(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-22
(45)【発行日】2025-01-30
(54)【発明の名称】特定の水溶性ビタミンのための新規な送達システム
(51)【国際特許分類】
A61K 31/197 20060101AFI20250123BHJP
A61K 31/51 20060101ALI20250123BHJP
A61K 31/455 20060101ALI20250123BHJP
A61K 31/4415 20060101ALI20250123BHJP
A61K 31/4188 20060101ALI20250123BHJP
A61K 31/519 20060101ALI20250123BHJP
A61K 31/714 20060101ALI20250123BHJP
A61K 31/375 20060101ALI20250123BHJP
A61K 9/52 20060101ALI20250123BHJP
A61K 47/36 20060101ALI20250123BHJP
A61K 47/32 20060101ALI20250123BHJP
A61K 47/44 20170101ALI20250123BHJP
A61P 3/02 20060101ALI20250123BHJP
A23L 33/15 20160101ALI20250123BHJP
A23K 20/174 20160101ALI20250123BHJP
A23K 40/30 20160101ALI20250123BHJP
【FI】
A61K31/197
A61K31/51
A61K31/455
A61K31/4415
A61K31/4188
A61K31/519
A61K31/714
A61K31/375
A61K9/52
A61K47/36
A61K47/32
A61K47/44
A61P3/02 104
A61P3/02 105
A61P3/02 107
A23L33/15
A23K20/174
A23K40/30 B
(21)【出願番号】P 2021557809
(86)(22)【出願日】2020-04-09
(86)【国際出願番号】 EP2020060169
(87)【国際公開番号】W WO2020221574
(87)【国際公開日】2020-11-05
【審査請求日】2022-12-15
(32)【優先日】2019-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】503220392
【氏名又は名称】ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ.
【氏名又は名称原語表記】DSM IP ASSETS B.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【氏名又は名称】清水 義憲
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(72)【発明者】
【氏名】フンダ, エルガー
(72)【発明者】
【氏名】クラインツ, オディール
(72)【発明者】
【氏名】シュタイネール, ロベルト
【審査官】池田 百合香
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2001/072286(WO,A1)
【文献】特開2020-050657(JP,A)
【文献】特表2021-501676(JP,A)
【文献】Ghazi Ben Messaoud et al.,Carbohydrate Polymers,2016年,Vol.144,p.428-437
【文献】Mohammad Ali Khosravi Zanjani et al.,Iranian Journal of Pharmaceutical Research,2013年,Vol.13, No.3,p.843-852
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/00 ~ 33/44
A23L 33/00 ~ 33/29
