(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-22
(45)【発行日】2025-01-30
(54)【発明の名称】寄付管理サーバ
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20250123BHJP
【FI】
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2020102118
(22)【出願日】2020-06-12
【審査請求日】2023-10-18
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 [ウェブサイトのアドレス] https://www.egaokifu.com/ [ウェブサイトの掲載日] 令和元年10月13日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 [ウェブサイトのアドレス] https://www.egaokifu.com/tm [ウェブサイトの掲載日] 令和2年1月14日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 [ウェブサイトのアドレス] https://www.egaokifu.com/tweedia [ウェブサイトの掲載日] 令和2年3月8日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 [ウェブサイトのアドレス] https://ja.wikipedia.org/wiki/スマイルドネーション [ウェブサイトの掲載日] 令和2年5月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】523442105
【氏名又は名称】重田 みゆき
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【氏名又は名称】田中 祐
(72)【発明者】
【氏名】重田 みゆき
(72)【発明者】
【氏名】石神 誠久
【審査官】山崎 誠也
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-017158(JP,A)
【文献】特開2006-134265(JP,A)
【文献】特開2004-013518(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サービス提供者からサービスの提供を受けたユーザのユーザ端末に入力された前記サービス提供者の識別情報を受け付ける第1受付部と、
前記ユーザ端末に入力された、前記ユーザが前記サービス提供者から前記サービスの提供を受けたことに起因する寄付金額を受け付ける第2受付部と、
前記ユーザ端末に入力された、前記ユーザから前記サービス提供者に対するメッセージを受け付ける第3受付部と、
前記第1受付部により受け付けられた前記サービス提供者の識別情報と、前記第2受付部により受け付けられた前記寄付金額と
、前記第3受付部により受け付けられた前記メッセージとを関連付け、前記サービス提供者ごとに前記寄付金額の総額
と前記メッセージとを管理する管理部と
を備え
、
前記寄付金額の総額の寄付金が前記サービス提供者とは異なる寄付先団体に送られる、
寄付管理サーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は寄付管理サーバに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、ネットワークを介した電子商取引で用いられる決済システムにおいて、ユーザーから発信される情報に基づいて前記電子商取引に関する情報の提供を行う情報提供手段と、前記発信される情報又は前記提供される情報の内容に応じて前記ユーザーに対して広告を提供する広告提供手段と、前記ユーザーに提供された前記広告に基づいて前記広告の広告主から得られる広告費を算定する広告費算定手段と、前記ユーザーによる寄付の意志に関する意志情報を記憶するユーザー意志情報登録手段と、寄付先の情報を記憶する寄付先登録手段と、前記意志情報に基づいて前記広告費の一部を前記寄付先登録手段に登録された前記寄付先に配給しその残余の全部又は一部を前記ユーザーに還元する広告費分配手段と、を備える寄付機能を備えた決済システムが記載されている。
【0003】
