法(化学蒸着法、化学成膜法)を含む。絶縁充填層124を開口部108内に充填し、絶縁充填層124が開口部108を完全に充たす前に、絶縁充填層124とは異なる充填材料を開口部108に充填して開口部108を封止する。この絶縁材料を、絶縁充填層124の表面が露出されるまでドライエッチングまたはウェットエッチングによりエッチバックし、こうして、開口部108の中央に残った絶縁材料が絶縁ピラー128を形成する。
【0035】
図2Eを参照すれば、パターン化プロセス(例えば、リソグラフィー及びエッチングプロセス)を実行して、絶縁充填層124内に孔(図示せず)を形成する。次に、導電性ピラー132a及び132bをこれらの孔内に形成する。導電性ピラー132a及び132bは、それぞれソースピラー及びドレインピラーとして機能することができ、それぞれがチャネルピラー116に電気接続されている。導電性ピラー132a及び132bは、絶縁充填層124上及び上記の孔内に導電層を形成し、エッチバックプロセスがこれに続くことによって形成することができる。導電性ピラー132a及び132bはドープされたポリシリコンを含む。導電性ピラー132a及び132b、チャネルピラー116、絶縁ピラー128、及び絶縁充填層124を集合的に垂直ピラーVCと称する。
【0036】
図2E~
図2Hを参照すれば、交換プロセスを実行して、複数の中間層106、及び半導体層94の一部を、複数の導電層138及び複数の電荷蓄積構造140と交換する。まず、
図2Eを参照すれば、パターン化プロセス(例えば、リソグラフィー及びエッチングプロセス)を積層構造SK1に対して実行して、分離トレンチ133(または一部の例ではスリットと称する)を形成する。分離トレンチ133は、積層構造SK1の上部UPから下部BPまで延びる。その後に、多段階のエッチングプロセスを実行する。まず、第1段階のエッチングプロセスを実行して、半導体層94の一部を除去して、複数の水平開口部119及び接続開口部117を形成する。第1段階のエッチングプロセスは、ウェットエッチングプロセスを含むことができる。このウェットエッチングプロセスにおいて使用することができるエッチャント(エッチング液)は、化学エッチャントSC1のような水酸化アンモニウム及び過酸化水素を含む。水平開口部119どうしは、およそ同じ長さを有することも異なる長さを有することもできる。複数の水平開口部119の長さは、最下部の中間層106の長さよりも大きい。半導体層94の一部分を水平開口部119の端部に残して、複数の延長部EPを形成する。
【0037】
図2Gを参照すれば、多段階エッチングプロセスの第2段階のエッチングプロセスを実行して、複数の中間層106の一部を除去して、複数の水平開口部121を形成する。第2段階のエッチングプロセスは、ウェットエッチングプロセスを含むことができる。このウェットエッチングプロセスにおいて使用されるエッチャントは、高温のリン酸を含む。このエッチングプロセス中には、絶縁層104及び保護層110の材料が中間層106の材料と異なるので、保護層110は停止(ストップ)層として機能することができる。
【0038】
図2Hを参照すれば、(各々がトンネル層114、蓄積層112、及びブロッキング層136を含む)複数の電荷蓄積構造140、複数のバリア層137、及び複数の導電層138を、複数の水平開口部121及び119内に形成する。トンネル層114は酸化シリコンを含む。蓄積層112は、オキシ窒化シリコン、窒化シリコン、またはその組合せを含む。ブロッキング層136は、酸化シリコン、7以上の高い誘電率を有する材料、またはその組合せを含む。7以上の高い誘電率を有する材料は、酸化アルミニウム(Al
2O
3)、酸化ハフニウム(HfO
2)、酸化ランタン(La
2O
5)、遷移金属酸化物、ランタニド酸化物、またはその組合せを含む。各バリア層137の材料は、チタニウム(Ti)、窒化チタニウム(TiN)、タンタル(Ta)、窒化タンタル(TaN)、またはその組合せを含む。各導電層138の材料はタングステンを含む。
【0039】