A23L 10/00 ~ 10/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)ビタミンB
1、B
3、B
5、B
6、B
7、B
9、B
12及びCからなる群から選択される少なくとも1つの水溶性ビタミンを含む固体コア、並びに
(b)架橋されている、少なくとも1つの発酵性バイオポリマーを含む内側コーティング、及び
(c)胃内条件に対して抵抗性であり、且つ小腸内で放出する外側コーティング
からなり、
前記内側コーティングの材料は、アルギネート及びペクチンからなる群から選択され、
前記外側コーティングは、セラック、メタクリレートコポリマー及び脂質からなる群から選択される、送達製剤。
【請求項2】
前記水溶性ビタミンは、ビタミンCである、請求項1に記載の送達製剤。
【請求項3】
前記内側コーティン
グは、Zn、Mg及び/又はCaイオンで架橋されている、請求項1又は2に記載の送達製剤。
【請求項4】
バッチ式で行われる、請求項1~3のいずれか一項に記載の送達製剤を製造する方法。
【請求項5】
連続的に行われる、請求項1~3のいずれか一項に記載の送達製剤を製造する方法。
【請求項6】
請求項1~3のいずれか一項に記載の少なくとも1つの送達製剤を使用して、プレミックス、健康補助食品、食品、飼料製品、パーソナルケア製品又は医薬品を製造する方法。
【請求項7】
請求項1~3のいずれか一項に記載の少なくとも1つの送達製剤を含むプレミック
ス。
【請求項8】
請求項1~3のいずれか一項に記載の少なくとも1つの送達製剤を含む健康補助食品。
【請求項9】
請求項1~3のいずれか一項に記載の少なくとも1つの送達製剤を含む食品。
【請求項10】
請求項1~3のいずれか一項に記載の少なくとも1つの送達製剤を含む飼料製品。
【請求項11】
請求項1~3のいずれか一項に記載の少なくとも1つの送達製剤を含むパーソナルケア製品。
【請求項12】
請求項1~3のいずれか一項に記載の少なくとも1つの送達製剤を含む医薬品。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、特定の水溶性ビタミンの大腸への新規な送達システムに関する。これらの栄養成分は、単胃動物(ブタ及び家禽並びに魚など)、特にヒトにおいて腸及び代謝の健康に有用である。
【0002】
ここ数年中、腸の健康を促進する製品についての消費者の興味の増加が見られ得る。多くの新規な製品が発売され、広く消費者に受け入れられた。
【0003】
代謝及び免疫並びに肥満症、炎症、心血管疾患及び糖尿病に対する腸内微生物叢の潜在的影響についての調査も増加している。
【0004】
水溶性ビタミン(ビタミンB群及びビタミンC)は、(腸及び代謝の健康のためにも)重要な健康促進の化合物であることが知られている。
【0005】
水溶性ビタミンは、一般に、粉末の粒子又は顆粒として製剤化され、ビタミンは、封入用マトリックス材料中に埋め込まれる。通常、マトリックス材料は、胃内で容易に溶解し、即座にビタミンを放出する。したがって、ビタミンは、胃又は小腸内で吸収され、大腸に到達しない。
【0006】
小腸又は大腸における放出は、通常、制御放出のカプセル剤又は錠剤を用いて実現される。活性物質は、制御放出をもたらす1つ又は複数のコーティングでコートされているカプセル剤又は錠剤中に組み込まれる。しかしながら、送達システムとしての錠剤及びカプセル剤には、幾つかの欠点がある。単一の錠剤又はカプセル剤中に組み込むことができる活性物質の量は、利用可能な体積によって限定される。特に、極めて低年齢の患者及び高年齢の患者は、錠剤又はカプセル剤を嚥下することが困難である。カプセル剤及び錠剤の胃内での滞留時間は、極めて変わりやすく、放出は、極めて時間に正確であり、このため、活性物質の局所濃度が極めて高くなり、有害作用を引き起こし得る。
【0007】
粉末剤、顆粒剤、ビードレット剤又はペレット剤のような多粒子形態は、これらの欠点を克服する。しかしながら、多粒子の剤形に制御放出コーティングを塗布することは、錠剤又はカプセル剤と比較して比表面積が大きいために困難である。十分な厚さを備え、均等に分布したコーティング層を実現するために必要なコーティング材料の量は、錠剤又はカプセル剤より大幅に多く、本体荷重に利用可能な空間が減少する。
