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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-22
(45)【発行日】2025-01-30
(54)【発明の名称】トップシール装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 51/10 20060101AFI20250123BHJP
   B65B 51/14 20060101ALI20250123BHJP
【FI】
B65B51/10 W
B65B51/14
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2022042621
(22)【出願日】2022-03-17
(65)【公開番号】P2023136752
(43)【公開日】2023-09-29
【審査請求日】2024-03-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000206093
【氏名又は名称】大森機械工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092598
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 伸一
(72)【発明者】
【氏名】和田 康弘
【審査官】▲高▼辻 将人
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-213859(JP,A)
【文献】特許第2959631(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B51/00-51/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品を内包する包材を、その包材の搬送方向に対して交差する方向にシールするとともにカットするトップシール装置であって、
前記包材を挟んで配置される第1トップシーラおよび第2トップシーラと、
前記第1トップシーラの先端のシール面から出没可能に実装されるトップカッターと、
を備え、
前記第1トップシーラのシール面には、前記搬送方向に伸びる第1凸部と、前記搬送方向に伸びる第1凹部をその搬送方向に対して交差する方向に交互に設け、
前記第2トップシーラのシール面には、前記搬送方向に伸びる第2凸部と、前記搬送方向に伸びる第2凹部をその搬送方向に対して交差する方向に交互に設け、
前記第1トップシーラと前記第2トップシーラが前記包材を挟み込んだ際に、前記第1凸部と前記第2凹部が対向し、前記第1凹部と前記第2凸部が対向するように構成し、
前記第1凸部と前記第2凸部の先端側は平坦部を有し、
前記第1凹部と前記第2凹部の奥側は平坦部を有し、
前記トップカッターの先端側には、先端先細り状の多数の刃部が、前記搬送方向に対して交差する方向に所定ピッチで配置され、そのピッチが、前記第1凸部或いは前記第1凹部の配置ピッチの整数倍に構成されるトップシール装置。
【請求項2】
前記刃部の各刃先が、前記搬送方向に沿った方向で前記第1凸部の形成位置にあうように構成する請求項1に記載のトップシール装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トップシール装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
包装機の一形態であるピロー包装機は、例えば原反ロールに巻き取られた帯状の包材を連続して製袋器に供給し、その製袋器を通過する際に筒状に製袋する。そして、製袋器の下流側に配置したセンターシール装置にて、製袋器を通して筒状に製袋されて包材の両側縁部同士が重ね合わされた部位をシールする。また、この製袋器の上流側には製品搬送供給装置を配置し、その製品搬送供給装置から所定間隔毎に搬送される製品が、製袋器内に供給される。これにより、製品が製袋器内を通過すると、製品は筒状の包材内に所定間隔毎に収納されることになり、その製品は筒状の包材とともに搬送される。そして、ピロー包装機の搬出側に配置されたトップシール装置にて、筒状の包材を所定間隔毎に横方向に横断するようにシール・カットすることにより、製品を内包するピロー包装体が製造される。このトップシール装置としては、例えば特許文献1に開示されたものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-83883号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば特許文献1に開示されたトップシール装置のように、筒状の包材に対するシール処理とカット処理を一つの装置で一緒に行う構成の場合、一対のトップシーラの先端のシール面同士で包材を挟み込んだ状態で加熱及び加圧を行い熱シールするとともに、その挟み込んだ状態のままトップシーラに内蔵するカッター刃の先端をシール面より突出させて、カッター刃の刃先を包材に押し当ててカットするようにしている。
