(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-22
(45)【発行日】2025-01-30
(54)【発明の名称】クラウドサービス移行のための方法、装置、及び電子デバイス
(51)【国際特許分類】
G06F 16/185 20190101AFI20250123BHJP
G06F 3/06 20060101ALI20250123BHJP
【FI】
G06F16/185
G06F3/06 301X
G06F3/06 304E
G06F3/06 304F
(21)【出願番号】P 2020527993
(86)(22)【出願日】2018-11-14
(86)【国際出願番号】 CN2018115383
(87)【国際公開番号】W WO2019100984
(87)【国際公開日】2019-05-31
【審査請求日】2021-09-16
【審判番号】
【審判請求日】2024-01-29
(31)【優先権主張番号】201711186691.9
(32)【優先日】2017-11-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510330264
【氏名又は名称】アリババ・グループ・ホールディング・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ALIBABA GROUP HOLDING LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ス、ユビン
【合議体】
【審判長】須田 勝巳
【審判官】脇岡 剛
【審判官】吉田 美彦
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/145272(WO,A1)
【文献】米国特許第9648134(US,B2)
【文献】特開2014-186652(JP,A)
【文献】特開2013-196290(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F16/00-16/958
G06F 3/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソースクラスタ内にホストされるクラウドサービスに関連付けられる移行要求を取得する段階であって、前記移行要求は、前記ソースクラスタからターゲットクラスタに前記クラウドサービスを移行するためのスケジュールされた移行時間を含む、取得する段階と、
前記移行要求の取得に応じて、前記ソースクラスタ内の元のインスタンスに関連付けられるディスクに対する前記クラウドサービスのデータ操作を含むデータ要求を停止する段階と、
前記スケジュールされた移行時間及び移行優先度順位に基づいて、前記クラウドサービスの前記元のインスタンスに関連付けられるディスクデータを前記ターゲットクラスタ内にインスタンス化された前記クラウドサービスの新しいインスタンスに関連付けられるディスクに移行する段階と、
前記元のインスタンスに関連付けられる前記ディスクに対する前記クラウドサービスの前記停止する段階後のデータ操作を前記新しいインスタンスに関連付けられる前記ディスクに対するデータ操作として構成する段階と、
を備える方法であって、
前記移行する段階は、
前記移行中に、データ要求に含まれるデータが前記新しいインスタンスに関連付けられる前記ディスクに存在しないとの判断に応じて、前記データ要求に含まれる前記データの移行優先度を第1の移行優先度から第2の移行優先度に変更する段階であって、前記第2の移行優先度は前記データ要求に含まれる前記データが前記第1の移行優先度よりも早く移行されることを生じさせる段階を含
み、
前記方法はさらに、
前記新しいインスタンスに関連付けられる前記ディスクに対する前記クラウドサービスのデータ操作を含むデータ要求を、処理のために前記新しいインスタンスの処理キューにエンキューする段階と、
前記元のインスタンスの処理キューからデータ要求を、処理のために前記新しいインスタンスの前記処理キューに転送する段階と、を備える、方法。
【請求項2】
前記移行する段階は、
前記移行中に、データ要求に含まれるデータが前記新しいインスタンスに関連付けられる前記ディスクに存在するとの判断に応じて、前記データ要求を、前記新しいインスタンスに関連付けられる前記ディスクに対し実行する段階を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ターゲットクラスタ内の前記新しいインスタンスをインスタンス化する段階と、
前記新しいインスタンスに関連付けられるリソースコンポーネントを構成する段階と、
前記ソースクラスタにおける前記元のインスタンスを終了する段階と、
前記データ操作を構成する段階の前に、前記ターゲットクラスタにおける前記リソースコンポーネントに基づいて前記新しいインスタンスを開始する段階と、
をさらに備える請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記新しいインスタンスに関連付けられるリソースコンポーネントを構成する前記段階は、構成情報に基づいて前記ターゲットクラスタ内で前記新しいインスタンスを構成する段階を含み、前記構成情報は、前記元のインスタンスの構成と事前構成された構成インタフェースを介して取得される構成情報とで構成されるグループから選択される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記クラウドサービスの前記元のインスタンスに関連付けられるディスクデータを前記ターゲットクラスタ内にインスタンス化された前記クラウドサービスの前記新しいインスタンスに関連付けられる前記ディスクに移行する前記段階は、
前記元のインスタンスに関連付けられる前記ディスクデータを少なくとも1つのデータブロックに分割し、前記元のインスタンスに関連付けられる前記ディスクデータを前記新しいインスタンスに関連付けられる前記ディスクに前記データブロックの形態でコピーする段階と、
前記元のインスタンスに関連付けられる前記ディスクデータを少なくとも1つのデータブロックに分割し、各データブロックに対応するデータミラーリングイメージを生成し、前記元のインスタンスに関連付けられる前記ディスクデータを前記新しいインスタンスに関連付けられる前記ディスクにデータミラーリングを介してコピーする段階と、
のうちの1又は複数を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記データブロックは、前記データブロックがコピーされているかどうかをマーキングするためのフラグビットを用いて構成され、前記方法はさらに、
前記フラグビットに基づいて、前記新しいインスタンスに関連付けられる前記ディスクにコピーされたデータを前記元のインスタンスに関連付けられる前記ディスクデータと比較する段階と、
前記比較する段階の結果に基づいて、前記元のインスタンスに関連付けられる前記ディスクデータのコピーの進行を判断する段階と、
を備える、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記移行する段階は、前記データ要求に含まれるデータが前記新しいインスタンスに関連付けられる前記ディスクに存在しないとの判断に応じて、前記データ要求に含まれる前記データの移行優先度を高移行優先度に構成する段階と、
前記元のインスタンスに関連付けられる前記ディスクデータを前記ターゲットクラスタ内でインスタンス化された前記クラウドサービスの前記新しいインスタンスに関連付けられる前記ディスクに移行優先度の降順で移行する段階と、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記移行優先度の降順で移行する前記段階は、前記高移行優先度の前記データを前記元のインスタンスに関連付けられる前記ディスクから前記新しいインスタンスに関連付けられる前記ディスクに移行し、その移行が完了すると、前記データ要求に含まれる前記データ操作を前記新しいインスタンスに関連付けられる前記ディスクに対し実行する段階を含む、請求項
7に記載の方法。
【請求項9】
コンピュータに、
ソースクラスタ内にホストされるクラウドサービスに関連付けられる移行要求を取得する手順であって、前記移行要求は、前記ソースクラスタからターゲットクラスタに前記クラウドサービスを移行するためのスケジュールされた移行時間を含む、取得する手順と、
前記移行要求の取得に応じて、前記ソースクラスタ内の元のインスタンスに関連付けられるディスクに対する前記クラウドサービスのデータ操作を含むデータ要求を停止する手順と、
前記スケジュールされた移行時間及び移行優先度順位に基づいて、前記クラウドサービスの前記元のインスタンスに関連付けられるディスクデータを前記ターゲットクラスタ内にインスタンス化される前記クラウドサービスの新しいインスタンスに関連付けられるディスクに移行する手順と、
前記元のインスタンスに関連付けられる前記ディスクに対する前記停止する手順後の前記クラウドサービスのデータ操作を前記新しいインスタンスに関連付けられる前記ディスクに対するデータ操作として構成する手順と、
を実行させるプログラムであって、
前記移行する手順は、
前記移行中に、データ要求に含まれるデータが前記新しいインスタンスに関連付けられる前記ディスクに存在しないとの判断に応じて、前記データ要求に含まれる前記データの移行優先度を第1の移行優先度から第2の移行優先度に変更する手順であって、前記第2の移行優先度は前記データ要求に含まれる前記データが前記第1の移行優先度よりも早く移行されることを生じさせる手順を含み、
前記プログラムは、前記コンピュータにさらに、
前記新しいインスタンスに関連付けられる前記ディスクに対する前記クラウドサービスのデータ操作を含むデータ要求を、処理のために前記新しいインスタンスの処理キューにエンキューする手順と、
前記元のインスタンスの処理キューからデータ要求を、処理のために前記新しいインスタンスの前記処理キューに転送する手順とを実行させる、プログラム。
【請求項10】
前記コンピュータに
前記ターゲットクラスタ内の前記新しいインスタンスをインスタンス化する手順と、
前記新しいインスタンスに関連付けられるリソースコンポーネントを構成する手順と、
前記ソースクラスタにおける前記元のインスタンスを終了する手順と、
前記データ操作を構成する手順の前に、前記ターゲットクラスタにおける前記リソースコンポーネントに基づいて前記新しいインスタンスを開始する手順と、
をさらに実行させる、請求項
9に記載のプログラム。
【請求項11】
前記新しいインスタンスに関連付けられるリソースコンポーネントを構成する前記手順は、構成情報に基づいて前記ターゲットクラスタ内で前記新しいインスタンスを構成する手順を含み、前記構成情報は、前記元のインスタンスの構成と事前構成された構成インタフェースを介して取得される構成情報とで構成されるグループから選択される、請求項
10に記載のプログラム。
【請求項12】
前記移行する手順は、
前記元のインスタンスに関連付けられる前記ディスクデータを少なくとも1つのデータブロックに分割し、前記元のインスタンスに関連付けられる前記ディスクデータを前記新しいインスタンスに関連付けられる前記ディスクに前記データブロックの形態でコピーする手順と、
前記元のインスタンスに関連付けられる前記ディスクデータを少なくとも1つのデータブロックに分割し、各データブロックに対応するデータミラーリングイメージを生成し、前記元のインスタンスに関連付けられる前記ディスクデータを前記新しいインスタンスに関連付けられる前記ディスクにデータミラーリングを介してコピーする手順と、
のうちの1又は複数を含む、請求項
9から
11のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項13】