特許文献2には、寄付者の端末から、寄付先のボランティア活動を識別する識別情報と、前記ボランティア活動に対して寄付される寄付金額を示す情報と、を含む寄付要求を受け付ける受付手段と、前記識別情報と、前記ボランティア活動に参加登録した参加者を示す情報と、前記ボランティア活動に前記参加者が参加する際の交通費を示す情報と、を対応付けて記憶する記憶部を参照して、前記受付手段によって受け付けた寄付要求に基づいて、前記寄付要求の受付終了条件を満たしたか否かを判定する判定手段と、前記寄付要求の受付終了条件を満たしたと前記判定手段によって判定された場合、前記参加者の口座と、前記参加者が前記ボランティア活動に参加する際に利用する交通機関の口座と、のうちのいずれか一方の口座に、前記交通費に充当する金額を振り込む処理を行う交通費支払処理手段と、を備えることを特徴とするボランティア活動支援装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第6630012号公報
【文献】特開2019-215741号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
我が国は災害が多いとされる。災害からの復興には膨大な費用が必要となることが多い。そのような復興を支援するための寄付を募るべく、新しい寄付のシステムが求められている。
【0006】
本発明は、上述の状況を踏まえて、あるサービス提供者と、そのサービス提供者からサービスの提供を受けたことを契機として寄付を行う支援者とを連携させる、新しい寄付のシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため、本発明に係る寄付管理サーバは、サービス提供者からサービスの提供を受けたユーザのユーザ端末に入力された前記サービス提供者の識別情報を受け付ける第1受付部と、前記ユーザ端末に入力された、前記ユーザが前記サービス提供者から前記サービスの提供を受けたことに起因する寄付金額を受け付ける第2受付部と、前記ユーザ端末に入力された、前記ユーザから前記サービス提供者に対するメッセージを受け付ける第3受付部と、前記第1受付部により受け付けられた前記サービス提供者の識別情報と、前記第2受付部により受け付けられた前記寄付金額と、前記第3受付部により受け付けられた前記メッセージとを関連付け、前記サービス提供者ごとに前記寄付金額の総額と前記メッセージとを管理する管理部とを備える。前記寄付金額の総額の寄付金は前記サービス提供者とは異なる寄付先団体に送られる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、あるサービス提供者と、そのサービス提供者からサービスの提供を受けたことを契機として寄付を行う支援者とを連携させる、新しい寄付のシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】寄付管理サーバの機能構成例を示す説明図である。
【
図3】寄付管理サーバのコンピュータハードウェア構成例を示す説明図である。
【
図4】寄付合計金額の表示の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。ただし、本発明は、以下の実施形態によって限定されるものではない。
【0011】
図1に寄付システム1の全体像を示す。符号Aは寄付を行う支援者(あるいはユーザ)である。符号Bは、寄付システム1に協力する協力法人、協力団体(以下「協力法人等」という。)である。この協力法人等Bは、支援者Aに対してサービスの提供を行うサービス提供者でもある。符号Cは寄付金管理団体である。符号Dは、日本赤十字社などの寄付先団体である。
【0012】
図2に、寄付管理団体Cにおける寄付管理サーバ30の機能構成例を示す。寄付管理サーバ30は、第1受付部31と、第2受付部32と、第3受付部33と、第1管理部34とを備えている。各機能部の詳細については後述する。
【0013】
図3に、寄付管理サーバ30のコンピュータハードウェア構成例を示す。寄付管理サーバ30は、CPU351と、インタフェース装置352と、表示装置353と、入力装置354と、ドライブ装置355と、補助記憶装置356と、メモリ装置357とを備えており、これらがバス358により相互に接続されている。
【0014】
寄付管理サーバ30の機能を実現するプログラムは、CD-ROM等の記録媒体359によって提供される。プログラムを記録した記録媒体359がドライブ装置355にセットされると、プログラムが記録媒体359からドライブ装置355を介して補助記憶装置356にインストールされる。あるいは、プログラムのインストールは必ずしも記録媒体359により行う必要はなく、ネットワーク経由で行うこともできる。補助記憶装置356は、インストールされたプログラムを格納すると共に、必要なファイルやデータ等を格納する。
【0015】
メモリ装置357は、プログラムの起動指示があった場合に、補助記憶装置356からプログラムを読み出して格納する。CPU351は、メモリ装置357に格納されたプログラムにしたがって寄付管理サーバ30の機能を実現する。インタフェース装置352は、ネットワークを通して他のコンピュータに接続するためのインタフェースとして用いられる。表示装置353はプログラムによるGUI(Graphical User Interface)等を表示する。入力装置354はキーボード及びマウス等である。