【0005】
しかしながら、包材の種類によっては綺麗にカットできないことがある。特に、包材が紙を含む伸びにくい材質の場合、その傾向があらわれる。そこで包材の種類に関係なく、綺麗にカットできるトップシール装置の開発が望まれる。
【0006】
上述した課題はそれぞれ独立したものとして記載しているものであり、本発明は、必ずしも記載した課題の全てを解決できる必要はなく、少なくとも一つの課題が解決できればよい。またこの課題を解決するための構成についても単独で分割出願・補正等により権利取得する意思を有する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、本発明のトップシール装置は、(1)製品を内包する包材を、その包材の搬送方向に対して交差する方向にシールするとともにカットするトップシール装置であって、前記包材を挟んで配置される第1トップシーラおよび第2トップシーラと、前記第1トップシーラの先端のシール面から出没可能に実装されるトップカッターと、を備え、前記第1トップシーラのシール面には、前記搬送方向に伸びる第1凸部と、前記搬送方向に伸びる第1凹部をその搬送方向に対して交差する方向に交互に設け、前記第2トップシーラのシール面には、前記搬送方向に伸びる第2凸部と、前記搬送方向に伸びる第2凹部をその搬送方向に対して交差する方向に交互に設け、前記第1トップシーラと前記第2トップシーラが前記包材を挟み込んだ際に、前記第1凸部と前記第2凹部が対向し、前記第1凹部と前記第2凸部が対向するように構成し、前記第1凸部と前記第2凸部の先端側は平坦部を有し、前記第1凹部と前記第2凹部の奥側は平坦部を有し、前記トップカッターの先端側には、先端先細り状の多数の刃部が、前記搬送方向に対して交差する方向に所定ピッチで配置され、そのピッチが、前記第1凸部或いは前記第1凹部の配置ピッチの整数倍に構成されるようにした。このようにすると、トップカッターの各刃先が同じタイミングで包材に接触し、切り込んでいき、包材を綺麗に切断することができる。
【0008】
(2)前記刃部の各刃先が、前記搬送方向に沿った方向で前記第1凸部の形成位置にあうように構成するとよい。このようにすると、刃先が包材の山の部分を押し上げ/押し下げるように切断するため、切れ味が良くなる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、包材の種類に関係なく、トップカッターの切れ味を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に係るトップシール装置が実装されるシステムの好適な一実施形態を示す正面図である。
図2】(a)はトップシール装置を上流側から見た図であり、(b)は下側トップシーラの平面図の一部拡大図であり、(c)は上側トップシーラと下側トップシーラで包材を挟み込んだ状態を示す上流側から見た一部拡大図である。
図3】作用を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の好適な実施形態について図面に基づき、詳細に説明する。なお、本発明は、これに限定されて解釈されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々の変更、修正、改良を加え得るものである。
【0012】
図1図3は、本発明に係るトップシール装置並びにそれが実装されるピロー包装機の好適な一実施形態を示している。ピロー包装機10は、上流側から製品搬送供給装置11,包装機本体12の順に配置し、それらの上方に包材供給装置14を備えて構成される。
【0013】
