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7623439磁気テープ装置、磁気テープ装置の制御方法および磁気テープ装置の制御プログラム
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  • -磁気テープ装置、磁気テープ装置の制御方法および磁気テープ装置の制御プログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-20
(45)【発行日】2025-01-28
(54)【発明の名称】磁気テープ装置、磁気テープ装置の制御方法および磁気テープ装置の制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   G11B 15/67 20060101AFI20250121BHJP
   G11B 23/107 20060101ALI20250121BHJP
   G11B 23/26 20060101ALI20250121BHJP
【FI】
G11B15/67
G11B23/107
G11B23/26
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2023125202
(22)【出願日】2023-08-01
【審査請求日】2023-08-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】板本 悠一
【審査官】川中 龍太
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-149739(JP,A)
【文献】国際公開第2015/151995(WO,A1)
【文献】特開2010-238349(JP,A)
【文献】特開2019-075182(JP,A)
【文献】特開2015-056197(JP,A)
【文献】特開2013-073638(JP,A)
【文献】特開2012-079381(JP,A)
【文献】米国特許第06034839(US,A)
【文献】米国特許第05816519(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11B 15/67
G11B 23/107
G11B 23/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気ヘッドと、
前記磁気ヘッドの近傍を磁気テープが移動するように前記磁気テープを搬送するテープ搬送手段と、
前記磁気テープの一端に設けられたリーダピンを搬送するためのリーダピン搬送手段と、
を備え、
前記テープ搬送手段と前記リーダピン搬送手段とのうち一方は、板状体であるフレームの一方の面に取り付けられ、他方は前記フレームの他方の面に取り付けられ、
前記フレームには、前記磁気ヘッドを内側に配置可能な貫通孔が設けられ
前記リーダピン搬送手段が、
前記リーダピンを把持するリーダブロックと、
前記リーダブロックが取り付けられる線状体と、
前記線状体をガイドするガイド部材と、
前記線状体を長手方向に駆動する線状体駆動手段と、
を有することを特徴とする磁気テープ装置。
【請求項2】
前記線状体が、ワイヤであり、
前記ガイド部材がプーリである、
ことを特徴とする請求項に記載の磁気テープ装置。
【請求項3】
前記線状体が、チェーンであり、
前記ガイド部材が少なくとも1つのスプロケットを含む、
ことを特徴とする請求項に記載の磁気テープ装置。
【請求項4】
前記テープ搬送手段の前記フレームとは反対の側に設けられた第2のフレームを有し、
前記フレームが第1の溝を備え、
前記第2のフレームが第2の溝を備え、
前記リーダピン搬送手段が、
前記リーダブロックを前記第1の溝および前記第2の溝に沿って、前記リーダブロックを搬送する、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の磁気テープ装置。
【請求項5】
前記磁気ヘッドを前記磁気テープに当接させるための磁気ヘッド移動手段を備える、
ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の磁気テープ装置。
【請求項6】
前記磁気ヘッドの側方に設けられ、前記磁気テープの進行方向をガイドするテープガイド部材を備える、
ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の磁気テープ装置。
【請求項7】
前記テープガイド部材がローラである、
ことを特徴とする請求項に記載の磁気テープ装置。
【請求項8】
磁気テープ装置の制御方法であって、
前記磁気テープ装置は、
磁気ヘッドと、
前記磁気ヘッドの近傍を磁気テープが移動するように前記磁気テープを搬送するテープ搬送手段と、
前記磁気テープの一端に設けられたリーダピンを搬送するためのリーダピン搬送手段と、
を備え、
前記テープ搬送手段と前記リーダピン搬送手段とのうち一方は、板状体であるフレームの一方の面に取り付けられ、他方は前記フレームの他方の面に取り付けられ、
前記フレームには、前記磁気ヘッドを内側に配置可能な貫通孔が設けられ
前記リーダピン搬送手段が、
前記リーダピンを把持するリーダブロックと、
前記リーダブロックが取り付けられる線状体と、
前記線状体をガイドするガイド部材と、
前記線状体を長手方向に駆動する線状体駆動手段と、を有し、
前記リーダピン搬送手段が、
前記リーダピンを前記テープ搬送手段まで搬送し、
前記テープ搬送手段が、
前記リーダピンを係止する、
ことを特徴とする磁気テープ装置の制御方法。
【請求項9】
磁気テープ装置の制御プログラムであって、
前記磁気テープ装置は、
磁気ヘッドと、
前記磁気ヘッドの近傍を磁気テープが移動するように前記磁気テープを搬送するテープ搬送手段と、
前記磁気テープの一端に設けられたリーダピンを搬送するためのリーダピン搬送手段と、
を備え、
前記テープ搬送手段と前記リーダピン搬送手段とのうち一方は、板状体であるフレームの一方の面に取り付けられ、他方は前記フレームの他方の面に取り付けられ、
前記フレームには、前記磁気ヘッドを内側に配置可能な貫通孔が設けられ
前記リーダピン搬送手段が、
前記リーダピンを把持するリーダブロックと、
前記リーダブロックが取り付けられる線状体と、
前記線状体をガイドするガイド部材と、
前記線状体を長手方向に駆動する線状体駆動手段と、を有し、
前記リーダピン搬送手段に、
前記リーダピンを前記テープ搬送手段まで搬送させる処理と、
前記テープ搬送手段に、
前記リーダピンを係止させる処理と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする磁気テープ装置の制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、磁気テープ装置、磁気テープ装置の制御方法および磁気テープ装置の制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
磁気テープを用いた記憶装置は、書き込みおよび読み出しの速度が、半導体メモリやハードディスクなどの記憶装置に比べて低速である。しかしながら、低コストで非常に大きな容量の記憶が可能である。このため、主にバックアップ用として、現在も広く用いられている。磁気テープを収容するカートリッジの方式には、ワンリールあるいはシングルリールと呼ばれるリールが1つのタイプと、ツーリールあるいはデュアルリールと呼ばれるリールが2つのタイプがある。近年の大容量記憶では、シングルリールが主流となっている。そして、LTO(Linear Tape-Open)テクノロジーとして標準化もされている。
【0003】
LTO準拠の磁気テープカートリッジでは、テープの自由端にリーダピンが固定されている。このような磁気テープを用いる磁気テープ装置では、まず、リーダブロックと呼ばれる部材によってリーダピンが把持される。次に、所定の搬送経路に沿って、磁気テープが引き回される。この動作は、スレッディングと呼ばれる。なお、搬送経路の途中に磁気ヘッドが設けられている。次に、巻取りリールにリーダブロックが係止される。ここで、リーダブロックは、スレッドピンと呼ばれる軸を用いて移送手段に対して回転自在に係止されている。そして、巻取りリールにリーダブロックが係止される。この際、スレッドピンの中心と巻取りリールの中心が一致するように、係止が行われる。この状態から、巻取りリールが回転することで、磁気テープの巻取り、巻出しが可能になる。
【0004】