トンネル層114、蓄積層112、ブロッキング層136、バリア層137、及び導電層138を形成する方法は、トンネリング材料、蓄積材料、ブロッキング材料、バリア材料、及び導電材料を順に形成するステップを含む。トンネリング材料、蓄積材料、ブロッキング材料、バリア材料、及び導電材料の厚さは、水平開口部121、119、及び接続開口部117を完全に充たすのに十分な厚さである。水平開口部119の高さH1は水平開口部121の高さH2以下である。接続開口部117の直径(または幅)Wは、水平開口部121、119の高さH2、H1以下である。次に、エッチバックプロセスを実行して、分離トレンチ133内の蓄積材料、ブロッキング材料、バリア材料、及び導電材料を除去して、トンネル層114、蓄積層112、ブロッキング層136、バリア層137、及び導電層138を、水平開口部121と119及び接続開口部117内に形成する。こうして、積層構造SK2及び階段構造SCを形成する。階段構造SCの上部の階段部分TPの導電層138の長さは、最上部から最下部にかけて次第に増加する。階段構造SCの下部の階段部分LPは、延長部EPに隣接し、導電層138gは電荷蓄積構造140によって延長部EPから分離されている。
【0040】
図2Hを参照すれば、分離壁SLTを分離トレンチ133内に形成する。積層構造SK2を分離壁SLTによって複数のゾーンに分割する。一部の実施形態では、分離壁SLTが絶縁層142を含むことができる。分離壁SLTの形成方法は、積層構造SK2上に絶縁材料を形成して分離トレンチ133内に充填するステップと、次に、過剰な絶縁材料をエッチバックプロセスまたは平坦化プロセスにより除去するステップとを含む。他の実施形態では、分離壁SLTが、絶縁層142によって包囲される充填層(図示せず)を更に含む。この充填層は、分離壁SLTの屈曲を回避するのに十分な支持を行うことができる。絶縁層142は酸化シリコンを含み、充填層はポリシリコンを含む。
【0041】
図2Iを参照すれば、複数の接点COA1及びCOA2を誘電体基板100の上方に形成する。接点COA2は、階段構造SCの上部の階段部分TPの導電層138上に載せて、この導電層138に電気接続する。接点COA1は、階段構造SCの下部の階段部分LPにおける最上部の導電層138g上に載せて、この導電層138gに電気接続する。
【0042】
本発明では、
積層構造SK2の上部UPのバリア層137及び導電層138が、メモリアレイの複数のワード線として機能する。アレイ領域内の積層構造SK2は複数のメモリセルを含む。これらのメモリセルは、導電性ピラー132a及び132bを通して互いに並列に接続されて、メモリストリングを形成する。積層構造SK2の上部UPの導電層138は、接点COA2を通して、その後に形成した上部の相互接続構造に電気接続する。積層構造SK2の下部BPの導電層138gどうしを、接続部138vを通して互いに接続し、接点COA1を通して、その後に形成した上部の相互接続構造に電気接続する。導電層138gはゲートまたはダミーゲートとして機能することができる。一部の実施形態では、
図3A及び
図3Bに示すように、
階段構造SCの下部の階段部分LPの端部にある延長部EP上に接点を載せないか電気接続しない。
【0043】
図3A及び
図3Bは、本発明の一実施形態によるメモリデバイスのいくつかの階段構造の上面図である。
【0044】
図3A及び
図3Bを参照すれば、接続部138vは(
図3Aに示すような)接続孔または(
図3Bに示すような)接続壁とすることができる。接続部138vの形状は、(
図3Aに示すような)円形、(
図3Bに示すような)ストリップ形、または長円形(図示せず)にすることができるが、本発明はこれらに限定されない。
図3Bを参照すれば、接続部138vがストリップ形状の接続壁である実施形態では、この接続壁が延びる方向を、分離壁SLTが延びる方向と垂直にすることができるが、本発明はこのことに限定されない。
【0045】
図3A及び
図3Bに示すように、接続部138vは適切な方向に配置することができる。接続部138vは、上部の階段部分TPの導電層138内に配置することができ(図示せず)、あるいは(
図2Iに示すように)下部の階段部分LPの導電層138g内及び絶縁層92内に配置することができる。
【0046】
接点COA2は上部の階段部分TPの導電層138の上面上に配置されている。接点COA1は下部の階段部分LP内の最上部の導電層138gの上面上に配置されている。接続部138vは、最上部の導電層138gの下面と最下部の導電層138gの上面との間に配置されている。接続部138vの位置は、接点COA1の配置に影響を与えない。従って、誘電体基板100に垂直な方向に接続部138vの位置をずらして、接点COA1またはCOA2の位置と部分的にオーバーラップさせるか完全にオーバーラップさせることができる。