前記データブロックは、前記データブロックがコピーされているかどうかをマーキングするためのフラグビットで構成され、前記プログラムは前記コンピュータに、
前記フラグビットに基づいて、前記新しいインスタンスに関連付けられる前記ディスクにコピーされたデータを前記元のインスタンスに関連付けられる前記ディスクデータと比較する手順と、
比較する前記手順の結果に基づいて、前記元のインスタンスに関連付けられる前記ディスクデータのコピーの進行を判断する手順と、
をさらに実行させる、請求項
12に記載のプログラム。
【請求項14】
前記移行する手順は、
データ要求に含まれるデータが前記新しいインスタンスに関連付けられる前記ディスクに存在しないとの判断に応じて、前記データ要求に含まれる前記データの移行優先度を高移行優先度に構成する手順と、
前記元のインスタンスに関連付けられる前記ディスクデータを前記ターゲットクラスタ内でインスタンス化された前記クラウドサービスの前記新しいインスタンスに関連付けられる前記ディスクに移行優先度の降順で移行する手順と、
を含む、請求項
9から
13のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項15】
プロセッサと、
前記プロセッサによる実行のためのプログラムロジックをそこに有形に格納するための記憶媒体とを備える電子デバイスであって、格納された前記プログラムロジックは、
前記プロセッサにより実行されると、ソースクラスタ内にホストされるクラウドサービスに関連付けられる移行要求を取得するためのロジックであって、前記移行要求は、前記ソースクラスタからターゲットクラスタに前記クラウドサービスを移行するためのスケジュールされた移行時間を含む、ロジックと、
前記プロセッサにより実行されると、前記移行要求の取得に応じて、前記ソースクラスタ内の元のインスタンスに関連付けられるディスクに対する前記クラウドサービスのデータ操作を含むデータ要求を停止するためのロジックと、
前記プロセッサにより実行されると、前記スケジュールされた移行時間及び移行優先度順位に基づいて、前記クラウドサービスの元のインスタンスに関連付けられるディスクデータを前記ターゲットクラスタ内にインスタンス化された前記クラウドサービスの新しいインスタンスに関連付けられるディスクに移行するためのロジックと、
前記プロセッサにより実行されると、前記元のインスタンスに関連付けられる前記ディスクに対する前記クラウドサービスの前記停止後のデータ操作を前記新しいインスタンスに関連付けられる前記ディスクに対するデータ操作として構成するためのロジックと、
を含む、電子デバイスであって、
前記移行するためのロジックは、
前記移行中に、データ要求に含まれるデータが前記新しいインスタンスに関連付けられる前記ディスクに存在しないとの判断に応じて、前記データ要求に含まれる前記データの移行優先度を第1の移行優先度から第2の移行優先度に変更するロジックであって、前記第2の移行優先度は前記データ要求に含まれる前記データが前記第1の移行優先度よりも早く移行されることを生じさせるロジックを含
み、
前記プログラムロジックはさらに、
前記新しいインスタンスに関連付けられる前記ディスクに対する前記クラウドサービスのデータ操作を含むデータ要求を、処理のために前記新しいインスタンスの処理キューにエンキューするためのロジックと、
前記元のインスタンスの処理キューからデータ要求を、処理のために前記新しいインスタンスの前記処理キューに転送するためのロジックとを含む、電子デバイス。
【請求項16】
前記格納されたプログラムロジックは、
前記プロセッサにより実行されると、前記ターゲットクラスタ内に前記新しいインスタンスをインスタンス化するためのロジックと、
前記プロセッサにより実行されると、前記新しいインスタンスに関連付けられるリソースコンポーネントを構成するためのロジックと、
前記プロセッサにより実行されると、前記ソースクラスタにおける前記元のインスタンスを終了するためのロジックと、
前記プロセッサにより実行されると、前記データ操作を構成する前に、前記ターゲットクラスタにおける前記リソースコンポーネントに基づいて前記新しいインスタンスを開始するためのロジックと、
をさらに含む、請求項
15に記載の電子デバイス。
【請求項17】
前記新しいインスタンスに関連付けられるリソースコンポーネントを構成するための前記ロジックは、
前記プロセッサにより実行されると、構成情報に基づいて前記ターゲットクラスタ内で前記新しいインスタンスを構成するためのロジックであって、前記構成情報は、前記元のインスタンスの構成と事前構成された構成インタフェースを介して取得される構成情報とで構成されるグループから選択される、ロジックを含む、請求項
16に記載の電子デバイス。
【請求項18】
前記クラウドサービスの前記元のインスタンスに関連付けられるディスクデータを前記ターゲットクラスタ内にインスタンス化された前記クラウドサービスの前記新しいインスタンスに関連付けられる前記ディスクに移行するための前記ロジックは、
前記プロセッサにより実行されると、前記元のインスタンスに関連付けられる前記ディスクデータを少なくとも1つのデータブロックに分割し、前記元のインスタンスに関連付けられる前記ディスクデータを前記新しいインスタンスに関連付けられる前記ディスクに前記データブロックの形態でコピーするためのロジックと、
前記プロセッサにより実行されると、前記元のインスタンスに関連付けられる前記ディスクデータを少なくとも1つのデータブロックに分割し、各データブロックに対応するデータミラーリングイメージを生成し、前記元のインスタンスに関連付けられる前記ディスクデータを前記新しいインスタンスに関連付けられる前記ディスクにデータミラーリングを介してコピーするためのロジックと、
のうちの1又は複数を含む、請求項
15から
17のいずれか一項に記載の電子デバイス。
【請求項19】
前記データブロックは、前記データブロックがコピーされているかどうかをマーキングするためのフラグビットを用いて構成され、前記格納されたプログラムロジックはさらに、
前記プロセッサにより実行されると、前記フラグビットに基づいて、前記新しいインスタンスに関連付けられる前記ディスクにコピーされたデータを前記元のインスタンスに関連付けられる前記ディスクデータと比較するためのロジックと、
前記プロセッサにより実行されると、前記比較の結果に基づいて、前記元のインスタンスに関連付けられる前記ディスクデータのコピーの進行を判断するためのロジックと、
を含む、請求項
18に記載の電子デバイス。
【請求項20】
前記移行するためのロジックは、
前記プロセッサにより実行されると、データ要求に含まれるデータが前記新しいインスタンスに関連付けられる前記ディスクに存在しないとの判断に応じて、前記データ要求に含まれる前記データの移行優先度を高移行優先度に構成するためのロジックと、
前記プロセッサにより実行されると、前記元のインスタンスに関連付けられる前記ディスクデータを前記ターゲットクラスタ内でインスタンス化された前記クラウドサービスの前記新しいインスタンスに関連付けられる前記ディスクに移行優先度の降順で移行するロジックと、
を含む、請求項
15から
19のいずれか一項に記載の電子デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、2017年11月24日に出願された中国特許出願201711186691.9の優先権を主張する、2018年11月14日に出願された国際出願PCT/CN2018/115383の国内段階エントリであり、それらの両方は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、クラウドコンピューティングの分野に関し、特に、クラウドサービス移行のための方法、装置、及び電子デバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
クラウドコンピューティングの人気と開発が高まるにつれ、クラウドコンピューティングテクノロジーに基づく製品への関心が高まり、それにより、より多くの種類のクラウド製品が利用可能になっている。例えば、基本的なクラウドコンピューティングサービスであるクラウドサーバ(例えば、Elastic Compute Service(ECS))は、水、電気、ガス等のようなコモディティリソースのように便利且つ効率的にサービスを提供し、さまざまなアプリケーションを提供できる。しかし、クラウドサービスプロバイダが徐々に拡大し、新しいデータセンタを構築するにつれて、ユーザは、クラウドサービスを使用するときに地理的地域を選択するためのより堅牢な要件を持ち始める。一方、クラウドサービスに基づいて導入されたシステムアーキテクチャは進化と拡大を続けているため、クラウドサービスのディストリビューションを再調整する必要もある。さらに、ユーザサービスの範囲の調整に伴い、ユーザーエクスペリエンスを向上させるために、クラウドサービスを優先プロモーション地域に移行する必要もある。
【0004】
現在、クラウドサービスプロバイダは、クラウドサービスの移行に関連するこれらの上記のニーズに対応する包括的なソリューションを提供していない。例えば、ワシントン州シアトルのAmazon,Inc.が提供するクラウドコンピューティングサービスプラットフォームAWS(Amazon Web Services)は、クラウドサービス(例えば、ディスクミラーリング)にサービスするためのディスクのミラーリングされたイメージのみを提供する。ユーザはこれらのミラーリングされたイメージを使用して、ミラーリングイメージのコピー処理を介してデータを同期する。ディスク上のデータのサイズは一般に数百ギガバイト又はテラバイトの大きさであるため、データのミラーリングに長い時間がかかり、その結果、サービスが長時間中断する。さらに、ミラーリングを使用してデータを同期するという側面を除いて、クラウドサービスの包括的な移行はまだ実現されていない。従って、ユーザは、クラウドサービスのインスタンスの作成、アプリケーションサービスの配置、及びクラウドサーバのIPアドレスの構成のような構成を処理する必要がある。これらの動作はすべて、複雑な移行プロセスを必要とする。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、先行技術におけるクラウドサービス移行に関連付けられる延長されるサービス中断時間及び複雑な動作の技術的問題を解決するためのクラウドサービス移行のための方法、装置、及び電子デバイスを提供する。
【0006】
一実施形態では、本開示は、クラウドサービス移行方法を提供し、前記方法は、ソースクラスタ内にホストされたクラウドサービスに関連する移行要求を取得する段階であり、前記移行要求は、前記ソースクラスタからターゲットクラスタに前記クラウドサービスを移行するためのスケジュールされた移行時間を含む、段階と、前記スケジュールされた移行時間に基づいて、前記クラウドサービスの元のインスタンスに関連付けられるディスクデータを前記ターゲットクラスタ内にインスタンス化された前記クラウドサービスの新しいインスタンスのサービスのためのディスクに移行する段階であり、前記ディスクデータの前記移行は前記ディスクデータの移行優先度順位に基づいて実行される、段階と、ディスクに対する前記元のクラウドサービスインスタンスのデータ操作を前記新しいインスタンスのサービスのための前記ディスクに対する前記新しいクラウドサービスインスタンスのデータ操作として構成する段階と、を備える。
【0007】
一実施形態では、方法は、さらに、前記元のインスタンスのサービスのための前記ディスクに対する前記クラウドサービスの前記データ操作を前記新しいインスタンスのサービスのための前記ディスクに対する前記データ操作として構成する段階が実行される前に、前記ターゲットクラスタ内に新しいインスタンスをインスタンス化する段階と、前記新しいインスタンスと前記新しいインスタンスに関連付けられるリソースコンポーネントを構成する段階と、前記ソースクラスタにて前記元のインスタンスを終了する段階と、前記リソースコンポーネントに基づいて前記新しいインスタンスを開始する段階と、を備える。
