(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-22
(45)【発行日】2025-01-30
(54)【発明の名称】荷物積替装置
(51)【国際特許分類】
B65G 57/04 20060101AFI20250123BHJP
B65G 59/04 20060101ALI20250123BHJP
B65G 60/00 20060101ALI20250123BHJP
【FI】
B65G57/04
B65G59/04
B65G60/00 B
(21)【出願番号】P 2024071114
(22)【出願日】2024-04-25
【審査請求日】2024-04-25
(73)【特許権者】
【識別番号】515012804
【氏名又は名称】サンナイス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100143063
【氏名又は名称】安藤 悟
(72)【発明者】
【氏名】長屋 俊司
【審査官】福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-194460(JP,A)
【文献】特開2003-2437(JP,A)
【文献】実開平4-77530(JP,U)
【文献】実開平3-18033(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 57/00-57/32
B65G 60/00-61/00
B65G 59/00-59/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷物の移動元となる第1載置台と、
荷物の移動先となる第2載置台と、
荷物を搬送する荷物搬送手段と、
所定制御手段と、
を備えた荷物積替装置であって、
前記荷物積替装置は、荷物を載置することが可能な第3載置台を備え、
前記所定制御手段は、
第1契機が発生したことに基づいて、前記荷物搬送手段により前記第1載置台から前記第2載置台に荷物が搬送されるようにする第1搬送制御を実行する第1搬送制御手段と、
第2契機が発生したことに基づいて、前記荷物搬送手段により前記第1載置台から前記第3載置台に荷物が搬送されるようにする第2搬送制御を実行する第2搬送制御手段と、
第3契機が発生したことに基づいて、前記荷物搬送手段により前記第3載置台から前記第2載置台に荷物が搬送されるようにする第3搬送制御を実行する第3搬送制御手段と、
を備え、
前記第1載置台に荷物が所定のパターンで配列されている状態で前記第1搬送制御が実行される場合には、前記第2載置台に当該所定のパターンで荷物が配列されている状態となるように前記第1載置台から前記第2載置台に荷物が搬送される構成であり、
前記第1載置台に荷物が前記所定のパターンで配列されている状態で前記第2搬送制御が実行される場合には、前記第3載置台に当該所定のパターンで荷物が配列されている状態となるように前記第1載置台から前記第3載置台に荷物が搬送される構成であり、
前記第3載置台に荷物が前記所定のパターンで配列されている状態で前記第3搬送制御が実行される場合には、前記第2載置台に当該所定のパターンで荷物が配列されている状態となるように前記第3載置台から前記第2載置台に荷物が搬送される構成であることを特徴とする荷物積替装置。
【請求項2】
前記第2載置台に荷物が存在している状態において前記第1搬送制御が実行される場合には、前記第2載置台に存在していた荷物の上に当該第1搬送制御により前記第1載置台から搬送されて来た荷物が積まれることを特徴とする請求項1に記載の荷物積替装置。
【請求項3】
前記第2載置台に荷物が存在している状態において前記第3搬送制御が実行される場合には、前記第2載置台に存在していた荷物の上に当該第3搬送制御により前記第3載置台から搬送されて来た荷物が積まれることを特徴とする請求項2に記載の荷物積替装置。
【請求項4】
前記第2載置台に荷物が存在している状態において前記第1搬送制御が実行される場合には、前記第2載置台に存在していた荷物の上に当該第1搬送制御により前記第1載置台から搬送されて来た荷物が積まれる構成であり、
前記第2載置台に荷物が存在している状態において前記第3搬送制御が実行される場合には、前記第2載置台に存在していた荷物の上に当該第3搬送制御により前記第3載置台から搬送されて来た荷物が積まれる構成であり、
前記第1載置台に複数の荷物が配列されている荷物の層がセットされる構成であり、
前記第2載置台上に積まれる荷物の段数として、前記第1載置台にセットされる荷物の段数とは異なる段数が設定されていることを特徴とする請求項1に記載の荷物積替装置。
【請求項5】
前記荷物搬送手段は、前記第1載置台上の荷物又は前記第3載置台上の荷物を上から吸着して保持することが可能な吸着保持手段を備えていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1に記載の荷物積替装置。
【請求項6】
前記荷物搬送手段は、
前記吸着保持手段の高さ位置を調整可能とする所定高さ調整手段と、
前記吸着保持手段を前記第3載置台から前記第2載置台に向かう方向に移動させる手段と、
を備え、
前記第3搬送制御において、前記第3載置台から前記第2載置台への荷物の搬送は、前記吸着保持手段により吸着保持されている荷物が前記第1載置台における最上段の荷物の上方を通過する態様で実行されることを特徴とする請求項5に記載の荷物積替装置。
【請求項7】
前記荷物搬送手段は、
前記吸着保持手段の高さ位置を調整可能とする所定高さ調整手段と、
前記吸着保持手段を前記第1載置台から前記第2載置台に向かう方向に移動させる手段と、
前記吸着保持手段を前記第3載置台から前記第2載置台に向かう方向に移動させる手段と、
を備え、
前記第1搬送制御において、荷物を吸着保持している状態で第1高さ位置に存在している前記吸着保持手段が前記第1載置台から前記第2載置台に向かう方向に移動する構成であり、
前記第3搬送制御において、荷物を吸着保持している状態で前記第1高さ位置よりも高い第2高さ位置に存在している前記吸着保持手段が前記第3載置台から前記第2載置台に向かう方向に移動する構成であることを特徴とする請求項5に記載の荷物積替装置。
【請求項8】
前記第1載置台の高さ位置を調整可能とする所定昇降手段と、
前記第2載置台の高さ位置を調整可能とする特定昇降手段と、
を備え、
前記荷物搬送手段は、前記吸着保持手段の高さ位置を調整可能とする所定高さ調整手段を備え、
前記所定制御手段は、前記第1搬送制御において、前記吸着保持手段が前記第1載置台上の荷物を吸着する状況における当該吸着保持手段の高さ位置と、前記吸着保持手段が荷物の吸着保持を解除して前記第2載置台上に荷物を置く状況における当該吸着保持手段の高さ位置とが略同一の高さ位置となるように、前記所定昇降手段及び前記特定昇降手段の制御を実行する手段を備えていることを特徴とする請求項5に記載の荷物積替装置。
【請求項9】
前記第1載置台の高さ位置を調整可能とする所定昇降手段を備え、
前記荷物搬送手段は、
前記吸着保持手段の高さ位置を調整可能とする所定高さ調整手段と、
前記吸着保持手段を前記第1載置台から前記第3載置台に向かう方向に移動させる手段と、
を備え、
前記第1載置台の上面が所定の高さ位置に存在している状況において当該第1載置台に荷物がセットされる構成であり、
前記所定制御手段は、前記第2搬送制御が実行される状況において、前記第1載置台の上面が前記所定の高さ位置よりも高い位置に存在している状態となるように前記所定昇降手段の制御を実行する手段を備え、
前記第3載置台の上面は、前記所定の高さ位置よりも高い位置に設定されていることを特徴とする請求項5に記載の荷物積替装置。
【請求項10】
前記荷物搬送手段は、前記第1載置台上に存在している1層分の荷物又は前記第3載置台上に存在している1層分の荷物を保持することが可能な荷物保持手段を備え、
前記第1搬送制御において、前記第1載置台に存在していた1層分の荷物を保持している状態の前記荷物保持手段が前記第1載置台から前記第2載置台に向かう方向に移動する構成であり、
前記第2搬送制御において、前記第1載置台に存在していた1層分の荷物を保持している状態の前記荷物保持手段が前記第1載置台から前記第3載置台に向かう方向に移動する構成であり、
前記第3搬送制御において、前記第3載置台に存在していた1層分の荷物を保持している前記荷物保持手段が前記第3載置台から前記第2載置台に向かう方向に移動する構成であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1に記載の荷物積替装置。
【請求項11】
前記第1載置台、前記第2載置台及び前記第3載置台が一直線上に配置されている構成であり、
前記荷物搬送手段の搬送経路は直線経路であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1に記載の荷物積替装置。
【請求項12】
前記第2載置台は前記第1載置台に並設されており、
前記第3載置台は、前記第1載置台を挟んで前記第2載置台とは逆側に配置されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1に記載の荷物積替装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は荷物積替装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
生産工場及び物流倉庫等の施設では、当該施設から荷物が搬出される場合に、保管用の台から運送用の台への荷物の積み替えが行われる。また、物流倉庫及び販売店等の施設では、当該施設に荷物が搬入された場合に、運送用の台から保管用の台への荷物の積み替えが行われる。このような荷物の積み替えに使用される荷物積替装置として、積み替え元の台において段積みされている荷物を1層分ずつ積み替え先の台に移動させる荷物積替装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
ところで、積み替え先の台上に複数段の荷物が積まれている状態となるように荷物の積み替えが行われる場合、荷物の積み方によっては荷物の運送中又は保管中に荷崩れが発生し易くなってしまう。例えば、上下の荷物が同じ向きで積まれる態様(所謂「棒積み」)で荷物が積まれると、荷崩れが発生し易くなってしまう。これに対して、上下で荷物の向きが変わるように荷物を積むと、荷崩れを発生させづらくすることができる。上述した荷物積替装置では、積み替え元及び積み替え先において台上の荷物の段数を変化させない場合、積み替え元において荷崩れを発生させづらい態様で荷物が積まれていることを条件として、積み替え先においても荷崩れを発生させづらい態様で荷物が積まれることとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、工場及び倉庫等の施設において荷物を保管する状況に適している段数と、トラック等で荷物を運送する状況に適している段数とが相違している場合がある。そして、上述した荷物積替装置では、積み替え前後で荷物の段数が変化する場合、積み替え元の台において荷崩れを発生させづらい態様で荷物が積まれていても、積み替え先の台において上下の荷物の向きが同一である箇所、すなわち荷崩れを発生させ易い箇所を生じさせてしまうおそれがある。このように、積み替え元の台から積み替え先の台に荷物を積み替える荷物積替装置には依然として改良の余地がある。
【0006】
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、荷崩れを発生させづらい態様で積み替え先の台に荷物を積むために行われる荷物の移動を好適に行うことが可能な荷物積替装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決すべく請求項1記載の発明は、荷物の移動元となる第1載置台と、
荷物の移動先となる第2載置台と、
荷物を搬送する荷物搬送手段と、
所定制御手段と、
を備えた荷物積替装置であって、
前記荷物積替装置は、荷物を載置することが可能な第3載置台を備え、
前記所定制御手段は、
第1契機が発生したことに基づいて、前記荷物搬送手段により前記第1載置台から前記第2載置台に荷物が搬送されるようにする第1搬送制御を実行する第1搬送制御手段と、
第2契機が発生したことに基づいて、前記荷物搬送手段により前記第1載置台から前記第3載置台に荷物が搬送されるようにする第2搬送制御を実行する第2搬送制御手段と、
第3契機が発生したことに基づいて、前記荷物搬送手段により前記第3載置台から前記第2載置台に荷物が搬送されるようにする第3搬送制御を実行する第3搬送制御手段と、
を備え、
前記第1載置台に荷物が所定のパターンで配列されている状態で前記第1搬送制御が実行される場合には、前記第2載置台に当該所定のパターンで荷物が配列されている状態となるように前記第1載置台から前記第2載置台に荷物が搬送される構成であり、
前記第1載置台に荷物が前記所定のパターンで配列されている状態で前記第2搬送制御が実行される場合には、前記第3載置台に当該所定のパターンで荷物が配列されている状態となるように前記第1載置台から前記第3載置台に荷物が搬送される構成であり、
前記第3載置台に荷物が前記所定のパターンで配列されている状態で前記第3搬送制御が実行される場合には、前記第2載置台に当該所定のパターンで荷物が配列されている状態となるように前記第3載置台から前記第2載置台に荷物が搬送される構成であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、荷崩れを発生させづらい態様で積み替え先の台に荷物を積むために行われる荷物の移動を好適に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1の実施形態における荷物積替システムを上から見た平面図である。
【
図2】(a)荷物積替装置に供給される第1パレット及び当該第1パレットに積まれている荷物の斜視図であり、(b)荷物積替装置から搬出される第2パレット及び当該第2パレットに積まれている荷物の斜視図であり、(c)荷物の第1配列パターンを説明するための説明図であり、(d)荷物の第2配列パターンを説明するための説明図である。
【
図3】搬出コンベヤ側から見た荷物積替装置の正面図である。
【
図5】(a),(b)荷物に対する吸着ヘッドの吸着位置を説明するための説明図である。
【
図6】荷物積替装置の電気的構成を示すブロック図である。
【
図7】(a)~(c)直接開始ボタンが操作されたことに基づいて行われる移動制御を説明するための説明図であり、(d)~(f)持込開始ボタンが操作されたことに基づいて行われる移動制御を説明するための説明図である。
【
図8】(a)~(c)持出開始ボタンが操作されたことに基づいて行われる移動制御を説明するための説明図であり、(d)~(f)持込開始ボタンが操作されたことに基づいて行われる移動制御を説明するための説明図である。
【
図9】CPUにおける積替制御処理を示すフローチャートである。
【
図10】CPUにおける第1移動制御用処理を示すフローチャートである。
【
図11】CPUにおける第2移動制御用処理を示すフローチャートである。
【
図12】CPUにおける第3移動制御用処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1の実施形態>
以下、荷物積替装置の第1の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は荷物積替システム10を上から見た平面図である。工場及び倉庫等の施設において保管していた荷物Nを出荷する場合、保管用の第1パレット11(積み替え元の台)から運送用の第2パレット12(積み替え先の台)への荷物Nの積み替えが行われる。荷物積替システム10は、当該荷物Nの積み替えを行うために使用される。荷物Nは、食品及び薬等の商品が収容されている段ボール等の包装用容器である。
【0011】
図1に示すように、荷物積替システム10は、出荷される荷物Nが積まれている第1パレット11を搬送するための第1搬入コンベヤ13と、荷物Nが積まれていない空の第2パレット12を搬送するための第2搬入コンベヤ14と、第1搬入コンベヤ13から供給される第1パレット11上に積まれている荷物Nを第2搬入コンベヤ14から供給される空の第2パレット12に積み替える荷物積替装置15と、荷物Nの積み替えが行われて空になった第1パレット11を搬送する第1搬出コンベヤ16と、荷物Nの積み替えが行われて荷物Nが積まれている状態となった第2パレット12を搬送する第2搬出コンベヤ17とを備えている。
【0012】
第1搬入コンベヤ13は、一対の第1搬入コンベヤフレーム13a,13bを備えている。第1搬入コンベヤフレーム13a,13bは、当該第1搬入コンベヤフレーム13a,13bの延在方向(
図1における左右方向)における複数個所に設けられた第1搬入脚部13cによって、施設の床面から上方に離間させて支持されている。一対の第1搬入コンベヤフレーム13a,13bの間には、複数の第1搬入ローラ13dが回転可能に固定されている。第1搬入ローラ13dは、第1搬入コンベヤフレーム13a,13bの延在方向に所定の間隔をあけて配置されている。第1搬入コンベヤ13における第1パレット11の搬送方向は、第1搬入コンベヤフレーム13a,13bの延在方向のうち荷物積替装置15に向かう方向(
図1における右方向)である。
【0013】
第2搬入コンベヤ14は第1搬入コンベヤ13に並設されている。第2搬入コンベヤ14は第1搬入コンベヤ13よりも、第1搬入コンベヤフレーム13a,13bの延在方向に直交する一方向側(
図1における上側)に配置されている。第2搬入コンベヤ14は、一対の第2搬入コンベヤフレーム14a,14bを備えている。第2搬入コンベヤフレーム14a,14bは、当該第2搬入コンベヤフレーム14a,14bの延在方向(
図1における左右方向)における複数個所に設けられた第2搬入脚部14cによって、施設の床面から上方に離間させて支持されている。一対の第2搬入コンベヤフレーム14a,14bの間には、複数の第2搬入ローラ14dが回転可能に固定されている。第2搬入ローラ14dは、第2搬入コンベヤフレーム14a,14bの延在方向に所定の間隔をあけて配置されている。第2搬入コンベヤ14における第2パレット12の搬送方向は、第2搬入コンベヤフレーム14a,14bの延在方向のうち荷物積替装置15に向かう方向(
図1における右方向)である。
【0014】
第1搬出コンベヤ16は荷物積替装置15を挟んで第1搬入コンベヤ13とは逆側に設けられているとともに、第2搬出コンベヤ17は荷物積替装置15を挟んで第2搬入コンベヤ14とは逆側に設けられている。第1搬出コンベヤ16は、一対の第1搬出コンベヤフレーム16a,16bを備えている。第1搬出コンベヤフレーム16a,16bは、当該第1搬出コンベヤフレーム16a,16bの延在方向(
図1における左右方向)における複数個所に設けられた第1搬出脚部16cによって、施設の床面から上方に離間させて支持されている。一対の第1搬出コンベヤフレーム16a,16bの間には、複数の第1搬出ローラ16dが回転可能に固定されている。第1搬出ローラ16dは、第1搬出コンベヤフレーム16a,16bの延在方向に所定の間隔をあけて配置されている。第1搬出コンベヤ16における第1パレット11の搬送方向は、第1搬出コンベヤフレーム16a,16bの延在方向のうち荷物積替装置15とは逆側に向かう方向(
図1における右方向)である。
【0015】
第2搬出コンベヤ17は第1搬出コンベヤ16に並設されている。第2搬出コンベヤ17は第1搬出コンベヤ16よりも、第1搬出コンベヤフレーム16a,16bの延在方向に直交する一方向側(
図1における上側)に配置されている。第2搬出コンベヤ17は、一対の第2搬出コンベヤフレーム17a,17bを備えている。第2搬出コンベヤフレーム17a,17bは、当該第2搬出コンベヤフレーム17a,17bの延在方向(
図1における左右方向)における複数個所に設けられた第2搬出脚部17cによって、施設の床面から上方に離間させて支持されている。一対の第2搬出コンベヤフレーム17a,17bの間には、複数の第2搬出ローラ17dが回転可能に固定されている。第2搬出ローラ17dは、第2搬出コンベヤフレーム17a,17bの延在方向に所定の間隔をあけて配置されている。第2搬出コンベヤ17における第2パレット12の搬送方向は、第2搬出コンベヤフレーム17a,17bの延在方向のうち荷物積替装置15とは逆側に向かう方向(
図1における右方向)である。
【0016】
第1搬入ローラ13d、第2搬入ローラ14d、第1搬出ローラ16d及び第2搬出ローラ17dの上端は、施設の床面から600mmの高さ位置に存在している。第1搬入コンベヤ13及び第1搬出コンベヤ16において第1パレット11は、作業者によって押されることにより上述した搬送方向(
図1における右方向)に移動する。また、第2搬入コンベヤ14及び第2搬出コンベヤ17において第2パレット12は、作業者によって押されることにより上述した搬送方向(
図1における右方向)に移動する。なお、搬入コンベヤ13,14及び搬出コンベヤ16,17として電動式のローラコンベヤ又はベルトコンベヤが使用されている構成としてもよい。
【0017】
図2(a)は荷物積替装置15に供給される第1パレット11及び当該第1パレット11に積まれている荷物Nの斜視図であり、
図2(b)は荷物積替装置15から搬出される第2パレット12及び当該第2パレット12に積まれている荷物Nの斜視図である。
図2(a)及び
図2(b)に示すように、第1パレット11及び第2パレット12は直方体形状である。また、パレット11,12は樹脂製である。パレット11,12の高さ寸法は150mmである。また、パレット11,12の上面11a,12a及び下面11b,12bは1辺が1100mmの正方形である。パレット11,12は、一対の平行な第1側面11c,12c及び第2側面11d,12dと、第1側面11c,12c及び第2側面11d,12dに直交する一対の平行な第3側面11e,12e及び第4側面11f,12fとを備えている。第1側面11c,12cと第2側面11d,12dとの離間距離、及び第3側面11e,12eと第4側面11f,12fとの離間距離は1100mmである。以下、本実施形態では、第1側面11c,12cと第2側面11d,12dとの離間距離、及び第3側面11e,12eと第4側面11f,12fとの離間距離を「パレット11,12の幅寸法」ともいう。
【0018】
図2(a)に示すように、荷物積替装置15に供給される第1パレット11の上には、第1パレット11に最も近い第1層から第1層→第2層→第3層→第4層→第5層の順番で、5段となるように同一サイズ及び同一形状の荷物Nが積まれている。同一の製品を大量に生産する工場又は複数種類の製品を収容する包装用容器のサイズ及び形状が統一されている工場では、同一サイズ及び同一形状の荷物Nが大量に保管されている状況が発生する。荷物Nは直方体形状の包装用容器である。荷物Nの高さ寸法は196mmである。また、荷物Nにおける長手方向の寸法(縦寸法)は540mmであるとともに、短手方向の寸法(横寸法)は168mmである。第1層~第5層のそれぞれには12個の荷物Nが存在している。
【0019】
本実施形態では荷物Nの配列パターンとして、第1配列パターン及び第2配列パターンが存在している。
図2(c)は荷物Nの第1配列パターンを説明するための説明図であり、
図2(d)は荷物Nの第2配列パターンを説明するための説明図である。
図2(c)に示すように、第1配列パターンでは、層内の左上部及び右下部において横向きの荷物Nが縦方向(
図2(c)における上下方向)に3つ並べられているとともに、層内の右上部及び左下部において縦向きの荷物Nが横方向(
図2(c)における左右方向)に3つ並べられている。また、
図2(d)に示すように、第2配列パターンでは、層内の左上部及び右下部において縦向きの荷物Nが横方向(
図2(d)における左右方向)に3つ並べられているとともに、層内の右上部及び左下部において横向きの荷物Nが縦方向(
図2(d)における上下方向)に3つ並べられている。
【0020】
第1配列パターン及び第2配列パターンの関係は、第1配列パターンで配列された荷物Nの層の上に第2配列パターンで配列された荷物Nの層が積まれる場合、又は第2配列パターンで配列された荷物Nの層の上に第1配列パターンで配列された荷物Nの層が積まれる場合に、上下の荷物Nが同じ向きで積まれている箇所、すなわち荷崩れを発生させ易い箇所を生じさせない関係である。また、第1配列パターンは層内の荷物Nの向きが2種類(縦向き及び横向き)である配列パターンであるとともに、第2配列パターンは層内の荷物Nの向きが2種類(縦向き及び横向き)である配列パターンである。さらにまた、第1配列パターンは、層内における左上部と、左下部又は右上部とで荷物Nの向きが相違しているとともに、層内における右下部と、右上部又は左下部とで荷物Nの向きが相違している配列パターンである。また、第2配列パターンは、層内における左上部と、左下部又は右上部とで荷物Nの向きが相違しているとともに、層内における右下部と、右上部又は左下部とで荷物Nの向きが相違している配列パターンである。
【0021】
荷物積替装置15には第1積層態様又は第2積層態様で荷物Nが積まれた第1パレット11が供給される。第1積層態様とは、
図2(a)に示すように、奇数段目の層(第1層、第3層及び第5層)において第1配列パターンとなるように荷物Nが配列されているとともに、偶数段目の層(第2層及び第4層)において第2配列パターンとなるように荷物Nが配列されている積層態様である。また、図示は省略するが、第2積層態様とは、奇数段目の層において第2配列パターンとなるように荷物Nが配列されているとともに、偶数段目の層において第1配列パターンとなるように荷物Nが配列されている積層態様である。このように、第1積層態様及び第2積層態様はいずれも、第1配列パターン及び第2配列パターンが交互に繰り返される積層態様である。また、第1積層態様及び第2積層態様は、上下の荷物Nが同じ向きで積まれている箇所、すなわち荷崩れを発生させ易い箇所を含まない積層態様である。工場及び倉庫等の施設において出荷前の荷物Nが第1積層態様又は第2積層態様で保管されていることにより、当該施設内において荷崩れの発生が防止されている。
【0022】
図2(b)に示すように、荷物積替装置15から搬出される第2パレット12の上には、第2パレット12に最も近い第1層から第1層→第2層→第3層→第4層→第5層→第6層→第7層の順番で、7段となるように荷物Nが積まれている。また、第1層~第7層のそれぞれには12個の荷物Nが存在している。保管時における第1パレット11上の荷物Nの段数を増加させると、施設内での第1パレット11の移動に支障が生じてしまうおそれがあるとともに、上に積まれている荷物Nの重みで下の荷物Nが変形してしまうおそれがある。一方、運送時における第2パレット12上の荷物Nの段数が少ない場合、トラックの荷室の上部分が大きく空いている状態となり、輸送効率が低下してしまう。また、荷物Nが積まれている第2パレット12を上下に重ねてトラックの荷室に積むと、第2パレット12の下に配置された荷物Nの上面に第2パレット12の跡が付いてしまうという問題がある。これに対して、荷物積替装置15では、第2パレット12上に荷物Nが7段で積まれている状態となるまで荷物Nの積み替えが行われる。このように、荷物積替装置15を使用して保管に適した荷物Nの段数(5段)から運送に適した荷物Nの段数(7段)への変更を可能とすることにより、施設内での荷物Nの保管に問題を生じさせることなく、荷物Nの輸送効率を向上させることができる。
【0023】
荷物積替装置15から搬出された空の第1パレット11は、第1搬出コンベヤ16の下流において回収され、施設内で再度使用される。また、荷物Nが積まれている状態で荷物積替装置15から搬出された第2パレット12は、第2搬出コンベヤ17で搬送された後、トラックの荷室に積まれて倉庫及び販売店等の搬送先に搬送される。このように、工場及び倉庫等の施設内で使用される第1パレット11とは別に、出荷に使用される第2パレット12が存在していることにより、当該施設内で使用される第1パレット11が当該施設の外で使用されて汚れてしまうことが防止されている。食品工場及び薬品工場のように所定の清浄度が要求される施設において、第1パレット11が汚れてしまうことを防止することにより、第1パレット11を洗浄する工程及び乾燥させる工程の発生が防止されている。
【0024】
<荷物積替装置>
次に、荷物積替装置15の構成について説明する。
図3は搬出コンベヤ16,17側から見た荷物積替装置15の正面図であり、
図4は荷物積替装置15の側面図である。
図1に示すように、荷物積替装置15は金属製の枠体21を備えている。枠体21は、一対の搬入側第1支柱22a及び搬入側第2支柱22bと、一対の搬出側第1支柱22c及び搬出側第2支柱22dとを備えている。これらの支柱22a~22dは、施設の床面から上方に延びている。搬入側第2支柱22bは搬入側第1支柱22aから、搬入コンベヤ13,14における搬送方向に直交する一方向側(
図1における上側)に離間させて配置されている。また、搬出側第1支柱22cは搬入側第1支柱22aから、搬入コンベヤ13,14における搬送方向(
図1における右方向)に所定の間隔をあけて配置されているとともに、搬出側第2支柱22dは搬入側第2支柱22bから当該搬送方向に所定の間隔をあけて配置されている。また、
図3及び
図4に示すように、枠体21は、搬入側第1支柱22a及び搬入側第2支柱22bの下部を結ぶ搬入側下フレーム23aと、搬出側第1支柱22c及び搬出側第2支柱22dの下部を結ぶ搬出側下フレーム23bと、搬入側第1支柱22a及び搬出側第1支柱22cの下部を結ぶ第1下フレーム23cと、搬入側第2支柱22b及び搬出側第2支柱22dの下部を結ぶ第2下フレーム23dとを備えている。さらにまた、枠体21は、搬入側第1支柱22a及び搬入側第2支柱22bの上部を結ぶ搬入側上フレーム24aと、搬出側第1支柱22c及び搬出側第2支柱22dの上部を結ぶ搬出側上フレーム24bと、搬入側第1支柱22a及び搬出側第1支柱22cの上部を結ぶ第1上フレーム24cと、搬入側第2支柱22b及び搬出側第2支柱22dの上部を結ぶ第2上フレーム24dとを備えている。このように、枠体21の支柱22a~22d、下フレーム23a~23d及び上フレーム24a~24dにより直方体形状の空間が区画されている。
【0025】
下フレーム23a~23dの上面は、搬入ローラ13d,14d及び搬出ローラ16d,17d(
図1)の上端と同一の高さ位置に存在している。搬入側下フレーム23aはパレット11,12が枠体21で区画される空間に搬入される過程でパレット11,12を支持するとともに、搬出側下フレーム23bはパレット11,12が枠体21で区画される空間から搬出される過程でパレット11,12を支持する。これにより、段差が存在する構成と比較して、パレット11,12を搬入する作業及びパレット11,12を搬出する作業の作業負担が軽減されている。
【0026】
図1に示すように、枠体21の搬入側下フレーム23a(
図4)には第1搬入コンベヤフレーム13a,13b及び第2搬入コンベヤフレーム14a,14bの搬送方向側(
図1における右側)の端部がネジ固定されている。これにより、荷物積替装置15に対する第1搬入コンベヤ13及び第2搬入コンベヤ14の位置ずれが防止されている。また、枠体21の搬出側下フレーム23b(
図4)には、第1搬出コンベヤフレーム16a,16b及び第2搬出コンベヤフレーム17a,17bの搬送方向とは逆側(
図1における左側)の端部がネジ固定されている。これにより、荷物積替装置15に対する第1搬出コンベヤ16及び第2搬出コンベヤ17の位置ずれが防止されている。なお、搬入側第1支柱22a、搬入側第2支柱22b、搬出側第1支柱22c、搬出側第2支柱22d、第1搬入脚部13c、第2搬入脚部14c、第1搬出脚部16c及び第2搬出脚部17cが施設の床にネジ固定されていることにより、荷物積替装置15に対する搬入コンベヤ13,14及び搬出コンベヤ16,17の位置ずれ防止されている構成としてもよい。
【0027】
