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特許7624393半導体パッケージ、電子装置、および、半導体パッケージの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-22
(45)【発行日】2025-01-30
(54)【発明の名称】半導体パッケージ、電子装置、および、半導体パッケージの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/12 20060101AFI20250123BHJP
   H01L 23/02 20060101ALI20250123BHJP
   H10F 39/12 20250101ALI20250123BHJP
   H04N 25/00 20230101ALI20250123BHJP
【FI】
H01L23/12 F
H01L23/02 F
H01L27/146 D
H04N25/00
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021543963
(86)(22)【出願日】2020-06-17
(86)【国際出願番号】 JP2020023721
(87)【国際公開番号】W WO2021044703
(87)【国際公開日】2021-03-11
【審査請求日】2023-04-26
(31)【優先権主張番号】P 2019161196
(32)【優先日】2019-09-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112955
【弁理士】
【氏名又は名称】丸島 敏一
(72)【発明者】
【氏名】大塚 恭史
【審査官】豊島 洋介
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-066078(JP,A)
【文献】特開2014-099584(JP,A)
【文献】特開2014-165397(JP,A)
【文献】特開2007-067142(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L21/339
H01L21/52 -21/54
H01L21/58
H01L23/00 -23/04
H01L23/06 -23/26
H01L27/14 -27/148
H01L27/30
H01L29/762
H04N25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面にワイヤの一端が接続された基板と、
両面のうち一方の面に前記ワイヤの他端が接続された半導体素子と、
前記両面のうち他方の面の一部と前記基板の表面とを接着するシリコーン系の接着部と、
前記基板の表面から前記他方の面の残りの部分へ突出する突起と、
前記突起が突出する方向を上方向として前記突起の上部に塗布されたソルダーレジストと
を具備し、
前記突起は、導電性を有する
半導体パッケージ。
【請求項2】
前記接着部は、前記他方の面の中央部と前記基板の表面とを接着する
請求項1記載の半導体パッケージ。
【請求項3】
前記突起は、アイランド状に形成される
請求項1記載の半導体パッケージ。
【請求項4】
前記半導体素子の形状は、矩形であり、
前記突起は、前記矩形の複数の辺のそれぞれに沿って線状に形成される
請求項1記載の半導体パッケージ。
【請求項5】
前記突起は、前記半導体素子の外周に沿って枠状に形成される
請求項1記載の半導体パッケージ。
【請求項6】
前記半導体素子は、固体撮像素子である
請求項1記載の半導体パッケージ。
【請求項7】
表面にワイヤの一端が接続された基板と、
両面のうち一方の面に前記ワイヤの他端が接続された半導体素子と、
前記両面のうち他方の面の一部と前記基板の表面とを接着するシリコーン系の接着部と、
前記基板の表面から前記他方の面の残りの部分へ突出する突起と、
前記突起が突出する方向を上方向として前記突起の上部に塗布されたソルダーレジストと、
前記半導体素子により生成された信号を処理する処理部と
を具備し、
前記突起は、導電性を有する
電子装置。
【請求項8】
表面に突起が設けられた基板を製造する基板製造手順と、
前記基板の表面と半導体素子の両面のうち一方の面の一部とをシリコーン系の接着部により接着して前記両面のうち他方の面と前記基板の表面とをワイヤにより接続する接続手順と
を具備し、
前記基板製造手順において、前記基板の配線パターンを形成する際に前記突起を設け、前記突起が突出する方向を上方向として前記突起の上部にソルダーレジストを塗布する
半導体パッケージの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、半導体パッケージに関する。詳しくは、ワイヤにより固体撮像素子が接続された半導体パッケージ、電子装置、および、半導体パッケージの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、半導体集積回路の取り扱いを容易にするなどの目的で、その半導体集積回路を設けた半導体チップを基板に実装して密閉した半導体パッケージが用いられている。例えば、ワイヤにより基板に半導体素子を電気的に接続し、α線遮蔽フィルム付きのガラスで密封した中空構造の半導体パッケージが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。また、この半導体パッケージにおいて、半導体素子の両面のうち一方の面全体が、接着剤により基板に接着される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-114266号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の半導体パッケージでは、ガラスにα線遮蔽フィルムを貼り付けてα線を遮蔽することにより、α線に起因する半導体素子内の格子欠陥の低減を図っている。しかしながら、上述の半導体パッケージでは、基板内に熱膨張係数の異なる複数の層があると、温度変化に起因して基板に反りが生じるおそれがある。そして、基板に反りが生じると、その基板に半導体素子の面全体が接着されているため、半導体素子も反ってしまうという問題がある。特に、半導体素子が固体撮像素子である場合は、反りによって、その像面が歪み、画像データの画質が低下してしまう。
