(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-22
(45)【発行日】2025-01-30
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/00 20230101AFI20250123BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20250123BHJP
【FI】
G06Q40/00
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2021029078
(22)【出願日】2021-02-25
【審査請求日】2023-11-24
(73)【特許権者】
【識別番号】514020389
【氏名又は名称】TIS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】福江 尚史
【審査官】板垣 有紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-153226(JP,A)
【文献】特開2007-316959(JP,A)
【文献】特開2007-102620(JP,A)
【文献】特開2017-022672(JP,A)
【文献】特開2015-064621(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
送金者による送金の依頼を受け付ける金融機関システムから送信される、前記送金者の送金の依頼に関する情報を示す送金依頼情報を取得
し、
前記送金者から、前記送金者が登録している電話番号と、前記送金者が着信した電話番号と、を比較した結果に関する情報を示す番号比較情報を取得し、
前記送金者が着信した電話番号への応答記録に関する情報を示す応答履歴情報を取得する取得部と、
前記送金依頼情報
を取得した場合、前記番号比較情報と、前記応答履歴情報と、に基づいて、所定の期間内に前記送金者が着信した電話番号である着信電話番号が前記送金者が登録している電話番号に含まれておらず、前記送金者が前記着信電話番号に対して応答したか否かを判定する判定部と、
前記着信電話番号が前記送金者が登録している電話番号に含まれておらず、前記送金者が前記着信電話番号に対して応答したと判定された場合、送金者に紐づく複数の確認者に対して、送金を許可するか否かの確認依頼に関する情報を示す確認依頼情報を送信する確認部と、
前記確認依頼情報に対して前記確認者が前記送金者による送金の依頼について確認した結果に関する情報を示す確認結果情報に基づいて、前記送金者による送金を前記金融機関システムに実行させるか否かに関する情報を示す送金可否情報を、前記金融機関システムに送信する送金処理部と、
前記送金者による送金を前記金融機関システムに実行させるか否かについての、前記複数の確認者のうち少なくとも一人の確認者の確認状況を識別可能に画面に表示させる情報を、前記複数の確認者に送信する表示制御部と、
を備える情報処理システム。
【請求項2】
前記複数の確認者に対して優先順位を設定する設定部をさらに備え、
前記送金処理部は、前記取得部において取得された前記確認結果情報のうち、前記優先順位が高い前記確認者から取得された前記確認結果情報に基づいて、前記送金可否情報を前記金融機関システムに送信する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記判定部は、前記送金者の送金先が初めて送金する送金先であるか否かをさらに判定し、
前記確認部は、前記送金者の送金先が初めて送金する送金先であると判定された場合、前記複数の確認者に前記確認依頼情報を送信する、
請求項1または請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記判定部は、前記送金者の送金金額が所定の金額以上であるか否かをさらに判定し、
前記確認部は、前記送金者の送金金額が所定の金額以上であると判定された場合、前記複数の確認者に前記確認依頼情報を送信する、
請求項1または請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記判定部は、
前記送金者において送金先が初めて送金する送金先であるか否かを
さらに判定し、
前記送金者による送金金額が所定の金額以上であるか否かを
さらに判定し
、
前記確認部は、前記判定部において、
前記送金先が初めて送金する送金先であると判定され、
前記送金金額が所定の金額以上であると判定さ
れ
た場合、前記複数の確認者に前記確認依頼情報を送信する、
請求項1または請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記金融機関システムは、前記送金者の携帯端末から前記送金者による送金の依頼を受け付ける、
請求項1から
請求項5のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記金融機関システムは、金融機関のATMから前記送金者による送金の依頼を受け付け、
前記確認部は、前記判定部において、前記送金依頼情報に基づいて、前記送金者のキャッシュカードに紐づく第1送金先に、前記送金者による送金の依頼における第2送金先が含まれないとさらに判定された場合、確認者に前記確認依頼情報を送信する、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項8】
コンピュータが、
送金者による送金の依頼を受け付ける金融機関システムから送信される、前記送金者の送金の依頼に関する情報を示す送金依頼情報を取得
し、
前記送金者から、前記送金者が登録している電話番号と、前記送金者が着信した電話番号と、を比較した結果に関する情報を示す番号比較情報を取得し、
前記送金者が着信した電話番号への応答記録に関する情報を示す応答履歴情報を取得するステップと、
前記送金依頼情報
を取得した場合、前記番号比較情報と、前記応答履歴情報と、に基づいて、所定の期間内に前記送金者が着信した電話番号である着信電話番号が前記送金者が登録している電話番号に含まれておらず、前記送金者が前記着信電話番号に対して応答したか否かを判定するステップと、
前記着信電話番号が前記送金者が登録している電話番号に含まれておらず、前記送金者が前記着信電話番号に対して応答したと判定された場合、送金者に紐づく複数の確認者に対して、送金を許可するか否かの確認依頼に関する情報を示す確認依頼情報を送信するステップと、
前記確認依頼情報に対して前記確認者が前記送金者による送金の依頼について確認した結果に関する情報を示す確認結果情報に基づいて、前記送金者による送金を前記金融機関システムに実行させるか否かに関する情報を示す送金可否情報を、前記金融機関システムに送信するステップと、
前記送金者による送金を前記金融機関システムに実行させるか否かについての、前記複数の確認者のうち少なくとも一人の確認者の確認状況を識別可能に画面に表示させる情報を、前記複数の確認者に送信するステップと、
を実行する情報処理方法。
【請求項9】
コンピュータに、
送金者による送金の依頼を受け付ける金融機関システムから送信される、前記送金者の送金の依頼に関する情報を示す送金依頼情報を取得
し、
前記送金者から、前記送金者が登録している電話番号と、前記送金者が着信した電話番号と、を比較した結果に関する情報を示す番号比較情報を取得し、
前記送金者が着信した電話番号への応答記録に関する情報を示す応答履歴情報を取得することと、
前記送金依頼情報
を取得した場合、前記番号比較情報と、前記応答履歴情報と、に基づいて、所定の期間内に前記送金者が着信した電話番号である着信電話番号が前記送金者が登録している電話番号に含まれておらず、前記送金者が前記着信電話番号に対して応答したか否かを判定することと、