【0008】
小腸内で放出するのに適したコーティング材料は、多くの場合、pH感受性ポリマーを含む。この手法は、胃(pH1.5~3.5)及び小腸(pH5.5~6.8)から大腸(6.4~7.0)に漸増する消化管中のpH勾配の存在を利用する。最も一般的に使用されるpH依存性ポリマーは、アクリル酸及びセルロースの誘導体である。種々のpH依存性コーティングポリマーとしては、酢酸フタル酸セルロース(CAP)(Aquateric(登録商標))、ポリビニルアセテートフタレート(PVAP)(コーテリック(Coateric)(登録商標))、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP)及びメタクリレートコポリマー又はオイドラギット(Eudragit)として一般に知られているメタクリル酸コポリマーが挙げられる。
【0009】
pHに感受性のコーティング技術の重大な制約は、コーティングが溶解し始める部位及び環境が不確定であることである。消化管の運動性は、変動するため、腸溶コーティング単独では、小腸における早期薬物放出が起こり得る可能性がある。
【0010】
結腸領域における薬物放出の機序として消化管の細菌叢を使用することは、過去に研究者の大きい関心を引いた。細菌は、消化管全体に分布しているが、その大部分は、遠位の腸に存在する。結腸の細菌は、性質上、嫌気性が優勢であり、上部消化管内で消化を免れる炭水化物及びタンパク質など、内在性物質及び外来性物質の両方を代謝することができる酵素を分泌する。植物起源(例えば、ペクチン、グアーガム、イヌリン)、動物起源(例えば、キトサン、コンドロイチン硫酸)、藻類起源(例えば、アルギネート)又は微生物起源(例えば、デキストラン)の天然に産出するこれらの多糖類は、結腸を標的化して研究された。これらは、結腸の細菌叢により分解され、バクテロイデス(bacteroides)及びビフィズス菌(bifidobacteria)のような糖分解をする種により単純な糖類になる[Jose,S.,K.Dhanya,T.A.Cinu,J.Litty and A.J.Chacko(2009),“Colon targeted drug delivery:different approaches.”J.Young Pharm.1(1):13~19]。
【0011】
これらのポリマーの多くは、特異的に大腸内で分解されるが、性質上、親水性であり、上部消化管の条件に曝露されると膨潤し、早期薬物放出をもたらす。さらに、これらの発酵性は、通常、溶解すると極めて高粘度を示し、このため、高濃度での処理が困難又は不可能になる。
【0012】
発酵性バイオポリマーは、封入用マトリックスとして使用されてきた。マトリックス封入において、活性物質は、保護マトリックス(この場合には発酵性バイオポリマー)中に均質に分布する。しかしながら、マトリックス封入には、幾つかの重大な欠点がある。バイオポリマーが高粘度であるため、例えば噴霧乾燥又はゲル封入において、マトリックス溶液は、極めて濃度が低く、乾燥することが困難且つ高価になる。マトリックス封入における本体荷重は、相対的に低い(通常50%未満)。
【0013】
ここで、本発明の目的は、特定の水溶性ビタミンが胃及び小腸を通して移動する間(大腸内で放出される前)の安定性を改善する、改善された多粒子送達システム(製剤)を発見し、特定の水溶性ビタミンの利用能及び有効性を改善することであった。
【0014】
さらに、この新規な送達システムは、簡便且つ工業的に適用可能な方法で製造可能であるべきである。
【0015】
ビタミンB1、B3、B5、B6、B7、B9、B12及びCからなる群から選択される少なくとも1つの特定の水溶性ビタミンを含む固体コアが特定の内側コーティング及び特定の外側コーティングでコートされる場合、送達システムは、改善された特性を有することが判明した。さらに、送達システムは、バッチ式及び連続的な方法で製造することができる。
【0016】
換言すると、新規な送達システムは、ビタミンB2を除く全ての水溶性ビタミンに適している。
【0017】
本発明による新規な送達システム(DS)は、
(a)ビタミンB1、B3、B5、B6、B7、B9、B12及びCからなる群から選択される少なくとも1つの水溶性ビタミンを含む固体コア、並びに