【0005】
本技術はこのような状況に鑑みて生み出されたものであり、半導体素子が基板に接続された半導体パッケージにおいて、半導体素子の反りを防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本技術は、上述の問題点を解消するためになされたものであり、その第1の側面は、表面にワイヤの一端が接続された基板と、両面のうち一方の面に上記ワイヤの他端が接続された半導体素子と、上記両面のうち他方の面の一部と上記基板の表面とを接着する接着部と、上記基板の表面から上記他方の面の残りの部分へ突出する突起とを具備する半導体パッケージである。これにより、半導体素子の反りが防止されるという作用をもたらす。
【0007】
また、この第1の側面において、上記接着部は、上記他方の面の中央部と上記基板の表面とを接着してもよい。これにより、半導体素子の反りが防止されるという作用をもたらす。
【0008】
また、この第1の側面において、上記突起は、アイランド状に形成されてもよい。これにより、アイランド状の突起によって、荷重が受け止められるという作用をもたらす。
【0009】
また、この第1の側面において、上記半導体素子の形状は、矩形であり、上記突起は、上記矩形の複数の辺のそれぞれに沿って線状に形成されてもよい。これにより、線状の突起によって、荷重が受け止められるという作用をもたらす。
【0010】
また、この第1の側面において、上記突起は、上記半導体素子の外周に沿って枠状に形成されてもよい。これにより、枠状の突起によって、荷重が受け止められるという作用をもたらす。
【0011】
また、この第1の側面において、上記半導体素子は、固体撮像素子であってもよい。これにより、画像データの画質が向上するという作用をもたらす。
【0012】
また、本技術の第2の側面は、表面にワイヤの一端が接続された基板と、両面のうち一方の面に上記ワイヤの他端が接続された半導体素子と、上記両面のうち他方の面の一部と上記基板の表面とを接着する接着部と、上記基板の表面から上記他方の面の残りの部分へ突出する突起と、上記半導体素子により生成された信号を処理する処理部とを具備する電子装置である。これにより、反りが防止された半導体素子からの信号が処理されるという作用をもたらす。
【0013】
また、本技術の第3の側面は、表面に突起が設けられた基板を製造する基板製造手順と、上記基板の表面と半導体素子の両面のうち一方の面の一部とを接着して上記両面のうち他方の面と上記基板の表面とをワイヤにより接続する接続手順とを具備する半導体パッケージの製造方法である。これにより、半導体素子の一部が基板の表面と接着され、突起が設けられた半導体パッケージが製造されるという作用をもたらす。
【0014】
また、この第3の側面において、上記基板製造手順において、上記基板の配線パターンを形成する際に上記突起を設けてもよい。これにより、配線パターン形成時に形成された突起により荷重が受け止められるという作用をもたらす。
【0015】
また、この第3の側面において、上記基板製造手順において、上記基板を製造した後に上記基板に突起を設けてもよい。これにより、基板製造後に設けられた突起により荷重が受け止められるという作用をもたらす。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本技術の実施の形態における電子装置の一構成例を示すブロック図である。
図2】本技術の実施の形態における半導体パッケージの一構成例を示す断面図である。
図3】本技術の実施の形態における半導体パッケージの上面図の一例である。
図4】本技術の実施の形態における突起の形状及び配置を示す平面図の一例である。
図5】本技術の実施の形態における高温および低温時の半導体パッケージの断面図の一例である。
図6】比較例における高温および低温時の半導体パッケージの断面図の一例である。
図7】本技術の実施の形態におけるガラス搭載枠を形成するまでの製造方法を説明するための図である。
図8】本技術の実施の形態におけるガラスおよび半田ボールを載置するまでの製造方法を説明するための図である。
図9】本技術の実施の形態における半導体パッケージの製造方法の一例を示すフローチャートである。
図10】本技術の実施の形態の第1の変形例における突起を設けるまでの製造方法を説明するための図である。
図11】本技術の実施の形態の第2の変形例における突起の形状および配置を示す平面図の一例である。
図12】本技術の実施の形態の第3の変形例における突起の形状および配置を示す平面図の一例である。
図13】本技術の実施の形態の第3の変形例における半導体パッケージの上面図の一例である。
図14】車両制御システムの概略的な構成の一例を示すブロック図である。