【0008】
一実施形態では、前記新しいインスタンス及び前記新しいインスタンスに関連付けられるリソースコンポーネントを構成する段階は、前記元のインスタンスの前記構成情報に基づいて、前記同じ構成を前記構成情報として使用して前記ターゲットクラスタ内で前記新しいインスタンスを構成する段階、又は、事前構成された構成インタフェースを通じて取得される前記構成情報に基づいて前記新しいインスタンスを構成する段階、を含む。
【0009】
一実施形態では、リソースコンポーネントはディスクを含む。別の実施形態において、リソースコンポーネントは、さらに、CPU、メモリ、オペレーティングシステム、及びネットワーク接続のうち少なくとも1つを含む。
【0010】
一実施形態では、前記新しいインスタンス及び前記新しいインスタンスのリソースコンポーネントを構成する段階は、前記ターゲットクラスタ内でネットワークポートを割り当てる段階と、前記ソースクラスタのネットワークポートから前記クラウドサービスを解放する段階と、前記クラウドサービスを前記ターゲットクラスタに割り当てられる前記ネットワークポートに構成する段階と、ルーティング更新を実行する段階と、を含む。
【0011】
一実施形態では、前記新しいインスタンス及び前記新しいインスタンスのリソースコンポーネントを構成する段階は、前記元のインスタンスのサービスのための前記ディスクに対する前記クラウドサービスに関連付けられるデータ操作を停止する段階と、前記ターゲットクラスタ内の前記新しいインスタンスのサービスのための前記ディスクを割り当てる段階と、前記新しいインスタンスのサービスのための前記ディスクの前記割り当てが完了した後、前記スケジュールされた移行時間に基づいて、前記クラウドサービスの元のインスタンスに関連付けられるディスクデータを前記ターゲットクラスタ内にインスタンス化された前記クラウドサービスの新しいインスタンスのサービスのためのディスクに移行する段階と、前記元のインスタンスのサービスのためのディスクに対する前記クラウドサービスのデータ操作を前記新しいインスタンスのサービスのための前記ディスクに対するデータ操作として構成する段階と、を含む。
【0012】
一実施形態では、前記クラウドサービスの元のインスタンスに関連付けられる前記ディスクデータを前記ターゲットクラスタ内にインスタンス化された前記クラウドサービスの新しいインスタンスのサービスのためのディスクに移行する段階は、前記元のインスタンスに関連付けられる前記ディスクデータを少なくとも1つのデータブロックに分割し、前記元のインスタンスに関連付けられる前記ディスクデータを前記データブロックの形態で前記新しいインスタンスのサービスのための前記ディスクにコピーする段階と、前記元のインスタンスに関連付けられる前記ディスクデータを少なくとも1つのデータブロックに分割し、各データブロックに対応するデータミラーリングイメージを作成し、前記元のインスタンスに関連付けられる前記ディスクデータをデータミラーリングを介して前記新しいインスタンスのサービスのための前記ディスクにコピーする段階と、を含む。
【0013】
一実施形態では、データブロックは、データブロックがコピーされているかどうかをマーキングするためのフラグビットを用いて構成される。前記元のインスタンスに関連付けられる前記ディスクデータを前記新しいインスタンスのサービスのための前記ディスクにコピーする処理において、既にコピーされたデータは前記フラグビットに基づいて前記元のインスタンスに関連付けられる前記ディスクデータと比較され、前記元のインスタンスに関連付けられる前記ディスクデータのコピーの進行を決定する。
【0014】
一実施形態では、前記元のインスタンス及び前記新しいインスタンスは、それぞれの処理キューを用いてそれぞれ構成される。前記元のインスタンスのサービスのための前記ディスクに対する前記クラウドサービスのデータ操作を含むデータ要求は、前記元のインスタンスの前記処理キューにエンキューされ、前記新しいインスタンスのサービスのための前記ディスクに対する前記クラウドサービスのデータ操作を含むデータ要求は、前記新しいインスタンスの前記処理キューにエンキューされる。
【0015】
一実施形態では、前記元のインスタンスのサービスのためのディスクに対する前記クラウドサービスのデータ操作を前記新しいインスタンスのサービスのための前記ディスクに対するデータ操作として構成する段階の後、前記新しいインスタンスのサービスのための前記ディスクに対する前記クラウドサービスのデータ操作を含むデータ要求は、前記新しいインスタンスの前記処理キューにエンキューされ、前記元のインスタンスの前記処理キュー内の処理が完了していないデータ要求が、処理のために前記新しいインスタンスの前記処理キューに転送される。
【0016】
一実施形態では、前記ディスクデータの移行優先度は、前記データ要求に含まれる前記データが、前記新しいインスタンスのサービスのための前記ディスク内に存在するかどうか判断する段階と、前記データ要求内に含まれる前記データが前記新しいインスタンスのサービスのための前記ディスク内に存在しないとの判断に応じて、前記データ要求内に含まれる前記データの移行優先度を高移行優先度に構成する段階と、前記元のインスタンスに関連付けられる前記ディスクデータを前記ターゲットクラスタ内にインスタンス化された前記クラウドサービスの前記新しいインスタンスのサービスのための前記ディスクに移行する前記処理において、移行優先度の降順で前記移行を実行する段階と、により決定される。
【0017】
一実施形態では、前記新しいインスタンスの前記処理キューでのデータ要求の処理は、前記データ要求に含まれるデータが前記新しいインスタンスのサービスのための前記ディスク内に存在するかどうかを判断し、前記データ要求に含まれる前記データが前記新しいインスタンスのサービスのための前記ディスク内に存在するとの判断に応じて、前記新しいインスタンスのサービスのための前記ディスクに対し、前記データ要求に含まれるデータ操作を実行する段階と、前記データ要求に含まれる前記データが前記新しいインスタンスのサービスのための前記ディスク内に存在しないとの判断に応じて、前記高移行優先度の前記データを前記元のインスタンスのサービスのための前記ディスクから、前記新しいインスタンスのサービスのための前記ディスクに移行し、前記データの前記移行が完了すると前記新しいインスタンスのサービスのための前記ディスクに対し、前記データ要求に含まれるデータ操作を実行する段階と、を含む。
【0018】
一実施形態では、ソースクラスタ及びターゲットクラスタは、異なる利用可能ゾーン内に構成される。
【0019】
一実施形態では、クラウドサービスは、クラウドコンピューティングサービスを提供するためのクラウドサーバとして構成される。別の実施形態において、ソースクラスタは、少なくとも1つのクラウドサーバのクラウドサーバクラスタを含み、ターゲットクラスタは、少なくとも1つのクラウドサーバのクラウドサーバクラスタを含む。
【0020】
一実施形態では、本開示は、クラウドサービス移行装置を提供し、前記装置は、ソースクラスタ内のクラウドサービスに関連する移行要求を取得するよう構成された移行要求取得ユニットであり、前記移行要求は、前記ソースクラスタからターゲットクラスタに前記クラウドサービスを移行するためのスケジュールされた移行時間を含む、移行要求取得ユニットと、前記スケジュールされた移行時間に基づいて、前記クラウドサービスの元のインスタンスに関連付けられるディスクデータを、前記ターゲットクラスタ内にインスタンス化された前記クラウドサービスの新しいインスタンスのサービスのための、前記ターゲットクラスタ内に割り当てられたディスクに移行するよう構成されたディスク移行ユニットであり、前記ディスクデータの前記移行は前記ディスクデータの移行優先度順位に基づいて実行される、ディスク移行ユニットと、前記元のインスタンスのサービスのためのディスクに対する前記クラウドサービスのデータ操作を前記新しいインスタンスのサービスのための前記ディスクに対するデータ操作として構成するよう構成されたデータ操作構成ユニットと、を備える。
【0021】
一実施形態では、本開示は、電子デバイスを提供し、前記電子デバイスは、メモリ及びプロセッサを備え、前記メモリは、前記プロセッサに結合され、前記プロセッサにより読み取られて実行されると前記電子デバイスに、ソースクラスタ内にホストされたクラウドサービスに関連する移行要求を取得する段階であり、前記移行要求は前記クラウドサービスを前記ソースクラスタからターゲットクラスタに移行するためのスケジュールされた移行時間を含む、段階と、前記スケジュールされた移行時間に基づいて、前記クラウドサービスの元のインスタンスに関連付けられるディスクデータを前記ターゲットクラスタ内にインスタンス化された前記クラウドサービスの新しいインスタンスのサービスのためのディスクに移行する段階であり、前記ディスクデータの前記移行は、前記ディスクデータの移行優先度順位に基づいて実行される、段階と、前記元のインスタンスのサービスのためのディスクに対する前記クラウドサービスのデータ操作を前記新しいインスタンスのサービスのための前記ディスクに対するデータ操作として構成する段階と、を実行させるコンピュータ可読命令を格納するよう構成される。
【0022】
一実施形態では、本開示は、クラウドサービス移行方法を提供し、前記方法は、ソースクラスタ内にホストされたクラウドサービスに関連する移行要求を取得する段階であり、前記移行要求は、前記ソースクラスタからターゲットクラスタに前記クラウドサービスを移行するためのスケジュールされた移行時間を含む、段階と、前記スケジュールされた移行時間に基づいて、前記クラウドサービスの元のインスタンスに関連付けられるディスクデータを前記ターゲットクラスタ内にインスタンス化された前記クラウドサービスの新しいインスタンスのサービスのためのディスクに移行する段階であり、前記ディスクデータの前記移行は前記ディスクデータの移行優先度順位に基づいて実行される、段階と、前記元のインスタンスのサービスのためのディスクに対する前記クラウドサービスのデータ操作を前記新しいインスタンスのサービスのための前記ディスクに対するデータ操作として構成する段階と、を備える。
【0023】
様々な実施形態によると、クラウドサービス移行方法は、クラウドサービスをソースクラスタからターゲットクラスタに移行する処理において、ユーザにより指定され、クラウドサービスに対する移行要求に含まれるスケジュールされた移行時間に基づいて、ソースクラスタ内のクラウドサービスのディスクデータが、スケジュールされた移行時間に基づいてターゲットクラスタに移行され、ソースクラスタ内のディスクに対するクラウドサービスのデータ操作が、ターゲットクラスタ内のディスクに対するデータ操作として再構成されてターゲットクラスタ内の新しいインスタンスを介してサービスを提供する、ことを提供する。このように、クラウドサービスは、ソースクラスタからターゲットクラスタに、簡素化された技術を用いて移行され、クラウドサービスインスタンスにより提供されるクラウドサービスの中断により生ずる潜在的なサービス中断時間を削減し、それによりサービス移行における改善された効率及び利便性を実現する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本開示の幾つかの実施形態に係るクラウドサービス移行のための方法を示すフロー図である。
【0025】
【
図2】本開示の幾つかの実施形態に係るクラウドサーバ移行を示す概略図である。
【0026】
【
図3】本開示の幾つかの実施形態に係るクラウドサーバインスタンス
のサービスのためのディスクの移行を示す概略図である。
【0027】
【