【0016】
図1を再び参照する。支援者Aは、協力法人等Bからサービスの提供を受け(
図1のステップST1)、それを契機として、協力法人等Bを通して寄付を行う(ステップST2)。寄付金の管理は寄付金管理団体Cによって行われ、寄付金は最終的に寄付金管理団体Cから寄付先団体Dへと送られる(ステップST3)。各ステップを以下に具体的に説明する。
【0017】
ステップST1において、支援者Aは、協力法人等Bからサービスの提供を受ける。具体例としては以下が挙げられる。
(1)支援者Aは、協力法人等Bが経営する飲食店、小売店などの店舗に出向き、上記店舗において、サービスの提供を受ける。
(2)支援者Aは、タレント事務所である協力法人等Bに所属するタレントのコンサートに行く。
(3)支援者Aは、協力法人等Bが提供する何らかの場所、記念スポットに出向いて、サービスの提供を受ける。その際のサービス受領には、支援者Aが喜びをその場所で感じることと、被災地の公園などで被災地を「応援したい」と感じることも含まれる。
【0018】
ステップST2において、支援者Aは、ステップST1にて協力法人等Bから受けたサービスの提供に感動し、それをきっかけとして寄付を行う。つまり、協力法人等Bからサービスの提供を受けた支援者Aの感動した気持ちが、協力法人等Bを通じた寄付先団体Dへの寄付となる。
【0019】
協力法人等Bが支援者Aにサービスを提供する場所であるサービス提供場所には、サービスの提供を受けた支援者Aに対して、寄付先団体Dへの寄付を促すポップ広告20が設けられている。このポップ広告には、第1の識別コード21と第2の識別コード22とが記されている。
【0020】
第1の識別コード21の一例は、QRコード(登録商標)である。第1の識別コード21は、寄付金管理団体Cが管理する公式ウェブサイトのURL情報を含む。
【0021】
第2の識別コード22の一例は、「113-777」といった、6桁の数字による識別コードである。第2の識別コード22は、協力法人等Bを識別するための識別情報である。第2の識別コードは、後述する、協力法人等B専用の寄付呼びかけオリジナルウェブサイトのURL情報の一部となる。
【0022】
ステップST2での具体例を述べる。支援者Aは、デスクトップ型パソコン、携帯型端末などの支援者端末(あるいはユーザ端末)10を用いて、第1の識別コード21を読み取る。すると、支援者端末10のディスプレイに、寄付金管理団体Cが管理する公式ウェブページが表示される。支援者Aは、この公式ウェブページにて、寄付金管理団体Cに支援者としての会員登録を行うことができる。もっとも、会員登録の有無にかかわらず、支援者は寄付を行うことができる。
【0023】
なお、支援者端末10は、
図3に示した寄付管理サーバ30と同様のコンピュータハードウェア構成を有する。
【0024】
ステップST2ではさらに、支援者Aは、第2の識別コード22を支援者端末10に入力する。支援者端末10は、入力された第2の識別コードを一部に含むURLのウェブページ(協力法人等B専用の寄付呼びかけウェブページ)にアクセスする。第2の識別コード22が「113-777」であれば、「https://www.smiledonation.org/place/angel/113777」というURLの、協力法人等B専用の寄付呼びかけウェブページを事前に設けておくことができる。第2の識別コードが入力された結果、支援者端末10のディスプレイに、協力法人等B専用の寄付呼びかけウェブページが表示される。その後、支援者Aは、支援者端末10を用いて当該ウェブページにて寄付金額を入力する。
【0025】
本ステップにおいて、寄付管理サーバ30内の第1受付部31(
図2)は、協力法人等Bからサービスの提供を受けた支援者の支援者端末10に入力された第2の識別コード22(サービス提供者である協力法人等Bの識別情報)を受け付ける。
【0026】
第2受付部32は、支援者端末10に入力された、支援者Aがサービス提供者Bからサービスの提供を受けたことに起因する寄付金額を受け付ける。
【0027】
第1管理部34は、第1受付部31により受け付けられた前記サービス提供者の識別情報と、第2受付部32により受け付けられた前記寄付金額とを関連付け、前記サービス提供者ごとに前記寄付金額の総額を管理する。
【0028】
なお、寄付はクレジットカード決済とすることができる。寄付金は、支援者Aの口座から引き落とされるとともに、寄付金管理団体Cの口座へ振り込まれる。この寄付金が最終的に、寄付金管理団体Cから寄付先団体Dへと送られることは先に述べたとおりである(ステップST3)。つまり、キャッシュレスで寄付を行うことができる。
【0029】
図1に示したような寄付システム1によれば、協力法人等Bにおいてサービスを提供するサービス提供者と支援者Aとを連携させることができる。サービス提供者が、笑顔でサービスを提供するなど、おもてなしの精神でサービスを提供する。協力法人等Bは、協力法人等Bからサービスの提供を受けた支援者Aから、当該サービスへの対価だけではなく、寄付先団体Dへの寄付をも受け付けることができる。