図15】車外情報検出部及び撮像部の設置位置の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本技術を実施するための形態(以下、実施の形態と称する)について説明する。説明は以下の順序により行う。
1.実施の形態(固体撮像素子の一部を基板に接着し、基板に突起を設けた例)
2.移動体への応用例
【0018】
<1.実施の形態>
[電子装置の構成例]
図1は、本技術の実施の形態における電子装置100の一構成例を示すブロック図である。この電子装置100は、画像データを撮像するための装置であり、光学部110、固体撮像素子230およびDSP(Digital Signal Processing)回路120を備える。さらに電子装置100は、表示部130、操作部140、バス150、フレームメモリ160、記憶部170および電源部180を備える。電子装置100としては、例えば、デジタルスチルカメラなどのデジタルカメラの他、スマートフォンやパーソナルコンピュータ、車載カメラ等が想定される。
【0019】
光学部110は、被写体からの光を集光して固体撮像素子230に導くものである。固体撮像素子230は、垂直同期信号に同期して、光電変換により画像データを生成するものである。ここで、垂直同期信号は、撮像のタイミングを示す所定周波数の周期信号である。固体撮像素子230は、生成した画像データをDSP回路120に信号線239を介して供給する。
【0020】
DSP回路120は、固体撮像素子230からの画像データに対して所定の信号処理を実行するものである。このDSP回路120は、処理後の画像データをバス150を介してフレームメモリ160などに出力する。なお、DSP回路120は、特許請求の範囲に記載の処理部の一例である。
【0021】
表示部130は、画像データを表示するものである。表示部130としては、例えば、液晶パネルや有機EL(Electro Luminescence)パネルが想定される。操作部140は、ユーザの操作に従って操作信号を生成するものである。
【0022】
バス150は、光学部110、固体撮像素子230、DSP回路120、表示部130、操作部140、フレームメモリ160、記憶部170および電源部180が互いにデータをやりとりするための共通の経路である。
【0023】
フレームメモリ160は、画像データを保持するものである。記憶部170は、画像データなどの様々なデータを記憶するものである。電源部180は、固体撮像素子230、DSP回路120や表示部130などに電源を供給するものである。
【0024】
上述の構成において、例えば、固体撮像素子230は、半導体パッケージ内に実装される。
【0025】
[半導体パッケージの構成例]
図2は、本技術の実施の形態における半導体パッケージ200の一構成例を示す断面図である。この半導体パッケージ200は、ガラス210、ガラス搭載枠220、固体撮像素子230および基板240を備える。
【0026】
基板240は、固体撮像素子230を実装するための基板である。この基板240は、複数の層を積層することにより製造される。また、基板240の両面のうち一方の面に固体撮像素子230が実装され、その面を以下、基板240の「表面」と称する。基板240の表面に対する裏面には、複数の半田ボール280が形成される。また、基板240の表面や基板240の内部には、各種の配線が形成される。
【0027】
基板240の表面に垂直な軸を以下「Z軸」とする。また、基板240の表面に平行な所定の軸を「X軸」とし、Z軸およびX軸に垂直な軸を「Y軸」とする。同図は、Y軸に垂直な断面により切断した際の断面図である。
【0028】
ガラス搭載枠220は、ガラス210を搭載するための枠状の部材であり、基板240の表面において、その表面の外周に沿って形成される。ガラス210は、接着部252によりガラス搭載枠220と接着される。このガラス210により半導体パッケージ200が密閉される。
【0029】
固体撮像素子230は、ガラス210を介して入射された光を光電変換し、画像データを撮像するものである。同図において、矢印は、入射光を示す。固体撮像素子230の両面のうち受光側の面には、複数の画素を配列した画素アレイ部が形成され、その面を以下、固体撮像素子230の「表面」と称する。この表面において、画素アレイ部の周囲に所定数のパッドが形成され、パッドのそれぞれにワイヤ270の一端が接続される。それらのワイヤ270の他端は、基板240の表面のパッドに接続される。このように、固体撮像素子230は、ワイヤボンディングにより実装されている。
【0030】
また、固体撮像素子230の両面のうち表面に対する裏面の一部は、固体撮像素子230の位置ずれ防止のために、基板240の表面と接着部251により接着されており、残りは接着されていない。例えば、固体撮像素子230の裏面のうち中央部のみが接着部251により接着される。接着部251として、使用温度範囲において、ある程度の柔軟性(言い換えれば、弾力性)を有する接着剤が用いられる。例えば、-40乃至125度(℃)の範囲内において柔軟性を持つシリコーン系の接着剤が用いられる。
【0031】
また、基板240の表面には、所定数の突起261が設けられる。これらの突起261は、基板240の裏面から表面への方向を上方向として、固体撮像素子230の裏面のうち接着剤の設けられていない領域の下方に設けられる。言い換えれば、突起261は、基板240の表面から、固体撮像素子230の裏面のうち接着されていない残りの部分へ、Z軸方向に沿って突出している。すなわち、基板側において、接着部251に該当しない個所(接着部251の周囲など)に突起261が配置されている。また、突起261の上部は、固体撮像素子230の裏面と接触しているが、固着されていない。また、突起261の上部にソルダーレジストなどを塗布し、絶縁性を持たせることが望ましい。これらの突起261は、後述するワイヤボンディングの工程において、荷重を受け止める受け台として用いられる。