図1に示すように、搬入側第1支柱22aと搬出側第1支柱22cとの間隔、及び搬入側第2支柱22bと搬出側第2支柱22dとの間隔は、パレット11,12の幅寸法(1100mm)よりも大きい間隔であるとともにパレット11,12の幅寸法の2倍(2200mm)よりも小さい間隔である。また、搬入側第1支柱22aと搬入側第2支柱22bとの間隔、及び搬出側第1支柱22cと搬出側第2支柱22dとの間隔は、パレット11,12の幅寸法の2倍(2200mm)よりも大きい間隔であるとともにパレット11,12の幅寸法の3倍(3300mm)よりも小さい間隔である。
【0028】
図3に示すように、荷物積替装置15は、枠体21により区画されている空間の内部に設けられた第1リフタ25及び第2リフタ26を備えている。第1リフタ25は第1パレット11を昇降可能とする油圧式のテーブルリフタであるとともに、第2リフタ26は第2パレット12を昇降可能とする油圧式のテーブルリフタである。第1リフタ25及び第2リフタ26は並設されている。また、第2リフタ26は第1リフタ25よりも第2下フレーム23d側(
図3における右側)に配置されている。
図1に示すように、第1リフタ25は、搬入側下フレーム23aを挟んで第1搬入コンベヤ13とは逆側に存在しているとともに、搬出側下フレーム23bを挟んで第1搬出コンベヤ16とは逆側に存在している。また、第2リフタ26は、搬入側下フレーム23aを挟んで第2搬入コンベヤ14とは逆側に存在しているとともに、搬出側下フレーム23bを挟んで第2搬出コンベヤ17とは逆側に存在している。
【0029】
図3に示すように、第1リフタ25は第1搬入コンベヤ13(
図1)から供給される第1パレット11がセットされる第1パレット載置台27を備えているとともに、第2リフタ26は第2搬入コンベヤ14(
図1)から供給される第2パレット12がセットされる第2パレット載置台28を備えている。パレット載置台27,28は金属製である。なお、パレット載置台27,28が樹脂製である構成としてもよい。
【0030】
パレット載置台27,28の板厚は90mmである。第1パレット載置台27は、第1パレット11がセットされる第1パレット載置面27aと、第1パレット載置台27の上面から上方に突出させて設けられた一対の第1サイドガイド27b及び第2サイドガイド27cとを備えている。第1サイドガイド27bは第1パレット載置面27aよりも第2リフタ26側に設けられているとともに、第2サイドガイド27cは第1パレット載置面27aを挟んで第2リフタ26とは逆側に設けられている。第1パレット載置面27aは、第1パレット載置台27の上面であり、第1サイドガイド27b及び第2サイドガイド27cによって第1パレット11よりもひと回り大きい正方形に区画されている。また、第1パレット載置面27aは施設の床面と平行な上向きの水平面である。
【0031】
第1搬入コンベヤ13(
図1)から供給される第1パレット11を第1パレット載置面27aにセットする作業は作業者により行われる。第1サイドガイド27b及び第2サイドガイド27cが設けられていることにより、第1パレット11を第1パレット載置面27aの中央にセットし易くなっている。また、第1パレット載置面27aにセットされた第1パレット11の第2リフタ26側への移動、及び第2リフタ26とは逆側への移動が規制されている。
【0032】
第2パレット載置台28は、第2パレット12がセットされる第2パレット載置面28aと、第2パレット載置面28aから上方に突出させて設けられた一対の第3サイドガイド28b及び第4サイドガイド28cとを備えている。第3サイドガイド28bは第2パレット載置面28aよりも第1リフタ25側に設けられているとともに、第4サイドガイド28cは第2パレット載置面28aを挟んで第1リフタ25とは逆側に設けられている。第2パレット載置面28aは、第2パレット載置台28の上面であり、第3サイドガイド28b及び第4サイドガイド28cによって第2パレット12よりもひと回り大きい正方形に区画されている。また、第2パレット載置面28aは施設の床面と平行な上向きの水平面である。
【0033】
第2搬入コンベヤ14(
図1)から供給される第2パレット12を第2パレット載置面28aにセットする作業は作業者により行われる。第3サイドガイド28b及び第4サイドガイド28cが設けられていることにより、第2パレット12を第2パレット載置面28aの中央にセットし易くなっている。また、第2パレット載置面28aにセットされた第2パレット12の第1リフタ25側への移動、及び第1リフタ25とは逆側への移動が規制されている。
【0034】
第2リフタ26において第2パレット載置台28を昇降させるための構成は、第1リフタ25において第1パレット載置台27を昇降させるための構成と同様である。以下では、第1リフタ25を例として、第1パレット載置台27を昇降させるための構成について説明する。
【0035】
第1リフタ25は、施設の床に固定されているベース31を備えているとともに、ベース31と第1パレット載置台27との間に設けられたアーム部32を備えている。アーム部32は、X字状に交差する一対の下段アーム部33と、X字状に交差する一対の上段アーム部34とを備えている。下段アーム部33及び上段アーム部34のそれぞれは、搬入コンベヤ13,14側及び搬出コンベヤ16,17側に1つずつ配置されている。下段アーム部33は、下段センターピン33aで回動可能に連結されている下段外アーム33b及び下段内アーム33cを備えているとともに、上段アーム部34は、上段センターピン34aで回動可能に連結されている上段外アーム34b及び上段内アーム34cを備えている。下段外アーム33bの下端はベース31に対して回転可能に固定ピン(図示略)を介して連結されている。また、下段内アーム33cの下端はベース31に対して回転可能に且つスライド可能に摺動ローラ(図示略)を介して連結されている。下段外アーム33bの上端には第1ピン35を介して上段内アーム34cが連結されているとともに、下段内アーム33cの上端には第2ピン36を介して上段外アーム34bが連結されている。また、上段内アーム34cの上端は第1パレット載置台27に対して回転可能に固定ピン(図示略)を介して連結されているとともに、上段外アーム34bの上端は第1パレット載置台27に対して回転可能に且つスライド可能に摺動ローラ(図示略)を介して連結されている。下段内アーム33cと上段外アーム34bとの間には、第1油圧シリンダ37が掛け渡されている。第1油圧シリンダ37を駆動させると、施設の床面に対して第1パレット載置面27aが平行である状態を維持しながら第1パレット載置台27が昇降する。
【0036】
このように、第1パレット載置台27の昇降動作は、第1油圧シリンダ37を駆動させることにより、第1パレット載置面27aが施設の床面と平行な水平面である状態を維持しながら行われる。また、当該第1パレット載置台27の昇降動作と同様に、第2パレット載置台28の昇降動作は、第2リフタ26が備えている第2油圧シリンダ38を駆動させることにより、第2パレット載置面28aが施設の床面と平行な水平面である状態を維持しながら行われる。
【0037】
第1リフタ25は、アーム部32が下段アーム部33及び上段アーム部34を有する2段式のテーブルリフタである。これにより、第1リフタ25が1段式のテーブルリフタである構成と比較して、ベース31の寸法を抑えることが可能となっている。また、第1リフタ25と同様に、第2リフタ26は2段式のテーブルリフタである。これにより、第2リフタ26が1段式のテーブルリフタである構成と比較して、ベースの寸法を抑えることが可能となっている。よって、第1リフタ25及び第2リフタ26が設置される枠体21の寸法を抑えることが可能となっているとともに、荷物積替装置15の寸法を抑えることが可能となっている。
【0038】
荷物積替装置15は、第1油圧シリンダ37に接続されている第1油圧ユニット41(
図4)と、第2油圧シリンダ38に接続されている第2油圧ユニット42(
図4)とを備えている。
図3及び
図4に示すように、第1油圧ユニット41は、枠体21の外に設けられた下側設置台43の上に設置されているとともに、第2油圧ユニット42は第1油圧ユニット41の上に設置されている。下側設置台43は、搬入側第1支柱22a(
図1)及び搬出側第1支柱22cから搬入側第2支柱22b(
図1)及び搬出側第2支柱22dとは逆側の水平方向に延びている。下側設置台43の上面は水平面である。下側設置台43は、第1リフタ25を挟んで第2リフタ26とは逆側に設けられている。また、下側設置台43は枠体21の外に存在している。下側設置台43における搬入側第1支柱22a(
図1)及び搬出側第1支柱22c側の端部は、搬入側第1支柱22a及び搬出側第1支柱22cにネジ固定されている。これにより、下側設置台43が搬入側第1支柱22a及び搬出側第1支柱22cに片持ち支持されている。
【0039】
第1油圧ユニット41は、第1油圧シリンダ37を伸ばすことにより第1パレット載置台27を上昇させるとともに、第1油圧シリンダ37を縮ませることにより第1パレット載置台27を下降させる。また、第2油圧ユニット42は、第2油圧シリンダ38を伸ばすことにより第2パレット載置台28を上昇させるとともに、第2油圧シリンダ38を縮ませることにより第2パレット載置台28を下降させる。
【0040】
第1パレット載置台27の初期位置である第1初期位置は、第1パレット載置面27aが第1搬入ローラ13d(
図1)の上端、搬入側下フレーム23a(
図4)の上面、搬出側下フレーム23bの上面及び第1搬出ローラ16d(
図1)の上端と同一の高さ位置に存在している状態となる高さ位置である。作業者は、第1パレット載置台27が第1初期位置に存在している状態において、第1搬入コンベヤ13から供給される荷物Nが積まれた第1パレット11を第1パレット載置台27にセットすることができる。また、荷物Nの積み替えが行われた後、作業者は、第1パレット載置台27が第1初期位置に存在している状態において、空の第1パレット11を第1搬出コンベヤ16に移し、次の第1パレット11を第1パレット載置台27にセットすることができる。
【0041】
第2パレット載置台28の初期位置である第2初期位置は、第2パレット載置面28aが第2搬入ローラ14d(
図1)の上端、搬入側下フレーム23a(
図4)の上面、搬出側下フレーム23bの上面及び第2搬出ローラ17d(
図1)の上端と同一の高さ位置に存在している状態となる高さ位置である。作業者は、第2パレット載置台28が第2初期位置に存在している状態において、第2搬入コンベヤ14から供給される空の第2パレット12を第2パレット載置台28にセットすることができる。また、荷物Nの積み替えが行われた後、作業者は、第2パレット載置台28が第2初期位置に存在している状態において、荷物Nが積まれた第2パレット12を第2搬出コンベヤ17に移し、次の第2パレット12を第2パレット載置台28にセットすることができる。
【0042】
第1パレット載置台27が第1初期位置に存在している状態において、第1パレット載置台27から第1搬入ローラ13d(
図1)までの距離、及び第1パレット載置台27から第1搬出ローラ16d(
図1)までの距離は、パレット11,12の幅寸法(1100mm)の半分以下の距離である。これにより、第1パレット載置台27に第1パレット11を搬入する作業、及び第1パレット載置台27から第1パレット11を搬出する作業の作業負荷が軽減されている。また、第2パレット載置台28が第2初期位置に存在している状態において、第2パレット載置台28から第2搬入ローラ14d(
図1)までの距離、及び第2パレット載置台28から第2搬出ローラ17d(
図1)までの距離は、パレット11,12の幅寸法(1100mm)の半分以下の距離である。これにより、第2パレット載置台28に第2パレット12を搬入する作業、及び第2パレット載置台28から第2パレット12を搬出する作業の作業負荷が軽減されている。
【0043】
図3に示すように、パレット載置台27,28の下面は水平面である。第1パレット載置台27の下面において施設の床面と対向する位置には、施設の床面から第1パレット載置台27までの距離を測定可能な第1測距センサ44が設けられている。第1測距センサ44は、超音波の発信から受信までの時間に基づいて距離を計測する超音波センサである。第1測距センサ44では、第1パレット載置台27の下面から施設の床面までの距離が測定される。これにより、第1パレット載置台27の床面からの距離を把握可能となる。第1パレット載置台27が第1初期位置に存在している状態において、第1パレット載置面27aは床面から600mmの高さ位置に存在している。また、既に説明したとおり、第1パレット載置台27の厚さ寸法は90mmである。したがって、第1パレット載置台27が第1初期位置に存在している状態において、第1測距センサ44にて把握される第1パレット載置台27の床面からの距離は510mmである。第1パレット載置台27を第1初期位置に復帰させる下降動作が実行されている状況において、第1測距センサ44にて把握される第1パレット載置台27の床面からの距離が510mm以下となったことに基づいて、第1パレット載置台27が第1初期位置に復帰したことを把握できる。
【0044】
第2パレット載置台28の下面において施設の床面と対向する位置には、施設の床面から第2パレット載置台28までの距離を測定可能な第2測距センサ45が設けられている。第2測距センサ45は、上述した第1測距センサ44と同様に、超音波センサである。第2測距センサ45では、第2パレット載置台28の下面から施設の床面までの距離が測定される。これにより、第2パレット載置台28の床面からの距離を把握可能となる。第2パレット載置台28が第2初期位置に存在している状態において、第2パレット載置面28aは床面から600mmの高さ位置に存在している。また、既に説明したとおり、第2パレット載置台28の厚さ寸法は90mmである。したがって、第2パレット載置台28が第2初期位置に存在している状態において、第2測距センサ45にて把握される第2パレット載置台28の床面からの距離は510mmである。第2パレット載置台28を第2初期位置に復帰させる下降動作が実行されている状況において、第2測距センサ45にて把握される第2パレット載置台28の床面からの距離が510mm以下となったことに基づいて、第2パレット載置台28が第2初期位置に復帰したことを把握できる。
【0045】
図3に示すように、既に説明した下側設置台43の上方には、搬入側第1支柱22a(
図1)及び搬出側第1支柱22cから搬入側第2支柱22b(
図1)及び搬出側第2支柱22dとは逆側の水平方向に延びる荷物載置台46が設けられている。荷物載置台46は枠体21の外に存在している。また、荷物載置台46は、第1パレット載置台27を挟んで第2パレット載置台28とは逆側に存在している。荷物載置台46における搬入側第1支柱22a(
図1)及び搬出側第1支柱22c側の端部は、搬入側第1支柱22a及び搬出側第1支柱22cにネジ固定されている。これにより、荷物載置台46が搬入側第1支柱22a及び搬出側第1支柱22cに片持ち支持されている。荷物載置台46は金属製である。なお、荷物載置台46が樹脂製である構成としてもよい。
【0046】
図1に示すように、荷物載置台46は、搬入側第1支柱22aにおける搬入コンベヤ13,14側の端部から搬出側第1支柱22cにおける搬出コンベヤ16,17側の端部まで延在している。したがって、荷物載置台46における搬入側第1支柱22a側の端部から搬出側第1支柱22c側の端部までの寸法(
図1における左右方向の幅寸法)はパレット11,12の幅寸法(1100mm)よりも大きい。また、荷物載置台46における搬入側第1支柱22a及び搬出側第1支柱22cからの突出寸法(
図1における上下方向の幅寸法)は、パレット11,12の幅寸法(1100mm)よりもひと回り大きく設定されている。これにより、荷物載置台46には、第1パレット11上の1層分の荷物Nを載置することができる。よって、第1パレット11上の1層分の荷物Nを第2パレット12上に移動させる前に、当該1層分の荷物Nを荷物載置台46上に仮置きすることが可能となるとともに、第1パレット11から持ち出された荷物Nが第2パレット12上に積まれる順番を調整することが可能となる。荷物載置台46の上面は、施設の床面から2004mm上方の高さ位置に存在している。
【0047】
図3及び
図4に示すように、荷物載置台46には、当該荷物載置台46に荷物Nが存在していることを検知することが可能な仮置き荷物検知センサ47が設けられている。仮置き荷物検知センサ47は光電センサである。仮置き荷物検知センサ47は、パレット搬送方向(
図4における左右方向)に離間させて設けられた投光器47a及び受光器47bを備えている。投光器47aと受光器47bとの間に荷物Nが存在していない場合、投光器47aから放出される光が受光器47bで受光される状態となる。一方、投光器47aと受光器47bとの間に荷物Nが存在している場合、投光器47aから放出される光が荷物Nで遮られて、受光器47bで受光されない状態となる。荷物載置台46に仮置き荷物検知センサ47が設けられていることにより、荷物載置台46に置かれている荷物Nを検出可能となっている。また、荷物載置台46に荷物Nが存在していないことを条件として、荷物載置台46に荷物Nを仮置きするための動作が実行される構成とすることが可能となっている。
【0048】
図1に示すように、第2パレット載置台28、第1パレット載置台27及び荷物載置台46は一直線上に配置されている。第2パレット載置台28、第1パレット載置台27及び荷物載置台46の配列方向は、搬入コンベヤ13,14及び搬出コンベヤ16,17における搬送方向に直交する方向(
図1における上下方向)であるとともに、搬入側第2支柱22b及び搬出側第2支柱22dから搬入側第1支柱22a及び搬出側第1支柱22cに向かう方向である。
【0049】
荷物積替装置15は、第1パレット載置台27から第2パレット載置台28への荷物Nの移動、第1パレット載置台27から荷物載置台46への荷物Nの移動、及び荷物載置台46から第2パレット載置台28への荷物Nの移動を行う移載装置51を備えている。移載装置51は、枠体21の上方に設置されている。
図4に示すように、移載装置51は、荷物Nを吸着保持する吸着保持機構52と、吸着保持機構52を昇降可能とする昇降機構53と、昇降機構53を介して吸着保持機構52を支持する支持体54と、載置台27,28,46の配列方向(
図3における左右方向)に支持体54を走行させる走行機構55とを備えている。支持体54が当該配列方向に走行することにより、支持体54、昇降機構53及び吸着保持機構52が当該配列方向に走行することとなる。
【0050】
まず走行機構55について説明する。
図4に示すように、支持体54は直方体形状であり、搬入側上フレーム24aの近傍から搬出側上フレーム24bの近傍に亘って存在している。
図1に示すように、走行機構55は、支持体54の外側に回転可能に設けられた一対の第1従動輪56a及び第2従動輪56bと、一対の第3従動輪56c及び第4従動輪56dとを備えている。第1従動輪56a及び第3従動輪56cは支持体54よりも搬入コンベヤ13,14側に存在しているとともに、第2従動輪56b及び第4従動輪56dは支持体54よりも搬出コンベヤ16,17側に存在している。また、枠体21の上フレーム24a~24dのうち載置台27,28,46の配列方向に延在している搬入側上フレーム24a(
図4)の上には搬入側レール用フレーム57が設けられているとともに、搬出側上フレーム24b(
図4)の上には搬出側レール用フレーム58が設けられている。第1従動輪56a及び第3従動輪56cは搬入側レール用フレーム57の上に載っているとともに、第2従動輪56b及び第4従動輪56dは搬出側レール用フレーム58の上に載っている。搬入側レール用フレーム57は、搬入側第2支柱22bから搬入側第1支柱22aに向かう方向に延在しており、搬入側第1支柱22aよりも荷物載置台46側まで延在している。また、搬出側レール用フレーム58は、搬出側第2支柱22dから搬出側第1支柱22cに向かう方向に延在しており、搬出側第1支柱22cよりも荷物載置台46側まで延在している。
【0051】
図1に示すように、搬入側レール用フレーム57において第1従動輪56a及び第3従動輪56cよりも搬入コンベヤ13,14側には、搬入側レール用フレーム57の上面から突出させて搬入側規制壁57aが設けられている。これにより、第1従動輪56a及び第3従動輪56cの搬入コンベヤ13,14側への移動が規制されているとともに、支持体54の搬入コンベヤ13,14側への移動が規制されている。また、搬出側レール用フレーム58において第2従動輪56b及び第4従動輪56dよりも搬出コンベヤ16,17側には、搬出側レール用フレーム58の上面から突出させて搬出側規制壁58aが設けられている。これにより、第2従動輪56b及び第4従動輪56dの搬出コンベヤ16,17側への移動が規制されているとともに、支持体54の搬入コンベヤ13,14側への移動が規制されている。搬入側規制壁57a及び搬出側規制壁58aは、第2パレット載置台28の中央よりも第2上フレーム24d側(
図1における上側)から、荷物載置台46の中央よりも第2上フレーム24dとは逆側(
図1における下側)まで延在している。
【0052】
走行機構55は、支持体54の上に設けられた駆動モータ61と、当該駆動モータ61から動力伝達機構62を介して伝達された動力で回転する一対の第1ピニオン63及び第2ピニオン64とを備えている。第1ピニオン63は支持体54よりも搬入コンベヤ13,14側に設けられているとともに、第2ピニオン64は支持体54よりも搬出コンベヤ16,17側に設けられている。また、荷物積替装置15は、ピニオン63,64の歯と噛み合うラック65,66(
図1)が形成されている一対の搬入側ガイドレール67及び搬出側ガイドレール68を備えている。搬入側ガイドレール67は搬入側レール用フレーム57の上に設けられているとともに、搬出側ガイドレール68は搬出側レール用フレーム58の上に設けられている。また、搬入側ガイドレール67は搬入側規制壁57aよりも搬入コンベヤ13,14側に設けられているとともに、搬出側ガイドレール68は搬出側規制壁58aよりも搬出コンベヤ16,17側に設けられている。搬入側ガイドレール67及び搬出側ガイドレール68は、第2パレット載置台28の中央よりも第2上フレーム24d側(
図1における上側)から、荷物載置台46の中央よりも第2上フレーム24dとは逆側(
図1における下側)まで延在している。
【0053】
駆動モータ61が第1駆動状態となりピニオン63,64が正回転することにより、支持体54、昇降機構53及び吸着保持機構52は、荷物載置台46から第2パレット載置台28に向かう方向(
図1における上方向)に移動する。また、駆動モータ61が第2駆動状態となりピニオン63,64が逆回転することにより、支持体54、昇降機構53及び吸着保持機構52は、第2パレット載置台28から荷物載置台46に向かう方向(
図1における下方向)に移動する。支持体54の停止位置として、第1パレット載置台27の上方に設定されている積替元停止位置と、第2パレット載置台28の上方に設定されている積替先停止位置と、荷物載置台46の上方に設定されている仮置き用停止位置とが存在している。積替元停止位置から積替先停止位置までの距離、及び積替元停止位置から仮置き用停止位置までの距離は、パレット11,12の幅寸法(1100mm)よりも大きい距離であるとともにパレット11,12の幅寸法の2倍(2200mm)よりも小さい距離である。支持体54は、仮置き用停止位置と積替先停止位置との間を往復走行可能である。
【0054】
上述したとおり、第1パレット載置台27、第2パレット載置台28及び荷物載置台46は一直線上に配置されている。これにより、ガイドレール67,68を直線経路とすることが可能となっている。また、ガイドレール67,68を直線経路とすることにより、支持体54の移動方向を変更するために支持体54を減速させる制御を不要とすることができるとともに、支持体54の移動に要する時間を抑えることができる。また、支持体54の移動を直線移動とすることにより、支持体54を移動させるための構成を簡素化することができる。
【0055】
図4に示すように、搬出側レール用フレーム58は断面がコの字形となる形状であり、搬出側レール用フレーム58は搬入側レール用フレーム57側に向けて開放されている。
図3に示すように、搬出側レール用フレーム58には、積替元停止位置に存在している支持体54を検知可能な積替元位置検知センサ71と、積替先停止位置に存在している支持体54を検知可能な積替先位置検知センサ72と、仮置き用停止位置に存在している支持体54を検知可能な仮置き用位置検知センサ73とが設けられている。位置検知センサ71~73は反射型の光電センサである。各位置検知センサ71~73は、搬入側レール用フレーム57側に向けて光を放出する投光部(図示略)と、当該放出された後に反射して戻る光を受光するための受光部(図示略)とを備えている。また、
図4に示すように、支持体54における載置台27,28,46の配列方向(
図3における左右方向)の中央部には、支持体54から下方に突出させて検出突起部74が形成されている。また、検出突起部74の搬出側レール用フレーム58側には、反射板75が固定されている。積替元位置検知センサ71の受光部は、支持体54が積替元停止位置に存在している場合に、反射板75で反射される反射光を受光する状態となる。また、積替先位置検知センサ72の受光部は支持体54が積替先停止位置に存在している場合に反射板75で反射される反射光を受光する状態となるとともに、仮置き用位置検知センサ73の受光部は支持体54が仮置き用停止位置に存在している場合に反射板75で反射される反射光を受光する状態となる。これにより、支持体54が積替元停止位置、積替先停止位置又は仮置き用停止位置に存在している状態であることを把握可能となっている。また、支持体54、昇降機構53及び吸着保持機構52を積替元停止位置、積替先停止位置又は仮置き用停止位置で停止させるための制御を実行することが可能となっている。
【0056】
次に、昇降機構53について説明する。
図4に示すように、昇降機構53は、上下方向に直列的に配置されている第1エアシリンダ76及び第2エアシリンダ77を備えている。第1エアシリンダ76は、中空円筒状の第1シリンダ本体部76aと、上下動可能な第1ロッド部76bとを備えている。第1シリンダ本体部76aは、支持体54の上部に固定されており、支持体54から上方に延びている。第1ロッド部76bの上端側は第1シリンダ本体部76aの中に収容されているとともに、第1ロッド部76bの下端側は第1シリンダ本体部76aから下方に突出している。また、第2エアシリンダ77は、中空円筒状の第2シリンダ本体部77aと、上下動可能な第2ロッド部77bとを備えている。第2シリンダ本体部77aは第1ロッド部76bの下端に固定されており、第1ロッド部76bの下端から下方に延びている。第1ロッド部76bは、支持体54に設けられた上下方向の貫通孔(図示略)に挿通されているとともに、第2シリンダ本体部77aは当該貫通孔を通って支持体54の下方に延びている。また、第2ロッド部77bの上端側は第2シリンダ本体部77aの中に収容されているとともに、第2ロッド部77bの下端側は第2シリンダ本体部77aから下方に突出している。そして、第2ロッド部77bの下端に吸着保持機構52が固定されている。
【0057】
第1シリンダ本体部76a及び第2シリンダ本体部77aのそれぞれは、電磁弁(図示略)を介して昇降用コンプレッサ78に接続されている。昇降用コンプレッサ78では、第1エアシリンダ76及び第2エアシリンダ77に供給される圧縮空気が作り出される。昇降用コンプレッサ78は、既に説明した下側設置台43において、第1油圧ユニット41よりも搬入コンベヤ13,14(
図1)側に設置されている。第1エアシリンダ76は、第1シリンダ本体部76aに圧縮空気が導入されていない場合に、第1ロッド部76bが上昇している非駆動状態となるとともに、第1シリンダ本体部76aに圧縮空気が導入されている場合に、第1ロッド部76bが下降している駆動状態となる。第1エアシリンダ76を非駆動状態から駆動状態に切り換えて第1ロッド部76bを下降させることにより、第2エアシリンダ77及び吸着保持機構52を下降させることができる。また、第1エアシリンダ76を駆動状態から非駆動状態に切り換えて第1ロッド部76bを上昇させることにより、第2エアシリンダ77及び吸着保持機構52を上昇させることができる。
【0058】
第2エアシリンダ77は、第2シリンダ本体部77aに圧縮空気が導入されていない場合に、第2ロッド部77bが上昇している非駆動状態となるとともに、第2シリンダ本体部77aに圧縮空気が導入されている場合に、第2ロッド部77bが下降している駆動状態となる。第2エアシリンダ77を非駆動状態から駆動状態に切り換えて第2ロッド部77bを下降させることにより、吸着保持機構52を下降させることができる。また、第2エアシリンダ77を駆動状態から非駆動状態に切り換えて第2ロッド部77bを上昇させることにより、吸着保持機構52を上昇させることができる。
【0059】
昇降機構53は、吸脱着高さ位置と、吸脱着高さ位置よりも高い第2搬送高さ位置との間で吸着保持機構52を昇降させる。また、吸脱着高さ位置及び第2搬送高さ位置の間に第1搬送高さ位置が設定されている。詳細は後述するが、吸脱着高さ位置は、吸着保持機構52による荷物Nの吸着保持を開始するための高さ位置であるとともに、吸着保持機構52による荷物Nの吸着保持を終了して荷物Nを置くための高さ位置である。また、第1搬送高さ位置は、第1パレット11から第2パレット12への荷物Nの移動及び第1パレット11から荷物載置台46への荷物Nの移動において、荷物Nを吸着保持した状態での移動が行われる高さ位置である。また、第2搬送高さ位置は、荷物載置台46から第2パレット12への荷物Nの移動において、荷物Nを吸着保持した状態で移動が行われる高さ位置である。吸着保持機構52は下方に延びる吸着ヘッド81を備えている。第1搬送高さ位置は、吸着ヘッド81の下端が施設の床面から2300mm上方に存在している状態となる高さ位置である。また、吸脱着高さ位置は第1搬送高さ位置よりも100mm低い位置であるとともに、第2搬送高さ位置は第1搬送高さ位置よりも150mm高い位置である。第1エアシリンダ76及び第2エアシリンダ77を非駆動状態とすることにより、吸着保持機構52が第2搬送高さ位置に存在している状態となる。また、第1エアシリンダ76が非駆動状態であるとともに第2エアシリンダ77が駆動状態である状態とすることにより、吸着保持機構52が第1搬送高さ位置に存在している状態となる。さらにまた、第1エアシリンダ76及び第2エアシリンダ77が駆動状態である状態とすることにより、吸着保持機構52が吸脱着高さ位置に存在している状態となる。
【0060】
吸着保持機構52は吸着支持体79を備えているとともに、上述した吸着ヘッド81を36個備えている。吸着支持体79には、36個の吸着ヘッド81が固定されている。吸着支持体79の上部は第2エアシリンダ77における第2ロッド部77bの下端に固定されている。これにより、吸着保持機構52が第2ロッド部77bに固定されている状態となっている。吸着ヘッド81は吸着支持体79の下面から下方に延びている。吸着ヘッド81は、減圧状態となることにより荷物Nの表面に吸着する。既に説明した下側設置台43には、吸着ヘッド81の減圧状態を作り出すために使用される吸着用コンプレッサ82、エアタンク83及びエジェクタ84が設置されている。下側設置台43において、吸着用コンプレッサ82は上述した昇降用コンプレッサ78よりも搬入コンベヤ13,14(
図1)側に設置されている。また、下側設置台43において、エアタンク83は昇降用コンプレッサ78の上に設置されているとともに、エジェクタ84は吸着用コンプレッサ82の上に設置されている。
【0061】
吸着用コンプレッサ82は、外部から取り込んだ空気を圧縮して圧力を高め、第1吐出口(図示略)から圧縮空気を吐出する。当該第1吐出口に接続されているエアタンク83は、当該エアタンク83内から押し出される空気を吐出する第2吐出口(図示略)を備えており、当該第2吐出口にはエジェクタ84の入口(図示略)が接続されている。エジェクタ84は、入口(図示略)から供給された圧縮空気が加速して流れるようにするディフューザ(図示略)と、接続管85を介して吸着ヘッド81が接続されている真空ポート(図示略)とを備えている。エジェクタ84の入口に圧縮空気が供給されることにより、真空ポート内の空気がディフューザ内に吸い込まれる流れが発生し、真空ポートが減圧状態となる。