図4】本開示の幾つかの実施形態に係るクラウドサービス移行の装置を示すブロック図である。
【0028】
【
図5】本開示の幾つかの実施形態に係るクラウドサービス移行に対する電子デバイスを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本開示の完全な理解を容易にするために、多くの特定の詳細が次の説明において明らかにされる。しかし、本開示は、本明細書に記載されている以外の多くの他の方式で実装されることができ、当業者は本開示の本質から逸脱することなく同様の導出を行うことができ、本開示は以下で説明される特定の実装によって限定されない。
【0030】
本開示は、クラウドサービスのための方法、装置、及び電子デバイスを提供する。以下における図面は、以下に詳細に説明される本開示の幾つかの実施形態である。
【0031】
図1は、本開示の幾つかの実施形態に係るクラウドサービス移行のための処理を示す。
図1に示されるように、クラウドサービス移行の処理は以下のステップを含む。示される実施形態では、本明細書に説明される方法は、クラウドコンピューティングプラットフォーム又は同様のシステムによって実行されてよい。
【0032】
ステップS101.ソースクラスタ内にホストされるクラウドサービスに関連する移行要求を取得する。
【0033】
本明細書で使用されるように、クラウドサービスは、基本的なクラウドコンピューティングサービスを提供するクラウドサーバ(例えば、Elastic Compute Service (ECS))を指す。クラウドサーバを使用するユーザは、事前にハードウェアデバイスを購入する必要はない。代りに、ユーザは、サービスの必要に基づいて要求される数のクラウドサーバインスタンスを作成する。クラウドサーバの使用の間、実際のサービスにおける変化に基づいて、クラウドサーバに関して、ユーザは、ディスクボリュームを拡大又は削減、ネットワーク帯域幅を増加又は減少する等してよい。幾つかのシナリオでは、ユーザは、もはや使用されないクラウドサーバに関連付けられるリソースを解放してよい。仮想コンピューティング環境として、クラウドサーバインスタンスは、CPU、メモリ、オペレーティングシステム、ディスク、ネットワーク帯域幅等のような必要なサーバリソースコンポーネントを含む。クラウドサーバインスタンスは、クラウドサーバにより、各ユーザ、仮想マシンである各クラウドサーバインスタンスに提供されるオペレーティングエンティティである。ユーザは、クラウドサーバインスタンスに関連付けられる管理権限を介して、クラウドサーバインスタンス上で、ディスクのマウント、キャッシュ、イメージミラーリング、環境開発等のような動作を実行してよい。
【0034】
一般的に、地理的地域は、1又は複数の利用可能ゾーンを用いて構成される。本明細書で使用されるように、利用可能ゾーンは、同じ領域内の1又は複数のデータセンタを指し、電力供給、通信ネットワーク等のようなインフラストラクチャは互いから切り離される。このように、障害は利用可能ゾーンの間で切り離され、クラウドサーバインスタンスのネットワーク遅延は、同じ利用可能ゾーン内でより低い。クラウドサーバインスタンスを同じ利用可能ゾーン内に配置するかどうかは、耐障害性及びネットワーク遅延感度の要件に依存する。耐障害性に対する高まった要件がある場合、クラウドサーバインスタンスは、同じ地理的地域の異なる利用可能ゾーン内に導入される。ネットワーク遅延感度に対する高まった要件がある場合、クラウドサーバインスタンスは、同じ地理的地域の同じ利用可能ゾーン内に導入される。一般的に、利用可能ゾーン内のデータセンタは、複数のクラウドサーバのクラウドサーバクラスタである。一例では、互いから分離して導入される複数のクラウドサーバクラスタは、同じ利用可能ゾーン内にある。
【0035】
様々な実施形態によると、クラウドサービス移行の方法は、クラウドサーバを、同じ地理的地域内の利用可能ゾーンを超えて移行する、又はクラウドサーバを、1つの地理的地域内の利用可能ゾーンから別の地理的地域内の利用可能ゾーンに移行するためにあってよい。幾つかの実施形態では、2つの利用可能ゾーンの間で、第1利用可能ゾーン内の第1クラウドサーバクラスタ内のクラウドサーバが、第2利用可能ゾーン内の第2クラウドサーバクラスタに移行される。
換言すると、クラウドサーバは、ソースクラウドサーバクラスタ(ソースクラスタ)からターゲットクラウドサーバクラスタ(ターゲットクラスタ)に移行される。
【0036】
クラウドサーバをソースクラウドサーバクラスタからターゲットクラウドサーバクラスタに移行することにおいて、移行のためのクラウドサーバの数は固定されず、実際のサービス要件に基づいて決定される。簡単のため、単一のクラウドサーバのみが、例として移行について示されるが、複数のクラウドサーバの移行も同様であり、本明細書に詳細には説明されない。
【0037】
このステップにおいて、ソースクラウドサーバクラスタ内でホストされたクラウドサーバに関連する移行要求が取得される。一実施形態では、移行要求は、クラウドサーバをソースクラウドサーバクラスタからターゲットクラウドサーバクラスタに移行するためのスケジュールされた移行時間を含む。換言すると、クラウドサーバは、事前にスケジュールされた方式で移行される。例えば、スケジュールされた移行時間は、タイマを使用してスケジュールされることができる。タイマがトリガされると(例えば、タイマによる現在時刻が移行の予定時刻に達するまでの時間の経過)、移行処理が実行されて、クラウドサーバがソースクラウドサーバクラスタからターゲットクラウドサーバクラスタに移行される。
図2に示されるように、特定の時点にてクラウドサーバをソースクラウドサーバクラスタからターゲットクラウドサーバクラスタに移行するために、ユーザが、移行されるクラウドサーバに対する移行処理(201)をスケジュールする。一実施形態では、タイマは、ユーザによって指定された時間に基づいて、スケジュールされた移行時間に満了するように構成される。タイマがトリガされると(207)(例えば、タイマによる現在時刻がスケジュールされた移行時間に達する)、移行処理が開始されて、実行(209、211)されてクラウドサーバが移行される。
【0038】
幾つかの実施形態では、クラウドサーバに関連する移行処理がスケジュールされた後(203)(例えば、移行時間がユーザにより指定される)、スケジュールされた移行時間は、実際のサービス要件のため、変更される必要があってよい(205)。例えば、クラウドサーバインスタンスによりホストされたクラウドサービスにより提供されるユーザサービスがビジーであると、スケジュールされた移行時間は延期される必要がある。このシナリオにおいて、スケジュールされた移行時間は、それゆえに、ユーザにより指定された後の時間に変更されることができる。同様に、クラウドサーバインスタンスによりホストされるクラウドサービスにより提供されるユーザサービスのプロモーションが期待される結果を超えると、1つの新しい利用可能ゾーン内のクラウドサーバを配置する元のプランが、それゆえに、複数の新しい利用可能ゾーン内のクラウドサーバを配置するよう調整されることができる。さらに、移行タスクが、1つのターゲットクラウドサーバクラスタから複数のターゲットクラウドサーバクラスタへの移行タスクに対応して、ターゲットクラウドサーバクラスタを変更するよう、変更されることもできる。これは、クラウドサーバを新しく割り当てられる利用可能ゾーン内のクラウドサーバクラスタに移行する移行タスクを追加することに等価である。
【0039】
ステップS102.スケジュールされた移行時間に基づいて、クラウドサービスの元のインスタンスに関連付けられるディスクデータをターゲットクラスタ内にインスタンス化されたクラウドサービスの新しいインスタンスのサービスのためのディスクに移行する。
【0040】
上記のステップS101では、クラウドサーバをソースクラウドサーバクラスタからターゲットクラウドサーバクラスタに移行するための移行要求が取得され、移行時間が、移行要求に含まれるスケジュールされた移行時間に基づいて決定される。ステップS102では、ソースクラウドサーバクラスタ内のクラウドサーバの元のインスタンスに関連付けられるディスクデータが、スケジュールされた移行時間に基づいて、ターゲットクラウドサーバクラスタ内でインスタンス化されたクラウドサーバの新しいインスタンスのサービスのためのディスクに移行される。
【0041】
本開示の幾つかの実施形態では、ソースクラウドサーバクラスタ内のクラウドサーバの元のインスタンスに関連付けられるディスクデータが、ターゲットクラウドサーバクラスタ内でインスタンス化されたクラウドサーバの新しいインスタンスのサービスのためのディスクに移行される前に、以下の手順が実行される。
【0042】
1)ターゲットクラウドサーバクラスタ内のクラウドサーバの新しいインスタンスをインスタンス化する。
【0043】
上記のステップS101を介してソースクラウドサーバクラスタ内のクラウドサーバをターゲットクラウドサーバクラスタに移行するための移行要求を取得した後、クラウドサーバをソースクラウドサーバクラスタからターゲットクラウドサーバクラスタに移行する処理の間、
まずクラウドサーバのインスタンス(例えば、新しいインスタンス)
が、ターゲットクラウドサーバクラスタ内に
インスタンス化
される。
図2に示されるように、特定のスケジュールされた移行時間にて、クラウドサーバをソースクラウドサーバクラスタからターゲットクラウドサーバクラスタに移行するために、クラウドサーバに対する移行要求が取得された後、クラウドサーバに対する移行処理が、移行要求内に含まれるスケジュールされた移行時間に関連付けられるトリガ(207)に基づいて実行される(209、211)。この例では、クラウドサーバの新しいインスタンスが、ターゲットクラウドサーバクラスタ内でインスタンス化される。
【0044】
2)クラウドサーバの新しいインスタンス及び新しいインスタンスに関連付けられるリソースコンポーネントを構成する。
【0045】
上で説明したように、クラウドサーバインスタンスは、CPU、メモリ、オペレーティングシステム、ディスク、ネットワーク帯域幅等のような必要なサーバリソースコンポーネントを含む仮想コンピューティング環境である。一実施形態では、クラウドサーバにより使用されるリソースは、3つのカテゴリ、インスタンス、ネットワーク接続、及びストレージ(例えば、ディスク)に分類される。以下は、インスタンスリソース及びネットワークリソースの移行プロセスを、ターゲットクラウドサーバクラスタ内でインスタンス化されるクラウドサーバの新しいインスタンスの構成及び新しいインスタンスのリソースコンポーネントの構成を説明する例として示す。
【0046】
a.クラウドサーバの新しいインスタンス。
【0047】
本明細書で使用されるように、クラウドサーバのインスタンスは、CPU及びメモリリソースの収集された利用を指し、構成はその構成を通じて示される。例えば、{コア:2、メモリ:2048}の構成に対して、2つのコアのCPU及び2ギガバイトのサイズのメモリで構成されるインスタンスを示す。クラウドサーバの管理は、クラウドサーバ上の移行管理を必要機能として含む上位層のクラウドコントロールシステムにより実装される。このように、クラウドサーバのインスタンスの移行は、クラウドコントロールシステムにより実装され、クラウドコントロールシステムは、ソースクラウドサーバクラスタ内のクラウドサーバの元のインスタンスを解放し、クラウドサーバの元のインスタンスの構成情報に基づく同じ構成でのインスタンス化要求をターゲットクラウドサーバクラスタに送信し、ターゲットクラウドサーバクラスタ内でインスタンス化される新しいインスタンスを同じ構成で構成する。クラウドサーバのインスタンスの移行は、構成が完了すると完了する(213)。幾つかの実施形態では、移行を完了した後、スケジュールされた移行時間が削除される(215)。
【0048】