(b)架橋されている、少なくとも1つの発酵性バイオポリマーを含む内側コーティング、及び
(c)胃内条件に対して抵抗性であり、且つ小腸内で放出する外側コーティング
からなる。
【0018】
本発明による新規な送達システム(DS1)は、
(a)少なくとも1つの水溶性を含む固体コア、並びに
(b)架橋されている、少なくとも1つの発酵性バイオポリマーを含む内側コーティング、及び
(c)胃内条件に対して抵抗性であり、且つ小腸内で放出する外側コーティング
からなるが、但し、ビタミンB2は、この範囲から除外される。
【0019】
必要及び所望に応じて、他の栄養補助成分をコア(又はコーティング中に組み込むことができる。栄養補助成分とは、動物において健康上の利益をもたらす化合物である。
【0020】
特定の水溶性ビタミンとして好ましいものは、ビタミンCである。
【0021】
したがって、本発明は、特定の水溶性ビタミンがビタミンCである、送達システム(DS)又は(DS1)である送達システム(DS1’)に関する。
【0022】
本発明による送達システムは、定義されている基準を満たす必要がある内側コーティングを含む。内側コーティング(発酵性バイオポリマー)に適した材料は、例えば、アルギネート、キトサン、ペクチン、シクロデキストリン及び他のガムである。内側コーティングに好ましいコーティング材料は、アルギネート又はペクチンである。
【0023】
内側コーティングは、架橋されている。これは、一般に知られている架橋化合物によって行われ得る。アルギネートが使用される場合、それは、Zn、Mg及び/又はCaイオン(塩の使用による)によって行われ得る。架橋剤は、内側コーティングを塗布した後又はそれと同時に固体コアに噴霧することができる。又は、コートした粒子を、架橋剤を含む溶液中に浸漬することができる。
【0024】
好ましくは、架橋剤は、内側コーティング層を塗布した後に粒子に噴霧される。
【0025】
本発明の別の利点は、本発明による新規な送達システムの製造がバッチ式及び連続的に行われ得ることにもある。先行技術から知られているシステムとは対照的に、このような製品の工業生産を考慮した場合にも、これは、大きい利点である。その方法の詳細は、以下に開示される。
【0026】
したがって、本発明は、内側コーティングの材料が、アルギネート、キトサン、ペクチン、シクロデキストリン及び他のガムからなる群から選択される、送達システム(DS)、(DS1)又は(DS1’)である送達システム(DS2)に関する。
【0027】
したがって、本発明は、内側コーティングの材料がアルギネート又はペクチンである、送達システム(DS2)である送達システム(DS2’)に関する。
【0028】
内側コーティング層は、コアを(ほぼ)完全に被覆している。理想的には、(内側コーティングの層は、固体コアに塗布した場合に(ほぼ)同じ厚さを有する。
【0029】
通常、内側コーティング層の厚さは、少なくとも5μmであり、20μm以下である。
【0030】
好ましくは、内側コーティング層の厚さは、5μm~10μmである。
【0031】
したがって、本発明は、内側コーティング層の厚さが5μm~10μmである、送達システム(DS)、(DS1)、(DS1’)、(DS2)又は(DS2’)である送達システム(DS3)に関する。
【0032】
内側コーティング層は、少なくとも1つの架橋剤で架橋されている。任意の好適な架橋剤を使用することができる。Zn、Mg及びCaイオン(これらは、塩の形態で添加される)が極めて好適である(したがって、好ましい。
【0033】
したがって、本発明は、内側コーティング層が少なくとも1つの架橋剤(好ましくは、Zn、Mg及び/又はCaイオン)で架橋されている、送達システム(DS)、(DS1)、(DS1’)、(DS2)、(DS2’)又は(DS3)である送達システム(DS4)に関する。
【0034】
したがって、本発明は、架橋されている内側コーティング層がNaアルギネート又はペクチンである、送達システム(DS)、(DS1)、(DS1’)、(DS2)、(DS2’)、(DS3)又は(DS4)である送達システム(DS5)に関する。
【0035】