【0062】
このように、吸着ヘッド81が荷物Nの上面に接触している状態において、吸着用コンプレッサ82からの圧縮空気の吐出を開始させることにより真空ポート内の圧力を吸着基準圧力以下まで低下させて吸着ヘッド81が荷物Nを吸着保持している状態とすることができる。また、吸着ヘッド81によって荷物Nが吸着保持されている状態において、吸着用コンプレッサ82からの圧縮空気の吐出を停止させることにより真空ポート内の圧力が吸着基準圧力を超えている状態として当該吸着保持されていた荷物Nを解放することができる。吸着用コンプレッサ82とエジェクタ84との間にエアタンク83が設けられていることにより、エジェクタ84の入口に供給される圧縮空気の圧力を安定させることが可能となっている。これにより、吸着ヘッド81による吸着力が一時的に低下してしまうことが防止されている。よって、荷物Nの持ち上げに失敗することが防止されているとともに、荷物Nを落下させてしまうことが防止されている。
【0063】
図5(a)は第1配列パターンで配列されている荷物Nに対する吸着ヘッド81の吸着位置を説明するための説明図であり、
図5(b)は第2配列パターンで配列されている荷物Nに対する吸着ヘッド81の吸着位置を説明するための説明図である。
図5(a)及び
図5(b)に示すように、吸着ヘッド81は6列及び6行となるように配置されている。また、吸着ヘッド81は、パレット11,12の左上部、左下部、右上部又は右下部に存在する3個の荷物Nの向きが縦向き(
図5(a),(b)において上下方向向き)である場合及び横向き(
図5(a),(b)において左右方向向き)である場合のいずれにおいても、1つの荷物Nに対して3個の吸着ヘッド81が吸着するように配置されている。
【0064】
第1パレット11、第2パレット12又は荷物載置台46の上に第1配列パターンで12個の荷物Nが配列されている場合、
図5(a)に示すように1個の荷物Nに対して3個の吸着ヘッド81が吸着する。また、第1パレット11、第2パレット12又は荷物載置台46の上に第2配列パターンで12個の荷物Nが配列されている場合、
図5(b)に示すように1個の荷物Nに対して3個の吸着ヘッド81が吸着する。このように、荷物Nの配列パターンが変化しても1個の荷物Nに対して複数の吸着ヘッド81が吸着する構成とすることにより、荷物Nの重量に対して吸着ヘッド81の吸引力が不足してしまう可能性が低減されている。また、6列及び6行となるように合計36個の吸着ヘッド81が配設されていることにより、第1パレット11上に積まれている荷物Nの形状及び数が変化した場合においても、荷物Nの重量に対して吸着ヘッド81の吸引力が不足してしまう可能性が低減されている。
【0065】
図3に示すように、支持体54が積替元停止位置に存在している状態は36個の吸着ヘッド81が第1パレット11の最上段におけるいずれかの荷物Nの上に存在している状態であるとともに、支持体54が積替先停止位置に存在している状態は36個の吸着ヘッド81が第2パレット12の最上段におけるいずれかの荷物Nの上に存在している状態である。また、支持体54が仮置き用停止位置に存在している状態は36個の吸着ヘッド81が荷物載置台46に置かれているいずれかの荷物Nの上に存在している状態である。これにより、支持体54が積替元停止位置、積替先停止位置又は仮置き用停止位置に存在している状態において吸着保持機構52を吸脱着高さ位置まで下降させて、第1パレット11上又は荷物載置台46上に存在する1層分の荷物Nを吸着保持することが可能となっているとともに、第2パレット12上又は荷物載置台46上に1層分の荷物Nを置くことが可能となっている。
【0066】
36個の吸着ヘッド81が上方から荷物Nに接近して1層分の荷物Nを吸着保持し、吸着保持機構52が当該1層分の荷物Nを吸着保持している状態で、支持体54が走行することにより1層分の荷物Nの搬送が行われる。これにより、第1パレット11上から第2パレット12上への荷物Nの移動、第1パレット11上から荷物載置台46上への荷物Nの移動、及び荷物載置台46上から第2パレット12上への荷物Nの移動において、移動の前後で荷物Nの向き及び層内における荷物Nの配置が変化しないようにすることができる。また、第1パレット11に荷物Nが所定パターン(第1配列パターン又は第2配列パターン)で配列されている場合、移動先の台上(第2パレット12上又は荷物載置台46上)に当該荷物Nが当該所定パターンで配列されている状態となるように、当該荷物Nを当該移動先の台上に移すことができる。また、荷物載置台46に荷物Nが所定パターン(第1配列パターン又は第2配列パターン)で配列されている場合、移動先の台上(第2パレット12上)に当該荷物Nが当該所定パターンで配列されている状態となるように、当該荷物Nを当該移動先の台上に移すことができる。よって、第1パレット11上の荷物Nを荷物載置台46に仮置きし、当該仮置きされている荷物Nを第2パレット上に移す場合、及び荷物載置台46を経由することなく第1パレット11上の荷物Nを第2パレット12上に移す場合のいずれにおいても、第1パレット11における荷物Nの配列パターンを使用して、荷崩れが発生しづらい態様で第2パレット12に荷物Nを積むことができる。
【0067】
1層分の荷物Nを側方から挟持して搬送する構成とすると、第1パレット11上、第2パレット12上又は荷物載置台46上において、荷物N間に隙間が存在する態様で1層分の荷物Nが配列されている場合、1層分の荷物Nを挟持する段階で荷物Nの向き及び層内における荷物Nの配置が変更されてしまう。これに対して、1層分の荷物Nを上から吸着保持して搬送する構成である。これにより、第1パレット11上、第2パレット12上又は荷物載置台46上において、荷物N間に隙間が存在する態様で1層分の荷物Nが配列されている場合においても、移動の前後で荷物Nの向き及び層内における荷物Nの配置が変化しないようにすることができる。
【0068】
図4に示すように、吸着保持機構52における吸着支持体79の下側には、吸着ヘッド81が荷物Nの上面と接触する高さ位置となったことを把握可能とする吸着側測距センサ91が設けられている。吸着側測距センサ91は、超音波の発信から受信までの時間に基づいて距離を計測する超音波センサである。吸着側測距センサ91は、荷物Nの配列パターンが第1配列パターンである場合、及び荷物Nの配列パターンが第2配列パターンである場合のいずれにおいても、荷物Nの上面と対向する位置に設けられている。また、吸着側測距センサ91は、吸着ヘッド81が荷物Nの上面と接触している状態において、当該吸着側測距センサ91により把握される荷物Nの上面までの距離が180mmとなる高さ位置に設けられている。これにより、吸着側測距センサ91にて把握される荷物Nの上面までの距離が180mm以下となったことに基づいて吸着ヘッド81が荷物Nと接触している状態であることを把握することができる。
【0069】
図4に示すように、下側設置台43において油圧ユニット41,42を挟んで昇降用コンプレッサ78とは逆側には、移載装置51、第1リフタ25及び第2リフタ26の制御を司る積替制御装置94が設置されている。
図3に示すように、積替制御装置94の正面には、作業者が第1パレット載置台27に第1パレット11をセットした場合に当該作業者によって操作される第1設定ボタン95と、作業者が第2パレット載置台28に第2パレット12をセットした場合に当該作業者によって操作される第2設定ボタン96とが設けられている。
【0070】
積替制御装置94の電源投入後、第1リフタ25における第1パレット載置台27が第1初期位置に存在している状態となるとともに、第2リフタ26における第2パレット載置台28が第2初期位置に存在している状態となる。また、支持体54、昇降機構53及び吸着保持機構52が積替元停止位置(第1パレット載置台27の上方)に停止している状態となるとともに、吸着保持機構52が第1搬送高さ位置に存在している状態となる。既に説明したとおり、第1搬入コンベヤ13から供給される荷物Nが積まれた第1パレット11は、第1パレット載置台27が第1初期位置に存在している状態で作業者により第1パレット載置台27にセットされる。その後、第1設定ボタン95の操作が行われた場合、積替制御装置94は、第1パレット載置台27を第1初期位置から470mm上昇させる第1セット後上昇動作が行われるように第1リフタ25の制御を行う。
【0071】
第1セット後上昇動作が行われることにより、第1パレット11における最上段(5段目)の荷物Nの上面は、第1搬送高さ位置に存在している吸着保持機構52の吸着ヘッド81よりも100mm低い位置に存在している状態となる。このように、第1セット後上昇動作が行われることにより、第1パレット11における最上段の荷物Nと、第1搬送高さ位置に存在している吸着保持機構52の吸着ヘッド81との間隔が荷物Nの1段分(196mm)よりも小さい100mmである状態となる。また、第1セット後上昇動作が行われることにより、第1パレット11における最上段の荷物Nの上面は、荷物載置台46の上面よりも1段分(196mm)高い位置に存在している状態となるとともに、第1パレット11上における最上段荷物載置面(具体的には第1パレット11における上から2段目の荷物Nの上面)が荷物載置台46の上面と同一の高さ位置に存在している状態となる。「第1パレット11上における最上段荷物載置面」とは、第1パレット11に2段以上の荷物Nが存在している場合には上から2段目の荷物Nの上面であるとともに、第1パレット11に1段の荷物Nが存在している場合には第1パレット11の上面である。
【0072】
第1パレット11上から1層分の荷物Nが持ち出され、当該1層分の荷物Nを吸着保持している吸着保持機構52が積替先停止位置又は仮置き用停止位置まで移動した場合、積替制御装置94は、第1パレット載置台27を1段分上昇させる1段分上昇動作が行われるように第1リフタ25の制御を行う。これにより、第1パレット11上における最上段荷物載置面が荷物載置台46の上面と同一の高さ位置に存在している状態に戻る。
【0073】
既に説明したとおり、第2搬入コンベヤ14から供給される空の第2パレット12は、第2パレット載置台28が第2初期位置に存在している状態で作業者により第2パレット載置台28にセットされる。その後、第2設定ボタン96の操作が行われた場合、積替制御装置94は、第2パレット載置台28を1404mm上昇させる第2セット後上昇動作が行われるように第2リフタ26の制御を行う。第2セット後上昇動作が行われることにより、第2パレット12の上面が荷物載置台46の上面と同一の高さ位置に存在している状態となる。また、第1パレット11上における第1最上段荷物載置面が荷物載置台46の上面と同一の高さ位置に存在している場合には、第1パレット11上における第1最上段荷物載置面と、第2パレット12の上面と、荷物載置台46の上面とが同一の高さ位置に存在している状態となる。
【0074】
吸着保持機構52によって第2パレット12上に1層分の荷物Nが置かれた後、積替制御装置94は、第2パレット載置台28を1段分(具体的には196mm)下降させる1段分下降動作が行われるように第2リフタ26の制御を行う。これにより、第2パレット12における最上段の荷物Nの上面が荷物載置台46の上面と同一の高さ位置に存在している状態に戻る。
【0075】
載置台27,28,46の上面が搬入ローラ13d,14dの上端よりも吸着保持機構52に近い高さ位置に存在している状態で荷物Nの積み替えが行われる構成である。これにより、載置台27,28,46の上面が搬入ローラ13d,14dの上端と同一の高さ位置(床面から600mm上方の高さ位置)に存在している状態で荷物Nの積み替えが行われる構成と比較して、吸着保持機構52の昇降距離が短縮されて、吸着保持機構52の昇降に要する時間が抑えられている。また、吸着保持機構52から荷物Nが落下してしまった場合における落下距離が短縮されて、内容物を破損させてしまうような衝撃が荷物Nに加わってしまう可能性が低減されている。
【0076】
積替元停止位置(第1パレット載置台27の上方)から積替先停止位置(第2パレット載置台28の上方)への荷物Nの移動は、1層分の荷物Nが持ち出された後の第1パレット11における最上段の荷物Nの上面又は空の第1パレット11の上面と、第2パレット12における最上段の荷物Nの上面又は空の第2パレット12の上面とが荷物載置台46の上面と同一の高さ位置(床面から2004mm上方の高さ位置)に存在している状態で開始される。また、積替元停止位置から仮置き用停止位置(荷物載置台46の上方)への荷物Nの移動は、1層分の荷物Nが持ち出された後の第1パレット11における最上段の荷物Nの上面又は空の第1パレット11の上面と、荷物載置台46の上面とが同一の高さ位置に存在している状態で開始される。さらにまた、仮置き用停止位置から積替先停止位置への荷物Nの移動は、荷物載置台46の上面と、第2パレット12における最上段の荷物Nの上面又は空の第2パレット12の上面とが同一の高さ位置に存在している状態で開始される。このように、移動元台から移動先台への荷物Nの移動は、荷物Nが持ち出された後の移動元台における最上段の荷物Nの上面又は空の移動元台の上面と、移動先台における最上段の荷物Nの上面又は空の移動先台の上面とが施設の床面から2004mm上方の高さ位置に存在している状態で開始される。これにより、吸着保持機構52の昇降距離が短縮されて、吸着保持機構52の昇降に要する時間が抑えられている。また、吸着保持機構52から荷物Nが落下してしまった場合における落下距離が短縮されて、内容物を破損させてしまうような衝撃が荷物Nに加わってしまう可能性が低減されている。
【0077】
第1パレット11から第2パレット12に荷物Nを移動させる制御において、吸着保持機構52が第1パレット11上の荷物Nを吸着する状況における当該吸着保持機構52の高さ位置と、吸着保持機構52が荷物Nの吸着保持を解除して空の第2パレット12又は第2パレット12における最上段の荷物Nの上に荷物Nを置く状況における当該吸着保持機構52の高さ位置とが略同一の高さ位置(吸脱着高さ位置)となるように、第1リフタ25及び第2リフタ26の制御が行われる。これにより、荷物Nの吸着保持を開始する場合における吸着保持機構52の高さ位置と、荷物Nの吸着保持を解除する場合における吸着保持機構52の高さ位置とが相違している構成と比較して、吸着保持機構52の高さ位置を調整するための構成を簡素化することができる。また、吸着保持機構52の高さ位置を調整するための処理構成を簡素化することができる。さらにまた、第1リフタ25及び第2リフタ26を不具備である構成と比較して、吸着保持機構52の昇降距離を低減することが可能となるとともに、吸着保持機構52の昇降に要する時間を低減することが可能となる。
【0078】
図3に示すように、荷物積替装置15は、空の第2パレット12の上面に置かれる荷物N、又は第2パレット12における最上段の荷物Nの上面に置かれる荷物Nを検出可能な積替先荷物検知センサ92を備えている。枠体21の搬出側第2支柱22dには、積替先荷物検知センサ92を支持する支持アーム93がネジ固定されている。支持アーム93は、搬出側第2支柱22dから搬入側第2支柱22b(
図1)に向かって延びている。積替先荷物検知センサ92は、支持アーム93において搬出側第2支柱22dとは逆側の端部に固定されている。積替先荷物検知センサ92は、超音波の発信から受信までの時間に基づいて距離を計測する超音波センサである。吸着保持機構52に吸着保持されている荷物Nが下降して空の第2パレット12又は第2パレット12における最上段の荷物Nと接触する状況において、空の第2パレット12の上面又は第2パレット12における最上段の荷物Nの上面は、荷物載置台46の上面と同じ高さ位置に存在している。積替先荷物検知センサ92は当該荷物載置台46の上面の高さ位置よりも5mm高い位置に設置されている。吸着保持機構52により吸着保持されている荷物Nの下端から、空の第2パレット12の上面又は第2パレット12における最上段の荷物Nの上面までの距離が5mm以下となった場合、当該吸着保持機構52により吸着保持されている荷物Nが積替先荷物検知センサ92にて検出されている状態となる。積替制御装置94は、吸着保持機構52により吸着保持されている荷物Nが空の第2パレット12又は第2パレット12における最上段の荷物Nに向けて下降している状況において、積替先荷物検知センサ92にて荷物Nが検出されている状態となったことに基づいて、荷物Nの吸着保持状態を解除すべきタイミングとなったことを把握することができる。
【0079】
既に説明したとおり、荷物載置台46には仮置き荷物検知センサ47が設けられている。吸着保持機構52に吸着保持されている荷物Nが荷物載置台46の上面に向けて下降している状況において、当該吸着保持機構52により吸着保持されている荷物Nの下端から荷物載置台46の上面までの距離が5mm以下となった場合、当該吸着保持機構52により吸着保持されている荷物Nが仮置き荷物検知センサ47にて検出されている状態となる。積替制御装置94は、吸着保持機構52により吸着保持されている荷物Nが荷物載置台46の上面に向けて下降している状況において、仮置き荷物検知センサ47にて荷物Nが検出されている状態となったことに基づいて、荷物Nの吸着保持状態を解除すべきタイミングとなったことを把握することができる。
【0080】
積替制御装置94は、第1パレット11が空になった場合、第1パレット載置台27が第1初期位置まで下降するように第1リフタ25の制御を行う。既に説明したとおり、第1パレット載置台27が第1初期位置に存在している状態で第1パレット載置台27に5段の荷物Nが積まれた第1パレット11がセットされた後、第1パレット載置台27を470mm上昇させる第1セット後上昇動作が実行される。また、既に説明したとおり、第1パレット11から1層分の荷物Nが持ち出される度に、第1パレット載置台27を1段分(196mm)上昇させる1段分上昇動作が実行される。したがって、第1パレット11から最後の1層分の荷物Nが持ち出されたことに基づいて1段分上昇動作が実行された後、第1パレット載置台27は第1初期位置から1450mm上方の高さ位置に存在している状態となる。また、既に説明したとおり、第1パレット載置台27が第1初期位置に存在している状態において、第1測距センサ44にて把握される第1パレット載置台27の床面からの距離は510mmである。積替制御装置94は、第1測距センサ44にて把握される第1パレット載置台27の床面からの高さ位置が1960mm以上であることに基づいて第1パレット11が空となったことを特定することができる。
【0081】
積替制御装置94は、第2パレット12上の荷物Nの段数が上限段数(具体的には7段)となった場合、積替制御装置94は、第2パレット載置台28が第2初期位置まで下降するように第2リフタ26の制御を行う。既に説明したとおり、第2パレット載置台28が第2初期位置に存在している状態で第2パレット載置台28に空の第2パレット12がセットされた後、第2パレット載置台28を1404mm上昇させる第2セット後上昇動作が実行される。また、既に説明したとおり、第2パレット12に1層分の荷物Nが積まれる度に、第2パレット載置台28を1段分(196mm)下降させる1段分下降動作が実行される。したがって、第2パレット12に7層目の荷物Nが積まれたことに基づいて1段分下降動作が実行された後、第2パレット載置台28は第2初期位置から32mm上方の高さ位置に存在している状態となる。また、既に説明したとおり、第2パレット載置台28が第2初期位置に存在している状態において、第2測距センサ45にて把握される第2パレット載置台28の床面からの距離は510mmである。積替制御装置94は、第2測距センサ45にて把握される第2パレット載置台28の床面からの高さ位置が542mm以下であることに基づいて第2パレット12に上限段数の荷物Nが積まれている状態であることを特定することができる。
【0082】
図3に示すように、積替制御装置94の正面には、スピーカ101、直接開始ボタン102、持込開始ボタン103、持出開始ボタン104及び停止ボタン105が設けられている。スピーカ101では、吸着異常が発生したことを作業者に報知するための吸着異常報知音の出力が行われる。直接開始ボタン102は、第1パレット11上から第2パレット12上に1層分の荷物Nを移動させる第1移動制御が開始されるようにするために操作される。持込開始ボタン103は、第1パレット11上から荷物載置台46上に1層分の荷物Nを移動させる第2移動制御を実行させた後に第1移動制御が開始されるようにするために操作される。持出開始ボタン104は、荷物載置台46上から第2パレット12上に1層分の荷物Nを移動させる第3移動制御を実行させた後に第1移動制御が開始されるようにするために操作される。停止ボタン105は移載装置51の動作を停止させるために操作される。
【0083】
図6は荷物積替装置15の電気的構成を示すブロック図である。積替制御装置94の動作電力、第1リフタ25の動作電力、第2リフタ26の動作電力及び移載装置51の動作電力は、積替制御装置94に内蔵された電源部(図示略)から供給される。積替制御装置94は積替制御基板111を備えている。積替制御基板111には、CPU112と、当該CPU112により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM113と、そのROM113内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM114とが搭載されている。なお、CPU112、ROM113及びRAM114が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
【0084】
積替制御基板111には、入力ポート及び出力ポート(図示略)がそれぞれ設けられている。
図6に示すように、積替制御装置94の入力側には、第1測距センサ44、第2測距センサ45、仮置き荷物検知センサ47、積替元位置検知センサ71、積替先位置検知センサ72、仮置き用位置検知センサ73、吸着側測距センサ91、積替先荷物検知センサ92、第1設定ボタン95、第2設定ボタン96、直接開始ボタン102、持込開始ボタン103、持出開始ボタン104及び停止ボタン105が接続されている。また、積替制御装置94の出力側には、第1油圧ユニット41、第2油圧ユニット42、駆動モータ61、第1エアシリンダ76、第2エアシリンダ77、昇降用コンプレッサ78、吸着用コンプレッサ82及びスピーカ101が接続されている。なお、第1設定ボタン95、第2設定ボタン96、直接開始ボタン102、持込開始ボタン103、持出開始ボタン104及び停止ボタン105が設けられているリモコンが存在しており、積替制御装置94には当該リモコンから送信されるボタンの操作情報を受信する受信部が設けられている構成としてもよい。
【0085】
次に、直接開始ボタン102、持込開始ボタン103、持出開始ボタン104又は停止ボタン105の操作に対応する荷物積替装置15の動作についての説明に先立ち、荷物積替装置15で実行される移動制御について説明する。荷物積替装置15で実行される移動制御として、荷物Nを第1パレット11から第2パレット12に移動させるために実行される第1移動制御と、荷物Nを第1パレット11から荷物載置台46に移動させるために実行される第2移動制御と、荷物Nを荷物載置台46から第2パレット12に移動させるために実行される第3移動制御とが存在している。
【0086】
第1移動制御では、積替元停止位置(第1パレット載置台27の上方)において吸着保持機構52を吸脱着高さ位置まで下降させる動作を実行した後、吸着ヘッド81を減圧状態として吸着ヘッド81を荷物Nに吸着させる動作を実行する。その後、荷物Nを吸着保持した状態で吸着保持機構52を第1搬送高さ位置まで上昇させる動作を実行し、上昇後に支持体54を積替先停止位置(第2パレット載置台28の上方)まで走行させる動作を実行する。その後、積替先停止位置で吸脱着高さ位置まで吸着保持機構52を下降させる動作を実行した後、吸着保持状態を解除して荷物Nが置かれている状態とする動作を実行する。その後、第1搬送高さ位置まで吸着保持機構52を上昇させる動作し、上昇後に支持体54を積替元停止位置まで走行させる動作を実行する。
【0087】
第2移動制御では、積替元停止位置において吸着保持機構52を吸脱着高さ位置まで下降させる動作を実行した後、吸着ヘッド81を減圧状態として吸着ヘッド81を荷物Nに吸着させる動作を実行する。その後、荷物Nを吸着保持した状態で吸着保持機構52を第1搬送高さ位置まで上昇させる動作を実行し、上昇後に支持体54を仮置き用停止位置(荷物載置台46の上方)まで走行させる動作を実行する。その後、仮置き用停止位置で吸着保持機構52を吸脱着高さ位置まで下降させる動作を実行した後、吸着保持状態を解除して荷物Nが置かれている状態とする動作を実行する。その後、第1搬送高さ位置まで吸着保持機構52を上昇させる動作を実行し、上昇後に支持体54を積替元停止位置まで走行させる動作を実行する。
【0088】
第3移動制御では、支持体54を仮置き用停止位置まで走行させる動作を実行する。その後、仮置き用停止位置において吸着保持機構52を吸脱着高さ位置まで下降させる動作を実行した後、吸着ヘッド81を減圧状態として吸着ヘッド81を荷物Nに吸着させる動作を実行する。その後、荷物Nを吸着保持した状態で吸着保持機構52を第1搬送高さ位置よりも高い第2搬送高さ位置まで上昇させる動作を実行し、上昇後に支持体54を積替先停止位置まで走行させる動作を実行する。その後、積替先停止位置で吸着保持機構52を吸脱着高さ位置まで下降させる動作を実行した後、吸着保持状態を解除して荷物Nが置かれている状態とする動作を実行する。その後、第1搬送高さ位置まで吸着保持機構52を上昇させる動作を実行し、上昇後に支持体54を積替元停止位置まで走行させる動作を実行する。このように、第1移動制御、第2移動制御又は第3移動制御が行われた後、吸着保持機構52が第1搬送高さに存在している状態であるとともに支持体54が積替元停止位置に復帰している状態となる。これにより、次の移動制御を実行可能な状態となる。
【0089】
荷物載置台46上から第2パレット12上への荷物Nの移送は第2搬送高さ位置で行われる。既に説明したとおり、第2搬送高さ位置は、第1搬送高さ位置よりも150mm高い位置である。これにより、吸着保持機構52に吸着保持されている荷物Nの下端が、第1パレット11における最上段の荷物Nの上端よりも54mm上方を通過する態様で、吸着保持機構52に吸着保持されている荷物Nを移送することができる。第1移動制御が実行される頻度は、第3移動制御が実行される頻度よりも高いと考えられる。また、吸着保持機構52の高さが低いほど、吸着保持機構52から荷物Nが落下した場合に荷物Nに加わる衝撃を抑えることができる。また、吸着保持機構52の昇降距離が短いほど、吸着保持機構52の昇降に要する時間を抑えることができる。第1移動制御において使用される第1搬送高さ位置として、第3移動制御において使用される第2搬送高さ位置よりも低い位置が設定されていることにより、荷物Nが落下した場合に荷物Nが破損してしまう可能性が低減されているとともに、荷物Nの積み替えに要する時間の短縮が図られている。
【0090】
第3移動制御において、荷物載置台46から第2パレット12への荷物Nの搬送は、吸着保持機構52により吸着保持されている荷物Nが第1パレット11における最上段の荷物Nの上方を通過する態様で実行される。これにより、荷物載置台46から第2パレット載置台28に向かう経路上に第1パレット載置台27が存在している構成とすることができる。よって、荷物Nの搬送経路が複雑化してしまうことを防止できる。
【0091】
図7(a)~
図7(c)は直接開始ボタン102が操作されたことに基づいて行われる移動制御を説明するための説明図である。直接開始ボタン102が操作されたことに基づいて第1移動制御が行われる。これにより、
図7(a)に示すように、第1パレット11における最上段の1層分の荷物Nが空の第2パレット12の上又は第2パレット12における最上段の荷物Nの上に移動する。
図7(b)及び
図7(c)に示すように、当該第1移動制御は、第1パレット11上に荷物Nが存在しない状態、又は第2パレット12上の荷物Nの段数が上限段数(具体的には7段)になるまで繰り返される。
【0092】
図7(d)~
図7(f)は持込開始ボタン103が操作されたことに基づいて行われる移動制御を説明するための説明図である。持込開始ボタン103の操作は、第1パレット11における最上段の荷物Nの配列パターンが第2パレット12における最上段の荷物Nの配列パターンと同一であり、第1移動制御を実行すると第2パレット12において上下の荷物Nが同じ向きで積まれている箇所を生じさせてしまう場合に、当該箇所の発生を防止する目的で操作される。作業者は、第1パレット11における最上段の荷物Nの配列パターンが第2パレット12における最上段の荷物Nの配列パターンと同一であるとともに、荷物載置台46上に荷物Nが存在していない状態である場合に、持込開始ボタン103の操作を行う。
【0093】
持込開始ボタン103が操作されたことに基づいてまず第2移動制御が行われる。これにより、
図7(d)に示すように、第1パレット11における最上段の1層分の荷物Nが荷物載置台46上に移動する。当該第2制御が実行された後、
図7(e)に示すように、第1移動制御が行われる。当該第1移動制御は、
図7(f)に示すように、第1パレット11上に荷物Nが存在しない状態、又は第2パレット12上の荷物Nの段数が上限段数(具体的には7段)になるまで繰り返される。作業者は、第1パレット11における最上段の荷物Nの配列パターンが第2パレット12における最上段の荷物Nの配列パターンと同一である場合、荷物載置台46上に荷物Nが存在していないことを条件として、持込開始ボタン103の操作を行うことにより、第2パレット12上で同一の配列パターンが連続してしまうことを回避できる。
【0094】
図8(a)~
図8(c)は持出開始ボタン104が操作されたことに基づいて行われる移動制御を説明するための説明図である。持出開始ボタン104の操作は、荷物載置台46における荷物Nの配列パターンが第1パレット11における最上段の荷物Nの配列パターンと相違しているとともに第2パレット12が空である場合、又は荷物載置台46における荷物Nの配列パターンが第1パレット11及び第2パレット12における最上段の荷物Nの配列パターンと相違している場合に行われる。
【0095】
持出開始ボタン104が操作されたことに基づいて、まず第3移動制御が実行される。これにより、
図8(a)に示すように、荷物載置台46における1層分の荷物Nが空の第2パレット12の上又は第2パレット12における最上段の荷物Nの上に移動する。当該第3移動制御が実行された後、
図8(b)に示すように、第1移動制御が実行される。当該第1移動制御は、
図8(c)に示すように、第1パレット11上に荷物Nが存在しない状態、又は第2パレット12上の荷物Nの段数が上限段数(具体的には7段)になるまで繰り返される。作業者は、荷物載置台46に荷物Nが存在しており、荷物載置台46における荷物Nの配列パターンが第1パレット11における最上段の荷物Nの配列パターンと相違しているとともに第2パレット12が空である場合、持出開始ボタン104の操作を行うことにより、第2パレット12上で同一の配列パターンが連続してしまうことを回避しながら、荷物載置台46を空の状態とすることができる。また、作業者は、荷物載置台46に荷物Nが存在しており、荷物載置台46における荷物Nの配列パターンが第1パレット11における最上段の荷物Nの配列パターン及び第2パレット12における最上段の荷物Nの配列パターンと相違している場合、持出開始ボタン104の操作を行うことにより、第2パレット12上で同一の配列パターンが連続してしまうことを回避しながら、荷物載置台46を空の状態とすることができる。
【0096】
荷物積替装置15から搬出される第2パレット12上には既に説明した第1積層態様又は第2積層態様で荷物Nが積まれている。第2パレット12上に第1積層態様で荷物Nが積まれている場合、