前記着信電話番号が前記送金者が登録している電話番号に含まれておらず、前記送金者が前記着信電話番号に対して応答したと判定された場合、送金者に紐づく複数の確認者に対して、送金を許可するか否かの確認依頼に関する情報を示す確認依頼情報を送信することと、
前記確認依頼情報に対して前記確認者が前記送金者による送金の依頼について確認した結果に関する情報を示す確認結果情報に基づいて、前記送金者による送金を前記金融機関システムに実行させるか否かに関する情報を示す送金可否情報を、前記金融機関システムに送信することと、
前記送金者による送金を前記金融機関システムに実行させるか否かについての、前記複数の確認者のうち少なくとも一人の確認者の確認状況を識別可能に画面に表示させる情報を、前記複数の確認者に送信することと、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話やATM(Automated Teller Machine)などを通じた振り込め詐欺が増加している。振り込め詐欺から顧客を保護するための振込システムが開示されている(特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の振込システムは、顧客に振込方式を選択させる。具体的には、振込システムは、表示部に、振込先情報に基づき即座に振込処理を行う普通振込処理と、振込先情報に基づき振り込め詐欺防止用の振込処理とを選択させる画面を表示する。次に、振込システムは、顧客によって振り込め詐欺防止用の振込処理が選択された場合、予め設定されている条件に基づき振り込め詐欺の疑いがあるかの診断を開始する。診断では、顧客に対して質問が出力される。振込システムは、質問に対する顧客の回答に基づき当該振込につき振り込め詐欺の疑いがあるか否かを診断する。振込システムは、診断した結果を表示部に表示させて、顧客に診断結果を提供する。これにより、振込システムは、顧客に対する振り込め詐欺を回避することができる。しかしながら、特許文献1に記載の振込システムでは、客観的な判断を介在させずに顧客自身の判断のみに頼るため、振り込め詐欺を十分に防止できない。
【0005】
そこで、本発明は、上記の課題を解決するために、客観的な判断に基づき送金者の詐欺被害を防止するシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る情報処理システムは、送金者による送金の依頼を受け付ける金融機関システムから送信される、前記送金者の送金の依頼に関する情報を示す送金依頼情報を取得する取得部と、前記送金依頼情報に基づいて、送金者に関する情報が所定の条件を充たすか否かを判定する判定部と、前記判定部において前記所定の条件を充たすと判定された場合、送金者に紐づく複数の確認者に対して、送金を許可するか否かの確認依頼に関する情報を示す確認依頼情報を送信する確認部と、前記確認依頼情報に対して前記確認者が前記送金者による送金の依頼について確認した結果に関する情報を示す確認結果情報に基づいて、前記送金者による送金を前記金融機関システムに実行させるか否かに関する情報を示す送金可否情報を、前記金融機関システムに送信する送金処理部と、前記送金者による送金を前記金融機関システムに実行させるか否かについての、前記複数の確認者のうち少なくとも一人の確認者の確認状況を識別可能に画面に表示させる情報を、前記複数の確認者に送信する表示制御部と、を備える。
【0007】
本発明の一態様に係る情報処置方法は、コンピュータが、送金者による送金の依頼を受け付ける金融機関システムから送信される、前記送金者の送金の依頼に関する情報を示す送金依頼情報を取得するステップと、前記送金依頼情報に基づいて、送金者に関する情報が所定の条件を充たすか否かを判定するステップと、前記判定するステップにおいて前記所定の条件を充たすと判定された場合、送金者に紐づく複数の確認者に対して、送金を許可するか否かの確認依頼に関する情報を示す確認依頼情報を送信するステップと、前記確認依頼情報に対して前記確認者が前記送金者による送金の依頼について確認した結果に関する情報を示す確認結果情報に基づいて、前記送金者による送金を前記金融機関システムに実行させるか否かに関する情報を示す送金可否情報を、前記金融機関システムに送信するステップと、前記送金者による送金を前記金融機関システムに実行させるか否かについての、前記複数の確認者のうち少なくとも一人の確認者の確認状況を識別可能に画面に表示させる情報を、前記複数の確認者に送信するステップと、を実行する。
【0008】
本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータに、送金者による送金の依頼を受け付ける金融機関システムから送信される、前記送金者の送金の依頼に関する情報を示す送金依頼情報を取得することと、前記送金依頼情報に基づいて、送金者に関する情報が所定の条件を充たすか否かを判定することと、前記所定の条件を充たすと判定された場合、送金者に紐づく複数の確認者に対して、送金を許可するか否かの確認依頼に関する情報を示す確認依頼情報を送信することと、前記確認依頼情報に対して前記確認者が前記送金者による送金の依頼について確認した結果に関する情報を示す確認結果情報に基づいて、前記送金者による送金を前記金融機関システムに実行させるか否かに関する情報を示す送金可否情報を、前記金融機関システムに送信することと、前記送金者による送金を前記金融機関システムに実行させるか否かについての、前記複数の確認者のうち少なくとも一人の確認者の確認状況を識別可能に画面に表示させる情報を、前記複数の確認者に送信することと、を実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、客観的な判断に基づき送金者の詐欺被害を防止するシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】詐欺防止システムの構成の一例を示す図である。
【
図2】詐欺防止システムの処理の概要を示す図である。
【
図3】金融機関システムの機能構成の一例を示す図である。
【
図4】詐欺判定サーバの機能構成の一例を示す図である。
【
図5】対象者情報のデータ構造の一例を示す図である。
【
図6】送金者情報のデータ構造の一例を示す図である。
【
図7】確認者情報のデータ構造の一例を示す図である。
【
図8】画面情報のデータ構造の一例を示す図である。
【
図12】端末装置の機能構成の一例を示す図である。
【
図13】詐欺判定システムの処理の一例を示すフロー図である。
【
図14】詐欺判定サーバの機能構成の他の例を示す図である。
【
図15】コンピュータのハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の一実施形態における詐欺防止システム1について、図面を参照して詳細に説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、あくまでも例示であり、以下に明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。即ち、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形し、又は各実施例を組み合わせる等して実施することができる。また、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には同一または類似の符号を付して表している。
===詐欺防止システム1の構成の概要===
【0012】