上記のスレッディングを効率よく行う方法が、検討されている。例えば、特許文献1には、リーダブロックを搬送経路に沿って移動させる技術が開示されている。この技術では、磁気ヘッドの上方に設けられたカムギヤが用いられる。この構成で、まず、カムギヤに対し、スレッディングアームが回動可能に取り付けられる。また、スレッディングアームには、リーダブロックが取り付けられる。この構成で、カムギヤを回転させることで、リーダブロックを予め定めた搬送経路(軌道)に沿って移動させることが可能になる。そして、カートリッジに収納された磁気テープ先端のリーダピンにリーダブロックを係合させる。次に、カムギヤを回転させて、リーダブロックを搬送経路に沿って移動させる。さらに、リーダブロックを巻取りリールに係合させる。これにより、スレッディングが完了する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2014-207048号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の技術では、磁気ヘッドの上方がカムギヤに覆われていた。このため、磁気ヘッドを設置位置の周辺にスペースを要し、装置が大きくなってしまうという問題があった。
【0007】
本開示は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、より小型化可能な磁気テープ装置等を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、本開示の磁気テープ装置は、磁気ヘッドと、前記磁気ヘッドの近傍を磁気テープが移動するように前記磁気テープを搬送するテープ搬送手段と、前記磁気テープの一端に設けられたリーダピンを搬送するためのリーダピン搬送手段と、を備え、前記テープ搬送手段と前記リーダピン搬送手段とは、板状体であるフレームの一方の面と他方の面とにそれぞれ配置され、前記フレームには、前記磁気ヘッドを内側に配置可能な貫通孔が設けられている。
【0009】
また、本開示の磁気テープ装置の制御方法は、磁気テープ装置の制御方法であって、前記磁気テープ装置は、磁気ヘッドと、前記磁気ヘッドの近傍を磁気テープが移動するように前記磁気テープを搬送するテープ搬送手段と、前記磁気テープの一端に設けられたリーダピンを搬送するためのリーダピン搬送手段と、を備え、前記テープ搬送手段と前記リーダピン搬送手段とは、板状体であるフレームの一方の面と他方の面とにそれぞれ配置され、前記フレームには、前記磁気ヘッドを内側に配置可能な貫通孔が設けられており、前記リーダピン搬送手段が、前記リーダピンを前記テープ搬送手段まで搬送し、前記テープ搬送手段が、前記リーダピンを係止する。
【0010】
また、本開示の磁気テープ装置の制御プログラムは、磁気テープ装置の制御プログラムであって、前記磁気テープ装置は、磁気ヘッドと、前記磁気ヘッドの近傍を磁気テープが移動するように前記磁気テープを搬送するテープ搬送手段と、前記磁気テープの一端に設けられたリーダピンを搬送するためのリーダピン搬送手段と、を備え、前記テープ搬送手段と前記リーダピン搬送手段とは、板状体であるフレームの一方の面と他方の面とにそれぞれ配置され、前記フレームには、前記磁気ヘッドを内側に配置可能な貫通孔が設けられており、前記リーダピン搬送手段に、前記リーダピンを前記テープ搬送手段まで搬送させる処理と、前記テープ搬送手段に、前記リーダピンを係止させる処理と、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の効果は、より小型化可能な磁気テープ装置等を提供できることである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本開示の磁気テープ装置の一例を示す側面模式図である。
図2】本開示の磁気テープ装置の構成の一例を示す側面模式図である。
図3】本開示のリーダブロックの一例を示す側面模式図である。
図4】本開示のリーダブロックの変形例を示す側面模式図である。
図5】本開示の磁気テープ装置の具体的な構成の一例を示す平面模式図である。
図6】本開示の磁気テープ装置の第1の動作状態を示す平面模式図である。
図7】本開示の磁気テープ装置の第2の動作状態を示す平面模式図である。
図8】本開示の磁気テープ装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい限定がされているが、発明の範囲を以下に限定するものではない。なお各図面の同様の構成要素には同じ番号を付し、説明を省略する場合がある。