図2(b)に示すように、奇数段目の層(第1層、第3層、第5層及び第7層)において第1配列パターンとなるように荷物Nが配列されているとともに、偶数段目の層(第2層、第4層及び第6層)において第2配列パターンとなるように荷物Nが配列されている。また、図示は省略するが、第2パレット12上に第2積層態様で荷物Nが積まれている場合、奇数段目の層において第2配列パターンとなるように荷物Nが配列されているとともに、偶数段目の層において第1配列パターンとなるように荷物Nが配列されている。このように、連続する2層の配列パターンが同一パターンとならない態様で荷物Nを積むことにより、上下の荷物Nが同じ向きで積まれている箇所を発生させないようにして、荷崩れの発生を防止できる。
【0097】
吸着保持機構52が荷物Nを吸着保持している状態であるとともに支持体54が移動している状態において停止ボタン105の操作が行われた場合、支持体54の移動が停止される。作業者は、接触等が原因となって第2パレット12上の荷物Nの配置にずれが生じてしまった場合、その上に荷物Nが積まれて不安定な状態となる前に、停止ボタン105の操作を行って支持体54の移動を停止し、当該荷物Nの配置のずれを修正することができる。支持体54の移動が停止されている状態は、当該状態において停止ボタン105の操作が行われることにより解除される。
【0098】
第1積層態様で荷物Nが積まれている第1パレット11及び第2積層態様で荷物Nが積まれている第1パレット11が交互に第1搬入コンベヤ13から荷物積替装置15に供給される場合には、第1~第3移動制御のうち第1移動制御のみを使用して、荷崩れを発生させづらい態様で第2パレット12上に荷物Nを積むことができる。一方、同一の積層態様で荷物Nが積まれている第1パレット11が連続して第1搬入コンベヤ13から荷物積替装置15に供給される場合には、第1移動制御に加えて第2移動制御及び第3移動制御を使用する必要が生じる。同一の積層態様で荷物Nが積まれている第1パレット11が連続して荷物積替装置15に供給される場合に行われる荷物Nの積み替えについて、第1積層態様で荷物Nが積まれている第1パレット11が連続して供給される場合を例として、説明する。
【0099】
まず第2パレット12及び荷物載置台46に荷物Nが積まれていない状態において、荷物積替装置15に1つ目の第1パレット11が供給される。
図7(a)に示すように、第1パレット11における奇数段目(第1段目、第3段目及び第5段目)の層において荷物Nは第1配列パターンで配列されているとともに、偶数段目(第2段目及び第4段目)の層において荷物Nは第2配列パターンで配列されている。直接開始ボタン102の操作が行われた場合、第1移動制御が実行される。これにより、
図7(a)に示すように、第1パレット11の最上段(5段目)に積まれている1層分の荷物Nが第2パレット12上に移動する。その後、第1移動制御が繰り返される。そして、
図7(c)に示すように最後の1層分の荷物Nを第1パレット11上から第2パレット12上に移動させる第1移動制御が行われると、第1パレット11が空の状態となり、第1移動制御の繰り返し実行状態が終了する。
【0100】
次に、2つ目の第1パレット11が供給される。1つ目の第1パレット11と同様に、奇数段目の荷物Nは第1配列パターンで配列されているとともに、偶数段目の荷物Nは第2配列パターンで配列されている。第1パレット11における最上段の配列パターンが第2パレット12における最上段の配列パターンと同一である場合、作業者は持込開始ボタン103を操作する。持込開始ボタン103の操作が行われた場合、
図7(d)に示すように、第1パレット11上の最上段(5段目)に積まれている1層分の荷物Nを荷物載置台46上に移動させる第2移動制御が行われる。その後、
図7(e)に示すように、第1パレット11上の最上段(4段目)に積まれている1層分の荷物Nを第2パレット12上に移動させる第1移動制御が行われる。これにより、第2パレット12における6段目の配列パターン(第2配列パターン)を、5段目の配列パターン(第1配列パターン)とは異なるパターンとすることができる。
【0101】
その後、
図7(f)に示すように、第1移動制御が実行されると、第2パレット12の段数が上限段数(7段)に達したことに基づいて、第1移動制御の繰り返し実行状態が終了する。第2パレット12上には、奇数段目が第1配列パターンであるとともに偶数段目が第2配列パターンである態様で、7段の荷物Nが積まれている。このように、同一の配列パターンが連続しない態様で第2パレット12上に荷物Nを積むことにより、荷崩れが発生してしまう可能性を低減できる。
【0102】
その後、上限段数(7段目)まで荷物Nが積まれた第2パレット12は荷物積替装置15から搬出され、空の第2パレット12が荷物積替装置15に供給される。荷物載置台46上の荷物Nの配列パターンが第1パレット11の最上段の荷物Nの配列パターンと相違している状態であるとともに第2パレット12が空である状態において、作業者は、持出開始ボタン104を操作する。持出開始ボタン104の操作が行われた場合、
図8(a)に示すように、荷物載置台46に置かれている1層分の荷物Nを第2パレット12上に移動させる第3移動制御が行われる。これにより、荷物載置台46に荷物Nが存在していない状態、すなわち荷物載置台46に新たに1層分の荷物Nを仮置き可能な状態となる。その後、
図8(b)に示すように、第1パレット11上の最上段(2段目)に積まれている1層分の荷物Nを第2パレット12上に移動させる第1移動制御が行われる。これにより、第2パレット12における2段目の配列パターン(第2配列パターン)を、1段目の配列パターン(第1配列パターン)とは異なるパターンとなる。その後、
図8(c)に示すように、第1パレット11上に残っている最後の1層分の荷物Nを第2パレット12上に移動させる第1移動制御が行われる。これにより、第1パレット11が空になり、第1移動制御の繰り返し実行状態が終了する。
【0103】
次に、3つ目の第1パレット11が供給される。1つ目の第1パレット11及び2つ目の第2パレット12と同様に、奇数段目の荷物Nは第1配列パターンで配列されているとともに、偶数段目の荷物Nは第2配列パターンで配列されている。上述したとおり、荷物載置台46に荷物Nが存在していない状態であって、第1パレット11における最上段の配列パターンが第2パレット12における最上段の配列パターンと同一である場合、作業者は持込開始ボタン103を操作する。
図8(d)~
図8(f)は持込開始ボタン103の操作が行われたことに基づいて行われる移動制御を説明するための説明図である。持込開始ボタン103の操作が行われた場合、
図8(d)に示すように、第1パレット11上の最上段(5段目)に積まれている1層分の荷物Nを荷物載置台46上に移動させる第2移動制御が行われる。その後、
図8(e)に示すように、第1パレット11上の最上段(4段目)に積まれている1層分の荷物Nを第2パレット12上に移動させる第1移動制御が行われる。これにより、第2パレット12における4段目の配列パターン(第2配列パターン)を、3段目の配列パターン(第1配列パターン)とは異なるパターンとすることができる。
【0104】
その後、第1移動制御が繰り返し実行されると、
図8(f)に示すように、第1パレット11が空になるとともに第2パレット12の段数が上限段数(7段)に達して、第1移動制御の繰り返し実行状態が終了する。第2パレット12上には、奇数段目が第1配列パターンであるとともに偶数段目が第2配列パターンである態様で、7段の荷物Nが積まれている。このように、最上段(5段目)の層が第1配列パターンである第1パレット11が3回連続して荷物積替装置15に供給された場合においても、同一の配列パターンが連続しない態様で第2パレット12上に荷物Nを積むことができる。また、図示は省略するが、最上段(5段目)の層が第2配列パターンである第1パレット11が3回連続して荷物積替装置15に供給された場合においても、同一の配列パターンが連続しない態様で第2パレット12上に荷物Nを積むことができる。
【0105】
第2移動制御及び第3移動制御を実行できない構成とすると、同一積層態様で荷物Nが積まれた第1パレット11が連続して荷物積替装置15に供給される場合に、同一の配列パターンが連続しない態様で第2パレット12上に荷物Nを積むためには、第1パレット11における最上段の荷物Nを人力で取り除く作業が必要となり、荷物Nの積み替えに要する時間が延びてしまう。また、荷物Nの内容物が液体等のように重い商品等である場合には、作業者に大きな負担が生じてしまう。これに対して、第1移動制御に加えて第2移動制御及び第3移動制御を実行可能な構成であり、さらにこれらの移動制御が荷物Nの配列パターンを変更しない態様で実行される構成である。これにより、同一積層態様で荷物Nが積まれた第1パレット11が連続して荷物積替装置15に供給された場合においても、荷崩れを発生させづらい態様で荷物Nが積まれた第2パレット12が荷物積替装置15から搬出されるようにすることができる。
【0106】
次に、CPU112にて実行される積替制御処理(
図9)の説明に先立ち、当該積替制御処理にて使用されるRAM114の構成について説明する。
図6に示すように、RAM114には移動制御カウンタ114a、動作停止フラグ114b、第1準備完了フラグ114c及び第2準備完了フラグ114dが設けられている。移動制御カウンタ114aには「0」~「3」のいずれかの値が設定される。移動制御カウンタ114aの値が「0」である状態は、第1~第3移動制御が実行されていない状態に対応している。また、移動制御カウンタ114aの値が「1」である状態は第1移動制御が実行されている状態に対応しており、移動制御カウンタ114aの値が「2」である状態は第2移動制御が実行されている状態に対応しており、移動制御カウンタ114aの値が「3」である状態は第3移動制御が実行されている状態に対応している。また、動作停止フラグ114bは、停止ボタン105の操作が行われたことに基づいて支持体54の移動が停止される動作停止状態となっていることをCPU112にて把握可能とするフラグである。
【0107】
既に説明したとおり、第1パレット載置台27に第1パレット11がセットされた後、第1設定ボタン95の操作が行われたことに基づいて、第1パレット載置台27を第1初期位置から470mm上昇させる第1セット後上昇動作が行われる。第1準備完了フラグ114cは、荷物Nが積まれている第1パレット11が第1パレット載置台27にセットされた後に第1セット後上昇動作が終了していることをCPU112にて把握可能とするフラグである。また、既に説明したとおり、第2パレット載置台28に第2パレット12がセットされた後、第2設定ボタン96の操作が行われたことに基づいて、第2パレット載置台28を1404mm上昇させる第2セット後上昇動作が行われる。第2準備完了フラグ114dは、空の第2パレット12が第2パレット載置台28にセットされた後に第2セット後上昇動作が終了していることをCPU112にて把握可能とするフラグである。
【0108】
次に、CPU112にて実行される積替制御処理について
図9のフローチャートを参照しながら説明する。積替制御処理は例えば4ミリ秒の周期で定期的に実行される。
【0109】
移動制御カウンタ114aの値が「0」である場合(ステップS101:YES)、動作停止フラグ114bに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS102)。CPU112への動作電力の供給が開始されてから最初に積替制御処理(
図9)が実行される場合、移動制御カウンタ114a及び動作停止フラグ114bの値が「0」である状態で積替制御処理(
図9)が開始される。また、第1パレット11が空になったこと、又は第2パレット12に上限段数(7段)の荷物Nが積まれている状態となったことに基づいて第1~第3移動制御が終了した後、停止ボタン105の操作が行われていない状況で積替制御処理(
図9)が実行される場合、移動制御カウンタ114a及び動作停止フラグ114bの値が「0」である状態で当該積替制御処理(
図9)が開始される。
【0110】
動作停止フラグ114bに「1」がセットされていない場合、すなわち上述した動作停止状態ではない場合には(ステップS102:NO)、第1リフタ25又は第2リフタ26の昇降動作が実行されている状態であるか否かを判定する(ステップS103)。リフタ25,26の昇降動作が実行されていない場合には(ステップS103:NO)、第1準備完了フラグ114c及び第2準備完了フラグ114dに「1」がセットされていることを条件として(ステップS104及びステップS105:YES)、直接開始ボタン102の操作が検出されたか否かを判定する(ステップS106)。直接開始ボタン102の操作が検出されている場合には(ステップS106:YES)、移動制御カウンタ114aに「1」をセットする(ステップS107)。これにより、後述する第1移動制御用処理(ステップS115)が実行される状態、すなわち第1移動制御が実行される状態となる。
【0111】
ステップS106にて否定判定を行った場合には、持込開始ボタン103の操作が検出されたか否かを判定し(ステップS108)、持込開始ボタン103の操作が検出されている場合には(ステップS108:YES)、仮置き荷物検知センサ47において荷物Nが検知されていない状態であること、すなわち荷物載置台46に荷物Nが存在していないことを条件として(ステップS109:YES)、移動制御カウンタ114aに「2」をセットする(ステップS110)。これにより、後述する第2移動制御用処理(ステップS117)が実行される状態、すなわち第2移動制御が実行される状態となる。
【0112】
荷物載置台46に既に荷物Nが存在している場合には(ステップS109:NO)、移動制御カウンタ114aに「2」をセットすることなく、ステップS114に進む。これにより、荷物載置台46に荷物Nが置かれている状況においては、持込開始ボタン103の操作が行われても第2移動制御が開始されないようにすることができる。荷物載置台46の上に既に荷物Nが存在している状況において持込開始ボタン103の操作が行われたことに基づいて第2移動制御が開始される構成とすると、吸着保持機構52に吸着保持された状態で荷物載置台46に向けて搬送されている荷物Nが既に荷物載置台46に置かれている荷物Nと接触し、荷物Nの損傷を発生させてしまうおそれがあるとともに、荷物載置台46からの荷物Nの落下を発生させてしまうおそれがある。これに対して、荷物載置台46に荷物Nが存在している状況においては持込開始ボタン103の操作が行われても第2移動制御が実行されない構成とすることにより、作業者が誤って持込開始ボタン103を操作したことが原因となって荷物Nの損傷又は落下が発生してしまうことを防止できる。
【0113】
ステップS108にて否定判定を行った場合には、持出開始ボタン104の操作が検出されたか否かを判定し(ステップS111)、持出開始ボタン104の操作が検出されている場合には(ステップS111:YES)、仮置き荷物検知センサ47にて荷物Nが検知されている状態であること、すなわち荷物載置台46に荷物Nが存在していることを条件として(ステップS112:YES)、移動制御カウンタ114aに「3」をセットする(ステップS113)。これにより、後述する第3移動制御用処理(ステップS119)が実行される状態、すなわち第3移動制御が実行される状態となる。
【0114】
荷物載置台46に荷物Nが存在していない場合には(ステップS112:NO)、移動制御カウンタ114aに「3」をセットすることなく、ステップS114に進む。これにより、荷物載置台46に荷物Nが置かれていない状況において第3移動制御が実行されてしまうことを防止できる。よって、作業者が意図した順番とは異なる順番で第2パレット12上に荷物Nが積まれてしまう可能性が低減されている。
【0115】
ステップS101にて否定判定を行った場合、ステップS107の処理を実行した場合、ステップS109にて否定判定を行った場合、ステップS110の処理を行った場合、ステップS111にて否定判定を行った場合、ステップS112にて否定判定を行った場合、又はステップS113の処理を行った場合には、移動制御カウンタ114aの値が「1」であることを条件として(ステップS114:YES)、第1移動制御用処理を実行する(ステップS115)。詳細は後述するが、第1移動制御用処理では、第1パレット11が空になるという条件又は第2パレット12上に積まれている荷物Nの段数が上限段数に達するという条件が満たされるまで第1移動制御が繰り返されるようにするための処理を実行する。
【0116】
移動制御カウンタ114aの値が「2」である場合には(ステップS114:NO、ステップS116:YES)、第2移動制御用処理を実行する(ステップS117)。詳細は後述するが、第2移動制御用処理では、第2移動制御が実行されるようにするための処理を実行した後、移動制御カウンタ114aに「1」をセットして上述した第1移動制御用処理(ステップS115)が実行される状態となるようにする。
【0117】
移動制御カウンタ114aの値が「3」である場合には(ステップS116:NO、ステップS118:YES)、第3移動制御用処理を実行する(ステップS119)。詳細は後述するが、第3移動制御用処理では、第3移動制御が実行されるようにするための処理を実行した後、移動制御カウンタ114aに「1」をセットして上述した第1移動制御用処理(ステップS115)が実行される状態となるようにする。
【0118】
ステップS102にて肯定判定を行った場合、ステップS103にて肯定判定を行った場合、ステップS104にて否定判定を行った場合、ステップS105にて否定判定を行った場合、ステップS115の処理を行った場合、ステップS117の処理を行った場合、ステップS118にて否定判定を行った場合、又はステップS119の処理を行った場合には、ステップS120に進む。動作停止フラグ114bに「1」がセットされている場合(ステップS102:YES)、すなわち停止ボタン105の操作が行われたことに基づいて動作停止状態となっている場合には、ステップS103~ステップS119の処理が実行されない構成である。これにより、動作停止状態では支持体54の移動が行われない状態とすることができる。また、リフタ25,26の昇降動作が実行されている状態である場合には(ステップS103:YES)、ステップS104~ステップS119の処理が実行されない構成である。これにより、リフタ25,26の昇降動作が終了していない状況において第1移動制御、第2移動制御又は第3移動制御が開始されてしまうことを防止できる。また、第1準備完了フラグ114cに「1」がセットされていない状態である場合には(ステップS104:NO)、ステップS105~ステップS119の処理が実行されない構成である。これにより、第1パレット載置台27が第1初期位置に存在している状況において第1移動制御、第2移動制御又は第3移動制御が開始されてしまうことを防止できる。また、第2準備完了フラグ114dに「1」がセットされていない状態である場合には(ステップS105:NO)、ステップS106~ステップS119の処理が実行されない構成である。これにより、第2パレット載置台28が第2初期位置に存在している状況において第1移動制御、第2移動制御又は第3移動制御が開始されてしまうことを防止できる。また、移動制御カウンタ114aの値が「0」である場合には(ステップS118:NO)、第3移動制御用処理(ステップS119)を実行することなく、ステップS120に進む。このように、移動制御カウンタ114aの値が「0」である場合、第1移動制御、第2移動制御及び第3移動制御は実行されない。
【0119】
ステップS120では第1リフタ制御処理を実行する。第1リフタ制御処理では、第1パレット載置台27が第1初期位置に存在している状態である場合、第1設定ボタン95の操作が検出されたことを条件として、第1パレット載置台27を第1初期位置から470mm上昇させる第1セット後上昇動作を開始させるための処理を実行する。既に説明したとおり、第1セット後上昇動作が行われることにより、第1パレット11上における最上段荷物載置面(具体的には第1パレット11における上から2段目の荷物Nの上面)が荷物載置台46の上面と同一の高さ位置に存在している状態となる。
【0120】
第1リフタ制御処理(ステップS120)では、第1セット後上昇動作が実行されている状態である場合、第1測距センサ44から受信する情報に基づいて把握される第1パレット載置台27の床面からの距離が980mm以上となったこと、すなわち第1初期位置からの上昇距離が470mm以上となったことを条件として、第1セット後上昇動作を終了させるための処理を実行するとともに第1準備完了フラグ114cに「1」をセットする。これにより、第1セット後上昇動作が終了していることをCPU112にて把握可能となる。
【0121】
第1リフタ制御処理(ステップS120)では、第1パレット載置台27を1段分(196mm)上昇させる1段分上昇動作が実行されている状態である場合、第1パレット載置台27の上昇距離が196mmに達したことを条件として、1段分上昇動作を終了させるための処理を実行する。1段分上昇動作は、第1パレット11上から1層分の荷物Nが持ち出された後、支持体54が積替先停止位置まで移動したことを条件として後述する第1移動制御用処理(
図10)のステップS210にて開始される。また、1段分上昇動作は、第1パレット11上から1層分の荷物Nが持ち出された後、支持体54が仮置き用停止位置まで移動したことを条件として後述する第2移動制御用処理(
図11)のステップS310にて開始される。CPU112は、当該ステップS210又はステップS310において1段分上昇動作を開始する場合、第1測距センサ44から受信する情報に基づいて当該1段分上昇動作の開始時における第1パレット載置台27の床面からの距離を把握する。そして、当該把握した距離よりも荷物Nの高さ寸法(196mm)分長い距離を今回の1段分上昇動作の終了基準長さ情報としてRAM114に設けられた第1終了基準長さエリア114e(
図6)に設定する。第1終了基準長さエリア114eは、実行されている1段分上昇動作の終了タイミングを把握するための情報(当該1段分上昇動作の開始時に設定された終了基準長さ情報)がセットされるエリアである。第1リフタ制御処理(ステップS120)では、第1測距センサ44から受信する情報に基づいて現状における第1パレット載置台27の床面からの距離を把握し、当該把握した距離が、今回の1段分上昇動作の開始時に第1終了基準長さエリア114eに設定された終了基準長さ情報以上である場合に1段分上昇動作を終了するとともに、第1終了基準長さエリア114eを「0」クリアする。
【0122】
第1リフタ制御処理(ステップS120)では、第1パレット載置台27を第1初期位置に復帰させるための第1復帰動作が実行されている状態である場合、第1測距センサ44から受信する情報に基づいて把握される第1パレット載置台27の床面からの距離が510mm以下となったこと、すなわち第1パレット載置台27が第1初期位置まで下降したことを条件として、第1復帰動作を終了させるための処理を実行する。第1復帰動作は、第1パレット11が空になったことに基づいて、後述する第1移動制御用処理(
図10)のステップS222及び第2移動制御用処理(
図11)のステップS322にて実行される。
【0123】
第1リフタ制御処理(ステップS120)を実行した後、第2リフタ制御処理を実行する(ステップS121)。第2リフタ制御処理では、第2パレット載置台28が第2初期位置に存在している状態である場合、第2設定ボタン96の操作が検出されたことを条件として、第2パレット載置台28を1404mm上昇させる第2セット後上昇動作を開始させるための処理を実行する。既に説明したとおり、第2セット後上昇動作が行われることにより、第2パレット12の上面が荷物載置台46の上面と同一の高さ位置に存在している状態となる。
【0124】
第2リフタ制御処理(ステップS121)では、第2セット後上昇動作が実行されている状態である場合、第2測距センサ45から受信する情報に基づいて把握される第2パレット載置台28の床面からの距離が1914mm以上となったこと、すなわち第2初期位置からの上昇距離が1404mm以上となったことを条件として、第2セット後上昇動作を終了させるための処理を実行するとともに第2準備完了フラグ114dに「1」をセットする。これにより、第2セット後上昇動作が終了していることをCPU112にて把握可能となる。
【0125】
第2リフタ制御処理(ステップS121)では、第2パレット載置台28を1段分(196mm)下降させる1段分下降動作が実行されている状態である場合、第2パレット載置台28の下降距離が196mmに達したことを条件として、1段分下降動作を終了させるための処理を実行する。1段分下降動作は、第2パレット12上に1層分の荷物Nが持ち込まれた場合に、後述する第1移動制御用処理(
図10)のステップS215及び第3移動制御用処理(
図12)のステップS418にて開始される。CPU112は、当該ステップS215又はステップS418において1段分下降動作を開始する場合、第2測距センサ45から受信する情報に基づいて当該1段分下降動作の開始時における第2パレット載置台28の床面からの距離を把握する。そして、当該把握した距離よりも荷物Nの高さ寸法(196mm)分短い距離を今回の1段分下降動作の終了基準長さ情報として、RAM114に設けられた第2終了基準長さエリア114f(
図6)に設定する。第2終了基準長さエリア114fは、実行されている1段分下降動作の終了タイミングを把握するための情報(当該1段分下降動作の開始時に設定された終了基準長さ情報)がセットされるエリアである。第2リフタ制御処理(ステップS121)では、第2測距センサ45から受信する情報に基づいて現状における第2パレット載置台28の床面からの距離を把握し、当該把握した距離が、今回の1段分下降動作の開始時に第2終了基準長さエリア114fに設定された終了基準長さ情報以下である場合に、1段分下降動作を終了するとともに、第2終了基準長さエリア114fを「0」クリアする。
【0126】
第2リフタ制御処理(ステップS121)では、第2パレット載置台28を第2初期位置に復帰させるための第2復帰動作が実行されている場合、第2測距センサ45から受信する情報に基づいて把握される第2パレット載置台28の床面からの距離が510mm以下となったこと、すなわち第2パレット載置台28が第2初期位置まで下降したことを条件として、第2復帰動作を終了させるための処理を実行する。第2復帰動作は、第2パレット12に積まれている荷物Nの段数が上限段数(7段)となったことに基づいて、後述する第1移動制御用処理(
図10)のステップS225及び第3移動制御用処理(
図12)のステップS426にて実行される。
【0127】
第2リフタ制御処理(ステップS121)を実行した後、吸着中処理を実行する(ステップS122)。吸着中処理では、荷物Nが吸着保持されている状況において吸着ヘッド81が接続されているエジェクタ84における真空ポート内の圧力が吸着基準圧力を超えた場合、吸着異常報知処理を実行する。真空ポート内の圧力を吸着基準圧力以下とするために吸着用コンプレッサ82からの圧縮空気の吐出が行われている状況において、吸着保持されている荷物Nに障害物等が接触して吸着ヘッド81と荷物Nとの間に隙間が生じた場合、真空ポート内の圧力が上昇し、真空ポート内の圧力が吸着基準圧力を超えている状態が発生し得る。吸着用コンプレッサ82からの圧縮空気の吐出が行われている状況において真空ポート内の圧力が吸着基準圧力を超えている状態が発生した場合に吸着異常報知処理が実行される構成とすることにより、吸着保持されている荷物Nが落下し易い状態となった場合、又は吸着保持されていた荷物Nが落下した場合に吸着異常報知処理が実行されるようにすることができる。吸着異常報知処理では、スピーカ101から吸着異常報知音が出力されるようにする。これにより、荷物Nの吸着搬送中に荷物Nが落下し易い状態となったこと、又は荷物Nの落下が発生したことを作業者に報知することができる。よって、荷物Nの損傷が発生したことに作業者が気付くことなく当該荷物Nが出荷されてしまう可能性が低減されている。
【0128】
その後、停止操作対応処理を実行する(ステップS123)。停止操作対応処理では、動作停止フラグ114bの値が「0」である場合、停止ボタン105の操作が行われたことを条件として、動作停止フラグ114bに「1」をセットし、支持体54の移動が停止されている状態とする。これにより、支持体54の移動が停止されている動作停止状態となる。よって、接触等が原因となって第2パレット12上の荷物Nの配置にずれが生じてしまった場合には、その上に荷物Nが積まれて不安定な状態となる前に、当該荷物Nの配置のずれを修正することができる。また、停止操作対応処理(ステップS123)では、動作停止フラグ114bに「1」がセットされている場合、停止ボタン105の操作が行われたことを条件として、動作停止フラグ114bを「0」クリアする。これにより、ステップS102にて否定判定が行われてステップS103~ステップS122の処理が実行される状態となる。すまり、動作停止状態が解除された状態となる。
【0129】
動作停止フラグ114bに「1」をセットする処理が実行されても、吸着保持機構52による荷物Nの吸着保持を終了するための処理は実行されない。したがって、吸着保持機構52が荷物Nを吸着保持している状態で停止ボタン105の操作が行われたことが原因となって、搬送途中で荷物Nを落下させてしまうことが防止されている。作業者は、吸着保持機構52が荷物Nを吸着保持している状態、及び吸着保持機構52が荷物Nを吸着保持していない状態のいずれにおいても、支持体54の移動を停止させる必要が生じたタイミングで停止ボタン105の操作を行うことができる。
【0130】
動作停止フラグ114bに「1」がセットされていても、第1リフタ制御処理(ステップS120)は実行される。したがって、第1リフタ25において第1セット後上昇動作、1段分上昇動作及び第1初期位置への復帰動作が実行されていない状況において動作停止フラグ114bに「1」をセットする処理が実行された場合、第1パレット載置台27の高さ位置は維持される。また、第1リフタ25において第1セット後上昇動作、1段分上昇動作又は第1初期位置への復帰動作が実行されている状況において動作停止フラグ114bに「1」をセットする処理が実行された場合、当該第1セット後上昇動作、1段分上昇動作又は第1初期位置への復帰動作が終了するまで、第1リフタ25の動作は継続される。
【0131】
動作停止フラグ114bに「1」がセットされていても、第2リフタ制御処理(ステップS121)は実行される。したがって、第2リフタ26において第2セット後上昇動作、1段分下降動作及び第2初期位置への復帰動作が実行されていない状況において動作停止フラグ114bに「1」をセットする処理が実行された場合、第2パレット載置台28の高さ位置は維持される。また、第2リフタ26において第2セット後上昇動作、1段分下降動作又は第2初期位置への復帰動作が実行されている状況において動作停止フラグ114bに「1」をセットする処理が実行された場合、当該第2セット後上昇動作、1段分下降動作又は第2初期位置への復帰動作が終了するまで、第2リフタ26の動作は継続される。
【0132】
次に、ステップS115における第1移動制御用処理(
図10)、ステップS117における第2移動制御用処理(
図11)及びステップS119における第3移動制御用処理(
図12)の説明に先立ち、これらの処理にて使用されるRAM114の構成について説明する。
図6に示すように、RAM114には、吸着搬送カウンタ114gが設けられている。吸着搬送カウンタ114gは、第1移動制御用処理(
図10)、第2移動制御用処理(
図11)及び第3移動制御用処理(
図12)において参照される。
【0133】
第1移動制御用処理(
図10)が実行される状況において、吸着搬送カウンタ114gには「0」~「4」のいずれかがセットされる。第1移動制御が開始される状況において吸着搬送カウンタ114gの値は「0」クリアされている。また、第1移動制御が実行される状況において、吸着搬送カウンタ114gの値が「1」である状態は、積替元停止位置(第1パレット載置台27の上方)にて、第1パレット11上の荷物Nを吸着保持して持ち上げるための動作が行われる段階に対応している。また、吸着搬送カウンタ114gの値が「2」である状態は支持体54が積替元停止位置から積替先停止位置(第2パレット載置台28)に向けて移動する段階に対応しており、吸着搬送カウンタ114gの値が「3」である状態は第2パレット12上に荷物Nを置いて吸着保持機構52を第1搬送高さ位置に戻す第2荷置き動作が実行されている段階に対応しており、吸着搬送カウンタ114gの値が「4」である状態は支持体54を積替元停止位置に復帰させるための移動が行われている段階に対応している。なお、第2移動制御用処理(