【0030】
上記実施形態は、諸外国でみられるチップを、災害の多い我が国における、災害からの復興のための寄付にしようという考え方に基づいている。
【0031】
なお、支援者Aは、ステップST1の別の形態として、タレント事務所である協力法人等Bに所属するタレントのイベントやSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)などの活動、テレビ番組、ネット番組を含む番組への出演、ボランティア活動に参加することができる。続くステップST2にて支援者Aは、ステップST1が行われた場で提示された第2の識別コード22を用いて寄付を行うことができる。あるいは、支援者Aは、YouTube(登録商標)などの動画投稿サイトに投稿された動画を閲覧し(ステップST1)、動画内で投稿者が提示した第2の識別コード22を用いて寄付を行う(ステップST2)こともできる。つまり、第2の識別コード22はデジタルバナーにもなりうる。
【0032】
また、通常、寄付先団体Dへの寄付として紹介される振込先口座番号などの入力が不要で、第2の識別コードを入力して寄付が可能となる。そのため、支援者Aにとって寄付の際の手続が簡便なものとなるだけではなく、協力法人等Bにとっても自己を通じた支援者Aからの寄付を集めやすくなる。
【0033】
[他の実施形態]
寄付管理サーバ30はさらに、支援者端末10に入力された、支援者Aからサービス提供者Bに対するメッセージを受け付ける第3受付部33を備えていてもよい。そして、第1管理部34は、第1受付部31により受け付けられたサービス提供者Bの識別情報と、第2受付部32により受け付けられた寄付金額と、第3受付部33により受け付けられたメッセージとを関連付けて管理する。
【0034】
このような寄付管理サーバ30を用いて、寄付管理団体Cは、協力法人等ごとに当該協力法人等を通じた寄付金の総額と、当該協力法人等に対するメッセージとを、寄付管理団体Cが管理するウェブサイト上で発表することができる。これは、協力法人等Bがさらに充実したサービスを提供しようとする動機付けになる。
【0035】
第1管理部34は、第3受付部33により受け付けられたメッセージの内容がポジティブなものであるかどうかを判断するように構成することができる。そして、第1管理部34は、内容がポジティブであると判断されたメッセージのみを継続掲載の対象として、寄付管理団体Cが管理するウェブページ(例えば、サービスの提供を行う協力法人等Bの識別されたウェブサイトや、支援者Aのプロフィール紹介サイト)で発表することができる。このプロフィール紹介ページは、ウェブ検索でもヒットするような、誰でも閲覧することができるオープンなページとすることができる。
【0036】
つまり、このプロフィール紹介ページは、支援者A個人の、寄付先団体Dを通して支援するSDGs専用SNSとなる。ここで、SDGsとは、「Sustainable Development Goals」(持続可能な開発目標)のことである。また、SNSとは、「Social Networking Service」(ソーシャルネットワーキングサービス)のことである。
【0037】
寄付管理サーバ30は、支援者A個人の寄付履歴を管理する第2管理部35を備えていてもよい。第2管理部35は、支援者毎に、寄付システム1における当該支援者のこれまでの寄付合計金額を管理する。そして、支援者端末10からリクエストがあった場合に、支援者Aのこれまでの寄付合計金額を表示する。
図4に一例として、支援者端末10のディスプレイDPにおける寄付合計金額の表示D101を示す。また、寄付合計金額が99円以下はレベル0、100円以上999円以下はレベル1、1000円以上9999円以下はレベル2、・・・というように、第2管理部35は寄付合計金額に応じたレベルを事前に設定し、当該支援者のレベルを寄付合計金額の表示D101とともに表示することもできる。
【0038】
さらに、第2管理部35は、2年などの期間を事前に設定し、当該期間内の寄付合計金額を管理することもできる。
図4に、現在の期間における寄付合計金額の表示D102をも示している。
【0039】
また、寄付管理サーバ30は、複数の支援者Aからなるグループを複数、管理することもできる。支援者の希望に応じた、都道府県別の支援者のグループが一例である。
【0040】
本発明の特定の実施形態について説明したが、本発明はこのような実施形態に限定されず、本発明の技術的思想に基づく種々の変更は本発明の概念に含まれる。
【符号の説明】
【0041】
1 寄付システム
A 支援者
B 協力法人等
C 寄付金管理団体
D 寄付先団体
10 支援者端末
21 第1の識別コード
22 第2の識別コード
30 寄付管理サーバ
31 第1受付部
32 第2受付部
33 第3受付部
34 第1管理部
35 第2管理部