さらに、実装では、クラウドサーバインスタンスによりホストされるクラウドサービスにより提供されるユーザサービスのスケールの増大に伴って、ユーザは、クラウドサービスが、ユーザサービスをより大きなスケールでサポートすることを意図する。換言すると、クラウドサービスを提供するクラウドサーバの新しいインスタンスは、より多くのリソースで構成される必要がある。クラウドサーバの新しいインスタンスの構成が元のインスタンスのそれと異なるような場合に、クラウドサーバの新しいインスタンスを構成するための構成インタフェースが提供される。このように、ユーザは、構成インタフェースを介して自己定義された新しいインスタンスの構成情報を送信する。その後、ユーザにより送信された構成情報が構成インタフェースにおいて取得される。新しいインスタンスは、取得された構成情報に基づいて構成されて、ユーザサービスの要件をより適切に適応する。
【0049】
b.クラウドサーバのネットワーク。
【0050】
一実施形態では、ネットワーク移行は、クラウドコントロールシステムによりクラウドサーバに関連付けられるネットワークポートを割り当てるとともに解放するルーティング通知処理により実装される。一例では、そのような処理は、ターゲットクラウドサーバクラスタ内のクラウドサーバに対するネットワークポートを割り当てること、クラウドコントロールシステムにより転送されるネットワーク構成情報に基づいて、クラウドサービスをソースクラウドサーバクラスタにおけるネットワークポートから解放すること、クラウドサービスをターゲットクラウドサーバクラスタ内に割り当てられるネットワークポートに構成すること、ルーティング更新及びアドレス解決プロトコル(ARP)アドバタイズを完了することを含む。このように、端末ポートは、ブロードキャストを介してクラウドサーバに関連付けられるネットワークポートがソースクラウドサーバクラスタからターゲットクラウドサーバクラスタに変更されることを通知される。
【0051】
一実施形態では、ネットワーク移行の間、ユーザは、移行の前後でIPアドレスをキープする。このように、所有のネットワークの地理的地域において、IPアドレスは、地理的地域内のすべて利用可能ゾーンにおいて到達可能である。代替的に、ユーザは、IPアドレスを変更することを選択してよい。この場合に、新しい関係のみが、移行前のIPアドレスと移行後のIPアドレスの間をマッピングするために確立される必要がある。しかし、地理的地域の全体からIPアドレスにアクセスすると、時折、ネットワークアクセスの品質が低下することを導く。従って、ネットワークアクセス品質を保証するために、一例において、IPアドレスの移行は、IPアドレスが同じ地理的地域内に属しているときのみ実行され、サービスへのアクセスの高い効率を保証する。
【0052】
3)ソースクラウドサーバクラスタ内で元のインスタンスを終了し、リソースコンポーネントに基づいてターゲットクラウドサーバクラスタ内にインスタンス化される新しいインスタンスを開始する。
【0053】
このステップでは、上記の動作における新しいインスタンス及び新しいインスタンスのリソースコンポーネントを構成した後、クラウドサーバの元のインスタンスがソースサーバクラスタにて終了される。次に、クラウドサーバの新しいインスタンスが、リソースコンポーネントに基づいて開始され、クラウドサーバの新しいインスタンスが、ユーザにサービスを提供できるようになる。
【0054】
一実施形態では、ソースクラウドサーバクラスタ内のクラウドサーバの元のインスタンスに関連付けられるディスクデータが、スケジュールされた移行時間に基づいて、ターゲットクラウドサーバクラスタ内でインスタンス化されたクラウドサーバの新しいインスタンスのサービスのためのディスクに移行される前に、以下の手順が実行される。動作は、元のインスタンスのサービスのためのディスクに対するクラウドサービスのデータ操作(読み取り及び書き込み処理を含む)を停止することを含む。動作は、さらに、ターゲットクラウドサーバクラスタにおける新しいインスタンスのサービスのためのディスクを割り当てることを含み、これに基づいて、ソースクラウドサーバクラスタ内のクラウドサーバの元のインスタンスに関連付けられるディスクデータが、ターゲットクラウドサーバクラスタ内にインスタンス化されたクラウドサーバの新しいインスタンスのサービスのためのディスクに移行される。実装では、クラウドサーバの元のインスタンス及びクラウドサーバの新しいインスタンスは、それぞれ、独自の処理キューを有する。そのような処理キューには、元のインスタンスの処理キューと新しいインスタンスの処理キューとが含まれ、元のインスタンスの処理キューには、元のインスタンスのサービスのためのディスクに対するクラウドサーバのデータ操作を含むデータ要求(読み取り又は書き込み要求を含む)が処理のためにエンキューされ、新しいインスタンスの処理キューには、新しいインスタンスのサービスのためのディスクに対するクラウドサーバのデータ操作を含む読み取り又は書き込み要求が処理のためにエンキューされる。
【0055】
図3、本開示の幾つかの実施形態に係るクラウドサービス
のサービスのためのディスクの移行を示すフロー図に移る。
図3に示されるように、ディスクA(301)は、ソースサーバクラスタに割り当てられて、移行されるクラウドサーバをサービスする。クラウドサーバは、ディスクAからデータを読み取り、それにデータを書き込むように構成される。クラウドシステムの上位層がディスクA(301)に関連する移行命令を発行すると、ディスクA(301)は読み取り及び書き込み処理のすべてを停止するよう構成される。さらに、元のインスタンスの処理キューは、そこにエンキューされた読み取り及び書き込み要求を処理することを停止する。また、ディスクA(301)は、削除予定の状態でマーキングされる。クラウドサーバ
のサービスのためのディスクB(303)は、ターゲットクラウドサーバクラスタ内で割り当てられ、その後、ディスクB(303)は、読み取り及び書き込みサービスを提供することを開始するよう構成される。例えば、ディスクB(303)に対する読み取り又は書き込み動作を含む読み取り又は書き込み要求は、新しいインスタンスの処理キューにエンキューされ、新しいインスタンスの読み取り及び書き込み処理は、すべてディスクB(303)に対して実行される。元のインスタンスの処理キューが処理のためにそこで読み取り/書き込み要求をデキューするのを停止すると、元のインスタンスの処理キューにあり、処理が完了していない読み取り/書き込み要求が、処理のために新しいインスタンスの処理キューに転送される。
【0056】
幾つかの実施形態では、元のインスタンスに関連付けられるディスクデータは、バックグランドスレッドの実行を介して新しいインスタンスのサービスのためのディスクにコピーされる。一例では、移行優先度は、移行の間、ディスクデータに対して構成され、元のインスタンスに関連付けられるディスクデータの移行は、低移行優先度の構成を用いて開始される。移行の間、読み取り/書き込み処理が新しいインスタンスにより実行されると、データ要求内に含まれるデータが、新しいインスタンスのサービスのためのディスク内に存在するかどうかが判断される。データがクラウドサーバの新しいインスタンスのサービスのためのディスク上に存在しないとの判断に応じて、データ要求に含まれるデータの移行優先度を高移行優先度に設定する。このように、元のインスタンスに関連付けられるディスクデータをターゲットクラスタ内でインスタンス化されたクラウドサービスの新しいインスタンスのサービスのためのディスクに移行する処理において、移行は移行優先度の降順で実行される。
【0057】
図3に示されるように、ディスクA(301)上のデータは、バックグランドスレッドの実行によりディスクB(303)にコピーされる。そのようなコピーの間、読み取り又は書き込み動作が新しいインスタンス上で実行されると、読み取り又は書き込み動作を含む読み取り又は書き込み要求に含まれるデータがディスクB(303)上に存在するかどうかが判断される。データがディスクB(303)上に存在するとの判断に応じて、読み取り又は書き込み要求に含まれる読み取り又は書き込み動作がディスクBに対して実行される。そうでなければ、新しいインスタンスに関連付けられるデータがディスクB(303)上に存在しない(例えば、要求されたデータがディスクB303にまだコピーされていない)との判断に応じて、新しいインスタンスに関連付けられるデータの移行優先度が、低移行優先度から高移行優先度に変更される。これに基づいて、読み取り又は書き込み要求内に含まれる読み取り又は書き込み動作がディスクB(303)に対して実行されることが完了すると、高移行優先度のデータ(例えば、新しいインスタンスに関連付けられるデータ)がディスクA(301)からディスクB(303)にコピーされる。この実装は、非同期データコピーの基礎であり、非同期データコピーは、クラウドサーバの新しいインスタンスがサービスの提供を開始する前に、ディスクA(301)上のデータがディスクB(303)に完全にコピーされるのを待つ必要はないことを導き、それにより、ユーザサービスに関連付けられる中断時間(例えば、ダウンタイム)を削減することができる。
【0058】
一実施形態では、ディスクA(301)上のデータのディスクB(303)へのコピーは、元のインスタンスに関連付けられるディスクA(301)のデータを少なくとも1つのデータブロックに分割することにより実行され、元のインスタンスに関連付けられるディスクA(301)上のデータが、そのようなデータブロックの形態で新しいインスタンスのサービスのためのディスクB(303)にコピーされる。さらに、ディスクA(301)上のデータは、イメージミラーリングによりディスクB(303)にコピーされる。一例では、ディスクA(301)上のデータは、少なくとも1つのデータブロックに分割され、そして、各データブロックに対応するデータミラーリングイメージが作成され、ディスクA(301)上のデータはデータミラーリングに介してディスクB(303)にコピーされる。
【0059】
さらに、データブロックがコピーされているかどうかをマーキングするフラグビットが、データブロックに対して構成されることができる。一例では、データブロックがディスクB(303)にコピーされていると、データブロックのフラグビットは1としてマーキングされ、データブロックがコピーされていないと、データブロックのフラグビットは0としてマーキングされる。これに基づいて、ディスクA(301)上のデータをディスクB(303)にコピーする処理において、既にコピーされたデータが、データブロックのフラグビットに基づいてディスクA(301)上のデータと比較され、ディスクA(301)上のデータのコピーの進行を判断する。実装では、ディスクA(301)上のデータのコピーの進行を判断するために使用される比較は、ユーザが、ディスクA(301)上のデータをディスクB(303)にコピーするリアルタイムのコピーの進行を取得することができる移行進行クエリインタフェースにカプセル化される。
【0060】
一般的に、ディスク上のデータのサイズは、数百ギガバイト又は数テラバイトの大きさである。ディスクデータを約100GB/時間のスピードでコピーすることができると仮定すると、現在のシステムにより利用される技術では、コピーのためにミラーイメージにミラーリングされるディスクデータをコピーするのに数時間かかる。対照的に、本開示の技術的解決手段は、元のインスタンスにより提供されるサービスの終了からクラウドサービスの新しいインスタンスが開始される後に提供されるサービスの再開まで数えて、約2、3分のサービス中断時間を提供する。従って、本開示の技術的解決手段は、現在の移行技術に関連付けられる数時間又はより長いサービス中断時間と比較して、より効率的である。
【0061】
ここで、
図1に戻って参照すると、処理は、さらにステップS103.元のインスタンス
のサービスのためのディスクに対するクラウドサービスのデータ操作を新しいインスタンス