図11)又は第3移動制御用処理(
図12)が実行されている状況における吸着搬送カウンタ114gの値については後述する。
【0134】
次に、積替制御処理(
図9)のステップS115にて実行される第1移動制御用処理について
図10のフローチャートを参照しながら説明する。
【0135】
吸着搬送カウンタ114gの値が「0」である場合には(ステップS201:YES)、吸着搬送カウンタ114gに「1」をセットする(ステップS202)。また、吸着搬送カウンタ114gの値が「1」以上である場合には(ステップS201:NO)、吸着搬送カウンタ114gの値が「1」であるか否かを判定する(ステップS203)。ステップS202の処理を行った場合、又はステップS203にて肯定判定を行った場合には、第1搬送準備用処理を実行する(ステップS204)。
【0136】
第1搬送準備用処理(ステップS204)では、荷物Nが吸着保持されていない状態であるとともに、吸着ヘッド81が荷物Nに接触していない状態である場合、吸着保持機構52を吸脱着高さ位置まで下降させる動作が行われるようにする。CPU112は、エジェクタ84における真空ポート内の圧力が吸着基準圧力を超えていることに基づいて荷物Nが吸着保持されていない状態であることを把握する。また、CPU112は、吸着側測距センサ91から受信する情報に基づいて把握される荷物Nまでの距離が180mmよりも長いことに基づいて、吸着ヘッド81が荷物Nに接触していない状態であることを把握する。また、既に説明したとおり、第1エアシリンダ76及び第2エアシリンダ77を駆動状態とすることにより吸着保持機構52が吸脱着高さ位置まで下降する。また、第1搬送準備用処理(ステップS204)では、荷物Nが吸着保持されていない状態であるとともに、吸着側測距センサ91から受信する情報に基づいて把握される荷物Nまでの距離が180mm以下である状態となった場合、すなわち吸着ヘッド81が荷物Nに接触している状態となった場合には、吸着ヘッド81を減圧状態として荷物Nの吸着保持が開始されるようにする。また、第1搬送準備用処理(ステップS204)では、荷物Nが吸着保持されている状態である場合、吸着保持機構52が第1搬送高さ位置に存在している状態となるまで吸着保持機構52を上昇させる動作が行われるようにする。既に説明したとおり、第1エアシリンダ76を非駆動状態とするとともに第2エアシリンダ77を駆動状態とすることにより、吸着保持機構52が第1搬送高さ位置に存在している状態となる。
【0137】
第1搬送準備用処理(ステップS204)を実行した後、第1搬送開始可能状態であるか否かを判定する(ステップS205)。ステップS205では、荷物Nを吸着保持している吸着保持機構52が第1搬送高さ位置に存在している状態となっている場合に肯定判定を行う。CPU112は、吸着保持機構52の上昇を開始させた後において、吸脱着高さ位置から第1搬送高さ位置への上昇に要する時間よりも長い時間(具体的には2秒)が経過した場合に吸着保持機構52が第1搬送高さ位置に存在している状態であると判定する。第1搬送開始可能状態である場合には(ステップS205:YES)、吸着搬送カウンタ114gに「2」をセットして(ステップS206)、本第1移動制御用処理(
図10)を終了する。吸着搬送カウンタ114gに「2」をセットすることにより、次回の第1移動制御用処理(
図10)において、ステップS208の処理が実行される状態、すなわち積替先停止位置への支持体54の移動が開始される状態とすることができる。
【0138】
吸着搬送カウンタ114gの値が「2」である場合には(ステップS203:NO、ステップS207:YES)、第1往路移動処理を実行する(ステップS208)。第1往路移動処理では、吸着保持機構52が第1搬送高さ位置に存在している状態において、積替先停止位置に向けて支持体54を移動させる動作が行われるようにする。第1往路移動処理(ステップS208)を実行した後、支持体54が積替先停止位置に到着している状態である場合には(ステップS209:YES)、1段分上昇動作開始処理を実行する(ステップS210)。1段分上昇動作開始処理は、後述する第2移動制御用処理(
図11)のステップS310においても実行される。1段分上昇動作開始処理では、第1リフタ25において1段分上昇動作が開始されるようにする。これにより、第1移動制御において、第1パレット11から1層分の荷物Nが持ち出される度に、支持体54が積替先停止位置に到着したタイミングで、第1パレット載置台27が1段分(196mm)上昇するようにすることができる。支持体54が積替先停止位置に向かって移動している状況において1段分上昇動作が実行される構成とすると、吸着保持機構52により吸着保持されている荷物Nに、第1パレット11上の荷物Nが接触してしまうおそれがある。これに対して、支持体54が積替先停止位置に到達したタイミングで1段分上昇動作が開始される構成である。これにより、吸着保持機構52により吸着保持されている荷物Nに、第1パレット11上の荷物Nが接触してしまうことが防止されている。また、1段分上昇動作開始処理(ステップS210)では、第1測距センサ44から受信する情報に基づいて当該1段分上昇動作の開始時における第1パレット載置台27の床面からの距離を把握する。そして、当該把握した距離よりも荷物Nの高さ寸法(196mm)分長い距離情報を今回の1段分上昇動作の終了基準長さ情報として第1終了基準長さエリア114eに設定する。これにより、今回の1段分上昇動作の終了タイミングをCPU112にて把握可能となる。
【0139】
その後、吸着搬送カウンタ114gに「3」をセットして(ステップS211)、本第1移動制御用処理(
図10)を終了する。吸着搬送カウンタ114gに「3」をセットすることにより、次回の第1移動制御用処理(
図10)においてステップS213の処理が実行される状態、すなわち第2荷置き動作が開始される状態とすることができる。
【0140】
吸着搬送カウンタ114gの値が「3」である場合には(ステップS207:NO、ステップS212:YES)、第2荷置き処理を実行する(ステップS213)。第2荷置き処理では、エジェクタ84における真空ポート内の圧力が吸着基準圧力以下である状態、すなわち荷物Nが吸着保持されている状態であるとともに、荷物Nが積替先荷物検知センサ92にて検出されていない状態である場合、吸着保持機構52を吸脱着高さ位置まで下降させる動作が行われるようにする。また、第2荷置き処理(ステップS213)では、荷物Nが吸着保持されている状態であるとともに荷物Nが積替先荷物検知センサ92にて検出されている状態である場合、すなわち吸着保持されている荷物Nの下端から空の第2パレット12の上面又は第2パレット12における最上段の荷物Nの上面までの距離が5mm以下となった場合、吸着ヘッド81の減圧状態を解除することにより荷物Nの吸着保持が終了されるようにする。また、第2荷置き処理(ステップS213)では、荷物Nが吸着保持されていない状態である場合、吸着保持機構52が第1搬送高さ位置に存在している状態となるまで吸着保持機構52を上昇させる動作が行われるようにする。
【0141】
第2荷置き処理(ステップS213)を実行した後、第2荷置き動作が終了しているか否かを判定する(ステップS214)。ステップS214では、荷物Nが吸着保持されていない状態であるとともに、吸着保持機構52の上昇を開始させた後において吸脱着高さ位置から第1搬送高さ位置への上昇に要する時間よりも長い時間(具体的には2秒)が経過している場合に肯定判定を行う。
【0142】
第2荷置き動作が終了している場合には(ステップS214:YES)、1段分下降動作開始処理を実行する(ステップS215)。1段分下降動作開始処理は、後述する第3移動制御用処理(
図12)のステップS418においても実行される。1段分下降動作開始処理では、第2パレット載置台28を1段分(196mm)下降させる1段分下降動作が開始されるようにする。これにより、第1移動制御において、第2パレット12に1層分の荷物Nが積まれる度に第2パレット載置台28が1段分下降するようにすることができる。第2パレット12に1層分の荷物Nが積まれた後、支持体54が積替元停止位置に移動することを待つことなく1段分下降動作を開始させる構成であることにより、支持体54が積替元停止位置に移動したことに基づいて1段分下降動作を開始する構成と比較して、1段分下降動作の終了タイミングが早められている。また、1段分下降動作開始処理(ステップS215)では、第2測距センサ45から受信する情報に基づいて当該1段分下降動作の開始時における第2パレット載置台28の床面からの距離を把握する。そして、当該把握した距離よりも荷物Nの高さ寸法(196mm)分短い距離情報を今回の1段分下降動作の終了基準長さ情報として第2終了基準長さエリア114fに設定する。これにより、今回の1段分下降動作の終了タイミングをCPU112にて把握可能となる。
【0143】
その後、吸着搬送カウンタ114gに「4」をセットして(ステップS216)、本第1移動制御用処理(
図10)を終了する。吸着搬送カウンタ114gに「4」をセットすることにより、次回の第1移動制御用処理(
図10)においてステップS217の処理が実行される状態、すなわち支持体54の積替元停止位置への移動が開始される状態とすることができる。
【0144】
ステップS212にて否定判定を行った場合、すなわち吸着搬送カウンタ114gの値が「4」である場合には、第1復路移動処理を実行する(ステップS217)。第1復路移動処理では、吸着保持機構52が第1搬送高さ位置に存在している状態において、積替元停止位置に向けて支持体54を移動させる動作が行われるようにする。第1復路移動処理(ステップS217)を実行した後、支持体54が積替元停止位置に到着している状態である場合には(ステップS218:YES)、第1リフタ25又は第2リフタ26の昇降動作が実行されている状態であるか否かを判定する(ステップS219)。そして、リフタ25,26の昇降動作が実行されていない場合には(ステップS219:NO)、吸着搬送カウンタ114gの値を「0」クリアする(ステップS220)。
【0145】
その後、第1パレット11上に荷物Nが存在していない空の状態であるか否かを判定する(ステップS221)。既に説明したとおり、CPU112は、第1測距センサ44にて把握される第1パレット載置台27の床面からの高さ位置が1960mm以上であることに基づいて第1パレット11が空となったことを特定する。第1パレット11が空の状態である場合には(ステップS221:YES)、第1パレット載置台27を第1初期位置に復帰させる第1復帰動作を開始させる(ステップS222)。その後、移動制御カウンタ114a及び第1準備完了フラグ114cを「0」クリアする(ステップS223)。移動制御カウンタ114aの値が「0」クリアされることにより、第1~第3移動制御が実行されていない状態となる。また、第1準備完了フラグ114cが「0」クリアされることにより、既に説明した積替制御処理(
図9)のステップS104にて否定判定を行われる状態、すなわち開始ボタンの操作が行われても第1~第3移動制御が開始されない状態となる。
【0146】
ステップS221にて否定判定を行った場合、又はステップS223の処理を行った場合には、第2パレット12上に上限段数(7段)の荷物Nが積まれている状態であるか否かを判定する(ステップS224)。既に説明したとおり、CPU112は、第2測距センサ45にて把握される第2パレット載置台28の床面からの高さ位置が542mm以下であることに基づいて第2パレット12に上限段数の荷物Nが積まれている状態であることを把握する。
【0147】
第2パレット12上に上限段数の荷物Nが積まれている場合には(ステップS224:YES)、第2パレット載置台28を第2初期位置に復帰させる第2復帰動作を開始させる(ステップS225)。その後、移動制御カウンタ114a及び第2準備完了フラグ114dを「0」クリアする(ステップS226)。移動制御カウンタ114aの値が「0」クリアされることにより、第1~第3移動制御が実行されていない状態となる。また、第2準備完了フラグ114dが「0」クリアされることにより、既に説明した積替制御処理(
図9)のステップS105にて否定判定を行われる状態、すなわち開始ボタンの操作が行われても第1~第3移動制御が開始されない状態となる。
【0148】
ステップS221及びステップS224にて否定判定を行った場合には、そのまま本第1移動制御用処理(
図10)を終了する。これにより、第1移動制御が実行された後に第1パレット11上に荷物Nが存在している状態であるとともに第2パレット12に積まれている荷物Nの段数が上限段数に達していない状態である場合には、移動制御カウンタ114aに「1」がセットされているとともに吸着搬送カウンタ114gの値が「0」である状態、すなわち再度第1移動制御が開始される状態とすることができる。このように、第1移動制御が開始された場合には、第1パレット11上に荷物Nが存在しない状態、又は第2パレット12上の荷物Nの段数が上限段数(具体的には7段)になるまで第1移動制御が繰り返される構成であることにより、1回の第1移動制御が終了する度に作業者によるボタン操作が必要となる構成と比較して、作業者の作業負担が軽減されている。
【0149】
次に、CPU112にて実行される第2移動制御用処理(
図11)の説明に先立ち、当該第2移動制御用処理が実行される状況における吸着搬送カウンタ114gの値について説明する。第2移動制御用処理(
図11)が実行される状況において、吸着搬送カウンタ114gには「0」~「4」のいずれかがセットされる。第2移動制御が開始される状況において吸着搬送カウンタ114gの値は「0」クリアされている。第2移動制御用処理が実行される状況において、吸着搬送カウンタ114gの値が「1」である状態は、積替元停止位置(第1パレット載置台27の上方)にて、第1パレット11上の荷物Nを吸着保持して持ち上げるための動作が行われる段階に対応している。また、吸着搬送カウンタ114gの値が「2」である状態は支持体54が積替元停止位置から仮置き用停止位置(荷物載置台46の上方)に向けて移動する段階に対応しており、吸着搬送カウンタ114gの値が「3」である状態は荷物載置台46上に荷物Nを置いて吸着保持機構52を第1搬送高さ位置に戻す第3荷置き動作が実行されている状態に対応しており、吸着搬送カウンタ114gの値が「4」である状態は支持体54を積替元停止位置に復帰させるための移動が行われている状態に対応している。
【0150】
次に、積替制御処理(
図9)のステップS117にて実行される第2移動制御用処理について
図11のフローチャートを参照しながら説明する。
【0151】
ステップS301~ステップS306では、既に説明した第1移動制御用処理(
図10)のステップS201~ステップS206と同様の処理を実行する。具体的には、吸着搬送カウンタ114gの値が「0」である場合(ステップS301:YES)、吸着搬送カウンタ114gに「1」をセットして(ステップS302)、ステップS304に進む。また、吸着搬送カウンタ114gの値が「1」である場合には(ステップS301:NO、ステップS303:YES)、ステップS304に進む。ステップS304では、第1搬送準備用処理を実行する。第1搬送準備用処理の内容は、第2移動制御用処理(
図11)のステップS204にて既に説明したとおりである。第1搬送準備用処理(ステップS304)では、荷物Nを吸着保持している吸着保持機構52が第1搬送高さ位置に存在している第1搬送開始可能状態となるようにするための処理が実行される。
【0152】
その後、第1搬送開始可能状態となっている場合には(ステップS305:YES)、吸着搬送カウンタ114gに「2」をセットして(ステップS306)、本第2移動制御用処理(
図11)を終了する。吸着搬送カウンタ114gに「2」をセットすることにより、次回の第2移動制御用処理(
図11)においてステップS308の処理が実行される状態、すなわち仮置き用停止位置への支持体54の移動が開始される状態とすることができる。
【0153】
吸着搬送カウンタ114gの値が「2」である場合には(ステップS303:NO、ステップS307:YES)、第2往路移動処理を実行する(ステップS308)。第2往路移動処理では、吸着保持機構52が第1搬送高さ位置に存在している状態において、仮置き用停止位置に向けて支持体54を移動させる動作が行われるようにする。第2往路移動処理(ステップS308)を実行した後、支持体54が仮置き用停止位置に到達している場合には(ステップS309:YES)、既に説明した第1移動制御用処理(
図10)のステップS210と同様に、1段分上昇動作開始処理を実行する(ステップS310)。
【0154】
1段分上昇動作開始処理(ステップS310)では、第1リフタ25において1段分上昇動作が開始されるようにする。これにより、第2移動制御において、第1パレット11から1層分の荷物Nが持ち出される度に、支持体54が仮置き用停止位置に到着したタイミングで、第1パレット載置台27が1段分上昇するようにすることができる。支持体54が仮置き用停止位置に向かって移動している状況において1段分上昇動作が実行される構成とすると、吸着保持機構52により吸着保持されている荷物Nに、第1パレット11上の荷物Nが接触してしまうおそれがある。これに対して、支持体54が仮置き用停止位置に到達したタイミングで1段分上昇動作が開始される構成である。これにより、吸着保持機構52により吸着保持されている荷物Nに、第1パレット11上の荷物Nが接触してしまうことが防止されている。また、1段分上昇動作開始処理(ステップS310)では、今回の1段分上昇動作の終了基準長さ情報をRAM114の第1終了基準長さエリア114eに設定する。これにより、今回の1段分上昇動作の終了タイミングをCPU112にて把握可能となる。
【0155】
その後、吸着搬送カウンタ114gに「3」をセットして(ステップS311)、本第2移動制御用処理(
図11)を終了する。吸着搬送カウンタ114gに「3」をセットすることにより、次回の第2移動制御用処理(
図11)においてステップS313の処理が実行される状態、すなわち第3荷置き動作が開始される状態とすることができる。
【0156】
吸着搬送カウンタ114gの値が「3」である場合には(ステップS307:NO、ステップS312:YES)、第3荷置き処理を実行する(ステップS313)。第3荷置き処理では、エジェクタ84における真空ポート内の圧力が吸着基準圧力以下である状態、すなわち荷物Nが吸着保持されている状態であるとともに、仮置き荷物検知センサ47にて荷物Nが検知されていない状態である場合、吸脱着高さ位置まで吸着保持機構52を下降させる動作が行われるようにする。また、第3荷置き処理(ステップS313)では、荷物Nが吸着保持されている状態であるとともに仮置き荷物検知センサ47にて荷物Nが検知されている状態となった場合、すなわち吸着保持されている荷物Nの下端から荷物載置台46の上面までの距離が5mm以下となった場合には、吸着ヘッド81の減圧状態を解除することにより荷物Nの吸着保持が終了されるようにする。また、第3荷置き処理(ステップS313)では、荷物Nが吸着保持されていない状態である場合、吸着保持機構52が第1搬送高さ位置に復帰するまで吸着保持機構52を上昇させる動作が行われるようにする。
【0157】
第3荷置き処理(ステップS313)を実行した後、第3荷置き動作が終了しているか否かを判定する(ステップS314)。ステップS314では、荷物Nが吸着保持されていない状態であるとともに、吸着保持機構52の上昇を開始させた後において吸脱着高さ位置から第1搬送高さ位置への上昇に要する時間よりも長い時間(具体的には2秒)が経過している場合に肯定判定を行う。第3荷置き動作が終了している場合には(ステップS314:YES)、吸着搬送カウンタ114gに「4」をセットして(ステップS315)、本第2移動制御用処理(
図11)を終了する。吸着搬送カウンタ114gに「4」をセットすることにより、次回の第2移動制御用処理(
図11)においてステップS316の処理が実行される状態、すなわち支持体54の積替元停止位置への移動が開始される状態とすることができる。
【0158】
ステップS312にて否定判定を行った場合、すなわち吸着搬送カウンタ114gの値が「4」である場合には、第2復路移動処理を実行する(ステップS316)。第2復路移動処理では、吸着保持機構52が第1搬送高さ位置に存在している状態において、積替元停止位置に向けて支持体54を移動させる動作が行われるようにする。第2復路移動処理(ステップS316)を実行した後、支持体54が積替元停止位置に到達している場合には(ステップS317:YES)、第1リフタ25又は第2リフタ26の昇降動作が実行されている状態であるか否かを判定する(ステップS318)。そして、リフタ25,26の昇降動作が実行されていない場合には(ステップS318:NO)、吸着搬送カウンタ114gの値を「0」クリアする(ステップS319)。
【0159】
その後、既に説明した第1移動制御用処理(
図10)のステップS221と同様に、第1パレット11が空の状態であるか否かを判定する(ステップS320)。第1測距センサ44にて把握される第1パレット載置台27の床面からの高さ位置が1960mm未満である場合、すなわち第1パレット11上に荷物Nが存在している状態である場合には(ステップS320:NO)、移動制御カウンタ114aに「1」をセットして(ステップS321)、本第2移動制御用処理(
図11)を終了する。移動制御カウンタ114aに「1」をセットすることにより、既に説明した積替制御処理(
図9)のステップS114にて肯定判定が行われて第1移動制御用処理(ステップS115)が実行される状態となる。よって、第2移動制御が実行された後、作業者による操作を不要としながら、第1移動制御を開始させることができる。また、既に説明したとおり、第1移動制御が開始された場合には、第1パレット11上に荷物Nが存在しない状態、又は第2パレット12上の荷物Nの段数が上限段数(具体的には7段)になるまで第1移動制御が繰り返される構成である。これにより、持込開始ボタン103の操作が行われたことに基づいて、第2移動制御が1回実行された後に、第1パレット11上に荷物Nが存在しない状態、又は第2パレット12上の荷物Nの段数が上限段数(具体的には7段)になるまで第1移動制御が繰り返されるようにすることができる。よって、作業者の作業負担が軽減されている。
【0160】
第1測距センサ44にて把握される第1パレット載置台27の床面からの高さ位置が1960mm以上である場合、すなわち第1パレット11上に荷物Nが存在していない空の状態である場合には(ステップS320:YES)、第1パレット載置台27を第1初期位置に復帰させる第1復帰動作を開始させる(ステップS322)。その後、移動制御カウンタ114a及び第1準備完了フラグ114cを「0」クリアして(ステップS323)、本第2移動制御用処理(
図11)を終了する。移動制御カウンタ114aの値が「0」クリアされることにより、第1~第3移動制御が実行されていない状態となる。また、第1準備完了フラグ114cが「0」クリアされることにより、既に説明した積替制御処理(
図9)のステップS104にて否定判定を行われる状態、すなわち開始ボタンの操作が行われても第1~第3移動制御が開始されない状態となる。
【0161】
次に、CPU112にて実行される第3移動制御用処理(
図12)の説明に先立ち、当該第3移動制御用処理が実行される状況における吸着搬送カウンタ114gの値について説明する。第3移動制御用処理(
図12)が実行される状況において、吸着搬送カウンタ114gには「0」~「5」のいずれかがセットされる。第3移動制御が開始される状況において吸着搬送カウンタ114gの値は「0」クリアされている。また、第3移動制御用処理が実行される状況において、吸着搬送カウンタ114gの値が「1」である状態は、支持体54が積替元停止位置(第1パレット載置台27の上方)から仮置き用停止位置(荷物載置台46の上方)に向けて移動する段階に対応している。また、吸着搬送カウンタ114gの値が「2」である状態は荷物載置台46上の荷物Nを吸着保持して持ち上げる動作が行われる段階に対応しており、吸着搬送カウンタ114gの値が「3」である状態は支持体54が仮置き用停止位置から積替先停止位置(第2パレット載置台28の上方)に向けて移動する段階に対応しており、吸着搬送カウンタ114gの値が「4」である状態は第2パレット12上に荷物Nを置いて吸着保持機構52を第1搬送高さ位置に戻す第2荷置き動作が実行されている段階に対応しており、吸着搬送カウンタ114gの値が「5」である状態は支持体54を積替元停止位置に復帰させるための移動が行われている段階に対応している。
【0162】
次に、積替制御処理(
図9)のステップS119にて実行される第3移動制御用処理について
図12のフローチャートを参照しながら説明する。
【0163】
吸着搬送カウンタ114gの値が「0」である場合(ステップS401:YES)、吸着搬送カウンタ114gに「1」をセットして(ステップS402)、ステップS404に進む。また、吸着搬送カウンタ114gの値が「1」である場合には(ステップS401:NO、ステップS403:YES)、ステップS404に進む。ステップS404では、第2往路移動処理を実行する。第2往路移動処理では、吸着保持機構52が第1搬送高さ位置に存在している状態において、仮置き用停止位置に向けて支持体54を移動させる動作が行われるようにする。
【0164】
第2往路移動処理(ステップS404)を実行した後、支持体54が仮置き用停止位置に到達している場合には(ステップS405:YES)、吸着搬送カウンタ114gに「2」をセットして(ステップS406)、本第3移動制御用処理(
図12)を終了する。吸着搬送カウンタ114gに「2」をセットすることにより、次回の第3移動制御用処理(
図12)においてステップS408の処理が実行される状態、すなわち荷物載置台46上の荷物Nを持ち上げるための動作が開始される状態とすることができる。
【0165】
吸着搬送カウンタ114gの値が「2」である場合には(ステップS403:NO、ステップS407:YES)、第2搬送準備用処理を実行する(ステップS408)。第2搬送準備用処理では、エジェクタ84における真空ポート内の圧力が吸着基準圧力を超えている状態、すなわち荷物Nが吸着保持されていない状態であるとともに、吸着側測距センサ91から受信する情報に基づいて把握される荷物Nの上面までの距離が180mmよりも長い状態である場合、吸着保持機構52を下降させる動作が行われるようにする。また、第2搬送準備用処理(ステップS408)では、荷物Nが吸着保持されていない状態であるとともに、吸着側測距センサ91から受信する情報に基づいて把握される荷物Nの上面までの距離が180mm以下である場合、すなわち吸着ヘッド81が荷物Nの上面に接触している状態である場合、吸着ヘッド81を減圧状態として荷物Nの吸着保持が開始されるようにする。また、第2搬送準備用処理(ステップS408)では、荷物Nが吸着保持されている状態である場合、吸着保持機構52が第2搬送高さ位置に存在している状態となるまで吸着保持機構52を上昇させる動作が行われるようにする。既に説明したとおり、吸着保持機構52が第2搬送高さ位置に存在している状態は、第1エアシリンダ76及び第2エアシリンダ77が非駆動状態である状態に対応している。
【0166】
第2搬送準備用処理(ステップS408)を実行した後、第2搬送開始可能状態であるか否かを判定する(ステップS409)。ステップS409では、荷物Nを吸着保持している吸着保持機構52が第2搬送高さ位置に存在している状態となっている場合に肯定判定を行う。CPU112は、吸着保持機構52の上昇を開始させた後において、吸脱着高さ位置から第2搬送高さ位置への上昇に要する時間よりも長い時間(具体的には3秒)が経過した場合に吸着保持機構52が第2搬送高さ位置に存在している状態であると判定する。第2搬送開始可能状態である場合には(ステップS409:YES)、吸着搬送カウンタ114gに「3」をセットして(ステップS410)、本第3移動制御用処理(
図12)を終了する。吸着搬送カウンタ114gに「3」をセットすることにより、次回の処理回においてステップS412の処理が実行される状態、すなわち積替先停止位置への支持体54の移動が開始される状態とすることができる。
【0167】
このように、仮置き用停止位置から積替先停止位置への荷物Nの移動は、吸着保持機構52が第1搬送高さ位置よりも高い第2搬送高さ位置に存在している状態で行われる。これにより、吸着保持機構52に吸着保持されている荷物Nが第1パレット11における最上段の荷物Nと接触してしまうことが防止されている。また、荷物載置台46から第2パレット載置台28に向かう経路上に第1パレット載置台27を配置することが可能となっている。
【0168】
吸着搬送カウンタ114gの値が「3」である場合には(ステップS407:NO、ステップS411:YES)、第3往路移動処理を実行する(ステップS412)。第3往路移動処理では、吸着保持機構52が第2搬送高さ位置に存在している状態において、積替先停止位置に向けて支持体54を移動させる動作が行われるようにする。第3往路移動処理(ステップS412)を実行した後、支持体54が積替先停止位置に到達している場合には(ステップS413:YES)、吸着搬送カウンタ114gに「4」をセットして(ステップS414)、本第3移動制御用処理(
図12)を終了する。吸着搬送カウンタ114gに「4」をセットすることにより、次回の第3移動制御用処理(
図12)においてステップS416の処理が実行される状態、すなわち第2荷置き動作が開始される状態とすることができる。
【0169】
吸着搬送カウンタ114gの値が「4」である場合には(ステップS411:NO、ステップS415:YES)、第2荷置き処理を実行する(ステップS416)。第2荷置き処理の内容は、第1移動制御用処理(
図10)のステップS213にて既に説明したとおりである。その後、吸着保持機構52による荷物Nの吸着保持が解除されている状態であるとともに吸着保持機構52が第1搬送高さ位置に復帰している状態である場合、すなわち第2荷置き動作が終了している場合には(ステップS417:YES)、既に説明した第1移動制御用処理(
図10)のステップS215と同様に、1段分下降動作開始処理を実行する(ステップS418)。1段分下降動作開始処理では、第2パレット載置台28を1段分(196mm)下降させる1段分下降動作が開始されるようにする。これにより、第3移動制御において、第2パレット12に1層分の荷物Nが積まれる度に第2パレット載置台28が1段分下降するようにすることができる。第2パレット12に1層分の荷物Nが積まれた後、支持体54が積替元停止位置に移動することを待つことなく1段分下降動作を開始させる構成であることにより、支持体54が積替元停止位置に移動したことに基づいて1段分下降動作を開始する構成と比較して、1段分下降動作の終了タイミングが早められている。また、1段分下降動作開始処理(ステップS418)では、今回の1段分下降動作の終了基準長さ情報をRAM114の第2終了基準長さエリア114fに設定する。これにより、今回の1段分下降動作の終了タイミングをCPU112にて把握可能となる。
【0170】
その後、吸着搬送カウンタ114gに「5」をセットして(ステップS419)、本第3移動制御用処理(
図12)を終了する。吸着搬送カウンタ114gに「5」をセットすることにより、次回の第3移動制御用処理(
図12)においてステップS420の処理が実行される状態、すなわち支持体54の積替元停止位置への移動が開始される状態とすることができる。
【0171】
ステップS415にて否定判定を行った場合、すなわち吸着搬送カウンタ114gの値が「5」である場合には、既に説明した第1移動制御用処理(