本発明による送達システムは、定義されている基準を満たす必要がある外側コーティングを含む。外側コーティングについて基準を満たす好適な材料は、例えば、セラック、メタクリレートコポリマー及び脂質である。
【0036】
したがって、本発明は、外側コーティングの材料が、セラック、メタクリレートコポリマー及び脂質からなる群から選択される、送達システム(DS)、(DS1)、(DS1’)、(DS2)、(DS2’)、(DS3)、(DS4)又は(DS5)である送達システム(DS6)に関する。
【0037】
外側コーティング層は、内側コーティングを(ほぼ)完全に被覆している。理想的には、外側コーティング層は、内側コーティングに塗布した場合に(ほぼ)同じ厚さを有する。
【0038】
通常、外側層の厚さは、少なくとも10μmであり、通常、30μm未満である。
【0039】
好ましくは、外側コーティング層の厚さは、10~20μmである。
【0040】
したがって、本発明は、外側コーティング層の厚さが10μm~20μmである、送達システム(DS)、(DS1)、(DS1’)、(DS2)、(DS2’)、(DS3)、(DS4)、(DS5)又は(DS6)である送達システム(DS7)に関する。
【0041】
本発明による送達システムの固体コアは、通常、送達システムの総重量を基準として10~85重量%、好ましくは50~75重量%である。
【0042】
したがって、本発明は、送達システムの固体コアが、送達システムの総重量を基準として10~85重量%、好ましくは50~75重量%である、送達システム(DS)、(DS1)、(DS1’)、(DS2)、(DS2’)、(DS3)、(DS4)、(DS5)、(DS6)又は(DS7)である送達システム(DS8)に関する。
【0043】
本発明による送達システムの内側コーティングは、通常、送達システムの総重量を基準として1~20重量%、好ましくは1~10重量%である。
【0044】
したがって、本発明は、送達システムの内側コーティングが、送達システムの総重量を基準として10~85重量%、好ましくは1~10重量%である、送達システム(DS)、(DS1)、(DS1’)、(DS2)、(DS2’)、(DS3)、(DS4)、(DS5)、(DS6)、(DS7)又は(DS8)である送達システム(DS9)に関する。
【0045】
本発明による送達システムの外側コーティングは、通常、送達システムの総重量を基準として1~30重量%、好ましくは15~30重量%である。
【0046】
したがって、本発明は、送達システムの外側コーティングが、送達システムの総重量を基準として1~30重量%、好ましくは15~30重量%である、送達システム(DS)、(DS1)、(DS1’)、(DS2)、(DS2’)、(DS3)、(DS4)、(DS5)、(DS6)、(DS7)、(DS8)又は(DS9)である送達システム(DS10)に関する。
【0047】
本発明による送達システムは、サイズが2mmまでであり得る。サイズは、粒子の最長径によって規定される。粒子の形状は、本発明の重要な特徴ではない。粒子のサイズ分布も重要ではない。粒子のサイズ及び形状は、主に送達システムの固体コアによって規定される。送達システムの使用に依存して、サイズを調整することができる。
【0048】
本発明による送達システムは、一般に知られている技術によって製造される。
【0049】
通常、固体コアが最初の工程において製造され、次に内側コーティング及び外側コーティングが塗布される。
【0050】
固体コア粒子は、既知の方法、例えば噴霧乾燥、凝集、造粒、マイクロ錠の打錠、押出又は押出-球状化などによって製造することができる。
【0051】
上に開示されているように、新規な送達システムの主な利点の1つ(送達システムの特性の他に)は、送達システムを製造する方法にある。
【0052】
新規な送達システムは、バッチ式又は連続的に製造することができる。
【0053】
バッチ式で製造される場合、新規な粒子は、以下のように製造することができる。第1の工程において、固体コアを噴霧コーティングにより内側コーティングのコーティング材料でコートし、次にこの粒子に架橋剤を噴霧する。第2の工程において、前の工程によって得られた粒子に外側コーティングを噴霧し、最後に粒子を乾燥させる。