のサービスのためのディスクに対するデータ操作として構成することを含む。
【0062】
上で説明したように、クラウドサービスの元のインスタンス及びクラウドサーバの新しいインスタンスの各々は、それらのそれぞれの処理キューを用いて構成される。一例では、元のインスタンスのサービスのためのディスクに対するクラウドサーバのデータ操作を含むデータ要求(例えば、読み取り又は書き込み要求を含む要求)は、元のインスタンスの処理キューに処理のためにエンキューされる。新しいインスタンスのサービスのためのディスクに対するクラウドサーバのデータ操作を含む読み取り又は書き込み要求は、処理のために新しいインスタンスの処理キューにエンキューされる。
【0063】
スケジュールされた移行時間に基づいて、クラウドサーバの元のインスタンスに関連付けられるディスクデータをソースクラウドサーバクラスタから、ターゲットクラウドサーバクラスタ内にインスタンス化されるクラウドサーバの新しいインスタンスのサービスのためのディスクに、上記のように移行することに基づいて、元のインスタンスのサービスのためのディスクに対するクラウドサーバのデータ操作が、新しいインスタンスのサービスのためのディスクに対するデータ操作として構成され、それにより、クラウドサーバにより提供されるクラウドサービスをソースクラウドサーバクラスタからターゲットクラウドサーバクラスタに移行する。
【0064】
図3を参照すると、クラウドサーバ(305)(例えば、クラウドサービスを提供するクラウドサーバの元のインスタンス)は、データをディスクA(301)から読み取り、ディスクA(301)にデータを書き込む。クラウドシステムの上位層がディスクA(301)に関連する移行命令を発行すると、ディスクA(301)は、読み取り及び書き込み処理をすべて停止し、元のインスタンスの処理キューは、そこにエンキューされた読み取り要求及び書き込み要求を処理するのを停止する。さらに、ディスクA(301)は、削除予定の状態でマーキングされ、クラウドサーバ
のサービスのためのディスクB(303)
が、ターゲットクラウドサーバクラスタに割り当てられる。次に、ディスクB(303)
が割り当てられた後、
ディスクB(303)は読み取り及び書き込み要求
に対しサービス供給するのを開始し、ディスクB(303)に対する読み取り処理又は書き込み処理を含む読み取り要求又は書き込み要求が、新しいインスタンスの処理キューにエンキューされる。新しいインスタンスの読み取り処理及び書き込み処理は、すべてディスクB(303)に対して実行される。元のインスタンスの処理キューがそこにエンキューされた読み取り要求及び書き込み要求を処理するのを停止した後、まだ元のインスタンスの処理キュー内にあり、処理がまだ完了していない読み取り要求及び書き込み要求が、処理のために新しいインスタンスの処理キューに転送される。
【0065】
幾つかの実施形態では、クラウドサーバは、「ライブ移行」の方式でソースクラウドサーバクラスタからターゲットクラウドサーバクラスタに移行される。一例では、上記の移行と比較して、元のインスタンスのサービスのためのディスクに対するクラウドサーバの読み取り又は書き込み動作が停止される前に(例えば、元のインスタンスのサービスが停止される前に)、新しいインスタンスがインスタンス化され、当該インスタンスのサービスのためのディスクがターゲットクラウドサーバクラスタに割り当てられる。また、相応に新しいインスタンス及び新しいインスタンスのサービスのためのディスクが構成され、その完了後に新しいインスタンスが開始される。新しいインスタンスが開始された後、元のインスタンスに関連付けられるメモリデータは、新しいインスタンスの実行に関連付けられるメモリにコピーされ、元のインスタンスの実行状態(例えば、CPU状態、レジスター状態)に関連する実行状態データがさらに、元のインスタンスの実行状態に関連する実行状態データが事前に構成された閾値より低くなるまで、新しいインスタンスにコピーされる。その後、元のインスタンスのサービスのためのディスク(例えば、ディスクA301)に対するクラウドサーバの読み取り処理及び書き込み処理が停止され、残りの実行状態データが新しいインスタンスにコピーされ、元のインスタンスのサービスのためのディスク(例えば、ディスクA301)に対するクラウドサーバのデータ操作が、新しいインスタンスのサービスのためのディスク(例えば、ディスクB303)に対するデータ操作として構成され、それにより、クラウドサーバの移行を実現する。クラウドサーバを移行するためにライブ移行技術を使用して、サービス中断時間はより短く、ミリ秒又はマイクロ秒のオーダー内で制御されることができ、クラウドサーバのより効率的な移行を実現する。
【0066】
様々な実施形態により、クラウドサービス移行解決は、ユーザにより指定され、移行要求内に含まれるスケジュールされた移行時間に基づいて、クラウドサーバをソースクラウドサーバクラスタからターゲットクラウドサーバクラスタに移行する処理において、クラウドサーバは、スケジュールされた移行時間に基づいてソースクラウドサーバクラスタからターゲットクラウドサーバクラスタに移行されることを提供される。ソースクラウドサーバクラスタ内のディスクに対するクラウドサービスのデータ操作は、ターゲットクラウドサーバクラスタ内のディスクに対するデータ操作として再構成され、ターゲットクラウドサーバクラスタ内の新しいインスタンスによりサービスを提供する。このように、クラウドサーバは、シンプルな実装を用いてソースクラウドサーバクラスタからターゲットクラウドサーバクラスタに移行されるとともに、クラウドサービスインスタンスにより提供されるサービスの中断により生ずるサービス中断時間を削減し、より効率的で便利な移行を実現する。
【0067】
図4は、本開示の幾つかの実施形態に係るクラウドサービス移行の例示的装置を示すブロック図である。クラウドサービス移行装置は、実質的に、上で説明されたクラウドサービス移行に対する方法と同様であり、詳細は、簡単のため本明細書では繰り返すことはしない。
【0068】
図4に示されるように、サービス移行のための装置(400)は、移行要求取得ユニット(401)、ディスク移行ユニット(402)、及びデータ操作構成ユニット(403)を含む。
【0069】
移行要求取得ユニット(401)は、ソースクラスタ内にホストされるクラウドサービスに関連付けられる移行要求を取得するよう構成され、移行要求は、ソースクラスタからターゲットクラスタにクラウドサービスを移行するためのスケジュールされた移行時間を含む。
【0070】
ディスク移行ユニット(402)は、スケジュールされた移行時間に基づいて、クラウドサービスの元のインスタンスに関連付けられるディスクデータをターゲットクラスタ内にインスタンス化されたクラウドサービスの新しいインスタンスのサービスのためのディスクに移行するよう構成され、ディスクデータの移行は、ディスクデータの移行優先度順位に基づく。
【0071】
データ操作構成ユニット(403)は、元のインスタンスのサービスのためのディスクに対するクラウドサービスのデータ操作を新しいインスタンスのサービスのためのディスクに対するデータ操作として構成するよう構成される。
【0072】
一実施形態では、クラウドサービス移行のための装置(400)は、さらに、新しいインスタンスインスタンス化ユニット、構成ユニット、及び新しいインスタンス開始ユニットを含む。
【0073】
新しいインスタンスインスタンス化ユニットは、ターゲットサーバクラスタ内のクラウドサービスの新しいインスタンスをインスタンス化するよう構成される。
【0074】
構成ユニットは、新しいインスタンスに関連付けられる新しいインスタンス及びリソースコンポーネントを構成するように構成される。
【0075】
新しいインスタンス開始ユニットは、ソースサーバクラスタにて元のインスタンスを停止するよう構成され、リソースコンポーネントに基づいて新しいインスタンスを開始する。
【0076】
幾つかの実施形態では、構成ユニットは、第1の新しいインスタンス構成サブユニット及び第2の新しいインスタンス構成サブユニットのうちの1つ又は両方を含む。
【0077】
第1の新しいインスタンス構成サブユニットは、元のインスタンスの構成情報に基づいて、構成情報と同じ構成を使用してターゲットクラスタ内に新しいインスタンスを構成するよう構成される。
【0078】
第2の新しいインスタンス構成サブユニットは、事前構成された構成インタフェースを通じて取得された構成情報に基づいて新しいインスタンスを構成するよう構成される。
【0079】
幾つかの実施形態では、リソースコンポーネントはディスクを含む。幾つかの他の実施形態において、リソースコンポーネントは、さらに、CPU、メモリ、オペレーティングシステム、及びネットワーク接続のうち少なくとも1つを含む。
【0080】
幾つかの実施形態では、構成ユニットは、ネットワークポート割り当てサブユニット及びネットワークポート移行サブユニットを含む。
【0081】
ネットワークポート割り当てサブユニットは、ターゲットクラスタ内にネットワークポートを割り当てるよう構成される。
【0082】
ネットワークポート移行サブユニットは、ソースクラスタにてネットワークポートからクラウドサービスを解放し、クラウドサービスをターゲットクラスタにて割り当てるネットワークポートに構成し、ルーティング更新を実行するよう構成される。
【0083】
幾つかの実施形態では、構成ユニットは、データ操作停止ユニット及びディスク割り当てサブユニットを含む。
【0084】
データ操作停止ユニットは、元のインスタンスのサービスのためのディスクに対するクラウドサービスのデータ操作を停止するよう構成される。
【0085】
ディスク割り当てサブユニットは、ターゲットクラスタ内に新しいインスタンスのサービスのためのディスクを割り当てるよう構成される。
【0086】
幾つかの実施形態では、データ操作構成ユニット(403)は、第1コピーサブユニット及び第2コピーサブユニットのうちの1つ又は両方を含む。
【0087】
第1コピーサブユニットは、元のインスタンスに関連付けられるディスクデータを少なくとも1つのデータブロックに分割し、元のインスタンスに関連付けられるディスクデータを新しいインスタンスのサービスのためのディスクにデータブロックの形態でコピーするよう構成される。
【0088】
第2コピーサブユニットは、元のインスタンスに関連付けられるディスクデータを少なくとも1つのデータブロックに分割し、各データブロックに対応するデータミラーリングイメージを作成し、元のインスタンスに関連付けられるディスクデータを新しいインスタンスのサービスのためのディスクにデータミラーリングを介してコピーするよう構成される。
【0089】
幾つかの実施形態では、データブロックは、データブロックがコピーされているかどうかをマーキングするためのフラグビットを用いて構成される。前記元のインスタンスに関連付けられる前記ディスクデータを前記新しいインスタンスのサービスのための前記ディスクにコピーする処理において、既にコピーされたデータは前記フラグビットに基づいて前記元のインスタンスに関連付けられる前記ディスクデータと比較され、前記元のインスタンスに関連付けられる前記ディスクデータのコピーの進行を決定する。
【0090】
幾つかの実施形態では、前記元のインスタンス及び前記新しいインスタンスは、それらのそれぞれの処理キューを用いてそれぞれ構成される。元のインスタンスのサービスのためのディスクに対するクラウドサービスのデータ操作を含むデータ要求は、元のインスタンスの処理キューにエンキューされ、新しいインスタンスのサービスのためのディスクに対するクラウドサービスのデータ操作を含むデータ要求は、新しいインスタンスの処理キューにエンキューされる。
【0091】