図10)のステップS217と同様に、第1復路移動処理を実行する(ステップS420)。第1復路移動処理では、吸着保持機構52が第1搬送高さ位置に存在している状態において、積替元停止位置に向けて支持体54を移動させる動作が行われるようにする。第1復路移動処理(ステップS420)を実行した後、支持体54が積替元停止位置に到達している場合には(ステップS421:YES)、第1リフタ25又は第2リフタ26の昇降動作が実行されている状態であるか否かを判定する(ステップS422)。そして、リフタ25,26の昇降動作が実行されていない場合には(ステップS422:NO)、吸着搬送カウンタ114gの値を「0」クリアする(ステップS423)。
【0172】
その後、既に説明した第1移動制御用処理(
図10)のステップS224と同様に、第2パレット12上に上限段数(7段)の荷物Nが積まれている状態であるか否かを判定する(ステップS424)。第2測距センサ45にて把握される第2パレット載置台28の床面からの距離が542mmよりも長い場合、すなわち第2パレット12上に積まれている荷物Nの段数が上限段数に達していない場合には(ステップS424:NO)、移動制御カウンタ114aに「1」をセットして(ステップS425)、本第3移動制御用処理(
図12)を終了する。移動制御カウンタ114aに「1」をセットすることにより、既に説明した積替制御処理(
図9)のステップS114にて肯定判定が行われて第1移動制御用処理(ステップS115)が実行される状態となる。よって、第3移動制御が実行された後、作業者による操作を不要としながら、第1移動制御を開始させることができる。また、既に説明したとおり、第1移動制御が開始された場合には、第1パレット11上に荷物Nが存在しない状態、又は第2パレット12上の荷物Nの段数が上限段数(具体的には7段)になるまで第1移動制御が繰り返される構成である。これにより、持出開始ボタン104の操作が行われたことに基づいて、第3移動制御が1回実行された後に、第1パレット11上に荷物Nが存在しない状態、又は第2パレット12上の荷物Nの段数が上限段数(具体的には7段)になるまで第1移動制御が繰り返されるようにすることができる。よって、作業者の作業負担が軽減されている。
【0173】
第2測距センサ45にて把握される第2パレット載置台28の床面からの距離が542mm以下である場合、すなわち第2パレット12上に上限段数の荷物Nが積まれている場合には(ステップS424:YES)、第2パレット載置台28を第2初期位置に復帰させる第2復帰動作を開始させる(ステップS426)。その後、移動制御カウンタ114a及び第2準備完了フラグ114dを「0」クリアして(ステップS427)、本第3移動制御用処理(
図12)を終了する。移動制御カウンタ114aの値が「0」クリアされることにより、第1~第3移動制御が実行されていない状態となる。また、第2準備完了フラグ114dが「0」クリアされることにより、既に説明した積替制御処理(
図9)のステップS105にて否定判定を行われる状態、すなわち開始ボタンの操作が行われても第1~第3移動制御が開始されない状態となる。
【0174】
以上詳述した実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
【0175】
荷物積替装置15は、第1パレット載置台27及び第2パレット載置台28を備えている。第1パレット載置台27にセットされる第1パレット11は、荷物Nの移動元となる台である。また、第2パレット載置台28にセットされる第2パレット12は、荷物Nの移動先となる台である。また、荷物積替装置15は、荷物Nを搬送する移載装置51と、CPU112とを備えている。第1パレット11上の荷物Nを第2パレット12上に移す作業が荷物積替装置15により実行される構成とすることにより、当該作業が作業者によって行われる場合と比較して、作業者の作業負担が軽減されている。また、当該作業を実行するために要する時間を短縮することができる。
【0176】
荷物積替装置15は、第1パレット載置台27及び第2パレット載置台28に加えて、荷物Nを載置することが可能な荷物載置台46を備えている。これにより、第1パレット11上の荷物Nを第2パレット12上に移す前に荷物載置台46上に仮置きすることができる。
【0177】
第1パレット11上から第2パレット12上に荷物Nを移動させる第1移動制御、第1パレット11上から荷物載置台46上に荷物Nを移動させる第2移動制御、及び荷物載置台46上から第2パレット12上に荷物Nを移動させる第3移動制御を実行可能である。これにより、第1パレット11に積まれている荷物Nを荷物載置台46に移し、第2パレット12に別の荷物Nを移動させた後に、当該荷物載置台46上の荷物Nを第2パレット12に移すことができる。このように、第1パレット11上の荷物Nを第2パレット12に移す前に荷物載置台46に仮置きすることを可能とすることにより、第2パレット12に荷物Nを移す順番を調整することができる。
【0178】
第1パレット載置台27に荷物Nが所定のパターン(第1配列パターン又は第2配列パターン)で配列されている状態で第1移動制御が実行される場合には第2パレット載置台28に当該所定のパターンで荷物Nが配列されている状態となるように荷物Nの移動が行われる。また、第1パレット載置台27に荷物Nが所定のパターンで配列されている状態で第2移動制御が実行される場合には荷物載置台46に当該所定のパターンで荷物Nが配列されている状態となるように荷物Nの移動が行われる。さらにまた、荷物載置台46に荷物Nが所定のパターンで配列されている状態で第3移動制御が実行された場合には第2パレット載置台28に当該所定のパターンで荷物Nが配列されている状態となるように荷物Nの移動が行われる。これにより、所定のパターンで第1パレット11に配列されていた荷物Nを荷物載置台46に移した後、当該荷物Nを荷物載置台46から第2パレット12に移す場合にも、当該荷物Nが所定のパターンで第2パレット12に配列されている状態とすることができる。よって、荷物載置台46を利用して第2パレット12に移される荷物Nの順番を調整可能な構成において、当該荷物載置台46を利用した場合にも、荷物Nの配列パターンが変化してしまうことを防止できる。
【0179】
第2パレット載置台28に荷物Nが存在している状態において第1移動制御が実行される場合には、第2パレット載置台28に存在していた荷物Nの上に当該第1移動制御により第1パレット載置台27から搬送されて来た荷物Nが積まれる。これにより、第1パレット11に配列されていた荷物Nの配列パターン(第1配列パターン又は第2配列パターン)で、第2パレット12の上に荷物Nが積まれるようにすることができる。また、第1~第3移動制御を実行可能であり、荷物載置台46に荷物Nを仮置きすることにより第2パレット載置台28に搬送される荷物Nの順番を調整することができる構成である。当該構成において、第1移動制御を行って第2パレット載置台28に荷物Nを積むことを可能とすることにより、第2パレット12に搬送される荷物Nの順番を調整しながら第2パレット12上に荷物Nを積むことが可能となる。これにより、第2パレット12上に積まれている荷物Nに荷崩れを発生させ易い箇所が生じてしまう可能性を低減することができる。
【0180】
第2パレット載置台28に荷物Nが存在している状態において第3移動制御が実行される場合には、第2パレット載置台28に存在していた荷物Nの上に当該第3移動制御により荷物載置台46から搬送されて来た荷物Nが積まれる。これにより、荷物載置台46に配列されていた荷物Nの配列パターン(第1配列パターン又は第2配列パターン)で、第2パレット12の上に荷物Nが積まれるようにすることができる。また、第1~第3移動制御を実行可能であり、荷物載置台46に荷物Nを仮置きすることにより第2パレット載置台28に搬送される荷物Nの順番を調整することができる構成である。当該構成において、第3移動制御を行って第2パレット載置台28に荷物Nを積むことを可能とすることにより、第2パレット12に搬送される荷物Nの順番を調整しながら第2パレット12上に荷物Nを積むことが可能となる。これにより、第2パレット12上に積まれている荷物Nに荷崩れを発生させ易い箇所が生じてしまう可能性を低減することができる。
【0181】
第2パレット12上に積まれる荷物Nの段数(7段)として第1パレット11上にセットされる荷物Nの段数(5段)とは異なる段数が設定されている。これにより、第1パレット11から第2パレット12への荷物Nの積み替え前後において荷物Nの段数を変化させることができる。よって、施設内での保管に適した荷物Nの段数からトラック等での輸送に適した荷物Nの段数に変更することが可能となる。また、トラック等での輸送に適した荷物Nの段数から施設内での保管に適した荷物Nの段数に変更することが可能となる。
【0182】
第1パレット11上から第2パレット12上への荷物Nの移動、第1パレット11上から荷物載置台46上への荷物Nの移動、及び荷物載置台46上から第2パレット12上への荷物Nの移動は、荷物Nの向き及び層内における荷物Nの配置を変化させない態様で実行される。これにより、第1パレット11上にセットされた荷物Nの層における荷物Nの配列を利用して、荷崩れを発生させづらい態様で第2パレット12上に荷物Nを積むことが可能となる。
【0183】
移載装置51は、第1パレット11又は荷物載置台46上の荷物Nを上から吸着して保持する吸着保持機構52を備えている。これにより、荷物N間に隙間が存在している態様で第1パレット11上又は荷物載置台46上に荷物Nが配列されている場合においても、移動の前後で荷物Nの向き又は配置が変化してしまうことが防止されている。また、第1パレット11又は荷物載置台46上の荷物Nを下から掬い上げて保持する構成と比較して、移動の前後で荷物Nの向き及び層内における荷物Nの配置が変化してしまう可能性を低減することができる。また、第1パレット11又は荷物載置台46上の荷物Nを側方から吸着して保持する構成と比較して、移動の前後で荷物Nの向き及び層内における荷物Nの配置が変化してしまう可能性を低減することができる。
【0184】
移載装置51は、吸着保持機構52の高さ位置を調整可能とする昇降機構53を備えている。また、移載装置51は、支持体54を荷物載置台46から第2パレット載置台28に向かう方向に移動させることができる。また、第3移動制御において、荷物載置台46から第2パレット12への荷物Nの搬送は、吸着保持機構52により吸着保持されている荷物Nが第1パレット11における最上段の荷物Nの上方を通過する態様で実行される。これにより、荷物載置台46から第2パレット12に向かう経路上に第1パレット11が存在している場合においても荷物載置台46から第2パレット12に向けて搬送されている荷物Nが第1パレット11上の荷物Nに接触しないようにすることができる。よって、第1パレット載置台27及び第2パレット載置台28に加えて荷物載置台46が存在しており第1パレット11上の荷物Nを第2パレット12上に移す前に荷物載置台46に仮置きすることが可能な構成において、荷物Nの搬送経路が複雑化してしまうことを防止できるとともに、第2パレット載置台28、第1パレット載置台27及び荷物載置台46を一直線上に配置することができる。また、荷物Nを搬送するための処理構成が複雑化してしまうことを防止できる。
【0185】
移載装置51は、吸着保持機構52の高さ位置を調整可能とする昇降機構53を備えている。また、移載装置51は、支持体54を第1パレット載置台27から第2パレット載置台28に向かう方向に移動させることができる。また、移載装置51は、支持体54を荷物載置台46から第2パレット載置台28に向かう方向に移動させることができる。また、第1移動制御において、荷物Nを吸着保持している状態で第1搬送高さ位置に存在している吸着保持機構52が第1パレット載置台27から第2パレット載置台28に向かう方向に移動する構成であり、第3移動制御において、荷物Nを吸着保持している状態で第1搬送高さ位置よりも高い第2搬送高さ位置に存在している吸着保持機構52が荷物載置台46から第2パレット載置台28に向かう方向に移動する構成である。これにより、第1移動制御において必要となる吸着保持機構52の昇降距離を、第3移動制御において必要となる吸着保持機構52の昇降距離よりも短い距離とすることができるとともに、第1移動制御において吸着保持機構52の昇降に要する時間を、第3移動制御において吸着保持機構52の昇降に要する時間よりも短い時間とすることができる。よって、第3移動制御の実行頻度よりも第1移動制御の実行頻度の方が高い場合、荷物積替装置15の動作時間を短縮することができる。また、第3移動制御中に荷物Nが吸着保持機構52から落下する場合と比較して、第1移動制御中に荷物Nが吸着保持機構52から落下した場合に当該荷物Nに加わる衝撃を低減することができる。これにより、第3移動制御の実行頻度よりも第1移動制御の実行頻度の方が高い場合、搬送中に吸着保持機構52から荷物Nが落下してしまう場合に当該荷物Nに衝撃が加わったことが原因となって荷物Nの破損等の被害が発生してしまう可能性を低減することができる。
【0186】
荷物積替装置15は、第1パレット載置台27の高さ位置を調整可能な第1リフタ25と、第2パレット載置台28の高さ位置を調整可能な第2リフタ26とを備えている。また、移載装置51は、吸着保持機構52の高さ位置を調整可能とする昇降機構53を備えている。また、CPU112は、第1移動制御において、吸着保持機構52が第1パレット載置台27上の荷物Nを吸着する状況における当該吸着保持機構52の高さ位置と、吸着保持機構52が荷物Nの吸着保持を解除して第2パレット12上に荷物Nを置く状況における当該吸着保持機構52の高さ位置とが略同一の高さ位置(吸脱着高さ位置)となるように、第1リフタ25及び第2リフタ26の制御を実行する。これにより、吸着保持機構52が第1パレット載置台27上の荷物Nを吸着する状況における当該吸着保持機構52の高さ位置と、吸着保持機構52が荷物Nの吸着保持を解除して第2パレット12上に荷物Nを置く状況における当該吸着保持機構52の高さ位置とが相違している構成と比較して、吸着保持機構52の高さ位置を調整するための構成を簡素化することができる。また、吸着保持機構52の高さ位置を調整するための処理構成を簡素化することができる。さらにまた、第1リフタ25及び第2リフタ26を不具備である構成と比較して、吸着保持機構52の昇降距離を低減することが可能となるとともに、吸着保持機構52の昇降に要する時間を低減することが可能となる。
【0187】
移載装置51は、吸着保持機構52の高さ位置を調整可能とする昇降機構53を備えている。また、移載装置51は、吸着保持機構52を第1パレット載置台27から第2パレット載置台28に向かう方向に移動させることができるとともに、吸着保持機構52を荷物載置台46から第2パレット載置台28に向かう方向に移動させることができる。第1移動制御において、荷物Nを吸着保持している状態で第1搬送高さ位置に存在している吸着保持機構52が第1パレット載置台27から第2パレット載置台28に向かう方向に移動する構成であり、第3移動制御において、荷物Nを吸着保持している状態で第1搬送高さ位置よりも高い第2搬送高さ位置に存在している吸着保持機構52が荷物載置台46から第2パレット載置台28に向かう方向に移動する構成である。これにより、第1移動制御において必要となる吸着保持機構52の昇降距離を、第3移動制御において必要となる吸着保持機構52の昇降距離よりも短い距離とすることができる。よって、第1移動制御において吸着保持機構52の昇降に要する時間を、第3移動制御において吸着保持機構52の昇降に要する時間よりも短い時間とすることができる。そして、第3移動制御の実行頻度よりも第1移動制御の実行頻度の方が高い場合、荷物積替装置15の動作時間を短縮することができる。また、第3移動制御中に荷物Nが吸着保持機構52から落下する場合と比較して、第1移動制御中に荷物Nが吸着保持機構52から落下した場合に当該荷物Nに加わる衝撃を低減することができる。これにより、第3移動制御の実行頻度よりも第1移動制御の実行頻度の方が高い場合、搬送中に吸着保持機構52から荷物Nが落下してしまう場合に当該荷物Nに衝撃が加わったことが原因となって荷物Nの破損等の被害が発生してしまう可能性を低減することができる。
【0188】
荷物積替装置15は、第1パレット載置台27の高さ位置を調整可能とする第1リフタ25と、第2パレット載置台28の高さ位置を調整可能とする第2リフタ26とを備えている。また、移載装置51は、吸着保持機構52の高さ位置を調整可能とする昇降機構53を備えている。また、CPU112は、第1移動制御において、吸着保持機構52が第1パレット11上の荷物Nを吸着する状況における当該吸着保持機構52の高さ位置と、吸着保持機構52が荷物Nの吸着保持を解除して第2パレット12上に荷物Nを置く状況における当該吸着保持機構52の高さ位置とが略同一の高さ位置(吸脱着高さ位置)となるように、ステップS120及びステップS121の処理を実行する。これにより、吸着保持機構52が第1パレット11上の荷物Nを吸着する状況における当該吸着保持機構52の高さ位置と、吸着保持機構52が荷物Nの吸着保持を解除して第2パレット12上に荷物Nを置く状況における当該吸着保持機構52の高さ位置とが相違している構成と比較して、吸着保持機構52の高さ位置を調整するための構成を簡素化することができる。また、吸着保持機構52の高さ位置を調整するための処理構成を簡素化することができる。さらにまた、第1リフタ25及び第2リフタ26を不具備である構成と比較して、吸着保持機構52の昇降距離を低減することが可能となるとともに、吸着保持機構52の昇降に要する時間を低減することが可能となる。
【0189】
荷物積替装置15は、第1パレット載置台27の高さ位置を調整可能とする第1リフタ25を備えている。また、移載装置51は、吸着保持機構52の高さ位置を調整可能とする昇降機構53を備えている。移載装置51は、当該吸着保持機構52を第1パレット載置台27から荷物載置台46に向かう方向に移動させることができる。第1パレット載置台27の上面が第1搬入ローラ13dの上端と同一の高さ位置に存在している状況において当該第1パレット載置台27に荷物Nが積まれている第1パレット11がセットされる構成である。CPU112は、第2移動制御が実行される状況において、第1パレット載置台27の上面が第1搬入ローラ13dの上端よりも高い位置に存在している状態となるように第1リフタ25の制御を実行する。また、荷物載置台46の上面は、第1搬入ローラ13dの上端よりも高い位置に設定されている。これにより、第1リフタ25を備えていない構成、又は荷物載置台46の上面が第1搬入ローラ13dの上端よりも低い位置に存在している構成と比較して、吸着保持機構52を第1パレット11上の荷物Nに接触させるための下降距離、吸着保持機構52が荷物Nを持ち上げるために上昇する距離、吸着保持機構52が荷物載置台46上に荷物Nを置くための下降距離、及び荷物Nを置いた後に吸着保持機構52が上昇する距離を抑えることができる。よって、第2移動制御において吸着保持機構52の昇降に要する時間を短縮することができる。また、荷物Nが落下した場合に当該荷物Nに加わる衝撃の大きさを低減することができる。
【0190】
移載装置51は、第1パレット載置台27上に存在している1層分の荷物N又は荷物載置台46上に存在している1層分の荷物Nを保持することが可能な吸着保持機構52を備えている。また、CPU112は、第1移動制御において、第1パレット載置台27に存在していた1層分の荷物Nを保持している状態の吸着保持機構52を第1パレット載置台27から第2パレット載置台28に向かう方向に移動させる処理(ステップS208)を実行する。これにより、第1パレット11上に存在している1層分の荷物Nを第2パレット12上に一度に搬送することができる。また、CPU112は、第2移動制御において、第1パレット載置台27に存在していた1層分の荷物Nを保持している状態の吸着保持機構52を第1パレット載置台27から荷物載置台46に向かう方向に移動させる処理(ステップS308)を実行する。これにより、第1パレット11上に存在している1層分の荷物Nを荷物載置台46に一度に搬送することができる。また、CPU112は、第3移動制御において、荷物載置台46に存在していた1層分の荷物Nを保持している吸着保持機構52を荷物載置台46から第2パレット載置台28に向かう方向に移動させる処理(ステップS412)を実行する。これにより、荷物載置台46上に存在している1層分の荷物Nを第2パレット12上に一度に搬送することができる。よって、1層分の荷物Nを複数回に分けて搬送する構成と比較して、荷物Nの配列パターンを変化させないようにするための処理構成を簡素化することができる。また、荷物Nの移動に要する時間を短縮することができる。
【0191】
第1パレット載置台27、第2パレット載置台28及び荷物載置台46は一直線上に配置されており、ガイドレール67,68は直線経路である。これにより、第1パレット載置台27及び第2パレット載置台28に加えて荷物載置台46が存在しており第1パレット11上の荷物Nを第2パレット12上に移す前に荷物載置台46に仮置きすることが可能な構成において、支持体54の移動方向を変更するために支持体54を減速させる制御を不要とすることができるとともに、支持体54の移動に要する時間を抑えることができる。また、支持体54の移動を直線移動とすることにより、支持体54を移動させるための構成を簡素化することができる。
【0192】
第2パレット載置台28は第1パレット載置台27に並設されており、荷物載置台46は、第1パレット載置台27を挟んで第2パレット載置台28とは逆側に配置されている。これにより、第1パレット載置台27と第2パレット載置台28との間に荷物載置台46が存在している構成と比較して、第1パレット11上から第2パレット12上に荷物Nを移動させる場合における移載装置51の移動距離を低減することが可能となる。よって、第1パレット載置台27及び第2パレット載置台28に加えて荷物載置台46が存在しており第1パレット11上の荷物Nを第2パレット12上に移す前に荷物載置台46に仮置きすることが可能な構成において、第1パレット11上から第2パレット12上に荷物Nを移動させる動作に要する時間を短縮することができる。また、第1移動制御の実行頻度、第2移動制御の実行頻度及び第3移動制御の実行頻度のうち第1移動制御の実行頻度が最も高い場合、第1パレット載置台27から第2パレット載置台28に荷物Nを移動させる動作に要する時間を短縮することにより、荷物積替装置15の動作時間を短縮することが可能となる。また、第1パレット載置台27と荷物載置台46との間に第2パレット載置台28が存在している構成と比較して、第1パレット11上から荷物載置台46上に荷物Nを移動させる場合における移載装置51の移動距離を低減することが可能となる。これにより、第1パレット載置台27及び第2パレット載置台28に加えて荷物載置台46が存在しており第1パレット11上の荷物Nを第2パレット12上に移す前に荷物載置台46に仮置きすることが可能な構成において、第1パレット11上から荷物載置台46上に荷物Nを移動させる動作に要する時間を短縮することができる。
【0193】
<他の実施形態>
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能である。例えば以下のように変更してもよい。ちなみに、以下の別形態の構成を、上記第1の実施形態の構成に対して、個別に適用してもよく、組合せて適用してもよい。
【0194】
(1)上記第1の実施形態では、荷物積替装置15において、移動先の台(第2パレット載置台28における第2パレット12)に荷物Nが積まれる構成としたが、これに限定されることはなく、移動先の台に1層分の荷物Nが置かれる構成としてもよい。具体的には、移動先の台として、第2搬出コンベヤ17が設定されている。荷物積替装置15は、荷物Nの配列パターンを変化させない態様で、第1パレット11における1層分の荷物Nを第2搬出コンベヤ17に移す。第2搬出コンベヤ17では、1層分の荷物Nが置かれる度に、当該1層分の荷物Nが下流に搬出される。これにより、第1パレット11上に複数段で積まれている荷物Nを1層ずつ第2搬出コンベヤ17の下流に搬出することができる。また、第1パレット11における1層分の荷物Nを荷物載置台46に仮置きすることにより、第2搬出コンベヤ17の下流に搬出される荷物Nの配列パターンの順番を調整することができる。
【0195】
(2)上記第1の実施形態では、荷物積替装置15において、移動元の台(第1パレット載置台27における第1パレット11)に荷物Nが積まれている構成としたが、これに限定されることはなく、移動元の台に1層分の荷物Nが置かれている構成としてもよい。具体的には、移動元の台として、第1搬入コンベヤ13が設定されている。荷物積替装置15には、第1配列パターン又は第2配列パターンで配列されている荷物Nが1層分ずつ供給される。荷物積替装置15は、荷物Nの配列パターンを変化させない態様で、第1搬入コンベヤ13上の1層分の荷物Nを第2パレット載置台28にセットされている第2パレット12の上に積む。これにより、1層分ずつ第1搬入コンベヤ13から供給される荷物Nを第2パレット12に積み上げて出荷又は保管可能とすることができる。また、第1搬入コンベヤ13における1層分の荷物Nを荷物載置台46に仮置きすることにより、第2パレット12に積まれる荷物Nの配列パターンの順番を調整することができる。
【0196】
(3)荷物積替装置15において、移動元の台及び移動先の台に1層分の荷物Nが置かれる構成としてもよい。具体的には、移動元の台として第1搬入コンベヤ13が設定されているとともに、移動先の台として第2搬出コンベヤ17が設定されている。荷物積替装置15には、第1搬入コンベヤ13により、第1配列パターン又は第2配列パターンで配列されている荷物Nが1層分ずつ供給される。荷物積替装置15は、荷物Nの配列パターンを変化させない態様で、第1搬入コンベヤ13上の1層分の荷物Nを第2搬出コンベヤ17に移す。第2搬出コンベヤ17では、1層分の荷物Nが置かれる度に、当該1層分の荷物Nが下流に搬出される。これにより、第1搬入コンベヤ13により供給される荷物Nを1層分ずつ第2搬出コンベヤ17の下流に搬出することができる。また、第1搬入コンベヤ13における1層分の荷物Nを荷物載置台46に仮置きすることにより、第2搬出コンベヤ17の下流に搬出される荷物Nの配列パターンの順番を調整することができる。
【0197】
(4)第1パレット載置台27に供給される第1パレット11には1段分の荷物Nが載置されている状態であり、第2パレット12における荷物Nの上限段数として複数段が設定されている構成としてもよい。また、第1パレット載置台27に供給される第1パレット11には複数段分の荷物Nが載置されている状態であり、第2パレット12における荷物Nの上限段数として1段が設定されている構成としてもよい。
【0198】
(5)荷物積替装置15において、移動先台(第2パレット12)における荷物Nの上限段数として移動元台(第1パレット11)における荷物Nの段数よりも少ない段数が設定されている構成としてもよい。具体的には、第1パレット載置台27に供給される第1パレット11に7段の荷物Nが積まれており、第2パレット12に5段の荷物Nが積まれている状態となるまで荷物積替装置15において荷物Nの積み替えが行われる構成としてもよく、第1パレット載置台27に供給される第1パレット11に6段の荷物Nが積まれており、第2パレット12に3段の荷物Nが積まれている状態となるまで荷物積替装置15において荷物Nの積み替えが行われる構成としてもよく、第1パレット載置台27に供給される第1パレット11に7段の荷物Nが積まれており、第2パレット12に1段の荷物Nが積まれている状態となるまで荷物積替装置15において荷物Nの積み替えが行われる構成としてもよい。
【0199】
(6)荷物積替装置15において、移動先台(第2パレット12)における荷物Nの上限段数として移動元台(第1パレット11)における荷物Nの段数よりも多い段数が設定されている構成としてもよい。具体的には、第1パレット載置台27に供給される第1パレット11に3段の荷物Nが積まれており、第2パレット12に6段の荷物Nが積まれている状態となるまで荷物積替装置15において荷物Nの積み替えが行われる構成としてもよく、第1パレット載置台27に供給される第1パレット11に1段の荷物Nが積まれており、第2パレット12に7段の荷物Nが積まれている状態となるまで荷物積替装置15において荷物Nの積み替えが行われる構成としてもよい。
【0200】
(7)荷物積替装置15において、移動先台(第2パレット12)における荷物Nの上限段数として移動元台(第1パレット11)における荷物Nの段数と同一の段数が設定されている構成としてもよい。具体的には、第1パレット載置台27に供給される第1パレット11に5段の荷物Nが積まれており、第2パレット12に5段の荷物Nが積まれている状態となるまで荷物積替装置15において荷物Nの積み替えが行われる構成としてもよく、第1パレット載置台27に供給される第1パレット11に1段の荷物Nが積まれており、第2パレット12に1段の荷物Nが積まれている状態となるまで荷物積替装置15において荷物Nの積み替えが行われる構成としてもよい。
【0201】
(8)第1パレット載置台27にセットされている第1パレット11の状態を撮像可能なカメラと、第2パレット載置台28にセットされている第2パレット12の状態を撮像可能なカメラと、荷物載置台46の状態を撮像可能なカメラとが設けられており、CPU112において第1パレット11における最上段の荷物Nの配列パターンが、第2パレット12における最上段の荷物Nの配列パターンと一致しているか否かを判定する処理が実行される構成としてもよい。CPU112は、第1パレット11及び第2パレット12において最上段の荷物Nの配列パターンが相違している場合に第1移動制御が開始されるようにする。また、CPU112は、第1パレット11及び第2パレット12において最上段の荷物Nの配列パターンが一致している場合、荷物載置台46が空であることを条件として、第2移動制御が開始されるようにする。さらにまた、CPU112は、第1パレット11及び第2パレット12において最上段の荷物Nの配列パターンが一致しているとともに、荷物載置台46上の荷物Nの配列パターンが第2パレット12における最上段の荷物Nの配列パターンと相違している場合、第3移動制御が開始されるようにする。これにより、作業者が直接開始ボタン102、持込開始ボタン103又は持出開始ボタン104の操作を行わなくてもCPU112にて第1~第3移動制御のいずれかが実行される構成とすることができる。よって、作業者による操作負担を軽減することができる。
【0202】
(9)上記第1の実施形態では、第1セット後上昇動作又は第2セット後上昇動作が終了してリフタ25,26の動作が実行されていない状態となった後に、直接開始ボタン102の操作が行われたことに基づいて第1移動制御が開始される構成としたが、これに限定されることはなく、第1セット後上昇動作又は第2セット後上昇動作が終了してリフタ25,26の動作が実行されていない状態となったことに基づいて第1~第3移動制御のいずれかが開始される構成としてもよい。具体的には、持込開始ボタン103の操作及び持出開始ボタン104の操作が検出されていない状態で第1セット後上昇動作又は第2セット後上昇動作が終了してリフタ25,26の動作が実行されていない状態となった場合には、当該第1セット後上昇動作又は第2セット後上昇動作が終了したことに基づいて第1移動制御が開始される。また、持込開始ボタン103の操作が検出されている状態で第1セット後上昇動作又は第2セット後上昇動作が終了してリフタ25,26の動作が実行されていない状態となった場合には、当該第1セット後上昇動作又は第2セット後上昇動作が終了したことに基づいて第2移動制御が開始される。さらにまた、持出開始ボタン104の操作が検出されている状態で第1セット後上昇動作又は第2セット後上昇動作が終了してリフタ25,26の動作が実行されていない状態となった場合には、当該第1セット後上昇動作又は第2セット後上昇動作が終了したことに基づいて第3移動制御が開始される。
【0203】
(10)荷物積替装置15の上方に第1パレット載置台27、第2パレット載置台28及び荷物載置台46を撮像可能なカメラが設けられており、当該カメラによる撮像結果に基づいて、荷物載置台46上の荷物Nの有無及び第1パレット11上の荷物Nの有無が把握される構成としてもよい。