【0014】
(第1の実施形態)
図1は、本開示の磁気テープ装置の一例を示す側面模式図である。磁気テープ装置100は、磁気ヘッド110と、テープ搬送手段120と、リーダピン搬送手段130と、を備える。テープ搬送手段120とリーダピン搬送手段130とは、フレーム140の一方の面と他方の面とにそれぞれ配置される。フレーム140は、板状体である。そして、フレーム140には貫通孔141が設けられている。磁気ヘッド110の少なくとも一部が、貫通孔141の内側に配置可能である。
【0015】
磁気ヘッド110が、磁気テープ200からのデータの読み出し、または、磁気テープ200へのデータの書き込みを行う。
【0016】
磁気ヘッド110の近傍を磁気テープ200が移動するように、テープ搬送手段120が磁気テープ200を搬送する。
【0017】
リーダピン搬送手段130がリーダピン210を搬送する。リーダピン210は、磁気テープ200の一端に設けられている。
【0018】
上記の構成では、磁気ヘッドの少なくとも一部が、貫通孔141の内側に配置される。このため、磁気ヘッド110の上部にカムギヤ等の部材が配置される構造に比べて、磁気テープ装置100の小型化が可能である。
【0019】
次に、リーダピン搬送手段130の構成例について説明する。図2は、本開示の磁気テープ装置100の構成の一例を示す側面模式図である。本例のリーダピン搬送手段130は、リーダブロック131と、線状体132と、ガイド部材133と、線状体駆動手段134とを備える。
【0020】
リーダブロック131がリーダピン210を把持する。リーダブロック131は、線状体132に取り付けられる。
【0021】
線状体駆動手段134が、線状体132を長手方向に駆動する。線状体132が長手方向に移動されると、リーダブロック131が線状体132と一緒に移動する。この動作によって、リーダピン210が搬送される。
【0022】
例えば、線状体132の一端が第1のリールに固定され、他端が第2のリールに固定される。この一対のリールの一方を巻取り、他方を巻出しとすることで、線状体132の駆動が可能である。そして、線状体132の中間が、ガイド部材133によってガイドされる。
【0023】
図3は、本開示のリーダブロックの一例を示す側面模式図である。リーダブロック131の一端には、磁気テープ200のリーダピン210が把持される。リーダブロック131によるリーダピン210の把持には、一般的な構成が適用可能である。例えば、フックによる係止や、一対の爪による把持などが用いられる。
【0024】
リーダブロック131は、取り付け部1311とスレッドピン1312を備える。取り付け部1311が線状体132に取り付けられる。これにより、リーダブロック131が線状体132に固定される。スレッドピン1312は、例えば、円柱状で、リーダブロック131が、スレッドピン1312の中心軸周りに回転可能である。後述するが、スレッドピン1312が、テープ搬送手段120に係止される。これにより、テープ搬送手段120による磁気テープ200の搬送が可能になる。
【0025】
(変形例)
図4は、本開示のリーダブロック131の変形例を示す側面模式図である。変形例の磁気テープ装置100は、第2のフレームを有する。テープ搬送手段120のフレーム140とは反対の側に、第2のフレーム150が設けられる。そして、変形例のリーダブロック131は、第2のフレーム150側にガイドボス1313を備える。後述する第2の溝にガイドボス1313が係止されることで、リーダブロック131の搬送方向が制御される。
【0026】
次に、磁気テープ200の具体例について説明する。図5は、本開示の磁気テープ装置100の具体的な構成の一例を示す平面模式図である。本例の磁気テープ装置100は、変形例と同様に、第2のフレーム150を備えている。フレーム140には、第1の溝142が設けられている。リーダブロック131が、第1の溝142に沿って移動する。また、第2のフレーム150には、第2の溝151が設けられている。第2の溝151は、第1の溝142と同じ軌道である。リーダブロック131のガイドボス1313に係止されることで、リーダブロック131の姿勢が一定に保たれる。磁気テープ装置100の全体は、筐体160に収容される。