詐欺防止システム1は、送金者が詐欺によって送金することを防止するシステムである。詐欺防止システム1は、例えば、送金者が送金手続きを申込んだ際に、送金者の送金手続きの内容を確認者に送信する。詐欺防止システム1は、確認者が送金手続きの内容を確認した結果に応じて、送金者の送金手続きを実行または拒否する。このように、詐欺防止システム1は、送金者が送金する際に、第三者の確認を得ることができるため、詐欺の被害を防止できる。ここで、送金とは、送金者から所定の者に対して金銭を移動させる行為をいい、例えば送金者の銀行口座から所定の者の銀行口座に金銭を移動させる振込を含んでいてもよい。送金者とは、例えば、携帯端末(例えば、スマートフォンなど)やATMを通じて、所定の者に対して送金する者である。確認者とは、例えば、詐欺防止システム1に予め設定されている者であり、送金者の親族や友人などである。
【0013】
まず、
図1を参照して、詐欺防止システム1の構成について説明する。
図1は、詐欺防止システム1の構成の一例を示す図である。
図1に示すように、詐欺防止システム1は、例えば、金融機関システム10、詐欺判定サーバ20、確認者の端末装置30、及び送金用の端末装置40を含む。詐欺防止システム1において、ある構成要素の機能を他の構成要素が有していてもよい。例えば、詐欺判定サーバ20が金融機関システム10の機能の全部または一部を有していてもよい。詐欺防止システム1では、金融機関システム10、詐欺判定サーバ20、確認者の端末装置30、及び送金用の端末装置40のそれぞれは、ネットワーク50を介して通信可能に接続されている。以下、詐欺防止システム1の各構成要素について説明する。
【0014】
金融機関システム10は、送金者の送金手続き依頼を受け付けるシステムである。具体的には、金融機関システム10は、送金用の端末装置40から送金者の送金手続きの依頼に関する情報(以下、「送金依頼情報」という)を取得する。送金依頼情報は、例えば、送金者の口座名義、送金者の口座番号、送金先の名義、送金先の口座番号、及び送金金額に関する情報などを含んでいてもよい。金融機関システム10は、例えば、サーバコンピュータなどの情報処理装置で構成される。なお、金融機関システム10は、ATMを含んでいてもよい。金融機関システム10は、ネットワーク50を通じて詐欺判定サーバ20と接続され、詐欺判定サーバ20との間で各種情報を送受信する。
【0015】
詐欺判定サーバ20は、金融機関システム10から送金依頼情報を取得する。詐欺判定サーバ20は、例えば、送金依頼情報に基づき、送金者の送金手続きを許可するか否かを確認者に確認依頼するための情報(以下、「確認依頼情報」という)につき、確認者の端末装置30に送信するか否かを判定する。そして、詐欺判定サーバ20は、確認者の端末装置30から確認者が確認した結果に関する情報(以下、「確認結果情報」という)を取得する。さらに、詐欺判定サーバ20は、確認結果情報に基づき、金融機関システム10に対して送金者の送金手続きを実行させるか否かに関する情報(以下、「送金可否情報」という)を送信する。なお、以下において、確認結果情報のうち、確認者により送金者の送金手続きが許可されたことを示す情報を「許可結果情報」とし、確認者により送金者の送金手続きが却下されたことを示す情報を「却下結果情報」として説明する。また、送金可否情報のうち、金融機関システム10に対して送金者の送金手続きを実行させるための情報を「送金実行情報」とし、金融機関システム10に対して送金者の送金手続きを却下させるための情報を「送金却下情報」として説明する。
【0016】
端末装置30は、確認者が所持する端末である。端末装置30は、例えば、スマートフォン、ノートパソコン、デスクトップパソコンなどである。端末装置30は、ネットワーク50を通じて詐欺判定サーバ20との間で各種情報を送受信する。端末装置30は、各種情報を表示装置107(
図15を参照)に表示することによって、確認者の操作入力を受け付ける。なお、端末装置30は複数で構成されていてもよい。すなわち、詐欺防止システム1は、複数の端末装置30から送金者の送金手続きに対する確認結果情報を取得する構成を有していてもよい。
【0017】
端末装置40は、例えば送金者の携帯端末や金融機関のATMである。端末装置40は、ネットワーク50を通じて金融機関システム10および詐欺判定サーバ20との間で各種情報を送受信する。
===詐欺防止システム1の処理の概要===
【0018】
図2を参照して、詐欺防止システム1の処理の概要について説明する。
図2は、詐欺防止システム1の処理の概要を示す図である。
図2では、一例として、送金者が送金手続きを申し込んでから、確認者が送金者の送金手続きを却下するまでの処理の概要について説明する。
【0019】
まず、ステップS10において、送金用の端末装置40は、送金者の操作入力に応じて送金依頼情報を生成する。送金用の端末装置40は、送金依頼情報を詐欺判定サーバ20に送信する。
【0020】
次に、ステップS11において、金融機関システム10は送金依頼情報を取得する。金融機関システム10は送金依頼情報から送金者を特定する。ステップS12において、金融機関システム10は、例えば、所定のデータテーブルを参照して、特定された送金者が確認者の許可を必要とする対象者か否かを判定する。金融機関システム10は、送金者が対象者でないと判定した場合(ステップS12:NO)、送金者の送金手続きを実行する(ステップS17)。金融機関システム10は、送金者が対象者であると判定した場合(ステップS12:YES)、送金依頼情報を詐欺判定サーバ20に送信する。
【0021】
次に、ステップS13において、詐欺判定サーバ20は送金依頼情報を取得する。詐欺判定サーバ20は、送金依頼情報に基づき、送金者が所定の条件を充たすか否かを判定する。所定の条件については後述する。詐欺判定サーバ20は、送金者が所定の条件を充たさないと判定した場合(ステップS13:不充足)、金融機関システム10に送金実行情報を送信する。この場合、ステップS17において、金融機関システム10は、送金者の送金手続きを実行する。詐欺判定サーバ20は、送金者が所定の条件を充たすと判定した場合(ステップS13:充足)、確認依頼情報を確認者の端末装置30に送信する(ステップS14)。
【0022】
次に、ステップS15において、端末装置30は、確認依頼情報に基づき、表示装置107に確認依頼に関する画面(以下、「確認依頼画面」という)を表示させる。確認依頼画面については後述する。端末装置30は、確認依頼画面に対する確認者の操作入力に応じて、確認結果情報を取得する。端末装置30は、確認結果情報を詐欺判定サーバ20に送信する。
【0023】
次に、ステップS16において、詐欺判定サーバ20は、例えば、送金手続きが拒否されることを示す却下結果情報を取得した場合、送金者の送金手続きを却下することを示す送金却下情報を金融機関システム10に送信してもよい。この場合、ステップS18において、金融機関システム10は、送金者の送金手続きを却下する。なお、ステップS16において、詐欺判定サーバ20は、例えば、送金手続きが許可されることを示す許可決定情報を取得した場合、送金者の送金手続きを許可することを示す送金許可情報を金融機関システム10に送信してもよい。この場合、ステップS18において、金融機関システム10は、送金者の送金手続きを実行する。
===詐欺防止システム1の機能構成===
【0024】
次に、詐欺防止システム1における、金融機関システム10、詐欺判定サーバ20、確認者の端末装置30、及び送金用の端末装置40のそれぞれが備える機能について説明する。
<<金融機関システム10>>
【0025】
まず、
図3を参照して、金融機関システム10の機能構成について説明する。
図3は、金融機関システム10の機能構成の一例を示す図である。