【0204】
(11)支持体54、昇降機構53及び吸着保持機構52と一緒に移動するカメラが設けられており、当該カメラによる撮像結果に基づいて、第1パレット11上の荷物Nの有無が把握される構成としてもよい。
【0205】
(12)仮置き荷物検知センサ47として、光電センサに代えて超音波センサが使用されている構成としてもよい。また、位置検知センサ71~73として、光電センサに代えて超音波センサが使用されている構成としてもよい。
【0206】
(13)荷物積替装置15に、吸着ヘッド81が荷物Nの上面と接触している状態であることを把握可能とする接触検知センサが設けられている構成としてもよい。具体的には、接触検知センサは、吸着ヘッド81の自由端(下端)近傍に固定されている。吸着保持機構52を荷物Nに向けて下降させている状況において、CPU112は、接触検知センサから受信する接触検知信号の状態に基づいて、吸着ヘッド81が荷物Nの上面に接触している状態となったことを把握することができる。
【0207】
(14)1段分上昇動作の実行回数が5回に達したことに基づいて第1パレット11が空になったことをCPU112が把握する構成としてもよい。また、1段分下降動作の実行回数が7回に達したことに基づいて第2パレット12上に上限段数の荷物Nが積まれている状態となったことをCPU112が把握する構成としてもよい。
【0208】
(15)CPU112が第1パレット載置台27の高さ位置を第1パレット載置台27の昇降速度(上昇速度又は下降速度)と昇降時間とに基づいて把握する構成としてもよい。また、CPU112が第2パレット載置台28の高さ位置を第2パレット載置台28の昇降速度(上昇速度又は下降速度)と昇降時間とに基づいて把握する構成としてもよい。さらにまた、CPU112が吸着保持機構52の高さ位置を吸着保持機構52の昇降速度(上昇速度又は下降速度)と昇降時間とに基づいて把握する構成としてもよい。
【0209】
(16)上記第1の実施形態では、連続する層の配列パターンが同一とならないように2種類の配列パターンで荷物Nがパレット11,12上に積まれる構成としたが、これに限定されることはなく、連続する層の配列パターンが同一とならないように3種類以上の配列パターンで荷物Nがパレット11,12上に積まれる構成としてもよい。
【0210】
(17)上記第1の実施形態における第1配列パターンに代えて、層内の荷物Nが全て第1方向向き(
図2(c)又は
図2(d)における縦向き)となるように配列されている配列パターンが使用されているとともに、上記第1の実施形態における第2配列パターンに代えて、層内の荷物Nが全て当該第1方向に直交する第2方向向き(
図2(c)又は
図2(d)における横向き)となるように配列されている配列パターンが使用されている構成としてもよい。
【0211】
(18)上記第1の実施形態における第1配列パターンに代えて、層内の左半分の荷物Nが第1方向向き(
図2(c)又は
図2(d)における縦向き)であって、層内の右半分の荷物Nが第1方向に直交する第2方向向き(
図2(c)又は
図2(d)における横向き)となるように配列されている配列パターンが使用されているとともに、上記第1の実施形態における第2配列パターンに代えて、層内の左半分の荷物Nが第2方向向き(
図2(c)又は
図2(d)における横向き)であって、層内の右半分の荷物Nが第1方向向き(
図2(c)又は
図2(d)における縦向き)となるように配列されている配列パターンが使用されている構成としてもよい。
【0212】
(19)搬入側第1支柱22aと搬出側第1支柱22cとの間隔、及び搬入側第2支柱22bと搬出側第2支柱22dとの間隔が、パレット11,12の幅寸法の2倍(2200mm)以上の間隔であるとともにパレット11,12の幅寸法の3倍(3300mm)未満の間隔である構成としてもよい。また、搬入側第1支柱22aと搬入側第2支柱22bとの間隔、及び搬出側第1支柱22cと搬出側第2支柱22dとの間隔が、パレット11,12の幅寸法の3倍(3300mm)以上の間隔であるとともにパレット11,12の幅寸法の4倍(4400mm)未満の間隔である構成としてもよい。
【0213】
(20)積替元停止位置から仮置き用停止位置までの距離が、パレット11,12の幅寸法の2倍(2200mm)以上である構成としてもよい。例えば、積替元停止位置から仮置き用停止位置までの距離が、パレット11,12の幅寸法の2倍(2200mm)以上であるとともに、パレット11,12の幅寸法の3倍(3300mm)未満である構成としてもよい。
【0214】
(21)荷物積替装置15が第1リフタ25を不具備であり、第1パレット載置台27の高さ位置の調整が行われない構成としてもよく、荷物積替装置15が第2リフタ26を不具備であり、第2パレット載置台28の高さ位置の調整が行われない構成としてもよく、荷物積替装置15が第1リフタ25及び第2リフタ26を不具備であり、第1パレット載置台27及び第2パレット載置台28の高さ位置の調整が行われない構成としてもよい。
【0215】
(22)上記第1の実施形態において、第1リフタ25及び第2リフタ26は、アーム部32が下段アーム部33及び上段アーム部34を有する2段式のテーブルリフタである構成としたが、これに限定されることはなく、第1リフタ25及び第2リフタ26が1段式のテーブルリフタである構成としてもよく、第1リフタ25及び第2リフタ26が3段式のテーブルリフタである構成としてもよい。
【0216】
(23)上記第1の実施形態では、荷物載置台46の上面が施設の床面から2004mm上方の高さ位置に存在している構成としたが、これに限定されることはなく、荷物載置台46の上面が床面から2004mm上方の高さ位置よりも上方に存在している構成としてもよく、荷物載置台46の上面が床面から2004mm上方の高さ位置よりも下方に存在している構成としてもよい。例えば、荷物載置台46の上面が搬入ローラ13d,14d及び搬出ローラ16d,17dの上端と同一の高さ位置(床面から600mm上方の高さ位置)に存在している構成としてもよい。
【0217】
(24)上記第1の実施形態では、荷物載置台46の高さ調整が行われない構成としたが、これに限定されることはなく、第1リフタ25による第1パレット載置台27の高さ調整及び第2リフタ26による第2パレット載置台28の高さ調整と同様に、リフタによる荷物載置台46の高さ調整が行われる構成としてもよい。
【0218】
(25)鉛直方向に延びる回転軸を回転中心として荷物載置台46を回転させるための回転機構が設けられている構成としてもよい。第1の実施形態における第1配列パターンに代えて層内の荷物Nが全て第1方向向き(
図2(c)及び
図2(d)における縦向き)である配列パターンが使用されているとともに、第1の実施形態における第2配列パターンに代えて層内の荷物Nが全て第1方向に直交する第2方向向き(
図2(c)及び
図2(d)における横向き)である配列パターンが使用されているような場合、荷物載置台46を90度回転させることにより、荷物載置台46に仮置きされている荷物Nの配列パターンを変更することができる。これにより、第2パレット12において、上下の荷物Nが同じ向きで積まれている箇所を生じさせてしまう可能性を低減できる。
【0219】
(26)上記第1の実施形態では、1層分の荷物Nを置くことが可能な荷物載置台46が設けられている構成としたが、これに限定されることはなく、荷物Nを2段以上積むことが可能な荷物載置台46が設けられている構成としてもよい。また、本構成において、荷物載置台46に荷物Nが積まれる度に、荷物載置台46の高さを1段分(196mm)下降させるための昇降装置が設けられている構成としてもよい。これにより、荷物載置台46に複数段の荷物Nが置かれている状況における荷物載置台46の最上段の荷物Nの上面の高さを、荷物載置台46に1層の荷物Nが置かれている状況における荷物載置台46の最上段(1段目)の荷物Nの上面の高さと同一の高さ位置とすることができる。
【0220】
(27)上記第1の実施形態では、荷物載置台46が1つ設けられている構成としたが、これに限定されることはなく、荷物載置台46が2つ以上設けられている構成としてもよい。具体的には、荷物載置台46として、第1荷物載置台及び第2荷物載置台が存在している。第1荷物載置台は、第1パレット載置台27を挟んで第2パレット載置台28とは逆側に配置されている。また、第2荷物載置台は、第1荷物載置台を挟んで第1パレット載置台27とは逆側に配置されている。第2パレット載置台28、第1パレット載置台27、第1荷物載置台及び第2荷物載置台は、一直線上に配置されている。搬入側規制壁57a及び搬出側規制壁58aは、パレット搬送方向(
図1における右方向)に直交する方向(
図1における上下方向)に延在している。また、搬入側ガイドレール67及び搬出側ガイドレール68も、パレット搬送方向(
図1における右方向)に直交する方向(
図1における上下方向)に延在している。支持体54は、第2パレット載置台28の中央近傍と、第2荷物載置台の中央近傍との間を往復走行可能である。このように、荷物載置台46が2つ以上設けられている構成においても、支持体54の移動経路を直線経路とすることができる。
【0221】
(28)上記第1の実施形態では、荷物載置台46、第1パレット載置台27及び第2パレット載置台28が一直線上に配置されている構成としたが、これに限定されることは無く、第1パレット載置台27から第2パレット載置台28に向かう方向と、第1パレット載置台27から荷物載置台46に向かう方向とが直交するように載置台27,28,46が配置されている構成としてもよい。
【0222】
(29)荷物載置台46、第1パレット載置台27及び第2パレット載置台28が同一の円周上に配置されている構成としてもよい。具体的には、荷物載置台46は、第1パレット載置台27を挟んで第2パレット載置台28とは逆側に配置されている。また、移載装置51における荷物Nの搬送経路(搬入側ガイドレール67及び搬出側ガイドレール68)は円周上の一部区間(円弧状)に設けられている。さらにまた、第1パレット載置台27上の第1パレット11から第2パレット載置台28上の第2パレット12に荷物Nを移動させるための移動距離は、荷物載置台46から第2パレット載置台28上の第2パレット12に荷物Nを移動させるための移動距離よりも短い。これにより、第1~第3移動制御のうち第1移動制御の実行頻度が最も高い場合、第1パレット載置台27と第2パレット載置台28との間に荷物載置台46が設けられている構成と比較して、荷物Nの積み替えに要する時間を短縮することができる。
【0223】
(30)上記第1の実施形態では、第1パレット載置台27を挟んで第2パレット載置台28とは逆側に荷物載置台46が配置されている構成としたが、これに限定されることはなく、第1パレット載置台27と第2パレット載置台28との間に荷物載置台46が配置されている構成としてもよい。本構成においても、第1パレット載置台27、荷物載置台46及び第2パレット載置台28を一直線上に配置することができるとともに、支持体54の移動経路を直線経路とすることができる。
【0224】
(31)上記第1の実施形態では、荷物載置台46が枠体21の外側に設けられている構成としたが、これに限定されることはなく、荷物載置台46が枠体21により区画されている空間の中に設けられている構成としてもよい。
【0225】
(32)第1パレット載置台27と第2パレット載置台28との間に第1油圧ユニット41及び第2油圧ユニット42が配置されている構成としてもよく、荷物載置台46と第1パレット載置台27との間に第1油圧ユニット41及び第2油圧ユニット42が配置されている構成としてもよい。このように、第1パレット載置台27と第2パレット載置台28との間、又は荷物載置台46と第1パレット載置台27との間に装置等の物品が置かれている構成においても、第2パレット載置台28、第1パレット載置台27及び荷物載置台46が一直線上に配置されている構成とすることにより、支持体54の移動経路を直線経路とすることができる。
【0226】
(33)上記第1の実施形態では、吸着ヘッド81の上面に吸着ヘッド81を吸着させて荷物Nを吸着保持する構成としたが、これに限定されることはなく、荷物Nを下から掬い上げて荷物Nを保持する構成としてもよく、1層分の荷物Nを側方から挟持する構成としてもよい。また、上面に強磁性体が存在している荷物Nに対して、荷物Nの上から磁石を近づけて当該強磁性体にくっつけることにより荷物Nを保持する構成としてもよい。
【0227】
(34)上記第1の実施形態では、吸着保持機構52が一度に1層分の荷物Nを吸着保持可能である構成としたが、これに限定されることなく、吸着保持機構52が一度に吸着保持可能な荷物Nの数が1層分よりも少ない構成としてもよい。例えば、吸着保持機構52が縦6列及び横3列となるように合計18個の吸着ヘッド81を備えており、吸着保持機構52が一度に1層分の荷物Nの半分を吸着保持可能な構成としてもよい。移載装置51は、2回に分けて、移動元の台から移動先の台に1層分の荷物Nを積み替える。また、例えば、吸着保持機構52が1個の吸着ヘッド81を備えており、荷物Nを1つずつ、移動元の台から移動先の台に移動させる構成としてもよい。これらの構成においても、荷物Nの向き及び層内における荷物Nの配置を変化させない態様で、移動元の台から移動先の台に荷物Nを移動させることにより、荷物Nの配列パターンを変化させることなく移動元の台から移動先の台への荷物Nの移動を行うことができる。また、荷崩れを発生させづらい態様で第2パレット12に荷物Nが積まれるようにすることができる。
【0228】
(35)上記第1の実施形態では、ラック65,66及びピニオン63,64の組合せを使用して移載装置51が支持体54を走行させる構成としたが、これに限定されることはなく、走行用ボールねじ軸及び走行用ナット部材の組合せを使用して移載装置51支持体54を走行させる構成としてもよい。走行用ボールねじ軸は、第2パレット載置台28、第1パレット載置台27及び荷物載置台46よりも上方に離間させて固定されている。走行用ボールねじ軸は、載置台27、28,46の配列方向(
図3における左右方向)に延在している。また、走行用ボールねじ軸の一方側の端部は走行用サーボモータに接続されているとともに、走行用ボールねじ軸の他方側の端部は軸受け部に接続されている。また、支持体54には、当該ボールねじ軸に対応する走行用ナット部材が固定されている。走行用ボールねじ軸の外周面にはネジ山が形成されている。また、走行用ボールねじ軸のネジ山に対応させて、走行用ナット部材の内周面にもネジ山が形成されている。走行用ボールねじ軸は、当該走行用ボールねじ軸の外周面に形成されているネジ山が走行用ナット部材の内周面に形成されているネジ山に噛み合わされている態様で、走行用ナット部材に挿通されている。走行用サーボモータが走行用ボールねじ軸を正回転させることにより、当該走行用ボールねじ軸に嵌め合わされている走行用ナット部材が第2パレット載置台28側(
図3における右側)に移動する。これにより、走行用ナット部材が固定されている支持体54を第2パレット載置台28側に移動させることができる。また、走行用サーボモータが走行用ボールねじ軸を逆回転させることにより、当該走行用ボールねじ軸に嵌め合わされている走行用ナット部材が荷物載置台46側(
図3における左側)に移動する。これにより、走行用ナット部材が固定されている支持体54を荷物載置台46側に移動させることができる。
【0229】
(36)上記第1の実施形態では、第1パレット載置台27が第1初期位置よりも上方に存在している状態で、第1パレット載置台27に第1パレット11がセットされた後における最初の移動制御が実行される構成としたが、これに限定されることはなく、第1パレット載置台27が第1初期位置に存在している状態で当該最初の移動制御が実行される構成としてもよい。また、上記第1の実施形態では、第2パレット載置台28が第2初期位置よりも上方に存在している状態で、第2パレット12に7段目を積む移動制御が実行される構成としたが、これに限定されることはなく、第2パレット載置台28が第2初期位置に存在している状態で当該7段目を積む移動制御が実行される構成としてもよい。
【0230】
(37)CPU112において、第2パレット載置台28にセットされている第2パレット12における最上段の1層分の荷物Nを荷物載置台46上に移動させる第4移動制御が実行される構成としてもよい。これにより、第2パレット12上に同一配列パターンの層が連続して積まれている状態となった場合、第2パレット12における最上段の1層分の荷物Nを荷物載置台46上に移動させることにより、当該状態を解消することができる。
【0231】
(38)上記第1の実施形態における直接開始ボタン102に代えて又は加えて、第1移動制御を1回実行させるために操作されるボタンが設けられている構成としてもよい。また、上記第1の実施形態における持込開始ボタン103に代えて又は加えて、第2移動制御を1回実行させるために操作されるボタンが設けられている構成としてもよい。また、上記第1の実施形態における持出開始ボタン104に代えて又は加えて、第3移動制御を1回実行させるために操作されるボタンが設けられている構成としてもよい。
【0232】
(39)持込開始ボタン103の操作が行われたことに基づいて第2移動制御が1回実行される構成であり、持出開始ボタン104の操作が行われたことに基づいて第3移動制御が1回実行される構成であり、直接開始ボタン102の操作が行われたことに基づいて、第1パレット11上に荷物Nが存在しない状態、又は第2パレット12上の荷物Nの段数が上限段数(具体的には7段)になるまで第1移動制御が繰り返される構成としてもよい。
【0233】
(40)上記第1の実施形態では、荷物積替装置15に供給される第1パレット11上に積まれている荷物Nの形状が直方体形状である構成としたが、これに限定されることはなく、上面及び底面が楕円形である楕円柱状の荷物Nが第1パレット11上に積まれている構成としてもよい。
【0234】
(41)荷物Nが積まれる台として、パレット11,12に代えて台車が使用される構成としてもよく、トレイが使用される構成としてもよい。
【0235】
(42)第1パレット11及び第2パレット12のサイズ及び形状が同一である構成としたが、これに限定されることはなく、第1パレット11及び第2パレット12のサイズ又は形状が相違している構成としてもよい。
【0236】
(43)第1パレット11が運送用のパレットであるとともに第2パレット12が保管用のパレットである構成としてもよい。これにより、倉庫及び販売店等の施設において、荷物積替装置15を使用して、運送用のパレットから保管用のパレットへの荷物Nの積み替えを行うことが可能となる。
【0237】
(44)上記第1の実施形態では、形状及びサイズが同一である複数の荷物Nが積まれている第1パレット11が荷物積替装置15に供給される構成としたが、これに限定されることはなく、形状及びサイズの少なくとも一方が相違している複数の荷物Nが積まれている第1パレット11が荷物積替装置15に供給される構成としてもよい。具体的には、層毎に荷物Nの形状及びサイズの少なくとも一方が相違している構成としてもよく、同一層内に形状及びサイズの少なくとも一方が相違している荷物Nが混在している構成としてもよい。
【0238】
<上記実施形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
【0239】
<特徴A群>
特徴A1.荷物(荷物N)の移動元となる第1載置台(第1パレット載置台27、第1パレット11)と、
荷物の移動先となる第2載置台(第2パレット載置台28、第2パレット12)と、
荷物を搬送する荷物搬送手段(移載装置51)と、
所定制御手段(CPU112)と、
を備えた荷物積替装置(荷物積替装置15)であって、
前記荷物積替装置は、荷物を載置することが可能な第3載置台(荷物載置台46)を備え、
前記所定制御手段は、
第1契機(直接開始ボタン102の操作が行われること、第1パレット11に荷物Nが残っている状態であるとともに第2パレット12上の荷物Nの段数が上限段数未満である状態で第2移動制御が終了すること、第1パレット11に荷物Nが残っている状態であるとともに第2パレット12上の荷物Nの段数が上限段数未満である状態で第3移動制御が終了すること)が発生したことに基づいて、前記荷物搬送手段により前記第1載置台から前記第2載置台に荷物が搬送されるようにする第1搬送制御(第1移動制御)を実行する第1搬送制御手段(CPU112におけるステップS114及びステップS115の処理を実行する機能)と、
第2契機(持込開始ボタン103の操作が行われること)が発生したことに基づいて、前記荷物搬送手段により前記第1載置台から前記第3載置台に荷物が搬送されるようにする第2搬送制御(第2移動制御)を実行する第2搬送制御手段(CPU112におけるステップS116及びステップS117の処理を実行する機能)と、
第3契機(持出開始ボタン104の操作が行われること)が発生したことに基づいて、前記荷物搬送手段により前記第3載置台から前記第2載置台に荷物が搬送されるようにする第3搬送制御(第3移動制御)を実行する第3搬送制御手段(CPU112におけるステップS118及びステップS119の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第1載置台に荷物が所定のパターン(第1の実施形態にける第1配列パターン、第2配列パターン)で配列されている状態で前記第1搬送制御が実行される場合には、前記第2載置台に当該所定のパターンで荷物が配列されている状態となるように前記第1載置台から前記第2載置台に荷物が搬送される構成であり、
前記第1載置台に荷物が前記所定のパターンで配列されている状態で前記第2搬送制御が実行される場合には、前記第3載置台に当該所定のパターンで荷物が配列されている状態となるように前記第1載置台から前記第3載置台に荷物が搬送される構成であり、
前記第3載置台に荷物が前記所定のパターンで配列されている状態で前記第3搬送制御が実行される場合には、前記第2載置台に当該所定のパターンで荷物が配列されている状態となるように前記第3載置台から前記第2載置台に荷物が搬送される構成であることを特徴とする荷物積替装置。
【0240】
特徴A1によれば、第1載置台から第2載置台への荷物の移動、第1載置台から第3載置台への荷物の移動、及び第3載置台から第2載置台への荷物の移動を行うことができる。これにより、第1載置台に積まれている荷物を第3載置台に移し、第2載置台に別の荷物を移動させた後に、当該第3載置台上の荷物を第2載置台に移すことができる。このように、第1載置台上の荷物を第2載置台に移す前に第3載置台に仮置きすることを可能とすることにより、第2載置台に荷物を移す順番を調整することができる。
【0241】
第1載置台に荷物が所定のパターンで配列されている状態で第1搬送制御が実行される場合には第2載置台に当該所定のパターンで荷物が配列されている状態とすることができる。また、第1載置台に荷物が所定のパターンで配列されている状態で第2搬送制御が実行される場合には第3載置台に当該所定のパターンで荷物が配列されている状態となるようにすることができる。さらにまた、第3載置台に荷物が所定のパターンで配列されている状態で第3搬送制御が実行された場合には第2載置台に当該所定のパターンで荷物が配列されている状態となるようにすることができる。これにより、所定のパターンで第1載置台に配列されていた荷物を第3載置台に移した後、当該荷物を第3載置台から第2載置台に移す場合にも、当該荷物が所定のパターンで第2載置台に配列されている状態とすることができる。よって、第3載置台を利用して第2載置台に移される荷物の順番を調整可能な構成において、当該第3載置台を利用した場合にも、荷物の配列パターンが変化してしまうことを防止できる。
【0242】
特徴A2.前記第2載置台に荷物が存在している状態において前記第1搬送制御が実行される場合には、前記第2載置台に存在していた荷物の上に当該第1搬送制御により前記第1載置台から搬送されて来た荷物が積まれることを特徴とする特徴A1に記載の荷物積替装置。
【0243】
特徴A2によれば、上記特徴A1の構成を備え、第1載置台に荷物が所定のパターンで配列されている状態で第1搬送制御が実行される場合には、第2載置台に当該所定のパターンで荷物が配列されている状態となるように第1載置台から第2載置台に荷物が搬送される構成であるため、第1載置台に配列されていた荷物の配列パターンで、第2載置台の上に荷物が積まれるようにすることができる。
【0244】
上記特徴A1の構成を備え、第1~第3搬送制御を実行可能な構成であるため、第1載置台上の荷物を第2載置台に移す前に第3載置台に仮置きすることにより第2載置台に搬送される荷物の順番を調整することが可能である。当該構成において、第1搬送制御を行って第2載置台に荷物を積むことを可能とすることにより、第2載置台に搬送される荷物の順番を調整しながら第2載置台上に荷物を積むことが可能となる。これにより、第2載置台上に積まれている荷物に荷崩れを発生させ易い箇所が生じてしまう可能性を低減することができる。
【0245】
特徴A3.前記第2載置台に荷物が存在している状態において前記第3搬送制御が実行される場合には、前記第2載置台に存在していた荷物の上に当該第3搬送制御により前記第3載置台から搬送されて来た荷物が積まれることを特徴とする特徴A1又はA2に記載の荷物積替装置。
【0246】
特徴A3によれば、上記特徴A1の構成を備え、第3載置台に荷物が所定のパターンで配列されている状態で第3搬送制御が実行される場合には、第2載置台に当該所定のパターンで荷物が配列されている状態となるように第3載置台から第2載置台に荷物が搬送される構成であるため、第3載置台に配列されていた荷物の配列パターンで、第2載置台の上に荷物が積まれるようにすることができる。
【0247】
上記特徴A1の構成を備え、第1~第3搬送制御を実行可能な構成であるため、第1載置台上の荷物を第2載置台に移す前に第3載置台に仮置きすることにより第2載置台に搬送される荷物の順番を調整することが可能である。当該構成において、第3搬送制御を行って第2載置台に荷物を積むことを可能とすることにより、第2載置台に搬送される荷物の順番を調整しながら第2載置台上に荷物を積むことが可能となる。これにより、第2載置台上に積まれている荷物に荷崩れを発生させ易い箇所が生じてしまう可能性を低減することができる。
【0248】
特徴A4.前記第2載置台に荷物が存在している状態において前記第1搬送制御が実行される場合には、前記第2載置台に存在していた荷物の上に当該第1搬送制御により前記第1載置台から搬送されて来た荷物が積まれる構成であり、
前記第2載置台に荷物が存在している状態において前記第3搬送制御が実行される場合には、前記第2載置台に存在していた荷物の上に当該第3搬送制御により前記第3載置台から搬送されて来た荷物が積まれる構成であり、
前記第1載置台に複数の荷物が配列されている荷物の層(第1の実施形態では第1配列パターン又は第2配列パターンで配列されている荷物Nの層)がセットされる構成であり、
前記第2載置台上に積まれる荷物の段数として、前記第1載置台にセットされる荷物の段数(第1の実施形態では5段)とは異なる段数(第1の実施形態では7段)が設定されていることを特徴とする特徴A1に記載の荷物積替装置。
【0249】
特徴A4によれば、第2載置台上に積まれる荷物の段数として第1載置台にセットされる荷物の段数とは異なる段数が設定されているため、第1載置台から第2載置台への荷物の積み替え前後において荷物の段数を変化させることができる。これにより、施設内での保管に適した荷物の段数からトラック等での輸送に適した荷物の段数に変更することが可能となる。また、トラック等での輸送に適した荷物の段数から施設内での保管に適した荷物の段数に変更することが可能となる。
【0250】
上記特徴A1の構成を備え、第1搬送制御手段、第2搬送制御手段及び第3搬送制御手段を備えている構成であるため、第2搬送制御手段及び第3搬送制御手段を不具備である構成と比較して、積み替え前後で荷物の段数が変化する状況において、第2載置台上に荷崩れが発生し易い箇所を生じさせてしまう可能性が低減されている。
【0251】
上記特徴A1の構成を備え、第1載置台に荷物が所定のパターンで配列されている状態で第1搬送制御が実行される場合には、第2載置台に当該所定のパターンで荷物が配列されている状態となるように第1載置台から第2載置台に荷物が搬送される構成であるため、第1載置台に配列されていた荷物の配列パターンで、第2載置台の上に荷物が積まれるようにすることができる。また、上記特徴A1の構成を備え、第3載置台に荷物が所定のパターンで配列されている状態で第3搬送制御が実行される場合には、第2載置台に当該所定のパターンで荷物が配列されている状態となるように第3載置台から第2載置台に荷物が搬送される構成であるため、第3載置台に配列されていた荷物の配列パターンで、第2載置台の上に荷物が積まれるようにすることができる。
【0252】
上記特徴A1の構成を備え、第1~第3搬送制御を実行可能な構成であるため、第1載置台上の荷物を第2載置台に移す前に第3載置台に仮置きすることにより第2載置台に搬送される荷物の順番を調整することが可能である。当該構成において、第1搬送制御又は第3搬送制御を行って第2載置台に荷物を積むことを可能とすることにより、第2載置台に搬送される荷物の順番を調整しながら第2載置台上に荷物を積むことが可能となる。これにより、第2載置台上に積まれている荷物に荷崩れを発生させ易い箇所が生じてしまう可能性を低減することができる。
【0253】
特徴A5.前記荷物搬送手段は、前記第1載置台上の荷物又は前記第3載置台上の荷物を上から吸着して保持することが可能な吸着保持手段(吸着保持機構52、吸着ヘッド81)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A4のいずれか1に記載の荷物積替装置。
【0254】
特徴A5によれば、荷物間に隙間が存在している態様で第1載置台上又は第3載置台上に荷物が配列されている場合においても、移動の前後で荷物の向き又は配置が変化してしまうことが防止されている。また、第1載置台又は第3載置台上の荷物を下から掬い上げて保持する構成と比較して、移動の前後で荷物の向き又は配置が変化してしまう可能性を低減することができる。また、第1載置台又は第3載置台上の荷物を側方から吸着して保持する構成と比較して、移動の前後で荷物の向き又は配置が変化してしまう可能性を低減することができる。
【0255】
特徴A6.前記荷物搬送手段は、
前記吸着保持手段の高さ位置を調整可能とする所定高さ調整手段(昇降機構53、第1エアシリンダ76、第2エアシリンダ77)と、
前記吸着保持手段を前記第3載置台から前記第2載置台に向かう方向に移動させる手段(移載装置51、CPU112におけるステップS412の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第3搬送制御において、前記第3載置台から前記第2載置台への荷物の搬送は、前記吸着保持手段により吸着保持されている荷物が前記第1載置台における最上段の荷物の上方を通過する態様で実行されることを特徴とする特徴A5に記載の荷物積替装置。
【0256】
特徴A6によれば、第3載置台から第2載置台に向かう経路上に第1載置台が存在している場合においても第3載置台から第2載置台に向けて搬送されている荷物が第1載置台上の荷物に接触しないようにすることができる。これにより、上記特徴A1の構成を備え、第1載置台及び第2載置台に加えて第3載置台が存在しており第1載置台上の荷物を第2載置台に移す前に第3載置台に仮置きすることが可能な構成において、荷物の搬送経路が複雑化してしまうことを防止できるとともに、荷物を搬送するための処理構成が複雑化してしまうことを防止できる。
【0257】
特徴A7.前記荷物搬送手段は、
前記吸着保持手段の高さ位置を調整可能とする所定高さ調整手段(昇降機構53、第1エアシリンダ76、第2エアシリンダ77)と、
前記吸着保持手段を前記第1載置台から前記第2載置台に向かう方向に移動させる手段(移載装置51)と、
前記吸着保持手段を前記第3載置台から前記第2載置台に向かう方向に移動させる手段(移載装置51)と、
を備え、