【0027】
カートリッジ220に収容された磁気テープ200が、磁気テープ装置100に装着される。そして、リーダピン210が把持位置Aでリーダブロック131に把持される。また、テープ搬送手段120の中心の係止位置Bで、リーダブロック131がテープ搬送手段120に係止される。
【0028】
フレーム140には、貫通孔141が設けられている。そして、磁気ヘッド110が貫通孔141の内側に配置される。なお、貫通孔141の内側に配置されるものが、磁気ヘッド110の一部でも良い。磁気ヘッド110は、磁気ヘッド移動手段111によって、移動される。この移動によって、磁気ヘッド110と磁気テープ200の当接および離間が可能である。
【0029】
磁気ヘッド110の側方には、テープガイド部材121が設けられている。テープガイド部材121が、磁気テープ200の進行方向をガイドする。テープガイド部材121は、例えば、磁気ヘッド110の両側に設けられる。テープガイド部材121には、例えば、ローラが用いられる。また、例えば、空気軸受けが用いられる。
【0030】
線状体132の一端が第1のリール135に固定され、他端が第2のリール136に固定されている。第1のリール135と第2のリール136の一方が巻出し、他方が巻取りのなることで、線状体132が長手方向に搬送される。これに伴いリーダブロック131が搬送される。ここで、例えば、図示しないモータが、第1のリール135および第2のリール136を駆動する。図5では、ギヤが利用されることで、第1のリール135と第2のリール136が連動するようになっている。
【0031】
線状体132の中間部は、ガイド部材133によってガイドされる。図5の例では、第1の溝142に沿って、複数のガイド部材133が設けられている。
【0032】
線状体132は、例えば、ワイヤである。この場合、ガイド部材133としては、プーリ(滑車)が好適である。このような構成とすることで、ワイヤのスムーズな搬送が可能になる。また、例えば、線状体132がチェーンである。そして、例えば、ガイド部材133が、少なくとも1つのスプロケットを含む。チェーンがスプロケットに噛み合うことで、チェーンがスムーズに搬送される。
【0033】
テープ搬送手段120は、例えばリールである。そして、テープ搬送手段120の中心と、リーダブロック131のスレッドピン1312の中心が一致するように、リーダブロック131がテープ搬送手段120に係止される。その状態から、テープ搬送手段120が回転することで、磁気テープ200が搬送される。
【0034】
図6は、本開示の磁気テープ装置100の第1の動作状態を示す平面模式図である。第1の動作状態では、リーダブロック131が把持位置Aに搬送されている。この位置で、リーダブロック131がリーダピン210を把持する。
【0035】
図7は、本開示の磁気テープ装置100の第2の動作状態を示す平面模式図である。第1の動作状態のあと、線状体132が駆動され、リーダブロック131が、第1の溝142に沿って移動する。そして、第2の動作状態に示されているように、リーダブロック131が、係止位置Bまで移動する。そして、係止位置Bで、リーダブロック131が、テープ搬送手段120に係止される。これにより、スレッディングが完了する。
【0036】
例えば、テープ搬送手段120がリールであれば、第2の動作状態からリールが回転することで、磁気テープ200が搬送される。

図8は、本開示の磁気テープ装置100の動作の一例を示すフローチャートである。まず、把持位置Aにおいて、リーダブロック131が、リーダピン210を把持する(S1)。次に、リーダピン搬送手段130が、リーダピン210をテープ搬送手段120の係止位置Bまで搬送する(S2)。次に、テープ搬送手段120がリーダピン210を係止する(S3)。以上により、スレッディングが完了する。そして、テープ搬送手段120による磁気テープ200の搬送が可能になる。
【0037】
上記の構成では、磁気ヘッド110が、フレーム140の貫通孔141の内側に配置される。このため、磁気ヘッド110の上に部材が配置される構成に比べて、磁気テープ装置100の小型化が可能になる。
【0038】
以上、本開示の磁気テープ装置100等について説明した。
【0039】