【0032】
なお、固体撮像素子230が基板240に実装されているが、固体撮像素子230以外の半導体素子が実装される構成であってもよい。例えば、固体撮像素子230の代わりに、ToF(Time of Flight)センサーなどの各種のセンサーを実装することもできる。なお、固体撮像素子230は、特許請求の範囲に記載の半導体素子の一例である。
【0033】
図3は、本技術の実施の形態における半導体パッケージ200の上面図の一例である。基板240は、Z軸方向から見て矩形であり、基板240の外周に沿ってガラス搭載枠220が形成される。
【0034】
ガラス搭載枠220に囲まれた領域には、矩形の固体撮像素子230が実装される。この固体撮像素子230の表面には、複数の画素を二次元格子状に配列した画素アレイ部231が設けられる。この画素アレイ部231の周囲には、所定数のパッド271が配置される。例えば、固体撮像素子230の4辺のうち平行な2辺に沿ってパッド271が配列される。また、基板240の表面において、固体撮像素子230の周囲に、所定数のパッド272が配置される。これらのパッド271とパッド272とはワイヤ270により接続される。
【0035】
図4は、本技術の実施の形態における突起261の形状および配置を示す平面図の一例である。同図は、図2におけるX1-X2軸に沿って、半導体パッケージ200をZ軸に垂直な平面で切断した場合の平面図である。
【0036】
図4における太い点線は、固体撮像素子230の外周を示す。同図に例示するように、接着部251は、固体撮像素子230の裏面の一部(例えば、中央部)に形成される。ここで、「中央部」は、固体撮像素子230の外周からの距離が所定距離以上となる所定の境界線により囲まれた領域を意味する。
【0037】
例えば、接着部251の形状は矩形であり、固体撮像素子230の各辺と接着部251(すなわち、中央部)の各辺との間の距離はdxまたはdyである。これらの外周部からの距離dxおよびdyには、基板240に生じると予想される反りの程度に応じた値が設定される。予想される反りが大きいほど、dxやdyに大きな値が設定される。なお、接着部251の形状は矩形であるが、その形状は矩形に限定されず、円形や不定形であってもよい。
【0038】
また、基板240の表面において、接着部251に該当しない個所(例えば、接着部251の周囲)には、複数の突起261が配置される。例えば、パッド271が配列された2辺に沿って、パッド271の下部に、アイランド状の突起261が配列される。また、Z軸方向から見て、突起261の形状は、矩形や円形である。また、突起261は、矩形の固体撮像素子230の角に対向する位置に配置されることが望ましい。同図においては、矩形の4つの角の全てについて、突起261が配置されている。
【0039】
図5は、本技術の実施の形態における高温および低温時の半導体パッケージ200の断面図の一例である。同図におけるaは、高温時の半導体パッケージ200の断面図の一例であり、同図におけるbは、低温時の半導体パッケージ200の断面図の一例である。
【0040】
前述したように基板240は、複数の層を含む。これらの熱膨張係数が異なる場合には、温度変化に起因して基板240に反りが生じることがある。例えば、環境温度が所定温度よりも高い場合には、同図におけるaに例示するように基板240が上側に反ってしまう。一方、環境温度が所定温度より低い場合には、同図におけるbに例示するように基板240が下側に反ってしまう。
【0041】
一方、固体撮像素子230は、その裏面全体が接着されておらず、裏面の一部(中央部など)のみが接着部251により接着されている。また、接着部251以外の個所(接着部251の周囲など)に配置された突起261は、固体撮像素子230の裏面に固着されていない。このため、基板240が上側に反った場合であっても、同図におけるaに例示するように、突起261が固体撮像素子230の外周部から離れ、固体撮像素子230の反りが抑制される。また、基板240が下側に反った場合であっても、同図におけるbに例示するように、柔軟性を持つ中央部の接着部251がやや膨らんで、固体撮像素子230の反りが抑制される。
【0042】
ここで、固体撮像素子の裏面全体を基板の表面に接着した比較例の半導体パッケージを考える。
【0043】
図6は、比較例における高温および低温時の半導体パッケージの断面図の一例である。同図におけるaは、高温時の半導体パッケージ200の断面図の一例であり、同図におけるbは、低温時の半導体パッケージ200の断面図の一例である。
【0044】
環境温度が所定温度よりも高い場合には、同図におけるaに例示するように基板が上側に反ってしまう。比較例では、固体撮像素子の裏面全体が基板に接着されているため、基板とともに固体撮像素子にも反りが生じてしまう。
【0045】
一方、環境温度が所定温度より低い場合には、同図におけるbに例示するように基板が下側に反ってしまう。比較例では、固体撮像素子の裏面全体が基板に接着されているため、高温時と同様に、固体撮像素子に反りが生じてしまう。
【0046】
固体撮像素子に反りが生じると、像面が歪んで画像データの画質が低下するおそれがある。これに対して、固体撮像素子230の裏面の中央部のみを接着する構成とすれば、図5に例示したように固体撮像素子230の反りを防止し、画質を向上させることができる。
【0047】
[半導体パッケージの製造方法]