【0054】
本方法の利点は、造粒又は凝集による固体コアの生成を含む工程を同一の装置(流動床処理装置)内で行うことができ、技術的労作が抑えられることである。それでもなお、即ち固体コアを最初に製造し、それを保管し、次にそれをコートすることも可能である。
【0055】
新規な送達システムの製造の方法の別の選択肢は、連続的な方法であり、固体コアを最初に製造し、次にコーティング工程を行って次々と粒子に噴霧する。これらの方法は、工業規模に適用するのに理想的である。
【0056】
したがって、本発明は、バッチ式で行われる、粒子(DS)、(DS1)、(DS1’)、(DS2)、(DS2’)、(DS3)、(DS4)、(DS5)、(DS6)、(DS7)、(DS8)、(DS9)又は(DS10)のいずれかの製造方法(P)にも関する。
【0057】
したがって、本発明は、連続的に行われる、粒子(DS)、(DS1)、(DS1’)、(DS2)、(DS2’)、(DS3)、(DS4)、(SD5)、(DS6)、(DS7)、(DS8)、(DS9)又は(DS10)のいずれかの製造方法(P1)にも関する。
【0058】
本発明による新規な送達システム(DS)、(DS1)、(DS1’)、(DS2)、(DS2’)、(DS3)、(DS4)、(DS5)、(DS6)、(DS7)、(DS8)、(DS9)及び/又は(DS10)は、それ自体で使用することができるか、又は適用形態に組み込むことができる。
【0059】
新規な送達システム((DS)、(DS1)、(DS1’)、(DS2)、(DS2’)、(DS3)、(DS4)、(DS5)、(DS6)、(DS7)、(DS8)、(DS9)及び/又は(DS10)は、それ自体で任意の健康補助食品、食品、飼料製品、パーソナルケア製品又は医薬品において使用することができる。
【0060】
新規な送達システム(DS)、(DS1)、(DS1’)、(DS2)、(DS2’)、(DS3)、(DS4)、(DS5)、(DS6)、(DS7)、(DS8)、(DS9)又は(DS10)は、プレミックス製剤の一部でもあり得、その後、プレミックス製剤を使用して、任意の健康補助食品、食品、飼料製品、パーソナルケア製品又は医薬品を製剤化することができる。
【0061】
本発明は、少なくとも1つの送達システム(DS)、(DS1)、(DS1’)、(DS2)、(DS2’)、(DS3)、(DS4)、(DS5)、(DS6)、(DS7)、(DS8)、(DS9)又は(DS10)を使用して、プレミックス、健康補助食品、食品、飼料製品、パーソナルケア製品又は医薬品を製造する方法にも関する。
【0062】
本発明は、少なくとも1つの送達システム(DS)、(DS1)、(DS1’)、(DS2)、(DS2’)、(DS3)、(DS4)、(DS5)、(DS6)、(DS7)、(DS8)、(DS9)又は(DS10)を含むプレミックス、健康補助食品、食品、飼料製品、パーソナルケア製品又は医薬品にも関する。
【0063】
以下の実施例は、本願において特許請求される本発明の特定の実施形態を例示する役割を果たす。パーセンテージは、全て重量に関して記載され、温度は、全て摂氏度で記載される。
【0064】
[実施例]
[実施例1]
Na-アルギネート(grinstedアルギン酸ナトリウム)15gを水485gに60℃で撹拌しながら溶解する。塩化Ca二水和物31.5gを水98.5gに溶解する。ビタミンC粉末(アスコルビン酸、DSM)100gを流動床処理装置(WFPミニ、DMR、ウースター(Wurster)構成)に充填する。コーティング工程は、全て50~60℃の製品温度で実行される。最初にアルギネート溶液を、流動化しているアスコルビン酸粉末に噴霧する。アルギネート溶液を噴霧した後、フィード管を水で簡単にすすぐ。塩化Ca溶液を内側コーティングに製品温度53℃で噴霧して硬化させる。溶液が硬化した後、固体含量25%のセラック水溶液調製物154g(SSB Aquagold、Stroever)を外側コーティングとして噴霧する。セラックを噴霧した後、製品を流動床内で乾燥させる。
【0065】
コートされた最終粒状物の組成は、アスコルビン酸65%、アルギネート9%、塩化Ca1%及びセラック25%である。