図3に示すとおり、金融機関システム10は、記憶部11、送受信部12、判定部13、送金実行部14の機能を有する。各機能は、
図15に示すプロセッサ101が、記憶装置103に記憶されたコンピュータプログラムを読み込んで実行し、金融機関システム10の各構成を制御することなどにより実現される。
【0026】
記憶部11は、例えば、対象者情報11aを含んでいてもよい。対象者情報11aは、送金者のうち送金について確認者に許可を得る必要のある対象者に関するデータを格納する。
図4は、対象者情報11aのデータ構造の一例を示す図である。
図4に示すように、対象者情報11aのデータ構造は、例えば、対象者IDなどの適宜な項目を主キーとして、口座番号、口座名義といったデータを含むレコードの集合体である。対象者情報11aの内容は、確認者の依頼に応じて金融機関システム10において設定される。対象者IDは、確認者に許可を得る必要のある対象者を識別する識別符号である。口座番号は、対象者の口座番号である。口座名義は、対象者の口座名義である。
【0027】
送受信部12は、送金用の端末装置40、確認者の端末装置30、および詐欺判定サーバ20との間で各種情報を送受信する。
【0028】
判定部13は、対象者情報11aを参照して送金者が対象者であるか否かを判定する。具体的には、判定部13は、例えば、送金依頼情報に含まれる送金者の口座番号や口座名義と、対象者情報11aに入力された口座番号や口座名義とを比較して、それらが一致した場合、送金者が対象者であると判定する。
【0029】
送金実行部14は、例えば、判定部13において送金者が対象者でないと判定された場合、送金者の送金手続きを実行する。また、送金実行部14は、例えば、詐欺判定サーバ20から送金実行情報を取得したことを契機に、送金者の送金手続きを実行してもよい。また、送金実行部14は、例えば、詐欺判定サーバ20から送金却下情報を取得したことを契機に、送金者の送金手続きを却下してもよい。
<<詐欺判定サーバ20>>
【0030】
次に、
図5を参照して、詐欺判定サーバ20の機能構成について説明する。
図5は、詐欺判定サーバ20の機能構成の一例を示す図である。
図5に示すとおり、詐欺判定サーバ20は、記憶部21、取得部22、条件判定部23、確認部24、表示制御部25、送金処理部26の機能を有する。各機能は、
図15に示すプロセッサ101が、記憶装置103に記憶されたコンピュータプログラムを読み込んで実行し、詐欺判定サーバ20の各構成を制御することなどにより実現される。
【0031】
記憶部21は、例えば、送金者情報21a、確認者情報21b、及び画面情報21cを有する。
図6、
図7、
図8を参照して、送金者情報21a、確認者情報21b、及び画面情報21cのデータ構造について説明する。
図6は、送金者情報21aのデータ構造の一例を示す図である。
図7は、確認者情報21bのデータ構造の一例を示す図である。
図8は、画面情報21cのデータ構造の一例を示す図である。
【0032】
送金者情報21aは、確認者が送金手続きを確認する送金者に関するデータを格納する。
図6に示すように、送金者情報21aのデータ構造は、例えば、送金者IDなどの適宜な項目を主キーとして、対象者ID、確認者ID、送金実績といったデータを含むレコードの集合体である。送金者情報21aの内容は、例えば確認者の依頼に応じて詐欺判定サーバ20において設定されてもよい。送金者IDは、送金者を識別する識別符号である。対象者IDは、対象者情報11aの対象者IDに対応する。確認者IDは、当該送金者の送金手続きを確認する確認者を識別する識別符号である。なお、複数人の確認者に確認する場合、一つの送金者IDに複数の確認者IDが対応付けられていてもよい。送金実績は、送金者が過去に送金した送金先の名義や口座番号などに関する情報である。送金実績は、例えば、API(Applcation Programming Interface)を通じて金融機関システム10から取得される情報であってもよい。
【0033】
確認者情報21bは、確認者に関するデータを格納する。
図7に示すように、確認者情報21bのデータ構造は、例えば、確認者IDなどの適宜な項目を主キーとして、デバイスID、メールアドレス、電話番号といったデータを含むレコードの集合体である。確認者情報21bの内容は、確認者の依頼に応じて詐欺判定サーバ20において設定される。確認者IDとは、送金者情報21aの確認者IDに対応する識別符号である。デバイスIDは、確認者の端末装置30を識別する識別符号である。メールアドレスは、確認者が有するメールアドレスである。電話番号は、確認者の端末装置30に設定されている電話番号である。
【0034】
画面情報21cは、確認者の端末装置30の表示装置107に表示させる各種画面に関する情報を格納する。各種画面については後述する。
図8に示すように、画面情報21cのデータ構造は、例えば、画面IDなどの適宜な項目を主キーとして、画面データを含むレコードの集合体である。画面IDは、画面を識別する識別符号である。画面データは、確認者の端末装置30の表示装置107に表示させる画面に関する情報である。
【0035】
取得部22は、送金用の端末装置40、確認者の端末装置30、および詐欺判定サーバ20から各種情報を取得する。
【0036】
条件判定部23は、金融機関システム10から取得される送金依頼情報に基づいて、送金者が所定の条件を充たすか否かを判定する。以下、条件判定部23の処理の詳細について説明する。
【0037】
条件判定部23は、例えば、送金依頼情報に基づき、送金者が初めて送金する送金先であるか否かを判定してもよい(以下、「第1判定処理」という)。すなわち、条件判定部23は、送金者がこれまで送金したことがない相手に送金する場合、確認者の確認を受ける必要があると判定する。具体的には、条件判定部23は、送金依頼情報のうち送金先の名義や口座番号に関する情報と、送金者情報21aにおける送金実績のうち送金先の名義や口座番号に関する情報とを照合する。条件判定部23は、照合した結果、送金先が過去に送金したことがある送金先であると判定した場合、所定の条件を充たさないと判定する。一方、条件判定部23は、照合した結果、送金先が過去に送金したことがない送金先であると判定した場合、所定の条件を充たすと判定する。これにより、詐欺判定サーバ20は、詐欺においては送金する送金先が初めての送金先であることが多いという特徴をとらえて、詐欺である可能性が高い送金手続きを適切に判別できる。
【0038】
また、条件判定部23は、例えば、送金依頼情報に基づき、送金者による送金金額が所定の金額以上であるか否かを判定してもよい(以下、「第2判定処理」という)。すなわち、条件判定部23は、送金者が通常送金しないような金額を送金する場合、確認者の許可を得る必要があると判定する。具体的には、条件判定部23は、送金依頼情報のうち送金金額に関する情報を特定する。条件判定部23は、送金金額と予め設定された金額とを比較する。条件判定部23は、比較した結果、送金金額が予め設定された金額よりも小さいと判定した場合、所定の条件を充たさないと判定する。一方、条件判定部23は、比較した結果、送金金額が予め設定された金額以上と判定した場合、所定の条件を充たすと判定する。これにより、詐欺判定サーバ20は、詐欺においては送金する送金金額が高額であることが多いという特徴をとらえて、詐欺である可能性が高い送金手続きを適切に判別できる。
【0039】