幾つかの実施形態では、データ操作構成ユニット(403)が実行を開始した後、新しいインスタンスのサービスのためのディスクに対するクラウドサービスのデータ操作を含むデータ要求は、新しいインスタンスの処理キューにエンキューされる。さらに、元のインスタンスの処理キューに残り、処理が完了していないデータ要求は、処理のために前記新しいインスタンスの前記処理キューに転送される。
【0092】
幾つかの実施形態では、ディスクデータの移行優先度は以下の段階により決定される。第1に、データ要求内に含まれるデータが、前記新しいインスタンスのサービスのためのディスクに存在するかどうかを判断する。データ要求に含まれるデータが新しいインスタンスのサービスのためのディスクに存在しないとの判断に応じて、データ要求に含まれるデータの移行優先度を高移行優先度に構成する。
【0093】
第2に、元のインスタンスに関連付けられるディスクデータをターゲットクラスタ内でインスタンス化されたクラウドサービスの新しいインスタンスのサービスのためのディスクに移行する処理において、移行優先度の降順で移行を実行する。
【0094】
幾つかの実施形態では、装置(400)は、さらに、新しいインスタンスの処理キューでデータ要求を処理する処理において実行される決定サブユニットを含む。
【0095】
決定サブユニットは、データ要求内に含まれるデータが、新しいインスタンスのサービスのためのディスクに存在するかどうかを判断するよう構成される。データ要求内に含まれるデータが新しいインスタンスのサービスのためのディスク内に存在するとの判断に応じて、決定サブユニットは、新しいインスタンスのサービスのためのディスクに基づいてデータ要求内に含まれるデータ操作を実行するよう構成される。あるいは、データ要求内に含まれるデータが新しいインスタンスのサービスのためのディスクに存在しないとの判断に応じて、決定サブユニットは、高移行優先度のデータを元のインスタンスのサービスのためのディスクから、新しいインスタンスのサービスのためのディスクに優先的に移行し、移行が完了すると、新しいインスタンスのサービスのためのディスクに基づき、データ要求に含まれるデータ操作を実行するよう構成される。
【0096】
幾つかの実施形態では、ソースクラスタ及びターゲットクラスタは、異なる利用可能ゾーン内に構成される。
【0097】
幾つかの実施形態では、クラウドサービスは、クラウドコンピューティングサービスを提供するためのクラウドサーバとして構成される。幾つかの実施形態では、ソースクラスタは、少なくとも1つのクラウドサーバのクラウドサーバクラスタとして構成され、ターゲットクラスタは、少なくとも1つのクラウドサーバのクラウドサーバクラスタとして構成される。
【0098】
図5は、本開示の幾つかの実施形態に係るクラウドサービス移行に対する例示的な電子デバイスのブロック図である。電子デバイスの機能は、クラウドサービス移行のための上記の方法と実質的に同様であり、本明細書では詳細を繰り返すことはしない。
【0099】
図5に示されるように、クラウドサービス移行のための電子デバイスは、メモリ(501)及びプロセッサ(502)を含む。
【0100】
メモリ(501)は、コンピュータ実行可能命令を格納するように構成される。プロセッサ(502)は、メモリ(501)に格納されたコンピュータ実行可能命令を読み取って実行して、電子デバイス(500)に以下のステップを含む動作を実行させるように構成される。
【0101】
ステップ1.ソースクラスタ内にホストされるクラウドサービスに関連付けられる移行要求を取得する段階であり、移行要求は、ソースクラスタからターゲットクラスタにクラウドサービスを移行するためのスケジュールされた移行時間を含む。
【0102】
ステップ2.スケジュールされた移行時間に基づいて、クラウドサービスの元のインスタンスに関連付けられるディスクデータをターゲットクラスタ内にインスタンス化されたクラウドサービスの新しいインスタンスのサービスのためのディスクに移行し、ディスクデータの移行は、ディスクデータの移行優先度順位に基づいて実行される。
【0103】
ステップ3.元のインスタンスのサービスのためのディスクに対するクラウドサービスのデータ操作を、新しいインスタンスのサービスのためのディスクに対するデータ操作として構成する。
【0104】
幾つかの実施形態では、元のインスタンスのサービスのためのディスクに対するクラウドサービスのデータ操作を新しいインスタンスのサービスのためのディスクに対するデータ操作として構成する段階の前に、プロセッサ(502)はさらに、ターゲットクラスタ内に新しいインスタンスをインスタンス化する段階と、新しいインスタンスと新しいインスタンスに関連付けられるリソースコンポーネントを構成する段階と、ソースクラスタにて元のインスタンスを停止する段階と、リソースコンポーネントに基づいて新しいインスタンスを開始する段階と、を含む前記コンピュータ可読命令を実行するよう構成される。
【0105】
幾つかの実施形態では、前記新しいインスタンス及び前記新しいインスタンスに関連付けられるリソースコンポーネントを構成する段階は、前記元のインスタンスの前記構成情報に基づいて、前記構成情報の構成と同じ構成を使用して前記ターゲットクラスタ内で前記新しいインスタンスを構成する段階、又は、事前構成された構成インタフェースを通じて取得される前記構成情報に基づいて前記新しいインスタンスを構成する段階、により実装される。
【0106】
幾つかの実施形態では、リソースコンポーネントはディスクを含む。他の実施形態において、リソースコンポーネントは、さらに、CPU、メモリ、オペレーティングシステム、及びネットワーク接続のうち少なくとも1つを含む。
【0107】
幾つかの実施形態では、新しいインスタンス及び新しいインスタンスに関連付けられるリソースコンポーネントを構成する段階は、ターゲットクラスタ内でネットワークポートを割り当てる段階と、ソースクラスタのネットワークポートからクラウドサービスを解放する段階と、クラウドサービスをターゲットクラスタに割り当てられるネットワークポートに構成する段階と、ルーティング更新を実行する段階と、を含む。
【0108】
幾つかの実施形態では、新しいインスタンス及び新しいインスタンスに関連付けられるリソースコンポーネントを構成する段階は、元のインスタンスのサービスのためのディスクに対するクラウドサービスのデータ操作を停止する段階と、ターゲットクラスタ内の新しいインスタンスのサービスのためのディスクを割り当てる段階と、新しいインスタンスのサービスのためのディスクの割り当てが完了した後、スケジュールされた移行時間に基づいて、クラウドサービスの元のインスタンスに関連付けられるディスクデータをターゲットクラスタ内にインスタンス化されたクラウドサービスの新しいインスタンスのサービスのためのディスクに移行し、元のインスタンスのサービスのためのディスクに対するクラウドサービスのデータ操作を新しいインスタンスのサービスのためのディスクに対するデータ操作として構成する命令を実行する段階と、を含む。
【0109】
幾つかの実施形態では、クラウドサービスの元のインスタンスに関連付けられるディスクデータをターゲットクラスタ内にインスタンス化されたクラウドサービスの新しいインスタンスのサービスのためのディスクに移行する段階は、元のインスタンスに関連付けられるディスクデータを少なくとも1つのデータブロックに分割し、元のインスタンスに関連付けられるディスクデータをデータブロックの形態で新しいインスタンスのサービスのためのディスクにコピーする段階、または、元のインスタンスに関連付けられるディスクデータを少なくとも1つのデータブロックに分割し、各データブロックに対応するデータミラーリングイメージを作成し、元のインスタンスのディスクデータをデータミラーリングを介して新しいインスタンスのディスクにコピーする段階、により実装される。
【0110】
幾つかの実施形態では、データブロックは、データブロックがコピーされているかどうかをマーキングするためのフラグビットを用いて構成される。元のインスタンスに関連付けられるディスクデータを新しいインスタンスのサービスのためのディスクにコピーする処理において、既にコピーされたデータはフラグビットに基づいて元のインスタンスに関連付けられるディスクデータと比較され、元のインスタンスに関連付けられるディスクデータのコピーの進行を決定する。
【0111】
幾つかの実施形態では、元のインスタンス及び新しいインスタンスは、それらのそれぞれの処理キューを用いてそれぞれ構成される。元のインスタンスのサービスのためのディスクに対するクラウドサービスのデータ操作を含むデータ要求は、元のインスタンスの処理キューにエンキューされ、新しいインスタンスのサービスのためのディスクに対するクラウドサービスのデータ操作を含むデータ要求は、新しいインスタンスの処理キューにエンキューされる。
【0112】
幾つかの実施形態では、元のインスタンスのサービスのためのディスクに対するクラウドサービスのデータ操作を新しいインスタンスのサービスのためのディスクに対するデータ操作として構成する段階の後、新しいインスタンスのサービスのためのディスクに対するクラウドサービスのデータ操作を含むデータ要求は、新しいインスタンスの処理キューにエンキューされ、元のインスタンスの処理キュー内に残ってまだ処理が完了していないデータ要求が、処理のために新しいインスタンスの処理キューに転送される。
【0113】
幾つかの実施形態では、ディスクデータの移行優先度は、データ要求に含まれるデータが、新しいインスタンスのサービスのためのディスク内に存在するかどうか判断する段階と、データ要求内に含まれるデータが新しいインスタンスのサービスのためのディスク内に存在しないとの判断に応じて、データ要求内に含まれるデータの移行優先度を高移行優先度に構成する段階と、元のインスタンスに関連付けられるディスクデータをターゲットクラスタ内にインスタンス化されたクラウドサービスの新しいインスタンスのサービスのためのディスクに移行する処理において、移行優先度の降順で移行を実行する段階と、により決定される。
【0114】
幾つかの実施形態では、新しいインスタンスの処理キュー内のデータ要求の処理は、次の処理を含む。データ要求に含まれるデータが新しいインスタンスのサービスのためのディスク内に存在するかどうかを判断する段階、データ要求に含まれるデータが新しいインスタンスのサービスのためのディスク内に存在するとの判断に応じて、データ要求に含まれるデータ操作を新しいインスタンスのサービスのためのディスクに対し実行する段階、データ要求に含まれるデータが新しいインスタンスのサービスのためのディスク内に存在しないとの判断に応じて、高移行優先度のデータを元のインスタンスのサービスのためのディスクから新しいインスタンスのサービスのためのディスクへと移行し、移行が完了すると新しいインスタンスのサービスのためのディスクに対し、データ要求に含まれるデータ操作を実行する段階と、を含む。
【0115】
幾つかの実施形態では、ソースクラスタ及びターゲットクラスタは、異なる利用可能ゾーン内に構成される。
【0116】
幾つかの実施形態では、クラウドサービスは、クラウドコンピューティングサービスを提供するためのクラウドサーバとして構成される。他の実施形態において、ソースクラスタは、少なくとも1つのクラウドサーバのクラウドサーバクラスタを含む、ターゲットクラスタは、少なくとも1つのクラウドサーバのクラウドサーバクラスタを含む。
【0117】
本開示は、好ましい実施形態を通じて上に開示されているが、それに限定されることを意図していない。当業者は、開示の精神及び範囲から逸脱することなく、可能な変更及び修正を作成することができる。従って、本開示の保護範囲は、本開示の特許請求の範囲によって定義されるべきである。
【0118】
典型的な構成では、コンピューティングデバイスは、1又は複数のプロセッサ(CPU)、入力/出力インタフェース、ネットワークインタフェース、及びメモリを含む。
【0119】