続いて、半導体パッケージ200の製造方法について説明する。
【0048】
図7は、本技術の実施の形態におけるガラス搭載枠220を形成するまでの製造方法を説明するための図である。同図におけるaは、基板240を製造する工程を説明するための図である。同図におけるbは、ガラス搭載枠220を形成する工程を説明するための図である。
【0049】
半導体パッケージ200の製造システムは、同図におけるaに例示するように、表面に突起261が形成された基板240を製造する。ここで、突起261は、例えば、基板240の配線パターンを形成する際に同時に形成される。突起261の高さは、例えば、10乃至20マイクロメートル(μm)である。なお、製造システムは、後述するように、基板240を製造した後で、別途に突起261を形成することもできる。
【0050】
次に製造システムは、同図におけるbに例示するように、基板240の外周に沿ってガラス搭載枠220を形成する。
【0051】
図8は、本技術の実施の形態におけるガラス210および半田ボール280を載置するまでの製造方法を説明するための図である。同図におけるaは、接着剤を塗布する工程を説明するための図である。同図におけるbは、固体撮像素子230の実装工程を説明するための図である。同図におけるcは、ガラス210および半田ボール280を載置する工程を説明するための図である。
【0052】
製造システムは、同図におけるaに例示するように、基板240の表面のうち、固体撮像素子230の中央部に対応する領域に接着剤を塗布する。この接着剤が接着部251として機能する。
【0053】
そして、製造システムは、同図におけるbに例示するように、固体撮像素子230の裏面の中央部を接着し、固体撮像素子230をワイヤ270により基板240に電気的に接続する。このワイヤボンディングとして、例えば、ワイヤ270の接続箇所に荷重を加えながら超音波を印加する超音波ワイヤボンディングが使用される。仮に、突起261を設けない場合、荷重を加えた際に、基板240に対して固体撮像素子230が傾くおそれがある。しかし、接続箇所の下部に突起261を配置することにより、その突起261が荷重を受け止める受け台として機能し、固体撮像素子230の傾きを防止することができる。
【0054】
上述したように、荷重および超音波が加えられた環境下でワイヤボンディングが行われるため、突起261の材料として、一定の強度を有し、超音波が逃げないようなものが用いられる。
【0055】
続いて、製造システムは、同図におけるcに例示するように、ガラス210をガラス搭載枠220に接着し、基板240の裏面に所定数の半田ボール280を搭載する。
【0056】
図9は、本技術の実施の形態における半導体パッケージ200の製造方法の一例を示すフローチャートである。製造システムは、まず、突起261が設けられた基板240を製造し(ステップS901)、ガラス搭載枠を形成する(ステップS902)。
【0057】
そして、製造システムは、固体撮像素子230の中央部に対応する領域に接着剤を塗布し(ステップS903)、ワイヤボンディングにより固体撮像素子230を実装する(ステップS904)。そして、製造システムは、ガラス210および半田ボール280を搭載する(ステップS905)。ステップS905の後に、製造システムは、テストなどの残りの工程を実行して、半導体パッケージ200の製造を終了する。
【0058】
このように、本技術の実施の形態によれば、固体撮像素子230の裏面の一部(中央部など)を基板240に接着したため、固体撮像素子230の反りを防止することができる。また、基板240の表面において、接着部251に該当しない個所(接着部251の周囲など)に突起261を設けたため、ワイヤボンディングの際に固体撮像素子230にかかる荷重を、その突起261で受け止めることができる。これにより、ワイヤボンディングによって固体撮像素子230を実装することができる。
【0059】
[第1の変形例]
上述の実施の形態では、配線パターンを形成する際に突起261を形成していたが、配線パターンを形成するためのマスクの形状を変更する必要が生じる。この実施の形態の第1の変形例の半導体パッケージ200は、基板240の製造後に突起261を設ける点において実施の形態と異なる。
【0060】
図10は、本技術の実施の形態の第1の変形例における突起を設けるまでの製造方法を説明するための図である。同図におけるaは、ガラス搭載枠220を形成する工程を説明するための図である。同図におけるbは、突起261を設ける工程を説明するための図である。
【0061】
実施の形態の変形例の製造システムは、配線パターンを形成する工程などにより、突起261の無い基板240を製造する。そして、製造システムは、同図におけるaに例示するように、基板240にガラス搭載枠220を形成する。続いて、製造システムは、同図におけるbに例示するように、基板240の表面に、突起261を接着する。
【0062】
同図に例示したように、基板240の製造後に突起261を設けることにより、基板240を製造する工程を変更する必要が無くなる。例えば、配線パターンを形成するためのマスクの形状を変更する必要が無くなる。
【0063】
このように、本技術の実施の形態の第1の変形例では、基板240の製造後に突起261を設けるため、基板240の製造工程を変更する必要が無くなる。
【0064】
[第2の変形例]
上述の実施の形態では、アイランド状の突起261を形成していたが、この形状では、荷重を受け止める面積が小さく、強度が不足するおそれがある。この実施の形態の第2の変形例の半導体パッケージ200は、突起261の形状を線状にして強度を向上させた点において実施の形態と異なる。