また、条件判定部23は、例えば、番号比較情報に基づき、所定の期間内に送金者が着信した電話番号が送金者が登録している電話番号に含まれているか否かを判定してもよい(以下、「第3判定処理」という)。すなわち、条件判定部23は、送金者に対して、送金手続き時点から所定の時間内に送金者が知らない電話番号から端末装置40に着信があった場合、確認者の許可を得る必要があると判定する。番号比較情報は、端末装置40において登録番号情報と着信番号情報とが比較された結果に関する情報である。ここで、登録番号情報は、例えば端末装置40に登録されている電話番号に関する情報である。また、着信番号情報は、例えば端末装置40が着信した電話番号に関する情報である。番号比較情報は、例えば端末装置40にインストールされているアプリケーションによって取得される情報であってもよい。番号比較情報は、例えば確認依頼情報に含まれる情報であってもよい。また、番号比較情報には、送金者が知らない電話番号から着信があった時刻に関する情報(以下、「時刻情報」という)が含まれていてもよい。条件判定部23は、例えば当該時刻情報に基づき所定の期間内か否かを判定してもよい。また、条件判定部23は、番号比較情報を取得した時刻に関する時刻情報に基づき所定の期間内か否かを判定してもよい。これにより、詐欺判定サーバ20は、詐欺においては電話帳に登録されていない電話番号からの着信があったことが多いという特徴をとらえて、詐欺である可能性が高い送金手続きを適切に判別できる。
【0040】
また、条件判定部23は、例えば、第3判定処理に加えて、さらに応答履歴情報に基づき、送金者が登録していない電話番号に対して応答したか否かを判定してもよい(以下、「第4判定処理」という)。応答履歴情報は、例えば、送金者が着信した電話番号への応答記録に関する情報である。応答履歴情報は、例えば端末装置40にインストールされているアプリケーションにより取得される情報であってもよい。応答履歴情報は、例えば確認依頼情報に含まれる情報であってもよい。すなわち、条件判定部23は、送金者が知らない電話番号から送金者に着信があり、送金者がその着信に応答していた場合、確認者の許可を得る必要があると判定する。これにより、詐欺判定サーバ20は、詐欺においては電話帳に登録されていない電話番号からの着信があり、その着信に送金者が応答していることが多いという特徴をとらえて、詐欺である可能性が高い送金手続きを適切に判別できる。
【0041】
なお、条件判定部23は、上述した第1判定処理、第2判定処理、第3判定処理、及び第4判定処理を任意に組み合わせて判定してもよい。具体的には、一例として、条件判定部23は、送金依頼情報に基づいて、送金者において送金先が初めて送金する送金先であるか否かを判定(第1判定処理)し、送金者による送金金額が所定の金額以上であるか否かを判定(第2判定処理)してもよい。この場合、条件判定部23は、送金先が過去に送金したことがない送金先であると判定し、且つ、送金金額が予め設定された金額以上と判定した場合、所定の条件を充たすと判定する。また、一例として、条件判定部23は、送金依頼情報に基づき、送金者において送金先が初めて送金する送金先であるか否かを判定(第1判定処理)し、送金者による送金金額が所定の金額以上であるか否かを判定(第2判定処理)し、番号比較情報に基づき所定の期間内に送金者が着信した電話番号が送金者が登録している電話番号に含まれているか否かを判定(第3判定処理)してもよい。この場合、条件判定部23は、送金先が過去に送金したことがない送金先であると判定し、送金金額が予め設定された金額以上と判定し、且つ、所定の期間内に着信した電話番号が登録している電話番号に含まれていないと判定した場合、所定の条件を充たすと判定する。これにより、詐欺判定サーバ20は、さまざまな判定処理を組み合わせることによってさまざまな手法の詐欺を適切に判別することができるため、詐欺である可能性が高い送金手続きを適切に判別できる。なお、条件判定部23は、例えば、端末装置40がATMである場合、第1判定処理および第2判定処理を組み合わせることができるものとする。
【0042】
確認部24は、条件判定部23で所定の条件を充たすと判定された場合、送金者情報21aを参照して、送金者に紐づく確認者に対して確認依頼情報を送信する。
【0043】
表示制御部25は、端末装置30および端末装置40の表示装置107に表示させる各種画面に関する情報を生成する。以下、
図9、
図10、
図11を参照して、表示制御部25で生成される画面の一例について説明する。
図9は、確認依頼画面T1の一例を示す図である。
図10は、確認依頼画面T2の他の一例を示す図である。
図11は、結果通知画面T3の一例を示す図である。
【0044】
図9に示すように、表示制御部25は、確認者の端末装置30の表示装置107に表示させる確認依頼画面T1に関する情報を生成してもよい。具体的には、確認依頼画面T1は、例えば、送金者T11、送金先口座番号T12、送金先口座名義T13、送金金額T14、確認理由T15、却下ボタンT16、及び許可ボタンT17を含んでいてもよい。送金者T12は、例えば送金者の口座名義(氏名)が表示される領域である。送金先口座番号T12は、例えば送金先の口座番号が表示される領域である。送金先口座名義T13は、例えば送金先の口座名義が表示される領域である。送金金額T14は、例えば送金者が送金先に送金する金額が表示される領域である。確認理由T15は、例えば条件判定部23において所定の条件を充たすと判定された内容が表示される領域である。確認理由T15を表示させることによって、確認者が送金者の状況を適切に把握することができるため、確認者は迅速に判断できる。却下ボタンT16は、確認者の操作入力を受け付けた場合、却下結果情報を詐欺判定サーバ20に送信させるためのボタンである。許可ボタンT17は、確認者の操作入力を受け付けた場合、許可結果情報を詐欺判定サーバ20に送信させるためのボタンである。
【0045】
図10に示すように、表示制御部25は、確認者の端末装置30の表示装置107に表示させる確認依頼画面T2に関する情報を生成してもよい。確認依頼画面T2は、複数の確認者の確認状況を識別可能に表示させる画面である。具体的には、確認依頼画面T2は、例えば確認依頼画面T1の構成要素に加えて確認状況T28を含む。確認状況T28は、例えば、複数の確認者に確認依頼情報が送信される場合、確認者それぞれの確認状況を表示させる領域である。なお、確認情報T28には、複数の確認者のうち少なくとも一人の確認者の確認状況が表示されていてもよい。確認状況T28は、例えば、氏名T281および状況T282を含んでいてもよい。氏名T281は、確認者の氏名を表示する領域である。状況T282は、許可状況を表示する領域である。これにより、他の確認者が許可したか又は却下したかを把握できるとともに、どの確認者が確認済かを把握することができるため、それを把握した確認者がより適切に判断できる。
【0046】
図11に示すように、表示制御部25は、送金者の端末装置40(ここでは、例えばスマートフォン)の表示装置107に表示させる結果通知画面T3に関する情報を生成してもよい。なお、詐欺判定サーバ20は、例えば、確認者による確認後に、結果通知画面T3に関する情報を端末装置40に送信する。結果通知画面T3は、確認者の確認結果を表示させる画面である。具体的には、結果通知画面T3は、例えば、送金結果T31、確認者T32、及び確認者連絡ボタンT33を含んでいてもよい。送金結果T31は、例えば送金手続きの許可または拒否の結果を表示させる領域である。確認者T32は、例えば送金手続きについて確認した確認者の氏名を表示させる領域である。確認者連絡ボタンT33は、例えば送金手続きについて確認した確認者に連絡をするためのボタンである。確認者連絡ボタンT33は、送金者の操作入力を受け付けた場合、端末装置40のプロセッサ101に対して、確認者の電話番号に連絡する処理を実行させたり、メール送信の画面に遷移する処理を実行させたりするためのボタンであってもよい。確認依頼画面T2を表示させることによって、送金者が送金手続きが実行されたか又は却下されたかを知ることができるとともに、却下された場合に確認者に迅速に確認することができるため、送金者の以後の詐欺による送金手続きを回避できる。