本開示の磁気テープ装置100は、磁気ヘッド110と、テープ搬送手段120と、リーダピン搬送手段130と、を備える。テープ搬送手段120とリーダピン搬送手段130とは、フレーム140の一方の面と他方の面とにそれぞれ配置される。フレーム140は、板状体である。そして、フレーム140には貫通孔141が設けられている。磁気ヘッド110の少なくとも一部が、貫通孔141の内側に配置可能である。磁気ヘッド110の近傍を磁気テープ200が移動するように、テープ搬送手段120が磁気テープ200を搬送する。磁気テープ200の一端には、リーダピン210が設けられる。リーダピン搬送手段130が、このリーダピン210を、搬送する。テープ搬送手段120とリーダピン搬送手段130とは、フレーム140の一方の面と他方の面とにそれぞれ配置される。フレーム140は板状体である。そして、フレーム140には、磁気ヘッド110を内側に配置可能な貫通孔141が設けられている。
【0040】
以上の構成では、磁気ヘッド110が貫通孔141の内側に配置される。つまり、磁気ヘッド110の上に部材がない。このため、磁気ヘッド110の上に部材がある構成に比べて、磁気テープ装置100の小型化が可能になる。
【0041】
また、一態様によれば、磁気テープ装置100において、リーダピン搬送手段130が、リーダブロック131と、線状体132と、ガイド部材133と、線状体駆動手段134と、を有する。リーダブロック131が、リーダピン210を把持する。線状体132には、リーダブロック131が取り付けられる。ガイド部材133が、線状体132をガイドする。また、線状体駆動手段134が、線状体132を長手方向に駆動する。
【0042】
上記の構成では、ガイド部材133にガイドされた、線状体132によって、リーダブロック131が搬送される。このため、磁気ヘッド110の上にカムギヤ等の部材を設ける必要がない。その結果、磁気テープ装置100の小型化が可能になる。
【0043】
また、一態様によれば、磁気テープ装置100において、線状体132がワイヤである。そして、ガイド部材133がプーリである。
【0044】
上記の構成によって、リーダブロック131のスムーズな搬送が可能になる。
【0045】
また、一態様によれば、磁気テープ装置100において、線状体132がチェーンである。そして、ガイド部材が少なくとも1つのスプロケットを含む。
【0046】
上記の構成では、チェーンとスプロケットが噛み合うことで、リーダブロック131のスムーズな搬送が可能になる。
【0047】
また、一態様によれば、磁気テープ装置100が、第2のフレーム150を有する。テープ搬送手段120のフレーム140とは反対の側に、第2のフレームが設けられる。そして、フレーム140が第1の溝142を備える。また、第2のフレーム150が第2の溝151を備える。そして、第1の溝142および第2の溝151に沿って、リーダピン搬送手段130がリーダブロック131を搬送する、。
【0048】
上記の構成では、リーダブロック131が姿勢を一定に保った状態で、リーダブロック131が搬送される。このため、安定したスレッディングが可能になる。
【0049】
また、一態様によれば、磁気テープ装置100が、磁気ヘッド移動手段111を備える。磁気ヘッド移動手段111が、磁気ヘッド110を磁気テープ200に当接させる。
【0050】
上記の構成によって、磁気テープ200からのデータの読み出し、あるいは、磁気テープ200へのデータの書き込みが可能になる。
【0051】
また、一態様によれば、磁気テープ装置100が、テープガイド部材121を備える。テープガイド部材121は、磁気ヘッド110の側方に設けられる。そして、テープガイド部材121が、磁気テープ200の進行方向をガイドする。
【0052】
また、一態様によれば、磁気テープ装置100において、テープガイド部材121がローラである。
【0053】
上記の構成によって、磁気テープ200が滑らかに搬送される。
【0054】
また、一態様によれば、磁気テープ装置100において、テープガイド部材121が空気軸受けである。
【0055】
上記の構成によって、磁気テープ200が滑らかに搬送される。
【0056】