製品搬送供給装置11は、製品13を一定間隔毎に搬送するとともに、次段の包装機本体12に順次供給するフィンガーコンベア装置から形成される。すなわち、前後に配置されたスプロケット7(図1では、下流側のみ示す)間に掛け渡されたエンドレスチェーン8に対し、一定間隔で押送フィンガー9を取り付けて構成される。そして、前後の押送フィンガー9間に製品13を供給することにより、その製品13を押送フィンガー9のフィンガーピッチで搬送する。
【0014】
包材供給装置14は、製品13を包み込むための帯状の包材16を連続して包装機本体12に供給するためのものである。この包材供給装置14は、帯状の包材16をロール状に巻き取った原反ロール15の支持手段を備える。包材供給装置14は、原反ロール15から連続して引き出された帯状の包材16を所定の搬送経路で搬送し、包装機本体12の搬入部位に導くためのローラ17(図では1つのみ描画している)を備える。このローラ17は、帯状の包材16に対して駆動を掛ける駆動ローラや、テンションを掛けるテンションローラや、帯状の包材16の搬送方向を変更したり搬送をガイドしたりするフリーローラなどがある。さらに包材供給装置14は、製袋器22より上方に配置され、包材16を上方側から供給する。また、包材16に対して直接駆動を掛けて引き出す構成に替えて、原反ロール15の支持軸をサーボモーター等の駆動モータに連携し、原反ロール15を回転させて包材16を繰り出すようにしてもよい。また本実施形態では、包材16は、紙材等の伸びにくい材質のものを用いているが、紙や伸びにくい材質のものに限ることは無く各種のフィルム等を用いることができる。紙材の場合、筒状に形成した際の内面側にシーラント層を有するとよい。
【0015】
包装機本体12は、搬入側に製袋器22を備える。製袋器22は、包材供給装置14から連続して供給される帯状の包材16を筒状に形成する。ここでは、製袋器22を包材16が通過することで、その包材16の両側縁部16aが重ね合わされるとともに、その両側縁部16aが製袋器22,搬送面の下方に突出した状態となる。
【0016】
一方、製品搬送供給装置11から順次搬出される製品13は、製袋器22内に供給される。これにより、筒状に製袋される包材16内に製品13が所定間隔ごとに供給されることになり、以後、その製品13は筒状に製袋された包材16内に内包された状態のまま、当該包材と共に搬送される。
【0017】
さらに包装機本体12は、製袋器22の下流側に、センターシール装置23を備える。センターシール装置23は、製袋器22を通過して製袋された筒状の包材16の両側縁部16aを重ね合わせた部位をシールするものである。このセンターシール装置23は、搬送面を構成する左右一対の上板の下方所定位置に、上流側から順に入口側ピンチローラ23a,バー状のセンターシーラ23b,出口側ピンチローラ23cを配置した構成を採る。
【0018】
左右一対の入口側ピンチローラ23aは、下方に突出する包材16の両側縁部16aを重ね合わせた部位を左右から挟み込んで搬送力を与える。左右一対のセンターシーラ23bは、例えばヒータを内蔵し、両側縁部16aを両側から挟み込んで加熱する。左右一対の出口側ピンチローラ23cは、センターシーラ23bで加熱された両側縁部16aを両側から挟み込んで搬送力を与える。さらに、この搬送力を与えるべく、所定の圧力で両側から挟むため、センターシーラ23bにて加熱して溶融された部位を加圧すると共に冷却して熱シールを完了する。この出口側ピンチローラ23cは、プレスローラとも称される。またセンターシール装置23は、本実施形態ではバー状のセンターシーラ23bを用いたが、例えば一対の回転ローラで構成するものもあり、各種の構造をとれる。
【0019】
製袋器22で筒状に製袋された包材16の両側縁部16aは、センターシール装置23でシールされ、その包材16は包材搬送方向に対して直交する包材の周回方向が閉じた形態となる。
【0020】
包装機本体12は、センターシール装置23の下流側に、下部ベルトコンベア装置26と上部抑えベルト装置28を備える。下部ベルトコンベア装置26は、製品13を内包する包材16の搬送路を構成する。上部抑えベルト装置28は、下部ベルトコンベア装置26の上方所定位置に配置される。
【0021】
さらに包装機本体12は、下部ベルトコンベア装置26,上部抑えベルト装置28の下流側にトップシール装置30を備える。トップシール装置30は、包材16に対し、搬送方向に対して直交する方向、つまり、横断する方向にシールするとともにカットするものである。そのシール・カットする部位は、前後の製品13の間の所定位置である。このトップシール装置30によるカット処理により、包材16の先端部分(先頭の製品13を内包する部分)は、後続の包材16から分離され、包装体29が製造される。そして、この包装体29が搬出コンベア装置27上を搬送される。