【0065】
図11は、本技術の実施の形態の第2の変形例における突起261の形状および配置を示す平面図の一例である。同図に例示するように、突起261は、矩形の固体撮像素子230の4辺のうち平行な2辺のそれぞれに沿って線状に形成される。これらの辺のそれぞれに沿ってパッド271が形成される。突起261を線状にすることにより、突起261の強度を向上させることができる。
【0066】
なお、突起261を2辺のそれぞれに沿って形成しているが、パッド271が3辺に沿って配列される場合、その3辺のそれぞれに沿って突起261を形成することもできる。
【0067】
このように、本技術の実施の形態の第2の変形例によれば、突起261を線状に形成したため、アイランド状に形成する場合と比較して、突起261の強度を向上させることができる。
【0068】
[第3の変形例]
上述の実施の形態の第2の変形例では、線状の突起261を形成していたが、この形状では、荷重を受け止める面積が小さく、強度が不足するおそれがある。この実施の形態の第3の変形例の半導体パッケージ200は、突起261の形状を枠状にして強度を向上させた点において実施の形態と異なる。
【0069】
図12は、本技術の実施の形態の第2の変形例における突起261の形状および配置を示す平面図の一例である。同図に例示するように、突起261は、固体撮像素子230の外周に沿って枠状に形成される。
【0070】
図13は、本技術の実施の形態の第3の変形例における半導体パッケージ200の上面図の一例である。同図に例示するように、パッド271は、固体撮像素子230の外周に沿って配列される。パッド271の配列に合わせて、突起261を枠状に形成することにより、線状に形成した場合と比較して強度を向上させることができる。
【0071】
このように、本技術の実施の形態の第3の変形例によれば、突起261を枠状に形成したため、線状に形成する場合と比較して、突起261の強度を向上させることができる。
【0072】
<2.移動体への応用例>
本開示に係る技術(本技術)は、様々な製品へ応用することができる。例えば、本開示に係る技術は、自動車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、自動二輪車、自転車、パーソナルモビリティ、飛行機、ドローン、船舶、ロボット等のいずれかの種類の移動体に搭載される装置として実現されてもよい。
【0073】
図14は、本開示に係る技術が適用され得る移動体制御システムの一例である車両制御システムの概略的な構成例を示すブロック図である。
【0074】
車両制御システム12000は、通信ネットワーク12001を介して接続された複数の電子制御ユニットを備える。図14に示した例では、車両制御システム12000は、駆動系制御ユニット12010、ボディ系制御ユニット12020、車外情報検出ユニット12030、車内情報検出ユニット12040、及び統合制御ユニット12050を備える。また、統合制御ユニット12050の機能構成として、マイクロコンピュータ12051、音声画像出力部12052、及び車載ネットワークI/F(interface)12053が図示されている。
【0075】
駆動系制御ユニット12010は、各種プログラムにしたがって車両の駆動系に関連する装置の動作を制御する。例えば、駆動系制御ユニット12010は、内燃機関又は駆動用モータ等の車両の駆動力を発生させるための駆動力発生装置、駆動力を車輪に伝達するための駆動力伝達機構、車両の舵角を調節するステアリング機構、及び、車両の制動力を発生させる制動装置等の制御装置として機能する。
【0076】
ボディ系制御ユニット12020は、各種プログラムにしたがって車体に装備された各種装置の動作を制御する。例えば、ボディ系制御ユニット12020は、キーレスエントリシステム、スマートキーシステム、パワーウィンドウ装置、あるいは、ヘッドランプ、バックランプ、ブレーキランプ、ウィンカー又はフォグランプ等の各種ランプの制御装置として機能する。この場合、ボディ系制御ユニット12020には、鍵を代替する携帯機から発信される電波又は各種スイッチの信号が入力され得る。ボディ系制御ユニット12020は、これらの電波又は信号の入力を受け付け、車両のドアロック装置、パワーウィンドウ装置、ランプ等を制御する。
【0077】
車外情報検出ユニット12030は、車両制御システム12000を搭載した車両の外部の情報を検出する。例えば、車外情報検出ユニット12030には、撮像部12031が接続される。車外情報検出ユニット12030は、撮像部12031に車外の画像を撮像させるとともに、撮像された画像を受信する。車外情報検出ユニット12030は、受信した画像に基づいて、人、車、障害物、標識又は路面上の文字等の物体検出処理又は距離検出処理を行ってもよい。
【0078】
撮像部12031は、光を受光し、その光の受光量に応じた電気信号を出力する光センサである。撮像部12031は、電気信号を画像として出力することもできるし、測距の情報として出力することもできる。また、撮像部12031が受光する光は、可視光であっても良いし、赤外線等の非可視光であっても良い。
【0079】
車内情報検出ユニット12040は、車内の情報を検出する。車内情報検出ユニット12040には、例えば、運転者の状態を検出する運転者状態検出部12041が接続される。運転者状態検出部12041は、例えば運転者を撮像するカメラを含み、車内情報検出ユニット12040は、運転者状態検出部12041から入力される検出情報に基づいて、運転者の疲労度合い又は集中度合いを算出してもよいし、運転者が居眠りをしていないかを判別してもよい。