また、本開示の磁気テープ装置100の制御方法は、磁気テープ装置100の制御方法である。磁気テープ装置100は、磁気ヘッド110と、テープ搬送手段120と、リーダピン搬送手段130と、を備える。テープ搬送手段120とリーダピン搬送手段130とは、フレーム140の一方の面と他方の面とにそれぞれ配置される。フレーム140は、板状体である。そして、フレーム140には貫通孔141が設けられている。磁気ヘッド110の少なくとも一部が、貫通孔141の内側に配置可能である。磁気ヘッド110の近傍を磁気テープ200が移動するように、テープ搬送手段120が磁気テープ200を搬送する。磁気テープ200の一端には、リーダピン210が設けられる。リーダピン搬送手段130が、このリーダピン210を、搬送する。テープ搬送手段120とリーダピン搬送手段130とは、フレーム140の一方の面と他方の面とにそれぞれ配置される。フレーム140は板状体である。そして、フレーム140には、磁気ヘッド110を内側に配置可能な貫通孔141が設けられている。そして、この磁気テープ装置100の制御方法では、リーダピン搬送手段130が、リーダピン210をテープ搬送手段120まで搬送する。次に、テープ搬送手段120が、リーダピン210を係止する。
【0057】
上記の制御方法によって、磁気テープ装置100の小型化が可能になる。また、磁気テープ200のスレッディングが可能になる。
【0058】
本開示の磁気テープ装置100の制御プログラムは、磁気テープ装置100の制御プログラムである。磁気テープ装置100は、磁気ヘッド110と、テープ搬送手段120と、リーダピン搬送手段130と、を備える。テープ搬送手段120とリーダピン搬送手段130とは、フレーム140の一方の面と他方の面とにそれぞれ配置される。フレーム140は、板状体である。そして、フレーム140には貫通孔141が設けられている。磁気ヘッド110の少なくとも一部が、貫通孔141の内側に配置可能である。磁気ヘッド110の近傍を磁気テープ200が移動するように、テープ搬送手段120が磁気テープ200を搬送する。磁気テープ200の一端には、リーダピン210が設けられる。リーダピン搬送手段130が、このリーダピン210を、搬送する。テープ搬送手段120とリーダピン搬送手段130とは、フレーム140の一方の面と他方の面とにそれぞれ配置される。フレーム140は板状体である。そして、フレーム140には、磁気ヘッド110を内側に配置可能な貫通孔141が設けられている。そして、この磁気テープ装置100の制御プログラムは、リーダピン搬送手段130に、リーダピン210をテープ搬送手段120まで搬送させる処理をコンピュータに実行させる。また、磁気テープ装置100の制御プログラムが、テープ搬送手段120に、リーダピン210を係止させる処理を、コンピュータに実行させる。
【0059】
上記の制御プログラムによって、磁気テープ装置100の小型化が可能になる。また、磁気テープ200のスレッディングが可能になる。
【0060】
以上、上述した実施形態を模範的な例として本発明を説明した。しかしながら、本発明は、上記実施形態には限定されない。即ち、本発明は、本発明のスコープ内において、当業者が理解し得る様々な態様を適用することができる。
【0061】
上記の開示のいずれかの処理を、コンピュータに実行させるプログラムおよび該プログラムを格納した記録媒体も本発明の範囲に含む。記録媒体としては、例えば、磁気ディスク、磁気テープ、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリ、などを用いることができる。
【0062】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0063】
(付記1)
磁気ヘッドと、
前記磁気ヘッドの近傍を磁気テープが移動するように前記磁気テープを搬送するテープ搬送手段と、
前記磁気テープの一端に設けられたリーダピンを搬送するためのリーダピン搬送手段と、
を備え、
前記テープ搬送手段と前記リーダピン搬送手段とは、板状体であるフレームの一方の面と他方の面とにそれぞれ配置され、
前記フレームには、前記磁気ヘッドを内側に配置可能な貫通孔が設けられている、
ことを特徴とする磁気テープ装置。
【0064】
(付記2)
前記リーダピン搬送手段が、
前記リーダピンを把持するリーダブロックと、
前記リーダブロックが取り付けられる線状体と、
前記線状体をガイドするガイド部材と、
前記線状体を長手方向に駆動する線状体駆動手段と、