【0047】
図3A及び
図3Bを参照すれば、一部の実施形態では、(
図2E~
図2Iに示す)支持ピラーDVを階段構造SC内に更に設けて、階段構造SCがゲートの交換中に崩壊することを防止する。簡単のため、
図2Eは単一の支持ピラーDVのみを示すが、本発明はこのことに限定されない。
図3A及び
図3Bに示すように、階段構造SCは複数の支持ピラーDVを含むことができる。支持ピラーDVは、(
図2E~
図2Iに示す)垂直ピラーVCの形成中に同時に形成することができ、従って、支持ピラーDV及び垂直ピラーVCはおよそ同じ高さを有することができ、即ち、誘電体層107の最上面から絶縁層92まで延びることができる。その代わりに、支持ピラーDVは、スルー(貫通)ビアの形成中に同時に形成することができ、スルービアは下部の相互接続構造を上部の相互接続構造に接続する。換言すれば、支持ピラーDVは、階段構造SCの少なくとも最上層から最下層まで延びる。従って、支持ピラーDVの配置に影響を与えないためには、
図3A及び
図3Bに示すように、接続部138vの位置と支持ピラーDVの位置とをずらしてオーバーラップさせない。
【0048】
図4A~
図4Fは、本発明の他の実施形態によるメモリデバイスの方法を示す断面図である。
【0049】
図4Aを参照すれば、積層構造SK1を誘電体基板100上に形成する。
図4Aの積層構造SK1は、以上の実施形態の積層構造SK1と同様であるが、接続部96を含まない。積層構造SK1の形成方法は、下部BP及び上部UPを順に形成するステップを含む。下部BPは、一層ずつ交互に積層された複数の絶縁層92と複数の半導体層94とを含む。最下部の半導体層94を接地して、電荷用の導電経路として機能させることができる。上部UPは、一層ずつ交互に積層された複数の絶縁層104と複数の中間層106とを含む。絶縁層92、半導体層94、絶縁層104、及び中間層106は、上記の実施形態において説明したものと同様である。
【0050】
図4Bを参照すれば、積層構造SK1の上部UP及び下部BPをパターン化して階段構造SCを形成する。本実施形態では、階段構造SCの中間層106の長さが最上部から最下部にかけて次第に増加し、半導体層94の長さが最上部から最下部にかけて次第に増加する。その後に、誘電体層107を誘電体基板100上に形成する。誘電体層107は階段構造SCを覆う。
【0051】
図4Cを参照すれば、上述した方法により、垂直ピラーVCをアレイ領域内の積層構造SK1内に形成する。
【0052】
図4C~
図4Fを参照すれば、交換プロセスを実行して、複数の中間層106及び複数の半導体層94を複数の導電層138及び複数の電荷蓄積構造140と交換する。まず、
図4Cを参照すれば、パターン化プロセス(例えば、リソグラフィー及びエッチングプロセス)を積層構造SK1に対して実行して、分離トレンチ133を形成する。次に、
図4Dを参照すれば、エッチングプロセス(例えば、ウェットエッチングプロセス)を実行して、複数の中間層106の一部及び複数の半導体層94の一部を同時に除去して、複数の水平開口部121及び119を形成する。半導体層94の一部を最下部の水平開口部119の端部に残して、延長部EPを形成する。
【0053】
図4Eを参照すれば、上記の方法により、複数の電荷蓄積層140(その各々がトンネル層114、蓄積層112、及びブロッキング層136を含む)、複数のバリア層137、及び複数の導電層138を、複数の水平開口部121及び119内に形成する。積層構造SK2及び階段構造SCをこうして形成する。階段構造SCの上部の階段部分TPの導電層138及び下部の階段部分LPの導電層138gの長さは、最上部から最下部にかけて次第に増加する。階段構造SCの下部の階段部分LPの導電層138gは延長部EPに隣接し、導電層138gと延長部EPとは電荷蓄積構造140によって互いに分離されている。次に、分離壁SLTを分離トレンチ133内に形成する。
【0054】
図4Fを参照すれば、上記の方法により、複数の接点COA1及びCOA2を誘電体基板100上に形成する。接点COA2を、階段構造SCの上部階段部分TPの導電層138上に載せて、この導電層138に電気接続する。接点COA1を、階段構造SCの下部の階段部分LPの導電層138g上に載せて、この導電層138gに電気接続する。