【0022】
以下、トップシール装置30について説明する。本実施形態のトップシール装置30は、いわゆるボックスモーションタイプのもので、筒状の包材16を挟んで上下に対向配置される上側トップシーラ31と下側トップシーラ32は、ヒータが内蔵され、所定の駆動機構により互いのシール面311,321を対向させた状態を維持しながら所定の軌跡で移動する。つまり、上側トップシーラ31と下側トップシーラ32は、基準位置から互いに接近移動して包材16を上下から挟み込むことで、そのシール面311,321に接触した部位を所定の圧力で加圧すると共に加熱する。そして、上側トップシーラ31と下側トップシーラ32は、上記のように互いに接近して包材16を挟持した状態を維持したまま互いに包材16の移動方向に沿って前進移動する。このときの移動速度は、包材16の移動速度と等しくする。そして上側トップシーラ31と下側トップシーラ32は、所定距離だけ移動すると、互いに離反移動すると共に、包材16の移動方向と逆方向に移動して基準位置に至る。
【0023】
これら上側トップシーラ31,下側トップシーラ32を所定の軌跡で移動させる駆動機構は、例えば以下のような構成のものである。上側トップシーラ31は、上側シーラ取付台33の下面に固定され上側シーラ取付台33と一体になって移動する。下側トップシーラ32は、下側シーラ取付台34の上面に固定され、下側シーラ取付台34と一体になって移動する。そして、上側シーラ取付台33並びに下側シーラ取付台34の両側面には、カムフロア36が外方に向けて突出するように配置される。このカムフロア36は、包材16の周囲を囲むような略ロ字状を基本構成とした機枠35の内側面に回転自在に軸受け支持されるように取り付けられたカム板37に設けられた溝カムに符合し、その溝カムの形状に従って上述した所定の軌跡で移動する。
【0024】
このカム板37は、回転軸38の一端に接続されている。その回転軸38の他端は、機枠35の外部に突出するとともに、同期ギア39が接続される。上下の回転軸38に接続された同期ギア39は、互いに噛み合い、同期して回転可能となり、駆動モータ40の回転力を受けて回転する。よって、駆動モータ40が回転駆動することで、各カム板37が所定の方向に自転し、上記の通りカム機構を用いて上側トップシーラ31と下側トップシーラ32が移動する。なお、係るカム機構を用いて好転移動させる構成は、従来公知のものであるので、その詳細な説明を省略する。また、このようにカムを用いるのではなく、上側トップシーラ31,下側トップシーラ32を上下移動させるための駆動モータと、前後進移動させるための駆動モータというように複数の駆動モータを設け、それら各駆動モータを適宜のタイミングで動作させることで上側トップシーラ31,下側トップシーラ32を公転移動させるようにしてもよく、各種の構成をとれる。
【0025】
下側トップシーラ32の搬送方向に沿った方向の中央の幅方向に伸びるセンターライン上には、上下に貫通する貫通孔322を設け、その貫通孔322内には、トップカッター41を上下移動可能に配置する。このトップカッター41は、上端に刃部411が形成される。このトップカッター41は、下側シーラ取付台34の下面に取り付けられた駆動源たるエアシリンダ42からの力を受けて、上側トップシーラ31に対して相対的に昇降移動する。より具体的には、トップカッター41の下端が、連結プレート43に固定され、その連結プレート43を介してエアシリンダ42に連携される。そして、トップカッター41が下降して待機位置にくると、刃部411がシール面321よりも下方に位置し、下側トップシーラ32内に収納され、トップカッター41が上昇して作動位置に至ると、刃部411はシール面321よりも上方に位置し、シール面321の外部に突出する。
【0026】
一方、上側トップシーラ31のセンターライン上であって、トップカッター41に対向する位置には、細幅な凹溝312が形成される。これにより、上側トップシーラ31と下側トップシーラ32とで包材16を上下から挟み込んで加熱シールしているタイミングでエアシリンダ42が作動して待機位置にあるトップカッター41が上昇移動し、シール面321から上方に突出した刃部411が、上側トップシーラ31に設けた凹溝312内に入り込む。これにより、包材16は、その刃部411に沿って横方向に切断される。
【0027】