を有することを特徴とする付記1に記載の記録再生装置。
【0065】
(付記3)
前記線状体が、ワイヤであり、
前記線状体ガイド部材がプーリである、
ことを特徴とする付記2に記載の記録再生装置。
【0066】
(付記4)
前記線状体が、チェーンであり、
前記線状体ガイド部材が少なくとも1つのスプロケットを含む、
ことを特徴とする付記2に記載の記録再生装置。
【0067】
(付記5)
前記テープ搬送手段の前記フレームとは反対の側に設けられた第2のフレームを有し、
前記フレームが第1の溝を備え、
前記第2のフレームが第2の溝を備え、
前記リーダピン搬送手段が、
前記リーダブロックを前記第1の溝および前記第2の溝に沿って、前記リーダブロックを搬送する、
ことを特徴とする付記2乃至4のいずれか一付記に記載の磁気テープ装置。
【0068】
(付記6)
前記磁気ヘッドを前記磁気テープに当接させるための磁気ヘッド移動手段を備える、
ことを特徴とする付記1乃至5のいずれか一付記に記載の記録再生装置。
【0069】
(付記7)
前記磁気ヘッドの側方に設けられ、前記磁気テープの進行方向をガイドするテープガイド部材を備える、
ことを特徴とする付記1乃至6のいずれか一付記に記載の記録再生装置。
【0070】
(付記8)
前記テープガイド部材がローラである、
ことを特徴とする付記7に記載の記録再生装置。
【0071】
(付記9)
前記テープガイド部材が空気軸受けである、
ことを特徴とする付記7に記載の記録再生装置。
【0072】
(付記10)
磁気テープ装置の制御方法であって、
前記磁気テープ装置は、
磁気ヘッドと、
前記磁気ヘッドの近傍を磁気テープが移動するように前記磁気テープを搬送するテープ搬送手段と、
前記磁気テープの一端に設けられたリーダピンを搬送するためのリーダピン搬送手段と、
を備え、
前記テープ搬送手段と前記リーダピン搬送手段とは、板状体であるフレームの一方の面と他方の面とにそれぞれ配置され、
前記フレームには、前記磁気ヘッドを内側に配置可能な貫通孔が設けられており、
前記リーダピン搬送手段が、
前記リーダピンを前記テープ搬送手段まで搬送し、
前記テープ搬送手段が、
前記リーダピンを係止する、
ことを特徴とする磁気テープ装置の制御方法。
【0073】
(付記11)
磁気テープ装置の制御プログラムであって、
前記磁気テープ装置は、
磁気ヘッドと、
前記磁気ヘッドの近傍を磁気テープが移動するように前記磁気テープを搬送するテープ搬送手段と、
前記磁気テープの一端に設けられたリーダピンを搬送するためのリーダピン搬送手段と、
を備え、
前記テープ搬送手段と前記リーダピン搬送手段とは、板状体であるフレームの一方の面と他方の面とにそれぞれ配置され、
前記フレームには、前記磁気ヘッドを内側に配置可能な貫通孔が設けられており、
前記リーダピン搬送手段に、
前記リーダピンをテープ搬送手段まで搬送させる処理と、
前記テープ搬送手段に、
前記リーダピンを係止させる処理と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする磁気テープ装置の制御プログラム。
【符号の説明】
【0074】
100 磁気テープ装置
110 磁気ヘッド
111 磁気ヘッド移動手段
120 テープ搬送手段
121 テープガイド部材
130 リーダピン搬送手段
131 リーダブロック
132 線状体
133 ガイド部材
134 線状体駆動手段
135 第1のリール
136 第2のリール
140 フレーム
141 貫通孔
142 第1の溝
150 第2のフレーム
151 第2の溝
160 筐体
200 磁気テープ
210 リーダピン
220 カートリッジ
【要約】
【課題】より小型化可能な磁気テープ装置等を提供する。
【解決手段】磁気テープ装置は、磁気ヘッドと、前記磁気ヘッドの近傍を磁気テープが移動するように前記磁気テープを搬送するテープ搬送手段と、前記磁気テープの一端に設けられたリーダピンを搬送するためのリーダピン搬送手段と、を備え、前記テープ搬送手段と前記リーダピン搬送手段とは、板状体であるフレームの一方の面と他方の面とにそれぞれ配置され、前記フレームには、前記磁気ヘッドを内側に配置可能な貫通孔が設けられている。
【選択図】 図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8