【0080】
マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車内外の情報に基づいて、駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置の制御目標値を演算し、駆動系制御ユニット12010に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両の衝突回避あるいは衝撃緩和、車間距離に基づく追従走行、車速維持走行、車両の衝突警告、又は車両のレーン逸脱警告等を含むADAS(Advanced Driver Assistance System)の機能実現を目的とした協調制御を行うことができる。
【0081】
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車両の周囲の情報に基づいて駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置等を制御することにより、運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
【0082】
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で取得される車外の情報に基づいて、ボディ系制御ユニット12020に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で検知した先行車又は対向車の位置に応じてヘッドランプを制御し、ハイビームをロービームに切り替える等の防眩を図ることを目的とした協調制御を行うことができる。
【0083】
音声画像出力部12052は、車両の搭乗者又は車外に対して、視覚的又は聴覚的に情報を通知することが可能な出力装置へ音声及び画像のうちの少なくとも一方の出力信号を送信する。図14の例では、出力装置として、オーディオスピーカ12061、表示部12062及びインストルメントパネル12063が例示されている。表示部12062は、例えば、オンボードディスプレイ及びヘッドアップディスプレイの少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0084】
図15は、撮像部12031の設置位置の例を示す図である。
【0085】
図15では、撮像部12031として、撮像部12101,12102,12103,12104,12105を有する。
【0086】
撮像部12101,12102,12103,12104,12105は、例えば、車両12100のフロントノーズ、サイドミラー、リアバンパ、バックドア及び車室内のフロントガラスの上部等の位置に設けられる。フロントノーズに備えられる撮像部12101及び車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部12105は、主として車両12100の前方の画像を取得する。サイドミラーに備えられる撮像部12102,12103は、主として車両12100の側方の画像を取得する。リアバンパ又はバックドアに備えられる撮像部12104は、主として車両12100の後方の画像を取得する。車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部12105は、主として先行車両又は、歩行者、障害物、信号機、交通標識又は車線等の検出に用いられる。
【0087】
なお、図15には、撮像部12101ないし12104の撮影範囲の一例が示されている。撮像範囲12111は、フロントノーズに設けられた撮像部12101の撮像範囲を示し、撮像範囲12112,12113は、それぞれサイドミラーに設けられた撮像部12102,12103の撮像範囲を示し、撮像範囲12114は、リアバンパ又はバックドアに設けられた撮像部12104の撮像範囲を示す。例えば、撮像部12101ないし12104で撮像された画像データが重ね合わせられることにより、車両12100を上方から見た俯瞰画像が得られる。
【0088】
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、距離情報を取得する機能を有していてもよい。例えば、撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、複数の撮像素子からなるステレオカメラであってもよいし、位相差検出用の画素を有する撮像素子であってもよい。
【0089】
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を基に、撮像範囲12111ないし12114内における各立体物までの距離と、この距離の時間的変化(車両12100に対する相対速度)を求めることにより、特に車両12100の進行路上にある最も近い立体物で、車両12100と略同じ方向に所定の速度(例えば、0km/h以上)で走行する立体物を先行車として抽出することができる。さらに、マイクロコンピュータ12051は、先行車の手前に予め確保すべき車間距離を設定し、自動ブレーキ制御(追従停止制御も含む)や自動加速制御(追従発進制御も含む)等を行うことができる。このように運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
【0090】