メモリは、リードオンリメモリ(ROM)又はフラッシュメモリ(フラッシュRAM)のような非永続的メモリ、ランダムアクセスメモリ(RAM)又は不揮発性メモリ等の形態のコンピュータ可読媒体を含んでよい。メモリはコンピュータ可読媒体の例である。
【0120】
コンピュータ可読媒体は、任意の方法及び技術を用いて情報ストレージを実現できる永続的並びに非永続的な、及び移動可能並びに非移動可能な媒体を含む。情報は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムのモジュール、又は他のデータであってよい。コンピュータの記憶媒体の例には、限定されないが、相変化メモリ(PRAM)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、他のタイプのランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、電気的消去可能プログラム可能リードオンリメモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ若しくは他のメモリ装置、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD‐ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)若しくは他の光学式記憶装置、カセットテープ、磁気テープ/磁気ディスク記憶装置若しくは他の磁気記憶装置、又は任意の他の非伝送媒体が含まれ、これらの例は、コンピュータ処理装置がアクセス可能な情報を格納するのに用いられてよい。本明細書の定義によると、コンピュータ可読媒体は、変調データ信号及び搬送波のような非一時的コンピュータ可読媒体(一時的媒体)を含まない。
【0121】
当業者であれば、本開示の実施形態が方法、システム、又はコンピュータプログラム製品として提供され得ることを理解すべきである。従って本開示は、全てハードウェアの実施形態、全てソフトウェアの実施形態、又はソフトウェアとハードウェアを組み合わせた実施形態からなる形態を用いてよい。さらに、本開示は、コンピュータ利用可能プログラムコードを内部に含んでいる1又は複数のコンピュータ利用可能記憶媒体(磁気ディスクメモリ、CD-ROM、光学メモリ等を含むがこれらに限定されない)上に実装されるコンピュータプログラム製品の形を使用することができる。
本明細書によれば、以下の各項目に記載の構成もまた開示される。
[項目1]
ソースクラスタ内のクラウドサービスに対する移行要求を取得する段階であって、前記移行要求は、前記ソースクラスタからターゲットクラスタに前記クラウドサービスを移行するためのスケジュールされた移行時間を含む、取得する段階と、
前記スケジュールされた移行時間に従って、前記クラウドサービスの元のインスタンスのディスクデータを前記ターゲットクラスタ内に作成された前記クラウドサービスの新しいインスタンスのディスクに移行する段階であって、前記ディスクデータの前記移行は前記ディスクデータの移行優先度順位に基づいて実行される、移行する段階と、
前記元のインスタンスのディスク上の前記クラウドサービスのデータ操作を前記新しいインスタンスの前記ディスク上のデータ操作として構成する段階と、
を備えるクラウドサービス移行方法。
[項目2]
前記元のインスタンスのディスク上の前記クラウドサービスのデータ操作を前記新しいインスタンスの前記ディスク上のデータ操作として構成する前記段階が実行される前に、
前記ターゲットクラスタ内に前記新しいインスタンスを作成する段階と、
前記新しいインスタンスと前記新しいインスタンスのリソースコンポーネントを構成する段階と、
前記ソースクラスタの前記元のインスタンスを終了する段階と、
前記リソースコンポーネントに基づいて前記新しいインスタンスを開始する段階と、
が実行される、項目1に記載のクラウドサービス移行方法。
[項目3]
前記新しいインスタンスと前記新しいインスタンスのリソースコンポーネントを構成する前記段階は、
前記元のインスタンスの構成情報に従って、前記ターゲットクラスタ内の前記新しいインスタンスを前記構成情報と同じ構成に従って構成する段階、又は、
プリセットされた構成インタフェースを通じて取得された構成情報に従って、前記新しいインスタンスを構成する段階、
の方式により実装される、項目2に記載のクラウドサービス移行方法。
[項目4]
前記リソースコンポーネントは、前記ディスクを含み、前記リソースコンポーネントは、CPU、メモリ、オペレーティングシステム、及びネットワークのうち少なくとも1つをさらに含む、項目2に記載のクラウドサービス移行方法。
[項目5]
前記新しいインスタンス及び前記新しいインスタンスのリソースコンポーネントを構成する前記段階は、
前記ターゲットクラスタ内でネットワークポートを作成する段階と、
前記ソースクラスタのネットワークポートから前記クラウドサービスを解放する段階と、
前記クラウドサービスを前記ターゲットクラスタの前記ネットワークポートに構成する段階と、
ルート更新を実行する段階と、
を含む、項目4に記載のクラウドサービス移行方法。
[項目6]
前記新しいインスタンス及び前記新しいインスタンスのリソースコンポーネントを構成する前記段階は、
前記元のインスタンスの前記ディスク上で前記クラウドサービスの前記データ操作を停止する段階と、
前記ターゲットクラスタ内の前記新しいインスタンスの前記ディスクを作成する段階と、
前記新しいインスタンスの前記ディスクの前記作成が完了した後、
前記スケジュールされた移行時間に従って、前記クラウドサービスの元のインスタンスのディスクデータを前記ターゲットクラスタ内に作成された前記クラウドサービスの新しいインスタンスのディスクに移行する前記段階と、
前記元のインスタンスのディスク上の前記クラウドサービスのデータ操作を前記新しいインスタンスの前記ディスク上のデータ操作として構成する段階と、
を実行する段階と、
を含む、項目4に記載のクラウドサービス移行方法。
[項目7]
前記クラウドサービスの元のインスタンスのディスクデータを前記ターゲットクラスタ内に作成された前記クラウドサービスの新しいインスタンスのディスクに移行する前記段階は、
前記元のインスタンスの前記ディスクデータを少なくとも1つのデータブロックに分割し、前記元のインスタンスの前記ディスクデータを前記データブロックの形態で前記新しいインスタンスの前記ディスクにコピーする段階、又は、
前記元のインスタンスの前記ディスクデータを少なくとも1つのデータブロックに分割し、各データブロックに対応するデータイメージを作成し、前記元のインスタンスの前記ディスクデータを前記データイメージの形態の前記新しいインスタンスの前記ディスクにコピーする段階、
の方式により実装される、項目1に記載のクラウドサービス移行方法。
[項目8]
前記データブロックは、前記データブロックがコピーされているかどうかをマーキングするためのフラグビットを含み、前記元のインスタンスの前記ディスクデータを前記新しいインスタンスの前記ディスクにコピーする処理において、既にコピーされたデータは前記フラグビットに基づいて前記元のインスタンスの前記ディスクデータと比較され、前記元のインスタンスの前記ディスクデータのコピーの進行は、比較の結果に従って取得される、項目7に記載のクラウドサービス移行方法。
[項目9]
前記元のインスタンス及び前記新しいインスタンスのそれぞれは、前記元のインスタンス及び前記新しいインスタンスにそれぞれ対応する処理キューを含み、前記元のインスタンスの前記ディスク上の前記クラウドサービスの前記データ操作を含むデータ要求は、前記元のインスタンスの前記処理キューに追加され、前記新しいインスタンスの前記ディスク上の前記クラウドサービスの前記データ操作を含むデータ要求は、前記新しいインスタンスの前記処理キューに追加される、項目2に記載のクラウドサービス移行方法。
[項目10]
前記元のインスタンスのディスク上の前記クラウドサービスのデータ操作を前記新しいインスタンスの前記ディスク上のデータ操作として構成する前記段階が実行された後、前記新しいインスタンスの前記ディスク上の前記クラウドサービスの前記データ操作を含むデータ要求は、前記新しいインスタンスの前記処理キューに追加され、前記元のインスタンスの前記処理キューで処理が完了していないデータ要求が、処理のために前記新しいインスタンスの前記処理キューに送信される、項目9に記載のクラウドサービス移行方法。
[項目11]
前記ディスクデータの移行優先度は、
前記データ要求に含まれるデータが、前記新しいインスタンスの前記ディスク内に存在するかどうかを判断し、存在しない場合、前記データ要求内に含まれる前記データの移行優先度を高移行優先度に設定し、
前記元のインスタンスの前記ディスクデータを前記ターゲットクラスタ内に作成された前記クラウドサービスの前記新しいインスタンスの前記ディスクに移行する前記処理において、移行優先度の降順で前記移行を実行する、
方式で決定される、項目1に記載のクラウドサービス移行方法。
[項目12]
前記新しいインスタンスの前記処理キューでデータ要求を処理する処理において、
前記データ要求に含まれるデータが前記新しいインスタンスの前記ディスク内に存在するかどうかを判断し、存在する場合、前記新しいインスタンスの前記ディスクに基づき前記データ要求に含まれるデータ操作を実行する段階と、
存在しない場合、前記元のインスタンスの前記ディスクから前記新しいインスタンスの前記ディスクに前記高移行優先度の前記データを移行し、前記移行が完了すると前記新しいインスタンスの前記ディスクに基づき前記データ要求に含まれるデータ操作を実行する段階と、
が実行される、項目11に記載のクラウドサービス移行方法。
[項目13]
前記ソースクラスタ及び前記ターゲットクラスタは、異なる利用可能ゾーンにある、項目1から12のいずれか一項に記載のクラウドサービス移行方法。
[項目14]
前記クラウドサービスは、クラウドコンピューティングサービスを提供するためのクラウドサーバを指し、前記ソースクラスタは、少なくとも1つのクラウドサーバから構成されるクラウドサーバクラスタを指し、前記ターゲットクラスタは、少なくとも1つのクラウドサーバから構成されるクラウドサーバクラスタを指す、項目1から12のいずれか一項に記載のクラウドサービス移行方法。
[項目15]
ソースクラスタ内のクラウドサービスに対する移行要求を取得するよう構成される移行要求取得ユニットであって、前記移行要求は、前記ソースクラスタからターゲットクラスタに前記クラウドサービスを移行するためのスケジュールされた移行時間を含む、前記移行要求取得ユニットと、
前記スケジュールされた移行時間に従って、前記クラウドサービスの元のインスタンスのディスクデータを前記ターゲットクラスタ内に作成された前記クラウドサービスの新しいインスタンスのディスクに移行するよう構成されたディスク移行ユニットと、
前記元のインスタンスのディスク上の前記クラウドサービスのデータ操作を前記新しいインスタンスの前記ディスク上のデータ操作として構成するよう構成されるデータ操作構成ユニットと、
を備えるクラウドサービス移行装置。
[項目16]
メモリ及びプロセッサを備え、
前記メモリは、コンピュータ実行可能命令を格納するよう構成され、前記プロセッサは、
ソースクラスタ内のクラウドサービスに対する移行要求を取得する段階であって、前記移行要求は前記クラウドサービスを前記ソースクラスタからターゲットクラスタに移行するためのスケジュールされた移行時間を含む、取得する段階と、
前記スケジュールされた移行時間に従って、前記クラウドサービスの元のインスタンスのディスクデータを前記ターゲットクラスタ内に作成された前記クラウドサービスの新しいインスタンスのディスクに移行する段階と、
前記元のインスタンスのディスク上の前記クラウドサービスのデータ操作を前記新しいインスタンスの前記ディスク上のデータ操作として構成する段階と、
を含む前記コンピュータ実行可能命令を実行するよう構成される、
電子デバイス。