【0047】
送金処理部26は、確認者の端末装置30から取得される確認結果情報に基づき、送金可否情報(送金実行情報または送金却下情報)を金融機関システム10に送信する。具体的には、送金処理部26は、例えば、確認者の端末装置30から許可結果情報を取得した場合、送金実行情報を金融機関システム10に送信してもよい。また、送金処理部26は、例えば、複数の確認者の端末装置30から確認結果情報を取得したとき、全ての確認結果情報が許可結果情報である場合、送金実行情報を金融機関システム10に送信してもよい。また、送金処理部26は、複数の確認者の端末装置30から確認結果情報を取得したとき、そのうち少なくとも一台の端末装置30から許可結果情報を取得した場合、送金実行情報を金融機関システム10に送信してもよい。また、送金処理部26は、複数の確認者の端末装置30から確認結果情報を取得したとき、そのうち少なくとも一台の端末装置30から却下結果情報を取得した場合、送金却下情報を金融機関システム10に送信してもよい。これにより、金融機関システム10では、送金者の送金手続きに対して送金可否情報に応じた処理が実行される。
<<端末装置30,40>>
【0048】
次に、
図12を参照して、端末装置30の機能構成について説明する。なお、端末装置40は、端末装置30と同様の構成を有することとし、その説明を省略する。
図12は、端末装置30の機能構成の一例を示す図である。
図12に示すとおり、端末装置30は、入力部31、送受信部32、表示制御部33、情報生成部34の機能を有する。端末装置30が有する機能は、
図15に示すプロセッサ101が、記憶装置103に記憶されたコンピュータプログラムを読み込んで実行し、端末装置30の各構成を制御すること等により実現される。入力部41は、例えば確認者による端末装置30に対する操作入力に応じて各種データの入力を受け付ける。送受信部42は、他の装置との間で各種情報を送受信する。表示制御部33は、詐欺判定サーバ20から取得した画面を表示装置107に表示させる。情報生成部34は、例えば、登録番号情報と着信番号情報とを比較した結果に関する番号比較情報を、詐欺判定サーバ20に送信する。
===詐欺防止システム1の処理手順===
【0049】
次に、
図13を参照して、詐欺防止システム1の処理手順について説明する。
図13は、詐欺防止システム1の処理の一例を示すフロー図である。なお、
図13は、一例として、詐欺判定サーバ20が送金用の端末装置40から送金依頼情報を取得してから、詐欺判定サーバ20が金融機関システム10に送金可否情報を送信するまでの処理手順について示す。
【0050】
なお、以下において、一例として、端末装置30および端末装置40をスマートフォンとし、送金者を送金者Aとし、送金先を送金先Bとし、確認者を確認者C、確認者D、確認者Eとして説明する。
【0051】
また、以下において、一例として、送金依頼情報には、例えば、送金者Aの口座名義A、送金者Aの口座番号01234、送金先Bの口座名義B、送金先Bの口座番号12345、及び送金金額2,000,000円に関する情報、番号比較情報(ここでは、「番号が合致しないことを示す情報」とする)、応答履歴情報(ここでは、「応答したことを示す情報」とする)が含まれることとして説明する。
【0052】
また、以下において、一例として、詐欺判定サーバ20は、第1判定処理、第2判定処理、第3判定処理、第4判定処理における条件を全て充たす場合、確認者に確認依頼情報を送信するものとして説明する。ただし、詐欺防止システム1は、第1判定処理、第2判定処理、第3判定処理、第4判定処理のうち少なくとも一つの判定処理における条件を充たした場合、確認者に確認依頼情報を送信してもよい。
【0053】
まず、ステップS100において、詐欺判定サーバ20は、金融機関システム10から送金依頼情報を取得する。
【0054】
次に、ステップS101において、詐欺判定サーバ20は、送金依頼情報に基づき、第1判定処理を実行する。具体例として、詐欺判定サーバ20は、例えば、送金依頼情報に含まれる送金先の口座番号12345と、送金者情報21aの送金実績から取得される、送金者が送金したことがある送金先の口座番号とを照合する。ここでは、詐欺判定サーバ20は、照合した結果、送金先の口座番号12345が送金実績に含まれていないと判定することとする(ステップS101:YES)。
【0055】
次に、ステップS102において、詐欺判定サーバ20は、送金依頼情報に基づき、第2判定処理を実行する。具体例として、詐欺判定サーバ20は、例えば、送金依頼情報に含まれる送金金額2,000,000円と、予め設定された金額(ここでは、100,000円とする)とを比較する。ここでは、詐欺判定サーバ20は、比較した結果、送金金額が設定された金額よりも大きいと判定する(ステップS102:YES)。
【0056】
次に、ステップS103において、詐欺判定サーバ20は、番号比較情報に基づき、第3判定処理を実行する。具体例として、詐欺判定サーバ20は、番号比較情報に「番号が合致しないことを示す情報」が含まれていることを特定する。換言すると、詐欺判定サーバ20は、登録されていない電話番号から送金者に着信があったことを特定する。また、詐欺判定サーバ20は、例えば、時刻情報が示す時刻(ここでは、2021年1月1日11時11分とする)から送金者が送金手続きをした時刻(ここでは、2021年1月1日12時11分とする)までの時間が所定の時間内(ここでは、2時間以内とする)であると判定する。よって、詐欺判定サーバ20は、所定の時間内に登録されていない電話番号から送金者に着信があったと判定する(ステップS103:YES)。
【0057】
次に、ステップS104において、詐欺判定サーバ20は、応答履歴情報に基づき、第4判定処理を実行する。具体的には、詐欺判定サーバ20は、番号比較情報に「番号が合致しないことを示す情報」が含まれていることを特定した場合、送金者が登録していない電話番号に「応答したことを示す情報」を特定する。ここでは、詐欺判定サーバ20は、登録されていない電話番号からの着信に対して送金者が応答したと判定する(ステップS104:YES)。
【0058】
次に、ステップS105において、詐欺判定サーバ20は、ステップS101~ステップS104における判定処理の条件を充たす場合、確認者C,D,Eに確認依頼情報を送信する。
【0059】
次に、ステップS106において、端末装置30は、確認依頼情報に基づき、確認依頼画面T1(
図9参照)または確認依頼画面T2(
図10参照)を、表示装置107に表示させる。なお、端末装置30は、ブラウザで確認依頼画面T1またはT2を表示させてもよいし、所定のアプリケーションを通じてデバイスIDに基づきプッシュ通知によって確認依頼画面T1またはT2を表示してもよい。
【0060】
次に、ステップS107において、端末装置30は、確認者の操作入力を受け付けたことを契機に、確認結果情報を詐欺判定サーバ20に送信する。具体例として、端末装置30は、許可ボタンT17またはT27に対して確認者の操作入力を受け付けた場合、許可結果情報を詐欺判定サーバ20に送信する。一方、端末装置30は、却下ボタンT16またはT26に対して確認者の操作入力を受け付けた場合、却下結果情報を詐欺判定サーバ20に送信する。
【0061】
次に、ステップS108において、詐欺判定サーバ20は、確認結果情報に基づき、確認者のそれぞれが送金者の送金手続きを却下したか否かを判定する。具体例として、詐欺判定サーバ20は、確認者C,D,Eの端末装置30の少なくとも一台から却下結果情報を取得した場合、送金却下情報を金融機関システム10に送信してもよい(ステップS108:YES、ステップS109)。また、詐欺判定サーバ20は、複数の端末装置30の全てから許可結果情報を取得した場合、送金実行情報を金融機関システム10に送信してもよい(ステップS108:NO、ステップS110)。