前記第1搬送制御において、荷物を吸着保持している状態で第1高さ位置(第1の実施形態における第1搬送高さ位置)に存在している前記吸着保持手段が前記第1載置台から前記第2載置台に向かう方向に移動する構成であり、
前記第3搬送制御において、荷物を吸着保持している状態で前記第1高さ位置よりも高い第2高さ位置(第2搬送高さ位置)に存在している前記吸着保持手段が前記第3載置台から前記第2載置台に向かう方向に移動する構成であることを特徴とする特徴A5又はA6に記載の荷物積替装置。
【0258】
特徴A7によれば、第1搬送制御において必要となる吸着保持手段の昇降距離を、第3搬送制御において必要となる吸着保持手段の昇降距離よりも短い距離とすることができる。これにより、第1搬送制御において吸着保持手段の昇降に要する時間を、第3搬送制御において吸着保持手段の昇降に要する時間よりも短い時間とすることができる。よって、第3搬送制御の実行頻度よりも第1搬送制御の実行頻度の方が高い場合、荷物積替装置の動作時間を短縮することができる。また、第3搬送制御中に荷物が吸着保持手段から落下する場合と比較して、第1搬送制御中に荷物が吸着保持手段から落下した場合に当該荷物に加わる衝撃を低減することができる。これにより、第3搬送制御の実行頻度よりも第1搬送制御の実行頻度の方が高い場合、搬送中に吸着保持手段から荷物が落下してしまう場合に当該荷物に衝撃が加わったことが原因となって荷物の破損等の被害が発生してしまう可能性を低減することができる。
【0259】
特徴A8.前記第1載置台の高さ位置を調整可能とする所定昇降手段(第1リフタ25)と、
前記第2載置台の高さ位置を調整可能とする特定昇降手段(第2リフタ26)と、
を備え、
前記荷物搬送手段は、前記吸着保持手段の高さ位置を調整可能とする所定高さ調整手段(昇降機構53、第1エアシリンダ76、第2エアシリンダ77)を備え、
前記所定制御手段は、前記第1搬送制御において、前記吸着保持手段が前記第1載置台上の荷物を吸着する状況における当該吸着保持手段の高さ位置と、前記吸着保持手段が荷物の吸着保持を解除して前記第2載置台上に荷物を置く状況における当該吸着保持手段の高さ位置とが略同一の高さ位置(第1の実施形態における吸脱着高さ位置)となるように、前記所定昇降手段及び前記特定昇降手段の制御を実行する手段(CPU112におけるステップS120及びステップS121の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A5乃至A7のいずれか1に記載の荷物積替装置。
【0260】
特徴A8によれば、吸着保持手段が第1載置台上の荷物を吸着する状況における当該吸着保持手段の高さ位置と、吸着保持手段が荷物の吸着保持を解除して第2載置台上に荷物を置く状況における当該吸着保持手段の高さ位置とが相違している構成と比較して、吸着保持手段の高さ位置を調整するための構成を簡素化することができる。また、吸着保持手段の高さ位置を調整するための処理構成を簡素化することができる。さらにまた、所定昇降手段及び特定昇降手段を不具備である構成と比較して、吸着保持手段の昇降距離を低減することが可能となるとともに、吸着保持手段の昇降に要する時間を低減することが可能となる。
【0261】
特徴A9.前記第1載置台の高さ位置を調整可能とする所定昇降手段(第1リフタ25)を備え、
前記荷物搬送手段は、
前記吸着保持手段の高さ位置を調整可能とする所定高さ調整手段(昇降機構53、第1エアシリンダ76、第2エアシリンダ77)と、
前記吸着保持手段を前記第1載置台から前記第3載置台に向かう方向に移動させる手段(移載装置51、CPU112におけるステップS308の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第1載置台の上面が所定の高さ位置(第1搬入ローラ13dの上端と同一の高さ位置)に存在している状況において当該第1載置台に荷物がセットされる構成であり、
前記所定制御手段は、前記第2搬送制御が実行される状況において、前記第1載置台の上面が前記所定の高さ位置よりも高い位置に存在している状態となるように前記所定昇降手段の制御を実行する手段(CPU112におけるステップS120の処理を実行する機能)を備え、
前記第3載置台の上面は、前記所定の高さ位置よりも高い位置(第1の実施形態では施設の床面から2004mm上方の高さ位置)に設定されていることを特徴とする特徴A5乃至A8のいずれか1に記載の荷物積替装置。
【0262】
特徴A9によれば、所定昇降手段を備えていない構成、又は第3載置台の上面が所定の高さ位置よりも低い位置に存在している構成と比較して、吸着保持手段を第1載置台上の荷物に接触させるための下降距離、吸着保持手段が荷物を持ち上げるために上昇する距離、吸着保持手段が第3載置台上に荷物を置くための下降距離、及び荷物を置いた後に吸着保持手段が上昇する距離を抑えることができる。これにより、第2搬送制御において吸着保持手段の昇降に要する時間を短縮することができる。また、荷物が落下した場合に当該荷物に加わる衝撃の大きさを低減することができる。
【0263】
特徴A10.前記荷物搬送手段は、前記第1載置台上に存在している1層分の荷物又は前記第3載置台上に存在している1層分の荷物を保持することが可能な荷物保持手段(吸着保持機構52、吸着ヘッド81)を備え、
前記第1搬送制御において、前記第1載置台に存在していた1層分の荷物を保持している状態の前記荷物保持手段が前記第1載置台から前記第2載置台に向かう方向に移動する構成であり、
前記第2搬送制御において、前記第1載置台に存在していた1層分の荷物を保持している状態の前記荷物保持手段が前記第1載置台から前記第3載置台に向かう方向に移動する構成であり、
前記第3搬送制御において、前記第3載置台に存在していた1層分の荷物を保持している前記荷物保持手段が前記第3載置台から前記第2載置台に向かう方向に移動する構成であることを特徴とする特徴A1乃至A9のいずれか1に記載の荷物積替装置。
【0264】
特徴A10によれば、第1載置台上に存在している1層分の荷物を第2載置台上に一度に搬送することができる。また、第1載置台上に存在している1層分の荷物を第3載置台上に一度に搬送することができる。さらにまた、第3載置台上に存在している1層分の荷物を第2載置台上に一度に搬送することができる。これにより、1層分の荷物を複数回に分けて搬送する構成と比較して、荷物の配列パターンを変化させないようにするための処理構成を簡素化することができる。また、荷物の移動に要する時間を短縮することができる。
【0265】
特徴A11.前記第1載置台、前記第2載置台及び前記第3載置台が一直線上に配置されている構成であり、
前記荷物搬送手段の搬送経路(搬入側ガイドレール67及び搬出側ガイドレール68)は直線経路であることを特徴とする特徴A1乃至A10のいずれか1に記載の荷物積替装置。
【0266】
特徴A11によれば、上記特徴A1の構成を備え、第1載置台及び第2載置台に加えて第3載置台が存在しており第1載置台上の荷物を第2載置台に移す前に第3載置台に仮置きすることが可能な構成において、荷物搬送手段の移動方向を変更するために荷物搬送手段を減速させる制御を不要とすることができる。これにより、荷物搬送手段の移動に要する時間を抑えることができる。また、荷物搬送手段の移動を直線移動とすることにより、荷物搬送手段を移動させるための構成を簡素化することができる。
【0267】
特徴A12.前記第2載置台は前記第1載置台に並設されており、
前記第3載置台は、前記第1載置台を挟んで前記第2載置台とは逆側に配置されていることを特徴とする特徴A1乃至A11のいずれか1に記載の荷物積替装置。
【0268】
特徴A12によれば、第1載置台と第2載置台との間に第3載置台が存在している構成と比較して、第1載置台から第2載置台に荷物を移動させる場合における荷物移載装置の移動距離を低減することが可能となる。これにより、第1載置台から第2載置台に荷物を移動させる動作に要する時間を短縮することができる。また、第1搬送制御の実行頻度、第2搬送制御の実行頻度及び第3搬送制御の実行頻度のうち第1搬送制御の実行頻度が最も高い場合、第1載置台から第2載置台に荷物を移動させる動作に要する時間を短縮することにより、荷物積替装置の動作時間を短縮することが可能となる。
【0269】
第1載置台と第3載置台との間に第2載置台が存在している構成と比較して、第1載置台から第3載置台に荷物を移動させる場合における荷物移載装置の移動距離を低減することが可能となる。これにより、第1載置台から第3載置台に荷物を移動させる動作に要する時間を短縮することができる。
【0270】
なお、特徴A1~A12の構成に対して、特徴A1~A12及び特徴B1~B11のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
【0271】
上記特徴A群に係る発明によれば、以下の課題を解決することが可能である。
【0272】
生産工場及び物流倉庫等の施設では、当該施設から荷物が搬出される場合に、保管用の台から運送用の台への荷物の積み替えが行われる。また、物流倉庫及び販売店等の施設では、当該施設に荷物が搬入された場合に、運送用の台から保管用の台への荷物の積み替えが行われる。このような荷物の積み替えに使用される荷物積替装置として、積み替え元の台において段積みされている荷物を1層分ずつ積み替え先の台に移動させる荷物積替装置が知られている。
【0273】
ところで、積み替え先の台上に複数段の荷物が積まれている状態となるように荷物の積み替えが行われる場合、荷物の積み方によっては荷物の運送中又は保管中に荷崩れが発生し易くなってしまう。例えば、上下の荷物が同じ向きで積まれる態様(所謂「棒積み」)で荷物が積まれると、荷崩れが発生し易くなってしまう。これに対して、上下で荷物の向きが変わるように荷物を積むと、荷崩れを発生させづらくすることができる。上述した荷物積替装置では、積み替え元及び積み替え先において台上の荷物の段数を変化させない場合、積み替え元において荷崩れを発生させづらい態様で荷物が積まれていることを条件として、積み替え先においても荷崩れを発生させづらい態様で荷物が積まれることとなる。
【0274】
しかしながら、工場及び倉庫等の施設において荷物を保管する状況に適している段数と、トラック等で荷物を運送する状況に適している段数とが相違している場合がある。そして、上述した荷物積替装置では、積み替え前後で荷物の段数が変化する場合、積み替え元の台において荷崩れを発生させづらい態様で荷物が積まれていても、積み替え先の台において上下の荷物の向きが同一である箇所、すなわち荷崩れを発生させ易い箇所を生じさせてしまうおそれがある。このように、積み替え元の台から積み替え先の台に荷物を積み替える荷物積替装置には依然として改良の余地がある。
【0275】
<特徴B群>
特徴B1.荷物(荷物N)の移動元となる第1載置台(第1パレット載置台27、第1パレット11)と、
荷物の移動先となる第2載置台(第2パレット載置台28、第2パレット12)と、
荷物を搬送する荷物搬送手段(移載装置51)と、
所定制御手段(CPU112)と、
を備えた荷物積替装置(荷物積替装置15)であって、
前記荷物積替装置は、荷物を載置することが可能な第3載置台(荷物載置台46)を備え、
前記所定制御手段は、
第1契機(直接開始ボタン102の操作が行われること、第1パレット11に荷物Nが残っている状態であるとともに第2パレット12上の荷物Nの段数が上限段数未満である状態で第2移動制御が終了すること、第1パレット11に荷物Nが残っている状態であるとともに第2パレット12上の荷物Nの段数が上限段数未満である状態で第3移動制御が終了すること)が発生したことに基づいて、前記荷物搬送手段により前記第1載置台から前記第2載置台に荷物が搬送されるようにする第1搬送制御(第1移動制御)を実行する第1搬送制御手段(CPU112におけるステップS114及びステップS115の処理を実行する機能)と、
第2契機(持込開始ボタン103の操作が行われること)が発生したことに基づいて、前記荷物搬送手段により前記第1載置台から前記第3載置台に荷物が搬送されるようにする第2搬送制御(第2移動制御)を実行する第2搬送制御手段(CPU112におけるステップS116及びステップS117の処理を実行する機能)と、
第3契機(持出開始ボタン104の操作が行われること)が発生したことに基づいて、前記荷物搬送手段により前記第3載置台から前記第2載置台に荷物が搬送されるようにする第3搬送制御(第3移動制御)を実行する第3搬送制御手段(CPU112におけるステップS118及びステップS119の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第2載置台は前記第1載置台に並設されており、
前記第3載置台は、前記第1載置台を挟んで前記第2載置台とは逆側に配置されていることを特徴とする荷物積替装置。
【0276】
特徴B1によれば、第1載置台から第2載置台への荷物の移動、第1載置台から第3載置台への荷物の移動、及び第3載置台から第2載置台への荷物の移動を行うことができる。これにより、第1載置台に積まれている荷物を第3載置台に移し、第2載置台に別の荷物を移動させた後に、当該第3載置台上の荷物を第2載置台に移すことができる。このように、第1載置台上の荷物を第2載置台に移す前に第3載置台に仮置きすることを可能とすることにより、第2載置台に荷物を移す順番を調整することができる。
【0277】
第1載置台と第2載置台との間に第3載置台が存在している構成と比較して、第1載置台から第2載置台に荷物を移動させる場合における荷物移載装置の移動距離を低減することが可能となる。これにより、第1載置台及び第2載置台に加えて第3載置台が存在しており第1載置台上の荷物を第2載置台に移す前に第3載置台に仮置きすることが可能な構成において、第1載置台から第2載置台に荷物を移動させる動作に要する時間を短縮することができる。また、第1搬送制御の実行頻度、第2搬送制御の実行頻度及び第3搬送制御の実行頻度のうち第1搬送制御の実行頻度が最も高い場合、第1載置台から第2載置台に荷物を移動させる動作に要する時間を短縮することにより、荷物積替装置の動作時間を短縮することが可能となる。
【0278】
第1載置台と第3載置台との間に第2載置台が存在している構成と比較して、第1載置台から第3載置台に荷物を移動させる場合における荷物移載装置の移動距離を低減することが可能となる。これにより、第1載置台及び第2載置台に加えて第3載置台が存在しており第1載置台上の荷物を第2載置台に移す前に第3載置台に仮置きすることが可能な構成において、第1載置台から第3載置台に荷物を移動させる動作に要する時間を短縮することができる。
【0279】
特徴B2.前記第1載置台、前記第2載置台及び前記第3載置台が一直線上に配置されている構成であり、
前記荷物搬送手段の搬送経路(搬入側ガイドレール67及び搬出側ガイドレール68)は直線経路であることを特徴とする特徴B1に記載の荷物積替装置。
【0280】
特徴B2によれば、上記特徴B1の構成を備え、第1載置台及び第2載置台に加えて第3載置台が存在しており第1載置台上の荷物を第2載置台に移す前に第3載置台に仮置きすることが可能な構成において、荷物搬送手段の移動方向を変更するために荷物搬送手段を減速させる制御を不要とすることができる。これにより、荷物搬送手段の移動に要する時間を抑えることができる。また、荷物搬送手段の移動を直線移動とすることにより、荷物搬送手段を移動させるための構成を簡素化することができる。
【0281】
特徴B3.前記第2載置台に荷物が存在している状態において前記第1搬送制御が実行される場合には、前記第2載置台に存在していた荷物の上に当該第1搬送制御により前記第1載置台から搬送されて来た荷物が積まれることを特徴とする特徴B1又はB2に記載の荷物積替装置。
【0282】
特徴B3によれば、上記特徴B1の構成を備え、第1~第3搬送制御を実行可能な構成であるため、第1載置台上の荷物を第2載置台に移す前に第3載置台に仮置きすることにより第2載置台に搬送される荷物の順番を調整することが可能である。当該構成において、第1搬送制御を行って第2載置台に荷物を積むことを可能とすることにより、第2載置台に搬送される荷物の順番を調整しながら第2載置台上に荷物を積むことが可能となる。これにより、第2載置台上に積まれている荷物に荷崩れを発生させ易い箇所が生じてしまう可能性を低減することができる。
【0283】
特徴B4.前記第2載置台に荷物が存在している状態において前記第3搬送制御が実行される場合には、前記第2載置台に存在していた荷物の上に当該第3搬送制御により前記第3載置台から搬送されて来た荷物が積まれることを特徴とする特徴B1乃至B3のいずれか1に記載の荷物積替装置。
【0284】
特徴B4によれば、上記特徴B1の構成を備え、第1~第3搬送制御を実行可能な構成であるため、第1載置台上の荷物を第2載置台に移す前に第3載置台に仮置きすることにより第2載置台に搬送される荷物の順番を調整することが可能である。当該構成において、第3搬送制御を行って第2載置台に荷物を積むことを可能とすることにより、第2載置台に搬送される荷物の順番を調整しながら第2載置台上に荷物を積むことが可能となる。これにより、第2載置台上に積まれている荷物に荷崩れを発生させ易い箇所が生じてしまう可能性を低減することができる。
【0285】
特徴B5.前記第2載置台に荷物が存在している状態において前記第1搬送制御が実行される場合には、前記第2載置台に存在していた荷物の上に当該第1搬送制御により前記第1載置台から搬送されて来た荷物が積まれる構成であり、
前記第2載置台に荷物が存在している状態において前記第3搬送制御が実行される場合には、前記第2載置台に存在していた荷物の上に当該第3搬送制御により前記第3載置台から搬送されて来た荷物が積まれる構成であり、
前記第1載置台に複数の荷物が配列されている荷物の層(第1の実施形態では第1配列パターン又は第2配列パターンで配列されている荷物Nの層)がセットされる構成であり、
前記第2載置台上に積まれる荷物の段数として、前記第1載置台にセットされる荷物の段数(第1の実施形態では5段)とは異なる段数(第1の実施形態では7段)が設定されていることを特徴とする特徴B1又はB2に記載の荷物積替装置。
【0286】
特徴B5によれば、第2載置台上に積まれる荷物の段数として第1載置台にセットされる荷物の段数とは異なる段数が設定されているため、第1載置台から第2載置台への荷物の積み替え前後において荷物の段数を変化させることができる。これにより、施設内での保管に適した荷物の段数からトラック等での輸送に適した荷物の段数に変更することが可能となる。また、トラック等での輸送に適した荷物の段数から施設内での保管に適した荷物の段数に変更することが可能となる。
【0287】
上記特徴B1の構成を備え、第1搬送制御手段、第2搬送制御手段及び第3搬送制御手段を備えている構成であるため、第2搬送制御手段及び第3搬送制御手段を不具備である構成と比較して、積み替え前後で荷物の段数が変化する状況において、第2載置台上に荷崩れが発生し易い箇所を生じさせてしまう可能性が低減されている。
【0288】
上記特徴B1の構成を備え、第1~第3搬送制御を実行可能な構成であるため、第1載置台上の荷物を第2載置台に移す前に第3載置台に仮置きすることにより第2載置台に搬送される荷物の順番を調整することが可能である。当該構成において、第1搬送制御又は第3搬送制御を行って第2載置台に荷物を積むことを可能とすることにより、第2載置台に搬送される荷物の順番を調整しながら第2載置台上に荷物を積むことが可能となる。これにより、第2載置台上に積まれている荷物に荷崩れを発生させ易い箇所が生じてしまう可能性を低減することができる。
【0289】
特徴B6.前記荷物搬送手段は、前記第1載置台上の荷物又は前記第3載置台上の荷物を上から吸着して保持することが可能な吸着保持手段(吸着保持機構52、吸着ヘッド81)を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B5のいずれか1に記載の荷物積替装置。
【0290】
特徴B6によれば、荷物間に隙間が存在している態様で第1載置台上又は第3載置台上に荷物が配列されている場合においても、移動の前後で荷物の向き又は配置が変化してしまうことが防止されている。また、第1載置台又は第3載置台上の荷物を下から掬い上げて保持する構成と比較して、移動の前後で荷物の向き又は配置が変化してしまう可能性を低減することができる。また、第1載置台又は第3載置台上の荷物を側方から吸着して保持する構成と比較して、移動の前後で荷物の向き又は配置が変化してしまう可能性を低減することができる。
【0291】
特徴B7.前記荷物搬送手段は、
前記吸着保持手段の高さ位置を調整可能とする所定高さ調整手段(昇降機構53、第1エアシリンダ76、第2エアシリンダ77)と、
前記吸着保持手段を前記第3載置台から前記第2載置台に向かう方向に移動させる手段(移載装置51)と、
を備え、
前記第3搬送制御において、前記第3載置台から前記第2載置台への荷物の搬送は、前記吸着保持手段により吸着保持されている荷物が前記第1載置台における最上段の荷物の上方を通過する態様で実行されることを特徴とする特徴B6に記載の荷物積替装置。
【0292】
特徴B7によれば、第3載置台から第2載置台に向かう経路上に第1載置台が存在している場合においても第3載置台から第2載置台に向けて搬送されている荷物が第1載置台上の荷物に接触しないようにすることができる。これにより、上記特徴B1の構成を備え、第1載置台及び第2載置台に加えて第3載置台が存在しており第1載置台上の荷物を第2載置台に移す前に第3載置台に仮置きすることが可能な構成において、荷物の搬送経路が複雑化してしまうことを防止できるとともに、荷物を搬送するための処理構成が複雑化してしまうことを防止できる。
【0293】
特徴B8.前記荷物搬送手段は、
前記吸着保持手段の高さ位置を調整可能とする所定高さ調整手段(昇降機構53、第1エアシリンダ76、第2エアシリンダ77)と、
前記吸着保持手段を前記第1載置台から前記第2載置台に向かう方向に移動させる手段(移載装置51)と、
前記吸着保持手段を前記第3載置台から前記第2載置台に向かう方向に移動させる手段(移載装置51)と、
を備え、
前記第1搬送制御において、荷物を吸着保持している状態で第1高さ位置(第1の実施形態における第1搬送高さ位置)に存在している前記吸着保持手段が前記第1載置台から前記第2載置台に向かう方向に移動する構成であり、
前記第3搬送制御において、荷物を吸着保持している状態で前記第1高さ位置よりも高い第2高さ位置(第2搬送高さ位置)に存在している前記吸着保持手段が前記第3載置台から前記第2載置台に向かう方向に移動する構成であることを特徴とする特徴B6又はB7に記載の荷物積替装置。
【0294】
特徴B8によれば、第1搬送制御において必要となる吸着保持手段の昇降距離を、第3搬送制御において必要となる吸着保持手段の昇降距離よりも短い距離とすることができる。これにより、第1搬送制御において吸着保持手段の昇降に要する時間を、第3搬送制御において吸着保持手段の昇降に要する時間よりも短い時間とすることができる。よって、第3搬送制御の実行頻度よりも第1搬送制御の実行頻度の方が高い場合、荷物積替装置の動作時間を短縮することができる。また、第3搬送制御中に荷物が吸着保持手段から落下する場合と比較して、第1搬送制御中に荷物が吸着保持手段から落下した場合に当該荷物に加わる衝撃を低減することができる。これにより、第3搬送制御の実行頻度よりも第1搬送制御の実行頻度の方が高い場合、搬送中に吸着保持手段から荷物が落下してしまう場合に当該荷物に衝撃が加わったことが原因となって荷物の破損等の被害が発生してしまう可能性を低減することができる。
【0295】
特徴B9.前記第1載置台の高さ位置を調整可能とする所定昇降手段(第1リフタ25)と、
前記第2載置台の高さ位置を調整可能とする特定昇降手段(第2リフタ26)と、
を備え、
前記荷物搬送手段は、前記吸着保持手段の高さ位置を調整可能とする所定高さ調整手段(昇降機構53、第1エアシリンダ76、第2エアシリンダ77)を備え、
前記所定制御手段は、前記第1搬送制御において、前記吸着保持手段が前記第1載置台上の荷物を吸着する状況における当該吸着保持手段の高さ位置と、前記吸着保持手段が荷物の吸着保持を解除して前記第2載置台上に荷物を置く状況における当該吸着保持手段の高さ位置とが略同一の高さ位置(第1の実施形態における吸脱着高さ位置)となるように、前記所定昇降手段及び前記特定昇降手段の制御を実行する手段(CPU112におけるステップS120及びステップS121の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B6乃至B8のいずれか1に記載の荷物積替装置。
【0296】
特徴B9によれば、吸着保持手段が第1載置台上の荷物を吸着する状況における当該吸着保持手段の高さ位置と、吸着保持手段が荷物の吸着保持を解除して第2載置台上に荷物を置く状況における当該吸着保持手段の高さ位置とが相違している構成と比較して、吸着保持手段の高さ位置を調整するための構成を簡素化することができる。また、吸着保持手段の高さ位置を調整するための処理構成を簡素化することができる。さらにまた、所定昇降手段及び特定昇降手段を不具備である構成と比較して、吸着保持手段の昇降距離を低減することが可能となるとともに、吸着保持手段の昇降に要する時間を低減することが可能となる。
【0297】
特徴B10.前記第1載置台の高さ位置を調整可能とする所定昇降手段(第1リフタ25)を備え、
前記荷物搬送手段は、
前記吸着保持手段の高さ位置を調整可能とする所定高さ調整手段(昇降機構53、第1エアシリンダ76、第2エアシリンダ77)と、
前記吸着保持手段を前記第1載置台から前記第3載置台に向かう方向に移動させる手段(移載装置51)と、
を備え、
前記第1載置台の上面が所定の高さ位置(第1搬入ローラ13dの上端と同一の高さ位置)に存在している状況において当該第1載置台に荷物がセットされる構成であり、
前記所定制御手段は、前記第2搬送制御が実行される状況において、前記第1載置台の上面が前記所定の高さ位置よりも高い位置に存在している状態となるように前記所定昇降手段の制御を実行する手段(CPU112におけるステップS120の処理を実行する機能)を備え、
前記第3載置台の上面は、前記所定の高さ位置よりも高い位置(第1の実施形態では施設の床面から2004mm上方の高さ位置)に設定されていることを特徴とする特徴B6乃至B9のいずれか1に記載の荷物積替装置。
【0298】
特徴B10によれば、所定昇降手段を備えていない構成、又は第3載置台の上面が所定の高さ位置よりも低い位置に存在している構成と比較して、吸着保持手段を第1載置台上の荷物に接触させるための下降距離、吸着保持手段が荷物を持ち上げるために上昇する距離、吸着保持手段が第3載置台上に荷物を置くための下降距離、及び荷物を置いた後に吸着保持手段が上昇する距離を抑えることができる。これにより、第2搬送制御において吸着保持手段の昇降に要する時間を短縮することができる。また、荷物が落下した場合に当該荷物に加わる衝撃の大きさを低減することができる。
【0299】
特徴B11.前記荷物搬送手段は、前記第1載置台上に存在している1層分の荷物又は前記第3載置台上に存在している1層分の荷物を保持することが可能な荷物保持手段(吸着保持機構52、吸着ヘッド81)を備え、
前記第1搬送制御において、前記第1載置台に存在していた1層分の荷物を保持している状態の前記荷物保持手段が前記第1載置台から前記第2載置台に向かう方向に移動する構成であり、
前記第2搬送制御において、前記第1載置台に存在していた1層分の荷物を保持している状態の前記荷物保持手段が前記第1載置台から前記第3載置台に向かう方向に移動する構成であり、
前記第3搬送制御において、前記第3載置台に存在していた1層分の荷物を保持している前記荷物保持手段が前記第3載置台から前記第2載置台に向かう方向に移動する構成であることを特徴とする特徴B1乃至B10のいずれか1に記載の荷物積替装置。
【0300】
特徴B11によれば、第1載置台上に存在している1層分の荷物を第2載置台上に一度に搬送することができる。また、第1載置台上に存在している1層分の荷物を第3載置台上に一度に搬送することができる。さらにまた、第3載置台上に存在している1層分の荷物を第2載置台上に一度に搬送することができる。これにより、1層分の荷物を複数回に分けて搬送する構成と比較して、荷物の配列パターンを変化させないようにするための処理構成を簡素化することができる。また、荷物の移動に要する時間を短縮することができる。
【0301】
なお、特徴B1~B11の構成に対して、特徴A1~A12及び特徴B1~B11のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
【0302】
上記特徴B群に係る発明によれば、以下の課題を解決することが可能である。
【0303】
生産工場及び物流倉庫等の施設では、当該施設から荷物が搬出される場合に、保管用の台から運送用の台への荷物の積み替えが行われる。また、物流倉庫及び販売店等の施設では、当該施設に荷物が搬入された場合に、運送用の台から保管用の台への荷物の積み替えが行われる。このような荷物の積み替えに使用される荷物積替装置として、積み替え元の台において段積みされている荷物を1層分ずつ積み替え先の台に移動させる荷物積替装置が知られている。
【0304】
ところで、積み替え先の台上に複数段の荷物が積まれている状態となるように荷物の積み替えが行われる場合、荷物の積み方によっては荷物の運送中又は保管中に荷崩れが発生し易くなってしまう。例えば、上下の荷物が同じ向きで積まれる態様(所謂「棒積み」)で荷物が積まれると、荷崩れが発生し易くなってしまう。これに対して、上下で荷物の向きが変わるように荷物を積むと、荷崩れを発生させづらくすることができる。上述した荷物積替装置では、積み替え元及び積み替え先において台上の荷物の段数を変化させない場合、積み替え元において荷崩れを発生させづらい態様で荷物が積まれていることを条件として、積み替え先においても荷崩れを発生させづらい態様で荷物が積まれることとなる。
【0305】
しかしながら、工場及び倉庫等の施設において荷物を保管する状況に適している段数と、トラック等で荷物を運送する状況に適している段数とが相違している場合がある。そして、上述した荷物積替装置では、積み替え前後で荷物の段数が変化する場合、積み替え元の台において荷崩れを発生させづらい態様で荷物が積まれていても、積み替え先の台において上下の荷物の向きが同一である箇所、すなわち荷崩れを発生させ易い箇所を生じさせてしまうおそれがある。また、積み替え元の台から持ち出した荷物を積み替え先の台の上に積む前に仮置きすることが可能な台が設けられている構成も考えられるが、荷物の移動元及び移動先の数が増加すると、荷物の移動に要する時間が大幅に延びてしまうという問題が生じる。このように、積み替え元の台から積み替え先の台に荷物を積み替える荷物積替装置には依然として改良の余地がある。
【符号の説明】
【0306】
11…第1パレット、12…第2パレット、13d…第1搬入ローラ、15…荷物積替装置、25…第1リフタ、26…第2リフタ、27…第1パレット載置台、28…第2パレット載置台、46…荷物載置台、51…移載装置、52…吸着保持機構、53…昇降機構、67…搬入側ガイドレール、68…搬出側ガイドレール、76…第1エアシリンダ、77…第2エアシリンダ、81…吸着ヘッド、102…直接開始ボタン、103…持込開始ボタン、104…持出開始ボタン、112…CPU、N…荷物。
【要約】
【課題】荷崩れを発生させづらい態様で積み替え先の台に荷物を積むために行われる荷物の移動を好適に行うことが可能な荷物積替装置を提供すること。
【解決手段】第1パレット載置台27に荷物Nが第1配列パターンで配列されている状態で第1移動制御が実行される場合、第2パレット載置台28に第1配列パターンで荷物Nが配列されている状態となるように荷物Nが搬送される。また、第1パレット載置台27に荷物Nが第1配列パターンで配列されている状態で第2移動制御が実行される場合、荷物載置台46に第1配列パターンで荷物Nが配列されている状態となるように荷物Nが搬送される。また、荷物載置台46に荷物Nが第1配列パターンで配列されている状態で第3移動制御が実行される場合、第2パレット載置台28に第1配列パターンで荷物Nが配列されている状態となるように荷物Nが搬送される。
【選択図】
図3