ここで本実施形態では、各シール面311,321が、トップシール装置30にて形成される包装体29のトップシール部に縦目シールを形成するためのシール目としている。すなわち、シール面311,321には、図2(b),(c)に拡大して示すように、搬送方向に沿って延びるように形成される凸部45と凹部46が、搬送方向に対して直交する方向に交互に配置されるレイアウトをとる。そして、上側トップシーラ31のシール面311に形成した凸部45には、下側トップシーラ32のシール面321に形成した凹部46が対向し、上側トップシーラ31のシール面311に形成した凹部46には、下側トップシーラ32のシール面321に形成した凸部45が対向するようにし、凸部45と凹部46が付合する寸法形状にした。これにより、上述した駆動機構により上側トップシーラ31と下側トップシーラ32が接近移動し、互いのシール面311,321が包材16を挟み込んだ場合、それぞれの凸部45が対向する凹部46内に入り込み、付合することで、挟まれた包材16は、その凸部45,凹部46の形状に沿って変形する。そして、その状態で加熱・加圧されることで、当該形状でシールされ、トップシール部の包装体29の本体側から先端に向かって伸びる凹部と凸部が幅方向に交互に繰り返される波状の縦目のシール部となる。
【0028】
さらに、本実施形態では、凹部46と凸部45は、略台形状とした。そして、凸部45は、先細り状で、先端側が台形の短い底辺である上底(<下底)に対応する平坦部451となり、その平坦部451の両側に台形の脚である斜辺部452が配置される形状となる。凹部46は、その窪んだ部分の内形状が略台形状となり、奥側が台形の短い底辺である上底(<下底)に対応する平坦部461となり、その平坦部461の両側に台形の脚である斜辺部462が配置される形状となる。上述したように凸部45と凹部46は交互に配置されるため、隣接する凸部45の斜辺部452と凹部46の斜辺部462は同じ部位となる。
【0029】
このように縦目シールを形成するための凹凸を、それぞれ略台形状にし、山の頂と、谷の底の部分を平坦部451,461にしたため、上側トップシーラ31と下側トップシーラ32間に挟まれた包材16は、紙材などの伸びにくい材質であっても、平坦部451,461に沿うように配置される(図3(a)→(b)参照)。よって、包材16は、シール面311,321に対してほぼ隙間なく接触される。これに伴い、シール面311,321の山谷部分で包材16がしっかりと挟み込まれ、包材の厚みが厚くなっているセンターシール部の周辺も含め全体がしっかりと加熱され、綺麗にシールされる。
【0030】
なお、従来のシール面が三角波状の凹凸を備えたトップシーラで包材を挟み込んだ場合、シール面に設けられた尖った山の頂が包材を上下から交互に相手側に付勢するが、包材が伸びにくいと凹凸の形状に沿うことができずにシール面と包材の間に空間が形成されてしまう。すると、その空間が断熱層となりトップシーラのシール面の熱が包材に効率よく伝わらず、シール不良を起こしたり、十分なシールができなかったりする。本実施形態では、かかる事態の発生を防止できる。
【0031】
一方、トップカッター41の先端側の刃部411は、略三角波状に形成され、各三角形の頂点の配置ピッチt1は、トップカッター41が実装される下側トップシーラ32のシール面321に形成されるシール目の凹凸の配置ピッチt2の整数倍に設定する。本実施形態では、凸部45の先端側並びに凹部46の奥側はともに平坦部451,461となっているため、配置ピッチt2は、例えば隣接する平坦部451の所定位置(例えば中央等)の間隔とするとよい。整数倍とする値は、1倍(同一間隔)としてもよいが、本実施形態では2倍とした。
【0032】
さらに本実施形態では、トップカッター41の刃部411の各刃先、すなわち個々の略三角形の頂点が、包材の搬送方向で見た場合に、下側トップシーラ32のシール面321に形成される凸部45の平坦部451の設置位置に位置するように構成する。
【0033】
係る構成にすると、上述したように上側トップシーラ31と下側トップシーラ32で挟み込まれた状態の包材16は、シール面311,321の凹凸に合わせて変形した状態となり、その状態では下側トップシーラ32の待機位置にあるトップカッター41の刃部411の刃先の各頂点は、それぞれ包材16の凸状に変形した平坦部位161に対向する(図3(b)参照)。そして、上側トップシーラ31と下側トップシーラ32で包材16を挟み込んだ状態のままトップカッター41が上昇移動すると、刃部411の刃先が、対向する包材16の平坦部位161に接触し(図3(c)参照)、さらにトップカッター41が上昇して刃部411がシール面321より上方に突出する(図3(d)参照)と、刃先が包材16の凸状の部分(山の部分)を押し上げるように切断するため、切れ味が良くなる。このとき、刃部411を構成する各三角形の夫々の刃先は、それぞれの平坦部位161に同時に接触し、同じタイミングで押し上げ切断するため、包材16に対して均等に力が加わる。よって、かかる作用効果が相乗的に作用し、より綺麗に切断される。