【0055】
本発明では、積層構造SK2の上部UPのバリア層137及び導電層138が、メモリアレイの複数のワード線として機能する。積層構造SK2は複数のメモリセルを含む。これらのメモリセルを、導電性ピラー132a及び132bを通して互いに並列に接続して、メモリストリングを形成する。上部UPの導電層138は、接点COA2を通して、その後に形成した上部接続構造に電気接続する。下部BPは、単一の導電層138gを有し、接点COA1を通して、その後に形成した上部相互接続構造に電気接続する。導電層138gは、ゲートまたはダミーゲートとして機能することができる。一部の実施形態では、
図5A及び
図5Bに示すように、階段構造SCの下部の階段構造LPの端部にある延長部EPに接点を載せず、電気接続もしない。
【0056】
図5A及び
図5Bは、本発明の他の実施形態によるメモリデバイスのいくつかの階段構造の上面図である。
【0057】
図5A及び
図5Bの上面図は、
図3A及び
図3Bの上面図と同様であるが、
図5A及び
図5Bの階段構造SCには接続部が設けられていない。上部の階段部分TPは、より多数の階段を有し、延長部EPに隣接する下部の階段部分LPは、より少数の、更には単一の階段を有する。
【0058】
上記の実施形態は、ANDフラッシュメモリを例として挙げることによって説明している。本発明は、三次元NORフラッシュメモリ及び三次元NANDフラッシュメモリに適用することもできる。本発明の実施形態は、フラッシュメモリにおいて適用することができるだけでなく、階段構造を有する種々のデバイスに適用することもできる。
【0059】
本発明の実施形態では、積層構造の下部に配置された1つ以上の半導体層が、電荷用の導電経路として機能して、アーク効果を低減し、誘電体基板上の種々の材料層及び構成部品がプラズマ衝撃によって損傷することを防止することができる。従って、プロセスの歩留まりが向上する。それに加えて、上記1つ以上の半導体層に、その後の交換プロセスを施して、1つ以上の導電層を形成することができ、これらの導電層はゲート層またはダミーゲート層として機能することができる。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明の半導体デバイス及びこの半導体デバイスを製造する方法は、階段構造を有する半導体デバイス、及びこうした半導体デバイスを製造する方法に適用することができる。
【符号の説明】
【0061】
10、A(i)、A(i+1):メモリアレイ
12:電荷蓄積層
14:トンネル層
16:チャネルピラー
20:メモリセル
24:絶縁充填層
28:絶縁ピラー
32a:第1導電性ピラー・ソースピラー
32b:第2導電性ピラー・ドレインピラー
36:ブロッキング層
38:ゲート層/導電層/ワード線
38g:導電層
38v:接続部
40:電荷蓄積構造
50:誘電体基板
50s:表面
54:絶縁層
60:矢印
92:絶縁層
94:半導体層
94T:半導体層
95:マスク層
96:接続部
100:誘電体基板
104:絶縁層
106:中間層
107:誘電体層
108:開口部
110:保護層
112:蓄積層
114:トンネル層
116:チャネルピラー
117:接続開口部
119:水平開口部
121:水平開口部
124:絶縁充填層
128:絶縁ピラー
132a:導電性ピラー
132b:導電性ピラー
133:分離トレンチ
136:ブロッキング層
137:バリア層
138:ゲート層/導電層/ワード線
138g:導電層
138v:接続部
140:電荷蓄積構造
142:絶縁層
BP:下部
COA1:接点
COA2:接点
DV:支持ピラー
EP:延長部
GSK:積層構造
H1:高さ
H2:高さ
LP:下部の階段部分
OP1:開口部
SC:階段構造
SK1:積層構造
SK2:積層構造
SLT:分離壁
TP:上部の階段部分
UP:上部
VC:垂直ピラー
W:距離
I-I’:直線
II-II’:直線
BLOCK、BLOCK(i)、BLOCK(i+1):ブロック
BLn、BLn+1:ビット線
SP(i)
n、SP(i)
n+1、SP(i+1)
n、SP(i+1)
n+1:ソースピラー
DP(i)
n、DP(i)
n+1、DP(i+1)
n、DP(i+1)
n+1:ドレインピラー
WL(i)
m、WL(i)
m+1、WL(i+1)
m、WL(i+1)
m+1:ワード線