===変形例===
【0062】
図14を参照して、詐欺判定サーバ20の変形例について説明する。
図14は、詐欺判定サーバ20の機能構成の他の例を示す図である。
図14に示すように、詐欺判定サーバ20は、さらに、設定部27、本人判定部28の機能を有していてもよい。
【0063】
設定部27は、複数の確認者に対して優先順位を設定する。一例として、詐欺判定サーバ20は、条件判定部23において送金者が所定の条件を充たすと判定された場合、設定部27において優先順位を高く設定された確認者の端末装置30から送信される確認結果情報に基づき、送金可否情報を金融機関システムに送信してもよい。具体的には、詐欺判定サーバ20は、優先順位が1位の確認者から許可結果情報を取得し、優先順位が2位の確認者から却下結果情報を取得した場合、許可結果情報を金融機関システム10に送信してもよい。これにより、複数の確認者の判断が分かれた場合に、迅速に送金手続きに対する判定を確定させることができる。
【0064】
また、他の例として、詐欺判定サーバ20は、条件判定部23において送金者が所定の条件を充たすと判定された場合、設定部27において確認者に設定された優先順位の高い順に、確認者に確認依頼情報を送信してもよい。具体的には、詐欺判定サーバ20は、優先順位が1位の確認者に確認依頼情報を送信する。詐欺判定サーバ20は、所定の期間内に優先順位が1位の確認者から確認結果情報が送信されない場合、優先順位が2位の確認者に確認依頼情報を送信する。このように、詐欺判定サーバ20は、確認者から確認結果情報を取得するまで、優先順位の高い順に確認依頼情報を送信する。これにより、一人の確認者による判断が遅延している場合、他の確認者によって判断されることによって、詐欺被害を回避しつつ、送金手続きの遅延を防止できる。
【0065】
また、他の例として、詐欺判定サーバ20は、設定部27において確認者に設定された優先順位の高い順に、確認依頼画面T2の確認状況T28の上から順に表示されてもよい。また、設定部27において最も高い優先順位が設定された確認者のみを、確認依頼画面T2の確認状況T28に表示させてもよい。これにより、優先順位の高い確認者が許可したか又は却下したかを把握できるため、それを把握した確認者がより適切に判断できる。
【0066】
本人判定部28は、確認者の端末装置30から送信される確認者の個人を識別可能な情報(以下、「個人識別情報」という)に基づき、確認者の本人確認を行う。具体的には、端末装置30は、詐欺判定サーバ20から送信される本人確認のための要求に基づき、確認者にマイナンバーカードなどの個人を識別可能な媒体に記憶されている個人識別情報を読み取らせるよう指示してもよい。端末装置30は、例えば、所定の位置に載置された当該媒体に記憶されている個人識別情報を読み取る。端末装置30は、個人識別情報を詐欺判定サーバ20に送信する。詐欺判定サーバ20は、個人識別情報に基づき確認者の正当性を確認してもよい。詐欺判定サーバ20は、確認者の正当性が確認された場合、確認依頼情報を端末装置30に送信してもよい。これにより、確認者の正当性を確保することができるため、詐欺被害をより適切に回避できる。
【0067】
また、詐欺防止システム1は、音声通知サーバを有していてもよい。音声通知サーバは、詐欺判定サーバ20から確認依頼情報を取得する。音声通知サーバは、確認依頼情報に基づき、端末装置30に電話よる音声通知を実行する。また、音声通知サーバは、確認者から端末装置30を通じて取得した音声データをテキストデータに変換する。音声通知サーバは、テキストデータを分析して、確認者が送金者の送金手続きを許可しているか又は却下しているかを判定する。音声通知サーバは、判定した結果に関する情報を、詐欺判定サーバ20に送信する。詐欺判定サーバ20は、判定した結果に関する情報に基づき、確認結果情報を金融機関システム10に送信する。これにより、確認者が確認依頼情報に気づかないという状況を改善できる。
【0068】
また、詐欺防止システム1は、端末装置40がATMである場合、金融機関システム10がATMから送金依頼情報を取得する。詐欺判定サーバ20の条件判定部23は、送金依頼情報に基づき送金者のキャッシュカードに紐づく送金先に、送金者の送金手続きにおける送金先が含まれているか否かを判定してもよい。この場合、確認部24は、条件判定部23において含まれていないと判定された場合、確認依頼情報を端末装置30に送信する。これにより、ATMによる送金の手続きに対しても適切に詐欺被害を回避できる。
===ハードウェア構成===
【0069】
上述した実施形態に関する機能を実現する金融機関システム10および詐欺判定サーバ20は、例えば、サーバコンピュータ、パーソナルコンピュータ(例えば、デスクトップ、ラップトップ、タブレットなど)、メディアコンピュータプラットホーム(例えば、ケーブル、衛星セットトップボックス、デジタルビデオレコーダ)、ハンドヘルドコンピュータデバイス(例えば、PDA、電子メールクライアントなど)、あるいは他種のコンピュータ、またはコミュニケーションプラットホームであってもよい。
【0070】
上述した実施形態に関する機能を実現する端末装置30,40は、例えば、スマートフォン、携帯電話(フィーチャーフォン)、パーソナルコンピュータ(例えば、デスクトップ、ラップトップ、タブレットなど)、メディアコンピュータプラットホーム(例えば、ケーブル、衛星セットトップボックス、デジタルビデオレコーダ)、ハンドヘルドコンピュータデバイス(例えば、PDA(Personal Digital Assistant)、電子メールクライアントなど)、ウェアラブル端末(メガネ型デバイス、時計型デバイスなど)、他種のコンピュータ、またはコミュニケーションプラットホームであってもよい。
【0071】
ここで、
図15を参照して、金融機関システム10、詐欺判定サーバ20、及び端末装置30,40をコンピュータ100により実現する場合のハードウェア構成の一例を説明する。なお、それぞれの装置の機能は、複数台の装置に分けて実現することもできる。
【0072】
図15は、コンピュータのハードウェア構成の一例を示す図である。
図15に示すように、コンピュータ100は、プロセッサ101と、メモリ102と、記憶装置103と、入力I/F部104と、データI/F部105と、通信I/F部106、及び表示装置107を含む。
【0073】
プロセッサ101は、メモリ102に記憶されているプログラムを実行することによりコンピュータ100における各種の処理を制御する制御部である。
【0074】
メモリ102は、例えばRAM(Random Access Memory)等の記憶媒体である。メモリ102は、プロセッサ101によって実行されるプログラムのプログラムコードや、プログラムの実行時に必要となるデータを一時的に記憶する。
【0075】
記憶装置103は、例えばハードディスクドライブ(HDD)やフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体である。記憶装置103は、オペレーティングシステムや、上記各構成を実現するための各種プログラムを記憶する。
【0076】
入力I/F部104は、ユーザからの入力を受け付けるためのデバイスである。入力I/F部104の具体例としては、キーボードやマウス、タッチパネル、各種センサ、ウェアラブル・デバイス等が挙げられる。入力I/F部104は、例えばUSB(Universal Serial Bus)等のインタフェースを介してコンピュータ100に接続されても良い。