【0034】
また、上述した実施形態では、トップカッター41の刃部411の各刃先、すなわち個々の略三角形の頂点が、包材の搬送方向で見た場合に、下側トップシーラ32のシール面321に形成される凸部45の平坦部451の設置位置に位置するように構成したが、より好ましくは、平坦部451の中央部位にあわせ、刃部411を構成する各三角形の形状を、刃先を頂点とする二等辺三角形(正三角形を含む)とするとよい。このようにすると、包材16の平坦部位161の中央部位から切断が開始され、同じタイミングで平坦部位161の両側に位置する稜線の斜辺部位162に対する切断に移行するので、より綺麗に切断される。
【0035】
また上述した実施形態では、トップカッター41の刃部411の各刃先、すなわち個々の略三角形の頂点が、包材の搬送方向で見た場合に、下側トップシーラ32のシール面321に形成される凸部45の平坦部451の設置位置に位置するように構成したが、本発明はこれに限ることはなく、例えば下側トップシーラ32のシール面321に形成される凹部46の平坦部461の設置位置にしたり、斜辺部462の設置位置にしたりするなど、各種の場所に位置合わせすることができる。いずれの場合も、配置ピッチt1と配置ピッチt2を整数倍の関係にしたため、トップカッター41の各刃先が同じタイミングで包材16に接触し、切り込んでいくため、綺麗に切断することができる。
【0036】
特に本実施形態のように凸部、凹部を略台形状にして平坦部を備えることで、上述したように包材16は、シール面311,321に対してほぼ隙間なく接触される。これに伴い、シール面311,321の山谷部分で包材16がしっかりと挟み込まれて把持された状態でトップカッター41の各刃先が所定部位に当たるため、最初に接触する部位がどの位置でも綺麗に切断することができる。但し、好ましくは平坦部451,461に合わせるのがよい。
【0037】
また、上述した実施形態では、トップカッター41を下側トップシーラ32に内蔵させた例を説明したが、本発明はこれに限ることはなく、上側トップシーラ31に内蔵させてもよい。
【0038】
また、上述した実施形態では、ピロー包装機に用いられるトップシール装置について説明したが、本発明はこれに限ることはなく、例えば1枚の包材を中央から折り返して上下に重ね、先端同士をサイドシールする横三方包装機や、2枚の包材を重ね合わせる四方シール包装機などの他、各種の包装機のトップシール装置に適用できる。さらには、包材を水平方向に搬送する横型の包装機に限らず、包材を上下方向に搬送する縦型の包装機に適用してもよい。
【0039】
また、上述した実施形態では、シール目の凹凸形状を略台形状としたが、本発明はこれに限ることはなく、例えば、略三角形状で頂点を丸みを帯びた形状にしたものや、振幅が比較的小さい円弧が上下に交互に配置される波型のような滑らかな凹凸形状など各種の形状とするとよい。
【0040】
以上、本発明の様々な側面を実施形態を用いて説明してきたが、これらの実施形態や説明は、本発明の範囲を制限する目的でなされたものではなく、本発明の理解に資するために提供されたものであることを付言しておく。本発明の範囲は、明細書に明示的に説明された構成や製法に限定されるものではなく、本明細書に開示される本発明の様々な側面の組み合わせをも、その範囲に含むものである。本発明のうち、特許を受けようとする構成を、添付の特許請求の範囲に特定したが、現在の処は特許請求の範囲に特定されていない構成であっても、本明細書に開示される構成を、将来的に特許請求する可能性があることを、念のために申し述べる。
【符号の説明】
【0041】
13 :製品
16 :包材
161 :平坦部位
162 :斜辺部位
30 :トップシール装置
31 :上側トップシーラ
311 :シール面
32 :下側トップシーラ
321 :シール面
41 :トップカッター
411 :刃部
45 :凸部
451 :平坦部
452 :斜辺部
46 :凹部
461 :平坦部
462 :斜辺部
図1
図2
図3