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を元に、立体物に関する立体物データを、2輪車、普通車両、大型車両、歩行者、電柱等その他の立体物に分類して抽出し、障害物の自動回避に用いることができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両12100の周辺の障害物を、車両12100のドライバが視認可能な障害物と視認困難な障害物とに識別する。そして、マイクロコンピュータ12051は、各障害物との衝突の危険度を示す衝突リスクを判断し、衝突リスクが設定値以上で衝突可能性がある状況であるときには、オーディオスピーカ12061や表示部12062を介してドライバに警報を出力することや、駆動系制御ユニット12010を介して強制減速や回避操舵を行うことで、衝突回避のための運転支援を行うことができる。
【0091】
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、赤外線を検出する赤外線カメラであってもよい。例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在するか否かを判定することで歩行者を認識することができる。かかる歩行者の認識は、例えば赤外線カメラとしての撮像部12101ないし12104の撮像画像における特徴点を抽出する手順と、物体の輪郭を示す一連の特徴点にパターンマッチング処理を行って歩行者か否かを判別する手順によって行われる。マイクロコンピュータ12051が、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在すると判定し、歩行者を認識すると、音声画像出力部12052は、当該認識された歩行者に強調のための方形輪郭線を重畳表示するように、表示部12062を制御する。また、音声画像出力部12052は、歩行者を示すアイコン等を所望の位置に表示するように表示部12062を制御してもよい。
【0092】
以上、本開示に係る技術が適用され得る車両制御システムの一例について説明した。本開示に係る技術は、以上説明した構成のうち、例えば、撮像部12031に適用され得る。具体的には、図1の電子装置100は、撮像部12031に適用することができる。撮像部12031に本開示に係る技術を適用することにより、固体撮像素子230の反りの防止によって、より見やすい撮影画像を得ることができるため、ドライバの疲労を軽減することが可能になる。
【0093】
なお、上述の実施の形態は本技術を具現化するための一例を示したものであり、実施の形態における事項と、特許請求の範囲における発明特定事項とはそれぞれ対応関係を有する。同様に、特許請求の範囲における発明特定事項と、これと同一名称を付した本技術の実施の形態における事項とはそれぞれ対応関係を有する。ただし、本技術は実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において実施の形態に種々の変形を施すことにより具現化することができる。
【0094】
なお、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって、限定されるものではなく、また、他の効果があってもよい。
【0095】
なお、本技術は以下のような構成もとることができる。
(1)表面にワイヤの一端が接続された基板と、
両面のうち一方の面に前記ワイヤの他端が接続された半導体素子と、
前記両面のうち他方の面の一部と前記基板の表面とを接着する接着部と、
前記基板の表面から前記他方の面の残りの部分へ突出する突起と
を具備する半導体パッケージ。
(2)前記接着部は、前記他方の面の中央部と前記基板の表面とを接着する
前記(1)記載の半導体パッケージ。
(3)前記突起は、アイランド状に形成される
前記(1)または(2)に記載の半導体パッケージ。
(4)前記半導体素子の形状は、矩形であり、
前記突起は、前記矩形の複数の辺のそれぞれに沿って線状に形成される
前記(1)または(2)に記載の半導体パッケージ。
(5)前記突起は、前記半導体素子の外周に沿って枠状に形成される
前記(1)または(2)に記載の半導体パッケージ。
(6)前記半導体素子は、固体撮像素子である
前記(1)から(5)のいずれかに記載の半導体パッケージ。
(7)表面にワイヤの一端が接続された基板と、
両面のうち一方の面に前記ワイヤの他端が接続された半導体素子と、
前記両面のうち他方の面の一部と前記基板の表面とを接着する接着部と、
前記基板の表面から前記他方の面の残りの部分へ突出する突起と、
前記半導体素子により生成された信号を処理する処理部と
を具備する電子装置。
(8)表面に突起が設けられた基板を製造する基板製造手順と、
前記基板の表面と半導体素子の両面のうち一方の面の一部とを接着して前記両面のうち他方の面と前記基板の表面とをワイヤにより接続する接続手順と
を具備する半導体パッケージの製造方法。
(9)前記基板製造手順において、前記基板の配線パターンを形成する際に前記突起を設ける
前記(8)記載の半導体パッケージの製造方法。
(10)前記基板製造手順において、前記基板を製造した後に前記基板に突起を設ける
前記(8)記載の半導体パッケージの製造方法。
【符号の説明】
【0096】
100 電子装置
110 光学部
120 DSP回路
130 表示部
140 操作部
150 バス
160 フレームメモリ
170 記憶部
180 電源部
200 半導体パッケージ
210 ガラス
220 ガラス搭載枠
230 固体撮像素子
231 画素アレイ部
240 基板
251、252 接着部
261 突起
270 ワイヤ
271、272 パッド
280 半田ボール
12031 撮像部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15