【0077】
データI/F部105は、コンピュータ100の外部からデータを入力するためのデバイスである。データI/F部105の具体例としては、各種記憶媒体に記憶されているデータを読み取るためのドライブ装置等がある。データI/F部105は、コンピュータ100の外部に設けられることも考えられる。その場合、データI/F部105は、例えばUSB等のインタフェースを介してコンピュータ100へと接続される。
【0078】
通信I/F部106は、コンピュータ100の外部の装置と有線又は無線により、インターネットNを介したデータ通信を行うためのデバイスである。通信I/F部106は、コンピュータ100の外部に設けられることも考えられる。その場合、通信I/F部106は、例えばUSB等のインタフェースを介してコンピュータ100に接続される。
【0079】
表示装置107は、各種情報を表示するためのデバイスである。表示装置107の具体例としては、例えば液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ、ウェアラブル・デバイスのディスプレイ等が挙げられる。表示装置107は、コンピュータ100の外部に設けられても良い。その場合、表示装置107は、例えばディスプレイケーブル等を介してコンピュータ100に接続される。また、入力I/F部104としてタッチパネルが採用される場合には、表示装置107は、入力I/F部104と一体化して構成することが可能である。
===まとめ===
【0080】
本実施形態の詐欺防止システム1は、送金者による送金の依頼を受け付ける金融機関システム10から送信される、送金者の送金の依頼に関する情報を示す送金依頼情報を取得する取得部22と、送金依頼情報に基づいて、送金者に関する情報が所定の条件を充たすか否かを判定する条件判定部23(判定部)と、条件判定部23(判定部)において所定の条件を充たすと判定された場合、送金者に紐づく複数の確認者に対して、送金を許可するか否かの確認依頼に関する情報を示す確認依頼情報を送信する確認部24と、確認依頼情報に対して確認者が送金者による送金の依頼について確認した結果に関する情報を示す確認結果情報に基づいて、送金者による送金を金融機関システム10に実行させるか否かに関する情報を示す送金可否情報を、金融機関システム10に送信する送金処理部26と、送金者による送金を金融機関システム10に実行させるか否かについての、複数の確認者のうち少なくとも一人の確認者の確認状況を識別可能に画面に表示させる情報を、複数の確認者に送信する表示制御部25と、を備える。これにより、客観的な判断に基づき送金者の詐欺被害を防止することができる。また、他の確認者が許可したか又は却下したかを把握できるとともに、どの確認者が確認済かを把握することができるため、当該確認者が送金者による送金手続きにつき正しいか否かをより正確に判断できる。
【0081】
本実施形態の詐欺防止システム1は、複数の確認者に対して優先順位を設定する設定部27をさらに備え、送金処理部26は、取得部22において取得された確認結果情報のうち、優先順位が高い確認者から取得された確認結果情報に基づいて、送金可否情報を金融機関システム10に送信する。これにより、複数の確認者の判断が分かれた場合に、迅速に送金手続きに対する判定を確定させることができる。
【0082】
本実施形態の詐欺防止システム1において、確認部24は、条件判定部23(判定部)において送金依頼情報に基づき送金者の送金先が初めて送金する送金先であると判定された場合、複数の確認者に確認依頼情報を送信する。これにより、詐欺判定サーバ20は、詐欺においては送金する送金先が初めての送金先であることが多いという特徴をとらえて、詐欺である可能性が高い送金手続きを適切に判別できる。
【0083】
本実施形態の詐欺防止システム1において、確認部24は、条件判定部23(判定部)において送金依頼情報に基づき送金者の送金金額が所定の金額以上であると判定された場合、複数の確認者に確認依頼情報を送信する。これにより、詐欺判定サーバ20は、詐欺においては送金する送金金額が高額であることが多いという特徴をとらえて、詐欺である可能性が高い送金手続きを適切に判別できる。
【0084】
本実施形態の詐欺防止システム1において、取得部22は、送金者から、送金者が登録している電話番号と、送金者が着信した電話番号と、を比較した結果に関する情報を示す番号比較情報を取得し、確認部24は、条件判定部23(判定部)において、番号比較情報に基づき、所定の期間内に送金者が着信した電話番号が送金者が登録している電話番号に含まれていないと判定された場合、複数の確認者に確認依頼情報を送信する。これにより、詐欺判定サーバ20は、詐欺においては電話帳に登録されていない電話番号からの着信があったことが多いという特徴をとらえて、詐欺である可能性が高い送金手続きを適切に判別できる。
【0085】
本実施形態の詐欺防止システム1において、取得部22は、送金者が着信した電話番号への応答記録に関する情報を示す応答履歴情報をさらに取得し、確認部24は、条件判定部23(判定部)において、番号比較情報と、応答履歴情報と、に基づいて、所定の期間内に送金者が着信した電話番号が送金者が登録している電話番号に含まれておらず、送金者が登録していない電話番号に対して応答したと判定された場合、複数の確認者に確認依頼情報を送信する。これにより、詐欺判定サーバ20は、詐欺においては電話帳に登録されていない電話番号からの着信があり、その着信に送金者が応答していることが多いという特徴をとらえて、詐欺である可能性が高い送金手続きを適切に判別できる。
【0086】
本実施形態の詐欺防止システム1において、取得部22は、送金者から、送金者が登録している電話番号と、送金者が着信した電話番号と、を比較した結果に関する情報を示す番号比較情報を取得し、条件判定部23(判定部)は、送金依頼情報に基づいて、送金者において送金先が初めて送金する送金先であるか否かを判定し、送金者による送金金額が所定の金額以上であるか否かを判定し、番号比較情報に基づいて、所定の期間内に送金者が着信した電話番号が送金者が登録している電話番号に含まれているか否かを判定し、確認部24は、条件判定部23(判定部)において、送金先が初めて送金する送金先であると判定され、送金金額が所定の金額以上であると判定され、所定の期間内に送金者が着信した電話番号が送金者が登録している電話番号に含まれていないと判定された場合、複数の確認者に確認依頼情報を送信する。これにより、詐欺判定サーバ20は、さまざまな判定処理を組み合わせることによってさまざまな手法の詐欺を適切に判別することができるため、詐欺である可能性が高い送金手続きを適切に判別できる。
【0087】
本実施形態の詐欺防止システム1において、金融機関システム10は、送金者の携帯端末から送金者による送金の依頼を受け付ける。これにより、客観的な判断に基づき送金者の詐欺被害を防止することができる。
【0088】
本実施形態の詐欺防止システム1において、金融機関システム10は、金融機関のATMから送金者による送金の依頼を受け付け、確認部24は、条件判定部23(判定部)において、送金依頼情報に基づいて、送金者のキャッシュカードに紐づく送金先(第1送金先)に、送金者による送金の依頼における送金先(第2送金先)が含まれないと判定された場合、確認依頼情報を送信する。これにより、ATMによる送金の手続きに対しても適切に詐欺被害を回避できる。
【符号の説明】
【0089】
1…詐欺防止システム、10…金融機関システム、20…詐欺判定サーバ、22…取得部、23…条件判定部、24…確認部、25…表示制御部、26…送金処理部、27…設定部、28…本人判定部、30…端末装置、40…端末装置。